JP3943532B2 - 焼結リング磁石 - Google Patents

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Description

この発明は、永久磁石モータのインナーロータに使用される異方性配向の焼結リング磁石に関するものである。
永久磁石モータのインナーロータに使用されるラジアル配向リング磁石は、コギングトルク等の回転むらを低減するために、磁極を軸方向に対して斜めに形成するスキュー着磁を行うことが多かった。しかし、ラジアル配向されたリング磁石は起磁力布は矩形であるため、この磁石を永久磁石モータのインナーロータに使用した場合には、高次成分を多く含み、スキュー着磁だけでは十分にコギングトルクを低減する効果が得られない場合が多かった。
そこで、樹脂磁石において、リング磁石の外周に凹凸を形成し、さらに、凹凸部を軸方向にスキューする方法がある。この方法によれば、回転方向の起磁力の歪を低減した上で、さらに、凹凸部のスキューによってコギングトルクを低減することができる(例えば、特許文献1参照)。
永久磁石モータのインナーロータに使用される磁石には、上述のラジアル配向した磁石以外に、極配向した極異方性磁石がある。極配向によれば起磁力分布が正弦波に近づいて歪が少なくなり、コギングトルクは小さくなる。さらに、スキュー着磁ができれば、コギングトルクをさらに下げることができるが、極異方性磁石は、磁束が磁石外周から磁石内部を通って再び外周にでるように配向しているため、スキュー着磁ができない。
そこで、極異方性磁石を軸方向に2個以上に分割し、コギングトルクで決まる角度の半周期あるいはそれ以上、分割した極異方性磁石を周方向にずらしてスキューした磁石が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−35933号公報(第3−6頁、図1−図4) 特開2001−314050号公報(第4−5頁、図5)
上記従来の樹脂磁石では、特殊な押出成形機が必要になり、また、成形時に磁界を印加することができないので、異方性配向ができず、強い磁石を必要とする小型、高出力モータへ適用できないという問題がある。
また、上記極異方性磁石では、複数のリング磁石を決められたスキュー角度でロータのシャフトに精度よく固定する必要があり、モータ製造工程が複雑になるという問題がある。
また、上記極異方性磁石では、ロータ組立後に着磁することができないので、着磁した複数のリング磁石をロータのシャフトに固定する際に、磁石の吸引力及び反発力のために決められたスキュー角度に精度よく配置することが困難になるとともに、モータ製造工程が複雑になるという問題がある。
この発明は、ロータ組立後の着磁が容易で、異方性配向が可能なリング磁石で、かつ、回転方向の磁化分布の歪の低減によりコギングトルクやトルクリップル等のトルクむらを低減することができるリング磁石の提供を目的とするものである。
この発明に係るリング磁石は、複数個のリングが軸の方向に積み重ねられて焼結により一体化された焼結リング磁石において、
上記複数個のリングはラジアル配向され、その外周に所定間隔で磁極が交互に配置されたもので、
上記複数個のリングの少なくとも1つは、円筒状の外周面を有し、上記リング軸の方向に延在する溝状の第1の凹部が、その外周面上円周方向に周期的に設けられ
上記複数個のリングの他の少なくとも1つは、上記第1の凹部を持たない円筒状で、
上記複数個のリングが積み重ねられたリング全体は、軸方向に平行な上記第1の凹部の中心線を共通の磁極の境界線とするものである
また、複数個のリングがリング軸の方向に積み重ねられて焼結により一体化された焼結リング磁石において、
上記複数個のリングはラジアル配向され、その外周に所定間隔で磁極が交互に配置されたもので、
上記複数個のリングの少なくとも1つは、円筒状の外周面を有し、上記リング軸の方向に延在する溝状の第1の凹部が、その外周面上円周方向に周期的に設けられ、上記第1の凹部の、上記リング軸方向に平行な方向の中心線が磁極の境界線である第1のリングで、
上記複数個のリングの他の少なくとも1つは、円筒状の外周面を有し、上記リング軸方向に延在する溝状の、上記第1の凹部と幅が異なる第3の凹部が、その外周面上円周方向に周期的に設けられ、上記第3の凹部の、上記リング軸方向に平行な方向の中心線が磁極の境界線である第3のリングで、
上記第1の凹部と上記第3の凹部の上記中心線が略一致するように積み重ねられた上記第1のリングと上記第3のリングとを含む上記複数個のリング全体は、上記略一致した中心線を磁極境界線とする磁極が形成されているものである。
この発明に係るリング磁石によれば、リング状の異方性配向されたリングが軸の方向に積み重ねて焼結により一体化された焼結リング磁石において、コギングトルクやトルクリップル等のトルクむらが抑制される。
以下、図に基づいて、この発明の実施の形態を説明する。この発明は、リングを積み重ねた構成を基本的な構成要素としており、以下の説明では、上記リングを2個ないし3個積み重ねた例を示しているが、これに限らず、複数個積み重ねたリング磁石に適用できるものである。また、リング磁石の磁極数を4個とした場合と6個とした場合について説明しているが、これに限られるものではなく、磁極数が2m個(mは整数)のリング磁石に適用できるものである。
実施の形態1.
図1は、この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態1を示す平面図(a)及び側面図(b)であり、4極の磁石の例を示している。同図に示したように、リング磁石1は、軸方向に2つのリング2,3を積み重ね、焼結によって一体化されており、リング2は、周方向に周期的に4箇所の凹部2a(第1の凹部)が設けられ、リング3は、凹部がない円筒状である。凹部2aは軸方向に延在する溝形状であり、凹部2aは磁極の境界部となり、着磁等で、凹部2a間の中間部が磁極となるように磁極を形成する。
図2は、この実施の形態のリング磁石に磁極を形成したときの回転方向の起磁力分布を説明するための図である。同図では、磁石軸の中心角度が180゜の範囲(2極分の角度領域)のみを示している。
図2(a)は、凹部が形成されていないリング3の厚さAであり、図2(b)に示したように、リング3では、強さが一定の起磁力分布になり、矩形波分布Bとなる。そのため、5次高調波Cが含まれる。3次、7次高調波等も含まれ、これらの高調波は、コギングトルク及びトルクリップル等のトルクむらの原因となるが、特にコギングトルクに対して大きな影響を与える5次高調波のみを示している。
図2(c)は、凹部が形成されたリング2の厚さDであり、図2(d)に示したように、リング2では、磁極の境界部に5次高調波の1周期に相当する溝幅の凹部2aを形成したので、磁化分布Eのように境界部の起磁力分布が弱められ、そのため、5次高調波成分は、図2(d)のFとなり、図2(b)の高調波Cと位相が180゜ずれ、打ち消し合い、5次高調波成分が大きく低減され、コギングトルクやトルクリップル等のトルクむらが抑制される。
この実施の形態のリング磁石1は、例えば、最大エネルギー積の大きなネオジ焼結リング磁石では、Nd、Fe、B等を所定の組成割合で真空鋳造する工程、鋳造合金を粉砕して微粉砕粉末を作製する工程、微粉砕粉末を所定のリング形状に磁場成形する工程、焼結・熱処理工程、外形加工工程等を経て製造される。
磁場成形の工程は、所定のリング形状を有するダイ中に微粉砕粉末を充填し、充填された微粉砕粉末をダイと同一断面形状を有するパンチで加圧して所定の密度で、図1に示したリング2,3の形状を有する成形体とするとともに、成形体に配向磁場を印加して配向処理をする。配向磁場の向きはリングの径方向としてラジアル配向する。
配向処理された2つの成形体は、軸方向に積み重ね、必要に応じて軸方向に加圧した後、焼結・熱処理してこの実施の形態のリング磁石が製造される。
実施の形態2.
図3は、この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態2を示す平面図(a)及び側面図(b)であり、4極の磁石の例を示している。同図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
この実施の形態では、図3に示したように、リング磁石1は、軸方向に2つのリング2,3に加えてリング4を軸方向に積み重ね、焼結によって一体化されており、リング4は、軸方向に延在する溝形状の4箇所の凹部4a(第3の凹部)が周方向に周期的に設けられている。凹部4aは7次高調波を打ち消すように溝の幅を決めている。
5次高調波を打ち消すためには、溝の幅を軸を中心とした中心角で定義した場合に、溝の幅を1つの極の幅に相当する軸を中心とした中心角、すなわち、凹部4aの中心から隣の凹部4aの中心までの中心角の2/5(5次高調波の1周期)とし、7次高調波を打ち消すためには、同じく、溝の幅を1つの極の幅に相当する中心角の2/7(7次高調波の1周期)とし、3次高調波を打ち消すためには、同じく、溝の幅を1つの極の幅に相当する中心角の2/3(3次高調波の1周期)とする。図3に示したように、4極の場合は、5次高調波を打ち消す凹部2aの溝の幅を軸を中心として中心角36゜程度とし、7次高調波を打ち消す凹部4aの溝の幅を中心角25.7゜程度としている。また、3次高調波を打ち消す場合には、凹部4aの溝の幅を中心角60゜程度とする。
このように、溝の幅を1つの極の幅に相当する中心角の2/3、2/5、2/7とすることによって、3次、5次及び7次の高調波を打ち消し、コギングトルクをなくすことができる。
また、溝の幅を1つの極の幅に相当する中心角の2/3ないし2/7とすることによって、3次、5次及び7次の高調波を低減し、コギングトルクを減らすことができる。
また、3次、5次、及び7次高調波を打ち消す3つのリングでリング磁石を構成してもよく、さらに、3つ以上のリングで構成してn次(nは奇数)高調波を打ち消すようにしてもよい。
実施の形態3.
図4は、この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態3を示す平面図(a)及び側面図(b)であり、4極の磁石の例を示している。同図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
この実施の形態では、図4に示したように、凹部2aに加えて境界部の間の磁極に凹部2b(第2の凹部)を設けている。
磁極の境界部の凹部2aは実施の形態2と同様、溝の幅を5次高調波の1周期程度となるようにし、凹部2bは、溝の幅を5次高調波の半周期程度となるようする。図4に示したように、4極の場合は、凹部2aの溝の幅を軸を中心として中心角36゜程度とし、凹部2bの溝の幅を中心角18゜程度とする。
5次高調波以外の7次高調波等の低減についても、凹部の溝の幅を同様に決めればよい。
この実施の形態によれば、さらに、5次高調波を含む高調波の影響を抑制する効果が大きくなる。
実施の形態4.
図5は、この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態4を示す平面図(a)及び側面図(b)、図6は、図5の溝形状を拡大して示す平面図であり、4極の磁石の例を示している。同図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
この実施の形態では、図5及び図6に示したように、磁極間の境界部における凹部2aの溝形状を円弧状にしている。
コギングトルクは、上述のように、起磁力分布の高調波成分で発生することから、凹部2aを構成する溝の幅Wや深さdを正確に規定するには、起磁力分布を回転角に対してフーリエ変換で周波数変換して得られる各成分毎の振幅として評価することが必要ではあるが、実際の溝の幅及び深さであっても大きな誤差にならない。
凹部2aの溝形状は、放物線等の曲線、あるいは直線の組み合わせでも同様の効果が得られる。
また、5次高調波以外の7次高調波等についても、実際の溝の深さdと幅wを、その高調波の1周期程度とすればよい。
実施の形態5.
図7は、この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態5を示す平面図(a)及び側面図(b)であり、6極の磁石の例を示している。同図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
上記実施の形態1ないし4では、磁極が4極の場合を示したが、この実施の形態のように、磁極が6極の場合も同様の効果が得られる。
磁極が6極の場合は、5次高調波に対して凹部2aの溝幅の中心角を24゜とすればよい。
実施の形態6.
図8は、凹部2aを有するリングにおける凹凸部の厚さと高調波抑制との関係を説明するための図である。
図8に示すように、凹部2aにおけるリング2の厚さをmb、凹部2a間におけるリング2の厚さをmrとする。また、凹部2aを有するリング2の軸方向長さをLb、凹部がないリング3の軸方向長さをLcとする。
図9は、起磁力分布の基本波並びに3次高調波、5次高調波及び7次高調波の振幅を、mb/mrとの関係で示した図である。振幅は、凹部がないリング3における高調波の振幅を1としている。mb/mrが1の場合は、凹部がないリングに相当し、mb/mrが0の場合は、凹部2aにおけるリングの厚さが0であることを意味する。
図9において、mb/mr=1では、モータの回転に寄与する基本波の振幅が大きく、3次、5次及び7次高調波の振幅も0.42、0.25及び0.18と大きく、コギングトルク等のトルクむらが発生する。なお、図9は、Lc=0に相当する。
ここで、例えば、mb/mr=0.3に選ぶと、5次高調波の振幅は約−0.1となる。図において、振幅が負であることは正の振幅に対して位相が180゜ずれていることを示している。従って、各リング2,3の長さLbとLcが同じであれば、リング3で発生した5次高調波の振幅0.25を、振幅0.1分打ち消し、0.15となる。さらに、LbとLcの比が2.5:1であれば、リング3で発生した5次高調波は打ち消される。
上記の5次高調波に関しての関係を式で表すと、
Lc/Lb=1−2×(mb/mr)
の関係を有することによってリング3で発生した5次高調波は打ち消される。
さらに詳細な式で示すと、
(Lc/Lb)×(1−α)≦1−2×(mb/mr)+α
(Lc/Lb)×(1+α)≧1−2×(mb/mr)−α
となる。ここで、(1−α)は5次高調波が減衰される割合を示している。
ここで、α=0.3とすると、下記式(1)になる。
1.9−2.9×(mb/mr)≧(Lc/Lb)
≧0.54−1.5×(mb/mr) …(1)
この式(1)の条件によって5次高調波は0.3倍になり、コギングトルクはその2乗となるので、0.1すなわち10%に低減することができる。
実施の形態7.
図10は、凹部を有するリングにおける凹凸部の厚さと高調波抑制との関係を説明するための図であり、上記実施の形態6において、磁極に溝状の凹部2bを設けた場合について説明するものである。
図10に示すように、凹部2aにおけるリング2の厚さをmb、凹部2a間におけるリング2の厚さをmrとする。また、凹部2aを有するリング2の軸方向長さをLb、凹部がないリング3の軸方向長さをLcとする。
図11は、起磁力分布の基本波並びに3次高調波、5次高調波及び7次高調波の振幅を、mb/mrとの関係で示した図である。振幅は、凹部がないリング3における高調波の振幅を1としている。mb/mrが1の場合は、凹部がないリングに相当し、mb/mrが0の場合は、凹部2aにおけるリングの厚さが0であることを意味する。
この実施の形態では、上記実施の形態6の場合よりも、凹部2aの溝の深さが浅くても5次高調波を減衰させることができる。
例えば、mb/mr=1における5次高調波の振幅0.25に対して、上記実施の形態6ではmb/mr=0.3を選択することによって、5次高調波の振幅は約−0.1となり、5次高調波の振幅0.25を打ち消すためにLbとLcとの比を2.5:1としたのに対して、この実施の形態ではmb/mr=0.4を選択することによって、5次高調波の振幅は約−0.2となり、5次高調波の振幅0.25を打ち消すためにLbとLcとの比を5:4とすればよい。
上記の5次高調波に関しての関係を式で表すと、
Lc/Lb=2−3×(mb/mr)
の関係を有することによってリング3で発生した5次高調波は打ち消される。
さらに詳細な式で示すと、
(Lc/Lb)×(1−α)≦2−3×(mb/mr)+α
(Lc/Lb)×(1+α)≧2−3×(mb/mr)−α
となる。ここで、ここで、(1−α)は5次高調波が減衰される割合を示している。
ここで、α=0.3とすると、下記式(2)になる。
3.3−4.3×(mb/mr)≧(Lc/Lb)
≧1.3−2.3×(mb/mr) …(2)
この式(2)の条件によって5次高調波は0.3倍になり、コギングトルクはその2乗となるので、0.1すなわち10%に低減することができる。
実施の形態8.
図12は、この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態8を示す平面図(a)及び側面図(b)である。
上記実施の形態1ないし7では、凹部を持たないリングが発生する3次、5次及び7次高調波を打ち消すように凹部を有するリングを積み重ねて一体化した。
この実施の形態では、図12に示したように、リング11の凹部11a形状を選択的に決めることによって、発生する3次、5次及び7次高調波を小さくするものであり、凹部11aの位置を合わせてリング11を積み重ねたものである。
例えば、図9からわかるように、mb/mrを0.5、すなわち凹部11aにおけるリング11の厚さを凹部11a間の厚さの1/2に設定することによって5次高調波をほぼ0にすることができる。ただし、この場合、リング磁石の機械的強度が保たれず、割れやすくなる。
mb/mrを0.75、すなわち凹部11aにおけるリング11の厚さを凹部11a間の厚さの75%に設定することによって5次高調波を1/2に低減にすることができる。なお、図12において、点線は、リング磁石が2つのリング11を積み重ねてなることを示している。
実施の形態9.
図13は、この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態9を示す平面図(a)及び側面図(b)である。
上記実施の形態8では、凹部11aの位置を合わせてリング11を積み重ねたが、この実施の形態では、凹部11aの位置をずらしてリング11を積み重ねるものである。
上記実施の形態8のように、mb/mrを0.75とした場合、5次高調波が残るが、この実施の形態のように、残った5次高調波によって発生するコギングトルクを打ち消し合うように、上下のリング11の凹部11aを軸周りに回転させてずらしておくことにより、コギングトルクを大きく低減することができる。
図13のように、4極のロータで、ステータのスロット数が6の場合には、モータ1周あたり12周期のコギングトルク発生するので、上下のリング11の凹部11aの回転によるずらせ角を、機械角で15゜付近とすることによって、残った5次高調波によって発生するコギングトルクを打ち消すことができる。
実施の形態10.
図14は、この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態10を示す平面図(a)及び側面図(b)である。
上記実施の形態8及び9では、溝形状が同じ凹部11aを有するリング11を積み重ねた。
この実施の形態では、溝形状における幅が異なる凹部11a、12aを有するリング11とリング12を軸方向に積み重ねて一体化する。
凹部の幅は、例えば、凹部11aの幅を軸を中心として中心角36゜とし、凹部12aの幅を中心角25.7゜(凹部11aの中心角の5/7)付近とすることによって、5次高調波及び7次高調波を低減し、その高調波によるコギングトルクを低減することができる。
凹部11a、12aにおける厚さ(mb)と凹部11a、12a間における厚さ(mr)との比は、図9に従って選択することによって、高調波の低減効果が得られる。
なお、上記実施の形態1ないし9において、溝の幅の寸法精度は厳密である必要はない。図15は、リング磁石の形状による起磁力分布を基に5次高調波の成分を計算した結果を示す図である。同図において、横軸は、理想の溝幅で規格化した溝幅(理想の溝幅に対する割合)、縦軸は溝なしの場合の5次高調波成分に対する割合である。同図に示されているように、理想の溝幅の場合は、5次高調波がなくなるため、0となる。理想の溝幅に対して15%程度の誤差範囲では5次高調波は溝なしに対して10%を下回り、その理想の溝幅に対する誤差は許容できる。
永久磁石モータ等の回転電機のインナーロータに活用することができる。
この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態1を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 の実施の形態1のリング磁石に磁極を形成したときの回転方向の磁化分布を説明するための図である。 この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態2を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態3を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態4を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 図5の溝形状を拡大して示す平面図である。 この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態5を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 凹部を有するリングにおける凹凸部の厚さと高調波抑制との関係を説明するための図である。 起磁力分布の基本波並びに3次高調波、5次高調波及び7次高調波の振幅を、mb/mrとの関係で示した図である。 凹部を有するリングにおける凹凸部の厚さと高調波抑制との関係を説明するための図である。 起磁力分布の基本波並びに3次高調波、5次高調波及び7次高調波の振幅を、mb/mrとの関係で示した図である。 この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態8を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態9を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 この発明に係る焼結リング磁石の実施の形態10を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 リング磁石の形状による起磁力分布を基に5次高調波の成分を計算した結果を示す図である。
符号の説明
1 リング磁石、2,3,4,11,12 リング、
2a,2b,4a,11a,12a 凹部。

Claims (9)

  1. 複数個のリングが軸の方向に積み重ねられて焼結により一体化された焼結リング磁石において、
    上記複数個のリングはラジアル配向され、その外周に所定間隔で磁極が交互に配置されたもので、
    上記複数個のリングの少なくとも1つは、円筒状の外周面を有し、上記リング軸の方向に延在する溝状の第1の凹部が、その外周面上円周方向に周期的に設けられ
    上記複数個のリングの他の少なくとも1つは、上記第1の凹部を持たない円筒状で、
    上記複数個のリングが積み重ねられたリング全体は、軸方向に平行な上記第1の凹部の中心線を共通の磁極の境界線とするものであることを特徴とする焼結リング磁石。
  2. 複数個のリングがリング軸の方向に積み重ねられて焼結により一体化された焼結リング磁石において、
    上記複数個のリングはラジアル配向され、その外周に所定間隔で磁極が交互に配置されたもので、
    上記複数個のリングの少なくとも1つは、円筒状の外周面を有し、上記リング軸の方向に延在する溝状の第1の凹部が、その外周面上円周方向に周期的に設けられ、上記第1の凹部の、上記リング軸方向に平行な方向の中心線が磁極の境界線である第1のリングで、
    上記複数個のリングの他の少なくとも1つは、円筒状の外周面を有し、上記リング軸方向に延在する溝状の、上記第1の凹部と幅が異なる第3の凹部が、その外周面上円周方向に周期的に設けられ、上記第3の凹部の、上記リング軸方向に平行な方向の中心線が磁極の境界線である第3のリングで、
    上記第1の凹部と上記第3の凹部の上記中心線が略一致するように積み重ねられた上記第1のリングと上記第3のリングとを含む上記複数個のリング全体は、上記略一致した中心線を磁極境界線とする磁極が形成されていることを特徴とする焼結リング磁石。
  3. 上記複数個のリングの少なくとも1つは、外周面に凹部を持たない円筒状であることを特徴とする請求項2記載の焼結リング磁石。
  4. 上記凹部が設けられたリングの各磁極ごとに、既設の凹部と干渉しない、上記リング軸の方向に延在する溝状の第2の凹部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の焼結リング磁石。
  5. 上記磁極に設けた第2の凹部における溝の幅が、上記第1の凹部における溝の幅の1/2であることを特徴とする請求項4記載の焼結リング磁石。
  6. 上記第1の凹部における溝幅は、上記リング軸を中心とした中心角で表した場合、隣り合う上記境界線間の中心角の2/3ないし2/7程度であることを特徴とする請求項1または2記載の焼結リング磁石。
  7. 上記第3の凹部における溝幅を、上記第1の凹部における溝幅の5/7としたことを特徴とする請求項2記載の焼結リング磁石。
  8. 上記第1の凹部におけるリングの厚さをmb、上記第1の凹部間におけるリングの厚さをmr、上記第1の凹部を有するリングのリング軸方向長さをLb、上記凹部を持たないリングのリング軸方向長さをLcとしたときに、下記式(1)が成立することを特徴とする請求項1記載の焼結リング磁石。
    1.9−2.9×(mb/mr)≧(Lc/Lb)
    ≧0.54−1.5×(mb/mr)…(1)
  9. 外周に凹部を持たない円筒状のリングを備え、上記第1の凹部におけるリングの厚さをmb、上記第1の凹部間におけるリングの厚さをmr、上記第1の凹部を有するリングのリング軸方向長さをLb、上記凹部を持たないリングのリング軸方向長さをLcとしたときに、下記式(2)が成立することを特徴とする請求項1記載の焼結リング磁石。
    3.3−4.3(mb/mr)≧(Lc/Lb)
    ≧1.3−2.3×(mb/mr)…(2)
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