JP4961846B2 - リチウム電池用電極の製造方法 - Google Patents

リチウム電池用電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はリチウム電池用電極の製造方法に関するものである。
近年、携帯機器の小型化や多機能化が進み、これに伴って携帯機器の電源としての電池の高容量化が切望されている。現在主に使用されている負極活物質である炭素の理論容量は372mAh/gである。炭素よりも高容量化が可能な活物質として、理論容量が4200mAh/gであるシリコンが有望視されている。したがってシリコンを含む材料およびシリコンを含む材料の構造が数多く検討されている。
それらの1つに、集電体上にシリコンを膜として形成した活物質膜がある。シリコン膜はリチウム吸蔵により約400%と大きく膨張するという報告があり、膨張によって集電体にしわを生じるという課題がある。また、電池作製後最初の充放電時の初期充電容量よりも初期放電容量が小さくなるという課題がある(以下、(初期充電容量)−(初期放電容量)をリテンション容量と呼ぶ)。
この2つの課題を解決するために、リチウムとシリコンとを同時に成膜したリチウムシリコン合金膜からなる活物質膜が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここでリチウムシリコン合金とは、リチウムとシリコンを混合したものである。合金の組織には固溶体、共晶(共融混合物)、化合物(金属間化合物)あるいはそれらが共存するものなどがあるが、特に限定はしない。
シリコン膜は充電によるリチウムの吸蔵により膨張する。シリコン膜が膨張することに起因する応力が集電体にかかり、その応力が所定の値以上になると集電体は弾性変形を超えて不可逆の伸びとなり、その結果しわを生じる。膨張応力による伸びが集電体の弾性変形範囲内であれば、集電体にしわを生じないので望ましい。
シリコンを集電体上に成膜する際にリチウムを同時に成膜することで、電気化学的にリチウムを吸蔵したシリコン膜に特性が近いと考えられるリチウムシリコン合金膜を得ることができる。こうして得たリチウムシリコン合金膜は、リチウムを含んでいるにもかかわらず集電体に膨張応力がかかっていないと考えられている。
リチウムとシリコンを同時に成膜したリチウムシリコン合金膜を活物質膜として用いることができれば、集電体にしわを生じない高容量負極として使える。
また、リテンション容量を補填するためには、シリコン膜を活物質膜として電池を作製する前に、シリコン膜にあらかじめリテンション容量分のリチウムを加えておけばよいことが分かっている。リテンション容量としては初期充電容量の5%から8%程度であるという報告があり、この割合以上のリチウムを含むリチウムシリコン合金膜を形成すればよい。
シリコン以外の高容量負極としてはリチウム含有複合窒化物がある。リチウム含有複合窒化物にシリコンの窒化物を加えた負極も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−190902号公報 特開2003−338282号公報
特許文献1にある膜中のリチウム原子量をシリコン原子量で割った値(以下、「リチウム/シリコン比」と呼ぶ)が0.01以上0.5以下の範囲は、リテンション容量を補填するための条件であると言える。集電体上に成膜したリチウムシリコン合金膜のリチウム/シリコン比が0.01以上0.5以下と小さければ、この膜を活物質膜として充電した時に大きく膨張する。つまり膨張応力の緩和に役立つのは、リチウム/シリコン比の大きなリチウムシリコン合金膜におけるリテンション容量を超えたリチウム量である。
リチウムとシリコンを同時成膜する際に成膜量を調整してリチウム/シリコン比の大きなリチウムシリコン合金からなる活物質膜を得ることができる。しかし、現在広く用いられているコバルト酸リチウム(LiCoO)やニッケル酸リチウム(LiNiO)等のリチウムを含む正極との組み合わせで電池を構成すると動作することができない。
つまり、リチウム電池は正極・負極の間でリチウムイオンの移動が行われることにより充放電されるが、この組み合わせでは正極・負極共にリチウムを含有した状態であるため、リチウムイオンの移動が行われず充放電できない。つまり、電池として作動させるためにはあらかじめ正極・負極のいずれかからリチウムを脱離させておかなければならないという課題がある。
電池作製前に活物質膜からリチウムを脱離させる方法としては、電気化学的に脱離させる電極化成法がある。例えば、リテンション容量以上のリチウムを含有する負極活物質膜を考えた場合、負極活物質膜と対極としてのリチウム箔とを用いてモデルセルを作製し、リチウム箔に対して+1.5V程度になるまで0.1C程度の定電流を流すことにより過剰なリチウムを負極活物質膜から脱離させることができる。しかしながらこの方法ではリチウムを負極活物質膜から脱離させた後に、本来用いるLiCoO等の正極と組み直しして、電池を作製する必要がある。したがって生産性が極めて悪いという課題を有する。
特許文献2は、リチウム含有複合窒化物とシリコンの窒化物とを混合することで、リチウム含有複合窒化物に含まれるリチウムと、シリコンの窒化物のシリコンとが反応し、リチウム含有複合窒化物にもともと含まれていたリチウムを電気化学的に不活性化する技術である。しかしシリコンの窒化物を加えることで体積あたりの容量が小さくなるという課題を有する。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高容量のリチウム電池用電極を生産性の高い簡易な方法で得ることが可能な製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のリチウム電池用電極の製造方法は、集電体上に、リチウムシリコン合金膜を真空成膜する第1工程と、前記第1工程で得られた膜を熱処理する第2工程と、を有する製造方法であって、
第2工程における熱処理は、180℃以上280℃以下の不活性ガス雰囲気中または真空中で行う処理であること、を特徴とする。
本製造方法は、不活性ガス雰囲気中または真空中で行う熱処理であるので、方法が簡易で生産性が高い。
本発明のリチウム電池用電極の製造方法によれば、シリコン膜を活物質膜として用いた負極において、充電によって生じる活物質膜膨張を低減し、集電体へのしわ生成を抑制した負極を、LiCoO等の正極と組み合わせて高容量のリチウム電池を作製することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態において、同一の部分には同一の番号を記し、重複する記載を省略する場合がある。
(実施の形態)
図1は本発明のリチウム電池用電極の製造プロセスフロー図を示す。
第1工程では集電体上にリチウムシリコン合金膜を成膜する。リチウムとシリコンとを同時に成膜することによりリチウムシリコン合金膜が得られる。
成膜は真空成膜法によって行われ、リチウムを主材料とする第1成膜源とシリコンを主材料とする第2成膜源とから、それぞれ飛来したリチウム原子とシリコン原子とが集電体上に析出する。これによって集電体上にリチウムシリコン合金膜が得られる。
真空成膜の方式としては真空蒸着法、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いることが出来るが、中でも真空蒸着法は成膜速度に優れているので好ましい。以下では真空蒸着法の場合を例に説明する。
図2に、リチウムとシリコンとを同時に蒸着する真空蒸着装置の概略図を示す。図2において、真空槽5内は、油回転ポンプ51や油拡散ポンプ52あるいはクライオポンプまたはターボ分子ポンプなどの真空ポンプを用いて真空槽内を0.01Pa程度に排気されている。ステンレス製クヌーセンセル1内にはリチウムが配されており、カーボン製坩堝2内には高純度のシリコンが配されている。また、基板ホルダー4には、集電体としての粗面化銅箔3が保持されている。シャッター41は、成膜を制御する。
リチウムを真空蒸着する際の成膜源は、抵抗加熱方式をとることが簡便であり好ましい。蒸発源の形状は一般に広く用いられているボート加熱の方式はもとより、クヌーセンセル方式を用いることも出来る。リチウム蒸発源の温度としては例えば500〜600℃である。高温に加熱された活性なリチウムは真空槽中の酸素や水分などの残留ガスと反応して酸化しやすいので、蒸発源近傍にアルゴンなどの不活性ガスを微量導いておくことは有効である。
一方、シリコンを真空蒸着する際の成膜源は、電子ビーム加熱を熱源とすることが望ましい。その理由は蒸発に際して、シリコンはリチウムに比して高温に加熱することが要求されるからである。溶融するシリコンを保持する方法としては水冷銅ハースを用いても良く、また、炭素や窒化ホウ素などからなる坩堝を用いることも出来る。
油回転ポンプや油拡散ポンプあるいはクライオポンプまたはターボ分子ポンプなどの真空ポンプを用いて真空槽内を0.01Pa程度に排気した後、成膜を行う。その際、リチウム/シリコン比が所定の値になるように各成膜源の成膜速度を調整する。
第2工程は、前記第1工程で形成されたリチウムシリコン合金膜に対して熱処理を行う。第1工程で形成したリチウムシリコン合金膜中の原子、特にリチウムが熱処理雰囲気中の酸素、窒素や水分などの残留ガスと反応して劣化を生じることを防止するため、熱処理は不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で行うことが望ましい。不活性ガス雰囲気としてはアルゴン等の不活性ガスを用いることが出来る。また、熱処理は温度180℃以上280℃以下で行うことが必要である。熱処理温度が180℃未満では活物質膜の組成にほとんど変化は生じない。180℃〜280℃で熱処理することにより、活物質膜中のリチウムが大きく減少する。また、リチウムの融点は179℃であり、熱処理温度を180℃以上にすることでリチウムシリコン合金膜中のリチウムが液化し活物質膜中から排出されるものと思われる。また、熱処理温度が280℃を超えると、リチウムは排出されるとみられるが活物質膜中のシリコンが吸蔵・放出できるリチウム量が大きく減少する。理由は明確でないが、例えば集電体金属が拡散してシリコンと化学反応し、シリコンがリチウムと結合しにくい形態へ変化したと思われる。
第1工程および第2工程を経て得られた活物質膜を用いた負極は、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどといった一般的に使用されるリチウムを含む正極活物質を含む正極と、微多孔フィルムなどからなるセパレータと、6フッ化リン酸リチウムなどを炭酸エチレンや炭酸ジエチルなどに溶解した、一般に知られている組成のリチウムイオン伝導性を有する電解液と共に用いることで、捲回型や角型あるいはコイン型といった一般的な形状のリチウム二次電池が作製出来る。
第1工程で形成するリチウムシリコン合金膜のリチウム/シリコン比としては、充放電によって集電体にしわを生じないことを満たす必要がある。充電によって生じる活物質膜の膨張応力をなくすためには、成膜するシリコン膜厚相当の400%である4倍のリチウムシリコン合金膜を成膜すればよい。成膜条件によってやや異なると推測されるが、リチウム/シリコン比が2.9の時にシリコン膜厚相当の5倍のリチウムシリコン合金が得られたので、比例計算するとリチウム/シリコン比が2.3以上であればシリコン膜厚相当の4倍のリチウムシリコン合金が得られる。
リチウム/シリコン比の上限としてはリチウムシリコン合金において偏析しないことが必要だと考えられる。SiLi22の相が報告されており、リチウム/シリコン比は4.4である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
前述した図2に示す真空蒸着装置を用いた。リチウムは、本荘ケミカル製のリチウム金属粒子を用い、ステンレス製クヌーセンセル1に入れ、抵抗加熱方式で蒸着を行った。ステンレス製クヌーセンセル吹き出し口の側にはアルゴンガスを1sccm導入しておいた。シリコン21は、高純度化学製の高純度シリコンインゴットを1cm程度の大きさに砕いたものを用い、内径5cmのカーボン製坩堝2に入れ、270度偏向型の電子ビームで加熱して蒸着を行った。成膜の基板は、古河サーキットフォイル製の粗面化銅箔3(芯材35μm厚、Ra=2.0μm)を12cm角に切り出し、10cm角の開口部を設けた蒸着のマスクの役目も果たす基板ホルダー4にセットした。真空槽5内は油回転ポンプ51および油拡散ポンプ52を用いて排気した。
リチウムおよびシリコンの成膜レートは、2台の水晶振動子膜厚計(図示せず)を用いて測定した。水晶振動子膜厚計は、他方の蒸着によって膜厚計測に影響を受けない場所に設置した。予め一方の材料のみで単独成膜を行い、得られた膜厚の値から比を求め水晶振動子膜厚計に係数を入力しておいた。
リチウム/シリコン比が3となるように、シリコンの成膜レートは0.8nm/sec、リチウムは2.6nm/secになるよう制御した。その際、成膜レートが一定となるように、リチウム蒸着に関しては抵抗加熱ヒータの電流と電圧を制御し、シリコン蒸着に関しては電子ビームの電圧は一定にしたまま電流値を制御した。シャッター41を180分間開くことにより、この条件を維持して成膜を行った。
得られた膜をSEMで断面観察すると、厚さは45μmで、空孔は見られず緻密な膜であった。
ICP発光分析を行った結果、リチウムが1.5mg/cm、シリコンが2.1mg/cmという組成であった。リチウム/シリコン比は2.9であり、リチウムとしての膜厚は28μm相当、シリコンとしての膜厚は9μm相当という結果であった。成膜されたリチウムが全て放電に寄与するとした時の放電容量は5.8mAh/cmであり、成膜したシリコンが全て理論値である4.4個のリチウムを吸蔵・放出するとした時の充放電容量は8.8mAh/cmである。
内径10cm長さ50cmの石英ガラス管に純度6Nのアルゴンを1L/minの流量で30分以上流すことにより不活性雰囲気に置換した。前記石英ガラス管に電熱線ヒータを巻いて熱処理装置とした。前記膜から1cm角の試料を切り出し、アルゴン雰囲気中180℃で1時間熱処理した。室温まで冷却した後、前記試料を取り出した。
熱処理した前記試料を電極6として、旭化成製の厚さ20μmのポリエチレン微多孔膜のセパレータ7を介して、本荘ケミカル製の厚さ300μmのリチウム金属箔8を対極として、R2016のコイン電池を作製した。コイン電池の概要断面図を図3に示す。電極6から集電するための金属円板9、電極を加圧するための皿ばね10、封止および外部での正負の端子の役割を果たすためのケース11、封口板12およびガスケット13からなる。電解液には炭酸エチレン、炭酸ジエチルを体積比1:1で混合し、これに6フッ化リン酸リチウムを1mol/L溶解して調製した溶液を用いた。電解液の含浸は、前記セパレータ7および前記電極6を浸漬することで行った。
充放電は電流が0.2mA一定、充放電の終止電圧が0Vおよび1.5Vとなるように行い、終止電圧に達した後は30分間電流を流さないようにして、繰り返し行った。対極にリチウム金属箔を使っているので今回は、活物質膜へのリチウム吸蔵を充電と呼び、リチウム金属箔へのリチウム析出を放電と呼ぶことにした。
充放電の結果を表1に示す。なお充放電は前記の熱処理を経ても多少のリチウムが電極中に残留していることが想定されるため放電から開始した。その結果初回放電で0.5mAh/cm放電した。その後はリテンション容量がなく、7.3mAh/cmの充電と放電を繰り返し行えた。5サイクル後に電池を分解し観察した結果、集電体である銅箔にしわ等の変形は生じていなかった。
以上の結果をまとめると、1点目には初回放電容量は当初成膜されたリチウム量からの計算値である5.8mAh/cmより大きく減少した0.5mAh/cmであった。2点目には前記初回放電後に行った1サイクル目の充放電においてリテンション容量がなかった。3点目には充放電後の粗面化銅箔に活物質膜の膨張・収縮によるしわは生じなかった。
結果の1点目、2点目では、前記熱処理過程においてリテンション容量+0.5mAh/cm以外のリチウムが液化または蒸発して膜中からなくなったことの証左と考えることができる。ここでリチウムの蒸気圧は融点の179℃で約1E−8Paであり、蒸気圧は非常に低いので蒸発したとは考えにくい。十分な解析はできていないが、リチウムの融点以上の温度でリチウムシリコン合金膜中のリチウムとシリコンの結合が切れ、リチウムが液化し、何らかの力で膜中から排出されたと考えられる。
同時蒸着の過程で膜中に取り込まれたリチウムのうち、リテンション容量補填分に相当するリチウムは成膜過程および本熱処理中に、電気化学的に不活性となるシリコンとの結合を形成しているものと推定される。前記リテンション容量補填分に相当するリチウムは、シリコンとの結合力が比較的強いため本熱処理工程を経た後でもほとんどそのまま膜中に残るものと推定される。
結果の3点目では、リチウムとシリコンを同時に蒸着したリチウムシリコン合金膜を活物質膜とする電極は、リチウムを対極として同電位まで充電することによる活物質膜の膨張によって生じる膨張応力が粗面化銅箔にかかっても、粗面化銅箔は弾性破壊しないと考えることができる。
シリコンのみを蒸着したシリコン膜を活物質とする電極では、リチウムを対極として同電位まで充電すると400%膨張すると言われている。そして実験の結果、シリコン膜厚/銅箔厚の比が0.2以上になるとしわが生じる。35μm厚の銅箔を用いた場合、7μm以上のシリコン膜を成膜し充放電を行うと多数のしわが生じる。
本発明では9μm相当のシリコンを同時にリチウムも蒸着することで45μmの厚みに成膜している。9μm相当のシリコンを5倍の45μmの厚みで成膜していることになり、充電による膨張応力が非常に小さいか、ないものと考えられる。
(実施例2)
アルゴン雰囲気中で熱処理する温度が280℃であること以外は実施例1と同様にして電池を作製し、充放電を行った。
充放電容量の結果を表1に示す。最初の放電で0.3mAh/cm放電し、その後は6.9mAh/cmの充電と放電を繰り返し行えた。5サイクル後に電池を分解し観察した結果、集電体にしわ等の変形は生じていなかった。
(比較例1)
アルゴン雰囲気で熱処理する温度が室温(未処理)、150℃、300℃であること以外は実施例1と同様にして電池を作製し、充放電を行った。
充放電容量の結果を表1に示す。熱処理温度が室温及び150℃の場合は、最初の放電で5.0mAh/cm放電し、その後は7.5mAh/cmの充電と放電を繰り返し行えた。5サイクル後に電池を分解し観察した結果、集電体にしわ等の変形は生じていなかった。熱処理温度が300℃の場合は、最初の放電で0.001mAh/cm放電し、その後は0.08mAh/cmの充電と放電を繰り返し行えた。
以上のコイン電池の評価によって次のことが分かる。150℃以下での熱処理では、活物質膜はほとんど変化していない。一方、300℃以上の熱処理では、活物質膜が変化しリチウムの吸蔵に寄与できるシリコン原子がほとんどなくなってしまっている。
本発明にかかるリチウム電池用電極の製造方法は、リチウム二次電池の製造方法として有用である。
本発明の実施の形態におけるリチウム電池用電極の製造プロセスフローを示す図 本発明の実施の形態におけるリチウムとシリコンとを同時に蒸着する真空蒸着装置の概略図 本発明に実施例に用いたコイン電池の概要断面図
符号の説明
1 ステンレス製クヌーセンセル
2 カーボン製坩堝
3 粗面化銅箔
4 基板ホルダー
5 真空槽
6 電極
7 セパレータ
8 リチウム金属箔
9 金属円板
10 皿ばね
11 ケース
12 封口板
13 ガスケット
21 シリコン
41 シャッター
51 油回転ポンプ
52 油拡散ポンプ

Claims (5)

  1. 集電体上に、リチウムシリコン合金膜を真空成膜する第1工程と、前記第1工程で得られた膜を熱処理する第2工程と、を有するリチウム電池用電極の製造方法であって、
    前記第2工程における前記熱処理は、180℃以上280℃以下の不活性ガス雰囲気中または真空中で行う処理であること、を特徴とするリチウム電池用電極の製造方法。
  2. 前記リチウムシリコン合金膜のリチウム/シリコン比が2.3以上4.4以下であること、を特徴とする請求項1記載のリチウム電池用電極の製造方法。
  3. 前記リチウムシリコン合金膜のリチウム/シリコン比が2.9以上4.4以下であること、を特徴とする請求項1記載のリチウム電池用電極の製造方法。
  4. 前記第1工程がリチウムを真空成膜する工程とシリコンを真空成膜する工程とを同時に行う工程であること、を特徴とする請求項1記載のリチウム電池用電極の製造方法。
  5. 前記真空成膜する工程が真空蒸着する工程であること、を特徴とする請求項1または4記載のリチウム電池用電極の製造方法。
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