JP4391964B2 - リング型磁石及びリング型磁石の製造方法 - Google Patents

リング型磁石及びリング型磁石の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4391964B2
JP4391964B2 JP2005121944A JP2005121944A JP4391964B2 JP 4391964 B2 JP4391964 B2 JP 4391964B2 JP 2005121944 A JP2005121944 A JP 2005121944A JP 2005121944 A JP2005121944 A JP 2005121944A JP 4391964 B2 JP4391964 B2 JP 4391964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
magnet
convex
orientation
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005121944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006304472A (ja
Inventor
泰造 石見
義一 鵜飼
裕治 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2005121944A priority Critical patent/JP4391964B2/ja
Publication of JP2006304472A publication Critical patent/JP2006304472A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4391964B2 publication Critical patent/JP4391964B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

この発明は、起磁力分布の高調波を低減することができ、トルクムラを低減することができるリング型磁石に関するものである。
永久磁石モータのインナーロータ等に使用されるラジアル配向のリング型磁石は、コギングトルク等の回転むらを低減するため、磁極を軸方向に斜めに形成するスキュー着磁されることが多かった。しかし、ラジアル配向されたリング型磁石の起磁力分布は矩形であり、高次成分による歪を多く含むため、スキュー着磁だけでは、十分にコギングトルクを低減する効果が得られなかった。
そのため、従来、例えば、下記特許文献1又は特許文献2に示すように、リング型磁石の外周に凹凸部を形成し、かつこの凹凸部を軸方向にスキューする方法があった。この方法によると、回転方向の磁化分布の歪を低減した上で、スキューでさらにコギングトルクを低減できる効果がある。
特開平9−35933号公報(図3) 特開2001−211581号公報(請求項1、図1)
以上のように、リング型磁石の起磁力の回転方向分布には、コギングトルクやトルクリップルの原因となる歪み波が多く含まれるため、トルクムラが発生していた。
また、リング型磁石の場合、磁極と磁極の間でも磁石でつながっているため、起磁力を0に近づけ、歪を少なくできるようにコントロールすることが困難であった。
そのため、上記特許文献に示すように、磁極を斜めに形成するスキュー着磁などが行われていたが、トルクムラを十分に小さくすることは困難であった。さらに、スキュー着磁は磁石の発生する磁束がキャンセルしあうため、磁石を有効に使うことができないといった問題もあった。
この発明は上記のような従来の課題を解消するためになされたものであり、起磁力分布の高調波を低減することができ、トルクムラを低減することができるリング型磁石を提供することを目的とする。
また、磁極のスキュー角度が小さい、あるいはスキューしなくてトルクムラを低減することができるリング型磁石を提供することを目的とする。
この発明に係るリング型磁石は、リング外周の円周方向に周期的な凹凸形状が形成され、凹凸形状の凸部に磁極の中心が、凹部に磁極の境界がくるように着磁され、磁気配向の向きがリング型磁石中心軸と凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かっており、
上記リング外周の凹凸形状の凹部の最小径方向厚さをtmin、凸部の最大径方向厚さをtmaxとする場合、tmin/tmaxが0.5以上0.9以下であり、
リング型磁石の任意の位置及び上記リング型磁石の中心軸を結ぶ線と上記凸部中心線のなす角度をα、上記任意の位置の配向の向きと上記凸部中心線のなす角度をβとする場合(ただし、α=0、β=0の場合を除く)、5×tmin/tmax−1≧β/α≧5×tmin/tmax−3の関係が成り立つことを特徴とする。
この発明に係るリング型磁石の製造方法は、磁性粉末をリング型に加圧するとともに、リング型のラジアル方向に磁場を加えることによりラジアル配向されたリング型磁石成形体を成形し、焼結一体化して得られ、リング外周の円周方向に周期的な凹凸形状が形成され、上記凹凸形状の凸部に磁極の中心が、凹部に磁極の境界がくるように着磁され、磁気配向の向きがリング型磁石中心軸と上記凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かっており、上記リング外周の凹凸形状の凹部の最小径方向厚さをtmin、凸部の最大径方向厚さをtmaxとする場合、tmin/tmaxが0.5以上0.9以下であり、リング型磁石の任意の位置及び上記リング型磁石の中心軸を結ぶ線と上記凸部中心線のなす角度をα、上記任意の位置の配向の向きと上記凸部中心線のなす角度をβとする場合(ただし、α=0、β=0の場合を除く)、5×tmin/tmax−1≧β/α≧5×tmin/tmax−3の関係が成り立つリング型磁石の製造方法であって、
内周に周期的な凹凸形状を有する強磁性で構成される強磁性部と、強磁性部の内側に内周が凹凸形状を有し、当該凹凸形状が上記強磁性部の凹凸形状と相反する位相とである非磁性で構成される非磁性部とを有するダイと、ダイの内周側に配置されて磁性粉末が充填されるキャビティを形成するコアと、ダイの非磁性部の凹凸形状と嵌り合う形状の上パンチを備え、コアからダイに向けてラジアル配向磁場を加えるとともに、上パンチによりキャビティ内に充填した磁性粉末を加圧成形することを特徴とする。
この発明のリング型磁石によれば、起磁力分布の高調波を低減することができ、トルクムラを低減することができる。
この発明のリング型磁石の製造方法によれば、リング外周に凹凸形状を持たせ、配向方向を凸部中心線上の外側の点に向かって傾いたリング型磁石を容易に製造することができ、起磁力分布の高調波の低減、トルクムラの低減を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1及び図2はこの発明の実施の形態1によるリング型磁石を示す断面図及び斜視図である。
本実施の形態によるリング型磁石10は、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ボロン(B)を主成分とした焼結磁石であり、図1に示すように、リング外周には凹部11及び凸部12を有する凹凸形状が形成されている。また、凹部11及び凸部12はリング型磁石10の円周方向に周期的に形成されている。さらに、リング外周の凸部12に磁極の中心が、凹部11に磁極の境界がくるように着磁されている。図1のリング型磁石10では、凹部11及び凸部12がそれぞれ8個ずつ所定角度間隔(45度間隔)で設けられ、8極の磁極を形成している。
図1の矢印20は、リング型磁石10の磁気配向(以下、配向と称する)の向きを示し、着磁後の磁化方向を表している。図1に示すように、本実施の形態のリング型磁石10は、各磁極の配向の向き(矢印20)が、リング型磁石中心軸と凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かって傾斜していることを特徴とする。なお、リング型磁石10の配向の向きについては、後ほど詳細に説明する。
また、図2に示すように、リング型磁石10の外周に形成された凹凸形状は、リング型磁石10の軸方向にわたって所定角度回転して斜めに形成されている。リング型磁石10の磁極は、上記凹凸形状に沿って軸方向に所定角度回転して斜めに形成され、スキュー着磁が施されている。
従来のリング型磁石は外周が円形であり、磁石内の任意の位置において配向の向きが径方向に揃っている、いわゆるラジアル配向が用いられていた。
図3は図1と同様の外周形状を有するリング型磁石30であり、その配向31はラジアル配向の場合である。図1と比較するために示している。
図4は、本実施の形態のリング型磁石10における磁石の径方向厚さ(以下、厚さと称する)と回転角度(電気角)の関係を示した図であり、磁石の厚さが最大3mmとなっている。なお、通常のリング型磁石の場合は、回転角度に対して磁石の厚さは変化せず一定である。
図5は、リング型磁石の厚さが一定の場合であって、ラジアル配向の場合と、磁極中心に向けて配向に傾きがある場合(以下、擬似極配向と称する)における起磁力の回転角度(電気角)に対する分布の例を示している。
図6は本実施の形態のように回転方向に磁石厚さを変化させた場合であって、起磁力の回転方向分布を、配向がラジアル方向の場合(ラジアル配向)とリング型磁石中心軸と凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かっている場合(擬似極配向)を比較して示している。
図5において、磁極中心に向けて配向に傾きがある場合、磁極の中央部の磁束密度が高くなり、起磁力が高まっていることがわかる。図6において、回転方向に磁石厚さを変化させかつリング凸部の外周側の中心に向けて配向を傾けている場合、さらに磁極の中央部の磁束密度が高くなり、起磁力が高まる。また、磁極と磁極の間の部分は、配向が凸部の中央部を向いていることと、磁石の厚さが薄くなっていることから起磁力をより小さくすることができる。
次に、本実施の形態によるリング型磁石10の配向の向きについて詳しく説明する。
まず、図19において、リング型磁石の中心軸を191、リング型磁石中心軸191と凸部中心121とを結ぶ中心線を192とする。また、リング型磁石10の任意の位置(位置A、位置B)及びリング型磁石中心軸191を結ぶ線と凸部中心線192のなす角度をα(α1、α2)とする。さらに、リング型磁石10の任意の位置(位置A、位置B)の配向の向きと凸部中心線192のなす角度をβ(β1、β2)とする。
図20〜図25は、リング型磁石の凹凸形状の磁石厚さの比(tmin/tmax=1.0、0.9、0.8、0.6、0.4、0.3)における配向の向きと表面磁束密度分布の関係を示す図である。なお、tminは凹部の最小厚さ、tmaxは凸部の最大厚さを示す。また、図20〜図25において、横軸は回転角度(電気角)、縦軸は磁束密度を示し、横軸の0点が磁極の中心(凸部の中心)を示している。なお、tmax=3mm、リング型磁石10の直径が30mmの例を示している。
図20〜図25において、配向の向きとしてラジアル配向、β=α/2、β=α、β=2αの場合の各表面磁束密度を示す。また、各図には正弦波を記載している。ここで、正弦波からのズレ量の2乗平均が最小となるように正弦波の振幅を決めている(2.8度毎のポイントで計算)。そして、歪み率として正弦波からのズレ量の2乗平均の平方根の振幅に対する比率を算出して、図26にまとめる。
図26において、歪み率を0.1以下とするための各磁石厚さの比(tmin/tmax)とβ及びαの関係を説明する。
(1)tmin/tmax=1.0の場合(図20)、β/αが2以下では歪み率が0.1以下にはならない。β/α>2で歪み率を0.1以下にしようとすると、製造上、配向をコントロールすることは困難となる。
(2)tmin/tmax=0.9の場合(図21)、歪み率が0.1以下となるのは、配向がβ/α=2の場合である。
(3)tmin/tmax=0.8の場合(図22)、ラジアル配向では磁束密度が0.43Tで矩形波に近く高調波歪みが多いが、配向がβ/α=2では、磁極中心での磁束密度が0.57Tと高く、歪みが少ない。歪み率が0.1以下となるのは、配向がβ/α=1〜2の場合である。
(4)tmin/tmax=0.6の場合(図23)、配向がβ/α=2のときに磁極中心での磁束密度が0.54Tと比較的高くかつ歪みが少ない磁束密度分布が得られる。歪み率が0.1以下となるのは、β/α=0.25〜2の場合である(0.25は図26には記載していないが、歪み率は0.018となる)。
(5)tmin/tmax=0.4の場合(図24)、歪み率が0.1以下となるのは、β/α=0.5〜1の場合である。しかしながら、tmin/tmax=0.4の成形を安定して行うことは困難である。
(6)tmin/tmax=0.3の場合(図25)、歪み率が0.1以下となるのは、β/α=0.5の場合である。しかしながら、tmin/tmax=0.3の成形を安定して行うことは極めて困難である。
図27は、図26において歪み率が0.1以下となるtmin/tmaxとβ/αの関係をプロットした図である。図27において歪み率が0.1以下となる条件を満たす傾向を示した直線(実線)が次式(1)となる。
β/α≒5×tmin/tmax−2・・・(1)
ここで、歪み率が0.1以下となる条件の成り立つ幅を含めて次式(2)の範囲(図27の点線で囲まれた範囲)で効果があると考える。
5×tmin/tmax−1≧β/α≧5×tmin/tmax−3・・・(2)
このように、リング外周の凹凸形状の磁石厚さの最大最小の比(tmin/tmax)が0.5以上0.9以下の場合、好ましくは0.6以上0.8以下の場合に、配向の向きをリング型磁石中心軸と凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かって傾斜させることにより、ラジアル配向に比べて、磁極中心での磁束密度を高くすることができ、磁束密度分布の高調波歪みを少なくすることができる。
また、本実施の形態のリング型磁石によれば、リング外周に凹凸形状を持たせると共に、凸部中心線の外周側の点に向かって配向が傾くように構成しているので、磁極の中央部では起磁力が高く、磁極間では起磁力が弱まる。そのため、起磁力分布(回転方向)の正弦波からのずれである歪波のうち、5次高調波は1/2以下、7次高調波成分は1/3以下に低減できる。回転ムラであるトルクリップルやコギングトルクは主に5次、7次高調波の歪波の影響を受けるため、当該歪波が小さくなることで、トルクムラを大きく低減できることになる。
次に、本実施の形態のリング型磁石10の具体的な構成について説明する。リング型磁石の組成は、Nd:30wt%、B:1wt%、Dy:3wt%、Fe残りである。高周波溶解で混合した原料合金を水素脆性化処理し、ジェットミルにより粉砕し、平均粒径4μmの磁性粉末を得る。その粉末に磁場を加えて磁性結晶の方向をそろえる配向を行い、外周に凹凸形状を有するリング型磁石成形体に圧縮成形し、真空中で1080℃、900℃、600℃の焼結・熱処理工程を経て、リング型磁石焼結体を得る。
ここで、リング外周の凹凸形状に関して詳細に説明する。リング型磁石の軸に垂直な断面の外周の凹凸形状は、回転方向に対して厚さの変化がほぼ正弦波状である。磁石の最大厚さ(凸部)は3mm、最小厚さ(凹部)は1.8mmである。軸長は14mm、磁石最外径30mmである。本例では磁極数8であるため、正弦波状の厚さの変化は1周あたり4回の変動になる。スキュー角度は凹凸形状が軸長14mmの変化に対して15度回転している。電気角60度に相当する。
このリング型磁石を用い、12スロットのステータと組み合せて、モータを製作した。コギングトルクを測定した結果、凹凸形状のない通常のリング型磁石を用いた場合に対して、コギングトルクを1/4以下に低減できた。
また、本実施の形態のリング型磁石はネオジム焼結磁石で構成され、強い磁力があり、モータの高い出力が得られるとともに、回転方向の磁石の起磁力分布を正弦波に近づけることができ、高調波歪みを低減できる。
さらに、本実施の形態のリング型磁石の高調波歪み成分が小さいこと、また、磁極を斜めに形成することによるコギングトルク低減効果も合わせることで、より小さなコギングトルクのモータを実現できる。
コギングトルクを小さくできるリング型磁石の比較例として、極配向リング型磁石(例えば、特開2001−314050の従来例の図2等)がある。極配向リング型磁石の場合、磁石の外部から磁束の流れが全て磁石内部を通り、再び外部に出るように、配向が連続的につながる必要がある。そのため、磁石の厚さが必要であった。本実施の形態では、配向方向を傾けると共に、磁石の外周に凹凸部を設け、不要な磁石を取り除いた形状で、コギングトルクを低減できる効果を出すことができた。そのため、磁石量を少なくでき、モータの重量を軽くできる効果が得られる。
また、N極とS極の境界である磁極間は凹部にある。磁極間はステータの発生する強い逆磁界が加わりやすく、磁石は減磁しやすいが、最も減磁しやすい部分は凹形状となり磁石はなく、減磁による特性変化が少ないといった特徴も得られる。
スキュー角度は電気角で60〜72度の範囲とその周辺で大きな効果が得られるが、モータによっては、これ以外の角度でも効果が得られることがある。また、低減したいコギングトルクの成分によっても角度を変えることで対応できる。
スキュー角度は、上述した角度の半分程度の30〜35度でも5次、7次高調波歪は40%程度低減できる、仮に20度でも20%程度は低減できる。5次、7次の高調波歪は少なくなっているため、少ないスキュー角度で大きなコギングトルクの低減が可能である。
このように、本実施の形態のリング型磁石では起磁力分布の歪が少なくなっているため、磁極のスキュー角度を小さくしても、トルクムラを低減できる。従ってスキュー角度を小さくすることができる。スキュー着磁により斜めに磁極の境界が形成された領域では、S極とN極の磁束量がキャンセルし合い、トルクの発生に寄与しなくなる。スキュー角度を小さくすることで、同じモータ電流(ステータのコイルへの通電電流)に対するトルクを高くすることができる。あるいは、電流を少なくしても、同じトルクを得ることができる。
そのため、トルクムラが少なく、高出力のモータや高効率モータを実現することができる。また、同じ出力ではモータを小型化することもできる。また、トルクの発生に寄与しない磁石部分を少なくできるため、モータ自身の重量を軽量化できる。さらに、ロータ慣性を小さくできるため、モータの制御性が高くなり、応答の速いモータを得ることができる。
上記の説明では、組成Nd、B、Fe、Dyのリング型焼結磁石の例を示したが、Co、Al、Cu、その他添加元素を加えてもよい。また他の異方性の組成を持つリング型焼結磁石であっても良い。さらに、焼結磁石に限らず、ボンド磁石(磁性粉末を熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の結合剤により成形した磁石)等でも同様の構成の磁石を製作することにより同様の効果を得ることができる。
磁石の厚さの変化の範囲は磁石の強度が許す範囲で大きく変えることでより大きな効果を得ることができる。ただし、薄くなると磁石が減磁しやすく特性の変動が大きくなる。上述した磁石厚さの最大最小の比(tmin/tmax)が0.5以上0.9以下の場合では、減磁は実用上問題ない。また、磁石の強度を高める点から、製造上、リング型磁石成形体が割れないためにある程度の厚さが必要である。凹部の厚さが薄くなりすぎると、成形体が割れやすく、生産性が悪くなる。
上記の説明では凹凸形状における厚さの変動は正弦波状としたが、他の繰返し関数や2次関数にしたがって凹凸部を繰返すことでも、同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態における凹凸形状は滑らかであって不連続に変化するエッジがない。リング型磁石の凹凸形状にエッジがあると、ステータのスロット開口部のエッジ部と、当該磁石のエッジが接近した時に、その間の吸引力が急激に増大するため、コギングトルクが大きくなる。すなわち、本実施の形態では凹凸形状にエッジを持たないことで、その分コギングトルク成分を抑制することができる。
また、上述の説明において、磁石は8極の例で示したが、6極、4極、あるいは10極以上他の極数でも同様の効果を得ることができる。
なお、リング型磁石内部の配向の向きは、2次元磁場解析での断面形状と配向方向を与えた2次元磁場解析結果と表面磁束密度の測定結果の比較で確認できる。
また、実験的には、ラジアル配向のリング型磁石に外径加工で凹凸形状を設けた磁石と、本実施の形態のリング型磁石の表面磁束密度分布を、上記の磁場解析結果を比較して確認できる。
さらに、リング型磁石内部の配向の向きは、断面の結晶の向き、磁区などの観察でも行うことができる。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2によるリング型磁石を示す斜視図である。本実施の形態のリング型磁石の軸方向に垂直な断面形状と配向方向は図1と同様である。すなわち、図7において、リング型磁石70のリング外周は、凹部71及び凸部72を有する凹凸形状となっている。凹部71及び凸部72は、リング型磁石70の円周方向に周期的に形成されている。また、凸部72に磁極の中心が、凹部71に磁極の境界がくるように着磁されている。図7のリング型磁石70では、凹部71及び凸部72がそれぞれ8個ずつ所定角度間隔(45度間隔)で設けられ、8極の磁極を形成している。
また、リング型磁石70内部の任意の点において、配向の向きは、リング型磁石中心軸と凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かっている。
本実施の形態においては、リング型磁石70の外周に形成された凹凸形状は、軸方向の位置が変わっても回転せずにストレートである。
このように構成されたリング型磁石70においても、起磁力分布は前述の図6のようになるため、コギングトルクやトルクリップルの原因となる、起磁力の回転方向分布の5次、7次高調波等の歪みを十分に低減できる。
以上のように本実施の形態のリング型磁石70を用いることで、コギングトルクやトルクリップルといったトルクムラの小さなモータを実現することができる。この場合、実施の形態1に比べるとスキューが成されていない分だけトルクムラ低減効果は小さいが、トルク発生に有効な磁束量は、スキューがない分増加する。従って、コギングトルク等のトルクムラの発生を小さく抑えてよりトルクの大きなモータを得ることができ、また、同じトルクを得るための電流を少なくすることができるため、小型で軽量、高効率のモータを実現することができる。
また、実施の形態1と同様に、ロータの重量、慣性が小さくなる効果が得られるため、モータの制御性も向上する。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3によるリング型磁石を示す斜視図である。本実施の形態のリング型磁石80は、軸方向に垂直な断面形状と配向方向が図1と同様に構成されたリング型磁石80Aを、軸方向に複数個(図8では2段)回転方向にずらして積み重ねて構成している。この場合、各リング型磁石80Aで発生するコギングトルクを打ち消すように上下の凹凸形状を所定角度回転させてリング型磁石80Aを積み重ねている。
各リング型磁石80Aは、そのリング外周に凹部81及び凸部82を有する凹凸形状が形成され、これら凹部81及び凸部82は円周方向に周期的に形成されている。また、凸部82に磁極の中心が、凹部71に磁極の境界がくるように着磁されている。また、リング型磁石80A内部の任意の点において、配向の向きは、リング型磁石中心軸と凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かって傾斜している。さらに、各リング型磁石80Aの外周に形成された凹凸形状は、軸方向の位置が変わっても回転せずにストレートに構成されている。
このように構成されたリング型磁石80においても、起磁力分布は前述の図6のようになるため、コギングトルクやトルクリップルの原因となる、起磁力の回転方向分布の5次、7次高調波等の歪みを低減することができる。
また、各リング型磁石80Aで発生するコギングトルクを打ち消すように凹凸形状を所定角度回転させてリング型磁石80Aを積み重ねることにより、コギングトルクをより小さく低減できる。
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4によるリング型磁石の軸方向に垂直な断面形状を示す。
本実施の形態によるリング型磁石90は、円形状のリング外周部にU状の溝を削ることにより、凹部91及び凸部92を有する凹凸形状を形成している。凹部91及び凸部92は、リング型磁石90の円周方向に周期的に形成されている。また、凸部92に磁極の中心が、凹部91に磁極の境界がくるように着磁されている。図9のリング型磁石90では、凹部91及び凸部92がそれぞれ8個ずつ所定角度間隔(45度間隔)で設けられ、8極の磁極を形成している。
図9の矢印93は、リング型磁石90の配向の向きを示し、着磁後の磁化方向を表している。図9に示すように、本実施の形態のリング型磁石90は、各磁極の配向の向き(矢印93)が、リング型磁石中心軸と凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かって傾斜していることを特徴とする。
また、リング型磁石90の外周に形成された凹凸形状は、軸方向にわたって所定角度回転して斜めに形成されている。リング型磁石90の磁極は、上記凹凸形状に沿って軸方向に所定角度回転して斜めに形成され、スキュー着磁が施されている。
図10は図9と同様の外周形状を有するリング型磁石95であり、その配向96はラジアル配向の場合である。図9と比較するために示している。
図11は、本実施の形態のリング外周にU状の溝が形成されているリング型磁石90における磁石の径方向厚さと回転角度(電気角)の関係を示した図である。
図12は、図5と同様、リング型磁石の径方向厚さが一定の場合であって、ラジアル配向の場合と、磁極中心に向けて配向に傾きがある場合(擬似極配向)における起磁力の回転角度(電気角)に対する分布の例を示している。
図13は、本実施の形態のように回転方向に磁石厚さを変化させた場合であって、起磁力の回転方向分布を、ラジアル配向の場合と配向がリング型磁石の凸部の外周側の中心線に向かって傾いている場合(擬似極配向)を比較して示している。
図13に示すように、回転方向に磁石厚さを変化させかつリング凸部の外周側の中心線に向けて配向を傾けている場合、磁極の中央部の磁束密度が高くなり、起磁力が高まる。また、磁極と磁極の間の部分は、配向が凸部の中央部を向いていることと、磁石の厚さが薄くなっていることから起磁力をより小さくすることができる。
本実施の形態のように、円形のリング外周部にU状の溝を削ることにより凹凸形状を形成しているので、厚みの変化が比較的少なく成形がしやすい。また、起磁力分布の7次高調波は実施の形態1の場合に比べて少なく、1/2程度である。5次高調波の低減は同様に1/2程度が得られている。磁極のスキュー角度を7次高調波をキャンセルできる電気角(360/70度)で40〜60度のスキューをかけることにより、7次高調波をキャンセルすることができるため、トルクムラの大きな低減効果を実現できる。
以上のように本実施の形態によれば、リング外周の凹凸形状の径方向厚さの変化が比較的少ない場合でも、実施の形態1と同様に、コギングトルク等のトルクムラが少なく、高出力のモータや高効率モータを実現することができる。また、同じ出力ではモータを小型化することもできる。また、トルクの発生に寄与しない磁石を少なくできるため、モータ自身の重量を軽量化できる。さらに、ロータ慣性を小さくできるため、モータの制御性が高くなり応答の速いモータを得ることができる。
実施の形態5.
以下、実施の形態1に示したリング型磁石の製造工程について説明する。特に、金型内の磁性粉末に磁場を加えて磁性結晶の方向を揃える配向を行い、外形に凹凸を有するリング型に圧縮成形する磁場成形工程について詳しく説明する。
図14はリング型磁石の磁石成形ラインの例を示す。図14の磁石成形ラインは、搬送金型100を搬送するベルトコンベア2と、搬送金型100のキャビティ内に磁性粉末を計量して供給し充填する給粉・充填ユニット3と、搬送金型100のキャビティ内に充填された磁性粉末を加圧するための上パンチをセットするパンチセットユニット4と、上パンチがセットされ加圧成形できる状態になった搬送金型100で磁場加圧成形を行う磁場成形ユニット5と、磁場加圧成形されたリング型磁石成形体を搬送金型100から抜き出すための脱型ユニット6と、抜き出されたリング型磁石成形体に付着する余分な磁性粉末を取り除くための成形体脱粉ユニット7と、磁場加圧成形されたリング型磁石成形体を積み重ねるための段積みユニット8と、搬送金型100に付着した磁性粉末を除去し、搬送金型100を搬送状態にセットする金型脱粉/金型セットユニット9を備えている。
図15は搬送金型100の例を示す。搬送金型100は、ベルトコンベア2上を移動するパレット100aと、下金型部を保持するホルダー(第1のホルダー)100b及び100cと、コア100d、下パンチ100e、下パンチ100eとコア100dとで磁性粉末が供給されるキャビティ100hを形成するダイ100fからなる下金型部と、別のホルダー(第2のホルダー)100jに保持された上パンチ100g(上金型部)とを備えている。なお、第1のホルダーの上端の円環部100cは非磁性体部材であり、第1のホルダーのその他の部分100bは強磁性体部材である。
給紛・充填ユニット3では、ダイ100f、下パンチ100e、コア100dで形成されるキャビティ100hに磁性粉末が給紛され、パンチセットユニット4では、上パンチ100gが磁性粉末が充填されたキャビティ100h上にセットされる。磁場成形ユニット5では、配向コイルによる磁場がキャビティ100h内に印加されるとともに上パンチ100gを介して磁性粉末は加圧成形される。脱型ユニット6では、上下パンチ100g、100eとコア100dを押さえた状態にしてダイ100fを抜いた後、コア100dからリング型磁石成形体を抜き取る。なお、ダイ100fは複数に分割される構造でもよく、この場合、ダイ100fを分割して、リング型磁石成形体を取出しても良い。
図16は、磁場成形ユニット5の構成及び動作を説明する断面図である。図16に示すように、磁場成形ユニット5は、磁性粉末を配向させるための配向磁場を発生する上下電磁コイル5a(フレームに固定されている)と、上側電磁コイル5a及び上パンチ100gを加圧する加圧子5cを昇降させる圧縮成型機構5bと、リング状弾性部材5jと、図示していないエアシリンダによって駆動されてダイ100fと接触するバックヨーク5dを備えている。加圧子5cには、可動ロッド5fと、可動ロッド5fをコア10dに押し付けるバネ5gを備えている。
図16(a)に示すように、搬送金型100が磁場成形ユニット5にセットされると、図16(b)に示すように、圧縮成型機構5bが作動し、上側電磁コイル5a及び加圧子5cが下降し、上側及び下側フレーム同士がチャッキング機能によって固定されると共に、上側フレームの下部に取り付けられたリング状弾性部材5jにより、ダイ100fが固定される。その後、ダイ100fの両側からバックヨーク5dが移動し、ダイ100fの外周に密着する。次いで、電磁コイル5aに電流が流されてラジアル配向磁場が発生するとともに、加圧子5cが下降し、上パンチ100gが加圧され、図16(c)に示すように、上パンチ100gがキャビティ100h内の磁性粉末を圧縮成型することによってラジアル配向されたリング型磁石成形体が得られる。圧縮成型圧力は10〜100MPa、好ましくは40MPaとし、配向磁界は1T以上にする。
上記磁場成形ユニット5において、実施の形態1のリング外周に凹凸形状を有するリング型磁石を成形するためには、ダイ100fの内側に同様の凹凸形状が形成されている必要がある。そして、上パンチ100gはダイ100fの凹凸形状に嵌り合う円筒形状となっており、磁性粉末の加圧時には、上パンチ100gがダイ100fにねじれながら挿入される構造になっている。さらに、配向方向をリング外周の凸部中心線に向かって傾かせるため、ダイ100fの断面は図17のように構成されている。
図17において、ダイ100fは、内周に周期的な凹凸形状を有する強磁性で構成される強磁性部104と、強磁性部104の内側に内周が凹凸形状を有し、当該凹凸形状が強磁性部104の凹凸形状と相反する位相とである非磁性で構成される非磁性部105とを有する。そして、ダイ100fの内周側に配置されてキャビティを形成するコア100dを備え、コア100dからダイ100fに向けてラジアル配向磁場が加えられる。すなわち、リング型磁石成形体1000の外周の凸部に相当する部分には、強磁性部104の内径が飛び出して接している(非磁性体105の厚さが無いか薄い)。一方、リング型磁石成形体1000の凹部に相当する部分は非磁性体105の厚さが厚く、強磁性体104の内径から離れている。このため、強磁性体であるコア100dが中心に挿入されて磁場成形を行う状態では、コア100dからの磁束はダイ100fの非磁性部105の厚さが薄く、強磁性体104が内径側に飛び出した部分に集中するため、配向磁場の向きは、リング型磁石成形体の凸部中心線に向かって傾いた分布となる。そのため、実施の形態1で示したような配向分布を持ったリング磁石成形体を成形できる。その後、焼結、熱処理工程を経て、リング型焼結磁石となる。
以上のように本実施の形態によれば、リング外周に凹凸形状を持たせ、配向方向を凸部中心線上の外側の点に向かって傾いたリング型焼結磁石を容易に製造することができる。また、上記製造方法によれば、軸方向の長さの短い金型を使用することができるため、凹凸形状があっても容易に成形ができ、リング型磁石成型体の破損が少なく、歩留りが高くなる。また金型の劣化も抑制できる。軸長の長いリング型磁石も成形体を積層し焼結で一体化することで、上述の特徴を活かしたまま、生産性よく製造できる。
図18は、この発明の実施の形態5のリング型磁石の製造に使用されるダイの他の例を示す断面図である。図18のダイ100fでは、配向磁場をリング型磁石成形体1000の凸部に集中するように傾けるために、リング型磁石成形体1000の外周側でその凹部に沿う位置に、交互に方向が相反する軸方向の電流108を流すようにする。また、金型にコイルを設置し通電しながら磁場成形を行っても同等の効果を得ることができる。あるいはラジアル配向で圧縮成形した後、パルス状に上記磁界を後から加えても同等の効果を得ることができる。
この発明の実施の形態1によるリング型磁石を示す断面図である。 この発明の実施の形態1によるリング型磁石を示す斜視図である。 図1と同様の外周形状を有するリング型磁石を示す断面図である。 この発明の実施の形態1によるリング型磁石の磁石の径方向厚さと回転角度(電気角)の関係を示した図である。 リング型磁石の厚さが一定の場合の、ラジアル配向と擬似極配向とにおける起磁力の回転角度(電気角)に対する分布の例を示す図である。 この発明の実施の形態1によるリング型磁石の、ラジアル配向と擬似極配向とにおける起磁力の回転角度(電気角)に対する分布の例を示す図である。 この発明の実施の形態2によるリング型磁石を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3によるリング型磁石を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4によるリング型磁石を示す断面図である。 図9と同様の外周形状を有するラジアル配向のリング型磁石を示す断面図である。 この発明の実施の形態4のリング型磁石における磁石の径方向厚さと回転角度(電気角)の関係を示した図である。 リング型磁石の厚さが一定の場合の、ラジアル配向と擬似極配向とにおける起磁力の回転角度(電気角)に対する分布の例を示す図である。 この発明の実施の形態4によるリング型磁石の、ラジアル配向と擬似極配向とにおける起磁力の回転角度(電気角)に対する分布の例を示す図である。 この発明の実施の形態5によるリング型磁石の磁石成形ラインを示す図である。 この発明の実施の形態5のリング型磁石の製造に使用される搬送金型を示す平面図及び断面図である。 この発明の実施の形態5のリング型磁石の製造に使用される磁場成形ユニットの構成及び動作を説明する断面図である。 この発明の実施の形態5のリング型磁石の製造に使用されるダイを示す断面図である。 この発明の実施の形態5のリング型磁石の製造に使用されるダイの他の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態によるリング型磁石の配向の向きを説明するための図である。 リング型磁石の凹凸形状の磁石厚さの比(tmin/tmax=1.0)における配向の向きと表面磁束密度分布の関係を示す図である。 リング型磁石の凹凸形状の磁石厚さの比(tmin/tmax=0.9)における配向の向きと表面磁束密度分布の関係を示す図である。 リング型磁石の凹凸形状の磁石厚さの比(tmin/tmax=0.8)における配向の向きと表面磁束密度分布の関係を示す図である。 リング型磁石の凹凸形状の磁石厚さの比(tmin/tmax=0.6)における配向の向きと表面磁束密度分布の関係を示す図である。 リング型磁石の凹凸形状の磁石厚さの比(tmin/tmax=0.4)における配向の向きと表面磁束密度分布の関係を示す図である。 リング型磁石の凹凸形状の磁石厚さの比(tmin/tmax=0.3)における配向の向きと表面磁束密度分布の関係を示す図である。 図20〜図25の正弦波からのズレ量の2乗平均の平方根の振幅に対する比率である歪み率を示す図である。 図26において歪み率が0.1以下となるtmin/tmaxとβ/αの関係をプロットした図である。
符号の説明
10,70,80,90 リング型磁石、11,71,81,91 凹部、
12,72,82,92 凸部、20,93 配向の向き、100f ダイ、
104 強磁性部、105 非磁性部、108 電流、191 リング型磁石中心軸、
192 凸部中心線、1000 リング型磁石成形体。

Claims (9)

  1. リング外周の円周方向に周期的な凹凸形状が形成され、上記凹凸形状の凸部に磁極の中心が、凹部に磁極の境界がくるように着磁され、磁気配向の向きがリング型磁石中心軸と上記凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かっており、
    上記リング外周の凹凸形状の凹部の最小径方向厚さをtmin、凸部の最大径方向厚さをtmaxとする場合、tmin/tmaxが0.5以上0.9以下であり、
    リング型磁石の任意の位置及び上記リング型磁石の中心軸を結ぶ線と上記凸部中心線のなす角度をα、上記任意の位置の配向の向きと上記凸部中心線のなす角度をβとする場合(ただし、α=0、β=0の場合を除く)、5×tmin/tmax−1≧β/α≧5×tmin/tmax−3の関係が成り立つことを特徴とするリング型磁石。
  2. 上記リング型磁石の外周に形成された凹凸形状は、上記リング型磁石の軸方向にわたって所定角度回転して斜めに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリング型磁石。
  3. 上記リング型磁石の外周に形成された凹凸形状は、上記リング型磁石の軸方向にわたって回転せずにストレートに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリング型磁石。
  4. 請求項3に記載のリング型磁石を、軸方向に複数個所定角度回転方向にずらして積み重ねて構成していることを特徴とするリング型磁石。
  5. 上記リング外周の凹凸形状は、ほぼ正弦波形状であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリング型磁石。
  6. 上記リング外周の凹凸形状は、円形状のリング外周部にU状の溝を削ることにより形成していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリング型磁石。
  7. 上記リング型磁石は、磁性粉末を磁場で配向させ、圧縮成形し、焼結工程を経て製造されるリング型焼結磁石であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリング型磁石。
  8. 磁性粉末をリング型に加圧するとともに、上記リング型のラジアル方向に磁場を加えることによりラジアル配向されたリング型磁石成形体を成形し、焼結一体化して得られ、リング外周の円周方向に周期的な凹凸形状が形成され、上記凹凸形状の凸部に磁極の中心が、凹部に磁極の境界がくるように着磁され、磁気配向の向きがリング型磁石中心軸と上記凸部中心を結ぶ凸部中心線上の外周側の点に向かっており、上記リング外周の凹凸形状の凹部の最小径方向厚さをtmin、凸部の最大径方向厚さをtmaxとする場合、tmin/tmaxが0.5以上0.9以下であり、リング型磁石の任意の位置及び上記リング型磁石の中心軸を結ぶ線と上記凸部中心線のなす角度をα、上記任意の位置の配向の向きと上記凸部中心線のなす角度をβとする場合(ただし、α=0、β=0の場合を除く)、5×tmin/tmax−1≧β/α≧5×tmin/tmax−3の関係が成り立つリング型磁石の製造方法であって、
    内周に周期的な凹凸形状を有する強磁性で構成される強磁性部と、上記強磁性部の内側に内周が凹凸形状を有し、当該凹凸形状が上記強磁性部の凹凸形状と相反する位相とである非磁性で構成される非磁性部とを有するダイと、上記ダイの内周側に配置されて上記磁性粉末が充填されるキャビティを形成するコアと、上記ダイの非磁性部の凹凸形状と嵌り合う形状の上パンチを備え、上記コアから上記ダイに向けてラジアル配向磁場を加えるとともに上記上パンチにより上記キャビティ内に充填した磁性粉末を加圧成形することを特徴とするリング型磁石の製造方法。
  9. 上記ラジアル配向磁場内で加圧成形されたリング型磁石成形体を複数個積重ねた後、焼結により一体化することを特徴とする請求項8に記載のリング型磁石の製造方法。
JP2005121944A 2005-04-20 2005-04-20 リング型磁石及びリング型磁石の製造方法 Expired - Fee Related JP4391964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005121944A JP4391964B2 (ja) 2005-04-20 2005-04-20 リング型磁石及びリング型磁石の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005121944A JP4391964B2 (ja) 2005-04-20 2005-04-20 リング型磁石及びリング型磁石の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006304472A JP2006304472A (ja) 2006-11-02
JP4391964B2 true JP4391964B2 (ja) 2009-12-24

Family

ID=37472116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005121944A Expired - Fee Related JP4391964B2 (ja) 2005-04-20 2005-04-20 リング型磁石及びリング型磁石の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4391964B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009089515A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Fujitsu General Ltd 永久磁石形同期機
JP5183601B2 (ja) * 2009-09-16 2013-04-17 三菱電機株式会社 同期電動機の回転子及び同期電動機
AT509968B1 (de) * 2010-05-20 2012-05-15 Austrian Ct Of Competence In Mechatronics Gmbh Verfahren zur reduktion eines rastmoments einer elektrischen maschine
JP2013042660A (ja) * 2012-11-26 2013-02-28 Mitsubishi Electric Corp 同期電動機の回転子及び送風機用電動機及び空気調和機及びポンプ及び給湯機
DE102014011019A1 (de) * 2014-07-24 2016-01-28 Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. Kommanditgesellschaft, Würzburg Elektrische Maschine
US10608515B2 (en) 2014-08-29 2020-03-31 Mitsubishi Electric Corporation Synchronous motor
WO2018078856A1 (ja) * 2016-10-31 2018-05-03 三菱電機株式会社 回転角度検出装置および回転角度検出方法
JP6950275B2 (ja) * 2017-05-18 2021-10-13 株式会社デンソー ロータ及びモータ
JP6563091B2 (ja) * 2018-07-23 2019-08-21 三菱電機株式会社 電動機、圧縮機、電動機の使用方法及び圧縮機の使用方法
JP6563090B2 (ja) * 2018-07-23 2019-08-21 三菱電機株式会社 圧縮機、電動機、圧縮機の使用方法及び電動機の使用方法
CN109887703B (zh) * 2018-12-04 2023-08-15 杭州史宾纳科技有限公司 一种方波磁环的钕铁硼取向器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006304472A (ja) 2006-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4391964B2 (ja) リング型磁石及びリング型磁石の製造方法
JP7173119B2 (ja) 永久磁石片
JP2006086319A (ja) リング型焼結磁石
US8937419B2 (en) Radially anisotropic ring R-TM-B magnet, its production method, die for producing it, and rotor for brushless motor
EP2063438B1 (en) Production method of a radial anisotropic sintered magnet
JP7262926B2 (ja) ラジアルギャップ型回転電機
JP5506234B2 (ja) 異方性磁石、モータ、及び異方性磁石の製造方法
WO2010150362A1 (ja) 焼結磁石とその製造方法
JP2007068330A (ja) 3相永久磁石ブラシレスモータ
JP5089979B2 (ja) ラジアル異方性円筒焼結磁石、その製造方法及び永久磁石モータ
JP2008245488A (ja) リング状磁石及びその製造方法、並びにモータ
TWI637583B (zh) 軸向間隙型旋轉電機
JP5766134B2 (ja) シャフト型リニアモータ可動子、永久磁石、リニアモータ
JP2006230099A (ja) リング型磁石、リング型磁石の製造装置、及びリング型磁石の製造方法
JP6384543B2 (ja) 極異方性リング磁石、及びそれを用いた回転子
JP4279757B2 (ja) リング型磁石成形体の製造装置およびリング型焼結磁石の製造方法
JP4890620B2 (ja) 金型、磁場成形機及び永久磁石の製造方法
JP2010252417A (ja) アウターロータ型ipmモータとそのロータ
JP2008092702A (ja) リング型焼結磁石、ロータ及び回転機
JP4471698B2 (ja) 金型、永久磁石磁場成形機及び永久磁石の製造方法
JP2017147920A (ja) 表面磁石型回転子
JP6341115B2 (ja) 極異方性リング磁石、及びそれを用いた回転子
JP2008182782A (ja) 電動機のステータ及び電動機
JP4069040B2 (ja) ラジアル配向型リング磁石成形金型及びラジアル配向型リング磁石の製造方法
JP2015216716A (ja) ロータ用複合磁性材モジュール及びロータ並びに製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091006

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091008

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4391964

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131016

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees