JPH1064591A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH1064591A
JPH1064591A JP8224196A JP22419696A JPH1064591A JP H1064591 A JPH1064591 A JP H1064591A JP 8224196 A JP8224196 A JP 8224196A JP 22419696 A JP22419696 A JP 22419696A JP H1064591 A JPH1064591 A JP H1064591A
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Jiro Tsukahara
次郎 塚原
Masayuki Negoro
雅之 根来
Masaki Okazaki
正樹 岡崎
Hiroshi Ishizuka
弘 石塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量で、良好な充放電サイクル特性を有す
る非水電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 正極材料、負極材料、リチウム塩を含む
非水電解液、および酸化電位がリチウムに対し+3.8
Vないし+4.3Vの添加剤を電池内に含有する事を特
徴とする非水電解液二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高電圧、高容量かつ
充放電サイクル特性に優れる非水電解液二次電池に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】リチウムを利用する非水電解液二次電池
(リチウム二次電池)はリチウムを可逆的に吸蔵放出可
能な材料を含む正極および負極、リチウム塩を含む非水
電解液、およびこれらを適切に保持、隔離する部材から
構成される。リチウムが軽量かつ極めて卑な電位を有す
るため、リチウム二次電池は高電圧、高容量という優れ
た特徴を有する。とりわけSnを主体とする酸化物もし
くはカルコゲン化合物を負極材料に用いた場合、リチウ
ムの吸蔵量が飛躍的に増大し極めて容量の高い優れた二
次電池が得られる。しかしながらこの電池には長期にわ
たって充放電を繰り返すと、容量の低下がみられるとい
う問題があった。長期にわたって充放電を繰り返した際
の容量の低下の度合いが小さい(サイクル性が良い)ほ
ど実用電池として好ましい事は言うまでもなく、サイク
ル性の向上はリチウム二次電池の製造業者にとって最も
大きい課題の一つとなっている。特開平6−84523
号、84524号、333595号明細書にはアミン類
を添加する事により電解質中の有機溶媒の分解を防ぎサ
イクル性を向上させるという技術が公開されている。こ
れら特許で開示されているアミンはサイクル性の向上に
は効果があるものの、容量が低下するという欠点があっ
た。特開平5−234618号明細書には電解質にリチ
ウムに対する配位性基を有する化合物を添加する事によ
り、負極上に金属リチウムが析出するのを抑制し、サイ
クル性を向上させるという技術が開示されている。しか
し、この技術によるサイクル性の改良効果は十分とは言
い難く、さらなる向上が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、高電圧、高容量の特徴を持ったリチウム二次電池の
特徴を損なう事なく、サイクル性を向上させることであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、正極、
負極、リチウム塩を含む非水電解液からなる非水電解質
二次電池において、電池内に酸化電位がリチウムに対し
て+3.8V以上、+4.3V以下の範囲にある化合物
を含有させることを特徴とする非水電解液二次電池によ
って解決された。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい形態につ
いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。 正極、負極、リチウム塩を含む非水電解液からなる非
水電解質二次電池において、電池内に酸化電位がリチウ
ムに対して+3.8V以上、+4.3V以下の範囲にあ
る化合物を含有させることを特徴とする非水電解液二次
電池。 酸化電位がリチウムに対して+3.8V以上、+4.
3V以下の範囲にある該化合物が下記一般式(1)で表
される化合物である事を特徴とする項1に記載の非水電
解液二次電池。 一般式(1) R1−X−R2 一般式(1)においてR1はアリール基もしくは複素環
残基を、R2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アラルキル基、アリール基、もしくは複素環残基
を、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。ただし、Xが
酸素原子の場合R1は電子供与基で置換したアリール基
である。R1およびR2は互いに結合して環を形成して
も良い。 項2の一般式(1)で表される化合物が下記一般式
(2)で表される化合物である事を特徴とする項2に記
載の非水電解液二次電池。 一般式(2) R21−(X−R22)n 一般式(2)においてR21は芳香族炭化水素から任意
の2ないし6個の水素原子を除いた2乃至6価残基を、
R22は一般式(1)におけるR2と同義の基を、Xは
酸素原子または硫黄原子を、nはR21に対応した2か
ら6の整数を表す。R21に結合した二つのX−R22
が互いに結合して環を形成しても良い。 リチウム塩を含む非水電解液が、酸化電位がリチウム
に対して+3.8V以上、+4.3V以下の範囲にある
該化合物を含むことを特徴とする項1に記載の非水電解
液二次電池。 非水電解液が含有する、酸化電位がリチウムに対して
+3.8V以上、+4.3V以下の範囲にある該化合物
の量が0.1ミリモル以上50ミリモル以下であること
を特徴とする項4に記載の非水電解液二次電池。 負極がリチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極材料を
有し、該負極材料が、周期表1,2,13,14,15
族原子から選ばれる三種以上の原子を含む主として非晶
質カルコゲン化合物または非晶質酸化物である事を特徴
とする項1から5のいずれか1項に記載の非水電解液二
次電池。 リチウムイオンを吸蔵・放出可能な該負極材料がSn
を主体とする主として非晶質のカルコゲン化合物もしく
は酸化物である事を特徴とする項6に記載の非水電解液
二次電池。 Snを主体とする負極材料が一般式(3)で示される
非晶質酸化物であることを特徴とする項7に記載の非水
電解液二次電池。 一般式(3) SnM3 c 4 d t (式中、M3 は、Al、B、P、Ge、Siから選ばれ
る少なくとも一種以上の元素、M4 は周期律表第1族元
素、第2族元素、第3族元素、ハロゲン元素から選ばれ
る少なくとも一種以上の元素を表し、cは0.2以上2
以下の数字、dは0.01以上1以下の数字で0.2<
c+d<2、tは1以上6以下の数字を表す。)
【0006】本発明者らは、サイクル性の悪化要因は正
極上で電解質中の有機溶媒が酸化分解し、該分解物が正
極上に徐々に堆積して電池内部での望ましい電気化学反
応を阻害するためではないかと推測した。酸化分解を防
ぐ目的で種々の還元性のある化合物を添加剤として電解
液に添加してその効果を調べた結果、好ましい性質(容
量を低下させずに、サイクル性を改良する)を有する還
元剤は、いずれも酸化電位がある適当な範囲内にある、
特定の化学構造を有する化合物であることを見いだし本
発明に至った。酸化電位の適当な範囲とは金属リチウム
を参照電極として+3.8Vから+4.3Vの範囲であ
り、より好ましくは+3.9から+4.2Vであった。
以下の説明においては、本発明の酸化電位が適当な範囲
の化合物を単に本発明の還元剤と呼ぶ。
【0007】一般に、還元剤の酸化電位がこの適当な範
囲より高いとサイクル性改良効果がなく、低いと容量の
低下が起きる傾向にある。これらの現象については次の
ように推定している。正極の電位は充電により徐々に上
がっていくが、正極表面の電位は必ずしも均一にはなら
ず、電位が過度に高い微小部分(過電圧部)が発生す
る。過電圧部では活性酸素等の強酸化性化学種が生成し
得る。このため電解質中の有機溶媒の酸化分解はこの過
電圧部で起きると推定される。このとき好ましい電位
(適度な還元性)を持った添加剤が存在すると、この添
加剤が優先的に酸化され有機溶媒の分解を防ぐことがで
きる。そしてこの添加剤の酸化体は一部は正極に付着
し、一部は拡散して負極に到達する。正極に付着した酸
化体は放電時に正極電位が低下すると還元されて元に戻
り、負極に到達した酸化体は負極上で還元されて元に戻
る。後者の反応はリークであり容量低下につながるが、
頻度が小さければ現実的には問題とならない。酸化電位
が高すぎる(還元力が弱い)添加剤は必ずしも優先的に
酸化されず、有機溶媒の分解を十分に防ぐ事ができない
と考えられる。また、酸化電位が低すぎる(還元力が強
い)添加剤は過電圧部以外の正極表面でも酸化されるの
で、リークの頻度が上がって容量低下が問題となるので
あろう。
【0008】さて、先に述べた好ましい酸化電位を有す
る添加剤の例としては下記一般式(1)で表される化合
物が挙げられる。 一般式(1) R1−X−R2 一般式(1)においてR1はアリール基もしくは複素環
残基を、R2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アラルキル基、もしくはアリール基を、Xは酸素原
子または硫黄原子を表す。R1およびR2は互いに結合
して環を形成しても良い。
【0009】つぎに一般式(1)で表される化合物につ
いてさらに詳しく説明する。一般式(1)においてR
1、R2、およびXは一般式(1)の化合物の酸化電位
が前記の適当な範囲に入るように選ばれる。R1は総炭
素数6乃至24の置換もしくは無置換のアリール基(フ
ェニル基、ナフチル基、アンスリル基など)、または総
炭素数3乃至24の置換もしくは無置換の複素環残基
(ピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基、インダゾ
リル基、フリル基、チエニル基、チアジアゾリル基、ベ
ンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミ
ダゾリル基、2−チアゾリニル基など)を表す。このう
ちアリール基が好ましく、少なくとも1個の電子供与基
で置換されたアリール基が特に好ましい。ここでいう電
子供与基とはハメットのシグマ値が0より小さいものを
指す。ハメットのシグマ値は有機化学では広く認知され
ており、例えば稲本直樹著「ハメット則」(丸善)等多
くの参考文献が知られている。好ましい電子供与基の例
としてはアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基、
ドデシル基、シクロヘキシル基など)、ヒドロキシ基、
アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ドデシルオキ
シ基、ベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フ
ェノキシ基など)、メルカプト基、アルキルチオ基(メ
チルチオ基、ブチルチオ基、ベンジルチオ基など)、ア
リールチオ基(フェニルチオ基、ナフチルチオ基な
ど)、アミノ基(アミノ基、アニリノ基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、ジブチルアミノ基など)などが
挙げられる。
【0010】R2は総炭素数1乃至24の置換もしくは
無置換のアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基、
ドデシル基、シクロヘキシル基など)、総炭素数2乃至
24の置換もしくは無置換のアルケニル基(ビニル基、
アリル基、1−デセン−10−イル基、シクロペンタジ
エニル基など)、総炭素数2乃至24の置換もしくは無
置換のアルキニル基(エチニル基、プロパギル基、1ー
エチニルシクロヘキシル基など)、総炭素数7乃至24
の置換もしくは無置換のアラルキル基(ベンジル基、ジ
フェニルメチル基、ナフチルメチル基など)、または総
炭素数6乃至24の置換もしくは無置換のアリール基
(フェニル基、ナフチル基、アンスリル基など)を表
す。これらのうちアルキル基、アラルキル基、アリール
基が好ましい。
【0011】一般式(1)の化合物を置換する置換基と
はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキ
ル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例え
ばメトキシ基、エトキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジ
ルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えばフェノキ
シ基など)、メルカプト基、アルキルチオ基(例えばメ
チルチオ基、ブチルチオ基、ベンジルチオ基など)、ア
リールチオ基(例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基
など)、アミノ基(例えばアミノ基、アニリノ基、メチ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジブチルアミノ基な
ど)、シアノ基、アミド基(例えばアセチルアミノ基、
ベンゾイルアミノ基など)、スルホンアミド基(例えば
メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ
基など)、ウレイド基、エステル基(例えばアセトキシ
基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、フェ
ノキシカルボニル基など)、カルバモイル基(例えばN
−メチルカルバモイル、N,N−ジフェニルカルバモイ
ル等)、スルファモイル基(例えばN−フェニルスルフ
ァモイル等)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル
等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル等)、カ
ルボキシル基、スルホ基等が挙げられる。
【0012】Xは酸素原子、または硫黄原子を表す。た
だし、Xが酸素原子の場合は酸化電位調節のためR1は
電子供与基で置換したアリール基でなければならない。
このとき電子供与基としてはアルコキシ基、アリールオ
キシ基、ヒドロキシ基が好ましい。R1とR2は互いに
結合して環を形成しても良い。
【0013】一般式(1)で表される化合物のうち特に
好ましいのは下記一般式(2)で表される化合物であ
る。 一般式(2) R21−(X−R22)n 一般式(2)においてR21は芳香族炭化水素から任意
の2ないし6個の水素原子を除いた2乃至6価残基を表
す。R22は一般式(1)におけるR2と同義の基を、
Xは酸素原子または硫黄原子を、nはR21に対応した
2から6の整数を表す。R21に結合した二つのX−R
22が互いに結合して環を形成しても良い。R21とし
て好ましい芳香族炭化水素としては、例えばベンゼン、
ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェ
ニレン、ビフェニル、およびピレンなどが挙げられる。
R22は置換もしくは無置換のアルキル基およびアリー
ル基が好ましい。nは2乃至4が好ましく、2が特に好
ましい。R21に結合した二つのX−R22が互いに結
合して環を形成する場合には2つのR22基が結合して
ベンゼン環やナフタレン環を形成する場合も含む。
【0014】次に一般式(1)で表される化合物の具体
例を示すが本発明はこれらに限定されない。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】一般式(1)で表される化合物は多くの場
合試薬として市販されている。代表的な試薬メーカーも
しくは代理店としては和光純薬工業(株)、東京化成工
業(株)、シグマ−アルドリッチジャパン(株)等が挙
げられる。以下に試薬として入手できない化合物の合成
法について具体例を挙げて説明するが、本発明はこれら
に限定されない。
【0021】例示化合物(2)の合成 チオジフェノール21.7g、パラトルエンスルホン酸
メチル41g、N,N−ジメチルホルムアミド200m
l、および炭酸カリウム54gを混合し、100℃で1
時間加熱攪拌した。次に、反応混合物を水にあけ析出し
た白色固体を濾取した。該固体を乾燥後、酢酸エチル−
ヘキサン混合溶媒で再結晶し例示化合物(2)14gを
得た。
【0022】次に酸化電位について説明する。本発明者
らは以下の方法にて還元剤の酸化電位を測定した。エチ
レンカーボネートとジエチルカーボネートの20:80
混合液(重量比)にLiPF6 を溶解し1モル/リット
ルの電解質を調製した。この電解質50gに本発明の例
示化合物(1)18mgを溶解し、2x10-3モル/リ
ットルの溶液(試料1)を調製した。次に本発明の例示
化合物(1)の代わりに表1の化合物を用いる以外は同
様の方法で試料2から試料11を調製した。
【0023】試料をそれぞれアルゴンガスでバブリング
した後、北斗電工製ポテンシオスタットHA−301
型、およびファンクションジェネレーターHB−104
型を用いてサイクリックボルタンメトリーを行った。参
照電極には金属リチウム箔を、作用極にはグラッシーカ
ーボン電極を用いた。毎秒90mVの速度で+3Vより
+4.4Vまで電位を掃引した。可逆性のない還元剤を
同列で評価するために、半波電位ではなくアノード電流
の立ち上がりの電位(アノード電流のピーク値に対して
5パーセントの電流変化が認められた時の電位)の値を
もって酸化電位(Eapp)とした。
【0024】
【表1】
【0025】
【化6】
【0026】本発明者らが主張する酸化電位とサイクル
性改良効果、および容量との関係は後述の実施例で示
す。
【0027】次に還元剤の添加方法、添加量について説
明する。本発明では還元剤は正極、負極、電解質のいず
れに添加しても良いが、推定される作用機構から考えて
正極または電解質に添加する事が好ましく、電解液に添
加する事が特に好ましい。
【0028】添加量は任意に選択する事ができるが、電
解液に添加した場合の濃度としては0.1ミリモル/リ
ットル以上、50ミリモル/リットル以下が好ましい。
1ミリモル/リットル以上、30ミリモル/リットル以
下が特に好ましい。正極に添加した場合は、正極活物質
に対して0.01重量パーセント以上、5重量パーセン
ト以下、0.1重量パーセント以上が好ましく、2重量
パーセント以下がより好ましい。
【0029】以下、本発明の非水電解液二次電池の製造
方法について説明する。本発明の非水電解液二次電池
は、正負の電極シートをセパレーターと共に巻回したも
の(巻回群)を電池缶に挿入し、缶と電極を電気的に接
続し、電解液を注入した後封口して作成する。また、必
要に応じて各種の部材(封口板、リード板、ガスケッ
ト、外装材等)が用いられる。
【0030】正(負)の電極シートは正(負)極の合剤
を集電体の上に塗布、乾燥、圧縮する事により作成する
事ができる。合剤の調製は正極(あるいは負極)材料お
よび導電剤を混合し、結着剤(樹脂粉体のサスペンジョ
ンまたはエマルジョン状のもの)、および分散媒を加え
て混練混合し、引続いて、ミキサー、ホモジナイザー、
ディゾルバー、プラネタリミキサー、ペイントシェイカ
ー、サンドミル等の攪拌混合機、分散機で分散して行う
ことが出来る。分散媒としては水もしくは有機溶媒が用
いられるが、水が好ましい。このほか、適宜充填剤、イ
オン導電剤、圧力増強剤等の添加剤を添加しても良い。
塗布は種々の方法で行うことが出来るが、例えば、リバ
ースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイ
フ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア
法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げること
が出来る。ブレード法、ナイフ法及びエクストルージョ
ン法が好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度
で実施されることが好ましい。この際、合剤ペーストの
液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定するこ
とにより、良好な塗布層の表面状態を得ることが出来
る。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の大きさによ
り決められる。典型的な塗布層の厚みは乾燥後圧縮され
た状態で10〜1000μmである。塗布後の電極シー
トは、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿
風の作用により乾燥、脱水される。これらの方法は単独
あるいは組み合わせて用いることが出来る。乾燥温度は
80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜250
℃の範囲が好ましい。乾燥後の含水量は2000ppm
以下が好ましく、500ppm以下がより好ましい。電
極シートの圧縮は、一般に採用されているプレス方法を
用いることが出来るが、特に金型プレス法やカレンダー
プレス法が好ましい。プレス圧は、特に限定されない
が、10kg/cm2 〜3t/cm2 が好ましい。カレ
ンダープレス法のプレス速度は、0.1〜50m/分が
好ましい。プレス温度は、室温〜200℃が好ましい。
【0031】本発明で用いられる正極材料はリチウム含
有遷移金属酸化物である。好ましくはTi、V、Cr、
Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なく
とも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有す
る酸化物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.
3乃至2.2の化合物である。より好ましくは、V、C
r、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1
種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化
物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至
2.2の化合物である。なお主として存在する遷移金属
に対し30モルパーセント未満の範囲でAl、Ga、I
n、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど
を含有していても良い。さらに好ましいリチウム含有遷
移金属酸化物は、Lix CoO2 、Lix NiO2 、L
x MnO2 、Lix Coa Ni 1-a 2 、Lix Co
b 1-b z 、Lix Cob Fe1-b 2 、Lix Mn
24 、Lix Mnc Co2-c 4 、Lix Mnc Ni
2-c 4 、Lix Mnc 2-c 4 、Lix Mnc Fe
2-c 4 (ここでx=0.02〜1.2、a=0.1〜
0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.9
6、z=2.01〜2.3)である。最も好ましいリチ
ウム含有遷移金属酸化物としては、Lix CoO2 、L
xNiO2 、Lix MnO2 、Lix Coa Ni1-a
2 、Lix Mn2 4 、Lix Cob 1-b z (x
=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9
〜0.98、z=2.01〜2.3)があげられる。な
おxの値は充放電開始前の値であり、充放電により増減
する。
【0032】本発明で用いる正極活物質は、リチウム化
合物と遷移金属化合物を混合、焼成する方法や溶液反応
により合成することができるが、特に焼成法が好まし
い。焼成の為の詳細は、特開平6−60、867号の段
落35、特開平7−14,579号等に記載されてお
り、これらの方法を用いることができる。焼成によって
得られた正極活物質は水、酸性水溶液、アルカリ性水溶
液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。更に、遷
移金属酸化物に化学的にリチウムイオンを挿入する方法
としては、リチウム金属、リチウム合金やブチルリチウ
ムと遷移金属酸化物と反応させることにより合成する方
法であっても良い。
【0033】本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイ
ズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好まし
い。0.5〜30μmの粒子の体積が95%以上である
ことが好ましい。粒径3μm以下の粒子群の占める体積
が全体積の18%以下であり、かつ15μm以上25μ
m以下の粒子群の占める体積が、全体積の18%以下で
あることが更に好ましい。比表面積としては特に限定さ
れないが、BET法で0.01〜50m2 /gが好まし
く、特に0.2m2 /g〜1m2 /gが好ましい。また
正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄
み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。
【0034】本発明の正極活物質を焼成によって得る場
合、焼成温度としては500〜1500℃であることが
好ましく、さらに好ましくは700〜1200℃であ
り、特に好ましくは750〜1000℃である。焼成時
間としては4〜30時間が好ましく、さらに好ましくは
6〜20時間であり、特に好ましくは6〜15時間であ
る。
【0035】本発明で用いられる負極材料としては、リ
チウムイオンを吸蔵・放出できる化合物であればよい。
このような負極材料の例としては金属リチウム、リチウ
ム合金、炭素質化合物、無機酸化物、無機カルコゲン化
合物、金属錯体、有機高分子化合物が挙げられる。これ
らは単独でも、組み合わせて用いてもよい。
【0036】本発明においては負極材料として周期表
1、2、13、14、15族原子から選ばれる三種以上
の原子を含む主として非晶質カルコゲン化合物または非
晶質酸化物が特に好ましく用いられる。ここで言う主と
して非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法で2θ値
で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を
有する物であり、結晶性の回折線を有してもよい。好ま
しくは2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性
の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40
°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度
の500倍以下であることが好ましく、さらに好ましく
は100倍以下であり、特に好ましくは5倍以下であ
り、最も好ましくは 結晶性の回折線を有さないことで
ある。
【0037】上記のカルコゲン化合物、酸化物は、B、
Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、
P、As、Sb、Biの中の2種以上の元素を主体とす
る複合カルコゲン化合物、複合酸化物がより好ましい。
特に好ましいのは、B、Al、Si、Ge、Sn、Pの
中の2種以上の元素を主体とする複合カルコゲン化合物
もしくは酸化物である。これらの複合カルコゲン化合
物、複合酸化物は、主として非晶質構造を修飾するため
に周期律表の1族から2族の元素から選ばれた少なくと
も1種の元素を含む。
【0038】上記の負極材料の中で、Snを主体とする
非晶質の複合酸化物が好ましく、次の一般式(3)で表
される。 一般式(3) SnM3 c 4 d t 式中、M3 はAl、B、P、Geの少なくとも1種を、
4 は周期律表第1族元素、第2族元素の少なくとも1
種を表し、cは0.2以上、2以下の数、dは0.01
以上、1以下の数で、0.2<c+d<2、tは1以上
6以下の数を表す。
【0039】本発明の非晶質複合酸化物は、焼成法、溶
液法のいずれの方法も採用することができるが、焼成法
がより好ましい。焼成法では、一般式(1)に記載され
た元素の酸化物あるいは化合物をよく混合した後、焼成
して非晶質複合酸化物を得るのが好ましい。
【0040】焼成条件としては、昇温速度として昇温速
度毎分5℃以上200℃以下であることが好ましく、か
つ焼成温度としては500℃以上1500℃以下である
ことが好ましく、かつ焼成時間としては1時間以上10
0時間以下であることが好ましい。且つ、下降温速度と
しては毎分2℃以上107 ℃以下であることが好まし
い。本発明における昇温速度とは「焼成温度(℃表示)
の50%」から「焼成温度(℃表示)の80%」に達す
るまでの温度上昇の平均速度であり、本発明における降
温速度とは「焼成温度(℃表示)の80%」から「焼成
温度(℃表示)の50%」に達するまでの温度降下の平
均速度である。降温は焼成炉中で冷却してもよくまた焼
成炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却しても
よい。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版1
987)217頁記載のgun法・Hammer−An
vil法・slap法・ガスアトマイズ法・プラズマス
プレー法・遠心急冷法・melt drag法などの超
急冷法を用いることもできる。またニューガラスハンド
ブック(丸善1991)172頁記載の単ローラー法、
双ローラ法を用いて冷却してもよい。焼成中に溶融する
材料の場合には、焼成中に原料を供給しつつ焼成物を連
続的に取り出してもよい。焼成中に溶融する材料の場合
には融液を攪拌することが好ましい。
【0041】焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が
5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性
ガス雰囲気である。不活性ガスとしては例えば窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられ
る。最も好ましい不活性ガスは純アルゴンである。
【0042】本発明で示される化合物の平均粒子サイズ
は0.1〜60μmが好ましい。寄り詳しくは、平均粒
径が0.7〜25μmであり、かつ全体積の60%以上
が0.5〜30μmであることが好ましい。また、本発
明の負極活物質の粒径1μm以下の粒子群の占める体積
は全体積の30%以下であり、かつ粒径20μm以上の
粒子群の占める体積が全体積の25%以下であることが
好ましい。使用する材料の粒径は、負極の片面の合剤厚
みを越えないものであることはいうまでもない。所定の
粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が
用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、
振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋
回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。粉砕時に
は水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿
式粉砕も必要に応じて行うことが出来る。所望の粒径と
するためには分級を行うことが好ましい。分級方法とし
ては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じ
て用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いる
ことができる。平均粒径とは一次粒子のメジアン径のこ
とであり、レーザー回折式の粒度分布測定装置により測
定される。
【0043】本発明の負極材料の例を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。SnAl0.4
0.5 0.5 0.1 3.65、SnAl0.4 0.5 0.5
Na0.2 3.7 、SnAl0.4 0.3 0.5 Rb0.2
3.4 、SnAl0.4 0.5 0.5 Cs0.1 3.65、Sn
Al0.4 0.5 0.5 0.1 Ge0.053.85、SnAl
0.4 0.5 0.5 0.1 Mg0.1 Ge0.023.83、Sn
Al0.4 0.4 0.4 3.2 、SnAl0.30.5
0.2 2.7 、SnAl0.3 0.5 0.2 2.7 、SnA
0.4 0.5 0.3 Ba0.08Mg0.083.26、SnAl
0.4 0.4 0.4 Ba0.083.28、SnAl0.4 0.5
0.53.6 、SnAl0.4 0.5 0.5 Mg0.1 3.7
【0044】SnAl0.5 0.4 0.5 Mg0.1 0.2
3.65、SnB0.5 0.5 Li0.1 Mg0.1 0.2
3.05、SnB0.5 0.5 0.1 Mg0.1 0.2 3.05
SnB0. 5 0.5 0.05Mg0.050.1 3.03、SnB
0.5 0.5 0.05Mg0.1 0.23.03、SnAl0.4
0.5 0.5 Cs0.1 Mg0.1 0.2 3.65、SnB
0.50.5 Cs0.05Mg0.050.1 3.03、SnB0.5
0.5 Mg0.1 0.1 3.05、SnB0.5 0.5 Mg
0.1 0.2 3 、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.063.
07、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.143.03、SnPB
0.083.58、SnPK 0.1 3.55、SnPK0.05Mg
0.053.58、SnPCs0.1 3.55、SnPBa 0.08
0.083.54、SnPK0.1 Mg0.1 0.2 3.55、Sn
PK0.05Mg0.050.1 3.53、SnPCs0.1 Mg
0.1 0.2 3.55、SnPCs0.05Mg0.050.1
3.53
【0045】Sn1.1 Al0.4 0.2 0.6 Ba0.08
0.083.54、Sn1.1 Al0.4 0.20.6 Li0.1
0.1 Ba0.1 0.1 3.65、Sn1.1 Al0.4 0.4
0.4 Ba0.083.34、Sn1.1 Al0.4 PCs0.05
4.23、Sn1.1 Al0.4 PK0.054.23、Sn1. 2 Al
0.5 0.3 0.4 Cs0.2 3.5 、Sn1.2 Al0.4
0.2 0.6 Ba0. 083.68、Sn1.2 Al0.4 0.2
0.6 Ba0.080.083.64、Sn1.2 Al 0.4 0.2
0.6 Mg0.04Ba0.043.68、Sn1.2 Al0.4 0.3
0.5 Ba 0.083.58、Sn1.3 Al0.3 0.3 0.4
Na0.2 3.3 、Sn1.3 Al0.20.4 0.4 Ca
0.2 3.4 、Sn1.3 Al0.4 0.4 0.4 Ba0.2
3.6 、Sn1.4 Al0.4 PK0.2 4.6 、Sn1.4 Al
0.2 Ba0.1 PK0.2 4.45、Sn1.4 Al0.2 Ba
0.2 PK0.2 4.6 、Sn1.4 Al0.4 0.2 PK0.2
Ba0.1 0.2 4.9 、Sn1.4 Al0.4 PK0.3
4.65、Sn1.5 Al0.2 PK 0.2 4.4 、Sn1.5 Al
0.4 PK0.1 4.65、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05
4.63、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05Mg0.1 0.24.63
【0046】SnSi0.5 Al0.1 0.2 0.1 Ca
0.4 3.1 、SnSi0.4 Al0.2 0. 4 2.7 、Sn
Si0.5 Al0.2 0.1 0.1 Mg0.1 2.8 、SnS
0.6 Al0.2 0.2 2.8 、SnSi0.5 Al0.3
0.4 0.2 3.55、SnSi0.5 Al0.3 0.4 0.5
4.30、SnSi0.6 Al0.1 0.1 0.3 3.25、S
nSi0.6 Al0.1 0. 1 0.1 Ba0.2 2.95。Sn
Si0.6 Al0.1 0.1 0.1 Ca0.2 2.95、SnS
0.6 Al0.4 0.2 Mg0.1 3.2 、SnSi0.6
0.1 0.3 0. 1 3.05、SnSi0.6 Al0.2 Mg
0.2 2.7 、SnSi0.6 Al0.2 Ca0. 2 2.7 、S
nSi0.6 Al0.2 0.2 3 、SnSi0.6 0.2
0.2 3 、SnSi0.8 Al0.2 2.9 、SnSi0.8
Al0.3 0.2 0.2 3.85、SnSi0.8 0.2
2.9 、SnSi0.8 Ba0.22.8 、SnSi0.8 Mg
0.2 2.8 、SnSi0.8 Ca0.2 2.8 、SnSi
0.8 0.2 3.1
【0047】Sn0.9 Mn0.3 0.4 0.4 Ca0.1
0.1 2.95、Sn0.9 Fe0.3 0. 4 0.4 Ca0.1
Rb0.1 2.95、Sn0.8 Pb0.2 Ca0.1 0.9
3.35、Sn0.3 Ge0.7 Ba0.1 0.9 3.35、Sn
0.9 Mn0.1 Mg0.1 0.9 3.35、Sn0.2 Mn0.8
Mg0.1 0.9 3.35、Sn0.7 Pb0.3 Ca0.1
0.9 3.35、Sn0.2 Ge0.8 Ba0.1 0.9 3.35
【0048】上記焼成されて得られた化合物の化学式
は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分
光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の重量差から
算出できる。
【0049】本発明で使用される導電剤は、構成された
電池において化学変化を起こさない電子伝導性材料であ
れば何でもよい。具体例としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒
鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、石油コークス、石炭コーク
ス、セルロース類、糖類、メソフェーズピッチ等の高温
焼成体、気相成長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファイト
類、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチ
ェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、
サーマルブラック等のカーボンブラック類、アスファル
トピッチ、コールタール、活性炭、メソフューズピッ
チ、ポリアセン等の炭素材料、金属繊維等の導電性繊維
類、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の金属粉類、酸
化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、酸
化チタン等の導電性金属酸化物等を挙げる事ができる。
これらの中では、グラファイトやカーボンブラックが好
ましい。これらは単独で用いても良いし、混合物として
用いても良い。導電剤の合剤層への添加量は、負極材料
または正極材料に対し6〜50重量%であることが好ま
しく、特に6〜30重量%であることが好ましい。カー
ボンブラックやグラファイトでは、6〜20重量%であ
ることが特に好ましい。
【0050】本発明では電極合剤を保持するために結着
剤を用いる。結着剤の例としては、多糖類、熱可塑性樹
脂及びゴム弾性を有するポリマー等が挙げられる。好ま
しい結着剤としては、でんぷん、カルボキシメチルセル
ロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、アルギン酸Na、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸Na、ポリビニルフェノール、ポリビニ
ルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メ
タ)アクリレート、スチレンーマレイン酸共重合体等の
水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフル
ロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエ
チレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデン
フロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロ
ピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、
スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチ
ルメタアクリレート、2ーエチルヘキシルアクリレート
等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等の
ビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合
体、スチレンーブタジエン共重合体、アクリロニトリル
ーブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴ
ム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステル
ポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポ
リカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテ
ックス)あるいはサスペンジョンを挙げることが出来
る。特にポリアクリル酸エステル系のラテックス、カル
ボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。これらの結着
剤は単独または混合して用いることが出来る。結着剤の
添加量が少ないと電極合剤の保持力・凝集力が弱い。多
すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位重
量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の
添加量は1〜30重量%が好ましく、特に2〜10重量
%が好ましい。
【0051】充填剤は、構成された電池において、化学
変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いること
ができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの
オレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用い
られる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜
30重量%が好ましい。イオン導電剤は、無機及び有機
の固体電解質として知られている物を用いることがで
き、詳細は電解液の項に記載されている。圧力増強剤
は、電池の内圧を上げる化合物であり、炭酸塩が代表例
である。
【0052】本発明で使用できる集電体は正極はアルミ
ニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれ
らの合金であり、負極は銅、ステンレス鋼、ニッケル、
チタン、またはこれらの合金である。集電体の形態は
箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、もしくは
金網である。特に、正極にはアルミニウム箔、負極には
銅箔が好ましい。
【0053】本発明で使用できるセパレータは、イオン
透過度が大きく、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄
膜であれば良く、材質として、オレフィン系ポリマー、
フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミ
ド、ナイロン、ガラス繊維、アルミナ繊維が用いられ、
形態として、不織布、織布、微孔性フィルムが用いられ
る。特に、材質として、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合体、ポリプロ
ピレンとテフロンの混合体、ポリエチレンとテフロンの
混合体が好ましく、形態として微孔性フィルムであるも
のが好ましい。特に、孔径が0.01〜1μm、厚みが
5〜50μmの微孔性フィルムが好ましい。
【0054】電解液は一般に支持塩と溶媒から構成され
る。リチウム二次電池における支持塩はリチウム塩が主
として用いられる。本発明で使用出来るリチウム塩とし
ては、例えば、LiClO4 、LiBF4、LiP
6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiAs
6 、LiSbF6 、LiB10Cl10、低級脂肪族カル
ボン酸リチウム、LiAlCl4 、LiCl、LiB
r、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸
リチウムなどのLi塩を上げることが出来、これらの一
種または二種以上を混合して使用することができる。な
かでもLiBF4 及び/あるいはLiPF6 を溶解した
ものが好ましい。支持塩の濃度は、特に限定されない
が、電解液1リットル当たり0.2〜3モルが好まし
い。
【0055】本発明で使用できる溶媒としては、プロピ
レンカ−ボネ−ト、エチレンカーボネ−ト、ブチレンカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、ギ酸メチル、酢酸メチル、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、ジ
オキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、エチルモノ
グライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、
ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オ
キサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テト
ラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロ
パンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げること
ができ、これらの一種または二種以上を混合して使用す
る。これらのなかでは、カーボネート系の溶媒が好まし
く、環状カーボネートと非環状カーボネートを混合して
用いるのが特に好ましい。環状カーボネートとしてはエ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好まし
い。また、非環状カーボネートとしては、ジエチルカー
ボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボ
ネートをが好ましい。本発明で使用できる電解液として
は、エチレンカーボネート、プロピレンカ−ボネ−ト、
1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネートある
いはジエチルカーボネートを適宜混合した電解液にLi
CF3 SO3 、LiClO4 、LiBF4 および/また
はLiPF6 を含む電解液が好ましい。特にプロピレン
カーボネートもしくはエチレンカーボネートの少なくと
も一方とジメチルカーボネートもしくはジエチルカーボ
ネートの少なくとも一方の混合溶媒に、LiCF3 SO
3 、LiClO4 、もしくはLiBF4 の中から選ばれ
た少なくとも一種の塩とLiPF6 を含む電解液が好ま
しい。これら電解液を電池内に添加する量は特に限定さ
れず、正極材料や負極材料の量や電池のサイズに応じて
用いることができる。
【0056】また、電解液の他に次の様な固体電解質も
併用することができる。固体電解質としては、無機固体
電解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質
には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよ
く知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5
NI2 、Li3 N−LiI−LiOH、Li4 Si
4 、Li4 SiO4 −LiI−LiOH、x Li3
4 −(1-x)Li4 SiO4 、Li2 SiS3 、硫化リン
化合物などが有効である。
【0057】有機固体電解質では、ポリエチレンオキサ
イド誘導体か該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレン
オキサイド誘導体あるいは該誘導体を含むポリマー、イ
オン解離基を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマ
ーと上記非プロトン性電解液の混合物、リン酸エステル
ポリマー、非プロトン性極性溶媒を含有させた高分子マ
トリックス材料が有効である。さらに、ポリアクリロニ
トリルを電解液に添加する方法もある。また、無機と有
機固体電解質を併用する方法も知られている。
【0058】また、放電や充放電特性を改良する目的
で、他の化合物を電解質に添加しても良い。例えば、ピ
リジン、トリエチルフォスファイト、トリエタノールア
ミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライ
ム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、
硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノンと
N, N’−置換イミダリジノン、エチレングリコールジ
アルキルエーテル、第四級アンモニウム塩、ポリエチレ
ングリコ−ル、ピロール、2−メトキシエタノール、A
lCl3、導電性ポリマー電極活物質のモノマー、トリ
エチレンホスホルアミド、トリアルキルホスフィン、モ
ルホリン、カルボニル基を持つアリール化合物、12−
クラウンー4のようなクラウンエーテル類、ヘキサメチ
ルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルホリン、
二環性の三級アミン、オイル、四級ホスホニウム塩、三
級スルホニウム塩などを挙げることができる。
【0059】また、電解液を不燃性にするために含ハロ
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性
をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることがで
きる。
【0060】電解液は、全量を1回で注入してもよい
が、2回以上に分けて注入することが好ましい。2回以
上に分けて注入する場合、それぞれの液は同じ組成で
も、違う組成(例えば、非水溶媒あるいは非水溶媒にリ
チウム塩を溶解した溶液を注入した後、前記溶媒より粘
度の高い非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解
した溶液を注入)でも良い。また、電解液の注入時間の
短縮等のために、電池缶を減圧したり、電池缶に遠心力
や超音波をかけることを行ってもよい。
【0061】本発明で使用できる電池缶および電池蓋は
材質としてニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス
鋼板(SUS304、SUS304L,SUS304
N、SUS316、SUS316L、SUS430、S
US444等)、ニッケルメッキを施したステンレス鋼
板(同上)、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、
チタン、銅であり、形状として、真円形筒状、楕円形筒
状、正方形筒状、長方形筒状である。特に、外装缶が負
極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、ニッケルメッ
キを施した鉄鋼板が好ましく、外装缶が正極端子を兼ね
る場合は、ステンレス鋼板、アルミニウムまたはその合
金が好ましい。電池缶の形状はボタン、コイン、シー
ト、シリンダー、角などのいずれでも良い。電池缶の内
圧上昇の対策として封口板に安全弁を用いることができ
る。この他、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを
いれる方法も利用することが出来る。この他、従来から
知られている種々の安全素子(例えば、過電流防止素子
として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等)を備え
つけても良い。
【0062】本発明で使用するリード板には、電気伝導
性をもつ金属(例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロ
ム、モリブデン、銅、アルミニウム等)やそれらの合金
を用いることが出来る。電池蓋、電池缶、電極シート、
リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の
電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることが
出来る。封口用シール剤は、アスファルト等の従来から
知られている化合物や混合物を用いることが出来る。
【0063】本発明で使用できるガスケットは、材質と
して、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セル
ロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、耐
有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリマ
ーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好まし
い。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合ポ
リマーであることが好ましい。
【0064】本発明の電池は必要に応じて外装材で被覆
される。外装材としては、熱収縮チューブ、粘着テー
プ、金属フィルム、紙、布、塗料、プラスチックケース
等がある。また、外装の少なくとも一部に熱で変色する
部分を設け、使用中の熱履歴がわかるようにしても良
い。
【0065】本発明の電池は必要に応じて複数本を直列
及び/または並列に組み電池パックに収納される。電池
パックには正温度係数抵抗体、温度ヒューズ、ヒューズ
及び/または電流遮断素子等の安全素子の他、安全回路
(各電池及び/または組電池全体の電圧、温度、電流等
をモニターし、必要なら電流を遮断する機能を有す回
路)を設けても良い。また電池パックには、組電池全体
の正極及び負極端子以外に、各電池の正極及び負極端
子、組電池全体及び各電池の温度検出端子、組電池全体
の電流検出端子等を外部端子として設けることもでき
る。また電池パックには、電圧変換回路(DC−DCコ
ンバータ等)を内蔵しても良い。また各電池の接続は、
リード板を溶接することで固定しても良いし、ソケット
等で容易に着脱できるように固定しても良い。さらに
は、電池パックに電池残存容量、充電の有無、使用回数
等の表示機能を設けても良い。
【0066】本発明の電池は様々な機器に使用される。
特に、ビデオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッ
キ、モニター内蔵ムービーカメラ、コンパクトカメラ、
一眼レフカメラ、レンズ付きフィルム、ノート型パソコ
ン、ノート型ワープロ、電子手帳、携帯電話、コードレ
ス電話、ヒゲソリ、電動工具、電動ミキサー、自動車等
に使用されることが好ましい。
【0067】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
【0068】実施例−1 〔正極合剤ペーストの作成〕 正極活物質;LiCoO2(炭酸リチウムと四酸化三コ
バルトと3:2のモル比で混合したものをアルミナるつ
ぼにいれ、空気中、毎分2℃で750℃に昇温し4時間
仮焼した後、さらに毎分2℃の速度で900℃に昇温し
その温度で8時間焼成し解砕したもの。中心粒子サイズ
5μm、洗浄品50gを100mlの水に分散した時の
分散液の電導度は0.6mS/m、pHは10.1、窒
素吸着法による比表面積は0.42m2 /g)を200
gとアセチレンブラック10gとを、ホモジナイザーで
混合し、続いて結着剤として2−エチルヘキシルアクリ
レートとアクリル酸とアクリロニトリルの共重合体の水
分散物(固形分濃度50重量%)を8g、濃度2重量%
のカルボキシメチルセルロース水溶液を60gを加え混
練混合し、さらに水を50gを加え、ホモジナイザーで
攪拌混合し、正極合剤ペーストを作成した。
【0069】〔負極合剤ペーストの作成〕 負極活物質;SnGe0.1 0.5 0.58Mg0.1 0.1
3.35(一酸化錫6.7g、ピロリン酸錫10.3g、
三酸化二硼素1.7g、炭酸カリウム0.7g、酸化マ
グネシウム0.4g、二酸化ゲルマニウム1.0gを乾
式混合し、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下
15℃/分で1000℃まで昇温し、1100℃で12
時間焼成した後、10℃/分で室温にまで降温し焼成炉
より取り出したものを集め、ジェットミルで粉砕したも
の、平均粒径4.5μm、CuKα線を用いたX線回折
法において2θ値で28°付近に頂点を有するブロード
なピークを有する物であり、2θ値で40°以上70°
以下には結晶性の回折線は見られなかった。)を200
g、導電剤(人造黒鉛)30gとホモジナイザーで混合
し、さらに結着剤として濃度2重量%のカルボキシメチ
ルセルロース水溶液50g、ポリフッ化ビニリデン10
gとを加え混合したものと水を30g加えさらに混練混
合し、負極合剤ペーストを作成した。
【0070】〔正極および負極電極シートの作成〕上記
で作成した正極合剤ペーストをブレードコーターで厚さ
30μmのアルミニウム箔集電体の両面に、塗布量40
0g/m2 、圧縮後のシートの厚みが280μmになる
ように塗布し、乾燥した後、ローラープレス機で圧縮成
型し所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作成し
た。さらにドライボックス(露点;−50℃以下の乾燥
空気)中で遠赤外線ヒーターにて充分脱水乾燥し、正極
シートを作成した。同様に、負極合剤ペーストを20μ
mの銅箔集電体に塗布し、上記正極シート作成と同様の
方法で、塗布量70g/m2 、圧縮後のシートの厚みが
90μmである負極シートを作成した。 〔電解液調製〕アルゴン雰囲気で、200ccの細口の
ポリプロピレン容器に65.3gの炭酸ジエチルをい
れ、これに液温が30℃を越えないように注意しなが
ら、22.2gの炭酸エチレンを少量ずつ溶解した。次
に、0.4gのLiBF4 ,12.1gのLiPF6
液温が30℃を越えないように注意しながら、それぞれ
順番に、上記ポリプロピレン容器に少量ずつ溶解した。
得られた電解液は比重1.135で無色透明の液体であ
った。水分は18ppm(京都電子製 商品名MKC−
210型カールフィシャー水分測定装置で測定)、遊離
酸分は24ppm(ブロムチモールブルーを指示薬と
し、0.1規定NaOH水溶液を用いて中和滴定して測
定)であった。さらにこの電解液に表2に記載の化合物
を所定濃度になるようにそれぞれ溶解させ電解液1から
16を調製した。
【0071】
【表2】
【0072】〔シリンダー電池の作成〕正極シート、微
孔性ポリプロピレンフィルム製セパレーター、負極シー
トおよびセパレーターの順に積層し、これを渦巻き状に
巻回した。この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッ
キを施した鉄製の有底円筒型電池缶に収納したものを1
2個用意した。各々の電池缶内に電解液1から16をそ
れぞれ注入し、正極端子を有する電池蓋をガスケットを
介してかしめて円筒型電池(1−1から1−16)を作
成した。
【0073】実施例−2 負極活物質として黒鉛粉末を用いる以外は実施例−1と
同様の方法で円筒型電池(電池番号2−1から2−1
2)を作成した。
【0074】上記の方法で作成した電池について、電流
密度4.9mA/cm2 、充電終止電圧4.1V、放電
終止電圧2.8Vの条件で充放電を繰り返し、各サイク
ルにおける放電容量を求めた。表3、および表4にはそ
れぞれの電池の相対容量(1サイクルめの放電容量を電
池1−12の値で規格化)、およびサイクル性(1サイ
クルめの放電容量に対する300サイクルめの放電容量
の割合)を示した。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】本発明の添加剤を添加した場合、スズ系負
極、炭素系負極のいずれの場合でも容量の低下を引き起
こす事なくサイクル性を向上する事がわかる。一方比較
化合物A、BおよびCを添加した場合はサイクル性は向
上するものの無視できない程度の容量低下がみられる。
比較化合物Dを添加した場合は容量低下はないものの、
サイクル性改良効果が小さい。よって本発明の化合物を
用いた方が有利である。また、本発明の添加剤を用いな
い時、スズ系負極を使用した電池は炭素系負極を使用し
た電池よりも容量が高いがサイクル性が悪い。しかし本
発明の化合物を用いるとスズ系負極を使用した電池は炭
素負極に対し容量が大きくサイクル性は劣っていない。
よって本発明の化合物とスズ系負極を組み合わせるのが
最も有利である。本発明の化合物の添加量の効果を見る
と添加濃度が0.01モル/リットルの場合が容量、サ
イクル性のいずれをとっても好ましい。
【0078】
【発明の効果】本発明の添加剤を用いれば容量が高く、
充放電繰り返しによる放電容量の低下の少ない非水電解
液二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用したシリンダー型電池の断面図を
示す。
【符合の説明】
1 ポリプロピレン製ガスケット 2 負極端子を兼ねる負極缶(電池缶) 3 セパレーター 4 負極シート 5 正極シート 6 非水電解液 7 防爆弁体 8 正極端子を兼ねる正極キャップ 9 PTC素子 10 内部フタ体 11 リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石塚 弘 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極、リチウム塩を含む非水電解
    液からなる非水電解質二次電池において、電池内に酸化
    電位がリチウムに対して+3.8V以上、+4.3V以
    下の範囲にある化合物を含有させることを特徴とする非
    水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 酸化電位がリチウムに対して+3.8V
    以上、+4.3V以下の範囲にある該化合物が下記一般
    式(1)で表される化合物である事を特徴とする請求項
    1に記載の非水電解液二次電池。 一般式(1) R1−X−R2 一般式(1)においてR1はアリール基もしくは複素環
    残基を、R2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル
    基、アラルキル基、アリール基、もしくは複素環残基
    を、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。ただし、Xが
    酸素原子の場合R1は電子供与基で置換したアリール基
    である。R1およびR2は互いに結合して環を形成して
    も良い。
  3. 【請求項3】 請求項2の一般式(1)で表される化合
    物が下記一般式(2)で表される化合物である事を特徴
    とする請求項2に記載の非水電解液二次電池。 一般式(2) R21−(X−R22)n 一般式(2)においてR21は芳香族炭化水素から任意
    の2ないし6個の水素原子を除いた2乃至6価残基を、
    R22は一般式(1)におけるR2と同義の基を、Xは
    酸素原子または硫黄原子を、nはR21に対応した2か
    ら6の整数を表す。R21に結合した二つのX−R22
    が互いに結合して環を形成しても良い。
  4. 【請求項4】 リチウム塩を含む非水電解液が、酸化電
    位がリチウムに対して+3.8V以上、+4.3V以下
    の範囲にある該化合物を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の非水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 非水電解液が含有する、酸化電位がリチ
    ウムに対して+3.8V以上、+4.3V以下の範囲に
    ある該化合物の量が0.1ミリモル以上50ミリモル以
    下であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解液
    二次電池。
  6. 【請求項6】 負極がリチウムイオンを吸蔵・放出可能
    な負極材料を有し、該負極材料が、周期表1,2,1
    3,14,15族原子から選ばれる三種以上の原子を含
    む主として非晶質カルコゲン化合物または非晶質酸化物
    である事を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に
    記載の非水電解液二次電池。
  7. 【請求項7】 リチウムイオンを吸蔵・放出可能な該負
    極材料がSnを主体とする主として非晶質のカルコゲン
    化合物もしくは酸化物である事を特徴とする請求項6に
    記載の非水電解液二次電池。
  8. 【請求項8】 Snを主体とする負極材料が一般式
    (3)で示される非晶質酸化物であることを特徴とする
    請求項7に記載の非水電解液二次電池。 一般式(3) SnM3 c 4 dt (式中、M3 は、Al、B、P、Ge、Siから選ばれ
    る少なくとも一種以上の元素、M4 は周期律表第1族元
    素、第2族元素、第3族元素、ハロゲン元素から選ばれ
    る少なくとも一種以上の元素を表し、cは0.2以上2
    以下の数字、dは0.01以上1以下の数字で0.2<
    c+d<2、tは1以上6以下の数字を表す。)
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