JPH11339771A - 非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池

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JPH11339771A
JPH11339771A JP10141415A JP14141598A JPH11339771A JP H11339771 A JPH11339771 A JP H11339771A JP 10141415 A JP10141415 A JP 10141415A JP 14141598 A JP14141598 A JP 14141598A JP H11339771 A JPH11339771 A JP H11339771A
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JP
Japan
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lithium
negative electrode
layer
battery
positive electrode
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Application number
JP10141415A
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English (en)
Inventor
Akiyuki Inoue
礼之 井上
Akihiro Matsufuji
明博 松藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な充放電サイクル特性、良好な保存性を
有する非水二次電池を得ることである。 【解決手段】 本発明の課題は、負極材料、正極材料、
リチウム塩を含む非水電解質からなる非水二次電池であ
って、正極あるいは/および負極シートの活物質層と集
電体との間に下塗り層を設けた非水二次電池により達成
することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充放電サイクル寿
命が改善され、保存性が改良された非水二次電池に関す
るものであり、特に正極および/または負極の電極シー
トの集電体と合剤層の接着性が向上した非水二次電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】非水二次電池用の正極および負極の合剤
層には集電体との接着を向上させるため、フッ素系樹
脂、スチレン/ブタジエンゴム等の結着剤を含有させて
いるが、接着の程度は不十分であり、保存性の悪化、充
放電サイクル寿命の低下の原因になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、非水
二次電池の電極の合剤層と集電体の間の結合を強化する
ことにより、保存性に優れた非水二次電池を提供するこ
とであり、特にサイクル寿命の優れた非水二次電池を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、リチウ
ムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む正極及び負極、
リチウム塩を含む非水電解質、セパレーターから成る非
水二次電池において、正極電極シートおよび/または負
極電極シートがリチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料
を含む層(活物質層)と集電体との間に実質的にリチウ
ムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含まない下塗り層を
少なくとも1層有し、該層の厚さが0.01〜5μmで
あることを特徴とする非水二次電池により達成された。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (1) リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む正
極及び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セパレータ
ーから成る非水二次電池において、正極電極シートおよ
び/または負極電極シートがリチウムを可逆的に吸蔵放
出可能な材料を含む層(活物質層)と集電体との間に実
質的に該材料を含まない層(下塗り層)を少なくとも1
層有し、この層の厚さが0.01〜5μmである非水二
次電池。 (2) 該下塗り層の厚さが0.05〜3μmであること
を特徴とする項1に記載の非水二次電池。 (3) 該下塗り層の厚さが0.07〜2μmであること
を特徴とする項1に記載の非水二次電池。 (4) 該下塗り層の厚さが該活物質層の厚さの1/5〜
1/3000であることを特徴とする項1〜3に記載の
非水二次電池。 (5) 該下塗り層の厚さが該活物質層の厚さの1/30
〜1/2000であることを特徴とする項1〜3に記載
の非水二次電池。 (6) 該下塗り層の厚さが該活物質層の厚さの1/60
〜1/1500であることを特徴とする項1〜5に記載
の非水二次電池。 (7) 該下塗り層が水溶性ポリマーを含有することを特
徴とする項1〜6に記載の非水二次電池。 (8) 該下塗り層が水不溶性ポリマーを含有することを
特徴とする項1〜6に記載の非水二次電池。 (9)該下塗り層の塗布液の剪断速度100/秒におけ
る粘度が、該活物質層の塗布液(スラリー)のそれの1
/1000〜1/10であることを特徴とする項1〜8
に記載の非水二次電池。 (10)該下塗り層の塗布液の剪断速度100/秒にお
ける粘度が、該活物質層の塗布液(スラリー)のそれの
1/1000〜1/100であることを特徴とする9項
記載の非水二次電池。 (11)該下塗り層の塗布液の剪断速度1/秒における
粘度が、該活物質層の塗布液(スラリー)のそれの1/
10000〜1/500であることを特徴とする項1〜
10に記載の非水二次電池。 (12)該下塗り層の塗布液の剪断速度1/秒における
粘度が、該活物質層の塗布液(スラリー)のそれの1/
5000〜1/1000であることを特徴とする項1〜
10に記載の非水二次電池。 (13)該負極材料が炭素材料であることを特徴とする
項1〜12記載の非水二次電池。 (14)該負極材料がSnを主体とする非晶質酸化物お
よび/またはカルコゲナイドであることを特徴とする項
1〜12記載の非水二次電池。 (15)該負極材料が一般式(1) SnM1 a t 一般式(1) (式中、M1 はAl、B、P、Si、Ge、周期律表第
1族元素、第2族元素、第3族元素、ハロゲン元素から
選ばれる2種以上の元素を表し、aは0.2以上、2以
下の数を、tは1以上、6以下の数を表す)で表される
ことを特徴とする項14記載の非水二次電池。 (16)該正極活物質がリチウム化合物/遷移金属化合
物(ここで遷移金属とは、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1
種)の合計のモル比が0.3〜2.2であるリチウム含
有遷移金属複合酸化物であることを特徴とする項1〜1
5記載の非水二次電池。 (17)該正極活物質がLix QOy (ここでQは主と
して、その少なくとも一種がCo、Mn、Ni、V、F
eを含む遷移金属、x=0.02〜2.2、y=1.4
〜3)であるリチウム含有遷移金属複合酸化物であるこ
とを特徴とする項16記載の非水二次電池。
【0006】本発明の下塗り層に用いられるポリマー
は、電解液の溶媒に溶解、膨潤しないポリマーが好まし
く、水溶性ポリマーでも、水不溶性のポリマーのどちら
でもよいが、水溶性ポリマーがより好ましい。好ましい
水溶性ポリマーの例としては、澱粉、ゼラチン、キトサ
ン、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセ
チルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン
酸Na、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸Na、ポリビ
ニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン
−マレイン酸共重合体等が挙げられる。水溶性ポリマー
の中でより好ましいのはセルロース類であり、さらにカ
ルボキシメチルセルロース、ジアセチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが好まし
い。特に好ましいのはカルボキシメチルセルロースであ
る。
【0007】好ましい水不溶性ポリマーの例としてはポ
リビニルクロリド、ポリテトラフルロロエチレン、ポリ
フッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロ
ロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラ
フロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−
ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPD
M、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アク
リル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル
共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニト
リル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを
含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポ
リエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、
ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサ
スペンジョンを挙げることが出来る。特にポリアクリル
酸エステル系のラテックス、ポリフッ化ビニリデン、テ
トラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合
体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘ
キサフロロプロピレン共重合体が好ましい。
【0008】上記のポリマーはそれぞれ単独または混合
して用いることが出来る。水溶性ポリマーと水不溶性ポ
リマーとを併用して用いてもよい。これらのポリマーは
水あるいは有機溶媒に分散あるいは溶解したものを用い
るのが好ましい。ポリマー微少粉末を用いる場合は分散
液中の粒子の平均サイズが0.01〜5μmのものを用
いるのがより好ましく、0.05〜1μmのものを用い
るのが特に好ましい。
【0009】下塗り層は、上記の水溶性若しくは水不溶
性ポリマーを主体とし、リチウムを吸蔵放出可能な材料
実質的に含まない層である。下塗り層は、導電剤を含ま
なくてもよい。この理由としては、既に述べたように電
極合剤層よりも格段に薄いため、均一な連続層にならな
いことや、合剤層を塗布乾燥後のプレスにより、下塗り
層中のポリマー粒子及び析出粒子が集電体にめり込むこ
とにより、集電体層と合剤層が導通しているためと考え
られる。下塗り層がある程度の厚みを有するときには、
導電剤を含有させてもよい。導電剤は、後述の電極合剤
層で用いられる導電剤を利用することができ、含有量は
該下塗り層の体積の50%以下であり、特に好ましくは
40体積%以下である。
【0010】下塗り層の乾燥厚さは、電極合剤層と集電
体の結合力が確保できるのであれば、電池の容量に実質
的に影響しない厚みに抑えることが好ましく、活物質を
含む合剤層の厚さの1/5〜1/3000、より好まし
くは1/30〜1/2000、特に好ましいのは1/6
0〜1/1500の厚みである。乾燥膜の厚みの絶対値
としては、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜3
μmが更に好ましく、0.07〜2μmが特に好ましい。
【0011】上記薄層の下塗り層形成するためには、そ
の塗布液の粘度を制御することが好ましい。粘度は、2
5℃において、剪断速度100sec -1や剪断速度1sec
-1での粘度であり、例えばHAAKE社製Viscot
ester VT550を用い、100回転/秒と1回
転/秒での測定により、剪断速度100sec -1と剪断速
度1sec -1の粘度を求めることができる。下塗り層の好
ましい粘度は、剪断速度1/100秒における粘度が、
活物質を含む電極合剤層の塗布液(スラリー)のそれの
1/1000〜1/10である。より好ましいのは1/
1000〜1/100である。また、下塗り層の塗布液
の剪断速度1/秒における粘度が、該活物質層の塗布液
(スラリー)のそれの1/10000〜1/500であ
る場合が好ましく、1/5000〜1/1000であと
更にこのましい。
【0012】本発明で用いられる正極(あるいは負極)
は、正極合剤(あるいは負極合剤)を集電体上に塗設、
成形して作ることができる。正極合剤(あるいは負極合
剤)には、正極活物質(あるいは負極材料)の他、導電
剤、結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増
強剤や各種添加剤を含むことができる。これらの電極
は、円盤状、板状であってもよいが、柔軟性のあるシー
ト状であると好ましい。
【0013】以下に本発明の電極合剤に使用される材料
について説明する。本発明で用いられる正極活物質は、
リチウム含有遷移金属酸化物が好ましい。リチウム含有
遷移金属酸化物は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種の遷移
金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であっ
て、リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至2.2の
化合物である。より好ましくは、V、Cr、Mn、F
e、Co、Niから選ばれる少なくとも1種の遷移金属
元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、
リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至2.2の化合
物である。なお主として存在する遷移金属に対し30モ
ルパーセント未満の範囲でAl、Ga、In、Ge、S
n、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを含有してい
ても良い。さらに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物
は、Lix CoO2 、Lix NiO2 、Lix Mn
2 、Lix Coa Ni1-a 2 、Lix Cob 1-b
z 、Lix Cob Fe1-b 2 、Lix Mn2 4
Lix Mnc Co2-c 4 、Lix Mnc Ni
2-c 4 、Lix Mnc 2-c 4 、Lix Mnc Fe
2-c 4(ここでx=0.02〜1.2、a=0.1〜
0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.9
6、z=2.01〜2.3)である。最も好ましいリチ
ウム含有遷移金属酸化物としては、Lix CoO2 、L
xNiO2 、Lix MnO2 、Lix Coa Ni1-a
2 、Lix Mn2 4 、Lix Cob 1-b z (x
=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9
〜0.98、z=2.01〜2.3)があげられる。な
おxの値は充放電開始前の値であり、充放電により増減
する。
【0014】本発明で用いる正極活物質は、リチウム化
合物と遷移金属化合物を混合、焼成する方法や溶液反応
により合成することができるが、特に焼成法が好まし
い。焼成の為の詳細は、特開平6−60,867号の段
落35、特開平7−14,579号等に記載されてお
り、これらの方法を用いることができる。焼成によって
得られた正極活物質は水、酸性水溶液、アルカリ性水溶
液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。更に、遷
移金属酸化物に化学的にリチウムイオンを挿入する方法
としては、リチウム金属、リチウム合金やブチルリチウ
ムと遷移金属酸化物と反応させることにより合成する方
法であっても良い。
【0015】本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイ
ズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好まし
い。0.5〜30μmの粒子の体積が95%以上である
ことが好ましい。粒径3μm以下の粒子群の占める体積
が全体積の18%以下であり、かつ15μm以上25μ
m以下の粒子群の占める体積が、全体積の18%以下で
あることが更に好ましい。比表面積としては特に限定さ
れないが、BET法で0.01〜50m2/gが好まし
く、特に0.2m2 /g〜1m2 /gが好ましい。また
正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄
み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。
【0016】本発明の正極活物質を焼成によって得る場
合、焼成温度としては500〜1500℃であることが
好ましく、さらに好ましくは700〜1200℃であ
り、特に好ましくは750〜1000℃である。焼成時
間としては4〜30時間が好ましく、さらに好ましくは
6〜20時間であり、特に好ましくは6〜15時間であ
る。
【0017】本発明で用いられる負極材料としては、リ
チウムイオンを吸蔵・放出できる化合物であればよい。
このような負極材料の例としては金属リチウム、リチウ
ム合金、炭素質化合物、無機酸化物、無機カルコゲン化
合物、金属錯体、有機高分子化合物が挙げられる。これ
らは単独でも、組み合わせて用いてもよい。これらの負
極材料の中で好ましいのは、炭素質材料、金属もしくは
半金族元素の酸化物、カルコゲンである。
【0018】本発明で用いられる負極材料の一つは、リ
チウムの吸蔵放出が可能な炭素質材料である。炭素質材
料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石
油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及び
PAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の
合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。
さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピ
ッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素
繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素
繊維等の各種の炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グ
ラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることも
できる。これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難
黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもでき
る。また炭素質材料は、特開昭62-122066号公報、特開
平2-66856号公報、同3-245473号公報に記載される面間
隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。炭
素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5-29
0844号公報記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平
6-84516号公報記載の被覆層を有する黒鉛等を用いるこ
ともできる。
【0019】本発明におけるもう一つの負極材料であ
る、金属もしくは半金族元素の酸化物、カルコゲン化合
物は、周期表13、14、15族原子と酸素若しくはカ
ルコゲン族原子からなる化合物である。本発明において
は負極材料として周期表1、2、13、14、15族原
子から選ばれる三種以上の原子を含む主として非晶質カ
ルコゲン化合物または非晶質酸化物が特に好ましく用い
られる。ここで言う主として非晶質とはCuKα線を用
いたX線回折法で2θ値で20°から40°に頂点を有
するブロードな散乱帯を有する物であり、結晶性の回折
線を有してもよい。好ましくは2θ値で40°以上70
°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、
2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散
乱帯の頂点の回折線強度の500倍以下であることが好
ましく、さらに好ましくは100倍以下であり、特に好
ましくは5倍以下であり、最も好ましくは結晶性の回折
線を有さないことである。
【0020】上記のカルコゲン化合物、酸化物は、B、
Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、
P、As、Sb、Biの中の2種以上の元素を主体とす
る複合カルコゲン化合物、複合酸化物がより好ましい。
特に好ましいのは、B、Al、Si、Ge、Sn、Pの
中の2種以上の元素を主体とする複合カルコゲン化合物
もしくは酸化物である。これらの複合カルコゲン化合
物、複合酸化物は、主として非晶質構造を修飾するため
に周期律表の1族から2族の元素から選ばれた少なくと
も1種の元素を含む。
【0021】上記の負極材料の中で、Snを主体とする
非晶質の複合酸化物が好ましく、次の一般式(3)で表
される。 一般式(3) SnM3 c 4 d t 式中、M3 はAl、B、P、Si、Geの少なくとも1
種を、M4 は周期律表第1族元素、第2族元素の少なく
とも1種を表し、cは0.2以上、2以下の数、dは
0.01以上、1以下の数で、0.2<c+d<2、t
は1以上6以下の数を表す。
【0022】本発明の非晶質複合酸化物は、焼成法、溶
液法のいずれの方法も採用することができるが、焼成法
がより好ましい。焼成法では、一般式(1)に記載され
た元素の酸化物あるいは化合物をよく混合した後、焼成
して非晶質複合酸化物を得るのが好ましい。
【0023】焼成条件としては、昇温速度として昇温速
度毎分5℃以上200℃以下であることが好ましく、か
つ焼成温度としては500℃以上1500℃以下である
ことが好ましく、かつ焼成時間としては1時間以上10
0時間以下であることが好ましい。且つ、下降温速度と
しては毎分2℃以上107 ℃以下であることが好まし
い。本発明における昇温速度とは「焼成温度(℃表示)
の50%」から「焼成温度(℃表示)の80%」に達す
るまでの温度上昇の平均速度であり、本発明における降
温速度とは「焼成温度(℃表示)の80%」から「焼成
温度(℃表示)の50%」に達するまでの温度降下の平
均速度である。降温は焼成炉中で冷却してもよくまた焼
成炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却しても
よい。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版1
987)217頁記載のgun法・Hammer−An
vil法・slap法・ガスアトマイズ法・プラズマス
プレー法・遠心急冷法・melt drag法などの超
急冷法を用いることもできる。またニューガラスハンド
ブック(丸善1991)172頁記載の単ローラー法、
双ローラ法を用いて冷却してもよい。焼成中に溶融する
材料の場合には、焼成中に原料を供給しつつ焼成物を連
続的に取り出してもよい。焼成中に溶融する材料の場合
には融液を攪拌することが好ましい。
【0024】焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が
5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性
ガスを主体とし、酸素分圧調整用のガスを併用した雰囲
気である。不活性ガスとしては例えば窒素、アルゴン、
ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられる。最も
好ましい不活性ガスは純アルゴンと窒素ガスである。酸
素分圧を調節する目的で、不活性ガスに併用されるガス
は、炭酸ガスと一酸化炭素の混合ガスあるいは水素と水
の混合ガスが好ましい。
【0025】本発明で示される化合物の平均粒子サイズ
は0.1〜60μmが好ましい。寄り詳しくは、平均粒
径が0.7〜25μmであり、かつ全体積の60%以上
が0.5〜30μmであることが好ましい。また、本発
明の負極活物質の粒径1μm以下の粒子群の占める体積
は全体積の30%以下であり、かつ粒径20μm以上の
粒子群の占める体積が全体積の25%以下であることが
好ましい。使用する材料の粒径は、負極の片面の合剤厚
みを越えないものであることはいうまでもない。所定の
粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が
用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、
振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋
回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。粉砕時に
は水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿
式粉砕も必要に応じて行うことが出来る。所望の粒径と
するためには分級を行うことが好ましい。分級方法とし
ては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じ
て用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いる
ことができる。平均粒径とは一次粒子のメジアン径のこ
とであり、レーザー回折式の粒度分布測定装置により測
定される。また、本発明の負極材料の比表面積は、BE
T比表面積測定法での測定値が0.1〜5m2/gである
ことが好ましい。
【0026】本発明の負極材料の例を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。SnAl0.4
0.5 0.5 0.1 3.65、SnAl0.4 0.5 0.5
Na0.2 3.7 、SnAl0.4 0.3 0.5 Rb0.2
3.4 、SnAl0.4 0.5 0.5 Cs0.13.65、Sn
Al0.4 0.5 0.5 0.1 Ge0.053.85、SnAl
0.4 0.5 0.5 0.1 Mg0.1 Ge0.023.83、 Sn
Al0.4 0.4 0.4 3.2 、SnAl0.30.5
0.2 2.7 、SnAl0.3 0.5 0.2 2.7 、SnA
0.4 0.5 0.3 Ba0.08Mg0.083.26、SnAl
0.4 0.4 0.4 Ba0.083.28、SnAl0.4 0.5
0.53.6 、SnAl0.4 0.5 0.5 Mg0.1 3.7
【0027】SnAl0.5 0.4 0.5 Mg0.1 0.2
3.65、SnB0.5 0.5 Li0.1 Mg0.1 0.2
3.05、SnB0.5 0.5 0.1 Mg0.1 0.2 3.05
SnB0. 5 0.5 0.05Mg0.050.1 3.03、SnB
0.5 0.5 0.05Mg0.1 0.23.03、SnAl0.4
0.5 0.5 Cs0.1 Mg0.1 0.23.65、SnB0.5
0.5 Cs0.05Mg0.050.1 3.03、SnB0.5
0.5 Mg0.1 0.1 3.05、SnB0.5 0.5 Mg0.1
0.2 3 、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.063. 07
SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.143.03、SnPBa
0.083.58、SnPK 0.1 3.55、SnPK0.05Mg
0.053.58、SnPCs0.1 3.55、SnPBa 0.08
0.083.54、SnPK0.1 Mg0.1 0.2 3.55、Sn
PK0.05Mg0.050.1 3.53、SnPCs0.1 Mg
0.1 0.2 3.55、SnPCs0.05Mg0.050.1
3.53
【0028】Sn1.1 Al0.4 0.2 0.6 Ba0.08
0.083.54、Sn1.1 Al0.4 0.20.6 Li0.1
0.1 Ba0.1 0.1 3.65、Sn1.1 Al0.4 0.4
0.4 Ba0.083.34、Sn1.1 Al0.4 PCs0.05
4.23、Sn1.1 Al0.4 PK0.054.23、Sn1. 2 Al
0.5 0.3 0.4 Cs0.2 3.5 、Sn1.2 Al0.4
0.2 0.6 Ba0. 083.68、Sn1.2 Al0.4 0.2
0.6 Ba0.080.083.64、Sn1.2 Al 0.4 0.2
0.6 Mg0.04Ba0.043.68、Sn1.2 Al0.4 0.3
0.5 Ba 0.083.58、Sn1.3 Al0.3 0.3 0.4
Na0.2 3.3 、Sn1.3 Al0.20.4 0.4 Ca
0.2 3.4 、Sn1.3 Al0.4 0.4 0.4 Ba0.2
3.6 、Sn1.4 Al0.4 PK0.2 4.6 、Sn1.4 Al
0.2 Ba0.1 PK0.2 4.45、Sn1.4 Al0.2 Ba
0.2 PK0.2 4.6 、Sn1.4 Al0.4 Ba0.2 PK
0.2Ba0.1 0.2 4.9 、Sn1.4 Al0.4 PK0.3
4.65、Sn1.5 Al0.2 PK0.2 4.4 、Sn1.5
0.4 PK0.1 4.65、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05
4.63、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05Mg0.1 0.2
4.63
【0029】SnSi0.5 Al0.1 0.2 0.1 Ca
0.4 3.1 、SnSi0.4 Al0.2 0. 4 2.7 、Sn
Si0.5 Al0.2 0.1 0.1 Mg0.1 2.8 、SnS
0.6 Al0.2 0. 2 2.8 、SnSi0.5 Al0.3
0.4 0.2 3.55、SnSi0.5 Al0.3 0.4 0.5
4.30、SnSi0.6 Al0.1 0.1 0.3 3.25、S
nSi0.6 Al0.1 0.1 0.1Ba0.2 2.95。Sn
Si0.6 Al0.1 0.1 0.1 Ca0.2 2.95、SnS
0.6 Al0.4 0.2 Mg0.1 3.2 、SnSi0.6
0.1 0.3 0.1 3.05、SnSi0.6 Al0.2 Mg
0.2 2.7 、SnSi0.6 Al0.2 Ca0.2 2.7、S
nSi0.6 Al0.2 0.2 3 、SnSi0.6 0.2
0.2 3 、SnSi0.8 Al0.22.9 、SnSi0.8
Al0.3 0.2 0.2 3.85、SnSi0.8 0.2
2.9 、SnSi0.8 Ba0.22.8 、SnSi0.8 Mg
0.2 2.8 、SnSi0.8 Ca0.2 2.8 、SnSi
0.8 0.2 3.1
【0030】Sn0.9 Mn0.3 0.4 0.4 Ca0.1
0.1 2.95、Sn0.9 Fe0.3 0. 4 0.4 Ca0.1
Rb0.1 2.95、Sn0.8Pb0.2 Ca0.1 0.9
3.35、Sn0.3 Ge0.7 Ba0.1 0.9 3.35、Sn
0.9 Mn0.1 Mg0.1 0.9 3.35、Sn0.2 Mn0.8
Mg0.1 0.9 3.35、Sn0.7 Pb0.3 Ca0.1
0.9 3.35、Sn0.2 Ge0.8 Ba0.1 0.9 3.35
【0031】SnSi0.8 0.2 2.9 、SnSi0.7
0.3 2.85、SnSi0.7 0.3 Al0.1 3.0 、S
nSi0.5 0.3 Al0.1 Mg0.1 2.7 、Sn0.8
0.60.2 Al0.1 Li0.1 2.5 、Sn0.8 Si
0.6 0.2 Al0.1 Cs0.1 2. 65、Sn0.8 Si0.7
0.1 0.1 Al0.1 2.75、Sn0.8 Si0.5 0.3
0.2 Al0.1 2.9、Sn0.8 Si0.7 0.1 0.1
Al0.1 Li0.052.78、Sn0.8 Si0.5 0.3
0.1 Al0.1 Li0.1 2.7 、Sn0.8 Si0.5 0. 3
0.2 Al0.1 Cs0.1 2.95、Sn0.8 Si0.7
0.3 2.95、Sn0.8 Si0.7 0.3 Al0.1 3.1
SnSi0.5 0.3 Zr0.1 2.65Sn0.8 Si0.6
0.2 Zr0.1 2.7 、Sn0.8 Si0.6 0.2 0.1
0. 1 2.75
【0032】上記焼成されて得られた化合物の化学式
は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分
光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の重量差から
算出できる。
【0033】本発明の負極材料には軽金属、特にリチウ
ムを挿入して用いることができる。リチウムの挿入方法
には、電気化学的方法、化学的方法、熱的方法等があ
る。特に好ましいのは電気化学的方法であり、例えば集
電体の負極合剤の未塗布部や負極合剤層上にリチウムを
主体とした金属の小片を貼り付け、電解液と接触させる
ことによって挿入できる。特に電池内で電気化学的にリ
チウムを挿入する方法が好ましい。リチウムを主体とし
た金属の小片は、厚みが5〜200μmの箔を短冊状等
の小片にして貼り付けるのが好ましい。
【0034】リチウムの挿入は、リチウムを対極とした
ときに0.01Vまで挿入することができ、より好まし
くは0.05Vまで挿入できる。特に好ましい方法は、
負極材料の有する不可逆容量を補償するためにリチウム
を部分的に挿入する方法であり、リチウムを対極とした
ときに0.3Vまで挿入する方法である。より具体的な
リチウムの挿入量としては、負極材料1g当たり0.0
05g〜0.5g、より好ましくは0.03g〜0.2
g、特に好ましくは0.06g〜0.15gである。負
極材料が金属酸化物の場合は、金属酸化物1モル当たり
の当量で0.5〜4.0当量であり、さらに好ましくは
1〜3.5当量であり、特に好ましくは1.2〜3.2
当量である。1.2当量よりも少ないリチウムを負極材
料に予備挿入した場合には電池容量が低く、また3.2
当量より多くのリチウムを予備挿入した場合にはサイク
ル性劣化があり、それぞれ好ましくない。リチウム挿入
量は、負極シート上に重ね合せるリチウムの量によって
任意に制御することが可能である。リチウムを主体とし
た金属としてはリチウム金属を用いることが好ましい
が、純度90重量%以上のものが好ましく、98重量%
以上のものが特に好ましい。負極シート上のリチウムの
重ね合せパターンとしてはシート全面に重ね合わせるこ
とが好ましいが、負極材料に予備挿入されたリチウムは
エージングによって徐々に負極材料中に拡散するため、
シート全面ではなくストライプ、枠状、円板状のいずれ
かの部分的重ね合わせも好ましい。ここで言う重ね合せ
とは負極合剤および補助層を有するシート上に直接リチ
ウムを主体とした金属箔を圧着することを意味する。負
極シートにおける金属箔重ね合せの被覆率は10〜10
0%が好ましいが、15〜100%がより好ましく、2
0〜100%が特に好ましい。20%以下の場合は、リ
チウムの予備挿入が不均一となる場合もあり好ましくな
い。さらに、均一性の観点からリチウムを主体とした金
属箔の厚さは5〜150μmであることが好ましく、5
〜100μmがさらに好ましく、10〜75μmが特に
好ましい。リチウムを主体とした金属箔の切断、貼り付
け等のハンドリング雰囲気は露点−30℃以下−80℃
以上のドライエアー又はアルゴンガス雰囲気下が好まし
い。ドライエアーの場合は−40℃以下−80℃以上が
さらに好ましい。また、ハンドリング時には炭酸ガスを
併用してもよい。特にアルゴンガス雰囲気の場合は炭酸
ガスを併用することが好ましい。
【0035】本発明の合剤に使用される導電剤は、構成
された電池において化学変化を起こさない電子伝導性材
料であれば何でもよい。具体例としては、鱗状黒鉛、鱗
片状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、石油コークス、石炭
コークス、セルロース類、糖類、メソフェーズピッチ等
の高温焼成体、気相成長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファ
イト類、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケ
ッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラッ
ク、サーマルブラック等のカーボンブラック類、アスフ
ァルトピッチ、コールタール、活性炭、メソフューズピ
ッチ、ポリアセン等の炭素材料、金属繊維等の導電性繊
維類、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の金属粉類、
酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、
酸化チタン等の導電性金属酸化物等を挙げる事ができ
る。黒鉛では、アスペクト比が5以上の平板状のものを
用いると好ましい。これらの中では、グラファイトやカ
ーボンブラックが好ましく、粒子の大きさは、0.01
μm以上、20μm以下が好ましく、0.02μm以
上、10μm以下の粒子がより好ましい。これらは単独
で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。併用す
る場合は、アセチレンブラック等のカーボンブラック類
と、1〜15μmの黒鉛粒子を併用すると好ましい。導
電剤の合剤層への添加量は、負極材料または正極材料に
対し1〜50重量%であることが好ましく、特に2〜3
0重量%であることが好ましい。カーボンブラックやグ
ラファイトでは、3〜20重量%であることが特に好ま
しい。
【0036】本発明では電極合剤を保持するために結着
剤を用いる。結着剤の例としては、多糖類、熱可塑性樹
脂及びゴム弾性を有するポリマー等が挙げられる。好ま
しい結着剤としては、でんぷん、カルボキシメチルセル
ロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、アルギン酸Na、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸Na、ポリビニルフェノール、ポリビニ
ルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メ
タ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の
水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフル
ロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエ
チレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデン
フロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロ
ピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、
スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチ
ルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート
等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等の
ビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴ
ム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステル
ポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポ
リカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテ
ックス)あるいはサスペンジョンを挙げることが出来
る。特にポリアクリル酸エステル系のラテックス、カル
ボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。これらの結着
剤は、微小粉末を水に分散したものを用いるのが好まし
く、分散液中の粒子の平均サイズが0.01〜5μmの
ものを用いるのがより好ましく、0.05〜1μmのも
のを用いるのが特に好ましい。これらの結着剤は単独ま
たは混合して用いることが出来る。結着剤の添加量が少
ないと電極合剤の保持力・凝集力が弱い。多すぎると電
極体積が増加し電極単位体積あるいは単位重量あたりの
容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1
〜30重量%が好ましく、特に2〜10重量%が好まし
い。
【0037】充填剤は、構成された電池において、化学
変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いること
ができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの
オレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用い
られる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜
30重量%が好ましい。イオン導電剤は、無機及び有機
の固体電解質として知られている物を用いることがで
き、詳細は電解液の項に記載されている。圧力増強剤
は、電池の内圧を上げる化合物であり、炭酸リチウム等
の炭酸塩が代表例である。
【0038】本発明で使用できる集電体は正極はアルミ
ニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれ
らの合金であり、負極は銅、ステンレス鋼、ニッケル、
チタン、またはこれらの合金である。集電体の形態は
箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、もしくは
金網である。特に、正極にはアルミニウム箔、負極には
銅箔が好ましい。
【0039】集電体は、厚さを薄くするため、プラスチ
ックシートの両面上に金属層を形成したものがさらに好
ましい。プラスチックは、延伸性及び耐熱性に優れたも
のが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートであ
る。金属だけでは、弾性がほとんどないので、外力に弱
い。プラスチック上に金属層を形成すれば、衝撃に強く
なる。より具体的には、集電体は、合成樹脂フィルムや
紙等の基材を電子伝導性の物質で被覆した複合集電体で
あっても良い。基材となる合成樹脂フィルムとしては、
フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、セルロ
ース誘電体、ポリスルホンを挙げることができる。基材
を被覆する電子伝導性の物質としては、黒鉛やカーボン
ブラック等の炭素質材料、アルミニウム、銅、ニッケ
ル、クロム、鉄、モリブデン、金、銀等の金属元素及び
これらの合金を挙げることができる。特に好ましい電子
伝導性の物質は金属であり、アルミニウム、銅、ニッケ
ル、ステンレス鋼である。複合集電体は、基材のシート
と金属シートを張り合わせる形態であってもよいし、蒸
着等により金属層を形成してもよい。
【0040】次に本発明における正負電極の構成につい
て説明する。正負電極は集電体の両面に電極合剤を塗布
した形態であることが好ましい。この場合、片面あたり
の層数は1層であっても2層以上から構成されていても
良い。片面あたりの層の数が2以上である場合、正極活
物質(もしくは負極材料)含有層が2層以上であっても
良い。より好ましい構成は、正極活物質(もしくは負極
材料)を含有する層と正極活物質(もしくは負極材料)
を含有しない層から構成される場合である。正極活物質
(もしくは負極材料)を含有しない層には、正極活物質
(もしくは負極材料)を含有する層を保護するための保
護層、分割された正極活物質(もしくは負極材料)含有
層の間にある中間層等があり、本発明においてはこれら
を総称して補助層と言う。
【0041】保護層は正負電極の両方または正負電極の
いずれかにあることが好ましい。負極において、リチウ
ムを電池内で負極材料に挿入する場合は負極は保護層を
有する形態であることが望ましい。保護層は、少なくと
も1層からなり、同種又は異種の複数層により構成され
ていても良い。また、集電体の両面の合剤層の内の片面
にのみ保護層を有する形態であっても良い。これらの保
護層は、水不溶性の粒子と結着剤等から構成される。結
着剤は、前述の電極合剤を形成する際に用いられる結着
剤を用いることが出来る。水不溶性の粒子としては、種
種の導電性粒子、実質的に導電性を有さない有機及び無
機の粒子を用いることができる。水不溶性粒子の水への
溶解度は、100PPM 以下、好ましくは不溶性のものが
好ましい。保護層に含まれる粒子の割合は2.5重量%
以上、96重量%以下が好ましく、5重量%以上、95
重量%以下がより好ましく、10重量%以上、93重量
%以下が特に好ましい。
【0042】水不溶性の導電性粒子としては、金属、金
属酸化物、金属繊維、炭素繊維、カーボンブラックや黒
鉛等の炭素粒子を挙げることが出来る。これらの水不溶
導電性粒子の中で、アルカリ金属特にリチウムとの反応
性が低いものが好ましく、金属粉末、炭素粒子がより好
ましい。粒子を構成する元素の20℃における電気抵抗
率としては、5×109 Ω・m以下が好ましい。
【0043】金属粉末としては、リチウムとの反応性が
低い金属、即ちリチウム合金を作りにくい金属が好まし
く、具体的には、銅、ニッケル、鉄、クロム、モリブデ
ン、チタン、タングステン、タンタルが好ましい。これ
らの金属粉末の形は、針状、柱状、板状、塊状のいずれ
でもよく、最大径が0.02μm以上、20μm以下が
好ましく、0.1μm以上、10μm以下がより好まし
い。これらの金属粉末は、表面が過度に酸化されていな
いものが好ましく、酸化されているときには還元雰囲気
で熱処理することが好ましい。
【0044】炭素粒子としては、従来電極活物質が導電
性でない場合に併用する導電材料として用いられる公知
の炭素材料を用いることが出来る。具体的には電極合剤
を作る際に用いられる導電剤が用いられる。
【0045】実質的に導電性を持たない水不溶性粒子と
しては、テフロンの微粉末、SiC、窒化アルミニウ
ム、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ムライト、フ
ォルステライト、ステアタイトを挙げることが出来る。
これらの粒子は、導電性粒子と併用してもよく、導電性
粒子の0.01倍以上、10倍以下で使うと好ましい。
【0046】正(負)の電極シートは正(負)極の合剤
を集電体の上に塗布、乾燥、圧縮する事により作成する
事ができる。合剤の調製は正極活物質(あるいは負極材
料)および導電剤を混合し、結着剤(樹脂粉体のサスペ
ンジョンまたはエマルジョン状のもの)、および分散媒
を加えて混練混合し、引続いて、ミキサー、ホモジナイ
ザー、ディゾルバー、プラネタリミキサー、ペイントシ
ェイカー、サンドミル等の攪拌混合機、分散機で分散し
て行うことが出来る。分散媒としては水もしくは有機溶
媒が用いられるが、水が好ましい。このほか、適宜充填
剤、イオン導電剤、圧力増強剤等の添加剤を添加しても
良い。分散液のpHは負極では5〜10、正極では7〜
12が好ましい。
【0047】塗布は種々の方法で行うことが出来るが、
例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレ
ード法、ナイフ法、エクストルージョン法、スライド
法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及び
スクイーズ法を挙げることが出来る。エクストルージョ
ンダイを用いる方法、スライドコーターを用いる方法が
特に好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度で
実施されることが好ましい。この際、合剤ペーストの液
物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定すること
により、良好な塗布層の表面状態を得ることが出来る。
電極層が複数の層である場合にはそれらの複数層を同時
に塗布することが、均一な電極の製造、製造コスト等の
観点から好ましい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電
池の大きさにより決められる。典型的な塗布層の厚みは
乾燥後圧縮された状態で10〜1000μmである。塗
布後の電極シートは、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、
電子線及び低湿風の作用により乾燥、脱水される。これ
らの方法は単独あるいは組み合わせて用いることが出来
る。乾燥温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に
100〜260℃の範囲が好ましい。乾燥後の含水量は
2000ppm以下が好ましく、500ppm以下がよ
り好ましい。電極シートの圧縮は、一般に採用されてい
るプレス方法を用いることが出来るが、特に金型プレス
法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に
限定されないが、10kg/cm2 〜3t/cm2 が好
ましい。カレンダープレス法のプレス速度は、0.1〜
50m/分が好ましい。プレス温度は、室温〜200℃
が好ましい。
【0048】本発明で使用できるセパレータは、イオン
透過度が大きく、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄
膜であれば良く、材質として、オレフィン系ポリマー、
フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミ
ド、ナイロン、ガラス繊維、アルミナ繊維が用いられ、
形態として、不織布、織布、微孔性フィルムが用いられ
る。特に、材質として、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合体、ポリプロ
ピレンとテフロンの混合体、ポリエチレンとテフロンの
混合体が好ましく、形態として微孔性フィルムであるも
のが好ましい。特に、孔径が0.01〜1μm、厚みが
5〜50μmの微孔性フィルムが好ましい。これらの微
孔性フィルムは単独の膜であっても、微孔の形状や密度
等や材質等の性質の異なる2層以上からなる複合フィル
ムであっても良い。例えば、ポリエチレンフィルムとポ
リプロピレンフィルムを張り合わせた複合フィルムを挙
げることができる。
【0049】電解液は一般に支持塩と溶媒から構成され
る。リチウム二次電池における支持塩はリチウム塩が主
として用いられる。本発明で使用出来るリチウム塩とし
ては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6
LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiB10
Cl10、LiOSO2n2n+1で表されるフルオロスル
ホン酸(nは6以下の正の整数)、LiN(SO2 n
2n+1)(SO2 m 2m+1)で表されるイミド塩
(m、nはそれぞれ6以下の正の整数)、LiC(SO
2 p 2p+1)(SO2q 2q+1)(SO2 r
2r+1)で表されるメチド塩(p、q、rはそれぞれ6以
下の正の整数)、低級脂肪族カルボン酸リチウム、Li
AlCl4 、LiCl、LiBr、LiI、クロロボラ
ンリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどのLi塩を
上げることが出来、これらの一種または二種以上を混合
して使用することができる。なかでもLiBF4及び/
あるいはLiPF6を溶解したものが好ましい。支持塩
の濃度は、特に限定されないが、電解液1リットル当た
り0.2〜3モルが好ましい。
【0050】本発明で使用できる溶媒としては、プロピ
レンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカ
ーボネート、クロロエチレンカーボネート、炭酸トリフ
ルオロメチルエチレン、炭酸ジフルオロメチルエチレ
ン、炭酸モノフルオロメチルエチレン、六フッ化メチル
アセテート、三フッ化メチルアセテート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボ
ネート、γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル、酢酸メチ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシ
ド、1,3−ジオキソラン、2,2−ビス(トリフルオ
ロメチル)−1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジ
メチルホルムアミド、ジオキソラン、ジオキサン、アセ
トニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン
酸トリエステル、ホウ酸トリエステル、トリメトキシメ
タン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−
2−オキサゾリジノン、3−アルキルシドノン(アルキ
ル基はプロピル、イソプロピル、ブチル基等)、プロピ
レンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、
エチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プ
ロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種ま
たは二種以上を混合して使用する。これらのなかでは、
カーボネート系の溶媒が好ましく、環状カーボネートと
非環状カーボネートを混合して用いるのが特に好まし
い。環状カーボネートとしてはエチレンカーボネート、
プロピレンカーボネートが好ましい。また、非環状カー
ボネートとしては、ジエチルカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、メチルエチルカーボネートをが好ましい。
本発明で使用できる電解液としては、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカ−ボネ−ト、1,2−ジメトキシエ
タン、ジメチルカーボネートあるいはジエチルカーボネ
ートを適宜混合した電解液にLiCF3 SO3 、LiC
lO4 、LiBF4 および/またはLiPF6 を含む電
解液が好ましい。特にプロピレンカーボネートもしくは
エチレンカーボネートの少なくとも一方とジメチルカー
ボネートもしくはジエチルカーボネートの少なくとも一
方の混合溶媒に、LiCF3 SO 3 、LiClO4 、も
しくはLiBF4 の中から選ばれた少なくとも一種の塩
とLiPF6を含む電解液が好ましい。これら電解液を
電池内に添加する量は特に限定されず、正極材料や負極
材料の量や電池のサイズに応じて用いることができる。
【0051】また、電解液の他に次の様な固体電解質も
併用することができる。固体電解質としては、無機固体
電解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質
には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよ
く知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5
NI2 、Li3 N−LiI−LiOH、Li4 Si
4 、Li4 SiO4 −LiI−LiOH、x Li3
4(1-x) 4 SiO4 、Li2 SiS3 、硫化リン
化合物などが有効である。
【0052】有機固体電解質では、ポリエチレンオキサ
イド誘導体か該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレン
オキサイド誘導体あるいは該誘導体を含むポリマー、イ
オン解離基を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマ
ーと上記非プロトン性電解液の混合物、リン酸エステル
ポリマー、非プロトン性極性溶媒を含有させた高分子マ
トリックス材料が有効である。さらに、ポリアクリロニ
トリルを電解液に添加する方法もある。また、無機と有
機固体電解質を併用する方法も知られている。
【0053】また、放電や充放電特性を改良する目的
で、他の化合物を電解質に添加しても良い。例えば、ピ
リジン、ピロリン、ピロール、トリフェニルアミン、フ
ェニルカルバゾール、トリエチルフォスファイト、トリ
エタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、
n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼ
ン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾ
リジノンとN, N’−置換イミダリジノン、エチレング
リコールジアルキルエーテル、第四級アンモニウム塩、
ポリエチレングリコ−ル、ピロール、2−メトキシエタ
ノール、AlCl 3、導電性ポリマー電極活物質のモノ
マー、トリエチレンホスホルアミド、トリアルキルホス
フィン、モルホリン、カルボニル基を持つアリール化合
物、12−クラウン−4のようなクラウンエーテル類、
ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモ
ルホリン、二環性の三級アミン、オイル、四級ホスホニ
ウム塩、三級スルホニウム塩などを挙げることができ
る。特に好ましいのはトリフェニルアミン、フェニルカ
ルバゾールを単独もしくは組み合わせて用いた場合であ
る。
【0054】また、電解液を不燃性にするために含ハロ
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性
をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることがで
きる。
【0055】電解液は、水分及び遊離酸分をできるだけ
含有しないことが望ましい。このため、電解液の原料は
充分な脱水と精製をしたものが好ましい。また、電解液
の調整は、露点がマイナス30℃以下の乾燥空気中もし
くは不活性ガス中が好ましい。電解液中の水分及び遊離
酸分の量は、0.1〜500ppm、より好ましくは
0.2〜100ppmである。
【0056】電解液は、全量を1回で注入してもよい
が、2回以上に分けて注入することが好ましい。2回以
上に分けて注入する場合、それぞれの液は同じ組成で
も、違う組成(例えば、非水溶媒あるいは非水溶媒にリ
チウム塩を溶解した溶液を注入した後、前記溶媒より粘
度の高い非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解
した溶液を注入)でも良い。また、電解液の注入時間の
短縮等のために、電池缶を減圧したり、電池缶に遠心力
や超音波をかけることを行ってもよい。
【0057】本発明で使用できる電池缶および電池蓋は
材質としてニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス
鋼板(SUS304、SUS304L、SUS304
N、SUS316、SUS316L、SUS430、S
US444等)、ニッケルメッキを施したステンレス鋼
板(同上)、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、
チタン、銅であり、形状として、真円形筒状、楕円形筒
状、正方形筒状、長方形筒状である。特に、外装缶が負
極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、ニッケルメッ
キを施した鉄鋼板が好ましく、外装缶が正極端子を兼ね
る場合は、ステンレス鋼板、アルミニウムまたはその合
金が好ましい。電池缶の形状はボタン、コイン、シー
ト、シリンダー、角などのいずれでも良い。電池缶の内
圧上昇の対策として封口板に安全弁を用いることができ
る。この他、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを
いれる方法も利用することが出来る。この他、従来から
知られている種々の安全素子(例えば、過電流防止素子
として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等)を備え
つけても良い。
【0058】本発明で使用するリード板には、電気伝導
性をもつ金属(例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロ
ム、モリブデン、銅、アルミニウム等)やそれらの合金
を用いることが出来る。電池蓋、電池缶、電極シート、
リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の
電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることが
出来る。封口用シール剤は、アスファルト等の従来から
知られている化合物や混合物を用いることが出来る。
【0059】本発明で使用できるガスケットは、材質と
して、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セル
ロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、耐
有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリマ
ーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好まし
い。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合ポ
リマーであることが好ましい。
【0060】以上のようにして組み立てられた電池は、
エージング処理を施すのが好ましい。エージング処理に
は、前処理、活性化処理及び後処理などがあり、これに
より高い充放電容量とサイクル性に優れた電池を製造す
ることができる。前処理は、電極内のリチウムの分布を
均一化するための処理で、例えば、リチウムの溶解制
御、リチウムの分布を均一にするための温度制御、揺動
及び/または回転処理、充放電の任意の組み合わせが行
われる。活性化処理は電池本体の負極に対してリチウム
を挿入させるための処理で、電池の実使用充電時のリチ
ウム挿入量の50〜120%を挿入するのが好ましい。
後処理は活性化処理を十分にさせるための処理であり、
電池反応を均一にするための保存処理と、判定のための
充放電処理当があり、任意に組み合わせることができ
る。
【0061】本発明の活性化前の好ましいエージング条
件(前処理条件)は次の通りである。温度は30℃以上
70℃以下が好ましく、30℃以上60℃以下がより好
ましく、40℃以上60℃以下がさらに好ましい。ま
た、開路電圧は2.5V以上3.8V以下が好ましく、
2.5V以上3.5V以下がより好ましく、2.8V以
上3.3V以下がさらに好ましい。エージング期間は1
日以上20日以下が好ましく、1日以上15日以下が特
に好ましい。活性化の充電電圧は4.0V以上が好まし
く、4.05V以上4.3V以下がより好ましく、4.
1V以上4.2V以下が更に好ましい。活性化後のエー
ジング条件としては、開路電圧が3.9V以上4.3V
以下が好ましく、4.0V以上4.2V以下が特に好ま
しく、温度は30℃以上70℃以下が好ましく、40℃
以上60℃以下が特に好ましい。エージング期間は0.
2日以上20日以下が好ましく、0.5日以上5日以下
が特に好ましい。
【0062】本発明の電池は必要に応じて外装材で被覆
される。外装材としては、熱収縮チューブ、粘着テー
プ、金属フィルム、紙、布、塗料、プラスチックケース
等がある。また、外装の少なくとも一部に熱で変色する
部分を設け、使用中の熱履歴がわかるようにしても良
い。
【0063】本発明の電池は必要に応じて複数本を直列
及び/または並列に組み電池パックに収納される。電池
パックには正温度係数抵抗体、温度ヒューズ、ヒューズ
及び/または電流遮断素子等の安全素子の他、安全回路
(各電池及び/または組電池全体の電圧、温度、電流等
をモニターし、必要なら電流を遮断する機能を有す回
路)を設けても良い。また電池パックには、組電池全体
の正極及び負極端子以外に、各電池の正極及び負極端
子、組電池全体及び各電池の温度検出端子、組電池全体
の電流検出端子等を外部端子として設けることもでき
る。また電池パックには、電圧変換回路(DC−DCコ
ンバータ等)を内蔵しても良い。また各電池の接続は、
リード板を溶接することで固定しても良いし、ソケット
等で容易に着脱できるように固定しても良い。さらに
は、電池パックに電池残存容量、充電の有無、使用回数
等の表示機能を設けても良い。
【0064】本発明の電池は様々な機器に使用される。
特に、ビデオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッ
キ、モニター内蔵ムービーカメラ、デジタルカメラ、コ
ンパクトカメラ、一眼レフカメラ、レンズ付きフィル
ム、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、電子手帳、
携帯電話、コードレス電話、ヒゲソリ、電動工具、電動
ミキサー、自動車等に使用されることが好ましい。
【0065】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
【0066】比較例−1 〔正極合剤ペーストの作成〕正極活物質;LiCoO2
(炭酸リチウムと四酸化三コバルトと3:2のモル比で
混合したものをアルミナるつぼにいれ、空気中、毎分2
℃で750℃に昇温し4時間仮焼した後、さらに毎分2
℃の速度で900℃に昇温しその温度で8時間焼成し解
砕したもの。平均粒子サイズ5μmの粉末50gを10
0mlの水に分散した時の分散液の電導度は0.6mS
/m、pHは10.5、窒素吸着法による比表面積は
0.55m2 /g)を200gとアセチレンブラック1
0gとを、ホモジナイザーで混合し、続いて結着剤とし
て2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とアク
リロニトリルの共重合体の水分散物(固形分濃度50重
量%)を8g、濃度2重量%のカルボキシメチルセルロ
ース水溶液を60gを加え混練混合し、さらに水を50
gと炭酸水素ナトリウムを加え、ホモジナイザーで攪拌
混合し、正極合剤ペーストを作成した。
【0067】〔負極合剤ペーストの作成〕負極活物質;
SnSi0.5 0.3 0.2 Cs0.05Al0.1 3.13(一
酸化錫11.0g、ピロリン酸錫4.2g、三酸化二硼
素1.1g、炭酸セシウム0.83g、二酸化珪素3.
1gを乾式混合し、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン
雰囲気下15℃/分で1100℃まで昇温し、1100
℃で12時間焼成した後、10℃/分で室温にまで降温
し焼成炉より取り出したものを集め、ジェットミルで粉
砕したもの、平均粒径9μm、CuKα線を用いたX線
回折法において2θ値で28°付近に頂点を有するブロ
ードなピークを有する物であり、2θ値で40°以上7
0°以下には結晶性の回折線は見られなかった。)を2
00g、導電剤(人造黒鉛)45gとホモジナイザーで
混合し、さらに結着剤として濃度2重量%のカルボキシ
メチルセルロース水溶液100g、ポリフッ化ビニリデ
ン10gとを加え混合したものと水を30gと酢酸リチ
ウム3gとを加えさらに混練混合し、負極合剤ペースト
を作成した。
【0068】〔負極保護層ペーストの作成〕アルミナ8
5g、人造黒鉛9gを濃度2重量%のカルボキシメチル
セルロース水溶液300gに加え、混練混合し作成し
た。
【0069】〔正極および負極電極シートの作成〕上記
で作成した正極合剤ペーストをブレードコーターで厚さ
20μmのアルミニウム箔集電体の両面に、片側当たり
の正極活物質換算の塗布量240g/m2で塗布し、乾
燥した後、ローラープレス機で圧縮後のシートの厚みが
180μm(片面の活物質層厚みが80μm)になるよ
うに圧縮成型した。その後、所定の大きさに裁断し、帯
状の正極シートを作成した。さらにドライボックス(露
点;−50℃以下の乾燥空気)中で遠赤外線ヒーターに
て加熱し、電極温度約250℃で充分脱水乾燥し、正極
シートを作成した。同様に、18μmの銅箔集電体の両
面に、負極合剤ペーストと負極保護層ペーストを塗布し
た。この時、負極合剤ペーストが集電体側に、負極保護
層ペーストが最上層になるように塗布した。片側当たり
の負極材料換算の塗布量は80g/m2 、保護層の塗布
量が15g/m2 で、ローラープレス機での圧縮後のシ
ートの厚みが110μm(片面の合剤層と保護層厚みの
合計がが46μm)である負極シートを作成した。この
負極シートの両面に6mm幅の短冊状のリチウム金属
(純度99.8%)を10mmのピッチで貼り付け、リ
チウム量が10g/m2 となるようにした。合剤上のリ
チウムの被覆率は60%であった。 〔電解液調製〕アルゴン雰囲気で、200ccの細口の
ポリプロピレン容器に65.3gの炭酸ジエチルをい
れ、これに液温が30℃を越えないように注意しなが
ら、22.2gの炭酸エチレンを少量ずつ溶解した。次
に、0.4gのLiBF4 、12.1gのLiPF6
液温が30℃を越えないように注意しながら、それぞれ
順番に、上記ポリプロピレン容器に少量ずつ溶解し、更
にトリフェニルアミン0.2g、フェニルカルバゾール
0.5gを添加した。得られた電解液は比重1.135
で無色透明の液体であった。水分は18ppm(京都電
子製 商品名MKC−210型カールフィシャー水分測
定装置で測定)、遊離酸分は24ppm(ブロムチモー
ルブルーを指示薬とし、0.1規定NaOH水溶液を用
いて中和滴定して測定)であった。
【0070】〔シリンダー電池の作成〕図1に示したよ
うなシリンダー電池を作製した。正極シート(3)、微
孔性ポリエチレンフィルム製セパレーター(宇部興産
製、EF4500)(4)、負極シート(2)およびセ
パレーター(4)の順に積層し、これを渦巻き状に巻回
した。この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを
施した鉄製の有底円筒型電池缶(1)に収納した後、電
池缶内に上記電解液を注入し、正極端子を有する電池蓋
(13)をガスケット(7)を介してかしめて円筒型電
池Aを作成した。
【0071】実施例−1 下塗り液−1としてカルボキシメチルセルロース(ダイ
セル社製、#1170)の3重量%水溶液、同−2とし
てヒドロキシエチルセルロース4重量%水溶液、同−3
としてゼラチン(ニッタ製#600)の1重量%水溶
液、同−4としてポリアクリル酸ナトリウムの2重量%
の水溶液、同−5としてテトラフロロエチレン−ヘキサ
フロロプロピレン共重合体の1重量%のN−メチル−2
−ピロリドン溶液、同−6としてビニリデンフロライド
−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重
合体の1重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶液を調
整した。
【0072】この下塗り液−1、をバーコーターで膜厚
0.08μmになるように塗布した集電体を用いた以外
は比較例−1と同様にして電池−1を作成した。集電体
に下塗り液−1で膜厚0.3μmになるように塗布し同
様にして電池−2を、下塗り液−2〜6を膜厚0.2μ
mになるように塗布した集電体を用い同様にして電池−
3〜7を作製した。また正極合剤ペースト、負極合剤ペ
ースト、下塗り液の粘度をHAAKE社製Viscot
ester VT550で剪断速度100回転/秒と1
回転/秒で測定した。その結果を下表1に示した。
【0073】
【0074】これらの電池を4.2Vまで充電し、2.
6Vまで3.6mA/cm2 の電流密度で放電し容量を
測定した。また4.2V充電状態で60℃30日間保存
後に、4.2V充電−2.6V放電し保存前の容量と比
較した。また4.2V充電−2.6V放電の条件でサイ
クル性を評価し、下表2の結果を得た。
【0075】 表2 電池性能 電池の 容量 保存後の サイクル容量 番号 相対値 容量回復率 維持率(500cy) 電池−1 100 95% 85% 2 100 95 82 3 100 93 81 4 100 93 82 5 100 93 81 6 100 90 79 7 100 90 78 A 100 86 70
【0076】本発明の電池−1〜7は保存後の容量回復
率、サイクル維持率が比較例の電池Aに対し高く好まし
かった。
【0077】実施例−2 正極活物質をLiCoO2の代わりにLiMn1.9Co0.1O4を用い
た以外は実施例−1を繰り返し同様の結果を得た。
【0078】実施例−3 正極は実施例−1のLiCoO2粉末活物質、アセチレンブラ
ック、ポリテトラフルオロエチレン結着剤を重量比10
0/3/5で混合し、カルボキシメチルセルロース(固
形分として活物質に対し2重量%)水溶液に懸濁させ、
正極合剤ペーストを作成した。負極はメソフェーズ小球
体を2800℃で黒鉛化したメソフェーズ黒鉛(d00
2の面間隔が3.358、Lcが1000)、スチレン
/ブタジエンゴムを重量比で100/5で混合後、カル
ボキシメチルセルロース(固形分として上記黒鉛に対し
3重量%)水溶液に懸濁させ、負極合剤ペーストを作成
した。各ペーストの粘度を実施例−1と同様に測定し、
表3の結果を得た。
【0079】 表3 粘度の測定値 塗布液種類 粘度の測定値 剪断速度100 回転/秒 1回転/秒 負極合剤 150cp 1500cp 正極合剤 300 2400
【0080】電解液はエチレンカーボネート、ジエチル
カーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン
酸メチルを25:25:45:5の体積比で混合し、L
iPF6を1モル/リットル溶解したものを用いた。こ
れらの正極合剤、負極合剤、電解液を用いた以外は比較
例−1の電池−A、実施例−1の電池−1〜7と同様に
して電池−B、8〜14を得た。これらの電池の性能を
実施例−1と同様に評価し、表4の結果を得た。
【0081】 表4 電池性能 電池の 容量 保存後の サイクル容量 番号 相対値 容量回復率 維持率(500cy) 電池−8 100 96% 83% 9 100 95 84 10 100 96 86 11 100 96 87 12 100 95 84 13 100 91 80 14 100 91 80 B 100 79 74
【0082】本発明の電池−8〜14は保存性、サイク
ル性ともに、比較電池−Bより良好で好ましかった。
【0083】実施例−4 正極は実施例1のLiCoO2粉末、鱗片状人造黒鉛粉末(サ
イズ10μm)、ポリフッ化ビニリデンを重量比100
/6で混合し、この混合物の5重量%のN−メチル−2
−ピロリドン溶液を混練してに懸濁させ、正極合剤ペー
ストを作成した。負極は平均粒径20μmの天然黒鉛粉
末(d002の面間隔が3.358、Lcが1000以
上)とスチレン/ブタジエンゴムを重量比で100/1
で混合後、カルボキシメチルセルロース(固形分として
上記黒鉛に対し2重量%)水溶液に懸濁させ、負極合剤
ペーストを作成した。各ペーストの粘度を実施例−1と
同様に測定し、表5の結果を得た。
【0084】 表5 粘度の測定値 塗布液種類 粘度の測定値 剪断速度100回転/秒 1回転/秒 負極合剤 250cp 1800cp 正極合剤 400 2300
【0085】電解液はエチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート30:25:15:30の体積比で混合し、L
iPF6 を1モル/リットル溶解したものを用いた。こ
れらの正極合剤、負極合剤、電解液を用いた以外は比較
例−1の電池−A、実施例−1の電池−1〜7と同様に
して電池−C、電池−15〜21を得た。これらの電池
の性能を実施例−1と同様に評価し、表6の結果を得
た。
【0086】 表6 電池性能 電池の 容量 保存後の サイクル容量 番号 相対値 容量回復率 維持率(500cy) 電池−15 100 93% 82% 16 100 92 80 17 100 93 80 18 100 95 81 19 100 93 80 20 100 89 77 21 100 88 78 C 100 74 69 本発明の電池−15〜21は保存性、サイクル性とも
に、比較電池−Cより良好で好ましかった。
【0087】実施例−5 下記のように合成した正極活物質(LiNi0.8Co0.18Al
0.02O2)を用いた以外は実施例−4を繰り返し同様の
結果を得た。市販の特級試薬の硝酸リチウムと炭酸ニッ
ケルと四三酸化コバルトと水酸化アルミニウムを、L
i:Ni:Co:Alのモル比が10:8:1.8:
0.2になるように秤量し、十分に混合した後、アルミ
ナ坩堝中に入れて酸素雰囲気で750℃で約15時間焼
成し、室温まで空冷した。得られた焼成物をX線回折分
析で調べたところ、層状結晶構造を有しており、所期の
正極活物質であることが確認できた。
【0088】実施例−6 比較例−1の電池−Aの正極、負極シートと、実施例−
1の電池−2の正極、負極シートを下表のものを用いた
以外は、電池A、電池−2と同様にして電池22、23
を作り、実施例−1と同様に評価し、表7の結果を得
た。
【0089】 表7 電池性能の結果 電池番号 正極 負極 容量 保存後 サイクル シート シート 相対値 容量回復率 容量維持率 (500cy) 22 電池−1 電池−A 100 90% 80% 23 電池−A 電池−1 100 89 81
【0090】本発明の電池−16〜17は保存性、サイ
クル性ともに、比較電池−Aより良好で好ましかった。
【0091】
【発明の効果】本発明の下塗り層を用いることにより、
保存性に優れ、サイクル寿命の向上した非水二次電池を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用したシリンダー電池の断面図を示
したものである。
【符号の説明】 1 負極を兼ねる電池缶 2 巻回電極群 3 上部絶縁板 4 正極リード 5 ガスケット 6 正極端子を兼ねる電池蓋 61 圧力感応弁体 62 電流遮断素子(スイッチ) 63 PTC素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料
    を含む正極及び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セ
    パレーターから成る非水二次電池において、正極電極シ
    ートおよび/または負極電極シートがリチウムを可逆的
    に吸蔵放出可能な材料を含む層(活物質層)と集電体と
    の間に実質的にリチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料
    を含まない下塗り層を少なくとも1層有し、該層の厚さ
    が0.01〜5μmであることを特徴とする非水二次電
    池。
  2. 【請求項2】 該下塗り層が水溶性ポリマーを含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の非水二次電池。
  3. 【請求項3】 該下塗り層が水不溶性ポリマーを含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の非水二次電池。
  4. 【請求項4】 該負極材料が炭素材料であることを特徴
    とする請求項1〜3記載の非水二次電池。
  5. 【請求項5】 該負極材料がSnを主体とする非晶質酸
    化物および/またはカルコゲナイドであることを特徴と
    する請求項1〜3記載の非水二次電池。
JP10141415A 1998-05-22 1998-05-22 非水二次電池 Pending JPH11339771A (ja)

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