JP2004248378A - リング磁石、リング磁石を備えた回転電機及び回転電機用ロータ - Google Patents

リング磁石、リング磁石を備えた回転電機及び回転電機用ロータ Download PDF

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Abstract

【課題】リング磁石を備えた回転電機において、リング磁石が発生する磁束を最大限に利用し、かつ、コギングトルクを低減し得るリング磁石及び回転電機及び回転電機用ロータを提供する。
【解決手段】中心部にシャフトSを有するコア1に、周方向に複数の磁極を有する円筒状のリング磁石2を接着剤Cにより固着してロータRを構成し、リング磁石2は、リング磁石2の内周面とコア1の外周面との径方向の間隔が、磁極中心部Aよりも磁極境界部Bにおいて大きくなるように形成する。望ましくはリング磁石2の周方向断面における内周輪郭が円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリング磁石、リング磁石を備えた回転電機及び回転電機用ロータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気モータ等の回転電機のロータに円筒状のリング磁石を備えたものが知られている。リング磁石を使用することにより、複数のセグメントタイプ磁石をコアに貼り付けたものに比べて組付け時の作業工程及び作業時間が削減できるとともに、磁石の位置決め精度が問題となることがないという優位点がある。
【0003】
リング磁石の材質としては、磁束密度の大きい希土類磁石が広く使用されている。希土類磁石は、ネオジウム−鉄−ホウ素からなるものが代表的であり、サマリウム−コバルトからなるものも知られている。
【0004】
図9に従来のリング磁石を備えた電気モータにおけるロータの周方向断面図を示す。同図に示すように、リング磁石100の内周面にコア102が嵌め込まれ、リング磁石100とコア102とは接着層101の接着剤により固着されている。コア102の中心部にはシャフト103が貫かれている。
【0005】
リング磁石100にはN極とS極が交互に等間隔で発生する12個の磁極が設けられている。本図に示す「N」と「S」は、点線で区切られた区間におけるリング磁石100の外周面に現れる磁性を表しており、これに対応する内周面には相反する磁性が現れている。リング磁石100の周方向断面における外周輪郭及び内周輪郭は中心点を同じくする同心円である。
【0006】
電気モータのロータにリング磁石を備えたものとして、下記特許文献1〜2に示すものが知られている。特許文献1には、リング磁石の磁極間にあたるコア外周面の一部に磁気空隙を設けたサーボモータ用ロータが開示されている。特許文献2には、リング磁石の磁極の中心部に溝を設けた永久磁石回転子が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−98489号公報
【特許文献2】
実開平7−16558号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
コアに用いられる磁性材料(例えばS15CやSTKM−13A等の鉄鋼材料)は、正の線膨張係数を持っている。即ち、温度の上昇に伴って膨張する性質がある。一方、希土類磁石は負の線膨張係数を持っており、温度の上昇に伴って収縮する。このため、図9に示した電気モータにおいてモータ電流のジュール熱等によりロータの温度が上昇するとコア102が膨張する一方、リング磁石100が収縮する。これによりリング磁石100に応力が発生し、この応力がリング磁石100の強度の限界を超えた場合にはリング磁石100が破損する可能性がある。
【0009】
接着層101の厚みは、接着強度を確保するためには0.1〜0.2mm程度で足りるが、上記の問題を防ぐ為、接着層101の厚みを大きめにし(例えば0.3〜0.4mm)、応力を接着層101により吸収してリング磁石の破損を防いでいた。
【0010】
しかしながら、接着層101の厚みを大きくすることにより、別の問題が発生する。即ち、接着剤は非磁性材料であり磁気抵抗が高いので、接着層101が厚いとリング磁石100から発生する磁束密度が減少し、電気モータで発生するトルクが減少してしまうという問題である。
【0011】
また、リング磁石を用いた電気モータは、セグメントタイプ磁石をコアに貼り付けたものに比べ、磁極間の磁束密度の変化が急峻であるためにゴギングトルクが大きいという問題もある。即ち、セグメントタイプ磁石を用いた電気モータ(例えば上記特許文献1の図4)では、磁極間に空間があるため磁束密度の分布が滑らかになるが、リング磁石の場合には磁性が反転する磁極境界部付近で磁束密度が急激に変化する。このためにゴギングトルクが発生し、回転速度にむらが生じる場合もある。
【0012】
上記特許文献1には、コアの外周面の一部に磁気空隙を設けることにより磁束密度の分布を滑らかにしたサーボモータ用ロータが提案されている。しかしながら、このサーボモータ用ロータではコアに磁気空隙としての溝を設ける機械加工が必要となり、加工時間及び製造コストが増大するものと考えられる。また、前述した接着層の厚みによって磁束密度が減少するという問題は解決することができない。またさらに、ロータの温度が上昇し、コアが膨張するとともにリング磁石が収縮した際、溝の両端部におけるコアとリング磁石との接触点に応力が集中し、この応力とモータ回転時にリング磁石にかかる径方向の力とが相まってリング磁石にヒビ割れ等の破損を招来する可能性があると考えられる。
【0013】
また、上記引用文献2のものは、リング磁石とコア(回転軸)との嵌合における接着剤の熱膨張による悪影響を緩和することを目的とし、そのための構成としてリング磁石の磁極の中心部に溝を設けたことを特徴とするものであり、上記の課題を解決することはできない。
【0014】
本発明は上記課題に鑑み、リング磁石が発生する磁束を最大限に利用し、かつ、コギングトルクを低減し得るリング磁石、リング磁石を備えた回転電機及び回転電機用ロータを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外周輪郭が円形状に形成された磁性材料によるコアを有する第一部材と、周方向に複数の磁極を有し前記コアに接着剤により固着される円筒状のリング磁石と、前記リング磁石の外周面に対向し電気巻線を有する第二部材とを備え、前記第一部材と前記第二部材とが相対回転可能にされた回転電機において、前記リング磁石は、該リング磁石の内周面と前記コアの外周面との径方向の間隔が、磁極中心部よりも磁極境界部において大きくなるように形成することとした。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の回転電機において、前記リング磁石は、周方向断面における内周輪郭が円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成されることとした。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の回転電機において、前記リング磁石の磁極境界部の内周面に接着剤を塗布することにより前記リング磁石と前記コアとが固着されることとした。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機において、常温における前記リング磁石の外周面の直径に対する該リング磁石の内周面と前記コアの外周面との径方向の距離の割合が、磁極中心部で0.05〜0.15%であり、磁極境界部で0.3〜5.0%であることとした。
【0019】
なお、本明細書で常温とは25℃のことをいう。
請求項5の発明は、外周輪郭が円形状に形成された磁性材料によるコアの外周面に、周方向に複数の磁極を有する円筒状のリング磁石を固着してなる回転電機用ロータにおいて、前記リング磁石は、該リング磁石の内周面と前記コアの外周面との径方向の間隔が、磁極中心部よりも磁極境界部において大きくなるように形成することとした。
【0020】
請求項6の発明は、請求項5記載の回転電機用ロータにおいて、前記リング磁石は、周方向断面における内周輪郭が円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成することとした。
【0021】
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載の回転電機用ロータにおいて、前記リング磁石の磁極境界部の内周面に接着剤を塗布することにより前記リング磁石と前記コアとを固着することとした。
【0022】
請求項8の発明は、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の回転電機用ロータにおいて、常温における前記リング磁石の外周面の直径に対する該リング磁石の内周面と前記コアの外周面との径方向の距離の割合が、磁極中心部で0.05〜0.15%であり、磁極境界部で0.3〜5.0%であることとした。
【0023】
請求項9の発明は、周方向に複数の磁極を有する円筒状のリング磁石において、径方向の厚みが磁極境界部よりも磁極中心部において厚くなるように形成することとした。
【0024】
請求項10の発明は、請求項9記載のリング磁石において、周方向断面における外周輪郭は円形であり、内周輪郭は円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成することとした。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を回転電機としてインナーロータ型のブラシレスモータに適用した一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0026】
図1(a)、(b)は、それぞれ本実施形態のリング磁石の平面図,正面図を示し、図1(c)は図1(b)のX−X端面図を示している。
本図に示すように、本実施形態のリング磁石の周方向断面における外周輪郭は円形であり、内周輪郭は円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成されている。
【0027】
このリング磁石は図1に示す点線で区切られた区間毎に反転する磁極が着磁されている。即ち、径方向厚みの最も薄い部分が磁極の境目(磁極境界部B)であり、径方向厚みの最も厚い部分が磁極の中心部(磁極中心部A)である。同図では、4つの磁極のみについてN/Sの極性を示し、他の磁極については順次反転する磁極が着磁されているので磁性の表示を省略する。
【0028】
なお、図1(a)の平面図はモータの軸方向から見た本実施形態のリング磁石の外観を示しており、図1(b)の正面図はモータの回転軸に直交する径方向から見た外観を示している。本リング磁石の背面図、右側面図、左側面図は正面図と同一に表れる。また、底面図は平面図と同一に表れる。
【0029】
図2は、図1(a)〜(c)に示したリング磁石を備えた本実施形態のブラシレスモータの周方向断面図を示している。本図に示すように、コア1の外側にリング磁石2が中心軸をコア1と共通にして配置されている。コア1の中心部にはシャフトSが貫かれており、リング磁石2、コア1及びシャフトSにより回転子としてのロータRが構成されている。リング磁石2の各磁極境界部Bには接着剤Cが塗布され、接着剤Cによりリング磁石2とコア1とが固着されている。
【0030】
常温(25℃)におけるリング磁石2の内周面とコア1の外周面との距離はリング磁石2の磁極中心部Aで0.05mmであり、磁極境界部Bで0.5mmである。なお、リング磁石の外周面の直径は50mmである。従って、リング磁石2の外周面の直径に対するリング磁石2の内周面とコア1の外周面との径方向の距離の割合は、磁極中心部Aで0.1%であり、磁極境界部Bで1.0%である。
【0031】
リング磁石2はネオジウム−鉄−ホウ素からなる希土類磁石である。コア1は外周輪郭が円形状に形成された円柱状であり、鉄鋼等の磁性材料により構成されている。
【0032】
リング磁石2の外周面はステータ3に設けられたティース4と対向している。
ティース4には電気巻線5が巻回されている。図略のモータドライバにより、この電気巻線5にモータ電流が流されるとティース4に周期的に変化する磁界が発生する。このティース4とリング磁石2の各磁極との間に発生する吸引/反発力によりロータRにトルクが発生する。
【0033】
従って、コア1とシャフトSは請求項1における「第一部材」に相当し、ティース4は「第二部材」に相当する。
次に、上記のように構成された本実施形態のブラシレスモータの作用について説明する。
【0034】
図3にロータRの回転角θを横軸とし、ロータRの中心軸からティース4の先端までの距離に等しい地点(測定点)での磁束密度を縦軸とした場合の磁極一個分及びその前後部分の磁束分布を示す。点線が図9に示した従来のリング磁石の場合であり、実線が本実施形態のリング磁石の場合である。ただし、両場合ともリング磁石の外周面の直径が同一で同一方向かつ同一強度で着磁したものとする。
【0035】
これらを比較すると、従来のリング磁石に対し本実施形態のリング磁石の場合にはピーク値が高く、かつ全体に滑らかな正弦波状となっている。本実施形態の場合のピーク値が高いのは、磁極中心部Aにおけるリング磁石2とコア1との間隔が従来のリング磁石の場合(0.3mm)より狭く、この部分での磁気抵抗が小さいためである。また、本実施形態の場合の磁束分布が正弦波状となっているのは、リング磁石2の内周輪郭が円に正弦波状の波形が重畳した曲線で形成されており、リング磁石2の厚み及びリング磁石2とコア1との間の空間による磁気抵抗が正弦波状に変化するためである。コギングトルクの大きさは磁束分布の変化率の大きさにほぼ比例するので、磁束分布の波形が滑らかになればコギングトルクが小さくなる。
【0036】
リング磁石2の製造方法としては、一旦従来のリング磁石と同様の形状に焼結した後、内周面に研削等の加工を施して内周輪郭を正弦波状に形成してもよく、内周輪郭を正弦波状にした型によりリング磁石2を焼結するようにしてもよい。
後者の方法による場合には、内周面を加工する工程を省くことができるため、生産効率を向上できる。
【0037】
なお、リング磁石2の内周面とコア1の外周面との径方向の距離は、コア1とリング磁石2の材質や寸法及びリング磁石2の厚み等を勘案し、定格負荷で連続運転した際の温度でもリング磁石2の破損がなく、かつ、磁極中心部Aにおけるリング磁石2とコア1との間隔ができるだけ狭くなるように設定すべきである。
一般的には、常温(25℃)におけるリング磁石2の外周面の直径に対するリング磁石2の内周面とコア1の外周面との径方向の距離の割合が、磁極中心部Aで0.05〜0.15%、磁極境界部Bで0.3〜5.0%の範囲が好適である。
【0038】
従って、本実施形態のブラシレスモータによれば以下の効果がある。
(1)リング磁石2の内周面とコア1の外周面との径方向の間隔が、磁極中心部Aよりも磁極境界部Bにおいて大きくなるように形成されているので、磁束分布が滑らかになりゴギングトルクを低減できる。また、磁極中心部Aにおける磁気抵抗が小さくなるのでリング磁石2の磁束中心部で発生する磁束を有効に利用できる。
(2)リング磁石2の内周輪郭は外周輪郭円と同心の円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線で形成されているので、磁束分布が正弦波状となる。一般に永久磁石を用いた電気モータロータの磁束分布は正弦波状が望ましいとされており、正弦波状の磁束分布はトルクの平滑化に最も理想的である。
(3)リング磁石2の磁極境界部Bの内周面に接着剤Cを塗布し、磁束中心部には接着剤を塗布しないこととしたので、磁束中心部におけるリング磁石2の内周面とコア1の外周面との径方向の間隔を狭くすることができ、リング磁石2の磁束中心部で発生する磁束を最大限に利用できる。
(4)接着剤Cが塗布される磁極境界部Bでは、リング磁石2の内周面とコア1の外周面との径方向の間隔を従来の電気モータよりも広くすることができる。一般に接着剤はリング磁石やコアよりも弾性率が高いので、コア1との間隔が広い磁極境界部Bに接着剤Cを塗布することにより、温度変化によるリング磁石2とコア1との収縮/膨張率の違いを広い範囲で吸収できる。これにより、温度変化によるリング磁石2の破損を防止することができる。
(5)リング磁石2の外周面の直径に対するリング磁石2の内周面とコア1の外周面との径方向の距離の比を、磁極中心部Aで0.1%、磁極境界部Bで1.0%としたので、定格負荷で連続運転した場合でもリング磁石2の破損がないとともに、磁束分布が理想的な正弦波状となる。
【0039】
なお、本実施形態は以下のような別形態にして変更して実施することも可能である。
・本実施形態ではリング磁石2の極数が12極の場合について説明したが、磁極の数は12極に限られず、2極以上の磁極を有するリング磁石に適用可能である。図4(a)〜(c)に磁極が10極の場合の適用例を示し、図5(a)〜(c)に磁極が16極の場合の適用例を示す。
【0040】
なお、図4(a)及び(b)は、それぞれリング磁石の平面図,正面図を示し、図4(c)は図4(b)のX−X断面図を示している。また、図5(a)及び(b)は、それぞれリング磁石の平面図,正面図を示し、図5(c)は図5(b)のX−X断面図を示している。
【0041】
なお、リング磁石2の軸方向の長さ(図4(b)及び図5(b)における正面図の縦方向の長さ)は、本発明の特徴的構成とは関係がない。また、図4(a)〜(c)及び図5(a)〜(c)の実施形態において、リング磁石の背面図、右側面図、左側面図は正面図と同一に表れ、底面図は平面図と同一に表れるため省略する。
【0042】
・図6(a)〜(f)に示すように、磁極中心部Aと磁極境界部Bは軸方向にスキューしていてもよい。図7(a)、(b)は、磁極中心部Aと磁極境界部Bが軸方向にスキューしたリング磁石の内周面の展開図である。図7(a)、(b)において、二点鎖線は磁極中心部Aを示し、点線は磁極境界部Bを示している。図7(a)は図1(a)〜(c)に示したリング磁石の展開図であり、図7(b)は図6(a)〜(f)に示したリング磁石の展開図である。このようにすれば、さらにゴギングトルクを低減できる。
【0043】
・周方向断面における内周輪郭が円に三角波状又は台形波状の波形が重畳した閉曲線を描くようにリング磁石を形成しても、上記(1)及び(3)〜(5)の効果を奏することができる。また、三角波又は台形波の頂点部を滑らかな曲線に形成すれば磁束分布が滑らかに変化するので、より望ましい。
【0044】
・本発明を、コアが基台に固定されティースが回転するアウターロータ型の電気モータに適用してもよい。図8にこのアウターロータ型電気モータの具体例の断面図を示す。同図に示すように、コア21が基台BASEに固定に固定され、コア21にはリング磁石22が接着剤22Cにより固着されている。リング磁石22の外周面には電気巻線を有するティース23が配置され、ティース23はアウターロータ24に固定されている。アウターロータ24はコア21の中心部の軸穴21aに回動自在に挿入された心棒25と一体となってコア21及びリング磁石22の周りを回動可能である。電気巻線には図略のブラシを介してモータ電流が供給される。このアウターロータ型電気モータの軸方向断面は、図2に示したものと同様である。この形態によっても、上記(1)〜(5)と同様の効果がある。
【0045】
・ 前記実施形態では回転電機として、電気モータとしたが、電気巻線にモータ電流を流す電気モータに限定するものではない。例えば、電気巻線に回生電流が流れる回転電機、すなわち、発電機の機能を備える機器も含む趣旨である。又、力行を行うとともに、回生モードとなる電気モータも含む趣旨である。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、リング磁石の内周面とコアの外周面との径方向の間隔が、磁極中心部よりも磁極境界部において大きくなるように形成されるので、リング磁石の磁束分布が滑らかになりゴギングトルクを低減した回転電機を得られる。
【0047】
請求項2記載の発明によれば、前記請求項1記載の発明の効果に加え、リング磁石の周方向断面における内周輪郭が、円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成されるので、リング磁石の磁束分布が正弦波状となる。
【0048】
請求項3記載の発明によれば、前記請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、リング磁石の磁極境界部の内周面に接着剤を塗布することによりリング磁石とコアとが固着されるので、磁極中心部におけるリング磁石内周面とコアの外周面との間隔を狭くすることができる。これにより、磁極中心部の磁気抵抗が減りリング磁石の磁束を有効に利用できる。また、磁極境界部の接着剤の厚みを従来のものより大きくとることができるので、リング磁石とコアとの収縮/膨張率の違いを広い範囲で吸収でき、温度変化によるリング磁石の破損を防止することができる。
【0049】
請求項4記載の発明によれば、前記請求項1乃至3に記載の発明の効果に加え、常温におけるリング磁石の外周面の直径に対するリング磁石内周面とコア外周面との径方向の距離の割合が適切となり、定格負荷で連続運転した場合でもリング磁石の破損がないとともに、リング磁石の磁束分布が理想的な正弦波状となる。
【0050】
請求項5記載の発明によれば、リング磁石の内周面とコアの外周面との径方向の間隔が、磁極中心部よりも磁極境界部において大きくなるように形成されるので、リング磁石の磁束分布が滑らかになりゴギングトルクを低減できるロータが得られる。
【0051】
請求項6記載の発明によれば、前記請求項5記載の発明の効果に加え、リング磁石の周方向断面における内周輪郭が、円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成されるので、リング磁石の磁束分布が正弦波状となる。
【0052】
請求項7記載の発明によれば、前記請求項5又は6に記載の発明の効果に加え、リング磁石の磁極境界部の内周面に接着剤を塗布することによりリング磁石とコアとが固着されるので、磁極中心部におけるリング磁石内周面とコアの外周面との間隔を狭くすることができる。これにより、磁極中心部の磁気抵抗が減りリング磁石の磁束を有効に利用できる。また、磁極境界部の接着剤の厚みを従来のものより大きくとることができるので、リング磁石とコアとの収縮/膨張率の違いを広い範囲で吸収でき、温度変化によるリング磁石の破損を防止することができる。
【0053】
請求項8記載の発明によれば、前記請求項5乃至7に記載の発明の効果に加え、常温におけるリング磁石の外周面の直径に対するリング磁石内周面とコア外周面との径方向の距離の割合が適切となり、定格負荷で連続運転した場合でもリング磁石の破損がないとともに、リング磁石の磁束分布が理想的な正弦波状となる。
【0054】
請求項9記載の発明によれば、リング磁石の磁束分布が滑らかになるので、このリング磁石を備えた回転電機のゴギングトルクを低減できる。
請求項10記載の発明によれば、前記請求項9記載の発明の効果に加え、リング磁石の周方向断面における内周輪郭が円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成されるので、リング磁石の磁束分布が正弦波状となり、リング磁石の磁束分布がさらに滑らかになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の実施形態におけるリング磁石の正面図、平面図、端面図。
【図2】本発明の実施形態におけるブラシレスモータの周方向断面図。
【図3】本発明の実施形態におけるリング磁石の磁束分布を従来品との比較により示した図。
【図4】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の変形例としてのリング磁石の正面図、平面図、端面図。
【図5】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の変形例としてのリング磁石の正面図、平面図、端面図。
【図6】(a)〜(f)は本発明の変形例としてのリング磁石の平面図、正面図、底面図、(b)のX−X端面図、(b)のY−Y端面図、(b)のZ−Z端面図。
【図7】(a)、(b)は本発明の変形例を説明するためのリング磁石の展開図。
【図8】本発明の変形例の概略構成を示した図。
【図9】従来のリング磁石を備えた電気モータにおけるロータの周方向断面図。
【符号の説明】
1・・・コア(シャフトSとともに第一部材を構成する)
2・・・リング磁石
S・・・シャフト
A・・・磁極中心部
B・・・磁極境界部
C・・・接着剤
3・・・ステータ
4・・・ティース(第二部材)
5・・電気巻線

Claims (10)

  1. 外周輪郭が円形状に形成された磁性材料によるコアを有する第一部材と、周方向に複数の磁極を有し前記コアの外周面に固着される円筒状のリング磁石と、前記リング磁石の外周面に対向し電気巻線を有する第二部材とを備え、前記第一部材と前記第二部材とが相対回転可能にされた回転電機において、
    前記リング磁石は、該リング磁石の内周面と前記コアの外周面との径方向の間隔が、磁極中心部よりも磁極境界部において大きくなるように形成されたことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1記載の回転電機において、
    前記リング磁石は、周方向断面における内周輪郭が円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成されたことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1又は2に記載の回転電機において、
    前記リング磁石の磁極境界部の内周面に接着剤を塗布することにより前記リング磁石と前記コアとが固着されたことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機において、常温における前記リング磁石の外周面の直径に対する該リング磁石の内周面と前記コアの外周面との径方向の距離の割合が、磁極中心部で0.05〜0.15%であり、磁極境界部で0.3〜5.0%であることを特徴とする回転電機。
  5. 外周輪郭が円形状に形成された磁性材料によるコアの外周面に、周方向に複数の磁極を有する円筒状のリング磁石を固着してなる回転電機用ロータにおいて、
    前記リング磁石は、該リング磁石の内周面と前記コアの外周面との径方向の間隔が、磁極中心部よりも磁極境界部において大きくなるように形成されたことを特徴とする回転電機用ロータ。
  6. 請求項5記載の回転電機用ロータにおいて、前記リング磁石は、周方向断面における内周輪郭が円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成されたことを特徴とする回転電機用ロータ。
  7. 請求項5又は6に記載の回転電機用ロータにおいて、前記リング磁石の磁極境界部の内周面に接着剤を塗布することにより前記リング磁石と前記コアとが固着されたことを特徴とする回転電機用ロータ。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の回転電機用ロータにおいて、常温における前記リング磁石の外周面の直径に対する該リング磁石の内周面と前記コアの外周面との径方向の距離の割合が、磁極中心部で0.05〜0.15%であり、磁極境界部で0.3〜5.0%であることを特徴とする回転電機用ロータ。
  9. 周方向に複数の磁極を有する円筒状のリング磁石において、径方向の厚みが磁極境界部よりも磁極中心部において厚くなるように形成されたことを特徴とするリング磁石。
  10. 請求項9記載のリング磁石において、
    周方向断面における外周輪郭は円形であり、内周輪郭は円に正弦波状の波形が重畳した閉曲線を描くように形成されたことを特徴とするリング磁石。
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