JP5172134B2 - 非水電解質二次電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高容量かつ長寿命である非水電解質二次電池、特にその負極の製造方法に関する。
非水電解質二次電池の負極として、高電圧で高エネルギー密度を実現可能な金属リチウムを用いる研究開発が多く行われてきた。そして現在、リチウムを可逆的に吸蔵および放出し、サイクル寿命と安全性に優れた黒鉛材料を負極に用いたリチウムイオン電池が実用化されている。
しかし、黒鉛材料を負極に用いた電池においては、達成されている黒鉛の実用容量は約350mAh/gであり、黒鉛材料の理論容量(372mAh/g)にかなり接近している。そのため、負極に黒鉛材料を用いる限り、将来の飛躍的な容量向上は望めない。一方、携帯機器の高機能化に伴い、そのエネルギー源となる非水電解質二次電池に要求される容量は増大する傾向にある。よって、さらなる高容量化を実現するためには、黒鉛以上の容量を有する負極材料が必要となる。
高容量を与える材料として、現在、ケイ素を含む合金材料やスズを含む合金材料が注目されている。ケイ素等の金属元素は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵および放出可能であり、黒鉛材料に比べて非常に大きな容量の充放電が可能である。例えばケイ素であれば、その理論放電容量は4199mAh/gであり、黒鉛の11倍の高容量を有することが知られている。例えば特許文献1において、ケイ素を集電体上に薄膜として形成した電極を負極に用いた非水電解質二次電池が報告されている。また、特許文献2において、ケイ素単体よりは低容量であるが、長寿命であるケイ素の酸化物を活物質に用いた非水電解質二次電池が報告されている。
しかしながら、このようなケイ素あるいはケイ素酸化物などのリチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な合金材料を活物質に用いた場合、総じてこの活物質が有する不可逆容量は非常に大きい。その不可逆容量を正極からのリチウムで補填すると、充放電反応に関与できない正極活物質が増加するため、電池自体の容量は小さくなる。
また、上述のように一般的なリチウムイオン電池においては、負極活物質には黒鉛が用いられおり、この黒鉛においても、黒鉛と非水電解液との被膜形成反応によって不可逆容量が発生する。この場合も、一般的には正極からのリチウムによって上記不可逆容量を補填しているために、本来正極が持っている放電容量より少ない電池容量になっている。
上述のような不可逆容量を補填する手段として、たとえば特許文献3のように、負極シートと正極シートとセパレータとが渦巻き状に捲回された電極群中に、リチウムを主体とした金属箔をあらかじめ貼り付けることが報告されている。この文献によれば、金属箔を貼り付けた電極群を、電解液を注液した後にエージングすることによって、リチウムが負極に予備挿入されることが報告されている。
さらには、特許文献4において、負極集電体上に負極合剤層を形成し、その上に、真空蒸着法またはイオンプレーティング法などの乾式成膜法によって、リチウム金属よりなる軽金属層を形成することが提案されている。この軽金属層を形成した負極を乾燥雰囲気または電解液中に保存することにより、リチウムイオンが負極合剤層に吸収されることが報告されている。
特開2002−83594号公報 特許第2997741号公報 国際公開第96/27910号パンフレット 特開2005−38720号公報
しかしながら、特許文献3の手法を用いた場合、リチウムを主体とした金属箔に接している部分とそうでない部分とで、エージング後にリチウムイオンの不均一な拡散が生じる。次いで、充電反応を起こしたときに、過剰にリチウムイオンが存在している負極活物質層において、金属リチウムの析出が生じる。この析出部分は、やがてデンドライト発生になり、電池の内部短絡などの不具合を生じる。
また、特許文献4の手法を用いた場合、特許文献3の手法と異なり、負極全面を均一にリチウムで覆うことが可能になる。しかし、特に真空蒸着法を用いた場合、リチウム蒸気が負極活物質層の表面で固化する際に、その凝固熱を負極活物質が受ける。この凝固熱は非常に大きく、たとえば有機高分子からなるバインダなどはその多くが熱分解を生じて劣化してしまう。
さらに、不可逆容量を補填する手段として、金属リチウムを負極活物質層に貼り付けたあと、電気化学的な方法を用いることが一般的に知られている。しかし、この場合、反応が不均一に進行しやすく、その結果、リチウムを吸蔵することによる膨張が不均一になるため、集電不良が生じやすい。
そこで、本発明は、これらの欠点を改善し、かつ高容量および長寿命を両立する非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出が可能な正極および負極、並びに非水電解質を含み、前記負極が集電体および前記集電体に担持された活物質を含む層からなる非水電解質二次電池の製造方法であって、
前記負極の活物質を含む層の表面に、リチウムを主体とする金属膜を接触させて、リチウムと負極の活物質とを反応させる工程、および
前記工程を経た負極を正極と組み合わせて電極群を構成する工程
を有し、前記負極の活物質が、黒鉛、難黒鉛化炭素、ケイ素単体、ケイ素を含む化合物、およびスズを含む化合物からなる群より選択される非水電解質二次電池の製造方法を提供する。
本発明は、負極の活物質を含む層の表面に、リチウムを主体とする金属膜を接触し、リチウムと負極の活物質とを物理的に反応させることにより、電極群を構成する前に、リチウムを負極活物質中に吸蔵させる。
本発明によれば、高容量な合金材料を負極活物質として使いこなし、かつ課題であった大きな不可逆容量を解消することができる。さらには、従来用いられた黒鉛を負極に用いた電池においても、同様に不可逆容量の問題を解消することによって高容量化を実現することが可能になる。
本発明は、集電体および集電体に担持された、リチウムを電気化学的に吸蔵および放出が可能な活物質を含む層の表面に、電極群を構成する前に、あらかじめ金属リチウムを接触させることにより、リチウムと負極活物質とを物理的に反応させ、リチウムを負極活物質中に吸蔵させることを特徴とする。
リチウムを物理的に負極活物質中に吸蔵させる方法として、代表的なものは加熱する方法である。これは最も取り扱いやすく、量産に適している。その他の方法として、金属リチウムと負極活物質とを加圧下で接触させることにより、リチウムと負極活物質との間で固相反応を生じさせ、リチウムを負極活物質に吸蔵させることができる。
これらの方法は、電気化学的にリチウムを負極活物質に吸蔵させる方法に比べて、吸蔵反応を均一に進行させることが可能であり、かつ電池を構成する前にリチウムを吸蔵させることが可能であるために、集電不良を起こしにくい。
本発明により、上で述べたような課題を生じず、安全に負極活物質の不可逆容量を補填することが可能となる。
本発明に係るリチウムを電気化学的に吸蔵および放出が可能な負極活物質は、リチウムを電気化学的に吸蔵・放出可能な材料であればどのようなものでも構わない。好ましくは金属リチウムに対してその放電電位が0V以上1.5V以下に存在するものである。具体的には、黒鉛、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、あるいはケイ素、スズ、アルミニウムなどの元素を含む化合物である。特に、ケイ素単体およびケイ素を含む化合物は、高容量のため望ましい。それらの中でもケイ素酸化物が特に望ましい。ケイ素酸化物は、SiOx(xは0<x<2で示される任意の数)で示されるものが好ましい。特に、0<x≦1.0であることが好ましい。この負極活物質は、本来電子伝導性が極めて低いことから、リンや遷移元素を少量添加することも好ましい。
前記負極活物質は、いずれも非晶質または低結晶性であることが好ましい。ここで、低結晶性とは、結晶粒の粒径が50nm以下の領域を言う。結晶粒の粒径は、X線回折分析で得られる回折像の中で最も強度の大きなピークの半価幅から、Scherrerの式によって算出される。また、非晶質とは、X線回折分析で得られる回折像において、2θ=15〜40°の範囲にブロードなピークを有することを言う。
負極活物質が結晶性である場合、リチウムの挿入にともなう膨張によって、負極活物質粒子または薄膜の割れ、破壊が生じる。その結果、負極活物質は反応面積が増大され、非水電解質中に含まれるフッ酸と接する機会が増大する。これによりSiの溶解反応および皮膜としての析出反応が促進される。これに対し、非晶質または低結晶性の場合、リチウムの挿入にともなう膨張は存在するものの、非常に微細な(数nm〜50nm程度)粒界によって区切られていることにより、膨張応力が各粒界の間で分散・緩和され、結果として粒子、膜の割れや破壊が生じにくい。
前記Siを含む負極活物質の好ましい形態は、集電体上に前記活物質およびバインダを含む合剤層を塗着した膜、または前記活物質を物理的もしくは化学的な手法によって集電体上に堆積もしくは焼結した膜などである。前者の塗着膜を構成する活物質は、粒状であり、その粒径は0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。
また、バインダは集電体と活物質とを結合する接着力を有し、かつ電池が動作する電位範囲において電気化学的に不活性であればどのような材料を用いても構わない。例えば、スチレン−ブチレン共重合ゴム、ポリアクリル酸、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリイミド系樹脂等がバインダとして適している。これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。バインダの添加量は、合剤層の構造維持の観点からは多いほど好ましいが、電池容量および放電特性の向上の観点からは少ない方が好ましい。さらには、上記バインダは熱処理を行うことが前提であることから、耐熱性であることが望ましい。
前記塗着膜には、さらに、黒鉛、カーボンブラックまたはカーボンナノチューブなどを代表とする炭素を主とする導電剤が含まれていることが好ましい。また、これらの導電剤は、負極活物質と接し、あるいは負極活物質と一体化していることが好ましい。
前記堆積膜を形成する手段として、物理的な手法では、スパッタリング法、真空蒸着法、溶射法、またはショットピーニング法であることが、化学的な手法では、CVD法であることが好ましい。焼結膜を形成する手段としては、いったん負極活物質を含む塗着膜を形成した後に、加熱またはプラズマなどによって焼結膜を形成することが望ましい。
本発明の負極活物質を含む層の厚みは、前記層が堆積膜または焼結膜である場合、電池の放電状態において、膜厚が3μm以上50μm以下であることが好ましい。ここで放電状態とは、電池であれば電池電圧が3V以下であり、負極の電位はリチウムに対して0.5V以上である状態を示す。膜厚が3μmより薄い場合、電池中に占める集電体の体積が大きくなり、高容量な電池を作ることが困難である。逆に50μmより厚い膜では、活物質の膨張による応力が集電体あるいは負極全体に大きく影響をあたえ、電極にシワが発生し、ついには破壊に至るため不適である。活物質を含む層が塗着膜の場合は、上述と同様の理由で、放電状態において10μm以上100μm以下が好ましい。
上記リチウムを主体とした金属膜は、リチウムの含有量が少なくとも95重量%であることが望ましい。特に望ましくは、純リチウム膜である。本発明で用いるリチウムを主体とした金属膜の厚みは、1μm以上100μm以下であることが望ましい。より好ましくは3μm以上20μm以下である。膜の厚みが1μmより薄い場合は、負極の不可逆容量を十分に補填することができず、高容量な電池を実現することが不可能になる。逆に100μmより厚い場合は、加熱によるリチウムの拡散が困難であり、不均一な補填になりやすい。さらに余った金属膜上にはその後の充放電においてデンドライトを発生させやすい。そのため安全性の面からも不適である。
負極活物質を含む層の表面とリチウムを主体とした金属膜との接し方は、可能な限り、負極活物質を含む層の表面を向いた金属膜表面の全てが前記層と接することが望ましい。そのためには、リチウムを主体とした金属箔を負極の表面全面に貼り付けた後、加圧するのがよい。リチウムを主体とした金属箔は、負極に比べて柔らかいため、負極表面の形状に応じて変形し、密着する。その結果、反応面積が広がり、高速かつ均一にリチウムの拡散が生じる。
ここでリチウムを主体とする金属膜が負極の活物質を含む層の表面に接した状態を、「前駆体」と称する。この前駆体は、低露点の雰囲気、かつ80℃以上200℃以下の条件において加熱することが好ましい。低露点の雰囲気は、好ましくは−40℃以下の露点に制御された大気ガス雰囲気、充分に脱水されたアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気、より好ましくは、前記の雰囲気からさらに減圧にした雰囲気である。特に、水分の混入を防ぐために、50Pa以下の減圧雰囲気が好ましい。減圧雰囲気は、少なくとも一度は雰囲気を大気から上記の不活性ガスに置換し、しかる後に減圧することが好ましい。このような条件の下で操作を行うことにより、リチウムの劣化を防ぎ、負極活物質層に接触させた金属膜を有効に、かつ均一に使用することが可能になる。
リチウムと負極活物質とを物理的に反応させる温度は、80℃より低い場合、リチウムの拡散は進行するが、その速度は非常に遅く、量産の際に課題となる。逆に200℃より高い温度に加熱した場合、リチウムの融点が179℃であることから、溶融したリチウムが前駆体から離れ、あるいは流れ出すことにより、有効に利用することができない。好ましくは前駆体を100℃以上170℃以下の範囲で加熱することであり、この温度範囲で効率良く、かつ安定にリチウムを拡散させることが可能になる。
本発明の負極が、金属箔からなる集電体と、その両面に担持された負極活物質層からなる場合、集電体には、銅箔または銅合金箔を用いることが望ましい。銅合金箔の場合、銅の含有量は90重量%以上であることが好ましい。集電体の強度あるいは柔軟性を向上させる観点からは、集電体にP、Ag、Cr等の元素を含ませることが有効である。
集電体の厚みは、6μm以上50μm以下であることが好ましい。厚みが6μmより薄い集電体は、取り扱いが困難である上に、集電体に必要な強度も維持しにくく、活物質層の膨張および収縮によって切れたり、シワがよることがある。一方、50μmより厚い集電体では、電池に占める集電体の体積割合が大きくなり、電池の種類によっては容量の点で不利となる。また、分厚い集電体は曲げにくい等、取り扱いも困難である。
前記前駆体を加熱する工程において、加熱する間に前駆体を加圧することがリチウムの拡散を進行させるので好ましい。加圧することにより、金属膜と負極活物質を含む層との界面において余剰な空隙を作ることなく密着することによって拡散が進行しやすい。加圧の応力としては、少なくとも1kg/cm2の応力が与えられることが望ましい。
リチウムを主体とした金属膜を負極に接触させる好ましい方法は、リチウムと化学的に反応しない担持体上にいったんリチウムを主体とする金属膜を形成し、その金属膜を負極活物質を含む層の表面に転写させる方法である。
特に、負極活物質を含む層が、負極活物質およびバインダを含む塗着膜である場合、その塗着膜上に、リチウムを主体とする金属膜を直接形成すると、負極の活物質を含む層の表面に過度な温度が付加される。例えば、上述のように真空蒸着法で成膜した場合は、少なくとも400℃の、リチウム蒸気が固化する凝固熱が印加される。これにより、負極活物質自体が結晶化することにより、電池特性が低下したり、バインダが熱により劣化して負極活物質を保持できなくなったりするなど悪影響がでてくる。また、リチウムを主体とした金属膜は非常に柔らかく、ハンドリングに困難である。そのため担持体にリチウムを主体とした金属膜を保持させることにより、取り扱いやすくし、量産性を向上させる。
そのような担持体上にリチウムを主体とした金属膜を形成するには、真空蒸着法を用いることが、本発明で用いられる金属膜の厚みを実現するのに好ましい。真空蒸着法により成膜するには、リチウムを抵抗加熱により真空中で蒸発させ、その蒸気を、冷却した担持体に接することで成膜する方法が特に好ましい。この方法を用いることにより、安定、かつ高速に金属膜を得ることが可能になる。
また、リチウムを主体とした金属膜を形成する方法として真空蒸着法以外に圧延法による方法も上げられる。ただし、通常の圧延方法では、本発明に必要なリチウム膜厚を実現することは困難である。したがって、例えばリチウム箔に対して、間に高分子フィルムを介した状態で、ショットブラストやウェットブラストなどの加工方法を適用することで、所定の膜厚を実現することが可能である。
ここに用いる担持体としては、遷移元素を主として含む金属箔を用いることが望ましい。これは遷移元素とリチウムとが化学的に合金化反応しないため、剥離が容易だからである。遷移元素の中でも銅やニッケルといった元素を主体とした箔を用いることが好ましい。これらは熱伝導性も高く、冷却が容易なため、付着したリチウム蒸気を平滑に成膜しやすい。
担持体として、有機高分子フィルムを用いることもできる。有機高分子フィルム自体は、熱伝導性が低く、耐熱性も低いが、薄く、かつ冷却媒体と密着している状態、例えばフィルムを冷却した金属製ロールに貼り付けた状態であれば、充分に担持体として用いることが可能である。有機高分子フィルムとして、ポリエチレンテレフタラートフィルム、ポリイミド樹脂フィルムなどが好ましく、その厚みは20μm以上300μm以下であることが好ましい。20μmより薄いフィルムを用いると、成膜時にフィルムが切れたり、転写時に途中でフィルムが切れたりするなど不具合が発生しやすい。300μmより厚いフィルムでは、冷却媒体との熱交換が追いつかず、リチウム蒸着面でフィルムの溶融が発生しやすい。そのため金属膜が凸凹になり不適である。
また、担持体として金属箔、有機高分子フィルムのどちらを用いた場合においても、リチウムを成膜する面に離型層を形成することによって、量産性を向上することができる。
また、担持体として、一般的な非水電解質二次電池で用いられるセパレータを用いてもよい。この場合、リチウムを成膜したセパレータを負極と対向する状態で電極群を組み立てた後、熱処理を行えば、本発明の要件を満足する。この熱処理は、電極群を電池ケースに挿入した後に行ってもよい。しかし、電極群をみ立てた直後に熱処理した方が好ましい。その理由は、熱処理によりリチウムが負極に吸蔵されることで、電極群が痩せて、電池ケースへ入りやすくなるからである。
上記のように、本発明の好ましい実施の形態においては、リチウムと化学的に反応しない担持体上に成膜したリチウムを主とした金属膜と、負極活物質を含む層とを加熱および加圧下で接触させることにより、リチウムと負極活物質とを反応させる。この方法をとることにより、安定、かつ高速にリチウムを拡散させ、また過度な熱の悪影響を受けないで不可逆容量を補填した負極を得ることが可能になる。
本発明の非水電解質二次電池は、上記の負極と、リチウムを電気化学的に吸蔵および放出可能な正極と、非水電解質とを具備する。
正極は、非水電解質二次電池の正極として知られているものであれば、特に限定なく用いることができる。正極の製造法は従来通りに行えばよい。例えば、正極活物質と、カーボンブラックなどの導電剤と、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダとを、液相中で混合し、得られたペーストをAl等からなる正極集電体上に塗布し、乾燥し、圧延することによって正極が得られる。
正極活物質としては、非水電解質二次電池の正極活物質として知られているものであれば、特に限定なく用いることができるが、リチウム含有遷移金属化合物が好ましい。リチウム含有遷移金属化合物の代表的な例は、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2などを挙げることができるが、これらに限定されない。前記の化合物の遷移元素を異種の金属元素に置換した化合物も好ましく用いられる。例えば、LiCo1-xMgx2、LiNi1-yCoy2、LiNi1-y-zCoyMnz2(x、y、zは全て整数)等が挙げられる。
非水電解質としては、非水電解質二次電池の電解液として知られているものであれば、特に限定なく用いることができるが、非水溶媒とそれに可溶なリチウム塩からなる電解液が好ましい。非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート類とジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類との混合溶媒が一般的に用いられる。さらには、非水溶媒にγ−ブチロラクトンやジメトキシエタンなどが混合されていても構わない。また、非水電解液中に含まれる主たる支持電解質は6フッ化リン酸リチウムであり、その濃度は0.5モル/L以上2モル/L以下であることが望ましい。6フッ化リン酸リチウムを主たる支持電解質として用いた非水電解液は、他のリチウム塩を用いた場合に比較して電池特性を良好にする。さらには、前記量の6フッ化リン酸リチウムに加えて他のリチウム塩、例えばテトラフルオロホウ素酸リチウムやイミド−リチウム塩が少量添加されていてもよい。
正極と負極との内部短絡を防ぐために、これらの間にはセパレータが設置される。セパレータの材質としては、非水電解質を適度に通過させ、かつ正極と負極との接触を妨げるものであればどのようなものでも構わない。非水電解質二次電池には、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる微多孔性フィルムが一般的に用いられており、その厚みは10μm以上30μm以下が一般的である。
本発明は、円筒型、扁平型、コイン型、角形等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能であり、電池の形状は特に限定されない。本発明は、金属製の電池缶やラミネートフィルム製のケースに、電極、電解液等の発電要素を収容した電池を含め、様々な封止形態の電池に適用可能であり、電池の封止形態は特に限定されない。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、下記の実施例は本発明の好ましい形態を例示するものであり、本発明が下記の実施例に限られるわけではない。
《実施例1》
実施例および比較例においては、以下の要領で負極および円筒型電池を作製し、そのサイクル寿命と放電容量について評価した。
(1)負極の製造
SiO(純度99.999%、フルウチ化学(株)製、インゴット)を黒鉛製坩堝の中に入れた。集電体シートとなる電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、厚さ20μm)を、真空蒸着装置内に設置した水冷ローラに貼り付けて固定した。その水冷ローラの直下にSiOを入れた黒鉛製坩堝を配置し、これを電子ビームで加熱して、SiOを集電体シートに真空蒸着させた。蒸着条件は、加速電圧−8kV、電流30mAとした。真空度は3×10-3Paとした。SiOは昇華性であるため、電子ビームが一点に集中せず、SiOのインゴット全面に分散するようにスキャンしながら蒸着を行った。
集電体シート片面の蒸着が終了後、さらに裏側(未蒸着面)についても同様に真空蒸着を行い、両面に活物質の薄膜を形成した。この薄膜のX線回折分析を行ったところ、集電体シートであるCuに帰属される結晶性のピークが観察され、さらに2θ=15−40°の位置にブロードなピークが検出された。この結果から、成膜した活物質は非晶質であることが判明した。負極片面あたりの活物質薄膜の厚さは約15μmであった。この電極を負極aと称する。
上記負極aを80℃において24時間の真空乾燥を行い、露点−60℃以下のドライ雰囲気で保管した。
(2)前駆体の作製
上記負極aに対して、金属リチウム箔(厚み20μm、本荘ケミカル(株)製)を負極の両面の活物質薄膜の表面に同じ面積で貼り付けた。貼り付け加重は2kg/cm2になるようにして行った。このとき、上記金属リチウム箔の量は、負極の不可逆容量のほぼすべてを補填する量に相当する。この金属リチウム箔を貼り付けた負極aを前駆体aと称する。
この前駆体aを用いて、表1のような条件でリチウムを拡散させた。その結果を表1に示す。リチウムの拡散は、前駆体の表面にあるリチウム金属箔の消失を目視によって確認した。このとき前駆体aには何も加重をかけず、リチウム箔を貼り付けたそのままの状態で評価した。これらの操作を経て得た負極をそれぞれa−0〜a−11と称する。また、リチウム箔を貼り付けた状態で、前駆体aを室温のまま放置したものをa−12と称する。
Figure 0005172134
ここで、真空雰囲気は、真空ポンプによる排気とアルゴンガス(日本酸素(株)製、99.999%)による置換を2回繰り返した後、再度アルゴンガスの圧力を大気圧まで上げ、次いで10Paまで真空に引いた状態を示す。ドライ雰囲気は、露点−60℃まで脱水した大気ガスを充満させた状態である。
表1において、前駆体表面にある金属リチウム箔に全く変化が見られない状態を「×」、リチウム箔の一部が拡散して活物質層の一部が見えている状態を「△」、完全に金属リチウム箔が拡散して活物質層のみが観察される状態を「○」とした。この結果によれば、加熱開始より24時間経過しても、60℃では負極a−0には全く拡散が生じておらず、48時間後にやっと一部のリチウムが拡散しはじめた。前記温度では非常に拡散が遅いことがわかる。
加熱開始より24時間経過しても、80℃においては、負極a−1にはリチウムは完全に拡散することができず、また200℃より高い温度では、負極a−7のリチウムの融点を超えていることから、前駆体上でリチウムが溶けだし、負極外に流れ出てしまった。また、大気圧のアルゴン雰囲気下で拡散させた負極a−8およびa−9は、同じ温度条件では、真空中に比べて拡散が遅れる傾向にあった。
ドライ雰囲気下で拡散させた負極a−10およびa−11は、どの温度であっても完全に拡散することはなく、一部のリチウムが残存した。この残ったリチウムを分析したところ、表面に酸化リチウムが厚く形成されていた。この結果から、表面に形成された酸化リチウムがリチウムの拡散する反応を抑制したものと考えられる。また、室温のまま放置した負極a−12は、48時間後においても全く拡散は進行しなかった。
これらの処理を行った負極a−0〜12を用いて電池を作製した。
(3)正極の作製
正極活物質LiCoO2を、Li2CO3とCoCO3とを所定のモル比で混合し、950℃で加熱することによって合成し、これを粒径45μm以下に分級したものを用いた。正極活物質100重量部に、導電剤のアセチレンブラックを5重量部、結着剤のポリフッ化ビニリデンを4重量部、および分散媒のN―メチル−2−ピロリドンの適量を加え、充分に混合し、正極合剤ペーストを得た。
正極合剤ペーストを厚み15μmのアルミニウム箔(昭和電工(株)製)からなる集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延した。その結果、集電体と、その両面に担持された正極合剤層からなる正極が得られた。
上記正極を露点−60℃以下のドライ雰囲気において室温で保管し、下記のように電池を構成する直前に、80℃において真空乾燥を行うことによって電極を脱水処理した。
(4)円筒型電池の作製
図1に示すような円筒型のリチウムイオン二次電池を作製した。
正極11と負極12とを、それぞれ所定のサイズに裁断した。正極の集電体には、アルミニウム製の正極リード14の一端を接続した。負極の集電体には、ニッケル製の負極リード15の一端を接続した。その後、正極11と負極12とを、両電極より幅広で厚さ20μmのポリエチレン樹脂製微多孔フィルムからなるセパレータ13を介して捲回し、極板群を構成した。前記極板群を構成した後、露点−60℃のドライ雰囲気において、60℃で真空乾燥を10時間行い、電極群中に含まれる水分を追い出した。事前にセパレータ13および他の電池部材についても乾燥を充分に行い、電池中に持ち込む水分を低減させた。極板群の外面はセパレータ13で被覆するようにした。この極板群の上下に、それぞれ上部絶縁リング16および下部絶縁リング17を配して、電池缶18の内部に収容した。次いで、非水電解質を電池缶内に注液し、極板群に含浸させた。正極リード14の他端は、絶縁性封口板19の中央に固定された正極端子20の裏面に溶接した。負極リード15の他端は、電池缶の内底面に溶接した。最後に、電池缶18の開口を、封口板19で塞いだ。こうして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。
非水電解質には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比1:1の混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1モル/Lの濃度で溶解したものを用いた。
負極a−0からa−11を、それぞれ1時間熱処理した後上記のように組み立てた電池をそれぞれ電池0から電池11と称する。また、負極a−12を熱処理せずに組み立てた電池を電池13と称する。
(5)電池の評価
i)放電容量
20℃に設定した恒温槽の中で、円筒型電池を100mAの定電流で電池電圧が4.05Vになるまで充電を行い、その後100mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。そのときの放電容量を計測することで各々の円筒型電池の定格容量を決定した。試験に供した円筒型電池は、定格容量を2000mAhになるように設計した。これらの電池に対して、充電電流0.2C(1Cは1時間率電流)で電池電圧が4.05Vになるまで定電流充電し、次いで、4.05Vで電流値が0.01Cになるまで定電圧充電を行った。その後、電池を0.2Cの電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。このときの放電容量を表2に示す。
ii)サイクル寿命
20℃に設定した恒温槽の中で、上記放電容量を測定後の電池の充放電サイクルを以下の条件で繰り返した。
充電電流1Cで電池電圧が4.05Vになるまで定電流充電し、次いで、4.05Vで電流値が0.05Cになるまで定電圧充電を行い、その後、1Cの電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電する操作を繰り返した。そして、2サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の割合を百分率で求め、容量維持率(%)とした。その結果を表2に示す。容量維持率が100%に近いほどサイクル寿命が良好であることを示す。
Figure 0005172134
《比較例》
上記負極aをそのまま、すなわちリチウム箔を付着させずに用いた他は、上記と同様の工程を経て円筒型電池を作製した。これを電池12と称する。
上記の結果から、電池0から11および電池13は、負極にリチウム箔を付着させない比較例の電池12に比べて高容量になっていることがわかる。これは付着したリチウム箔が負極と反応して負極の不可逆容量を補填したためである。しかしながら、リチウムを拡散させる際の温度によってその補填量が変化するため、実際に得られた電池容量が変化した。温度が80℃より低い場合、電池容量は他に比べ著しく低く、充分にリチウムが拡散できていない。これらの結果からも、特に本発明で高容量を得られる条件としては、リチウムの拡散処理は80℃以上200℃以下で行うことが好ましい。
真空中で拡散処理した負極に比べ、アルゴン雰囲気またはドライエア雰囲気で処理した負極で作製した電池は容量が少ない。これらの条件下では、真空雰囲気中に比べて、付着させたリチウムがガス中に含まれる水分や酸素などによって、劣化しやすく、負極への反応量が減少するためであると考えられる。
負極を加熱せずに電池を作製した電池13においては、リチウムを貼り付けたものの電池1から11に比べて、その容量は低い。この電池を充放電後に分解して調べたところ、負極表面上に一部のリチウム箔が残存していることが判明した。また、残存したリチウム箔によって、負極表面に凹凸が生じ、充放電反応の最中に内部短絡を起こしやすいことが判明した。これらの結果から、リチウム箔を活物質層に接するだけでなく、加熱して反応させてから、電池を構成するのが有効であることがわかる。
《実施例2》
負極aに、上述(2)と同様にリチウム箔を貼り付けた後、様々な圧力を加えながら真空雰囲気(10Pa)中、130℃の条件で拡散させる処理を行った。これらを負極a−13〜16と称する。また、温度80℃で同様に様々な圧力を加えて処理を行った。これらを負極a−17〜20と称する。さらに、前駆体aに20kg/cm2の加重をかけつつ、室温に放置してその変化を追跡した。この負極をa−12'と称する。これらの結果を負極a−3およびa−1と併せて表3に示す。
Figure 0005172134
表3の結果によれば、従来リチウム箔を貼り付けたのみでは拡散しにくかったが、加圧することで拡散に要する時間が短縮できた。特に、80℃であっても20kg/cm2の圧力を与えることにより、10分間という短い時間で完全にリチウム箔を拡散することができた。また、室温では20kg/cm2の加重をかけても1時間では全く拡散が生じないことが判明した。
これらの処理を行った負極を用いてそれぞれ実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。負極a−13〜20、およびa−12'をそれぞれ用いて、表4に示すような処理時間で作製した電池を電池14〜22と称する。これらの電池を実施例1と同様にして特性評価をした。その結果を表4に示す。
Figure 0005172134
表4の結果によれば、加圧かつ加熱することにより、貼り付けたリチウム箔が負極中に拡散して不可逆容量を補填し、電池14〜21はいずれも高容量を示した。また、加圧することによって、短時間の処理でも高容量かつ長寿命な電池を作製可能なことが判明した。この結果は、特に量産を主眼とした場合に有効である。しかし、加圧のみを行った電池22においては、48時間の処理を行っても充分にリチウムが拡散せず、不可逆容量の補填が不十分なため、電池容量が低下した。また、この電池においても充放電後にリチウムが負極表面に一部残存しており、そのため内部短絡が頻発した。
《実施例3》
負極aに上述(2)と同様にリチウム箔を貼り付けた後、様々な真空雰囲気中、130℃、未加圧下の条件で処理を行った。その結果を表5に示す。さらに、真空度100Paにおいて130℃で10kg/cm2の加圧を行った条件での処理も表5に示す。
Figure 0005172134
この結果から、どの真空雰囲気においても1時間を経過すればリチウム箔は完全に拡散することが判明した。また、低真空時(100Pa)であっても加圧を与えることで早く拡散することが判明した(負極a−25)。これらの負極を用いて上記と同様にして円筒型電池を作製し、特性評価を行った。その結果を表6に示す。
Figure 0005172134
表6の結果によれば、どの電池も高容量かつ長寿命を示すことがわかった。特に、真空度が50Pa以下に制御された環境で作製した負極は、より高容量かつ長寿命な結果を得た。この要因として、操作中に酸素などのガスが存在しにくく、かつ極めて水分も低い状態であることから、リチウム箔の表面に不純物を作りにくく、リチウムが負極活物質中に拡散しやすいことがあげられる。また、本実施例においても、加圧は特に有効であり、100Paの雰囲気でも10分間という短い時間で全てのリチウム箔が拡散可能であり、電池特性についても高容量かつ長寿命であることが判明した。
《実施例4》
負極活物質SiO(純度99.9%、住友チタニウム(株)製、平均粒径20μm、最大粒径45μm)、黒鉛、および導電剤アセチレンブラックを重量比45:52:3で混合した。この混合粉100重量部に、結着剤ポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製)を5重量部加え、さらにN−メチル−2−ピロリドンを加えながら充分に混練して負極合剤ペーストを得た。ここで、黒鉛には、ティムカル社製の平均粒径3μmの黒鉛(KS4)を用いた。また、アセチレンブラックは電気化学工業(株)製のデンカブラックを用いた。上記SiOはX線回折測定から非晶質な構造を有することが判明した。
上記負極合剤ペーストを厚み10μmの電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製)からなる集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延した。その結果、集電体と、その両面に担持された負極活物質層からなる負極が得られた。この負極活物質層は、密度が1.0g/cm3であり、空孔率は55%であった。
上記負極を80℃において24時間の真空乾燥を行い、露点−60℃以下のドライ雰囲気で保管した。
この負極を負極bと称し、実施例1と同様にリチウム箔(30μm厚、本城金属(株)製)を負極の活物質層の表面(両面)に貼り付けた。そして表7に示すような条件下でリチウムを拡散させた。
Figure 0005172134
これらの結果から、負極bは、負極aに比べて、リチウムの拡散に時間はかかるが、100℃以上の加熱によって48時間後には完全に拡散することがわかった。それに対し室温で放置した負極b−7においては、48時間後でも全く拡散しなかった。また、10kg/cm2の加重をかけた負極b−8〜10では、負極aと同様に未加圧時に比べ早い時間での拡散が確認できた。これらの負極の負極aとの違いは、負極表面の凹凸の大きさによっていると考えられる。活物質層が薄膜で構成された負極aでは、凹凸の差が1〜2μm程度であるのに対して、負極bでは、表面粗さ計で測定すると最大9μmもの差があった。このためリチウム箔が負極表面と接する場所と接しない場所の差が大きくなり、反応が不均一になったため、リチウムの拡散が遅くなったものと考えられる。
これらの負極を用いて電池28〜37を作製し、その特性を評価した。その結果を表8に示す。さらに比較例として、負極bにリチウム箔を貼り付けることなく、同様に電池を作製した。この負極を負極b−0と称し、その負極を用いた電池を電池38と称する。
Figure 0005172134
表8の結果から、リチウム箔を貼り付け、かつ加熱することにより、リチウムが負極中に拡散し、電池として高容量かつ長寿命な特性が得られた。電池34を分解して負極の表面を調べたところ、リチウム箔が多く残存した状態であり、充分に拡散が進行していないことが判明した。この結果から、負極aと同様に、粒状の活物質を用いても同様の効果を有することがわかった。
《実施例5》
本実施例では、担持体に保持させたリチウムを負極と対向させ、加熱および圧迫させることにより、リチウムを負極に拡散させる処理をした。
ここに用いた装置の概略構成を図2に示す。真空槽40中に成膜キャンロール21およびリチウム蒸発源22が設置されている。成膜キャンロール21とリチウム蒸発源22との間には遮蔽板23が設置されている。これにより所定の場所以外へのリチウム飛散を防ぐとともに、リチウム蒸発源22から発生する熱の拡散を防ぐ。
ロール24から繰り出される担持体25は、成膜キャンロール21の回転に伴い移動する過程で、表面にリチウムが蒸着される。リチウムが蒸着された担持体25は、転写キャンロール26を経て巻き取りロール27に巻き取られる。一方、ロール28から繰り出される処理前の負極29は、転写キャンロール26の周面において、担持体25と転写キャンロール26との間に挟まれ、その間に担持体25上のリチウムが負極29に拡散される。負極29は、転写キャンロール26を経た後、ロール30に巻き取られる。
転写キャンロール26上において負極29と担持体25が対向する場所には、加熱ロール31が設置され、担持体および負極に対して加熱と加圧を同時に行うことができる。加圧の制御には、加熱ロール31の位置および転写キャンロール26側への圧迫度合いを変化させることにより行った。これらの装置が入った真空槽40を排気ポンプ32によって減圧し、雰囲気を制御した。真空槽には、担持体25および負極29の移動方向を転換するためのロール33〜38を有する。
本実施例では、担持体としてポリイミドフィルム(商品名カプトン、東レデュポン(株)製)を用いた。成膜キャンロールは水冷によって冷却した。リチウム蒸発源としてはタンタル製の蒸発ボート(フルウチ化学(株)製)を用い、ボート中に金属リチウムロッド(本荘ケミカル(株)製)を載せた。このボートを真空槽外に設置した直流電源と接続し、抵抗加熱法によってリチウムを真空蒸発させた。このときの成膜キャンロールの回転速度は10cm/min、ローラ表面の温度は20℃に保った。この操作は真空度0.3Paの環境で行い、次いでアルゴン(日本酸素(株)、純度99.999%)と酸素(日本酸素(株)、純度99.999%)とを体積比95:5の割合で導入して圧力を大気圧に上げた。
このようにして担持体上に形成されたリチウムは、厚みが約20μmであり、非常に均一かつ平滑な表面を有していた。負極には上記負極aを用い、各種条件において加熱・加圧により担持体のリチウムを負極に拡散処理した。その結果を表9に示す。ここでは処理温度は加熱ロール自体の温度を示す。
これらの負極を用い、実施例1と同様にして円筒型電池を作製し、その特性評価を行った。その結果も表9に示す。
Figure 0005172134
表9の結果から、20℃では全くリチウムの拡散が生じず、担持体に完全にリチウムが残った状態であった。60℃では拡散が充分に進行せず、不可逆容量が十分に補填されず、低容量であった。80℃、および120℃で処理した負極は、高容量を示した。さらに、加圧の力を強くすることにより、リチウムの拡散は進行しやすく、結果として放電容量も増加する傾向にあった。
このような手法は、薄いリチウム箔を直接扱わずに済むため、ハンドリングが容易であり、量産性に適している。
次に、担持体を銅箔(日本製箔(株)製、電解箔、厚さ11μm)に変えて同様の処理を行った。その結果を表10に示す。このとき銅箔の担持体に積層されたリチウムの厚みは平均20μmであったが、厚みのバラツキが±3μmと上述のポリイミドフィルムの場合に比べて大きかった。この要因は、銅箔が電解箔のため、微細な凹凸を有し、成膜キャンロールに点接触でしか接しないことが上げられる。一方、ポリイミドフィルムは、成膜キャンロールの凹凸に応じて伸長するため、ほぼ全面で成膜キャンロールとの接触が可能になる。このような差が、冷却能力の違いとして現れ、その結果、銅箔の担持体では、形成されたリチウムの厚みのバラツキが大きくなったものと推測される。
上記のリチウムを担持した担持体を用い、加熱ロールによる加圧力を10kg/cm2にして、各種の加熱温度で処理を行った。このようにして得た負極を用いて上記と同様にして電池を作製し、特性評価を行った。その結果も表10に併せて示す。
Figure 0005172134
表10の結果より、表9と同様に、20℃ではリチウムは全く拡散せず、60℃では一部のリチウムが拡散するのみであった。そのため電池特性では、電池51および52では充分に不可逆容量を補填できず、低容量になっている。また、表9と比較した場合、同じ条件、例えば電池50と電池54、であった場合、担持体にポリイミドフィルムを用いた方が高容量になっている。これは上述のように銅箔の担持体で用いた場合に成膜したリチウムの凹凸が大きく、接点が不均一になったため、拡散しにくくなっていることが要因として考えられる。
《実施例6》
負極活物質として黒鉛(メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)(大阪ガスケミカル(株)製))を用いた。この活物質100重量部に、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース(ダイセル化学(株)製)を1重量部加えた水溶液を用いて練合を行った。このペーストに、バインダとしてスチレン−ブタジエン共重合ゴム(JSR(株)製)を1重量部加えることにより負極ペーストを調製した。
このペーストを、実施例4と同様に、厚み10μmの電解銅箔の両面に塗布し、乾燥・圧延を行った。その結果、集電体とその両面に担持された負極活物質層からなる負極cを得た。この負極活物質層の密度は1.65g/cm3であり、その空孔率は72%であった。
上記負極cを110℃で24時間の真空乾燥を行い、露点−60℃以下のドライ雰囲気で保管した。
この負極cに対して、実施例5の装置を用いてリチウムを拡散処理した。すなわち、担持体には、ポリイミドフィルムを用い、その表面に厚み4μmになるようにリチウムを蒸着した。リチウムの拡散処理時の加熱および加圧力を表11に示す。また、これらの処理を行った負極c−2〜c−4および未処理の負極c−1を用いて電池を作製し、特性評価を行った。その結果も表11に併せて示す。
Figure 0005172134
表11の結果から、上記処理を行うことにより、電池容量の増加を確認できた。本実施例の結果から、従来用いられている負極活物質である黒鉛を用いても、不可逆容量の補填によって、さらに高容量の電池を作製できることが判明した。
しかし、上述の結果からも、特に本発明に適している負極活物質はケイ素を含む化合物であり、これらを負極活物質として用い、さらに不可逆容量を本発明の手法を用いて補填することにより、従来の電池に比べて飛躍的に高容量、かつ長寿命な電池を得ることが可能になる。
《実施例7》
金属リチウム箔(厚み150μm 本荘ケミカル(株)製)をガラス板上に載せ、そのリチウム箔上に、厚み100μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製のテイジンテトロンフィルムHB)を被せた。そして、PETフィルムとリチウム箔との間に空気が入らないように空気抜きを行い、PETフィルムの四隅の位置を固定した。
このPETフィルムを被せたリチウム箔の上から、ブラスト装置(マルチサーフェスJr(MSJ2−90)、マコー(株)製)を用いて、ブラスト体の微粒子であるガラスビーズ(粒径38〜53μm、(株)ユニオン製のUB13L)を、キャリアガスであるドライエア(露点−65℃に制御)によりPETフィルム上に吹き付けた。このとき、ドライエアの圧力は0.25MPaに制御し、PETフィルム上方においてブラスト装置を左右に10回動かした。このようにして、リチウム箔をPETフィルム下で延伸させて薄膜化した。得られたリチウム薄膜の厚みは20μmであった。
このリチウム薄膜を、実施例1と同様に、負極aの両面の活物質の表面に貼り付けて、リチウムを活物質に拡散させた。こうして作製した負極を用いて実施例1と同様のリチウムイオン二次電池を組み立て、同様の評価を行った。その結果、ほぼ表1および表2と同様の結果が得られた。したがって、本発明の効果は、リチウム薄膜の製造条件によらないことが判明した。
《実施例8》
担持体であるポリイミドフィルム表面に離型剤(FC−169(ファインケミカルジャパン(株)製))を塗布した他は実施例5と同様の条件で、担持体の表面にリチウム薄膜を形成し、これを負極に拡散させる処理を行った。
その結果、離型剤を塗布した担持体の表面にリチウムを形成し、これを負極に拡散させる方法をとっても、電池特性に特に影響を与えないことがわかった。さらには、a−27、a−31、a−35のように、担持体上のリチウムの一部のみが負極に拡散した場合においても、容易に担持体から残存するリチウムを取り外すことができた。これらの結果は、さらに量産性を向上させることを示している。
《実施例9》
持体として、リチウムイオン電池用のセパレータとして用いられているポリエチレンフィルム(厚み27μm、旭化成工業(株)製)を用いた。このセパレータ用フィルム上に、実施例5と同様にしてリチウムを担持させた。こうしてリチウムを担持したフィルムをリチウム側が負極と向かい合うようにして電極群を構成し、電池を組み立てた。
電解液を注液する前に、熱処理を行ってセパレータ上のリチウムを負極に拡散させた。その後注液、封口をすることで電池を作製し、評価した。その結果を表12に示す。
Figure 0005172134
表9と同様に、加熱温度が20℃では全くリチウムの拡散が生じておらず、セパレータにリチウムが付着したままであった。逆に120℃で熱処理した電池においては、高容量ではあるが、サイクル性がわずかに低下する傾向であった。これは熱処理によってセパレータ自体の空隙が、溶融により減少してしまったためと考えられる。セパレータ上に形成したリチウムを負極に拡散させる好ましい熱処理温度は約80℃でであることが判明した。
本発明の非水電解質二次電池用負極は、高容量および良好な充放電サイクル特性を両立する優れた非水電解質二次電池を与えるものである。本発明は、形態に関わらず非水電解質二次電池に適用可能であり、例えば実施例で挙げた円筒型のみでなく、コイン型、角型、扁平型などの形状を有し、かつ捲回型、積層型などの電極群構造を有する電池にも適用可能である。本発明による非水電解質二次電池は、移動体通信機器、携帯電子機器などの主電源に有用である。
本発明の実施例に用いた円筒型のリチウムイオン二次電池の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の実施例において担持体にリチウム薄膜を形成し、これを負極に拡散処理する装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
21 成膜キャンロール
22 リチウム蒸発源
23 遮蔽板
24 担持体繰り出しロールロール
25 担持体
26 転写キャンロール
27 担持体巻き取りロール
28 負極繰り出しロール
29 負極
30 負極巻き取りロール
31 加熱ロール
32 排気ポンプ
40 真空槽

Claims (11)

  1. リチウムを電気化学的に吸蔵・放出が可能な正極および負極、並びに非水電解質を含み、前記負極が集電体および前記集電体に担持された活物質を含む層からなる非水電解質二次電池の製造方法であって、
    前記負極の活物質を含む層の表面に、リチウムを主体とする金属膜を接触させて、リチウムと負極の活物質とを反応させる工程、および
    前記工程を経た負極を正極と組み合わせて電極群を構成する工程
    を有し、
    前記負極の活物質が、黒鉛、難黒鉛化炭素、ケイ素単体、ケイ素を含む化合物、およびスズを含む化合物からなる群より選択される非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 前記リチウムと負極の活物質とを反応させる工程が、加熱する工程を含む請求項1記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  3. 前記加熱する工程が、加圧する工程を含む請求項1記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  4. 前記加熱する工程が、−40℃以下の露点に制御された雰囲気下で、かつ80℃以上200℃以下で行われる請求項3記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  5. 記雰囲気が、さらに50Pa以下の減圧雰囲気である請求項4記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  6. 前記リチウムと負極の活物質とを反応させる工程が、リチウムと化学的に反応しない担持体上に形成されたリチウムを主体とする金属膜と負極の活物質を含む層とを加熱および加圧下で接触させることからなる請求項1記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  7. 前記担持体上に形成された前記金属膜が、真空蒸着法により形成されたものである請求項6記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  8. 前記担持体が、遷移元素を主として含む金属箔である請求項6記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  9. 前記担持体が、有機高分子フィルムである請求項6記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  10. 前記負極の活物質を含む層が、前記負極の活物質およびバインダを含む合剤層、または前記負極の活物質の堆積膜である、請求項1記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  11. 請求項1記載の方法により製造された非水電解質二次電池。
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