JP2014112550A - 二次電池およびその充放電方法、並びにその充放電制御素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】負極の充放電に伴う構造破壊、および電解質との反応を低減させることにより、サイクル特性を向上させることができる二次電池を提供する。
【解決手段】負極活物質層14BはLiと合金を形成可能なSiの単体および合金からなる群のうちの少なくとも1種を含んでいる。正極12および負極14は、例えば正極活物質と負極活物質との割合を調節することにより、充電時における負極14のLi/Siモル比が4.0以下、あるいは対Li電位が0.04V以上となるように構成されている。また、放電時における負極14のLi/Siモル比が0.4以上、あるいは対Li電位が1.4V以下となるように構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】負極活物質層14BはLiと合金を形成可能なSiの単体および合金からなる群のうちの少なくとも1種を含んでいる。正極12および負極14は、例えば正極活物質と負極活物質との割合を調節することにより、充電時における負極14のLi/Siモル比が4.0以下、あるいは対Li電位が0.04V以上となるように構成されている。また、放電時における負極14のLi/Siモル比が0.4以上、あるいは対Li電位が1.4V以下となるように構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ケイ素(Si)の単体、合金または化合物を含むと共にリチウム(Li)を吸蔵および放出可能である負極を備えた二次電池およびその充放電方法、並びにその充放電制御素子に関する。
近年、モバイル機器の高性能化および多機能化に伴い、それらの電源である二次電池の高容量化が切望されている。この要求に応える二次電池としてリチウム二次電池がある。しかし、現在におけるリチウム二次電池の代表的な形態である、正極にコバルト酸リチウム、負極に黒鉛を用いた場合の電池容量は飽和状態にあり、大幅な高容量化は極めて困難な状況である。そこで、古くから負極に金属リチウムを用いることが検討されているが、この負極を実用化するには、リチウムの析出溶解効率の向上およびデンドライト状の析出形態の制御などを図る必要がある。
その一方で、最近、ケイ素,ゲルマニウム(Ge)あるいはスズ(Sn)などを用いた高容量の負極の検討が盛んに行われている。しかし、これらの負極は充放電を繰り返すと、活物質の激しい膨張および収縮により粉砕して微細化し、集電性が低下したり、表面積の増大に起因して電解液の分解反応が促進され、サイクル特性は極めて劣悪であった。そこで、気相法、液相法あるいは焼成法などにより集電体に活物質層を形成した負極も検討されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。これによれば、粒子状の活物質およびバインダーなどを含むスラリーを塗布した従来の塗布型負極に比べて微細化を抑制することができると共に、集電体と活物質層とを一体化することができるので負極における電子伝導性が極めて良好となり、容量的にもサイクル寿命的にも高性能化が期待されている。また、従来は負極中に存在した導電材、バインダーおよび空隙などを低減または排除することもできるので、本質的に負極を薄膜化することが可能となる。
しかしながら、この負極でも、充放電に伴う活物質の膨張収縮により活物質の脱落が起こり、サイクル特性が十分とは言えない。また、電解質との反応性は依然として高く、充放電に伴う電解質との反応によって、電池の容量低下を誘発してしまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、負極の充放電に伴う構造破壊、および電解質との反応性を低減させることにより、サイクル特性を向上させることができる二次電池およびその充放電方法、並びにその充放電制御素子を提供することにある。
本発明による第1の二次電池は、ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備えたものである。非水溶媒は、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む。充電終了時の負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)は3.5以上4.0以下であると共に、放電終了時の負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)は0.40以上0.46以下である。
本発明による第2の二次電池は、ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備えたものである。非水溶媒は、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む。充電終了時における負極の電位は、リチウム金属を基準電位として、0.04V以上0.1V以下であると共に、放電終了時における負極の電位は、リチウム金属を基準電位として、1.1V以上1.4V以下である。
本発明による第1の二次電池の充放電方法は、ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備え、非水溶媒が4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む二次電池を充放電させるものである。充電終了時に、負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)を3.5以上4.0以下とすると共に、放電終了時に、負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)を0.40以上0.46以下とする。
本発明による第2の二次電池の充放電方法は、ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備え、非水溶媒が4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む二次電池を充放電させるものである。充電終了時における負極の電位を、リチウム金属を基準電位として、0.04V以上0.1V以下とすると共に、放電終了時における負極の電位を、リチウム金属を基準電位として、1.1V以上1.4V以下とする。
本発明による第1の二次電池の充放電制御素子は、ケイ素の単体、合金または化合を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備え、非水溶媒が4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む二次電池を充放電させるために用いられるものである。電源に接続可能な電源回路部と、電源回路に接続され、二次電池に接続可能であると共にその二次電池の充電を制御する充電制御部と、二次電池に接続可能であると共にその二次電池の放電を制御する放電制御部とを備える。充電制御部は、充電終了時に、負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)を3.5以上4.0以下に制御すると共に、放電制御部は、放電終了時に、負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)を0.40以上0.46以下に制御する。
本発明による第2の二次電池の充放電制御素子は、ケイ素の単体、合金または化合を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備え、非水溶媒が4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む二次電池を充放電させるために用いられるものである。電源に接続可能な電源回路部と、電源回路に接続され、二次電池に接続可能であると共にその二次電池の充電を制御する充電制御部と、二次電池に接続可能であると共にその二次電池の放電を制御する放電制御部とを備える。充電制御部は、充電終了時における負極の電位を、リチウム金属を基準電位として、0.04V以上0.1V以下に制御すると共に、放電制御部は、放電終了時における負極の電位を、リチウム金属を基準電位として、1.1V以上1.4V以下に制御する。
本発明の第1の二次電池、第1の二次電池の充放電方法、および第1の二次電池の充放電制御素子によれば、充電終了時の負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)を3.5以上4.0以下とすると共に、放電終了時の負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)は0.40以上0.46以下とした。または、本発明の第2の二次電池、第2の二次電池の充放電方法、および第2の二次電池の充放電制御素子によれば、充電終了時における負極の電位をリチウム金属を基準電位として0.04V以上0.1V以下とすると共に、放電終了時における負極の電位をリチウム金属を基準電位として1.1V以上1.4V以下とした。このため、負極と電解質との過剰な反応、および負極の膨張・収縮による負極の構造破壊を抑制することができる。よって、サイクル特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.二次電池
1−1.コイン型
1−2.巻回型
2.二次電池の充放電方法およびその充放電制御素子
1.二次電池
1−1.コイン型
1−2.巻回型
2.二次電池の充放電方法およびその充放電制御素子
<1.二次電池>
<1−1.コイン型>
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるコイン型といわれるものであり、外装缶11に収容された正極12と、外装カップ13に収容された負極14とが、セパレータ15を介して積層されたものである。外装缶11および外装カップ13の周縁部は絶縁性のガスケット16を介してかしめることにより密閉されている。外装缶11および外装カップ13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウム(Al)などの金属によりそれぞれ構成されている。
<1−1.コイン型>
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるコイン型といわれるものであり、外装缶11に収容された正極12と、外装カップ13に収容された負極14とが、セパレータ15を介して積層されたものである。外装缶11および外装カップ13の周縁部は絶縁性のガスケット16を介してかしめることにより密閉されている。外装缶11および外装カップ13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウム(Al)などの金属によりそれぞれ構成されている。
正極12は、例えば、正極集電体12Aと、正極集電体12Aに設けられた正極活物質層12Bとを有している。正極集電体12Aは、例えば、アルミニウム,ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどにより構成されている。
正極活物質層12Bは、例えば、正極活物質としてリチウムを吸蔵および放出可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出可能な正極材料としては、例えば、一般式Lix MIO2 で表されるリチウム含有金属複合酸化物が好ましい。リチウム含有金属複合酸化物は、高電圧を発生可能であると共に、高密度であるため、二次電池の更なる高容量化を図ることができるからである。なお、MIは1種類以上の遷移金属であり、例えばコバルト(Co)およびニッケルのうちの少なくとも一方が好ましい。xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。このようなリチウム含有金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 あるいはLiNiO2 などが挙げられる。
負極14は、例えば、負極集電体14Aと、負極集電体14Aに設けられた負極活物質層14Bとを有している。負極集電体14Aは、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種を含む金属材料により構成されていることが好ましい。リチウムと金属間化合物を形成すると、充放電に伴い膨張および収縮し、構造破壊が起こって、集電性が低下する他、負極活物質層14Bを支える能力が小さくなり負極活物質層14Bが負極集電体14Aから脱落し易いからである。なお、本明細書において金属材料には、金属元素の単体だけでなく、2種以上の金属元素あるいは1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなる合金も含める。リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素としては、例えば、銅(Cu),ニッケル,チタン(Ti),鉄(Fe)あるいはクロム(Cr)が挙げられる。
また、負極集電体14Aは、負極活物質層14Bと合金化する金属元素を含むことが好ましい。後述するように、負極活物質層14Bが構成元素としてケイ素を含む場合には、充放電に伴い負極活物質層14Bが大きく膨張・収縮して負極集電体14Aから脱落しやすいが、負極活物質層14Bと負極集電体14Aとを合金化させて強固に接着させることにより、脱落を抑制することができるからである。リチウムと金属間化合物を形成せず、負極活物質層14Bと合金化する金属元素、例えば、ケイ素と合金化する金属元素としては、銅,ニッケルあるいは鉄が挙げられる。これらは、強度および導電性の観点からも好ましい。
なお、負極集電体14Aは、単層により構成してもよいが、複数層により構成してもよい。その場合、負極活物質層14Bと接する層を負極活物質層14Bと合金化する金属材料により構成し、他の層を他の金属材料により構成するようにしてもよい。また、負極集電体14Aは、負極活物質層14Bとの界面以外は、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種よりなる金属材料により構成することが好ましい。
負極活物質層14Bは、例えば、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出可能であり構成元素としてケイ素を含む負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでいる。ケイ素はリチウムを吸蔵・放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。ケイ素は、単体で含まれていてもよく、合金で含まれていてもよく、化合物で含まれていてもよい。但し、負極活物質層14Bにおけるケイ素の含有率は50mol%以上であることが好ましく、75mol%以上であればより好ましく、90mol%以上であれば更に好ましい。容量を大きくすることができるからである。
ケイ素の合金または化合物としては、例えば、ケイ素に加えて、ホウ素(B),マグネシウム(Mg),アルミニウム,リン(P),カルシウム(Ca),チタン,バナジウム(V),クロム,マンガン(Mn),鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛(Zn),ゲルマニウム(Ge),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),パラジウム(Pd),銀(Ag),スズ(Sn),アンチモン(Sb),タンタル(Ta),タングステン(W),あるいはバリウム(Ba)などを含むものが挙げられる。
具体的には、SiB4 ,SiB6 ,Mg2 Si,Ni2 Si,NiSi2 ,TiSi2 ,MoSi2 ,CoSi2 ,CaSi2 ,CrSi2 ,Cu5 Si,FeSi2 ,MnSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 ,VSi2 ,WSi2 ,ZnSi2 ,SiC,Si3 N4 ,SiW,Si4 W,Si0.95W0.05,Si4 Cu,Si0.95Mo0.05,Si0.99B0.01,Si0.995 P0.005 ,あるいはSi0.9 Zn0.1 などが挙げられる。なお、これらはモル比で表したものである。
負極活物質層14Bは、気相法,液相法および焼成法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成されたものであることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層14Bの膨張・収縮による破壊を抑制することができると共に、負極集電体14Aと負極活物質層14Bとを一体化することができ、負極活物質層14Bにおける電子伝導性を向上させることができるからである。また、バインダーおよび空隙などを低減または排除でき、負極14を薄膜化することもできるからである。なお、本明細書でいう「活物質層を焼成法により形成する」とは、活物質を含む粉末とバインダーとを混合し成形した層を、非酸化性雰囲気下等で熱処理することにより、熱処理前よりも体積密度が高く、より緻密な層を形成することを意味する。
なお、負極活物質層14Bは、塗布により形成されたもの、具体的には、負極活物質と必要に応じてポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを含んだものでもよい。但し、気相法,液相法および焼成法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成されたものの方が好ましい。
負極活物質層14Bは、また、膨張および収縮により負極集電体14Aから脱落しないように、負極集電体14Aとの界面の少なくとも一部において負極集電体14Aと合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体14Aの構成元素が負極活物質層14Bに、または負極活物質層14Bの構成元素が負極集電体14Aに、またはそれらが互いに拡散していることが好ましい。この合金化は、負極活物質層14Bを気相法,液相法あるいは焼成法により形成する際に同時に起こることが多いが、更に熱処理が施されることにより起こったものでもよい。本明細書では、上述した元素の拡散も合金化の一形態に含める。
また、この二次電池では、例えば正極活物質の量と負極活物質の量との割合を調節することにより、充電時に負極14に挿入されるリチウムの量が制御されている。具体的には、負極14におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(以下、Li/Si比と言う)が充電終了時においても4.0以下となるように、または、負極14のリチウム金属を基準電位とした電位(以下、対Li電位と言う)が充電終了時においても0.04V以上となるように調節されている。負極14に挿入されるリチウムの量を制限することにより、負極14と電解液との過剰な反応、および負極14の膨張・収縮による構造破壊を抑制することができるからである。なお、負極14の対Li電位というのは、電池から負極14を取り出して、取り出した負極14を作用極、リチウム金属板を対極として測定した電位を意味している。
なお、負極14におけるLi/Si比は、充電終了時においても3.7以下となるように調節されていればより好ましく、3.5以下となるように調節されていれば更に好ましい。また、負極14の対Li電位は、充電終了時においても0.08V以上となるように調節されていればより好ましく、0.1V以上となるように調節されていれば更に好ましい。サイクル特性をより改善することができるからである。但し、Li/Si比を小さくするほど、または対Li電位を大きくするほど電池容量は低下してしまうので、充電終了時においては少なくともLi/Si比が3.5以上、対Li電位が0.1V以下となるように調節されていることが好ましい。
このような負極14のLi/Si比あるいは対Li電位は、二次電池から負極14を取り出して負極活物質層14BをICP(Inductively Coupled Plasma)法などで分析することにより、または取り出した負極14を作用極、リチウム金属板を対極として負極14の容量あるいは電位を測定することにより測定することが可能である。
充電時に負極14に挿入されるリチウムの量は、負極活物質に対する正極活物質のモル比(正極活物質/負極活物質)を小さくすれば少なくすることが可能である。その好ましい比率は、負極活物質および正極活物質の種類などによって異なる。
更に、この二次電池では、例えば負極14に予めリチウムを吸蔵させることにより、放電時に負極14に残存するリチウムの量が制御されることが好ましい。具体的には、負極14におけるLi/Si比が放電終了時においても0.4以上となるように、または、負極14の対Li電位が放電終了時においても1.4V以下となるように調節されることが好ましい。負極14にリチウムを残存させることにより、負極14の膨張・収縮を小さくし、構造破壊を抑制することができるからである。
負極14におけるLi/Si比は、放電終了時においても0.43以上となるように調節されていればより好ましく、0.46以上となるように調節されていれば更に好ましい。また、負極14の対Li電位は、放電終了時においても1.2V以下となるように調節されていればより好ましく、1.1V以下となるように調節されていれば更に好ましい。サイクル特性をより改善することができるからである。但し、Li/Si比を大きくするほど、または対Li電位を小さくするほど電池容量は低下してしまうので、放電終了時においては少なくともLi/Si比が0.46以下、対Li電位が1.1以上となるように調節されていることが好ましい。
セパレータ15は、正極12と負極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ15は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンにより構成されている。
セパレータ15には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩であるリチウム塩と含んでおり、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。溶媒としては、非水溶媒が好ましく、例えば、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,炭酸ジメチル,炭酸ジエチルあるいは炭酸エチルメチルなどの炭酸エステルに代表される有機溶媒が挙げられる。溶媒にはいずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高沸点溶媒と、炭酸ジメチル,炭酸ジエチルあるいは炭酸エチルメチルなどの低沸点溶媒とを混合して用いるようにすれば、高いイオン伝導度を得ることができるので好ましい。
溶媒としては、また、ハロゲン原子を有する炭酸エステルの誘導体も挙げられ、これを用いるようにすればより高いサイクル特性を得ることができると共に、保存特性なども向上させることができるので好ましい。その場合、上述したような他の溶媒と混合して用いてもよいが、単独で用いてもよい。ハロゲン原子を有する炭酸エステルの誘導体としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オン、あるいは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられ、中でも、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが好ましい。より高い効果を得ることができるからである。
溶媒としては、更に、不飽和結合を有する環状炭酸エステルも挙げられ、他の溶媒と混合して用いることが好ましい。より高いサイクル特性を得ることができるからである。不飽和結合を有する環状炭酸エステルとしては、1,3−ジオキソール−2−オンあるいは4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。
リチウム塩としては、例えば、LiPF6 ,LiClO4 ,LiCF3 SO3 ,Li(CF3 SO2 )2 N,Li(C2 F5 SO2 )2 N,化1に示したリチウムビスオキサレートボレート,あるいは化2に示したジフルオロ[オキソラト−O,O’]ホウ酸リチウムが挙げられ、いずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
この電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極活物質と導電材とバインダーとを混合して合剤を調製し、これをN−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて合剤スラリーとして正極集電体12Aに塗布したのち、圧縮成型して正極活物質層12Bを形成することにより正極12を作製する。
次いで、例えば、負極集電体14Aに、気相法または液相法により負極活物質を堆積させて負極活物質層14Bを成膜することにより負極14を作製する。また、粒子状の負極活物質を含む前駆層を負極集電体14Aに形成したのち、これを焼成する焼成法により負極活物質層14Bを成膜してもよいし、気相法,液相法および焼成法のうちの2つまたは3つの方法を組み合わせて負極活物質層14Bを成膜するようにしてもよい。更に、粒子状の負極活物質と導電材とバインダーとを混合して合剤を調製し、これをN−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて合剤スラリーとして負極集電体14Aに塗布したのち、圧縮成型して負極活物質層14Bを形成するようにしてもよい。このうち気相法,液相法および焼成法からなる群のうちの少なくとも1つの方法を用いることにより、場合によっては、負極集電体14Aとの界面の少なくとも一部において負極集電体14Aと合金化した負極活物質層14Bが成膜される。なお、負極集電体14Aと負極活物質層14Bとの界面をより合金化させるために、更に、真空雰囲気下または非酸化性雰囲気下で熱処理を行うようにしてもよい。
その際、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法が挙げられ、具体的には、真空蒸着法,スパッタ法,イオンプレーティング法,レーザーアブレーション法,CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法あるいは溶射法などが挙げられる。液相法としては電解鍍金あるいは無電解鍍金等の公知の手法が利用可能である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法,反応焼成法あるいはホットプレス焼成法が利用可能である。
なお、正極12および負極14を作製する際には、上述したように充電時における負極14のLi/Si比が4.0以下となるように、または、充電時における負極14の対Li電位が0.04V以上となるように、正極活物質の量と負極活物質の量とを調節する。また、負極14にはリチウムを挿入し、上述したように放電時における負極14のLi/Si比が0.4以上となるように、または、放電時における負極14の対Li電位が1.4V以下となるようにすることが好ましい。
続いて、例えば、正極12、電解液を含浸させたセパレータ15および負極14を積層して、外装缶11と外装カップ13との中に入れ、それらをかしめる。これにより図1に示した二次電池が得られる。
<1−2.巻回型>
図2は、本発明の一実施の形態に係る他の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆる巻回型といわれるものであり、リード21,22が取り付けられた電極巻回体30をフィルム状の外装部材41,42の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
図2は、本発明の一実施の形態に係る他の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆる巻回型といわれるものであり、リード21,22が取り付けられた電極巻回体30をフィルム状の外装部材41,42の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
リード21,22は、それぞれ、外装部材41,42の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。リード21,22は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材41,42は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材41,42は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電極巻回体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材41,42とリード21,22との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム43が挿入されている。密着フィルム43は、リード21,22に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材41,42は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図3は、図2に示した電極巻回体30のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電極巻回体30は、正極31と負極32とをセパレータ33および電解質層34を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ35により保護されている。
正極31は、正極集電体31Aの片面あるいは両面に正極活物質層31Bが設けられた構造を有している。負極32も、負極集電体32Aの片面あるいは両面に負極活物質層32Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層32Bと正極活物質層31Bとが対向するように配置されている。正極集電体31A,正極活物質層31B,負極集電体32A,負極活物質層32Bおよびセパレータ33の構成は、それぞれ上述した正極集電体12A,正極活物質層12B,負極集電体14A,負極活物質層14Bおよびセパレータ15と同様である。
電解質層34は、保持体に電解液を保持させたいわゆるゲル状の電解質により構成されている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液あるいは高温における膨れを防止することができるので好ましい。電解液の構成は、図1に示したコイン型の二次電池と同様である。保持体は、例えば高分子材料により構成されている。高分子材料としては、例えばポリフッ化ビニリデンが挙げられる。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極31および負極32を上述したコイン型の二次電池と同様にして作製し、正極活物質層31Bおよび負極活物質層32Bの上に、電解液を保持体に保持させた電解質層34を形成する。次いで、正極集電体31Aの端部にリード21を溶接により取り付けると共に、負極集電体32Aの端部にリード22を溶接により取り付ける。続いて、電解質層34が形成された正極31と負極32とをセパレータ33を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ35を接着して電極巻回体30を形成する。そののち、例えば、外装部材41,42の間に電極巻回体30を挟み込み、外装部材41,42の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、リード21,22と外装部材41,42との間には密着フィルム34を挿入する。これにより、図2および図3に示した二次電池が完成する。
また、次のようにして製造してもよい。まず、正極31および負極32を作製したのち、リード21,22を取り付ける。次いで、正極31と負極32とをセパレータ33を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ35を接着して、電極巻回体30の前駆体である巻回体を形成する。続いて、この巻回体を外装部材41,42に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状としたのち、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を、外装部材41,42の内部に注入する。そののち、外装部材41,42の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封し、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層34を形成する。これにより、図2および図3に示した二次電池が完成する。
<2.二次電池の充放電方法およびその充放電制御素子>
これらの二次電池は、例えば、携帯電話あるいは携帯型パソコンなどの携帯電子機器に組み込まれて用いられる。
これらの二次電池は、例えば、携帯電話あるいは携帯型パソコンなどの携帯電子機器に組み込まれて用いられる。
その際、充放電を制御する充放電制御素子を二次電池と共に携帯電子機器に組み込み、二次電池の充放電を制御するようにしてもよい。なお、充放電制御素子を用いれば、正極12,31および負極14,32の構成を上述したように調節しなくても、充放電時における負極14,32のLi/Si比または対Li電位を上述したように制御することができる場合もある。但し、充放電制御素子のみでは充放電を上述したように制御できない場合もあり、また、充放電制御素子のみで制御しようとすると電池電圧が低下してしまうので、正極12,31および負極14,32の構成を上述したように調節するようにした方が好ましい。
図4は、上述した二次電池に用いる充放電制御素子の概要構成を表すものである。この充放電制御素子50は、例えば、図示しない家庭用交流電源などの電源に接続するための接続端子51と、二次電池60に接続するための接続端子52と、電子機器などに接続するための接続端子53とを備えている。また、充放電制御素子50は、接続端子51に接続された電源回路部54と、電源回路部54および接続端子52に接続された充電制御部55と、接続端子52,53に接続された放電制御部56とを備えている。
電源回路部54は、例えば、電源から供給される電源電圧を所定の直流電圧に変換し、その電圧を安定的に充電制御部55に供給するものであり、いわゆるAC−DCコンバータにより構成されている。
充電制御部55は、二次電池60に対する充電を制御するものであり、例えば、定電流充電を行う定電流充電手段と、定電流充電において電池電圧が予め設定された定電圧充電移行値に達したときに定電流充電から定電圧充電に移行させる定電圧充電移行制御手段と、定電圧充電を行う定電圧充電手段と、定電圧充電において電流値が予め設定された充電終了値に達したときに充電を終了させる充電終了制御手段とを備えている。
定電圧充電移行制御手段における定電圧充電移行値は、例えば、正極12,31の充放電曲線と負極14,32の充放電曲線とから求めた電池電圧と負極14,32のLi/Si比あるいは対Li電位との関係に基づいて、負極14,32のLi/Si比が4.0以下、あるいは対Li電位が0.04V以上となる電池電圧値に設定されている。より好ましくは、負極14,32のLi/Si比が3.7以下、あるいは対Li電位が0.08V以上となる電池電圧値であり、更に好ましいのは負極14,32のLi/Si比が3.5以下、あるいは対Li電位が0.1V以上となる電池電圧値であるが、上述したように電池容量を大きくするにはLi/Si比が3.5以上、あるいは対Li電位が0.1V以下となる電池電圧値とすることが好ましい。
放電制御部56は、二次電池に対する放電を制御するものであり、定電流放電を行う定電流放電手段と、電池電圧が予め設定された放電終了値に達したときに放電を停止させる放電終了制御手段を備えている。放電終了制御手段における放電終了値は、例えば、定電圧充電移行値と同様にして求めた電池電圧と負極14,32のLi/Si比あるいは対Li電位との関係に基づいて、負極14,32のLi/Si比が0.4以上、あるいは対Li電位が1.4V以下となる電池電圧値に設定されている。より好ましくは、負極14,32のLi/Si比が0.43以上、あるいは対Li電位が1.2V以下となる電池電圧値であり、更に好ましいのは負極14,32のLi/Si比が0.46以上、あるいは対Li電位が1.1V以下となる電池電圧値であるが、上述したようにLi/Si比が0.46以下、あるいは対Li電位が1.1V以上となる電池電圧値とすることが好ましい。
このような充放電制御素子50により、例えば次のようにして二次電池60を充放電する。
充電時には、電源回路部54により、電源から供給される電源電圧が所定の直流電圧に変換して充電制御部55に供給し、充電制御部55により充電を制御する。具体的には、まず、定電流充電手段により定電流充電を行う。その際、定電圧充電移行制御手段により電池電圧を監視し、電池電圧が定電圧充電移行値に達した時点で定電圧充電に移行する。次いで、定電圧充電手段により定電圧充電を行い、充電終了制御手段により電流値を監視して、電流値が充電終了値に達した時点で充電を終了する。定電圧充電移行値は、例えば負極14,32のLi/Si比が4.0以下、あるいは対Li電位が0.04V以上となる電池電圧に設定されているので、これにより充電時における負極14,32のLi/Si比は4.0以下、あるいは対Li電位は0.04V以上に制御される。
放電時には、放電制御部56により放電を制御する。具体的には、定電流放電手段により定電流放電を行い、放電終了制御手段により電池電圧を監視して、電池電圧が放電終了電圧値に達した時点で放電を終了する。放電終了電圧値は、例えば、負極14,32のLi/Si比が0.4以上、あるいは対Li電位が1.4V以下となる電池電圧に設定されているので、これにより放電時における負極14,32のLi/Si比は0.4以上、あるいは対Li電位は1.4V以下に制御される。
このように本実施の形態によれば、負極14,32のLi/Si比を4.0以下、あるいは対Li電位を0.04V以上とするようにしたので、負極14,32と電解質との過剰な反応、および負極14,32の膨張・収縮による構造破壊を抑制することができる。よって、サイクル特性を向上させることができる。
特に、負極14,32のLi/Si比を3.7以下、あるいは対Li電位を0.08V以上とするようにすれば、更には、充電終了時における負極14,32のLi/Si比を3.5以下、あるいは対Li電位を0.1V以上とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
また、負極14,32Li/Si比を0.4以上、あるいは対Li電位を1.4V以下とするようにすれば、負極14,32の膨張・収縮を小さくすることができ、負極14,32の構造破壊をより効果的に抑制することができる。
更に、負極14,32Li/Si比を0.43以上、あるいは対Li電位を1.2V以下とするようにすれば、更には、負極14,32Li/Si比を0.46以上、あるいは対Li電位を1.1V以下とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
加えて、電解質が、不飽和結合を有する環状炭酸エステルおよびハロゲン原子を有する炭酸エステルの誘導体のうちの少なくとも1種を含むようにすれば、サイクル特性をより向上させることができると共に、保存特性なども向上させることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例では、上記実施の形態において用いた符合および記号をそのまま対応させて用いる。
(実験例1−1〜1−6)
図1に示した直径20mm、厚み16mmのコイン型の二次電池を作製した。正極12は、次のようにして作製した。まず、炭酸リチウム(LiCO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とをLiCO3 :CoCO3 =0.5:1のモル比で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して、正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2 )を得た。次いで、このコバルト酸リチウムと、導電材であるグラファイトと、バインダーであるポリフッ化ビニリデンとを、コバルト酸リチウム:グラファイト:ポリフッ化ビニリデン=91:6:3の質量比で混合し合剤を調製した。続いて、この合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて合剤スラリーとし、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体12Aに塗布して乾燥させ、加圧して正極活物質層12Bを形成したのち、直径15mmの円形状に打ち抜いた。
図1に示した直径20mm、厚み16mmのコイン型の二次電池を作製した。正極12は、次のようにして作製した。まず、炭酸リチウム(LiCO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とをLiCO3 :CoCO3 =0.5:1のモル比で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して、正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2 )を得た。次いで、このコバルト酸リチウムと、導電材であるグラファイトと、バインダーであるポリフッ化ビニリデンとを、コバルト酸リチウム:グラファイト:ポリフッ化ビニリデン=91:6:3の質量比で混合し合剤を調製した。続いて、この合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて合剤スラリーとし、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体12Aに塗布して乾燥させ、加圧して正極活物質層12Bを形成したのち、直径15mmの円形状に打ち抜いた。
また、負極14は、算術平均粗さ(Ra)が0.5μm、厚みが35μmの電解銅箔よりなる負極集電体14Aに、蒸着法によりケイ素を堆積させて負極活物質層14Bを形成し、加熱真空乾燥させたのち、これを直径16mmの円形状に打ち抜いて用いた。
その際、実験例1−1〜1−6で正極活物質層12Bの塗布量と負極活物質層14Bの蒸着量との割合を変化させ、すなわち負極活物質に対する正極活物質のモル比を変化させて、充電終了時および放電終了時における負極14のLi/Si比あるいは対Li電位を変化させた。
作製した正極12および負極14を、ポリエチレン製フィルムよりなるセパレータ15を介して外装缶11に載置し、その上から電解液を注入して、外装カップ13を被せてかしめることにより密封した。電解液には、炭酸エチレン(EC)と炭酸ジメチル(DMC)とを1:1の質量比で混合した溶媒に、リチウム塩としてLiPF6 を1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。
作製した実験例1−1〜1−6の二次電池について、25℃の条件下で充放電試験を行い、100サイクル目の容量維持率を求めた。100サイクル目の容量維持率は、初回放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比率、すなわち(100サイクル目の放電容量/初回放電容量)×100として算出した。その際、充電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で電流密度が0.04mA/cm2 に達するまで行い、放電は、1mA/cm2 の定電流密度で放電終了時に負極14のLi/Si比が0.4以上あるいは対Li電位が1.4V以下となるように2V〜3Vの電池電圧まで行った。
つまり、実験例1−1〜1−6では、電池電圧を4.2Vとして、充電終了時における負極14のLi/Si比が4.0以下あるいは対Li電位が0.04V以上となるように負極活物質に対する正極活物質のモル比を調節すると共に、作製した正極12の充放電曲線と負極14の充放電曲線とから放電時における電池電圧と負極14のLi/Si比および対Li電位との関係を求め、放電終了時における負極14のLi/Si比が0.4以上あるいは対Li電位が1.4V以下となるように放電を終了させる放電終了値を設定した。
また、実験例1−1〜1−6の二次電池について、上述した条件で充電した後および放電した後でそれぞれ負極14を取り出し、負極活物質層14BのLi/Si比をICP法により分析した。更に、上述した条件で充電した後および放電した後でそれぞれ負極14を取り出し、取り出した負極14を作用極、リチウム金属板を対極として、負極14の電位を測定した。得られた結果を表1に示す。
実験例1−1〜1−6に対する比較例1−1として、負極活物質に対する正極活物質のモル比を変化させたことを除き、他は実験例1−1〜1−6と同様にして二次電池を作製した。比較例1−1の二次電池についても、実験例1−1〜1−6と同様にして、充放電試験を行い、100サイクル目の容量維持率を求めると共に、上述した条件で充電した後および放電した後における負極のLi/Si比および対Li電位を測定した。それらの結果も表1に合わせて示す。
表1から分かるように、充電終了時における負極14のLi/Si比を4.0以下あるいは対Li電位を0.04V以上、放電終了時における負極14のLi/Si比を0.4以上あるいは対Li電位を1.4V以下とした実験例1−1〜1−6によれば、比較例1−1よりも高い容量維持率が得られた。また、充電終了時における負極14のLi/Si比を3.7以下あるいは対Li電位を0.08V以上、放電終了時における負極14のLi/Si比を0.43以上あるいは対Li電位を1.2V以下とすれば、90%以上のより高い容量維持率が得られ、負極14のLi/Si比を3.5あるいは対Li電位を0.1V、放電終了時における負極14のLi/Si比を0.46あるいは対Li電位を1.1Vとした場合に最も高い容量維持率が得られた。
すなわち、充電終了時における負極14のLi/Si比を4.0以下あるいは対Li電位を0.04V以上、放電終了時における負極14のLi/Si比を0.4以上あるいは対Li電位を1.4V以下とすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。また、充電終了時における負極14のLi/Si比を3.7以下あるいは対Li電位を0.08V以上、更にはLi/Si比を3.5あるいは対Li電位を0.1Vとすれば、または、放電終了時における負極14のLi/Si比を0.43以上あるいは対Li電位を1.2V以下、更にはLi/Si比を0.46あるいは対Li電位を1.1Vとすれば、より高いサイクル特性を得ることができることが分かった。
(実験例2−1〜2−3)
電解液の組成を変化させたことを除き、他は実験例1−5または実験例1−6と同様にして二次電池を作製した。電解液には、実験例1−1〜1−6で用いた電解液、すなわち炭酸エチレンと炭酸ジメチルとを1:1の質量比で混合しLiPF6 を1mol/lの濃度で溶解させたものに、さらに1,3−ジオキソール−2−オン(VC)または4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(VEC)を添加したものを用いた。その際、実験例2−1〜2−3で電解液におけるそれらの含有量を表2,3に示したように変化させた。
電解液の組成を変化させたことを除き、他は実験例1−5または実験例1−6と同様にして二次電池を作製した。電解液には、実験例1−1〜1−6で用いた電解液、すなわち炭酸エチレンと炭酸ジメチルとを1:1の質量比で混合しLiPF6 を1mol/lの濃度で溶解させたものに、さらに1,3−ジオキソール−2−オン(VC)または4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(VEC)を添加したものを用いた。その際、実験例2−1〜2−3で電解液におけるそれらの含有量を表2,3に示したように変化させた。
実験例2−1〜2−3についても、実験例1−5,1−6と同様にして充放電試験を行い、100サイクル目の容量維持率を求めると共に、上述した条件で充電した後および放電した後における負極14のLi/Si比および対Li電位を測定した。得られた結果を実験例1−5, 1−6の結果と合わせて表2,3に示す。
表2,3に示したように、1,3−ジオキソール−2−オンまたは4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどの不飽和結合を有する環状炭酸エステルを添加した実験例2−1〜2−3の方が、実験例1−5,1−6に比べて、より高い容量維持率が得られた。すなわち、電解液に不飽和結合を有する環状炭酸エステルを添加するようにすれば、サイクル特性をより向上させることができることが分かった。
(実験例3−1〜3−10)
電解液の組成を変化させたことを除き、他は実験例1−1と同様にして二次電池を作製した。電解液には、炭酸エチレン(EC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)または1,3−ジオキソール−2−オン(VC)を表4に示した質量比で混合し、LiPF6 を1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。
電解液の組成を変化させたことを除き、他は実験例1−1と同様にして二次電池を作製した。電解液には、炭酸エチレン(EC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)または1,3−ジオキソール−2−オン(VC)を表4に示した質量比で混合し、LiPF6 を1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。
実験例3−1〜3−10についても、実験例1−1と同様にして充放電試験を行い、100サイクル目の容量維持率を求めると共に、上述した条件で充電した後および放電した後における負極14のLi/Si比および対Li電位を測定した。得られた結果を実験例1−1の結果と合わせて表4に示す。なお、表4には示さないが、充電終了時および放電終了時における負極14のLi/Si比および対Li電位は、各実験例とも実験例1−1と同様であった。
表4に示したように、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを用いた実験例3−1〜3−10の方が、実験例1−1に比べて、より高い容量維持率が得られた。すなわち、電解液にハロゲン原子を有する炭酸エステルの誘導体を用いるようにすれば、サイクル特性をより向上させることができることが分かった。
(実験例4−1〜4−8)
電解液の組成を変化させたことを除き、他は実験例1−1と同様にして二次電池を作製した。電解液は、実験例4−2〜4−6と同一の溶媒を用い、表5に示したようにリチウム塩の種類を変えた。実験例4−1〜4−8についても、実験例1−1と同様にして充放電試験を行い、100サイクル目の容量維持率を求めると共に、上述した条件で充電した後および放電した後における負極14のLi/Si比および対Li電位を測定した。得られた結果を実験例4−2〜4−6の結果と合わせて表5に示す。なお、表5には示さないが、充電終了時および放電終了時における負極14のLi/Si比および対Li電位は、各実験例とも実験例1−1と同様であった。
電解液の組成を変化させたことを除き、他は実験例1−1と同様にして二次電池を作製した。電解液は、実験例4−2〜4−6と同一の溶媒を用い、表5に示したようにリチウム塩の種類を変えた。実験例4−1〜4−8についても、実験例1−1と同様にして充放電試験を行い、100サイクル目の容量維持率を求めると共に、上述した条件で充電した後および放電した後における負極14のLi/Si比および対Li電位を測定した。得られた結果を実験例4−2〜4−6の結果と合わせて表5に示す。なお、表5には示さないが、充電終了時および放電終了時における負極14のLi/Si比および対Li電位は、各実験例とも実験例1−1と同様であった。
表5に示したように、他のリチウム塩を用いても同様の結果を得られることが分かった。
(実験例5−1〜5−8)
実験例5−1,5−2では、負極14を焼成法により作製したことを除き、他は実験例1−1〜1−6と同様にして二次電池を作製した。負極14は次のようにして作製した。まず、負極活物質である平均粒径1μmのケイ素粉末90質量%と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合して合剤を調製し、これを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて合剤スラリーとした。続いて、この合剤スラリーを厚さ18μmの電解銅箔よりなる負極集電体14Aに塗布し、乾燥させ加圧したのち、真空雰囲気下において400℃で12時間熱処理し、負極活物質層14Bを形成した。
実験例5−1,5−2では、負極14を焼成法により作製したことを除き、他は実験例1−1〜1−6と同様にして二次電池を作製した。負極14は次のようにして作製した。まず、負極活物質である平均粒径1μmのケイ素粉末90質量%と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合して合剤を調製し、これを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて合剤スラリーとした。続いて、この合剤スラリーを厚さ18μmの電解銅箔よりなる負極集電体14Aに塗布し、乾燥させ加圧したのち、真空雰囲気下において400℃で12時間熱処理し、負極活物質層14Bを形成した。
実験例5−3では、実験例2−1と同一の電解液を用いたことを除き、他は実験例5−2と同様にして二次電池を作製した。すなわち、2質量%の1,3−ジオキソール−2−オン(VC)を含む電解液を用いた。
実験例5−4〜5−8では、実験例3−1〜3−5と同一の電解液を用いたことを除き、他は実験例5−2と同様にして二次電池を作製した。すなわち、溶媒には炭酸エチレン(EC)と4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)と炭酸ジメチル(DMC)とを混合して用い、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの含有量を変化させた。
また、実験例5−1,5−2に対する比較例5−1として、負極活物質に対する正極活物質のモル比を変化させたことを除き、他は実験例5−1,5−2と同様にして二次電池を作製した。
実験例5−1〜5−8および比較例5−1についても、実験例1−1〜1−6と同様にして充放電試験を行い、100サイクル目の容量維持率を求めると共に、上述した条件で充電した後および放電した後における負極14のLi/Si比および対Li電位を測定した。得られた結果を表6〜8に示す。なお、表8には充電終了時および放電終了時における負極14のLi/Si比および対Li電位を示さないが、各実験例とも実験例5−2と同様であった。
表6〜8に示したように、実験例5−1〜5−8においても、蒸着により負極14を作製した実験例1−1〜1−6,2−1,3−1〜3−5と同様の結果が得られた。すなわち、負極14を焼成法により作製した場合においても、充電終了時における負極14のLi/Si比を4.0以下あるいは対Li電位を0.04V以上、放電終了時における負極14のLi/Si比を0.4以上あるいは対Li電位を1.4V以下とすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。また、電解液に不飽和結合を有する環状炭酸エステルまたはハロゲン原子を有する炭酸エステルの誘導体を用いるようにすれば、サイクル特性をより向上させることができることが分かった。
(実験例6−1)
負極14を塗布法により形成したことを除き、他は実験例1−1〜1−6と同様にして二次電池を作製した。負極14は次のようにして作製した。まず、負極活物質である平均粒径1μmのケイ素粉末80質量%と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン10質量%と、導電材である鱗片状天然黒鉛10質量%とを混合して合剤を調製し、これを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて合剤スラリーとした。次いで、この合剤スラリーを厚さ18μmの電解銅箔よりなる負極集電体14Aに塗布し、乾燥させ加圧したのち、真空雰囲気下において100℃で5時間乾燥させて負極活物質層14Bを形成した。また、実験例6−1に対する比較例6−1として、負極活物質に対する正極活物質のモル比を変化させたことを除き、他は実験例6−1と同様にして二次電池を作製した。
負極14を塗布法により形成したことを除き、他は実験例1−1〜1−6と同様にして二次電池を作製した。負極14は次のようにして作製した。まず、負極活物質である平均粒径1μmのケイ素粉末80質量%と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン10質量%と、導電材である鱗片状天然黒鉛10質量%とを混合して合剤を調製し、これを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて合剤スラリーとした。次いで、この合剤スラリーを厚さ18μmの電解銅箔よりなる負極集電体14Aに塗布し、乾燥させ加圧したのち、真空雰囲気下において100℃で5時間乾燥させて負極活物質層14Bを形成した。また、実験例6−1に対する比較例6−1として、負極活物質に対する正極活物質のモル比を変化させたことを除き、他は実験例6−1と同様にして二次電池を作製した。
実験例6−1および比較例6−1についても、実験例1−1〜1−6と同様にして充放電試験を行い、100サイクル目の容量維持率を求めると共に、上述した条件で充電した後および放電した後における負極14のLi/Si比および対Li電位を測定した。得られた結果を表9に示す。
表9から分かるように、実験例6−1によれば、比較例6−1よりも高い容量維持率が得られた。すなわち、負極14を塗布法により作製した場合においても、実験例1−1〜1−6と同様に、充電終了時における負極14のLi/Si比を4.0以下あるいは対Li電位を0.04V以上、放電終了時における負極14のLi/Si比を0.4以上あるいは対Li電位を1.4V以下とすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
(実験例7−1〜7−3)
負極活物質層14Bの組成を表10に示したように変えたことを除き、他は実験例1−1〜1−6と同様にして二次電池を作製した。具体的には、実験例7−1ではSiW、実験例7−2ではSi4 Cu、実験例7−3ではSi0.99B0.01とし、いずれも蒸着法により負極活物質層14Bを形成した。これらはモル比である。
負極活物質層14Bの組成を表10に示したように変えたことを除き、他は実験例1−1〜1−6と同様にして二次電池を作製した。具体的には、実験例7−1ではSiW、実験例7−2ではSi4 Cu、実験例7−3ではSi0.99B0.01とし、いずれも蒸着法により負極活物質層14Bを形成した。これらはモル比である。
実験例7−1〜7−3についても、実験例1−1〜1−6と同様にして充放電試験を行い、初回放電容量および100サイクル目の容量維持率を求めると共に、上述した条件で充電した後および放電した後における負極14のLi/Si比および対Li電位を測定した。得られた結果を実験例1−2の結果と共に表10に示す。
表10に示したように、実験例7−1〜7−3においても、実験例1−2と同様に、優れた結果が得られた。すなわち、負極活物質層14Bがケイ素以外の他の元素を含む場合においても、負極14のLi/Si比あるいは対Li電位を上述したようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
また、負極活物質層14Bにおけるケイ素の含有率を小さくすると容量維持率は向上する傾向が見られたが、容量は低下した。すなわち、負極活物質層14Bにおけるケイ素の含有率は50mol%以上とすることが好ましく、75mol%以上、更には90mol%とすればより好ましいことが分かった。
(実験例8−1)
図2および図3に示した巻回型の二次電池を作製した。まず、正極31を実験例1−1〜1−5と同様にして作製し、負極32を電解銅箔よりなる負極集電体32Aに電子ビーム蒸着によりケイ素よりなる厚み3μmの負極活物質層32Bを形成することにより作製した。次いで、γ−ブチロラクトン(γ−BL)40質量%と、炭酸エチレン(EC)40質量%と、1,3−ジオキソール−2−オン(VC)5質量%と、LiPF6 15質量%とからなる電解液30質量%に、重量平均分子量60万のブロック共重合であるポリフッ化ビニリデン10質量%と、高分子材料の溶剤である炭酸ジメチル60質量%とを混合して溶解させた前駆体溶液を作製したのち、これを正極31および負極32にそれぞれ塗布し、常温で8時間放置して炭酸ジメチルを揮発させることにより電解質層34を形成した。
図2および図3に示した巻回型の二次電池を作製した。まず、正極31を実験例1−1〜1−5と同様にして作製し、負極32を電解銅箔よりなる負極集電体32Aに電子ビーム蒸着によりケイ素よりなる厚み3μmの負極活物質層32Bを形成することにより作製した。次いで、γ−ブチロラクトン(γ−BL)40質量%と、炭酸エチレン(EC)40質量%と、1,3−ジオキソール−2−オン(VC)5質量%と、LiPF6 15質量%とからなる電解液30質量%に、重量平均分子量60万のブロック共重合であるポリフッ化ビニリデン10質量%と、高分子材料の溶剤である炭酸ジメチル60質量%とを混合して溶解させた前駆体溶液を作製したのち、これを正極31および負極32にそれぞれ塗布し、常温で8時間放置して炭酸ジメチルを揮発させることにより電解質層34を形成した。
続いて、電解質層34を形成した正極31および負極32を帯状に切断し、正極31にリード21を取り付けると共に、負極32にリード22を取り付けた。そののち、電解質層34を形成した正極31と負極32とをセパレータ33を介して積層して積層体とし、この積層体を巻回して電極巻回体30を形成して、外装部材41,42で覆った。
また、実験例8−1に対する比較例8−1として、負極活物質に対する正極活物質のモル比を変化させたことを除き、他は実験例8−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実験例8−1および比較例8−1の二次電池についても、実験例1−1〜1−6と同様にして充放電試験を行い、100サイクル目の容量維持率を求めると共に、上述した条件で充電した後および放電した後における負極32のLi/Si比および対Li電位を測定した。その際、負極32のLi/Si比および対Li電位は、負極32の中央部を直径15mmの円形に打ち抜いたものを測定した。それらの結果を表11に示す。
表11に示したように、実験例8−1によれば、比較例8−1よりも高い容量維持率が得られた。すなわち、いわゆるゲル状の電解質を用いても、または正極31および負極32を巻回した場合においても、負極32のLi/Si比あるいは対Li電位を上述したようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
(実験例9−1〜9−9)
電解液の組成を変化させたことを除き、他は実験例8−1と同様にして二次電池を作製した。電解液には、炭酸エチレン(EC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)または1,3−ジオキソール−2−オン(VC)を表12に示した質量比で混合し、リチウム塩を1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。リチウム塩の種類は表12に示したように変化させた。
電解液の組成を変化させたことを除き、他は実験例8−1と同様にして二次電池を作製した。電解液には、炭酸エチレン(EC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)または1,3−ジオキソール−2−オン(VC)を表12に示した質量比で混合し、リチウム塩を1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。リチウム塩の種類は表12に示したように変化させた。
実験例9−1〜9−9および実験例8−1の二次電池について、実験例1−1と同一の条件で充放電を行い、保存特性を調べた。具体的には、充放電を10サイクル行い、10サイクル目の放電容量を保存前容量として求め、再び充電して70℃で20日間保存したのち放電し、再度充放電を1サイクル行い、その放電容量を保存後容量として求めた。保存特性としては、保存前容量に対する保存後容量の比率、すなわち(保存後容量/保存前容量)×100を保存後の容量維持率として求めた。得られた結果を表12に示す。
表12に示したように、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを用いた実験例9−1〜9−9の方が、実験例8−1に比べて、高い容量維持率を得ることができた。すなわち、電解液にハロゲン原子を有する炭酸エステルの誘導体を用いるようにすれば、保存特性も向上させることができることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、保持体として高分子材料を用いる場合について説明したが、窒化リチウムあるいはリン酸リチウムを含む無機伝導体を保持体として用いてもよく、高分子材料と無機伝導体とを混合して用いてもよい。
また、上記実施の形態および実施例では、コイン型、または巻回ラミネート型の二次電池について説明したが、本発明は、円筒型、角型、ボタン型、薄型、大型、積層ラミネート型の二次電池についても同様に適用することができる。
11…外装缶、12,31…正極、12A,31A…正極集電体、12B,31B…正極活物質層、13…外装カップ、14,32…負極、14A,32A…負極集電体、14B,32B…負極活物質層、15,33…セパレータ、16…ガスケット、21,22…リード、30…電極巻回体、34…電解質層、35…保護テープ、41, 44…外装部材、43…密着フィルム、50…充放電制御素子、51,52,53…接続端子、54…電源回路部、55…充電制御部、56…放電制御部、60…二次電池。
Claims (11)
- ケイ素(Si)の単体、合金または化合物を含むと共にリチウム(Li)を吸蔵および放出可能である負極と、
リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、
非水溶媒および電解質塩を含む電解質と
を備え、
前記非水溶媒は、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含み、
充電終了時の前記負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)は、3.5以上4.0以下であると共に、
放電終了時の前記負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)は0.40以上0.46以下である、
二次電池。 - ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、
リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、
非水溶媒および電解質塩を含む電解質と
を備え、
前記非水溶媒は、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含み、
充電終了時における前記負極の電位は、リチウム金属を基準電位として、0.04V以上0.1V以下であると共に、
放電終了時における前記負極の電位は、リチウム金属を基準電位として、1.1V以上1.4V以下である、
二次電池。 - 前記負極は、
負極集電体と、この負極集電体に設けられ、ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共に界面の少なくとも一部において前記負極集電体と合金化している負極活物質層と
を有する、請求項1または請求項2に記載の二次電池。 - 前記負極は、
負極集電体と、
この負極集電体に気相法,液相法および焼成法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成され、ケイ素の単体、合金または化合物を含む負極活物質層と
を有する、請求項1または請求項2に記載の二次電池。 - 前記ケイ素の合金または化合物は、ケイ素に加えて、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、リン(P)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、バリウム(Ba)、炭素(C)または窒素(N)を含む、
請求項1または請求項2に記載の二次電池。 - ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備え、前記非水溶媒が4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む二次電池を充放電させるために、
充電終了時に、前記負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)を3.5以上4.0以下とすると共に、
放電終了時に、前記負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)を0.40以上0.46以下とする、
二次電池の充放電方法。 - ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備え、前記非水溶媒が4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む二次電池を充放電させるために、
充電終了時における前記負極の電位を、リチウム金属を基準電位として、0.04V以上0.1V以下とすると共に、放電終了時における前記負極の電位を、リチウム金属を基準電位として、1.1V以上1.4V以下とする、
二次電池の充放電方法。 - 前記ケイ素の合金または化合物は、ケイ素に加えて、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、リン、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタル、タングステン、バリウム、炭素または窒素を含む、
請求項6または請求項7に記載の二次電池の充放電方法。 - ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備え、前記非水溶媒が4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む二次電池を充放電させるために用いられ、
電源に接続可能な電源回路部と、
前記電源回路に接続され、前記二次電池に接続可能であると共にその二次電池の充電を制御する充電制御部と、
前記二次電池に接続可能であると共にその二次電池の放電を制御する放電制御部と
を備え、
前記充電制御部は、充電終了時に、前記負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)を3.5以上4.0以下に制御すると共に、
前記放電制御部は、放電終了時に、前記負極におけるリチウム原子のケイ素原子に対するモル比(Li/Si)を0.40以上0.46以下に制御する、
二次電池の充放電制御素子。 - ケイ素の単体、合金または化合物を含むと共にリチウムを吸蔵および放出可能である負極と、リチウムを吸蔵および放出可能である正極と、非水溶媒および電解質塩を含む電解質とを備え、前記非水溶媒が4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも1種を含む二次電池を充放電させるために用いられ、
電源に接続可能な電源回路部と、
前記電源回路に接続され、前記二次電池に接続可能であると共にその二次電池の充電を制御する充電制御部と、
前記二次電池に接続可能であると共にその二次電池の放電を制御する放電制御部と
を備え、
前記充電制御部は、充電終了時における前記負極の電位を、リチウム金属を基準電位として、0.04V以上0.1V以下に制御すると共に、
前記放電制御部は、放電終了時における前記負極の電位を、リチウム金属を基準電位として、1.1V以上1.4V以下に制御する、
二次電池の充放電制御素子。 - 前記ケイ素の合金または化合物は、ケイ素に加えて、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、リン、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタル、タングステン、バリウム、炭素または窒素を含む、
請求項9または請求項10に記載の二次電池の充放電制御素子。
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