JP2005268016A - リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコン非結晶薄膜またはシリコンを主成分とする非結晶薄膜を集電体上に堆積させた負極を用いたリチウム二次電池において、非水電解質中に溶解している二酸化炭素の量が少なくても、良好な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池を製造する。
【解決手段】 二酸化炭素を溶解させた第1の非水電解質に負極及び正極を接触させて少なくとも1サイクルの充放電を行う工程と、該充放電後に、第1の非水電解質よりも二酸化炭素の溶解量が少ない第2の非水電解質を用いて、最終的な電池を組み立てる工程とを備えることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウム二次電池の製造方法に関するものであり、詳細にはシリコン非結晶薄膜またはシリコンを主成分とする非結晶薄膜を集電体上に堆積させた負極を用いたリチウム二次電池の製造方法に関するものである。
近年、高出力及び高エネルギー密度の新型二次電池の1つとして、非水電解液を用い、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うリチウム二次電池が利用されている。
このようなリチウム二次電池用負極として、リチウムと合金化する材料を負極活物質として用いたものが検討されている。リチウムと合金化する材料としては、例えばシリコンが検討されている。しかしながら、シリコン等のリチウムと合金化する材料は、リチウムを吸蔵・放出する際に、活物質の体積が膨張・収縮するため、充放電に伴い活物質が微粉化したり、活物質が集電体から脱離する。このため、電極内の集電性が低下し、充放電サイクル特性が悪くなるという問題があった。
本出願人は、シリコンを活物質とし、良好な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池用電極として、スパッタリング法、化学気相堆積法(CVD法)、及び蒸着法などの薄膜形成方法により、集電体上にシリコンの非結晶薄膜を形成した電極を提案している(特許文献1)。また、シリコンにコバルトなどの他の元素を添加したリチウム二次電池用電極を提案している(特許文献2)。一方、炭素材料または金属リチウムなどを負極活物質としたリチウム二次電池においては、非水電解質に二酸化炭素を溶解させることが提案されている(例えば、特許文献3〜13)。
本出願人が提案している上記リチウム二次電池は、充放電容量が大きく、サイクル特性に優れる電池であるが、充放電の繰り返しにより活物質層が多孔質化し、活物質層の厚みが増加するという問題があった。
本出願人は、上記問題を解消するため、二酸化炭素を溶解させた非水電解質を用いることを提案している(特願2003−163692号)。非水電解質に二酸化炭素を溶解させることにより、充放電反応に伴って生じる活物質層の多孔質化を抑制することができる。従って、充放電による活物質層の厚みの増加を少なくすることができ、リチウム二次電池の体積エネルギー密度を高めることができるとともに、充放電サイクル特性を高めることができる。しかしながら、非水電解質に溶解できる二酸化炭素量は、温度依存性を有するため、常温常圧下で二酸化炭素を溶解させた非水電解質は、高温時に二酸化炭素の溶解量が低下し、非水電解質中に溶解していた二酸化炭素がガスとして発生する場合がある。このようなガスが、正極及び負極の間で発生すると、ガスと接触している電極の部分は、充放電に関与しなくなり、大幅に充放電容量が低下する。また、電池内部にガスが充満して電池の厚みが増加するという問題を生じる。このような問題を低減するため、非水電解質中に溶解させる二酸化炭素の量を少なくすることが考えられるが、充放電サイクル特性向上の効果は、溶解する二酸化炭素の量に比例するものであるため、二酸化炭素の溶解量を少なくすると、それに伴って充放電サイクル特性が低下する。
国際公開第01/29913号パンフレット 国際公開第02/071512号パンフレット 米国特許第4853304号明細書 特開平6−150975号公報 特開平6−124700号公報 特開平7−176323号公報 特開平7−249431号公報 特開平8−64246号公報 特開平9−63649号公報 特開平10−40958号公報 特開2001−307771号公報 特開2002−329502号公報 特開2003−86243号公報
本発明の目的は、非水電解質中に溶解している二酸化炭素の量が少なくても、良好な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池を製造することができる方法を提供することにある。
本発明は、シリコン非結晶薄膜またはシリコンを主成分とする非結晶薄膜を集電体上に堆積させた負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池の製造方法であり、二酸化炭素を溶解させた第1の非水電解質に負極及び正極を接触させて少なくとも1サイクルの充放電を行う工程と、該充放電後に、第1の非水電解質よりも二酸化炭素の溶解量が少ない第2の非水電解質を用いて、最終的な電池を組み立てる工程とを備えることを特徴としている。
本発明においては、第1の非水電解質と第2の非水電解質を用いており、まず相対的に二酸化炭素の溶解量が多い第1の非水電解質中で、少なくとも1サイクルの充放電を行う。その後、第1の非水電解質よりも二酸化炭素の溶解量が相対的に少ない第2の非水電解質を用いて最終的な電池を組み立てる。このように最終的な電池における電解質が、二酸化炭素の溶解量が少ないものであっても、二酸化炭素の溶解量の多い非水電解質中で少なくとも1サイクルの充放電を行うことにより、最終的な電池において二酸化炭素の溶解量が多い非水電解質を用いたものと同程度の充放電サイクル特性向上の効果が得られる。この理由については、以下のように考えられる。
すなわち、二酸化炭素の溶解量が相対的に多い第1の非水電解質中で少なくとも1サイクルの充放電を行うことにより、負極の薄膜表面に、リチウムイオン伝導性の良好な安定な被膜が形成されるため、その後の充放電サイクルにおいて、非水電解質中の二酸化炭素の溶解量が少なくても、良好な充放電サイクル特性を示すことができると考えられる。
従って、非水電解質における二酸化炭素の溶解量は、初期の充放電サイクルにおいて重要であることがわかる。本発明においては、最終的な電池における非水電解質中の二酸化炭素溶解量を少なくしているので、従来問題となった、二酸化炭素ガス発生による充放電容量の低下、電池厚みの増加などの問題の発生を防止することができる。
本発明においては、第2の非水電解質として、第1の非水電解質よりも二酸化炭素の溶解量が少ないものを用いる。このような第2の非水電解質は、例えば第1の非水電解質の少なくとも一部を第1の非水電解質よりも二酸化炭素の溶解量が少ない非水電解質に入れ替えることにより調製することができる。
また、第1の非水電解質を用いた充放電後に、減圧して第1の非水電解質中の二酸化炭素を放出させて、二酸化炭素の濃度を低下させ、第2の非水電解質としてもよい。この減圧によって非水電解質中の成分が蒸発して減少する場合には、二酸化炭素の溶解量の少ない非水電解質あるいは蒸発した溶媒等の成分を補充してもよい。
また、第1の非水電解質を用いた充放電後に、非水電解質の温度を上げ、これによって溶解している二酸化炭素を放出させ、その溶解量を低減してもよい。また、第1の非水電解質を用いた充放電後に、窒素ガスや不活性ガスなどを第1の非水電解質中に吹き込むことにより、第1の非水電解質中に溶解している二酸化炭素の量を低減させて、第2の非水電解質としてもよい。
本発明において、第1の電解質に溶解させる二酸化炭素の量は、0.01重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.1重量%以上である。通常は、飽和するまで二酸化炭素を溶解させることが好ましい。
ここで、二酸化炭素の溶解量には、不可避的に非水電解質に溶解されている二酸化炭素は含まれない。すなわち、通常の製造工程で非水電解質中に溶解する二酸化炭素は含まれない。従って、上記二酸化炭素の溶解量は、例えば、二酸化炭素を溶解させた後の非水電解質の重量と、二酸化炭素を溶解させる前の非水電解質の重量を測定することにより求めることができる。具体的には、以下の式により求めることができる。
非水電解質中の二酸化炭素の溶解量(重量%)=〔(二酸化炭素を溶解させた後の非水電解質の重量)−(二酸化炭素を溶解させる前の非水電解質の重量)〕/(二酸化炭素を溶解させた後の非水電解質の重量)×100
本発明において、第2の非水電解質中に溶解されている二酸化炭素の量は、第1の非水電解質よりも少なければよいが、好ましくは、二酸化炭素を溶解させていない非水電解質を第2の非水電解質として用いる。
本発明において、非水電解質に二酸化炭素を溶解させる方法としては、非水電解質に二酸化炭素を接触させることにより二酸化炭素を溶解させる方法が挙げられる。このような方法としては、非水電解質に気体状の二酸化炭素を吹き込む方法が挙げられる。この方法により、効率的に容易に二酸化炭素を溶解した非水電解質を得ることができる。その他の方法としては、二酸化炭素中で非水電解質を撹拌する方法、高圧の二酸化炭素を非水電解質に接触させるなどの方法が挙げられる。また、二酸化炭素を発生する物質を非水電解質に添加することにより、非水電解質に二酸化炭素を溶解させてもよい。二酸化炭素を発生する物質としては、例えば、重炭酸塩及び炭酸塩などが挙げられる。また、ドライアイスなどを用いてもよい。
本発明において、第1の非水電解質中で行う充放電は、第1の非水電解質に負極及び正極を接触させた状態で行う。この段階で作製する電池は、最終的な電池ではないので、電池の外装体の一部を開放した状態で行うことが好ましい。このような状態で充放電を行った後、外装体内の第1の非水電解質の少なくとも一部を入れ替えるなどの方法により、外装体内の非水電解質を第2の非水電解質とし、その後外装体を封止するなどして、最終的な電池を組み立てる。
本発明においては、シリコン非結晶薄膜、またはシリコンを主成分とする非結晶薄膜を集電体上に堆積させた負極が用いられる。本発明において、非結晶とは、非晶質及び結晶子サイズが100nm以下の微結晶を意味する。非晶質であるか否かの判定及び微結晶薄膜中の結晶子サイズの測定は、X線回折スペクトル中のピークの有無、及びピークの半値幅をScherrerの式に適用することによって行うことができる。上記の非結晶の定義から明らかなように、本発明における非結晶薄膜には、単結晶薄膜及び多結晶薄膜は含まれない。
シリコンを主成分とする非結晶薄膜とは、シリコンを50原子%以上含む非結晶合金薄膜である。具体的には、Si−Co合金薄膜、Si−Fe合金薄膜、Si−Zn合金薄膜、Si−Zr合金薄膜などが挙げられる。
本発明において、非結晶薄膜を集電体上に形成する方法としては、気相から原料を供給して非結晶薄膜を堆積させる方法が好ましく用いられる。このような方法として、例えば、スパッタリング法、CVD法、及び蒸着法などが挙げられる。
本発明において、薄膜が堆積される集電体表面の算術平均粗さRaは、0.1μm以上であることが好ましい。算術平均粗さRaは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められている。算術平均粗さRaは、例えば触針式表面粗さ計により測定することができる。このような大きな凹凸を有する集電体の上に薄膜を堆積させることにより、薄膜の表面に、集電体表面の凹凸に対応した凹凸を形成することができる。表面に大きな凹凸を有する非結晶薄膜を活物質として充放電を行うと、薄膜の膨張・収縮に伴う応力が薄膜の凹凸の谷部に集中して膜厚方向に切れ目が形成され、上述のように薄膜が柱状に分離される。この結果、充放電によって発生する応力が分散され、非結晶薄膜の可逆的な構造変化が容易になる。
しかしながら、一方で薄膜が柱状に分離されることにより、薄膜と非水電解質との接触面積が飛躍的に増大する。上述のように、従来の電極においては、非水電解質と接触する薄膜の表面から活物質が変質し、薄膜が多孔質化することがわかっている。本発明に従えば、このような多孔質化を抑制することができ、充放電サイクル特性を向上させることができるとともに、薄膜の厚みの増加を抑制して、電池における体積エネルギー密度を向上させることができる。
集電体表面の算術平均粗さRaの上限値は、特に限定されるものではないが、集電体の厚みが10〜100μmの範囲であることが好ましいので、集電体表面の算術平均粗さRaの上限値は実質的に10μm以下であることが好ましい。
本発明においては、集電体として耐熱性銅合金箔を用いることが好ましい。ここで、耐熱性銅合金とは、200℃1時間の焼鈍後の引張強度が300MPa以上である銅合金を意味している。このような耐熱性銅合金としては、例えば、表1に挙げたものを使用することができる。
Figure 2005268016
本発明における負極の作製においては、集電体上に薄膜を形成する際の温度変化によって、集電体の機械的強度が低下し、電池を作製する際の加工が困難になる場合がある。集電体として、耐熱性銅合金薄を用いることにより、温度変化による機械的強度の低下を防止することができ、十分な導電性を確保することができる。
上述のように、本発明において用いる集電体は、その表面に大きな凹凸を有することが好ましい。このため、耐熱性銅合金箔の算術平均粗さRaが十分に大きくない場合には、その箔表面に電解銅または電解銅合金を設けることにより、その表面に大きな凹凸を設けてもよい。電解銅層及び電解銅合金層は、電解法により形成することができる。
本発明のリチウム二次電池に用いる非水電解質の溶媒は、特に限定されるものではないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートと、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒が例示される。また、上記環状カーボネートと1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒との混合溶媒も例示される。また、非水電解質の溶質としては、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C25SO2)2、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiC(C25SO2)3、LiAsF6、LiClO4、Li210Cl10、Li212Cl12など及びそれらの混合物が例示される。特に、LiXFy(式中、XはP、As、Sb、B、Bi、Al、Ga、またはInであり、XがP、AsまたはSbのときyは6であり、XがBi、Al、Ga、またはInのときyは4である)、リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミドLiN(Cm2m+1SO2)(Cn2n+1SO2)(式中、m及びnはそれぞれ独立して1〜4の整数である)またはリチウムペルフルオロアルキルスルホン酸メチドLiN(Cp2p+1SO2)(Cq2q+1SO2)(Cr2r+1SO2)(式中、p、q及びrはそれぞれ独立して1〜4の整数である)などの溶質が好ましく用いられる。これらの中でも、LiPF6が特に好ましく用いられる。さらに電解質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質が例示される。本発明のリチウム二次電池の電解質は、イオン導電性を発現させる溶質としてのリチウム化合物とこれを溶解・保持する溶媒が電池の充電時や放電時あるいは保存時の電圧で分解しない限り、制約なく用いることができる。
本発明のリチウム二次電池の正極材料としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2、LiCo0.5Ni0.52、LiNi0.7Co0.2Mn0.12などのリチウム含有遷移金属酸化物や、MnO2などのリチウムを含有していない金属酸化物が例示される。また、この他にも、リチウムを電気化学的に挿入、脱離する物質であれば、制限なく用いることができる。
本発明によれば、非水電解質中に溶解している二酸化炭素の量が少なくても、良好な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実験1)
〔負極の作製〕
ジルコニウム銅合金(ジルコニウム含有量0.03重量%)からなる耐熱性銅合金圧延箔の表面に、電解法により銅を析出させることにより表面を粗面化した耐熱性銅合金箔(算術平均粗さRa0.25μm、厚み26μm)を集電体として用いた。この集電体の上に、図1に示すスパッタリング装置を用いて非結晶シリコン薄膜を堆積させた。
図1に示すように、チャンバー1内に回転可能な円筒状の基板ホルダー2が設けられており、この基板ホルダー2の表面に集電体を取り付けた。また、チャンバー1内にはSiスパッタ源3が設けられており、Siスパッタ源3にDCパルス電源4が接続されている。また、チャンバー1内には、Arガスを導入するためのガス導入口6が設けられており、チャンバー1内を排気するための排気口7が設けられている。
排気口7から真空排気することにより、チャンバー内を1×10-4Paまで排気した後、Arガスをガス導入口6からチャンバー1内に導入してガス圧力を安定させ、ガス圧力が安定した状態で、Siスパッタ源3にDCパルス電源4から直流パルスを印加し、プラズマ5を発生させて、基板ホルダー2の表面に取り付けた集電体上に、非結晶シリコン薄膜を堆積させた。具体的な薄膜堆積条件は、表2に示す通りである。
Figure 2005268016
薄膜を厚み5μmとなるまで堆積させた後、集電体を基板ホルダー2から取り外し、薄膜と集電体を共に2.5cm×2.5cmの大きさに切り取り、これに負極タブを取り付けて、負極を作製した。
〔正極の作製〕
LiCoO2粉末90重量部、及び導電剤としての人造黒鉛粉末5重量部を、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン5重量部を含む5重量%のN−メチルピロリドン水溶液に混合し、正極合剤スラリーとした。このスラリーをドクターブレード法により、正極集電体であるアルミニウム箔(厚み18μm)の2cm×2cmの領域の上に塗布した後乾燥し、正極活物質層を形成した。正極活物質層を塗布しなかったアルミニウム箔の領域の上に正極タブを取り付け、正極を作製した。
〔非水電解質の作製〕
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを3:7の体積比で混合した溶媒に、LiPF6を1モル/リットルとなるように溶解した液を調製し、これを非水電解質b1とした。
非水電解質b1に25℃の温度で30分間二酸化炭素を吹き込み、二酸化炭素を飽和量となるまで溶解させ、これを非水電解質a1とした。二酸化炭素を溶解させる前の重量と、二酸化炭素を溶解させた後の重量を測定し、二酸化炭素の溶解量を求めたところ、0.37重量%であった。
非水電解質a1及びb1は、以下の通りである。
非水電解質a1:CO2を溶解させた非水電解質
非水電解質b1:CO2を溶解させていない非水電解質
〔電池の作製〕
二酸化炭素雰囲気において、上記の正極及び負極に、それぞれ正極集電体タブ及び負極集電体タブを取り付けた後、正極及び負極の間に多孔質ポリエチレンからなるセパレータを挟んで電極群とし、この電極群をアルミニウムラミネートからなる外装体内に挿入した。その後、非水電解質a1を600μl注入し、電池A1及び電池B1を作製した。
〔充放電サイクル試験〕
上記のようにし作製したリチウム二次電池A1及びB1について、充放電サイクル試験を行った。充放電の条件は、25℃において、充電電流13mAで充電終止電圧4.2Vとなるまで充電した後、放電電流13mAで放電終止電圧2.75Vとなるまで放電し、これを1サイクルの充放電とした。
1サイクルの充放電後に、表3に示す条件で、各電池の非水電解質を入れ替え、さらに上記充放電条件でサイクル試験を継続した。
各電池についての最大放電容量及び100サイクル目における放電容量及び容量維持率を表4に示す。なお、最大放電容量は、全てのサイクルの中で最大であった放電容量であり、容量維持率は、この最大放電容量を100%とした値である。
Figure 2005268016
Figure 2005268016
表4に示すように、1サイクル目の充放電後に、二酸化炭素を溶解していない非水電解質b1に入れ替えた電池A1は、1サイクル目の充放電後に、二酸化炭素を溶解させた非水電解質a1に入れ替えた電池B1と同等の充放電サイクル特性を示した。この理由としては、1サイクル目の充放電サイクルの際に、電極の薄膜表面に良好な被膜が形成されたため、その後に非水電解質を入れ替えても良好なサイクル特性が維持されたと考えられる。なお、二酸化炭素を溶解していない非水電解質b1を最初から用いた電池の100サイクル目の容量維持率は、約18%である。従って、1サイクル目の充放電のみを二酸化炭素を溶解させた非水電解質中で行うことにより、上記のように充放電サイクル特性を顕著に高めることができる。
以上のように、本発明によれば、最終的な電池において、二酸化炭素の溶解量の少ない非水電解質を用いることができるので、高温保存時において非水電解質からの二酸化炭素の発生の少ないリチウム二次電池とすることができる。従って、ガス発生による充放電容量の低下、電池厚みの増加などの問題の生じないリチウム二次電池とすることができる。
上記実施例においては、非水電解質を入れ替える際、全ての非水電解質を入れ替えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、非水電解質の一部のみを入れ替えてもよい。
本発明に従う実施例において用いたスパッタリング装置を示す模式図。
符号の説明
1…チャンバー
2…基板ホルダー
3…Siスパッタ源
4…DCパルス電源
5…プラズマ
6…ガス導入口
7…ガス排気口

Claims (2)

  1. シリコン非結晶薄膜またはシリコンを主成分とする非結晶薄膜を集電体上に堆積させた負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池の製造方法であって、
    二酸化炭素を溶解させた第1の非水電解質に、前記負極及び正極を接触させて少なくとも1サイクルの充放電を行う工程と、
    前記充放電後に、前記第1の非水電解質よりも二酸化炭素の溶解量が少ない第2の非水電解質を用いて、最終的な電池を組み立てる工程とを備えることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  2. 前記第1の非水電解質の少なくとも一部を、前記第1の非水電解質よりも二酸化炭素の溶解量が少ない非水電解質に入れ替えることにより、前記第2の非水電解質とすることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池の製造方法。

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