JP2002083594A - リチウム電池用電極並びにこれを用いたリチウム電池及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム電池用電極並びにこれを用いたリチウム電池及びリチウム二次電池

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JP2002083594A JP2000321201A JP2000321201A JP2002083594A JP 2002083594 A JP2002083594 A JP 2002083594A JP 2000321201 A JP2000321201 A JP 2000321201A JP 2000321201 A JP2000321201 A JP 2000321201A JP 2002083594 A JP2002083594 A JP 2002083594A
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thin film
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lithium
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Hiroaki Ikeda
博昭 池田
Masahisa Fujimoto
正久 藤本
Shin Fujitani
伸 藤谷
Masaki Shima
正樹 島
Hiromasa Yagi
弘雅 八木
Hisaki Tarui
久樹 樽井
Hiroshi Kurokawa
宏史 黒河
Kenji Asaoka
賢司 浅岡
Shigeki Matsuda
茂樹 松田
Yoichi Domoto
洋一 堂本
Ryuji Oshita
竜司 大下
Yoshio Kato
善雄 加藤
Hiroshi Nakajima
中島  宏
Yasuyuki Kusumoto
靖幸 樟本
Tomokazu Yoshida
智一 吉田
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なリチウム電池用電極並びにこれを用い
たリチウム電池及びリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウムを吸蔵・放出する活物質を含む
リチウム電池用電極であって、活物質として非結晶シリ
コンまたは微結晶シリコンを用いたことを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なリチウム電
池用電極並びにこれを用いたリチウム電池及びリチウム
二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、研究開発が盛んに行われているリ
チウム二次電池は、用いられる電極により充放電電圧、
充放電サイクル寿命特性、保存特性などの電池特性が大
きく左右される。このことから、電極活物質を改善する
ことにより、電池特性の向上が図られている。
【0003】負極活物質としてリチウム金属を用いる
と、重量当り及び体積当りともに高いエネルギー密度の
電池を構成することができるが、充電時にリチウムがデ
ンドライト状に析出し、内部短絡を引き起こすという問
題があった。
【0004】これに対し、充電の際に電気化学的にリチ
ウムと合金化するアルミニウム、シリコン、錫などを電
極として用いるリチウム二次電池が報告されている(So
lidState Ionics, 113-115, p57(1998))。これらのう
ち、特にシリコンは理論容量が大きく、高い容量を示す
電池用負極として有望であり、これを負極とする種々の
二次電池が提案されている(特開平10−255768
号公報)。しかしながら、この種の合金負極は、電極活
物質である合金自体が充放電により微粉化し集電特性が
悪化することから、十分なサイクル特性は得られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
なリチウム電池用電極並びにこれを用いたリチウム電池
及びリチウム二次電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従う第1の局面
は、リチウムを吸蔵・放出する活物質を含むリチウム電
池用電極であり、活物質として非結晶シリコンを用いた
ことを特徴とするリチウム電池用電極である。
【0007】一般に、シリコンは、結晶性の違いによ
り、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコ
ン、及び単結晶シリコンに大別される。本発明における
「非結晶シリコン」は、多結晶シリコン及び単結晶シリ
コンを除く、非晶質シリコン及び微結晶シリコンを意味
する。非晶質シリコンは、後述するラマン分光分析にお
いて結晶領域に対応する520cm-1近傍のピークが実
質的に検出されないものである。微結晶シリコンは、ラ
マン分光分析において、結晶領域に対応する520cm
-1近傍のピークと、非晶質領域に対応する480cm-1
近傍のピークの両方が実質的に検出されるものである。
従って、微結晶シリコンは結晶領域と非晶質領域とから
実質的に構成される。多結晶シリコン及び単結晶シリコ
ンは、ラマン分光分析において、非晶質領域に対応する
480cm-1近傍のピークが実質的に検出されない。
【0008】上記のように、本発明における「非結晶シ
リコン」には、非晶質シリコン及び微結晶シリコンが含
まれる。従って、本発明に従う第1の局面では、活物質
として、非晶質シリコンまたは微結晶シリコンが用いら
れる。
【0009】非結晶シリコンまたは微結晶シリコンに
は、水素が含まれていてもよい。この場合、非結晶シリ
コンまたは微結晶シリコン中の水素濃度は、例えば、
0.001原子%以上である。水素濃度は、2次イオン
質量分析(SIMS)により測定することができる。
【0010】第1の局面における微結晶シリコン中の結
晶領域のサイズは、X線回折スペクトルとScherr
erの式から算出される結晶粒径として、例えば0.5
nm以上である。
【0011】X線回折スペクトルとScherrerの
式から結晶粒径を算出する方法は、薄膜ハンドブック
(第1版、日本学術振興会薄膜第131委員会編、株式
会社オーム社発行)の第375頁に記載されている。
【0012】上記X線回折スペクトルとScherre
rの式から算出される結晶粒径は、例えば走査型電子顕
微鏡で観察される結晶粒径とは必ずしも一致しない。ま
た、特定方向、例えば厚み方向に長く延びた結晶領域で
あってもよい。この場合、例えば厚み方向の長さが10
μm程度のものであってもよい。
【0013】また、第1の局面において、微結晶シリコ
ンのラマン分光分析における520cm-1近傍のピーク
強度に対する480cm-1近傍のピーク強度比(480
cm -1近傍/520cm-1近傍)は、例えば0.05以
上である。
【0014】なお、非晶質領域に対応する480cm-1
近傍のピークは、10cm-1程度シフトすることが知ら
れている。また、結晶領域に対応する520cm-1近傍
のピークは、5cm-1程度シフトすることが知られてい
る。なお、480cm-1近傍のピークは、ブロードなピ
ークであるので、520cm-1近傍までピークの裾が広
がる場合がある。この場合、ピークの広がり部分を差し
引くことなく、520cm-1近傍のピークの高さをピー
ク強度として、上記ピーク強度比を算出している。
【0015】第1の局面において、非結晶シリコン及び
微結晶シリコンは、シリコン薄膜であることが好まし
い。特に、気相からシリコン材料を供給することにより
基板上に堆積させたシリコン薄膜であることが好まし
い。シリコン材料とともに、水素ガスを導入して形成し
たシリコン薄膜であってもよい。
【0016】シリコン材料としては、シリコン原子を含
む原料ガスまたはシリコン原子を含む原料パウダーが挙
げられる。上記シリコン薄膜を形成する方法としては、
例えば、CVD法、スパッタリング法、溶射法、または
真空蒸着法を挙げることができる。
【0017】第1の局面においては、基板として集電体
を用い、集電体上にシリコン薄膜を形成したものが特に
好ましい。集電体上にシリコン薄膜を形成する際、集電
体上に中間層を形成し、該中間層の上にシリコン薄膜を
形成してもよい。
【0018】集電体の材料としては、銅、ニッケル、ス
テンレス、モリブデン、タングステン、及びタンタルか
ら選ばれる少なくとも1種が挙げられる。集電体の表面
粗さRaは、0.01μm以上であることが好ましく、
さらに好ましくは0.01〜1μmであり、さらに好ま
しくは0.05〜0.5μmである。表面粗さRaは、
日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定
められており、例えば表面粗さ計により測定することが
できる。
【0019】集電体の表面粗さRaは、活物質薄膜の厚
みtに対してRa≦tの関係を有することが好ましい。
また、集電体の表面粗さRaと局部山頂の平均間隔S
は、100Ra≧Sの関係を有することが好ましい。局
部山頂の平均間隔Sは、日本工業規格(JIS B 0
601−1994)に定められており、例えば表面粗さ
計により測定することができる。
【0020】集電体表面の凹凸の凸部の形状は、特に限
定されるものではないが、例えば錐体状であることが好
ましい。本発明に従う第2の局面は、リチウムを吸蔵・
放出する活物質からなる薄膜が集電体上に設けられたリ
チウム電池用電極であり、薄膜がその厚み方向に形成さ
れた切れ目によって柱状に分離されており、かつ該柱状
部分の底部が集電体と密着していることを特徴としてい
る。
【0021】上記第1の局面におけるシリコン薄膜は、
第2の局面に従う薄膜であることが好ましい。すなわ
ち、シリコン薄膜がその厚み方向に形成された切れ目に
よって柱状に分離されており、かつ該柱状部分の底部が
集電体と密着していることが好ましい。
【0022】第2の局面における活物質薄膜は、その厚
み方向に形成された切れ目によって柱状に分離されてい
る。このため、柱状部分の周囲には隙間が形成されてお
り、この隙間によって充放電サイクルに伴う薄膜の膨張
収縮による応力が緩和され、活物質薄膜が集電体から剥
離するような応力が発生するのを抑制することができ
る。従って、柱状部分の底部における集電体との密着状
態を良好に保つことができる。
【0023】第2の局面では、薄膜の厚み方向におい
て、少なくとも薄膜の厚みの1/2以上の部分が、切れ
目によって柱状に分離されていることが好ましい。ま
た、薄膜の表面に凹凸が形成されており、該凹凸の谷部
を端部とする切れ目が薄膜に形成されている場合には、
柱状部分が薄膜表面の少なくとも1つの凸部を含むよう
に切れ目が形成されていてもよい。この場合、複数の凸
部を含むように切れ目が形成されていてもよい。
【0024】第2の局面において、薄膜に形成される切
れ目は、初回以降の充放電で形成されてもよい。このよ
うな場合、例えば、充放電前において薄膜の表面に凹凸
が形成されており、初回以降の充放電により薄膜表面の
凹凸の谷部を端部とする切れ目が形成され、この切れ目
によって薄膜が柱状に分離されていてもよい。
【0025】薄膜表面の凹凸は、下地層である集電体表
面の凹凸に対応して形成されていてもよい。すなわち、
表面に凹凸を有する集電体を用い、その上に薄膜を形成
することにより、薄膜の表面に凹凸を付与することがで
きる。
【0026】集電体の表面粗さRaは、0.01μm以
上であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜
1μmであり、さらに好ましくは0.05〜0.5μm
である。表面粗さRaは、日本工業規格(JIS B
0601−1994)に定められており、例えば表面粗
さ計により測定することができる。
【0027】集電体の表面粗さRaは、活物質薄膜の厚
みtに対してRa≦tの関係を有することが好ましい。
また、集電体の表面粗さRaと局部山頂の平均間隔S
は、100Ra≧Sの関係を有することが好ましい。局
部山頂の平均間隔Sは、日本工業規格(JIS B 0
601−1994)に定められており、例えば表面粗さ
計により測定することができる。
【0028】集電体表面の凹凸の凸部の形状は、特に限
定されるものではないが、例えば錐体状であることが好
ましい。また、柱状部分の上方部は、充放電反応におけ
る電流の集中を避けるため、丸みを帯びた形状であるこ
とが好ましい。
【0029】第2の局面において、活物質からなる薄膜
に形成される厚み方向の切れ目は、初回以降の充放電で
形成されていてもよいし、充放電前に予め形成されてい
てもよい。このような切れ目を充放電前に薄膜に予め形
成させる方法としては、電池を組み立てる前に、電極の
薄膜にリチウム等を吸蔵させた後放出させるなどの方法
により、薄膜の体積を膨張させた後収縮させて形成させ
ることができる。また、フォトリソグラフィーによりパ
ターニングしたレジスト膜などを用いて、柱状に薄膜を
形成することにより、切れ目によって柱状に分離された
薄膜としてもよい。
【0030】第2の局面における活物質薄膜は、例え
ば、リチウムと化合物もしくは固溶体を形成する材料か
ら形成することができる。このような材料として、周期
律表IIB族、IIIB族、IVB族及びVB族の元素、並び
に周期律表4周期、5周期及び6周期の遷移金属元素の
酸化物及び硫化物から選ばれる少なくとも1種の材料を
挙げることができる。
【0031】第2の局面において、リチウムと化合物も
しくは固溶体を形成する周期律表IIB族、IIIB族、IV
B族及びVB族の元素としては、炭素、アルミニウム、
シリコン、リン、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ
素、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、水銀、
タリウム、鉛、及びビスマスが挙げられる。また、周期
律表4周期、5周期及び6周期の遷移金属元素は、具体
的には、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、
マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イット
リウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチ
ウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミ
ウム、ランタノイド系元素、ハフニウム、タンタル、タ
ングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白
金、金、及び水銀である。
【0032】上記元素の中でも、炭素、シリコン、ゲル
マニウム、錫、鉛、アルミニウム、インジウム、亜鉛、
カドミウム、ビスマス、及び水銀から選ばれる少なくと
も1種であることが好ましく、さらに好ましくはシリコ
ン及び/またはゲルマニウムである。
【0033】第2の局面における「非結晶シリコン」
も、上述と同様に、多結晶シリコン及び単結晶シリコン
を除く、非晶質シリコン及び微結晶シリコンを意味す
る。第2の局面において、活物質薄膜として用いるシリ
コン薄膜としては、微結晶シリコン薄膜及び非晶質シリ
コン薄膜が好ましい。
【0034】また、第2の局面において用いる好ましい
活物質薄膜としては、上記のシリコン薄膜以外に、ゲル
マニウム薄膜及びシリコンゲルマニウム合金薄膜が挙げ
られる。ゲルマニウム薄膜としては、微結晶ゲルマニウ
ム薄膜及び非晶質ゲルマニウム薄膜が好ましく用いられ
る。シリコンゲルマニウム合金薄膜としては、微結晶シ
リコンゲルマニウム合金薄膜及び非晶質シリコンゲルマ
ニウム薄膜が好ましく用いられる。ゲルマニウム薄膜及
びシリコンゲルマニウム合金薄膜の微結晶及び非晶質
は、上記のシリコン薄膜と同様にして定めることができ
る。シリコン、ゲルマニウムについては後述の実施例で
述べるように、良好な結果が得られている。シリコン、
ゲルマニウムは任意の割合で固溶するので、シリコンゲ
ルマニウム合金についても同様の効果が期待できる。
【0035】第2の局面において、活物質薄膜を集電体
上に形成する方法は、特に限定されるものではないが、
例えば、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、溶射
法、またはめっき法などが挙げられる。これらの薄膜形
成方法の中でも、CVD法、スパッタリング法、及び蒸
着法が特に好ましく用いられる。
【0036】第2の局面において用いる集電体は、その
上に活物質薄膜を良好な密着性で形成できるものであれ
ば特に限定されるものではない。集電体の具体例として
は、銅、ニッケル、ステンレス、モリブデン、タングス
テン、及びタンタルから選ばれる少なくとも1種が挙げ
られる。
【0037】集電体は、厚みの薄いものであることが好
ましく、金属箔であることが好ましい。集電体は、リチ
ウムと合金化しない材料から形成されていることが好ま
しく、特に好ましい材料としては、銅が挙げられる。集
電体は銅箔であることが好ましく、その表面が粗面化さ
れた銅箔であることが好ましい。このような銅箔として
は電解銅箔が挙げられる。電解銅箔は、例えば、銅イオ
ンが溶解された電解液中に金属製のドラムを浸漬し、こ
れを回転させながら電流を流すことにより、ドラムの表
面に銅を析出させ、これを剥離して得られる銅箔であ
る。電解銅箔の片面または両面には、粗面化処理や表面
処理がなされていてもよい。
【0038】また、圧延銅箔の表面に、電解法により銅
を析出させ、表面を粗面化した銅箔であってもよい。ま
た、集電体の上に中間層を形成し、この中間層の上に活
物質薄膜を形成してもよい。この場合、中間層として
は、活物質薄膜中に拡散し易い成分を含むものが好まし
く、例えば銅層が好ましい。例えば、表面が粗面化され
たニッケル箔(電解ニッケル箔など)の上に、銅層を形
成した集電体を用いてもよい。また、ニッケル箔の上に
電解法により、銅を析出させ、これによって粗面化した
ニッケル箔を用いてもよい。
【0039】第2の局面において活物質薄膜に形成され
る切れ目は、予め活物質薄膜中に厚み方向に延びるよう
に形成された低密度領域に沿って形成されたものであっ
てもよい。このような低密度領域は、例えば、集電体表
面の凹凸の谷部から上方に向かって延びるように形成さ
れている。
【0040】第2の局面においては、活物質薄膜に集電
体の成分が拡散していることが好ましい。このような集
電体成分の薄膜内への拡散により、集電体と活物質薄膜
の密着性を高めることができる。また、集電体成分とし
て、リチウムと合金化しない銅などの元素が拡散してい
る場合、拡散領域においてリチウムとの合金化が抑制さ
れるため、充放電反応に伴う薄膜の膨張・収縮を抑制す
ることができ、活物質薄膜の集電体からの剥離を生じさ
せるような応力の発生を抑制することができる。
【0041】また、薄膜内に拡散した集電体成分の濃度
は、集電体近傍で高く、薄膜表面に近づくにつれて減少
していることが好ましい。このような集電体成分の濃度
勾配を有することにより、充放電反応に伴う薄膜の膨張
・収縮の抑制が、集電体近傍においてより強く働くた
め、活物質薄膜の剥離を生じさせる応力が集電体近傍で
発生するのを抑制することができ易くなる。また、薄膜
表面に近づくにつれて集電体成分の濃度が減少すること
により、高い充放電容量を維持することができる。
【0042】また、拡散した集電体成分は、薄膜中にお
いて、薄膜成分と金属間化合物を形成せずに、固溶体を
形成していることが好ましい。ここで、金属間化合物と
は、金属同士が特定の比率で化合した特定の結晶構造を
有する化合物をいう。薄膜成分と集電体成分が薄膜中に
おいて、金属間化合物ではなく、固溶体を形成すること
により、薄膜と集電体との密着状態がより良好となり、
より高い充放電容量を得ることができる。
【0043】第2の局面における活物質薄膜には、不純
物がドープされていてもよい。このような不純物として
は、例えば、リン、アルミニウム、ヒ素、アンチモン、
ホウ素、ガリウム、インジウム、酸素、窒素等の周期律
表IIIB族、IVB族、VB族、VIB族の元素を挙げるこ
とができる。
【0044】また、第2の局面における活物質薄膜は、
複数の層を積層して形成されていてもよい。積層された
各層においては、組成、結晶性、不純物濃度等が異なっ
ていてもよい。また、薄膜の厚み方向に傾斜構造を有す
るものであってもよい。例えば、組成、結晶性、不純物
濃度等を厚み方向に変化させた傾斜構造とすることがで
きる。
【0045】また、第2の局面の活物質薄膜の厚みは特
に限定されるものではないが、例えば20μm以下の厚
みとすることができる。また、高い充放電容量を得るた
めには、厚みは1μm以上であることが好ましい。
【0046】第2の局面においては、集電体と、薄膜と
の密着性を向上させるため、集電体と、薄膜との間に中
間層を設けてもよい。このような中間層の材料として
は、集電体材料及び活物質材料との間で合金を形成する
ような物質が好ましく用いられる。
【0047】第2の局面における活物質薄膜は、リチウ
ムと合金を形成することによりリチウムを吸蔵する活物
質薄膜であることが好ましい。また、第2の局面におけ
る活物質薄膜には、予めリチウムが吸蔵または添加され
ていてもよい。リチウムは、活物質薄膜を形成する際に
添加してもよい。すなわち、リチウムを含有する活物質
薄膜を形成することにより、活物質薄膜にリチウムを添
加してもよい。また、活物質薄膜を形成した後に、活物
質薄膜にリチウムを吸蔵または添加させてもよい。活物
質薄膜にリチウムを吸蔵または添加させる方法として
は、電気化学的にリチウムを吸蔵または添加させる方法
が挙げられる。
【0048】本発明の第3の局面の一実施形態では、リ
チウムの吸蔵・放出により膨張・収縮する活物質薄膜を
集電体上に形成したリチウム二次電池用電極であり、以
下の式で定義される集電体の引張強度が3.82N/m
m以上であることを特徴としている。
【0049】集電体の引張強度(N/mm)=集電体材
料の断面積当りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚
み(mm) ここで、集電体材料の断面積当りの引張強さは、例え
ば、日本工業規格(JIS)によって規定された方法で
測定することができる。
【0050】上記実施形態において、集電体の引張強度
は、7.44N/mm以上であることが好ましい。本発
明の第3の局面の他の実施形態では、リチウムの吸蔵・
放出により膨張・収縮する活物質薄膜を集電体上に形成
したリチウム二次電池用電極であり、活物質薄膜の厚み
1μmあたりの集電体の引張強度が、1.12N/mm
以上であることを特徴としている。
【0051】活物質薄膜の厚み1μmあたりの集電体の
引張強度は、以下の式により求めることができる。 (活物質薄膜の厚み1μmあたりの集電体の引張強度)
=(集電体の引張強度)÷(活物質薄膜の厚み:μm) なお、集電体の引張強度は、上記において定義される値
である。
【0052】上記実施形態においては、活物質薄膜の厚
み1μmあたりの集電体の引張強度が、2.18N/m
m以上であることが好ましく、さらに好ましくは、4.
25N/mm以上である。
【0053】本発明の第3の局面のさらに他の実施形態
では、リチウムの吸蔵・放出により膨張・収縮する活物
質薄膜を集電体上に形成したリチウム二次電極であり、
集電体の厚みに対する活物質薄膜の厚みの比(活物質薄
膜の厚み/集電体の厚み)が0.19以下であることを
特徴としている。
【0054】上記実施形態では、集電体の厚みに対する
活物質薄膜の厚みの比が0.098以下であることが好
ましく、さらに好ましくは、0.05以下である。本発
明の第3の局面に従えば、充放電により電極にしわが発
生するのを抑制することができる。
【0055】第3の局面において、集電体の表面粗さR
aは、0.01μm以上であることが好ましく、0.0
1〜1μmであることがさらに好ましく、さらに好まし
くは0.05〜0.5μmである。また、集電体の表面
粗さRaは、後述する電解銅箔の表面粗さRa程度であ
ることが好ましい。従って、集電体の表面粗さRaは
0.1μm以上であることが好ましく、さらに好ましく
は0.1〜1μmである。表面粗さRaは、日本工業規
格(JIS B 0601−1994)に定められてお
り、例えば表面粗さ計により測定することができる。
【0056】第3の局面において、集電体の表面粗さR
aは、活物質の厚みtに対してRa≦tの関係を有する
ことが好ましい。また、集電体の表面粗さRaと局部山
頂の平均間隔Sは、100Ra≧Sの関係を有すること
が好ましい。局部山頂の平均間隔Sは、日本工業規格
(JIS B 0601−1994)に定められてお
り、例えば表面粗さ計により測定することができる。
【0057】集電体表面の凹凸の凸部の形状は、特に限
定されるものではないが、例えば錐体状であることが好
ましい。第3の局面においては、活物質薄膜に集電体成
分が拡散していることが好ましい。活物質薄膜に集電体
成分が拡散することにより、活物質薄膜と集電体との密
着性がさらに高まり、集電体からの活物質薄膜の剥離を
さらに有効に防止することができる。従って、充放電サ
イクル特性をさらに優れたものにすることができる。
【0058】活物質薄膜としてリチウムと合金化する活
物質からなる薄膜を用い、集電体としてリチウムと合金
化しない材料からなる集電体を用いる場合、集電体成分
の拡散によって、リチウムの吸蔵・放出に伴う集電体近
傍の薄膜部分の膨張収縮を相対的に小さくすることがで
きる。従って、薄膜と集電体との密着状態をさらに良好
に保つことができる。
【0059】薄膜における集電体成分の濃度は、集電体
近傍で高く、薄膜表面に近づくにつれて減少しているこ
とが好ましい。このような濃度勾配を有することによ
り、集電体近傍では薄膜の膨張収縮が抑制され、薄膜と
集電体の密着状態が保たれると共に、薄膜表面近傍では
活物質の量が相対的に多くなるので、高い充放電容量を
維持することができる。
【0060】拡散した集電体成分は、薄膜中において、
薄膜成分と金属間化合物を形成せずに、固溶体を形成し
ていることが好ましい。ここで、金属間化合物とは、金
属同士が特定の比率で化合した特定の結晶構造を有する
化合物をいう。薄膜成分と集電体成分が薄膜中におい
て、金属間化合物ではなく、固溶体を形成することによ
り、薄膜と集電体との密着状態がより良好となり、より
高い充放電容量を得ることができる。
【0061】第3の局面において、集電体成分が拡散し
ている領域の厚みは、特に限定されるものではないが、
1μm以上であることが好ましい。第3の局面において
用いる集電体は、上記第3の局面の条件を満足できるも
のであれば特に限定されるものではない。集電体の具体
例としては、銅、ニッケル、ステンレス、モリブデン、
タングステン、及びタンタルから選ばれる少なくとも1
種が挙げられる。
【0062】集電体は、厚みの薄いものであることが好
ましく、金属箔であることが好ましい。集電体は、リチ
ウムと合金化しない材料から形成されていることが好ま
しく、特に好ましい材料としては、銅が挙げられる。集
電体は銅箔であることが好ましく、その表面が粗面化さ
れた銅箔であることが好ましい。このような銅箔として
は電解銅箔が挙げられる。電解銅箔は、例えば、銅イオ
ンが溶解された電解液中に金属製のドラムを浸漬し、こ
れを回転させながら電流を流すことにより、ドラムの表
面に銅を析出させ、これを剥離して得られる銅箔であ
る。電解銅箔の片面または両面には、粗面化処理や表面
処理がなされていてもよい。
【0063】また、圧延銅箔の表面に、電解法により銅
を析出させ、表面を粗面化した銅箔であってもよい。ま
た、集電体の上に中間層を形成し、この中間層の上に活
物質薄膜を形成してもよい。この場合、中間層として
は、活物質薄膜中に拡散し易い成分を含むものが好まし
く、例えば銅層が好ましい。例えば、表面が粗面化され
たニッケル箔(電解ニッケル箔など)の上に、銅層を形
成した集電体を用いてもよい。また、ニッケル箔の上に
電解法により、銅を析出させ、これによって粗面化した
ニッケル箔を用いてもよい。
【0064】第3の局面における活物質薄膜は、例え
ば、リチウムと化合物もしくは固溶体を形成する材料か
ら形成することができる。このような材料として、周期
律表IIB族、IIIB族、IVB族及びVB族の元素、並び
に周期律表4周期、5周期及び6周期の遷移金属元素の
酸化物及び硫化物から選ばれる少なくとも1種の材料を
挙げることができる。
【0065】第3の局面において、リチウムと化合物も
しくは固溶体を形成する周期律表IIB族、IIIB族、IV
B族及びVB族の元素としては、炭素、アルミニウム、
シリコン、リン、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ
素、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、水銀、
タリウム、鉛、及びビスマスが挙げられる。また、周期
律表4周期、5周期及び6周期の遷移金属元素は、具体
的には、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、
マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イット
リウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチ
ウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミ
ウム、ランタノイド系元素、ハフニウム、タンタル、タ
ングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白
金、金、及び水銀である。
【0066】上記元素の中でも、炭素、シリコン、ゲル
マニウム、錫、鉛、アルミニウム、インジウム、亜鉛、
カドミウム、ビスマス、及び水銀から選ばれる少なくと
も1種であることが好ましく、さらに好ましくはシリコ
ン及び/またはゲルマニウムである。
【0067】第3の局面における「非結晶シリコン」
も、上述のように、多結晶シリコン及び単結晶シリコン
を除く、非晶質シリコン及び微結晶シリコンを意味す
る。第3の局面において、活物質薄膜として用いるシリ
コン薄膜としては、微結晶シリコン薄膜及び非晶質シリ
コン薄膜が好ましい。
【0068】また、第3の局面において用いる好ましい
活物質薄膜としては、上記のシリコン薄膜以外に、ゲル
マニウム薄膜及びシリコンゲルマニウム合金薄膜が挙げ
られる。ゲルマニウム薄膜としては、微結晶ゲルマニウ
ム薄膜及び非晶質ゲルマニウム薄膜が好ましく用いられ
る。シリコンゲルマニウム合金薄膜としては、微結晶シ
リコンゲルマニウム合金薄膜及び非晶質シリコンゲルマ
ニウム薄膜が好ましく用いられる。ゲルマニウム薄膜及
びシリコンゲルマニウム合金薄膜の微結晶及び非晶質
は、上記のシリコン薄膜と同様にして定めることができ
る。シリコン、ゲルマニウムについては後述の実施例で
述べるように、良好な結果が得られている。シリコン、
ゲルマニウムは任意の割合で固溶するので、シリコンゲ
ルマニウム合金についても同様の効果が期待できる。
【0069】第3の局面において、薄膜は、その厚み方
向に形成された切れ目によって柱状に分離されており、
かつ該柱状部分の底部が集電体と密着していることが好
ましい。また、薄膜の厚み方向において、少なくとも厚
みの1/2以上の部分が、切れ目によって柱状に分離さ
れていることが好ましい。
【0070】上記切れ目は、薄膜の膨張収縮により形成
されるものであることが好ましく、このような薄膜の膨
張収縮は、例えば薄膜の充放電反応により与えられる。
従って、上記切れ目は、電池を組み立てた後の充放電反
応により形成されてもよいし、電池を組み立てる前の充
放電反応により形成されてもよい。このような切れ目を
充放電前に薄膜に予め形成させる方法としては、電池を
組み立てる前に、電極の薄膜にリチウム等を吸蔵させた
後放出させるなどの方法により、薄膜の体積を膨張させ
た後収縮させて形成することができる。また、フォトリ
ソグラフィー法によりパターニングしたレジスト膜など
を用いて、柱状に薄膜を形成することにより、切れ目に
よって柱状に分離された薄膜としてもよい。
【0071】薄膜の表面に凹凸が形成されている場合、
上記切れ目は該薄膜表面の凹凸の谷部から集電体に向か
って厚み方向に形成されていてもよい。また、薄膜表面
の凹凸は、集電体表面の凹凸に対応して形成されていて
もよい。すなわち、表面に凹凸を有する集電体を用い、
その上に薄膜を形成することにより、薄膜の表面に凹凸
を付与することができる。
【0072】また、薄膜の柱状部分の上方の形状は特に
限定されるものではないが、丸みを帯びた形状であるこ
とが好ましい。また、上記切れ目は、薄膜に予め形成さ
れた低密度領域に沿って厚み方向に形成されたものであ
ってもよい。このような低密度領域は、例えば面方向に
網目状に連なり、かつ集電体に向かって厚み方向に延び
ている。
【0073】第3の局面において、活物質薄膜を集電体
上に形成する方法は、特に限定されるものではないが、
例えば、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、溶射
法、またはめっき法などが挙げられる。これらの薄膜形
成方法の中でも、CVD法、スパッタリング法、及び蒸
着法が特に好ましく用いられる。
【0074】第3の局面における活物質薄膜には、不純
物がドープされていてもよい。このような不純物として
は、例えば、リン、アルミニウム、ヒ素、アンチモン、
ホウ素、ガリウム、インジウム、酸素、窒素等の周期律
表IIIB族、IVB族、VB族、VIB族の元素を挙げるこ
とができる。
【0075】また、第3の局面における活物質薄膜は、
複数の層を積層して形成されていてもよい。積層された
各層においては、組成、結晶性、不純物濃度等が異なっ
ていてもよい。また、薄膜の厚み方向に傾斜構造を有す
るものであってもよい。例えば、組成、結晶性、不純物
濃度等を厚み方向に変化させた傾斜構造とすることがで
きる。
【0076】第3の局面における活物質薄膜は、リチウ
ムと合金を形成することによりリチウムを吸蔵する活物
質薄膜であることが好ましい。また、第3の局面におけ
る活物質薄膜には、予めリチウムが吸蔵または添加され
ていてもよい。リチウムは、活物質薄膜を形成する際に
添加してもよい。すなわち、リチウムを含有する活物質
薄膜を形成することにより、活物質薄膜にリチウムを添
加してもよい。また、活物質薄膜を形成した後に、活物
質薄膜にリチウムを吸蔵または添加させてもよい。活物
質薄膜にリチウムを吸蔵または添加させる方法として
は、電気化学的にリチウムを吸蔵または添加させる方法
が挙げられる。
【0077】また、第3の局面の活物質薄膜の厚みは、
高い充放電容量を得るためには、1μm以上であること
が好ましい。第3の局面においては、上述のように、集
電体と薄膜との密着性を向上させるため、集電体と薄膜
との間に中間層を設けてもよい。このような中間層の材
料としては、集電体材料及び活物質材料との間で合金を
形成するような物質が好ましく用いられる。
【0078】本発明の第4の局面は、リチウムを吸蔵・
放出する活物質からなる活物質薄膜が中間層を介して集
電体上に設けられたリチウム電池用電極であり、中間層
が活物質薄膜と合金化する材料から形成されていること
を特徴としている。
【0079】中間層として、活物質薄膜と合金化する材
料から形成された中間層を用いることにより、活物質薄
膜の集電体に対する密着性を向上させることができる。
従って、充放電反応により薄膜が膨張収縮する際の集電
体からの薄膜の脱離を防止することができ、良好な充放
電サイクル特性を得ることができる。
【0080】第4の局面に従う好ましい実施形態の1つ
においては、集電体として、中間層の材料よりも機械的
強度の高い金属または合金からなる箔が用いられる。第
4の局面においては、リチウムの吸蔵・放出により活物
質薄膜が膨張収縮するため、充放電反応に伴い集電体に
応力が生じる。このような応力により、集電体に不可逆
的、すなわち塑性変形によるしわが発生する。このしわ
の発生は、結果的に電池の体積増加と電極での反応の不
均一性をもたらし、エネルギー密度を低下させる原因と
なる。このようなしわの発生を抑制するためには、機械
的強度、すなわち引張強さ及び引張弾性率などの高い材
料を集電体として用いることが好ましい。しかしなが
ら、このような材料を集電体として用い、その上に直接
活物質薄膜を形成すると、活物質薄膜と集電体との密着
性が不十分となり、良好な充放電サイクルを得られない
場合がある。このような場合、上記のように活物質薄膜
と合金化する材料からなる中間層を集電体と薄膜との間
に設けることにより、充放電反応の際の薄膜の脱離を防
止することができると共に、集電体におけるしわの発生
を抑制することが可能となる。
【0081】従って、集電体として、中間層の材料より
も機械的強度の高い金属または合金からなる箔を用いる
ことにより、良好な充放電サイクル特性を維持しなが
ら、集電体におけるしわの発生を抑制することができ
る。
【0082】また、第4の局面においては、中間層の表
面に凹凸が形成されていることが好ましい。中間層の表
面に凹凸が形成されることにより、中間層と活物質薄膜
との界面における接触面積が大きくなり、活物質薄膜と
中間層との密着性、すなわち活物質薄膜と集電体との密
着性を高めることができる。
【0083】上記中間層の表面の凹凸は、例えば、表面
に凹凸が形成された集電体を用いることにより、形成す
ることができる。この場合、集電体の表面の凹凸に対応
した凹凸が中間層の表面に形成される。
【0084】上記の場合、集電体の表面粗さRaは、
0.001〜1μmであることが好ましく、さらに好ま
しくは、0.01〜1μmである。表面粗さRaは、日
本工業規格(JIS B 0601−1994)に定め
られており、例えば表面粗さ計により測定することがで
きる。
【0085】第4の局面において、集電体の表面粗さR
aは、活物質の厚みtに対してRa≦tの関係を有する
ことが好ましい。また、集電体の表面粗さRaと局部山
頂の平均間隔Sは、100Ra≧Sの関係を有すること
が好ましい。局部山頂の平均間隔Sは、日本工業規格
(JIS B 0601−1994)に定められてお
り、例えば表面粗さ計により測定することができる。
【0086】集電体表面の凹凸の凸部の形状は、特に限
定されるものではないが、例えば錐体状であることが好
ましい。第4の局面における活物質薄膜は、例えば、リ
チウムと化合物もしくは固溶体を形成する材料から形成
することができる。このような材料として、周期律表II
B族、IIIB族、IVB族及びVB族の元素、並びに周期
律表4周期、5周期及び6周期の遷移金属元素の酸化物
及び硫化物から選ばれる少なくとも1種の材料を挙げる
ことができる。
【0087】第4の局面において、リチウムと化合物も
しくは固溶体を形成する周期律表IIB族、IIIB族、IV
B族及びVB族の元素としては、炭素、アルミニウム、
シリコン、リン、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ
素、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、水銀、
タリウム、鉛、及びビスマスが挙げられる。また、周期
律表4周期、5周期及び6周期の遷移金属元素は、具体
的には、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、
マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イット
リウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチ
ウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミ
ウム、ランタノイド系元素、ハフニウム、タンタル、タ
ングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白
金、金、及び水銀である。
【0088】上記元素の中でも、炭素、シリコン、ゲル
マニウム、錫、鉛、アルミニウム、インジウム、亜鉛、
カドミウム、ビスマス、及び水銀から選ばれる少なくと
も1種であることが好ましく、さらに好ましくはシリコ
ン及び/またはゲルマニウムである。
【0089】第4の局面における「非結晶シリコン」
も、上述のように、多結晶シリコン及び単結晶シリコン
を除く、非晶質シリコン及び微結晶シリコンを意味す
る。第4の局面において、活物質薄膜として用いるシリ
コン薄膜としては、微結晶シリコン薄膜及び非晶質シリ
コン薄膜が好ましい。
【0090】また、第4の局面において用いる好ましい
活物質薄膜としては、上記のシリコン薄膜以外に、ゲル
マニウム薄膜及びシリコンゲルマニウム合金薄膜が挙げ
られる。ゲルマニウム薄膜としては、微結晶ゲルマニウ
ム薄膜及び非晶質ゲルマニウム薄膜が好ましく用いられ
る。シリコンゲルマニウム合金薄膜としては、微結晶シ
リコンゲルマニウム合金薄膜及び非晶質シリコンゲルマ
ニウム薄膜が好ましく用いられる。ゲルマニウム薄膜及
びシリコンゲルマニウム合金薄膜の微結晶及び非晶質
は、上記のシリコン薄膜と同様にして定めることができ
る。シリコン、ゲルマニウムについては後述の実施例で
述べるように、良好な結果が得られている。シリコン、
ゲルマニウムは任意の割合で固溶するので、シリコンゲ
ルマニウム合金についても同様の効果が期待できる。
【0091】活物質薄膜として、シリコン薄膜、ゲルマ
ニウム薄膜、またはシリコンゲルマニウム合金薄膜を用
いる場合、これらと合金化する材料として、銅が挙げら
れる。従って、これらの薄膜を用いる場合、中間層とし
て銅層を用いることが好ましい。銅の引張強さは、21
2.7N/mm2(21.7kgf/mm2、「改訂2版
金属データブック」丸善株式会社発行)である。このよ
うな銅の引張強さよりも高い引張強さを有する金属また
は合金としては、ニッケル(引張強さ=315.6N/
mm2=32.2kgf/mm2、「改訂2版金属データ
ブック」丸善株式会社発行)が挙げられる。従って、中
間層として銅層を形成する場合、集電体としては、ニッ
ケル箔を用いることが好ましい。また、その他の集電体
材料としては、錫青銅(リン青銅)、ケイ素青銅、アル
ミ青銅などの種々の銅合金、ニッケル合金、鉄及び鉄合
金、ステンレススチールなどの材質が挙げられる。ま
た、さらに他の集電体材料として、モリブデン、タング
ステン、タンタルなどが挙げられる。
【0092】第4の局面において、中間層の材料は、活
物質薄膜と合金化する材料であるが、中間層の成分は、
活物質薄膜中に拡散していることが好ましい。活物質薄
膜に中間層の成分が拡散することにより、活物質薄膜と
中間層との密着性がさらに高まり、集電体からの活物質
薄膜の剥離を有効に防止することができる。従って、充
放電サイクル特性をさらに優れたものにすることができ
る。
【0093】活物質薄膜としてリチウムと合金化する活
物質からなる薄膜を用い、中間層としてリチウムと合金
化しない材料からなる中間層を集電体上に形成する場
合、中間層の成分の拡散によって、リチウムの吸蔵・放
出に伴う中間層近傍の薄膜部分の膨張収縮を相対的に小
さくすることができる。従って、薄膜と中間層との密着
状態をさらに良好に保つことができる。
【0094】活物質薄膜における中間層の成分の濃度
は、中間層近傍で高く、活物質薄膜表面に近づくにつれ
て減少していることが好ましい。このような濃度勾配を
有することにより、中間層近傍では薄膜の膨張収縮が抑
制され、薄膜と中間層の密着状態が保たれると共に、薄
膜表面近傍では活物質の量が相対的に多くなるので、高
い充放電容量を維持することができる。
【0095】拡散した中間層の成分は、薄膜中におい
て、薄膜成分と金属間化合物を形成せずに、固溶体を形
成していることが好ましい。ここで、金属間化合物と
は、金属同士が特定の比率で化合した特定の結晶構造を
有する化合物をいう。薄膜成分と中間層成分が薄膜中に
おいて、金属間化合物ではなく、固溶体を形成すること
により、薄膜と中間層との密着状態がより良好となり、
より高い充放電容量を得ることができる。
【0096】集電体は、厚みの薄いものであることが好
ましく、金属箔であることが好ましい。集電体は、リチ
ウムと合金化しない材料から形成されていることが好ま
しい。上述のように、中間層として銅層を形成する場
合、集電体としてはニッケル箔を用いることが好まし
い。
【0097】集電体としてニッケル箔を用いる場合、そ
の表面に凹凸が形成されたニッケル箔としては、電解ニ
ッケル箔を用いることができる。電解ニッケル箔は、例
えば、ニッケルイオンが溶解された電解液中に、金属製
のドラムを浸漬し、これを回転させながら電流を流すこ
とにより、ドラムの表面にニッケルを析出させ、これを
剥離して得られるニッケル箔である。電解ニッケル箔の
片面または両面には、粗面化処理や表面処理がなされて
いてもよい。
【0098】また、圧延ニッケル箔の表面に、電解法に
より銅を析出させ、表面を粗面化した銅層で被覆したニ
ッケル箔であってもよい。第4の局面において、活物質
薄膜は、その厚み方向に形成された切れ目によって柱状
に分離されており、かつ該柱状部分の底部が集電体と密
着していることが好ましい。また、活物質薄膜の厚み方
向において、少なくとも厚みの1/2以上の部分が、切
れ目によって柱状に分離されていることが好ましい。
【0099】上記切れ目は、活物質薄膜の膨張収縮によ
り形成されるものであることが好ましく、このような活
物質薄膜の膨張収縮は、例えば活物質薄膜の充放電反応
により与えられる。従って、上記切れ目は、電池を組み
立てた後の充放電反応により形成されてもよいし、電池
を組み立てる前の充放電反応により形成されてもよい。
このような切れ目を充放電前に活物質薄膜に予め形成さ
せる方法としては、電池を組み立てる前に、電極の活物
質薄膜にリチウム等を吸蔵させた後放出させるなどの方
法により、活物質薄膜の体積を膨張させた後収縮させて
形成することができる。また、フォトリソグラフィー法
によりパターニングしたレジスト膜などを用いて、柱状
に活物質薄膜を形成することにより、切れ目によって柱
状に分離された活物質薄膜としてもよい。
【0100】活物質薄膜の表面に凹凸が形成されている
場合、上記切れ目は該薄膜表面の凹凸の谷部から集電体
に向かって厚み方向に形成されていてもよい。また、活
物質薄膜表面の凹凸は、中間層表面の凹凸に対応して形
成されていてもよい。すなわち、表面に凹凸を有する中
間層を形成し、その上に活物質薄膜を形成することによ
り、活物質薄膜の表面に凹凸を付与することができる。
【0101】また、活物質薄膜の柱状部分の上方の形状
は特に限定されるものではないが、丸みを帯びた形状で
あることが好ましい。また、上記切れ目は、活物質薄膜
に予め形成された低密度領域に沿って厚み方向に形成さ
れたものであってもよい。このような低密度領域は、例
えば面方向に網目状に連なり、かつ集電体に向かって厚
み方向に延びている。
【0102】第4の局面において、活物質薄膜を中間層
の上に形成する方法は、特に限定されるものではない
が、例えば、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、溶
射法、またはめっき法などが挙げられる。これらの薄膜
形成方法の中でも、CVD法、スパッタリング法、及び
蒸着法が特に好ましく用いられる。
【0103】第4の局面における活物質薄膜には、不純
物がドープされていてもよい。このような不純物として
は、例えば、リン、アルミニウム、ヒ素、アンチモン、
ホウ素、ガリウム、インジウム、酸素、窒素等の周期律
表IIIB族、IVB族、VB族、VIB族の元素を挙げるこ
とができる。
【0104】また、第4の局面における活物質薄膜は、
複数の層を積層して形成されていてもよい。積層された
各層においては、組成、結晶性、不純物濃度等が異なっ
ていてもよい。また、薄膜の厚み方向に傾斜構造を有す
るものであってもよい。例えば、組成、結晶性、不純物
濃度等を厚み方向に変化させた傾斜構造とすることがで
きる。
【0105】第4の局面における活物質薄膜は、リチウ
ムと合金を形成することによりリチウムを吸蔵する活物
質薄膜であることが好ましい。また、第4の局面におけ
る活物質薄膜には、予めリチウムが吸蔵または添加され
ていてもよい。リチウムは、活物質薄膜を形成する際に
添加してもよい。すなわち、リチウムを含有する活物質
薄膜を形成することにより、活物質薄膜にリチウムを添
加してもよい。また、活物質薄膜を形成した後に、活物
質薄膜にリチウムを吸蔵または添加させてもよい。活物
質薄膜にリチウムを吸蔵または添加させる方法として
は、電気化学的にリチウムを吸蔵または添加させる方法
が挙げられる。
【0106】また、第4の局面の活物質薄膜の厚みは、
高い充放電容量を得るためには、1μm以上であること
が好ましい。第4の局面において、集電体上に中間層を
形成する方法は、特に限定されるものではないが、例え
ば、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、溶射法、ま
たは電解法(めっき法)などが挙げられる。
【0107】第4の局面において、中間層の厚みは、活
物質薄膜との密着性を向上させることができる厚みであ
れば特に限定されるものではないが、一般に0.01〜
10μm程度の厚みが好ましい。
【0108】また、中間層の材料は、集電体の材料に対
しても馴染みがある材質であることが好ましく、集電体
材料とも合金を形成するような材料であることが好まし
い。本発明の第5の局面のリチウム二次電池用電極は、
板状の集電体と、該集電体の両面上に堆積して形成され
た、リチウムを吸蔵・放出する活物質薄膜とを備えるこ
とを特徴としている。
【0109】第5の局面において、リチウムを吸蔵・放
出する活物質薄膜としては、集電体の上に堆積して形成
することができ、かつリチウムを吸蔵・放出することが
できる薄膜であれば、特に限定されるものではないが、
リチウムと化合物もしくは固溶体を形成する、周期律表
IIB族、IIIB族、IVB族及びVB族の元素、並びに周
期律表4周期、5周期及び6周期の遷移金属元素の酸化
物及び硫化物から選ばれる少なくとも1種の材料が挙げ
られる。これらの中でも、炭素、シリコン、ゲルマニウ
ム、錫、鉛、アルミニウム、インジウム、亜鉛、カドミ
ウム、ビスマス、及び水銀から選ばれる少なくとも1種
が好ましい。高い電極容量を得るという観点からは、特
にシリコン薄膜、ゲルマニウム薄膜、及びシリコンゲル
マニウム合金薄膜が好ましい。
【0110】シリコン薄膜の中でも、微結晶シリコン薄
膜または非晶質シリコン薄膜が特に好ましい。微結晶シ
リコン薄膜は、ラマン分光分析において、結晶領域に対
応する520cm-1近傍のピークと、非晶質領域に対応
する480cm-1近傍のピークの両方が実質的に検出さ
れるシリコン薄膜である。非晶質シリコン薄膜は、結晶
領域に対応する520cm-1近傍のピークが実質的に検
出されず、非晶質領域に対応する480cm-1近傍のピ
ークが実質的に検出されるシリコン薄膜である。
【0111】またゲルマニウム薄膜としては、非晶質ゲ
ルマニウム薄膜または微結晶ゲルマニウム薄膜が好まし
い。シリコンゲルマニウム合金薄膜としては、非晶質シ
リコンゲルマニウム合金薄膜または微結晶シリコンゲル
マニウム合金薄膜が好ましい。
【0112】第5の局面において活物質薄膜を形成する
方法としては、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、
溶射法などの気相中から薄膜を凝集して堆積させる方法
並びにめっき法が挙げられる。
【0113】活物質薄膜は、集電体の両面において、そ
れぞれの活物質薄膜のリチウムとの充放電反応量が、単
位面積当りで実質的に同じになるように形成されること
が好ましい。従って、集電体の両面において、それぞれ
の活物質薄膜の厚みが、実質的に同じになるように各活
物質薄膜が形成されることが好ましい。
【0114】第5の局面における集電体としては、例え
ば金属箔を用いることができる。金属箔としては、活物
質薄膜との密着性を高めるという観点からは、活物質薄
膜と合金化し得る金属からなる金属箔であることが好ま
しい。シリコン薄膜及びゲルマニウム薄膜を活物質薄膜
として形成する場合、集電体としては特に銅箔であるこ
とが好ましい。また、銅箔としては、表面粗さRaが大
きい銅箔である、電解銅箔が好ましい。このような電解
銅箔としては、圧延銅箔などの銅箔を電解液中に浸漬
し、銅箔の両面に電解法により銅を析出させて両面を粗
面化した電解銅箔が挙げられる。
【0115】また、集電体の両面上に中間層を形成し、
この中間層の上に活物質薄膜を形成してもよい。この場
合、中間層は、活物質薄膜と合金化する材料から形成す
ることが好ましい。このような中間層を形成することに
より、活物質薄膜中に中間層の成分を拡散させることが
できる。
【0116】また、中間層を形成する場合の集電体は、
中間層の材料よりも機械的強度の高い金属または合金か
らなる箔であることが好ましい。例えば、中間層として
銅層を形成する場合、集電体としてニッケル箔を用いる
ことが好ましい。例えば、表面が粗面化されたニッケル
箔(電解ニッケル箔など)の上に、銅層を形成してもよ
い。また、ニッケル箔の上に電解法により、銅を析出さ
せ、これによって粗面化したニッケル箔を用いてもよ
い。
【0117】第5の局面において、活物質薄膜が形成さ
れる集電体の両面は、互いに実質的に同一の表面粗さR
aを有していることが好ましい。また、第5の局面にお
いて、集電体の両面の表面粗さRaは、それぞれ0.0
1μm以上であることが好ましく、0.01〜1μmで
あることがさらに好ましい。また、集電体の表面粗さR
aは、後述する電解銅箔の表面粗さRa程度であること
が好ましい。従って、集電体の表面粗さRaは0.1μ
m以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.1
〜1μmである。また、表面粗さRaと局部山頂の平均
間隔Sが、100Ra≧Sの関係を有することが好まし
い。
【0118】表面粗さRa及び局部山頂の平均間隔S
は、日本工業規格(JIS B 0601−1994)
に定められており、例えば表面粗さ計により測定するこ
とができる。
【0119】第5の局面に従う好ましい実施形態のリチ
ウム二次電池用電極においては、活物質薄膜がその厚み
方向に形成された切れ目によって柱状に分離されてお
り、かつ該柱状部分の底部が集電体と密着していること
を特徴としている。
【0120】柱状部分のまわりには隙間が形成されてい
るため、充放電反応により活物質の膨張及び収縮が繰り
返されても、このような膨張収縮を隙間が吸収し、膨張
収縮による応力を大きく緩和することができる。従っ
て、活物質薄膜が集電体から脱離及び剥離等をすること
なく充放電反応を繰り返すことができる。
【0121】活物質薄膜の厚み方向において、少なくと
も厚みの1/2以上の部分が、上記切れ目によって柱状
に分離されていることが好ましい。また、上記切れ目
は、好ましくは活物質薄膜の膨張収縮により形成され
る。
【0122】また、上記切れ目は、電池を組み立てた後
の充放電反応により形成してもよいし、電池を組み立て
る前の充放電反応により形成してもよい。第5の局面に
おいて、活物質薄膜の表面には凹凸が形成されているこ
とが好ましい。また、上記切れ目は、該薄膜表面の凹凸
の谷部から集電体に向かって厚み方向に形成されている
ことが好ましい。
【0123】上記薄膜表面の凹凸は、好ましくは集電体
表面の凹凸に対応して形成されている。また、集電体表
面の凹凸の凸部は、錐体状であることが好ましい。さら
に、活物質薄膜の柱状部分の上方は、丸みを帯びた形状
であることが好ましい。
【0124】第5の局面に従う好ましい他の実施形態に
おいては、上記切れ目が形成される前の活物質薄膜に
は、面方向に網目状に連なりかつ集電体に向かって厚み
方向に延びた低密度領域が形成されており、該低密度領
域に沿って上記切れ目が厚み方向に形成されていること
を特徴としている。
【0125】第5の局面においては、活物質薄膜に集電
体成分が拡散していることが好ましい。活物質薄膜に集
電体成分が拡散することにより、活物質薄膜と集電体と
の密着性がさらに高まり、集電体からの活物質薄膜の剥
離をさらに有効に防止することができる。従って、充放
電サイクル特性をさらに優れたものにすることができ
る。
【0126】活物質薄膜としてリチウムと合金化する活
物質からなる薄膜を用い、集電体としてリチウムと合金
化しない材料からなる集電体を用いる場合、集電体成分
の拡散によって、リチウムの吸蔵・放出に伴う集電体近
傍の薄膜部分の膨張収縮を相対的に小さくすることがで
きる。従って、薄膜と集電体との密着状態をさらに良好
に保つことができる。
【0127】薄膜における集電体成分の濃度は、集電体
近傍で高く、薄膜表面に近づくにつれて減少しているこ
とが好ましい。このような濃度勾配を有することによ
り、集電体近傍では薄膜の膨張収縮が抑制され、薄膜と
集電体の密着状態が保たれると共に、薄膜表面近傍では
活物質の量が相対的に多くなるので、高い充放電容量を
維持することができる。
【0128】拡散した集電体成分は、薄膜中において、
薄膜成分と金属間化合物を形成せずに、固溶体を形成し
ていることが好ましい。ここで、金属間化合物とは、金
属同士が特定の比率で化合した特定の結晶構造を有する
化合物をいう。薄膜成分と集電体成分が薄膜中におい
て、金属間化合物ではなく、固溶体を形成することによ
り、薄膜と集電体との密着状態がより良好となり、より
高い充放電容量を得ることができる。
【0129】第5の局面において、集電体成分が拡散し
ている領域の厚みは、特に限定されるものではないが、
1μm以上であることが好ましい。また、上述のよう
に、集電体の上に中間層を形成し、該中間層の上に活物
質薄膜を形成する場合、活物質薄膜中に中間層の成分が
拡散していることが好ましい。このような中間層成分の
濃度は、活物質薄膜中において、中間層近傍で高く、活
物質薄膜表面に近づくにつれて減少していることが好ま
しい。また、拡散した中間層の成分は、薄膜中におい
て、薄膜成分と金属間化合物を形成せずに、固溶体を形
成していることが好ましい。金属間化合物ではなく、固
溶体を形成することにより、薄膜と中間層との密着状態
がより良好となり、より高い充放電容量を得ることがで
きる。
【0130】第5の局面において用いる集電体は、上記
第5の局面の条件を満足できるものであれば特に限定さ
れるものではない。集電体の具体例としては、銅、ニッ
ケル、ステンレス、モリブデン、タングステン、及びタ
ンタルから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0131】第5の局面における活物質薄膜には、不純
物がドープされていてもよい。このような不純物として
は、例えば、リン、アルミニウム、ヒ素、アンチモン、
ホウ素、ガリウム、インジウム、酸素、窒素等の周期律
表IIIB族、IVB族、VB族、VIB族の元素を挙げるこ
とができる。
【0132】また、第5の局面における活物質薄膜は、
複数の層を積層して形成されていてもよい。積層された
各層においては、組成、結晶性、不純物濃度等が異なっ
ていてもよい。また、薄膜の厚み方向に傾斜構造を有す
るものであってもよい。例えば、組成、結晶性、不純物
濃度等を厚み方向に変化させた傾斜構造とすることがで
きる。
【0133】第5の局面における活物質薄膜は、リチウ
ムと合金を形成することによりリチウムを吸蔵する活物
質薄膜であることが好ましい。また、第5の局面におけ
る活物質薄膜には、予めリチウムが吸蔵または添加され
ていてもよい。リチウムは、活物質薄膜を形成する際に
添加してもよい。すなわち、リチウムを含有する活物質
薄膜を形成することにより、活物質薄膜にリチウムを添
加してもよい。また、活物質薄膜を形成した後に、活物
質薄膜にリチウムを吸蔵または添加させてもよい。活物
質薄膜にリチウムを吸蔵または添加させる方法として
は、電気化学的にリチウムを吸蔵または添加させる方法
が挙げられる。
【0134】また、第5の局面の活物質薄膜の厚みは、
高い充放電容量を得るためには、1μm以上であること
が好ましい。第5の局面のリチウム二次電池は、上記第
5の局面のリチウム二次電池用電極を用いたことを特徴
としている。
【0135】上記第5の局面のリチウム二次電池用電極
は、第5の局面のリチウム二次電池において、負極とし
て用いてもよいし、正極として用いてもよいが、一般に
上記活物質薄膜の金属リチウムに対する標準電位は低い
ので、負極として用いることが好ましい。
【0136】第5の局面のリチウム二次電池において、
正極と負極の組み合わせによる電極構造は、特に限定さ
れるものではなく、種々の電極構造を採用することがで
きる。
【0137】例えば、第5の局面のリチウム二次電池用
電極からなる負極と、集電体の両面上に正極活物質層を
設けた正極とを、セパレータを介して交互に積層したス
タック型の電極構造を有していてもよい。
【0138】また、第5の局面のリチウム二次電池用電
極からなる負極と、集電体の両面上に正極活物質層を設
けた正極との間にセパレータを介在させ、これらをスパ
イラル状に巻き付けた電極構造を有していてもよい。こ
のような電極構造を有するリチウム二次電池として、円
筒型リチウム二次電池及び角形リチウム二次電池が知ら
れている。
【0139】また、U字形状に折り曲げられた一方の電
極内に、他方の電極を挿入した挟み込みの電極構造であ
ってもよい。上記挟み込みの電極構造を有するリチウム
二次電池の1つとして、U字形状に折り曲げられた集電
体の内側に一対の正極活物質層が対向するように設けら
れた正極と、集電体の両面上に負極活物質層が設けら
れ、上記U字形状の正極の内側に挿入される負極と、上
記正極の正極活物質層と上記負極の負極活物質層の間に
配置されるセパレータとを備え、上記負極が上記第5の
局面のリチウム二次電池用電極であることを特徴とする
リチウム二次電池が挙げられる。
【0140】また、上記挟み込みの電極構造を有する他
のリチウム二次電池として、U字形状に折り曲げられた
負極の内側に一対の負極活物質層が対向するように設け
られた負極と、集電体の両面上に正極活物質層が設けら
れ、上記U字形状の負極の内側に挿入される正極と、上
記正極の正極活物質層と上記負極の負極活物質層の間に
配置されるセパレータとを備え、上記負極の負極活物質
層が、上記本発明の第1の局面〜第4の局面に従うシリ
コン薄膜またはゲルマニウム薄膜などの活物質薄膜であ
ることを特徴とするリチウム二次電池が挙げられる。
【0141】上記第5の局面のリチウム二次電池におい
て、両面上に活物質層が設けられた集電体として、片面
上に活物質層が設けられた2つの集電体を背面で互いに
貼り合わせたものを用いてもよい。
【0142】第5の局面のリチウム二次電池電極用集電
体は、リチウムを吸蔵・放出する活物質薄膜が堆積して
形成される表面を両面に有することを特徴としている。
第5の局面の集電体は、上述のように、その両面が実質
的に同一の表面粗さRaを有することが好ましく、また
両面の表面粗さRaがそれぞれ0.01μm以上である
ことが好ましく、0.01〜1μmであることがさらに
好ましい。
【0143】第5の局面の集電体は、金属箔であること
が好ましく、活物質薄膜がシリコン薄膜などである場合
には、銅箔であることが好ましい。銅箔としては、表面
粗さRaが大きな銅箔である、電解銅箔であることが好
ましい。このような電解銅箔としては、例えば、銅箔の
両面に電解法により銅を析出させることにより粗面化し
た銅箔が挙げられる。
【0144】以下、本発明の第1の局面〜第5の局面を
「本発明」として説明する。本発明のリチウム電池は、
上記本発明の電極からなる負極と、正極と、電解質とを
備えることを特徴としている。
【0145】本発明において、「リチウム電池」の言葉
は、リチウム一次電池及びリチウム二次電池を含んでい
る。従って、本発明の電極は、リチウム一次電池用及び
リチウム二次電池用として用いることができる。
【0146】本発明のリチウム二次電池は、上記本発明
の電極からなる負極と、正極と、非水電解質とを備える
ことを特徴としている。本発明のリチウム二次電池に用
いる電解質の溶媒は、特に限定されるものではないが、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチ
レンカーボネートなどの環状カーボネートと、ジメチル
カーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒が例示
される。また、前記環状カーボネートと1,2−ジメト
キシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル
系溶媒や、γ−ブチロラクトン、スルホラン、酢酸メチ
ル等の鎖状エステル等との混合溶媒も例示される。ま
た、電解質の溶質としては、LiPF6、LiBF4、L
iCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C2
5SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、L
iC(CF3SO23、LiC(C25SO23、Li
AsF6、LiClO4、Li210Cl10、Li212
12など及びそれらの混合物が例示される。さらに電解
質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマー電解質に電解
液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、Li3
Nなどの無機固体電解質が例示される。本発明のリチウ
ム二次電池の電解質は、イオン導電性を発現させる溶媒
としてのLi化合物とこれを溶解・保持する溶媒が電池
の充電時や放電時あるいは保存時の電圧で分解しない限
り、制約なく用いることができる。
【0147】本発明のリチウム二次電池の正極活物質と
しては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、L
iMnO2、LiCo0.5Ni0.52、LiNi0.7Co
0.2Mn0.12などのリチウム含有遷移金属酸化物や、
MnO2などのリチウムを含有していない金属酸化物が
例示される。また、この他にも、リチウムを電気化学的
に挿入・脱離する物質であれば、制限なく用いることが
できる。
【0148】本発明の電極は、リチウム以外の、ナトリ
ウムやカリウムなどのアルカリ金属や、マグネシウムや
カルシウムなどのアルカリ土類金属を吸蔵・放出する電
極活物質を用いる非水電解質電池及び非水電解質二次電
池の電極としても用いることができると考えられる。
【0149】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
さらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら
限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲に
おいて適宜変更して実施することが可能なものである。
【0150】(実験1) 〔負極の作製〕基板として圧延銅箔(厚み18μm)を
用い、原料ガスとしてシラン(SiH 4)を用い、キャ
リアガスとして水素(H2)ガスを用いて、CVD法に
より銅箔の上に微結晶シリコン薄膜を形成した。具体的
には、反応室中のヒーターの上に基板としての銅箔を設
置し、真空排気装置により、反応室中の圧力を1Pa以
下まで排気した。その後、原料ガスであるシラン(Si
4)及びキャリアガスである水素(H2)ガスを、原料
ガス導入ポートから導入し、ヒーターで基板を180℃
まで加熱した。真空排気装置により、真空度を反応圧力
になるように調整し、高周波電源で高周波を励起し、そ
の高周波を電極より導入してグロー放電を誘起した。詳
細な薄膜形成条件を表1に示す。なお、表1における流
量の単位sccmは、0℃、1気圧(101.33kP
a)の1分間当りの体積流量(cm 3/分)であり、sta
ndard cubic centimeters per minute の略である。
【0151】
【表1】
【0152】微結晶シリコン薄膜の膜厚が約10μmに
なるまで上記条件で堆積させた。これを、電子顕微鏡
(200万倍)で観察すると微小な結晶粒からなる結晶
領域の周囲に、非晶質領域が配置された状態であって、
非結晶であることが確認できた。次に、得られたサンプ
ルを直径17mmとなるように打ち抜き、電極a1を得
た。電極a1と同じものを400℃で3時間熱処理し、
電極a2とした。
【0153】また、比較のため、市販の単結晶シリコン
粉末(粒子径10μm)が90重量部、結着剤としての
ポリテトラフルオロエチレンが10重量部となるように
混合し、これを直径17mmの金型でプレスし加圧成形
して、ペレット状の電極b1を得た。
【0154】〔正極の作製〕出発原料として、Li2
3及びCoCO3を用いて、Li:Coの原子比が1:
1となるように秤量して乳鉢で混合し、これを直径17
mmの金型でプレスし加圧成形した後、空気中において
800℃で24時間焼成し、LiCoO2の焼成体を得
た。これを乳鉢で平均粒子径20μmとなるまで粉砕し
た。
【0155】得られたLiCoO2粉末が80重量部、
導電材としてのアセチレンブラックが10重量部、結着
剤としてのポリテトラフルオロエチレンが10重量部と
なるように混合し、直径17mmの金型でプレスし加圧
成形して、ペレット状の正極を作製した。
【0156】〔電解液の作製〕エチレンカーボネートと
ジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPF
6を1モル/リットル溶解して電解液を作製し、これを
以下の電池の作製において用いた。
【0157】〔電池の作製〕上記の電極a1、a2及び
b1を負極として用い、上記正極及び電解液を用いて、
扁平形リチウム二次電池を作製した。
【0158】図1は、作製したリチウム二次電池の断面
模式図であり、正極1、負極2、セパレーター3、正極
缶4、負極缶5、正極集電体6、負極集電体7及びポリ
プロピレン製の絶縁パッキング8などからなる。
【0159】正極1及び負極2は、セパレーター3を介
して対向している。これらは正極缶4及び負極缶5が形
成する電池ケース内に収納されている。正極1は、正極
集電体6を介して正極缶4に接続され、負極2は負極集
電体7を介して負極缶5に接続され、二次電池としての
充電及び放電が可能な構造となっている。電極a1を負
極として用いたものを電池A1とし、電極a2を負極と
して用いたものを電池A2とし、電極b1を負極として
用いたものを電池B1とした。
【0160】〔充放電サイクル寿命特性の測定〕25℃
において電流値100μAで負極容量が2000mAh
/gとなるまで充電した後放電し、これを1サイクルの
充放電とし、各電池について50サイクル目の容量維持
率を測定した。なお、2000mAh/gまで充電され
なかったB1電池については、4.2Vまで充電した
後、放電することによりサイクル試験を行った。結果を
表2に示す。
【0161】表2には、各電池の負極活物質の、SIM
S測定により得られた水素濃度、ラマン分光分析による
480cm-1近傍/520cm-1近傍のピーク強度比、
並びにX線回折スペクトルとScherrerの式によ
り算出された結晶粒径を併せて示した。なお、電池B1
の結晶粒径は、粉末の粒子径とほぼ同じであると思われ
るので粉末の粒子径を示している。
【0162】
【表2】
【0163】表2に示す結果から明らかなように、本発
明に従う電池A1及びA2は、比較の電池B1に比べ、
著しく高い容量維持率を示している。以上のように、微
結晶シリコン薄膜を負極活物質として用いることによ
り、リチウム二次電池の充放電サイクル特性が著しく改
善されている。微結晶シリコン薄膜において、リチウム
を吸蔵・放出する際の膨張収縮が緩和されているため、
負極活物質の微粉化を抑制することができ、集電特性の
悪化を抑制しているものと思われる。
【0164】(実験2)基板である集電体として電解銅
箔(厚み18μm)を用いる以外は、上記実験1の電池
A1と同様にして、電解銅箔上に微結晶シリコン薄膜
(厚み約10μm)を形成して電極a3を作製し、これ
を用いて電池A3を作製した。
【0165】また、実験1で用いた圧延銅箔の表面をエ
メリー紙#400または#120で1分間研磨処理した
銅箔を作製し、これらの銅箔を基板である集電体として
用いる以外は、上記実験1の電池A1と同様にして、銅
箔上に微結晶シリコン薄膜(厚み約10μm)を形成し
て電極を作製した。エメリー紙#400で研磨したもの
を電極a4とし、エメリー紙#120で研磨したものを
電極a5とした。これらを用いて電池A4及びA5を上
記実験1と同様にして作製した。
【0166】これらの電池A3〜A5並びに上記実験1
で作製した電池A1及び電池B1について、上記実験1
と同様の充放電サイクル条件で、充放電サイクル試験を
行い、10サイクル目の容量維持率を求めた。結果を表
3に示す。なお、表3には、電池A1及び電池B1の集
電体である銅箔及び電池A3〜A5の集電体である銅箔
の表面粗さRa及び局部山頂の平均間隔Sを併せて示
す。
【0167】銅箔の表面粗さRa及び局部山頂の平均間
隔Sは、触針式表面形状測定器Dektak ST(日
本真空技術社製)を用い、測定距離を2.0mmに設定
して測定した。表面粗さRaの計算は、たわみ分の補正
後に行った。たわみの補正に用いた補正値は、ローパス
=200μm、ハイパス=20μmである。表面粗さR
aは自動計算された値であり、局部山頂の平均間隔Sは
チャートから読み取った値である。
【0168】
【表3】
【0169】表3に示す結果から明らかなように、表面
粗さRaの値が大きな銅箔を集電体として用いた電池A
3〜A5は、表面粗さRaの値が小さな銅箔を用いた電
池A1に比べ、10サイクル目の容量維持率が向上して
いることがわかる。これは、表面粗さRaの値が大きな
銅箔を集電体として用いることにより、集電体と活物質
との密着性が向上し、リチウムを吸蔵・放出する際の活
物質の膨張収縮による活物質の構造変化の影響を低減す
ることができるためであると思われる。
【0170】(実験3)上記実験1で作製した電池A1
及び上記実験2で作製した電池A3について、上記実験
1と同様の充放電サイクル条件で、さらに充放電サイク
ル試験を行い、30サイクル目の容量維持率を求めた。
結果を表4に示す。
【0171】
【表4】
【0172】表4に示す結果から明らかなように、30
サイクル目においても、電池A1及び電池A3は良好な
容量維持率を示している。特に、表面粗さRaの値が大
きな銅箔を集電体として用いた電池A3が良好な容量維
持率を示している。
【0173】そこで、電池A3に用いた電極a3のシリ
コン薄膜の状態を電子顕微鏡で観察した。先ず、電池に
組み込む前の状態、すなわち充放電前の状態の電極a3
を走査型電子顕微鏡で観察した。図2及び図3は、それ
ぞれ充放電前の電極a3を示す走査型電子顕微鏡写真
(二次電子像)である。図2の倍率は2000倍であ
り、図3の倍率は5000倍である。
【0174】サンプルは、電極を樹脂で包埋し、これを
スライスしたものを用いた。図2において上方端部及び
下方端部に観察される層及び図3において上方端部に観
察される層は、この包埋樹脂の層である。
【0175】図2及び図3において、やや明るい部分
は、銅箔の部分を示しており、銅箔の上にやや暗い部分
としてシリコン薄膜(厚み約10μm)が形成されてい
る。図2及び図3に示すように、銅箔の表面には凹凸が
形成されており、特に凸部は錐体状になっている。そし
てその上に設けられたシリコン薄膜の表面にも、銅箔の
凹凸と同様の凹凸が形成されている。従って、シリコン
薄膜表面の凹凸は、銅箔表面の凹凸により形成されてい
るものと思われる。
【0176】次に、上記の30サイクル後の電池A3か
ら取り出した電極a3について同様にして樹脂で包埋し
て走査型電子顕微鏡で観察した。なお、電極a3は放電
後に取り出した。従って、観察した電極a3は放電後の
状態のものである。
【0177】図4及び図5は、この放電後の電極a3を
示す走査型電子顕微鏡写真(二次電子像)である。図4
の倍率は500倍であり、図5の倍率は2500倍であ
る。図4及び図5に示すように、シリコン薄膜には、そ
の厚み方向に切れ目が形成され、この切れ目によって、
シリコン薄膜が柱状に分離されていることがわかる。ま
た、切れ目は厚み方向に形成されているが、面方向には
ほとんど形成されておらず、柱状部分の底部は集電体で
ある銅箔と密着していることがわかる。また、柱状部分
の上方部は丸みを帯びた形状であり、充放電前のシリコ
ン薄膜表面の凹凸の谷部から切れ目が形成されているこ
とがわかる。
【0178】さらに、充放電後の電極a3のシリコン薄
膜の表面を、走査型電子顕微鏡で観察した。図6及び図
7はシリコン薄膜の表面を上方から観察した走査型電子
顕微鏡写真(二次電子像)であり、図6の倍率は100
0倍、図7の倍率は5000倍である。図8及び図9
は、シリコン薄膜の表面をやや斜め方向から観察した走
査型電子顕微鏡写真(二次電子像)であり、図8の倍率
は1000倍、図9の倍率は5000倍である。
【0179】図6〜図9に示すように、シリコン薄膜の
柱状部分の周りには切れ目が形成されており、隣接する
柱状部分との間に隙間が設けられている。このため、充
電の際シリコン薄膜がリチウムを吸蔵し、柱状部分が膨
張してその体積が増加しても、柱状部分の周囲に形成れ
た隙間により、この体積増加を吸収することができるも
のと思われる。また、放電の際にはシリコン薄膜の柱状
部分がリチウムを放出し収縮するため、再び体積が減少
し、柱状部分の周りに隙間が形成されるものと思われ
る。このようなシリコン薄膜の柱状構造により、充放電
の際の活物質の膨張収縮により生ずる応力を緩和し、活
物質であるシリコン薄膜の集電体からの脱落を防ぐこと
ができるものと思われる。
【0180】また、シリコン薄膜に切れ目が形成され、
柱状に分離されることにより、電解液との接触面積が大
幅に増加する。また、柱状部分がほぼ同程度の大きさで
それぞれ形成されているので、リチウムの吸蔵・放出を
伴う充放電反応が活物質薄膜内において効率的になされ
るものと思われる。
【0181】また、図4及び図5に示すように、シリコ
ン薄膜の各柱状部分は集電体と密着しているので、活物
質が集電体に良好な状態で電気的に接続されており、充
放電反応を効率的に行うことができるものと思われる。
【0182】また、図6〜図9に示すように、柱状部分
の上方部は丸みを帯びた形状を有している。従って、電
流の集中が生じ難く、デンドライト状のリチウム金属の
析出反応等を生じ難い電極構造となっている。
【0183】図10は、銅箔上に形成されたシリコン薄
膜に切れ目が形成され、柱状に分離される工程を示す模
式的断面図である。図10(a)に示すように、銅箔1
0の表面10aには、凹凸が形成されている。このよう
な凹凸は、表面粗さRaの値が大きな銅箔程、より大き
な凹凸となる。
【0184】図10(b)は、銅箔10の凹凸が形成さ
れた表面10aの上に、非結晶シリコン薄膜11を堆積
した状態を示している。シリコン薄膜11の表面11a
は、銅箔10の表面10aの凹凸の影響を受け、銅箔1
0の表面10aの凹凸と同様の凹凸を有している。充放
電前においては、図10(b)に示すように、シリコン
薄膜11は連続した薄膜である。このような状態で、充
電を行うと、シリコン薄膜11中にリチウムが吸蔵さ
れ、シリコン薄膜11の体積が膨張する。このときのシ
リコン薄膜11の膨張は、薄膜の面方向及び厚み方向に
共に生じるものと思われるが、その詳細は明らかでな
い。次に、放電反応の際には、シリコン薄膜11からリ
チウムが放出され、体積が収縮する。このとき、シリコ
ン薄膜11内では引っ張り応力が生じる。このような応
力は、おそらくシリコン薄膜11の表面11aの凹凸の
谷部11bに集中し、このため、図10(c)に示すよ
うに、谷部11bを起点として、厚み方向に切れ目12
が形成されるものと思われる。このように形成された切
れ目12により、応力が開放され、シリコン薄膜11が
銅箔10から剥離することなく、シリコン薄膜11が収
縮するものと思われる。
【0185】以上のようにして柱状に分離されたシリコ
ン薄膜は、その後の充放電サイクルにおいても、上述の
ように、柱状部分の周りに形成された隙間により、活物
質の膨張収縮により生ずる応力が緩和されるため、活物
質が集電体から剥離することなく充放電サイクルを繰り
返すことができるものと思われる。
【0186】さらに、上記シリコン薄膜に切れ目が形成
されるメカニズムについて検討するため、電解銅箔上に
膜厚約10μmの微結晶シリコン薄膜を形成した電極a
3について透過型電子顕微鏡で観察した。図11は、充
放電前の電極a3の断面を示す透過型電子顕微鏡写真
(倍率12500倍)である。観察したサンプルは、電
極を樹脂で包埋し、これをスライスしたものを用いた。
【0187】図13は、図11に示す透過型電子顕微鏡
写真を模式的に示す図である。図11に示す透過型電子
顕微鏡写真においては、図13に示すように電解銅箔1
0の表面10a上に、シリコン薄膜11が形成されてい
る。なお、透過型電子顕微鏡写真においては、シリコン
薄膜11は銅箔10よりも明るい部分として示されてい
る。図11に示されたシリコン薄膜11を観察すると、
シリコン薄膜11の表面11aの凹凸の谷部11bと、
銅箔10の表面10aの凹凸の谷部10bを結ぶ領域に
より明るい部分が観察される。図13においては、この
明るい部分をA、B及びCとして一点鎖線で図示してい
る。特にAで示す領域において明るい部分がより明確に
観察されている。これらの領域は、シリコン薄膜11に
おいて密度が低い領域、すなわち低密度領域であると考
えられる。この低密度領域についてさらに詳細に観察す
るため、電極a3と同様の条件で電解銅箔上に膜厚約2
μmの微結晶シリコン薄膜を形成した電極a6を作製し
た。
【0188】図12は、この電極a6を上記と同様にし
て透過型電子顕微鏡で観察した時の透過型電子顕微鏡写
真である。図12において、倍率は25000倍であ
る。図14は、図12に示す透過型電子顕微鏡写真を模
式的に示す図である。図12から明らかなように、電極
a6においても、シリコン薄膜11の表面11aの凹凸
の谷部11bと、銅箔10の表面10aの凹凸の谷部1
0bを結ぶ領域Dにおいて低密度領域が観察される。さ
らに詳細に図12の写真を観察すると、図14において
矢印で示す方向に延びる微細な筋がシリコン薄膜11中
に観察される。この筋は、おそらくシリコン薄膜の成長
に伴って形成されるものと考えられる。従って、シリコ
ン薄膜11は、銅箔10の表面10aに対し略垂直方向
に成長するものと考えられる。そして、このような方向
に成長するシリコン薄膜の層は、隣接する銅箔表面の傾
斜面上に堆積し成長する層と領域Dの部分で互いにぶつ
かり合い、この結果として領域Dの部分に低密度領域が
形成されるものと考えられる。このようなシリコン薄膜
層のぶつかり合いが薄膜形成完了まで続き、低密度領域
がシリコン薄膜の表面まで引き続き形成されるものと思
われる。
【0189】図15は、電極a3の表面を上方から観察
した走査型電子顕微鏡写真(二次電子像)である。図1
5に示す電極a3は充放電前の状態のものである。図1
5の倍率は1000倍である。図15において、明るい
部分はシリコン薄膜表面の凸部であり、その周囲の暗い
部分はシリコン薄膜表面の谷部である。図15に示すよ
うに、シリコン薄膜表面の谷部は網目状に連なってい
る。従って、シリコン薄膜における上記低密度領域は、
面方向に網目状に連なって形成されていることがわか
る。このような網目状の低密度領域は、図11及び図1
3に示すように、さらに集電体に向かって厚み方向に延
びている。なお、図15における暗い部分が切れ目(空
隙)でないことは、図2及び図3に示す走査型電子顕微
鏡写真において厚み方向に切れ目(空隙)が観察されな
いことから明らかである。
【0190】図16は、充放電前の状態の電極a6の表
面を上方から観察した走査型電子顕微鏡写真(二次電子
像)であり、倍率は1000倍である。図16から明ら
かなように、電極a6においても谷部が網目状に連なっ
ており、従って低密度領域が面方向に網目状に連なって
いることがわかる。
【0191】図17は、電極a6におけるシリコン薄膜
の深さ方向での構成元素の濃度分布を示す図である。構
成元素の濃度分布は、SIMSにより、O2 +をスパッタ
源に用いて、銅元素(63Cu+)及びシリコン元素(S
2+)の濃度を測定することにより行った。図17にお
いて横軸はシリコン薄膜表面からの深さ(μm)を示し
ており、縦軸は各構成元素の強度(カウント数)を示し
ている。
【0192】図17から明らかなように、集電体近傍で
はシリコン薄膜に集電体の成分である銅(Cu)が拡散
しており、シリコン薄膜の表面に近づくにつれて集電体
の成分である銅(Cu)の濃度が減少していることがわ
かる。また、銅(Cu)の濃度が連続的に変化している
ことから、銅(Cu)が拡散している領域においては、
シリコンと銅の金属間化合物ではなく、シリコンと銅の
固溶体が形成されていることがわかる。
【0193】以上のことを考慮すると、充放電によるシ
リコン薄膜の膨張収縮によりシリコン薄膜に厚み方向の
切れ目が形成されるメカニズムは以下の通りであると考
えられる。すなわち、図10を参照して説明したよう
に、シリコン薄膜の体積の膨張収縮により生じる応力
は、シリコン薄膜表面の凹凸の谷部に集中するととも
に、この谷部から下方の集電体に向かって低密度領域が
予め存在しており、この低密度領域が機械的強度の低い
部分であることから、この低密度領域に沿って切れ目
(空隙)が形成されるものと思われる。
【0194】さらに図17に示すように、シリコン薄膜
中には、集電体の成分である銅元素が拡散しており、し
かも集電体近傍では銅の濃度が高く、シリコン薄膜表面
に近づくにつれて銅の濃度が減少する濃度勾配を有して
いる。従って、集電体近傍ではリチウムと反応しない銅
の濃度が高くなり、リチウムと反応するシリコンの濃度
が小さくなっている。このため、集電体近傍ではリチウ
ムの吸蔵・放出が少なく、従ってシリコン薄膜の膨張収
縮が相対的に小さくなると考えられる。このため、集電
体近傍のシリコン薄膜に生じる応力が小さくなり、集電
体近傍では、シリコン薄膜が集電体から剥離あるいは脱
離するような切れ目(空隙)が生じにくく、シリコン薄
膜の柱状部分の底部は集電体との密着状態を保つことが
できるものと考えられる。
【0195】以上のようにして形成される切れ目によっ
て柱状に分離されたシリコン薄膜は、充放電サイクルに
おいても、集電体と強固に密着しており、かつ柱状部分
の周りに形成された隙間により、充放電サイクルに伴う
薄膜の膨張収縮による応力が緩和されるため、優れた充
放電サイクル特性が得られるものと考えられる。
【0196】(実験4) 〔電極a7の作製〕基板である集電体として、電極a3
に用いたのと同様の電解銅箔を用い、この上にRFスパ
ッタリング法により非晶質ゲルマニウム薄膜(厚み約2
μm)を形成して電極a7を作製した。
【0197】薄膜形成条件は、ターゲット:ゲルマニウ
ム、スパッタガス(Ar)流量:100sccm、基板
温度:室温(加熱なし)、反応圧力0.1Pa、高周波
電力200Wとした。
【0198】得られたゲルマニウム薄膜について、ラマ
ン分光分析を行ったところ、274cm-1近傍のピーク
は検出されたが、300cm-1近傍のピークは検出され
なかった。このことから、得られたゲルマニウム薄膜は
非晶質ゲルマニウム薄膜であることが確認された。
【0199】〔電極a8の作製〕電極a7の集電体と同
様の電解銅箔を用いて、この上に蒸着法により非晶質ゲ
ルマニウム薄膜(厚み約2μm)を形成して電極a8を
作製した。
【0200】具体的には、図18に示す構成の装置を用
い、ゲルマニウム薄膜を基板上に形成した。図18を参
照して、ECRプラズマ源81には、プラズマ発生室8
2が設けられており、プラズマ発生室82にマイクロ波
電力85及びArガス86が供給される。プラズマ発生
室82にマイクロ波電力85が供給されると、Arプラ
ズマが発生する。このArプラズマ83をプラズマ発生
室82から引き出し、基板80に照射する。基板80の
下方には、電子ビーム(EB)ガン84が設けられてお
り、電子ビームガン84からの電子ビームにより、ゲル
マニウム薄膜を基板80上に堆積することができる。
【0201】基板である電解銅箔上にゲルマニウム薄膜
を堆積する前に、Arプラズマを基板上に照射し前処理
を行った。反応室内の真空度を約0.05Pa(約5×
10 -4Torr)とし、Arガス流量を40sccmと
し、供給するマイクロ波電力を200WとしてArプラ
ズマを基板上に照射した。Arプラズマを照射する際、
基板に−100Vのバイアス電圧を印加した。15分間
Arプラズマを照射し、前処理を行った。
【0202】次に、電子ビームガンにより、蒸着速度1
nm/秒(10Å/秒)で、基板上にゲルマニウム薄膜
を堆積させた。基板温度は室温(加熱なし)とした。得
られたゲルマニウム薄膜について、ラマン分光分析を行
ったところ、電極a7と同様に、非晶質ゲルマニウム薄
膜であることが確認された。
【0203】〔電極b2の作製〕平均粒子径が10μm
のゲルマニウム粉末を用い、ゲルマニウム粉末が80重
量部、導電材としてのアセチレンブラックが10重量
部、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンが10
重量部となるように混合し、これを直径17mmの金型
でプレスして加圧成形し、ペレット状の電極b2を作製
した。
【0204】〔電池の作製〕上記の電極a7、a8及び
b2を負極として用い、それ以外は実験1と同様にして
リチウム二次電池を作製した。電極a7を負極として用
いたものを電池A7とし、電極a8を負極として用いた
ものを電池A8とし、電極b2を負極として用いたもの
を電池B2とした。
【0205】〔充放電サイクル特性の評価〕上記各電池
について、25℃にて、0.1mAの電流で充電電圧が
4.2Vとなるまで充電した後、充電電圧が2.75V
となるまで放電し、これを1サイクルの充放電とし、1
0サイクル目の容量維持率を測定した。測定結果を表5
に示す。
【0206】
【表5】
【0207】表5から明らかなように、集電体上にゲル
マニウム薄膜を形成した本発明の電極を負極として用い
た電池A7及び電池8は、ゲルマニウム粉末を負極材料
として用いた電池B2に比べ、非常に良好な容量維持率
を示している。
【0208】〔電子顕微鏡による観察〕図19及び図2
0は、充放電前の状態の電極a7の断面を示す走査型電
子顕微鏡写真(反射電子像)である。図19の倍率は2
000倍であり、図20の倍率は10000倍である。
【0209】サンプルは、電極を樹脂で包埋し、これを
スライスしたものを用いた。図19において上方端部及
び下方端部に観察される層及び図20において上方端部
に観察される層は、この包埋樹脂の層である。
【0210】図19及び図20において、明るい部分
は、銅箔及びゲルマニウム薄膜であり、明るい部分の表
面の薄い層がゲルマニウム薄膜であり、その下が銅箔で
ある。銅箔の表面には凹凸が形成されており、その上に
設けられたゲルマニウム薄膜の表面にも、銅箔の凹凸と
同様の凹凸が形成されている。従って、ゲルマニウム薄
膜表面の凹凸は銅箔表面の凹凸により形成されたものと
思われる。
【0211】図20において、銅箔の左端の谷部上のゲ
ルマニウム薄膜の領域には、薄膜の厚み方向に延びる暗
い部分が観察される、この部分は、ゲルマニウム薄膜に
おいて密度の低い領域、すなわち低密度領域であると思
われる。
【0212】図21及び図22は、充放電前の電極a8
の断面を示す走査型電子顕微鏡写真(反射電子像)であ
る。図21の倍率は2000倍であり、図22の倍率は
10000倍である。サンプルは、図19及び図20に
示す電極a7と同様に、樹脂によって包埋されている。
【0213】図21及び図22において、明るい部分は
銅箔の部分を示しており、銅箔の上にやや暗い部分とし
てゲルマニウム薄膜(厚み約2μm)が形成されてい
る。電極a8においても、電極a7と同様に、ゲルマニ
ウム薄膜の表面に銅箔と同様の凹凸が形成されている。
【0214】図23及び図24は、10サイクル後の電
池A7から取り出した電極a7の断面を示す走査型電子
顕微鏡写真(反射電子像)である。また、図25及び図
26は、10サイクル後の電池A8から取り出した電極
a8の断面を示す走査型電子顕微鏡写真(反射電子像)
である。いずれのサンプルも、電極を樹脂で包埋し、こ
れをスライスしたものを用いている。図23及び図25
の倍率は500倍であり、図24及び図26の倍率は2
500倍である。
【0215】図23〜図26において、ゲルマニウム薄
膜の表面に観察される白い部分は、包埋樹脂に埋め込む
際にゲルマニウム薄膜の表面にコートした金である。こ
のように金でコートする理由は、ゲルマニウム薄膜と樹
脂との反応を防ぐこと及び樹脂とゲルマニウム薄膜との
境界を明確にするためである。
【0216】図23〜図26から明らかなように、ゲル
マニウム薄膜の場合にも、シリコン薄膜と同様に、充放
電によって、薄膜の厚み方向に切れ目が形成され、この
切れ目によって、薄膜が柱状に分離されていることがわ
かる。また、集電体である銅箔とゲルマニウム薄膜との
コントラストの差があまりないため、その境界がわかり
にくくなっているが、注意深く観察すれば、集電体の凸
部に柱状のゲルマニウム薄膜が存在しており、ゲルマニ
ウム薄膜が集電体に密着していることがわかる。
【0217】シリコン薄膜の場合と異なり、ゲルマニウ
ム薄膜の場合は、横方向にも切れ目が観察されている
が、このような切れ目は、断面観察のためにゲルマニウ
ム薄膜を研磨した際に発生した可能性がある。
【0218】また、ゲルマニウム薄膜の場合、柱状部分
の間の切れ目(空隙)の幅がシリコン薄膜に比べ大きく
なっている。これは、充放電後の柱状部分の高さが約6
μmであり、充放電前の膜厚2μmの3倍程度に高くな
っていることから、充電によってリチウムを吸蔵し膨張
した薄膜が、放電によって収縮する際、横方向、すなわ
ち面方向に主に収縮し、厚み方向の収縮率が小さいた
め、柱状部分の間の切れ目(隙間)の幅が大きくなるこ
とによるものと思われる。
【0219】図27及び図28は、充放電後の電極a7
のゲルマニウム薄膜の表面を、上方から観察した走査型
電子顕微鏡写真(二次電子像)であり、図27の倍率は
1000倍、図28の倍率は5000倍である。図29
及び図30は、充放電後の電極a7のゲルマニウム薄膜
の表面をやや斜め方向から観察した走査型電子顕微鏡写
真(二次電子像)であり、図29の倍率は1000倍、
図30の倍率は5000倍である。
【0220】図31及び図32は、充放電後の電極a8
のゲルマニウム薄膜の表面を上方から観察した走査型電
子顕微鏡写真(二次電子像)であり、図31の倍率は1
000倍、図32の倍率は5000倍である。図33及
び図34は、充放電後の電極a8のゲルマニウム薄膜の
表面をやや斜め方向から観察した走査型電子顕微鏡写真
(二次電子像)であり、図33の倍率は1000倍、図
34の倍率は5000倍である。
【0221】図27〜図34に示すように、ゲルマニウ
ム薄膜の柱状部分の周りには切れ目(空隙)が形成され
ており、隣接する柱状部分との間に隙間が設けられてい
る。このため、上述のシリコン薄膜と同様に、充放電の
際の活物質の膨張収縮による応力を緩和することができ
るものと思われる。
【0222】図35は、充放電前の電極a7のゲルマニ
ウム薄膜の表面を上方から観察した走査型電子顕微鏡写
真(二次電子像)である。図36は、充放電前の電極a
8のゲルマニウム薄膜の表面を上方から観察した走査型
電子顕微鏡写真(二次電子像)である。図35及び図3
6の倍率は、1000倍である。
【0223】図35及び図36に示すように、ゲルマニ
ウム薄膜の表面には、下地の電解銅箔の凹凸に沿った凹
凸が形成されている。ゲルマニウム薄膜の谷部は網目状
に連なっている。このような谷部の厚み方向に沿って切
れ目(空隙)が形成され、ゲルマニウム薄膜の柱状部分
が形成されることがわかる。
【0224】〔SIMSによる深さ方向の濃度分布の分
析〕図37は、電池に組み込む前、すなわち充放電前の
電極a7における深さ方向の構成元素の濃度分布を示す
図である。図38は、同様に、充放電前の電極a8にお
ける深さ方向の構成元素の濃度分布を示す図である。構
成元素の濃度分布は、二次イオン質量分析(SIMS)
により、O2 +をスパッタ源に用いて、銅元素(63
-)及びゲルマニウム元素(73Ge-)の濃度を、薄膜
表面から深さ方向に測定することにより行った。横軸は
ゲルマニウム薄膜の表面からの深さ(μm)を示してお
り、縦軸は各構成元素の強度(カウント数)を示してい
る。
【0225】図37及び図38から明らかなように、集
電体近傍では、ゲルマニウム薄膜に集電体成分である銅
(Cu)が拡散しており、ゲルマニウム薄膜の表面に近
づくにつれて集電体成分である銅(Cu)が減少してい
ることがわかる。
【0226】以上のように、ゲルマニウム薄膜中には、
集電体の成分である銅元素が拡散しており、しかも集電
体近傍では銅の濃度が高く、ゲルマニウム薄膜表面に近
づくにつれて銅の濃度が減少する濃度勾配を有してい
る。従って、集電体近傍ではリチウムと反応しない銅の
濃度が高くなり、リチウムと反応するゲルマニウムの濃
度が小さくなっている。このため、集電体近傍ではリチ
ウムの吸蔵・放出が少なく、従ってゲルマニウム薄膜の
膨張収縮が相対的に小さくなると考えられる。このた
め、集電体近傍のゲルマニウム薄膜に生じる応力が小さ
くなり、集電体近傍では、ゲルマニウム薄膜が集電体か
ら剥離あるいは脱離するような切れ目(空隙)が生じに
くく、ゲルマニウム薄膜の柱状部分の底部は集電体と密
着状態を保つことができるものと考えられる。
【0227】以上のように、柱状に分離されたゲルマニ
ウム薄膜は、充放電サイクルにおいても、集電体と強固
に密着しており、かつ柱状部分の周りに形成された隙間
により、充放電サイクルに伴う薄膜の膨張収縮による応
力が緩和されるため、優れた充放電サイクル特性が得ら
れるものと考えられる。
【0228】(実験5) 〔電極a9の作製〕基板である集電体として電解銅箔
(厚み18μm)を用い、RFスパッタリング法により
この電解銅箔の上にシリコン薄膜を形成した。RFスパ
ッタリングの条件は、スパッタガス(Ar)流量:10
0sccm、基板温度:室温(加熱なし)、反応圧力:
0.1Pa(1.0×10-3Torr)、高周波電力:
200Wの条件とした。シリコン薄膜は、その厚みが約
2μmとなるまで堆積させた。
【0229】得られたシリコン薄膜について、ラマン分
光分析を行ったところ、480cm -1近傍のピークは検
出されたが、520cm-1近傍のピークは検出されなか
った。このことから、得られたシリコン薄膜は非晶質シ
リコン薄膜であることがわかる。
【0230】この非晶質シリコン薄膜を形成した電解銅
箔を2cm×2cmの大きさに切り出し、電極a9を作
製した。用いた電解銅箔の表面粗さRa及び局部山頂の
平均間隔Sを、触針式表面形状測定器Dektat3
T(日本真空技術社製)を用い、測定距離を2.0mm
に設定して測定した。表面粗さRaは0.188μmで
あり、局部山頂の平均間隔Sは11μmであった。
【0231】〔電極a10の作製〕基板である集電体と
して、上記電極a9の作製に用いた電解銅箔と同じもの
を用い、シリコン薄膜の厚みを約2μmとする以外は、
上記実験1の電極a1と同じ条件でシリコン薄膜を電解
銅箔上に形成し、上記電極a9と同様にして電極a10
を作製した。
【0232】得られたシリコン薄膜について、ラマン分
光分析を行ったところ、480cm -1近傍のピークと、
520cm-1近傍のピークの両方が検出された。従っ
て、得られたシリコン薄膜は微結晶シリコン薄膜であ
る。
【0233】〔比較電極b3の作製〕基板である集電体
として、上記実験1において用いた圧延銅箔を用い、電
極a9の作製と同様に、RFスパッタリング法により非
晶質シリコン薄膜(厚み約2μm)を形成した。
【0234】次に、得られた非晶質シリコン薄膜に対
し、650℃、1時間のアニール処理を施した。アニー
ル処理後のシリコン薄膜について、ラマン分光分析を行
ったところ、480cm-1近傍のピークが消失し、52
0cm-1近傍のピークのみが検出された。従って、アニ
ール処理により多結晶シリコン薄膜が形成されているこ
とが確認された。
【0235】この圧延銅箔上に形成された多結晶シリコ
ン薄膜を用いて、上記電極a9と同様にして電極b3を
作製した。圧延銅箔について、上記と同様にして表面粗
さRa及び局部山頂の平均間隔Sを測定したところ、表
面粗さRaは0.037μmであり、局部山頂の平均間
隔Sは14μmであった。
【0236】〔充放電特性の測定〕上記で得られた電極
a9、電極a10及び電極b3を作用極として用い、対
極及び参照極を金属リチウムとした試験セルを作製し
た。電解液としては、上記実験1で作製したものと同じ
ものを用いた。なお、単極の試験セルでは作用極の還元
を充電とし、酸化を放電としている。
【0237】上記の各試験セルを、25℃にて、0.5
mAの定電流で、参照極を基準とする電位が0Vに達す
るまで充電した後、2Vに達するまで放電を行った。こ
れを1サイクルの充放電とし、1サイクル目及び5サイ
クル目の放電容量及び充放電効率を測定した。結果を表
6に示す。
【0238】
【表6】
【0239】表6に示す結果から明らかなように、本発
明に従い非晶質シリコン薄膜を電極活物質とした電極a
9及び微結晶シリコン薄膜を電極活物質とした電極a1
0は、多結晶シリコン薄膜を電極活物質とした比較電極
b3に比べ、高い放電容量を示すと共に、5サイクル目
においても良好な充放電効率を示している。
【0240】(実験6) <実施例1〜7及び比較例1〜2> 〔集電体の作製〕基板となる集電体として、表7に示す
サンプル1〜4を用いた。サンプル1は、電極b3にお
いて集電体として用いた圧電銅箔と同様のものである。
サンプル2〜4は、圧延銅箔の表面を、エメリーペーパ
ーの#100、#400、#1000で研磨して粗面化
した後、純水で洗浄し乾燥させたものである。
【0241】
【表7】
【0242】上記の銅箔を基板として用い、表8〜表1
0に示す条件で、RFアルゴンスパッタリング装置を用
いて、基板上にシリコン薄膜を堆積させた。比較例2に
ついては、薄膜形成後、熱処理(アニール処理)を行っ
た。なお、実施例1〜7及び比較例1については、薄膜
形成前に基板に対して前処理を行った。前処理は、別に
設けたプラズマ源で、ECRアルゴンプラズマを発生さ
せ、マイクロ波電力200W、アルゴンガス分圧0.0
6Paで10分間、基板に照射することにより行った。
シリコン薄膜について、ラマン分光分析を行い、結晶性
を同定した。結果を表8〜表10に示す。
【0243】〔充放電特性の測定〕実施例1〜7及び比
較例1〜2の銅箔上に形成されたシリコン薄膜を、2c
m×2cmの大きさに切り出し、上記実験5と同様にし
て、試験セルを作製した。各試験セルについて、上記実
験5と同様にして充放電試験を行い、1サイクル目、5
サイクル目、及び20サイクル目の放電容量及び充放電
効率を測定した。結果を表8〜表10に示す。
【0244】
【表8】
【0245】
【表9】
【0246】
【表10】
【0247】表8〜表10に示す結果から明らかなよう
に、本発明に従い非晶質シリコン薄膜を電極活物質とし
た実施例1〜7においては、多結晶シリコン薄膜を電極
活物質とした比較例1〜2に比べ、高い放電容量が得ら
れるとともに、良好な充放電サイクル特性が得られてい
る。
【0248】(実験7)電解銅箔(厚み18μm、表面
粗さRa=0.188μm、平均間隔S=6μm)の上
に、RFスパッタリング法により非晶質シリコン薄膜
(厚み約3μm)を形成して電極a11を作製した。な
お、薄膜形成条件は、ターゲット:単結晶シリコン、ス
パッタガス(Ar)流量:100sccm、基板温度:
室温(加熱なし)、反応圧力:0.1Pa、高周波電
力:200Wとした。
【0249】得られたシリコン薄膜について、ラマン分
光分析を行ったところ、480cm -1近傍のピークは検
出されたが、520cm-1近傍のピークは検出されなか
った。このことから、得られたシリコン薄膜は非晶質シ
リコン薄膜であることがわかる。
【0250】得られた電極a11を用い、上記実験1と
同様にして電池A11を作製し、上記実験1と同様の充
放電サイクル条件で、充放電サイクル試験を行い、30
サイクル目の容量維持率を求めた。結果を表11に示
す。なお、表11には、電池A1及び電池A3の結果も
併せて示す。
【0251】
【表11】
【0252】表11に示す結果から明らかなように、R
Fスパッタリング法により形成した非晶質シリコン薄膜
を活物質として用いた電池A11も、微結晶シリコン薄
膜を活物質として用いた電池A1及びA3と同様に、良
好な容量維持率を示している。
【0253】電極a11のシリコン薄膜の状態を電子顕
微鏡で観察した。まず、充放電前の状態の電極a11の
断面を走査型電子顕微鏡で観察した。図39及び図40
は、それぞれ充放電前の電極a11の断面を示す走査型
電子顕微鏡写真(二次電子像)である。図39の倍率は
2000倍であり、図40の倍率は10000倍であ
る。なお、サンプルは図2及び図3のサンプルと同様
に、電極を樹脂で包埋し、これをスライスしたものを用
いた。
【0254】図39及び図40において、やや明るい部
分は、電解銅箔の部分を示しており、銅箔の上にやや暗
い部分としてシリコン薄膜(厚み約3μm)が示されて
いる。図39及び図40に示すように、電解銅箔の表面
には凹凸が形成されており、凸部は錐体状の形状を有し
ている。その上に設けられたシリコン薄膜の表面にも、
銅箔の凹凸と同様の凹凸が形成されており、凸部は錐体
状の形状を有している。従って、シリコン薄膜表面の凹
凸は、銅箔表面の凹凸により形成されている。
【0255】図41は、電極a11のシリコン薄膜の表
面を示す走査型電子顕微鏡写真(二次電子像)であり、
倍率は1000倍である。図41に示すように、シリコ
ン薄膜の表面には、多数の凸部が形成されている。この
凸部は、図39及び図40に示すように、銅箔表面の凸
部に対応して形成されている。
【0256】図42は、上記充放電試験の30サイクル
後の電池A11から取り出した電極a11のシリコン薄
膜の表面を示す走査型電子顕微鏡写真(二次電子像)で
ある。図42に示す写真の倍率は1000倍である。
【0257】図42に示すように、シリコン薄膜には、
その厚み方向に切れ目(隙間)が形成され、この切れ目
(隙間)によって、シリコン薄膜が柱状に分離されてい
る。図6〜図9に示すシリコン薄膜では、柱状部分が薄
膜表面の1つの凸部を含むように切れ目が形成されてい
るのに対し、図42に示すシリコン薄膜では、柱状部分
が薄膜表面の複数の凸部を含むように切れ目が形成され
ていることがわかる。また、切れ目(隙間)の幅も、図
6〜図9に示すシリコン薄膜に比べ大きいことがわか
る。
【0258】電池A11は、電池A3と同様の良好な容
量維持率を示している。従って、図42に示すように、
薄膜表面の複数の凸部を含むように柱状部分が形成され
る場合であっても、柱状部分の周りに形成された隙間に
より、活物質の膨張収縮による応力が緩和されるため、
活物質が集電体から剥離することなく、充放電サイクル
を繰り返すことができるものと思われる。
【0259】(実験8)実験1における電極a1を作製
したのと同一の薄膜形成条件で、圧延銅箔及び電解銅箔
(厚み18μm)の上にそれぞれ膜厚約2μmの微結晶
シリコン薄膜を形成した。次に、得られたサンプルを直
径17mmとなるように打ち抜き、圧延銅箔上に形成し
たものを電極c1とし、電解銅箔上に形成したものを電
極c3とした。電極c1及び電極c3と同じものを実験
1における電極a2と同様に400℃で3時間熱処理
し、それぞれ電極c2及び電極c4とした。
【0260】上記の電極c1〜c4を負極として用いる
以外は、上記実験1と同様にしてリチウム二次電池を作
製し、電池C1〜C4とした。これらの電池について、
上記実験1と同様にして充放電サイクル寿命特性を測定
した。また、実験1と同様に、各電極のシリコン薄膜の
水素含有量、ラマン分光分析におけるピーク強度比(4
80cm-1/520cm-1)、及び結晶粒径を測定し、
結果を表12に示した。
【0261】
【表12】
【0262】表12に示す結果から明らかなように、微
結晶シリコン薄膜の膜厚を約2μmとした電池C1〜C
4においても、著しく高い容量維持率が得られている。
次に、圧延銅箔上に微結晶シリコン薄膜を形成した電極
c1を厚み方向にスライスし、顕微鏡観察用サンプルと
し、これを透過型電子顕微鏡で観察した。
【0263】図43及び図44は、電極c1における銅
箔とシリコン薄膜の界面付近を示す透過型電子顕微鏡写
真であり、図43は倍率50万倍であり、図44は倍率
100万倍である。それぞれの写真において、下方は銅
箔側であり、上方はシリコン薄膜側である。
【0264】図43及び図44において、下方の明るい
部分は銅箔部分であると思われるが、銅箔とシリコン薄
膜の界面付近では、上方に向かって徐々に暗くなってい
る。この部分(約30nm〜100nm程度)は、銅箔
の銅とシリコンとが特に多く混合した混合層の一部であ
ると考えられる。この混合層においては、シリコン(S
i)と銅(Cu)とが合金化していると考えられる。ま
た、図43及び図44に示されるように、この混合層と
思われる部分と銅箔との界面付近には、粒子状の部分が
観察され、この粒子状部分では、銅(Cu)のシリコン
(Si)への拡散による凹凸がその界面において認めら
れる。
【0265】次に、混合層の深さ方向における構成元素
の濃度分布を測定するため、SIMSにより、O2 +をス
パッタ源に用いて、銅元素(63Cu+)及び水素元素(1
+)の濃度を測定した。図45は、混合層の深さ方向
における各構成元素の濃度分布を示しており、横軸は深
さ(μm)を示しており、縦軸は原子密度(個/c
3)を示している。
【0266】図45に示すように、混合層においては、
深くなるにつれて、すなわち銅箔に近づくにつれて銅
(Cu)の濃度が増加している。ここで、シリコン薄膜
中において集電体材料が1%(原子密度で1020個/c
3)以上含まれている層を混合層とすると、深さ1.
9μm程度の部分から2.7μm程度の部分まで混合層
が存在することがわかる。
【0267】次に、電解銅箔上に膜厚約2μmの微結晶
シリコン薄膜を形成した電極c3について、上記と同様
にしてSIMSにより混合層の深さ方向における各構成
元素の濃度を測定した。図46は、この結果を示してい
る。図46に示すように、電極c3においては、シリコ
ン薄膜の表面において既に銅(Cu)の原子密度が10
20個/cm3以上となっており、銅(Cu)がシリコン
薄膜の表面まで拡散し、シリコン薄膜全体が混合層にな
っていることがわかる。また、この電極c3を用いた電
池C3は良好な充放電サイクル特性を示しており、シリ
コン薄膜全体が混合層となっても電極活物質として作用
していることがわかる。
【0268】図45及び図46から明らかなように、シ
リコン薄膜中における銅(Cu)の濃度は連続的に変化
している。従って、シリコン薄膜中において、銅元素は
シリコンとの金属間化合物を形成するのではなく、シリ
コンとの固溶体を形成していることがわかる。
【0269】以上のように、銅箔とシリコン薄膜の界面
には、銅箔の銅とシリコン薄膜のシリコンとが混合した
混合層が形成されていることが確認された。このような
混合層の存在により、シリコン薄膜の銅箔に対する密着
性が高められ、充放電によりシリコン薄膜が膨張収縮し
ても、シリコン薄膜が集電体である銅箔から剥離するこ
となく、良好な充放電サイクル特性が得られるものと思
われる。
【0270】(実験A)本発明のリチウム電池用電極に
おいては、リチウムの吸蔵・放出により活物質薄膜が膨
張・収縮するため、充放電反応に伴い集電体に応力が生
じる。このような応力により、電極集電体に不可逆的、
すなわち塑性変形によるしわが発生する。このしわの発
生は、結果的に電池の体積増加と電極での反応の不均一
性をもたらし、エネルギー密度を低下させる原因とな
る。そこで負極集電体である電解銅箔の厚みを変化さ
せ、負極集電体の引張強度と、電極に発生するしわとの
関係について以下検討した。
【0271】〔負極の作製〕電解銅箔としては、厚みが
12μm、18μm、35μm、及び70μmの4種類
の電解銅箔を用いた。なお、負極集電体である電解銅箔
の厚みはマイクロメーターを用いて測定した。これらの
集電体の引張強度(N/mm)は、(集電体材料の断面
積当りの引張強さ:N/mm2)×(集電体の厚み:m
m)により求めることができる。なお、銅の断面積当り
の引張強さは、212.7N/mm2(21.7kgf
/mm2、「改訂2版金属データブック」丸善株式会社
発行)として計算している。
【0272】上記の電解銅箔の上に、それぞれAr雰囲
気中でのRFスパッタリング法によりシリコン薄膜を形
成した。薄膜形成条件は、ターゲット:単結晶シリコ
ン、高周波電力:350W、Arガス流量:100sc
cm、チャンバー内圧力:0.1Pa、基板温度:室温
(加熱なし)とした。
【0273】上記の薄膜形成条件で形成したシリコン薄
膜は、ラマン分光分析の結果、非晶質シリコン薄膜であ
ることがわかった。シリコン薄膜の厚みは、いずれも
3.4μmであった。シリコン薄膜の厚みは、チャンバ
ー内に、シリコン薄膜を形成する電解銅箔と共に、シリ
コン基板を設置しておき、シリコン基板上に形成された
シリコン薄膜の厚みを表面粗さ計で測定することにより
求めた。具体的には、シリコン薄膜のエッジの部分を表
面粗さ計で触針し、シリコン薄膜のエッジ部分の段差の
高さを測定することにより求めた。
【0274】シリコン薄膜は、銅箔上の2.5cm×
2.5cmの領域に、マスクを用いて限定的に形成し
た。シリコン薄膜が形成されていない銅箔の上に負極タ
ブを取り付け、負極を完成した。
【0275】〔正極の作製〕実験1の正極の作製で得ら
れたLiCoO2粉末を用いて正極を作製した。具体的
には、LiCoO2粉末90重量部、及び導電材として
の人造黒鉛粉末5重量部を、結着剤としてのポリテトラ
フルオロエチレンを5重量部含む5重量%のN−メチル
ピロリドン水溶液に混合し、正極合剤スラリーとした。
このスラリーをドクターブレード法により、正極集電体
であるアルミニウム箔(厚み18μm)の2cm×2c
mの領域の上に塗布した後乾燥し、正極活物質層を形成
した。スラリーの塗布量としては、正極容量が15.7
5mAhとなるように調整した。正極活物質層を塗布し
なかったアルミニウム箔の領域の上に正極タブを取り付
け、正極を完成した。
【0276】〔電解液の作製〕エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPF
6を1モル/リットル溶解して電解液を調製し、これを
以下の電池の作製において用いた。
【0277】〔電池の作製〕図47は、作製したリチウ
ム二次電池を示す斜視図である。図48は、作製したリ
チウム二次電池を示す断面模式図である。図48に示す
ように、アルミラミネートフィルムからなる外装体40
内に、正極及び負極が挿入されている。負極集電体31
の上には負極活物質としてのシリコン薄膜32が設けら
れており、正極集電体33の上には正極活物質層34が
設けられている。シリコン薄膜32と正極活物質層34
は、セパレーター35を介して対向するように配置され
ている。外装体40内には、上記の電解液36が注入さ
れている。外装体40の端部は溶着により封口されてお
り、封口部40aが形成されている。負極集電体31に
取り付けられた負極タブ37は、この封口部40aを通
り外部に取り出されている。なお、図48に図示されな
いが、正極集電体33に取り付けられた正極タブ38
も、同様に封口部40aを通り外部に取り出されてい
る。
【0278】〔充放電サイクル試験〕上記のようにして
作製したリチウム二次電池について、充放電サイクル試
験を行った。充放電の条件は、充電電流9mAで充電終
止容量9mAhとなるまで充電した後、放電電流9mA
で放電終止電圧2.75Vとなるまで放電し、これを1
サイクルの充放電として、各電池について10サイクル
目までの充放電効率を求めた。なお、厚みの異なる銅箔
を用いた各電池についてそれぞれサンプルを3個(1C
−1、1C−2、及び1C−3)作製し、測定した。結
果を図49に示す。
【0279】図49に示すように、銅箔の厚みの違いに
よる充放電サイクル特性への影響は特に認められず、い
ずれの厚みの銅箔を用いた場合にも良好な充放電サイク
ル特性が得られている。
【0280】更に、10サイクル後、各電池から負極を
取り出し、負極の状態を観察した。図50及び図51
は、シリコン薄膜を形成した負極表面の状態を示してお
り、図52及び図53は、シリコン薄膜を形成していな
い負極裏面の状態を示している。なお、図50〜図53
において、「12」、「18」、「35」、及び「7
0」は、それぞれ銅箔の厚みを示している。
【0281】図52及び図53から明らかなように、充
放電反応後において、厚み12μmの銅箔を用いた電極
では多数のしわが観察される。これに対し、厚み18μ
mの銅箔を用いた電極においては、若干のしわが認めら
れ、厚み35μm及び70μmの銅箔を用いた電極にお
いては、ほとんどしわが観察されていない。これらの結
果をまとめると、表13に示す通りとなる。表13にお
ける評価は、以下の基準で行っている。
【0282】 ×:多数のしわが認められる。 ○:若干のしわが認められる。 ◎:ほとんどしわが認められない。
【0283】
【表13】
【0284】表13から明らかなように、集電体の引張
強度が3.82N/mm以上になると、急激に電極に発
生するしわが少なくなり、7.44N/mm以上になる
と、しわがほとんど認められなくなることがわかる。ま
た、シリコン薄膜の厚み/集電体の厚みの比が0.19
以下になると急激に電極に発生するしわが少なくなり、
0.10以下になるとしわがほとんど認められなくなる
ことがわかる。これは、集電体が一定の引張強度以上と
なると、活物質薄膜の膨張・収縮による応力が、おおむ
ね集電体の弾性変形で緩和されるためと考えられる。
【0285】(実験B)次に、負極集電体である電解銅
箔の上に形成するシリコン薄膜の厚みを変化させ、シリ
コン薄膜の厚み1μmあたりの負極集電体の引張強度
と、電極に発生するしわとの関係について検討した。
【0286】〔負極の作製〕負極集電体としては、厚み
が18μmの電解銅箔を用いた。なお、電解銅箔の厚み
は、実験Aと同様に、マイクロメーターを用いて測定し
た。また、集電体の引張強度(N/mm)も、実験Aと
同様にして求めた。
【0287】上記の電解銅箔の上に、実験Aと同様の薄
膜形成条件で、非晶質シリコン薄膜を形成した。シリコ
ン薄膜の厚みとしては、0.9μm、1.8μm、及び
3.6μmの3種類のものを形成した。シリコン薄膜の
厚みは、実験Aと同様にして求めた。実験Aと同様にし
て、負極タブを銅箔の上に取り付け、負極を完成した。
【0288】〔電池の作製〕実験Aと同様にして、正極
及び電解液を作製し、実験Aと同様にしてリチウム二次
電池を作製した。
【0289】〔充放電サイクル試験〕上記のようにして
作製した、シリコン薄膜の厚みが異なる負極を用いた各
リチウム二次電池について、実験Aと同様の条件で充放
電サイクル試験を行った。各電池についての30サイク
ル目までの充放電効率を求めた。なお、シリコン薄膜の
厚みの異なる負極を用いた各電池について、それぞれサ
ンプルを3個作製し、測定した。結果を図54に示す。
図54における「0.9μm」、「1.8μm」、及び
「3.6μm」は、いずれもシリコン薄膜の厚みを示し
ており、各サイクルにおける充放電効率は、サンプル3
個の平均値である。
【0290】図54から明らかなように、シリコン薄膜
の厚みの違いによる充放電サイクル特性への影響は特に
認められず、いずれの厚みのシリコン薄膜を用いた場合
にも良好な充放電サイクル特性が得られている。
【0291】更に、10サイクル充放電した後、すなわ
ち40サイクル後、各電池から電極を取り出し、負極の
状態を観察した。図55は、負極裏面の状態、すなわち
シリコン薄膜を形成していない面の状態を示している。
なお、図55において、「0.9」、「1.8」、及び
「3.6」は、それぞれシリコン薄膜の厚みを示してい
る。
【0292】図55から明らかなように、充放電反応後
において、厚み3.6μmのシリコン薄膜を形成した電
極では多数のしわが観察されている。これに対し、厚み
1.8μmのシリコン薄膜を形成した電極においては、
若干のしわが認められ、厚み0.9μmのシリコン薄膜
を形成した電極においては、ほとんどしわが観察されて
いない。これらの結果をまとめると、表14に示す通り
となる。表14における評価は、表13における評価と
同様の基準で行っている。
【0293】
【表14】
【0294】さらに、実験Aの表13に示す結果と併
せ、シリコン薄膜1μmあたりの集電体の引張強度の順
に並べ替えたものを表15として示す。
【0295】
【表15】
【0296】表15から明らかなように、シリコン薄膜
1μmあたりの集電体の引張強度が1.12N/mm以
上になると、急激に電極に発生するしわが少なくなるこ
とがわかる。また、表15に示す結果から、シリコン薄
膜の厚み1μmあたりの負極集電体の引張強度が2.1
8N/mm以上になると、さらに発生するしわが少なく
なり、ほとんどしわが認められなくなることがわかる。
また、図53に示す「35」と図55に示す「0.9」
とをさらに詳細に比較すると、どちらも「◎」の評価で
あるが、図55に示す「0.9」の方がしわが少なくな
っている。このことから、シリコン薄膜の厚み1μmあ
たりの負極集電体の引張強度が4.25N/mm以上に
なると、さらに発生するしわが少なくなることがわか
る。
【0297】上記と同様にして、シリコン薄膜の厚み/
集電体の厚みの比の観点からみると、この比が0.19
以下であると急激に発生するしわが少なくなり、0.0
98以下になるとさらに少なくなり、0.05以下にな
るとさらにしわが少なくなることがわかる。
【0298】以上のことより、活物質薄膜の厚み1μm
あたりの負極集電体の引張強度が一定の値以上になる
と、活物質薄膜の膨張・収縮による応力が、集電体の弾
性変形によってほぼ緩和されるため、しわの発生が少な
くなると考えられる。同様に、負極集電体の厚みに対す
る活物質薄膜の厚みの比が一定の値以下になると、活物
質薄膜の膨張・収縮による応力が、集電体の弾性変形に
よってほぼ緩和されるため、しわの発生が少なくなると
考えられる。
【0299】以下、本発明の第5の局面に従う実施例を
説明する。 (実施例A) 〔負極の作製〕図56及び図58に示すような負極20
を作製した。図56は平面図であり、図58は側面図で
ある。図58に示すように、電解銅箔21の一方の面2
1aの上に微結晶シリコン薄膜22aを形成し、他方の
面21bの上に微結晶シリコン薄膜22bを形成した。
【0300】電解銅箔21は、圧延銅箔を電解液中に浸
漬し、その両面に電解法により銅を析出させて両面を粗
面化した銅箔である。電解銅箔21の大きさは20mm
×30mmであり、微結晶シリコン薄膜22a及び22
bを形成した領域の大きさは20mm×20mmであ
る。電解銅箔21の厚みは18μmであり、微結晶シリ
コン薄膜22a及び22bの厚みはそれぞれ約5μmで
ある。電解銅箔21の表面21a及び21bの表面粗さ
Raは0.20μmであり、局部山頂の平均間隔Sは1
0μmである。
【0301】微結晶シリコン薄膜22a及び22bは、
プラズマCVD法により形成した。原料ガスとしてシラ
ン(SiH4)ガスを用い、キャリアガスとして水素
(H2)ガスを用いた。薄膜形成条件は、SiH4流量:
10sccm、H2ガス流量:200sccm、基板温
度:180℃、反応圧力40Pa、高周波電力:555
Wとした。
【0302】図56及び図58に示すように、微結晶シ
リコン薄膜22a及び22bが形成されていない電解銅
箔21の表面21aの領域上に、ニッケル製のタブ23
を取り付け、負極電極を完成した。
【0303】〔正極の作製〕図57に示すような正極2
5を作製した。図57に示すように、集電体であるアル
ミニウム箔26の上に、LiCoO2正極合剤スラリー
を塗布した後乾燥し、正極活物質層27a及び27bを
形成した。アルミニウム箔26としては、大きさ20m
m×60mmのものを用いた。正極活物質層27a及び
27bの形成面積は、それぞれ20mm×20mmとし
た。正極合剤スラリーは以下のようにして調製した。
【0304】出発原料として、Li2CO3及びCoCO
3を用いて、Li:Coの原子比が1:1となるように
秤量して乳鉢で混合し、これを直径17mmの金型でプ
レスし加圧成形した後、空気中において800℃で24
時間焼成し、LiCoO2の焼成体を得た。これを乳鉢
で平均粒子径20μmとなるまで粉砕した。
【0305】得られたLiCoO2粉末90重量部、及
び導電材としての人造黒鉛粉末5重量部を、結着剤とし
てのポリテトラフルオロエチレンを5重量部含む5重量
%のN−メチルピロリドン水溶液に混合し、正極合剤ス
ラリーとした。アルミニウム箔26の裏面に、図57に
示すようにアルミニウム製のタブ28を取り付け、正極
電極を完成した。
【0306】〔電解液の作製〕エチレンカーボネートと
ジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPF
6を1モル/リットル溶解して電解液を調製し、これを
以下の電池の作製において用いた。
【0307】〔電池の作製〕図59は、作製したリチウ
ム二次電池を示す平面図である。図60は、図59のA
−A線に沿う断面図である。図60に示すように、アル
ミラミネートフィルムからなる封筒型の容器30内に、
上記の負極20及び正極25を配置することにより、電
池が組み立てられている。正極活物質層27a及び27
bが内側となるように正極25を折り曲げ、その内側に
負極20が挿入されている。負極20の微結晶シリコン
薄膜22aは、セパレーター29aを介して正極活物質
層27aと対向しており、微結晶シリコン薄膜22b
は、セパレーター29bを介して正極活物質層27bと
対向している。このような状態で、容器30内に正極2
5及び負極20を挿入した後、105℃で2時間の真空
加熱処理を行い、次に上記の電解液を容器30内に注入
した後、図59に示す封口部31で封口し、リチウム二
次電池を作製した。
【0308】(比較例a) 〔負極の作製〕電解銅箔21の一方の面21a上にのみ
微結晶シリコン薄膜22aを形成する以外は、上記実施
例Aの負極の作製と同様にして負極を作製した。
【0309】〔正極の作製〕図57に示すアルミニウム
箔26の上に、正極活物質層として正極活物質層27a
のみを形成する以外は、上記実施例Aの正極の作製と同
様にして正極を作製した。
【0310】〔電池の作製〕上記実施例Aと同様に、正
極25を正極活物質層27aが内側となるように2つに
折り曲げ、その間に負極20を挿入した。微結晶シリコ
ン薄膜22aと正極活物質層27aの間にはセパレータ
ー29aを介し、微結晶シリコン薄膜22bが設けられ
ていない電解銅箔21の面と、正極活物質層27bが設
けられていないアルミニウム箔26の面との間にはセパ
レーター29bを介し、その他は上記実施例Aと同様に
してリチウム二次電池を作製した。
【0311】〔充放電サイクル試験〕上記の実施例A及
び比較例aのリチウム二次電池について、充放電サイク
ル試験を行った。充放電の条件は、25℃において充放
電電流密度0.2mA/cm 2で4.2Vまで充電した
後、2.75Vまで放電し、これを1サイクルの充放電
とし、各電池について15サイクル目の容量維持率を測
定した。なお、1サイクル目の放電容量は、実施例Aの
電池が25mAhであり、比較例aの電池が12mAh
であった。
【0312】結果を表16に示す。
【0313】
【表16】
【0314】表16に示す結果から明らかなように、実
施例Aの電池は、比較例aの電池に比べ、高い容量維持
率を示している。これは、負極集電体の両面に微結晶シ
リコン薄膜を形成することにより、負極集電体の充放電
反応によって生じる歪みが軽減され、負極集電体からの
活物質薄膜の剥離が抑制されたことによるものであると
思われる。
【0315】(実施例B)本発明に従うリチウム二次電
池として、正極及び負極が図61に示すようなスタック
構造となるように組み合わされたリチウム二次電池を作
製した。
【0316】〔負極の作製〕実施例Aで用いた両面を粗
面化した電解銅箔の両面上に、実施例Aと同様にして厚
み約5μmの微結晶シリコン薄膜を形成し負極とした。
【0317】〔正極の作製〕実施例Aと同様にして得ら
れたLiCoO2粉末85重量部、導電材としての人造
黒鉛粉末10重量部、結着剤としてのポリテトラフルオ
ロエチレン5重量部を含む5重量%のN−メチルピロリ
ドン水溶液を作製し、正極合剤スラリーとした。これ
を、厚み20μmのアルミニウム箔の両面の上に塗布し
た後乾燥し、両面上に正極活物質層が形成された正極と
した。
【0318】〔電池の作製〕以上のようにして得られ
た、両面上に微結晶シリコン薄膜を形成した負極41
と、両面上に正極活物質層を形成した正極42とを、図
61に示すように、セパレータ43を介して交互に積層
しスタック型電極構造を構成した。なお、負極41の上
方端部には負極タブ41aが設けられており、正極42
の上方端部には正極タブ42aが設けられている。負極
41及び正極42をそれぞれ8枚用い、正極と負極の組
み合わせを8段積層した。
【0319】上記のスタック状に積層した電極群を、図
62に示すような、アルミニウム製ラミネートからなる
外装体44の内部に挿入した後、外装体44内に電解液
を注液して封口した。負極タブ41a及び正極タブ42
aが外装体44の外部に出るように配置して、封口し
た。
【0320】なお、外装体44内に注液する電解液とし
ては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートと
の4:6混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットル溶
解したものを用いた。
【0321】(比較例b)天然黒鉛を活物質として用い
た負極を作製した。具体的には、天然黒鉛粉末95重量
部と結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン5重量
部を含む5重量%のN−メチルピロリドン水溶液を作製
し、負極合剤スラリーとした。これを、厚み18μmの
圧延銅箔の両面上に塗布した後乾燥し、負極とした。
【0322】以上のようにして得られた負極を用いる以
外は、上記実施例Bと同様にして図61及び図62に示
すリチウム二次電池を作製した。実施例B及び比較例b
のリチウム二次電池の放電容量、平均放電電圧、体積当
たりのエネルギー密度及び重量当たりのエネルギー密度
を表17に示す。なお、実施例Bで用いた正極活物質の
初期放電容量を150mAh/gとし、実施例Bで用い
た負極活物質の初期放電容量を3200mAh/gと
し、比較例bで用いた負極活物質の初期放電容量を37
0mAh/gとしている。
【0323】
【表17】
【0324】表17に示すように、本発明に従うリチウ
ム二次電池用電極を負極として用いた実施例Bは、従来
のグラファイトの負極を用いた比較例bに比べ、体積当
たりのエネルギー密度及び重量当たりのエネルギー密度
が高くなることがわかる。
【0325】(実施例C)図63に示すコイン型のリチ
ウム二次電池を作製した。負極は、負極集電体51の両
面上に、それぞれ微結晶シリコン薄膜52a及び52b
を形成することにより構成されている。負極集電体51
としては、実施例Bに用いた両面が粗面化された電解銅
箔を用いている。また、微結晶シリコン薄膜52a及び
52bも、実施例Bと同様にして形成されている。
【0326】正極は、U字形状に曲げられた正極集電体
54の内側に、正極活物質層55a及び55bを設ける
ことにより構成されている。正極集電体54としては、
実施例Bにおいて用いたアルミニウム箔と同様のアルミ
ニウム箔が用いられている。また、正極活物質層55a
及び55bも、実施例Bにおける正極活物質層と同様に
して形成されている。
【0327】図63に示すように、U字形状に折り曲げ
られた正極集電体54の内側に、負極が挿入されてい
る。負極の負極活物質層であるシリコン薄膜52a及び
52bと、正極の正極活物質層55a及び55bとの間
には、それぞれセパレータ56a及び56bが配置され
ている。
【0328】負極集電体51は負極タブ53と接続され
ており、負極タブ53は、負極缶58に接続されてい
る。負極缶58側の正極集電体54と、負極缶58との
間には、絶縁シート57が設けられており、絶縁シート
57によって、負極缶58と正極集電体54とが電気的
に絶縁されている。
【0329】正極集電体54は、正極缶59と接するよ
うに設けられており、これにより正極集電体54と正極
缶59とが電気的に接続されている。負極缶58と正極
缶59の間には、絶縁パッキング60が設けられてお
り、これにより電気的に絶縁され、電池缶内が密閉され
ている。電池缶内には、実施例Bと同様の電解液が封入
されている。
【0330】(比較例c)負極として、比較例bと同様
の天然黒鉛を活物質とした負極活物質層を形成したもの
を用いる以外は、上記実施例Cと同様にしてコイン型の
リチウム二次電池を作製した。
【0331】実施例C及び比較例cのコイン型リチウム
二次電池の放電容量、平均放電電圧、体積当たりのエネ
ルギー密度、及び重量当たりのエネルギー密度を表18
に示す。
【0332】
【表18】
【0333】表18に示すように、本発明に従うリチウ
ム二次電池用電極を負極に用いた実施例Cのリチウム二
次電池は、比較例cのリチウム二次電池に比べ、体積当
たり及び重量当たりのエネルギー密度において優れてい
ることがわかる。
【0334】(実施例D)図64に示すラミネートタイ
プのリチウム二次電池を作製した。図64において、負
極61は、図63に示す負極と同様に、電解銅箔の両面
上に膜厚5μmの微結晶シリコン薄膜を形成することに
より構成されている。正極62も、図63に示す正極と
同様に、U字形状に折り曲げられた正極集電体であるア
ルミニウム箔の内側に、一対の正極活物質層を設けるこ
とにより構成されている。負極61が、U字形状の正極
62の内側に挿入されて1組の電池65が構成されてい
る。負極61からは負極タブ63が外部に取り出され、
正極62からは正極タブ64が外部に取り出されてい
る。この1組の電池65を4段積層し、アルミニウムラ
ミネートからなる外装体66の内部に挿入されている。
なお、図64には、1組の電池65を3段積層した状態
が示されているが、実際には上述のように4段積層され
ている。外装体66の内部には、実施例Bと同様の電解
液が注入されている。
【0335】図65は、図64に示すラミネートタイプ
のリチウム二次電池の平面図である。図65に示すよう
に、外装体66の三方を溶着し、溶着部67が形成され
ている。負極タブ63及び正極タブ64は、外装体66
の外部に引き出されている。
【0336】(比較例d)比較例bと同様に、負極とし
てグラファイトを用いた負極を用いる以外は、上記実施
例Dと同様にしてラミネートタイプのリチウム二次電池
を作製した。
【0337】実施例D及び比較例dのリチウム二次電池
の放電容量、平均放電電圧、体積当たりのエネルギー密
度、及び重量当たりのエネルギー密度を表19に示す。
【0338】
【表19】
【0339】表19から明らかなように、本発明に従う
リチウム二次電池用電極を負極に用いた実施例Dのリチ
ウム二次電池は、比較例dのリチウム二次電池に比べ、
体積当たり及び重量当たりのエネルギー密度において優
れている。
【0340】(実施例E)図66に示す円筒型のリチウ
ム二次電池を作製した。正極71と負極72の間にセパ
レータ73を挟み、さらに正極71の外側にさらに別の
セパレータ73を配置し、この状態でスパイラル状に巻
き付けて電池缶内に挿入されている。正極71及び負極
72としては、実施例Bと同様に、アルミニウム箔の両
面上に正極活物質層を形成したもの及び電解銅箔の両面
上に微結晶シリコン薄膜を形成したものを用いた。電池
缶内には、実施例Bと同様の電解液が注入されている。
負極72は負極缶74にリードによって電気的に接続さ
れており、正極71は正極端子75にリードにより電気
的に接続されている。
【0341】(比較例e)負極として、グラファイトを
活物質とした比較例bと同様の負極を用いる以外は、上
記実施例Eと同様にして円筒型リチウム二次電池を作製
した。
【0342】実施例E及び比較例eのリチウム二次電池
の放電容量、平均放電電圧、体積当たりのエネルギー密
度、及び重量当たりのエネルギー密度を表20に示す。
【0343】
【表20】
【0344】表20から明らかなように、本発明に従う
リチウム二次電池用電極を負極として用いた実施例Eの
リチウム二次電池は、比較例eのリチウム二次電池に比
べ、体積当たり及び重量当たりのエネルギー密度におい
て優れている。
【0345】(実施例F)図67に示す角形リチウム二
次電池を作製した。図66に示す円筒型リチウム二次電
池と同様に、正極71と負極72の間及び正極71の外
側に、それぞれセパレータ73を配置し、これをスパイ
ラル状に巻き取った後、扁平化して負極缶74内に収納
している。負極72としては、実施例Bと同様に電解銅
箔の両面に微結晶シリコン薄膜を形成したものを用い
た。負極72はリードにより負極缶74に電気的に接続
されており、正極71はリードにより、正極端子75に
電気的に接続されている。電池缶内には、実施例Bと同
様の電解液が注入されている。
【0346】(比較例f)負極として、グラファイトを
活物質とした比較例bと同様の負極を用いる以外は、上
記実施例Fと同様にして角形リチウム二次電池を作製し
た。
【0347】実施例F及び比較例fの放電容量、平均放
電電圧、体積当たりのエネルギー密度、及び重量当たり
のエネルギー密度を表21に示す。
【0348】
【表21】
【0349】表21から明らかなように、本発明に従う
リチウム二次電池用電極を負極として用いた実施例Fの
リチウム二次電池は、比較例fのリチウム二次電池に比
べ、体積当たり及び重量当たりのエネルギー密度におい
て優れている。
【0350】
【発明の効果】本発明の第1の局面及び及び第2の局面
によれば、充放電容量が高く、かつ充放電サイクル特性
に優れたリチウム二次電池とすることができる。
【0351】本発明の第3の局面によれば、充放電容量
が高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次
電池用電極であり、充放電によって電極にしわが発生す
るのを抑制することができるリチウム二次電池用電極と
することができる。
【0352】本発明の第4の局面によれば、集電体の上
に、活物質薄膜と合金化する材料からなる中間層を形成
した後、該中間層の上に活物質薄膜を形成することによ
り、集電体からの活物質薄膜の脱離を防止することがで
き、集電特性を高めて、良好な充放電サイクルを得るこ
とができる。
【0353】本発明の第5の局面によれば、リチウム二
次電池用電極において、充放電反応により生じる集電体
の歪みを小さくすることができ、さらにリチウム二次電
池の充放電サイクル特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において作製したリチウム二次
電池を示す断面模式図。
【図2】本発明に従う一実施例の電極の充放電前の状態
を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)。
【図3】本発明に従う一実施例の電極の充放電前の状態
を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率5000倍)。
【図4】本発明に従う一実施例の電極の充放電後の状態
を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率500倍)。
【図5】本発明に従う一実施例の電極の充放電後の状態
を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率2500倍)。
【図6】本発明に従う一実施例の電極のシリコン薄膜を
上方から見た状態を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率1
000倍)。
【図7】本発明に従う一実施例の電極のシリコン薄膜を
上方から見た状態を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率5
000倍)。
【図8】本発明に従う一実施例の電極のシリコン薄膜を
やや斜め方向から見た状態を示す走査型電子顕微鏡写真
(倍率1000倍)。
【図9】本発明に従う一実施例の電極のシリコン薄膜を
やや斜め方向から見た状態を示す走査型電子顕微鏡写真
(倍率5000倍)。
【図10】本発明の一実施例においてシリコン薄膜に切
れ目が形成され、柱状に分離される状態を示す模式的断
面図。
【図11】本発明に従う電極a3のシリコン薄膜の断面
を示す透過型電子顕微鏡写真(倍率12500倍)。
【図12】本発明に従う電極a6のシリコン薄膜の断面
を示す透過型電子顕微鏡写真(倍率25000倍)。
【図13】図11に示す電子顕微鏡写真を模式的に示す
図。
【図14】図12に示す電子顕微鏡写真を模式的に示す
図。
【図15】本発明に従う電極a3のシリコン薄膜の表面
を上方から見た状態を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率
1000倍)。
【図16】本発明に従う電極a6のシリコン薄膜の表面
を上方から見た状態を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率
1000倍)。
【図17】本発明に従う電極a6のシリコン薄膜の深さ
方向の構成元素の濃度分布を示す図。
【図18】本発明の実施例において真空蒸着法により薄
膜を形成する装置の構成を示す模式図。
【図19】本発明に従う電極a7の充放電前の状態を示
す走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)。
【図20】本発明に従う電極a7の充放電前の状態を示
す走査型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)。
【図21】本発明に従う電極a8の充放電前の状態を示
す走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)。
【図22】本発明に従う電極a8の充放電前の状態を示
す走査型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)。
【図23】本発明に従う電極a7の充放電後の状態を示
す走査型電子顕微鏡写真(倍率500倍)。
【図24】本発明に従う電極a7の充放電後の状態を示
す走査型電子顕微鏡写真(倍率2500倍)。
【図25】本発明に従う電極a8の充放電後の状態を示
す走査型電子顕微鏡写真(倍率500倍)。
【図26】本発明に従う電極a8の充放電後の状態を示
す走査型電子顕微鏡写真(倍率2500倍)。
【図27】本発明に従う電極a7の充放電後のゲルマニ
ウム薄膜の状態を上方から見た走査型電子顕微鏡写真
(倍率1000倍)。
【図28】本発明に従う電極a7の充放電後のゲルマニ
ウム薄膜の状態を上方から見た走査型電子顕微鏡写真
(倍率5000倍)。
【図29】本発明に従う電極a7の充放電後のゲルマニ
ウム薄膜の状態をやや斜め方向から見た走査型電子顕微
鏡写真(倍率1000倍)。
【図30】本発明に従う電極a7の充放電後のゲルマニ
ウム薄膜の状態をやや斜め方向から見た走査型電子顕微
鏡写真(倍率5000倍)。
【図31】本発明に従う電極a8の充放電後のゲルマニ
ウム薄膜の状態を上方から見た走査型電子顕微鏡写真
(倍率1000倍)。
【図32】本発明に従う電極a8の充放電後のゲルマニ
ウム薄膜の状態を上方から見た走査型電子顕微鏡写真
(倍率5000倍)。
【図33】本発明に従う電極a8の充放電後のゲルマニ
ウム薄膜の状態をやや斜め方向から見た走査型電子顕微
鏡写真(倍率1000倍)。
【図34】本発明に従う電極a8の充放電後のゲルマニ
ウム薄膜の状態をやや斜め方向から見た走査型電子顕微
鏡写真(倍率5000倍)。
【図35】本発明に従う電極a7の充放電前のゲルマニ
ウム薄膜の状態を上方から見た走査型電子顕微鏡写真
(倍率1000倍)。
【図36】本発明に従う電極a8の充放電前のゲルマニ
ウム薄膜の状態を上方から見た走査型電子顕微鏡写真
(倍率1000倍)。
【図37】本発明に従う電極a7のゲルマニウム薄膜の
深さ方向の構成元素の濃度分布を示す図。
【図38】本発明に従う電極a8のゲルマニウム薄膜の
深さ方向の構成元素の濃度分布を示す図。
【図39】本発明に従う充放電前の電極a11の断面を
示す走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)。
【図40】本発明に従う充放電前の電極a11の断面を
示す走査型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)。
【図41】本発明に従う充放電前の電極a11のシリコ
ン薄膜を上方から見た走査型電子顕微鏡写真(倍率10
00倍)。
【図42】本発明に従う充放電後の電極a11のシリコ
ン薄膜を上方から見た走査型電子顕微鏡写真(倍率10
00倍)。
【図43】銅箔とシリコン薄膜の界面付近を示す透過型
電子顕微鏡写真(倍率50万倍)。
【図44】銅箔とシリコン薄膜の界面付近を示す透過型
電子顕微鏡写真(倍率100万倍)。
【図45】電極c1における混合層の深さ方向の銅及び
水素濃度分布を示す図。
【図46】電極c3における混合層の深さ方向の銅及び
水素濃度分布を示す図。
【図47】本発明の他の実施例において作製したリチウ
ム二次電池を示す斜視図。
【図48】本発明の他の実施例において作製したリチウ
ム二次電池を示す断面模式図。
【図49】電極に用いた銅箔の厚みと充放電サイクル特
性との関係を示す図。
【図50】充放電後の負極表面の状態を示す図。
【図51】充放電後の負極表面の状態を示す図。
【図52】充放電後の負極裏面の状態を示す図。
【図53】充放電後の負極裏面の状態を示す図。
【図54】電極に用いたシリコン薄膜の厚みと充放電サ
イクル特性との関係を示す図。
【図55】充放電後の負極裏面の状態を示す図。
【図56】本発明の第5の局面の実施例において作製し
た負極を示す平面図。
【図57】本発明の第5の局面の実施例において作製し
た正極を示す平面図。
【図58】本発明の第5の局面の実施例において作製し
た負極を示す側面図。
【図59】本発明の第5の局面の実施例において作製し
たリチウム二次電池を示す平面図。
【図60】本発明の第5の局面の実施例において作製し
たリチウム二次電池を示す断面模式図。
【図61】本発明の第5の局面に従うスタック型リチウ
ム二次電池内の電極構造を示す部分切欠斜視図。
【図62】図61に示す電極を外装体内に収納した本発
明の第5の局面のスタック型リチウム二次電池を示す斜
視図。
【図63】本発明の第5の局面に従うラミネートタイプ
のリチウム二次電池の一例を示す断面模式図。
【図64】本発明の第5の局面に従うコイン型リチウム
二次電池の一例を示す断面模式図。
【図65】本発明の第5の局面に従うコイン型リチウム
二次電池の一例を示す平面図。
【図66】本発明の第5の局面に従う円筒型リチウム二
次電池の一例を示す分解斜視図。
【図67】本発明の第5の局面に従う角形リチウム二次
電池の一例を示す分解斜視図。
【符号の説明】
1…正極 2…負極 3…セパレーター 4…正極缶 5…負極缶 6…正極集電体 7…負極集電体 8…絶縁パッキング 10…銅箔 10a…銅箔の表面 10b…銅箔の表面の凹凸の谷部 11…シリコン薄膜 11a…シリコン薄膜の表面 11b…シリコン薄膜の表面の凹凸の谷部 12…切れ目 A,B,C,D…低密度領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 6/16 H01M 6/16 Z 10/40 10/40 Z (31)優先権主張番号 特願平11−374512 (32)優先日 平成11年12月28日(1999.12.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−39454(P2000−39454) (32)優先日 平成12年2月17日(2000.2.17) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−47675(P2000−47675) (32)優先日 平成12年2月24日(2000.2.24) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−90583(P2000−90583) (32)優先日 平成12年3月29日(2000.3.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−100405(P2000−100405) (32)優先日 平成12年4月3日(2000.4.3) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−105506(P2000−105506) (32)優先日 平成12年4月6日(2000.4.6) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−124305(P2000−124305) (32)優先日 平成12年4月25日(2000.4.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−142755(P2000−142755) (32)優先日 平成12年5月16日(2000.5.16) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−150496(P2000−150496) (32)優先日 平成12年5月22日(2000.5.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−207274(P2000−207274) (32)優先日 平成12年7月7日(2000.7.7) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 藤谷 伸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 島 正樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 八木 弘雅 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 樽井 久樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 黒河 宏史 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 浅岡 賢司 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 松田 茂樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 堂本 洋一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 大下 竜司 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 加藤 善雄 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 中島 宏 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 樟本 靖幸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 吉田 智一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H017 AA03 AS10 CC01 DD01 EE01 EE04 HH00 HH03 HH05 5H024 AA02 AA11 CC02 CC03 CC04 CC06 CC07 CC08 CC12 DD15 EE01 FF15 HH01 HH13 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL11 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ03 BJ04 BJ14 BJ16 CJ24 CJ28 DJ07 DJ14 DJ17 DJ18 HJ01 HJ04 HJ05 HJ13 5H050 AA07 AA08 BA05 BA17 CA08 CB11 EA10 EA24 FA04 FA15 FA19 FA20 GA24 GA25 GA27 HA00 HA01 HA04 HA05 HA13

Claims (210)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを吸蔵・放出する活物質を含む
    リチウム電池用電極であって、前記活物質として非結晶
    シリコンを用いたことを特徴とするリチウム電池用電
    極。
  2. 【請求項2】 リチウムを吸蔵・放出する活物質を含む
    リチウム電池用電極であって、前記活物質として微結晶
    シリコンを用いたことを特徴とするリチウム電池用電
    極。
  3. 【請求項3】 前記非結晶シリコンまたは前記微結晶シ
    リコンが水素を含むことを特徴とする請求項1または2
    に記載のリチウム電池用電極。
  4. 【請求項4】 前記微結晶シリコン中の結晶領域のサイ
    ズが、X線回折スペクトルとScherrerの式から
    算出される結晶粒径として0.5nm以上であることを
    特徴とする請求項2または3に記載のリチウム電池用電
    極。
  5. 【請求項5】 前記微結晶シリコンのラマン分光分析に
    おける520cm-1近傍のピーク強度に対する480c
    -1近傍のピーク強度比(480cm-1近傍/520c
    -1近傍)が0.05以上であることを特徴とする請求
    項2〜4のいずれか1項に記載のリチウム電池用電極。
  6. 【請求項6】 リチウムを吸蔵・放出する活物質を含む
    リチウム電池用電極であって、前記活物質として水素を
    含む非結晶シリコンを用いたことを特徴とするリチウム
    電池用電極。
  7. 【請求項7】 リチウムを吸蔵・放出する活物質を含む
    リチウム電池用電極であって、前記活物質として水素を
    含む微結晶シリコンを用いたことを特徴とするリチウム
    電池用電極。
  8. 【請求項8】 水素濃度が0.001原子%以上である
    ことを特徴とする請求項3、6または7のいずれか1項
    に記載のリチウム電池用電極。
  9. 【請求項9】 前記非結晶または微結晶シリコンがシリ
    コン薄膜である請求項1〜8のいずれか1項に記載のリ
    チウム電池用電極。
  10. 【請求項10】 前記シリコン薄膜が、気相からシリコ
    ン材料を供給することにより基板上に堆積させたシリコ
    ン薄膜であることを特徴とする請求項9に記載のリチウ
    ム電池用電極。
  11. 【請求項11】 前記シリコン材料とともに水素ガスを
    導入することを特徴とする請求項10に記載のリチウム
    電池用電極。
  12. 【請求項12】 リチウムを吸蔵・放出する活物質を含
    むリチウム電池用電極であって、前記活物質として、気
    相からシリコン材料とともに水素ガスを供給することに
    より形成したシリコン薄膜を用いたことを特徴とするリ
    チウム電池用電極。
  13. 【請求項13】 前記シリコン材料が、シリコン原子を
    含む原料ガスまたはシリコン原子を含む原料パウダーで
    あることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項
    に記載のリチウム電池用電極。
  14. 【請求項14】 前記シリコン薄膜を形成する方法がC
    VD法、スパッタリング法、溶射法、または真空蒸着法
    である請求項10〜13のいずれか1項に記載のリチウ
    ム電池用電極。
  15. 【請求項15】 リチウムを吸蔵・放出する活物質を含
    むリチウム電池用電極であって、前記活物質として水素
    を含む非結晶シリコンからなるシリコン薄膜を用いたこ
    とを特徴とするリチウム電池用電極。
  16. 【請求項16】 リチウムを吸蔵・放出する活物質を含
    むリチウム電池用電極であって、前記活物質として水素
    を含む微結晶シリコンからなるシリコン薄膜を用いたこ
    とを特徴とするリチウム電池用電極。
  17. 【請求項17】 前記シリコン薄膜が集電体上に設けら
    れている請求項9〜16のいずれか1項に記載のリチウ
    ム電池用電極。
  18. 【請求項18】 前記シリコン薄膜が、中間層を介して
    集電体上に設けられている請求項17に記載のリチウム
    電池用電極。
  19. 【請求項19】 前記集電体が、銅、ニッケル、ステン
    レス、モリブデン、タングステン、及びタンタルから選
    ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    7または18に記載のリチウム電池用電極。
  20. 【請求項20】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    非結晶シリコンまたは微結晶シリコンあるいは請求項9
    〜19のいずれか1項に記載のシリコン薄膜に予めリチ
    ウムが添加されていることを特徴とするリチウム電池用
    電極。
  21. 【請求項21】 前記集電体または前記基板の表面粗さ
    Raが0.01〜1μmであることを特徴とする請求項
    10〜14及び17〜20のいずれか1項に記載のリチ
    ウム電池用電極。
  22. 【請求項22】 前記集電体が銅箔であることを特徴と
    する請求項21に記載のリチウム電池用電極。
  23. 【請求項23】 前記銅箔が電解銅箔であることを特徴
    とする請求項22に記載のリチウム電池用電極。
  24. 【請求項24】 前記集電体または前記基板の表面粗さ
    Raが、活物質の厚みtに対してRa≦tの関係を有す
    ることを特徴とする請求項21〜23のいずれか1項に
    記載のリチウム電池用電極。
  25. 【請求項25】 前記集電体または前記基板の表面粗さ
    Raと局部山頂の平均間隔Sが、100Ra≧Sの関係
    を有することを特徴とする請求項21〜24のいずれか
    1項に記載のリチウム電池用電極。
  26. 【請求項26】 請求項17〜25のいずれか1項に記
    載のリチウム電池用電極において、 前記シリコン薄膜がその厚み方向に形成された切れ目に
    よって柱状に分離されており、かつ該柱状部分の底部が
    前記集電体と密着していることを特徴とするリチウム電
    池用電極。
  27. 【請求項27】 前記シリコン薄膜の厚み方向におい
    て、少なくとも厚みの1/2以上の部分が、前記切れ目
    によって柱状に分離されていることを特徴とする請求項
    26に記載のリチウム電池用電極。
  28. 【請求項28】 前記切れ目が初回以降の充放電で形成
    されることを特徴とする請求項26または27に記載の
    リチウム電池用電極。
  29. 【請求項29】 充放電前において前記シリコン薄膜の
    表面に凹凸が形成されており、初回以降の充放電により
    前記薄膜にその表面の凹凸の谷部を端部とする切れ目が
    形成され、この切れ目によって前記シリコン薄膜が柱状
    に分離されている請求項28に記載のリチウム電池用電
    極。
  30. 【請求項30】 前記シリコン薄膜表面の凹凸が、下地
    層である集電体表面の凹凸に対応している請求項29に
    記載のリチウム電池用電極。
  31. 【請求項31】 前記集電体表面の凹凸の凸部が錐体状
    であることを特徴とする請求項30に記載のリチウム電
    池用電極。
  32. 【請求項32】 前記柱状部分の上方部が丸みを帯びた
    形状であることを特徴とする請求項26〜31のいずれ
    か1項に記載のリチウム電池用電極。
  33. 【請求項33】 前記切れ目が、充放電前に予め形成さ
    れていることを特徴とする請求項26、27、または3
    2に記載のリチウム電池用電極。
  34. 【請求項34】 請求項26〜33のいずれか1項に記
    載のリチウム電池用電極において、前記切れ目が、前記
    シリコン薄膜中の厚み方向に延びる低密度領域に沿って
    形成されたものであることを特徴とするリチウム電池用
    電極。
  35. 【請求項35】 前記低密度領域が前記集電体表面の凹
    凸の谷部から上方に向かって延びていることを特徴とす
    る請求項34に記載のリチウム電池用電極。
  36. 【請求項36】 前記シリコン薄膜に前記集電体の成分
    が拡散していることを特徴とする請求項17〜35のい
    ずれか1項に記載のリチウム電池用電極。
  37. 【請求項37】 リチウムを吸蔵・放出する活物質から
    なる薄膜が集電体上に設けられたリチウム電池用電極で
    あって、 前記薄膜がその厚み方向に形成された切れ目によって柱
    状に分離されており、かつ該柱状部分の底部が前記集電
    体と密着していることを特徴とするリチウム電池用電
    極。
  38. 【請求項38】 前記薄膜の厚み方向において、少なく
    とも厚みの1/2以上の部分が、前記切れ目によって柱
    状に分離されていることを特徴とする請求項37に記載
    のリチウム電池用電極。
  39. 【請求項39】 前記切れ目が初回以降の充放電で形成
    されることを特徴とする請求項37または38に記載の
    リチウム電池用電極。
  40. 【請求項40】 充放電前において前記薄膜の表面に凹
    凸が形成されており、初回以降の充放電により前記薄膜
    にその表面の凹凸の谷部を端部とする切れ目が形成さ
    れ、この切れ目によって前記薄膜が柱状に分離されてい
    る請求項39に記載のリチウム電池用電極。
  41. 【請求項41】 前記薄膜表面の凹凸が、下地層である
    集電体表面の凹凸に対応している請求項40に記載のリ
    チウム電池用電極。
  42. 【請求項42】 前記集電体表面の凹凸の凸部が錐体状
    であることを特徴とする請求項41に記載のリチウム電
    池用電極。
  43. 【請求項43】 前記柱状部分の上方部が丸みを帯びた
    形状であることを特徴とする請求項37〜42のいずれ
    か1項に記載のリチウム電池用電極。
  44. 【請求項44】 前記切れ目が充放電前に予め形成され
    ていることを特徴とする請求項37、38、または43
    に記載のリチウム電池用電極。
  45. 【請求項45】 前記薄膜が、リチウムと化合物もしく
    は固溶体を形成する周期律表IIB族、IIIB族、IVB族
    及びVB族の元素、並びに周期律表4周期、5周期及び
    6周期の遷移金属元素の酸化物及び硫化物から選ばれる
    少なくとも1種の材料から構成されていることを特徴と
    する請求項37〜44のいずれか1項に記載のリチウム
    電池用電極。
  46. 【請求項46】 前記元素が、炭素、シリコン、ゲルマ
    ニウム、錫、鉛、アルミニウム、インジウム、亜鉛、カ
    ドミウム、ビスマス、及び水銀から選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項45に記載のリチウ
    ム電池用電極。
  47. 【請求項47】 前記元素がシリコンであることを特徴
    とする請求項45に記載のリチウム電池用電極。
  48. 【請求項48】 前記元素がゲルマニウムであることを
    特徴とする請求項45に記載のリチウム電池用電極。
  49. 【請求項49】 前記薄膜が非結晶薄膜であることを特
    徴とする請求項37〜48のいずれか1項に記載のリチ
    ウム電池用電極。
  50. 【請求項50】 前記薄膜が非晶質薄膜であることを特
    徴とする請求項37〜48のいずれか1項に記載のリチ
    ウム電池用電極。
  51. 【請求項51】 前記薄膜が非結晶シリコン薄膜である
    ことを特徴とする請求項37〜44のいずれか1項に記
    載のリチウム電池用電極。
  52. 【請求項52】 前記薄膜が微結晶シリコン薄膜である
    ことを特徴とする請求項37〜44のいずれか1項に記
    載のリチウム電池用電極。
  53. 【請求項53】 前記薄膜が非晶質シリコン薄膜である
    ことを特徴とする請求項37〜44のいずれか1項に記
    載のリチウム電池用電極。
  54. 【請求項54】 前記薄膜が非結晶ゲルマニウム薄膜で
    あることを特徴とする請求項37〜44のいずれか1項
    に記載のリチウム電池用電極。
  55. 【請求項55】 前記薄膜が非晶質ゲルマニウム薄膜で
    あることを特徴とする請求項37〜44のいずれか1項
    に記載のリチウム電池用電極。
  56. 【請求項56】 前記集電体が、銅、ニッケル、ステン
    レス、モリブデン、タングステン、及びタンタルから選
    ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3
    7〜55のいずれか1項に記載のリチウム電池用電極。
  57. 【請求項57】 前記集電体の表面粗さRaが0.01
    〜1μmであることを特徴とする請求項37〜56のい
    ずれか1項に記載のリチウム電池用電極。
  58. 【請求項58】 前記集電体が銅箔であることを特徴と
    する請求項37〜57のいずれか1項に記載のリチウム
    電池用電極。
  59. 【請求項59】 前記銅箔が電解銅箔であることを特徴
    とする請求項58に記載のリチウム電池用電極。
  60. 【請求項60】 請求項37〜59のいずれか1項に記
    載のリチウム電池用電極において、前記切れ目が、前記
    薄膜中の厚み方向に延びる低密度領域に沿って形成され
    たものであることを特徴とするリチウム電池用電極。
  61. 【請求項61】 前記低密度領域が前記集電体表面の凹
    凸の谷部から上方に向かって延びていることを特徴とす
    る請求項60に記載のリチウム電池用電極。
  62. 【請求項62】 前記薄膜に前記集電体の成分が拡散し
    ていることを特徴とする請求項37〜61のいずれか1
    項に記載のリチウム電池用電極。
  63. 【請求項63】 請求項1〜62のいずれか1項に記載
    の電極からなる負極と、正極と、電解質とを備えるリチ
    ウム電池。
  64. 【請求項64】 請求項1〜62のいずれか1項に記載
    の電極からなる負極と、正極と、非水電解質とを備える
    リチウム二次電池。
  65. 【請求項65】 U字形状に折り曲げられた集電体の内
    側に一対の負極活物質層が対向するように設けられた負
    極と、 集電体の両面上に正極活物質層が設けられ、前記U字形
    状の負極の内側に挿入される正極と、 前記正極の正極活物質層と前記負極の負極活物質層の間
    に配置されるセパレータとを備え、 前記負極が請求項1〜62のいずれか1項に記載の電極
    であることを特徴とするリチウム二次電池。
  66. 【請求項66】 前記正極がリチウムを吸蔵・放出可能
    な酸化物を活物質として含むことを特徴とする請求項6
    4または65に記載のリチウム二次電池。
  67. 【請求項67】 前記正極がリチウム含有酸化物を活物
    質として含むことを特徴とする請求項64または65に
    記載のリチウム二次電池。
  68. 【請求項68】 薄膜からなる電極材料層と、前記電極
    材料層と密着した集電体とを備え、前記薄膜には、面方
    向に網目状に連なりかつ前記集電体に向かって厚み方向
    に延びた低密度領域が形成されていることを特徴とする
    二次電池用電極。
  69. 【請求項69】 前記薄膜に前記集電体の成分が拡散し
    ていることを特徴とする請求項68に記載の二次電池用
    電極。
  70. 【請求項70】 前記薄膜が前記集電体上に薄膜形成法
    により形成した薄膜であることを特徴とする請求項68
    または69に記載の二次電池用電極。
  71. 【請求項71】 前記薄膜形成法が、CVD法、スパッ
    タリング法、蒸着法、溶射法、またはめっき法であるこ
    とを特徴とする請求項70に記載の二次電池用電極。
  72. 【請求項72】 前記集電体がその表面に凹凸を有して
    おり、該凹凸の谷部を基部として前記低密度領域が形成
    されていることを特徴とする請求項68〜71のいずれ
    か1項に記載の二次電池用電極。
  73. 【請求項73】 前記集電体表面の凹凸の凸部が錐体状
    であることを特徴とする請求項72に記載の二次電池用
    電極。
  74. 【請求項74】 前記薄膜の表面に前記集電体表面の凹
    凸に対応した凹凸が形成されていることを特徴とする請
    求項68〜73のいずれか1項に記載の二次電池用電
    極。
  75. 【請求項75】 前記薄膜の膨張収縮により、前記低密
    度領域に沿って厚み方向に切れ目が形成され、これによ
    って前記薄膜が柱状に分離されていることを特徴とする
    請求項68〜74のいずれか1項に記載の二次電池用電
    極。
  76. 【請求項76】 前記薄膜の膨張収縮が、充放電によっ
    て与えられることを特徴とする請求項75に記載の二次
    電池用電極。
  77. 【請求項77】 前記薄膜がシリコン薄膜であることを
    特徴とする請求項68〜76のいずれか1項に記載の二
    次電池用電極。
  78. 【請求項78】 前記シリコン薄膜が非晶質シリコン薄
    膜または微結晶シリコン薄膜であることを特徴とする請
    求項77に記載の二次電池用電極。
  79. 【請求項79】 前記薄膜がゲルマニウム薄膜であるこ
    とを特徴とする請求項68〜76のいずれか1項に記載
    の二次電池用電極。
  80. 【請求項80】 前記ゲルマニウム薄膜が非晶質ゲルマ
    ニウム薄膜または微結晶ゲルマニウム薄膜であることを
    特徴とする請求項79に記載の二次電池用電極。
  81. 【請求項81】 前記集電体が銅箔であることを特徴と
    する請求項68〜80のいずれか1項に記載の二次電池
    用電極。
  82. 【請求項82】 前記銅箔が電解銅箔であることを特徴
    とする請求項81に記載の二次電池用電極。
  83. 【請求項83】 請求項68〜82のいずれか1項に記
    載の電極を用いたことを特徴とする二次電池。
  84. 【請求項84】 前記電極が二次電池の正極及び/また
    は負極であることを特徴とする請求項83に記載の二次
    電池。
  85. 【請求項85】 前記二次電池が非水電解質二次電池で
    あることを特徴とする請求項83または84に記載の二
    次電池。
  86. 【請求項86】 前記非水電解質二次電池がリチウム二
    次電池であることを特徴とする請求項85に記載の二次
    電池。
  87. 【請求項87】 リチウムを吸蔵・放出する材料からな
    る活物質を含むリチウム電池用電極であって、前記活物
    質が、結晶領域と、前記結晶領域と同種の材料または異
    なる材料からなる非晶質領域とから実質的に構成される
    ことを特徴とするリチウム電池用電極。
  88. 【請求項88】 前記結晶領域のまわりに前記非晶質領
    域が配置していることを特徴とする請求項87に記載の
    リチウム電池用電極。
  89. 【請求項89】 前記結晶領域が微小な結晶粒から構成
    されていることを特徴とする請求項87または88に記
    載のリチウム電池用電極。
  90. 【請求項90】 前記結晶領域及び/または前記非晶質
    領域が、リチウムと化合物もしくは固溶体を形成する周
    期律表IIB族、IIIB族、IVB族及びVB族の元素、並
    びに周期律表4周期、5周期及び6周期の遷移金属元素
    の酸化物及び硫化物から選ばれる少なくとも1種の材料
    から構成されていることを特徴とする請求項87〜89
    のいずれか1項に記載のリチウム電池用電極。
  91. 【請求項91】 前記元素が、炭素、シリコン、ゲルマ
    ニウム、錫、鉛、アルミニウム、インジウム、亜鉛、カ
    ドミウム、ビスマス、及び水銀から選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項90に記載のリチウ
    ム電池用電極。
  92. 【請求項92】 前記元素がシリコンであることを特徴
    とする請求項90に記載のリチウム電池用電極。
  93. 【請求項93】 前記非晶質領域が水素を含むことを特
    徴とする請求項87〜92のいずれか1項に記載のリチ
    ウム電池用電極。
  94. 【請求項94】 前記活物質が基板上に形成された薄膜
    であることを特徴とする請求項87〜93のいずれか1
    項に記載のリチウム電池用電極。
  95. 【請求項95】 前記薄膜が中間層を介して基板上に形
    成されていることを特徴とする請求項94に記載のリチ
    ウム電池用電極。
  96. 【請求項96】 前記基板が集電体であることを特徴と
    する請求項94または95に記載のリチウム電池用電
    極。
  97. 【請求項97】 前記集電体が、銅、ニッケル、ステン
    レス、モリブデン、タングステン、タンタル、及び炭素
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項96に記載のリチウム電池用電極。
  98. 【請求項98】 前記集電体または前記基板の表面粗さ
    Raが0.01〜1μmであることを特徴とする請求項
    94〜97のいずれか1項に記載のリチウム電池用電
    極。
  99. 【請求項99】 前記集電体が銅箔であることを特徴と
    する請求項98に記載のリチウム電池用電極。
  100. 【請求項100】 前記銅箔が電解銅箔であることを特
    徴とする請求項99に記載のリチウム電池用電極。
  101. 【請求項101】 前記集電体または前記基板の表面粗
    さRaが、活物質の厚みtに対してRa≦tの関係を有
    することを特徴とする請求項98〜100のいずれか1
    項に記載のリチウム電池用電極。
  102. 【請求項102】 前記集電体または前記基板の表面粗
    さRaと局部山頂の平均間隔Sが、100Ra≧Sの関
    係を有することを特徴とする請求項98〜101のいず
    れか1項に記載のリチウム電池用電極。
  103. 【請求項103】 請求項96〜102のいずれか1項
    に記載のリチウム電池用電極において、 前記活物質薄膜がその厚み方向に形成された切れ目によ
    って柱状に分離されており、かつ該柱状部分の底部が前
    記集電体と密着していることを特徴とするリチウム電池
    用電極。
  104. 【請求項104】 前記薄膜の厚み方向において、少な
    くとも厚みの1/2以上の部分が、前記切れ目によって
    柱状に分離されていることを特徴とする請求項103に
    記載のリチウム電池用電極。
  105. 【請求項105】 前記切れ目が初回以降の充放電で形
    成されることを特徴とする請求項103または104に
    記載のリチウム電池用電極。
  106. 【請求項106】 充放電前において前記活物質薄膜の
    表面に凹凸が形成されており、初回以降の充放電により
    前記活物質薄膜にその表面の凹凸の谷部を端部とする切
    れ目が形成され、この切れ目によって前記活物質薄膜が
    柱状に分離されている請求項105に記載のリチウム電
    池用電極。
  107. 【請求項107】 前記活物質薄膜表面の凹凸が、下地
    層である集電体表面の凹凸に対応している請求項106
    に記載のリチウム電池用電極。
  108. 【請求項108】 前記集電体表面の凹凸の凸部が錐体
    状であることを特徴とする請求項107に記載のリチウ
    ム電池用電極。
  109. 【請求項109】 前記柱状部分の上方部が丸みを帯び
    た形状であることを特徴とする請求項103〜108の
    いずれか1項に記載のリチウム電池用電極。
  110. 【請求項110】 前記切れ目が、充放電前に予め形成
    されていることを特徴とする請求項103、104、ま
    たは109に記載のリチウム電池用電極。
  111. 【請求項111】 請求項103〜110のいずれか1
    項に記載のリチウム電池用電極において、前記切れ目
    が、前記活物質薄膜中の厚み方向に延びる低密度領域に
    沿って形成されたものであることを特徴とするリチウム
    電池用電極。
  112. 【請求項112】 前記低密度領域が前記集電体表面の
    凹凸の谷部から上方に向かって延びていることを特徴と
    する請求項111に記載のリチウム電池用電極。
  113. 【請求項113】 前記活物質薄膜に前記集電体の成分
    が拡散していることを特徴とする請求項111または1
    12に記載のリチウム電池用電極。
  114. 【請求項114】 請求項87〜113のいずれか1項
    に記載の電極からなる負極と、正極と、電解質とを備え
    るリチウム電池。
  115. 【請求項115】 請求項87〜113のいずれか1項
    に記載の電極からなる負極と、正極と、非水電解質とを
    備えるリチウム二次電池。
  116. 【請求項116】 前記正極がリチウムを吸蔵・放出可
    能な酸化物を活物質として含むことを特徴とする請求項
    115に記載のリチウム二次電池。
  117. 【請求項117】 前記正極がリチウム含有酸化物を活
    物質として含むことを特徴とする請求項115に記載の
    リチウム二次電池。
  118. 【請求項118】 リチウムを吸蔵・放出するリチウム
    電池用電極活物質であって、非結晶シリコンから構成さ
    れることを特徴とするリチウム電池用電極活物質。
  119. 【請求項119】 リチウムを吸蔵・放出するリチウム
    電池用電極活物質であって、微結晶シリコンから構成さ
    れることを特徴とするリチウム電池用電極活物質。
  120. 【請求項120】 前記非結晶シリコンまたは前記微結
    晶シリコンが水素を含むことを特徴とする請求項118
    または119に記載のリチウム電池用電極活物質。
  121. 【請求項121】 前記微結晶シリコン中の結晶領域の
    サイズが、X線回折スペクトルとScherrerの式
    から算出される結晶粒径として0.5nm以上であるこ
    とを特徴とする請求項119または120に記載のリチ
    ウム電池用電極活物質。
  122. 【請求項122】 前記微結晶シリコンのラマン分光分
    析における520cm-1近傍のピーク強度に対する48
    0cm-1近傍のピーク強度比(480cm-1近傍/52
    0cm-1近傍)が0.05以上であることを特徴とする
    請求項119〜121のいずれか1項に記載のリチウム
    電池用電極活物質。
  123. 【請求項123】 リチウムを吸蔵・放出するリチウム
    電池用電極活物質であって、水素を含む非結晶シリコン
    から構成されることを特徴とするリチウム電池用電極活
    物質。
  124. 【請求項124】 リチウムを吸蔵・放出するリチウム
    電池用電極活物質であって、水素を含む微結晶シリコン
    から構成されることを特徴とするリチウム電池用電極活
    物質。
  125. 【請求項125】 水素濃度が0.001原子%以上で
    あることを特徴とする請求項120、123または12
    4のいずれか1項に記載のリチウム電池用電極活物質。
  126. 【請求項126】 非結晶シリコンからなるシリコン薄
    膜を用いたリチウム電池用電極活物質。
  127. 【請求項127】 水素を含む非結晶シリコンからなる
    シリコン薄膜を用いたリチウム電池用電極活物質。
  128. 【請求項128】 微結晶シリコンからなるシリコン薄
    膜を用いたリチウム電池用電極活物質。
  129. 【請求項129】 水素を含む微結晶シリコンからなる
    シリコン薄膜を用いたリチウム電池用電極活物質。
  130. 【請求項130】 請求項118〜125のいずれか1
    項に記載の非結晶シリコン、微結晶シリコン、または請
    求項126〜129のいずれか1項に記載のシリコン薄
    膜に予めリチウムが添加されていることを特徴とするリ
    チウム電池用電極活物質。
  131. 【請求項131】 リチウムを吸蔵・放出する材料から
    なるリチウム電池用電極活物質であって、結晶領域と、
    前記結晶領域と同種の材料または異なる材料からなる非
    晶質領域とから実質的に構成されることを特徴とするリ
    チウム電池用電極活物質。
  132. 【請求項132】 前記結晶領域のまわりに前記非晶質
    領域が配置していることを特徴とする請求項131に記
    載のリチウム電池用電極活物質。
  133. 【請求項133】 前記結晶領域が微小な結晶粒から構
    成されていることを特徴とする請求項131または13
    2に記載のリチウム電池用電極活物質。
  134. 【請求項134】 前記結晶領域及び/または前記非晶
    質領域が、リチウムと化合物もしくは固溶体を形成する
    周期律表IIB族、IIIB族、IVB族及びVB族の元素、
    並びに周期律表4周期、5周期及び6周期の遷移金属元
    素の酸化物及び硫化物から選ばれる少なくとも1種の材
    料から構成されていることを特徴とする請求項131〜
    133のいずれか1項に記載のリチウム電池用電極活物
    質。
  135. 【請求項135】 前記元素が、炭素、シリコン、ゲル
    マニウム、錫、鉛、アルミニウム、インジウム、亜鉛、
    カドミウム、ビスマス、及び水銀から選ばれる少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項134に記載のリ
    チウム電池用電極活物質。
  136. 【請求項136】 前記元素がシリコンであることを特
    徴とする請求項134に記載のリチウム電池用電極活物
    質。
  137. 【請求項137】 前記非晶質領域が水素を含むことを
    特徴とする請求項131〜136のいずれか1項に記載
    のリチウム電池用電極活物質。
  138. 【請求項138】 前記活物質が基板上に形成された薄
    膜であることを特徴とする請求項131〜137のいず
    れか1項に記載のリチウム電池用電極活物質。
  139. 【請求項139】 請求項17〜62、68〜82、及
    び96〜113のいずれか1項に記載のリチウム電池用
    電極において、前記集電体の引張強度が3.82N/m
    m以上であることを特徴とするリチウム電池用電極。こ
    こで、集電体の引張強度とは、以下の式で求められる値
    である。 集電体の引張強度(N/mm)=集電体材料の断面積当
    りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚み(mm)
  140. 【請求項140】 請求項17〜62、68〜82、及
    び96〜113のいずれか1項に記載のリチウム電池用
    電極において、 前記集電体の引張強度が7.44N/mm以上であるこ
    とを特徴とするリチウム電池用電極。ここで、集電体の
    引張強度とは、以下の式で求められる値である。 集電体の引張強度(N/mm)=集電体材料の断面積当
    りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚み(mm)
  141. 【請求項141】 前記集電体の厚みに対する前記シリ
    コン薄膜または前記活物質の厚みの比が0.19以下で
    あることを特徴とする請求項139または140に記載
    のリチウム電池用電極。
  142. 【請求項142】 前記集電体の厚みに対する前記シリ
    コン薄膜または前記活物質の厚みの比が0.10以下で
    あることを特徴とする請求項139または140に記載
    のリチウム電池用電極。
  143. 【請求項143】 請求項17〜62、68〜82、及
    び96〜113のいずれか1項に記載のリチウム電池用
    電極において、 前記シリコン薄膜または前記活物質の厚み1μmあたり
    の集電体の引張強度が1.12N/mm以上であること
    を特徴とするリチウム電池用電極。ここで、集電体の引
    張強度とは、以下の式で求められる値である。 集電体の引張強度(N/mm)=集電体材料の断面積当
    りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚み(mm)
  144. 【請求項144】 請求項17〜62、68〜82、及
    び96〜113のいずれか1項に記載のリチウム電池用
    電極において、 前記シリコン薄膜または前記活物質の厚み1μmあたり
    の集電体の引張強度が2.18N/mm以上であること
    を特徴とするリチウム電池用電極。ここで、集電体の引
    張強度とは、以下の式で求められる値である。 集電体の引張強度(N/mm)=集電体材料の断面積当
    りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚み(mm)
  145. 【請求項145】 請求項17〜62、68〜82、及
    び96〜113のいずれか1項に記載のリチウム電池用
    電極において、 前記シリコン薄膜または前記活物質の厚み1μmあたり
    の集電体の引張強度が4.25N/mm以上であること
    を特徴とするリチウム電池用電極。ここで、集電体の引
    張強度とは、以下の式で求められる値である。 集電体の引張強度(N/mm)=集電体材料の断面積当
    りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚み(mm)
  146. 【請求項146】 請求項17〜62、68〜82、及
    び96〜113のいずれか1項に記載のリチウム電池用
    電極において、 前記集電体の厚みに対する前記シリコン薄膜または前記
    活物質の厚みの比が0.19以下であることを特徴とす
    るリチウム電池用電極。
  147. 【請求項147】 請求項17〜62、68〜82、及
    び96〜113のいずれか1項に記載のリチウム電池用
    電極において、 前記集電体の厚みに対する前記シリコン薄膜または前記
    活物質の厚みの比が0.098以下であることを特徴と
    するリチウム電池用電極。
  148. 【請求項148】 請求項17〜62、68〜82、及
    び96〜113のいずれか1項に記載のリチウム電池用
    電極において、 前記集電体の厚みに対する前記シリコン薄膜または前記
    活物質の厚みの比が0.05以下であることを特徴とす
    るリチウム電池用電極。
  149. 【請求項149】 リチウムの吸蔵・放出により膨張・
    収縮する活物質薄膜を負極集電体上に形成した負極と、
    正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池におい
    て、 前記負極集電体の引張強度が3.82N/mm以上であ
    ることを特徴とするリチウム二次電池。ここで、集電体
    の引張強度とは、以下の式で求められる値である。 集電体の引張強度(N/mm)=集電体材料の断面積当
    りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚み(mm)
  150. 【請求項150】 前記負極集電体の引張強度が7.4
    4N/mm以上であることを特徴とする請求項149に
    記載のリチウム二次電池。
  151. 【請求項151】 前記集電体の厚みに対する前記活物
    質薄膜の厚みの比が0.19以下であることを特徴とす
    る請求項149または150に記載のリチウム二次電
    池。
  152. 【請求項152】 前記集電体の厚みに対する前記活物
    質薄膜の厚みの比が0.10以下であることを特徴とす
    る請求項149または150に記載のリチウム二次電
    池。
  153. 【請求項153】 リチウムの吸蔵・放出により膨張・
    収縮する活物質薄膜を負極集電体上に形成した負極と、
    正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池おい
    て、 前記活物質薄膜の厚み1μmあたりの負極集電体の引張
    強度が1.12N/mm以上であることを特徴とするリ
    チウム電池用電極。ここで、集電体の引張強度とは、以
    下の式で求められる値である。 集電体の引張強度(N/mm)=集電体材料の断面積当
    りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚み(mm)
  154. 【請求項154】 リチウムの吸蔵・放出により膨張・
    収縮する活物質薄膜を負極集電体上に形成した負極と、
    正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池おい
    て、前記活物質薄膜の厚み1μmあたりの負極集電体の
    引張強度が2.18N/mm以上であることを特徴とす
    るリチウム電池用電極。ここで、集電体の引張強度と
    は、以下の式で求められる値である。 集電体の引張強度(N/mm)=集電体材料の断面積当
    りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚み(mm)
  155. 【請求項155】 リチウムの吸蔵・放出により膨張・
    収縮する活物質薄膜を負極集電体上に形成した負極と、
    正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池おい
    て、 前記活物質薄膜の厚み1μmあたりの負極集電体の引張
    強度が4.25N/mm以上であることを特徴とするリ
    チウム電池用電極。ここで、集電体の引張強度とは、以
    下の式で求められる値である。 集電体の引張強度(N/mm)=集電体材料の断面積当
    りの引張強さ(N/mm2)×集電体の厚み(mm)
  156. 【請求項156】 リチウムの吸蔵・放出により膨張・
    収縮する活物質薄膜を負極集電体上に形成した負極と、
    正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池おい
    て、 前記負極集電体の厚みに対する前記活物質薄膜の厚みの
    比が0.19以下であることを特徴とするリチウム電池
    用電極。
  157. 【請求項157】 リチウムの吸蔵・放出により膨張・
    収縮する活物質薄膜を負極集電体上に形成した負極と、
    正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池おい
    て、 前記負極集電体の厚みに対する前記活物質薄膜の厚みの
    比が0.098以下であることを特徴とするリチウム電
    池用電極。
  158. 【請求項158】 リチウムの吸蔵・放出により膨張・
    収縮する活物質薄膜を負極集電体上に形成した負極と、
    正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池おい
    て、 前記負極集電体の厚みに対する前記活物質薄膜の厚みの
    比が0.05以下であることを特徴とするリチウム電池
    用電極。
  159. 【請求項159】 前記負極集電体の表面粗さRaが
    0.01〜1μmであることを特徴とする請求項149
    〜158のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  160. 【請求項160】 前記負極集電体が銅箔であることを
    特徴とする請求項149〜159のいずれか1項に記載
    のリチウム二次電池。
  161. 【請求項161】 前記銅箔が電解銅箔であることを特
    徴とする請求項160に記載のリチウム二次電池。
  162. 【請求項162】 前記活物質薄膜がシリコンまたはゲ
    ルマニウムを含む薄膜であることを特徴とする請求項1
    49〜161のいずれか1項に記載のリチウム二次電
    池。
  163. 【請求項163】 前記活物質薄膜が、シリコン薄膜、
    ゲルマニウム薄膜、またはシリコンゲルマニウム合金薄
    膜であることを特徴とする請求項162に記載のリチウ
    ム二次電池。
  164. 【請求項164】 前記シリコン薄膜が、微結晶シリコ
    ン薄膜または非晶質シリコン薄膜であることを特徴とす
    る請求項163に記載のリチウム二次電池。
  165. 【請求項165】 請求項17〜62、68〜82、及
    び96〜113のいずれか1項に記載のリチウム電池用
    電極において、 シリコン薄膜または活物質薄膜が中間層を介して集電体
    上に設けられており、前記中間層がシリコン薄膜または
    活物質薄膜と合金化する材料から形成されていることを
    特徴とするリチウム電池用電極。
  166. 【請求項166】 前記集電体が前記中間層の材料より
    も機械的強度の高い金属または合金からなる箔であるこ
    とを特徴とする請求項165に記載のリチウム電池用電
    極。
  167. 【請求項167】 前記集電体の表面に凹凸が形成され
    ており、前記中間層の表面に前記集電体表面の凹凸に対
    応して凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1
    65または166に記載のリチウム電池用電極。
  168. 【請求項168】 前記集電体表面の表面粗さRaが
    0.001〜1μmまたは0.01〜1μmであること
    を特徴とする請求項165〜167のいずれか1項に記
    載のリチウム電池用電極。
  169. 【請求項169】 前記活物質薄膜がゲルマニウム薄膜
    またはシリコンゲルマニウム合金薄膜であることを特徴
    とする請求項165〜168のいずれか1項に記載のリ
    チウム電池用電極。
  170. 【請求項170】 前記集電体がニッケル箔であること
    を特徴とする請求項165〜169のいずれか1項に記
    載のリチウム電池用電極。
  171. 【請求項171】 前記中間層が銅層であることを特徴
    とする請求項165〜170のいずれか1項に記載のリ
    チウム電池用電極。
  172. 【請求項172】 リチウムを吸蔵・放出する活物質薄
    膜を負極集電体上に形成した負極と、正極と、非水電解
    質とを備えるリチウム二次電池において、 前記負極集電体上に前記活物質薄膜と合金化する材料か
    らなる中間層を設け、該中間層の上に前記活物質薄膜を
    形成したことを特徴とするリチウム二次電池。
  173. 【請求項173】 前記活物質薄膜が、CVD法、スパ
    ッタリング法、真空蒸着法、または溶射法により形成さ
    れた薄膜であることを特徴とする請求項172に記載の
    リチウム二次電池。
  174. 【請求項174】 前記活物質薄膜が、シリコン薄膜、
    ゲルマニウム薄膜、またはシリコンゲルマニウム合金薄
    膜であることを特徴とする請求項172または173に
    記載のリチウム二次電池。
  175. 【請求項175】 前記シリコン薄膜が微結晶シリコン
    薄膜または非晶質シリコン薄膜であることを特徴とする
    請求項174に記載のリチウム二次電池。
  176. 【請求項176】 前記中間層が銅層であることを特徴
    とする請求項172〜175のいずれか1項に記載のリ
    チウム二次電池。
  177. 【請求項177】 前記集電体が前記中間層の材料より
    も機械的強度の高い金属または合金からなる箔であるこ
    とを特徴とする請求項172〜176のいずれか1項に
    記載のリチウム二次電池。
  178. 【請求項178】 前記集電体の表面に凹凸が形成され
    ており、前記中間層の表面に前記集電体表面の凹凸に対
    応して凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1
    72〜177のいずれか1項に記載のリチウム二次電
    池。
  179. 【請求項179】 前記集電体表面の表面粗さRaが
    0.001〜1μmまたは0.01〜1μmであること
    を特徴とする請求項172〜178のいずれか1項に記
    載のリチウム二次電池。
  180. 【請求項180】 前記集電体がニッケル箔であること
    を特徴とする請求項172〜179のいずれか1項に記
    載のリチウム二次電池。
  181. 【請求項181】 板状の集電体と、該集電体の両面上
    に堆積して形成された、リチウムを吸蔵・放出する活物
    質薄膜とを備えるリチウム二次電池用電極。
  182. 【請求項182】 前記集電体が金属箔であることを特
    徴とする請求項181に記載のリチウム二次電池用電
    極。
  183. 【請求項183】 前記金属箔が銅箔であることを特徴
    とする請求項182に記載のリチウム二次電池用電極。
  184. 【請求項184】 前記銅箔が電解銅箔であることを特
    徴とする請求項183に記載のリチウム二次電池用電
    極。
  185. 【請求項185】 前記集電体の両面が、実質的に同一
    の表面粗さRaを有していることを特徴とする請求項1
    81〜184のいずれか1項に記載のリチウム二次電池
    用電極。
  186. 【請求項186】 前記集電体の両面の表面粗さRa
    が、それぞれ0.01〜1μmであることを特徴とする
    請求項181〜185のいずれか1項に記載のリチウム
    二次電池用電極。
  187. 【請求項187】 前記活物質薄膜が、シリコン薄膜ま
    たはゲルマニウム薄膜であることを特徴とする請求項1
    81〜186のいずれか1項に記載のリチウム二次電池
    用電極。
  188. 【請求項188】 前記シリコン薄膜が、微結晶シリコ
    ン薄膜または非晶質シリコン薄膜であることを特徴とす
    る請求項187に記載のリチウム二次電池用電極。
  189. 【請求項189】 前記ゲルマニウム薄膜が、非晶質ゲ
    ルマニウム薄膜であることを特徴とする請求項187に
    記載のリチウム二次電池用電極。
  190. 【請求項190】 前記活物質薄膜がその厚み方向に形
    成された切れ目によって柱状に分離されており、かつ該
    柱状部分の底部が前記集電体と密着していることを特徴
    とする請求項181〜189のいずれか1項に記載のリ
    チウム二次電池用電極。
  191. 【請求項191】 前記活物質薄膜の厚み方向におい
    て、少なくとも厚みの1/2以上の部分が、前記切れ目
    によって柱状に分離されていることを特徴とする請求項
    190に記載のリチウム二次電池用電極。
  192. 【請求項192】 前記切れ目が前記活物質薄膜の膨張
    収縮により形成されていることを特徴とする請求項19
    0または191に記載のリチウム二次電池用電極。
  193. 【請求項193】 前記切れ目が電池を組み立てた後の
    充放電反応により形成されることを特徴とする請求項1
    90〜192のいずれか1項に記載のリチウム二次電池
    用電極。
  194. 【請求項194】 前記切れ目が電池を組み立てる前の
    充放電反応により形成されていることを特徴とする請求
    項190〜192のいずれか1項に記載のリチウム二次
    電池用電極。
  195. 【請求項195】 前記活物質薄膜の表面に凹凸が形成
    されており、前記切れ目が該薄膜表面の凹凸の谷部から
    前記集電体に向かって厚み方向に形成されていることを
    特徴とする請求項190〜194のいずれか1項に記載
    のリチウム二次電池用電極。
  196. 【請求項196】 前記薄膜表面の凹凸が、集電体表面
    の凹凸に対応して形成されていることを特徴とする請求
    項195に記載のリチウム二次電池用電極。
  197. 【請求項197】 前記集電体表面の凹凸の凸部が錐体
    状であることを特徴とする請求項196に記載のリチウ
    ム二次電池用電極。
  198. 【請求項198】 前記柱状部分の上方が丸みを帯びた
    形状であることを特徴とする請求項190〜197のい
    ずれか1項に記載のリチウム二次電池用電極。
  199. 【請求項199】 前記切れ目が形成される前の前記活
    物質薄膜に、面方向に網目状に連なりかつ前記集電体に
    向かって厚み方向に延びた低密度領域が形成されてお
    り、該低密度領域に沿って前記切れ目が厚み方向に形成
    されていることを特徴とする請求項190〜198のい
    ずれか1項に記載のリチウム二次電池用電極。
  200. 【請求項200】 請求項181〜199のいずれか1
    項に記載のリチウム二次電池用電極を用いたことを特徴
    とするリチウム二次電池。
  201. 【請求項201】 リチウムを吸蔵・放出する活物質薄
    膜が堆積して形成される表面を両面に有することを特徴
    とするリチウム二次電池電極用集電体。
  202. 【請求項202】 前記両面が実質的に同一の表面粗さ
    Raを有することを特徴とする請求項201に記載のリ
    チウム二次電池電極用集電体。
  203. 【請求項203】 前記両面の表面粗さRaがそれぞれ
    0.01〜1μmであることを特徴とする請求項201
    または202に記載のリチウム二次電池電極用集電体。
  204. 【請求項204】 金属箔であることを特徴とする請求
    項201〜203のいずれか1項に記載のリチウム二次
    電池電極用集電体。
  205. 【請求項205】 銅箔であることを特徴とする請求項
    204に記載のリチウム二次電池電極用集電体。
  206. 【請求項206】 電解銅箔であることを特徴とする請
    求項205に記載のリチウム二次電池電極用集電体。
  207. 【請求項207】 銅箔の両面に電解法により銅を析出
    させた電解銅箔であることを特徴とする請求項206に
    記載のリチウム二次電池電極用集電体。
  208. 【請求項208】 請求項181〜199のいずれか1
    項に記載のリチウム二次電池用電極からなる負極と、集
    電体の両面上に正極活物質を設けた正極とを、セパレー
    タを介して交互に積層した電極構造を有することを特徴
    とするリチウム二次電池。
  209. 【請求項209】 請求項181〜199のいずれか1
    項に記載のリチウム二次電池用電極からなる負極と、集
    電体の両面上に正極活物質を設けた正極との間にセパレ
    ータを介在させ、これらをスパイラル状に巻き付けた電
    極構造を有することを特徴とするリチウム二次電池。
  210. 【請求項210】 U字形状に折り曲げられた集電体の
    内側に一対の正極活物質層が対向するように設けられた
    正極と、 集電体の両面上に負極活物質層が設けられ、前記U字形
    状の正極の内側に挿入される負極と、 前記正極の正極活物質層と前記負極の負極活物質層の間
    に配置されるセパレータとを備え、 前記負極が請求項181〜199のいずれか1項に記載
    のリチウム二次電池用電極であることを特徴とするリチ
    ウム二次電池。
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