JP4183267B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真感光体としては、低価格及び高生産性の利点から、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として有機材料を用いた感光層(有機感光層)を支持体上に設けてなる有機電子写真感光体が普及している。有機電子写真感光体としては、高感度および材料設計の多様性の利点から、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光層を有する電子写真感光体が主流である。なお、この電荷発生物質としては、光導電性染料や光導電性顔料が挙げられ、電荷輸送物質としては、光導電性ポリマーや光導電性低分子化合物が挙げられる。
電子写真感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの電気的外力及び/又は機械的外力が直接加えられるため、これら外力よって引き起こされる多くの課題が発生する。具体的な課題の例として、表面層の傷や磨耗の発生による耐久性能の低下、転写効率の低下、トナーの融着、クリーニング不良による画像欠陥が挙げられる。
これらの課題に対して、電子写真感光体においては、表面層の改良が積極的に検討されている。具体的には、表面層を高強度化することや、高離型性や滑り性の付与を目的とし、材料的側面から、表面層を構成する樹脂の改良、フィラーや撥水材料の添加が検討されている。
一方、物理的側面からの改良として、表面層を適度に粗面化することにより、前述の課題を解決する検討もなされている。表面層の粗面化により、表面層に接触するトナー、帯電部材、転写部材やクリーニング部材などに対して、当接時の接触面積を減らすことによる離型性の向上や摩擦力の低減の効果が期待される。中でも表面層とクリーニングブレードとの摩擦力は特に大きいため、それに起因するクリーニング性能の低下や耐久性能の低下は問題となりやすい傾向にある。クリーニング性能の低下の具体例としては、クリーニングブレードのびびりやめくれ、さらにはブレードエッジのえぐれや欠けによるクリーニング不良が挙げられる。ここで、クリーニングブレードのビビリとは、クリーニングブレードと電子写真感光体の表面との摩擦抵抗が大きくなることによりクリーニングブレードが振動する現象である。また、クリーニングブレードのメクレとは、電子写真感光体の移動方向にクリーニングブレードが反転してしまう現象である。一方、耐久性能の低下の具体例としては、摩擦抵抗の増大に起因する表面層の磨耗量の増大や、局所的な圧力集中による傷の発生が挙げられる。これらの課題に対して、前述の粗面化は有効に作用すると考えられる。
一方で、クリーニング性能の発現には、電子写真感光体とクリーニング部材との両者に対するトナー(トナー粒子および外添剤)の影響を加味する必要がある。
一般に良好なクリーニング性能とは、転写されずに感光体の表面に残存するトナーが、クリーニングブレードと電子写真感光体表面との間に介在し、両者の間に発生する摩擦抵抗を低減させることにより発現されている状態であると考えられている。しかしながら、電子写真プロセスによっては、前述のクリーニングブレードと電子写真感光体表面の間に介在するトナーが極端に少なくなる場合がある。例えば、印字濃度の薄いパターンの大量印刷時や、タンデム方式の電子写真システムにおいての単色連続印刷時などにおいては、クリーニングブレードと電子写真感光体の表面との摩擦抵抗が特に増大しやすいと考えられるため、前述したクリーニング性能の低下や耐久性能の低下が問題となりやすい傾向にある。さらには、摩擦抵抗の増大に起因する融着の問題が発生することがある。
これらクリーニングブレードと電子写真感光体における問題は、一般的に電子写真感光体の表面層の機械的強度が高くなり、電子写真感光体の周面が摩耗しにくくなるほど顕著になる傾向が見られる。よって、前述したような表面層樹脂の改良による高強度化に対しては、表面層の粗面化は、その弊害を改良するための非常に有効な手段の一つであると考えられる。
表面層を粗面化する技術として、例えば、下記の技術が開示されている:
電子写真感光体の表面からの転写材の分離を容易にするために、電子写真感光体の表面粗さ(周面の粗さ)を規定の範囲内に収める技術、また表面層を形成する際の乾燥条件を制御することにより、電子写真感光体の表面をユズ肌状に粗面化する方法(特許文献1参照);
表面層に粒子を含有させることで、電子写真感光体の表面を粗面化する技術(特許文献2参照);
金属製のワイヤーブラシを用いて表面層の表面を研磨することによって、電子写真感光体の表面を粗面化する技術(特許文献3参照);
特定のクリーニング手段及びトナーを用い、特定のプロセススピード以上の電子写真装置で使用した場合に問題となるクリーニングブレードの反転(メクレ)やエッジ部の欠けを解決するために有機電子写真感光体の表面を粗面化する技術(特許文献4参照);
フィルム状研磨材を用いて表面層の表面を研磨することによって、電子写真感光体の表面を粗面化する技術(特許文献5参照);および
ブラスト処理により電子写真感光体の周面を粗面化する技術(特許文献6参照)。
しかしながら、このようにして粗面化した電子写真感光体の表面の形状の詳細は具体的には記載されていない。
以上の従来技術による粗面化は、表面層を適度に粗くするという観点から、前述のクリーニングブレードとの摩擦力の低減に対して一定の効果は認められるもののさらなる改善が求められている。また、その表面形状がスジ状であったり、不定形あるいは大きさのばらつきを有する凸凹であったりする点において、微視的な観点におけるクリーニング性能の制御や現像材、紙粉などの付着という課題に対してはさらなる改善が求められている。
電子写真感光体の表面形状の制御に着目し詳細な解析及び検討を行なうことによって、所定のディンプル形状を有する電子写真感光体が提案されている(特許文献7参照)。この方法によって、クリーニング性能や摺擦メモリーの如き問題を解決する方向性を見出したが、さらなる性能の向上が求められている。
また、井戸型の凹凸のついたスタンパを用いて電子写真感光体の表面を圧縮成型加工する技術が開示されている(特許文献8参照)。この技術は、前述の特許文献1から6に開示されたものと比較して、独立した凹凸形状を制御性よく電子写真感光体表面に形成できるという観点から、前述の課題を解決するためにより効果的であると考えられる。この方法によれば、電子写真感光体表面に10〜3000nmの長さやピッチを有する井戸型の凹凸形状を形成することにより、トナーの離型性が向上し、クリーニングブレードのニップ圧を低減することが可能になり、結果として感光体の磨耗を減少させることが可能であるとしている。しかしながら、このような凹凸形状を有する感光体は、低温、低湿の環境下においてクリーニング不良に起因する画像欠陥が発生しやすい傾向にある。また前記10〜3000nmの長さの井戸型の凹部を起点としてトナーが融着することによる画像欠陥の問題が発生しやすい。特にこの現象は、電子写真感光体表面と、それに接触するトナーや部材との間における付着力や摩擦力が大きくなりやすい高温、高湿環境下において、顕著になる傾向がある。
以上のように、従来技術によれば、耐久性能の向上やクリーニング性能の向上、画像欠陥の抑制に対して、一定の効果は認められるものの、総合的な性能を向上させるにあたって、未だ改良の余地が残されているのが現状である。
したがって、種々の環境下においても、良好なクリーニング性能を発揮し、画像欠陥を発生しない電子写真感光体の開発が必要とされる。
特開昭53−92133号公報 特開昭52−26226号公報 特開昭57−94772号公報 特開平01−099060号公報 特開平02−139566号公報 特開平02−150850号公報 国際公開第2005/093518号 特開2001−066814号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、クリーニング性能に優れ、クリーニング不良や融着による画像欠陥の発生を抑制する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、電子写真感光体の表面に、所定の微細な凹部を設けることによって、上述の問題を効果的に解決することができることを見いだし、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面に複数の各々独立した凹部が形成されており、該凹部の個数が100μm四方あたり76個以上1000個以下であり、かつ該凹部の開口の平均長軸径が3.0μmより大きく14.0μm以下である、ことを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上述の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
さらに、本発明は、上述の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段とを有することを特徴とする電子写真装置に関する。
本発明によれば、クリーニング性能に優れ、画質欠陥の発生を抑制する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが出来る。
本発明における各々独立した凹部とは、個々の凹部が、ほかの凹部と明確に区分されている状態で存在する凹部をいう。
図1A〜図1Gは、本発明における電子写真感光体の表面に形成されている各々の凹部の開口の具体的な形状の例を示し、図2A〜図2Gは、各々の凹部の断面の形状の例を示している。図1A〜図1Gおよび図2A〜図2Gにおいて、Dは長軸径を表し、Hは深さを表す。各々の凹部の開口の形状としては、例えば、図1A〜図1Gに示した円、楕円、正方形、長方形、三角形、四角形、六角形のように種々の形状が形成可能である。また、凹部の断面の形状としては、図2A〜図2Gに示した三角形、四角形、多角形の如きエッジを有するもの、連続した曲線からなる波型、前記三角形、四角形、多角形のエッジの一部あるいは全部に曲線に変形したものなどの種々の形状が形成可能である。
電子写真感光体の表面において形成される複数の凹部は、すべてが同一の形状、大きさ、深さであってもよいし、あるいは異なる形状、大きさ、深さのものが混在していてもよい。
各凹部の開口の長軸径を、図1A〜図1Gに示したように、各凹部の開口を横切る直線のうち、最大となる直線の長さと定義する。例えば、円の場合は直径、楕円の場合は長径、四角形の場合は対角線のうち長い方を長軸径として採用する。長軸径の測定において、例えば、図2Cに示すように凹部と非凹部との境界が明瞭でない場合は、その断面形状を考慮し、凹部形成前の平滑面を基準Sとして凹部の開口の形状を定め、上記と同様にして得られる最大長さを長軸径と定義する。さらに、図2Fに示すように平坦部が不明瞭である場合は、隣り合う凹部同志の断面図において中心線mを設け、長軸径を定義する。
本発明の凹部は、電子写真感光体の少なくとも表面に形成されている。感光体表面の凹部の領域は、感光体表面の全域に形成されていてもよいし、表面の一部分に形成されていてもよいが、良好な性能を発揮するためには、少なくともクリーニングブレードと接触する表面部位に形成されていることが好ましい。
本発明においては、該凹部の個数が100μm四方あたり76個以上1000個以下であることが好ましく、100個以上500個以下形成されていることがより好ましい。また平均長軸径が3.0μmより大きく14.0μm以下であることが好ましく、5μm以上10μm以下であることがより好ましい。平均長軸径が3.0μmより大きい場合でも、100μm四方あたりの凹部の個数が76個未満である場合には、前述の電子写真感光体表面とクリーニングブレードの摩擦力の低減効果が十分に得られないため、本発明の効果が得られにくい傾向にある。また平均長軸径が3.0μm未満の場合においては、100μm四方あたりの凹形状部の個数が76個以上であっても、トナーの感光体表面への融着が発生しやすい傾向にある。特に、高温、高湿環境下においてこの現象は顕著になりやすい。
本発明において、上記100μm四方の領域は、電子写真感光体の表面を感光体回転方向に4等分し、該感光体回転方向と直行する方向に25等分して得られる計100箇所の領域のそれぞれの中に一辺100μmの正方形の領域を設けることによって設定される。本発明における平均長軸径とは、前記定義に従い100μm四方当たりの凹部各々の長軸径を統計処理することによって得られた平均値として定義される。
さらに、本発明においては、前記統計処理において、長軸径が3.0μm以下の凹部が少ないこと、さらに存在しないことが好ましい。単位面積当たりの平均長軸径が3.0μmより大きい場合でも、長軸径が3.0μm以下の凹部が多くなるにしたがって、前記トナーの感光体表面への融着が発生しやすい傾向にある。具体的には、長軸径が3.0μm以下の凹部が50個数%以下であることが好ましく、10個数%以下であることがより好ましい。
本発明における凹部の深さは、図2A〜図2Bで示すように、前述した長軸径についての凹部の断面において、該長軸径と凹部底面との最大距離として定義される。なお、深さの測定は、上記平均長軸径の測定と同様に、電子写真感光体の表面を感光体回転方向に4等分し、該感光体回転方向と直行する方向に25等分して得られる計100箇所の領域のそれぞれの中に一辺100μmの正方形の領域を設け、そこに含まれる凹部について行なわれる。また、平均深さとは、前記定義に従い100μm四方当たりの凹部各々の深さを統計処理することによって得られた平均値として定義される。
本発明においては、凹部の深さは、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。深さが0.1μmより小さい場合には、本発明の効果が得られにくい傾向にある。
本発明においては、さらに、凹部の開口の面積率が40%以上99%以下であることが好ましく、60%以上80%以下であることがより一層好ましい。凹部の開口の面積率が小さすぎると本発明の効果が得られにくくなる。なお、この「凹部の開口の面積率」とは、上記100μm四方の領域において、下記式によって求められる凹部の開口の合計面積の占める割合をいう。
{凹部の開口の合計面積/(凹部の開口の合計面積+非凹部の合計面積)}×100
本発明においては、各々の凹部の配置は任意であり、最適化が可能である。
本発明において、電子写真感光体の表面の凹部の形状は、例えば、市販のレーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡あるいは原子力間顕微鏡を用いて測定可能である。
レーザー顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である: 超深度形状測定顕微鏡VK−8550、超深度形状測定顕微鏡VK−9000および超深度形状測定顕微鏡VK−9500(いずれも(株)キーエンス社製); 表面形状測定システムSurface Explorer SX−520DR型機((株)菱化システム社製):走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000(オリンパス(株)社製); リアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130(レーザーテック(株)社製)。
光学顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である: デジタルマイクロスコープVHX−500およびデジタルマイクロスコープVHX−200(いずれも(株)キーエンス社製); 3DデジタルマイクロスコープVC−7700(オムロン(株)社製)。
電子顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である: 3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800および3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800(いずれも(株)キーエンス社製); 走査型電子顕微鏡コンベンショナル/Variable Pressure SEM(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製); 走査型電子顕微鏡SUPERSCAN SS−550((株)島津製作所社製)。
原子力間顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である: ナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8000((株)キーエンス社製); 走査型プローブ顕微鏡NanoNaviステーション(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製); 走査型プローブ顕微鏡SPM−9600((株)島津製作所社製)。
上記顕微鏡を用いて、所定の倍率により、測定視野内の凹部の個数、長軸径および深さを計測することが出来る。さらには、単位面積あたりの凹部の平均長軸径、平均深さ、開口の面積率を計算により求めることが出来る。
一例として、Surface Explorer SX−520DR型機による解析プログラムを利用した測定例について説明する。測定対象の電子写真感光体をワーク置き台に設置し、チルト調整して水平を合わせ、ウェーブモードで電子写真感光体の周面の3次元形状データを取り込む。その際、対物レンズの倍率を50倍とし、100μm×100μm(10000μm)の視野観察としてもよい。この方法で、測定対象の感光体の表面を感光体回転方向に4等分し、該感光体回転方向と直交する方向に25等分して得られる計100箇所の領域のそれぞれの中に、一辺100μmの正方形の領域を設けて測定する。
次に、データ解析ソフト中の粒子解析プログラムを用いて電子写真感光体の表面の等高線データを表示する。
凹部の形状、長軸径、深さおよび開口面積のような凹部の孔解析パラメーターは、形成された凹部によって各々最適化することが出来る。例えば、長軸径10μm程度の凹部の観察及び測定を行なう場合、長軸径上限を15μm、長軸径下限を1μm、深さ下限を0.1μmおよび体積下限を1μm以上としてもよい。そして、解析画面上で凹部と判別できる凹部の個数をカウントし、これを凹部の個数とする。
また、上記と同様の視野及び解析条件で、上記粒子解析プログラムを用いて求められる各凹部の開口面積の合計から凹部の合計開口面積を算出し、以下の式から凹部の開口の面積率(以下、単に「面積率」ともいう)を算出してもよい。
{凹部の合計開口面積/(凹部の合計開口面積+非凹形状部の合計面積)}×100
<本発明による電子写真感光体の表面への凹部の形成方法>
凹部の形成方法としては、上記の凹部に係る要件を満たし得る方法であれば、特に制限はない。例えば、パルス幅が100ns(ナノ秒)以下である出力特性を有するレーザー光照射による電子写真感光体の表面の形成方法、所定の形状を有するモールドを電子写真感光体の表面に圧接し形状転写を行なう方法、電子写真感光体の表面層形成時にその表面に結露を生じさせる方法が挙げられる。
パルス幅が100ns(ナノ秒)以下である出力特性を有するレーザー光照射による凹部の形成方法について説明する。この方法で用いるレーザーの具体的な例としては、ArF、KrF、XeFまたはXeClのようなガスをレーザー媒質とするエキシマレーザーあるいはチタンサファイアを媒質とするフェムト秒レーザーが挙げられる。さらに、上記、レーザー照射における、レーザー光の波長は、1,000nm以下であることが好ましい。上記エキシマレーザーは、以下の工程で放出されるレーザー光である。まず、Ar、KrまたはXeのような希ガスと、FあるいはClのようなハロゲンガスとの混合気体に、放電、電子ビームまたはX線のような高エネルギーを与えて、上記の元素を励起して結合させる。その後、基底状態に落ちることで解離する際、エキシマレーザー光が放出される。上記、エキシマレーザーにおいて用いるガスとしては、ArF、KrF、XeClまたはXeFが挙げられるが、いずれを用いてもよい。特には、KrFあるいはArFが好ましい。
凹部の形成方法としては、図3に示すような、レーザー光遮断部aとレーザー光透過部bとを適宣配列したマスクを使用する。マスクを透過したレーザー光のみがレンズで集光され、被加工物に照射されることにより、所望の形状と配列を有する凹部の形成が可能となる。一定面積内の多数の凹部を、その形状、面積に関わらず瞬時に同時に加工できるため、工程は短時間で行うことが出来る。マスクを用いたレーザー照射により、1回照射当たり数mmから数cmが加工される。レーザー加工においては、図4に示すように、まず、ワーク回転用モーターdにより電子写真感光体を自転させる。自転させながら、ワーク移動装置eによりレーザー照射位置を電子写真感光体の軸方向上にずらしていくことにより、電子写真感光体の表面全域に効率良く凹部を形成することができる。凹部の深さは、レーザー光の照射時間や照射回数などによって、所望の範囲内に調整が可能である。本発明によれば、凹部の大きさ、形状、配列の制御性が高く、高精度且つ自由度の高い粗面加工が実現できる。
また、レーザー照射による電子写真感光体の表面への凹部の形成方法では、同じマスクパターンを用いて、上記の凹部の形成方法を、複数の部位あるいは感光体表面全域に適用してもよい。この方法により、感光体表面全体に均一に凹部を形成することができる。その結果、電子写真装置において使用する際のクリーニングブレードにかかる力学的負荷は均一となる。また、図5に示すように、感光体の任意の周方向線上に、凹部h及び非凹部gの双方が存在する配列となるようにマスクパターンを形成することにより、クリーニングブレードにかかる力学的負荷の偏在は一層防止できる。
次に、所定の形状を有するモールドを電子写真感光体の表面に圧接し形状転写を行なう凹部の形成方法について説明する。
図6は、本発明におけるモールドによる圧接形状転写加工装置の概略図の例を示す図である。加圧及び解除が繰り返し行なえる加圧装置Aに所定のモールドBを取り付けた後、感光体Cに対して所定の圧力でモールドBを当接させ形状転写を行なう。その後、加圧を一旦解除し、感光体Cを回転させた後に、再度加圧そして形状転写工程を行なう。この工程を繰り返すことにより、感光体の全周にわたって所定の凹形状を形成することが可能である。
また、図7に示したように、まず、加圧装置Aに感光体Cの全周長よりも長いモールドBを取り付ける。その後、感光体Cに対して所定の圧力をかけながら、感光体を回転、移動させることにより、感光体全周にわたって所定のディンプル形状を形成することも可能である。
他の例として、シート状のモールドをロール状の加圧装置と感光体の間に挟み、モールドシートを送りながら表面加工することも可能である。
なお、形状転写を効率的に行なう目的で、モールドや感光体を加熱してもよい。
モールド自体の材質や大きさ、形状は適宜選択することが出来る。材質としては、微細表面加工された金属や樹脂フィルム、シリコンウエハーなどの表面にレジストによりパターニングをしたもの、微粒子が分散された樹脂フィルム、所定の微細表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングを施与したものが挙げられる。モールド形状の一例を図8Aおよび図8Bに示す。図8Aおよび図8Bにおいて、8A−1および8B−1はモールドを上から見た図であり、8A−2および8B−2はモールドを横から見た図である。
また、感光体に対して圧力の均一性を付与する目的で、モールドと加圧装置との間に弾性体を設置することも可能である。
次に、電子写真感光体の表面層形成時にその表面に結露を生じさせることによる凹部の形成方法について説明する。
電子写真感光体の表面層形成時にその表面に結露を生じさせる凹部の形成方法は次のように実行される。結着樹脂および特定の芳香族有機溶剤を含有し、芳香族有機溶剤の含有量が50質量%以上80質量%以下である表面層用塗布液を調製する。該塗布液を塗布する塗布工程、次いで、該塗布液を塗布された支持体を保持し、該塗布液を塗布された支持体の表面に結露を生じさせる支持体保持工程、その後、支持体を加熱乾燥する乾燥工程により表面に各々独立した凹部を形成する。
上記、結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂が挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂あるいはジアリルフタレート樹脂が好ましい。さらには、ポリカーボネート樹脂あるいはポリアリレート樹脂であることが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
上記、特定の芳香族有機溶剤は、水に対して親和性の低い溶剤である。具体的には、1,2−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼンあるいはクロロベンゼンが挙げられる。
上記表面層塗布液中に、芳香族有機溶剤を含有していることが重要であるが、凹部を安定的に形成する目的で、表面層塗布液中に、さらに水との親和性の高い有機溶剤あるいは水を表面層用塗布液中に含有してもよい。水との親和性の高い有機溶剤としては、(メチルスルフィニル)メタン(慣用名:ジメチルスルホキシド)、チオラン−1,1−ジオン(慣用名:スルホラン)、N,N−ジメチルカルボキシアミド、N,N−ジエチルカルボキシアミド、ジメチルアセトアミドあるいは1−メチルピロリジン−2−オンであることが好ましい。これらの有機溶剤は単独で含有することも、2種以上混合して含有することができる。
上記、支持体の表面に結露を生じさせる支持体保持工程とは、表面層塗布液を塗布された支持体を、支持体の表面に結露を生じる雰囲気下に一定時間保持する工程である。この方法における結露とは、水の作用により表面層塗布液を塗布された支持体の表面に形成された液滴を指す。支持体の表面に結露を生じさせる条件は、支持体を保持する雰囲気の相対湿度および塗布液溶剤の揮発条件(例えば気化熱)によって影響される。しかし、表面層塗布液中に、芳香族有機溶剤を全溶剤質量に対し50質量%以上含有しているため、塗布液溶剤の揮発条件の影響は少ない。したがって、結露の発生は、支持体を保持する雰囲気の相対湿度に主に依存する。支持体の表面に結露を生じさせる相対湿度は、40%〜100%であるが、70%以上であることが好ましい。支持体保持工程において、支持体は、結露による液滴形成が行われるのに必要な時間保持されればよいが、生産性の観点から、好ましくは1秒〜300秒であり、さらには10秒から180秒程度であることが好ましい。支持体保持工程には、相対湿度が重要であるが、雰囲気温度は20℃以上80℃以下であることが好ましい。
上記、加熱乾燥する乾燥工程により、支持体保持工程によって表面に生じた液滴を、感光体表面の凹部として形成できる。均一性の高い凹部を形成するためには、速やかな乾燥であることが重要であるため、加熱乾燥が行われる。乾燥工程における乾燥温度は、100℃〜150℃であることが好ましい。加熱乾燥は、支持体上に塗布された塗布液中の溶剤および結露工程によって形成した液滴が除去される時間行なわれる。乾燥時間は、20分〜120分であることが好ましく、さらには40分〜100分であることが好ましい。
上記、電子写真感光体の表面層形成時にその表面に結露を生じさせる凹部の形成方法により、感光体の表面には、各々独立した凹部が形成される。この方法は、水の作用により形成される液滴を、水との親和性の低い溶剤および結着樹脂を用いて凹部を形成する方法である。この方法により電子写真感光体表面に形成された凹部の個々の形は、水の凝集力により形成されるため、均一性の高い凹部となっている。また、この方法は、液滴あるいは液滴が十分に成長した状態から液滴を除去する工程を経る製造方法であるため、電子写真感光体の表面の凹部は、例えば、液滴形状あるいはハニカム形状(六角形状)の凹部が形成される。液滴形状の凹部とは、感光体表面の観察では、例えば、円形状あるいは楕円形状の凹部であり、感光体断面の観察では、例えば、部分円状あるいは部分楕円状の凹部を示す。また、ハニカム形状(六角形状)の凹部とは、例えば、電子写真感光体の表面に液滴が最密充填されたことにより形成された凹部である。具体的には、感光体表面の観察では、例えば、凹部が円、六角形あるいは角の円い六角形であり、感光体断面の観察では、例えば、部分円状あるいは角柱のような凹部を示す
本発明において、所望の凹部を形成するために、表面層塗布液中の溶剤種、溶剤含有量、支持体保持工程における相対湿度、保持時間、乾燥工程における加熱乾燥温度による制御が可能である。
<本発明による電子写真感光体>
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体と、この支持体上に設けられた有機感光層(以下、単に「感光層」ともいう。)とを有する。本発明による電子写真感光体は、一般的には、円筒状支持体上に感光層を形成した円筒状有機電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状或いはシート状の形状も可能である。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。本発明による電子写真感光体は、電子写真特性の観点から、積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であっても、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層であってもよい。本発明による電子写真感光体において、積層型感光層を採用する場合、電荷発生層を積層構造としてもよく、電荷輸送層を積層構成としてもよい。さらに、耐久性能向上を目的とし感光層上に保護層を設けることも可能である。
支持体の材料としては、導電性を示すもの(導電性支持体)であればよい。例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスの如き金属製(合金製)の支持体が挙げられる。
また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子の如き導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体を用いることもできる。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の防止を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理を施してもよい。
支持体と、後述の中間層又は感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料や抵抗調節顔料を結着樹脂に分散及び/又は溶解させた導電層用塗布液を用いて形成されてもよい。導電層用塗布液には、加熱又は放射線照射により硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料を分散させた導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより一層好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる:スチレン,酢酸ビニル,塩化ビニル,アクリル酸エステル,メタクリル酸エステル,フッ化ビニリデン,トリフルオロエチレンの如きビニル化合物の重合体/共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂およびエポキシ樹脂。
導電性顔料及び抵抗調節顔料としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスの如き金属(合金)の粒子;これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズの金属酸化物の粒子でもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
支持体又は導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護のために形成される。
中間層の材料としては、以下のものが挙げられる:ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン。中間層は、これらの材料を溶剤に溶解させることによって得られる中間層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
中間層の膜厚は0.05μm以上7μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
本発明において感光層に用いられる電荷発生物質としては、以下のものが挙げられる:ピリリウム、チアピリリウム系染料;各種の中心金属及び各種の結晶系(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料;アントアントロン顔料;ジベンズピレンキノン顔料;ピラントロン顔料;モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾの如きアゾ顔料;インジゴ顔料;キナクリドン顔料;非対称キノシアニン顔料;キノシアニン顔料;アモルファスシリコン。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、以下のものが挙げられる:ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物。
感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離する場合、電荷発生層は、以下の方法で形成することができる。まず、電荷発生物質を0.3〜4倍量(質量比)の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミルを用いる方法で分散する。分散して得た電荷発生層用塗布液を塗布する。これを乾燥させることによって、電荷発生層を形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、上記電荷輸送物質のうち単独で成膜性を有するものは、結着樹脂を用いずにそれ単独で成膜し、電荷輸送層とすることもできる。
電荷発生層及び電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる:スチレン,酢酸ビニル,塩化ビニル,アクリル酸エステル,メタクリル酸エステル,フッ化ビニリデン,トリフルオロエチレンの如きビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層の膜厚は5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
電子写真感光体に要求される特性の一つである耐久性能の向上にあたっては、上述の機能分離型感光体の場合、表面層となる電荷輸送層の材料設計は重要である。その例としては、高強度の結着樹脂を用いたり、可塑性を示す電荷輸送物質と結着樹脂との比率をコントロールしたり、高分子電荷輸送物質を使用するなどが挙げられるが、より耐久性能を発現させるためには表面層を硬化系樹脂で構成することが有効である。
本発明においては、電荷輸送層自体を硬化系樹脂で構成することが可能である。また上述の電荷輸送層上に第二の電荷輸送層或いは保護層として硬化系樹脂層を形成することが可能である。硬化系樹脂層に要求される特性は、膜の強度と電荷輸送能力の両立であり、電荷輸送材料及び重合或いは架橋性のモノマーやオリゴマーから構成されるのが一般的である。また場合によっては、電荷輸送能力の付与の目的で、抵抗制御された導電性微粒子の利用も可能である。
電荷輸送材料としては、公知の正孔輸送性化合物および電子輸送性化合物を用いることができる。重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の材料、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の材料が挙げられる。得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性の観点から正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基およびアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する化合物を硬化させる系が特に好ましい。
硬化手段としては、熱、光、放射線を用いて公知の手段が利用できる。
硬化層の膜厚は、電荷輸送層の場合は前述と同様5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。第二の電荷輸送層あるいは保護層の場合は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体の各層には各種添加剤を添加することが出来る。添加剤としては、酸化防止剤や紫外線吸収剤の如き劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂粒子やアクリル樹脂粒子の如き有機樹脂粒子、シリカ,酸化チタン,アルミナの如き無機粒子が挙げられる。
本発明においては上述の方法により作製された表面層を有する電子写真感光体に対して、前述のレーザー加工あるいはモールドによる圧接形状転写加工を行なうことにより、所望の凹部を形成することが可能である。また、表面層形成時にその表面に結露を生じさせることによる凹部の形成方法を用いる場合には、前述のように表面層の製造方法を制御することにより、所望の凹部を形成することが可能である。
本発明による電子写真感光体は、上述の通り、特定の凹部をその表面に有する。この表面形状は、表面が摩耗しにくい電子写真感光体を適用したときに最も効果的に作用する。上述のとおり、表面が摩耗しにくい電子写真感光体は、高耐久である一方で、クリーニング性能や各種の画像欠陥などの問題が顕著になるからである。
本発明による表面が磨耗しにくい電子写真感光体とは、その表面の弾性変形率が、40%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、50%以上であることがより一層好ましい。弾性変形率が40%未満である場合には、表面が磨耗しやすい傾向にある。
また、本発明による電子写真感光体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)は、150N/mm以上であることが好ましい。
弾性変形率が40%未満である場合やユニバーサル硬さ値が150/mm未満である場合には、表面が磨耗しやすい傾向にある。
以上のように表面が摩耗しにくい電子写真感光体は、上記の微細表面形状が初期から繰り返し使用後まで変化が非常に小さく、或いは変化しないため、長期間繰り返し使用した場合にも初期の性能を良好に維持することができる。
本発明において、電子写真感光体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)及び弾性変形率は、温度25℃/湿度50%RH環境下、微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した値である。このフィシャースコープH100Vは、測定対象(電子写真感光体の周面)に圧子を当接し、この圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより連続的硬さが求められる装置である。
本発明においては、圧子として対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用い、電子写真感光体の周面に圧子を押し当て、以下の条件で行った。
圧子に連続的にかける荷重の最終(最終荷重):6mN
圧子に最終荷重6mNをかけた状態を保持する時間(保持時間):0.1秒
また、測定点は273点とした。
図9は、フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの概略を示す図である。また、図10は、フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの一例を示す図である。図9及び図10において、縦軸は圧子にかけた荷重F(mN)を、横軸は圧子の押し込み深さh(μm)を示す。図9は、圧子にかける荷重を段階的に増加させて荷重が最大になった(A→B)後、段階的に荷重を減少させた(B→C)ときの結果を示す。図10は、圧子にかける荷重を段階的に増加させて最終的に荷重を6mNとし、その後、段階的に荷重を減少させたときの結果を示す。
ユニバーサル硬さ値(HU)は、圧子に最終荷重6mNをかけたときの該圧子の押し込み深さから下記式により求めることができる。なお、下記式中、HUはユニバーサル硬さ(HU)を、Ffは最終荷重を、Sfは最終荷重をかけたときの圧子の押し込まれた部分の表面積をそれぞれ示す。また、hfは最終荷重をかけたときの圧子の押し込み深さ(mm)を示す。
Figure 0004183267
また、弾性変形率は、圧子が測定対象(電子写真感光体の周面)に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち、圧子の測定対象(電子写真感光体の周面)に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めることができる。具体的には、弾性変形仕事量Weを全仕事量Wtで除した値(We/Wt)が弾性変形率である。なお、全仕事量Wtは図9中のA−B−D−Aで囲まれる領域の面積であり、弾性変形仕事量Weは図9中のC−B−D−Cで囲まれる領域の面積である。
<プロセスカートリッジ及び電子写真装置>
図11は、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
図11において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正又は負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光の如き露光手段(図示せず)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。なお、帯電手段3は、図11に示すような帯電ローラーを用いた接触帯電手段に限られず、コロナ帯電器を用いたコロナ帯電手段であってもよいし、その他の方式の帯電手段であってもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(普通紙.コート紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(図示せず)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して給送されてもよい。また、転写材の代わりに、一旦中間転写体や中間転写ベルトにトナー像を転写した後、さらに転写材に転写するシステムも可能である。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像を転写した後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りのトナーの除去を受けて清浄面化される。さらに前露光手段(図示せず)からの前露光光(図示せず)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。また、クリーニングブレードを用いないクリーニングレスシステムに対しても、本発明による電子写真感光体は有効である。
なお、図11に示すように、帯電手段3が帯電ローラーを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。このプロセスカートリッジは、複写機やレーザービームプリンターの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図11では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールの如き案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
(実施例)
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例A-1)
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、以下の成分からなる溶液を約20時間、ボールミルで分散し導電層用塗料を調製した。
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体 60部
(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)
酸化チタン 15部
(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)
レゾール型フェノール樹脂 43部
(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、
固形分70質量%)
シリコーンオイル 0.015部
(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)
シリコーン樹脂 3.6部
(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)
2−メトキシ−1−プロパノール 50部
メタノール 50部
このようにして調製した導電層用塗料をアルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、温度140℃のオーブンで1時間加熱硬化することにより、膜厚が15μmの樹脂層を形成した。
次に、以下の成分をメタノール400部/n−ブタノール200部の混合液に溶解した溶液を、上述の樹脂層の上に浸漬塗布し、温度100℃のオーブンで30分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.45μmの中間層を形成した。
共重合ナイロン樹脂 10部
(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)
メトキシメチル化6ナイロン樹脂 30部
(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)
次に、以下の成分を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン 20部
(CuKα特性X線回折において、7.4°及び28.2°(ブラッグ角2θ±0.2°))に強いピークを有するもの)
下記構造式(1)のカリックスアレーン化合物 0.2部
Figure 0004183267
ポリビニルブチラール 10部
(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)
シクロヘキサノン 600部
これを浸漬コーティング法で塗布し、温度80℃のオーブンで15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.170μmの電荷発生層を形成した。
次いで、以下の成分をモノクロロベンゼン600部及びメチラール200部の混合溶媒中に溶解して電荷輸送層用塗料を調製した。これを用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を浸漬塗布し、温度100℃のオーブンで30分間加熱乾燥することにより、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
下記構造式(2)の正孔輸送性化合物 70部
Figure 0004183267
ポリカーボネート樹脂 100部
(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)
次いで、分散剤として、以下の成分を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)社製)20部及び1−プロパノール20部の混合溶剤に溶解した。
フッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)社製) 0.5部
得られた溶液に、潤滑剤として4フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)10部を加えた。その後、これを、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で600kgf/cmの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。さらに、これをポリフロンフィルター(商品名PF−040、アドバンテック東洋(株)社製)で濾過を行い、潤滑剤分散液を調製した。その後、下記式(3)で示される正孔輸送性化合物90部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン70部及び1−プロパノール70部を潤滑剤分散液に加えた。これを、ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)社製)で濾過し、第二電荷輸送層用塗料を調製した。
Figure 0004183267
この塗料を用いて、前記電荷輸送層上に第二電荷輸送層を塗布した後、大気中温度50℃のオーブンで10分間乾燥した。その後、窒素中において加速電圧150KV、ビーム電流3.0mAの条件でシリンダーを200rpmで回転させながら1.6秒間電子線照射を行った。引き続いて、窒素中において温度25℃から温度125℃まで30秒かけて昇温させ硬化反応を行なった。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ15KGyであった。また、電子線照射及び加熱硬化反応雰囲気の酸素濃度は15ppm以下であった。これを、大気中において温度25℃まで自然冷却し、温度100℃のオーブンで30分間、大気中で、後加熱処理を行なって、膜厚5μmの保護層(第二電荷輸送層)を形成し、電子写真感光体を得た
<モールド圧接形状転写による凹部の形成>
この電子写真感光体に対して、図7に示す構成の装置において、図12に示した形状転写用のモールド(長軸径D:5.0μm、間隔E:0.5μm、高さF:2.0μmの円柱形状)を設置し、表面加工を行なった。図12において、12−1および12−2はそれぞれモールドを上方向および横方向から見た形状を示す。加工時の電子写真感光体表面の温度が110℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、3.0MPaの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹部の観察>
得られた電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図13に示すように、長軸径D:5.0μm、深さH:1.0μmの円柱状の凹部が間隔E:0.5μmで形成されていることがわかった。図13において、13−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、13−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表1に示した通りであった。
<弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定>
得られた電子写真感光体を、温度23℃/湿度50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<電子写真感光体の実機評価>
上述のようにして得た電子写真感光体を、キヤノン(株)製の電子写真複写機GP-40の改造機に装着し、以下のように試験および評価を行なった。
まず、30℃/80%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように電位の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を調整した。
次に、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレードを、電子写真感光体表面に対して当接角26°、当接圧30g/cmとなるように設定した。
その後、10枚間欠モードでA4サイズ紙50000枚を印刷する耐久試験を行なった。なお、テストチャートは、印字比率5%のものを用いて、10枚間欠のうち1枚目のみとし、残りの9枚はベタ白画像とした。耐久試験終了後に、ベタ白、ベタ黒およびハーフトーン画像のテスト画像を出力し、トナー融着による画像不良観察を行なった。さらに顕微鏡による電子写真感光体の表面観察を行ない、以下の基準に基づいて評価した。
A:いずれの画像においてもトナー融着による画像不良なし、電子写真感光体表面においてもトナー融着なし
B:いずれの画像においてもトナー融着による画像不良なし、電子写真感光体表面の一部にごく軽微なトナー融着あり
C:ベタ白画像においてトナー融着による画像不良なし、ハーフトーンおよびベタ黒画像においてごく軽微なトナー融着による画像不良あり、電子写真感光体全面に軽微なトナー融着あり
D:いずれの画像においてもトナー融着による画像不良発生、電子写真感光体全面に多数のトナー融着あり
さらに、耐久試験後の電子写真感光体回転方向下流側におけるクリーニングブレードエッジを観察し、クリーニング不良によるトナーのすり抜け状態を下記の基準に基づいて評価した。
A:トナーのすり抜けなし
B:電子写真感光体長手方向の一部に、ごく軽微なトナーのすり抜けあり
C:電子写真感光体長手方向全域にトナーのすり抜けあり
結果、いずれのテスト画像においても、トナー融着による画像不良は観察されず、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、トナー融着は観察されなかった。さらにクリーニング不良によるトナーのすり抜けは観察されなかった。
(実施例A-2)
実施例A-1と同様に電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹部の形成>
実施例1で使用したモールドを、図14に示した形状転写用のモールド(長軸径D:5.0μm、間隔E:0.5μm、高さF:2.0μmの六角柱形状)にかえた以外は、実施例1と同様に加工を行なった。図14において、14−1および14−2はそれぞれモールドを上方向および横方向から見た形状を示す。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図15に示すように、長軸径D:5.0μm、深さH:1.0μmの六角柱状の凹部が間隔E:0.5μmで形成されていることがわかった。図15において、15−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、15−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表1に示した通りであった。
得られた感光体について、実施例1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表1に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-3)
実施例A-1と同様に電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹部の形成>
実施例1で使用したモールドを、図16に示した形状転写用のモールド(裾部長軸径D:7.5μm、間隔E:0.5μm、高さF:2.0μmの山形形状)にかえた以外は、実施例1と同様に加工を行なった。図16において、16−1および16−2はそれぞれモールドを上方向および横方向から見た形状を示す。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図17に示すように、長軸径D:7.5μm、深さH:1.0μmの山形形状の凹部が間隔E:0.5μmで形成されていることがわかった。図17において、17−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、13−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表1に示した通りであった。
得られた感光体について、実施例1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表1に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-4)
実施例A-2において、使用したモールドを、長軸径:10.0μm、間隔:1.0μm、高さ:2.0μmの六角柱形状にかえた以外は、実施例A-2と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-5)
実施例A-1と同様に電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹部の形成>
実施例1で使用したモールドを、図18に示した形状転写用のモールド(長軸径D:8.0μm、間隔E:1.0μm、高さF:2.0μmの四角柱形状)にかえた以外は、実施例1と同様に加工を行なった。図18において、18−1および18−2はそれぞれモールドを上方向および横方向から見た形状を示す。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図19に示すように、長軸径D:8.0μm、深さH:1.0μmの四角柱形状の凹部が間隔E:1.0μmで形成されていることがわかった。図19において、19−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、19−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表1に示した通りであった。
得られた感光体について、実施例1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表1に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-6)
実施例A-1と同様に電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹部の形成>
実施例A-1で使用したモールドを、図20に示した形状転写用のモールド(長軸径D1:6.0μm、短軸径D2:3.0μm、長軸側間隔E1:1.0μm、短軸側間隔E2:0.5μm、高さF:2.0μmの楕円柱形状)にかえた以外は、実施例1と同様に加工を行なった。図20において、20−1および20−2はそれぞれモールドを上方向および横方向から見た形状を示す。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図21に示すように、長軸径D1:6.0μm/短軸径D2:3.0μm、深さH:1.0μmの楕円柱形状の凹部が、長軸側間隔E1:1.0μm/短軸側間隔E2:0.5μm間隔で形成されていることがわかった。図21において、21−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、21−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表1に示した通りであった。
得られた感光体について、実施例1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表1に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-7)
実施例A-5において、使用したモールドを、長軸径:12.0μm、間隔:2.5μm、高さ:2.0μmの四角柱形状にかえた以外は、実施例A-5と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-8)
実施例A-5において、使用したモールドを、長軸径:14.0μm、間隔:1.0μm、高さ:2.0μmの四角柱形状にかえた以外は、実施例A-5と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-9)
実施例A-1において、使用したモールドを、長軸径:4.0μm、間隔:1.0μm、高さ:2.0μmの円柱形状にかえた以外は、実施例A-1と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-10)
実施例A-1において、使用したモールドを、長軸径:3.0μm、間隔:0.5μm、高さ:2.0μmの円柱形状にかえた以外は、実施例A-1と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-11)
実施例A-1において、第二電荷輸送層用の塗料を以下の組成にかえて作製した以外は実施例A-1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。なお、得られた電子写真感光体の弾性変形率値は62%、ユニバーサル硬さ(HU)値は200N/mm2であった。
-第二電荷輸送層用塗料-
1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)社製)80部、1−プロパノール80部、および構造式(3)で示される正孔輸送性化合物90部を混合攪拌したのち、ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)社製)で濾過を行い、第二電荷輸送層用塗料を調製した。
(実施例A-12)
実施例A-1において、フッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)社製)を1.5部、4フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)を30部、構造式(3)で示される正孔輸送性化合物を70部とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。なお、得られた電子写真感光体の弾性変形率値は50%、ユニバーサル硬さ(HU)値は175N/mmであった。
(実施例A-13)
実施例A-1において、使用したモールドを、長軸径:10.0μm、間隔:1.0μm、高さ:2.0μmの円柱形状とし、加工時の電子写真感光体表面の温度を110℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、5.0MPaの圧力で加工した以外は、実施例1と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-14)
実施例A-13において、使用したモールドを、長軸径:5.0μm、間隔:2.0μm、高さ:2.0μmの円柱形状とした以外は、実施例1と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-15)
実施例A-1と同様に、膜厚5μmの保護層(第二電荷輸送層)を有する電子写真感光体を作製した。次にモールド圧接形状転写のかわりに、以下のレーザー加工により、電子写真感光体の表面形状加工を行なった。
<エキシマレーザーによる凹部の形成>
得た電子写真感光体の最表面層にKrFエキシマレーザー(波長λ=248nm)を用いて凹部を形成した。この時、図22に示すように、直径30μmの円形のレーザー光透過部bが10μm間隔で配列するパターンを有する石英ガラス製のマスクを用いた。なお、エキシマレーザーの照射エネルギーは、0.9J/cm2とし、1回照射当たりの照射面積は、2mm四方とした。図4に示すように、感光体を回転させ、照射位置を軸方向にずらしつつ照射を行った。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図23に示すように、長軸径D:8.6μm、深さH:0.9μmのエッジを有さない円柱状の凹部が間隔E:2.9μmで形成されていることがわかった。図23において、23−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、23−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表1に示した通りであった。
得られた感光体について、実施例1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表1に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-16)
実施例A-15において、図22に示すマスクを図24の示すマスクにかえ、エキシマレーザーの照射エネルギーを1.2J/cm2とした以外は、実施例1と同様に、電子写真感光体を加工し、評価を行なった。結果を表1に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-17)
実施例A-1で使用したモールドを、図25に示した形状転写用のモールド(長軸径D1:7.5μm、長軸径D2:2.5μm、間隔E:1.0μm、高さF:2.0μmの2種類の円柱が混合した形状)にかえた以外は、実施例1と同様に加工を行なった。図25において、25−1および25−2はそれぞれモールドを上方向および横方向から見た形状を示す。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図26に示すように、長軸径D1:7.3μm、深さH:1.0μmの円柱状の凹部が間隔E:1.0μmで形成されており、前記長軸径D1:7.3μmの円柱状の凹部16個あたり、1個の割合で長軸径D2:2.2μm、深さH:1.0μmの円柱状の凹部が形成されていることがわかった。図26において、26−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、26−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表1に示した通りであった。また、長軸径が3.0μm以下の凹部の割合は6個数%であった。
得られた感光体について、実施例1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表1に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-18)
実施例A-1で使用したモールドを、図27に示した形状転写用のモールド(長軸径D1:7.5μm、長軸径D2:2.5μm、間隔E:1.0μm、高さF:2.0μmの2種類の円柱が混合した形状)にかえた以外は、実施例1と同様に加工を行なった。図27において、27−1および27−2はそれぞれモールドを上方向および横方向から見た形状を示す。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図28に示すように、長軸径D1:7.3μm、深さH:1.0μmの円柱状の凹部が間隔E:1.0μmで形成されており、前記円柱状の凹部4個あたり、1個の割合で長軸径D2:2.2μm、深さH:1.0μmの円柱状の凹部が形成されていることがわかった。図28において、28−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、28−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表1に示した通りであった。また、長軸径が3.0μm以下の凹形状部の割合は46個数%であった。
得られた感光体について、実施例1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表1に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例A-19)
実施例A-1で使用したモールドを、図29に示した形状転写用のモールド(長軸径D1:7.5μm、長軸径D2:1.5μm、間隔E:1.0μm、高さF:2.0μmの2種類の円柱が混合した形状)にかえた以外は、実施例1と同様に加工を行なった。図29において、29−1および29−2はそれぞれモールドを上方向及び横方向から見た形状を示す。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図30に示すように、長軸径D1:7.3μm、深さH:1.0μmの円柱状の凹部が間隔E:1.0μmで形成されており、前記円柱状の凹部4個あたり、2個の割合で長軸径D2:1.5μm、深さH:1.0μmの円柱状の凹部が形成されていることがわかった。図30において、30−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、30−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表1に示した通りであった。また、長軸径が3.0μm以下の凹部の割合は63個数%であった。
得られた感光体は、実施例1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表1に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
以上の結果より、本発明の電子写真感光体は、画像濃度が低く、高温、高湿下の環境においても、融着などの画像欠陥の発生が抑制され、クリーニング性能が良好である。また、特に、平均長軸径が5.0μm以上10μm以下であり、100μm四方あたりの凹形状部の個数が100個以上の場合、さらには、凹部の面積率が61%以上の場合に良好な結果を示す。さらに、長軸径が3.0μm以下の凹部が10個数%以下の場合に、最も良好な結果を示す。
(比較例A-1)
実施例A-1において、使用したモールドを、長軸径:2.5μm、間隔:11.0μm、高さ:2.0μmの円柱形状にかえた以外は、実施例1と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示す。しかし、融着の発生によるブレード欠けが観察されたため、クリーニング不良によるトナーのすり抜けの評価は行なわなかった。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(比較例A-2)
実施例1において、使用したモールドを、長軸径:2.5μm、間隔:0.5、高さ:2.0μmの円柱形状にかえた以外は、実施例1と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示す。しかし、融着の発生によるブレード欠けが観察されたため、クリーニング不良によるトナーのすり抜けの評価は行なわなかった。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(比較例A-3)
実施例1において、使用したモールドを、長軸径:1.5μm、間隔:0.5μm、高さ:2.0μmの円柱形状に換えた以外は、実施例1と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示す。しかし、融着の発生によるブレード欠けが観察されたため、クリーニング不良によるトナーのすり抜けの評価は行なわなかった。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(比較例A-4)
実施例15で用いた図21で示すようなマスクに換えて、直径100μmの円形のレーザー光透過部が10μm間隔で配列されたパターンを有する石英ガラス製のマスクを用いた以外は実施例15と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示す。しかし、融着の発生によるブレード欠けが観察されたため、クリーニング不良によるトナーのすり抜けの評価は行なわなかった。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(比較例A-5)
実施例15で用いた図21に示すようなマスクに換えて、直径70μmの円形のレーザー光透過部が7μm間隔で配列されたパターンを有する石英ガラス製のマスクを用いた以外は実施例15と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示す。しかし、融着の発生によるブレード欠けが観察されたため、クリーニング不良によるトナーのすり抜けの評価は行なわなかった。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(比較例A-6)
実施例15で用いた図21に示すようなマスクに換えて、直径35μmの円形のレーザー光透過部が18μm間隔で配列されたパターンを有する石英ガラス製のマスクを用いた以外は実施例15と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示す。しかし、融着の発生によるブレード欠けが観察されたため、クリーニング不良によるトナーのすり抜けの評価は行なわなかった。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
以上の結果より、比較例における電子写真感光体は、平均長軸径および100μm四方あたりの凹部の個数が、本発明の範囲外であるため、融着の問題が発生する傾向にあった。
Figure 0004183267
(実施例B-1)
実施例A-1において、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)の換わりに、下記構造式(4)で示される共重合型ポリアリレート樹脂を用いて電荷輸送層を形成した。その後、第二電荷輸送層を形成しない電子写真感光体を得た。
Figure 0004183267
(共重合比 m:n=7:3、重量平均分子量:130000)
<モールド圧接形状転写による凹部の形成>
実施例A-1において、加工時の電子写真感光体表面の温度を110℃とした以外は、実施例A-1と同様に加工を行なった。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、長軸径:5.0μm、深さ:1.5μmの円柱状の凹部が0.5μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表2に示した通りであった。
<電子写真感光体の実機評価>
上述のようにして得た電子写真感光体を、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(LBP-930)の改造機に装着し、以下のように評価を行なった。
まず、32.5℃/85%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように電位の条件を設定し、電子写真感光体の初
期電位を調整した。
次に、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレードを、電子写真感光体表面に対して、当接角26°、当接圧20g/cmとなるように設定した。
その後、10枚間欠モードでA4サイズ紙10000枚を印刷する耐久試験を行なった。なお、テストチャートは、印字比率5%のものを用いて、10枚間欠のうち1枚目のみとし、残りの9枚はベタ白画像とした。耐久試験終了後に、ベタ白、ベタ黒およびハーフトーン画像のテスト画像を出力し、トナー融着による画像不良観察を行なった。さらに顕微鏡による電子写真感光体の表面観察を行ない、以下の基準に基づいて評価した。
A:いずれの画像においてもトナー融着による画像不良なし、電子写真感光体表面においてもトナー融着なし
B:いずれの画像においてもトナー融着による画像不良なし、電子写真感光体表面の一部にごく軽微なトナー融着あり
C:ベタ白画像においてトナー融着による画像不良なし、ハーフトーンおよびベタ黒画像においてごく軽微なトナー融着による画像不良あり、電子写真感光体全面に軽微なトナー融着あり
D:いずれの画像においてもトナー融着による画像不良発生、電子写真感光体全面に多数のトナー融着あり
さらに、耐久試験後の電子写真感光体回転方向下流側におけるクリーニングブレードエッジを観察し、クリーニング不良によるトナーのすり抜け状態を下記の基準に基づいて評価した。
A:トナーのすり抜けなし
B:電子写真感光体長手方向の一部に、ごく軽微なトナーのすり抜けあり
C:電子写真感光体長手方向全域にトナーのすり抜けあり
結果、いずれのテスト画像においても、トナー融着による画像不良は観察されず、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、トナー融着は観察されなかった。さらにクリーニング不良によるトナーのすり抜けは観察されなかった。
(実施例B-2)
実施例B-1と同様にして電子写真感光体を作製した。次にモールド圧接形状転写のかわりに、実施例A-15と同様のレーザー加工により、電子写真感光体の表面形状加工を行なった。
<形成した凹部の観察>
得られた電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、長軸径:8.1μm、深さ:1.0μmのエッジを有さない円柱状の凹部が2.5μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表2に示した通りであった。
得られた感光体は、実施例B-1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表2に示す。
(実施例B-3)
実施例A-1と同様にして、導電層、中間層、電荷発生層を形成した。
<結露法による凹部の形成>
次に、モノクロロベンゼン550部及びメチラール300部の混合溶剤に、構造式(2)の正孔輸送性化合物70部およびポリカーボネート樹脂100部(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)を溶解し、電荷輸送物質を含有する表面層用塗布液を調合した。表面層用塗布液を調合する工程は、相対湿度45%および雰囲気温度25℃の状態で行った。
以上のように調製した表面層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬コーティングし、円筒状支持体上に表面層用塗布液を塗布する工程を行った。表面層用塗布液を塗布する工程は、相対湿度45%および雰囲気温度25℃の状態で行った。
塗布工程終了から60秒後、予め装置内を相対湿度70%および雰囲気温度60℃の状態にされていた円筒状支持体保持工程用装置内に、表面層用塗布液が塗布された円筒状支持体を120秒間保持した。
円筒状支持体保持工程終了から60秒後、予め装置内が120℃に加熱されていた送風乾燥機内に、円筒状支持体を入れ、乾燥工程を60分間行った。
このようにして、複数の凹形状部を有し膜厚20μmの電荷輸送層を表面層とする電子写真感光体を作製した。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図31に示すように、長軸径D:6.0μm、深さE:3.0μmの凹部が間隔E:0.5μmで形成されていることがわかった。図31において、31−1は感光体表面の凹部の配列状態を示し、31−2は感光体の凹部を有する表面の断面形状を示す。なお、100μm四方あたりの凹部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表2に示した通りであった。
<電子写真感光体の実機評価>
実施例B-1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表2に示す。
(実施例B-4)
実施例A-1と同様にして、導電層、中間層、電荷発生層を形成した。
<結露法による凹部の形成>
次に、モノクロロベンゼン550部及びメチラール280部、1−メチルピロリジン−2−オン20部の混合溶剤に、下記構造式(5)の正孔輸送性化合物70部およびポリカーボネート樹脂100部(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)を溶解し、電荷輸送物質を含有する表面層用塗布液を調合した。表面層用塗布液を調合する工程は、相対湿度45%および雰囲気温度25℃の状態で行った。
Figure 0004183267
以上のように調製した表面層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬コーティングし、円筒状支持体上に表面層用塗布液を塗布する工程を行った。表面層用塗布液を塗布する工程は、相対湿度45%および雰囲気温度25℃の状態で行った。
塗布工程終了から60秒後、予め装置内を相対湿度50%および雰囲気温度25℃の状態にされていた円筒状支持体保持工程用装置内に、表面層用塗布液が塗布された円筒状支持体を120秒間保持した。
円筒状支持体保持工程終了から60秒後、予め装置内が120℃に加熱されていた送風乾燥機内に、円筒状支持体を入れ、乾燥工程を60分間行った。
このようにして、複数の凹形状部を有し膜厚20μmの電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、長軸径:5.0μm、深さ:4.0μmの凹部が0.5μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表2に示した通りであった。
<電子写真感光体の実機評価>
実施例B-1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表2に示す。
(実施例B-5)
実施例A-1と同様にして、導電層、中間層、電荷発生層を形成した。
<結露法による凹部の形成>
次に、モノクロロベンゼン550部及びメチラール280部、水20部の混合溶剤に、構造式(2)の正孔輸送性化合物70部およびポリカーボネート樹脂100部(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)を溶解し、電荷輸送物質を含有する表面層用塗布液を調合した。表面層用塗布液を調合する工程は、相対湿度45%および雰囲気温度25℃の状態で行った。
以上のように調製した表面層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬コーティングし、円筒状支持体上に表面層用塗布液を塗布する工程を行った。表面層用塗布液を塗布する工程は、相対湿度45%および雰囲気温度25℃の状態で行った。
塗布工程終了から180秒後、予め装置内を相対湿度50%および雰囲気温度25℃の状態にされていた円筒状支持体保持工程用装置内に、表面層用塗布液が塗布された円筒状支持体を180秒間保持した。
円筒状支持体保持工程終了から60秒後、予め装置内が120℃に加熱されていた送風乾燥機内に、円筒状支持体を入れ、乾燥工程を60分間行った。
このようにして、複数の凹形状部を有し膜厚20μmの電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、長軸径:7.8μm、深さ:1.5μmの凹部が0.8μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表2に示した通りであった。
<電子写真感光体の実機評価>
実施例B-1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表2に示す。
以上の結果より、本発明の電子写真感光体は、画像濃度が低く、高温、高湿下の環境においても、融着などの画像欠陥の発生が抑制され、クリーニング性能が良好である。
(実施例B-6)
実施例B-1において、電荷輸送層用塗料を以下の組成にかえて作製した以外は実施例B-1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
-電荷輸送層用塗料-
構造式(4)で示される共重合型ポリアリレート樹脂50部及びフッ素原子含有樹脂(商品名:GF-300、東亞合成(株)社製)0.4部をモノクロロベンゼン350部に溶解した後、潤滑剤として4フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL-2、ダイキン工業(株)社製)8.5部を加えた。その後、これを高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で600kgf/cmの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。さらに、これをポリフロンフィルター(商品名PF−060、アドバンテック東洋(株)社製)で濾過を行い、潤滑剤分散液を調製した。一方、構造式(4)で示される共重合型ポリアリレート樹脂50部及び構造式(2)で示される正孔輸送性化合物70部をモノクロロベンゼン250部及びメチラール200部の混合溶媒中に溶解した後、前記潤滑剤分散液を混合、攪拌し、電荷輸送層用塗料を調整した。
(実施例B-7)
実施例B-3において、表面層用塗布液を以下の組成にかえて作製した以外は実施例B-3と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
-表面層用塗布液-
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチック(株)社製)50部及びフッ素原子含有樹脂(商品名:GF-300、東亞合成(株)社製)0.25部をモノクロロベンゼン350部に溶解した後、潤滑剤として4フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL-2、ダイキン工業(株)社製)5部を加えた。その後、これを高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で600kgf/cmの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。さらに、これをポリフロンフィルター(商品名PF−060、アドバンテック東洋(株)社製)で濾過を行い、潤滑剤分散液を調製した。一方、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチック(株)社製)50部及び構造式(2)で示される正孔輸送性化合物70部をモノクロロベンゼン200部及びメチラール300部の混合溶媒中に溶解した後、前記潤滑剤分散液を混合、攪拌し、表面層用塗布液を調整した。
(比較例B-1)
実施例B-1において、使用したモールドを、長軸径:2.0μm、間隔:10.0μm、高さ:2.0μmの円柱形状にかえた以外は、実施例B-1と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示した。
(比較例B-2)
実施例B-1において、使用したモールドを、長軸径:15.0μm、間隔:1.0μm、高さ:2.0μmの円柱形状にかえた以外は、実施例B-1と同様に加工および評価を行なった。結果を表1に示した。
以上の結果より、比較例における電子写真感光体は、平均長軸径および100μm四方あたりの凹形状部の個数が、本発明の範囲外であるため、融着の問題が発生する傾向にあった。
Figure 0004183267
(実施例C-1)
実施例A-1において、直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを、直径84mm、長さ370.0mmの表面切削加工されたものにかえた以外は、実施例A-1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹部の形成>
この電子写真感光体に対して、図7に示す構成の装置において、実施例A-3で用いたものと同様の図16に示した形状転写用のモールド(裾部長軸径:7.5μm、間隔:0.5μm、高さ:2.0μmの山形形状)を設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体表面の温度が110℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、5.0MPaの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図17に示すように、長軸径:7.5μm、深さ:1.0μmの山形形状の凹部が0.5μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表3に示した通りであった。
<弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定>
得た電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<電子写真感光体の実機評価>
上述のようにして得た電子写真感光体を、キヤノン(株)製の電子写真複写機iRC6800の改造機(負帯電型に改造)に装着し、以下のように試験および評価を行なった。
まず、23℃/50%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように電位の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を調整した。
次に、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレードを、電子写真感光体表面に対して、当接角26°、当接圧30g/cmとなるように設定した。
その後、単色10枚間欠モードでA4サイズ紙50000枚を印刷する耐久試験を行なった。なお、テストチャートは、印字比率5%のものを用いて10枚間欠のうち1枚目のみとし、残りの9枚はベタ白画像とした。耐久終了後にハーフトーン画像のテスト画像を出力することで出力画像上の不良観察及び転写効率の測定を行なった。また、耐久試験後のクリーニングブレードを観察し、かけやえぐれなどの欠陥の観察を行なった。
また、電子写真感光体の回転モーターの初期の駆動電流値Aと50000枚耐久試験後の駆動電流値Bから、B/Aの値を求め、これを相対的なトルク上昇比率とした。
一方で、上記と同様にして高温高湿環境下(30℃/80%RH)における耐久試験を行い、画像流れに起因する耐久試験後のドット再現性を評価した。なお、表3中、Aは、ドット再現性が良好であることを示し、Bは、輪郭が一部不明瞭であることを示し、Cは、輪郭が全体的に不明瞭であることを示す。
本実施例の電子写真感光体は良好なクリーニング特性を示し、耐久試験中にもトルク上昇が抑制されていた。その結果、耐久試験を通して画像不良の発生はなかった。また高温高湿下におけるドット再現性も良好であった。
(実施例C-2)
実施例C-1において、使用したモールドを、実施例A-4で用いたものと同様の形状転写用のモールド(長軸径:10.0μm、間隔:1.0μm、高さ:2.0μmの六角柱形状)にかえた以外は、実施例C-1と同様に加工および評価を行なった。結果を表3に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例C-3)
実施例C-1において、使用したモールドを、実施例A-13で用いたものと同様の形状転写用のモールド(長軸径:10.0μm、間隔:1.0μm、高さ:2.0μmの円柱形状)にかえた以外は、実施例C-1と同様に加工および評価を行なった。結果を表3に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例C-4)
実施例C-1において、使用したモールドを、実施例A-12で用いたものと同様の形状転写用のモールド(長軸径:5.0μm、間隔:2.0μm、高さ:2.0μmの円柱形状)にかえた以外は、実施例C-1と同様に加工および評価を行なった。結果を表3に示した。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(実施例C-5)
実施例C-1と同様に電子写真感光体を作製した。次にモールド圧接形状転写のかわりに、実施例A-15と同様のレーザー加工により、電子写真感光体の表面形状加工を行なった。
<形成した凹部の観察>
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、長軸径:8.6μm、深さ0.9μmのエッジを有さない円柱状の凹部が2.9μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、個数及び面積率は表2に示した通りであった。
得られた感光体は、実施例C-1と同様に、その他の評価を行なった。結果を表3に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
以上の結果より、本発明により、クリーニング性能に優れ、融着などの画像欠陥の発生を抑制する電子写真感光体が得られることがわかった。特に、低濃度画像の連続画像出力時に効果を奏する。
(比較例C-1)
実施例C-1と同様に電子写真感光体を作製した。次にモールド圧接形状転写のかわりに、比較例A-4と同様のレーザー加工により、電子写真感光体の表面を加工し、評価した。結果を表3に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(比較例C-2)
実施例C-1と同様に電子写真感光体を作製した。次にモールド圧接形状転写のかわりに、比較例A-5と同様のレーザー加工により、電子写真感光体の表面を加工し、評価した。結果を表3に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
(比較例C-3)
実施例C-1と同様に電子写真感光体を作製した。次にモールド圧接形状転写のかわりに、比較例A-6と同様のレーザー加工により、電子写真感光体の表面を加工し、評価した。結果を表3に示す。なお得られた感光体の弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
以上の結果より、比較例における電子写真感光体は、平均長軸径および100μm四方あたりの凹形状部の個数が、本発明の範囲外であるため、融着の問題が発生する傾向にあった。
Figure 0004183267
本発明における電子写真感光体表面の凹部の開口形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の開口形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の開口形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の開口形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の開口形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の開口形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の開口形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の断面形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の断面形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の断面形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の断面形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の断面形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の断面形状の例を示す図である。 本発明における電子写真感光体表面の凹部の断面形状の例を示す図である。 本発明における凹部の形成に使用されるマスクの配列パターンの例を示す部分拡大図である。 本発明におけるレーザー加工装置の構成の例を示す概略図である。 本発明により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンの例を示す部分拡大図である。 本発明におけるモールドによる凹部形成に使用される圧接形状転写加工装置の例を示す概略図である。 本発明におけるモールドによる凹部形成に使用される圧接形状転写加工装置の例を示す概略図である。 本発明における凹部形成に使用されるモールドの形状の例を示す図である。 本発明における凹部形成に使用されるモールドの形状の例を示す図である。 フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの概略を示す図である。 フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの一例を示す図である 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 実施例A-1で使用したモールドの形状を示す図である。 実施例A-1により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-2で使用したモールドの形状を示す図である。 実施例A-2により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-3で使用したモールドの形状を示す図である。 実施例A-3により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-5で使用したモールドの形状を示す図である。 実施例A-5により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-6で使用したモールドの形状を示す図である。 実施例A-6により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-15で使用したマスクの配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-15により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-16で使用したマスクの配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-17で使用したモールドの形状を示す図である。 実施例A-17により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-18で使用したモールドの形状を示す図である。 実施例A-18により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例A-19で使用したモールドの形状を示す図である。 実施例A-19により得られた電子写真感光体表面の凹部の配列パターンを示す部分拡大図である。 実施例B-3により得られた電子写真感光体表面の凹形状部の配列パターンを示す部分拡大図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
a レーザー光遮断部
b レーザー光透過部
c エキシマレーザー光照射器
d ワーク回転用モーター
e ワーク移動装置
f 感光体ドラム
g 凹部非形成部
h 凹部形成部
A 加圧装置
B モールド
C 感光体
P 転写材
D モールドにおける凸部の長軸径
E モールドにおける凸間隔
F モールドにおける凸部の高さ

Claims (6)

  1. 支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面に複数の各々独立した凹部が形成されており、該凹部の個数が100μm四方あたり76個以上1000個以下であり、かつ該凹部の開口の平均長軸径が3.0μmより大きく14.0μm以下である、ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 凹部の開口の面積率が40%以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記凹部の開口の平均長軸径が5.0μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記凹部の個数が100μm四方あたり100個以上500個以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段とを有することを特徴とする電子写真装置。
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