JP4038233B2 - 非水電解質二次電池用電極およびその製造方法、ならびに非水電解質二次電池用電極を備えた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極およびその製造方法、ならびに非水電解質二次電池用電極を備えた非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4038233B2
JP4038233B2 JP2007530517A JP2007530517A JP4038233B2 JP 4038233 B2 JP4038233 B2 JP 4038233B2 JP 2007530517 A JP2007530517 A JP 2007530517A JP 2007530517 A JP2007530517 A JP 2007530517A JP 4038233 B2 JP4038233 B2 JP 4038233B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
material layer
current collector
electrode
electrolyte secondary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007530517A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007094311A1 (ja
Inventor
禎之 岡崎
和義 本田
正弥 宇賀治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP4038233B2 publication Critical patent/JP4038233B2/ja
Publication of JPWO2007094311A1 publication Critical patent/JPWO2007094311A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • H01M4/134Electrodes based on metals, Si or alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/058Construction or manufacture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/04Processes of manufacture in general
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/362Composites
    • H01M4/366Composites as layered products
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • H01M4/485Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of mixed oxides or hydroxides for inserting or intercalating light metals, e.g. LiTi2O4 or LiTi2OxFy
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、非水電解質二次電池用電極およびその製造方法、ならびに非水電解質二次電池用電極を備えた非水電解質二次電池に関する。
近年、モバイル機器の高性能化および多機能化に伴い、それらの電源である二次電池の高容量化が要求されている。この要求を満足し得る二次電池としてリチウムイオン二次電池が注目されている。
リチウムイオン二次電池の高容量化を達成するために、電極活物質として、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)などを用いることが提案されている。このような電極活物質を用いたリチウムイオン二次電池用電極(以下、単に「電極」ともいう)は、例えば、電極活物質やバインダーなどを含むスラリーを集電体に塗布することによって形成される(「塗布型電極」という)。
しかし、これらの電極活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出する際に大きな体積変化を生じるため、充放電の繰り返しに伴う膨張および収縮によって粉砕されるという問題がある。電極活物質が粉砕により微細化されると、電極の集電性の低下を引き起こす。また、電極活物質と電解液との接触面積が増大するため、電極活物質による電解液の分解反応を促進することになり、十分な充放電サイクル特性が得られない。
特許文献1および特許文献2には、従来の塗布型電極に代わって、気相法、液相法あるいは焼結法などによって集電体に電極活物質層を形成することが開示されている。このように形成された電極によれば、従来の塗布型電極に比べて、電極活物質の粉砕による微細化を抑制できるとともに、集電体と電極活物質層との密着性を高めることができるため、集電性の低下を防止できる。よって、電極容量やサイクル寿命を従来よりも改善できると期待されている。さらに、従来の塗布型電極中には、導電材、バインダーおよび空隙などが存在したが、特許文献1および2に開示された電極活物質層の形成方法によれば、電極中に存在するこれらの量を低減あるいは排除できるので、本質的に電極の容量を高めることが可能となる。
しかし、上記の電極でも、充放電に伴う電極活物質の膨張および収縮により、集電体から電極活物質層が剥離したり、集電体にしわが発生してしまうなどの問題が生じるため、十分なサイクル特性を得ることは困難であった。
これに対し、集電体と電極活物質層との間に中間層を形成することにより、集電体と電極活物質層との密着性を向上させて、電極活物質層の集電体からの剥離を防止することが提案されている。特許文献3には、機械的強度の高い金属または合金からなる集電体を用い、集電体と電極活物質層との間に、電極活物質と合金化する銅(Cu)などの中間層を設ける構成が開示されている。また、特許文献4は、集電体と電極活物質層との間に、モリブデン(Mo)またはタングステン(W)を含有する中間層を設ける構成を開示し、特許文献5は、ニッケル(Ni)とチタン(Ti)とを含む中間層を設ける構成を開示している。
特許文献6には、集電体表面を酸化処理し、得られた酸化膜上にSiおよびGeの少なくともいずれかを含む電極活物質層を形成することが開示されている。
一方、特許文献7は、電極活物質として酸化ケイ素を用いた場合に、酸化ケイ素における酸素含有率によって、充放電に伴う電極活物質の膨張率が変化することに着目し、電極活物質層の集電体近傍における酸素濃度を電極活物質層の平均酸素濃度よりも高めることを提案している。特許文献7の構成によれば、集電体近傍の電極活物質層の膨張が抑えられるので、電極活物質層の膨張・収縮に起因する電極の変形を抑制できる。
特開平11−339777号公報 特開平11−135115号公報 特開2002−083594号公報 特開2002−373644号公報 特開2005−141991号公報 特開2003−217576号公報 特開2006−107912号公報
しかしながら、特許文献3、4および5に開示された構成では、何れも、集電体基板材料(Cu)と電極活物質(Si)との間に、集電体や電極活物質の材料以外の材料を含む中間層を設けるため、集電体、中間層および電極活物質層の膨張率の違いにより、これらの界面に剥離が生じるおそれがある。また、特許文献6に開示された構成でも、電極活物質層および集電体の膨張率の違いによって電極活物質層と集電体との界面で剥離が生じてしまう。このように、特許文献3〜6の構成によっても、電極活物質層の剥離を十分に抑制できず、サイクル特性を効果的に高めることは難しい。
また、特許文献7に提案された構成では、特に、酸化ケイ素を含む電極活物質層が厚い(例えば10μm超)場合、充放電に伴う酸化ケイ素の膨張量の絶対値が極めて大きくなるため、電極活物質層の集電体近傍における酸素濃度を高めるだけでは、電極変形を完全に抑制することができない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電極活物質の充放電に伴う膨張および収縮によって集電体にかかる応力を緩和して、非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明の非水電解質二次電池用電極は、集電体と、集電体上に形成された第1活物質層と、第1活物質層上に位置し、複数の活物質粒子を含む第2活物質層とを有し、複数の活物質粒子は、SiOx(0≦x<1.2)で表される化学組成を主体とし、第1活物質層は、SiOy(1.0≦y<2.0、y>x)で表される化学組成を主体としており、第1活物質層と複数の活物質粒子とが接している面積は、集電体と第1活物質層とが接している面積よりも小さい。
本発明の非水電解質二次電池用電極によると、活物質粒子と集電体との間に、活物質粒子よりも酸素濃度の高い、すなわち体積膨張率の小さい第1活物質層が形成されているので、活物質粒子のリチウム吸蔵能力を維持しつつ、活物資粒子の膨張および収縮によって集電体にかかる応力を緩和できる。
集電体と第1活物質層とが接している面積を、第1活物質層と複数の活物質粒子とが接している面積よりも大きくすることにより、集電体上に活物質粒子のみが形成された場合と比べて、活物質粒子と集電体との密着性を大幅に改善できる。また、活物質粒子がリチウムイオンを吸蔵して膨張しても、その膨張空間を活物質粒子間に確保できるので、活物質粒子間の応力を緩和できる。
よって、充放電の繰り返しによって電極が変形したり、第1活物質層や活物質粒子が集電体表面から剥離することを抑制できるので、充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供できる。
本発明の非水電解質二次電池用電極によれば、充放電に伴う活物質粒子の膨張および収縮によって集電体にかかる応力を緩和できるので、集電体への応力集中による電極の変形を抑制できる。
よって、本発明の非水電解質二次電池用電極をリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池や電気化学キャパシタといった電気化学素子に用いることにより、電気化学素子の充放電サイクル特性の向上を図ることができる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明によるリチウムイオン二次電池用電極の実施形態を説明する。
まず、図1を参照する。図1は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用電極(以下、単に「電極」という)の模式的な断面図である。
電極6は、集電体3と、集電体3の表面に形成された第1活物質層2と、第1活物質層2の上面に設けられた第2活物質層5とを有している。第2活物質層5は、複数の活物質粒子4から構成されている。第1活物質層2は、集電体3の表面を覆うように形成されており、SiOy(1.0≦y<2.0)で表される化学組成を主体としている。複数の活物質粒子4は、SiOx(0≦x<1.2、y>x)で表される化学組成を主体としている。また、複数の活物質粒子4と第1活物質層2とが接している面積は、集電体3と第1活物質層2とが接している面積よりも小さい。
本実施形態では、集電体3として、表面粗さRaの大きい(Ra:例えば0.3μm以上5.0μm以下)凹凸箔を用いている。集電体3の表面には、複数の凸部3aが存在しており、各活物質粒子4は、凸部3aの上に、第1活物質層2を介して形成されている。
なお、図1は、放電時の電極6を表わしており、複数の活物質粒子4は、集電体3の表面に間隔を空けて配置されているが、充電時には、これらの活物質粒子4が膨張して、隣接する活物質粒子4の間隔が狭くなり、隣接する活物質粒子4が部分的に接触する場合もある。
本明細書では、活物質粒子4および第1活物質層2の化学組成における上記x、yは、それぞれ、活物質粒子4および第1活物質層2のケイ素量に対する酸素量のモル比(以下、単に「酸素の組成比」ともいう)の平均値を意味する。なお、活物質粒子4および第1活物質層2の化学組成は、活物質粒子4や第1活物質層2に補填または吸蔵されたリチウムを除いた組成である。また、活物質粒子4および第1活物質層2は上記化学組成を主体としているが、「主体とする」とは、活物質粒子4および第1活物質層2が実質的に上記化学組成を有していればよく、Fe、Al、Ca、Mn、Ti、Cなどの不純物を含んでいてもよいことを意味する。
上記化学組成におけるx、yは、例えば、ICP発光分析(ICP Atomic Emission Spectrometer)で求めたSi量および燃焼分析法で求めた酸素量に基づいて、Si量に対する酸素量のモル比を算出することによって得られる。代わりに、O−Kα線を用いた蛍光X線分析法において、ファンダメンタルパラメータ法を用いて求めてもよい。
上記構成では、集電体3と、活物質粒子4を含む第2活物質層5との間に、活物質粒子4よりも高い酸素濃度を有する第1活物質層2が形成されているので、活物質粒子4の膨張・収縮によって集電体3の表面にかかる応力を緩和できる。以下に、図面を参照しながら、この理由を詳しく説明する。
一般に、ケイ素を含む電極活物質(SiOz、0≦z<2)では、その酸素濃度が低いほど、すなわち上記zが小さいほど、リチウムイオンの吸蔵能力が高くなるため、高い充放電容量が得られるが、充電による体積膨脹率が大きくなる。一方、電極活物質の酸素濃度が高くなるほど、すなわち上記zが大きいほど、体積膨脹率は抑えられるが、充放電容量が低下する。このような電極活物質の体積膨張率を具体的に説明すると、電極活物質がケイ素の場合(z=0)、電極活物質は充電によって約400%の体積膨張を生じる。電極活物質におけるケイ素原子に対する酸素原子の量が30%の場合(z=0.3)、電極活物質は充電によって約350%の体積膨張を生じる。同様に、酸素原子の量が60%の場合(z=0.6)には約280%、酸素原子の量が100%(z=1.0)の場合には約200%の体積膨張を生じる。
ここで、電極活物質(SiOz、0≦z<2)を用いて、集電体の表面に直接複数の活物質粒子を形成する構成を考える。図2に示すように、集電体73の表面に直接活物質粒子74が形成された構成では、各活物質粒子74は、充電によって等方的に膨張しようとする。このとき、複数の活物質粒子74およびそれらの間の空隙が1つの膜75を構成すると考えると、膜75における活物質粒子74が占める体積の割合(以下、「膜密度」という)が十分に低い場合には、各活物質粒子74は等方的に膨張できる。しかし、上述したように活物質粒子74の体積膨張率は極めて高いために、膜密度が高くなるにつれて、活物質粒子74が膜面内方向に膨張するための空間を確保できなくなる。その結果、活物質粒子74は等方的に膨張できず、主に膜厚方向78に膨張する。従って、このような構成では、電極活物質の組成(酸素濃度)や膜密度、活物質粒子74の厚さなどによっては、集電体73と活物質粒子74との界面近傍で、活物質粒子74の膨張に起因する応力が集中し、活物質粒子74の剥離が生じたり、集電体73の近傍で極板変形が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、図1に示すように、集電体3と活物質粒子(SiOx)4との間に、活物質粒子4よりも酸素濃度(ケイ素量に対する酸素量のモル比)の高い、すなわち体積膨張率の小さい第1活物質層(SiOy、y>x)2を設けている。これにより、活物質粒子4のリチウムイオンの吸蔵能力を確保しつつ、第1活物質層2の近傍における活物質粒子4の膨張を抑えることができ、集電体3にかかる応力を緩和できる。従って、集電体3への応力集中に起因する極板変形や、活物質粒子4および第1活物質層2の剥離を抑制できる。よって、高い充放電容量を確保しつつ、充放電サイクル特性を高めることが可能になる。
本実施形態における第1活物質層2は、集電体3の表面を覆うように形成されており、その厚さt2は、集電体4の表面に亘って略均一である。このような第1活物質層2は、例えば真空蒸着法によって得られる。なお、第1活物質層2は、集電体3と活物質粒子4とが直接接することがないように、集電体3と活物質粒子4との間に形成されていればよく、集電体3の表面全体を覆っていなくてもよい。例えば、集電用リード部などを設けるために、必要に応じて、部分的に除去されていてもよい。
次に、本実施形態における活物質粒子4および第1活物質層2の化学組成について説明する。
活物質粒子4の化学組成(SiOx)におけるxの値は、0以上1.2未満である。xが1.2以上では、容量を確保するために、より厚い活物質粒子4を形成する必要があり、活物質粒子4の形成によって集電体3が反るなどの課題が生じるからである。好ましくは、xは0.7以下であり、これにより、活物質粒子4の厚さを抑えつつ、より高い容量を得ることができる。一方、xが0.3以上であれば、活物質粒子4の体積膨張が抑えられ、集電体3にかかる応力をより低減できるので好ましい。
また、第1活物質層2の化学組成(SiOy)におけるyの値は、1.0以上2.0未満である。yが2.0未満であれば、第1活物質層2の電気伝導性を確保でき、また、yが1.0以上であれば、第1活物質層2の体積膨張率を十分に低くできるからである。好ましくは、yは1.6以下であり、これにより、第1活物質層2と活物質粒子4との膨張率の差を小さくできるので、第1活物質層2と活物質粒子4との密着性をより高めることができる。
従って、xを0.3以上0.7以下(0.3≦x≦0.7)、かつ、yを1.0以上1.6以下(1.0≦y≦1.6)に制御することにより、サイクル劣化を極めて小さく抑えることが可能になる。
第1活物質層2および活物質粒子4の酸素濃度のプロファイルは、厚さ方向に略均一であってもよいし、厚さ方向に変化していてもよい。厚さ方向に変化する場合でも、第1活物質層2および活物質粒子4におけるケイ素量に対する酸素量のモル比(酸素の組成比)の平均値が、それぞれ、上記x、yの範囲内であればよい。例えば、第1活物質層2における酸素濃度は、集電体3から活物質粒子4に向かって減少していてもよく、これにより、集電体3への応力集中を緩和しつつ、第1活物質層2と活物質粒子4との密着性をより高めることができる。同様に、活物質粒子4における酸素濃度は、第1活物質層2の近傍で高く、上面に向かうにつれて減少していてもよい。これにより、活物質粒子4のうち第1活物質層2の近傍に位置する部分の膨張をより小さくできるので、活物質粒子4の膨張によるサイクル特性の低下を効果的に抑制できる。
第1活物質層2および活物質粒子4における厚さ方向の酸素濃度は、第1活物質層2の内部から活物質粒子4の内部に向かって減少していることが好ましい。言い換えると、第1活物質層2および活物質粒子4から構成される電極活物質の化学組成(酸素の組成比)が、第1活物質層2および活物質粒子4の接合部において連続的に変化することが好ましい。このような構成によると、第1活物質層2と活物質粒子4との接合部に界面が形成されないので、活物質粒子4の第1活物質層2からの剥離や、活物質粒子4の微粉化が生じにくくなり、サイクル特性をより高めることができる。
第1活物質層2の厚さt2は、導電性、エネルギー密度、および膨張率などの観点から、2nmより大きく、100nm未満であることが好ましい。第1活物質層2の厚さt2が2nmよりも大きいと、集電体3の表面近傍における極板変形をより確実に抑制でき、また、厚さt2が100nm未満、より好ましくは50nm未満であれば、第1活物質層2による容量の低下を抑えて、十分な電池エネルギーを確保できるからである。
第2活物質層5の厚さt5は、本実施形態では活物質粒子4の厚さと等しく、電池のエネルギー密度、ハイレート特性、生産性などの観点から、0.2μm以上50μm以下であることが好ましい。第2活物質層5の厚さt5が0.2μm以上、より好ましくは5μm以上であれば、より高い電池エネルギーを得ることができる。また、厚さt5が50μm以下、より好ましくは30μm以下であれば、第2活物質層5を形成する際に生じるクラックを低減できるので、電極6の信頼性を高めることができる。
なお、第1活物質層2および活物質粒子4の厚さ方向の酸素濃度(酸素の組成比)は、様々な方法により測定できる。例えばX線光電子分光分析(XPS、ESCA)やO−Kα線を用いた蛍光X線分析法において、ファンダメンタルパラメータ法を用いて求めることができる。また、第1活物質層2の厚さ方向における酸素濃度を測定するためには、Arエッチングを行って所望の厚さにおける酸素濃度の測定を行ってもよいし(たとえばHORIBA製マーカス型高周波グロー放電発光表面分析装置)、測定しようとする厚さの測定用酸化ケイ素皮膜を別途形成し、その表層の酸素濃度を測定してもよい。あるいは、試料を樹脂で固めた後、これを研磨することによって研磨断面を形成し、EPMA分析(Electron Probe Micro Analyzer)や波長分散型X線マイクロアナリシス(波長分散分光法WDS)により、この研磨断面における酸素濃度および厚さを測定することもできる。
本実施形態では、第1活物質層2の面積(s2)に対する、第1活物質層2と活物質粒子4とが接している面積(s1)の割合s1/s2(以下、単に「被覆率S」という)は、20%以上70%以下であることが好ましい。被覆率Sは、酸素雰囲気中で真空蒸着法を用いて活物質粒子4を形成する場合には、集電体3の表面粗さRaと、集電体3へのケイ素(Si)蒸気の入射角度とによって制御できる。表面粗さRaが大きいほど、蒸着粒子の入射に対して影となる部分ができやすくなるため、被覆率Sは小さくなる。また入射角が大きいほど影の部分がさらにできやすく、被覆率Sは小さくなる傾向にある。被覆率Sが20%以上であれば、第2活物質層5の厚さt5を増大させることなく、より高い電池エネルギーが得られ、被覆率Sが70%以下であれば、活物質粒子4の間に十分な膨張空間を確保できる。
上記被覆率Sは、電極6の研磨断面をSEM(Scanning Electoron Mocroscope、走査電子顕微鏡)を用いて観察することによって測定できる。本実施形態では、第1活物質層2は集電体3の略全面を覆っており、かつ、第1活物質層2の表面は集電体3の表面粗さRaに対応する凹凸を有しているため、被覆率Sは以下のような方法で測定する。
まず、SEM観察した研磨断面において、長さ100μm当たりの、第1活物質層2の表面凹凸の長さA、および、第1活物質層2の表面凹凸のうち活物質粒子4と接合している部分の長さBを求めて、B/Aを算出する。このようにして、研磨断面の4箇所でB/Aを算出し、その平均値(すなわち長さ400μmの平均値)を被覆率Sとする。なお、本実施形態のように、第1活物質層2の表面が集電体3の表面形状に対応する形状を有する場合には、長さAとして、第1活物質層2の表面凹凸の長さの代わりに、集電体3の表面凹凸の長さを適用し、長さBとして、集電体3の表面凹凸のうち活物質粒子4と接合している部分の長さを適用して、被覆率Sを求めてもよい。
本実施形態における活物質粒子4は互いに接することなく独立している。このような形態をとることにより、リチウム吸蔵時の活物質粒子4の膨張に対応する空間を、活物質粒子4の間により確実に確保できる。なお、活物質粒子4の構成は上記に限定されない。放電時に第2活物質層5が活物質粒子4の間に十分な空隙を有していればよく、隣接する活物質粒子4が部分的に接していてもよい。
さらに、本実施形態では、活物質粒子4の成長方向Sを、集電体3の表面の法線方向Dに対して傾斜させている。このような電極を用いてリチウムイオン二次電池を構成すると、正極活物質層のうち、集電体3の第1活物質層2と対向する部分の面積を減少させることができる。言い換えると、正極活物質層のうち、第1活物質層2よりも容量の高い活物質粒子4と対向する部分の面積を増加させることができるので、充放電効率を高めることができる。
活物質粒子4の成長方向Sと集電体3の法線方向Dとのなす角度は、10°以上であることが好ましい。上記角度が10°以上であれば、正極活物質層のうち活物質粒子4と対向する部分の面積を十分に増加させることができるので、充放電効率をより確実に高めることができる。一方、上記角度は90°未満であればよいが、90°に近づくほど活物質粒子4を形成することが困難となるため、80°未満であることが好ましい。
このような活物質粒子4は、例えば、集電体3の表面に、集電体3の法線方向に対して傾斜した方向からケイ素および酸素を蒸着させる(斜め蒸着)ことによって形成できる。例えば、集電体3の法線方向に対して60°以上75°以下の角度(傾斜角度)から上記蒸着を行うと、活物質粒子4を集電体3の法線方向に対して30°以上50°以下の方向(成長方向)に成長させることができる。
本実施形態における集電体3は、特に限定しないが、例えば銅、ニッケルなどの金属箔を用いることができる。箔の厚さは30μm以下が好ましく、より好ましくは10μmである。これにより、電極6の強度や電池の体積効率を確保できる。一方、取り扱いの容易性の観点から、箔の厚さは4μm以上であることが好ましく、より好ましくは5μm以上である。
集電体3の表面は平滑でもよいが、集電体3の表面と第1活物質層2との付着強度を高めるためには、表面粗さの大きい箔(凹凸箔)を用いることが好ましい。また、集電体3として、表面粗さの大きい凹凸箔を用いると、第1活物質層2の表面にも集電体3の表面に対応する凹凸が形成されるので、上述した斜め蒸着により、第1活物質層2の凸部上に活物質粒子4を優先的に成長させることができ、隣接する活物質粒子4の間隔を確保できるので有利である。
集電体3の表面粗さRaは0.3μm以上であることが好ましい。ここでいう「表面粗さRa」とは、日本工業規格(JISB 0601―1994)に定められた「算術平均粗さRa」を指し、例えば表面粗さ計などを用いて測定できる。表面粗さRaが0.3μm以上であれば、隣接する活物質粒子4の間に十分な空隙をより確実に形成できる。一方、表面粗さRaが大きすぎると集電体3が厚くなってしまうため、表面粗さRaは5.0μm以下であることが好ましい。さらに、集電体3の表面粗さRaが上記範囲内(0.3μm以上5.0μm以下)であれば、集電体3と第1活物質層2との付着力を十分に確保できるので、第1活物質層2の剥離を防止できる。
本実施形態における集電体3は、上述したような金属箔の表面に規則的な凹凸パターンが形成された構造を有していてもよい。例えば、集電体3の表面に溝を形成し、これによって、集電体3の表面を、活物質粒子4を成長させるための複数の成長領域に分離してもよい。成長領域は規則的に配列されていることが好ましい。この構造によると、集電体3の表面のうち活物質粒子4を成長させる領域を制御できるので、隣接する活物質粒子4の間隔に活物質粒子4が膨張するための空間をより確実に確保できる。
図3(a)および(b)は、それぞれ、表面に溝が形成された集電体3の一例を示す断面図および平面図である。図示する例では、集電体3の表面は、矩形の溝8によって分離された複数の成長領域7を有している。溝8の深さは、例えば10μmである。各成長領域7は、集電体3の表面の法線方向から見て、菱形(対角線の長さ:10μm×30μm)であり、隣接する成長領域7の中心間の最短距離P1が30μmとなるように規則的に配列されている。菱形の長い方の対角線に沿った配列ピッチP2は60μmである。成長領域7の表面は平坦であってもよいが、凹凸を有することが好ましく、その表面粗さRaは、図1に示す集電体3の表面粗さと同様に、0.3μm以上5.0μm以下であることが好ましい。
図3に示すような集電体3は、例えば金属箔(Cu箔)の表面に、切削法を用いて所定のパターンの溝8を設けることによって形成してもよい。あるいは、メッキ法または転写法により、金属箔の表面に複数の突出部を形成し、その上面を成長領域7としてもよい。
集電体3の表面にこのような規則的な凹凸パターンが形成されていると、第1活物質層2の表面もこれに対応するパターンを有する。このような第1活物質層2の上に、斜め真空蒸着法によって活物質粒子4を形成すると、活物質粒子4は、それぞれの成長領域7の上に、第1活物質層2を介して成長する。従って、成長領域7や溝8のパターンやサイズ、配列ピッチなどを適宜選択することにより、活物質粒子4の間隔や膜密度を効果的に制御することが可能になる。
本実施形態における活物質粒子4は、図1に示すような一方向に傾斜した柱状の粒子に限定されない。例えば、活物質粒子4は集電体3の表面の法線方向Dに沿って成長していてもよい。このような活物質粒子4は、以下のようにして得ることができる。まず、第1活物質層2が形成された集電体3の上にフォトレジストを塗布した後、マスキング露光処理等を行う。次に、エッチング処理によって未露光部分を溶解除去することにより、活物質粒子4の空隙に対応するパターンを有するレジスト体を、第1活物質層2を形成した集電体3の上に形成する。続いて、第1活物質層2が形成された集電体3の表面のうちレジスト体で覆われていない部分に、電解めっき法や真空蒸着法などによって活物質を堆積させることにより、活物質粒子4を得る。この後、レジスト体を除去する。
また、活物質粒子4は、成長方向Sの異なる複数の部分を有していてもよい。図4は、成長方向Sの異なる複数の部分を有する活物質粒子4を例示する模式的な断面図である。この例では、図3を参照しながら説明した構造を有する集電体3を用いている。すなわち、集電体3の表面は、溝8によって複数の成長領域7に分離されている。活物質粒子4は、集電体3の各成長領域7に形成されており、成長方向Sの異なる7つの部分p1〜p7を有している。このような活物質粒子4は、傾斜角度を変化させて複数段階の蒸着を行うことによって得られる。このような構造は、電極6における集電体3の表面に垂直な研磨断面に対して化学エッチングを行い、得られた試料を観察することで確かめることができる。
なお、第2活物質層5は、活物質粒子4を含んでいればよく、活物質粒子以外の活物質層や活物質体を含んでいてもよい。例えば、図1および図4において、第1活物質層2の表面のうち活物質粒子4と接していない部分の一部に、活物質粒子4と同じ化学組成を有する層が設けられていてもよい。ただし、このような層が設けられた部分における活物質の膨張収縮による電極6の変形を考慮すると、上記層の厚さは0.5μm以下に抑えられていることが好ましい。
以下、図面を参照しながら、本実施形態の電極の製造方法を、図1に示す電極6を製造する方法を例に説明する。
まず、集電体3の上に第1活物質層2を形成する。第1活物質層2の形成は、図5に示すような蒸着装置を用いて、集電体3の表面にケイ素および酸素を供給して、所望の化学組成を有するケイ素酸化物を蒸着させることによって行うことができる。
図5に示す蒸着装置100は、真空槽10と、真空槽を排気するための排気ポンプ25とを備えている。真空槽10の内部には、蒸着を行う前の集電体3を保持する巻き出しロール11、第1活物質層2を形成した後の集電体30を保持する巻き取りロール12と、これらのロール11、12の間に配置された基板冷却ロール14と、酸素ガスを出射するための酸素ノズル17と、ケイ素を供給するための蒸発源であるSi原料22と、Si原料22を保持する蒸発るつぼ23と、Si原料22を蒸発させるための電子照射装置24とを備えている。ノズル17は、配管を介して、酸素流量制御装置20および酸素ボンベ(図示せず)と接続されている。また、真空槽10の内部には遮蔽板15が設けられており、酸素ノズル17から出射された酸素およびSi原料22から蒸発したSi原子は、遮蔽板15の隙間を介して、基板冷却ロール14の上の集電体3の表面に、集電体3の略法線方向から供給される。遮蔽板15の隙間によって規定され、集電体3の表面に酸素およびSi原子が供給される領域26を「第1活物質層形成ゾーン」と呼ぶ。
このような蒸着装置100を用いて第1活物質層2を形成する方法を以下に具体的に説明する。
箔状の集電体3を巻き出しロール11に設置し、排気ポンプ25によって真空槽10の排気を行いながら、箔状の集電体3を、巻き出しロール11から走行ローラ13を介して移動させ、基板冷却ロール14に沿って走行させる。その間に、Si原料22の入った蒸発るつぼ23に電子照射装置24から電子を照射して、Siを融解、蒸発させる。Siの蒸発量は、膜厚モニタ19を用いて制御する。同時に、酸素ノズル17から酸素を真空槽10に導入する。酸素の流量は、酸素流量制御装置20で制御される。Siおよび酸素は、遮蔽板15の隙間を通過して、第1活物質層形成ゾーン26において、基板冷却ロール14を走行する集電体3の表面に供給される。第1活物質層形成ゾーン26では、走行している集電体3に対して略法線方向にSi原子が入射して堆積することにより、第1活物質層2が形成される。第1活物質層2が形成された集電体30(以下、単に集電体30ともいう)は、巻き取りロール12によって巻き取られる。
次いで、第1活物質層2が形成された集電体30の表面に、複数の活物質粒子4から構成される第2活物質層5を形成し、電極6を得る。活物質粒子4の形成は、図6に示すような蒸着装置200を用いて、集電体30の表面にケイ素および酸素を供給して、所望の化学組成を有するケイ素酸化物を蒸着させることにより行うことができる。このような蒸着を行う場合には、第1活物質層2を形成する前の集電体3の表面は粗面化されていることが望ましい。
図6に示す蒸着装置200では、酸素およびSi原子が、集電体30の法線方向に対して傾斜した方向から集電体30の表面に供給されるように、基板冷却ロール14、Si原料22、遮蔽板15および酸素ノズル17などが配置されている点で、図5に示した蒸着装置100と異なっている。簡単のため、図5に示す蒸着装置100と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
なお、蒸着装置200において、遮蔽板15の隙間によって規定され、集電体30の法線方向に対して傾斜した方向から集電体30に酸素およびSi原子が供給される領域27を「活物質粒子形成ゾーン」と呼ぶ。
このような蒸着装置200を用いて第2活物質層5を形成する方法を以下に具体的に説明する。
集電体30を巻き出しロール11に設置し、排気ポンプ25によって真空槽10の排気を行いながら、集電体30を、巻き出しロール11から走行ローラ13を介して移動させ、基板冷却ロール14に沿って走行させる。その間に、Si原料22の入った蒸発るつぼ23からSi原料を融解、蒸発させる。同時に、酸素ノズル17から酸素を真空槽10に導入する。酸素の流量は、酸素流量制御装置20で制御される。Si蒸気および酸素は、遮蔽板15の隙間を通過し、活物質粒子形成ゾーン27において、基板冷却ロール14を走行する集電体3の表面に供給される。活物質粒子形成ゾーン27では、走行している集電体30に、その法線方向に対して角度θ(0°<θ<90°)をなす方向からSi原子が入射して堆積する。これにより、集電体3の法線方向から傾斜した方向に複数の活物質粒子4が成長し、これらの活物質粒子4から構成される第2活物質層5が形成される。この後、第2活物質層5が形成された集電体は巻き取りロール12によって巻き取られる。このようにして、電極6が得られる。
なお、Si蒸気のみを集電体3の表面に供給することによって、実質的にSiのみからなる活物質粒子(SiOxにおいてx=0)4を形成することもできる。この場合には、酸素流量制御装置20を用いて、酸素ノズル17からの酸素の供給を停止させればよい。
上述した方法で得られる第1活物質層2の厚さおよび組成(酸素濃度)は、それぞれ、集電体3が第1活物質層形成ゾーン26を通過するためにかかる時間、および、酸素ノズル17からの酸素流量によって制御できる。同様に、活物質粒子4の厚さおよび組成(酸素濃度)は、それぞれ、集電体30が活物質粒子形成ゾーン27を通過するためにかかる時間、および、酸素ノズル17からの酸素流量により制御できる。図5および図6に示す基板冷却ロール14の回転速度は一定であるので、第1活物質層形成ゾーン26および活物質粒子形成ゾーン27におけるSi原子の堆積速度は、一般に知られているcos則から算出できる。また、遮蔽板15の位置により、集電体3、30が第1活物質層形成ゾーン26または活物質粒子形成ゾーン27を通過するためにかかる時間を適宜設定できる。
蒸発るつぼ23としては、Siを溶解する際に一般的に使用されるカーボン製のるつぼを用いる。Si原料22のケイ素純度は、高いほど望ましく、例えば99.99%以上である。Si原料22を加熱する方法は、誘導加熱法、抵抗加熱法、電子ビームの照射による加熱法などであってもよい。
第1活物質層形成ゾーン26および活物質粒子形成ゾーン27の酸素量は、酸素ノズル17から導入する酸素量、真空槽10の形状、排気ポンプ25の排気能力、Si原料22の蒸発速度、集電体3、30の走行方向に沿った第1活物質層形成ゾーン26および活物質粒子形成ゾーン27の幅などの製造条件に応じて、適宜選択することができる。
第1活物質層2および第2活物質層5の形成方法としては、上記の方法に特に限定されないが、蒸着法、スパッタ法、またはCVD法などのドライプロセスを用いることが好ましい。特に、蒸着法は生産性に優れた方法であり、蒸気法を用いると、移動する集電体3の上に第1活物質層2および第2活物質層5を連続的かつ大量に形成できるので有利である。
図5および図6を参照しながら上述した方法では、第1活物質層2を形成した後の集電体30を一旦巻き取った後、再度蒸着装置に取り付けて、第2活物質層5を形成しているが、第1活物質層2および第2活物質層5の形成は、同一の真空槽内で実施してもよい。例えば、真空槽内に、2つの基板冷却ロールを設けて、一方の基板冷却ロール上で集電体3の表面に第1活物質層2を形成した後、集電体3を巻き取ることなく、他方の基板冷却ロール上で第2活物質層5を形成することもできる。あるいは、同一の基板冷却ロール上で、第1活物質層2と第2活物質層5とを連続して形成してもよい。
同一の真空槽内で第1活物質層2および第2活物質層5を形成する場合、第1活物質層2を形成するための第1活物質層形成ゾーン26と活物質粒子4を形成するための活物質粒子形成ゾーン27とを近接して配置して、第1活物質層2を形成した直後に活物質粒子4を成長させると、第1活物質層2と活物質粒子4との接合部で酸素濃度が連続的に変化する電極6を容易に製造できる。また、同一の蒸発源(Si原料など)を用いて、第1活物質層2および活物質粒子4(すなわち第2活物質層5)を形成すると、製造装置を簡略化できるので有利である。
図5および図6を参照しながら前述した方法では、走行している集電体3、30に対してローラー(基板冷却ロール)14の上で第1活物質層2や第2活物質層5を形成しているが、ローラーの代わりに無終端ベルトを用い、無終端ベルトが直線状となる部分上を走行している集電体3、30に対して第1活物質層2や第2活物質層5を形成してもよい。または、集電体3、30を真空槽内に固定した状態で第1活物質層2や第2活物質層5を形成することもできる。
次に、図面を参照しながら、本実施形態の電極6を適用して得られたリチウムイオン二次電池の構成の一例を説明する。
図7は、本実施形態の電極を用いたコイン型のリチウムイオン二次電池を例示する模式的な断面図である。リチウムイオン二次電池50は、電極52と、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24などの正極活物質を含む正極54と、電極52および正極54の間に設けられた微多孔性フィルムなどからなるセパレータ58とを備えている。電極52、正極54およびセパレータ58は、リチウムイオン伝導性を有する電解質とともに、ガスケット60を有する封口板62によって、ケース64の内部に収納されている。また、ケース64の内部には、ケース64における空間(ケース内高さの不足分)を埋めるためのステンレス製スペーサ56が配置されている。
電極52における正極54と対向する側の表面は、図1を参照しながら前述した構成を有している。また、リチウムイオン伝導性を有する電解質として、一般に知られている組成の電解質、例えば6フッ化リン酸リチウムなどをエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの環状カーボネート類に溶解した電解質を用いることができる。
なお、本実施形態の電極6を備えたリチウムイオン二次電池の構成は、図7に示す構成に限定されない。本実施形態の電極6は、コイン型のリチウムイオン二次電池の他に、円筒型、扁平型、角形等の様々な形状のリチウムイオン二次電池に適用可能である。また、リチウムイオン二次電池の封止形態や電池を構成する各要素の材料も特に限定されない。さらに、リチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池にも適用できる。
(第2の実施形態)
以下、本発明による第2の実施形態の電極の製造方法を説明する。本実施形態の方法は、同一の真空槽内で、同一のSi蒸発源を用いて第1活物質層2および第2活物質層5を連続して形成する点で、図5および図6を参照しながら前述した方法と異なっている。
図8は、本実施形態の製造方法を説明するための図であり、簡単のため、図8、6に示す蒸着装置100、200と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、図8に示すような真空蒸着装置300を用いて、箔状の集電体3の表面に第1活物質層2および活物質粒子4から構成される第2活物質層5を形成する。
図8に示す蒸着装置300では、酸素およびSi原子が集電体3の法線方向に対して傾斜した方向から集電体3に供給される活物質粒子形成ゾーン27と、活物質粒子形成ゾーン27の直前に設けられ、活物質粒子形成ゾーン27よりも酸素濃度が高められた第1活物質層形成ゾーン26とを形成するように、上側および下側基板冷却ロール14A、14B、Si原料22、上遮蔽板15、下遮蔽板16、第1および第2酸素ノズル17、18などが配置されている。
このような蒸着装置300を用いて第1活物質層2および第2活物質層5を形成する方法を具体的に説明する。
箔状の集電体3を巻き出しロール11に設置し、排気ポンプ25によって真空槽10の排気を行いながら、集電体3を、巻き出しロール11から走行ローラ13を介して移動させ、下側および上側基板冷却ロール14A、14Bに沿って走行させる。その間に、Si原料22の入った蒸発るつぼ23に、電子照射装置24から電子を照射して、Si原料を融解、蒸発させる。Siの蒸発量は、膜厚モニタ19で制御される。同時に、真空槽10には、第1酸素ノズル17および第2酸素ノズル18から酸素が供給される。これらのノズル17、18から出射する酸素の量は、それぞれ、第1酸素流量制御装置20および第2酸素流量制御装置21で制御される。図示するように、Si原子の出射範囲のうち上遮蔽板15と下遮蔽板16との隙間によって規定される領域が「活物質粒子形成ゾーン」27となる。また、Si原子の出射範囲からは外れるが、下遮蔽板16と下側基板冷却ロール14Aとの間に位置し、Si原子がガス分子との衝突などによって間接的に集電体3に供給される領域が「第1活物質層形成ゾーン」26となる。
巻き出しロール11から走行する集電体3は、まず、第1活物質層形成ゾーン26を通過する。ここでは、ガス分子との衝突などによって間接的に供給されたSi原子と、第1酸素ノズル17および第2酸素ノズル18から供給されて下遮蔽板16と下側基板冷却ロール14との間に回りこんできた酸素とが、集電体3の表面で反応して第1活物質層2が形成される。従って、活物質粒子形成ゾーン27と異なり、Si原子が蒸着される位置に指向性がなく、後述するようなシャドウイング効果も生じないので、第1活物質層2は集電体3の表面全体に略均一に形成される。Si原子の蒸着速度は、下遮蔽板16と集電体3との距離(隙間)を調整することによって制御される。第1活物質層2の厚さは、Siの蒸発速度、蒸発材料の溶融面と下遮蔽板16との距離、下遮蔽板16と集電体3との隙間、および集電体3の搬送速度などによって決まる。例えば、蒸発るつぼ23からのSi蒸発速度を0.04g/sec、蒸発るつぼ23におけるSi溶融面から下遮蔽板16までの垂直距離を435mm、下遮蔽板16と集電体3との隙間を3mm、集電体3の搬送速度を0.4cm/minとすると、第1活物質層2の厚さは約50nmとなる。
第1活物質層2が形成された後、集電体3は活物質粒子形成ゾーン27に移動する。活物質粒子形成ゾーン27では、集電体3の表面にSi蒸気および酸素が供給されることによって、第1活物質層2の上に、複数の活物質粒子4から構成される第2活物質層5が得られる。ここでは、走行している集電体3に対して、集電体3の法線方向と角度θ(0°<θ<90°)をなす方向からSi原子が入射するため、活物質粒子4は、集電体3の法線方向から傾斜した方向に成長する。このとき、Si原子は、特定の方向から集電体3の表面に入射するために、集電体3の表面における凸部(図1に示す凸部3a)上に蒸着しやすく、凸部上でのみケイ素酸化物が柱状に成長する。一方、集電体3の表面のうち柱状に成長していくケイ素酸化物の影となる部分では、Si原子が入射せず、ケイ素酸化物は蒸着しない(シャドウイング効果)。
この後、第2活物質層5が形成された集電体は巻き取りロール12に巻き取られる。このようにして、電極6が得られる。
上述した方法によると、同一の真空槽内において、活物質粒子形成ゾーン27と、活物質粒子形成ゾーン27よりも酸素濃度が高められた第1活物質層形成ゾーンとを近接して配置することができる。そのため、同一の蒸発源(Si原料)22を用いて第1活物質層2および第2活物質層5を連続して形成することが可能になる。従って、製造工程数を低減でき、かつ、製造装置を簡略化できる。また、上述した方法では、集電体3を走行させながら、第1活物質層2を形成する工程と、第2活物質層5を形成する工程とを同時に行うので、製造に要する時間も短縮できる。
(実施例)
本発明によるリチウムイオン二次電池用電極の実施例を説明する。ここでは、実施形態1および2で説明した方法を用いて、実施例1および2の電極をそれぞれ作製した。また、比較のために、第1活物質層を有していない構成の電極を作製し、比較例とした。
(実施例1)
図5および図6を参照しながら前述した方法により、実施例1のリチウムイオン二次電池用電極を作製した。以下に、具体的な作製方法を説明する。
まず、図5に示す蒸着装置100を用いて、集電体3の表面に第1活物質層2を形成した。集電体3として、表面粗さRaが2.0μmのCu箔(厚さ:40μm)を用いた。蒸着を行う前に、排気ポンプ25を用いて真空槽10の内部が3×10-3Paに達するまで真空排気を行った。その後、真空槽10において、巻き出しロール11から走行ローラ13を介して基板冷却ロール14に集電体3を移動させ、基板冷却ロール14に沿って4m/minの速度(基板走行速度)で集電体3を走行させた。その間に、200gのSi原料22の入った蒸発るつぼ23に、電子照射装置24から−10kVで加速した電子を照射して、Si原料を融解、蒸発させた。Siの蒸発量は0.04g/secとした。一方、酸素ノズル17から酸素を真空槽10に導入した。このとき、酸素ノズル17の先端が蒸発るつぼ23から200mmの高さに位置し、かつ、酸素の出射方向が、遮蔽板5の隙間を介して基板冷却ロール14に沿って走行する集電体3に向くように、酸素ノズル17を配置した。また、酸素流量制御装置20を用いて、酸素ノズル17からの酸素の流量を1200sccmに制御した。酸素導入時の真空槽10の真空度(蒸着時の真空度)は4.5×10-2Paであった。
本実施例では、走行している集電体3に対して、集電体3の法線と−13°以上+13°以下の角度θをなす方向からSi原子が入射するように、蒸発るつぼ23および遮蔽板15の隙間の位置や、遮蔽板15の隙間の幅などを設定した。蒸発るつぼ23と集電体3との距離(上記角度θが0°となる方向に沿った距離)は、400mmとした。
このようにして、集電体3の表面に、Si原子および酸素を供給して酸化ケイ素を蒸着させ、第1活物質層2を形成した。得られた第1活物質層2の厚さは90nmであった。この後、第1活物質層2が形成された集電体30を、巻き取りロール12に巻き取った。
次に、図6に示す蒸着装置200を用いて、第1活物質層2の上に活物質粒子4を成長させることにより、第2活物質層5を形成した。蒸着を行う前に、排気ポンプ25を用いて真空槽10の内部が3×10-3Paに達するまで真空排気を行った。その後、真空槽10において、巻き出しロール11から走行ローラ13を介して基板冷却ロール14に集電体30を移動させ、基板冷却ロール14に沿って1.0cm/minの速度(基板走行速度)で集電体30を走行させた。その間に、200gのSi原料22の入った蒸発るつぼ23に、電子照射装置24から−10kVで加速した電子を照射して、Si原料を融解、蒸発させた。Siの蒸発量は0.04g/secとした。一方、酸素ノズル17から酸素を真空槽10に導入した。このとき、酸素ノズル17の先端が蒸発るつぼ23から200mmの高さに位置し、かつ、酸素の出射方向が、遮蔽板15の隙間を介して基板冷却ロール14に沿って走行する集電体3に向くように、酸素ノズル17を配置した。また、酸素流量制御装置20を用いて、酸素ノズル17からの酸素の流量を700sccmに制御した。酸素導入時の真空槽10の真空度(蒸着時の真空度)は2.5×10-2Paであった。
本実施例では、走行している集電体30に対して、集電体30の法線と55°以上+82°以下の角度θをなす方向からSi原子が入射するように、蒸発るつぼ23および遮蔽板15の隙間の位置や、遮蔽板15の隙間の幅などを設定した。蒸発るつぼ23と集電体30との距離(上記角度θが55°となる方向に沿った距離)は、435mmとした。
このようにして、集電体30の表面に、Si原子および酸素を供給して酸化ケイ素を蒸着させて活物質粒子4を含む第2活物質層5を形成し、実施例1の電極を得た。第2活物質層5の厚さは20μmであった。
なお、上記の第1活物質層2および第2活物質層5の厚さは、後で説明する測定方法によって得られたものである。以下の実施例および比較例においても同様とする。
(実施例2)
図8を参照しながら前述した方法により、実施例2のリチウムイオン二次電池用電極を作製した。
本実施例では、図8に示す蒸着装置300の活物質粒子形成ゾーン27において、走行している集電体3に対して、集電体3の法線と65°以上72°以下の角度θをなす方向からSi原子が入射するように、蒸発るつぼ23および遮蔽板15、16の隙間の位置を設定した。蒸発るつぼ23と集電体3との距離(上記角度θが65°となる方向に沿った距離)は、550mmとした。さらに、下側基板16と集電体3との間に4mmの隙間を設けることにより、下遮蔽板16と下側基板冷却ロール14Aとの間に、第1活物質層形成ゾーン26を形成した。
以下に、具体的な作製方法を説明する。
集電体3を巻き出しロール11に設置した後、蒸着を行う前に、排気ポンプ25を用いて真空槽10の内部が3×10-3Paに達するまで真空排気を行った。その後、真空槽10において、巻き出しロール11から走行ローラ13を介して、上側および下側基板冷却ロール14A、14Bに集電体3を移動させ、基板冷却ロール14A、14Bに沿って1.4cm/minの速度(基板走行速度)で集電体3を走行させた。集電体3として、表面粗さRaが2.0μmのCu箔(厚さ:40μm)を用いた。その間に、200gのSi原料22の入った蒸発るつぼ23に、電子照射装置24から−10kVで加速した電子を照射して、Si原料を融解、蒸発させた。Siの蒸発量は0.06g/secとした。
同時に、第1酸素ノズル17および第2酸素ノズル18から真空槽10に酸素を導入した。第1酸素ノズル17からの酸素流量を、第1酸素流量制御装置20を用いて100sccmに制御し、第2酸素ノズル18からの酸素の流量を、第2酸素流量制御装置21を用いて100sccmに制御した。第1酸素ノズル17からの酸素の出射方向は、遮蔽板5の隙間を介して基板冷却ロール14に沿って走行する集電体3に対して略垂直とし、第2酸素ノズル18からの酸素の出射方向は、遮蔽板5の隙間を介して基板冷却ロール14に沿って走行する集電体3に対して略平行とした。また、第1および第2酸素ノズル17、18の先端は、蒸発るつぼ23から350mmの高さに位置付けた。
巻き出しロール11からの集電体3は、まず、第1活物質層形成ゾーン26を通過した。ここで、衝突などによって間接的に供給されるSi原子と、第1酸素ノズル17および第2酸素ノズル18から供給されて下遮蔽板16と下側基板冷却ロール14との間に回りこんできた酸素とが、集電体3の表面で反応して第1活物質層2が形成された。本実施例における第1活物質層2は、集電体3の表面全体に略均一に形成された。
次いで、第1活物質層2が形成された集電体3を、活物質粒子形成ゾーン27に移動させた。活物質粒子形成ゾーン27では、Si原料22から出射したSi原子と、第1酸素ノズル17および第2酸素ノズル18から供給される酸素とが反応して、第1活物質層2の上に、複数の活物質粒子4から構成される第2活物質層5が形成された。本実施例では、上述したように、集電体3の法線方向と角度θ(65°≦θ≦72°)をなす方向から、集電体3の表面にSi原子を入射させたため、活物質粒子4は、集電体3の法線方向から傾斜した方向に成長した。
上記方法によって得られた実施例2の電極では、第1活物質層2の厚さは50nmで、第2活物質層5の厚さは20μmであった。また、活物質粒子4の成長方向と集電体3の法線方向とのなす角度は、38°程度であった。
(比較例)
集電体の表面に、第1活物質層を形成せずに、直接第2活物質層を形成することにより、比較例の電極を作製した。従って、比較例の電極の構成は、図2を参照しながら前述した構成と同様である。集電体として、実施例1および2と同様に、表面粗さRa:2.0μmのCu箔(厚さ:40μm)を用いた。また、第2活物質層の形成は、図6に示す蒸着装置200を用いて、実施例1における第2活物質層5の形成方法および条件と同様の方法および条件で行った。得られた第2活物質層の厚さは20μmであった。
(分析および評価)
上述した方法で得られた実施例および比較例の電極の分析・評価を行ったので、その方法および結果を説明する。ここでは、実施例および比較例の電極における第1活物質層および活物質粒子の化学組成や厚さを測定した。さらに、これらの電極を用いた電池を作製し、そのサイクル特性の測定と評価とを行った。
1.化学組成
実施例1および実施例2の活物質粒子4の化学組成は、以下のようにして測定した。
まず、活物質粒子4が形成された後、巻き取られた集電体3のうち、蒸着プロセスにおける初期に活物質粒子4が形成された部分(成膜始め)および終期に活物質粒子4が形成された部分(成膜終わり)から、それぞれ、1cm×1cmのサイズの活物質粒子測定用サンプルを切り取った。
次いで、これらの測定用サンプルのSi量をICP発光分析(ICP Atomic Emission Spectrometer)、酸素量を燃焼分析法でそれぞれ測定し、得られたSi量および酸素量の平均値から、活物質粒子4におけるSi量に対する酸素量のモル比(酸素の組成比)「x」を算出した。
なお、活物質粒子測定用サンプルは、活物質粒子4の他に第1活物質層2も含んでいるため、上記測定で得られたSi量および酸素量には第1活物質層2のSi量や酸素量も含まれてしまう。しかし、第1活物質層2の厚さは、活物質粒子4の厚さよりも極めて小さい(1/222)ので、第1活物質層2のSi量や酸素量が活物質粒子4の酸素濃度に与える影響は非常に小さいため、本実施例では、上記の活物質粒子測定用サンプルにおける酸素の組成比を、活物質粒子4の酸素の組成比「x」とした。
また、実施例1および実施例2における第1活物質層2の化学組成は、以下のようにして測定した。
実施例1では、第1活物質層2を形成した後、第2活物質層5を形成する前の集電体3のうち、第1活物質層2を形成するための蒸着プロセスにおける初期に第1活物質層2が形成された部分(成膜始め)および終期に第1活物質層2が形成された部分(成膜終わり)から、それぞれ、1cm×1cmのサイズの第1活物質層測定用サンプルを切り取った。その後、上述した活物質粒子4の化学組成の測定方法と同様に、各測定用サンプルのSi量をICP発光分析、酸素量を燃焼分析法で測定し、得られたSi量および酸素量の平均値に基づいて、第1活物質層2におけるSi量に対する酸素量のモル比(酸素の組成比)「y」を算出した。
実施例2では、第1活物質層2および第2活物質層5を形成した後の集電体3のうち、蒸着プロセスにおける初期に第1活物質層2や第2活物質層5が形成された部分(成膜始め)および終期に第1活物質層2や第2活物質層5が形成された部分(成膜終わり)から、それぞれ、1cm×1cmのサイズの第1活物質層測定用サンプルを切り取った。次いで、第1活物質層測定用サンプルに対するArエッチングを行って第1活物質層2を露出させ、X線光電子分光(XPS)法を用いて、その露出表面のSi2p束縛エネルギーを測定することにより、第1活物質層2における酸素の組成比の平均値「y」を算出した。
さらに、比較例の電極に対しても、上記と同様の方法で活物質粒子の化学組成を測定した。
上記の測定の結果、実施例1の活物質粒子4の化学組成はSiO0.8(x=0.8)、実施例2の活物質粒子4の化学組成はSiO0.7(x=0.7)であった。比較例の活物質粒子の化学組成は、実施例1と同じで、SiO0.8(x=0.8)であった。
また、実施例1および実施例2の第1活物質層2の化学組成は、何れもSiO1.2(y=1.2)であった。
2.第1活物質層および第2活物質層の厚さ
各実施例の第1活物質層2や第2活物質層5の厚さは、上述した各実施例の第1活物質層測定用サンプルや活物質粒子測定用サンプルに対して、HORIBA製マーカス型高周波グロー放電発光表面分析装置で求めた。また、同様の方法で、比較例の第2活物質層の厚さを算出した。
3.コイン電池の作製およびコイン電池のサイクル特性の評価
まず、各実施例および比較例の電極を用いてコイン電池を作製し、それぞれ、評価用電池サンプルa、b、cとした。これらの電池サンプルの構成は、図7に示す構成と同様である。
以下、図7を参照しながら、電池サンプルの作製方法を具体的に説明する。
実施例1の電極6を、それぞれ、円形(直径:12.5mm)に切り抜くことにより、コイン電池用電極52を形成した。このコイン電池用電極52と金属リチウム製正極(厚さ:300μm、直径:15mm)54とを、ポリエチレン製セパレータ(厚さ25μm、直径17mm)56を介して対向させて、2016サイズのコイン型電池ケース(総高:1.6mm、直径:20mm)64の中に挿入した。
次いで、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの1:1(体積比)混合溶媒に、溶質として1MのLiPF6を溶解して得られる電解質を、コイン型電池ケース64に注液した。また、ケース64の内部における空間(ケース内高さの不足分)を埋めるために、ステンレス製スペーサ56を挿入した。この後、電池ケース64に、周囲にポリプロピレン製のガスケット60を有する封口板62を被せ、電池ケース64の周囲をかしめることにより、実施例1の電極を備えた電池サンプルaを作製した。
また、上記と同様の方法により、実施例2および比較例の電極を備えた電池サンプルb、cを作製した。
次いで、電池サンプルa、b、cを2極セルとして、その充放電容量を測定して、これらのサイクル特性を調べたので、その方法および結果を説明する。
各電池サンプルの充放電容量の測定は、電池サンプルに対して、1mAの定電流で0Vまでの充電、および1mAの定電流で1.5Vまでの放電を1サイクルとする充放電サイクルを繰り返すことによって行った(定電流充放電法)。また、測定における周囲温度は室温(例えば25℃)とした。
測定結果を図9に示す。図9は、各電池サンプルの充放電サイクル特性を示すグラフであり、グラフの横軸はサイクル数(回)、縦軸は放電容量維持率(%)をそれぞれ表している。
図9に示す結果から、実施例1および2の電極を備えた電池サンプルa、bは、150サイクル経過後も、初期の容量の90%以上の容量を維持しており、優れた充放電サイクル特性を有することがわかった。一方、比較例の電極を備えた電池サンプルcの容量は、100サイクル経過後から低下し始め、150サイクル経過後には、初期の容量の80%にまで低下している。これは、充放電に伴う活物質粒子の膨張収縮によって、活物質粒子の剥離が生じたためと考えられた。従って、活物質粒子4と集電体3との間に、活物質粒子4よりも膨張率の小さい第1活物質層2を設けることにより、充放電サイクル特性を向上できることが確認された。
なお、本発明の非水電解質二次電池用電極は電気化学キャパシタのリチウム吸蔵放出用の電極に適用することも可能である。これにより、従来のグラファイト電極では達成し得ないエネルギー密度を有する電気化学キャパシタを得ることができる。
本発明の非水電解質二次電池用電極は、コイン型、円筒型、扁平型、角型などの様々なリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池に適用できる。これらの非水電解質二次電池は、優れたサイクル特性を有するので、PC、携帯電話、PDA等の携帯情報端末や、ビデオレコーダー、メモリーオーディオプレーヤー等のオーディオビジュアル機器などに広く使用され得る。
本発明による実施形態の電極の模式的な断面図である。 本発明における実施形態の効果を説明するための図であり、集電体表面に直接活物質粒子が形成された構成を示す模式的な断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、本発明における集電体の他の構成を例示する断面図および平面図である。 本発明における電極の他の構成を例示する模式的な断面図である。 本発明による第1の実施形態の電極の製造方法の一例を説明するための模式図である。 本発明による第1の実施形態の電極の製造方法の一例を説明するための模式図である。 本発明によるリチウムイオン二次電池の構成を例示する模式的な断面図である。 本発明による第2の実施形態の電極の製造方法の一例を説明するための模式図である。 本発明の実施例および比較例のリチウムイオン二次電池用電極を用いたコイン型電池の充放電サイクル特性を示すグラフである。
符号の説明
2 第1活物質層
3、73 集電体
4、74 活物質粒子
5 第2活物質層
6 電極
10 真空槽
11 巻き出しロール
12 巻き取りロール
13 走行ロール
14、14A、14B 基板冷却ロール
15、16 遮蔽板
17、18 酸素ノズル
19 膜厚モニタ
20、21 酸素流量制御装置
22 Si原料(蒸発源)
23 蒸発るつぼ
24 電子照射装置
25 真空排気ポンプ
26 第1活物質層形成ゾーン
27 活物質粒子形成ゾーン
30 第1活物質層が形成された集電体
100、200、300 真空蒸着装置

Claims (13)

  1. 集電体と、
    前記集電体上に形成された第1活物質層と、
    前記第1活物質層上に位置し、複数の活物質粒子を含む第2活物質層と
    を有し、
    前記複数の活物質粒子は、SiOx(0≦x<1.2)で表される化学組成を主体とし、
    前記第1活物質層は、SiOy(1.0≦y<2.0、y>x)で表される化学組成を主体としており、
    前記第1活物質層と前記複数の活物質粒子とが接している面積は、前記集電体と前記第1活物質層とが接している面積よりも小さい非水電解質二次電池用電極。
  2. 前記複数の活物質粒子の成長方向は、前記集電体の法線方向に対して傾斜している請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極。
  3. 前記第1活物質層および前記活物質粒子の化学組成は、前記第1活物質層と前記複数の活物質粒子との接合部において連続的に変化する請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極。
  4. 前記第1活物質層の面積s1に対する、前記第1活物質層と前記複数の活物質粒子とが接している面積s2の比s2/s1は、20%以上70%以下である請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極。
  5. 前記第1活物質層の厚さは、2nmより大きく100nm未満である請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極。
  6. 前記集電体の表面粗さRaは、0.3μm以上5μm以下である請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極。
  7. 前記集電体は、
    表面に形成された溝と、
    前記溝によって分離された複数の成長領域と
    を有しており、
    前記複数の活物質粒子のそれぞれは、対応する成長領域の上に前記第1活物質層を介して形成されている請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極。
  8. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極と、
    請求項1から7のいずれかに記載の非水電解質二次電池用電極と、
    前記正極と前記非水電解質二次電池用電極との間に配置されたセパレータと、
    リチウムイオン伝導性を有する電解質と
    を含む非水電解質二次電池。
  9. (A)シート状の集電体を用意する工程と、
    (B)前記集電体の表面にケイ素および酸素を供給することによって、同一のチャンバー内で、前記集電体上に第1活物質層および第2活物質層を形成する工程と
    を包含し、
    前記工程(B)は
    前記同一のチャンバー内の第1の領域で、前記集電体の表面に、SiOyで表される化学組成を有する第1活物質層を形成する工程(b1)と、
    ローラーを用いて、前記第1の領域から前記同一のチャンバー内における第2の領域に前記集電体を移動させる工程(b2)と、
    前記第2の領域で、前記第1活物質層の上に、SiOx(x<y)で表される化学組成を有する複数の活物質粒子を形成することにより、複数の活物質粒子を含む第2活物質層を形成する工程(b3)と
    を含む非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  10. 前記工程(b1)および(b3)では、同一の蒸発源を用いてケイ素を供給する請求項9に記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  11. 前記工程(b1)および(b3)は同時に行われる請求項9に記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  12. 前記工程(b2)と、前記工程(b1)および(b3)とは同時に行われる請求項11に記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  13. 前記複数の活物質粒子は、SiOx(0≦x<1.2)で表される化学組成を有し、
    前記第1活物質層は、SiOy(1.0≦y<2.0、y>x)で表される化学組成を有する請求項9に記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
JP2007530517A 2006-02-14 2007-02-13 非水電解質二次電池用電極およびその製造方法、ならびに非水電解質二次電池用電極を備えた非水電解質二次電池 Active JP4038233B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006036279 2006-02-14
JP2006036279 2006-02-14
PCT/JP2007/052507 WO2007094311A1 (ja) 2006-02-14 2007-02-13 非水電解質二次電池用電極およびその製造方法、ならびに非水電解質二次電池用電極を備えた非水電解質二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4038233B2 true JP4038233B2 (ja) 2008-01-23
JPWO2007094311A1 JPWO2007094311A1 (ja) 2009-07-09

Family

ID=38371491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007530517A Active JP4038233B2 (ja) 2006-02-14 2007-02-13 非水電解質二次電池用電極およびその製造方法、ならびに非水電解質二次電池用電極を備えた非水電解質二次電池

Country Status (6)

Country Link
US (2) US7781101B2 (ja)
EP (1) EP1986253B1 (ja)
JP (1) JP4038233B2 (ja)
KR (1) KR101049683B1 (ja)
CN (1) CN101361209B (ja)
WO (1) WO2007094311A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008072430A1 (ja) * 2006-12-13 2008-06-19 Panasonic Corporation 非水電解質二次電池用負極とその製造方法およびそれを用いた非水電解質二次電池

Families Citing this family (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008171802A (ja) * 2006-12-13 2008-07-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池用負極とその製造方法およびそれを用いた非水電解質二次電池
JP2008218125A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP2008258154A (ja) * 2007-03-13 2008-10-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウム二次電池用負極およびその製造方法、ならびにリチウム二次電池用負極を備えたリチウム二次電池
JP5250998B2 (ja) * 2007-04-26 2013-07-31 パナソニック株式会社 電気化学素子用電極とその製造方法およびそれを用いた電気化学素子
US8273479B2 (en) * 2007-04-27 2012-09-25 Panasonic Corporation Negative electrode for lithium secondary cell and lithium secondary cell using the same
WO2009019869A1 (ja) * 2007-08-09 2009-02-12 Panasonic Corporation リチウム二次電池用電極およびそれを備えたリチウム二次電池
WO2009054149A1 (ja) * 2007-10-24 2009-04-30 Panasonic Corporation 電気化学素子用電極およびそれを用いた電気化学素子
JP5143700B2 (ja) * 2007-10-24 2013-02-13 パナソニック株式会社 電気化学素子用電極およびそれを用いた電気化学素子
JP5169156B2 (ja) * 2007-11-09 2013-03-27 パナソニック株式会社 電気化学素子用電極
JP2009134917A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Panasonic Corp 非水系二次電池用電極板およびこれを用いた非水系二次電池
WO2009095973A1 (ja) * 2008-01-29 2009-08-06 Panasonic Corporation 電気化学素子用電極の製造方法
CN101682024B (zh) * 2008-02-14 2014-04-16 松下电器产业株式会社 锂二次电池用负极和具有该负极的锂二次电池以及锂二次电池用负极的制造方法
US20110020536A1 (en) * 2008-03-26 2011-01-27 Taisuke Yamamoto Electrode for lithium secondary battery and method of manufacturing same
JP2009301945A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Panasonic Corp 負極およびリチウムイオン二次電池
JP2010097756A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Sony Corp 二次電池
JP2010177033A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Sony Corp 負極および二次電池
WO2011136028A1 (en) * 2010-04-28 2011-11-03 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Power storage device and method for manufacturing the same
US8852294B2 (en) 2010-05-28 2014-10-07 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Power storage device and method for manufacturing the same
KR101838627B1 (ko) 2010-05-28 2018-03-14 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 축전 장치 및 그 제작 방법
WO2011152190A1 (en) 2010-06-02 2011-12-08 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Power storage device and method for manufacturing the same
WO2011155397A1 (en) 2010-06-11 2011-12-15 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Power storage device
US8846530B2 (en) 2010-06-30 2014-09-30 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for forming semiconductor region and method for manufacturing power storage device
WO2012002136A1 (en) * 2010-06-30 2012-01-05 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Manufacturing method of power storage device
US8940429B2 (en) 2010-07-16 2015-01-27 Apple Inc. Construction of non-rectangular batteries
WO2012077692A1 (en) 2010-12-07 2012-06-14 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Power storage device
JP6035054B2 (ja) * 2011-06-24 2016-11-30 株式会社半導体エネルギー研究所 蓄電装置の電極の作製方法
JP6035013B2 (ja) 2011-08-30 2016-11-30 株式会社半導体エネルギー研究所 電極の作製方法
KR20130024769A (ko) 2011-08-30 2013-03-08 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 축전 장치
JP2013054878A (ja) 2011-09-02 2013-03-21 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電極の作製方法および蓄電装置
US9911972B2 (en) * 2011-12-14 2018-03-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Non-aqueous electrolyte secondary battery and method for manufacturing negative electrode for secondary battery
JP6050106B2 (ja) 2011-12-21 2016-12-21 株式会社半導体エネルギー研究所 非水二次電池用シリコン負極の製造方法
US9166220B2 (en) 2012-02-13 2015-10-20 Samsung Sdi Co., Ltd. Negative active material for rechargeable lithium battery, method of preparing the same and rechargeable lithium battery including the same
US9384904B2 (en) 2012-04-06 2016-07-05 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Negative electrode for power storage device, method for forming the same, and power storage device
KR20130122281A (ko) * 2012-04-30 2013-11-07 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지용 전극 표면의 피막 분석 장치 및 이를 이용한 리튬 이차 전지용 전극 표면의 피막 분석 방법
JP6216154B2 (ja) 2012-06-01 2017-10-18 株式会社半導体エネルギー研究所 蓄電装置用負極及び蓄電装置
US10096820B2 (en) * 2012-08-06 2018-10-09 Samsung Sdi Co., Ltd. Negative active material for rechargeable lithium battery, method preparing the same and rechargeable lithium battery including the same
US20140065457A1 (en) * 2012-08-28 2014-03-06 Apple Inc. Multiple electrode substrate thicknesses in battery cells for portable electronic devices
DE112013005307T5 (de) 2012-11-07 2015-07-23 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Elektrode für Energiespeichervorrichtung, Energiespeichervorrichtung und Herstellungsverfahren der Elektrode für Energiespeichervorrichtung
CN103367702B (zh) * 2013-07-18 2017-05-03 东莞新能源科技有限公司 锂离子电池极片及包含该极片的锂离子电池
US9929393B2 (en) 2015-09-30 2018-03-27 Apple Inc. Wound battery cells with notches accommodating electrode connections
WO2017081918A1 (ja) * 2015-11-10 2017-05-18 ソニー株式会社 負極活物質、二次電池用の負極及びリチウムイオン二次電池
KR102650963B1 (ko) * 2016-02-25 2024-03-25 삼성에스디아이 주식회사 전극 조립체, 이를 포함하는 리튬 전지, 및 상기 전극 조립체의 제작방법
US10868290B2 (en) 2016-02-26 2020-12-15 Apple Inc. Lithium-metal batteries having improved dimensional stability and methods of manufacture
KR102106986B1 (ko) * 2016-03-25 2020-05-06 주식회사 엘지화학 이차 전지용 전극
KR20200051276A (ko) * 2018-11-05 2020-05-13 삼성전자주식회사 전극 구조체 및 그 제조방법과, 전극 구조체를 포함하는 이차 전지
US11489154B2 (en) * 2019-08-20 2022-11-01 Graphenix Development, Inc. Multilayer anodes for lithium-based energy storage devices
JP2023025791A (ja) * 2021-08-11 2023-02-24 信越化学工業株式会社 負極

Family Cites Families (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4453111B2 (ja) 1997-10-27 2010-04-21 三菱化学株式会社 負極材料とその製造方法、負極活物質、および非水系二次電池
JP2948205B1 (ja) 1998-05-25 1999-09-13 花王株式会社 二次電池用負極の製造方法
JP2002083594A (ja) 1999-10-22 2002-03-22 Sanyo Electric Co Ltd リチウム電池用電極並びにこれを用いたリチウム電池及びリチウム二次電池
US7192673B1 (en) 1999-10-22 2007-03-20 Sanyo Electric Co., Ltd. Electrode for rechargeable lithium battery and rechargeable lithium battery
US6887623B2 (en) 2001-04-09 2005-05-03 Sanyo Electric Co., Ltd. Electrode for rechargeable lithium battery and rechargeable lithium battery
JP4082922B2 (ja) 2001-04-13 2008-04-30 三洋電機株式会社 リチウム二次電池用電極及びその製造方法
US6844113B2 (en) 2001-04-13 2005-01-18 Sanyo Electric Co., Ltd. Electrode for lithium secondary battery and method for producing the same
JP2002319408A (ja) 2001-04-23 2002-10-31 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP3754374B2 (ja) 2002-01-17 2006-03-08 三洋電機株式会社 リチウム二次電池用電極の製造方法
JP3896025B2 (ja) * 2002-04-10 2007-03-22 三洋電機株式会社 二次電池用電極
JP4037229B2 (ja) 2002-09-30 2008-01-23 日立マクセル株式会社 リチウム二次電池用電極と、これを負極とするリチウム二次電池
JP3664252B2 (ja) * 2002-11-19 2005-06-22 ソニー株式会社 負極およびそれを用いた電池
US7901807B2 (en) * 2003-04-02 2011-03-08 Panasonic Corporation Energy device and method for producing the same
US20050048369A1 (en) * 2003-08-28 2005-03-03 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Negative electrode for non-aqueous electrolyte secondary battery, production method thereof and non-aqueous electrolyte secondary battery
US7432014B2 (en) 2003-11-05 2008-10-07 Sony Corporation Anode and battery
JP3786276B2 (ja) 2003-11-05 2006-06-14 ソニー株式会社 負極および電池
US7816032B2 (en) * 2003-11-28 2010-10-19 Panasonic Corporation Energy device and method for producing the same
JP4045270B2 (ja) * 2003-11-28 2008-02-13 松下電器産業株式会社 エネルギーデバイス及びその製造方法
US7839731B2 (en) * 2003-12-18 2010-11-23 Hoya Corporation Optical system for optical disc
JP4197491B2 (ja) * 2003-12-26 2008-12-17 パナソニック株式会社 非水電解質二次電池用負極とその製造方法ならびにそれを用いた非水電解質二次電池
JP4780923B2 (ja) * 2004-03-30 2011-09-28 三洋電機株式会社 リチウム二次電池
JP4488781B2 (ja) 2004-03-31 2010-06-23 三洋電機株式会社 リチウム二次電池用電極の製造方法
JP4078338B2 (ja) * 2004-04-20 2008-04-23 三洋電機株式会社 リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP4831946B2 (ja) 2004-08-31 2011-12-07 三洋電機株式会社 非水電解質電池
JP4815777B2 (ja) 2004-10-05 2011-11-16 株式会社Gsユアサ 非水電解質二次電池
JP4994634B2 (ja) * 2004-11-11 2012-08-08 パナソニック株式会社 リチウムイオン二次電池用負極、その製造方法、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
TWI311384B (en) * 2004-11-25 2009-06-21 Sony Corporatio Battery and method of manufacturing the same
JP4824394B2 (ja) 2004-12-16 2011-11-30 パナソニック株式会社 リチウムイオン二次電池用負極、その製造方法、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2006269306A (ja) 2005-03-25 2006-10-05 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極およびその製造方法
JP4953583B2 (ja) 2005-03-29 2012-06-13 三洋電機株式会社 リチウム二次電池
JP2006284918A (ja) 2005-03-31 2006-10-19 Canon Inc 電気泳動表示装置の駆動方法
US8080334B2 (en) 2005-08-02 2011-12-20 Panasonic Corporation Lithium secondary battery
JP5043338B2 (ja) 2006-01-19 2012-10-10 パナソニック株式会社 リチウム二次電池
US7964307B2 (en) 2006-07-24 2011-06-21 Panasonic Corporation Negative electrode for lithium ion secondary battery, method for producing the same, and lithium ion secondary battery

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008072430A1 (ja) * 2006-12-13 2008-06-19 Panasonic Corporation 非水電解質二次電池用負極とその製造方法およびそれを用いた非水電解質二次電池
JP2008171798A (ja) * 2006-12-13 2008-07-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池用負極とその製造方法およびそれを用いた非水電解質二次電池
US7947396B2 (en) 2006-12-13 2011-05-24 Panasonic Corporation Negative electrode for non-aqueous electrolyte secondary battery, method of manufacturing the same, and non-aqueous electrolyte secondary battery using the same

Also Published As

Publication number Publication date
KR20080069664A (ko) 2008-07-28
EP1986253A4 (en) 2009-11-04
WO2007094311A1 (ja) 2007-08-23
EP1986253A1 (en) 2008-10-29
US8268484B2 (en) 2012-09-18
EP1986253B1 (en) 2011-09-07
JPWO2007094311A1 (ja) 2009-07-09
CN101361209A (zh) 2009-02-04
US7781101B2 (en) 2010-08-24
US20090117462A1 (en) 2009-05-07
KR101049683B1 (ko) 2011-07-14
US20100297339A1 (en) 2010-11-25
CN101361209B (zh) 2012-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4038233B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極およびその製造方法、ならびに非水電解質二次電池用電極を備えた非水電解質二次電池
JP4027966B2 (ja) リチウム二次電池用負極およびその製造方法、ならびにリチウム二次電池用負極を備えたリチウム二次電池
JP4460642B2 (ja) リチウム二次電池用負極およびその製造方法、ならびにリチウム二次電池用負極を備えたリチウム二次電池
JP4351732B2 (ja) リチウム二次電池用電極およびそれを備えたリチウム二次電池
JP4642835B2 (ja) 電極用集電体
JP4036889B2 (ja) 電池
KR101001827B1 (ko) 리튬이온 이차전지용 음극의 제조방법
JP4598150B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極の製造方法
WO2008044683A1 (fr) Électrode négative pour accumulateur secondaire à électrolyte non aqueux
JP4581029B2 (ja) リチウム二次電池用負極およびそれを備えたリチウム二次電池、ならびにリチウム二次電池用負極の製造方法
JP2007220450A (ja) リチウム二次電池用負極板、およびそれを用いたリチウム二次電池
JP5076305B2 (ja) リチウム二次電池用負極の製造方法およびリチウム二次電池の製造方法
JP2007207663A (ja) リチウムイオン二次電池用負極の製造方法およびその方法を用いて得られた負極を含むリチウムイオン二次電池
JP5103789B2 (ja) リチウム二次電池用負極およびそれを用いたリチウム二次電池
JP2011187395A (ja) 非水電解質二次電池用負極板とその非水電解質二次電池用負極板の製造方法およびこれを用いた非水電解質二次電池
JP5238195B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP5130738B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2009037895A (ja) リチウム二次電池用負極板およびこれを用いたリチウム二次電池
JP2009164011A (ja) リチウム二次電池用電極の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071009

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4038233

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131109

Year of fee payment: 6