JP5076305B2 - リチウム二次電池用負極の製造方法およびリチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用負極の製造方法およびリチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用負極の製造方法およびリチウム二次電池の製造方法に関する。
近年、非水電解質二次電池の高容量化のための負極活物質として、ケイ素(Si)やスズ(Sn)などの元素を含む負極材料が注目されている。例えば、Siの理論放電容量は約4199mAh/gであり、黒鉛の理論放電容量の約11倍である。
しかしながら、これらSiやSnは、リチウムイオンを吸蔵する際に構造が大きく変化するために膨張する。その結果、活物質粒子が割れたり、集電体から活物質層が剥がれたりすることによって、活物質と集電体間の電子伝導性が低下し、結果としてサイクル特性といった電池特性が低下する。
そのため、放電容量が若干低下するが、ケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、ケイ素と窒素とを含む化合物、スズ単体、スズ合金、スズと酸素とを含む化合物、およびスズと窒素とを含む化合物からなる群より選ばれた少なくとも1つを含む負極材料を用いるとともに、負極材料の膨張収縮を軽減することが試みられている。
また、これらSiやSnを含む負極材料の課題として、不可逆容量がある。すなわちSiやSnを含む活物質を負極として用いると、初回充電時に吸蔵したリチウムイオンの一部が放電時に放出されず、結果として電池容量が小さくなってしまう。
不可逆容量を回避するには、予め不可逆容量相当のリチウムを負極に吸蔵させ、しかる後に正極板と対向させ、充放電を始めることが有効である(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。このような構成を用いることにより、初回充電時に正極から放出されたリチウムイオンを放電時に負極から高い割合で回収することができるようになり、結果として電池容量が向上する。
特許文献1には、Si、Sn、およびSi−Ti系合金からなる群より選択される少なくとも1種を含む負極活物質を含む負極合剤層を備え、前記負極合剤層の表面を覆うようにリチウム層を形成する負極が開示されている。これに充放電サイクル初期に不可逆容量の小さい電池が得られることが開示されている。また、金属リチウム層を、蒸着またはスパッタにより形成することが開示されている。
特許文献2には、例えば、集電体上に形成した酸化ケイ素の薄膜の上に酸化リチウムの層を形成し、さらにリチウムの層を形成して、リチウムを酸化ケイ素に補填する方法が開示されている。これにより初回充放電における不可逆容量が軽減することが開示されている。
特許文献3には、集電体上に炭素を主成分とする第一の層を設けた後、ケイ素などからなる第二の層を形成するときにケイ素とリチウムを同時蒸着するが開示されている。これにより不可逆容量が低減することが開示されている。
特開2005−063805号公報 特開2003−162997号公報 特開2002−358954号公報
しかしながら、長尺の集電体の第1の面に第1の活物質層が形成され、集電体の第1の面に対向する第2の面に第2の活物質層が形成された極板に対して、前記従来の手法で極板に不可逆容量相当分のリチウムを付与すると、極板を巻き取り走行する工程における走行速度ムラや金属リチウム層の形成速度ムラなどによりリチウム付着量の分布が面内で生じる。特に金属リチウム層形成の手段として蒸着法等を用いた場合、リチウム蒸気供給源の状態(例えば蒸発面積、温度、蒸気飛翔経路等)を完璧に制御し、これらに起因する経時的なムラを抑制することは至難である。その結果、過剰に付与されたリチウムが、極板上で部分的に析出するという現象が避けがたい。
長尺な集電体の第1の面に第1の活物質層が形成され、第1の面に対向する第2の面に第2の活物質層が形成された極板の両面に対して、活物質が持つ不可逆容量の補充を行うためにリチウム付与する場合、コストの観点から、まず第1の活物質層にリチウムが付与され、その後第2の活物質層へのリチウムが付与される。
一般的に、極板を巻き取り走行する工程では走行速度のムラや極板温度の分布といったプロセス変動が存在する。そのためプロセス変動に起因するリチウム付与量の分布(バラツキ)が面内に生じ、その結果として部分的に過剰なリチウムが付与される場合がある。リチウムの付与量が活物質の不可逆容量に対して少ない場合には、付与されたリチウムが全て活物質と反応するので、リチウムの部分的な析出は起きない。しかしリチウム付与量が活物質の不可逆容量に対して多くなると、部分的に過剰なリチウムが付与される結果、リチウムの部分的な析出が発生する。極板を巻き取り走行する工程の精度および活物質とリチウムの反応性にもよるが、リチウムの析出はおおむね不可逆容量の80%以上のリチウムを付与した場合に発生しやすい。
第1の活物質層に過剰なリチウムが付与された状態で電池電極が巻き取られると、局部的に析出した過剰リチウムは非常に活性が高いため、リチウムがまだ付与されていない第2の活物質層に吸収される。このような状態で第2の活物質層へリチウムの付与を行うと、さらに多量の過剰リチウムが析出することになる。このような極板を用いて電池を構成すると、電界集中などにより、充放電の繰り返しで局部的なリチウム析出がさらに進行し、電池特性が低下する。
このような状況を鑑み、本発明は、リチウム付与により不可逆容量をできるだけ軽減するとともに、局部的な過剰リチウムの付与による電池の短絡等の不具合を防止することが容易なリチウム二次電池用負極(以下、負極ともいう)の製造方法およびリチウム二次電池(以下、電池ともいう)の製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の負極の製造方法は、
集電体の第1の面に第1の活物質層が形成され、集電体の第1の面に対向する第2の面に第2の活物質層が形成された極板を巻き取る工程と、
第1の活物質層および第2の活物質層に真空中でリチウムを付与する工程と、を有し、
リチウムを付与する工程は、第1の活物質層にリチウムを付与後、極板を巻き取る前に、第2の活物質層にリチウムを付与する工程であって、
前記リチウムを付与された前記第1の活物質層が触れる部分は、リチウムと合金化しな
い材料で構成されていること、を特徴とする。
記の製造方法によって、リチウム付与により不可逆容量をできるだけ軽減するとともに、局部的な過剰リチウムの付与を防止することが可能な負極の製造が容易となる。
また、本発明の電池の製造方法は、
リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極と、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータと、リチウムイオン伝導性を有する電解質と、を含む電池の製造方法であって、
負極の集電体の第1の面に第1の活物質層を形成する工程と、集電体の第1の面に対向する第2の面に第2の活物質層が形成された極板を巻き取る工程と、
第1の活物質層および前記第2の活物質層とに真空中でリチウムを付与する工程と、を有し、
リチウムを付与する工程は、第1の活物質層にリチウムを付与後、極板を巻き取る前に第2の活物質層にリチウムを付与する工程であって、
前記リチウムを付与された前記第1の活物質層が触れる部分は、リチウムと合金化しな
い材料で構成されていること、を特徴とする。
記の製造方法によって、リチウム付与により不可逆容量をできるだけ軽減するとともに、局部的な過剰リチウムの付与を防止することが可能な電池の製造が容易となる。
本発明の負極の製造方法および電池の製造方法によれば、不可逆容量を軽減するとともに、局部的な過剰リチウムの付与を防止することで、電池性能、特にサイクル特性を向上することができる極板および電池が容易に製造することが出来る。これにより理論的にはリチウムイオンを多く吸収あるいは放出できるが不可逆容量の大きな、例えばケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、ケイ素と窒素とを含む化合物、スズ単体、スズ合金、スズと酸素とを含む化合物、およびスズと窒素とを含む化合物からなる群より選ばれた少なくとも1つを含む活物質材料を活用することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の負極の製造方法では、長尺な集電体の第1の面に第1の活物質層が形成され、集電体の第1の面に対向する第2の面に第2の活物質層が形成された極板の両面に対して、活物質が持つ不可逆容量の補充を行うためにリチウムを付与する工程は、第1の活物質層にリチウムを付与後、極板を巻き取る前に第2の活物質層にリチウムを付与する工程であること、を特徴としている。この製造方法により、第1の活物質層上に過剰なリチウムが偏在しても、第2の活物質層にリチウムが付与される前に、第1の活物質層上の過剰なリチウムが第2の活物質層に吸蔵されることがない。したがって極板巻き取り時に第1の活物質層と第2の活物質層での活物質量やリチウム付与量の面内ばらつきの結果により生じるリチウム過剰が重複することがないために、第2の活物質層における顕著なリチウム析出を防ぐことができる。これにより、この製造方法で作製された極板を用いた電池に対して充放電の繰り返しを行った際の正負極間の短絡を防止することができる。
リチウムを付与する方法としては、薄膜プロセスを用いることが望ましい。薄膜プロセスを用いることにより、極板上にリチウムを精度よく薄く均一に付与することができる。そのため過剰なリチウムの発生や偏在を軽減することができる。リチウムを付与する薄膜プロセスとしてはスパッタ法や真空蒸着法が望ましい。中でも真空蒸着法は高速でリチウム付与ができるので最も望ましい。
図1は、本発明における負極の製造方法の一例を示す模式図である。図1において、真空槽2の内部は排気ポンプ1で排気されている。真空槽2中で巻き出しロール3から巻き出された長尺の電池電極4は、搬送ローラ5および円筒状の第一キャン6および第二キャン7の周面に沿って走行し、巻き取りロール8に巻き取られる。本発明では巻き出しロール3から巻き取りロール8までを巻き取る工程という。
ここで使用する電池電極4は、集電体の第1の面に第1の活物質層(図示せず)が形成され、集電体の第1の面に対向する第2の面に第2の活物質層(図示せず)が形成されている。電池電極が第一キャン6に沿った状態で第1の活物質層にリチウム付与源9からリチウムが付与され、第二キャン7に沿った状態で第2の活物質層にリチウム付与源9からリチウムが付与される工程により、活物質へのリチウム付与を行う。なお、図1において、電池電極4の第一キャン6に接する面に第2の活物質層が形成されており、第二キャン7に接する面に第1の活物質層が形成されている。
リチウムを付与する工程は、第1の活物質層の不可逆容量の80%以上、100%以下のリチウム量を第1の活物質層に付与する工程と、第2の活物質層の不可逆容量の80%以上、100%以下のリチウム量を第2の活物質層に付与する工程と、を含むことが好ましい。不可逆容量の残存を減らすためには、50%以上の付与が好ましいが、不可逆容量の残存を大幅に減らすことが出来るため、80%以上の付与をすることが更に好ましい。100%の付与をすると、不可逆容量の残存をなくすことが出来る。100%を超える付与は、不可逆容量の残存をなくすことには寄与をせず、活物質層表面に余剰リチウムの析出につながるおそれがある。
本実施の形態1では、極板の第1の活物質層にリチウムを付与後、極板の第2の活物質層にリチウムを付与するまでの間に第1の活物質層が触れる部分を、リチウムと合金化しない材料で構成することが好ましい。具体的には図1に示す搬送ローラー5が例示される。第1の活物質層に付与されたリチウムは、第1の活物質層に吸収されるまではその表面に存在しているため、極板と接触する部分がリチウムと反応することでローラが汚染されたり、ローラと極板とが接着されて走行不良になることを防止できるからである。リチウムと合金化しない材料であればどのようなものでもよいが、ローラ形状やローラ表面層への加工容易性、更にコストの観点から、銅、ニッケル、クロム、ステンレス、またはフッ素あるいは含フッ素樹脂からなる材料を用いることが望ましい。これらの材料を極板と接触する部分で用いると、その部分でのリチウムとの反応を防止して、極板の安定な走行を確保することができる。同様に、極板の第2の活物質層にリチウムを付与後、巻き取りロール8に巻き取られるまでの間に第2の活物質層が触れる部分を、リチウムと合金化しない材料で構成することが好ましい。
また、本実施の形態1において、極板の第1の活物質層にリチウムを付与後、極板の第2の活物質層にリチウムを付与するまでの時間は、付与されたリチウムが第1の活物質層に吸収されるのに必要な時間よりも長くすることが好ましく、また、極板の第2の活物質層にリチウムを付与後、巻き取りロール8に巻き取られるまでの時間は、付与されたリチウムが第2の活物質層に吸収されるのに必要な時間よりも長くすることが好ましい。なお、それらの時間は、活物質の材料や巻き取る工程の速度などによって適宜決めることが出来る。
(実施の形態2)
また本発明の負極の第2の製造方法としては、長尺な集電体の第1の面に第1の活物質層が形成され、集電体の第1の面に対向する第2の面に第2の活物質層が形成された極板の両面に対して、活物質が持つ不可逆容量の補充を行うためにリチウムを付与する工程は、極板の第1の活物質層と第2の活物質層とに同時にリチウム付与を行うことを特徴としている。
図2は、第1の活物質層および第2の活物質層にリチウムの付与を同時に行う負極の製造方法を示す模式図である。図2において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用いる。図2において、排気ポンプ1で排気されている真空槽中2で巻き出しロール3から巻き出された電池電極4は、搬送ローラ5に添って走行後、巻き取りロール8に巻き取られる。電池電極4の両面には予め活物質層が形成されており、搬送中の電池電極4は所定の位置でリチウム付与源9からリチウムの付与を受ける。図2の搬送経路では搬送ローラ5aと5bとの間で、第1の活物質層および第2の活物質層とに同時にリチウムが付与される。この構成により第1の活物質層へのリチウムを付与と、第2の活物質層へのリチウムの付与を同時に行うことができるので、設備的に有利である。
リチウムを付与する工程は、第1の活物質層の不可逆容量の80%以上、100%以下のリチウム量を前記第1の活物質層に付与する工程と、第2の活物質層の不可逆容量の80%以上、100%以下のリチウム量を前記第2の活物質層に付与する工程と、を含むことが好ましい。不可逆容量の残存を減らすためには、50%以上の付与が好ましいが、不可逆容量の残存を大幅に減らすことが出来るため、80%以上の付与をすることが更に好ましい。100%の付与をすると、不可逆容量の残存をなくすことが出来る。100%を超える付与は、不可逆容量の残存をなくすことには寄与をせず、活物質層表面に余剰リチウムの析出につながるおそれがある。
本実施の形態2では、極板の第1の活物質層および第2の活物質層にリチウムを付与後、極板のリチウムを付与するまでの間に第1の活物質層および第2の活物質層が触れる部分を、リチウムと合金化しない材料で構成することが好ましい。第1の活物質層および第2の活物質層に付与されたリチウムは、それぞれ第1の活物質層および第2の活物質層に吸収されるまではその表面に存在しているため、極板と接触する部分がリチウムと反応することでローラが汚染されたり、ローラと極板とが接着されて走行不良になることを防止できるからである。リチウムと合金化しない材料であればどのようなものでもよいが、ローラ形状やローラ表面層への加工容易性、更にコストの観点から、銅、ニッケル、クロム、ステンレス、またはフッ素あるいは含フッ素樹脂からなる材料を用いることが望ましい。これらの材料を極板と接触する部分で用いると、その部分でのリチウムとの反応を防止して、極板の安定な走行を確保することができる。
また、本実施の形態2において、極板の第1の活物質層および第2の活物質層にリチウムを付与後、巻き取りロール8に巻き取られるまでの時間は、付与されたリチウムと第1の活物質層および第2の活物質層とが反応するのに必要な時間よりも長くすることが好ましい。この時間は、活物質の材料や巻き取る工程の速度などによって適宜決めることが出来る。
実施の形態1および2において、不可逆容量を軽減するためのリチウム付与の前に、極板を加熱することが好ましい。これにより極板に含有、付着している有機溶剤や水分などの蒸発成分を除去することにより、付与するリチウムと蒸発成分とが化合物を形成するのを防止することができる。またリチウム付与の後、巻取りを行うまでに、極板を加熱することが望ましい。加熱することより活物質層へのリチウムの吸収、拡散が促進され、リチウムの面内分布ムラを軽減することができる。
実施の形態1および2で使用できる活物質としては、リチウムと電気化学的に反応するものであれば特に制限はないが、リチウムとの反応性が比較的高いケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、ケイ素と窒素とを含む化合物、スズ単体、スズ合金、スズと酸素とを含む化合物、およびスズと窒素とを含む化合物からなる群より選ばれた少なくとも1つを含む負極材料に対する効果が高い。中でもSiやSnの酸化物系材料は不可逆容量の度合いが初回充電容量に対して例えば5〜70%と大きいため、リチウム付与量が多く必要となる。そのため面内でのリチウムの分布ムラが大きくなる傾向がある。従って本発明の製造方法による改善度合いが顕著である。
リチウムとの反応性の観点からは、活物質は非晶質または低結晶性であることが好ましい。ここでいう低結晶性とは、結晶粒の粒径が50nm以下の領域を言う。なお結晶粒の粒径は、X線回折分析で得られる回折像の中で最も強度の大きなピークの半価幅から、Scherrerの式によって算出される。また非晶質とは、X線回折分析で得られる回折像において、2θ=15°〜40°の範囲にブロードなピークを有することを言う。
集電体としては、銅、ニッケルなどを含むシート状の金属箔を用いることが出来る。強度、電池としての体積効率、および取り扱いの容易性などの観点から箔の厚みは4〜30μmが好ましく、より好ましくは5〜10μmである。箔の表面は平滑であってもよいが、活物質層との付着強度を高めるために、Ra=0.1〜4μm程度の凹凸箔を用いることも出来る。箔の凹凸は活物質層を構成する粒子間に空隙を形成する効果を併せ持つ。付着力、コストなどの点から、より好ましくはRa=0.4〜2.5である。
集電体の両面に活物質層を形成するプロセスは、錬合、塗工、プレスなどのの各工程を中心とするウェットプロセスや蒸着法、スパッタ法、CVD法といったドライプロセスを用いることができる。特にドライプロセスは、活物質層が連続であるため、付与されたリチウムが活物質中に拡散しやすいので望ましい。
(実施の形態3)
以上の各実施の形態に示した手法により得られた負極を用いた電池について、図を参照しながら説明する。
図3は本発明にかかる電池の一例を示す概略断面図である。図3において、所定の大きさに作製された正極11の集電体に、例えばアルミニウム製の正極リード14の一端が接続されている。実施の形態1または2に示した手法により得られた負極12の集電体には、例えばニッケル製の負極リード15の一端が接続されている。正極11と負極12とを、両極板より幅広なセパレータ13を介して捲回することで、極板群20を構成できる。セパレータ13としては、例えば厚さ20μmのポリエチレン樹脂製微多孔フィルムが適用可能であるが、これに限定されるものではない。
得られた極板群20は、例えば露点温度が−60℃のドライ雰囲気において60℃真空乾燥を10時間行い、極板群20中に含まれる水分を追い出す。事前にセパレータ13および他の電池部材についても乾燥を充分に行い、電池中に持ち込む水分を低減させることが好ましい。極板群の外面はセパレータ13で介装する。この極板群20は、その上下に、それぞれ上部絶縁リング16および下部絶縁リング17を配して、例えば鉄製で表面がニッケルめっきされた電池缶18の内空間に収容される。
極板群には、非水電解質(図示せず)が含浸される。正極リード14の他端は、周縁に絶縁パッキン21が配された封口板19の裏面に溶接される。負極リード15の他端は、電池缶18の内底面に溶接される。電池缶18の開口を、封口板19で塞ぐことにより、円筒型のリチウムイオン二次電池が作製できる。なお非水電解質には、例えばエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの容積比1:1の混合溶媒にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用いることが出来るが、これに限定されるものではない。
正極11に用いられる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出可能なLiCoO、LiNiO、LiMnなどが適用できるがこれらに限定されるものではない。
本発明は、円筒型、扁平型、コイン型、角形等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能であり、電池の形状は特に限定されない。本発明は、金属製の電池缶やラミネートフィルム製のケースに、電池電極、電解液等の発電要素を収容した電池を含め、様々な封止形態の電池に適用可能であり、電池の封止形態は特に限定されない。
本発明は、不可逆容量の程度が大きい活物質のエネルギー密度を有効に引き出すための極板および電池の製造方法を提供するものである。本発明の製造方法により得られる極板は電池産業分野に限らず、電気化学素子全般への応用が可能である。
本発明の実施の形態1における負極の製造方法を示す模式図 本発明の実施の形態2における負極の製造方法を示す模式図 本発明の実施の形態3における電池を示す概略断面図
符号の説明
1 排気ポンプ
2 真空槽
3 巻き出しロール
4 電池電極
5、5a、5b 搬送ローラ
6 第一キャン
7 第二キャン
8 巻き取りロール
9 リチウム付与源
10 遮蔽板
11 正極
12 負極
13 セパレータ
14 正極リード
15 負極リード
16 上部絶縁リング
17 下部絶縁リング
18 電池缶
19 封口板
20 極板群
21 絶縁パッキン

Claims (4)

  1. 集電体の第1の面に第1の活物質層が形成され、前記集電体の第1の面に対向する第2の面に第2の活物質層が形成された極板を巻き取る工程と、
    前記第1の活物質層および前記第2の活物質層とに真空中でリチウムを付与する工程と、を有するリチウム二次電池用負極の製造方法において、
    前記リチウムを付与する工程は、前記第1の活物質層にリチウムを付与後、前記極板を巻き取る前に前記第2の活物質層にリチウムを付与する工程であって、
    前記リチウムを付与された前記第1の活物質層が触れる部分は、リチウムと合金化しない材料で構成されていること、
    を特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法。
  2. 前記リチウムを付与する工程は、前記第1の活物質層の不可逆容量の80%以上、100%以下のリチウム量を前記第1の活物質層に付与する工程と、
    前記第2の活物質層の不可逆容量の80%以上、100%以下のリチウム量を前記第2の活物質層に付与する工程と、を含むこと、
    を特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
  3. 前記第1の活物質層および第2の活物質層は、ケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、ケイ素と窒素とを含む化合物、スズ単体、スズ合金、スズと酸素とを含む化合物、およびスズと窒素とを含む化合物からなる群より選ばれた少なくとも1つを含むこと、
    を特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
  4. リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極と、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、リチウムイオン伝導性を有する電解質と、を含むリチウム二次電池の製造方法であって、
    前記負極の集電体の第1の面に第1の活物質層を形成する工程と、前記集電体の第1の面に対向する第2の面に第2の活物質層が形成された極板を巻き取る工程と、
    前記第1の活物質層および前記第2の活物質層とに真空中でリチウムを付与する工程と、を有し、
    前記リチウムを付与する工程は、前記第1の活物質層にリチウムを付与後、前記極板を巻き取る前に、前記第2の活物質層にリチウムを付与する工程であって、
    前記リチウムを付与された前記第1の活物質層が触れる部分は、リチウムと合金化しない材料で構成されていること、
    を特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
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