JP2005209529A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下にて充放電サイクルを繰り返した際に電極群が歪むのが抑制された非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】正極3及び負極4がセパレータ5を介して扁平形状に捲回された電極群2と、前記正極3と電気的に接続され、前記電極群2の渦巻面から突き出た正極タブ10と、前記負極4と電気的に接続され、前記電極群の渦巻面から突き出た負極タブ11と、非水電解質とを具備する非水電解質二次電池であって、前記非水電解質は、シクロヘキシルベンゼンを含み、前記正極タブ10と前記負極タブ11の最短距離Dを6mm〜18mmの範囲にすることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
近年、移動体通信機、ノートブック型パソコン、パームトップ型パソコン、一体型ビデオカメラ、ポータブルCD(MD)プレーヤー、コードレス電話等の電子機器の小形化、軽量化を図る上で、これらの電子機器の電源として、特に小型で大容量の電池が求められている。
これら電子機器の電源として普及している電池としては、アルカリマンガン電池のような一次電池や、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等の二次電池が挙げられる。その中でも、正極にリチウム複合酸化物を用い、負極にリチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素質材料を用いた非水電解質二次電池が、小型軽量で単電池電圧が高く、高エネルギー密度を得られることから注目されている。
この非水電解質二次電池の過充電時の安全性を向上させるために、非水電解液にシクロヘキシルベンゼンを添加することが例えば特許文献1,2に開示されている。
近年は、非水電解質二次電池を使用した機器の多様化が進み、過充電時の安全性だけでなく様々な環境下での電池の信頼性が求められており、常温のみならず60℃程度の高温においても十分な充放電特性を得られることが要望されている。
特開2001−15155号公報 特開2002−117895号公報
本発明は、高温下にて充放電サイクルを繰り返した際に電極群が歪むのが抑制された非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明に係る非水電解質二次電池は、正極及び負極がセパレータを介して扁平形状に捲回された電極群と、前記正極と電気的に接続され、前記電極群の渦巻面から突き出た正極タブと、前記負極と電気的に接続され、前記電極群の渦巻面から突き出た負極タブと、非水電解質とを具備する非水電解質二次電池であって、
前記非水電解質は、シクロヘキシルベンゼンを含み、
前記正極タブと前記負極タブの最短距離を6mm〜18mmの範囲にすることを特徴とするものである。
本発明によれば、高温下にて充放電サイクルを繰り返した際に電極群が歪むのが抑制された非水電解質二次電池を提供することができる。
以下、本発明に係る非水電解質二次電池について説明する。
この非水電解質二次電池は、正極及び負極がセパレータを介して扁平形状に捲回された電極群と、前記正極と電気的に接続され、前記電極群の渦巻面から突き出た正極タブと、前記負極と電気的に接続され、前記電極群の渦巻面から突き出た負極タブと、非水電解質とを具備する非水電解質二次電池であって、
前記非水電解質は、シクロヘキシルベンゼン(CHB)を含み、
前記正極タブと前記負極タブの最短距離を6mm〜18mmの範囲にすることを特徴とするものである。
本発明に係る非水電解質二次電池の形態は、図1及び図2に例示される薄型、図3に例示される角形等にすることができる。
まず、薄型非水電解質二次電池について説明する。
図1に示すように、矩形のカップ状をなす容器本体1内には、電極群2が収納されている。電極群2は、正極3と、負極4と、正極3と負極4の間に配置されるセパレータ5を含む積層物が偏平形状に捲回された構造を有する。非水電解質は、電極群2に保持されている。容器本体1の縁の一部は幅広になっており、蓋板6として機能する。容器本体1と蓋板6は、それぞれ、ラミネートフィルムから構成される。このラミネートフィルムは、外部保護層7と、熱可塑性樹脂を含有する内部保護層8と、外部保護層7と内部保護層8の間に配置される金属層9とを含む。容器本体1には蓋体6が内部保護層8の熱可塑性樹脂を用いてヒートシールによって固定され、それにより容器内に電極群2が密封される。正極3には正極タブ10が電気的に接続され、負極4には負極タブ11が電気的に接続され、それぞれ容器の外部に引き出されて、正極端子及び負極端子の役割を果たす。
なお、図1,図2に例示される薄型非水電解質二次電池では、カップ状の容器を用いる例を説明したが、容器の形状は特に限定されず、例えば袋状等にすることができる。
次いで、角形非水電解質二次電池について説明する。
図3に示すように、例えばアルミニウムのような金属製の有底矩形筒状容器12内には、電極群2が収納されている。電極群2は、正極3、セパレータ5及び負極4がこの順序で積層され、扁平状に捲回されたものである。中央付近に開口部を有するスペーサ13は、電極群2の上方に配置されている。
非水電解質は、電極群2に保持されている。電解液注液口14を備え、かつ中央付近に円形孔が開口されている封口板15は、容器12の開口部にレーザ溶接されている。なお、注液口14は、封止蓋(図示せず)によって封止された状態にある。負極端子16は、封口板15の円形孔にハーメチックシールを介して配置されている。負極4から引き出された負極タブ11は、負極端子16の下端に溶接されている。一方、正極タブ(図示しない)は、正極端子を兼ねる容器12に接続されている。
この二次電池に用いられる扁平形電極群の一例を図4〜図6に示す。この図4〜図6では、正極と負極の位置関係をわかりやすくするためにセパレータを省略している。
図4は、正極タブ10及び負極タブ11の双方が電極群の中心付近に位置する内内タブの例である。電極群2は、例えば、正極3と負極4の間にセパレータを介在させて扁平形状に捲回することにより作製される。この際、負極4を正極3に先行させて捲回を行なうため、負極4の捲き始め部は正極と対向しておらず、負極集電体30の捲き始め部に負極層を担持させる必要がない。帯状の負極タブ11は、負極集電体30の捲き始め部の内側の面に溶接されている。正極3の正極集電体31の捲き始め部は、負極4の捲き始め部とセパレータ(図示しない)を介して対向しており、充放電反応に関与できないために正極層を担持させていない。帯状の正極タブ10は、正極集電体31の捲き始め部の内面に溶接されている。
負極4では、捲き始め部から1周目までは外側の面のみ正極層と対向するため、負極集電体30の外側の面のみに負極層32が形成されている。それ以降では、両面が正極層33と対向しているため、負極集電体30の両面に負極層32が形成されている。
一方、正極3では、捲き始め部以降は、両面が負極層32と対向するため、正極集電体31の両面に正極層33が形成されている。但し、電極群2の最外周が正極3で、電極群2の最外周を構成する部分では内側の面のみ負極層32と対向するため、正極集電体31の内側の面のみに正極層33が形成されている。
正極タブによる短絡を防止するための2枚の保護テープ34は、一方が正極集電体31に溶接された正極タブ10を被覆し、他方が溶接箇所の裏側に貼り付けられている。電極群2の最外周の端部は、捲き止めテープ35により最外周表面に固定されている。なお、保護テープ34と捲き止めテープ35は、なくても構わない。
なお、前述した図4では、タブを電極の捲き始め部に取りつけた例を説明したが、内内タブの構成にする場合のタブの取付け位置はこれに限らない。正極タブ10は、捲き始め部の代わりに、正極3の中で最も外側に位置する周よりも内側の周における任意の箇所に配置することができる。一方、負極タブ11は、捲き始め部の代わりに、負極4の中で最も外側に位置する周よりも内側の周における任意の箇所に配置することができる。
図5,図6は、正極タブ10が電極群の最外周に配置され、負極タブ11が電極群の中心付近に位置する内外タブの例である。
図5では、負極4の捲き始め部は、正極よりも先行しており、充放電反応に関与しないことから、負極層を形成する必要がない。これと対向する正極3の捲き始め部も、充放電反応に関与しないため、正極層が形成されていない。負極4では、捲き始め部から1周分が外側の面のみ正極層33と対向するために負極集電体30の外側の面のみに負極層32が形成されており、それ以降は両面が正極層33と対向するために負極集電体30の両面に負極層32が形成されている。
一方、正極3では、捲き始め部以降は両面が負極層32と対向するために正極集電体31の両面に正極層33が形成されている。但し、最外周では内側の面のみ負極層32と対向するため、正極集電体31の内側の面のみに正極層33が形成されている。帯状の正極タブ10は、正極集電体31の捲き終わり部の内面に溶接されている。一方、帯状の負極タブ11は、負極集電体30の捲き始め部の内面に溶接されている。図5は、左捲き・偶数層の例であるが、図5よりも捲回数を半周多くした左捲き・奇数層の一例が図6である。
図6においては、正極集電体31の捲き終わり端部と負極集電体30の捲き終わり端部が、図5よりも半周分だけ後方に位置している。この正極集電体31の捲き終わり部の内面に帯状の正極タブ10が溶接されている。一方、負極集電体30の捲き始め部の内面に帯状の負極タブ11が溶接されている。
なお、図5、図6においては、一方の電極のタブをその電極の捲き終わり部に配置し、他方の電極のタブをその電極の捲き始め部に配置した例を説明したが、内外タブを構成するためのタブ配置はこれに限定されない。例えば、電極の捲き終わり部に配置する代わりにその電極の中で最も外側に位置する周に配置しても良いし、電極の捲き始め部に配置する代わりにその電極の中で最も外側に位置する周よりも内側の周に配置することができる。
前述した図4〜図6においては、電極群の最外周を正極にした例を説明したが、電極群の最外周を負極にすることができる。この場合、負極タブ11を負極4の捲き終わり部に配置し、かつ正極タブ10を正極3の捲き始め部に配置することが可能である。また、電極群の最外周を正極または負極にする代わりにセパレータとしても良い。
前述した図4〜図6においては、正極タブ10及び負極タブ11を正極集電体31と負極集電体30それぞれに溶接する例を説明したが、これに限らず、正極集電体31の一部を延長したものを正極タブとして使用したり、負極集電体30の一部を延長したものを負極タブとして使用することができる。
前述した図4〜図6においては、内内タブ構造と内外タブ構造について説明したが、本願発明はこれに限定されない。例えば、電極群の最外周を正極とし、正極の捲き終わり部にタブを配置し、この正極とセパレータを介して対向する負極を捲き終わり端部が正極の捲き終わり端部から突出するように延ばし、この負極の捲き終わり端部に負極タブを配置する外外タブ構造にしても良い。また、外外タブ構造においては、電極群の最外周を負極とし、負極の捲き終わり端部に負極タブを配置し、かつ最外周の負極と対向する正極の捲き終わり端部に正極タブを配置することも可能である。
正極タブ10は、例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケルから形成することができる。一方、負極タブ11は、例えば、ニッケル、銅、ステンレスから形成することができる。
正極タブ10と負極タブ11との最短距離Dは、6mm〜18mmの範囲にすることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。正極タブ10と負極タブ11は、例えば、ラミネートフィルム製容器の場合にはフィルムの間に挟まれた状態でヒートシールされ、金属製容器の場合には容器内面に溶接される等、何らかのかたちで容器に固定されており、また、金属製で剛性を有していることから、正極と負極の充放電による膨張収縮を規制することができる。最短距離Dを6mm未満にすると、正極タブと負極タブの間において、充放電反応に伴う膨張・収縮で生じた応力が強く干渉し合うため、この箇所から外側に向うような湾曲を生じ、高温での充放電サイクル寿命が短くなる。一方、最短距離Dが18mmを超えると、正極タブと負極タブの間に位置する正負極の充放電反応に伴う膨張・収縮を、タブで規制することができず、大きくなり、非水電解質の偏在により一部で液枯れを生じ、それにより充放電反応が不均一に生じることから膨張・収縮の偏りが益々大きくなり、このような電解質の偏在と膨張・収縮の偏りを繰り返すことにより電極群が歪みあるいはよれ、電極間距離がばらつくため、高温での充放電サイクル寿命が短くなる。最短距離Dのさらに好ましい範囲は8mm〜17mmで、最も好ましい範囲は10mm〜16mmである。
高温サイクルにおける電極群の歪みやよれをさらに小さくするために、電極群2の渦巻面の長手方向の幅L(図4に示す)を22〜65mmの範囲にすることが好ましい。これは、渦巻面の長手方向の幅Lが長くても、短くても、充放電に伴う電極群の膨張・収縮で生じた応力の拡散が不均一になる恐れがあるからである。より望ましい範囲は22〜55mmで、さらに好ましい範囲は22〜45mmである。
正極タブ10の幅(短辺側の幅)と、負極タブ11の幅(短辺側の幅)は、それぞれ、2mm〜5mmの範囲にすることが望ましい。また、正極タブ10を正極集電体31とは別に設けてこれらを溶接等により一体化する場合、正極タブ10の厚さは40μm〜150μmの範囲にすることができる。正極集電体31の一部を正極タブ10として使用する場合、正極タブ10の厚さは当然のことながら正極集電体31の厚さに等しくなる。正極集電体31の厚さは、例えば、5μm〜20μmの範囲にすることができる。
一方、負極タブ11を負極集電体30とは別に設けてこれらを溶接等により一体化する場合、負極タブ11の厚さは40μm〜150μmの範囲にすることができる。負極集電体30の一部を負極タブ11として使用する場合、負極タブ11の厚さは当然のことながら負極集電体30の厚さに等しくなる。負極集電体30の厚さは、例えば、5μm〜20μmの範囲にすることができる。
以下、正極、負極、セパレータ、非水電解質及び容器について説明する。
1)正極
この正極は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持され、活物質を含む正極層とを含む。
前記正極層は、結着剤及び導電剤をさらに含むことが望ましい。
前記正極活物質としては、種々の酸化物、例えば二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウム含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物などを挙げることができる。中でも、リチウム含有コバルト酸化物(例えば、LiCoO2 )、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8 Co0.2 2 )、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn2 4 、LiMnO2 )を用いると、高電圧が得られるために好ましい。なお、正極活物質としては、1種類の酸化物を単独で使用しても、あるいは2種類以上の酸化物を混合して使用しても良い。
前記導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエーテルサルフォン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。
前記正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質85〜98重量%、導電剤1〜10重量%、結着剤1〜5重量%の範囲にすることが好ましい。
前記集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。これら導電性基板は、例えば、アルミニウム、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。
前記正極は、例えば、正極活物質に導電剤および結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電体に塗布、乾燥してプレスすることにより作製される。
2)負極
前記負極は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持される負極層とを含む。
前記負極層は、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物及び結着剤を含むことが望ましい。
前記炭素質物としては、例えば、黒鉛、コークス、炭素繊維、球状炭素、熱分解気相炭素質物、樹脂焼成体などの黒鉛質材料もしくは炭素質材料; 熱硬化性樹脂、等方性ピッチ、メソフェーズピッチ系炭素、メソフェーズピッチ系炭素繊維、メソフェーズ小球体などに500〜3000℃で熱処理を施すことにより得られる黒鉛質材料または炭素質材料; 黒鉛質材料粒子の表面を粒子よりも結晶性の低い炭素層で被覆したもの;等を挙げることができる。中でも、(002)面の面間隔d002が0.34nm以下である黒鉛結晶を有する黒鉛質材料を用いるのが好ましい。このような黒鉛質材料を炭素質物として含む負極を備えた非水電解質二次電池は、電池容量および大電流放電特性を大幅に向上することができる。前記面間隔d002 は、0.337nm以下であることが更に好ましい。
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
前記炭素質物及び前記結着剤の配合割合は、炭素質物90〜98重量%、結着剤2〜10重量%の範囲であることが好ましい。
前記集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。これら導電性基板は、例えば、銅、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。
前記負極は、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物と結着剤とを溶媒の存在下で混練し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、所望の圧力で1回プレスもしくは2〜5回多段階プレスすることにより作製される。
3)セパレータ
このセパレータとしては、微多孔性の膜、織布、不織布、これらのうち同一材または異種材の積層物等を用いることができる。セパレータを形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー等を挙げることができる。セパレータの形成材料としては、前述した種類の中から選ばれる1種類または2種類以上を用いることができる。
前記セパレータの厚さは、30μm以下にすることが好ましく、さらに好ましい範囲は25μm以下である。また、厚さの下限値は5μmにすることが好ましく、さらに好ましい下限値は8μmである。
前記セパレータは、120℃、1時間での熱収縮率を20%以下であることが好ましい。前記熱収縮率は、15%以下にすることがより好ましい。
前記セパレータは、多孔度が30〜60%の範囲であることが好ましい。多孔度のより好ましい範囲は、35〜50%である。
前記セパレータは、空気透過率が600秒/100cm3 以下であることが好ましい。空気透過率は、100cm3の空気がセパレータを透過するのに要した時間(秒)を意味する。空気透過率の上限値は500秒/100cm3 にすることがより好ましい。また、空気透過率の下限値は50秒/100cm3 にすることが好ましく、さらに好ましい下限値は80秒/100cm3 である。
セパレータの幅は、正極と負極の幅に比べて広くすることが望ましい。このような構成にすることにより、正極と負極がセパレータを介さずに直接接触するのを防ぐことができる。
4)非水電解質
前記非水電解質には、実質的に液状またはゲル状の形態を有するものを使用することができる。
液状非水電解質(非水電解液)は、例えば、非水溶媒に電解質を溶解させることにより得られる。非水溶媒および電解質について説明する。
非水溶媒は、シクロヘキシルベンゼン(CHB)を含有する。非水溶媒中のCHBの含有量は、7体積%以下にすることが望ましい。これは、CHBが無添加であると、正極タブと負極タブとの最短距離Dが6mm〜18mmの範囲であっても60℃程度の高温下での充放電サイクルの際に電極群が大きく歪む一方で、CHBの比率が7体積%を超えても、上記高温サイクルにおいて電極群が歪に変形する恐れがあるからである。CHBの比率のより好ましい範囲は、5体積%以下であり、さらに好ましい範囲は4体積%以下である。また、電極群の歪み防止効果を十分に得るためには、CHBの比率を最低でも0.01体積%、さらに好ましくは0.1体積%以上確保することが望ましい。
非水溶媒には、CHB以外の他の溶媒を含有させることが望ましい。他の溶媒としては、例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネート、スルトン化合物(環内に少なくとも一つの二重結合を有するスルトン化合物、1,3−プロパンスルトン(PS)など)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フェニルエチレンカーボネート(phEC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(VL)、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(EP)、2−メチルフラン(2Me−F)、フラン(F)、チオフェン(TIOP)、カテコールカーボネート(CATC)、エチレンサルファイト(ES)、12−クラウン−4(Crown)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(Ether)等を挙げることができる。他の溶媒の種類は、1種類もしくは2種類以上にすることができる。
非水溶媒の組成としては、例えば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとCHBを含むもの、環状カーボネートとGBLとCHBとを含むものなどを挙げることができる。環状カーボネートしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などを挙げることができる。また、鎖状カーボネートには、メチルエチルカーボネート(MEC)が必須成分として含まれていることが望ましく、MECのみを鎖状カーボネートとして用いても、MECに他の鎖状カーボネートを併用しても良い。他の鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)及びジメチルカーボネート(DMC)のうちの少なくとも一方が好ましい。
非水溶媒中のECの含有量は、25体積%〜50体積%の範囲内にすることが望ましく、さらに好ましい含有量は、25体積%〜45体積%の範囲内である。
非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量は、40〜80体積%の範囲内にすることが望ましく、より好ましい範囲は50〜80体積%で、さらに好ましい範囲は55〜75体積%である。
高温での充放電サイクルによる電極群の歪みを抑制してサイクル寿命をさらに向上させるために、非水溶媒中にVC、VEC及び環内に少なくとも一つの二重結合を有するスルトン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種類を添加することが望ましい。これら添加成分の比率は、10体積%以下にすることが望ましい。これは、添加成分の比率が10%体積を超えると、添加成分とCHBにより電極表面に形成された被膜により抵抗が上昇して充放電反応が不均一に生じやすく、これにより膨張収縮で生じた応力が偏る結果、電極群のよれが大きくなる恐れがあるからである。更に、長期の充放電サイクルに亘って電極群のよれを防止するためには、添加成分の割合は4%体積以下であることが望ましい。また、十分なよれ防止効果を得るためには、添加成分の比率を最低でも0.01体積%確保することが望ましい。更に、添加成分の比率が0.1体積%以上あれば、例えば60℃等の更に高い温度でも電極群のよれ防止効果を充分に示すことができる。
環内に少なくとも1つの二重結合を有するスルトン化合物としては、下記化1に示す一般式で表わされるスルトン化合物Aか、もしくはスルトン化合物Aの少なくとも1つのHが炭化水素基で置換されたスルトン化合物Bを用いることができる。なお、本願では、スルトン化合物Aまたはスルトン化合物Bを単独で用いても、スルトン化合物Aとスルトン化合物Bの双方を使用しても良い。
Figure 2005209529
化1において、Cmnは直鎖状の炭化水素基で、mとnは、2m>nを満たす2以上の整数である。
環内に少なくとも一つの二重結合を有するスルトン化合物は、負極との反応により二重結合が開いて重合反応が起こるため、負極表面にリチウムイオン透過性の保護被膜を形成することができる。スルトン化合物の中でも好ましいのは、スルトン化合物Aのうちm=3、n=4である化合物、即ち1,3−プロペンスルトン(PRS)、または、m=4、n=6である化合物、即ち1,4−ブチレンスルトン(BTS)である。スルトン化合物としては、1,3−プロペンスルトン(PRS)あるいは1,4−ブチレンスルトン(BTS)を単独で用いても、これらPRSとBTSを併用しても良い。
前記非水溶媒に溶解される電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[(LiN(CF3 SO2 2 ]、LiN(C25SO22などのリチウム塩を挙げることができる。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.5モル/Lとすることが望ましい。さらに好ましい範囲は、0.8〜2モル/Lである。
前記液状非水電解質には、セパレータとの濡れ性を良くするために、トリオクチルフォスフェート(TOP)のような界面活性剤を含有させることが望ましい。界面活性剤の添加量は、3%以下が好ましく、さらには0.1〜1%の範囲内にすることが好ましい。
前記液状非水電解質の量は、電池単位容量100mAh当たり0.15〜0.55gにすることが好ましい。液状非水電解質量のより好ましい範囲は、0.2〜0.5g/100mAhである。
5)容器(収納容器)
容器の形状は、前述したように、例えば、有底矩形筒型、袋状、カップ状等にすることができる。
この容器は、例えば、樹脂層を含むシート、金属板、金属フィルム等から形成することができる。
前記シートに含まれる樹脂層は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアミド等から形成することができる。シートは1種類または2種類以上の樹脂層のみから構成されていても良いが、金属層を含むものであっても良い。金属層は、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、ニッケル等を挙げることができる。
前記金属板及び前記金属フィルムは、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムから形成することができる。
樹脂層を含むシートで容器を形成する場合、シートの厚さは0.3mm以下にすることが望ましく、より好ましい範囲は0.25mm以下で、更に好ましい範囲は0.15mm以下で、最も好ましい範囲は0.12mm以下である。また、容器の強度確保の観点から、シート厚さの下限値は0.05mmにすることが好ましい。
アルミニウムから容器を形成する場合、容器側面のうち幅の広い面の板厚は0.4mm以下にすることが好ましく、より好ましい範囲は0.3mm以下で、さらに好ましい範囲は0.25mm以下である。また、容器の強度を確保するために、幅の広い面の板厚の下限値を0.1mmにすることが望ましく、さらに望ましい下限値は0.15mmである。
以上説明した本発明に係る非水電解質二次電池では、シクロヘキシルベンゼン(CHB)を含有する非水電解質を備えていると共に、正極タブと負極タブの最短距離を6〜18mmにしているため、60℃程度の高温下での充放電サイクルにおいて電極群が歪に変形するのを抑えることができ、高温での充放電サイクル寿命を向上することができる。本発明の効果が得られるメカニズムは明らかでないが、以下に説明するように推測される。
すなわち、CHBを含有する非水電解質は、高温の充放電サイクルにおいて電極(例えば正極)と反応して表面に被膜を形成する。この被膜が、正極と負極とセパレータとの密着性を高める効果を有しているため、正極タブと負極タブの最短距離を6〜18mmにすることによって、充放電に伴う膨張・収縮で生じた応力を電極群に均等に拡散させることができるものと考えられる。また、被膜の形成は、充放電サイクルの進行と共に進むため、少量でも十分な密着性を確保することが可能な充放電サイクル初期においては少なく、正極と負極の電極間距離が開きやすい充放電サイクル後期においてより堆積量が多くなることから、充放電サイクル初期からインピーダンスが高くなるのを回避することができると共に、充放電サイクル後期にも十分な密着性を維持することができる。これらの結果、高温で充放電サイクルを繰り返した際の電極群の歪みを小さくすることができ、高温での充放電サイクル寿命が向上されるものと考えられる。
[実施例]
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
まず、リチウムコバルト酸化物(LixCoO2;但し、Xは0<X≦1である)粉末90重量%に、アセチレンブラック5重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%のジメチルフォルムアミド(DMF)溶液とを加えて混合し、スラリーを調製した。前記スラリーを厚さが15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に正極タブ溶接箇所を除いて塗布した後、乾燥し、プレスすることにより、正極層が集電体の両面に担持された構造の正極を作製した。なお、正極層の厚さは、片面当り60μmであった。
<負極の作製>
炭素質材料として3000℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(粉末X線回折により求められる(002)面の面間隔(d002 )が0.336nm)の粉末を95重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%のジメチルフォルムアミド(DMF)溶液とを混合し、スラリーを調製した。前記スラリーを厚さが12μmの銅箔からなる集電体の両面に負極タブ溶接箇所を除いて塗布し、乾燥し、プレスすることにより、負極層が集電体に担持された構造の負極を作製した。なお、負極層の厚さは、片面当り55μmであった。
なお、炭素質物の(002)面の面間隔d002は、粉末X線回折スペクトルから半値幅中点法によりそれぞれ求めた。この際、ローレンツ散乱等の散乱補正は、行わなかった。
<セパレータ>
厚さが25μmの微多孔性ポリエチレン膜からなるセパレータを用意した。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)、メチルエチルカーボネート(MEC)およびシクロヘキシルベンゼン(CHB)を体積比率(EC:MEC:CHB)が下記表1に示す値になるように混合して非水溶媒を調製した。得られた非水溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )をその濃度が1モル/Lになるように溶解させて、液状非水電解質を調製した。
<電極群の作製>
前記正極の集電体の未塗工部に帯状アルミニウム箔(厚さ100μm、短辺側の幅4mm)からなる正極タブを超音波溶接し、前記負極の集電体の未塗工部に帯状ニッケル箔(厚さ100μm、短辺側の幅4mm)からなる負極タブを超音波溶接した後、前記正極及び前記負極をその間に前記セパレータを介して渦捲き状に捲回した後、偏平状に成形し、前述した図4に示すような内内タブ構造を有する電極群を作製した。得られた電極群において、正極タブと負極タブの最短距離Dは14mmであった。また、電極群2の渦巻面の長手方向の幅Lは、32mmであった。
厚さが250μmのアルミニウムシートを厚さが4mm、幅が34mm、高さが43mmの直方体の缶に成形し、得られた容器内に前記電極群を収納した。
次いで、容器内の電極群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより電極群及びアルミニウム缶に吸着している水分を除去した。
容器内の電極群に前記液状非水電解質を電池容量1Ah当たりの量が3gとなるように注入し、封止することによって、前述した図3に示す構造を有する角形非水電解質二次電池を組み立てた。
(実施例2〜28)
非水溶媒の組成と、電解質の種類及び濃度と、CHBの種類及び配合比と、正極タブと負極タブの最短距離Dとを下記表1〜2に示すように設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
(実施例29)
アルミニウム箔の両面をポリエチレンで覆った厚さ100μmのラミネートフィルムを、プレス機により矩形のカップ状に成形し、得られた容器内に実施例1で説明したのと同様な電極群を収納した。
次いで、容器内の電極群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより電極群及びラミネートフィルムに含まれる水分を除去した。
容器内の電極群に実施例1で説明したのと同様な液状非水電解質を電池容量1Ah当たりの量が4.8gとなるように注入し、ヒートシールにより封止した後、前述した図1、2に示す構造を有し、厚さが3.6mm、幅が35mm、高さが62mmの薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
(実施例30)
非水溶媒の組成と、電解質の種類及び濃度と、CHBの種類及び配合比とを下記表2に示すように設定すること以外は、前述した実施例29で説明したのと同様にして薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
(実施例31〜41)
非水溶媒の組成と、電解質の種類及び濃度と、CHBの種類及び配合比と、正極タブと負極タブの最短距離Dとを下記表2〜3に示すように設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
(実施例42)
前述した図5に示すように、正極タブを正極の捲き終わり部に配置し、かつ負極タブを負極の捲き始め部に配置すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
(実施例43)
前述した図6に示すように、正極タブを正極の捲き終わり部に配置し、負極タブを負極の捲き始め部に配置し、かつ捲回数を実施例41よりも半周分多くすること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
(比較例1〜9)
非水溶媒の組成と、電解質の種類及び濃度と、CHBの種類及び配合比と、正極タブと負極タブの最短距離Dとを下記表4に示すように設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
(比較例10)
CHBが無添加であること以外は、前述した実施例29で説明したのと同様にして角形非水電解質二次電池を組み立てた。
得られた実施例1〜42及び比較例1〜10の二次電池について、100サイクル後の電池容器の膨れと100サイクル時の容量維持率を以下に説明する方法で測定し、その結果を下記表1〜4に示す。
(100サイクル後の電池容器の膨れと容量維持率)
各二次電池について、初充放電工程として、室温で0.2Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を10時間行い、その後、室温で0.2Cで3.0Vまで放電した。
次に、60℃で1.0Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を3時間行い、その後、60℃で1.0Cで3.0Vまで放電した。その後、室温に戻してから電池容器の厚みt0を測定した。
次に前述の充放電レート1C、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの充放電を60℃にて100回繰り返した後、放電状態のまま室温に戻してから電池容器の厚みt1を測定し、下記(A)式よりサイクル後の電池容器の厚み変化率を求めた。また、100サイクル時の放電容量を測定し、1サイクル目の放電容量を100%として100サイクル時の容量維持率を算出し、その結果を下記表1〜4に示す。
ここで、1Cとは公称容量(Ah)を1時間で放電するために必要な電流値である。
((t1−t0)/t0)×100(%) (A)
ただし、前記t0はサイクル試験前の電池容器の厚さで、前記t1は、100サイクル後の電池容器の厚さを示す。
なお、表1〜表4中、ECはエチレンカーボネート、MECはメチルエチルカーボネート、DECはジエチルカーボネート、GBLはγ−ブチロラクトン、PCはプロピレンカーボネート、VCはビニレンカーボネート、VECはビニルエチレンカーボネート、PRSは1,3−プロペンスルトンを示す。
Figure 2005209529
Figure 2005209529
Figure 2005209529
Figure 2005209529
表1〜4から明らかなように、正極タブと負極タブの最短距離が6〜18mmである実施例1〜28,31〜43の角形二次電池は、最短距離が前記範囲を外れる比較例1〜8の角形二次電池や、CHBが無添加の比較例9の角形二次電池に比較して60℃での100サイクル時の電池厚さ変化率が小さく、100サイクル時の容量維持率が高いことを理解できる。また、実施例29〜30と比較例10から、角形の金属製容器の代わりにラミネートフィルム製の容器を使用する薄型二次電池についても、角形の場合と同様な効果が得られることを確認することができた。
充放電サイクル試験後の比較例1〜10の二次電池を分解して電極群を取り出したところ、充放電サイクル試験による電池厚みの増加が、電極群のよれとこのよれが原因で生じる不均一な充放電に基づくガス発生によるものであることを確認することができた。なお、実施例1の二次電池を分解して電極群を取り出したところ、電極群の変形が比較例1〜10よりも小さいことを確認できた。
CHB配合比を変えた実施例1〜16において、CHBの配合比の上限については7体積%、5体積%、4体積%と少なくする方が容量維持率が高くなり、一方、下限値については0.01体積%よりも0.1体積%の方が高い容量維持率が得られた。
また、容量維持率を高くするには最短距離を8〜17mm、より好ましくは10〜16mmにすることが望ましいことがわかる。
さらに、実施例1のような内内タブの時だけでなく実施例42,43のような内外タブの場合にも、高温充放電サイクルにおける電極群の変形と容量低下を抑えることができた。
(VECの検出方法)
実施例33の二次電池について、前記初充放電工程後、5時間以上回路を開放して十分に電位を落ち着かせた後、Ar濃度が99.9%以上、かつ露点が−50℃以下のグローブボックス内で分解し、電極群を取り出した。前記電極群を遠沈管につめ、ジメチルスルホキシド(DMSO)−d6を加えて密封し、前記グローブボックスより取り出し、遠心分離を行った。その後、前記グローブボックス内で、前記遠沈管から前記電解液と前記DMSO−d6の混合溶液を採取した。前記混合溶媒を5mmφのNMR用試料管に0.5ml程度入れ、NMR測定を行った。前記NMR測定に用いた装置は日本電子株式会社製JNM−LA400WBであり、観測核は1H、観測周波数は400MHz、ジメチルスルホキシド(DMSO)−d6中に僅かに含まれる残余プロトン信号を内部基準として利用した(2.5ppm)。測定温度は25℃とした。1HNMRスペクトルではECに対応するピークが4.5ppm付近、VECに対応するピークが5.2,5.4,6ppm付近に観測され、初充放電工程後の実施例33の二次電池に存在する非水溶媒中にVECが含まれていることを確認できた。また、前記ECのNMR積分強度に対して前記VECのNMR積分強度の比を求めたところ、非水溶媒全体に対するVECの割合が二次電池組立て前より減少していることがわかった。参考に実施例33で用いた非水電解質の1HNMRスペクトルを図7に示す。
(PRSとVCの検出方法)
また、実施例37の二次電池について、前記初充放電工程後、5時間以上回路を開放して十分に電位を落ち着かせた後、Ar濃度が99.9%以上、かつ露点が−50℃以下のグローブボックス内で分解し、電極群を取り出した。前記電極群を遠沈管につめ、ジメチルスルホキシド(DMSO)−d6を加えて密封し、前記グローブボックスより取り出し、遠心分離を行った。その後、前記グローブボックス内で、前記遠沈管から前記電解液と前記DMSO−d6の混合溶液を採取した。前記混合溶媒を5mmφのNMR用試料管に0.5ml程度入れ、NMR測定を行った。前記NMR測定に用いた装置は日本電子株式会社製JNM−LA400WBであり、観測核は1H、観測周波数は400MHz、ジメチルスルホキシド(DMSO)−d6中に僅かに含まれる残余プロトン信号を内部基準として利用した(2.5ppm)。測定温度は25℃とした。1HNMRスペクトルではECに対応するピークが4.5ppm付近、VCに対応するピークが7.7ppm付近に観測された。一方、PRSに対応するピークが、図8に示すスペクトルのように5.1ppm付近(P1)、7.05ppm付近(P2)及び7.2ppm付近(P3)に観測された。これらの結果から、初充放電工程後の実施例37の二次電池に存在する非水溶媒中にVCとPRSが含まれていることを確認できた。
また、観測周波数を100MHzとし、ジメチルスルホキシド(DMSO)−d6(39.5ppm)を内部基準物質として13CNMR測定を行ったところ、ECに対応するピークが66ppm付近、VCに対応するピークが133ppm付近、PRSに対応するピークが74ppm付近と124ppm付近と140ppm付近に観測され、この結果からも、初充放電工程後の実施例37の二次電池に存在する非水溶媒中にVCとPRSが含まれていることを確認できた。
さらに、1HNMRスペクトルにおいて、ECのNMR積分強度に対するVCのNMR積分強度の比と、ECのNMR積分強度に対するPRSのNMR積分強度の比を求めたところ、非水溶媒全体に対するVCの割合、PRSの割合がいずれも二次電池組立て前より減少していることを確認することができた。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係わる非水電解質二次電池の一例である薄型非水電解質二次電池を示す斜視図。 図1の薄型非水電解質二次電池をII−II線に沿って切断した部分断面図。 本発明に係る非水電解質二次電池の一例である角形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図。 図1または図3の非水電解質二次電池に用いられる電極群の一例を示す横断面図。 図1または図3の非水電解質二次電池に用いられる電極群の別な例を示す横断面図。 図1または図3の非水電解質二次電池に用いられる電極群のさらに別な例を示す横断面図。 実施例33の非水電解質二次電池の非水電解質に含まれるVECについての1HNMRスペクトルを示す特性図。 実施例37の非水電解質二次電池の非水電解質に含まれるPRSについての1HNMRスペクトルを示す特性図。
符号の説明
1…容器本体、2…電極群、3…正極、4…負極、5…セパレータ、6…蓋板、7…外部保護層、8…内部保護層、9…金属層、10…正極タブ、11…負極タブ、D…正極タブと負極タブの最短距離、L…電極群の渦巻面の長手方向の幅。

Claims (4)

  1. 正極及び負極がセパレータを介して扁平形状に捲回された電極群と、前記正極と電気的に接続され、前記電極群の渦巻面から突き出た正極タブと、前記負極と電気的に接続され、前記電極群の渦巻面から突き出た負極タブと、非水電解質とを具備する非水電解質二次電池であって、
    前記非水電解質は、シクロヘキシルベンゼンを含み、
    前記正極タブと前記負極タブの最短距離を6mm〜18mmの範囲にすることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記最短距離は、8mm〜17mmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記正極タブは、最外周よりも内側の周の前記正極に電気的に接続され、かつ前記負極タブは、最外周よりも内側の周の前記負極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記正極タブは、最外周の前記正極に電気的に接続され、かつ前記負極タブは、最外周よりも内側の周の前記負極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
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