JP4569129B2 - リチウム二次電池用非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用非水系電解液及びリチウム二次電池に関する。具体的には、正極における溶媒の酸化分解を抑制し、特に高温保存時のガス発生を低減することが可能なリチウム二次電池用非水系電解液と、それを用いたリチウム二次電池に関する。
近年の電気製品の軽量化・小型化に伴い、高いエネルギー密度を持つリチウム二次電池の開発が進められている。また、リチウム二次電池の適用分野の拡大に伴い、電池特性の改善も要望されている。
リチウム二次電池の負極材料(負極活物質)としては、金属リチウムやリチウム合金、又はリチウムイオンを吸蔵・放出できる物質が用いられている。特に後者の、負極材料としてリチウムイオンを吸蔵・放出できる物質を用いたリチウム二次電池では、炭素質材料が広く用いられているが、炭素質材料からなる負極表面で溶媒が還元分解し、分解生成物が負極表面上に堆積、負極材料のリチウムカチオンの吸収・放出を阻害するという課題がある。この課題を改善するために、種々の添加剤を含有させた電解液が提案されている。これらの添加剤が、負極表面で還元分解されて被膜を形成し、この被膜により溶媒の分解が抑制され、負極材料のリチウムカチオンの吸収・放出が改善される。
一方、リチウム二次電池の正極としては、LiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO2等のリチウムマンガン複合酸化物が用いられている。このような正極材料を使用するリチウム二次電池においては、正極表面では溶媒が分解して、酸化分解生成物が堆積、正極材のリチウムカチオンの吸収を阻害し放電負荷特性が低下する、あるいは分解ガスにより電池が膨れるという課題があった。
そこで、正極におけるこうした溶媒の酸化分解を抑制し、リチウム二次電池の特性を向上させる目的で、電解質を非水溶媒に溶解させた通常の非水系電解液に対し、正極で作用すると考えられる種々の添加剤を含有させることが提案されている。
具体的に、特許文献1には、メチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド等の芳香族スルフィドを添加することで、芳香族スルフィドが正極上で犠牲酸化され、酸化生成物が負極に拡散及び還元されて、元のスルフィド体に戻るという反応を繰り返すことにより、溶媒の酸化分解が抑制され、保存特性、充放電サイクル特性等を改善することが記載されている。
特許文献2には、アリール基又は複素環基を置換基として有するスルフィド化合物を添加することで、正極表面上で発生する活性酸素等の強酸化性化学種に、スルフィド化合物が優先的に反応し、溶媒の酸化分解を抑制することで、充放電繰り返しによる放電容量の低下を抑制することが記載されている。更に、酸化体の一部は正極上に付着し、放電時に還元されて元に戻り、また一部は負極に拡散されることも記載されている。
特開平7−320779号公報 特開平10−64591号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、芳香族スルフィドの酸化反応と溶媒の酸化反応とが競争反応になってしまうため、溶媒の酸化分解を充分に抑制することができないという課題があった。
また、特許文献2に記載の技術でも、やはりスルフィド化合物の酸化反応と溶媒の酸化反応とが競争反応になり、更に放電時に酸化体が元に戻ることで初めの状態に戻るため、溶媒の酸化分解を抑制する効果が不十分であるという課題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものである。即ち、本発明は、正極における溶媒の酸化分解を抑制し、特に高温保存時のガス発生を低減することが可能な、リチウム二次電池用非水系電解液を提供するとともに、それを用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、特定の位置に不飽和結合を有するスルフィド化合物を非水系電解液に含有させることによって、正極における溶媒の酸化分解を効果的に抑制することが可能となり、上記目的を効果的に解決できることを見出して、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な材料を正極に有するリチウム二次電池に用いられ、電解質が非水溶媒に溶解されたリチウム二次電池用非水系電解液において、下記一般式(Ia)、又は(Ib)で表わされ、分子量が70以上、1000以下であるスルフィド化合物を、非水系電解液全体に対して0.01重量%以上、2重量%以下の濃度で含有することを特徴とする、リチウム二次電池用非水系電解液に存する。
Figure 0004569129
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(一般式(Ia)〜(I)中、R11、R12は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルケニル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキニル基を表わし、R21 22 、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルケニル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキニル基を表わす
23は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキレン基、又該アルキレン基とエーテル結合とが結合した二価の基を表わす
但し、R 11、R12、R21、R22 23 何れも、硫黄原子、或いは酸素原子を有する場合の酸素原子に隣接する炭素原子は不飽和結合を有さないものとする。
xは、1を表わす。
nは、1〜5の整数を表わす。nが2以上の場合、複数のR23は互いに同一でもよく、異なっていてもよい
また、本発明の別の要旨は、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極及び正極と、電解質が非水溶媒に溶解された非水系電解液とを備えたリチウム二次電池において、該非水系電解液が、上述のリチウム二次電池用非水系電解液であることを特徴とする、リチウム二次電池に存する。
本発明のリチウム二次電池用非水系電解液によれば、正極における溶媒の酸化分解を効果的に抑制することができ、特に高温保存時のガス発生を低減することが可能となる。よって、これを用いてリチウム二次電池を作製することにより、高温保存時のガス発生が少なく、保存特性等に優れたリチウム二次電池が実現される。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
[1.リチウム二次電池用非水系電解液]
本発明のリチウム二次電池用非水系電解液(以下、適宜「本発明の電解液」等と略称する。)は、電解質を非水溶媒に溶解させた非水系電解液に、以下の一般式(I)で表わされるスルフィド化合物(以下、適宜「本発明におけるスルフィド化合物」等と略称する。)、及び、以下の一般式(II)で表わされるアミン化合物(以下、適宜「本発明におけるアミン化合物」等と略称する。)からなる群のうち、少なくとも一種の化合物を含有させたことを特徴とする。
〔スルフィド化合物〕
本発明におけるスルフィド化合物は、下記一般式(I)で表わされる化合物である。
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1は、エーテル結合及び/又は複素環を含んでいてもよい、一価の炭化水素基を表わす。
炭化水素基としては、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族のいずれでもよく、脂肪族炭化水素の場合、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。また、これらの組み合わせでも良い。炭化水素基の具体例については後述する。
また、複素環の種類も特に制限されない。具体的には、ヘテロ原子の種類、環の数や各環の員数等、何れも限定されるものではないが、窒素,酸素,硫黄などをヘテロ原子として含む5又は6員環の単環、或いは2又は3環からなる縮合環が好ましい。具体例としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チオオキサゾール、チオイソオキサゾール、1,3,4−チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンツイミダゾール、ベンゾチアゾール、プリン、キノリン、イソキノリンなどが挙げられる。
1としては、炭化水素基単独からなる場合と、炭化水素基がエーテル結合及び/又は複素環と結合してなる場合とが挙げられるが、何れであっても良い。また、後者の場合には、単一の炭化水素基がエーテル結合及び/又は複素環と結合した形態と、複数の炭化水素基がエーテル結合及び/又は複素環により連結された形態とが考えられるが、何れであっても良い。
2は、スルフィド結合、ジスルフィド結合、アミノ基、エーテル結合及び複素環のうち一種又は二種以上を含んでいてもよい、一価の炭化水素基を表わす。
炭化水素基及び複素環としては、上に説明したものと同様のものが挙げられる。
2としては、炭化水素基単独からなる場合と、炭化水素基がスルフィド結合、ジスルフィド結合、アミノ基、エーテル結合及び複素環のうち、一種又は二種以上としてなる場合とが挙げられるが、何れであっても良い。また、後者の場合には、単一の炭化水素基がスルフィド結合、ジスルフィド結合、アミノ基、エーテル結合又は複素環と結合した形態と、複数の炭化水素基が一種又は二種以上のスルフィド結合、ジスルフィド結合、アミノ基、エーテル結合及び/又は複素環により連結された形態とが考えられるが、何れであっても良い。
なお、R1及びR2の炭化水素基は、何れも他の置換基によって置換されていてもよい。置換基の種類は、本発明の趣旨に反する虞のないものであれば、特に制限されない。なお、本明細書において「本発明の趣旨に反する」とは、例えば、本発明におけるスルフィド化合物やアミン化合物による正極での溶媒の酸化分解の防止作用を大きく損なったり、本発明の非水系電解液やリチウム二次電池の特性に極めて好ましくない影響を及ぼしたりすることをいう。置換基の例としては、ハロゲン原子等が挙げられる。ハロゲン原子の具体例としては、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素が挙げられるが、中でもフッ素又は塩素が好ましく、更にはフッ素が好ましい。
更に、R1及びR2は、互いに結合して環を形成していてもよい。
ここで、R1は、少なくとも一つの不飽和結合を有する。本発明におけるスルフィド化合物は正極上で酸化反応を生じ、この不飽和結合の存在によって、正極上の一部或いは全面に被膜を形成する。これによって、正極における溶媒の酸化分解が効果的に抑制され、特に高温保存時のガス発生を低減することが可能となる。
本発明におけるスルフィド化合物の詳しい作用メカニズムは定かではないが、スルフィド化合物の硫黄原子が正極上で電気化学的に酸化され、発生したラジカルにR1の不飽和結合が付加することで重合反応が開始され、正極上に安定な被膜が生成するものと考えられる。
1が有する不飽和結合の数は特に制限されず、一つでも複数でも良い。また、不飽和結合の位置も特に制限されないが、推測される上述の作用メカニズムより、R1の末端に不飽和結合が存在することが好ましい。
なお、勿論、R1に加えてR2が不飽和結合を有していても良い。この場合、R1の有する不飽和結合に加えて、R2の有する不飽和結合が上述の重合反応に関与するものと考えられる。
但し、R1,R2ともに、硫黄原子、窒素原子及び酸素原子の何れかに隣接する位置には不飽和結合を有さないものとする。これらの位置に存在する不飽和結合は反応性が高く、正極上で反応する前に重合あるいは結合開裂などの反応を起こし易いので、本発明の目的から好ましくないからである。
xは、1又は2を表わす。
なお、本発明におけるスルフィド化合物全体の硫黄原子の数は特に制限されないが、製造時の原料の入手性を考えると、通常6以下、好ましくは4以下の範囲である。
本発明におけるスルフィド化合物の分子量は、通常70以上、好ましくは110以上、また、通常1000以下、好ましくは500以下の範囲である。この範囲の下限を下回ると、正極表面に充分な被膜が形成されず、高温保存時のガス発生量の抑制効果や、電池の放電負荷特性の改善効果が得難くなる。一方、この範囲の上限を上回ると、溶解性が低下するために、やはり高温保存時のガス発生量の抑制効果や、電池の放電負荷特性の改善効果が得難くなる。
一般式(I)のスルフィド化合物の中でも、本発明では特に、下記の一般式(Ia)、一般式(Ib)及び一般式(Ic)で表わされるスルフィド化合物が好ましい。
Figure 0004569129
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一般式(Ia)〜(Ic)中、R11、R12、R21、R22、R31は、それぞれ独立に、エーテル結合及び/又は複素環を含んでいてもよい一価の炭化水素基を表わす。
また、R23は、エーテル結合及び/又は複素環を含んでいてもよい二価の炭化水素基を表わし、R32は、エーテル結合及び/又は複素環を含んでいてもよいm価の炭化水素基を表わす。
nは、通常1以上、また、通常5以下、好ましくは3以下の整数を表わす。nが2以上の場合、R23は複数存在することになるが、これらは互いに同一でもよく、異なっていても良い。
mは、通常3以上、また、通常5以下、好ましくは4以下の整数を表わす。mの数に応じて、R31は3〜5個存在することになるが、これらは互いに同一でもよく、異なっていても良い。
xは、1又は2を表わす。
ここで、各一般式に対応する以下の組(即ち、一価の基からなる組)を考えた場合に、各組に含まれる基のうち、少なくともいずれか1つの基が、少なくとも1つの不飽和結合を有する。このように、スルフィド基の硫黄原子に結合する一価の基が不飽和結合を有することによって、本発明におけるスルフィド化合物は正極上で効率的に被膜を形成することが可能となる。
・一般式(Ia)・・・R11、R12
・一般式(Ib)・・・R21、R22
・一般式(Ic)・・・(3〜5個の)R31
中でも、正極上に被膜をより効率的に形成する観点からは、上の各組に含まれる基の末端に不飽和結合が存在することが好ましく、また、上の各組に含まれる全ての基が不飽和結合を有することが好ましい。更には、スルフィド化合物を製造する際の効率の観点から、各組の全ての基が同一の基であることが好ましい。
但し、R11、R12、R21、R22、R23、R31、R32の何れも、硫黄原子、窒素原子及び酸素原子の何れかに隣接する位置には不飽和結合を有さないものとする。上述のように、これらの位置に存在する不飽和結合は反応性が高く、正極上で反応する前に重合、結合の開裂などの反応を起こし易いので、本発明の目的から好ましくないからである。
11,R12、R21,R22、R31が不飽和結合を有する基である場合、その例としては、アルケニル基、アルキニル基等の不飽和炭化水素基、及び、これらの不飽和炭化水素基とエーテル基及び/又は複素環とが結合してなる基が挙げられる。
アルケニル基の場合、その炭素数は通常1以上、6以下である。具体例としては、アリル基、メタリル基、1−メチルアリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などが挙げられる。これらの中でも、アリル基、メタリル基、1−メチルアリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基が好ましく、更には、アリル基、メタリル基、1−メチルアリル基、3−ブテニル基が特に好ましい。
アルキニル基の場合、その炭素数は通常1以上、6以下である。具体例としては、プロパギル基、1−メチルプロパギル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、2−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基などが挙げられる。これらの中でも、プロパギル基、1−メチルプロパギル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基が好ましく、更には、プロパギル基が特に好ましい。
これらの中でも、不飽和結合が末端にあるアルケニル基、アルキニル基が好ましい。具体的には、アリル基、メタリル基、1−メチルアリル基、プロパギル基が特に好ましい。
また、R11,R12、R21,R22、R31が不飽和結合を有さない基である場合、その例としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基、及び、これらの炭化水素基とエーテル基及び/又は複素環とが結合してなる基が挙げられる。
アルキル基の場合、その炭素数は通常1以上、6以下である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、アミル基、sec−アミル基、tert−アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基が好ましい。
アリール基の場合、その炭素数は通常6以上、12以下である。具体例としては、フェニル基、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−フェニルフェニル基、m−フェニルフェニル基、p−フェニルフェニル基、o−シクロヘキシルフェニル基、m−シクロヘキシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが挙げられる。これらの中でも、フェニル基、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基o−フルオロフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、o−フェニルフェニル基、p−フェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましく、更には、フェニル基、p−フルオロフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、2−ナフチル基が特に好ましい。
アラルキル基の場合、その炭素数は通常6以上、12以下である。具体例としては、ベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、o−フルオロベンジル基、m−フルオロベンジル基、p−フルオロベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、クミル基などが挙げられる。これらの中でも、ベンジル基、2−フェニルエチル基が好ましい。
また、エーテル結合を含む炭化水素基の場合、その炭素数は通常3以上、10以下であり、また、その酸素数は通常1以上、3以下である。具体例としては、2−メトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−((2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基、2−エトキシエチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−((2−エトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基、2−プロポキシエチル基、2−(2−プロポキシエトキシ)エチル基、2−((2−プロポキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基、2−ブトキシエチル基、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル基、2−((2−ブトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基、4−メトキシブチル基、4−(2−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(4−メトキシブトキシ)ブチル基、4−ブトキシブチル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基などが挙げられる。これらの中でも、2−メトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル基、p−メトキシベンジル基が好ましい。
また、複素環を含む炭化水素基の場合、その炭素数は通常1以上、12以下であり、また、そのヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子、窒素原子)の数は、通常1以上、5以下である。
一方、 23 として好ましい二価の炭化水素基の例としては、アルキレン基、不飽和結合を含む炭化水素基、芳香環を含む炭化水素基、エーテル結合を含む炭化水素基、複素環を含む炭化水素基が挙げられる。
アルキレン基の場合、その炭素数は通常1以上、10以下である。具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基などが挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。
不飽和結合を含む二価の炭化水素基の場合、その炭素数は通常2以上、10以下である。具体例としては、アセチレン基、2−ブテン−1,4−ジイル(シス体又はトランス体)基、2−ブチン−1,4−ジイル基、1−ブチン−1,4−ジイル基などが挙げられる。これらの中でも、2−ブテン−1,4−ジイル(シス体又はトランス体)基、2−ブチン−1,4−ジイル基が好ましい。
芳香環を含む二価の炭化水素基の場合、その炭素数は、通常2以上、10以下である。具体例としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、o−キシリレン基、m−キシリレン基、p−キシリレン基などが挙げられる。これらの中でも、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、o−キシリレン基、m−キシリレン基、p−キシリレン基が好ましい。
エーテル結合を含む二価の炭化水素基の場合、その具体例としては、3−オキサペンタメチレン、3,6−ジオキサオクタメチレン、3,6,9−トリオキサウンデカメチレンなどが挙げられる。
また、R32として好ましい基の例としては、上に例示した各種の炭化水素基(エーテル結合や複素環を有するものも含む)から任意の水素原子を省くことにより得られるm価の基が挙げられる。
一般式(Ia)のスルフィド化合物のうち、x=1である化合物の好ましい例としては、対称スルフィド類、アルキニル・アルケニルスルフィド類、アルケニル・アルキルスルフィド類、アルキニル・アルキルスルフィド類、アルケニル・アリールスルフィド類、アルキニル・アリールスルフィド類、アルケニル・アラルキルスルフィド類、アルキニル・アラルキルスルフィド類、エーテル結合を含む炭化水素基を有するアルケニルスルフィド類、エーテル結合を含む炭化水素基を有するアルキニルスルフィド類、アルケニル又はアルキニル基をもつ環状スルフィド類などが挙げられる。
対称スルフィド類の具体例としては、ジアリルスルフィド、ジメタリルスルフィド、ジ(1−メチルアリル)スルフィド、ジ(3−ブテニル)スルフィド、ジ(4−ペンテニル)スルフィド、ジ(5−ヘキセニル)スルフィド、ジプロパギルスルフィド、ジ(1−メチルプロパギル)スルフィド、ジ(3−ブチニル)スルフィド、ジ(4−ペンチニル)スルフィド、ジ(5−ヘキシニル)スルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、ジアリルスルフィド、ジ(3−ブテニル)スルフィド、ジ(4−ペンテニル)スルフィド、ジ(5−ヘキセニル)スルフィド、ジプロパギルスルフィドなどが好ましい。
アルキニル・アルケニルスルフィド類の具体例としては、(プロパギル)アリルスルフィド、(1−メチルプロパギル)アリルスルフィド、(3−ブチニル)アリルスルフィド、(4−ペンチニル)アリルスルフィド、(5−ヘキシニル)アリルスルフィド、(プロパギル)メタリルスルフィド、(1−メチルプロパギル)メタリルスルフィド、(3−ブチニル)メタリルスルフィド、(4−ペンチニル)メタリルスルフィド、(5−ヘキシニル)メタリルスルフィド、(プロパギル)1−メチルアリルスルフィド、(1−メチルプロパギル)1−メチルアリルスルフィド、(3−ブチニル)1−メチルアリルスルフィド、(4−ペンチニル)1−メチルアリルスルフィド、(5−ヘキシニル)1−メチルアリルスルフィド、(プロパギル)3−ブテニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)3−ブテニルスルフィド、(3−ブチニル)3−ブテニルスルフィド、(4−ペンチニル)3−ブテニルスルフィド、(5−ヘキシニル)3−ブテニルスルフィド、(プロパギル)4−ペンテニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)4−ペンテニルスルフィド、(3−ブチニル)4−ペンテニルスルフィド、(4−ペンチニル)4−ペンテニルスルフィド、(5−ヘキシニル)4−ペンテニルスルフィド、(プロパギル)5−ヘキセニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)5−ヘキセニルスルフィド、(3−ブチニル)5−ヘキセニルスルフィド、(4−ペンチニル)5−ヘキセニルスルフィド、(5−ヘキシニル)5−ヘキセニルスルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、(プロパギル)アリルスルフィド、(プロパギル)3−ブテニルスルフィド、(プロパギル)4−ペンテニルスルフィド、(プロパギル)5−ヘキセニルスルフィドなどのプロパギル・アルケニルスルフィド類が好ましい。
アルケニル・アルキルスルフィド類の具体例としては、(アリル)メチルスルフィド、(メタリル)メチルスルフィド、(1−メチルアリル)メチルスルフィド、(3−ブテニル)メチルスルフィド、(4−ペンテニル)メチルスルフィド、(5−ヘキセニル)メチルスルフィド、(アリル)エチルスルフィド、(メタリル)エチルスルフィド、(1−メチルアリル)エチルスルフィド、(3−ブテニル)エチルスルフィド、(4−ペンテニル)エチルスルフィド、(5−ヘキセニル)エチルスルフィド、(アリル)プロピルスルフィド、(メタリル)プロピルスルフィド、(1−メチルアリル)プロピルスルフィド、(3−ブテニル)プロピルスルフィド、(4−ペンテニル)プロピルスルフィド、(5−ヘキセニル)プロピルスルフィド、(アリル)ブチルスルフィド、(メタリル)ブチルスルフィド、(1−メチルアリル)ブチルスルフィド、(3−ブテニル)ブチルスルフィド、(4−ペンテニル)ブチルスルフィド、(5−ヘキセニル)ブチルスルフィド、(アリル)アミルスルフィド、(メタリル)アミルスルフィド、(1−メチルアリル)アミルスルフィド、(3−ブテニル)アミルスルフィド、(4−ペンテニル)アミルスルフィド、(5−ヘキセニル)アミルスルフィド、(アリル)ヘキシルスルフィド、(メタリル)ヘキシルスルフィド、(1−メチルアリル)ヘキシルスルフィド、(3−ブテニル)ヘキシルスルフィド、(4−ペンテニル)ヘキシルスルフィド、(5−ヘキセニル)ヘキシルスルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、(アリル)メチルスルフィド、(アリル)エチルスルフィド、(アリル)プロピルスルフィド、(アリル)アミルスルフィド、(アリル)ヘキシルスルフィドなどのアリル・アルキルスルフィド類が好ましい。
アルキニル・アルキルスルフィド類の具体例としては、(プロパギル)メチルスルフィド、(1−メチルプロパギル)メチルスルフィド、(3−ブチニル)メチルスルフィド、(4−ペンチニル)メチルスルフィド、(5−ヘキシニル)メチルスルフィド、(プロパギル)エチルスルフィド、(1−メチルプロパギル)エチルスルフィド、(3−ブチニル)エチルスルフィド、(4−ペンチニル)エチルスルフィド、(5−ヘキシニル)エチルスルフィド、(プロパギル)プロピルスルフィド、(1−メチルプロパギル)プロピルスルフィド、(3−ブチニル)プロピルスルフィド、(4−ペンチニル)プロピルスルフィド、(5−ヘキシニル)プロピルスルフィド、(プロパギル)ブチルスルフィド、(1−メチルプロパギル)ブチルスルフィド、(3−ブチニル)ブチルスルフィド、(4−ペンチニル)ブチルスルフィド、(5−ヘキシニル)ブチルスルフィド、(プロパギル)アミルスルフィド、(1−メチルプロパギル)アミルスルフィド、(3−ブチニル)アミルスルフィド、(4−ペンチニル)アミルスルフィド、(5−ヘキシニル)アミルスルフィド、(プロパギル)ヘキシルスルフィド、(1−メチルプロパギル)ヘキシルスルフィド、(3−ブチニル)ヘキシルスルフィド、(4−ペンチニル)ヘキシルスルフィド、(5−ヘキシニル)ヘキシルスルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、(プロパギル)メチルスルフィド、(プロパギル)エチルスルフィド、(プロパギル)プロピルスルフィド、(プロパギル)アミルスルフィド、(プロパギル)ヘキシルスルフィドなどのプロパギル・アルキルスルフィド類が好ましい。
アルケニル・アリールスルフィド類の具体例としては、(アリル)フェニルスルフィド、(メタリル)フェニルスルフィド、(1−メチルアリル)フェニルスルフィド、(3−ブテニル)フェニルスルフィド、(4−ペンテニル)フェニルスルフィド、(5−ヘキセニル)フェニルスルフィド、(アリル)o−フルオロフェニルスルフィド、(メタリル)o−フルオロフェニルスルフィド、(1−メチルアリル)o−フルオロフェニルスルフィド、(3−ブテニル)o−フルオロフェニルスルフィド、(4−ペンテニル)o−フルオロフェニルスルフィド、(5−ヘキセニル)o−フルオロフェニルスルフィド、(アリル)m−フルオロフェニルスルフィド、(メタリル)m−フルオロフェニルスルフィド、(1−メチルアリル)m−フルオロフェニルスルフィド、(3−ブテニル)m−フルオロフェニルスルフィド、(4−ペンテニル)m−フルオロフェニルスルフィド、(5−ヘキセニル)m−フルオロフェニルスルフィド、(アリル)p−フルオロフェニルスルフィド、(メタリル)p−フルオロフェニルスルフィド、(1−メチルアリル)p−フルオロフェニルスルフィド、(3−ブテニル)p−フルオロフェニルスルフィド、(4−ペンテニル)p−フルオロフェニルスルフィド、(5−ヘキセニル)p−フルオロフェニルスルフィド、(アリル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(メタリル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(1−メチルアリル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(3−ブテニル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(4−ペンテニル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(5−ヘキセニル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(アリル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(メタリル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(1−メチルアリル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(3−ブテニル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(4−ペンテニル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(5−ヘキセニル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(アリル)o−フェニルフェニルスルフィド、(メタリル)o−フェニルフェニルスルフィド、(1−メチルアリル)o−フェニルフェニルスルフィド、(3−ブテニル)o−フェニルフェニルスルフィド、(4−ペンテニル)o−フェニルフェニルスルフィド、(5−ヘキセニル)o−フェニルフェニルスルフィド、(アリル)p−フェニルフェニルスルフィド、(メタリル)p−フェニルフェニルスルフィド、(1−メチルアリル)p−フェニルフェニルスルフィド、(3−ブテニル)p−フェニルフェニルスルフィド、(4−ペンテニル)p−フェニルフェニルスルフィド、(5−ヘキセニル)p−フェニルフェニルスルフィド、(アリル)1−ナフチルスルフィド、(メタリル)1−ナフチルスルフィド、(1−メチルアリル)1−ナフチルスルフィド、(3−ブテニル)1−ナフチルスルフィド、(4−ペンテニル)1−ナフチルスルフィド、(5−ヘキセニル)1−ナフチルスルフィド、(アリル)2−ナフチルスルフィド、(メタリル)1−ナフチルスルフィド、(1−メチルアリル)2−ナフチルスルフィド、(3−ブテニル)2−ナフチルスルフィド、(4−ペンテニル)2−ナフチルスルフィド、(5−ヘキセニル)2−ナフチルスルフィド、2−アリルチオアニソール、3−アリルチオアニソール、4−アリルチオアニソール、2−アリルチオベンツイミダゾール、2−アリルチオベンゾイミダゾール、2−アリルチオ−1−メチルイミダゾール、2−アリルチオピリジン、2−アリルチオピリミジン、2−アリルチオチアゾリン、3−アリルチオ−1,2,4−トリアゾールなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、(アリル)フェニルスルフィド、(アリル)o−フルオロフェニルスルフィド、(アリル)m−フルオロフェニルスルフィド、(アリル)p−フルオロフェニルスルフィド、(アリル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(アリル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(アリル)o−フェニルフェニルスルフィド、(アリル)p−フェニルフェニルスルフィド、(アリル)1−ナフチルスルフィド、(アリル)2−ナフチルスルフィドなどのアリル・アリールスルフィド類が好ましい。
アルキニル・アリールスルフィド類の具体例としては、(プロパギル)フェニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)フェニルスルフィド、(3−ブチニル)フェニルスルフィド、(4−ペンチニル)フェニルスルフィド、(5−ヘキシニル)フェニルスルフィド、(プロパギル)o−フルオロフェニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)o−フルオロフェニルスルフィド、(3−ブチニル)o−フルオロフェニルスルフィド、(4−ペンチニル)o−フルオロフェニルスルフィド、(5−ヘキシニル)o−フルオロフェニルスルフィド、(プロパギル)m−フルオロフェニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)m−フルオロフェニルスルフィド、(3−ブチニル)m−フルオロフェニルスルフィド、(4−ペンチニル)m−フルオロフェニルスルフィド、(5−ヘキシニル)m−フルオロフェニルスルフィド、(プロパギル)p−フルオロフェニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)p−フルオロフェニルスルフィド、(3−ブチニル)p−フルオロフェニルスルフィド、(4−ペンチニル)p−フルオロフェニルスルフィド、(5−ヘキシニル)p−フルオロフェニルスルフィド、(プロパギル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(3−ブチニル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(4−ペンチニル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(5−ヘキシニル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(プロパギル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(3−ブチニル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(4−ペンチニル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(5−ヘキシニル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(プロパギル)o−フェニルフェニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)o−フェニルフェニルスルフィド、(3−ブチニル)o−フェニルフェニルスルフィド、(4−ペンチニル)o−フェニルフェニルスルフィド、(5−ヘキシニル)o−フェニルフェニルスルフィド、(プロパギル)p−フェニルフェニルスルフィド、(1−メチルプロパギル)p−フェニルフェニルスルフィド、(3−ブチニル)p−フェニルフェニルスルフィド、(4−ペンチニル)p−フェニルフェニルスルフィド、(5−ヘキシニル)p−フェニルフェニルスルフィド、(プロパギル)1−ナフチルスルフィド、(1−メチルプロパギル)1−ナフチルスルフィド、(3−ブチニル)1−ナフチルスルフィド、(4−ペンチニル)1−ナフチルスルフィド、(5−ヘキシニル)1−ナフチルスルフィド、(プロパギル)2−ナフチルスルフィド、(1−メチルプロパギル)2−ナフチルスルフィド、(3−ブチニル)2−ナフチルスルフィド、(4−ペンチニル)2−ナフチルスルフィド、(5−ヘキシニル)2−ナフチルスルフィド、2−プロパギルチオアニソール、3−プロパギルチオアニソール、4−プロパギルチオアニソール、2−プロパギルチオベンツイミダゾール、2−プロパギルチオベンゾイミダゾール、2−プロパギルチオ−1−メチルイミダゾール、2−プロパギルチオピリジン、2−プロパギルチオピリミジン、2−プロパギルチオチアゾリン、3−プロパギルチオ−1,2,4−トリアゾールなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、(プロパギル)フェニルスルフィド、(プロパギル)o−フルオロフェニルスルフィド、(プロパギル)m−フルオロフェニルスルフィド、(プロパギル)p−フルオロフェニルスルフィド、(プロパギル)o−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(プロパギル)p−シクロヘキシルフェニルスルフィド、(プロパギル)o−フェニルフェニルスルフィド、(プロパギル)p−フェニルフェニルスルフィド、(プロパギル)1−ナフチルスルフィド、(プロパギル)2−ナフチルスルフィドなどのプロパギル・アリールスルフィド類が好ましい。
アルケニル・アラルキルスルフィド類の具体例としては、(アリル)ベンジルスルフィド、(メタリル)ベンジルスルフィド、(1−メチルアリル)ベンジルスルフィド、(3−ブテニル)ベンジルスルフィド、(4−ペンテニル)ベンジルスルフィド、(5−ヘキセニル)ベンジルスルフィド、(アリル)2−フェニルエチルスルフィド、(メタリル)2−フェニルエチルスルフィド、(1−メチルアリル)2−フェニルエチルスルフィド、(3−ブテニル)2−フェニルエチルスルフィド、(4−ペンテニル)2−フェニルエチルスルフィド、(5−ヘキセニル)2−フェニルエチルスルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、(アリル)ベンジルスルフィド、(アリル)2−フェニルエチルスルフィドなどのアリル・アラルキルスルフィド類が好ましい。
アルキニル・アラルキルスルフィド類の具体例としては、(プロパギル)ベンジルスルフィド、(1−メチルプロパギル)ベンジルスルフィド、(3−ブチニル)ベンジルスルフィド、(4−ペンチニル)ベンジルスルフィド、(5−ヘキシニル)ベンジルスルフィド、(プロパギル)2−フェニルエチルスルフィド、(1−メチルプロパギル)2−フェニルエチルスルフィド、(3−ブチニル)2−フェニルエチルスルフィド、(4−ペンチニル)2−フェニルエチルスルフィド、(5−ヘキシニル)2−フェニルエチルスルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、(プロパギル)ベンジルスルフィド、(プロパギル)2−フェニルエチルスルフィドなどのプロパギル・アラルキルスルフィド類が好ましい。
エーテル酸素を含む炭化水素基をもつアルケニルスルフィド類の具体例としては、(アリル)2−メトキシエチルスルフィド、(メタリル)2−メトキシエチルスルフィド、(1−メチルアリル)2−メトキシエチルスルフィド、(3−ブテニル)2−メトキシエチルスルフィド、(4−ペンテニル)2−メトキシエチルスルフィド、(5−ヘキセニル)2−メトキシエチルスルフィド、(アリル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(メタリル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(1−メチルアリル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(3−ブテニル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(4−ペンテニル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(5−ヘキセニル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(アリル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(メタリル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(1−メチルアリル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(3−ブテニル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(4−ペンテニル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(5−ヘキセニル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(アリル)(4−メトキシベンジル)スルフィド、(メタリル)(4−メトキシベンジル)スルフィド、(1−メチルアリル)(4−メトキシベンジル)スルフィド、(3−ブテニル)(4−メトキシベンジル)スルフィド、(4−ペンテニル)(4−メトキシベンジル)スルフィド、(5−ヘキセニル)(4−メトキシベンジル)スルフィド、o−アリルオキシチオアニソール、m−アリルオキシチオアニソール、p−アリルオキシチオアニソール、アリル(o−アリルオキシフェニル)スルフィド、アリル(m−アリルオキシフェニル)スルフィド、アリル(p−アリルオキシフェニル)スルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、(アリル)2−メトキシエチルスルフィド、(アリル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(アリル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(アリル)(4−メトキシベンジル)スルフィドなどのエーテル酸素を含む炭化水素基をもつアリルスルフィド類が好ましい。
エーテル酸素を含む炭化水素基をもつアルキニルスルフィド類の具体例としては、(プロパギル)(2−メトキシエチル)スルフィド、(1−メチルプロパギル)(2−メトキシエチル)スルフィド、(3−ブチニル)(2−メトキシエチル)スルフィド、(4−ペンチニル)(2−メトキシエチル)スルフィド、(5−ヘキシニル)(2−メトキシエチル)スルフィド、(プロパギル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(1−メチルプロパギル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(3−ブチニル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(4−ペンチニル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(5−ヘキシニル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(プロパギル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(1−メチルプロパギル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(3−ブチニル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(4−ペンチニル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(5−ヘキシニル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(プロパギル)(p−メトキシベンジル)スルフィド、(1−メチルプロパギル)(p−メトキシベンジル)スルフィド、(3−ブチニル)(p−メトキシベンジル)スルフィド、(4−ペンチニル)(p−メトキシベンジル)スルフィド、(5−ヘキシニル)(p−メトキシベンジル)スルフィド、プロパギル(o−アリルオキシフェニル)スルフィド、プロパギル(m−アリルオキシフェニル)スルフィド、プロパギル(p−アリルオキシフェニル)スルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、(プロパギル)(2−メトキシエチル)スルフィド、(プロパギル)(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)スルフィド、(プロパギル)(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)スルフィド、(プロパギル)(p−メトキシベンジル)スルフィドなどエーテル酸素を含む炭化水素基をもつプロパギルスルフィド類が好ましい。
アルケニル又はアルキニル基をもつ環状スルフィド類の具体例としては、2−ビニルテトラヒドロチオフェン、3−ビニルテトラヒドロチオフェン、2−アリルテトラヒドロチオフェン、3−アリルテトラヒドロチオフェン、2,5−ジビニルテトラヒドロチオフェン、3,4−ジビニルテトラヒドロチオフェン、2,5−ジアリルテトラヒドロチオフェン、3,4−ジアリルテトラヒドロチオフェン、2−ビニルテトラヒドロチオピラン、3−ビニルテトラヒドロチオピラン、4−ビニルテトラヒドロチオピラン、2−アリルテトラヒドロチオピラン、3−アリルテトラヒドロチオピラン、4−アリルテトラヒドロチオピラン、2,6−ジビニルテトラヒドロチオピラン、3,5−ジビニルテトラヒドロチオピラン、2,6−ジアリルテトラヒドロチオピラン、3,5−ジアリルテトラヒドロチオピラン、2−プロパギルテトラヒドロチオフェン、3−プロパギルテトラヒドロチオフェン、2,5−ジプロパギルテトラヒドロチオフェン、3,4−ジプロパギルテトラヒドロチオフェン、2−プロパギルテトラヒドロチオピラン、3−プロパギルテトラヒドロチオピラン、4−プロパギルテトラヒドロチオピラン、2,6−ジプロパギルテトラヒドロチオピラン、3,5−ジプロパギルテトラヒドロチオピランなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、2−ビニルテトラヒドロチオフェン、2,5−ジビニルテトラヒドロチオフェン、2−ビニルテトラヒドロチオピラン、4−ビニルテトラヒドロチオピラン、2,6−ジビニルテトラヒドロチオピラン、2−プロパギルテトラヒドロチオフェン、2,5−ジプロパギルテトラヒドロチオフェン、2−プロパギルテトラヒドロチオピラン、4−プロパギルテトラヒドロチオピラン、2,6−ジプロパギルテトラヒドロチオピランなどが好ましい。
また、一般式(Ia)のスルフィド化合物のうち、x=2である化合物の好ましい例としては、対称ジスルフィド類、アルキニル・アルケニルジスルフィド類、アルケニル・アルキルジスルフィド類、アルキニル・アルキルジスルフィド類、アルケニル・アリールジスルフィド類、アルキニル・アリールジスルフィド類、アルケニル・アラルキルジスルフィド類、アルキニル・アラルキルジスルフィド類、エーテル酸素を含む炭化水素基をもつアルケニルジスルフィド類、エーテル酸素を含む炭化水素基をもつアルキニルジスルフィド類、アルケニル又はアルキニル基をもつ環状ジスルフィド類などが挙げられる。具体例としては、x=1の場合について上に例示したスルフィド化合物において、そのスルフィド結合をジスルフィド結合に変更して得られる化合物が例示される。中でも、製造コストの観点から、対称ジスルフィド類が好ましい。
対称ジスルフィド類の具体例としては、ジアリルジスルフィド、ジメタリルジスルフィド、ジ(1−メチルアリル)ジスルフィド、ジ(3−ブテニル)ジスルフィド、ジ(4−ペンテニル)ジスルフィド、ジ(5−ヘキセニル)ジスルフィド、ジプロパギルジスルフィド、ジ(1−メチルプロパギル)ジスルフィド、ジ(3−ブチニル)ジスルフィド、ジ(4−ペンチニル)ジスルフィド、ジ(5−ヘキシニル)ジスルフィドなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性等の観点から、ジアリルジスルフィド、ジ(3−ブテニル)ジスルフィド、ジ(4−ペンテニル)ジスルフィド、ジ(5−ヘキセニル)ジスルフィド、ジプロパギルジスルフィドなどが好ましい。
また、一般式(Ib)のスルフィド化合物のうち、n=1である化合物の好ましい例としては、アルキレン構造をもつビススルフィド類、アルケニレン構造をもつビススルフィド類、アルキニレン部位をもつビススルフィド類、エーテル結合を含むアルキレン構造をもつビススルフィド類、芳香環を含むアルキレン構造またはフェニレン基をもつビススルフィド類、複素環を含むアルキレン構造または2価の複素環基をもつビススルフィド類、環状構造をもつビススルフィド類などが挙げられる。
アルキレン構造をもつビススルフィド類の具体例としては、1−アリルチオ−2−メチルチオエタン、1−アリルチオ−2−エチルチオエタン、1−(2−ブテニルチオ)−2−メチルチオエタン、1−(3−ブテニルチオ)−2−メチルチオエタン、1−アリルチオ−3−メチルチオプロパン、1−アリルチオ−4−メチルチオブタン、2−アリルチオ−1−フェニルチオエタン、2−アリルチオ−1−ベンジルチオエタン、2−アリルチオ−1−(2−メトキシエチルチオ)エタン、2−アリルチオ−1−(2−(2−メトキシエトキシ)エチルチオ)エタン、1−プロパギルチオ−2−アリルチオエタン、ジアリルチオメタン、1,1−ジアリルチオエタン、1,2−ジアリルチオエタン、1,2−ジアリルチオプロパン、1,3−ジアリルチオプロパン、1,4−ジアリルチオブタン、2,3−ジアリルチオブタン、1,5−ジアリルチオペンタン、1,6−ジアリルチオヘキサン、1,8−ジアリルチオオクタン、ジ(2−ブテニルチオ)メタン、1,1−ジ(2−ブテニルチオ)エタン、1,2−ジ(2−ブテニルチオ)エタン、1,2−ジ(2−ブテニルチオ)プロパン、1,3−ジ(2−ブテニルチオ)プロパン、1,4−ジ(2−ブテニルチオ)ブタン、2,3−ジ(2−ブテニルチオ)ブタン、1,5−ジ(2−ブテニルチオ)ペンタン、1,6−ジ(2−ブテニルチオ)ヘキサン、1,8−ジ(2−ブテニルチオ)オクタン、ジ(3−ブテニルチオ)メタン、1,1−ジ(3−ブテニルチオ)エタン、1,2−ジ(3−ブテニルチオ)エタン、1,3−ジ(3−ブテニルチオ)エタン、1,2−ジ(3−ブテニルチオ)プロパン、1,4−ジ(3−ブテニルチオ)ブタン、2,3−ジ(3−ブテニルチオ)ブタン、1,5−ジ(3−ブテニルチオ)ペンタン、1,6−ジ(3−ブテニルチオ)ヘキサン、1,8−ジ(3−ブテニルチオ)オクタン、1−プロパギルチオ−2−メチルチオエタン、1−プロパギルチオ−2−エチルチオエタン、1−(2−ブテニルチオ)−2−メチルチオエタン、1−(3−ブテニルチオ)−2−メチルチオエタン、1−プロパギルチオ−3−メチルチオプロパン、1−プロパギルチオ−4−メチルチオブタン、2−プロパギルチオ−1−フェニルチオエタン、2−プロパギルチオ−1−ベンジルチオエタン、2−プロパギルチオ−1−(2−メトキシエチルチオ)エタン、2−プロパギルチオ−1−(2−(2−メトキシエトキシ)エチルチオ)エタン、ジプロパギルチオメタン、1,1−ジプロパギルチオエタン、1,2−ジプロパギルチオエタン、1,2−ジプロパギルチオプロパン、1,3−ジプロパギルチオプロパン、1,4−ジプロパギルチオブタン、2,3−ジプロパギルチオブタン、1,5−ジプロパギルチオペンタン、1,6−ジプロパギルチオヘキサン、1,8−ジプロパギルチオオクタンなどが挙げられる。
アルケニレン構造をもつビススルフィド類の具体例としては、1,4−ジアリルチオ−2−cis−ブテン、1,4−ジアリルチオ−2−trans−ブテン、1,4−ジ(2−ブテニルチオ)−2−cis−ブテン、1,4−ジ(2−ブテニルチオ)−2−trans−ブテン、1,4−ジ(3−ブテニルチオ)−2−cis−ブテン、1,4−ジ(3−ブテニルチオ)−2−trans−ブテン、1,4−ジ(3−ブテニルチオ)−2−cis−ブテン、1,4−ジ(3−ブテニルチオ)−2−trans−ブテン、1,4−ジプロパギルチオ−2−cis−ブテン、1,4−ジプロパギルチオ−2−trans−ブテンなどが挙げられる。
アルキニレン構造をもつビススルフィド類の具体例としては、1,4−ジアリルチオ−2−ブチン、1,4−ジ(2−ブテニルチオ)−2−ブチン、1,4−ジ(3−ブテニルチオ)−2−ブチン、1,4−ジプロパギルチオ−2−ブチンなどが挙げられる。
エーテル結合を含むアルキレン構造をもつビススルフィド類の具体例としては、ジ(2−アリルチオエチル)エーテル、1,2−ジ(2−アリルチオエトキシ)エタン、ジ(2−(2−アリルチオエトキシ)エチル)エーテル、ジ(2−(2−ブテニルチオ)エチル)エーテル、1,2−ジ(2−(2−ブテニルチオ)エトキシ)エタン、ジ(2−(2−(2−ブテニルチオ)エトキシ)エチル)エーテル、ジ(2−(3−ブテニルチオ)エチル)エーテル、1,2−ジ(2−(3−ブテニルチオ)エトキシ)エタン、ジ(2−(2−(3−ブテニルチオ)エトキシ)エチル)エーテル、ジ(2−プロパギルチオエチル)エーテル、1,2−ジ(2−プロパギルチオエトキシ)エタン、ジ(2−(2−プロパギルチオエトキシ)エチル)エーテルなどが挙げられる。
芳香環を含むアルキレン構造またはフェニレン基をもつビススルフィド類の具体例としては、o−ジアリルチオベンゼン、m−ジアリルチオベンゼン、p−ジアリルチオベンゼン、o−ジ(アリルチオメチル)ベンゼン、m−ジ(アリルチオメチル)ベンゼン、p−ジ(アリルチオメチル)ベンゼン、4,4’−ジアリルチオビフェニル、o−ジ(2−ブテニルチオ)ベンゼン、m−ジ(2−ブテニルチオ)ベンゼン、p−ジ(2−ブテニルチオ)ベンゼン、o−ジ(3−ブテニルチオ)ベンゼン、m−ジ(3−ブテニルチオ)ベンゼン、p−ジ(3−ブテニルチオ)ベンゼン、o−ジプロパギルチオベンゼン、m−ジプロパギルチオベンゼン、p−ジプロパギルチオベンゼン、o−ジ(プロパギルチオメチル)ベンゼン、m−ジ(プロパギルチオメチル)ベンゼン、p−ジ(プロパギルチオメチル)ベンゼン、4,4’−ジ(プロパギルチオ)ビフェニルなどが挙げられる。
複素環を含むアルキレン構造または2価の複素環基をもつビススルフィド類の具体例としては、2,5−ジアリルチオ−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジ(2−ブテニルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジ(3−ブテニルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジプロパギルチオ−1,3,4−チアジアゾールなどが挙げられる。
環状構造をもつビススルフィド類の具体例としては、2−アリルチオテトラヒドロチオフェン、3−アリルチオテトラヒドロチオフェン、2−アリルチオテトラヒドロチオピラン、3−アリルチオテトラヒドロチオピラン、4−アリルチオテトラヒドロチオピラン、2−ビニル−1,3−ジチオラン、4−ビニル−1,3−ジチオラン、2−ビニル−1,4−ジチアン、2−プロパギルチオテトラヒドロチオフェン、3−プロパギルチオテトラヒドロチオフェン、2−プロパギルチオテトラヒドロチオピラン、3−プロパギルチオテトラヒドロチオピラン、4−プロパギルチオテトラヒドロチオピラン、2−ビニル−1,3−ジチオラン、4−ビニル−1,3−ジチオラン、2−ビニル−1,4−ジチアン等が挙げられる。
これらビススルフィド類の中でも、製造時の原料の入手性の観点から、1,2−ジアリルチオエタン、1,2−ジアリルチオプロパン、1,3−ジアリルチオプロパン、1,4−ジアリルチオブタン、o−ジアリルチオベンゼン、m−ジアリルチオベンゼン、p−ジアリルチオベンゼン、2,5−ジアリルチオ−1,3,4−チアジアゾール、ジ(2−アリルチオエチル)エーテル、1,2−ジ(2−アリルチオエトキシ)エタン、1,2−ジプロパギルチオエタン、1,2−ジプロパギルチオプロパン、1,3−ジプロパギルチオプロパン、1,4−ジプロパギルチオブタン、o−ジプロパギルチオベンゼン、m−ジプロパギルチオベンゼン、p−ジプロパギルチオベンゼン、2,5−ジプロパギルチオ−1,3,4−チアジアゾール、ジ(2−プロパギルチオエチル)エーテル、1,2−ジ(2−プロパギルチオエトキシ)エタンなどが好ましい。
更に、これらの中でも、製造時の原料のコストの観点から、1,2−ジアリルチオエタン、2,5−ジアリルチオ−1,3,4−チアジアゾール、ジ(2−アリルチオエチル)エーテル、1,2−ジ(2−アリルチオエトキシ)エタン、1,2−ジプロパギルチオエタン、2,5−ジプロパギルチオ−1,3,4−チアジアゾール、ジ(2−プロパギルチオエチル)エーテル、1,2−ジ(2−プロパギルチオエトキシ)エタンなどが特に好ましい。
また、一般式(Ib)のスルフィド化合物のうち、n=2である化合物の好ましい例としては、ジ(2−アリルチオエチル)スルフィド、ジ(2−(2−ブテニルチオ)エチル)スルフィド、ジ(2−(3−ブテニルチオ)エチル)スルフィド、ジ(p−アリルチオフェニル)スルフィド、ジ(2−プロパギルチオエチル)スルフィド、ジ(p−プロパギルチオフェニル)スルフィドなどが挙げられる。中でも、ジ(2−アリルチオエチル)スルフィド、ジ(p−アリルチオフェニル)スルフィド、ジ(2−プロパギルチオエチル)スルフィド、ジ(p−プロパギルチオフェニル)スルフィドがより好ましい。
また、一般式(Ib)のスルフィド化合物のうち、n=3である化合物の好ましい例としては、1,2−ジ(2−(アリルチオ)エチルチオ)エタン、1,2−ジ(2−(プロパギルチオ)エチルチオ)エタンなどが挙げられる。
また、一般式(Ib)のスルフィド化合物のうち、n=4である化合物の好ましい例としては、ジ(2−(2−アリルチオエチルチオ)エチル)スルフィド、ジ(2−(2−プロパギルチオエチルチオ)エチル)スルフィドなどが挙げられる。
また、一般式(Ib)のスルフィド化合物のうち、n=5である化合物の好ましい例としては、1,2−ジ(2−(2−アリルチオエチルチオ)エチルチオ)エタン、1,2−ジ(2−(2−プロパギルチオエチルチオ)エチルチオ)エタンなどが挙げられる。
また、一般式(Ic)のスルフィド化合物のうち、m=3である化合物の好ましい例としては、1,3,5−トリアリルチオベンゼン、1,3,5−トリ(2−ブテニルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリ(3−ブテニルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリアリルチオトリアジン、1,3,5−トリ(2−ブテニルチオ)トリアジン、1,3,5−トリ(3−ブテニルチオ)トリアジン、1,3,5−トリプロパギルチオベンゼン、1,3,5−トリプロパギルチオトリアジンなどが挙げられる。これらの中でも、製造時の原料の入手性の観点から、1,3,5−トリアリルチオトリアジン、1,3,5−トリ(2−ブテニルチオ)トリアジン、1,3,5−トリ(3−ブテニルチオ)トリアジン、1,3,5−トリプロパギルチオトリアジンなどが好ましい。
また、一般式(Ic)のスルフィド化合物のうち、m≧4である化合物の好ましい例としては、1,2,3,4−テトラ(アリルチオ)ブタン、1,3−ジアリルチオ−2,2−ジ(アリルチオメチル)プロパン、1,2,3,4−テトラ(アリルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラ(アリルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラ(プロパギルチオ)ブタン、1,3−ジプロパギルチオ−2,2−ジ(プロパギルチオメチル)プロパン、1,2,3,4−テトラ(プロパギルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラ(プロパギルチオ)ベンゼンなどが挙げられる。この中で、1,2,3,4−テトラ(アリルチオ)ブタン、1,3−ジアリルチオ−2,2−ジ(アリルチオメチル)プロパン、1,2,3,4−テトラ(アリルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラ(アリルチオ)ベンゼンが好ましい。
本発明におけるスルフィド化合物を製造する方法は特に制限されず、各種の公知の方法により製造することが可能である。具体的には、メルカプタンの水素を種々な有機置換基で置換することによるスルフィド類の合成法、あるいはメルカプタンの酸化によるジスルフィド類の合成法等の方法が挙げられる。また、市販の化合物が入手できる場合には、それを用いても良い。
〔アミン化合物〕
本発明におけるアミン化合物は、下記一般式(II)で表わされる化合物である。
Figure 0004569129
上記式(II)中、R3は、エーテル結合及び/又は複素環を含んでいてもよい炭化水素基を表わす。
炭化水素基及び複素環としては、式(I)のスルフィド化合物について上に説明したものと同様のものが用いられる。
3としては、炭化水素基単独からなる場合と、炭化水素基がエーテル結合及び/又は複素環と結合してなる場合とが挙げられるが、何れであっても良い。また、後者の場合には、単一の炭化水素基がエーテル結合及び/又は複素環と結合した形態と、複数の炭化水素基がエーテル結合及び/又は複素環により連結された形態とが考えられるが、何れであっても良い。
4及びR5は、それぞれ独立に、アミノ基、スルフィド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合及び複素環のうち、一種又は二種以上を含んでいてもよい一価の炭化水素基を表わす。或いは、R4及びR5の一方又は双方が水素原子であってもよい。但し、R4及びR5の双方がともに、一価の炭化水素基(アミノ基、スルフィド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合及び/又は複素環を含んでいてもよい)であることが好ましい。
炭化水素基及び複素環としては、式(I)のスルフィド化合物について上に説明したものと同様のものが挙げられる。
4及びR5としては、炭化水素基単独からなる場合と、炭化水素基がスルフィド結合、ジスルフィド結合、アミノ基、エーテル結合及び複素環のうち、一種又は二種以上と結合してなる場合とが挙げられるが、何れであっても良い。また、後者の場合には、単一の炭化水素基がスルフィド結合、ジスルフィド結合、アミノ基、エーテル結合又は複素環と結合した形態と、複数の炭化水素基が一種以上のスルフィド結合、ジスルフィド結合、アミノ基、エーテル結合及び/又は複素環により連結された形態とが考えられるが、何れであっても良い。
なお、R3、R4及びR5は、何れも他の置換基によって置換されていてもよい。本発明の趣旨に反する虞のないものであれば、置換基の種類は特に制限されない。置換基の例としては、式(I)のR1及びR2について上述したものと同様のものが挙げられる。
更に、R3、R4及びR5のうち2つ又は3つが、互いに結合して環を形成していてもよい。
更に、R3は少なくとも一つの不飽和結合を有する。本発明におけるアミン化合物は正極上で酸化反応を生じ、この不飽和結合の存在によって、正極上の一部或いは全面に被膜を形成する。これによって、正極における溶媒の酸化分解が効果的に抑制され、特に高温保存時のガス発生を低減することが可能となる。
本発明におけるアミン化合物の詳しい作用メカニズムは定かではないが、アミン化合物の硫黄原子が正極上で電気化学的に酸化され、発生したラジカルにこのR3の不飽和結合が付加することで重合反応が開始され、正極上に安定な被膜が生成するものと考えられる。
3が有する不飽和結合の数は特に制限されず、一つでも複数でも良い。また、不飽和結合の位置も特に制限されないが、推測される上述の作用メカニズムより、R3の末端に不飽和結合が存在することが好ましい。
なお、勿論、R3に加えてR4及び/又はR5が不飽和結合を有していても良い。この場合、R3の有する不飽和結合に加えてR4及び/又はR5の有する不飽和結合が上述の重合反応に関与するものと考えられる。
但し、R3、R4及びR5の何れも、硫黄原子、窒素原子及び酸素原子の何れかに隣接する位置には不飽和結合を有さないものとする。これらの位置に存在する不飽和結合は反応性が高く、正極上で反応する前に重合、結合開裂などの反応を起こし易いので、本発明の目的から好ましくないからである。
また、R3、R4及びR5の何れも、2つの窒素原子によって形成される単結合(N−N結合)や二重結合(N=N結合:アゾ結合)を有さないことが好ましい。これらの窒素−窒素間結合が存在すると、化合物として不安定になる上に、更には取り扱いが困難になる場合があるからである。
本発明におけるアミン化合物の分子量は、通常57以上、好ましくは95以上、また、通常1000以下、好ましくは500以下の範囲である。この範囲の下限を下回ると、正極表面に充分な被膜が形成されず、高温保存時のガス発生量の抑制効果や、電池の放電負荷特性の改善効果が得難くなる。この範囲の上限を上回ると、溶解性が低下するために、高温保存時のガス発生量の抑制効果や、電池の放電負荷特性の改善効果が得難くなる。
一般式(II)のアミン化合物の中でも、本発明では特に、下記の一般式(IIa)、一般式(IIb)、及び一般式(IIc)で表わされるアミン化合物が好ましい。
Figure 0004569129
Figure 0004569129
Figure 0004569129
一般式(IIa)〜(IIc)中、R41、R42、R43、R51、R52、R53、R54、R61、R62は、それぞれ独立に、エーテル結合及び/又はスルフィド結合及び/又はジスルフィド結合及び/又は複素環を含んでいてもよい一価の炭化水素基を表わす。或いは、これらの基は水素原子であってもよい。但し、何れの基についても、一価の炭化水素基(エーテル結合及び/又はスルフィド結合及び/又はジスルフィド結合及び/又は複素環を含んでいてもよい)であることが好ましい。
また、R55は、エーテル結合及び/又はスルフィド結合及び/又はジスルフィド結合複素環を含んでいてもよい二価の炭化水素基を表わし、R63は、エーテル結合及び/又はスルフィド結合及び/又はジスルフィド結合及び/又は複素環を含んでいてもよいr価の炭化水素基を表わす。
qは、通常1以上、3以下の整数を表わす。qが2以上の場合、R54及びR55はそれぞれ複数存在することになるが、これらは互いに同一でもよく、異なっていても良い。
rは、通常3以上、また、通常5以下、好ましくは4以下の整数を表わす。rの数に応じて、R61及びR62はそれぞれ3〜5個ずつ存在することになるが、これらは互いに同一でもよく、異なっていても良い。
ここで、各一般式に対応する以下の組(即ち、一価の基からなる組)を考えた場合に、各組に含まれる基のうち、少なくともいずれか1つの基が、少なくとも1つの不飽和結合を有する。この様に、アミノ基の窒素原子に結合する一価の基が不飽和結合を有することによって、本発明におけるアミン化合物は正極上で効率的に被膜を形成することが可能となる。
・一般式(IIa)・・・R41、R42、R43
・一般式(IIb)・・・R51、R52、R53、(1〜3個の)R54
・一般式(IIc)・・・(3〜5個の)R61、(3〜5個の)R62
中でも、正極上に被膜をより効率的に形成する観点からは、上の各組に含まれる基の末端に不飽和結合が存在することが好ましく、また、上の各組に含まれる全ての基が不飽和結合を有することが好ましい。更には、アミン化合物を製造する際の効率の観点から、各組の全ての基が同一の基であることが好ましい。
但し、R41、R42、R43、R51、R52、R53、R54、R55、R61、R62、R63の何れも、硫黄原子、窒素原子及び酸素原子の何れかに隣接する位置には不飽和結合を有さないものとする。これらの位置に存在する不飽和結合は反応性が高く、正極上で反応する前に重合、結合の開裂などの反応を起こし易いので、本発明の目的から好ましくないからである。
41、R42、R43、R51、R52、R53、R54、R61、R62が不飽和結合を有する基である場合、その例としては、アルケニル基、アルキニル基等の不飽和炭化水素基、及び、これらの不飽和炭化水素基とエーテル基及び/又は複素環とが結合してなる基が挙げられる。アルケニル基、アルキニル基の好ましい例としては、一般式(Ia)〜(Ic)のスルフィド化合物の説明において例示したものと同様の基が挙げられる。
また、R41、R42、R43、R51、R52、R53、R54、R61、R62が不飽和結合を有さない基である場合、これらの例としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基、及び、これらの炭化水素基とエーテル基及び/又は複素環とが結合してなる基が挙げられる。個々の基の好ましい例としては、一般式(Ia)〜(Ic)のスルフィド化合物の説明において例示したものと同様の基が挙げられる。
また、R55として好ましい二価の炭化水素基の例としては、アルキレン基、不飽和結合を含む炭化水素基、芳香環を含む炭化水素基、エーテル結合を含む炭化水素基、複素環を含む炭化水素基が挙げられる。個々の基の好ましい例としては、一般式(Ib)のスルフィド化合物の説明において例示したものと同様の基が挙げられる。
また、R63として好ましい基の例としては、上に例示した各種の炭化水素基(エーテル結合や複素環を有するものも含む)から任意の水素原子を省くことにより得られるr価の基が挙げられる。
一般式(IIa)のアミン化合物の好ましい例としては、アルケニルアミン類、アルキニルアミン類などが挙げられる。
アルケニルアミン類の具体例として、1級アミンでは、アリルアミンが挙げられる。
2級アミンでは、アリル(メチル)アミン、アリル(エチル)アミン、アリル(プロピル)アミン、アリル(ブチル)アミン、ジアリルアミンが挙げられる。
脂肪族3級アミンでは、アリル(ジメチル)アミン、アリル(ジエチル)アミン、アリル(ジプロピル)アミン、アリル(ジブチル)アミン、ジアリル(メチル)アミン、ジアリル(エチル)アミン、ジアリル(プロピル)アミン、トリアリルアミン、トリ(2−ブテニル)アミン、トリ(3−ブテニル)アミンなどが挙げられる。
環状3級アミンでは、N−アリルピロリジン、N−アリルピペリジン、N−アリルモルホリンなどが挙げられる。
芳香環または複素環をもつ3級アミンでは、アリル(フェニル)アミン、アリル(ジフェニル)アミン、ジアリル(フェニル)アミン、アリル(ベンジル)アミン、アリル(ジベンジル)アミン、ジアリル(ベンジル)アミン、N,N−ジアリル−4−アミノピリジンなどが挙げられる。
エーテル構造を含む3級アミンでは、N,N−ジアリル−4−メトキシアニリン、N,N−ジアリル−3−メトキシアニリン、N,N−ジアリル−2−メトキシアニリン、ジアリル(2−メトキシエチル)アミン、ジ(2−メトキシエチル)アリルアミン、ジアリル(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン、ジ(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アリルアミンなどが挙げられる。
スルフィド構造を含む3級アミンでは、N,N−ジメチル−2−アリルチオアニリン、N,N−ジアリル−2−メチルチオアニリン、N,N−ジメチル−4−アリルチオアニリン、N,N−ジアリル−4−メチルチオアニリン、N,N−ジアリル−2−アリルチオアニリン、N,N−ジアリル−4−アリルチオアニリン、(N,N−ジアリルアミノエチル)メチルスルフィド、(N,N−ジメチルアミノエチル)アリルスルフィド、(N,N−ジフェニルアミノエチル)アリルスルフィド、(N,N−ジアリルアミノエチル)アリルスルフィドなどが挙げられる。
これらの中でも、被膜形成の観点から、アリル(ジメチル)アミン、アリル(ジエチル)アミン、アリル(ジプロピル)アミン、アリル(ジブチル)アミン、ジアリル(メチル)アミン、ジアリル(エチル)アミン、ジアリル(プロピル)アミン、トリアリルアミン、トリ(2−ブテニル)アミン、トリ(3−ブテニル)アミンなどの脂肪族3級アミン;
N−アリルピロリジン、N−アリルピペリジン、N−アリルモルホリンなどの環状3級アミン;アリル(フェニル)アミン、アリル(ジフェニル)アミン、ジアリル(フェニル)アミン、アリル(ベンジル)アミン、アリル(ジベンジル)アミン、ジアリル(ベンジル)アミン、N,N−ジアリル−4−アミノピリジンなどの芳香族又は複素環をもつ3級アミン;N,N−ジアリル−4−メトキシアニリン、N,N−ジアリル−3−メトキシアニリン、N,N−ジアリル−2−メトキシアニリン、ジアリル(2−メトキシエチル)アミン、ジ(2−メトキシエチル)アリルアミン、ジアリル(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン、ジ(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アリルアミンなどのエーテル構造を含む3級アミン;N,N−ジメチル−2−アリルチオアニリン、N,N−ジアリル−2−メチルチオアニリン、N,N−ジメチル−4−アリルチオアニリン、N,N−ジアリル−4−メチルチオアニリン、N,N−ジアリル−2−アリルチオアニリン、N,N−ジアリル−4−アリルチオアニリン、(N,N−ジアリルアミノエチル)メチルスルフィド、(N,N−ジメチルアミノエチル)アリルスルフィド、(N,N−ジフェニルアミノエチル)アリルスルフィド、(N,N−ジアリルアミノエチル)アリルスルフィドなどのスルフィド構造を含む3級アミン、などの3級アミンが好ましい。
更にこれらの中でも、製造時の原料の入手性の観点から、アリル(ジメチル)アミン、アリル(ジエチル)アミン、アリル(ジブチル)アミン、ジアリル(メチル)アミン、ジアリル(エチル)アミン、トリアリルアミンなどの脂肪族3級アミン;N−アリルピロリジン、N−アリルピペリジン、N−アリルモルホリンなどの環状3級アミン;アリル(ジフェニル)アミン、ジアリル(フェニル)アミン、ジアリル(ベンジル)アミン、N,N−ジアリル−4−アミノピリジンなど芳香族3級アミン;N,N−ジアリル−4−メトキシアニリン、N,N−ジアリル−3−メトキシアニリン、N,N−ジアリル−2−メトキシアニリン、ジアリル(2−メトキシエチル)アミン、ジ(2−メトキシエチル)アリルアミン、ジアリル(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン、ジ(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アリルアミンなどのエーテル構造をもつ3級アミン;N,N−ジアリル−2−アリルチオアニリン、N,N−ジアリル−4−アリルチオアニリン、(N,N−ジアリルアミノエチル)アリルスルフィドなどのスルフィド構造をもつ3級アミンが更に好ましい。
アルキニルアミンの具体例としては、プロパギルアミンなどの1級アミン;プロパギル(メチル)アミン、プロパギル(エチル)アミン、プロパギル(プロピル)アミン、プロパギル(ブチル)アミン、ジプロパギルアミンなどの2級アミン;プロパギル(ジメチル)アミン、プロパギル(ジエチル)アミン、プロパギル(ジプロピル)アミン、プロパギル(ジブチル)アミン、ジプロパギル(メチル)アミン、ジプロパギル(エチル)アミン、ジプロパギル(プロピル)アミン、トリプロパギルアミン、N−プロパギルピロリジン、N−プロパギルピペリジン、N−プロパギルモルホリン、プロパギル(フェニル)アミン、プロパギル(ジフェニル)アミン、ジプロパギル(フェニル)アミンなどの3級アミンが挙げられる。
これらの中でも、被膜形成の観点から、プロパギル(ジメチル)アミン、プロパギル(ジエチル)アミン、プロパギル(ジプロピル)アミン、プロパギル(ジブチル)アミン、ジプロパギル(メチル)アミン、ジプロパギル(エチル)アミン、ジプロパギル(プロピル)アミン、トリプロパギルアミン、N−プロパギルピロリジン、N−プロパギルピペリジン、N−プロパギルモルホリン、プロパギル(ジフェニル)アミン、ジプロパギル(フェニル)アミンなどの3級アミンが好ましい。
更にこれらの中でも、製造時の原料の入手性の観点から、プロパギル(ジメチル)アミン、プロパギル(ジエチル)アミン、プロパギル(ジブチル)アミン、ジプロパギル(メチル)アミン、ジプロパギル(エチル)アミン、トリプロパギルアミン、N−プロパギルピロリジン、N−プロパギルピペリジン、N−プロパギルモルホリン、プロパギル(ジフェニル)アミン、ジプロパギル(フェニル)アミンなどの3級アミンが更に好ましい。
また、一般式(IIb)のアミン化合物のうち、q=1である化合物の好ましい例としては、N,N’−ジアリルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−o−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−m−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−o−キシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−m−キシリレンジアミン、N,N,N‘,N’−テトラアリル−p−キシリレンジアミン、N,N‘−ジアリルピペラジン、ビス(N、N−ジアリルアミノエチル)エーテルなどが挙げられる。中でも被膜形成能等の観点から、N,N,N’,N’−テトラアリルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−o−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−m−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−o−キシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−m−キシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラアリル−p−キシリレンジアミン、N,N’−ジアリルピペラジン、ビス(N、N−ジアリルアミノエチル)エーテルなどの3級アミンが好ましい。
また、一般式(IIb)のアミン化合物のうち、q=2である化合物の好ましい例としては、N,N,N’,N”,N”−ペンタアリルジエチレントリアミン、1,3,5−トリアリルヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,4,7−トリアリル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,5,9−トリアリル−1,5,9−トリアザシクロドデカンなどが挙げられる。中でも、原料の入手性等の観点から、N,N,N’,N”,N”−ペンタアリルジエチレントリアミン、1,3,5−トリアリルヘキサヒドロ−s−トリアジンなどが好ましい。
また、一般式(IIb)のアミン化合物のうち、q=3である化合物の好ましい例としては、1,4,7,10−テトラアリル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、1,4,8,12−テトラアリル−1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11−テトラアリル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンなどが挙げられる。中でも、原料の入手性等の観点から、1,4,7,10−テトラアリル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンが好ましい。
また、一般式(IIc)のアミン化合物のうち、r=3である化合物の好ましい例としては、2,4,6−トリス(ジアリルアミノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(ジアリルアミノ)ベンゼン、2,4,6−トリス(ジアリルアミノ)ピリミジンなどが挙げられる。中でも、原料の入手性等の観点から、2,4,6−トリス(ジアリルアミノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(ジアリルアミノ)ベンゼンが好ましい。
また、一般式(IIc)のアミン化合物のうち、r≧4である化合物の好ましい例としては、1,2,3,4−テトラキス(ジアリルアミノ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(ジアリルアミノ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(ジアリルアミノ)ベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタキス(ジアリルアミノ)ベンゼン、1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(ジアリルアミノ)ベンゼンなどが挙げられる。中でも、原料の入手性等の観点から、1,2,3,4−テトラキス(ジアリルアミノ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(ジアリルアミノ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(ジアリルアミノ)ベンゼンが好ましい。
本発明におけるアミン化合物を製造する方法は特に制限されず、各種の公知の方法により製造することが可能である。具体的には、アンモニア、あるいは種々の1級アミン、2級アミンを原料にし、アミンの窒素原子に置換基を導入し目的とする化合物を合成する等の方法が挙げられる。また、市販の化合物が入手できる場合には、それを用いても良い。
〔スルフィド化合物及びアミン化合物の組成及び使用量〕
本発明におけるスルフィド化合物及びアミン化合物は、何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせで併用してもよい。具体的には、本発明におけるスルフィド化合物を1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いる場合;本発明におけるアミン化合物を1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いる場合;本発明におけるスルフィド化合物1種又は2種以上と、本発明におけるアミン化合物1種又は2種以上とを組み合わせて用いる場合が考えられるが,何れも可能である。2種以上を組み合わせて用いる場合、その比率も特に制限されない。
本発明におけるスルフィド化合物及び/又はアミン化合物の使用量は、本発明の非水系電解液に対する重量比が、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、また、通常2重量%以下、好ましくは1重量%以下の範囲となるようにする。この範囲の下限を下回ると、正極表面に形成される被膜が不足するために、高温保存時のガス発生量の抑制効果や、電池の放電負荷特性の改善効果が得難くなる。一方、この範囲の上限を上回ると、正極上の被膜が厚くなり過ぎて、電池の放電負荷特性が低下し易い。なお、本発明におけるスルフィド化合物及び/又はアミン化合物を2種以上併用する場合には、本発明におけるスルフィド化合物及び/又はアミン化合物の合計使用量が前記範囲内に収まるようにする。
〔非水溶媒〕
本発明で用いる非水溶媒の種類に特に制限はなく、任意の非水溶媒を用いることができる。具体例を挙げると、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の、炭素数が通常3以上、通常10以下、好ましくは5以下の環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の、炭素数が通常3以上、通常10以下、好ましくは5以下の鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、通常10以下、好ましくは8以下の環状エステル;酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の、炭素数が通常2以上、通常10以下、好ましくは5以下の鎖状エステル;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、通常10以下、好ましくは8以下の環状エーテル;ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、通常10以下、好ましくは8以下の鎖状エーテル;及び、スルフォラン、ジエチルスルホン等の含硫黄有機溶媒などが挙げられる。これらの非水溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
中でも、電解質であるリチウム塩の解離、電気伝導度の観点から、複数の非水溶媒を以下(1)〜(4)の組み合わせで併用することが好ましい。
(1)環状カーボネートと鎖状カーボネートとの組み合わせ
(2)環状カーボネートと環状エステルとの組み合わせ
(3)環状エステルと鎖状エステルとの組み合わせ
(4)環状カーボネートと環状カーボネートとの組み合わせ
特に、上記(1)〜(4)の非水溶媒の組み合わせが、非水溶媒全体の70体積%以上を占めるように混合した非水溶媒が、充放電特性、電池寿命などの電池性能全般を高める観点から好ましい。
上記(1)〜(4)の組み合わせ例で用いられる環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、鎖状エステルの具体例としては、次のようなものが挙げられる。
<環状カーボネート>
環状カーボネートの具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。中でも、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートが好ましい。これらは、1種のみを単独で使用しても良く、複数種を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
<鎖状カーボネート>
鎖状カーボネートの具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートが好ましい。これらは1種のみを単独で使用しても良く、複数種を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
<環状エステル>
環状エステルの具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。中でも、γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトンが好ましい。これらは、1種のみを単独で使用しても良く、複数種を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
<鎖状エステル>
鎖状エステルの具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチルなどが挙げられる。中でも、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルが好ましい。これらは、1種のみを単独で使用しても良く、複数種を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
上記例示(1)における、環状カーボネートと鎖状カーボネートの組み合わせにおいてはそれぞれ単体で、非水系電解液の総体積に対して10体積%以上含み、且つ、それらの体積の合計が、非水系電解液の総体積に対して70体積%以上となるように混合した混合非水溶媒が、充放電特性、電池寿命などの電池性能全般を高める観点から好ましい。上記の混合非水溶媒は、製造されるリチウム二次電池の電池性能を低下させない範囲であれば、環状カーボネート及び鎖状カーボネート以外の溶媒を含んでいても良い。非水系電解液中における環状カーボネート及び鎖状カーボネート以外の溶媒の割合は、通常30体積%以下、好ましくは10体積%以下である。
上記例示(2)における、環状カーボネートと環状エステルの組み合わせにおいてはそれぞれ単体で、非水系電解液の総体積に対して10体積%以上含み、且つ、環状エステルの含有量は、非水系電解液の総体積に対して50体積%以上であることが好ましい。また、それらの体積の合計が非水系電解液に対して70体積%以上となるように混合した混合非水溶媒が、充放電特性、電池寿命などの電池性能全般を高める観点から好ましい。
上記の混合非水溶媒は、製造されるリチウム二次電池の電池性能を低下させない範囲であれば、環状カーボネート及び環状エステル以外の溶媒を含んでいても良い。その具体例としては上記例示の鎖状カーボネートが挙げられる。非水系電解液中における環状カーボネート及び環状エステル以外の溶媒の割合は、通常30体積%以下、好ましくは10体積%以下である。
上記例示(3)における、環状カーボネートと鎖状エステルの組み合わせにおいてはそれぞれ単体で、非水系電解液の総体積に対して10体積%以上含み、且つ、それらの体積の合計が、非水系電解液の総体積に対して70体積%以上となるように混合した混合非水溶媒が、充放電特性、電池寿命などの電池性能全般を高める観点から好ましい。
上記の混合非水溶媒は、製造されるリチウム二次電池の電池性能を低下させない範囲であれば、環状カーボネート及び鎖状エステル以外の溶媒を含んでいても良い。非水系電解液中における環状カーボネート及び鎖状エステル以外の溶媒の割合は、通常30体積%以下、好ましくは10体積%以下である。
上記例示(4)における、環状カーボネートと環状カーボネートの組み合わせにおいてはそれぞれ単体で、非水系電解液の総体積に対して10体積%以上含み、且つ、それらの体積の合計が、非水系電解液の総体積の70体積%以上となるように混合した混合非水溶媒が、充放電特性、電池寿命などの電池性能全般を高める観点から好ましい。
上記の混合非水溶媒は、製造されるリチウム二次電池の電池性能を低下させない範囲であれば、環状カーボネート以外の溶媒を含んでいても良い。非水系電解液の総体積中における環状カーボネート以外の溶媒の割合は、通常30体積%以下、好ましくは10体積%以下である。
〔電解質〕
電解質としては、リチウム塩であれば特に限定は無く、様々なものを使用することができる。通常使用されるものの具体例としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6などの無機リチウム塩、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO23等の含フッ素有機リチウム塩、Li[PF5(CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF32]、Li[PF3(CF2CF2CF33]、Li[PF3(CF2CF33]、Li[PF5(CF2CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF2CF32]、Li[PF3(CF2CF2CF2CF33]等のフルオロアルキルフッ化リン酸リチウム,Li[BF3(CF3)]、Li[BF3(CF2CF3)]、Li[BF2(CF2CF32]等のフルオロアルキルホウ酸リチウム、LiB(CF3COO)4、LiB(OCOCF2COO)2、LiB(OCOC24COO)2、LiB(C24)などが挙げられる。これらのリチウム塩は、1種のみを単独で使用しても良く、複数種を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。中でもLiPF6、LiBF4を用いるのが好ましい。
電解質の濃度には特に制限はないが、本発明においては、非水系電解液1リットル当たりの電解質リチウム塩の量が通常0.5モル以上、好ましくは0.7モル以上、また、通常2モル以下、好ましくは1.5モル以下の範囲が好適である。電解質の濃度がこの範囲外となると、非水系電解液の電気伝導率が悪化したり、粘度に影響が出たりすることで、これを用いて得られるリチウム二次電池の性能が低下することがある。
〔負極被膜形成剤〕
本発明の非水系電解液には、更に、電極の表面に被膜を形成して、電極における溶媒の分解を阻止すると考えられている、他の被膜形成剤を混合して用いても良い。特に、上述した本発明におけるスルフィド化合物及びアミン化合物が、正極での溶媒の酸化分解を防止する作用を有することから、負極に対してこの様な作用を有する被膜形成剤(負極被膜形成剤)を併用してもよい。
負極被膜形成剤としては、不飽和結合を有する環状カーボネート、アリール置換カーボネート、環状カルボン酸無水物、スルホン酸誘導体、スルホン化合物、五員環或いは鎖状のサルファイト化合物が挙げられる。
不飽和結合を有する環状カーボネートの具体例としては、ビニレンカーボネート化合物、ビニルエチレンカーボネート化合物などが用いられる。
ビニレンカーボネート化合物の具体例としては、ビニレンカーボネート、4−メチルビニレンカーボネートなどが用いられる。
ビニルエチレンカーボネート化合物の具体例としては、4−ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、5−メチル−4−ビニルエチレンカーボネートなどが用いられる。
アリール置換カーボネートの具体例としては、4−フェニルエチレンカーボネート、メチルフェニルカーボネートなどが用いられる。
環状カルボン酸無水物の具体例としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸などが用いられる。スルホン酸誘導体としてはプロパンスルトン、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、ジメチルメタンスルホン酸アミドなどが用いられる。
スルホン化合物の具体例としては、ジメチルスルホン、スルフォラン、3−スルホレンなどが用いられる。
環状或いは鎖状のサルファイト化合物の具体例としては、エチレンサルファイト、エリスリタンサルファイト、4−ビニルエチレンサルファイト、4−イソプロピル−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサチアン−2−オキシド、5−メトキシメチル−1,3,2−ジオキサチアン−2−オキシド、ジメチルサルファイト、エチルメチルサルファイト、ジエチルサルファイトが用いられる。
これらの中でも、負極被膜形成剤としては、負極被膜の熱安定性が高いという点で、不飽和結合を有する環状カーボネートが好ましく、中でも、ビニレンカーボネート化合物が好ましく、具体的には、ビニレンカーボネート、4−ビニルエチレンカーボネートが特に好ましい。
なお、これらの負極被膜形成剤は、何れか一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
上述した負極被膜形成剤を、本発明におけるスルフィド化合物及び/又はアミン化合物と混合して用いた場合には、負極被膜形成剤により負極上に形成された被膜によって、本発明におけるスルフィド化合物及び/又はアミン化合物の負極での還元分解が抑制できる。更に、本発明におけるスルフィド化合物及び/又はアミン化合物により正極上に形成された被膜によって、負極被膜形成剤の正極での酸化分解が抑制できる。したがって、負極被膜形成剤を本発明におけるスルフィド化合物及び/又はアミン化合物を共存させることにより、電池の容量特性、サイクル特性を更に改善させることができる。
負極被膜形成剤は、非水系電解液に対して、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは8重量%以下の範囲で含有させることにより、電池の容量維持特性、サイクル特性が良好となる。
〔その他の成分〕
本発明の非水系電解液には、上記のスルフィド化合物及び/又はアミン化合物、非水溶媒及び電解質、並びに必要に応じて用いられる負極被膜形成剤の他にも、種々の添加剤、例えば界面活性剤、過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤等を混合して用いても良い。
界面活性剤は、後述するセパレータとの濡れ性を良くするために用いられる。界面活性剤の具体例としては、トリオクチルフォスフェート、パーフルオロアルキル基を有するポリオキシエチレンエーテル類、パーフルオロオクタンスルホン酸エステル類等が挙げられる。界面活性剤の使用量は、非水系電解液に対して、通常0.01〜1重量%の範囲である。
過充電防止剤としては、特開平8−203560号、同7−302614号、同9−50822号、同8−273700号、同9−17447号各公報等に記載されるベンゼン誘導体、特開平9−106835号、同9−171840号、同10−321258号、同7−302614号、同11−162512号、特許2939469号、特許2963898号各公報等に記載されているビフェニル及びその誘導体、特開2003−100344号、特開2003−100345号、特開2003−100346号、特開2003−115325号各公報等に記載されている部分水素化テルフェニル化合物及びその誘導体、特開2003−77536号公報等に記載されている2−オキサゾリドン誘導体、特開平9−45369号、同10−321258号各公報等に記載されているピロール誘導体、特開平7−320778号、同7−302614号各公報等に記載されているアニリン誘導体等の芳香族化合物や特許2983205号公報等に記載されているエーテル系化合物、その他特開平2001−15158号公報に記載されているような化合物を含有させることができる。過充電防止剤は、非水溶媒に対して0.1〜5重量%となるように含有させるのが好ましい。
[3.リチウム二次電池]
次に、上述の本発明の非水系電解液を用いたリチウム二次電池(本発明のリチウム二次電池)について説明する。
本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極及び正極と、電解質が非水溶媒に溶解された非水系電解液とを備えたものであって、非水系電解液として上述した本発明のリチウム二次電池用非水系電解液を用いたことを特徴とする。
〔負極〕
負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金(スズ、ケイ素、鉛、ゲルマニウム、アルミニウム等またこれら金属のスパッタリング蒸着電極、真空蒸着電極も含む)、又はリチウムを吸蔵及び放出し得る材料を含むものであれば、その種類は特に限定されないが、具体例としては、例えば様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や、人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料、金属酸化物材料、更には種々のリチウム合金が挙げられる。中でも好適には、種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛及び精製天然黒鉛、或いはこれらの黒鉛にピッチを含む種々の表面処理を施した黒鉛材料が主として使用される。また、更なる高エネルギー密度化を求められるリチウム二次電池の場合には、リチウム合金を材料として用いた負極が、一般に黒鉛に代表される炭素材料に比較し、単位重量当たりの容量が大きいので好適である。
負極活物質として黒鉛材料を用いる場合には、学振法によるX線回折で求めた格子面(002)面のd値(層間距離)が、通常0.335nm以上、また、通常0.34nm以下、好ましくは0.337nm以下であるものが望ましい。
また、黒鉛材料の灰分は、1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.1重量%以下であることが好ましい。
また、学振法によるX線回折で求めた黒鉛材料の結晶子サイズ(Lc)は、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上の範囲が好適である。
また、黒鉛材料のメジアン径は、レーザー回折・散乱法により測定したメジアン径の値で、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは7μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、更に好ましくは30μm以下の範囲が好適である。
また、黒鉛材料のBET法比表面積は、通常0.5m2/g以上、好ましくは0.7m2/g以上、より好ましくは1.0m2/g以上、更に好ましくは1.5m2/g以上、また、通常25.0m2/g以下、好ましくは20.0m2/g以下、より好ましくは15.0m2/g以下、更に好ましくは10.0m2/g以下の範囲が好適である。
また、黒鉛材料は、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1580〜1620cm-1の範囲のピークPA(ピーク強度IA)及び1350〜1370cm-1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/IAが0以上0.5以下、1580〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅が26cm-1以下、1580〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅が25cm-1以下であることが好ましい。
なお、これらの炭素質材料に、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物を混合して用いることもできる。リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物としては、Ag、Zn、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、Cu、Ni、Sr、Ba等の金属を含有する化合物が挙げられ、これらの金属は単体、酸化物、リチウムとの合金などとして用いられる。本発明においては、Si、Sn、Ge及びAlから選ばれる元素を含有するものが好ましく、Si、Sn及びAlから選ばれる金属の酸化物又はリチウム合金がより好ましい。
以上説明した負極活物質は、1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせ及び割合で併用しても良い。
これらの負極活物質を用いて負極を製造する方法は特に限定されないが、例えば、負極活物質に必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥させて活物質層を形成する方法が挙げられる。この場合には、後述するような正極の製造方法と同様に製造することができる。
また、負極活物質に結着剤や導電材などを加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、蒸着・スパッタ・メッキ等の手法で集電体上に負極活物質の薄膜を形成することもできる。
〔正極〕
正極活物質は、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な材料であれば、その種類は任意であり、特に限定されるものではないが、好ましくはリチウム遷移金属複合酸化物を使用する。このような物質の例としては、LiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO2等のリチウムマンガン複合酸化物等を挙げることができる。これらリチウム遷移金属複合酸化物は、主体となる遷移金属元素の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属種で置き換えることにより安定化させることもでき、また好ましい。
これらの正極活物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することもできる。
これらの正極活物質を用いて正極を製造する方法は特に限定されないが、例としては、正極活物質に必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥する方法が挙げられる。
また、正極活物質をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
〔各電極の形成〕
負極用集電体の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス等の金属が使用される。これらの中でも、薄膜に加工し易いという点とコストの点から、銅箔が好ましい。一方、正極用集電体の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属が使用され、これらの中で薄膜に加工し易いという点とコストの点からアルミニウム箔が好ましい。
結着剤については、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば、特に限定されず、具体例として、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等を挙げることができる。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。
導電材としては、銅やニッケル等の金属材料、グラファイト、カーボンブラック等のような炭素材料が挙げられる。特に正極については導電材を含有させるのが好ましい。
電極の製造に用いる溶媒としては、水系でも有機系でも良い。水系溶媒としては、水、アルコール等が挙げられ、有機系溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、トルエン等が挙げられる。
〔セパレータ〕
リチウム二次電池においては、通常、電極同士の短絡を防止するために、正極と負極との間にセパレータが介装される。本発明のリチウム二次電池に使用するセパレータの材質や形状は特に限定されないが、上述した本発明の非水系電解液に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等を用いるのが好ましい。
〔電池の構成〕
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明の非水系電解液と、正極と、負極と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。電池を組み立てる方法は特に限定されず、通常採用されている方法の中から適宜選択すれば良い。
また、電池の形状についても特に限定されず、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が適用可能である。
〔電池の用途〕
本発明のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、公知の各種の用途に用いることが可能である。具体例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等を挙げることができる。特に、本発明のリチウム二次電池は、サイクル特性に優れていることから、これらの何れの用途においても優れた効果が得られる。
以下、本発明について実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更を加えて実施することが可能である。
[実施例1]
〔負極の作製〕
X線回折における格子面(002)面のd値が0.336nm、結晶子サイズ(Lc)が652nm、灰分が0.07重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が12μm、BET法比表面積が7.5m2/g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において1570〜1620cm-1の範囲のピークPA(ピーク強度IA)及び1300〜1400cm-1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/IAが0.12、1570〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅が19.9cm-1である天然黒鉛粉末を負極活物質として用いた。この黒鉛粉末94重量部にポリフッ化ビニリデン6重量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させてスラリー状とした。これを負極集電体である厚さ18μmの銅箔の片面に均一に塗布し、乾燥後、プレス機により負極層の密度が1.5g/cm3になるようにプレスして負極とした。
〔正極の作製〕
正極活物質としてLiCoO2を用い、この活物質85重量部にカーボンブラック6重量部及びポリフッ化ビニリデンKF−1000(呉羽化学社製、商品名)9重量部を加えて混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させてスラリー状としたものを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥後、プレス機により正極層の密度が3.0g/cm3になるようにプレスして正極とした。
〔電解液の調製〕
乾燥アルゴン雰囲気下、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比3:7)に充分に乾燥したLiPF6を1.0モル/リットルになるように溶解し、ブランク電解液とした。次いで、このブランク電解液99.5重量部に、ジアリルスルフィド0.5重量部を添加、混合して、所望の電解液(非水系電解液)を調製した。
〔電池の作製〕
上記の正極、負極、及びポリエチレン製のセパレータを、負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層して電池要素を作製し、この電池要素を、袋状のアルミニウムの両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルム内に、正極及び負極の端子を取り出しながら設置後、電解液を注液して真空封止を行なって、シート状電池(リチウム二次電池)を作製した。
〔電池の評価〕
上記のシート状電池を、電極間の密着性を高めるためにガラス板で挟んだ状態で、25℃において0.2Cに相当する定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3Vで充放電を3サイクル行なって安定させ、続いて4サイクル目を0.5Cに相当する電流で充電終止電圧4.2Vまで充電し、充電電流値が0.05Cに相当する電流値になるまで充電を行なう4.2V−定電流定電圧充電(CCCV充電)(0.05Cカット)を行なった後、更に0.2Cに相当する定電流値で3V放電を行ない、高温保存前の放電容量を測定した。再度4.2V−CCCV充電(0.05Cカット)を行なった後、85℃の条件で72時間、高温保存を行なった。高温保存後の電池を、25℃において0.2Cの定電流で放電終始電圧3Vまで放電させ、残存容量を測定した。高温保存前の放電容量を100とした場合の、高温保存後の残存容量(%)を表1に示した。また、電池を冷却した後、エタノール浴中に浸して体積を測定し、高温保存前後の体積変化から電池内のガス発生量を求めた。その結果を表1に示した。
[実施例2]
ブランク電解液99.5重量部に、ジ(3−ブテニル)スルフィド0.5重量部を添加した以外は、実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例3]
ブランク電解液99.5重量部に、ジ(2−ブテニル)スルフィド0.5重量部を添加した以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例4]
ブランク電解液97.9重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部と1,2−ジアリルチオエタン0.1重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例5]
ブランク電解液99.5重量部に、1,2−ジアリルチオエタン0.5重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例6]
ブランク電解液97.5重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部と1,2−ジアリルチオエタン0.5重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例7]
ブランク電解液97.0重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部と1,2−ジアリルチオエタン1.0重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例8]
ブランク電解液96.0重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部と1,2−ジアリルチオエタン2.0重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例9]
ブランク電解液95.0重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部と1,2−ジアリルチオエタン3.0重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例10]
ブランク電解液97.5重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部と1,2−ジプロパギルチオエタン0.5重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例11]
ブランク電解液97.5重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部とジ(2−アリルチオエチル)スルフィド0.5重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例12]
ブランク電解液97.5重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部とジ(2−アリルチオエチル)エーテル0.5重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[実施例13]
ブランク電解液97.5重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部と1,2−ジ(2−アリルチオエトキシ)エタン0.5重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
比較例6
ブランク電解液97.5重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部とアリルフェニルスルフィド0.5重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
参考例1
ブランク電解液99.5重量部に、トリアリルアミン0.5重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
参考例2
ブランク電解液99.5重量部に、N,N−ジメチルプロパギルアミン0.5重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
参考例3
ブランク電解液97.5重量部に、ビニレンカーボネート2.0重量部とN,N−ジフェニルアリルアミン0.5重量部とを添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[比較例1]
スルフィド化合物あるいはアミン化合物を添加せず、ブランク電解液を電解液としたこと以外は、実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[比較例2]
ブランク電解液98重量部に、ビニレンカーボネート2重量部を添加し、スルフィド化合物あるいはアミン化合物を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[比較例3]
ブランク電解液99.5重量部に、ジフェニルスルフィド0.5重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[比較例4]
ブランク電解液99.5重量部に、エチルビニルスルフィド0.5重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
[比較例5]
ブランク電解液99.5重量部に、トリフェニルアミン0.5重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製し、同様に評価を行なって、結果を表1に示した。
Figure 0004569129
表1から明らかなように、本発明におけるスルフィド化合物を含有する非水系電解液を用いた実施例1〜13のリチウム二次電池は、これを含有しない非水系電解液を用いた比較例1〜のリチウム二次電池に比べて、高温保存後のガス発生量が少なく、優れていることがわかる。特に、負極被膜形成剤としてビニレンカーボネートを併用した実施例4、6〜13のリチウム二次電池は、ビニレンカーボネートのみを使用した比較例2のリチウム二次電池に比べて、高温保存後のガス発生量が少なく、優れていることがわかる。
なお、添加量が3重量部になると、残量容量が低下することがあるので、2重量部以下が好ましい。
本発明によれば、正極における溶媒の酸化分解が抑制され、特に高温保存時のガス発生が少ない、優れたリチウム二次電池が実現される。よって本発明は、リチウム二次電池が用いられる電子機器等の各種の分野において好適に利用でき、その産業上の価値は大きい。

Claims (3)

  1. リチウムを吸蔵及び放出することが可能な材料を正極に有するリチウム二次電池に用いられ、電解質が非水溶媒に溶解されたリチウム二次電池用非水系電解液において、下記一般式(Ia)、又は(Ib)で表わされ、分子量が70以上、1000以下であるスルフィド化合物を、非水系電解液全体に対して0.01重量%以上、2重量%以下の濃度で含有することを特徴とする、リチウム二次電池用非水系電解液。
    Figure 0004569129
    Figure 0004569129
    (一般式(Ia)〜(I)中、R11、R12は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルケニル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキニル基を表わし、R21 22 、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルケニル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキニル基を表わす
    23は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキレン基、又該アルキレン基とエーテル結合とが結合した二価の基を表わす
    但し、R 11、R12、R21、R22 23 何れも、硫黄原子、或いは酸素原子を有する場合の酸素原子に隣接する炭素原子は不飽和結合を有さないものとする。
    xは、1を表わす。
    nは、1〜5の整数を表わす。nが2以上の場合、複数のR23は互いに同一でもよく、異なっていてもよい
  2. ビニレンカーボネート化合物を、非水系電解液に対して0.01重量%以上、10重量%以下の範囲で更に含有することを特徴とする、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水系電解液。
  3. リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極及び正極と、電解質が非水溶媒に溶解された非水系電解液とを備えたリチウム二次電池において、該非水系電解液が、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用非水系電解液であることを特徴とする、リチウム二次電池。
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