JP6424363B2 - 磁石埋込型電動機 - Google Patents

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Description

本発明は磁石埋込型電動機に関し、製造が容易で必要トルクを得ることができるように工夫したものである。
磁石埋型電動機(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)の回転子は、回転子鉄心に永久磁石を埋め込んだ構造になっている。
このような磁石埋型電動機では、永久磁石の磁束により生じるマグネットトルクと、回転子鉄心の磁気抵抗(リラクタンス)の変化により生じるリラクタンストルクの両方を回転力に寄与する有効トルクとして利用することができる。このため、磁石埋型電動機は、省エネルギー、高効率、および高トルクのモータになり、各種の産業分野で利用されている。
磁石埋込型電動機の一例として、特許文献1(特開平11−136890号公報)に示されているものを、図9を参照して説明する。
図9は、磁石埋込型電動機の回転子10を、回転軸心に対して直交する断面で破断した断面図である。
図9に示す回転子10の回転子鉄心11は、多数枚の電磁鋼板を積層して構成されている。この回転子10には周方向に沿い4つの磁極が形成されている。回転子10の4つの各磁極は、希土類磁石である4つの永久磁石21,31,41,51により形成されている。各永久磁石21,31,41,51は、回転子鉄心11の軸方向に沿い伸びる状態で回転子鉄心11に挿入されて(埋め込まれて)いる。
そして、回転子10の端面から見たときに(図9に示す状態で見たときに)、4つの永久磁石21,31,41,51で囲った領域の形状が近似的に台形になる状態で、4つの永久磁石21,31,41,51が配置されている。つまり、永久磁石21は外周側に配置され、永久磁石31は内周側に配置されている。また、永久磁石41,51は、永久磁石21,31を間に挟む状態で、相互に斜めになった状態で対向するように、ハの字状に配置されている。
特開平11−136890号公報
ところで、図9に示す従来の磁石埋込型電動機の回転子10では、各磁極を形成する永久磁石21,31,41,51として、希土類磁石を採用している。しかし、希土類磁石は、その価格変動が大きいことや、将来の原料の供給不安が払拭されないことから、代替技術の開発が重要な課題となっている。
また、図9に示す従来の回転子10では、永久磁石21と、永久磁石31と、永久磁石41,51の大きさ(寸法)が異なるため、大きさ(寸法)の異なる複数種類(3種類)の永久磁石を用意しなければならず部品点数が多くなり、製造が煩雑であった。
本発明は、上記従来技術に鑑み、回転子に埋め込む(挿入する)永久磁石として、希土類磁石を用いなくても、必要なトルクを発生することができ、且つ、製造が容易な磁石埋込型電動機を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、
回転子の周方向に沿い複数の磁極が形成されるように回転子鉄心に永久磁石を軸方向に挿入した磁石埋込型電動機において、
前記回転子に形成された各磁極は、
前記回転子鉄心の外周縁に沿う位置で前記回転子鉄心に挿入された断面長方形の永久磁石であって、その長辺が前記回転子の半径方向に対して交差している第1の永久磁石と、
前記回転子鉄心のうち前記第1の永久磁石よりも内周側の位置で前記回転子鉄心に挿入された断面長方形の永久磁石であって、その長辺が前記回転子の半径方向に対して交差している第2の永久磁石と、
前記回転子鉄心のうち前記第1の永久磁石及び前記第2の永久磁石に対して周方向の一方側にシフトした位置で前記回転子鉄心に挿入された断面長方形の永久磁石であって、その長辺が内周側から外周側に向かって伸び、且つ、その長辺が内周側から外周側に伸びるに従いd軸から離れq軸へ近づいていく第3の永久磁石と、
前記回転子鉄心のうち前記第1の永久磁石及び前記第2の永久磁石に対して周方向の他方側にシフトした位置で前記回転子鉄心に挿入された断面長方形の永久磁石であって、その長辺が内周側から外周側に向かって伸び、且つ、その長辺が内周側から外周側に伸びるに従いd軸から離れq軸へ近づいていく第4の永久磁石と、
を有しており、
前記回転子鉄心のうち、前記第2の永久磁石の一方側の短辺に隣接した部分には、前記回転子鉄心の軸方向に貫通した第1の空孔が形成されており、
前記回転子鉄心のうち、前記第3の永久磁石の内周側の短辺に隣接した部分には、前記回転子鉄心の軸方向に貫通した第2の空孔が形成されており、
前記回転子鉄心のうち、前記第2の永久磁石の他方側の短辺に隣接した部分には、前記回転子鉄心の軸方向に貫通した第3の空孔が形成されており、
前記回転子鉄心のうち、前記第4の永久磁石の内周側の短辺に隣接した部分には、前記回転子鉄心の軸方向に貫通した第4の空孔が形成されており、
前記第1から第4の永久磁石は、寸法が同じになっている
ことを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記第3の永久磁石は、その内周側の短辺が、前記第2の永久磁石の一方側の短辺に対して間隔を開けて斜めに対向しており、
前記第4の永久磁石は、その内周側の短辺が、前記第2の永久磁石の他方側の短辺に対して間隔を開けて斜めに対向している、
ことを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記第1,第2,第3,第4の空孔の代わりに、
前記回転子鉄心のうち、前記第2の永久磁石の一方側の短辺と前記第3の永久磁石の内周側の短辺との間の部分において、前記回転子鉄心の軸方向に貫通して形成された第5の空孔と、
前記回転子鉄心のうち、前記第2の永久磁石の他方側の短辺と前記第4の永久磁石の内周側の短辺との間の部分において、前記回転子鉄心の軸方向に貫通して形成された第6の空孔と、が形成されている、
ことを特徴とする。
また本発明の構成は、前記第1から第4の永久磁石は、フェライト磁石であることを特徴とする。
また本発明の構成は、前記第1から第4の永久磁石は、前記回転子鉄心に挿入された後に着磁されていることを特徴とする。
本発明によれば、空孔を形成することにより後着磁の際に各永久磁石が完全着磁されるため、希土類磁石を用いなくても、必要トルクを発生することができる磁石埋込型電動機を実現することができる。
本発明の実施例1に係る、磁石埋込型電動機の回転子を示す断面図。 本発明の実施例1に係る、磁石埋込型電動機の回転子の一磁極分を示す断面図。 比較対象に係る、磁石埋込型電動機の回転子の一磁極分を示す断面図。 本発明の実施例1に係る磁石埋込型電動機の回転子において、着磁している際の磁束分布を示す特性図。 本発明の実施例1に係る磁石埋込型電動機の回転子において、各磁石に発生した発生磁界を示す特性図。 比較対象に係る磁石埋込型電動機の回転子において、着磁している際の磁束分布を示す特性図。 比較対象に係る磁石埋込型電動機の回転子において、各磁石に発生した発生磁界を示す特性図。 本発明の実施例2に係る、磁石埋込型電動機の回転子の一磁極分を示す断面図。 従来技術に係る、磁石埋込型電動機の回転子を示す断面図。
以下、本発明に係る磁石埋込型電動機を、実施例に基づき詳細に説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1に係る磁石埋込型電動機の回転子を、図1及び図2を参照して説明する。図1は、回転子を回転軸心に対して直交する断面で破断して示す断面図であり、図2は、回転子のうち1つの磁極の部分を抽出して示す断面図である。
図1に示すように、回転子100のシャフト101には、多数枚の電磁鋼板を積層して構成された回転子鉄心102が取り付けられている。この回転子100の周方向に沿う6箇所では、4本の永久磁石201,301,401,501がセットになって一定ピッチで回転子鉄心102に挿入されることにより、一定ピッチで6個の磁極が形成されている。永久磁石201,301,401,501は、全てフェライト磁石である。これら永久磁石201,301,401,501は、回転子100の端面から見たときに(図1に示す状態で見たときに)、その形状は長方形(断面長方形)となっており、互いに同じ大きさ(寸法)になっている。
次に、各磁極における4本の永久磁石201,301,401,501の配置状態等を、図1及び図2を参照して、更に詳述する。
回転子鉄心102の外周縁に沿う位置には、回転子100の軸方向に沿い伸びて貫通した磁石挿入孔200が形成されている。この磁石挿入孔200は、回転子100の端面から見たときに(図1,図2に示す状態で見たときに)、長方形(断面長方形)となっており、その長辺は、長辺の中央部において、回転子100の半径方向に対して直交している。
磁石挿入孔200には、回転子100の軸方向に沿い伸びた永久磁石201が緊密に挿入されている。つまり、永久磁石201が、回転子鉄心102の外周縁に沿う位置に配置された状態で、回転子鉄心102に埋め込まれている。
この永久磁石201は、回転子100の端面から見たときに(図1,図2に示す状態で見たときに)、長方形(断面長方形)となっており、その長辺は、その長辺の中央部において、回転子100の半径方向に対して直交している。
永久磁石201の磁化方向は、d軸に対して平行な方向となっている。
回転子鉄心102には、磁石挿入孔200(永久磁石201)よりも内周側の位置に、回転子100の軸方向に沿い伸びて貫通した磁石挿入孔300が形成されている。この磁石挿入孔300は、回転子100の端面から見たときに(図1,図2に示す状態で見たときに)、長方形(断面長方形)となっており、その長辺は、その長辺の中央部において、回転子100の半径方向に対して直交している。
磁石挿入孔300には、回転子100の軸方向に沿い伸びた永久磁石301が緊密に挿入されている。つまり、永久磁石301が、永久磁石201よりも内周側の位置に配置された状態で、回転子鉄心102に埋め込まれている。
この永久磁石301は、回転子100の端面から見たときに(図1,図2に示す状態で見たときに)、長方形(断面長方形)となっており、その長辺は、その長辺の中央部において、回転子100の半径方向に対して直交している。
永久磁石301の磁化方向は、d軸に対して平行な方向となっている。
回転子鉄心102には、磁石挿入孔200,300(永久磁石201,301)に対して周方向の一方側(図2では反時計回り方向)にシフトした位置に、回転子鉄心102の軸方向に伸びて貫通した磁石挿入孔400が形成されている。この磁石挿入孔400は、回転子100の端面から見たときに(図1,図2に示す状態で見たときに)、長方形(断面長方形)となっており、その長辺は内周側から外周側に向かって伸びている。
しかも、磁石挿入孔400は、その長辺が内周側から外周側に向かうに従い、d軸から離れるように、d軸に対して傾斜している。また、磁石挿入孔400は、その内周側の短辺が、磁石挿入孔300の一方側(図2では左側)の短辺に対して、間隔を開けて斜めに対向している。更に、磁石挿入孔400は、その外周側の短辺が、間隔を開けて、回転子鉄心102の外周縁に対向している。
磁石挿入孔400には、回転子100の軸方向に沿い伸びた永久磁石401が緊密に挿入されている。つまり、永久磁石401が、永久磁石201,301に対して周方向の一方側(図2では反時計回り方向)にシフトした位置に配置された状態で、回転子鉄心102に埋め込まれている。
この永久磁石401は、回転子100の端面から見たときに(図1,図2に示す状態で見たときに)、長方形(断面長方形)となっており、その長辺は内周側から外周側に向かって伸びている。
しかも、永久磁石401は、その長辺が内周側から外周側に向かうに従い、d軸から離れるように、d軸に対して傾斜している。また、永久磁石401は、その内周側の短辺が、永久磁石301の一方側(図2では左側)の短辺に対して、間隔を開けて斜めに対向している。更に、永久磁石401は、その外周側の短辺が、間隔を開けて、回転子鉄心102の外周縁に対向している。
永久磁石401の磁化方向は、d軸に対して交差する方向となっている。
回転子鉄心102には、磁石挿入孔200,300(永久磁石201,301)に対して周方向の他方側(図2では時計回り方向)にシフトした位置に、回転子鉄心102の軸方向に伸びて貫通した磁石挿入孔500が形成されている。この磁石挿入孔500は、回転子100の端面から見たときに(図1,図2に示す状態で見たときに)、長方形(断面長方形)となっており、その長辺は内周側から外周側に向かって伸びている。
しかも、磁石挿入孔500は、その長辺が内周側から外周側に向かうに従い、d軸から離れるように、d軸に対して傾斜している。また、磁石挿入孔500は、その内周側の短辺が、磁石挿入孔300の他方側(図2では右側)の短辺に対して、間隔を開けて斜めに対向している。更に、磁石挿入孔500は、その外周側の短辺が、間隔を開けて、回転子鉄心102の外周縁に対向している。
磁石挿入孔500には、回転子100の軸方向に沿い伸びた永久磁石501が緊密に挿入されている。つまり、永久磁石501が、永久磁石201,301に対して周方向の他方側(図2では時計回り方向)にシフトした位置に配置された状態で、回転子鉄心102に埋め込まれている。
この永久磁石501は、回転子100の端面から見たときに(図1,図2に示す状態で見たときに)、長方形(断面長方形)となっており、その長辺は内周側から外周側に向かって伸びている。
しかも、永久磁石501は、その長辺が内周側から外周側に向かうに従い、d軸から離れるように、d軸に対して傾斜している。また、永久磁石501は、その内周側の短辺が、永久磁石301の他方側(図2では右側)の短辺に対して、間隔を開けて斜めに対向している。更に、永久磁石501は、その外周側の短辺が、間隔を開けて、回転子鉄心102の外周縁に対向している。
永久磁石501の磁化方向は、d軸に対して交差する方向となっている。
上記の様な磁石配置となっているため、永久磁石401,501は、回転子100の端面から見たときに(図1,図2に示す状態で見たときに)、永久磁石201,301を間に挟む状態で、相互に斜めになった状態で対向するように、ハの字状に配置されている。
各磁極において、永久磁石201の磁化方向は、当該永久磁石201よりも内周側に位置している永久磁石301の磁化方向と一致しており、永久磁石201の外周側の長辺の極性(S極、N極)と永久磁石301の外周側の長辺の極性(S極、N極)が一致している。
また、永久磁石201,301の外周側の長辺の極性(S極、N極)と、永久磁石401,501のうち当該磁極側の長辺の極性(S極、N極)とが一致している。
結局、それぞれの磁極において各永久磁石201,301,401,501が発生する磁束が互いに加え合わせになるよう、各永久磁石201,301,401,501の磁化方向が決定されている。
また隣接する磁極どうしでは、図1に示すように、各永久磁石201,301,401,501の磁化方向(S極、N極の極性)が、逆になっている。
この回転子100の回転子鉄心102に埋め込まれた各永久磁石201,301,401,501は、後着磁により着磁された磁石である。つまり、永久磁石201,301,401,501となる磁性体を磁石挿入孔200,300,400,500に挿入した後に、着磁機により磁界をかけて磁性体を磁化(着磁)させて永久磁石201,301,401,501としている。
このように後着磁により着磁することにより、実施例1の磁石埋込型電動機の回転子100を、実用化して量産する場合に、効率的な生産ができる。
回転子鉄心102のうち磁石挿入孔300(永久磁石301)の一方側(図2では左側)の短辺に隣接した部分には、回転子鉄心102の軸方向に伸びて貫通した、低透磁率部となる空孔Aが形成されている。この空孔Aは磁石挿入孔300につながっている。
また、回転子鉄心102のうち磁石挿入孔400(永久磁石401)の内周側の短辺に隣接した部分には、回転子鉄心102の軸方向に伸びて貫通した、低透磁率部となる空孔Bが形成されている。この空孔Bは磁石挿入孔400につながっている。
空孔Aと空孔Bとの間には距離があり、空孔Aと空孔Bの間には回転子鉄心102を構成する電磁鋼板が存在している。
回転子鉄心102のうち磁石挿入孔300(永久磁石301)の他方側(図2では右側)の短辺に隣接した部分には、回転子鉄心102の軸方向に伸びて貫通した、低透磁率部となる空孔Cが形成されている。この空孔Cは磁石挿入孔300につながっている。
また、回転子鉄心102のうち磁石挿入孔500(永久磁石501)の内周側の短辺に隣接した部分には、回転子鉄心102の軸方向に伸びて貫通した、低透磁率部となる空孔Dが形成されている。この空孔Dは磁石挿入孔500につながっている。
空孔Cと空孔Dとの間には距離があり、空孔Cと空孔Dの間には回転子鉄心102を構成する電磁鋼板が存在している。
なお、空孔A,B,C,Dの内部空間は基本的には空洞空間であるが、その内部空間に、透磁率の低い金属や樹脂等を充填していてもよい。
実施例1に係る磁石埋込型電動機の回転子100では、空孔A,B,C,Dが形成され、且つ、永久磁石401,501が、永久磁石201,301を間に挟む状態で、相互に斜めになった状態で対向するように、ハの字状に配置されているため、各永久磁石201,301,401,501を後着磁する場合に、完全着磁することができる。特に、永久磁石301の両端側部分や、永久磁石401,501の内周側部分において、良好に着磁ができる。
ここで、実施例1に係る回転子100における着磁の状態を、図3に示す比較対象の回転子100Aでの着磁の状態と対比して説明する。
図3に示す比較対象の回転子100Aは、図1,図2に示す回転子100から空孔A,B,C,Dを無くした構成であり、他の部分は回転子100と同構成のものである。
図4,図5は実施例1に係る回転子100の着磁状態を示している。
図4は、回転子100を後着磁により着磁しているときの、磁束分布(図中、点線が磁力線である)を示している。
図5(a)は磁石401,501に発生した発生磁界、図5(b)は磁石201,301に発生した発生磁界を示している。
図6,図7は比較対象の回転子100Aの着磁状態を示している。
図6は、回転子100Aを後着磁により着磁しているときの、磁束分布(図中、点線が磁力線である)を示している。
図7(a)は磁石401,501に発生した発生磁界、図7(b)は磁石201,301に発生した発生磁界を示している。
図6に示すように、比較対象の回転子100Aでは、永久磁石401,501の内周側部分において、鎖交する磁束が少ないことが分る。このため、図7(a)に示すように、比較対象の回転子100Aでは、永久磁石401,501の内周側部分において、着磁された磁界が必要磁界以下になり、不完全着磁になってしまう。
また、図6に示すように、比較対象の回転子100Aでは、永久磁石301の両端部分において、鎖交する磁束が少ないことが分る。このため、図7(b)に示すように、比較対象の回転子100Aでは、永久磁石301の両端部分において、着磁された磁界が必要磁界以下になり、不完全着磁になってしまう。
これに対して、実施例1に係る回転子100では、永久磁石401,501の内周側部分においても、鎖交する磁束が多くなる。また、永久磁石301の両端部分においても、鎖交する磁束が多くなる(図4参照)。
これは、空孔A,Bを設けることにより、磁束が空孔A,Bを設けた部分を通り難くなり、その分だけ、磁束が永久磁石301の一方側の端部(図2では左側の端部)と永久磁石401の内周側部分に磁束が通りやすくなるからである(図4参照)。また、永久磁石401がハの字状に配置されて斜めになっているため、永久磁石401の長辺に対して多くの磁束が通りやすくなるからである。
同様に、空孔C,Dを設けることにより、磁束が空孔C,Dを設けた部分を通り難くなり、その分だけ、磁束が永久磁石301の他方側の端部(図2では右側の端部)と永久磁石501の内周側部分に磁束が通りやすくなるからである(図4参照)。また、永久磁石501がハの字状に配置されて斜めになっているため、永久磁石501の長辺に対して多くの磁束が通りやすくなるからである。
このように、着磁の際に、永久磁石301の両端部分及び永久磁石401,501の内周側部分にも多くの磁束が通る(図4参照)。
このため、図5(a)に示すように、回転子100では、永久磁石401,501の内周側部分においても、着磁された磁界が必要磁界以上になり、完全着磁が実現できる。
また、図5(b)に示すように、回転子100では、永久磁石301の両端部分においても、着磁された磁界が必要磁界以上になり、完全着磁が実現できる。
このように実施例1に係る回転子100では、永久磁石201,301,401,501が全て完全着磁されるため、この回転子100を用いた磁石埋込型電動機では、希土類磁石を用いたものと同等の発生トルクを得ることができる。
また、永久磁石201,301,401,501が互いに同じ大きさ(寸法)になっているため、部品点数を削減することができ、製造が容易になる。
更に、永久磁石201,301,401,501は、回転子鉄心102に挿入された後に着磁されるため、製造が容易になる。
また、空孔Cと空孔Dとの間には距離があり、空孔Aと空孔Bの間には回転子鉄心102を構成する電磁鋼板が存在し、且つ、空孔Cと空孔Dとの間には距離があり、空孔Cと空孔Dの間には回転子鉄心102を構成する電磁鋼板が存在している構成を採用している。
このように空孔間に電磁鋼板を残しているため、回転子鉄心102(回転子100)の機械的強度が向上する。よって、高速回転による遠心力に耐えることができる。
[実施例2]
本発明の実施例2に係る磁石埋込型電動機の回転子を、図8を参照して説明する。図8は回転子のうち1つの磁極部分を抽出して示す断面図である。
実施例2に係る磁石埋込型電動機の回転子100Bは、実施例1に示す回転子100の構成を一部変更したものである。
実施例1では空孔A,B,C,Dを形成したが、実施例2に係る回転子100Bでは、空孔A,B,C,Dの代わりに空孔E,Fを形成している。
回転子鉄心102のうち、磁石挿入孔300(永久磁石301)の一方側(図8では左側)の短辺と、回転子鉄心102のうち磁石挿入孔400(永久磁石401)の内周側の短辺とに挟まれた部分に、空孔Eが形成されている。空孔Eは、回転子鉄心102の軸方向に伸びて貫通した低透磁率部である。
空孔Eと磁石挿入孔300(永久磁石301)の一方側(図8では左側)の短辺との間、及び、空孔Eと磁石挿入孔400(永久磁石401)の内周側の短辺との間には、回転子鉄心102を構成する電磁鋼板が存在している。
また、回転子鉄心102のうち、磁石挿入孔300(永久磁石301)の他方側(図8では右側)の短辺と、回転子鉄心102のうち磁石挿入孔500(永久磁石501)の内周側の短辺とに挟まれた部分に、空孔Fが形成されている。空孔Fは、回転子鉄心102の軸方向に伸びて貫通した低透磁率部である。
空孔Fと磁石挿入孔300(永久磁石301)の他方側(図8では右側)の短辺との間、及び、空孔Fと磁石挿入孔500(永久磁石501)の内周側の短辺との間には、回転子鉄心102を構成する電磁鋼板が存在している。
なお、空孔E,Fの内部空間は基本的には空洞空間であるが、その内部空間に、透磁率の低い金属や樹脂等を充填していてもよい。
他の部分の構成は、実施例1と同様であり、実施例1と同一部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
実施例2の回転子100Bにおいても、実施例1と同様に、後着磁する際に空孔E,Fの部分に通る磁束が少なくなり、その分だけ、永久磁石301の両端側部分や永久磁石401,501の内周側部分に通る磁束が増加する。この結果、各永久磁石201,301,401,501を後着磁する場合に、完全着磁することができる。特に、永久磁石301の両端側部分や、永久磁石401,501の内周側部分において、良好に着磁ができる。
空孔Eと磁石挿入孔300(永久磁石301)の一方側(図8では左側)の短辺との間、及び、空孔Eと磁石挿入孔400(永久磁石401)の内周側の短辺との間には、回転子鉄心102を構成する電磁鋼板が存在している。更に、空孔Fと磁石挿入孔300(永久磁石301)の他方側(図8では右側)の短辺との間、及び、空孔Fと磁石挿入孔500(永久磁石501)の内周側の短辺との間には、回転子鉄心102を構成する電磁鋼板が存在している。
このように空孔と磁石挿入孔との間に電磁鋼板を残しているため、回転子鉄心102(回転子100B)の機械的強度が向上する。よって、高速回転による遠心力に耐えることができる。
なお上記実施例1,2では、永久磁石201,301,401,501としてフェライト磁石を用いているが、他の材質の磁石を採用してもよい。
10 回転子
11 回転子鉄心
21,31,41,51 永久磁石(希土類磁石)
100,100A,100B 回転子
101 シャフト
102 回転子鉄心
200,300,400,500 磁石挿入孔
201,301,401,501 永久磁石
A,B,C,D,E,F 空孔

Claims (5)

  1. 回転子の周方向に沿い複数の磁極が形成されるように回転子鉄心に永久磁石を軸方向に挿入した磁石埋込型電動機において、
    前記回転子に形成された各磁極は、
    前記回転子鉄心の外周縁に沿う位置で前記回転子鉄心に挿入された断面長方形の永久磁石であって、その長辺が前記回転子の半径方向に対して交差している第1の永久磁石と、
    前記回転子鉄心のうち前記第1の永久磁石よりも内周側の位置で前記回転子鉄心に挿入された断面長方形の永久磁石であって、その長辺が前記回転子の半径方向に対して交差している第2の永久磁石と、
    前記回転子鉄心のうち前記第1の永久磁石及び前記第2の永久磁石に対して周方向の一方側にシフトした位置で前記回転子鉄心に挿入された断面長方形の永久磁石であって、その長辺が内周側から外周側に向かって伸び、且つ、その長辺が内周側から外周側に伸びるに従いd軸から離れq軸へ近づいていく第3の永久磁石と、
    前記回転子鉄心のうち前記第1の永久磁石及び前記第2の永久磁石に対して周方向の他方側にシフトした位置で前記回転子鉄心に挿入された断面長方形の永久磁石であって、その長辺が内周側から外周側に向かって伸び、且つ、その長辺が内周側から外周側に伸びるに従いd軸から離れq軸へ近づいていく第4の永久磁石と、
    を有しており、
    前記回転子鉄心のうち、前記第2の永久磁石の一方側の短辺に隣接した部分には、前記回転子鉄心の軸方向に貫通した第1の空孔が形成されており、
    前記回転子鉄心のうち、前記第3の永久磁石の内周側の短辺に隣接した部分には、前記回転子鉄心の軸方向に貫通した第2の空孔が形成されており、
    前記回転子鉄心のうち、前記第2の永久磁石の他方側の短辺に隣接した部分には、前記回転子鉄心の軸方向に貫通した第3の空孔が形成されており、
    前記回転子鉄心のうち、前記第4の永久磁石の内周側の短辺に隣接した部分には、前記回転子鉄心の軸方向に貫通した第4の空孔が形成されており、
    前記第1から第4の永久磁石は、寸法が同じになっている
    ことを特徴とする磁石埋込電動機。
  2. 請求項1において、
    前記第3の永久磁石は、その内周側の短辺が、前記第2の永久磁石の一方側の短辺に対して間隔を開けて斜めに対向しており、
    前記第4の永久磁石は、その内周側の短辺が、前記第2の永久磁石の他方側の短辺に対して間隔を開けて斜めに対向している、
    ことを特徴とする磁石埋込型電動機。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1,第2,第3,第4の空孔の代わりに、
    前記回転子鉄心のうち、前記第2の永久磁石の一方側の短辺と前記第3の永久磁石の内周側の短辺との間の部分において、前記回転子鉄心の軸方向に貫通して形成された第5の空孔と、
    前記回転子鉄心のうち、前記第2の永久磁石の他方側の短辺と前記第4の永久磁石の内周側の短辺との間の部分において、前記回転子鉄心の軸方向に貫通して形成された第6の空孔と、が形成されている、
    ことを特徴とする磁石埋込電動機。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一項において、
    前記第1から第4の永久磁石は、フェライト磁石であることを特徴とする磁石埋込型電動機。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一項において、
    前記第1から第4の永久磁石は、前記回転子鉄心に挿入された後に着磁されていることを特徴とする磁石埋込型電動機。
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