JP5172134B2 - 非水電解質二次電池およびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、黒鉛材料を負極に用いた電池においては、達成されている黒鉛の実用容量は約350mAh/gであり、黒鉛材料の理論容量(372mAh/g)にかなり接近している。そのため、負極に黒鉛材料を用いる限り、将来の飛躍的な容量向上は望めない。一方、携帯機器の高機能化に伴い、そのエネルギー源となる非水電解質二次電池に要求される容量は増大する傾向にある。よって、さらなる高容量化を実現するためには、黒鉛以上の容量を有する負極材料が必要となる。
また、上述のように一般的なリチウムイオン電池においては、負極活物質には黒鉛が用いられおり、この黒鉛においても、黒鉛と非水電解液との被膜形成反応によって不可逆容量が発生する。この場合も、一般的には正極からのリチウムによって上記不可逆容量を補填しているために、本来正極が持っている放電容量より少ない電池容量になっている。
さらには、特許文献4において、負極集電体上に負極合剤層を形成し、その上に、真空蒸着法またはイオンプレーティング法などの乾式成膜法によって、リチウム金属よりなる軽金属層を形成することが提案されている。この軽金属層を形成した負極を乾燥雰囲気または電解液中に保存することにより、リチウムイオンが負極合剤層に吸収されることが報告されている。
また、特許文献4の手法を用いた場合、特許文献3の手法と異なり、負極全面を均一にリチウムで覆うことが可能になる。しかし、特に真空蒸着法を用いた場合、リチウム蒸気が負極活物質層の表面で固化する際に、その凝固熱を負極活物質が受ける。この凝固熱は非常に大きく、たとえば有機高分子からなるバインダなどはその多くが熱分解を生じて劣化してしまう。
前記負極の活物質を含む層の表面に、リチウムを主体とする金属膜を接触させて、リチウムと負極の活物質とを反応させる工程、および
前記工程を経た負極を正極と組み合わせて電極群を構成する工程
を有し、前記負極の活物質が、黒鉛、難黒鉛化炭素、ケイ素単体、ケイ素を含む化合物、およびスズを含む化合物からなる群より選択される非水電解質二次電池の製造方法を提供する。
これらの方法は、電気化学的にリチウムを負極活物質に吸蔵させる方法に比べて、吸蔵反応を均一に進行させることが可能であり、かつ電池を構成する前にリチウムを吸蔵させることが可能であるために、集電不良を起こしにくい。
本発明により、上で述べたような課題を生じず、安全に負極活物質の不可逆容量を補填することが可能となる。
また、バインダは集電体と活物質とを結合する接着力を有し、かつ電池が動作する電位範囲において電気化学的に不活性であればどのような材料を用いても構わない。例えば、スチレン−ブチレン共重合ゴム、ポリアクリル酸、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリイミド系樹脂等がバインダとして適している。これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。バインダの添加量は、合剤層の構造維持の観点からは多いほど好ましいが、電池容量および放電特性の向上の観点からは少ない方が好ましい。さらには、上記バインダは熱処理を行うことが前提であることから、耐熱性であることが望ましい。
集電体の厚みは、6μm以上50μm以下であることが好ましい。厚みが6μmより薄い集電体は、取り扱いが困難である上に、集電体に必要な強度も維持しにくく、活物質層の膨張および収縮によって切れたり、シワがよることがある。一方、50μmより厚い集電体では、電池に占める集電体の体積割合が大きくなり、電池の種類によっては容量の点で不利となる。また、分厚い集電体は曲げにくい等、取り扱いも困難である。
特に、負極活物質を含む層が、負極活物質およびバインダを含む塗着膜である場合、その塗着膜上に、リチウムを主体とする金属膜を直接形成すると、負極の活物質を含む層の表面に過度な温度が付加される。例えば、上述のように真空蒸着法で成膜した場合は、少なくとも400℃の、リチウム蒸気が固化する凝固熱が印加される。これにより、負極活物質自体が結晶化することにより、電池特性が低下したり、バインダが熱により劣化して負極活物質を保持できなくなったりするなど悪影響がでてくる。また、リチウムを主体とした金属膜は非常に柔らかく、ハンドリングに困難である。そのため担持体にリチウムを主体とした金属膜を保持させることにより、取り扱いやすくし、量産性を向上させる。
また、担持体として、一般的な非水電解質二次電池で用いられるセパレータを用いてもよい。この場合、リチウムを成膜したセパレータを負極と対向する状態で電極群を組み立てた後、熱処理を行えば、本発明の要件を満足する。この熱処理は、電極群を電池ケースに挿入した後に行ってもよい。しかし、電極群をみ立てた直後に熱処理した方が好ましい。その理由は、熱処理によりリチウムが負極に吸蔵されることで、電極群が痩せて、電池ケースへ入りやすくなるからである。
正極は、非水電解質二次電池の正極として知られているものであれば、特に限定なく用いることができる。正極の製造法は従来通りに行えばよい。例えば、正極活物質と、カーボンブラックなどの導電剤と、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダとを、液相中で混合し、得られたペーストをAl等からなる正極集電体上に塗布し、乾燥し、圧延することによって正極が得られる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、下記の実施例は本発明の好ましい形態を例示するものであり、本発明が下記の実施例に限られるわけではない。
実施例および比較例においては、以下の要領で負極および円筒型電池を作製し、そのサイクル寿命と放電容量について評価した。
(1)負極の製造
SiO(純度99.999%、フルウチ化学(株)製、インゴット)を黒鉛製坩堝の中に入れた。集電体シートとなる電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、厚さ20μm)を、真空蒸着装置内に設置した水冷ローラに貼り付けて固定した。その水冷ローラの直下にSiOを入れた黒鉛製坩堝を配置し、これを電子ビームで加熱して、SiOを集電体シートに真空蒸着させた。蒸着条件は、加速電圧−8kV、電流30mAとした。真空度は3×10-3Paとした。SiOは昇華性であるため、電子ビームが一点に集中せず、SiOのインゴット全面に分散するようにスキャンしながら蒸着を行った。
上記負極aを80℃において24時間の真空乾燥を行い、露点−60℃以下のドライ雰囲気で保管した。
上記負極aに対して、金属リチウム箔(厚み20μm、本荘ケミカル(株)製)を負極の両面の活物質薄膜の表面に同じ面積で貼り付けた。貼り付け加重は2kg/cm2になるようにして行った。このとき、上記金属リチウム箔の量は、負極の不可逆容量のほぼすべてを補填する量に相当する。この金属リチウム箔を貼り付けた負極aを前駆体aと称する。
この前駆体aを用いて、表1のような条件でリチウムを拡散させた。その結果を表1に示す。リチウムの拡散は、前駆体の表面にあるリチウム金属箔の消失を目視によって確認した。このとき前駆体aには何も加重をかけず、リチウム箔を貼り付けたそのままの状態で評価した。これらの操作を経て得た負極をそれぞれa−0〜a−11と称する。また、リチウム箔を貼り付けた状態で、前駆体aを室温のまま放置したものをa−12と称する。
表1において、前駆体表面にある金属リチウム箔に全く変化が見られない状態を「×」、リチウム箔の一部が拡散して活物質層の一部が見えている状態を「△」、完全に金属リチウム箔が拡散して活物質層のみが観察される状態を「○」とした。この結果によれば、加熱開始より24時間経過しても、60℃では負極a−0には全く拡散が生じておらず、48時間後にやっと一部のリチウムが拡散しはじめた。前記温度では非常に拡散が遅いことがわかる。
ドライ雰囲気下で拡散させた負極a−10およびa−11は、どの温度であっても完全に拡散することはなく、一部のリチウムが残存した。この残ったリチウムを分析したところ、表面に酸化リチウムが厚く形成されていた。この結果から、表面に形成された酸化リチウムがリチウムの拡散する反応を抑制したものと考えられる。また、室温のまま放置した負極a−12は、48時間後においても全く拡散は進行しなかった。
これらの処理を行った負極a−0〜12を用いて電池を作製した。
正極活物質LiCoO2を、Li2CO3とCoCO3とを所定のモル比で混合し、950℃で加熱することによって合成し、これを粒径45μm以下に分級したものを用いた。正極活物質100重量部に、導電剤のアセチレンブラックを5重量部、結着剤のポリフッ化ビニリデンを4重量部、および分散媒のN―メチル−2−ピロリドンの適量を加え、充分に混合し、正極合剤ペーストを得た。
正極合剤ペーストを厚み15μmのアルミニウム箔(昭和電工(株)製)からなる集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延した。その結果、集電体と、その両面に担持された正極合剤層からなる正極が得られた。
上記正極を露点−60℃以下のドライ雰囲気において室温で保管し、下記のように電池を構成する直前に、80℃において真空乾燥を行うことによって電極を脱水処理した。
図1に示すような円筒型のリチウムイオン二次電池を作製した。
正極11と負極12とを、それぞれ所定のサイズに裁断した。正極の集電体には、アルミニウム製の正極リード14の一端を接続した。負極の集電体には、ニッケル製の負極リード15の一端を接続した。その後、正極11と負極12とを、両電極より幅広で厚さ20μmのポリエチレン樹脂製微多孔フィルムからなるセパレータ13を介して捲回し、極板群を構成した。前記極板群を構成した後、露点−60℃のドライ雰囲気において、60℃で真空乾燥を10時間行い、電極群中に含まれる水分を追い出した。事前にセパレータ13および他の電池部材についても乾燥を充分に行い、電池中に持ち込む水分を低減させた。極板群の外面はセパレータ13で被覆するようにした。この極板群の上下に、それぞれ上部絶縁リング16および下部絶縁リング17を配して、電池缶18の内部に収容した。次いで、非水電解質を電池缶内に注液し、極板群に含浸させた。正極リード14の他端は、絶縁性封口板19の中央に固定された正極端子20の裏面に溶接した。負極リード15の他端は、電池缶の内底面に溶接した。最後に、電池缶18の開口を、封口板19で塞いだ。こうして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。
負極a−0からa−11を、それぞれ1時間熱処理した後上記のように組み立てた電池をそれぞれ電池0から電池11と称する。また、負極a−12を熱処理せずに組み立てた電池を電池13と称する。
i)放電容量
20℃に設定した恒温槽の中で、円筒型電池を100mAの定電流で電池電圧が4.05Vになるまで充電を行い、その後100mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。そのときの放電容量を計測することで各々の円筒型電池の定格容量を決定した。試験に供した円筒型電池は、定格容量を2000mAhになるように設計した。これらの電池に対して、充電電流0.2C(1Cは1時間率電流)で電池電圧が4.05Vになるまで定電流充電し、次いで、4.05Vで電流値が0.01Cになるまで定電圧充電を行った。その後、電池を0.2Cの電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。このときの放電容量を表2に示す。
20℃に設定した恒温槽の中で、上記放電容量を測定後の電池の充放電サイクルを以下の条件で繰り返した。
充電電流1Cで電池電圧が4.05Vになるまで定電流充電し、次いで、4.05Vで電流値が0.05Cになるまで定電圧充電を行い、その後、1Cの電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電する操作を繰り返した。そして、2サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の割合を百分率で求め、容量維持率(%)とした。その結果を表2に示す。容量維持率が100%に近いほどサイクル寿命が良好であることを示す。
上記負極aをそのまま、すなわちリチウム箔を付着させずに用いた他は、上記と同様の工程を経て円筒型電池を作製した。これを電池12と称する。
真空中で拡散処理した負極に比べ、アルゴン雰囲気またはドライエア雰囲気で処理した負極で作製した電池は容量が少ない。これらの条件下では、真空雰囲気中に比べて、付着させたリチウムがガス中に含まれる水分や酸素などによって、劣化しやすく、負極への反応量が減少するためであると考えられる。
負極aに、上述(2)と同様にリチウム箔を貼り付けた後、様々な圧力を加えながら真空雰囲気(10Pa)中、130℃の条件で拡散させる処理を行った。これらを負極a−13〜16と称する。また、温度80℃で同様に様々な圧力を加えて処理を行った。これらを負極a−17〜20と称する。さらに、前駆体aに20kg/cm2の加重をかけつつ、室温に放置してその変化を追跡した。この負極をa−12'と称する。これらの結果を負極a−3およびa−1と併せて表3に示す。
これらの処理を行った負極を用いてそれぞれ実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。負極a−13〜20、およびa−12'をそれぞれ用いて、表4に示すような処理時間で作製した電池を電池14〜22と称する。これらの電池を実施例1と同様にして特性評価をした。その結果を表4に示す。
負極aに上述(2)と同様にリチウム箔を貼り付けた後、様々な真空雰囲気中、130℃、未加圧下の条件で処理を行った。その結果を表5に示す。さらに、真空度100Paにおいて130℃で10kg/cm2の加圧を行った条件での処理も表5に示す。
負極活物質SiO(純度99.9%、住友チタニウム(株)製、平均粒径20μm、最大粒径45μm)、黒鉛、および導電剤アセチレンブラックを重量比45:52:3で混合した。この混合粉100重量部に、結着剤ポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製)を5重量部加え、さらにN−メチル−2−ピロリドンを加えながら充分に混練して負極合剤ペーストを得た。ここで、黒鉛には、ティムカル社製の平均粒径3μmの黒鉛(KS4)を用いた。また、アセチレンブラックは電気化学工業(株)製のデンカブラックを用いた。上記SiOはX線回折測定から非晶質な構造を有することが判明した。
上記負極を80℃において24時間の真空乾燥を行い、露点−60℃以下のドライ雰囲気で保管した。
この負極を負極bと称し、実施例1と同様にリチウム箔(30μm厚、本城金属(株)製)を負極の活物質層の表面(両面)に貼り付けた。そして表7に示すような条件下でリチウムを拡散させた。
これらの負極を用いて電池28〜37を作製し、その特性を評価した。その結果を表8に示す。さらに比較例として、負極bにリチウム箔を貼り付けることなく、同様に電池を作製した。この負極を負極b−0と称し、その負極を用いた電池を電池38と称する。
本実施例では、担持体に保持させたリチウムを負極と対向させ、加熱および圧迫させることにより、リチウムを負極に拡散させる処理をした。
ここに用いた装置の概略構成を図2に示す。真空槽40中に成膜キャンロール21およびリチウム蒸発源22が設置されている。成膜キャンロール21とリチウム蒸発源22との間には遮蔽板23が設置されている。これにより所定の場所以外へのリチウム飛散を防ぐとともに、リチウム蒸発源22から発生する熱の拡散を防ぐ。
これらの負極を用い、実施例1と同様にして円筒型電池を作製し、その特性評価を行った。その結果も表9に示す。
このような手法は、薄いリチウム箔を直接扱わずに済むため、ハンドリングが容易であり、量産性に適している。
負極活物質として黒鉛(メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)(大阪ガスケミカル(株)製))を用いた。この活物質100重量部に、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース(ダイセル化学(株)製)を1重量部加えた水溶液を用いて練合を行った。このペーストに、バインダとしてスチレン−ブタジエン共重合ゴム(JSR(株)製)を1重量部加えることにより負極ペーストを調製した。
このペーストを、実施例4と同様に、厚み10μmの電解銅箔の両面に塗布し、乾燥・圧延を行った。その結果、集電体とその両面に担持された負極活物質層からなる負極cを得た。この負極活物質層の密度は1.65g/cm3であり、その空孔率は72%であった。
上記負極cを110℃で24時間の真空乾燥を行い、露点−60℃以下のドライ雰囲気で保管した。
しかし、上述の結果からも、特に本発明に適している負極活物質はケイ素を含む化合物であり、これらを負極活物質として用い、さらに不可逆容量を本発明の手法を用いて補填することにより、従来の電池に比べて飛躍的に高容量、かつ長寿命な電池を得ることが可能になる。
金属リチウム箔(厚み150μm 本荘ケミカル(株)製)をガラス板上に載せ、そのリチウム箔上に、厚み100μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製のテイジンテトロンフィルムHB)を被せた。そして、PETフィルムとリチウム箔との間に空気が入らないように空気抜きを行い、PETフィルムの四隅の位置を固定した。
担持体であるポリイミドフィルム表面に離型剤(FC−169(ファインケミカルジャパン(株)製))を塗布した他は実施例5と同様の条件で、担持体の表面にリチウム薄膜を形成し、これを負極に拡散させる処理を行った。
その結果、離型剤を塗布した担持体の表面にリチウムを形成し、これを負極に拡散させる方法をとっても、電池特性に特に影響を与えないことがわかった。さらには、a−27、a−31、a−35のように、担持体上のリチウムの一部のみが負極に拡散した場合においても、容易に担持体から残存するリチウムを取り外すことができた。これらの結果は、さらに量産性を向上させることを示している。
担持体として、リチウムイオン電池用のセパレータとして用いられているポリエチレンフィルム(厚み27μm、旭化成工業(株)製)を用いた。このセパレータ用フィルム上に、実施例5と同様にしてリチウムを担持させた。こうしてリチウムを担持したフィルムをリチウム側が負極と向かい合うようにして電極群を構成し、電池を組み立てた。
電解液を注液する前に、熱処理を行ってセパレータ上のリチウムを負極に拡散させた。その後注液、封口をすることで電池を作製し、評価した。その結果を表12に示す。
22 リチウム蒸発源
23 遮蔽板
24 担持体繰り出しロールロール
25 担持体
26 転写キャンロール
27 担持体巻き取りロール
28 負極繰り出しロール
29 負極
30 負極巻き取りロール
31 加熱ロール
32 排気ポンプ
40 真空槽
Claims (11)
- リチウムを電気化学的に吸蔵・放出が可能な正極および負極、並びに非水電解質を含み、前記負極が集電体および前記集電体に担持された活物質を含む層からなる非水電解質二次電池の製造方法であって、
前記負極の活物質を含む層の表面に、リチウムを主体とする金属膜を接触させて、リチウムと負極の活物質とを反応させる工程、および
前記工程を経た負極を正極と組み合わせて電極群を構成する工程
を有し、
前記負極の活物質が、黒鉛、難黒鉛化炭素、ケイ素単体、ケイ素を含む化合物、およびスズを含む化合物からなる群より選択される非水電解質二次電池の製造方法。 - 前記リチウムと負極の活物質とを反応させる工程が、加熱する工程を含む請求項1記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記加熱する工程が、加圧する工程を含む請求項1記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記加熱する工程が、−40℃以下の露点に制御された雰囲気下で、かつ80℃以上200℃以下で行われる請求項3記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記雰囲気が、さらに50Pa以下の減圧雰囲気である請求項4記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記リチウムと負極の活物質とを反応させる工程が、リチウムと化学的に反応しない担持体上に形成されたリチウムを主体とする金属膜と負極の活物質を含む層とを加熱および加圧下で接触させることからなる請求項1記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記担持体上に形成された前記金属膜が、真空蒸着法により形成されたものである請求項6記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記担持体が、遷移元素を主として含む金属箔である請求項6記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記担持体が、有機高分子フィルムである請求項6記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記負極の活物質を含む層が、前記負極の活物質およびバインダを含む合剤層、または前記負極の活物質の堆積膜である、請求項1記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 請求項1記載の方法により製造された非水電解質二次電池。
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- 2006-11-06 JP JP2006300203A patent/JP5172134B2/ja active Active
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