JP4368193B2 - リチウム前駆体電池及びリチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウム前駆体電池及びリチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池の改良に関し、特にリチウム二次電池用負極の改良に関する。
リチウムイオンを吸蔵、放出する炭素材料を負極活物質とするリチウム二次電池は、リチウムが金属状態で存在しないため、樹枝状(デンドライト状)リチウムの析出がなく安全性やサイクル寿命に優れ、且つ高エネルギー密度で高容量であるので、移動情報端末等の駆動電源として広く利用されている。
然るに、近年、移動情報端末の多機能化・高機能化が進み、これに伴い消費電力も大きくなった。このため、従来以上に高容量な電池が求められるようになった。
このような背景にあって、リチウム吸蔵能を有しかつ炭素材料よりもリチウム吸蔵量が多いケイ素が、炭素材料に代わる負極用活物質として注目されている。しかし、ケイ素はリチウムの吸蔵・放出による体積変動が大きく、サイクル寿命が短いために実用電池として使用できるほどの性能が得られないという問題があった。
この問題を解決する手段として、種々の提案がなされており、例えば特許文献1では、非結晶シリコン又は微結晶シリコンを用いる技術が提案されている。
特開2002−83594号公報(要約書)
この技術では、例えば粗化した集電体上に非結晶シリコン又は微結晶シリコンを主体とする活物質層を堆積させ、充放電することで、柱状の活物質層を形成させる。この手段によると、活物質の膨張収縮が吸収され、電極からの活物質の脱落が防止できる等により、優れたサイクル性能を有する高容量負極が得られる。
しかし、この技術によっても、初期充放電効率が100%にならないとともに、充放電サイクル時に徐々に極板が膨張し、それが原因でサイクル劣化を招くなどの問題がある。
他方、リチウムと合金化する金属等を備えた負極に予めリチウムを添加することにより、初期特性を改善する技術が提案されている(特許文献2〜4)。
特開2003−217574号公報(要約書) 特開平7−326345号公報(要約書) 特開平4−255667号公報(要約書)
しかし、上記各技術においては金属リチウムやリチウム合金を使用するが、金属リチウム等は反応性が高いので取扱性が悪く、また空気と反応してその表面に酸化膜が形成されると導電性が大きく低下するため、初期特性・サイクル特性が低下するという問題がある。
発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究を行ったところ、リチウムとケイ素を含む合金層とし、このリチウム−ケイ素合金層を、前記リチウム−ケイ素合金層を負極集電体とリチウムを含まない最表層を設け最表層との間に介在させることにより、空気とリチウムとの反応を確実に抑制しつつ負極にリチウムを含ませることができ、これによって初期特性及びサイクル特性が向上することを見いだした。
本発明は以上の知見に基づき完成されたものであって、電池容量が大きく、サイクル特性に優れたリチウム二次電池の前身であるリチウム前駆体電池、及びリチウム前駆体電池を経てなるリチウム二次電池を製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのリチウム前駆体電池は、正極と、ケイ素を主成分とする非晶質又は微結晶質薄膜層からなる負極と、非水電解質と、を備えたリチウム前駆体電池において、前記負極は、リチウムを含まない最表層と、負極集電体と前記最表層との間に介在するリチウムを含む層と、を備えることを特徴とする。
ここで、「リチウム前駆体電池」とは、充放電を一度も行っていない電池組み立て後の電池のことを意味する。
また、「ケイ素を主成分とする」とは、ケイ素原子の量を100としたとき、他の元素の総量が50以下であることを意味する。
また、「リチウムを含む」とは、ケイ素の層に意図的にリチウムを含ませたことを意味し、「リチウムを含まない」とは、ケイ素の層に意図的にリチウムを含ませていないことを意味する。したがって、「リチウムを含まない最表層」には、ケイ素原料に由来する不純物としてのリチウムがごく微量に含まれているものであって、ケイ素の層に意図的にリチウムを含ませていない最表層は、「リチウムを含まない最表層」に該当する。
また「非晶質または微結晶質」とは、非晶質及び結晶子サイズが100nm以下の微結晶を意味する。非晶質であるか否かの判定及び微結晶薄膜中の結晶子サイズの測定は、X線回折スペクトル中のピークの有無、及びピークの半値幅をScherrerの式に適用することによって行うことができる。
上記リチウム前駆体電池の発明において、前記リチウムを含む層が、負極集電体上に直接形成されている構成とすることができる。
また、前記リチウムを含む層に含まれるリチウム量が、ケイ素原子の量を100としたとき、1以上50以下である構成とすることができる。
また、前記負極集電体表面の算術平均粗さRaが、0.1μm以上である構成とすることができる。算術平均粗さRaは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められている。算術平均粗さRaは、例えば触針式表面粗さ計により測定することができる。
また、前記リチウムを含む層の層厚が、0.5μm以上である構成とすることができる。
また、前記最表層の層厚が、0.5μm以上である構成とすることができる。
また、前記負極は、ケイ素、リチウム以外の異種元素を含む構成とすることができる。異種元素(これはケイ素を主成分とする非晶質又は微結晶質薄膜層(リチウムを含む層、最表層等)に添加される)としては、炭素、アルミニウム、シリコン、リン、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、具体的には、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ランタノイド系元素、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀等から選ばれる少なくとも一種の元素が例示できる。これらの中で好ましくはコバルトを用いる。
上記課題を解決するためのリチウム二次電池の製造方法にかかる本発明は、ケイ素を主成分とする非晶質又は微結晶質薄膜層を、負極集電体上に堆積させる負極作製工程を備えるリチウム二次電池の製造方法において、前記負極作製工程が、リチウムを含む層を作製する第一ステップと、前記第一ステップの後、リチウムを含まない最表層を作製する第二ステップと、を備えることを特徴とする。
ここで、「ケイ素を主成分とする」、「非晶質又は微結晶質」、「リチウムを含む層」、および「リチウムを含まない最表層」の意味は前記リチウム前駆体電池にかかる発明における場合と同様である。
上記リチウム二次電池の製造方法においては、前記第一ステップが負極集電体上に直接ケイ素を含む層を作製するステップである構成、とすることができる。
また、前記第二ステップが前記第一ステップの直後に行われる構成、とすることができる。
また、前記負極の集電体表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上である構成、とすることができる。
また、前記リチウムを含む層を作製するステップ及び最表層を作製するステップが真空中に原料を供給して堆積させる方法である構成、とすることができる。
また、前記真空中に原料を供給して堆積させる方法が蒸着法、スパッタリング法のいずれかである構成、とすることができる。
ケイ素にリチウムを含めた層は空気と触れると激しく反応するが、本発明リチウム二次電池の製造方法によると、リチウムを含む層はリチウムを含まない最表層で覆われているため、直接空気と接触することがない。。このため、取扱性を低下させることがなく、しかも予め負極にリチウムを含有させることができる。この構成のリチウム前駆体電池は、初回充放電により負極全体に円滑にリチウムが挿入されるので、初期充放電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を簡便に実現することができる。
また、ケイ素は充放電に伴うリチウムイオンの吸蔵脱離によって大きく体積が変動するが、リチウムを含む層を負極集電体上に直接形成する構成とすると、リチウムを含む層は予め充電された状態であるので、充放電に伴う活物質の膨張・収縮に起因する活物質と集電体との間の応力を緩和することができる。これにより、充放電に伴う活物質の集電体からの剥離が抑制され、その結果として、サイクル特性が顕著に向上する。
また、リチウムの添加量は対極の活物質量や電池構成等によって適宜変化させることが必要であるが、添加量が過小であると本発明の効果がほとんど得られず、その一方リチウム量が過大であると、サイクル特性が十分に向上しない。よって、ケイ素原子の量を100としたとき、リチウム原子の量が1以上50以下であるとすることが好ましい。また、より好ましくは、5以上30以下とし、さらに好ましくは10以上20以下とする。
また、負極集電体の表面に凹凸構造が形成されていると、充放電によって図5に示すリチウム−ケイ素を主成分とする柱状構造53が形成される。この柱状構造が形成されると、充放電に伴う負極の膨張収縮による活物質の集電体から脱離が顕著に抑制される。よって、サイクル特性が一層向上する。更にこの凹凸構造の算術平均粗さRaの値が0.1μm以上であると、この効果が十分に発揮される。
また、前記リチウムを含む層の層厚が0.5μm以上であると、負極に予め含有させるリチウム量を十分に確保でき、その結果としてサイクル劣化が一層小さくなる。
また、前記最表層は、リチウムの酸化を阻止することができればよく、理論上はケイ素の表面近傍の酸化によって酸素が侵入する厚み(数nm程度と予想される)以上あればよいが、最表層作製上や信頼性の面から、最表層の厚みを0.5μm以上とすることが好ましい。
また、ケイ素を主成分とする非晶質又は微結晶質薄膜層に異種元素が添加されていると、この異種元素がサイクル特性を向上させるように作用する。
また、この異種元素の添加量が過小であると、サイクル特性の向上の効果が十分に得られず、その一方、過大であると活物質であるケイ素量が減少し容量が小さくなるので、異種元素の添加量としては、ケイ素を100質量部としたとき、5〜50質量部の範囲内であることが好ましく、10〜30質量部の範囲内であることがより好ましい。
リチウム二次電池の製造方法にかかる本発明によると、第一の態様の本発明リチウム前駆体電池及びこれを充放電してなるリチウム二次電池を効率よく製造することができる。
ここで、前記第一ステップはケイ素を含む層を負極集電体上に直接形成するステップである必要はなく、負極集電体上にシリコン層(異種元素を含んでいてもよい)を形成した後、リチウムを含む層を形成するステップであってもよい。しかし、リチウムイオンの吸蔵脱離に伴う活物質の体積変動と負極集電体との応力を緩和するためには、負極集電体上にリチウムを含む層を直接形成することが好ましい。
また、前記第二ステップは前記第一ステップの直後に行う必要はなく、第一ステップの後異種元素を含み、且つリチウムを含まないケイ素層を作製し、その後異種元素やリチウムを含まないケイ素からなる最表層を設けるステップであってもよい。しかし、リチウムを含む層と最表層との間に他の層を設けてもサイクル特性の向上等の効果が得られないので、第一ステップの直後に第二ステップを行うのが製造しやすい。
また、前記負極集電体表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上であると、充放電によってリチウム−ケイ素の柱状構造が形成され、充放電に伴う負極の膨張収縮によって活物質が集電体から脱離することがなくなる。したがって、サイクル特性が向上する。この凹凸構造の算術平均粗さRaの値が0.1μm以上であると、この効果を十分に発揮できるので好ましい。
また、前記負極を作製する工程が、真空中に原料を供給して堆積させる方法により行われると、リチウムが空気と接触しない状態でリチウムを含む層を作製できるので、取扱性に優れる。
このような方法として、蒸着法、スパッタリング法が例示できる。
本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて以下に詳細に説明する。本発明は下記実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
図1は本発明の実施の形態に係るラミネート外装体を用いたリチウム前駆体電池(充放電後にはリチウム二次電池となり、以下リチウム二次電池と称する)の斜視図、図2はリチウム二次電池の封口部分拡大断面図である。
本発明のリチウム二次電池は、図2に示すように、外装体40内に負極集電体41と負極活物質層42、正極集電体43と正極活物質層44、両電極を離隔するセパレータ45を有している。また、外装体40内には、非水溶媒にリチウム塩(電解質塩)が溶解されてなる非水電解質46が収納されている。
更に、上記負極集電体41には負極タブ47が取り付けられ、封口部40aより外部に突出している。また、図示されていないが、正極集電体43に正極タブ48が取り付けられ、負極タブ47と同様に封口部40aより突出した構造である。このようにして、電池内部で生じた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部へ取り出し得るようになっている。
ここで、上記外装体は、例えば樹脂層−接着剤層−アルミニウム層−接着剤層−樹脂層が接着された五層構造のアルミラミネートフィルム等を用いることができる。
次に、本発明を実施するための電池作製方法について説明する。
〈負極の作製〉
圧延銅箔(厚み18μm)に電解処理で銅粒子を付着させ、算術平均粗さRaを0.1以上とし、負極集電体41を作製した。これを図3に示す電子ビーム蒸着装置の供給ローラからメインローラ周囲を通過し、巻取りローラに巻き取られるように配置した。
また、電子ビーム蒸着源1の坩堝にリチウム、電子ビーム蒸着源2の坩堝にコバルト、電子ビーム蒸着源3の坩堝にシリコンを入れておいた。
まず、チャンバー内を真空ポンプで1×10-4 Pa以下まで排気し、集電体を供給ローラから巻取りローラに移動させながら、リチウム及びシリコンの電子ビーム蒸着源の坩堝に照射する電子ビーム電流を調整して、図4に示すLi−Si層51を形成した。
続いて、シリコンの電子ビーム蒸着源の坩堝に照射する電子ビーム電流を調整してシリコン最表層52を形成した。
この後、各電子ビーム蒸着源の坩堝に照射する電子ビーム電流を調整して坩堝内の材料の蒸発速度を変化させることで、堆積する薄膜の組成、厚みを調整して、最表層(活物質層)を形成した。
なお、電子ビーム蒸着で薄膜を形成すると、集電体が加熱されて変形する、強度が低下するなどの問題があるため、メインローラ中に水を循環させることで集電体を冷却している。ただし、冷却方法はこれに限定されない。
得られた薄膜を集電体とともに2.5×2.5cmの大きさに切り取り,負極タブ47を取り付けることで負極を完成した。
なお、蒸着法以外に、スパッタ法でもほぼ同様の工程により作製することができる。以下に蒸着法とスパッタ法との相違点を説明する。
蒸着法では電子ビームを当てて材料を蒸発させ、基板に堆積させるのに対し、スパッタ法は、高周波や電流を印加し、Arプラズマを当てて材料を飛散させることで基板に堆積させる。
〈正極の作製〉
コバルト酸リチウム90質量部と、人造黒鉛からなる導電剤5質量部と、ポリテトラフルオロエチレンからなる結着剤5質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合し、活物質スラリーとした。
この活物質スラリーをドクターブレードにより厚み18μmのアルミニウム箔からなる正極集電体43の2×2cmの領域に塗布した後乾燥し、スラリー作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、この極板の活物質未塗布部分に正極タブ48を取り付け、正極を作製した。
〈電解質の調製〉
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比3:7となるように混合した混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1M(モル/リットル)となるよう溶解し、電解液を作製した。
〈電極体の作製〉
正負極をオレフィン系樹脂からなる微多孔膜(厚み:0.025mm)からなるセパレータを間にし、かつ各極板の幅方向の中心線を一致させて重ね合わせて、電極体を作製した。
樹脂層−接着剤層−アルミニウム層−接着剤層−樹脂層からなる5層構造のシート状のラミネート材を用意し、アルミラミネート材を二つ折りにして、その上端と左右端を合わせた。次に、正負電極タブ47、48この筒状アルミラミネート材の上端部からが突出するようにして電極体1をその収納空間内に挿入し、この後、正負電極タブ47、48が突出している上端40a及び片側端を溶着した。次いで未だ溶着されていない開口(封止後、封止部4cとなる部分)から電解液を注液した後、封止部を溶着した。各端部の封止には、高周波誘導溶着装置を用いた。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1〜4、比較例1、2)
下記表1に示すように、リチウムを含む層の厚み、活物質層(最表層)の厚み、活物質層に含まれる他の元素の条件を変化させたこと以外は、上記実施の形態と同様にして電池を作製した。
なお、実施例4には、最表層のシリコン層に30質量%のコバルトが添加されている。
また、Li−Si層層のLi比率は、全てケイ素100原子に対しリチウム20原子である。
また、上記のように作製した電池を、以下の条件で充放電し、サイクル特性を測定した。試験条件を以下に記載するとともに、試験結果を下記表1に示す。
サイクル特性試験
充電条件:定電流 13mA、終止電圧4.2V、25℃
放電条件:定電流 13mA、終止電圧2.75V、25℃
サイクル特性(サイクル容量維持率)(%):(100サイクル目放電容量/最大放電容量)×100
Figure 0004368193
上記表1から、リチウムを含む層を最表層と負極集電体との間に形成した実施例1〜実施例4では、初期容量が5.3〜8.6mAh、容量維持率が46〜78%であったのに対し、リチウムを含む層を形成していない比較例1では、初期容量が3.8mAh、容量維持率が32%と顕著な差があることがわかる。
これは、比較例1は負極に予めリチウムが添加されていないので、負極にトラップされ、充放電に寄与しなくなったリチウムが増加したことによるものと考えられる。
また、上記表1から、リチウムを含む層を最表層と負極集電体との間に形成した実施例1〜実施例4では、初期容量が5.3〜8.6mAh、容量維持率が46〜78%であったのに対し、リチウムを含む層を最表層に形成した比較例2では、初期容量が1.2mAh、容量維持率が17%と顕著な差があることがわかる。
これは、比較例2はリチウムが最表層に添加されているので、酸素等と触れたときに最表層が酸化され、負極の導電性が著しく低下したものと考えられる。
また、上記表1から、リチウム量が1.0原子%以上である実施例2〜実施例4では、初期容量が6.9〜8.6mAh、容量維持率が63〜78%であったのに対し、リチウム量が0.5原子%である実施例1では、初期容量が5.3mAh、容量維持率が46%と顕著な差があることがわかる。
これは、実施例1は負極に予め添加されているリチウムが少ないので、充放電に寄与する負極のリチウム量が少なすぎるためと考えられる。
また、上記表1から、最表層にコバルトが添加されている実施例4では、容量維持率が78%であったのに対し、最表層にコバルトが添加されていない実施例1〜実施例3では、容量維持率が46〜63%と顕著な差があることがわかる。
これは、実施例4は負極に添加されているコバルトがサイクル特性を向上させるように作用するためと考えられる。
〔その他の事項〕
尚、上記実施例ではラミネート外装体を使用したが、円筒形、コイン状、角形等種々の形状にすることができることは当然のことである。また、本発明は正極と負極とを交互に積層した電池や、正負極とセパレータとを巻回してなる電池にも適用できる。
また、正極活物質としては、リチウム含有遷移金属複合酸化物から選択される一種の化合物、あるいは二種以上の化合物を混合して用いることができ、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、鉄酸リチウム、またはこれらの酸化物に含まれる遷移金属の一部を他の元素で置換した酸化物等が用いることができる。
また、電解質に使用する非水溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン系化合物、エステル類、芳香族炭化水素等から選択される化合物の一種、あるいは二種以上混合して用いることができる。これらの内でも、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類が好ましく、特にカーボネート類がさらに好ましい。これらの具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、スルホラン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチルなどがあげられる。
また、電解質塩としては、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO22、LiCF3SO3、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4等のリチウム塩から選択される化合物の一種単独で、あるいは二種以上混合して使用することができる。また、前記非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は0.5〜2.0モル/リットルとすることが好ましい。
また、上記の実施の形態ではドクターブレードによりスラリーを塗布したが、ダイコーター、ローラコーティング法により塗布することもできる。また、アルミニウム箔のかわりにアルミニウムメッシュを用いても、同様に作製することができる。
上記の結果から明らかなように、本発明によると、サイクル特性に優れ、且つ容量の大きいいリチウム二次電池を提供できるという優れた効果を奏する。よって、産業上の利用可能性は大きい。
本発明に係るリチウム二次電池の正面図である。 本発明に係るリチウム二次電池の部分断面図である。 本発明に係るリチウム二次電池を作製するために用いた蒸着装置の概略を示す概念図である。 本発明に係るリチウム前駆体電池の負極の断面概念図である。 本発明に係るリチウム前駆体電池に対して充放電を行った後の負極の断面概念図である。
符号の説明
40 外装体
41 負極集電体
42 負極活物質層
43 正極集電体
44 正極活物質層
45 セパレータ
46 非水電解質
47 負極タブ
48 正極タブ
51 Si−Li層
52 活物質層(最表層)
53 リチウム−ケイ素柱状構造

Claims (13)

  1. 正極と、ケイ素を主成分とする非晶質又は微結晶質薄膜層からなる負極と、非水電解質と、を備えたリチウム前駆体電池において、
    前記負極は、リチウムを含まない最表層と、
    負極集電体と前記最表層との間に介在するリチウムを含む層と、
    を備えることを特徴とするリチウム前駆体電池。
  2. 請求項1に記載のリチウム前駆体電池において、
    前記リチウムを含む層が負極集電体上に直接形成されている、
    ことを特徴とするリチウム前駆体電池。
  3. 請求項1または2に記載のリチウム前駆体電池において、
    前記リチウムを含む層に含まれるリチウム量がケイ素原子の量を100としたとき、1以上50以下である、
    ことを特徴とするリチウム前駆体電池。
  4. 請求項1、2または3に記載のリチウム前駆体電池において、
    前記負極集電体表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上である、
    ことを特徴とするリチウム前駆体電池。
  5. 請求項1、2、3または4に記載のリチウム前駆体電池において、
    前記リチウムを含む層の層厚が0.5μm以上である、
    ことを特徴とするリチウム前駆体電池。
  6. 請求項1、2、3、4または5に記載のリチウム前駆体電池において、
    前記最表層の層厚が0.5μm以上である、
    ことを特徴とするリチウム前駆体電池。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6に記載のリチウム前駆体電池において、
    前記負極は、ケイ素、リチウム以外の異種元素を含む、
    ことを特徴とするリチウム前駆体電池。
  8. ケイ素を主成分とする非晶質又は微結晶質薄膜層を、負極集電体上に堆積させる負極作製工程を備えるリチウム二次電池の製造方法において、
    前記負極作製工程が、リチウムを含む層を作製する第一ステップと、
    前記第一ステップの後、リチウムを含まない最表層を作製する第二ステップと、
    を備えることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  9. 請求項8に記載のリチウム二次電池の製造方法において、
    前記第一ステップが、負極集電体上に直接ケイ素を含む層を作製するステップである、
    ことを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  10. 請求項8または9に記載のリチウム二次電池の製造方法において、
    前記第二ステップが、前記第一ステップの直後に行われる、
    ことを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  11. 請求項8、9または10に記載のリチウム二次電池の製造方法において、
    前記負極集電体表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上である、
    ことを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  12. 請求項8、9、10または11に記載のリチウム二次電池の製造方法において、
    前記負極を作製する工程が、真空中に原料を供給して堆積させる方法により行われる、
    ことを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  13. 請求項12に記載のリチウム二次電池の製造方法において、
    前記真空中に原料を供給して堆積させる方法が、蒸着法またはスパッタリング法である、
    ことを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。


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