JP2009037895A - リチウム二次電池用負極板およびこれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量活物質を用い、かつ負極集電体と負極活物質層の集電性の低下、リチウムイオンの吸蔵による負極活物質の膨張時の活物質粒子間の圧縮力による破壊、負極活物質とLiの反応性の低下を抑制することを目的とする。
【解決手段】負極集電体1と、負極集電体1に担持された負極活物質層2とを含む負極板20であって、負極活物質層2は、ケイ素と酸素とを含む化合物、またはスズと酸素とを含む化合物を含み、負極集電体1の法線方向に対して負極集電体1側が凸となるように斜め方向に弓状に成長した負極活物質粒子21を含み、負極活物質粒子21の負極集電体1側の第1領域2aにおける酸素濃度と、負極活物質層2の表面側の第3領域2cにおける酸素濃度とは、第1領域と第3領域の間の第2領域2bにおける酸素濃度に比べて低くしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池用負極板およびこれを用いたリチウム二次電池に関し、特にケイ素と酸素とを含む化合物、またはスズと酸素とを含む化合物を負極活物質として含むリチウム二次電池用負極板およびこれを用いたリチウム二次電池に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が増大している。上記のような用途に用いられる電池には高エネルギー密度と優れたサイクル特性が要望される。
この要求に対し、正極板、負極板それぞれにおいて新たに高容量な活物質が開発されており、負極活物質においては高い容量が得られるケイ素またはスズを含む合金や酸化物を用いることによる解決が図られようとしている。その際に問題となるのは負極板の変形であり、充放電時にリチウムイオンが挿入、脱離することで活物質が大きく膨張、収縮するため負極板が大きく歪み、うねりが生じる。そのため、負極板とセパレータとの間に空間が生じ、充放電反応が不均一化し、充放電サイクル特性が低下することが懸念されていた。
この問題を解決するために、ケイ素またはスズの単体、酸化物あるいは合金を負極活物質とした薄膜状の活物質が柱状に分離され、さらに薄膜の厚み方向において負極集電体の表面における凹凸の谷部に向かうにつれて幅が広くなる空隙を形成することで負極集電体の変形を抑えることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−313319号公報
しかしながら、従来の負極板の構成では、充電時の膨張を吸収する空間が形成されているので、初期充放電における変形に対して効果があるものの、充放電サイクルを重ねると、この構成でも膨張に起因する課題は未だ十分に解決されない。
また、リチウム二次電池は大量生産が要望されており、簡易な製造プロセスが不可欠である。そのため、蒸着法、スパッタ法、またはCVD法などの薄膜プロセスを用い、集電体を移動させながら集電体上に活物質層を含む薄膜を連続形成するキャンロール方式が通常用いられる。
また、充放電サイクル性に優れるケイ素またはスズの酸化物系負極活物質は、薄膜プロセスにおいて酸素を導入する。ケイ素またはスズの酸化物系負極活物質の酸素濃度が高いほどケイ素またはスズの酸化物系負極活物質は絶縁体に近づく。すなわち、ケイ素またはスズの酸化物系負極活物質の酸素濃度が高いほど負極集電体とケイ素またはスズの酸化物系負極活物質の集電が阻害されるという課題を有していた。
また、金属系活物質を用いた共通の課題として、大きな不可逆容量を有することが示される。特に充放電サイクル性に優れるケイ素またはスズの酸化物系負極活物質においては非常に不可逆容量が大きく、ケイ素またはスズの酸化物系負極活物質と正極板と組み合わせた場合は正極板の可逆容量の多くを上記不可逆容量に費やしてしまう。
そのため、ケイ素またはスズの酸化物系負極活物質を用いて高容量な電池を実現するた
めにはリチウムの補填が必要である。リチウムの補填の手段としてケイ素またはスズの酸化物系負極活物質上にリチウムを真空蒸着法で成膜することで、ケイ素またはスズの酸化物系負極活物質とリチウムを固相反応によって吸蔵させるという手段があるが、ケイ素またはスズの酸化物系負極活物質の酸素濃度が高いほどケイ素またはスズの酸化物系負極活物質のリチウムの反応性が低下するという課題を有していた。
本発明は、従来の課題を解決するもので、充放電サイクル特性が優れたリチウム二次電池用負極板およびこれを用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明のリチウム二次電池用負極板は、負極集電体と、その負極集電体に担持された負極活物質層とを含むリチウム二次電池用負極板であって、負極活物質層はケイ素と酸素とを含む化合物、またはスズと酸素とを含む化合物を含み、負極集電体の法線方向に対して負極集電体側が凸となるように斜め方向に弓状に成長した粒子を含み、弓状に成長した粒子の負極集電体側の第1領域における第1酸素濃度と負極活物質層の表面側の第3領域における第3酸素濃度とは、第1領域と第3領域の間の第2領域における第2酸素濃度に比べて低くしたことを特徴とするものである。
本発明のリチウム二次電池用負極板およびそれを用いたリチウム二次電池によれば、高容量な負極活物質を用い、かつリチウムイオンの吸蔵による負極活物質の膨張時における負極活物質粒子間の圧縮力による破壊、負極集電体と負極活物質との集電性の低下、負極活物質とリチウムの反応性の低下を抑制することができる。また、負極活物質層を弓状の負極活物質粒子の集合体とすることにより、セパレータ面の法線方向に発生する圧縮力による負極活物質層の構成粒子の破壊を抑制することができる。これらの効果により、サイクル特性が優れたリチウム二次電池を得ることができる。
本発明の第1の発明においては、負極集電体とこの負極集電体に担持された負極活物質層とを含むリチウム二次電池用負極板であって、負極活物質層は負極集電体の法線方向に対して負極集電体側が凸となるように斜め方向に弓状に成長した粒子を含み、弓状に成長した粒子の負極集電体側の第1領域における第1酸素濃度と、負極活物質層の表面側の第3領域における第3酸素濃度とは、第1領域と前記第3領域の間の第2領域における第2酸素濃度に比べて低くしたことにより、セパレータ面の法線方向に発生する圧縮力による負極活物質層構成粒子の破壊、負極集電体と負極活物質との集電性の低下、負極活物質とLiの反応性の低下を抑制することができる。
本発明の第2の発明においては、第1領域はMOx1で表される化学組成であり、第2領域はMOx2で表される化学組成であり第3領域は、MOx3で表される化学組成であり、かつ、MはSiとSnのいずれかであり、x1,x2およびx3は、x1≒x3<x2,0.1≦x2≦0.5とすることにより、第1領域は負極集電体と負極活物質の密着性の低下を抑制でき、第2領域はリチウムイオンの吸蔵による負極活物質膨張時の負極活物質粒子間の圧縮力による破壊を抑制でき、第3領域は負極活物質とLiの反応性の低下を抑制することができる。
本発明の第3の発明においては、負極集電体の法線方向に対して負極集電体側が凸となるように斜め方向に弓状に成長した粒子を含み、弓状に成長した粒子の負極集電体側の第1領域における第1酸素濃度と、負極活物質層の表面側の第3領域における第3酸素濃度とは、第1領域と第3領域の間の第2領域における第2酸素濃度に比べて低くした負極活物質を担持した負極板と対極となる正極板とをセパレータを介して捲回または積層して構
成した電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入して構成したことにより、非水系二次電池の充放電に伴ったリチウムを吸蔵した際における負極活物質層構成粒子の破壊を抑制することができる高容量で信頼性の高いリチウム二次電池を得ることができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、図1は、本発明のリチウム二次電池用負極板の断面を示す模式図である。図1において、負極板20は、負極集電体1上に担持された負極活物質層2を含む。負極活物質層2は、ケイ素と酸素とを含む化合物、またはスズと酸素とを含む化合物を含む。
また、負極活物質層2は、図1に示すように負極集電体1の法線方向Dに対して負極集電体1側が凸となるように斜め方向に弓状に成長した複数の負極活物質粒子21(以下、粒子21という)を含む。このような斜め方向に弓状に成長した粒子21を含む負極活物質層2は、表面に凹凸を持つ負極集電体1を用い、真空プロセスにより負極活物質層2を作製する。
負極活物質層2の形成方法は、本発明の負極板20を得ることができるものであれば特に限定されないが、蒸着法、スパッタ法、またはCVD法などのドライプロセスを用いることが好ましい。特に蒸着法は生産性に富んだ方法であり、移動する負極集電体1上に負極活物質層2を連続的かつ大量に形成する方法として適している。
このときの負極活物質としては、ケイ素と酸素とを含む化合物、またはスズと酸素とを含む化合物を挙げることができる。
負極活物質層2中の酸素濃度が高いほど負極活物質層2は絶縁体に近づく。純粋なケイ素は半導体であり、電気抵抗率は105Ω・cmであるのに対し、酸素原子の量が30%を含む場合には、電気抵抗率は106Ω・cmであり、酸素原子の量が200%を含むガラスに代表される二酸化ケイ素は絶縁体であり、電気抵抗率は109〜1016Ω・cmである。ケイ素酸化物は酸素濃度が高いほど電気抵抗率は高くなり、負極活物質層2と負極集電体1との集電が確保されない。
また、負極活物質層2中の酸素濃度と負極活物質層2の体積膨張率とは密接に関係している。例えば、負極活物質層2がケイ素酸化物であって、酸素を殆ど含まないときには、充電により粒子21は400%の体積膨張が生じる。負極活物質層2中のケイ素原子に対する酸素原子の量が30%の場合には350%の体積膨張が生じ、酸素原子の量が60%の場合には280%の体積膨張が生じ、酸素原子の量が100%の場合には200%の体積膨張が発生する。
また、ケイ素またはスズの酸化物系負極活物質においては非常に不可逆容量が大きく、高容量な電池を実現するためにはリチウムの補填が必要である。リチウムの補填の手段としてケイ素またはスズの酸化物系負極活物質上にリチウムを真空蒸着法で成膜することで、ケイ素またはスズの酸化物系負極活物質とリチウムを固相反応によって吸蔵させるという手段がある。
しかし、ケイ素またはスズの酸化物系負極活物質の酸素濃度が高いほどケイ素またはスズの酸化物系負極活物質とリチウムの反応性が低下する。これは、ケイ素は酸素を含有するとアモルファス構造を有し、酸素濃度が高いほどアモルファス構造が密になり、リチウムが固相反応によって吸蔵されるサイトが減少するからである。
このような状況を避けるため本発明では、負極活物質層2中の粒子21を酸素の割合が異なる第1から第3の領域に分けている。これらの領域のうち、負極集電体1側の第1領
域2aにおける第1酸素濃度と、負極活物質層2の表面側の第3領域2cにおける第3酸素濃度とは、それらの間の第2領域2bにおける第2酸素濃度と比べて低くする。
負極集電体1と負極活物質層2の界面近傍に酸素濃度の低い第1領域2aを設けることにより、負極集電体1と負極活物質層2との集電性を向上することができる。また、負極活物質層2の表面側にも、酸素濃度が低い第3領域2cを設ける。これにより負極活物質層2とリチウムとの反応性が高くなる。
一方、酸素濃度の低い第1領域2aおよび第3領域2cの間に位置する第2領域2bは酸素濃度を高くする。これにより粒子21の膨張収縮の割合が小さくなり、粒子21の破壊を抑制することができる。
上述した第1領域2aはMOx1で表される化学組成であり、第2領域2bはMOx2で表される化学組成であり、第3領域2cはMOx3で表される化学組成であり、かつ、MはSiとSnのいずれかであり、x1,x2およびx3は、x1≒x3<x2,0.1≦x2≦0.5で表される化学組成であることが好ましい。
第1領域2aから第3領域2cのそれぞれを独立に分離して形成してもよいが、連続的に形成する方が、界面での膨張率の差が連続的に変化するため各領域間のストレスを軽減できるので望ましい。
なお、各領域における酸素濃度の測定には様々な方法が可能であり、例えばXMA(X線マイクロアナライザー)を用いることができる。酸素濃度がより薄い部分である第1領域2aおよび第3領域2cの酸素濃度測定を行うには、照射範囲を絞ることの他、測定すべき部位と同等の酸素濃度を表層に有する測定用の活物質層を別途形成することも有効である。
負極活物質層2全体の厚みは特に制限がないが、電池のエネルギー密度、ハイレート特性、生産性などの点から0.5μm〜100μmが好ましく、特に1μm〜60μmであることがより好ましい。負極活物質層2が薄すぎると十分な電池エネルギーを得ることができず、また負極活物質層2が厚すぎると成膜時にクラックが生じるおそれがある。
図2は、負極活物質層2を構成する粒子21の傾きを説明するための模式図である。粒子21は、負極集電体1の法線方向Dに対し、負極集電体1側が凸となるように斜め方向に弓なりに成長している。
粒子21の成長方向D1は、法線方向Dに対し角θ1を有している。粒子21の成長方向D1は、粒子21と負極集電体1とが接する点において粒子21が成長する方向である。成長方向D1は、角θ1が最大となる方向で負極板20を切断して観察することができる。
成長方向D1は、粒子21と負極集電体1とが接する面の中点と、粒子21の断面を粒子21の高さの1/2となる負極集電体1に平行な仮想的な線A−A’で切断した時の粒子21の幅の中点とを結ぶ方向として定義できる。ここで、角θ1は20°以上90°未満である。
なお、粒子21の矢視線A−A’よりも表面側の成長方向D2と負極集電体1の法線方向Dとがなす角θ2は、負極集電体1側が凸となるように斜め方向に弓なりに成長しているのでθ1>θ2を満たす。また、角θ2は、10°以上70°以下であることが好ましい。
このときの負極活物質層2中の空間割合(以下、隙間比率という)は、角θ1が大きいほど大きくなる。負極集電体1の表面の凹凸の大きさにもよるが、例えば負極集電体1の表面の平均粗さRaが1.5μmから2.5μmで、角θ1が10°のときには、隙間比率5%程度となる。
同様に、角θ1が20°のときには隙間比率は10%程度、角θ1が30°のときには隙間比率は20%程度、角θ1が60°のときに隙間比率は50%程度、角θ1が80°のときに隙間比率は70%程度である。
粒子21の成長方向は、負極活物質層2の膜厚方向で変化しているため、負極活物質層2全体での隙間比率は上に述べた隙間比率を粒子21の成長方向に応じて膜厚方向で積算平均した値となる。
本実施の形態での粒子21の好ましい構造は、粒子21が負極集電体1の法線方向Dから20°以上90°未満の角度で成長し、負極活物質層2の厚みが1μmから30μmで、隙間比率は10%から70%である。
なお隙間比率は、以下のようにして求められる。まず基材である銅箔全面に一様に隙間無く活物質の薄膜を形成したサンプル1と、粒子21の成長方向を調整することにより隙間を形成したサンプル2と、サンプル1および2作製時の基材とした銅箔とを同じ大きさに切断し、それぞれの質量を測定する。
この時二つのサンプル1および2の厚みを同一条件とする。次にサンプル1の質量から銅箔の質量を差し引き、活物質質量を算出する。同様にサンプル2についても同様に銅箔の質量を差し引き、それぞれのサンプルの活物質質量を算出する。最後に銅箔全面に形成した活物質の質量に対する、粒子21の質量の比率から活物質の比率を計算し、100%と活物質比率の差を隙間比率とする。
上記のように、酸素濃度の低い第1領域2a、および第3領域2cの厚みは粒子21の成長方向により形成される隙間の形状と、必要とされるLi吸蔵量から見積もった活物質量から適宜決められる。このように粒子21の成長方向、膜厚、隙間、厚み方向の酸素濃度をコントロールして成膜することによって、膨張ストレスに関する課題は解消されると考えられる。以下、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
まず、図1に示す負極板20を製造する方法の一例について述べる。図3は実施例1の負極板20を製造するための方法の一例を示す模式図である。図3において、真空槽3内は排気ポンプ13により排気した。真空槽3中において、巻き出しロール10から薄膜の基材である負極集電体1を搬送ローラ11を介して送られ、キャンロール5に沿って走行させた。
その間に蒸発源4よりケイ素またはスズからなる活物質蒸気が酸素を含む雰囲気で供給され、マスク6の開口部を通過した活物質蒸気により負極集電体1の表面に粒子21を複数含む負極活物質層2が形成される。こうして得られた極板を巻き取りロール12に巻き取った。
粒子21の成長方向は、成膜時の活物質蒸気の入射方向により強く支配された。例えば入射方向と集電体の法線方向Dとのなす角(以下、入射角という)が30°のときには、粒子21の成長方向D1と法線方向Dとのなす角θ1は16°程度、入射角が50°のと
きに角θ1は30°程度、入射角が80°のときに角θ1は60°程度であった。入射角と角θ1との関係は、一般に知られているタンジェント則から見積もることができる。
蒸発源4には活物質材料であるケイ素またはスズを内部に保持した坩堝などを用いることができる。ケイ素またはスズの純度は高いほど望ましい。蒸発源4を過熱する方法は、抵抗加熱法や電子ビームの照射による加熱法を用いた。
第1領域2aから第3領域2cを有する負極板20を作製するために、第1酸素ノズル7から酸素ガスを導入すると同時に、第2酸素ノズル8および第3酸素ノズル9から酸素ガスを導入した。
第1酸素ノズル7は活物質蒸気全体に酸素が行き渡るように設置した。また、第2酸素ノズル8は負極集電体1上に粒子21が形成され始める際に酸素が供給できるように、マスク6の開口部付近に設置した。第3酸素ノズル9は、負極集電体1上に形成されつつある粒子21に酸素が供給できるように、マスク6の開口部付近に設置した。
ここで、それぞれの領域の酸素量は、各酸素ノズルから導入する酸素量、真空槽3の形状、排気ポンプ13の排気能力、活物質材料(ケイ素またはスズ)の蒸発速度、負極集電体1上への負極活物質層2の成膜幅、その他製造条件によって適宜変更することができる。
その一例としては、真空槽3の容積は0.4m3であり、排気速度2.2m3/Sの油拡散ポンプで真空排気を行い、第1から第3の酸素ノズル7〜9へのガス導入量は、25℃1気圧換算でおおむね0.0005m3/S〜0.005m3/Sとすればよい。
負極活物質層2の形成方法は、負極板20を得ることができるものであれば特に限定されないが、蒸着法、スパッタ法、またはCVD法などのドライプロセスを用いることが好ましい。特に蒸着法は生産性に富んだ方法であり、移動する負極集電体1上に負極活物質層2を連続的かつ大量に形成する方法として適している。
負極集電体1には銅、ニッケルなどの箔を用いることができる。強度、電池としての体積効率、および取り扱いの容易性などの観点から、箔の厚みは4〜30μmが好ましく、より好ましくは5〜10μmであった。
箔の表面は平滑であってもよいが、負極活物質層2との付着強度を高めるために、算術平均粗さRaが0.1〜4μm程度の凹凸箔を用いることが好ましい。算術平均粗さRaは、日本工業規格(JISB 0601―1994)に定められており、例えば表面粗さ計等により測定することができる。箔の凹凸は活物質層2を構成する粒子21間に空隙を形成する効果を併せ持つ。付着力の点からRa=0.4〜2.5であった。
まず、図3に示したように実施例1と同様の方法により、真空槽3中において巻き出しロール10から薄膜の基材である負極集電体1を搬送ローラ11を介して搬送し、キャンロール5に沿って走行させ、その間に蒸発源4よりケイ素またはスズからなる活物質蒸気が酸素を含む雰囲気で供給され、マスク6の開口部を通過した活物質蒸気により負極集電体1の表面に粒子21を複数含む負極活物質層2を形成させることで負極板20を作製した。
一方で、この負極板20の対極となる正極板31としては、正極活物質、導電材、結着材を適切な分散媒中に入れ、プラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、集電
体への塗布に最適な粘度に調整して混練を行い、正極合剤塗料を作製した。
このときの正極活物質としては、例えばコバルト酸リチウムおよびその変性体(コバルト酸リチウムにアルミニウムやマグネシウムを固溶させたものなど)、ニッケル酸リチウムおよびその変性体(一部ニッケルをコバルト置換させたものなど)、マンガン酸リチウムおよびその変性体などの複合酸化物を挙げることができる。
このときの導電材種としては、例えばアセチレンブラック,ケッチェンブラック,チャンネルブラック,ファーネスブラック,ランプブラック,サーマルブラック等のカーボンブラック,各種グラファイトを単独、あるいは組み合わせて用いても良い。
このときの正極用結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF),ポリフッ化ビニリデンの変性体,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),アクリレート単位を有するゴム粒子結着剤等を用いることができ、この際に反応性官能基を導入したアクリレートモノマー、またはアクリレートオリゴマーを結着剤中に混入させることも可能である。
上記のように作製した正極合剤塗料をダイコーターを用いてアルミニウム箔上に塗布し、次いで乾燥した後にプレスにて所定厚みまで圧縮することで正極板31を作製した。
上述のようにして作製した負極板20と正極板31をラミネート型リチウム二次電池に適用する場合について、図面を参照しながら説明する。
例えば、図4は本発明のラミネート形リチウム二次電池の概略断面図である。図4において、ラミネートセルケース19内には、本発明の負極板20と、正極板集電体16とその上に形成されたリチウムイオンを吸蔵放出可能な正極板活物質17とを含む正極板31と、負極板20と正極板31との間に配置されたセパレータ18と、リチウムイオン伝導性を有する電解質(図示せず)とが配置されており、密封された構造とした。
負極板20には集電用の負極板リード(図示せず)が接続され、正極板31には集電用の正極板リード(図示せず)が接続され、それぞれラミネートセルケース19外へ導出して集電を行った。なお、ラミネートセルケース19は、例えば、アルミニウム箔の両面をPETやポリオレフィン樹脂で挟んだ構造のラミネートフィルムを熱溶着することで作成できる。
上記ラミネート形リチウム二次電池を作製後に、この電極群を解体して観察したところ負極板20に粒子21の破壊や、負極板20の表面上でのLiの析出などの不具合は認められなかった。さらにこのラミネート型リチウム二次電池を300サイクル充放電させたが、サイクル劣化もなく300サイクル後にラミネート型リチウム二次電池および電極群を解体したところや粒子21の破壊やリチウム析出などの不具合は認められなかった。
まず、図3に示したように実施例1と同様の方法により、真空槽3中において巻き出しロール10から薄膜の基材である負極集電体1を搬送ローラ11を介して搬送し、キャンロール5に沿って走行させ、その間に蒸発源4よりケイ素またはスズからなる活物質蒸気が酸素を含む雰囲気で供給され、マスク6の開口部を通過した活物質蒸気により負極集電体1の表面に粒子21を複数含む負極活物質層2を形成させることで負極板20を作製した。
一方で、この負極板20の対極となる正極板31としては、実施例2と同様の正極合剤
塗料を用いダイコーターを用いてアルミニウム箔上に塗布し、次いで乾燥した後にプレスにて所定厚みまで圧縮することで正極板31を作製した。
上述のようにして作製した負極板20と正極板31を捲回形リチウム二次電池に適用する場合について、図面を参照しながら説明する。
例えば、図5は本発明の捲回形リチウム二次電池の概略断面図である。図5において、帯状の正極板31と本発明の帯状の負極板20とは、それらの間に配置された両極板よりも幅広な帯状のセパレータ33とともに捲回して極板群32を形成した。
正極板31にはアルミニウムなどからなる正極板リード34を接続し、その一端は周縁にポリプロピレンなどからなる絶縁パッキン40が配された封口板39に接続した。負極板20には銅などからなる負極板リード35を接続し、その一端は極板群32を収容する電池缶38に接続した。
極板群32の上下には、それぞれ上部絶縁リング36および下部絶縁リング37を配置した。極板群32には、前述したリチウムイオン伝導性を有する電解質(図示せず)を含浸させた。電池缶38の開口は、封口板39で塞いだ。
上記捲回形リチウム二次電池において渦巻状に捲回した極板群32を作製後に、この極板群32を解体して観察したところ負極板20に粒子21の破壊や、負極板20の表面上でのLiの析出などの不具合は認められなかった。
さらにこのラミネート型リチウム二次電池を300サイクル充放電させたが、サイクル劣化もなく300サイクル後にラミネート形リチウム二次電池および極板群32を解体したところや粒子21の破壊やリチウム析出などの不具合は認められなかった。
以上、本発明の負極板を用いた実施例として、実施例1ではラミネート形リチウム二次電池、実施例2では捲回形リチウム二次電池について説明してきたが、これらに限定されるものではなく本発明の負極板は例えば、円筒形、扁平形、コイン形、角形等の様々な形状のリチウム二次電池に適用可能であり、電池の形状や封止形態は特に限定されるものではない。
本発明にかかる負極板、およびそれを用いた電池は、高容量活物質を用い、かつ負極集電体と負極活物質層の集電性の低下、リチウムイオンの吸蔵による活物質の膨張時の負極活物質粒子間の圧縮力による破壊、負極活物質とLiの反応性の低下を抑制することができるので、負極板およびそれを用いた電池として有用である。
本発明の実施の形態1におけるリチウム二次電池用負極板の断面を示す模式図 本発明の実施の形態1における粒子の傾きを説明するための模式図 本実施の形態1の負極板を製造するための方法の一例を示す模式図 本実施の形態1におけるラミネート形リチウム二次電池の概略断面図 本実施の形態1における捲回形リチウム二次電池の概略断面図
符号の説明
1 負極集電体
2 負極活物質層
2a 第1領域
2b 第2領域
2c 第3領域
3 真空槽
4 蒸発源
5 キャンロール
6 マスク
7 第1酸素ノズル
8 第2酸素ノズル
9 第3酸素ノズル
10 巻き出しロール
11 搬送ローラ
12 巻き取りロール
13 排気ポンプ
16 正極板集電体
17 正極板活物質
18 セパレータ
19 ラミネートセルケース
20 負極板
21 負極活物質粒子
31 正極板
32 極板群
33 セパレータ
34 正極板リード
35 負極板リード
36 上部絶縁リング
37 下部絶縁リング
38 電池缶
39 封口板
40 絶縁パッキン

Claims (3)

  1. 負極集電体とこの負極集電体に担持された負極活物質層とを含むリチウム二次電池用負極板であって、前記負極活物質層はケイ素と酸素とを含む化合物、またはスズと酸素とを含む化合物を含み、前記負極集電体の法線方向に対して負極集電体側が凸となるように斜め方向に弓状に成長した粒子を含み、前記弓状に成長した粒子の前記負極集電体側の第1領域における第1酸素濃度と前記負極活物質層の表面側の第3領域における第3酸素濃度とは、前記第1領域と前記第3領域の間の第2領域における第2酸素濃度に比べて低くしたことを特徴とするリチウム二次電池用負極板。
  2. 前記第1領域はMOx1で表される化学組成であり、前記第2領域はMOx2で表される化学組成であり、前記第3領域はMOx3で表される化学組成であり、かつ、MはSiとSnのいずれかであり、x1,2およびx3は、x1≒x3<x2,0.1≦x2≦0.5としたことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用負極板。
  3. 負極集電体の法線方向に対して負極集電体側が凸となるように斜め方向に弓状に成長した粒子を含み、前記弓状に成長した粒子の前記負極集電体側の第1領域における第1酸素濃度と、前記負極活物質層の表面側の第3領域における第3酸素濃度とは、前記第1領域と前記第3領域の間の第2領域における第2酸素濃度に比べて低くした負極活物質を担持した負極板と対極となる正極板とをセパレータを介して巻回または積層して構成した電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入して構成したことを特徴とするリチウム二次電池。
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