JP6314479B2 - 回転電機用ロータの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータおよび発電機として用いられる回転電機用ロータの製造方法に関するものである。
従来、回転電機には、ロータコアに永久磁石を埋め込み固定した、いわゆる埋込磁石型のロータを備えたものがある。このロータは、例えば、強磁性板を積層したロータコアに形成された軸方向に延在する直方体状のスロットに、直方体状の永久磁石を挿入し径方向と直交するように配置したものが知られている。こうした埋込磁石型のロータを備えた回転電機(以下、IPMモータという)では、永久磁石によるマグネットトルク(以下、磁石トルクという)のみならず、リラクタンストルクも利用することができる。例えば、特許文献1には、ロータコアの円周方向における複数箇所に等ピッチで配設された永久磁石を備えたIPMモータが記載されている。しかし、IPMモータではロータコアの外周縁とスロットの端部との間の薄肉のブリッジ部において、ロータ回転トルクに寄与しない無効な漏れ磁束が発生する。そこで、例えば、特許文献2には、ブリッジ部を非磁性化して漏れ磁束を減少させたロータが提案されている。
特開2004−32947号公報 特開2003−304670号公報
特許文献1に記載のIPMモータは、電磁鋼板を打ち抜く金型によりロータコアに非対称の形状の突極が形成されている。したがって、設計変更などにより永久磁石や電磁鋼板のグレードを変更する場合、磁石トルクおよびリラクタンストルクの大きさが変化するので、ロータコアを製作するための金型を変更する必要があり、コスト高となる。また、IPMモータは、コギングトルクやトルクリップルが大きく、異音が発生しやすい。このため、特許文献2のようなロータにおいて、ブリッジ部を非磁性化した場合、発生トルクは多少増加するが、トルクリップルがさらに大きくなる。そこで、一般的に、トルクリップルを低減するためにロータにスキューを設ける場合がある。しかしながら、埋込磁石型のロータコアでは、直方体状のスロットに直方体状の永久磁石を埋め込むため、ロータにスキューを設けることは困難であり、コギングトルクやトルクリップルを低減することが難しい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、永久磁石が埋め込まれたロータコアの外周面の一部が膨らんだ変形部を形成することにより高トルクを得ることができるとともに、ロータにスキューを設け、コギングトルク、トルクリップルを低減できる回転電機用ロータの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項に記載の発明は、複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向にスロットが形成されたロータコアと、前記スロットに収容された永久磁石と、を備えた回転電機用ロータであって、前記ロータコア、コア本体部と、前記スロットの径方向外側に位置する外周磁性体領域と、前記コア本体部の外周縁と前記外周磁性体領域の周方向端とを接続し前記スロットの端部の径方向外側に位置するブリッジ部と、を備えている回転電機用ロータの製造方法であり、内孔の内周面の一部分に凹んだ凹部が形成された治具で前記ロータコアの外径を拘束し固定する工程と、前記スロットに樹脂を充填することにより、前記外周磁性体領域の外径部に一部分が膨らんだ変形部を形成する工程と、を備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、ロータコアの外径を内孔の内周面に凹部が設けられた治具で拘束し、ロータコアのスロットに樹脂を充填することにより、ロータコアの外周磁性体領域の外径部が充填圧により塑性変形し膨らんだ変形部が形成される。これにより、磁束分布が変化し磁石トルクのピーク位相がずれ一方向の回転方向に対し高いトルクを得ることができる。さらに、外周磁性体領域の変形部にスキューを設けることによりロータコアの軸線方向に積分した周方向の磁束密度分布の形状を正弦波状に近づけることができるので、コギングトルクやトルクリップルを低減でき、異音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、永久磁石が埋め込まれたロータコアの外周面の一部が膨らんだ変形部を形成することにより高トルクを得ることができ、ロータにスキューを設けることにより、コギングトルク、トルクリップルを低減できる回転電機用ロータの製造方法を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る回転電機用ロータの平面図。 図1の回転電機用ロータの電気角と回転電機用ロータに発生するトルクの関係を示す図。 (a)は、ロータコアに外径拘束用治具を嵌め込んだ状態を示す平面図、(b)は、ロータコア成形後の状態を示す平面図。 本発明の第2の実施形態に係る回転電機用ロータの上端面の平面図。 図4の回転電機用ロータを同じ方向から見た下端面の平面図。 図4,5の回転電機用ロータの側面図。
以下に、本発明の実施形態の回転電機に用いられる回転電機用ロータ1について、IPMモータのロータの図に基づいて説明する。なお、以下の説明において、径方向および軸線方向とは、回転電機用ロータ1(ロータコア2)の半径方向および軸方向を指す。
(1.回転電機用ロータの第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転電機用ロータ1の平面図である。
回転電機は、例えば、車両に搭載され、ステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置や油圧を発生させる電動オイルポンプ装置の駆動源用の電動モータとして用いられる。図1に示すように、回転電機用ロータ1は、図示しない回転電機(本実施形態では、IPMモータ)の回転軸と一体回転可能に固定される円柱状のロータコア2と永久磁石3とを備えて構成される。ロータコア2には、複数(本実施形態では、4つ)の永久磁石3がロータコア2内にそれぞれ埋設されて固定されている。すなわち、本実施形態の回転電機用ロータ1は、いわゆる埋込磁石型のロータとして構成されている。このように構成された回転電機は、図示しないステータの各コイルに駆動電力が供給されることにより形成される磁界と、永久磁石3の磁束との間に生じる磁気的な吸引力および反発力により回転電機用ロータ1が回転する構成となっている。
ロータコア2は、鉄や電磁鋼板などの軟磁性材料からなり、回転電機の回転軸が挿入される挿入孔6を有する略円柱状に形成されている。ロータコア2には、略長方形板状の永久磁石3がそれぞれ内部に配置される複数のスロット5が形成されている。なお、本実施形態のスロット5は、それぞれ永久磁石3の断面形状と略同一の断面形状を有する孔(空洞)状に形成されている。
図1に示すように、永久磁石3は、コア本体部20の外周縁21の近傍に90度間隔で軸線方向に貫通形成された4つのスロット5にそれぞれ収容され、ロータコア2に固定保持されている。4つのスロット5は、矩形状開口部51、および矩形状開口部51の両端からコア本体部20の外周縁21に向ってそれぞれ延びる台形状開口部52で構成されている。台形状開口部52は、磁気に対するエアギャップとして形成されている。
ロータコア2は、コア本体部20と、スロット5の矩形状開口部51の径方向の内周部の径方向外側に位置する外周磁性体領域23と、コア本体部20の外周縁21と外周磁性体領域23の周方向端とを接続し、スロット5の台形状開口部52の径方向の内周部の径方向外側に位置するブリッジ部22とを備えて構成されている。ブリッジ部22は、全体が非磁性化されている(図1において、粗い目の網掛け部分)。ここで、非磁性化とは、比透磁率が1となる完全な非磁性化、および比透磁率が電磁鋼板の比透磁率よりも低い弱磁性化を含む。
永久磁石3は、周方向において一方の極性(例えば、N極)の永久磁石3が、他方の極性(例えば、S極)の永久磁石3に隣り合うように磁化(着磁)されている。永久磁石3は、それぞれの板厚方向と略沿う方向に磁化されており、コア本体部20および外周磁性体領域23は、それぞれロータコア2の外周縁21を通過する永久磁石3の磁束の磁路となっている。なお、本実施形態の永久磁石3には、焼結磁石(例えば、ネオジム焼結磁石など)が用いられており、永久磁石3は、スロット5内に配置固定された後に着磁されるようになっていてもよいし、先に着磁したものをスロット5内に配置固定してもよい。
外周磁性体領域23には、一方向の回転方向Rにおける前半部(前方)に磁極の外周側の一部分が塑性変形により膨らんだ変形部25が形成されている。このとき、スロット5内に充填された樹脂により樹脂部26が形成される。この変形部25を形成することにより、図1に示すように、等価的に磁石トルクのピーク位相(シフト前、図示矢印破線)をロータコア2の円周方向(ロータコア2の回転方向R)に図示矢印実線までシフトさせることができる。
図2は、図1の回転電機用ロータ1の電気角と回転電機用ロータ1に発生するトルクの関係を示す図である。図1に示すように、磁石トルクのピーク位相をロータコア2の円周方向にシフトさせ、図2に示すように、磁石トルク(シフト前、図示一点鎖線)の位相を図示矢印a方向にシフトさせて磁石トルクのピーク位相(シフト後、図示破線)をリラクタンストルク(図示実線)のピーク位相に近付けることができる。この結果、磁石トルクおよびリラクタンストルクの合成トルク(シフト前、図示破線)を高めることができる(シフト後、図示実線太線)。磁石トルクのピーク位相のシフト量は、変形部25の径方向の幅、周方向の位置などにより任意に設定することができる。シフト前後のモータトルクが同一のときには、磁石使用量を低減することができ、さらに小型化、低コスト化を図ることができる。
次に、回転電機用ロータ1の製造方法について図3(a),(b)を参照して説明する。図1に示すように、永久磁石3は、ロータコア2の軸線方向に直線状に形成されている。ここで、ロータコア2は、例えば、表面に絶縁処理が施された珪素鋼板などを用いた電磁鋼板を打ち抜いて所定の形状に形成された複数枚の薄板状のロータプレート4が回転電機用ロータ1の軸線方向に積層固定された積層体である。
具体的には、ロータコア2を形成する各ロータプレート4を転積し、すなわち、ロータプレート4の向きを回転させて軸線方向に積層し、複数(本実施形態では、4つ)のスロット5を形成する(積層工程)。このスロット5に永久磁石3が挿入固定されている。そして、ロータコア2の外径部を内孔の内周面の一部分に凹んだ凹部31が形成された円筒状の外径拘束用治具30で拘束し固定する(固定工程)。永久磁石3の周囲の空隙に樹脂が充填され、ロータコア2が成形(成形工程)後、円筒状の外径拘束用治具30がロータコア2から外された後に、スロット5内に配置された永久磁石3が着磁されるようになっている(着磁工程)。
図3(a)は、ロータコア2に外径拘束用治具30を嵌め込んだ状態を示す平面図、図3(b)は、ロータコア2成形工程後の状態を示す平面図である。図3(a)に示すように、外径拘束用治具30は、金属材料(例えば、鉄など)からなり円筒状に形成されている。内孔の内周面の一部分に軸線方向に平行に凹んだ4つの凹部31が形成されている。そして、円柱状のロータコア2の外周に凹部31の隙間を有して外径拘束用治具30が嵌め込まれる。
図3(b)に示すように、永久磁石3を挿入固定後に台形状開口部52に樹脂が充填され、このときのスロット5にかける矢印で示す径方向内側から外側に向かう圧力(充填圧)によりロータコア2が塑性変形する。外周磁性体領域23の外径部が塑性変形し、外径拘束用治具30の凹部31の形状に倣って軸線方向に平行な膨らんだ変形部25が形成される。このとき、充填された樹脂により樹脂部26が形成される。
(2.回転電機用ロータの第2の実施形態)
次に、図4は、本発明の第2の実施形態に係る回転電機用ロータ1の上端面の平面図、図5は、図4の回転電機用ロータ1を同じ方向から見た下端面の平面図である。図4および図5に示すように、変形部25にロータコア2の端面から軸線方向に向うスキューが設けられている。ここで、図4の上端面および図5の下端面における変形部25の頂点は、それぞれP1、P2として表わされる。本実施形態において、上端面の変形部25の頂点P1と中心軸J1とを結ぶ直線C1(図4参照)と、下端面の変形部25の頂点P2と中心軸J1とを結ぶ直線C2(図5参照)とのなす角度でスキューが設けられている。また、充填された樹脂により樹脂部26が形成される。
図6は、図4,5の回転電機用ロータ1の側面図である。図6に示すように、ロータコア2は、電磁鋼板からなる薄板円盤状の強磁性板であるロータプレート4が複数枚軸線方向に積層されて構成されている。変形部25には、ロータコア2の端面から軸線方向に向うスキューが設けられ、上端面の頂点P1と下端面の頂点P2とを所定の角度を有して結ぶ直線状のスキュー24として表わされる。
次に、回転電機用ロータ1の製造方法について説明する。第2の実施形態の回転電機用ロータ1の製造方法は、図3(a)および(b)に示す第1の実施形態の回転電機用ロータ1と基本的な製造方法は同一であるが、以下の点で異なる製造方法となっている。
具体的には、図3(a)を参照して、外径拘束用治具30は、金属材料(例えば、鉄など)からなり円筒状に形成されている。内孔の内周面の一部分に軸線方向に平行に凹んだ4つの凹部31が形成され、この凹部31に直線状のスキューが設けられている。そして、円柱状のロータコア2の外周に凹部31の隙間を有して外径拘束用治具30が嵌め込まれる。
次に、図3(b)を参照して、永久磁石3を挿入固定後に台形状開口部52に樹脂が充填され、このときのスロット5にかける矢印で示す径方向内側から外側に向かう圧力(充填圧)によりロータコア2が塑性変形し、外周磁性体領域23の外径部が膨らむ。外径拘束用治具30の凹部31の形状に倣って膨らんだ変形部25が形成され、変形部25に所定の角度を有してスキュー(図4〜6参照)が設けられる。
ここで、磁束密度分布の軸線方向の積分値が正弦波状に近くなるようにスキュー角度を設けるのが望ましい。スキュー形状は、本実施形態の直線状のスキュー24(図6参照)に限らず、曲線状に設けられたものであってもよい。また、変形部25成形前の初期のロータコア2の平面形状も、あらかじめ磁極(外周磁性体領域23)の中央部が径方向外側に突出した、いわゆる花びら形状を有していてもよい。この場合、樹脂充填により花びら形状に凹部31のスキュー形状が合成された変形部25が形成され、軸線方向積分の磁束密度分布をより正弦波状に近づけることができる。
また、ロータコア2の外周縁21に発生している磁束密度を、例えば、ロータコア2の外周縁21を全周にわたり磁気センサ(例えば、ホール素子など)を用いて周方向にスキャンすることにより計測することができる。具体的には、変形部25の頂点よりも外径側(例えば、0.8mm)に磁気センサを配置し、回転電機用ロータ1を回転させて測定する。変形部25にスキューを設けたときの磁束密度分布は、軸線方向の各位置における磁束密度を取得し、回転電機用ロータ1の端面から軸線方向(例えば、上端面から下端面に)に向って各磁束密度分布を積分する(足し合わせる)ことにより求めることができる。
この場合、ブリッジ部22を非磁性化した回転電機用ロータ1においては、軸線方向の任意の位置でロータコア2の外周縁21に発生している磁束密度は、例えば、S極とN極との中間点(図3(b)に示す機械角θが45度の点)を境に急激に上昇した後、N極とS極との中間点(図3(b)に示す機械角θが135度の点)を境に急激に減少するというサイクルを4極(永久磁石3が4つ)の場合は機械角θが90度変化する毎に繰り返す。そして、変形部25の形状を変化させることで磁束密度のピーク値をもつ角度を変化させることができる。これにより、周方向の磁束密度分布を任意の形状で変化させることが可能になる。さらに、上記のスキューを設けることにより磁束密度分布の軸線方向の積分値を正弦波状に近づけることができる。
次に、上記のように構成された本発明の実施形態に係る回転電機用ロータ1の作用および効果について説明する。
上記第1の実施形態によれば、内孔の内周面に一部分が凹んだ軸線方向に平行に直線状に凹部31が形成された外径拘束用治具30をロータコア2の外周に嵌め込み、接触させる。そして、各スロット5の台形状開口部52に樹脂が充填され、このときスロット5における径方向内側から外側に向かう圧力によりロータコア2が塑性変形し、外周磁性体領域23の外周面の円弧の一部分が膨らみ凹部31の形状に倣って膨らんだ変形部25が軸線方向に平行に形成される。したがって、ロータコア2の永久磁石3の径方向外側に位置する外周磁性体領域23に塑性変形により外周面の一部分が膨らんだ変形部25を形成することにより、ロータコア2の外周磁性体領域23の外径部における周方向の磁束密度分布を任意の形状で変化させることができる。これにより、ロータコア2の周方向の磁束密度分布の形状を正弦波状に近づけることができるので、コギングトルクやトルクリップルを低減でき、異音の発生を抑制することができる。
この変形部25は、ロータコア2の円周方向に永久磁石3の中心より一方向の回転方向Rにおける前半部に形成されているので、磁束分布を変化させ回転電機用ロータ1の一方向の回転方向Rに対し磁石トルクのピーク位相を回転方向前方にシフトさせてリラクタンストルクのピーク位相に近付けることができる。この結果、磁石トルクとリラクタンストルクの合成トルクを向上させ高いトルクを得ることができる。さらに、シフト前後のIPMモータのトルクが同一のときは、永久磁石3の使用量を低減することができ、さらに小型化、低コスト化を図ることができる。
また、上記第2の実施形態によれば、凹部31にスキューが設けられた外径拘束用治具30をロータコア2の外周に嵌め込み、接触させる。そして、各スロット5の台形状開口部52に樹脂が充填され、このときスロット5にかける径方向内側から外側に向かう圧力によりロータコア2が塑性変形し、外周磁性体領域23の外径部が膨らみ凹部31の形状に倣って膨らんだ変形部25が形成される。このとき、この変形部25に所定の角度を有してスキュー24が設けられる。
したがって、ロータコア2の両端面の磁極のピーク(または平均、または重心)位置がずれるように変形部25に軸線方向にスキュー24を設けることにより、軸線方向の各位置における周方向の磁束密度分布を任意の形状で変化させることができる。これにより、ロータコア2の外周磁性体領域23の外径部における磁束密度分布の軸線方向の積分値を正弦波状に近づけることができるので、コギングトルクやトルクリップルを低減でき、異音の発生を抑制することができる。さらに、ブリッジ部22を比透磁率が1(非磁性化)となるように形成することができるので、ブリッジ部22における漏れ磁束を減少させることができる。
以上のように、本発明の実施形態によれば、永久磁石が埋め込まれたロータコアの外周面の一部が膨らんだ変形部を形成することにより高トルクを得ることができ、ロータにスキューを設けることにより、コギングトルク、トルクリップルを低減できる回転電機用ロータの製造方法を提供することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
上記実施形態では、永久磁石3の軸線方向両端面(図4の上端面および図5の下端面)の位相(位置関係)は同じであったが、これに限らず、回転電機用ロータ1の周方向にずれて成形配置されていてもよい。
上記実施形態では、永久磁石3の径方向断面形状は、略長方形板状であったが、これに限定されるものでなく、略逆円弧状や中心軸J1から径方向外側に放射状に延びる平板状の形状を有した永久磁石でもよい。
また、上記実施形態では、永久磁石3は、均一な板厚の平板で成形されていたが、これに限定されるものでなく、永久磁石3の断面形状は逆U字形または扁平な台形状でもよい。
上記実施形態では、永久磁石3にネオジム焼結磁石を用いたが、これに限定されるものでなく、例えば、ボンド磁石(例えば、プラスチックマグネット、ゴムマグネットなど)を用いてもよい。ボンド磁石の場合は、スロット5にボンド磁石を充填するときの圧力により外径部が膨らみ凹部31の形状に倣わせる。すなわち、上記実施形態における樹脂と焼結磁石との組み合わせをボンド磁石に置き換えて回転電機用ロータを形成することができる。
また、上記実施形態において、ロータコア2は、永久磁石3の形状に合わせて珪素鋼板を用いた電磁鋼板を積層して形成されていたが、これに限定されるものでなく、圧粉磁心を用いてもよい。
上記実施形態では、本発明を電動パワーステアリング装置や電動オイルポンプ装置などの駆動源に用いられる電動モータに具体化したが、これに限定されるものでなく、他の装置の駆動源用モータとして用いてもよく、また、発電機として用いてもよい。
1:回転電機用ロータ、2:ロータコア、3:永久磁石、4:ロータプレート、
5:スロット、6:挿入孔、20:コア本体部、21:ロータコア外周縁、
22:ブリッジ部、23:外周磁性体領域、24:直線状スキュー、25:変形部、
26:樹脂部、30:外径拘束用治具、31:凹部、51:矩形状開口部、
52:台形状開口
J1:中心軸、P1,P2:端面の頂点、C1,C2:スキュー角度直線、θ:機械角、R:回転方向

Claims (1)

  1. 複数枚の積層された強磁性板により形成され、軸方向にスロットが形成されたロータコアと、前記スロットに収容された永久磁石と、を備えた回転電機用ロータであって、
    前記ロータコアが、
    コア本体部と、前記スロットの径方向外側に位置する外周磁性体領域と、前記コア本体部の外周縁と前記外周磁性体領域の周方向端とを接続し前記スロットの端部の径方向外側に位置するブリッジ部と、を備えている回転電機用ロータの製造方法であり、
    内孔の内周面の一部分に凹んだ凹部が形成された治具で前記ロータコアの外径を拘束し固定する工程と、前記スロットに樹脂を充填することにより、前記外周磁性体領域の外径部に一部分が膨らんだ変形部を形成する工程と、を備えたことを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
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