JP2009152189A - 非水電解質二次電池用負極の製造方法、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極の製造方法、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】主として、充放電時の集電体と活物質との剥離や、集電体のしわの発生が抑制され、かつ、不可逆容量を補填するためのリチウムの集電体表面への付着を防止することができる非水電解質二次電池用負極の製造方法を提供すること。
【解決手段】集電体11の表面から外側へ向かって突出する複数の柱状体13と、集電体11表面の少なくとも一部を覆う薄膜体14と、を備える負極活物質層15を形成し、次いで、各柱状体13に対し、乾式成膜法によってリチウムを供給する際に、リチウム供給方向17を柱状体13の軸方向18に対し傾斜させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用負極の製造方法と、この製造方法により得られる非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池に関し、詳しくは、非水電解質二次電池の負極にあらかじめリチウムを付与する方法の改良に関する。
近年、各種電子機器の駆動用電源として、非水電解質二次電池、とりわけ、リチウムイオン二次電池への期待が高まっている。リチウムイオン二次電池は、高容量で、エネルギー密度が高く、小型化および軽量化が容易である。このため、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯ゲーム機などの携帯用小型電子機器の電源として汎用されている。また、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車載用電源、無停電電源などとしての応用開発も進められている。
現在の代表的なリチウムイオン二次電池では、負極活物質として黒鉛が用いられているが、その容量は、理論容量の限界に達しようとしている。そこで、高容量化を図るための新たな負極活物質として、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵および放出する材料(以下、「合金系活物質」という。)を用いることが試みられている。また、合金系活物質の好適例としては、ケイ素やスズの単体、酸化物、およびこれらの合金が知られている。
しかしながら、合金系活物質は、リチウムイオンの吸蔵および放出に伴って、体積が顕著に膨張および収縮する。このため、充放電時における負極の厚みの変化や、負極にかかる応力が大きくなって、集電体と負極活物質との剥離や、集電体のしわの発生といった不具合を生じるおそれがある。また、このような不具合は、充放電サイクル特性の低下の要因となる。
一方、特許文献1に記載のリチウム二次電池用電極は、表面に凹凸を有する集電体にリチウムを吸蔵および放出する活物質からなる薄膜が堆積されており、さらに、上記薄膜の厚み方向で上記集電体表面の凹凸の谷部に向かうにつれて幅が広くなる空隙を備えている。このリチウム二次電池用電極によれば、リチウムの吸蔵および放出に伴う活物質の膨張および収縮を上記空隙で吸収できることから、充放電時に負極集電体にかかる応力が低減され、負極集電体の変形を抑制することができる。
特許文献2に記載の負極の製造方法は、軽金属としてのリチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極合剤層を形成する工程と、負極合剤層に乾式成膜法によりリチウムからなる層を成膜する工程とを含んでいる。この製造方法によれば、リチウムからなる層を薄膜化および平坦化することができ、負極合剤層にリチウムを吸蔵させる時間の短縮と、負極合剤層へのリチウム層の残存の抑制を図ることができる。
特開2002−313319号公報 特開2005−038720号公報
しかしながら、例えば、ケイ素からなる負極活物質は、充電時の体積膨張率が400%に達するため、特許文献1に記載のリチウム二次電池用電極では、負極活物質の表面近傍において発生する応力を緩和することが困難である。特に、電池の高容量化のために負極活物質の膜厚を大きくするほど、集電体のしわの発生や、集電体と負極活物質との剥離といった不具合を抑制することが困難になる。
しかも、合金系活物質は、充放電時の不可逆容量が大きいため、これを負極活物質として用いることで、正極の可逆容量の多くが負極の不可逆容量の補填に費やされるという不具合がある。
一方、特許文献2に記載の負極の製造方法によれば、負極合剤層とリチウムとの固相反応により、負極活物質に対してリチウムを補填することができる。
しかしながら、負極活物質の厚みが極めて小さい領域や、集電体表面が露出している領域に付着したリチウムは、負極活物質中に吸蔵されずに金属リチウムとして残存する。このため、電池の製造時においては、大気中の水分との反応によって水素を生じさせる原因となり、電池の充放電時においては、デンドライト状のリチウムが析出する基点となって、正負両極間を短絡させる原因となる。また、これらは、電池の信頼性を低下させる要因となる。
本発明の主たる目的は、充放電時の集電体と活物質との剥離や、集電体のしわの発生が抑制され、かつ、不可逆容量を補填する際にリチウムの集電体表面への付着を抑制することができる非水電解質二次電池用負極の製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、負極の不可逆容量の低減を図りつつ、電池のサイクル特性や信頼性を向上させることができる非水電解質二次電池用負極と、非水電解質二次電池とを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法は、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を集電体の表面に支持させて、前記集電体表面から外側へ向かって突出する複数の柱状体と、前記集電体表面の少なくとも一部を覆う薄膜体と、を備える負極活物質層を形成する負極活物質層形成工程と、各前記柱状体に対し、乾式成膜法によってリチウムを供給するリチウム供給工程と、を含み、前記リチウム供給工程において、リチウム供給方向を前記柱状体の軸方向に対し傾斜させることを特徴としている。
上記非水電解質二次電池用負極の製造方法によって製造される負極は、集電体表面に支持される負極活物質層として、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含む複数の柱状体を備えている。このため、充電時の負極活物質の膨張を柱状体間の空隙で吸収させることができ、これにより、充放電時に負極集電体にかかる応力が低減され、負極集電体の変形を抑制することができる。
さらに、上記非水電解質二次電池用負極の製造方法では、リチウム供給工程において、乾式成膜法によるリチウムの供給方向を、柱状体の軸方向に対して傾斜させている。このため、集電体表面に形成されている負極活物質層のうち柱状体以外の表面、すなわち、薄膜体の表面が、柱状体の影に隠れることとなる。これにより、リチウムは柱状体の表面に優先的に供給され、薄膜体や集電体の表面へのリチウムの付着を抑制することができる。
それゆえ、上記非水電解質二次電池用負極の製造方法によれば、充放電時の集電体と活物質との剥離や、集電体のしわの発生を抑制することができ、その結果として、電池のサイクル特性を向上させることができる。しかも、不可逆容量を補填するために供給されるリチウムが、薄膜体や集電体の表面に付着することを防止できるため、負極の不可逆容量の低減とそれに伴う電池の高容量化とを図りつつ、電池の信頼性を向上させることができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法では、リチウム供給工程において、上記負極活物質層を上記リチウム供給方向の上流側から見たときに、リチウム供給源からリチウムが供給されるリチウム供給領域のうち、上記薄膜体および上記集電体の表面が露出している領域の占める割合が5%以下となるように、上記リチウム供給方向を調整することが好適である。
リチウム供給領域のうち、薄膜体および集電体の表面が露出している領域の占める割合を上記範囲に設定することで、薄膜体および集電体の表面へのリチウムの付着を抑制する効果を向上させることができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法では、上記リチウム供給工程前において、上記負極活物質層を上記柱状体の軸方向に沿って見たときに、上記薄膜体および上記集電体の表面が露出している領域の占める割合が5%を上回ることが好適である。
負極活物質層を柱状体の軸方向に沿って見たときに、薄膜体および集電体の表面が露出している領域の占める割合が上記範囲に設定されることで、柱状体間の空隙を十分に確保でき、充電時の負極活物質の膨張を上記空隙に吸収させる効果を十分に発揮させることができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法は、上記集電体として、表面に凸部を有する金属箔を用い、上記負極活物質を含む層を上記金属箔の凸部上で同一方向に積み重ね、またはジグザグ状に積み重ねて、上記柱状体を形成する場合に、特に好適である。
本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法では、上記リチウム供給工程において、上記柱状体の軸方向に対する上記リチウム供給方向の傾斜を維持しながら、リチウム供給源に対して上記集電体を連続的に移動させることが好適である。
この場合、上記非水電解質二次電池用負極を効率よく製造することができる。
また、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法では、負極活物質が、ケイ素またはスズを含有することが好適である。
この場合、負極活物質の単位重量あたり、または単位体積あたりに吸蔵可能なリチウム量が極めて多くなるため、高容量かつ長寿命の非水電解質二次電池の提供に好適な負極を製造することができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極は、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法により製造される負極であることを特徴としている。
すなわち、本発明の非水電解質二次電池用負極は、集電体と、リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含み、前記集電体の表面に支持される負極活物質層と、を備え、前記負極活物質層が、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法における負極活物質層形成工程により形成される、複数の柱状体と薄膜体とを備え、各前記柱状体は、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法におけるリチウム供給工程により、リチウムが供給されている、ことを特徴としている。
上記非水電解質二次電池用負極によれば、充放電時の集電体と活物質との剥離や、集電体のしわの発生が抑制されるため、電池のサイクル特性を向上させることができる。しかも、不可逆容量を補填するために供給されるリチウムの薄膜体および集電体表面への付着が防止されるため、不可逆容量の低減およびそれに伴う電池の高容量化を実現することができ、しかも、電池の信頼性が向上させることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、リチウムを吸蔵および放出可能な正極と、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法により製造される負極と、上記正極および負極の間で上記各電極を隔離するセパレータと、非水電解質と、を備えることを特徴としている。
上記非水電解質二次電池によれば、充放電時の負極集電体と負極活物質との剥離や、負極集電体のしわの発生が抑制されているため、サイクル特性を向上させることができる。しかも、不可逆容量を補填するために供給されるリチウムの薄膜体および集電体表面への付着が防止されるため、負極の不可逆容量の低減およびそれに伴う高容量化が実現され、かつ、電池の信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、非水電解質二次電池用負極について、充放電時の集電体と活物質との剥離や集電体のしわの発生を抑制させ、これにより、電池のサイクル特性を向上させることができ、負極の不可逆容量の低減と、それに伴う電池の高容量化とを図ることができ、しかも、電池の信頼性を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、充放電サイクル特性や信頼性に優れた高容量の非水電解質二次電池を得ることができる。
まず、本発明の非水電解質二次電池用負極およびその製造方法について、詳細に説明する。
本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法は、集電体の表面に負極活物質層を形成する負極活物質層形成工程と、負極活物質層を形成する複数の柱状体に対しリチウムを供給するリチウム供給工程と、を含んでいる。
図1は、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法により製造される非水電解質二次電池用負極の一例を側面から見た部分断面図である。図2は、リチウム供給工程前の非水電解質二次電池用負極を柱状体の軸方向から見た状態を示す模式図である。また、図3は、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法により製造される非水電解質二次電池用負極の他の例を側面から見た部分断面図である。図4は、リチウム供給工程に用いられる蒸着装置を示す模式図である。
図1に示す非水電解質二次電池用負極10は、集電体11と、集電体11の表面に形成された凸部12と、凸部12の表面に支持され、集電体11表面から外側へ向かって突出する複数の柱状体13と、集電体11表面のうち柱状体13の形成部位以外の領域を覆う薄膜体14とを備えている。
複数の柱状体13と、薄膜体14とは、いずれもリチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を含んでおり、これらは、集電体11の表面において負極活物質層15を形成している。薄膜体14は、集電体11表面のうち柱状体13の形成部位以外の領域全体を覆っていなくてもよい。すなわち、負極には、集電体11表面が露出している領域が含まれていてもよい。
本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法において、負極活物質層15は、上記負極活物質層形成工程により、上記負極活物質を集電体11の表面に形成される。負極活物質層15を集電体11の表面に支持させる方法としては、この分野において公知の各種手法を採用することができる。
具体的には、例えば、真空蒸着法、スッパッタリング法、CVD法などの乾式成膜法により、負極活物質の蒸気を集電体11の表面に付着させ、負極活物質の層を成長させることにより形成することができる。
柱状体13は、例えば、集電体11表面の凸部12に向けて負極活物質の蒸気を飛散させ、負極活物質の層状体(16a〜16d)を凸部12上で同一方向に積み重ねることにより形成される。
図1に示す場合、負極活物質の蒸気は、集電体11表面の凸部12に優先的に付着し、層を形成することから、柱状体を形成することができる。なお、負極活物質の蒸気は、集電体11表面の凸部12以外の部位にも付着し、薄膜体14を形成する。
負極活物質には、例えば、Si、Sn、Ge、およびAlの単体、合金、酸化物(例えば、SiOxやSnOxなど。)、SiSx、SnSなどの化合物が挙げられる。これらは、非晶質、または低結晶性であることが好ましい。
柱状体13の高さは、非水電解質二次電池に要求される特性によっても異なるが、一般に、5〜30μmであることが好ましく、特に、10〜25μmの範囲であることがより好ましい。
表面に凸部12を備える集電体11としては、例えば、凹部を有する一対のローラで集電体11を挟み込み、圧力を加えながら集電体11を通過させることにより、塑性変形を生じさせたものが挙げられる。
凸部12の高さや、集電体11の表面に沿った方向の長さ(または径)は、非水電解質二次電池に要求される特性によっても異なるが、一般に、高さが3〜10μmであることが好ましく、上記長さが5〜30μmの範囲であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法では、上記リチウム供給工程により、上記柱状体13に対して、リチウムが供給される。
柱状体13へのリチウムの供給には、真空蒸着法などの乾式成膜法が用いられる。そして、リチウムを柱状体13の表面へ優先的に供給し、かつ、薄膜体14や集電体11の表面へ実質的に供給されないようにするため、リチウム供給方向17を、柱状体13の成長軸に沿った方向(以下、「軸方向18」という。)から、集電体11表面の法線方向19へと近づくように、角度θ1だけ傾斜させて調整する。
ここで、リチウム供給方向17は、柱状体13の軸方向18から集電体11表面の法線方向19へと近づくように傾斜させて設定される。このときの傾斜の程度、すなわち、角度θ1の大きさは、リチウム供給方向17の上流側から負極活物質層15を見たときに、上記リチウム供給領域のうち薄膜体14表面(および集電体11表面)が露出している領域の占める割合が5%を下回るように設定される。
なお、角度θ1は、リチウム供給方向17を、柱状体13の軸方向18に対し集電体11表面の法線方向19から遠ざかるように傾斜させて設定してもよい。但し、この場合には、リチウムを柱状体13の表面に蒸着させる効率が低下するおそれがある。
リチウム供給領域の外延は、後述する図4に示すように、柱状体13に対してリチウムを蒸着する際に、リチウム供給源から負極集電体11表面へとリチウムが供給される領域を示している。リチウムの蒸気は、後述するように、リチウム供給源から放射状に拡散して飛散する。このため、リチウム供給方向のずれを一定の範囲内に収める必要があり、一部のリチウム蒸気は、負極集電体11表面へと到達しないように、後述する遮蔽板によって遮られる。よって、リチウム供給領域の外延は、リチウムの蒸気が遮蔽板で遮られることなく、負極集電体11表面へと到達する領域を示している。
上記リチウム供給領域に占める薄膜体14および集電体11の表面が露出している領域の割合は、上記範囲の中でも特に、5%以下であることが好ましい。なお、上記割合が0%に達する状態は、すなわち、リチウム供給方向の上流側から見て、薄膜体14や集電体11の表面が全く露出していない状態を示している。
上記角度θ1は、上記割合が0%に達する角度よりも大きな値に設定してもよいが、この場合には、リチウムを柱状体13の表面に蒸着させる効率が低下するおそれがある。
リチウム供給工程前の非水電解質二次電池用負極を柱状体13の軸方向18に沿って見たときに、柱状体13と、薄膜体14とは、模式的に、図2に示すように現れる。なお、図2中、薄膜体14の表面にハッチングを付している。また、図2においては、柱状体13の形成部位以外の集電体11表面が、すべて薄膜体14で覆われているものとする。
図2を参照して、リチウム供給工程前において、リチウム供給領域のうち、薄膜体14が露出している領域の占める割合は、好ましくは、5%以上である。このように設定することで、柱状体13間の空隙を十分に確保でき、充電時の負極活物質の膨張を空隙13に吸収させる効果を十分に発揮させることができる。
一方、リチウム供給領域のうち、薄膜体14が露出している領域の占める割合の上限は、特に限定されないが、好ましくは、25%、特に好ましくは、20%である。上記割合が25%を上回ると、柱状体13の形成密度が低くなり、負極の容量が低下するおそれがある。
図3に示す非水電解質二次電池用負極20は、集電体11と、集電体11の表面に形成された凸部12と、凸部12の表面に支持され、集電体11表面から外側へ向かって突出する複数の柱状体21と、集電体11表面のうち柱状体21の形成部位以外の領域を覆う薄膜体14とを備えている。
柱状体21は、例えば、集電体11表面の凸部12に向けて負極活物質の蒸気を飛散させ、負極活物質の層状体(22a〜22f)を凸部12上でジグザグ状に(つづら折れ状に)積み重ねることにより形成される。なお、柱状体21は、奇数段の層状体(22a、22c、22e)の積層方向23aと、偶数段の層状体(22b、22d、22f)の積層方向23bとが互いに異なっており、負極活物質の蒸着方向を2つの成長方向23a、23bで交互に設定することにより形成できる。
柱状体21の形成方法や、柱状体21の形成材料は、図1に示す場合と同様にして設定することができる。
この柱状体21へのリチウムの供給には、図1に示す場合と同様に、真空蒸着法などの乾式成膜法が用いられる。そして、リチウムを柱状体21の表面へ優先的に供給し、かつ、薄膜体14や集電体11の表面へ実質的に供給されないようにするため、リチウム供給方向24を、柱状体21の成長軸に沿った方向(以下、「軸方向25」という)から、角度θ2だけ傾斜させて調整する。
ここで、リチウム供給方向24は、柱状体21の軸方向25から傾斜させて設定される。このときの傾斜の程度、すなわち、角度θ2の大きさは、リチウム供給方向24の上流側から負極活物質層26を見たときに、上記リチウム供給領域のうち薄膜体14表面(および集電体11表面)が露出している領域の占める割合が5%を下回るように設定される。上記割合の好適範囲は、図1に示す場合と同様である。
リチウム供給工程は、例えば、図4に示す蒸着装置を用いて行うことができる。
図4を参照して、蒸着装置30は、あらかじめ巻き付けられた帯状の集電体11を順次繰り出すための巻出しロール31と、集電体11を支える2つのドラム32a、32bと、集電体11上に形成されている負極活物質の柱状体(図示せず)に対してリチウムを供給するための2つの蒸着ソース(リチウム供給源)33a、33bと、集電体11を巻き取るための巻取りロール34と、リチウム供給領域を規制するための二対の遮蔽板35a、35bと、これらを収容するチャンバ36と、チャンバ36内を減圧するための真空ポンプ37と、を備えている。
表面に負極活物質の柱状体を備える集電体11は、巻出しロール31から供給され、第1のドラム32aに支えられて、第1の蒸着ソース33aと対向する位置へ搬送される。そして、一対の第1の遮蔽板35aによって規制された第1のリチウム供給領域38aにおいて、集電体11の一方側表面に形成された負極活物質の柱状体に対し、リチウムが供給される(リチウム供給工程)。
第1のリチウム供給領域38aは、リチウム供給源である第1の蒸着ソース33aからリチウムが供給される領域である。
この第1のリチウム供給領域38a内では、第1の蒸着ソース33aから集電体11の柱状体(図示せず)へのリチウム供給方向が、柱状体の軸方向に対して傾斜するように設定される。具体的には、リチウム供給方向の上流側から集電体11を見たときに、集電体11および薄膜体(図示せず)の表面が露出している領域の占める割合が5%以下となるように設定される。
また、第1の蒸着ソース33aから飛散するリチウムの蒸気は、放射状に拡散されること、ならびに、集電体11を搬送するドラム32aの表面が曲面であることから、集電体11と第1の蒸着ソース33aとの相対的な位置によって、リチウム柱状体に対するリチウム供給方向にズレが生じる。
そこで、図4に示す蒸着装置30では、蒸着ソースから負極活物質層へとリチウムの蒸気が到達する領域を、一対の第1の遮蔽板35aによって規制している。具体的に、第1のリチウム供給領域38a内においては、いずれの部位においても、リチウム供給方向の上流側から集電体11の負極活物質層を見たときに、リチウム供給領域のうち、集電体11の表面および薄膜体の表面が露出している領域の占める割合が、5%以下となるように調整される。
上記割合を5%以下となるように調整するにあたって、リチウム供給方向は、集電体11の表面に形成された柱状体の軸方向との関係に応じて、適宜設定される。集電体11の法線方向とリチウム供給方向との関係は、一対の第1遮蔽板35aを、第1ドラム32aの周方向に沿って移動させることで、適宜設定することができる。また、例えば、リチウム供給領域38a内でリチウム供給方向の差が大きくなる場合には、第1ドラム32aの周方向で一対の第1遮蔽板35aの間隔を狭めればよい。
こうして、第1のリチウム供給領域38a内で、集電体11の一方側表面の柱状体へとリチウムが供給された後、集電体11は、第2のドラム32bに支えられて、一対の第2の遮蔽板35bによって規制された第2のリチウム供給領域38bへと搬送される。
この第2のリチウム供給領域38bでは、集電体11の他方側表面が、第2の蒸着ソース33bと対向する。そして、この第2のリチウム供給領域38bにおいて、集電体11の他方側表面に形成された負極活物質の柱状体に対し、リチウムが供給される(リチウム供給工程)。
第2のリチウム供給領域38bの設定や、第2のリチウム供給領域38bにおけるリチウム供給工程の条件設定は、第1のリチウム供給領域38aの設定や、第1のリチウム供給領域38bにおけるリチウム供給工程の場合と同様にして調整すればよい。
こうして集電体11の両面の柱状体に対し、リチウムが供給された後、集電体11が巻き取りロール34に巻き取られる。
なお、図4に示す蒸着装置では、集電体11をドラムの周面で支えつつ、リチウム供給工程を行ったが、集電体11の搬送方法はこれに限定されず、例えば、平面状の支持体に支えつつ搬送させてもよい。
上記リチウム供給工程により、柱状体13、21の表面に供給されたリチウムは、その後、固相反応によって、柱状体13、21の負極活物質中に吸蔵される。
上述の非水電解質二次電池用負極の製造方法によれば、集電体の表面部分において、負極活物質が少なく、充電時のリチウムイオンの吸蔵に伴う負極活物質の膨張が抑制されていることから、集電体にかかる応力を低減することができ、集電体のしわや負極活物質の剥離を抑制することができる。また、集電体の表面から外側に向けて突出している柱状体に対し、選択的にリチウムが供給されていることから、負極の不可逆容量を解消させて高容量化を図りつつ、電池の信頼性を向上させることができる。
それゆえ、上述の非水電解質二次電池用負極の製造方法により得られる非水電解質二次電池用負極とは、非水電解質二次電池、とりわけ、リチウムイオン二次電池の分野において好適である。
次に、本発明の非水電解質二次電池について、図5に示すリチウムイオン二次電池40を例にとって説明する。
図5を参照して、リチウムイオン二次電池40は、正極41と、負極42と、正極41と負極42の間を隔離するセパレータ43とを備えている。これら正極41、負極42、およびセパレータ43は、渦巻状に捲回され、電極群44を形成している。正極41は、正極リード45の一端と電気的に接続されており、負極42は、負極リード46の一端と電気的に接続されている。電極群44は、その捲回軸方向のうち、正極端子と兼用される封口板50側の端部において正極側絶縁板47が装着され、他方側の端部において負極側絶縁板48が装着されている。そして、この電極群44は、負極端子と兼用される電池ケース49内に収容されている。なお、電池ケース49の開口端部では、電池ケース49の径が狭められ、ガスケット51を介して封口板50が配置した上で、封口板50をかしめることにより、電池ケース49が密封される。
上記リチウムイオン二次電池40において、負極42には、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法により製造された非水電解質二次電池用負極が用いられる。
正極41としては、例えば、正極活物質と、必要に応じて、各種の導電材および結着材とを、適切な分散媒に分散させて得られた正極合剤を、正極用集電体の表面に塗布し、乾燥させたものが挙げられる。
正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウムおよびその変性体(コバルト酸リチウムにアルミニウムやマグネシウムを固溶させたものなど)、ニッケル酸リチウムおよびその変性体(一部ニッケルをコバルト置換させたものなど)、マンガン酸リチウムおよびその変性体などの複合酸化物を挙げることができる。
導電材種としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックや、各種グラファイトが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極用結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンの変性体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリレート単位を有するゴム粒子結着剤などを用いることができ、この際に反応性官能基を導入したアクリレートモノマー、またはアクリレートオリゴマーを結着剤中に混入させることも可能である。
セパレータや非水電解質としては、特に限定されず、この分野で公知の各種の材料を用いることができる。
また、上記リチウムイオン二次電池の組立て方法は、特に限定されず、この分野で公知の各種の方法を採用することができる。
以上の記載において、本発明の実施形態をリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明したが、本発明の非水電解質二次電池はリチウムイオン二次電池に限定されず、例えば、ポリマー電解質二次電池などの、各種の非水電解質二次電池に広く適用することができる。
また、リチウムイオン二次電池の具体的な実施形態として、円筒形の電池を例示したが、リチウムイオン二次電池の形状はこれに限定されず、その用途などに応じて、例えば、角型、コイン型、シート型、ボタン型、扁平型、積層型などの各種形状を適宜選択することができる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、小型機器用の電源に限定されるものではなく、例えば、電気自動車用電源、電力貯蔵用電源などの、大型かつ大容量の二次電池としても有効である。
実施例1
厚さ35μmの銅箔を、一対のセラミックローラで挟みながら、通過させることによって、表面に凹凸を有する集電体11を作製した(図1参照)。ここで、上記一対のセラミックローラには、表面に、1辺の長さが約20μmの平面視正方形状で、深さが10μmの凹部を設けたものを使用した。
集電体(銅箔)11の表面に形成された凸部12は、集電体11の表面に沿った方向での長さが約18μm、高さが6μmの略正方柱状であって、集電体11の表面で千鳥格子状に配列され、隣接する凸部の中心間距離は、約40μmであった。また、集電体11の総厚みは、集電体11の一方側表面における各凸部の頂面と、他方側表面における各凸部の頂面との間隔として、42μmであった。
次に、ターゲットとして純度99.9999%のSiを用い、電子ビーム加熱手段を備えた蒸着装置によって、集電体11の両面の凸部12上に、負極活物質を蒸着させた。蒸着は、蒸着装置のチャンバ内に純度99.7%の酸素を導入しながら4回行い、凸部12上に同一方向に成長した層状部16a〜16dを積層した(図1参照)。柱状体13の高さは、集電体11の法線方向19において23μmであって、柱状体13を形成する負極活物質の平均組成は、SiO0.5であった。
次いで、蒸着材料としてリチウムを用い、図4に示す蒸着装置を用いて、柱状体13に対してリチウムを供給した。図1を参照して、リチウム供給方向17は、柱状体13の軸方向(成長軸に沿った方向)18に対し傾斜した角度θ1に設定した。この状態で、リチウム供給方向17の上流側から負極活物質層15を見たときに、リチウム供給領域(38a、38b;図4参照)に占める薄膜体14および集電体11の表面が露出している領域の割合は、0%であった。
なお、負極活物質層15を柱状体13の軸方向18に沿って見たときの、リチウム供給領域(38a、38b)内での薄膜体14および集電体11の表面が露出している領域の占める割合の求め方は、次のとおりである。
まず、負極活物質層15を、柱状体13の軸方向18から走査電子顕微鏡(SEM)で観察する。次いで、SEMでの観察により得られた画像について、柱状体13の表面が露出している領域Aと、薄膜体14および集電体11の表面が露出している領域Bとを二値化処理によって分別する。そして、リチウム供給領域内での領域Aと領域Bとの和に占める領域Bの面積割合を、下記式より百分率として求めた。
B/(A+B)×100
その後、集電体11を、所定の幅にスリッタ加工して、非水電解質二次電池用負極10を得た。
こうして得られた非水電解質二次電池用負極10は、集電体11や薄膜体14の表面でリチウムの付着および析出が観察されなかった。このため、信頼性が良好であった。また、集電体11の表面部分で負極活物質の量が少ないため、充放電時の膨張に伴う応力を低減させることができ、負極集電体の変形を抑制することができた。
実施例2
集電体11として、実施例1で作製したものと同じものを使用した。
次に、ターゲットとして純度99.9999%のSiを用い、電子ビーム加熱手段を備えた蒸着装置によって、集電体11の両面の凸部12上に、負極活物質を蒸着させた。蒸着は、蒸着装置のチャンバ内に純度99.7%の酸素を導入しながら6回蒸着を行い、凸部12上に6段の層状部22a〜22fを積層させて、柱状体21を作製した(図3参照)。なお、各層状部22a〜22fは、その奇数段(22a、22cおよび22e)と、偶数段(22b、22dおよび22f)とで、柱状体21の厚み方向につづら折れ状に積層させた。柱状体21の高さは、集電体11の法線方向において20μmであって、柱状体21を形成する負極活物質の平均組成は、SiO0.5であった。
次いで、蒸着材料としてリチウムを用い、図4に示す蒸着装置を用いて、柱状体21に対してリチウムを供給した。図3を参照して、リチウム供給方向24は、柱状体21の軸方向(成長軸に沿った方向)25に対し傾斜した角度θ2に設定した。この状態で、リチウム供給方向24の上流側から負極活物質層26を見たときに、リチウム供給領域(38a、38b;図4参照)に占める薄膜体14および集電体11の表面が露出している領域の割合は、0%であった。
その後、集電体11を、所定の幅にスリッタ加工して、非水電解質二次電池用負極20を得た。
こうして得られた非水電解質二次電池用負極20は、集電体11や薄膜体14の表面でリチウムの付着および析出が観察されなかった。このため、信頼性が良好であった。また、集電体11の表面部分で負極活物質の量が少ないため、充放電時の膨張に伴う応力を低減させることができ、負極集電体の変形を抑制することができた。
実施例3
集電体11として、実施例1で作製したものと同じものを使用した。
次に、ターゲットとして純度99.9999%のSiを用い、電子ビーム加熱手段を備えた蒸着装置によって、集電体11の両面の凸部12上に、負極活物質を蒸着させた。蒸着は、実施例2と同様にして行い、高さが、集電体11の法線方向において20μmであって、負極活物質の平均組成がSiO0.5である柱状体21を作製した(図3参照)。
こうして得られた負極を、柱状体21の軸方向からSEMで観察した結果、柱状体21の表面が露出している領域Aと、薄膜体14および集電体11の表面が露出している領域Bとの和(A+B)に占める領域Bの面積割合は、13%であった。
次いで、蒸着材料としてリチウムを用い、上記集電体11を平板状の支持体上を搬送させながら蒸着を行い、柱状体21に対してリチウムを供給した。リチウム供給方向は、柱状体21の軸方向(成長軸に沿った方向)25に対し傾斜した角度に設定した。
この状態で、リチウム供給方向の上流側から負極活物質層21を見たときに、リチウム供給領域(38a、38b)に占める薄膜体14および集電体11の表面が露出している領域の割合は、5%であった。
その後、集電体11を、所定の幅にスリッタ加工して、非水電解質二次電池用負極20を得た。
こうして得られた非水電解質二次電池用負極20は、集電体11や薄膜体14の表面でリチウムの付着および析出が観察されなかった。このため、信頼性が良好であった。また、集電体11の表面部分で負極活物質の量が少ないため、充放電時の膨張に伴う応力を低減させることができ、負極集電体の変形を抑制することができた。
製造例1
正極41として、アルミニウム箔上に、コバルト酸リチウムおよびその変性体を含む正極合剤を塗布し、乾燥させて得られた正極合剤層を備えるものを使用した。負極42として、実施例2で得られたものを使用した。また、セパレータ43として、ポリエチレン多孔質膜(商品名:ハイポア、厚さ20μm、旭化成株式会社製)を使用した。
上記正極41と、上記負極42とを、上記セパレータ43で隔離し、これらを渦巻状に捲回して、電極群44を形成した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:1の割合で含む混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lの濃度で溶解させた非水電解質を用いた。そして、正極リード45、負極リード46、正極側絶縁板47、負極側絶縁板48、電池ケース49、封口板50、およびガスケット51として、公知の材料を使用し、常法に従って、図5に示す円筒型のリチウムイオン二次電池40を製造した。
上記リチウムイオン二次電池40について、下記の充放電サイクルを実行したところ、サイクル容量維持率は85%であった。
(充放電サイクル特性)
まず、20℃の環境下において、上記リチウムイオン二次電池に対し、280mA(0.7C)で4.2Vまで定電流充電した後、終止電流20mA(0.05C)まで定電流充電した。そして、80mA(0.2C)で2.5Vまで定電流放電した。このときの放電容量を、初回放電容量とした。
その後、280mA(0.7C)で4.2Vまで定電流充電した後、終止電流20mA(0.05C)まで定電流充電する充電工程と、400mA(1C)で2.5Vまで定電流放電する放電工程とからなる充放電サイクルを、合計100サイクル繰り返した。
さらに、上記充電工程を1回行い、その後、電流値を80mA(0.2C)としたこと以外は、上記放電工程と同様にして放電工程(定電流放電)を行って、このときの放電容量を、100サイクル後放電容量とした。
そして、初回放電容量に対する100サイクル後放電容量の比を百分率で求めて、サイクル容量維持率(%)とした。
また、100サイクルの充放電後において、電極群44を解体し、内部を観察したところ、負極活物質層26と集電体11の剥離や、集電体11のしわなどの不具合は観察されなかった(図3参照)。このことは、充電時における負極活物質の膨張を柱状体21間の空隙で吸収させ、負極集電体11にかかる応力を低減させたことや、集電体11の柱状体21に対して選択的にリチウムを供給し、集電体11や薄膜体14の表面へのリチウムを付着および析出を抑制したことによるものと考えられる。
本発明により得られる、信頼性に優れ、高容量でサイクル特性に優れた非水電解質二次電池は、例えば、電子機器および通信機器の多機能化に伴って高容量化が望まれている携帯用小型電子機器の電源や、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車載用電源、無停電電源などとして、極めて有用である。
非水電解質二次電池用負極の一例を側面から見た部分断面図である。 リチウム供給工程前の非水電解質二次電池用負極を柱状体の軸方向から見た状態を示す模式図である。 非水電解質二次電池用負極の他の例を側面から見た部分断面図である。 リチウム供給工程に用いられる蒸着装置を示す模式図である。 捲回型リチウムイオン二次電池の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10 非水電解質二次電池用負極、 11 集電体、 12 凸部、 13 柱状体、 14 薄膜体、 15 負極活物質層、 16a 層状体、 16b 層状体、 16c 層状体、 16d 層状体、 17 リチウム供給方向、 18 柱状体の軸(成長軸)方向、 19 法線方向、 20 非水電解質二次電池用負極、 21 柱状体、 22a 層状体、 22b 層状体、 22c 層状体、 22d 層状体、 22e 層状体、 22f 層状体、 23a 積層方向、 23b 積層方向、 24 リチウム供給方向、 25 柱状体の軸(成長軸)方向、 26 負極活物質層、 30 蒸着装置、 31 巻出しロール、 32a 第1のドラム、 32b 第2のドラム、 33a 第1の蒸着ソース(リチウム供給源)、 33b 第2の蒸着ソース(リチウム供給源)、 34 巻取りロール、 35a 一対の遮蔽板、 35b 一対の遮蔽板、 36 チャンバ、 37 真空ポンプ、 38a 第1のリチウム供給領域、 38b 第2のリチウム供給領域、 40 リチウムイオン二次電池、 41 正極、 42 負極、 43 セパレータ、 44 電極群、 45 正極リード、 46 負極リード、 47 正極側絶縁板、 48 負極側絶縁板、 49 電池ケース、50 封口板、 51 ガスケット、 θ1 傾斜角、 θ2 傾斜角。

Claims (8)

  1. リチウムを吸蔵および放出可能な負極活物質を集電体の表面に支持させて、前記集電体表面から外側へ向かって突出する複数の柱状体と、前記集電体表面の少なくとも一部を覆う薄膜体と、を備える負極活物質層を形成する負極活物質層形成工程と、
    各前記柱状体に対し、乾式成膜法によってリチウムを供給するリチウム供給工程と、を含み、
    前記リチウム供給工程において、リチウム供給方向を前記柱状体の軸方向に対し傾斜させることを特徴とする、非水電解質二次電池用負極の製造方法。
  2. 前記リチウム供給工程において、前記負極活物質層を前記リチウム供給方向の上流側から見たときに、リチウム供給源からリチウムが供給されるリチウム供給領域のうち、前記薄膜体および前記集電体の表面が露出している領域の占める割合が5%以下となるように、前記リチウム供給方向を調整する、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
  3. 前記リチウム供給工程前において、前記負極活物質層を前記柱状体の軸方向に沿って見たときに、前記薄膜体および前記集電体の表面が露出している領域の占める割合が5%を上回る、請求項2に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
  4. 前記集電体として、表面に凸部を有する金属箔を用い、
    前記負極活物質を含む層を前記金属箔の凸部上で同一方向に積み重ね、またはジグザグ状に積み重ねて、前記柱状体を形成する、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
  5. 前記リチウム供給工程において、前記柱状体の軸方向に対する前記リチウム供給方向の傾斜を維持しながら、リチウム供給源に対して前記集電体を連続的に移動させる、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
  6. 前記負極活物質が、ケイ素またはスズを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法により製造される、非水電解質二次電池用負極。
  8. リチウムを吸蔵および放出可能な正極と、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造される負極と、前記正極および負極の間で前記各電極を隔離するセパレータと、非水電解質と、を備える、非水電解質二次電池。
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