JP2008092702A - リング型焼結磁石、ロータ及び回転機 - Google Patents

リング型焼結磁石、ロータ及び回転機 Download PDF

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Abstract

【課題】磁石の総重量に対するトルク発生に有効な磁束量の割合を増加することができ、磁石の使用量を削減することができるリング型焼結磁石を提供する。
【解決手段】リング型焼結磁石10のリング外周は円形状に形成されるとともに、リング内周はその周方向に凹部20及び凸部30が周期的に形成され、リング周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されており、磁極の境界が磁石厚さの薄い凹部20の領域に形成されている。そして、上記凹部20及び凸部に概ね沿うような凸部及び凹部がその外周に形成されたシャフト50の鉄心60をリング型焼結磁石10の内周部に配設する。
【選択図】図2

Description

この発明は、リング型焼結磁石及びそれを使用したロータ並びに回転機の構造に関するものである。
小型回転機に適用されるリング型磁石は、小型化、高出力化及び高効率化のため、ネオジム系焼結磁石等の希土類系焼結磁石が使用される。従来、トルクムラの小さい回転機に適用されるリング型の希土類系磁石として、例えば特許文献1のような形状の磁石があった。特許文献1のリング型焼結磁石は、リング外周に切り欠き部を設けて凹凸を設けると共に、当該凹凸を軸方向に沿ってスキューさせることにより、磁石の回転方向の起磁力分布を正弦波状に近づけ高調波歪を低減すると共に、高調波歪によって発生するコギングトルクやトルクリップルといったトルクムラを抑制している。
また、磁性粉末を樹脂で固めた樹脂磁石として、従来、リング外周に凹凸を設けたもの、リング内周に凹凸を設けたものが存在した。しかし、当該樹脂磁石は、その外周または内周に凹凸を有したリング型磁石を実現することができる半面、樹脂が混ざっているため高い磁気特性が得られなかった。
特開2004−343907号公報 特開2001−211581号公報
リング型磁石を使った回転機では、コギングトルクやトルクリップルの原因となる起磁力の回転方向分布における高調波歪みの低減とともに、次の課題があった。
回転機の小型化、高出力化、銅損低減による高効率化に有効な希土類焼結磁石は、資源的に豊富でない希土類原料(特にTb、Dyなど)を使用している問題や、複雑な製造工程を経るため製造コスト及び時間がかかる問題があった。また、小型高性能回転機に使用されているリング型磁石では、磁石の使用量が多く出力トルクに対する重量が重いなど、効率的に磁石が使われていないといった課題があった。
この発明は上記のような従来の課題を解消するためになされたものであり、磁石の総重量に対するトルク発生に有効な磁束量の割合を増加することができ、磁石の使用量を削減することができるリング型焼結磁石及びそれを使用したロータ並びに回転機を提供する。
この発明に係るリング型焼結磁石は、リング軸に垂直な断面において、リング外周は円形状に形成されるとともに、リング内周はその周方向に凹部及び凸部が周期的に形成され、リング周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されており、磁極の境界が磁石厚さの薄い凹部の領域に形成されていることを特徴とする。
この発明のリング型焼結磁石によれば、リング内周に凹部を設けて磁石厚さの薄い領域を設けることにより、当該磁石厚さの薄い領域においてリング型焼結磁石の内周部に配設される鉄心と外周部に配置されるステータを近接させることができるので、磁石厚さが薄い部分(凹部)でも磁束が流れやすく、磁束量の磁石厚さの厚い領域に対する低下が少なくなる。そのため、磁石の総重量に対するトルク発生に有効な磁束量の割合を増加することができ、リング外周に凹凸部を有するリング型焼結磁石と略同じ性能を保持しつつ、磁石の使用量を削減することができる。また、磁極の境界を磁石厚さの薄い領域(凹部)に配置することにより、磁束によるトルク発生の効果が少ない磁極の境界付近に磁束量の低い領域を配置することができ、トルク発生の効果の影響を最小限に抑えることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるリング型焼結磁石の断面形状を示す図である。図において、本実施の形態のリング型焼結磁石10は、リング軸に垂直な断面において、リング外周が円形状に形成され、リング内周が凹凸形状になるように形成されている。特にリング内周は、その周方向に凹部20及び凸部30が周期的に形成されている。また、磁石厚さの薄い凹部20にあたる領域では、磁石の厚さが一定値tとなっている。また、リング型焼結磁石10において、その結晶方向を示す配向の方向は、リング軸に垂直な断面において略径方向であるラジアル配向である。
図2は本実施の形態のリング型焼結磁石を取付けた回転機のロータを示す斜視図である。本実施の形態のリング型焼結磁石10は、ロータ100のシャフト50に固定された鉄心60の外周に取付けられる。また、図2に示すように、リング型焼結磁石10には、リング周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されており、当該磁極の境界は磁石厚さが薄い領域である凹部20に形成されている。さらに、磁極の境界は、リング軸方向に対して一定の傾斜角で傾くようにスキュー着磁されている。本実施の形態(図2)のリング型焼結磁石10では、磁極は8極で、磁石外径はΦ30mm、磁石の最大厚さは3mm、最小厚さは1mmである。また、磁石の軸長は35mmである。
図3は図2の回転機のロータの断面形状を示している。図において、シャフト50の鉄心60は、リング型焼結磁石10の内周に設けられた凹部20及び凸部30に概ね沿うような凸部62及び凹部63をその外周に形成している。リング型焼結磁石10と鉄心60の間の隙間には、磁石の固定用の接着材(図示せず)が充填される。なお、当該隙間は0.03〜0.2mm程度である。また、鉄心60は電磁鋼板等を所定形状に打ち抜いて積層したものである。
図4は図2及び図3に示すロータを組み込んだ回転機を示す模式図である。図に示すように、ロータ100の外周には、巻線を施したステータ110が配置される。本実施の形態では、ステータ110は12スロットである。ロータ100は軸受120を介して回転機のケース130に回転可能に支持されている。
次に、本実施の形態のリング型焼結磁石の磁石厚さについて説明する。リング型焼結磁石の磁石厚さは、その最大厚さに対して最小厚さが小さいほど、起磁力分布を正弦波に近づける形状を実現しやすくなる。しかし、リング型焼結磁石の機械的な強度が弱くなり、磁石の製造中などに破損してしまうため、機械強度を維持する上で最小厚さが必要となる。本実施の形態のリング型焼結磁石の場合、最小磁石厚さは1mmである。磁石の強度を保つためには、最小厚さは最大厚さの30%以上が必要である。最小厚さが最大厚さの90%以上となると磁石の強度は十分得られるが、起磁力の高調波歪を低減する上で効果が少なくなってしまう。なお、磁石厚さ3mm、軸長30mmクラスのリング型焼結磁石では最小厚さは0.9mm以上が必要である。
図5は本実施の形態のリング型焼結磁石の磁石厚さ分布を示す図である。図5は磁極1極分(電気角度が0度から180度)の磁石厚さ分布を示し、最大磁石厚さを基準とした(磁石厚さ)/(最大磁石厚さ)の分布を表している。本実施の形態では、図5の磁石厚さ分布をリング周方向に8極分繰り返し、電気角が48°以下の領域と132°以上の領域では、磁石の機械的強度を維持するため磁石厚さは略一定(上述した最小厚さ以上)としている。図6は比較例1としてリング型焼結磁石の外周に凹部及び凸部を設けた磁石厚さの分布を示している。図5と同様に磁石の機械的強度を維持するため磁石厚さが一定の領域を設けている。
ここで、リング型焼結磁石が発生する磁束量の回転方向の分布について説明する。図7は本実施の形態のリング型焼結磁石の磁束量を説明するための図である。図7において、リング型焼結磁石の中心をOとし、凹部20の周方向略中間位置を基準(θ=0度)とする回転角度をθとする。そして、角度θにおける磁束量(磁束密度)をΦ(θ)、磁石の起磁力をVm(θ)、鉄心60とステータ110間のギャップ長g(θ)とする。このとき、起磁力Vm(θ)は、磁石の単位長さあたりの起磁力vm(磁石の磁気特性で決まり一定)と磁石厚さLm(θ)で決まり、下記(1)式となる。
Vm(θ)=vm・Lm(θ)・・・(1)
従って、磁束量Φ(θ)は下記(2)式となる。
Φ(θ)=Vm(θ)/g(θ)=vm・Lm(θ)/g(θ)・・・(2)
本実施の形態では、上述の磁束量分布Φ(θ)を正弦波分布に近似するように設定する。そうすると、本実施の形態のリング型焼結磁石の磁石の厚さLm(θ)は、磁石厚さの厚い領域(凸部30)において、次式(3)に従う。
Lm(θ)≒a/(1/(k・sinθ)−1)・・・(3)
ここで a:磁石の最大厚さに対する磁石外周とステータ間のエアギャップの間隔
k:磁石厚さ最大の領域での、磁束量と起磁力の比例定数
k=Lm max・vm/((Lm max+a)/μ0)
これに対して、比較例1では、リング型焼結磁石の起磁力分布を正弦波分布に近づけることを目的として、磁石の厚さLm(θ)の分布を正弦波に近づけるように外周の凹部及び凸部を設定している。この場合、シャフトの鉄心とステータのギャップg(θ)は角度θによらず一定であるため、磁束量は磁石の厚さできまり、正弦波分布になる。磁石厚さの薄い領域では、磁路抵抗が大きく磁束が流れにくい。
一方、本実施の形態のリング型焼結磁石の場合は、磁石の厚さが薄い領域ではシャフトの鉄心60の外径が大きくなるため、鉄心60とステータ110のギャップが狭くなり、磁路抵抗が小さくなり、磁束が流れにくくなる現象が緩和される。
図8は本実施の形態(図5の形状)のリング型焼結磁石の磁束量の分布を示す図である。図9は比較例1(図6の形状)のリング型焼結磁石の磁束量の分布を示す図である。なお、図8及び図9は磁極1極分(電気角度が0度から180度)の磁束量分布を示している。図5(本実施の形態)のリング型焼結磁石の形状と図6(比較例1)のリング型焼結磁石の形状を比較すると分かるように、図5(本実施の形態)のリング型焼結磁石の方が図6(比較例)のリング型焼結磁石よりも、平均的に磁石の厚さが薄くなり磁石の量が少なくなっているが、図8に示すように、リング型焼結磁石の凸部30の周方向中央部付近で正弦波状の分布が得られていることがわかる。
なお、磁石厚さの厚い凸部30の領域において、リング内周を上記(3)式の曲線に近似するように形成したが、磁極中心位置が磁石の最大厚さ位置に来るようにリング内周を凸状の曲線形状にしても略同様の効果を得ることができる。
図5及び図6で示したリング型焼結磁石の磁石厚さの回転方向の積分値は磁石の使用量に比例する。この場合、図6のリング外周に凹部及び凸部を有するリング型焼結磁石に比較して、図5のリング内周に凹部及び凸部があるリング型焼結磁石では、磁石の使用量は25%少なくなる。なお、比較例2として、図6に示す磁石厚さの分布と同じ分布で、リング外周を円形状、内周に凹部及び凸部を設けた場合のリング型焼結磁石の磁束量の分布を図10に示す。この場合、磁路抵抗が少なくなる効果によって、正弦波からの歪は大きく、磁束量が増加している。
次に、本実施の形態のリング型焼結磁石におけるスキュー着磁の方法と効果について説明する。図8の本実施の形態(図5の形状)のリング型焼結磁石の磁束量の分布において、磁石の厚さが一定の領域(凹部20の領域)である電気角度が45°以下、135°以上において、磁束量は一定となり、磁束量の分布における正弦波に対する高調波歪が大きくなる。そこで、図2に示すように、磁極(N極、S極)の境界が、磁石の厚さが薄くて一定の領域(凹部20の領域)にてリング軸方向に傾斜(スキュー)するように、スキュー着磁した。
このように、本実施の形態のリング型焼結磁石において、磁石の厚さが薄くて一定の領域(凹部20の領域)において、磁極の境界がリング軸方向に傾斜しているために、ステータ110に流れ込む磁束量を滑らかに変化させることができる。図11は上記のようにスキュー着磁した本実施の形態のリング型焼結磁石の磁束量の分布を示す図である。図に示すように、本例の磁束量の分布(図中の実線)において、正弦波分布(図中の点線)からのズレを非常に少なく抑えることができる。
なお、磁極の境界がリング軸方向に対して傾斜するようにスキュー着磁させると、磁極の境界が傾斜している領域つまり磁石の厚さが一定の領域(凹部20の領域)において、異極の磁極同士が互いに磁束量をキャンセルさせあうため、磁石の発生する磁束量を有効に使用することには反する。しかしながら、本実施の形態の場合、磁石の厚さが薄い領域のみで磁極の境界が傾斜しているので、磁束量のキャンセルは少なく、影響が少ない。
スキュー着磁は通常、5次高調波を打ち消すような電気角72°前後のスキュー(傾斜)角が用いられることが多いが、本実施の形態の場合は、磁石の厚さの薄い一定の領域(凹部20の領域)に相当する角度でスキュー着磁させるのが好ましい。すなわち、本実施の形態の場合、電気角約90度でスキュー着磁している。
次に、本実施の形態のリング型焼結磁石の製造工程について説明する。本磁石の製造工程は、原料合金鋳造工程、粉砕工程、磁場中成形工程、焼結・熱処理工程、加工工程から構成される。具体的に説明すると、磁石の組成は、例えばNd:30wt%、B:1wt%、Dy:3wt%、Fe:残りwt%である。原料合金鋳造工程において高周波溶解で混合した原料合金を、水素脆性化処理、ジェットミルにより粉砕して(粉砕工程)、平均粒径4μmの磁性粉末を得る。その磁性粉末に磁場を加えて磁性結晶の方向を揃える配向を行い、内周に凹凸を有するリング形状に圧縮成形してリング成形体を製作する(磁場中成形工程)。そして、上記リング成形体を真空中で1080℃、900℃、600℃の焼結・熱処理工程を経て、リング焼結体を得る。なお、磁場中成形工程においては、磁場を加えながら加圧しても、磁場を加えた後、加圧してもよい。
磁場中成形工程におけるリング成形体において、磁石厚さが薄いところでも1mmあるため割れや欠けが生じにくい。焼結工程の焼結収縮のときも、同様の理由から焼結収縮時に形状歪が生じにくい。そのため磁石の割れ欠け変形が少なくなる。
上述の磁場中成形工程と焼結工程について詳細に説明する。金型として、内周が円形のダイス、外周にリング型磁石の内周の凹凸部に応じた凹凸部を有するコア、ダイスとコアに嵌め合わすことができる上パンチと下パンチを使用する。これらの金型は本実施の形態の場合、高さ15mmの成形体を成形できるように金型のキャビティの高さを30mm、ダイス高さを40mmとした。この金型を用いてリング外周が円形で内周に凹凸部を有する高さ15mmのリング成形体を複数個(例えば3個)作る。そして、複数個(例えば3個)のリング成形体を高さ方向に積み重ね、焼結することで、焼結後の高さ35mmでリング外周が円形、リング内周に凹凸部を有する本実施の形態のリング型焼結磁石を製造できる。なお、磁石高さが低い場合などは、1個のリング成形体を焼結することでリング型焼結磁石を製造しても良い。
上記のような、磁場中成形工程と焼結工程を用いるため、リング外周が円形状で、リング内周に凹凸部を有する本実施の形態のリング型焼結磁石を、割れや欠け、変形が発生することなく安定して製造することができる。
最後に、本実施の形態のリング型焼結磁石10を取付けたロータ100と、前述した12スロットのステータ110とを組み合せてモータを製作した。そして、コギングトルクを測定した結果、リング内周に凹凸形状のない磁石厚さ一定のリング型磁石を用いた場合に比べて、コギングトルクを1/2以下に低減することができた。また、本実施の形態のリング型焼結磁石10を用いたモータでは、比較例1のリング型焼結磁石を用いたモータに比べてコギングトルクを20%低減することができ、さらに、磁石の使用量も比較例1に比べ25%低減することができた。
本実施の形態のリング型焼結磁石をモータに組み込んだ状態では、N極とS極の境界付近である領域は磁石の厚さが薄くてその部分に逆磁界が加わりやすく、一般的に磁石は減磁しやすくなると考えられるが、当該領域ではステータ110と鉄心60との間隔が狭くパーミアンスが高いため減磁しにくいといった特徴も得られた。ただし、リング型焼結磁石10の磁石厚さの薄い領域(凹部20)において鉄心60との間隔が大きいと本実施の形態の効果が上がらず、また減磁しやすいといった問題も生じる。そのため、リング型焼結磁石10と鉄心60の間の間隔は、磁石厚さの薄い領域(凹部20)の長さ寸法以下が良い。
以上のように本実施の形態によれば、リング軸に垂直な断面において、リング外周は円形状に形成されるとともに、リング内周はその周方向に凹部20及び凸部30が周期的に形成され、リング周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されており、磁極の境界が磁石厚さの薄い凹部20の領域に形成されているので、磁石厚さの薄い凹部20の領域において、リング型焼結磁石10の内周部に配設される鉄心60と外周部に配置されるステータ110を近接させることができ、磁石厚さが薄い凹部20の領域でも磁束が流れやすく、磁石厚さの薄い領域の磁石厚さの厚い領域に対する磁束量の低下が少なくなる。そのため、磁石の総重量に対するトルク発生に有効な磁束量の割合を増加することができ、リング外周に凹凸部を有するリング型焼結磁石と略同じ性能を保持しつつ、磁石の使用量を削減することができる。
また、磁石厚さの薄い凹部20の領域において磁石厚さを略一定としたので、当該領域における機械的な強度が弱くなくなり、製造時における磁石の割れや欠け、リング形状の歪みを無くすことができる。
また、磁石厚さの厚い凸部30の領域において、リング内周を凸状の曲線形状、特に上記(3)式の曲線に近似して形成し、磁極の中心が凸部の最大磁石厚さ部分に位置するようにしたので、磁石の磁束量分布を正弦波形状に近似することができる。
さらに、磁石の厚さが薄い凹部20の領域において、磁極の境界がリング軸方向に傾斜して形成されているので、当該領域における磁束量の分布の正弦波分布からのズレを少なく抑えることができる。
上記実施の形態では、磁石の組成としてNd、B、Fe、Dyの例を示したが、Co、Al、Cu、その他添加元素を加えてもよい。
また、上記実施の形態では、外周に凹凸部を設けた鉄心60として、電磁鋼板等の積層した例を示したが、冷鍛により製造したものでもよい。また、粉状の磁性材料を圧縮成形した圧粉鉄心で構成してもよい。また、リング型焼結磁石10と鉄心60の固定は、接着材を用いなくてもよく、ねじ等で機械的に固定しても、ロー付け等の固定でも良い。
さらに、上記実施の形態では、8極のリング型焼結磁石と12スロットのステータで説明をおこなったが、磁極数やスロット数に依存するものではなく、他の磁極数のリング型焼結磁石においても、同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
本実施の形態では、上記リング型焼結磁石10において、磁石厚さの厚い領域(凸部30)では鉄心60とのギャップを0.06mm以下にするとともに、磁石厚さの薄い領域(凹部20)では鉄心60とのギャップを0.1mm以上にする。リング型焼結磁石10と鉄心60との固定を行う際に相互の位置決めが必要であるが、リング型焼結磁石の内周の全領域で嵌め合わせを行おうとすると、リング型焼結磁石10の内周部と鉄心60の外周部に高精度の形状精度を確保する必要が生じる。
そこで、本実施の形態では、磁石厚さの薄い領域(凹部20)で鉄心60とのギャップを広く、磁石厚さの厚い領域(凸部30)で鉄心60とのギャップを狭くすることにより、磁束量の大きな領域(凸部30)では磁路抵抗を最小限に少なくすることができ、磁束量の小さな領域(凹部20)では磁路抵抗が多少大きくても磁束量の減少の影響を受けなくて済み、全体としては磁束量を有効に活用できる。
また、磁石の厚さが厚い領域(凸部30)は、製造工程中の、磁石の加工前の状態(焼結後の状態)でも形状精度が高いため、焼結工程後に実施する加工工程(研削工程等)を省略して使用した場合においても位置決め精度が確保される。すなわち、加工工程を省いても、精度の高いロータの組立が実現でき、ロータに振れ等が発生しないため、騒音や振動が少ない回転機が実現できる。
ここで、本実施の形態において製造工程上得られる特徴について述べる。前述したようにネオジム等の希土類系焼結磁石の製造工程は、原料合金鋳造工程、粉砕工程、磁場中成形工程、焼結・熱処理工程、加工工程を経る。ここで、磁場中成形工程において磁性粉末を金型に給粉時の成形密度のばらつきを少なくすることと、焼結工程における焼結収縮による焼結歪を少なくすることで、次の加工工程の省略が可能となる。本形状のリング型焼結磁石の場合、磁石厚さの厚い領域(凸部30)では、金型への磁性粉末の給粉が安定していることと、焼結時の収縮が安定であることから、組立時に必要な形状精度を確保することが可能であり、磁石厚さの薄い領域(凹部20)で形状精度の制限を緩くしておいても、加工工程を省略することができる。ただし、加工工程を実施しても本実施の形態の効果は発揮できる。当然、磁石厚さの厚い領域のみを加工してもよい。また、全領域を加工してもよい。
以上のように、本実施の形態のリング型焼結磁石の形状によれば、製造における加工工程を省略あるいは簡略化することができ、磁石製造におけるロスを少なくし、製造コストを低減することができる。
実施の形態3.
図12はこの発明の実施の形態3のリング型焼結磁石を用いた回転機のロータを示す斜視図、図13は図12の回転機のロータの断面形状を示す図である。
実施の形態1において、リング型焼結磁石10の内周部に配設される鉄心60は、リング型焼結磁石10の内周の凹部20及び凸部30に概ね沿うような凸部62及び凹部63をその外周に形成している。本実施の形態では、鉄心60の外周に、上記凸部62及び凹部63のほか、リング型焼結磁石10の磁石厚さが薄い凹部20に対向する位置に凹部64を設けている。
図12及び図13において、本実施の形態のリング型焼結磁石10は、実施の形態1と同様、リング外周が円形状に形成され、リング内周に凹部20及び凸部30が周期的に形成され、凹部20にあたる箇所では、磁石の厚さが一定となっている。また、その結晶方向を示す配向の方向は、略径方向を向いたラジアル配向である。
そして、リング型焼結磁石10は、シャフト50に固定された鉄心60の外周に取付けられる。また、リング型焼結磁石10には、リング周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されており、当該磁極の境界は磁石厚さが薄い領域である凹部20に形成されている。さらに、磁極の境界は、リング軸方向と略平行になるようにストレート着磁されている。
また、鉄心60の外周には、リング型焼結磁石10の内周に設けられた凹部20及び凸部30に概ね沿うような凸部62及び凹部63が形成されている。さらに、鉄心60の外周には、上記凸部62及び凹部63のほか、リング型焼結磁石10の磁石厚さが薄い凹部20に対向する位置に凹部64が形成されている。本例では、凹部64は、凹部63と略同形状であり、リング型焼結磁石10の凸部30に概ね沿うような形状を成している。
本実施の形態のリング型焼結磁石において、磁極は8極であり、鉄心60の凹部63,64は磁石の極数8極の倍である16個設けられている。また、磁石外径はΦ30mm、磁石の最大厚さは3mm、最小厚さは1mmである。さらに、磁石の軸長は35mmである。
本実施の形態では、リング型焼結磁石10の磁石の厚さが薄い領域(凹部20)において、鉄心60の外周に形成された凹部64と組み合わされる。そのため、磁石の薄い領域(凹部20)では鉄心60とステータ110との間隔が若干広くなり、磁路抵抗がその分大きくなる。そして、磁束量は、磁石の厚さが一定でも鉄心60とステータ110のギャップが広くなるためその分少なくなる。図14は本実施の形態のロータにおける磁束量の回転方向分布を示す図である。鉄心60の外周がリング型焼結磁石10の外周に沿った形状の場合(図8の磁束量分布)に比べ、正弦波の形状に近づき、高調波歪が少なくなることがわかる。
本実施の形態の場合、同サイズの円筒型のリング型焼結磁石を使用した場合に比べてコギングトルクが1/2となり、磁石の使用量も25%低減できた。また、スキュー着磁のためのヨークが不要で、簡単なストレート着磁用ヨークを使用することによりリング型焼結磁石10の磁極が形成できる。
実施の形態4.
上記実施の形態では、リング型焼結磁石10の内周と鉄心60の外周のギャップを、磁極の境界に対して回転方向に対称になるように構成したが、リング型焼結磁石10の内周と鉄心60のギャップが軸方向に対して変化するように構成してもよい。
図15及び図16はこの発明の実施の形態4のリング型焼結磁石を使用した回転機のロータの断面形状を示す図である。図15はリング軸方向の最下部における断面図であり、図16はリング軸方向の最上部における断面図である。
図15及び図16において、リング型焼結磁石10は、実施の形態3と同様、リング外周が円形状に形成され、リング内周に凹部20及び凸部30が周期的に形成され、凹部20にあたる箇所では、磁石の厚さが一定となっている。また、その結晶方向を示す配向の方向は、略径方向を向いたラジアル配向である。
また、リング型焼結磁石10には、リング周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されており、当該磁極の境界は磁石厚さが薄い領域である凹部20の略周方向中央位置に形成されており、リング軸方向と略平行になるようにストレート着磁されている。
また、鉄心60の外周には、リング型焼結磁石10の内周の凹部20及び凸部30に概ね沿うような凸部62及び凹部63が形成されている。さらに、鉄心60の外周には、上記凸部62及び凹部63のほか、リング型焼結磁石10の磁石厚さが薄い凹部20に対向する位置に凹部64が形成されている。そして、本実施の形態では、上記凹部64は、そのリング周方向位置がリング軸方向において変化するように構成されている。すなわち、図15のリング軸方向下方においては、回転方向CCW方向のリング型焼結磁石10と鉄心60のギャップが広くなるように構成し、図16のようにリング軸方向上方に行くに従って、回転方向CCWと反対方向のリング型焼結磁石10と鉄心60のギャップが広くなるように構成する。
以上のように、本実施の形態によれば、リング型焼結磁石10の磁極の境界がリング軸方向下部では回転方向CCWに位置し、リング軸方向上方になるに従い磁極の境界が回転方向と反対方向にシフトする。そのため、リング型焼結磁石の磁極の境界を所望の傾きでスキューすることができる。すなわち、本実施の形態の構成により、構成の簡単な着磁ヨークで実施できるストレート着磁でも、スキューの効果を得ることができ、コギングトルクやトルクリップルを低減することができる。
実施の形態5.
上記実施の形態のリング型焼結磁石は、そのリング内周に、磁石厚さが一定の凹部と、凸状の曲線から成る凸部が形成されている。しかしながら、本発明では、リング内周の凹凸部は上記形状に限らず、本実施の形態に示すような種々の形状を採用することができる。
図17はこの発明の実施の形態5によるリング型焼結磁石の断面形状を示す図、図18は図17のリング型焼結磁石を取付けた回転機のロータの断面形状を示す図、図19は図17のリング型焼結磁石を取付けた回転機のロータを示す斜視図である。図において、本実施の形態のリング型焼結磁石10は、リング軸に垂直な断面において、リング外周が円形状に形成され、リング内周の周方向に磁石厚さが一定の凹部20Aと凸角形状の(折れ曲がり曲線で形成された)凸部30Aが周期的に形成されている。
本実施の形態のリング型焼結磁石10は、ロータ100のシャフト50に固定された鉄心60の外周に取付けられる。図19に示すように、リング型焼結磁石10には、リング周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されており、当該磁極の境界は磁石厚さが薄い領域である凹部20Aに形成されている。さらに、磁極の境界は、リング軸方向に対して一定の傾斜角で傾くようにスキュー着磁されている。
また、シャフト50の鉄心60は、リング型焼結磁石10の内周に設けられた凹部20A及び凸部30Aに概ね沿うような凸部62A及び凹部63Aをその外周に形成している。リング型焼結磁石10と鉄心60の間の隙間には、磁石の固定用の接着材(図示せず)が充填される。
図20はこの発明の実施の形態5の他の例のリング型焼結磁石の断面形状を示す図である。上記実施の形態では、磁石厚さが薄い領域では磁石の厚さが一定の例を説明したが、磁石厚さが一定でなく変化がある形状であっても、トルクムラを低減する効果が損なわれることはない。すなわち、図20に示すように、リング型焼結磁石10のリング内周にS字曲線状の凸部30B及び凹部20Bを周期的に形成し、磁石厚さを円弧状に連続的に変化させるようにした。また、磁極の中心位置を凸部30Cの周方向の略中央位置に、磁極の境界を凹部20Cに配置する。図20のような形状にすることにより、磁石製造時におけるリング成形体への外力がリング形状の不連続部に集中することによるリング成形体の割れを防止することができ、また、焼結収縮時における不連続部への応力集中による割れ防止の効果が得られる。このように、図20の形状によれば、リング型焼結磁石10を安定して製造できる効果が得られるため、製造上のロスやコストを削減できる。
図21はこの発明の実施の形態5の他の例のリング型焼結磁石の断面形状を示す図である。図21のリング型焼結磁石10は、リング内周に2次曲線状の凸部30C及び凹部20Cを周期的に形成し、磁石の厚さが薄い領域(凹部20C)において磁石の厚さが均一な領域がない例である。本例において、磁極の中心位置を凸部30Cの周方向の略中央位置に、磁極の境界を凹部20Cに配置することにより、起磁力分布の高調波歪の低減は可能であり、また、鉄心60とステータ110間のギャップが磁石厚さの薄い領域(凹部20C)で狭くなるため、磁石の磁力を有効に活用でき磁石の使用量は少なくできる効果が得られる。本形状の場合、磁石の製造における磁場成形工程で使用する金型の形状が比較的簡単になる利点がある。
図22は、図17、図20及び図21のリング型焼結磁石の回転方向の磁石厚さ分布を示す図である。また、図23は、図17、図20及び図21のリング型焼結磁石の回転方向の磁束密度分布を示す図である。なお、図22又は図23は、磁極1極分(電気角度が0度から180度)の磁石厚さ分布及び磁束密度分布を示し、それぞれ最大磁石厚さを基準とした(磁石厚さ)/(最大磁石厚さ)、(磁束密度)/(最大磁石厚さにおける磁束密度)の分布を表している。
図22において、図17のリング型焼結磁石の磁石の最大厚さtmaxと最小厚さtminの中間に当る半値(tmax+tmin)/2を定め、半値で決まる中心角(半値中心角と呼ぶ)の1極の磁極の中心角に対する割合である(半値中心角)/(磁極中心角)をパラメータとする。そして、図17のリング型焼結磁石の(半値中心角)/(磁極中心角)と、磁束密度分布の高調波の振幅、磁石の重量、(磁束密度分布の基本波振幅)/(磁石重量)の関係を図24、図25、図26に示す。
図24、図25、図26に示すように、リング型焼結磁石の半値中心角を小さくすることにより磁束密度分布の高調波は少なくなるが、それ以上に磁石重量が減少しており、そのため、磁束密度分布の基本波振幅/磁石重量は増加する。また、半値中心角が0.2〜0.8ではコギングトルク等のトルクムラの要因である磁束密度分布の5次、7次高調波が低減できることがわかる。また、図20及び図21のS字曲線状の凹凸部、二次曲線による凸部を有するリング型焼結磁石の(半値中心角)/(磁極中心角)はそれぞれ、0.56、0.7であり、図17の折れ曲がり直線形状のリング型焼結磁石の傾向とほぼ一致する。
次に、図27に、図20のS字曲線状リング型焼結磁石と、図21の二次曲線状のリング型焼結磁石と、磁石厚さが均一なリング型焼結磁石の比較を示す。比較する項目としては、磁束密度分布の基本波(1次)、3次、5次、7次高調波、磁石の重量、磁束密度分布の基本波振幅/磁石重量である。磁束密度分布の高調波は厚さが均一なリング型焼結磁石の基本波(1次)の振幅で規格化して示している。磁石重量は磁石厚さが均一なリング型磁石の重量で規格化して示す。図20のS次曲線状、図21の二次曲線状のリング型焼結磁石ともに、磁石重量が大幅に少なくなっているが基本波の減少幅は少なく、そのため、磁束密度分布の基本波振幅/磁石重量は大きくなっている。磁束密度分布の基本波はモータの回転に寄与する成分であり、磁石を有効に使えていることがわかる。一方、コギングトルクの発生要因となる磁束密度分布の高調波における5次、7次高調波はいずれも、従来のリング型磁石に比べて小さくなっており、トルクムラは小さくなる。
実施の形態6.
本実施の形態では、本発明の形状のリング型焼結磁石におけるスキュー着磁の変形例、つまりリング軸方向に対して磁極の境界をS字状にスキュー着磁する例について説明する。図28はこの発明の実施の形態6のリング型焼結磁石を取付けた回転機のロータを示す斜視図である。なお、図28は、実施の形態3(図12)の形状のリング型焼結磁石においてS字状にスキュー着磁を施した例を示している。すなわち、リング型焼結磁石10は、リング外周が円形状に形成され、リング内周に凹部20及び凸部30が周期的に形成され、凹部20にあたる箇所では磁石の厚さが一定となっている。
一方、リング型焼結磁石10の内周部に配設される鉄心60は、リング型焼結磁石10の内周の凹部20及び凸部30に概ね沿うような凸部62及び凹部63をその外周に形成していると共に、リング型焼結磁石10の磁石厚さが薄い凹部20に対向する位置に凹部64を設けている。
そして、リング型焼結磁石10には、リング周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されており、当該磁極の境界は磁石厚さが薄い領域である凹部20に形成されている。さらに、磁極の境界が、リング軸方向の上段及び下段ではストレートに形成され、上段及び下段の中間であるリング軸方向の所定領域において一定の傾斜角で傾くように段スキュー着磁されている。
実施の形態3の形状のリング型焼結磁石により、コギングトルクは十分低減可能であるが、モータの工作精度等によりコギングが発生する場合がある。また、モータによってはさらに低いコギングトルク(0.5%以下)が要求される場合がある。
その場合、コギングトルクの実測結果をもとに、磁極の境界がスキューされている領域の上段及び下段に当たる磁石のコギングトルクが互いに打ち消し合うようにスキュー(傾斜)角度を設定すればよい。例えば、磁極の極数が8、スロット数12の場合、24周期の半分(機械角度15°/2で7.5°)にすることが有効となる。
なお、上記実施の形態では、段スキュー着磁した例を示したが、一般のいわゆるS字状にスキュー着磁しても良い。
なお、本実施の形態のS字状のスキュー着磁は、図12の形状のリング型焼結磁石に限らず、図2のリング型焼結磁石の形状等に適用するなどしても、同様の効果が得られる。
この発明の実施の形態1によるリング型焼結磁石の断面形状を示す図である。 この発明の実施の形態1のリング型焼結磁石を取付けた回転機のロータを示す斜視図である。 図2の回転機のロータの断面形状を示す図である。 図2及び図3に示すロータを組み込んだ回転機を示す模式図である。 この発明の実施の形態1のリング型焼結磁石の磁石厚さ分布を示す図である。 比較例1のリング型焼結磁石の磁石厚さ分布を示す図である。 この発明の実施の形態1のリング型焼結磁石の磁束量を説明するための図である。 この発明の実施の形態1(図5の形状)のリング型焼結磁石の磁束量の分布を示す図である。 比較例1(図6の形状)のリング型焼結磁石の磁束量の分布を示す図である。 比較例2のリング型焼結磁石の磁束量の分布を示す図である。 この発明の実施の形態1のリング型焼結磁石においてスキュー着磁を実施した場合の磁束量の分布を示す図である。 この発明の実施の形態3のリング型焼結磁石を用いた回転機のロータを示す斜視図である。 図12の回転機のロータの断面形状を示す図である。 この発明の実施の形態3のリング型焼結磁石の磁束量の分布を示す図である。 この発明の実施の形態4のリング型焼結磁石を使用した回転機のロータの断面形状を示す図である。 この発明の実施の形態4のリング型焼結磁石を使用した回転機のロータの断面形状を示す図である。 この発明の実施の形態5によるリング型焼結磁石の断面形状を示す図である。 図17のリング型焼結磁石を取付けた回転機のロータの断面形状を示す図である。 図17のリング型焼結磁石を取付けた回転機のロータを示す斜視図である。 この発明の実施の形態5の他の例のリング型焼結磁石の断面形状を示す図である。 この発明の実施の形態5の他の例のリング型焼結磁石の断面形状を示す図である。 図17、図20及び図21のリング型焼結磁石の回転方向の磁石厚さ分布示す図である。 図17、図20及び図21のリング型焼結磁石の回転方向の磁束密度分布を示す図である。 図17のリング型焼結磁石の(半値中心角)/(磁極中心角)と磁束密度分布の高調波の振幅の関係を示す図である。 図17のリング型焼結磁石の(半値中心角)/(磁極中心角)と磁石重量の関係を示す図である。 図17のリング型焼結磁石の(半値中心角)/(磁極中心角)と磁束密度分布の基本波振幅/磁石重量の関係を示す図である。 図20のリング型焼結磁石と、図21のング型焼結磁石と、磁石厚さが均一な従来のリング型焼結磁石の比較を示す図である。 この発明の実施の形態6のリング型焼結磁石を取付けた回転機のロータを示す斜視図である。
符号の説明
10 リング型焼結磁石、20,20A,20B,20C 凹部、
30,30A,30B,30C 凸部、50 シャフト、60 鉄心、
62,62A 凸部、63,63A 凹部、64 凹部、100 ロータ、
110 ステータ。

Claims (14)

  1. リング軸に垂直な断面において、リング外周は円形状に形成されるとともに、リング内周はその周方向に凹部及び凸部が周期的に形成され、
    リング周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されており、上記磁極の境界が磁石厚さの薄い上記凹部の領域に形成されていることを特徴とするリング型焼結磁石。
  2. 磁石厚さの薄い上記凹部の領域において、磁石厚さが略一定となることを特徴とする請求項1に記載のリング型焼結磁石。
  3. 磁石厚さの厚い上記凸部の領域において、リング内周が凸状の曲線により形成され、磁極の中心が上記凸部の最大磁石厚さ部分に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリング型焼結磁石。
  4. 磁石の厚さの厚い上記凸部の領域において、磁石厚さが次式のLm(θ)に従うことを特徴とする請求項3に記載のリング型焼結磁石。
    Lm(θ)≒a/(1/(k・sinθ)−1)
    ここで、Lm(θ):リング型焼結磁石の中心をOとし、凹部20の周方向略中心位 置(0度)を基準とした回転角度θにおける磁石厚さ
    a:磁石の最大厚さに対する磁石外周とステータ間のエアギャップの間隔
    k:磁石厚さ最大の領域での、磁束量と起磁力の比例定数
    k=Lm max・vm/((Lm max+a)/μ0)
    μ0:透磁率
  5. 磁石厚さの厚い上記凸部の領域において、リング内周が凸角形状に形成され、磁極の中心が上記凸部の最大磁石厚さ部分に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリング型焼結磁石。
  6. リング内周にS字曲線状の凸部及び凹部を周期的に形成し、磁石厚さを円弧状に連続的に変化させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のリング型焼結磁石。
  7. リング内周に2次曲線状の凸部及び凹部を周期的に形成し、磁石の厚さが薄い上記凹部の領域で磁石の厚さが均一な領域がないようにしたことを特徴とする請求項1に記載のリング型焼結磁石。
  8. 磁石の厚さが薄い上記凹部の領域において、磁極の境界がリング軸方向に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリング型焼結磁石。
  9. 磁極の境界が、リング軸方向にS字状に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項8に記載のリング型焼結磁石。
  10. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のリング型焼結磁石と、上記リング型焼結磁石の内周の上記凹部及び凸部に概ね沿うような凸部及び凹部がその外周に形成され、上記リング型焼結磁石の内周部に固定される鉄心と、上記鉄心が固定されたシャフトとから構成されるロータ。
  11. 上記リング焼結磁石の磁石厚さの薄い凹部の領域における上記鉄心とのギャップを、上記リング焼結磁石の磁石厚さの厚い凸部の領域における上記鉄心とのギャップより、広くしたことを特徴とする請求項10に記載のロータ。
  12. 上記リング型焼結磁石の磁石厚さが薄い凹部の領域に対応する位置の上記鉄心に凹部を設けたことを特徴とする請求項10に記載のロータ。
  13. 上記鉄心の凹部が、リング軸方向に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項12に記載のロータ。
  14. 請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のロータと、上記ロータの外周に配置されたステータを備え、上記ロータが上記ステータに対して回転可能に支持されている回転機。
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