JP2002203594A - 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池Info
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Abstract
サイクル特性、電気容量、保存特性などの電池特性に優
れたリチウム二次電池を提供するものである。 【解決手段】 非水溶媒に電解質が溶解されている非
水電解液において、該非水電解液中に、ビス(4−メト
キシフェニル)ジスルフィドのようなジスルフィド誘導
体から選ばれる少なくとも1種以上が0.001〜5重
量%、およびシクロヘキシルベンゼン0.01〜5重量
%含有されている非水電解液、およびそれを用いたリチ
ウム二次電池に関する。
Description
などの安全性およびサイクル特性、電気容量、保存特性
などの電池特性にも優れたリチウム二次電池を提供する
ことができる新規な非水電解液およびそれを用いたリチ
ウム二次電池に関する。
などの駆動用電源として広く使用されている。また、小
型ビデオカメラ、携帯電話、ノート型パソコンなどの携
帯用電子・通信機器のみならず、自動車用の電源として
の期待も大きい。このリチウム二次電池は、主に正極、
非水電解液および負極から構成されており、特に、Li
CoO2などのリチウム複合酸化物を正極とし、炭素材
料又はリチウム金属を負極としたリチウム二次電池が好
適に使用されている。そして、そのリチウム二次電池用
電解液の非水溶媒としては、エチレンカーボネート(E
C)、プロピレンカーボネート(PC)などのカーボネ
ート類が好適に使用されている。
保存特性などの電池特性について、さらに優れた特性を
有する二次電池が求められている。従来のリチウム二次
電池を、過酷な条件で充放電されたような場合、例えば
長期にわたり4.3Vのように4.2Vを越える最大作
動電圧まで充放電を繰り返したり、40℃を越える高温
状態で長期にわたり充放電されるような場合には、徐々
に容量低下がみられることが判明した。この現象は、正
極として、例えばLiCoO2、LiMn2O4、LiN
iO2などを用いたリチウム二次電池は、4.2Vを越
える最大作動電圧まで充放電が繰り返されると、非水電
解液中の溶媒が局部的に一部酸化分解し、該分解物が電
池の望ましい電気化学的反応を阻害するために電池性能
の低下を生じるものであり、これは正極材料と非水電解
液との界面における溶媒の電気化学的酸化に起因するも
のと思われる。
常の作動電圧を上回るような過充電時に、正極からは過
剰なリチウムが放出されると同時に、負極では過剰なリ
チウムの析出が生じて、デンドライトが生じる。そのた
め、正・負極の両極が化学的に不安定化する。正・負極
の両極が化学的に不安定になると、やがては非水電解液
中のカーボネート類と作用して分解し、急激な発熱反応
が起こる。これによって、電池が異常に発熱し、電池の
安全性が損なわれるという問題を生じる。このような状
況は、リチウム二次電池のエネルギー密度が増加するほ
ど重要な問題となる。
に添加剤として少量の芳香族化合物を添加することによ
って、過充電に対して安全性を確保できるようにしたも
のが、例えば、特開平7−302614号公報において
提案された。この特開平7−302614号公報では、
電解液の添加剤として、分子量500以下で満充電時の
正極電位よりも貴な電位に可逆性酸化還元電位を有する
ようなπ電子軌道を持つアニソール誘導体などを使用し
ている。このようなアニソール誘導体は、電池内でレド
ックスシャトルすることにより、過充電に対して電池の
安全性を確保している。
7−302614号公報に提案されたアニソール誘導体
は、レドックスシャトルにより過充電に対して有効に作
用するのに対して、サイクル特性や保存特性に悪影響を
及ぼすという問題を生じた。提案されているアニソール
誘導体は、40℃以上の高温や通常作動電圧で使用して
いる場合に、局部的に少し高い電圧にさらされると充放
電と共に徐々にアニソール誘導体が分解し、本来の電池
特性が低下するという問題がある。したがって、通常の
充放電と共に徐々にアニソール誘導体が分解して少なく
なってしまうために、300サイクル後に過充電試験を
行うと、安全を十分確保できないこともある。
は、負極に炭素材料を用い、電解液の添加剤として、ビ
フェニル、3−R−チオフェン、3−クロロチオフェ
ン、フランを約1〜4%使用して、電池の最大作動電圧
を超える電圧でビフェニルなどが重合することによっ
て、電池の内部抵抗を大きくして、過充電に対して電池
の安全性を確保する方法が提案されている。前記公報
や、特開平9−171840号公報、特開平10−32
1258号公報に提案されたビフェニル、3−R−チオ
フェン、3−クロロチオフェン、フランも同様に、過充
電に対しては有効に作用するのに対して、特開平11−
162512号公報において指摘されているように、
4.1Vを越える電圧上限までサイクルが繰り返された
り、40℃以上の高温で長期間暴露される充放電状態で
は、サイクル特性などの電池特性を悪化させる傾向があ
り、添加量の増大に伴って、その傾向は顕著になるとい
う問題点があることが記載されている。事実、通常使用
時にビフェニルなどが酸化分解されるために、40℃以
上の高温や通常作動電圧で使用している場合にも局部的
に少し高い電圧にさらされると、徐々にビフェニルなど
が分解して少なくなってしまうためにサイクル寿命が低
下してしまう。更には、充放電と共に徐々にビフェニル
などが分解して少なくなってしまうために、300サイ
クル後に過充電試験を行うと、安全を十分確保できない
こともある。そこで、このような過酷な条件において
も、長期にわたり優れたサイクル特性を有し、しかも過
充電防止などの安全性に優れた非水電解液、およびそれ
を用いたリチウム二次電池の提供が望まれている。
前記のようなリチウム二次電池用電解液に関する課題を
解決し、過酷な条件下において長期にわたり電池のサイ
クル特性に優れ、さらに保存特性などの電池特性および
過充電防止などの安全性に優れたリチウム電池を構成す
ることができるリチウム二次電池用の非水電解液、およ
びそれを用いたリチウム二次電池を提供することを目的
として、鋭意検討の結果、電解液中に特定のジスルフィ
ド誘導体を少量添加することにより、サイクル特性が向
上することを見出し、さらに、非水電解液中に特定のジ
スルフィド誘導体と共にシクロヘキシルベンゼンを添加
することにより、さらにサイクル特性が向上すると共
に、過充電防止効果を有することを見出し、本発明に至
った。
いる非水電解液において、該非水電解液中に、下記式
(I)または式(II)、
して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケ
ニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜6の
シクロアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素
数7〜15のアラルキル基、炭素数2〜7のアシル基、
炭素数1〜7のアルカンスルホニル基、炭素数6〜10
のアリールスルホニル基、炭素数2〜7のエステル基を
示す。また、X3、X4はそれぞれ独立してF、Cl、B
r、I、CF3、CCl3、CBr3を示す。)で表され
るジスルフィド誘導体から選ばれる少なくとも1種以上
が0.001〜5重量%、およびシクロヘキシルベンゼ
ンが0.1〜5重量%含有されていることを特徴とする
非水電解液に関する。また、本発明は、正極、負極およ
び非水電溶媒に電解質が溶解されている電解液からなる
リチウム二次電池において、該非水電解液中に、下記式
(I)または式(II)、
して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケ
ニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜6の
シクロアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素
数7〜15のアラルキル基、炭素数2〜7のアシル基、
炭素数1〜7のアルカンスルホニル基、炭素数6〜10
のアリールスルホニル基、炭素数2〜7のエステル基を
示す。また、X3、X4はそれぞれ独立してF、Cl、B
r、I、CF3、CCl3、CBr3を示す。)で表され
るジスルフィド誘導体から選ばれる少なくとも1種以上
が0.001〜5重量%、およびシクロヘキシルベンゼ
ンが0.1〜5重量%含有されていることを特徴とする
リチウム二次電池に関する。
と共に、前記シクロヘキシルベンゼンを含有した非水電
解液は、ジスルフィド誘導体やシクロヘキシルベンゼン
を全く添加しない非水電解液に比べて、上限電圧が4.
2Vより高電圧及び/又は40℃以上の高温状態の充放
電という過酷な条件において、サイクル特性が飛躍的に
向上する特異的かつ予期し得ない効果を示す。この作用
機構は、推測の域を脱しないが、充電時に正極材料表面
の電位が過度に上昇した微小な過電圧部分において、電
池内の非水溶媒より前にジスルフィド誘導体が正極上で
酸化分解し、薄い分解被膜を形成し、溶媒の酸化分解を
未然に防ぐものと推定される。なお、5重量%を越えて
過度にジスルフィド誘導体を添加すると、充電時に正極
上で酸化分解する添加剤量が増大し、電池特性を損なう
ような厚い分解被膜を電極上に形成してしまうため、ジ
スルフィド誘導体を全く添加しない非水電解液よりもサ
イクル特性などの電池特性を悪化させるものと考えられ
る。
記シクロヘキシルベンゼンを含有させることにより、過
酷な条件下においても、長期間にわたってサイクル特性
を向上させることができる。その理由としては、充電時
に正極材料表面の電位が過度に上昇した微小な過電圧部
分において、電池内の非水溶媒電解液より前に該ジスル
フィド誘導体が優先的に酸化分解して、溶媒の酸化分解
を未然に防ぐものと推定される。このようにして、電池
の正常な反応を損なうことなく電解液およびシクロヘキ
シルベンゼンの分解を抑制する効果を有するものと考え
られる。その結果、過充電防止作用を有する前記シクロ
ヘキシルベンゼンは、通常使用時に酸化分解されること
がない。したがって、300サイクル後に過充電試験を
行っても、シクロヘキシルベンゼンが分解して安全を十
分確保する効果を有するものと考えられる。
スルフィド誘導体およびシクロヘキシルベンゼンは、4
0℃以上の高温や通常作動電圧で充放電を繰り返して
も、前記有機溶媒が分解することがない。これにより、
電池の過充電防止などの安全性に優れているだけではな
く、サイクル特性、電気容量、保存特性などの電池特性
にも優れたリチウム二次電池を提供することができるも
のと考えられる。
二次電池の構成部材として使用される。二次電池を構成
する非水電解液以外の構成部材については特に限定され
ず、従来使用されている種々の構成部材を使用できる。
解液に含有される前記式(I)で表されるジスルフィド
誘導体において、X1、X2はメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基のような炭
素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基はイソ
プロピル基、イソブチル基、イソペンチル基のような分
枝アルキル基でもよく、シクロプロピル基、シクロヘキ
シル基のようなシクロアルキル基でもよい。また、ビニ
ル基、1−プロペニル基、アリル基のようなアルケニル
基でもよく、エチニル基、2−プロピニル基のようなア
ルキニル基でもよい。また、フェニル基、p−トリル基
などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基などの
アラルキル基でもよい。また、アセチル基、プロピオニ
ル基、アクリロイル基、ベンゾイル基などのアシル基で
もよく、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベ
ンゼンスルホニル基などのスルホニル基でもよい。さら
に、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フ
ェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基な
どのエステル基でもよい。また、前記式(II)で表さ
れるジスルフィド誘導体において、X3、X4はF、C
l、Br、Iのようなハロゲン原子、あるいは、C
F3、CCl3、CBr3のようなハロゲン原子を含有し
た置換基が好ましい。
誘導体の具体例としては、例えば、ビス(4−メトキシ
フェニル)ジスルフィド〔X1、X2=メチル基〕、ビス
(3−メトキシフェニル)ジスルフィド〔X1、X2=メ
チル基〕、ビス(2−メトキシフェニル)ジスルフィド
〔X1、X2=メチル基〕、ビス(4−エトキシフェニ
ル)ジスルフィド〔X1、X2=エチル基〕、ビス(4−
イソプロポキシフェニル)ジスルフィド〔X1、X2=イ
ソプロピル基〕、ビス(4−シクロヘキシルオキシフェ
ニル)ジスルフィド〔X1、X2=シクロヘキシル基〕、
ビス(4−アリルオキシフェニル)ジスルフィド
〔X1、X2=アリル基〕、ビス〔4−(2−プロピニル
オキシ)フェニル〕ジスルフィド〔X1、X2=2−プロ
ピニル基〕、ビス(4−フェノキシフェニル)ジスルフ
ィド〔X1、X2=フェニル基〕、ビス(4−アセトキシ
フェニル)ジスルフィド〔X1、X2=アセチル基〕、ビ
ス(4−ベンゾイルオキシフェニル)ジスルフィド〔X
1、X2=ベンゾイル基〕、ビス(4−メタンスルホニル
オキシフェニル)ジスルフィド〔X1、X2=メタンスル
ホニル基〕、ビス(4−ベンゼンスルホニルオキシフェ
ニル)ジスルフィド〔X1、X2=ベンゼンスルホニル
基〕、ビス(4−メトキシカルボニルオキシフェニル)
ジスルフィド〔X1、X2=メトキシカルボニル基〕、ビ
ス(4−フェノキシカルボニルオキシフェニル)ジスル
フィド〔X1、X2=フェノキシカルボニル基〕などが挙
げられる。また、前記一般式(II)で表されるジスル
フィド誘導体の具体例としては、例えば、ビス(4−フ
ルオロフェニル)ジスルフィド〔X3、X4=F〕、ビス
(4−クロロフェニル)ジスルフィド〔X3、X4=C
l〕、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド
〔X3、X4=Br〕、ビス(4−ヨードフェニル)ジス
ルフィド〔X3、X4=I〕、ビス(4−トリフルオロメ
チルフェニル)ジスルフィド〔X3、X4=CF3〕、ビ
ス(4−トリクロロメチルフェニル)ジスルフィド〔X
3、X4=CCl3〕、ビス(4−トリブロモメチルフェ
ニル)ジスルフィド〔X3、X4=CBr3〕が挙げられ
る。
ド誘導体の含有量は、過度に多いと上限電圧が4.2V
より高電圧及び/又は40℃以上の高温状態の充放電に
おいて電池性能が低下する。また、過度に少ないと期待
した十分な電池性能が得られない。したがって、その含
有量は非水電解液の重量に対して0.001〜5重量
%、好ましくは0.001〜1重量%、更に好ましく
は、0.01〜0.7重量%、最も好ましくは0.03
〜0.5重量%の範囲が長期間にわたってサイクル特性
が向上するのでよい。
キシルベンゼンの含有量は、過度に多いと非水電解液の
電導度などが変わり電池性能が低下することがあり。ま
た、過度に少ないと期待した分解被膜が形成されず、期
待した過充電に対する電池特性が得られないので、非水
電解液の重量に対して0.1〜5重量%の範囲が好まし
く、更に好ましくは、0.5〜3重量%の範囲である。
えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカー
ボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビ
ニレンカーボネート(VC)、ジメチルビニレンカーボ
ネート(DMVC)、ビニルエチレンカーボネート(V
EC)などの環状カーボネート類や、γ−ブチロラクト
ンなどのラクトン類、ジメチルカーボネート(DM
C)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチル
カーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート
(MPC)、メチルイソプロピルカーボネート(MiP
C)、メチルブチルカーボネート(MBC)、ジプロピ
ルカーボネート(DPC)、ジブチルカーボネート(D
BC)などの鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タン、1,2−ジブトキシエタンなどのエーテル類、ア
セトニトリルなどのニトリル類、プロピオン酸メチル、
ピバリン酸メチル、ピバリン酸オクチルなどのエステル
類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類が挙げられ
る。
よく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
非水溶媒の組み合わせは特に限定されないが、例えば、
環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わ
せ、環状カーボネート類とラクトン類との組み合わせな
ど種々の組み合わせが挙げられる。
ては、例えば、メチル 2−プロピニルカーボネート、
メタンスルホン酸2−プロピニル、2−ブチン−1,4
−ジオール ジメチルジカーボネート、1,3−プロパ
ンスルトン、ジビニルスルホンおよび1,4−ブタンジ
オールジメタンスルホネートから選ばれる少なくとも1
種以上が0.01〜10重量%含有されると、さらにサ
イクル特性を改善する効果があるので好ましい。
ば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCl
O4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C
2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)
2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、Li
PF3(iso−C3F7)3、LiPF5(iso−C3F
7)などが挙げられる。これらの電解質は、一種類で使
用してもよく、二種類以上組み合わせて使用してもよ
い。これら電解質は、前記の非水溶媒に通常0.1〜3
M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で溶解されて使
用される。
ボネートと鎖状カーボネートとを混合し、これに前記の
電解質を溶解し、前記ジスルフィド誘導体および前記シ
クロヘキシルベンゼンを溶解することにより得られる。
はニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物が使
用される。このような複合金属酸化物としては、例え
ば、LiCoO2、LiNiO2、LiCo1-xNixO2
(0.01<x<1)、LiMn2O4などが挙げられ
る。また、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2と
LiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように適当
に混ぜ合わせて使用しても良い。
ラック、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(S
BR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(N
BR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの
結着剤と混練して正極合剤とした後、この正極材料を集
電体としてのアルミニウムやステンレス製の箔やラス板
に圧延して、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度
真空下で加熱処理することにより作製される。
属やリチウム合金、またはリチウムを吸蔵・放出可能な
炭素材料〔熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類
(人造黒鉛、天然黒鉛など)、有機高分子化合物燃焼
体、炭素繊維〕、または複合スズ酸化物などの物質が使
用される。特に、格子面(002)の面間隔(d002)
が0.335〜0.340nm(ナノメーター)である
黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ま
しい。なお、炭素材料のような粉末材料はエチレンプロ
ピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SB
R)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NB
R)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結
着剤と混練して負極合剤として使用される。
ものではなく、単層又は複層の正極、負極、セパレータ
を有するコイン型電池やポリマー電池、さらに、ロール
状の正極、負極およびロール状のセパレータを有する円
筒型電池や角型電池などが一例として挙げられる。な
お、セパレータとしては公知のポリオレフィンの微多孔
膜、織布、不織布などが使用される。
作動電圧が4.2Vより大きい場合にも長期間にわた
り、優れたサイクル特性を有しており、特に最大作動電
圧が4.3Vのような場合にも優れたサイクル特性を有
している。カットオフ電圧は、2.0V以上とすること
ができ、さらに2.5V以上とすることができる。電流
値については特に限定されるものではないが、通常0.
1〜3Cの定電流放電で使用される。また、本発明にお
けるリチウム二次電池は、−40〜100℃と広い温度
範囲で充放電することができ、特に従来サイクル特性の
低下が大きくなる40℃以上の高温での使用において
も、高いサイクル特性を有しており、使用環境温度が4
0〜60℃となるような高温タイプのリチウム二次電池
として好適に使用できる。
を具体的に説明する。 実施例1 〔電解液の調製〕EC/PC/DEC(容量比)=30
/5/65の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1
Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した
後、さらに前記ジスルフィド誘導体としてビス(4−メ
トキシフェニル)ジスルフィドを非水電解液に対して
0.2重量%、およびシクロヘキシルベンゼン(CH
B)を3重量%となるように加えた。
の測定〕LiCoO2(正極活物質)を90重量%、ア
セチレンブラック(導電剤)を5重量%、ポリフッ化ビ
ニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに
1−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状にして
アルミ箔上に塗布した。その後、これを乾燥し、加圧成
形して正極を調製した。人造黒鉛(負極活物質)を95
重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の
割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドンを加
えてスラリー状にして銅箔上に塗布した。その後、これ
を乾燥し、加圧成形して負極を調製した。そして、ポリ
プロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記
の電解液を注入して18650サイズの円筒型電池(直
径18mm、高さ65mm)を作製した。電池には、圧
力開放口および内部電流遮断装置を設けた。この186
50電池を用いて、サイクル試験するために、高温(4
5℃)下、1.45A(1C)の定電流で4.25Vま
で充電した後、終止電圧4.25Vとして定電圧下に合
計3時間充電した。次に1.45A(1C)の定電流
下、終止電圧2.7Vまで放電し充放電を繰り返した。
初期放電容量は、1M LiPF6+EC/PC/DE
C(容量比)=30/5/65を電解液として用いた場
合(比較例1)と比較して同等であった。300サイク
ル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を10
0%としたときの放電容量維持率は84.3%であっ
た。また、高温保存特性も良好であった。さらに、サイ
クル試験を300回繰り返した18650電池を用い
て、常温(20℃)下、満充電状態から2.9A(2
C)の定電流で続けて充電することにより、過充電試験
を行った。この時、電流遮断時間は16分、電流遮断後
の電池の最高表面温度は79℃であった。18650サ
イズの円筒型電池の材料条件および電池特性を表1に示
す。
ル)ジスルフィドを非水電解液に対して0.3重量%使
用し、シクロヘキシルベンゼンを2重量%使用したほか
は実施例1と同様にして、18650サイズの円筒型電
池を作製した。18650サイズの円筒型電池の材料条
件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断
時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
ジスルフィドを非水電解液に対して0.2重量%使用
し、シクロヘキシルベンゼンを2重量%使用したほかは
実施例1と同様にして、18650サイズの円筒型電池
を作製した。18650サイズの円筒型電池の材料条件
および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時
間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
く添加しなかったほかは実施例1と同様に実施例1と同
様にして、18650サイズの円筒型電池を作製した。
18650サイズの円筒型電池の材料条件および300
サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断
後の電池の最高表面温度を表1に示す。
施例1と同様にして、18650サイズの円筒型電池を
作製した。18650サイズの円筒型電池の材料条件お
よび300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時
間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
1と同様にして、18650サイズの円筒型電池を作製
した。18650サイズの円筒型電池の材料条件および
300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電
流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
たほかは実施例1と同様にして、18650サイズの円
筒型電池を作製した。18650サイズの円筒型電池の
材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電
流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に
示す。
o0.2O2を使用したほかは実施例1と同様に、1865
0サイズの円筒型電池を作製し、電池性能を測定した。
18650サイズの円筒型電池の材料条件および電池特
性を表1に示す。
5と同様に、18650サイズの円筒型電池を作製し、
電池性能を測定した。18650サイズの円筒型電池の
材料条件および電池特性を表1に示す。
施例5と同様に、18650サイズの円筒型電池を作製
し、電池性能を測定した。18650サイズの円筒型電
池の材料条件および電池特性を表1に示す。
0サイズの円筒型電池を作製し、電池性能を測定した。
18650サイズの円筒型電池の材料条件および電池特
性を表2に示す。
ず、発明の趣旨から容易に類推可能な様々な組み合わせ
が可能である。特に、上記実施例の溶媒の組み合わせは
限定されるものではない。更には、上記実施例は186
50サイズの円筒型電池に関するものであるが、本発明
は角型、アルミラミネート型、コイン型の電池にも適用
される。
の安全性およびサイクル特性、電気容量、保存特性など
の電池特性にも優れたリチウム二次電池を提供すること
ができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 非水溶媒に電解質が溶解されている非
水電解液において、該非水電解液中に、下記式(I)ま
たは式(II)、 【化1】 【化2】 (ただし、式中、X1、X2はそれぞれ独立して炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素
数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜6のシクロアルキ
ル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数7〜15の
アラルキル基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数1〜7
のアルカンスルホニル基、炭素数6〜10のアリールス
ルホニル基、炭素数2〜7のエステル基を示す。また、
X3、X4はそれぞれ独立してF、Cl、Br、I、CF
3、CCl3、CBr3を示す。)で表されるジスルフィ
ド誘導体から選ばれる少なくとも1種以上が0.001
〜5重量%、およびシクロヘキシルベンゼンが0.1〜
5重量%含有されていることを特徴とする非水電解液。 - 【請求項2】 正極、負極および非水電溶媒に電解質
が溶解されている非水電解液からなるリチウム二次電池
において、該非水電解液中に、下記式(I)または式
(II)、 【化3】 【化4】 (ただし、式中、X1、X2はそれぞれ独立して炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素
数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜6のシクロアルキ
ル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数6〜15の
アラルキル基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数1〜7
のアルカンスルホニル基、炭素数6〜10のアリールス
ルホニル基、炭素数2〜7のエステル基を示す。また、
X3、X4はそれぞれ独立してF、Cl、Br、I、CF
3、CCl3、CBr3を示す。)で表されるジスルフィ
ド誘導体から選ばれる少なくとも1種以上が0.001
〜5重量%、およびシクロヘキシルベンゼンが0.1〜
5重量%含有されていることを特徴とするリチウム二次
電池。
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