JP2000003727A - 非水二次電池 - Google Patents
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Abstract
つサイクル寿命を高める。 【解決手段】 正極、負極、非水電解質を有する非水二
次電池に於いて、該正極はリチウム含有遷移金属酸化物
を含有し、該負極はケイ素原子を含む化合物を含有し、
さらに該負極のリチウム挿入に伴う膨張率が1.05以
上3.0以下である非水二次電池。
Description
に高容量でサイクル寿命の長いリチウム二次電池に関す
る。
ウムを含有する正極活物質を用いるリチウム二次電池で
は、まず、正極活物質に含まれるリチウムを負極材料に
挿入して負極材料の活性を上げる。これが充電反応であ
り、その逆の負極材料からリチウムイオンを正極活物質
へ挿入させる反応が放電反応である。このタイプのリチ
ウム電池負極材料として、カーボンが用いられている。
カーボン(C6 Li)の理論容量は372mAh/gで
あり、さらなる高容量負極材料が望まれている。リチウ
ムと金属間化合物を形成するケイ素の理論容量は400
0mAh/gをこえ、カーボンのそれより大きいことは
よく知られている。例えば、特開平5−74463で
は、単結晶のケイ素を開示しており、特開平7−296
02では、非晶質ケイ素を開示している。また、ケイ素
を含んだ合金では、Li−Al合金にケイ素を含む例
が、特開昭63−66369(ケイ素が19重量%)、
同63−174275(ケイ素が0.05〜1.0重量
%)、同63−285865(ケイ素が1〜5重量%)
に開示されている。ただし、これらの合金特許出願はい
ずれもリチウムを主体としているため、正極活物質には
リチウムを含有しない化合物が用いられていた。また、
特開平4−109562では、ケイ素が0.05〜1.
0重量%の合金が開示されている。特開昭62−226
563では、リチウムと合金可能な金属と黒鉛粉末を混
合する方法が開示されている。しかし、いずれもサイク
ル寿命が劣り、実用されるには至っていない。ケイ素の
サイクル寿命が劣る理由として、その電子伝導性が低い
こと、リチウム挿入により体積が膨張し、粒子が微粉化
されることが推測されている。
ウム二次電池のエネルギー量を高め、かつサイクル寿命
を高めることにある。
極、負極、非水電解質を有する非水二次電池に於いて、
該正極はリチウムを含有する遷移金属酸化物を含有し、
該負極はリチウム挿入放出可能なケイ素原子を含む化合
物を含有し、さらに該負極のリチウム挿入に伴う膨張率
が1.05以上3.0以下である非水二次電池を用いる
ことにより解決できた。ケイ素化合物を含有する負極に
限らず、一般に負極材料はリチウム挿入・放出にともな
って膨張・収縮することは従来より知られていた。本発
明者は、ケイ素化合物の膨張に起因して起きる負極の膨
張の程度が、リチウム二次電池の重要な性能であるサイ
クル寿命と対応していること、すなわち負極の膨張の程
度が少ないほどサイクル寿命が長くなることを新たに見
出し、本発明に至った。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)正極、負極、非水電解質を有する非水二次電池に
於いて、該正極はリチウム含有遷移金属酸化物を含有
し、該負極はリチウムの挿入放出可能なケイ素原子を含
む化合物を含有し、さらに該負極のリチウム挿入に伴う
膨張率が1.05以上3.0以下である非水二次電池。 (2)項(1)において、該負極のリチウム挿入に伴う
膨張率が1.05以上2.0以下である非水二次電池。 (3)項(1)において、該負極のリチウム挿入に伴う
膨張率が1.05以上1.5以下である非水二次電池。 (4)項(1)において、該負極のリチウム挿入に伴う
膨張率が1.05以上1.2以下である非水二次電池。 (5)項(1)に記載のケイ素化合物の平均粒子サイズ
が0.001〜5μmである非水二次電池。 (6)項(1)に記載のケイ素化合物の平均粒子サイズ
が0.002〜2μmである非水二次電池。 (7)項(1)に記載のケイ素化合物の平均粒子サイズ
が0.005〜0.5μmである非水二次電池。 (8)項(1)に記載のケイ素化合物が合金である非水
二次電池。 (9)項(8)に記載の合金が、ケイ素以外の金属がア
ルカリ土類金属、遷移金属、半金属から選ばれる少なく
とも1種である合金を用いた非水二次電池。 (10)項(8)または(9)に記載のケイ素以外の金属
がGe、Be、Ag、Al、Au、Cd、Ga、In、
Sb、Sn、Znから選ばれる少なくとも1種である非
水二次電池。 (11)項(8)〜(10)に記載のケイ素に対する他の金
属の原子比率が5〜90%である非水二次電池。 (12)項(1)に記載のケイ素化合物が金属ケイ化物か
ら金属を除去したケイ素である非水二次電池。 (13)項(12)に記載の金属ケイ化物がリチウムケイ化
物である非水二次電池。 (14)項(13)に記載のリチウムケイ化物のリチウム含
量が、ケイ素に対して、100〜420原子%である非
水二次電池。 (15)項(1)に記載のケイ素化合物が、リチウムと反
応しないセラミックと付着している複合材料である非水
二次電池。 (16)項(15)に記載のセラミックがAl2 O3 、Si
O2 、TiO2 、SiC、Si3 N4 から選ばれる少な
くとも一種である非水二次電池。 (17)項(15)または(16)に記載のケイ素化合物に対
する該セラミックの重量比が2〜200%である非水二
次電池。 (18)項(15)〜(17)に記載のケイ素化合物に該セラ
ミックを付着させる方法が、300〜2000℃に加熱
する工程を含む方法である負極材料の製造方法。 (19)項(1)に記載のケイ素化合物が少なくとも一種
の金属で被覆されている非水二次電池。 (20)項(19)に記載の金属で被覆させる方法が、無電
解めっき法、蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長
法から選ばれる少なくとも一種の方法である負極材料の
製造方法。 (21)項(19)または(20)に記載の被覆金属の少なく
とも1種がNi、Cu、Ag、Co、Fe、Cr、W、
Ti、Au、Pt、Pd、Sn、Znである非水二次電
池。 (22)項(19)〜(21)に記載の金属で被覆されたケイ
素化合物の比伝導度が、被覆されていないケイ素化合物
の比伝導度の10倍以上である非水二次電池。 (23)項(1)に記載のケイ素化合物が、あらかじめ熱
可塑性樹脂で部分的に被覆されているケイ素化合物であ
る非水二次電池。 (24)項(23)に記載の熱可塑性樹脂がポリフッ化ビニ
リデン、ポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少な
くとも一種である非水二次電池。 (25)項(23)または(24)に記載のケイ素化合物に対
する熱可塑性樹脂の重量比が2〜200%である非水二
次電池。 (26)項(23)〜(25)に記載の熱可塑性樹脂のケイ素
化合物全表面に対する被覆率が5〜95%である非水二
次電池。 (27)項(1)に記載のケイ素化合物に対して炭素を重
量比で0〜2000%共存させた非水二次電池。 (28)項(27)に記載の炭素が鱗片状天然黒鉛である非
水二次電池。 (29)項(1)に記載のケイ素化合物の充放電範囲が、
ケイ素に挿入放出するリチウムの当量比として、Lix
Siで表すとxが0から4.2の範囲内である非水二次
電池。 (30)項(1)に記載のケイ素化合物の充放電範囲が、
LixSiで表すとxが0から3.7の範囲内である非
水二次電池。 (31)項(1)に記載の正極活物質が、LiyMO2(M
=Co、Ni、Fe、Mn y=0〜1.2)を含む材
料、またはLizN2O4(N=Mn z=0〜2)で表
されるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を用
いる非水二次電池。 (32)項(8)〜(31)に記載の含ケイ素材料が、リチ
ウムと反応できるケイ素単体、ケイ素合金、ケイ化物の
少なくとも1種であり、これらの含ケイ素材料粒子の平
均粒子サイズが0.001〜5μmである非水二次電
池。 (33)項(8)〜(31)に記載の含ケイ素材料が、リチ
ウムと反応できるケイ素単体、ケイ素合金、ケイ化物の
少なくとも1種であり、これらの含ケイ素材料粒子の平
均粒子サイズが0.002〜2μmである非水二次電
池。 (34)項(8)〜(31)に記載の含ケイ素材料が、リチ
ウムと反応できるケイ素単体、ケイ素合金、ケイ化物の
少なくとも1種であり、これらの含ケイ素材料粒子の平
均粒子サイズが0.005〜0.5μmである非水二次
電池。
は、正極合剤(あるいは負極合剤)を集電体上に塗設、
成形して作ることができる。正極合剤(あるいは負極合
剤)には、正極活物質(あるいは負極材料)の他、導電
剤、結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増
強剤や各種添加剤を含むことができる。これらの電極
は、円盤状、板状であってもよいが、柔軟性のあるシー
ト状であることが好ましい。
述する。本発明の負極材料で用いられるリチウムの挿入
放出できるケイ素原子を含む化合物は、ケイ素単体、ケ
イ素合金、ケイ化物を意味する。ケイ素単体としては、
単結晶、多結晶、非晶質のいずれも使用することができ
る。単体の純度は85重量%以上が好ましく、特に、9
5重量%以上が好ましい。さらに、99重量%以上が特
に好ましい。
なケイ素原子を含む化合物を含有する負極のリチウム挿
入に伴う膨張率は1.05以上3.0以下である必要が
ある。好ましくは1.05以上2.0以下であり、さら
に好ましくは1.05以上1.5以下、最も好ましくは
1.05以上1.2以下である。リチウム挿入に伴う負
極の膨張率は以下のように定義される。膨張率=(リチ
ウム挿入時の負極合剤層の厚さ)/(リチウム放出時の
負極合剤層の厚さ)リチウム挿入時の負極合剤層の厚さ
は次のように評価する。すなわち金属リチウムを対極と
したときの負極単極の開回路電圧が0.05Vになるよ
うに電池を充電した後、該電池をアルゴンガス雰囲気下
で分解して負極を取り出し、合剤層部分の厚さを測定す
る。リチウム放出時の負極合剤層の厚さは次のように評
価する。すなわち金属リチウムを対極としたときの負極
単極の開回路電圧が0.5Vになるように電池を放電し
た後、該電池をアルゴンガス雰囲気下で分解して負極を
取り出し、合剤層部分の厚さを測定する。尚、上記の電
圧に関し、0.045V以上0.055V未満であれば
0.05Vとみなし、0.45V以上0.55V未満で
あれば0.5Vとみなす。
イズは0.001〜5μmが好ましい。特に、0.00
2〜2μmが好ましい。さらに、0.005〜0.5μ
mが好ましい。ここで述べた好ましい粒子サイズの範囲
は、一般に「超微粒子」と呼ばれる粒子サイズの範囲で
あり、たとえば市販のケイ素粉末の粒子サイズ範囲が1
〜数百μmであるのに対し、極めて小さい。このような
「超微粒子」のケイ素単体を得る方法としては、数μm
〜数十μmオーダーの「粗粒子」を粉砕する方法やレー
ザー熱化学反応法をあげることができる。本発明者はこ
のような「超微粒子」のケイ素化合物を用いることによ
り、負極の膨張率が小さくなりサイクル寿命が一層改良
されることを見出した。
に生じるケイ素の膨張収縮による微粉化を抑制したり、
ケイ素の伝導性の低さを改良するので有効であると考え
られる。合金としては、アルカリ土類金属、遷移金属あ
るいは半金属との合金が好ましい。特に、固溶性合金や
共融性合金が好ましい。固溶性合金は固溶体を形成する
合金をいう。Geの合金が固溶性合金である。共融性合
金とは、ケイ素とどんな割合でも共融するが、冷却して
得られる固体はケイ素と金属の混合体である合金を言
う。Be、Ag、Al、Au、Cd、Ga、In、S
b、Sn、Znが共融性合金を形成する。この中でもと
くに、Ge、Be、Ag、Al、Au、Cd、Ga、I
n、Sb、Sn、Znの合金が好ましい。またこれらの
2種以上の合金も好ましい。とくに、Ge、Ag、A
l、Cd、In、Sb、Sn、Znを含む合金が好まし
い。これらの合金の混合比率は、ケイ素に対して5〜2
000重量%が好ましい。とくに、10〜500重量%
が好ましい。この場合、電気伝導性が向上するが電池性
能、とくに、放電容量、ハイレート特性、サイクル寿命
の点で、比伝導度が合金前のケイ素またはケイ素化合物
の比伝導度の10倍以上になることが好ましい。合金の
平均粒子サイズは0.001〜5μmが好ましい。特
に、0.002〜2μmが好ましい。さらに0.005
〜0.5μmが好ましい。
う。ケイ化物としては、CaSi、CaSi2、Mg2S
i、BaSi2、SrSi2、Cu5Si、FeSi、F
eSi2、CoSi2、Ni2Si、NiSi2、MnS
i、MnSi2、MoSi2、CrSi2、TiSi2、T
i5Si3、Cr3Si、NbSi2、NdSi2、CeS
i2、SmSi2、DySi2、ZrSi2、WSi2、W5
Si3、TaSi2、Ta5Si3、TmSi2、TbS
i2、YbSi2、YSi2、YSi2、ErSi、ErS
i2、GdSi2、 PtSi、V3Si、VSi2、HfS
i2、PdSi、PrSi2、HoSi2、EuSi2、L
aSi、RuSi、ReSi、RhSi等が用いられ
る。
金属を除去したケイ素を用いることができる。このケイ
素の形状としては、空洞が大きく、かなり微細な構造を
もっている。このケイ素を用いるとサイクル寿命が改良
される理由としては、微粉化されにくいためと考えられ
る。該金属ケイ化物の金属はアルカリ金属、アルカリ土
類金属であることが好ましい。なかでも、Li、Ca、
Mgであることが好ましい。とくに、Liが好ましい。
該リチウムケイ化物のリチウム含量は、ケイ素に対し
て、100〜420モル%が好ましい。特に、200〜
420モル%が好ましい。アルカリ金属やアルカリ土類
金属のケイ化物からアルカリ金属やアルカリ土類金属を
除去する方法は、アルカリ金属やアルカリ土類金属と反
応する溶媒で処理させることが好ましい。溶媒として
は、水、アルコール類が好ましい。リチウムケイ化物の
場合は、脱気し、かつ、脱水したアルコール類が好まし
い。アルコールの種類としては、メチルアルコール、エ
チルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピ
ルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアル
コール、t−ブチルアルコール、1−ペンチルアルコー
ル、2−ペンチルアルコール、3−ペンチルアルコール
が好ましい。とくに、1−プロピルアルコール、2−プ
ロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチル
アルコール、t−ブチルアルコールが好ましい。Caや
Mgの除去は、水が好ましい。中性付近に保つようなp
H緩衝剤を用いることが好ましい。
イ素の微粉化の抑制に有効であると考えられる。セラミ
ックとしては、リチウムと原則的に反応しない化合物が
好ましい。とくに、Al2O3、SiO2、TiO2、Si
C、Si3N4が好ましい。ケイ素とセラミックを付着さ
せる方法としては、混合、加熱、蒸着、CVDが用いら
れるが、とくに、混合と加熱の併用が好ましい。とく
に、Al2O3やSiO2のコロイド溶液(コロイダルシ
リカ)とケイ素を分散混合させた後、加熱し、固溶した
固まりを粉砕してケイ素とAl2O3やSiO2の付着物
を得ることができる。この場合、Al2O3やSiO2の
付着物とは、Al2O3やSiO2等の表面がケイ素粉末
に覆われていたり、Al2O3やSiO2等の固まりの内
部に閉じこめられていたり、ケイ素の表面がそれらが覆
われていたりする状態を言う。混合分散は、機械的撹
拌、超音波、混練により達成できる。加熱は不活性ガス
中で300℃〜2000℃の範囲で行うことが好ましい
が、とくに500℃〜1200℃が好ましい。不活性ガ
スはアルゴン、窒素、水素が上げられる。これらの混合
ガスも用いられる。粉砕法はボールミル、振動ミル、遊
星ボールミル、ジェットミルなどよく知られた方法が用
いられる。この粉砕も不活性ガス中で行われることが好
ましい。ケイ素に対するセラミックスの混合比は2〜2
00重量%の範囲が好ましいが、とくに3〜40%が好
ましい。ケイ素の電子顕微鏡観察から求めた平均粒子サ
イズは、0.001〜5μmが好ましく、さらに0.0
02〜2μmが好ましく、とくに0.005〜0.5μ
mが好ましい。
は、電気めっき法、置換めっき法、無電解めっき法、抵
抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着、クラスターイオン蒸着
法などの蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法
(CVD法)により達成できる。とくに、無電解めっき
法、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着、クラスターイオ
ン蒸着法などの蒸着法、スパッタリング法、CVD法が
好ましい。さらに、無電解めっき法がとくに好ましい。
無電解めっき法は「無電解めっき 基礎と応用」電気鍍
金研究会編 日刊工業新聞社刊 (1994)に記載さ
れている。その還元剤はホスフィン酸塩、ホスホン酸
塩、水素化ホウ素化物、アルデヒド類、糖類、アミン
類、金属塩が好ましい。ホスフィン酸水素ナトリウム、
ホスホン酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、
ジメチルアミンボラン、ホルムアルデヒド、蔗糖、デキ
ストリン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、、アスコ
ルビン酸、塩化チタンが好ましい。めっき液の中には還
元剤の他に、pH調節剤、錯形成剤を含ませることが好
ましい。これらについても上記「無電解めっき 基礎と
応用」に記載されている化合物が用いられる。めっき液
のpHはとくに限定されないが、4〜13が好ましい。
液の温度は10℃〜100℃が好ましいが、とくに、2
0℃〜95℃がこのましい。めっき浴の他にSnCl2
塩酸水溶液からなる活性化浴、PdCl2塩酸水溶液か
らなる核形成浴を用いたり、さらに濾過工程、水洗工
程、粉砕工程、乾燥工程が用いられる。
ては、粉体状、塊状、板状等のいずれもが用いられる。
被覆される金属は導電性の高い金属であれば何でもよい
が、とくに、Ni、Cu、Ag、Co、Fe、Cr、
W、Ti、Au、Pt、Pd、Sn、Znが好ましい。
とくに、Ni、Cu、Ag、Co、Fe、Cr、Au、
Pt、Pd、Sn、Znが好ましく、さらに、Ni、C
u、Ag、Pd、Sn、Znがとくに好ましい。被覆さ
れる金属量はとくに限定がないが、比伝導度が、素地で
あるケイ素化合物の比伝導度の10倍以上になるように
被覆することが好ましい。
性樹脂で被覆することが好ましい。熱可塑性樹脂は含フ
ッ素高分子化合物、イミド系高分子、ビニル系高分子、
アクリレート系高分子、エステル系高分子、ポリアクリ
ロニトリルなどが用いられる。とくに、熱可塑性樹脂は
電解液に膨潤しにくい樹脂が好ましい。具体例として
は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸Na、ポリビニル
フェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミ
ド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレンー
マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルク
ロリド、ポリテトラフルロロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレ
ン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチ
レン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンタ
ーポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビ
ニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合
体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポ
リビニルエステル共重合体、スチレンーブタジエン共重
合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体、ポリブ
タジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン
オキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテ
ルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョ
ンを挙げることが出来る。特にポリアクリル酸エステル
系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが挙げら
れる。これらの化合物は単独または混合して用いること
が出来る。とくに、含フッ素高分子化合物が好ましい。
なかでもポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデンが好ましい。あらかじめ被覆する方法としては、
熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させておき、その溶液にケイ
素化合物を混合、混練する。その溶液を乾燥し、得られ
た固形物を粉砕する方法が好ましい。ケイ素化合物に対
する熱可塑性樹脂の使用量としては、2〜200重量%
が好ましい。とくに、3〜50重量%が好ましい。被覆
率は5〜95%が好ましいが、とくに、5〜90%が好
ましい。被覆された粒子の平均サイズは、0.001〜
5μmが好ましい。とくに、0.002〜2μmが好ま
しい。さらに0.005〜0.5μmが好ましい。
を混合して用いることが好ましい。炭素質材料は導電剤
や負極材料で用いられる材料が用いられる。炭素質材料
としては、難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料を挙げる
ことができる。具体的には、特開昭62−122066
号、特開平2−66856号、同3−245473号等
の各公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさの
炭素材料、特開平5−290844号公報に記載の天然
黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開昭63−24555号、
同63−13282号、同63−58763号、特開平
6−212617号公報に記載の気相成長炭素材料、特
開平5−182664号公報に記載の難黒鉛化炭素を2
400℃を超える温度で加熱焼成された材料であり、か
つ複数の002面に相当するX線回折のピークを持つ材
料、特開平5−307957号、同5−307958
号、同7−85862号、同8−315820号公報に
記載のピッチ焼成により合成されたメソフェース炭素材
料、特開平6−84516号公報に記載の被覆層を有す
る黒鉛、さらには、各種の粒状体、微小球体、平板状
体、微小繊維、ウィスカーの形状の炭素材料、フェノー
ル樹脂、アクリロニトリル樹脂、フルフリルアルコール
樹脂の焼成体、水素原子を含むポリアセン材料などの炭
素材料等を挙げることができる。さらに、導電剤として
の具体例としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等
の天然黒鉛、石油コークス、石炭コークス、セルロース
類、糖類、メソフェーズピッチ等の高温焼成体、気相成
長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブ
ラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チ
ャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック
等のカーボンブラック類、アスファルトピッチ、コール
タール、活性炭、メソフューズピッチ、ポリアセン等の
炭素材料が好ましい。これらは単独で用いても良いし、
混合物として用いても良い。
記載の炭素材料や各種の粒状体、微小球体、平板状体、
繊維、ウィスカーの形状の炭素材料、また、メソフェー
ズピッチ、フェノール樹脂、アクリロニトリル樹脂の焼
成体、さらに、水素原子を含むポリアセン材料が好まし
い。なかでも、鱗片状天然黒鉛が合剤膜を強固にさせる
ため好ましい。混合比は、ケイ素化合物に対して、0〜
2000重量%が好ましい。とくに、10〜1000重
量%が好ましい。さらに、20〜500重量%が好まし
い。導電剤としては、炭素の他金属を用いることができ
る。Ni、Cu、Ag、Feが好ましい。
は、挿入放出できるリチウムとケイ素原子の比をLix
Siで表すとき、x=0〜4.2が好ましい。ケイ素の
サイクル寿命改良を鋭意検討した結果、x=0〜3.7
の範囲に留めるとサイクル寿命が大きく改良することを
見いだした。充電電位では、リチウム金属対極に対し
て、x=4.2では、過電圧を含めて、0.0Vである
のに対し、x=3.7では、約0.05Vであった。こ
のとき、放電曲線の形状は変化し、0.0V充電折り返
しでは0.5V(体リチウム金属)付近に平坦な放電曲
線が得られるのに対し、0.05V以上、とくに0.0
8V以上(x=3.6)では、約0.4Vに平均電圧を
もつなだらかな曲線が得られる。即ち、充電終始電圧を
上げた方が放電電位が下がるという特異的な現象を見い
だし、かつ、充放電反応の可逆性もあがった現象を見い
だしたことを示している。
クル寿命を改良する効果を持つ方法を個々に記述してき
たが、上記方法の組み合わせによりさらに高い改良効果
を得ることを見いだした。
イ素化合物の他炭素質材料、酸化物材料、窒化物材料、
硫化物材料、リチウム金属、リチウム合金などリチウム
を挿入放出できる化合物と組み合わせることができる。
有遷移金属酸化物である。好ましくはTi、V、Cr、
Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なく
とも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有す
る酸化物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.
3乃至2.2の化合物である。より好ましくは、V、C
r、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1
種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化
物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至
2.2の化合物である。なお主として存在する遷移金属
に対し30モルパーセント未満の範囲でAl、Ga、I
n、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど
を含有していても良い。上記の正極活物質の中で、一般
式LixMO2(M=Co、Ni、Fe、Mnx=0〜
1.2)、またはLiyN2O4(N=Mn y=0〜
2)で表されるスピネル構造を有する材料の少なくとも
1種を用いることがこのましい。具体的には、LixC
oO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoaNi
1-aO2、Li xCobV1-bOz 、LixCobFe
1-b O2、LixMn2O4、LixMncCo2-c O4、Li
xMncNi2-c O4、LixMncV2-c O4、LixMnc
Fe2-c O4(ここでx=0.02〜1.2、a=0.
1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.
96、z=2.01〜2.3)である。最も好ましいリ
チウム含有遷移金属酸化物としては、LixCoO2、L
ixNiO2、LixMnO2、LixCoaNi1-a O2、
LixMn2O4、LixCobV1 -b Oz(x=0.02〜
1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、
z=2.01〜2.3)があげられる。なおxの値は充
放電開始前の値であり、充放電により増減する。本発明
で用いる正極活物質は、リチウム化合物と遷移金属化合
物を混合、焼成する方法や溶液反応により合成すること
ができるが、特に焼成法が好ましい。焼成の為の詳細
は、特開平6−60,867号の段落35、特開平7−
14,579号等に記載されており、これらの方法を用
いることができる。焼成によって得られた正極活物質は
水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄
した後使用してもよい。更に、遷移金属酸化物に化学的
にリチウムイオンを挿入する方法としては、リチウム金
属、リチウム合金やブチルリチウムと遷移金属酸化物と
反応させることにより合成する方法であっても良い。
ズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好まし
い。0.5〜30μmの粒子の体積が95%以上である
ことが好ましい。粒径3μm以下の粒子群の占める体積
が全体積の18%以下であり、かつ15μm以上25μ
m以下の粒子群の占める体積が、全体積の18%以下で
あることが更に好ましい。比表面積としては特に限定さ
れないが、BET法で0.01〜50m2 /gが好まし
く、特に0.2m2 /g〜1m2 /gが好ましい。また
正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄
み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。
合、焼成温度としては500〜1500℃であることが
好ましく、さらに好ましくは700〜1200℃であ
り、特に好ましくは750〜1000℃である。焼成時
間としては4〜30時間が好ましく、さらに好ましくは
6〜20時間であり、特に好ましくは6〜15時間であ
る。
された電池において化学変化を起こさない電子伝導性材
料であれば何でもよい。具体例としては、鱗状黒鉛、鱗
片状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、石油コークス、石炭
コークス、セルロース類、糖類、メソフェーズピッチ等
の高温焼成体、気相成長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファ
イト類、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケ
ッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラッ
ク、サーマルブラック等のカーボンブラック類、アスフ
ァルトピッチ、コールタール、活性炭、メソフューズピ
ッチ、ポリアセン等の炭素材料、金属繊維等の導電性繊
維類、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の金属粉類、
酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、
酸化チタン等の導電性金属酸化物等を挙げる事ができ
る。黒鉛では、アスペクト比が5以上の平板状のものを
用いると好ましい。これらの中では、グラファイトやカ
ーボンブラックが好ましく、粒子の大きさは、0.01
μm以上、20μm以下が好ましく、0.02μm以
上、10μm以下の粒子がより好ましい。これらは単独
で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。併用す
る場合は、アセチレンブラック等のカーボンブラック類
と、1〜15μmの黒鉛粒子を併用すると好ましい。導
電剤の合剤層への添加量は、負極材料または正極材料に
対し1〜50重量%であることが好ましく、特に2〜3
0重量%であることが好ましい。カーボンブラックやグ
ラファイトでは、3〜20重量%であることが特に好ま
しい。
剤を用いる。結着剤の例としては、多糖類、熱可塑性樹
脂及びゴム弾性を有するポリマー等が挙げられる。好ま
しい結着剤としては、でんぷん、カルボキシメチルセル
ロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、アルギン酸Na、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸Na、ポリビニルフェノール、ポリビニ
ルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メ
タ)アクリレート、スチレンーマレイン酸共重合体等の
水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフル
ロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエ
チレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデン
フロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロ
ピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、
スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチ
ルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート
等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等の
ビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴ
ム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステル
ポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポ
リカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテ
ックス)あるいはサスペンジョンを挙げることが出来
る。特にポリアクリル酸エステル系のラテックス、カル
ボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。これらの結着
剤は、微小粉末を水に分散したものを用いるのが好まし
い。また有機溶剤に溶解または分散して用いるのも好ま
しい。分散して用いる場合、分散液中の粒子の平均サイ
ズが0.01〜5μmのものを用いるのがより好まし
く、0.05〜1μmのものを用いるのが特に好まし
い。これらの結着剤は単独または混合して用いることが
出来る。結着剤の添加量が少ないと電極合剤の保持力・
凝集力が弱い。多すぎると電極体積が増加し電極単位体
積あるいは単位重量あたりの容量が減少する。このよう
な理由で結着剤の添加量は1〜30重量%が好ましく、
特に2〜10重量%が好ましい。
変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いること
ができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの
オレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用い
られる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜
30重量%が好ましい。イオン導電剤は、無機及び有機
の固体電解質として知られている物を用いることがで
き、詳細は電解液の項に記載されている。圧力増強剤
は、電池の内圧を上げる化合物であり、炭酸リチウム等
の炭酸塩が代表例である。
ニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれ
らの合金であり、負極は銅、ステンレス鋼、ニッケル、
チタン、またはこれらの合金である。集電体の形態は
箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、もしくは
金網である。特に、正極にはアルミニウム箔、負極には
銅箔が好ましい。
ましく、さらに好ましくは7μm〜50μmであり、特
に好ましくは7μm〜20μmである。エキスパンドメ
タル、パンチングメタル、金網の厚みとしては7μm〜
200μmが好ましく、さらに好ましくは7μm〜15
0μmであり、特に好ましくは7μm〜100μmであ
る。集電体の純度としては98%以上が好ましく、さら
に好ましくは99%以上であり、特に好ましくは99.
3%以上である。集電体の表面は酸、アルカリ、有機溶
剤などにより洗浄してもよい。
ックシートの両面上に金属層を形成したものがさらに好
ましい。プラスチックは、延伸性及び耐熱性に優れたも
のが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートであ
る。金属だけでは、弾性がほとんどないので、外力に弱
い。プラスチック上に金属層を形成すれば、衝撃に強く
なる。より具体的には、集電体は、合成樹脂フィルムや
紙等の基材を電子伝導性の物質で被覆した複合集電体で
あっても良い。基材となる合成樹脂フィルムとしては、
フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、セルロ
ース誘電体、ポリスルホンを挙げることができる。基材
を被覆する電子伝導性の物質としては、黒鉛やカーボン
ブラック等の炭素質材料、アルミニウム、銅、ニッケ
ル、クロム、鉄、モリブデン、金、銀等の金属元素及び
これらの合金を挙げることができる。特に好ましい電子
伝導性の物質は金属であり、アルミニウム、銅、ニッケ
ル、ステンレス鋼である。複合集電体は、基材のシート
と金属シートを張り合わせる形態であってもよいし、蒸
着等により金属層を形成してもよい。
て説明する。正負電極は集電体の両面に電極合剤を塗布
した形態であることが好ましい。この場合、片面あたり
の層数は1層であっても2層以上から構成されていても
良い。片面あたりの層の数が2以上である場合、正極活
物質(もしくは負極材料)含有層が2層以上であっても
良い。より好ましい構成は、正極活物質(もしくは負極
材料)を含有する層と正極活物質(もしくは負極材料)
を含有しない層から構成される場合である。正極活物質
(もしくは負極材料)を含有しない層には、正極活物質
(もしくは負極材料)を含有する層を保護するための保
護層、分割された正極活物質(もしくは負極材料)含有
層の間にある中間層、正極活物質(もしくは負極材料)
含有層と集電体との間にある下塗り層等があり、本発明
においてはこれらを総称して補助層と言う。
いずれかにあることが好ましい。負極において、リチウ
ムを電池内で負極材料に挿入する場合は負極は保護層を
有する形態であることが望ましい。保護層は、少なくと
も1層からなり、同種又は異種の複数層により構成され
ていても良い。また、集電体の両面の合剤層の内の片面
にのみ保護層を有する形態であっても良い。これらの保
護層は、水不溶性の粒子と結着剤等から構成される。結
着剤は、前述の電極合剤を形成する際に用いられる結着
剤を用いることが出来る。水不溶性の粒子としては、種
種の導電性粒子、実質的に導電性を有さない有機及び無
機の粒子を用いることができる。水不溶性粒子の水への
溶解度は、100PPM 以下、好ましくは不溶性のものが
好ましい。保護層に含まれる粒子の割合は2.5重量%
以上、96重量%以下が好ましく、5重量%以上、95
重量%以下がより好ましく、10重量%以上、93重量
%以下が特に好ましい。
属酸化物、金属繊維、炭素繊維、カーボンブラックや黒
鉛等の炭素粒子を挙げることが出来る。これらの水不溶
導電性粒子の中で、アルカリ金属特にリチウムとの反応
性が低いものが好ましく、金属粉末、炭素粒子がより好
ましい。粒子を構成する元素の20℃における電気抵抗
率としては、5×109 Ω・m以下が好ましい。
低い金属、即ちリチウム合金を作りにくい金属が好まし
く、具体的には、銅、ニッケル、鉄、クロム、モリブデ
ン、チタン、タングステン、タンタルが好ましい。これ
らの金属粉末の形は、針状、柱状、板状、塊状のいずれ
でもよく、最大径が0.02μm以上、20μm以下が
好ましく、0.1μm以上、10μm以下がより好まし
い。これらの金属粉末は、表面が過度に酸化されていな
いものが好ましく、酸化されているときには還元雰囲気
で熱処理することが好ましい。
性でない場合に併用する導電材料として用いられる公知
の炭素材料を用いることが出来る。具体的には電極合剤
を作る際に用いられる導電剤が用いられる。
しては、テフロンの微粉末、SiC、窒化アルミニウ
ム、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ムライト、フ
ォルステライト、ステアタイトを挙げることが出来る。
これらの粒子は、導電性粒子と併用してもよく、導電性
粒子の0.01倍以上、10倍以下で使うと好ましい。
を集電体の上に塗布、乾燥、圧縮する事により作成する
事ができる。合剤の調製は正極活物質(あるいは負極材
料)および導電剤を混合し、結着剤(樹脂粉体のサスペ
ンジョンまたはエマルジョン状のもの)、および分散媒
を加えて混練混合し、引続いて、ミキサー、ホモジナイ
ザー、ディゾルバー、プラネタリミキサー、ペイントシ
ェイカー、サンドミル等の攪拌混合機、分散機で分散し
て行うことが出来る。分散媒としては水もしくは有機溶
媒が用いられるが、水が好ましい。このほか、適宜充填
剤、イオン導電剤、圧力増強剤等の添加剤を添加しても
良い。分散液のpHは負極では5〜10、正極では7〜
12が好ましい。
例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレ
ード法、ナイフ法、エクストルージョン法、スライド
法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及び
スクイーズ法を挙げることが出来る。エクストルージョ
ンダイを用いる方法、スライドコーターを用いる方法が
特に好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度で
実施されることが好ましい。この際、合剤ペーストの液
物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定すること
により、良好な塗布層の表面状態を得ることが出来る。
電極層が複数の層である場合にはそれらの複数層を同時
に塗布することが、均一な電極の製造、製造コスト等の
観点から好ましい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電
池の大きさにより決められる。典型的な塗布層の厚みは
乾燥後圧縮された状態で10〜1000μmである。塗
布後の電極シートは、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、
電子線及び低湿風の作用により乾燥、脱水される。これ
らの方法は単独あるいは組み合わせて用いることが出来
る。乾燥温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に
100〜260℃の範囲が好ましい。乾燥後の含水量は
2000ppm以下が好ましく、500ppm以下がよ
り好ましい。電極シートの圧縮は、一般に採用されてい
るプレス方法を用いることが出来るが、特に金型プレス
法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に
限定されないが、10kg/cm2 〜3t/cm2 が好
ましい。カレンダープレス法のプレス速度は、0.1〜
50m/分が好ましい。プレス温度は、室温〜200℃
が好ましい。
透過度が大きく、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄
膜であれば良く、材質として、オレフィン系ポリマー、
フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミ
ド、ナイロン、ガラス繊維、アルミナ繊維が用いられ、
形態として、不織布、織布、微孔性フィルムが用いられ
る。特に、材質として、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合体、ポリプロ
ピレンとテフロンの混合体、ポリエチレンとテフロンの
混合体が好ましく、形態として微孔性フィルムであるも
のが好ましい。特に、孔径が0.01〜1μm、厚みが
5〜50μmの微孔性フィルムが好ましい。これらの微
孔性フィルムは単独の膜であっても、微孔の形状や密度
等や材質等の性質の異なる2層以上からなる複合フィル
ムであっても良い。例えば、ポリエチレンフィルムとポ
リプロピレンフィルムを張り合わせた複合フィルムを挙
げることができる。
る。リチウム二次電池における支持塩はリチウム塩が主
として用いられる。本発明で使用出来るリチウム塩とし
ては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、
LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiB10
Cl10、LiOSO2CnF2n+1で表されるフルオロスル
ホン酸(nは6以下の正の整数)、LiN(SO2 Cn
F2n+1)(SO2 Cm F2m+1)で表されるイミド塩
(m、nはそれぞれ6以下の正の整数)、LiC(SO
2 Cp F2p+1)(SO2 Cq F2q +1)(SO2 Cr F
2r+1)で表されるメチド塩(p、q、rはそれぞれ6以
下の正の整数)、低級脂肪族カルボン酸リチウム、Li
AlCl4 、LiCl、LiBr、LiI、クロロボラ
ンリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどのLi塩を
上げることが出来、これらの一種または二種以上を混合
して使用することができる。なかでもLiBF4 及び/
あるいはLiPF6 を溶解したものが好ましい。支持塩
の濃度は、特に限定されないが、電解液1リットル当た
り0.2〜3モルが好ましい。
レンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカ
ーボネート、クロロエチレンカーボネート、炭酸トリフ
ルオロメチルエチレン、炭酸ジフルオロメチルエチレ
ン、炭酸モノフルオロメチルエチレン、六フッ化メチル
アセテート、三フッ化メチルアセテート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボ
ネート、γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル、酢酸メチ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシ
ド、1,3−ジオキソラン、2,2−ビス(トリフルオ
ロメチル)−1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジ
メチルホルムアミド、ジオキソラン、ジオキサン、アセ
トニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン
酸トリエステル、ホウ酸トリエステル、トリメトキシメ
タン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−
2−オキサゾリジノン、3−アルキルシドノン(アルキ
ル基はプロピル、イソプロピル、ブチル基等)、プロピ
レンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、
エチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プ
ロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種ま
たは二種以上を混合して使用する。これらのなかでは、
カーボネート系の溶媒が好ましく、環状カーボネートと
非環状カーボネートを混合して用いるのが特に好まし
い。環状カーボネートとしてはエチレンカーボネート、
プロピレンカーボネートが好ましい。また、非環状カー
ボネートとしては、ジエチルカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、メチルエチルカーボネートをが好ましい。
本発明で使用できる電解液としては、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカ−ボネ−ト、1,2−ジメトキシエ
タン、ジメチルカーボネートあるいはジエチルカーボネ
ートを適宜混合した電解液にLiCF3SO3、LiCl
O4、LiBF4および/またはLiPF6を含む電解液
が好ましい。特にプロピレンカーボネートもしくはエチ
レンカーボネートの少なくとも一方とジメチルカーボネ
ートもしくはジエチルカーボネートの少なくとも一方の
混合溶媒に、LiCF3SO3、LiClO4、もしくは
LiBF4の中から選ばれた少なくとも一種の塩とLi
PF 6を含む電解液が好ましい。これら電解液を電池内
に添加する量は特に限定されず、正極材料や負極材料の
量や電池のサイズに応じて用いることができる。
併用することができる。固体電解質としては、無機固体
電解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質
には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよ
く知られている。なかでも、Li3N、LiI、Li5N
I2、Li3N−LiI−LiOH、Li4SiO4、Li4
SiO4−LiI−LiOH、xLi3PO4−(1-x) Li
4SiO4、Li2SiS3、硫化リン化合物などが有効で
ある。
イド誘導体か該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレン
オキサイド誘導体あるいは該誘導体を含むポリマー、イ
オン解離基を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマ
ーと上記非プロトン性電解液の混合物、リン酸エステル
ポリマー、非プロトン性極性溶媒を含有させた高分子マ
トリックス材料が有効である。さらに、ポリアクリロニ
トリルを電解液に添加する方法もある。また、無機と有
機固体電解質を併用する方法も知られている。
で、他の化合物を電解質に添加しても良い。例えば、ピ
リジン、ピロリン、ピロール、トリフェニルアミン、フ
ェニルカルバゾール、トリエチルフォスファイト、トリ
エタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、
n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼ
ン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾ
リジノンとN, N’−置換イミダリジノン、エチレング
リコールジアルキルエーテル、第四級アンモニウム塩、
ポリエチレングリコール、ピロール、2−メトキシエタ
ノール、AlCl 3 、導電性ポリマー電極活物質のモノ
マー、トリエチレンホスホルアミド、トリアルキルホス
フィン、モルホリン、カルボニル基を持つアリール化合
物、12−クラウン−4のようなクラウンエーテル類、
ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモ
ルホリン、二環性の三級アミン、オイル、四級ホスホニ
ウム塩、三級スルホニウム塩などを挙げることができ
る。特に好ましいのはトリフェニルアミン、フェニルカ
ルバゾールを単独もしくは組み合わせて用いた場合であ
る。
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性
をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることがで
きる。
含有しないことが望ましい。このため、電解液の原料は
充分な脱水と精製をしたものが好ましい。また、電解液
の調整は、露点がマイナス30℃以下の乾燥空気中もし
くは不活性ガス中が好ましい。電解液中の水分及び遊離
酸分の量は、0.1〜500ppm、より好ましくは
0.2〜100ppmである。
が、2回以上に分けて注入することが好ましい。2回以
上に分けて注入する場合、それぞれの液は同じ組成で
も、違う組成(例えば、非水溶媒あるいは非水溶媒にリ
チウム塩を溶解した溶液を注入した後、前記溶媒より粘
度の高い非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解
した溶液を注入)でも良い。また、電解液の注入時間の
短縮等のために、電池缶を減圧したり、電池缶に遠心力
や超音波をかけることを行ってもよい。
材質としてニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス
鋼板(SUS304、SUS304L、SUS304
N、SUS316、SUS316L、SUS430、S
US444等)、ニッケルメッキを施したステンレス鋼
板(同上)、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、
チタン、銅であり、形状として、真円形筒状、楕円形筒
状、正方形筒状、長方形筒状である。特に、外装缶が負
極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、ニッケルメッ
キを施した鉄鋼板が好ましく、外装缶が正極端子を兼ね
る場合は、ステンレス鋼板、アルミニウムまたはその合
金が好ましい。電池缶の形状はボタン、コイン、シー
ト、シリンダー、角などのいずれでも良い。電池缶の内
圧上昇の対策として封口板に安全弁を用いることができ
る。この他、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを
いれる方法も利用することが出来る。この他、従来から
知られている種々の安全素子(例えば、過電流防止素子
として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等)を備え
つけても良い。
性をもつ金属(例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロ
ム、モリブデン、銅、アルミニウム等)やそれらの合金
を用いることが出来る。電池蓋、電池缶、電極シート、
リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の
電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることが
出来る。封口用シール剤は、アスファルト等の従来から
知られている化合物や混合物を用いることが出来る。
して、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セル
ロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、耐
有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリマ
ーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好まし
い。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合ポ
リマーであることが好ましい。
エージング処理を施すのが好ましい。エージング処理に
は、前処理、活性化処理及び後処理などがあり、これに
より高い充放電容量とサイクル性に優れた電池を製造す
ることができる。前処理は、電極内のリチウムの分布を
均一化するための処理で、例えば、リチウムの溶解制
御、リチウムの分布を均一にするための温度制御、揺動
及び/または回転処理、充放電の任意の組み合わせが行
われる。活性化処理は電池本体の負極に対してリチウム
を挿入させるための処理で、電池の実使用充電時のリチ
ウム挿入量の50〜120%を挿入するのが好ましい。
後処理は活性化処理を十分にさせるための処理であり、
電池反応を均一にするための保存処理と、判定のための
充放電処理当があり、任意に組み合わせることができ
る。
件(前処理条件)は次の通りである。温度は30℃以上
70℃以下が好ましく、30℃以上60℃以下がより好
ましく、40℃以上60℃以下がさらに好ましい。ま
た、開路電圧は2.5V以上3.8V以下が好ましく、
2.5V以上3.5V以下がより好ましく、2.8V以
上3.3V以下がさらに好ましい。エージング期間は1
日以上20日以下が好ましく、1日以上15日以下が特
に好ましい。活性化の充電電圧は4.0V以上が好まし
く、4.05V以上4.3V以下がより好ましく、4.
1V以上4.2V以下が更に好ましい。活性化後のエー
ジング条件としては、開路電圧が3.9V以上4.3V
以下が好ましく、4.0V以上4.2V以下が特に好ま
しく、温度は30℃以上70℃以下が好ましく、40℃
以上60℃以下が特に好ましい。エージング期間は0.
2日以上20日以下が好ましく、0.5日以上5日以下
が特に好ましい。
される。外装材としては、熱収縮チューブ、粘着テー
プ、金属フィルム、紙、布、塗料、プラスチックケース
等がある。また、外装の少なくとも一部に熱で変色する
部分を設け、使用中の熱履歴がわかるようにしても良
い。
及び/または並列に組み電池パックに収納される。電池
パックには正温度係数抵抗体、温度ヒューズ、ヒューズ
及び/または電流遮断素子等の安全素子の他、安全回路
(各電池及び/または組電池全体の電圧、温度、電流等
をモニターし、必要なら電流を遮断する機能を有す回
路)を設けても良い。また電池パックには、組電池全体
の正極及び負極端子以外に、各電池の正極及び負極端
子、組電池全体及び各電池の温度検出端子、組電池全体
の電流検出端子等を外部端子として設けることもでき
る。また電池パックには、電圧変換回路(DC−DCコ
ンバータ等)を内蔵しても良い。また各電池の接続は、
リード板を溶接することで固定しても良いし、ソケット
等で容易に着脱できるように固定しても良い。さらに
は、電池パックに電池残存容量、充電の有無、使用回数
等の表示機能を設けても良い。
特に、ビデオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッ
キ、モニター内蔵ムービーカメラ、デジタルカメラ、コ
ンパクトカメラ、一眼レフカメラ、レンズ付きフィル
ム、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、電子手帳、
携帯電話、コードレス電話、ヒゲソリ、電動工具、電動
ミキサー、自動車等に使用されることが好ましい。
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
素単体(化合物−1−1)、平均粒子サイズ0.01μ
mの多結晶ケイ素単体(化合物−1−2)、冶金学的に
合成した以下の合金化合物として、Si−Ag合金(化
合物−2 重量比20−80)、Si−Al(化合物−
3 重量比30−70)、Si−Ag−Cd(化合物−
4 重量比20−70−10)、Si−Zn(化合物−
5 重量比30−70)、Si−Au(化合物ー6 重
量比20−80)、Si−Ag−In(化合物−7 重
量比20−70−10)、Si−Ge(化合物−8 重
量比40−60)、Si−Ag−Sn(化合物−9 重
量比20−70−10)、Si−Ag−Sb(化合物−
10 重量比20−70−10)、冶金学的に合成した
Li4 Siからイソプロピルアルコールを用いてLiを
溶出させたケイ素をアルゴンガス中で粉砕して得られた
ケイ素(化合物−11)、多結晶ケイ素とコロイダルシ
リカを混合し、900℃で加熱して得られた固形物をア
ルゴンガス中で振動ミルにて粉体にしたSi−SiO2
(化合物−12 重量比80−20)、同様の方法で得
られたSi−Al2O3(化合物−13 重量比80−2
0)、無電解めっき法にて多結晶ケイ素表面にめっきし
た化合物として、AgめっきしたSi(化合物−14
Si−Agの重量比 55−45)、同じくNiめっき
したケイ素(化合物−15 Si−Niの重量比 55
−45)、同じくZnめっきしたケイ素(化合物−16
Si−Znの重量比 55−45)、ポリフッ化ビニ
リデン3gをN−メチルピロリドン20gに溶かした液
にケイ素を30g添加し、混合混練した後、乾燥し、ア
ルゴンガス中で振動ミルにて粉砕した粉体(化合物−1
7)を用いた。化合物−11を無電解めっき法にてAg
を被覆した化合物(化合物−18 Si−Agの重量比
率55−45)、化合物−12を無電解めっき法にてA
gを被覆した化合物(化合物−19 Si−SiO2−
Agの重量比率50−10−40)、同じく化合物−1
2を用いてポリフッ化ビニリデンで被覆した化合物(化
合物−20 Si−SiO2−ポリフッ化ビニリデンの
重量比75−15−10)を用いた。上記負極材料のう
ち化合物2〜20はいずれも平均粒子サイズ0.01〜
1μmの範囲の粒子を用いた。これらを重量比でケイ素
と鱗片状天然黒鉛が40−60になるように混合して得
られた粉体を170g、結着剤としてポリ沸化ビニリデ
ン30gをN−メチル−2−ピロリドン 500mlに
分散して、負極ペーストを作成した。
チレンブラック10gと鱗片状人造黒鉛10gとをホモ
ジナイザーで混合し、続いて結着剤としてポリ沸化ビニ
リデン5gを混合し、N−メチル−2−ピロリドン 5
00mlを加え混練混合し、正極合剤ペーストを作成し
た。
ドコーターで厚さ30μmのアルミニウム箔集電体の両
面に塗布、150℃乾燥後ローラープレス機で圧縮成型
し所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作成し
た。さらにドライボックス(露点;−50℃以下の乾燥
空気)中で遠赤外線ヒーターにて充分脱水乾燥し、正極
シートを作成した。同様に、負極合剤ペーストを20μ
mの銅箔集電体に塗布し、上記正極シート作成と同様の
方法で負極シートを作成した。負極や正極のシートの長
さを一定にし、塗布量を変えて、直径18mm、最大高
65mmの円筒形電池を作成し、正極活物質がリチウム
金属に対して4.2Vになる第1サイクルの充電容量と
上記負極材料が0.0Vになる第1サイクルの充電容量
が合うようにそれぞれの電極合剤の塗布量を調整した。
ルゴン雰囲気で、200ccの細口のポリプロピレン容
器に65.3gの炭酸ジエチルをいれ、これに液温が3
0℃を越えないように注意しながら、22.2gの炭酸
エチレンを少量ずつ溶解した。次に、0.4gのLiB
F4 、12.1gのLiPF6 を液温が30℃を越えな
いように注意しながら、それぞれ順番に、上記ポリプロ
ピレン容器に少量ずつ溶解した。得られた電解液は比重
1.135で無色透明の液体であった。水分は18pp
m(京都電子製 商品名MKC−210型カールフィシ
ャー水分測定装置で測定)、遊離酸分は24ppm(ブ
ロムチモールブルーを指示薬とし、0.1規定NaOH
水溶液を用いて中和滴定して測定)であった。
た。図1に従い電池の作り方を説明する。上記で作成し
た正極シート、微孔性ポリエチレンフィルム製セパレー
ター、負極シートさらにセパレーターを順に積層し、こ
れを渦巻き状に巻回した。この巻回した電極群(2)を
負極端子を兼ねるニッケルめっきを施した鉄製の有底円
筒型電池缶(1)に収納し、上部絶縁板(3)を更に挿
入した。この電池缶内に電解液E−1を注入した後、正
極端子(6)、絶縁リング、PTC素子(63)、電流
遮断体(62)、圧力感応弁体(61)を積層したもの
をガスケット(5)を介してかしめて円筒型電池を作成
した。
この場合、充電は4.2Vまで定電流で充電し、充電開
始から2.5時間が経過するまで4.2Vで一定に保つ
ように充電電流を制御した。放電は0.2C電流にて
3.0Vまで定電流で実施した。そのときの第1サイク
ルの放電容量、平均放電電圧、エネルギー量(放電容量
×平均放電電圧)また、充放電(放電電流は1C相当)
を繰り返した30サイクル目の容量維持率を表1に示し
た。また負極のリチウム挿入に伴う膨張率を、本文に記
載の方法にしたがって求め、表1に示した。
4、15、17、18、19について、実施例1のう
ち、正極活物質がリチウム金属に対して4.2Vになる
第1サイクルの充電容量と上記負極材料が0.1Vにな
る第1サイクルの充電容量が合うようにそれぞれの電極
合剤の塗布量を調整した。充放電試験は、充電終始電圧
が4.1Vになる以外は実施例−1と同じ条件で実施
し、結果は表2に示した。ケイ素へのリチウム挿入量は
約3.2モルであった。(LixSiで表すと x=
3.2を意味している。)
4、15、17、18、19について、ケイ素と鱗片状
天然黒鉛が重量比で40−60になるようにして得られ
た粉体を158g、結着剤としてポリ弗化ビニリデン1
5g、カルボキシメチルセルロース5g、添加剤として
酢酸リチウム1gを水200mlに分散して、負極合剤
ペーストを作製した。正極活物質LiCoO2を200
g、アセチレンブラック5g、鱗片状天然黒鉛5g、結
着剤として2−エチルヘキシルアクリレートを主体とす
るアクリル酸共重合体4g、ポリ沸化ビニリデン2g、
カルボキシメチルセルロース1g、添加剤として炭酸水
素ナトリウム2gを、水200mlに分散して正極合剤
ペーストを作製した。上記以外は実施例1と同じ条件で
電池を作製し、実施例1と同じ条件で性能評価を行い、
結果は表3に示した。
実施例1と同じ試験をし、結果は表4に示した。
状天然黒鉛を重量比80/20になるように用い、導電
補助剤としてアセチレンブラックを前記コークスおよび
黒鉛の合計に対して2重量%加えた以外は実施例1と同
様に電池を作成し、充放電試験を実施し、結果は上記表
4に示した。
比較例1の電池性能を比較すると、本発明のケイ素原子
を含む化合物を含有し、かつ負極の膨張率が3.0以下
の電池はサイクル寿命に優れている。また、実施例1で
比較すると、合金、リチウムケイ化物からリチウムを除
去したケイ素、コロイダルシリカを付着させたケイ素、
めっきにより金属を被覆したケイ素、ポリフッ化ビニリ
デンにて被覆したケイ素は何も処理を施さないケイ素よ
り負極の膨張率が小さく、サイクル寿命が改良されてい
る。さらに、本発明の処理を組み合わせることにより、
単独処理よりサイクル寿命が改良されている。また、実
施例2の試験では、ケイ素へのリチウム挿入量を低減さ
せることにより、放電容量は低下するが、平均放電電圧
があがり、サイクル寿命が改良されている。また比較例
2の炭素質材料と比較すると、放電容量がきわめて高
く、エネルギー量も高い。また実施例3の試験では電極
合剤調製を水を分散媒として行っているが、N−メチル
−2−ピロリドンを分散媒に用いたときと同様の効果が
得られた。さらに以上の効果は、正極活物質LiCoO
2 をLiNiO2 やLiMn2 O 4 に変えても同様であ
った。
なる非水二次電池において、 (1)該正極活物質は、リチウムを含有する遷移金属酸
化物であり、該負極材料として、ケイ素原子を含む化合
物を用い、さらに該負極のリチウム挿入に伴う膨張率が
1.0以上3.0以下である。 (2)該負極材料として、該ケイ素原子を含む化合物の
平均粒子サイズは0.001〜5μmである。 (3)該負極材料として、合金を用いる。 (4)該負極材料として、金属ケイ化物からリチウムを
除去したケイ素を用いる。 (5)該負極材料として、リチウムと反応しないセラミ
ックと付着したケイ素化合物を用いる。 (6)該負極材料は金属で被覆される。 (7)該負極材料はあらかじめ熱可塑性樹脂で被覆され
る。 (8)該負極材料のケイ素化合物に対して、炭素を重量
比で0〜2000%共存させる。 (9)該負極材料をLixSiで表すと充放電範囲は、
x=0〜4.2である。 (10)上記(1)〜(9)の実施態様の少なくとも2
種の組み合わせる、ことによりエネルギー量やサイクル
寿命の向上した非水二次電池を得ることができた。
したものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 正極、負極、非水電解質を有する非水二
次電池に於いて、該正極はリチウム含有遷移金属酸化物
を含有し、該負極はリチウムの挿入放出可能なケイ素原
子を含む化合物を含有し、さらに該負極のリチウム挿入
に伴う膨張率が1.05以上3.0以下であることを特
徴とする非水二次電池。 - 【請求項2】 該ケイ素化合物の平均粒子サイズが0.
001〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載
の非水二次電池。
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