JP2014236592A - 回転電機用ロータおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータコアと回転軸との接触部の位相をずらすことにより、回転軸のセレーションの座屈を抑制し、ロータコアを回転軸に確実に保持できる回転電機用ロータおよびその製造方法を提供する。【解決手段】回転軸7は、4つのロータコア2固定用のキー溝8を所定角度位相をずらして形成されている。軸方向に4つの段に分割されたロータコア2の各段コアは、キー9をキー溝8の位置に合わせて周方向に位置をずらして永久磁石3を段積みする構造とされ、ロータコア2に段スキューを設ける。また、ロータコア2の内周面と回転軸7の外周面とは隙間を設け、各段コアの4つの突起部10は、回転軸7の外周面と一部分で接触し、回転軸7の各段コアの接触部は周方向にずれて配置される。【選択図】図2
Description
本発明は、電動モータなどの永久磁石式回転電機用ロータおよびその製造方法に関するものである。
従来、電動パワーステアリング装置や車両用駆動装置の駆動源として用いられる電動モータなどの永久磁石式回転電機の出力トルクに生じる脈動を抑制するために、例えば、ロータにおける永久磁石の磁極境界を軸方向から傾斜させるスキューが設けられている。ところが、永久磁石としてセグメント磁石を用いた場合、着磁によってスキューを設けることができないので、例えば、ロータにおける永久磁石を軸方向に複数の段に分割し各段の間で周方向の位置をずらすことによりスキューを設けることにより、すなわち、段スキュー(段積み)によりコギングトルクやトルクリップルを低減させた回転電機用ロータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
通常、電動モータのロータは、電磁鋼板を打ち抜いて積層して形成されたロータコアに、例えば外周面にセレーションが設けられたシャフト(回転軸)を圧入して形成される。しかしながら、ロータコアを回転軸に挿入する場合、回転軸のセレーションは硬度の高いロータコア内周部と接触し圧入荷重により圧入開始端側が座屈を起しやすくなる。このため、特に回転軸の圧入先端部においてロータコアの保持力が低下する可能性がある。また、電動モータの高出力化に対してモータサイズが大型化し、ロータコアが軸方向に長くなると、荷重が高くなり圧入しにくくなったり、回転軸は圧入距離が長くなるため、回転軸のセレーションがより座屈しやすくなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ロータコアと回転軸との接触部の位相をずらすことにより、回転軸のセレーションの座屈を抑制し、ロータコアを回転軸に確実に保持できる回転電機用ロータおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、回転電機用ロータにおいて、外周面にセレーションが設けられた回転軸と、複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向に形成された複数のスロットに永久磁石が収容され、前記回転軸に一体的に固定されたロータコアと、を備え、前記回転軸は、外周面の周方向に所定の角度を有して複数の凹部が軸方向に形成され、前記ロータコアは、軸方向に複数の段に分割され、前記凹部の位相に合わせて各段の間で周方向の位置を均等にずらすことにより、前記永久磁石に段スキューが設けられていることを要旨とする。
上記構成によれば、ロータコアを軸方向に複数の段に分割し、回転軸に複数のロータコア固定用の凹部を形成し、凹部の位置に合わせて互いに隣接する各段の間で周方向の位置を均等にずらして分割されたロータコアに収容された永久磁石を段積み構造とするようにしたので、回転軸のセレーションの座屈を抑制し、ロータコアを回転軸に確実に保持できる。これにより、ロータコア内の永久磁石に段スキューを設けることができるので、回転電機におけるコギングトルクおよびトルクリップルを抑制することができる。その結果、回転電機の出力トルクに含まれる脈動を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転電機用ロータにおいて、前記ロータコアは、内周面の一部分に径方向内側に突出した複数の突起部が形成され、前記回転軸の外周面に接触することを要旨とする。上記構成によれば、回転電機用ロータの回転軸とロータコアとは周方向の一部分で接触し、段スキューを設けることにより分割されたロータコアと回転軸との接触部の位置がずれるため、回転軸の外周面のセレーションが座屈しにくくなる。これにより、分割されたロータコアの圧入時に座屈したセレーションと残りの他段の分割されたロータコアの突起部が接触することがないので、ロータコアを回転軸に確実に保持することができる。
請求項3に記載の発明は、回転電機用ロータの製造方法において、外周面にセレーションが設けられた回転軸と、複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向に形成された複数のスロットに永久磁石が収容され、前記回転軸に一体的に固定されたロータコアと、を備え、前記回転軸は、外周面の周方向に所定角度位相を均等にずらして第1、第2、第3、および第4の凹部が軸方向に形成され、前記ロータコアは、軸方向に第1、第2、第3、および第4の段に分割され、前記各段には内周面の径方向内側に突出してそれぞれ位相の異なる前記凹部に嵌め込まれる凸部と、内周面の一部分に径方向内側に突出して前記回転軸を支持する複数の突起部と、が形成され、前記ロータコアの前記各段を前記回転軸に前記第1、第2、第3、および第4の段の順に圧入嵌合することにより、前記永久磁石に段スキューが設けられることを要旨とする。
上記構成によれば、互いに隣接する4つに分割されたロータコアを、回転軸の外周面に形成された4つの凹部の位相に合わせ均等に配置をずらして、順に回転軸に軸方向に圧入することにより、永久磁石に段スキューを設けることができる。これにより、ロータコアを回転軸の凹部を位相基準にして所定の位相となるように回転軸に組み付けることができる。また、ロータコアが複数の突起部により回転軸に確実に保持されるので、ロータコアの同軸度を確保することができる。
本発明によれば、ロータコアと回転軸との接触部の位相をずらすことにより、回転軸のセレーションの座屈を抑制し、ロータコアを回転軸に確実に保持できる回転電機用ロータおよびその製造方法を提供できる。
次に、本発明の実施形態の回転電機に用いられるロータとして、IPMモータのロータについて図に基づいて説明する。なお、以下の説明において、軸線方向、および径方向とは、回転電機用ロータ1(ロータコア2)の軸方向および半径方向を指す。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転電機用ロータ1の軸線方向に沿った縦断面図、図2は、図1におけるA−A方向から見た回転電機用ロータ1の径方向の断面図である。回転電機は、例えば、車両に搭載され、ステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置や駆動力を発生させる電動式4輪駆動装置などの駆動源用の電動モータとして用いられる。図1および図2に示すように、回転電機用ロータ1は、回転電機の回転軸(シャフト)7と一体回転可能に固定される円柱状のロータコア2と永久磁石3とを備えて構成されている。回転軸7は、円柱状に形成されており、両端が図示しないモータハウジングに設けられた軸受11を介して回転可能に支持されている。ロータコア2には、複数(本実施形態では、12個)の永久磁石3がそれぞれ埋設されて固定されている。すなわち、本実施形態の回転電機用ロータ1は、いわゆる埋込磁石型のロータとして構成されている。このように構成された回転電機は、図示しないステータの各コイルに駆動電力が供給されることにより形成される回転磁界と、永久磁石3の磁束との間に生じる磁気的な吸引力および反発力により回転電機用ロータ1が回転する構成となっている。
ロータコア2は、軟磁性材料(例えば、鉄や電磁鋼板など)からなる強磁性体の薄板円盤状のロータプレート4が複数枚軸線方向に積層され、回転軸7が挿入される挿入孔6を有する円柱状に形成されている。ロータコア2には、例えば略台形板状の永久磁石3がそれぞれ内部に配置される複数(本実施形態では、12個)のスロット5が形成されている。なお、本実施形態のスロット5は、それぞれ永久磁石3の断面形状と略同一の断面形状を有する孔(空洞)状に形成されている。永久磁石3は、ロータコア2の外周縁の近傍に30度間隔で軸線方向に貫通形成されたスロット5にそれぞれ収容され、ロータコア2に固着保持されている。
ここで、永久磁石3は、周方向において等間隔に一方の極性(例えば、N極)の永久磁石3が、他方の極性(例えば、S極)の永久磁石3に隣り合うように磁化(着磁)されている。永久磁石3は、それぞれの板厚方向と略沿う方向に磁化されており、ロータコア2の外周縁は永久磁石3の磁束が通過する磁路となっている。なお、本実施形態の永久磁石3には、焼結磁石(例えば、ネオジムなど)からなるセグメント磁石が用いられており、永久磁石3は、スロット5内に配置固定された後に着磁されるようになっていてもよいし、先に着磁したものをスロット5内に配置固定してもよい。
本実施形態において、ロータコア2は、軸線方向に各段コア2a,2b,2c,2dの4つの段に分割され、各段コア2a,2b,2c,2dの間で周方向の位置をずらして4段積みすることにより所定の角度を有した段スキューが形成されている。なお、回転軸7の外周面にはセレーションが形成され、ロータコア2の内周面と結合されている。ロータコア2は、回転軸7に図1に矢印で示す方向に圧入され、各段コア2aの一端(図1中、左側)がフランジ部12に当接し固定されている。
また、図2に示すように、各段コア2a,2b,2c,2dの内周面には、径方向外側に突出した回転軸7へ所定の位相で固定するための基準となる1つのキー(凸部)9と、一部分が回転軸7の外周面に接触するように複数(本実施形態では、4ヶ所)の突起部10とがそれぞれ周方向に配置され、軸線方向に平行に形成されている。各段コア2a,2b,2c,2dは、キー9および突起部10の配置が同一形状に形成されており、周方向に所定の角度だけ位置をずらすことによりロータコア2を形成している。すなわち、各段コア2a,2b,2c,2d内の永久磁石3は、軸線方向に対して斜めに並ぶように配置されている。
次に、図3(a)は、回転軸7の斜視図、図3(b)は、回転軸7のキー溝(凹部)8を示す断面図である。回転軸7は、金属材料(例えば、鉄など)からなり円柱状に形成されている。図3(a)および(b)に示すように、外周面には複数の歯が軸線方向に延びるとともに周方向に配列されたセレーション14が設けられ、径方向内側に凹んだ、例えば、4つのキー溝8が周方向に所定の角度を有して軸線方向に平行に形成されている。これらのキー溝8にはロータコア2に形成されたキー9(図2参照)が嵌め込まれ、ロータコア2と回転軸7とが固定されている。
次に、回転電機用ロータ1の製造方法について図4(a)〜(d)、および図5を参照して説明する。図2に示すように、永久磁石3は、ロータコア2の軸線方向に直線状に形成されている。ここで、ロータコア2は、例えば、表面に絶縁処理が施された珪素鋼板などを用いた電磁鋼板を円盤状に打ち抜いて所定の形状に形成された複数枚の薄板状の積層鋼板からなるロータプレート4が回転電機用ロータ1の軸線方向に積層固定された積層体である。
具体的には、ロータコア2は、軸線方向に4つの段(各段コア2a,2b,2c,2d)に分割されており、例えば、各段コア2a,2b,2c,2dを形成する各ロータプレート4の向きを回転させて軸線方向に積層し、12個のスロット5を形成する(積層工程)。そして、この各スロット5に永久磁石3を挿入固定後にスロット5の隙間に樹脂が充填され(成形工程)、ロータコア2(各段コア2a,2b,2c,2d)が成形された後、スロット5内に配置された永久磁石3が着磁されるようになっている(着磁工程)。着磁された各段コア2a,2b,2c,2dは、所定の角度だけ位相(周方向位置)をずらしてキー溝8とキー9との位置を合わせて回転軸7に1段目(各段)コア2aから順に圧入され、段スキューが形成される(圧入工程)。
次に、図4(a)〜(d)は、各段コア2a,2b,2c,2dと回転軸7のキー溝8との関係を示す図である。図4(a)に示すように、1段目コア2aは、キー9が回転軸7のキー溝8aの位置に嵌め込まれて回転軸7に固定される。同様に、図4(b)〜(d)に示すように、2段目コア2bは、キー9がキー溝8bに嵌め込まれ、3段目コア2cは、キー9がキー溝8cに嵌め込まれ、4段目コア2dは、キー9がキー溝8dに嵌め込まれて、それぞれ回転軸7に固定される。すなわち、回転軸7の外周面に所定の角度だけ周方向に位相が均等にずれた複数のキー溝8を設け、4段に分割した各段コア2a,2b,2c,2dをずれたキー溝8a,8b,8c,8dにそれぞれ嵌め込んでいくことにより、永久磁石3の段スキューが構成される。ここで、隣り合うキー溝8a,8b,8c,8dの間隔は一方向に等角度に設定されている。
本実施形態では、軸線方向に同磁極(N極またはS極)の1組を構成する4つの永久磁石3の並ぶ方向に沿った直線(図示せず)をロータコア2の側面上に想定した場合に、直線の一端(図1参照、1段目コア2aの左端面側)と他端(図1参照、4段目コア2dの右端面側)とが回転軸7に対してなす角度(回転軸中心に向う直線間の角度)をスキュー角度に設定して4段積みスキューが設けられている。すなわち、軸線方向に同一組を構成する各段コア2a,2b,2c,2dの永久磁石3は、隣接する各段コア間でスキュー角度/4だけ周方向に互いにずれている。
ここで、永久磁石3の磁束(密度)分布の軸線方向の積分値が正弦波状に近くなるようにスキュー角度を設けるのが望ましい。また、ロータコア2の形状を変化させることで磁束密度のピーク値をもつ角度を変化させることができる。これにより、周方向の磁束密度分布を任意の形状で変化させることが可能で、上記の段スキューを設けることにより磁束密度分布の軸線方向の積分値を正弦波状に近づけることができる。
また、図4(a)に示すように、1段目コア2aの内周面の一部分に形成された4つの突起部10は。それぞれ回転軸7の外周面のセレーションに接触して固定されるようになっている。同様に、図4(b)〜(d)に示すように、2〜4段目(各段)コア2b,2c,2dに形成された各突起部10も回転軸7の外周面のセレーションに接触し固定されている。ここで、4つの突起部10は、90°の等角度の間隔で配置されている。
図5は、回転軸7における各段コア2a,2b,2c,2dとの接触部13を示す概略図である。図5に示すように、回転軸7の各段コア2a,2b,2c,2dが配置される外周面7a,7b,7c,7dにおいて、各段コア2a,2b,2c,2dと接触する接触部13はそれぞれ周方向に所定の角度だけずれて配置される。このため、例えば、各段コア2a,2b,2cの圧入時にセレーションが座屈した場合であっても、残りの各段コア2b,2c,2dは、回転軸7に対して座屈していない周方向に異なる位置で接触して固定されるので、回転軸7とロータコア2との間の保持力の低下を防止し、回転軸7を確実に保持することができる。
次に、上記のように構成された本発明の実施形態に係る回転電機用ロータ1の作用および効果について説明する。
本実施形態の構成によれば、ロータコア2は、軸方向に複数(本実施形態では、4つ)の段(各段コア2a,2b,2c,2d)に分割され、内周面に径方向内側に突出する1つのキー9を備える。回転軸7の外周面には、複数(本実施形態では、4つ)のロータコア2固定用のキー溝8が所定の角度を有して位相を均等にずらして形成されている。キー溝8の位相に合わせて軸方向に互いに隣接する各段コア2a,2b,2c,2dの間で周方向の位置をずらしてロータコア2に収容された永久磁石3を段積み構造とするようにしたので、ロータコア2に4段積みスキューを設けることができる。また、各段コア2a,2b,2c,2dの内周面と回転軸7の外周面とは隙間を設け、各段コア2a,2b,2c,2dの突起部10と、回転軸7の外周面とが一部分で接触するようにしたので、各段コア2a,2b,2c,2dの突起部10と接触する回転軸7の接触部13は周方向に所定の角度だけずれて配置される。
これにより、ロータコア2内の永久磁石3に段スキューを設けることができるので、回転電機におけるコギングトルク、およびトルクリップルを抑制することができる。その結果、回転電機の出力トルクに含まれる脈動を低減することが可能になる。また、段スキューを設けることによりロータコア2と回転軸7との接触部13の位置がずれるため、回転軸7の外周部のセレーションが座屈しにくくなり、座屈した場合であっても、圧入時に座屈したセレーションと残りの他の各段コアの突起部10が接触することがないので、回転軸7とロータコア2との間の保持力の低下を防止し、ロータコア2を回転軸7に確実に保持することができる。
さらに、上記実施形態の製造方法によれば、回転軸7の外周面に形成された4つのキー溝8(8a,8b,8c,8d)の位相をずらして、互いに隣接する分割された各段コア2a,2b,2c,2dを回転軸7に対して軸方向に1段目コア2aから4段目コア2dまで順に圧入嵌合することにより、ロータコア2内の永久磁石3に4段積みスキューを設けて回転電機用ロータ1を形成することができる。
これにより、ロータコア2を回転軸7のキー溝8を位相基準にして所定の位相となるように回転軸7に容易に組み付けることが可能になる。また、ロータコア2が各段コア2a,2b,2c,2dにそれぞれ設けられた4つの突起部10により回転軸7に確実に保持されるので、ロータコア2の同軸度を確保することができる。
以上のように、本発明の実施形態によれば、ロータコアと回転軸との接触部の位相をずらすことにより、回転軸のセレーションの座屈を抑制し、ロータコアを回転軸に確実に保持できる回転電機用ロータおよびその製造方法を提供することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
上記実施形態では、ロータコア2を軸方向に4つに分割した4段積みスキューを形成した場合について説明したが、これに限らず、ロータコア2はいずれの段数(例えば、2段、3段)に分割されていてもよい。
上記実施形態では、回転軸7の外周面にセレーション加工を施す場合を示したが、これに限らず、例えば、ローレット(ナーリング)加工を施してもよい。
上記実施形態では、回転軸7の外周面に4つのキー溝8を所定の角度を有して設けるようにしたが、これに限らず、他のキー溝8の個数、および配置角度を適用してもよい。また、ロータコア2の内周面の突起部10の個数、および配置角度も他の設定であってもよい。
図6(a)および(b)は、第2および第3の実施形態に係る回転電機用ロータ1の断面図である。図6(a)は、4段目コア2dと回転軸7のキー溝8(8a〜8d)との関係を示しており、回転軸7の外周面にはキー溝8を第1の実施形態と同様に配置し、各段コア(2a〜2d)の内周面には所定の角度を有してキー9と、5つの突起部10とが設けられている。また、図6(b)は、同じく4段目コア2dと回転軸7のキー溝8(8a〜8d)との関係を示しており、第1および第2の実施形態に対して回転軸7の外周面のキー溝8間の間隔が大きく設定され、各段コア(2a〜2d)の内周面にキー9と、3つの突起部10とが所定の角度を有して配置されている。ここで、隣り合うキー溝8(8a,8b,8c,8d)の間隔は一方向に等角度に設定されている。なお、突起部10は、キー溝8との位置が重なることを避けて回転軸7の外周面に確実に接触するように配置するのが望ましい。
上記実施形態では、直線状スキューを設ける例を説明したが、これに限らず、スキュー形状は曲線状に設けられたものであってもよい。また、ロータコア2(ロータプレート4)の平面形状も、あらかじめ磁極の中央部が径方向外側に突出した形状を有していてもよい。この場合、スキューが形成されて、軸線方向積分の磁束密度分布をより正弦波状に近づけることができる。
上記実施形態では、本発明を電動パワーステアリング装置や電動式駆動装置の駆動源に用いられる電動モータなどの回転電機に具体化したが、これに限らず、他の装置の駆動源として用いてもよく、また、発電機として用いてもよい。
1:回転電機用ロータ、2:ロータコア、2a,2b,2c,2d:各段コア(第1〜第4段)、3:永久磁石、4:ロータプレート、5:スロット、6:挿入孔、7:回転軸、7a,7b,7c,7d:コア取り付け部、8:キー溝(凹部)、
8a,8b,8c,8d:キー溝(第1〜第4凹部)、9:キー(凸部)、10:突起部、11:軸受、12:フランジ部、13:コア接触部、14:セレーション
8a,8b,8c,8d:キー溝(第1〜第4凹部)、9:キー(凸部)、10:突起部、11:軸受、12:フランジ部、13:コア接触部、14:セレーション
Claims (3)
- 外周面にセレーションが設けられた回転軸と、
複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向に形成された複数のスロットに永久磁石が収容され、前記回転軸に一体的に固定されたロータコアと、を備え、
前記回転軸は、外周面の周方向に所定の角度を有して複数の凹部が軸方向に形成され、
前記ロータコアは、軸方向に複数の段に分割され、前記凹部の位相に合わせて各段の間で周方向の位置を均等にずらすことにより、前記永久磁石に段スキューが設けられていることを特徴とする回転電機用ロータ。 - 請求項1に記載の回転電機用ロータにおいて、
前記ロータコアは、内周面の一部分に径方向内側に突出した複数の突起部が形成され、前記回転軸の外周面に接触することを特徴とする回転電機用ロータ。 - 外周面にセレーションが設けられた回転軸と、
複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向に形成された複数のスロットに永久磁石が収容され、前記回転軸に一体的に固定されたロータコアと、を備え、
前記回転軸は、外周面の周方向に所定角度位相を均等にずらして第1、第2、第3、および第4の凹部が軸方向に形成され、
前記ロータコアは、軸方向に第1、第2、第3、および第4の段に分割され、前記各段には内周面の径方向内側に突出してそれぞれ位相の異なる前記凹部に嵌め込まれる凸部と、内周面の一部分に径方向内側に突出して前記回転軸を支持する複数の突起部と、が形成され、
前記回転軸に前記ロータコアの前記各段を前記第1、第2、第3、および第4の段の順に圧入嵌合することにより、前記永久磁石に段スキューが設けられることを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
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