JP3986757B2 - リントフリーワイパー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリントフリー性の高いワイパーに係り、詳しくは微小な塵、埃、繊維状の屑などが忌避されている大規模集積回路、電子機器、電子部品等に代表される精密機械部品や電子部品等の製造工程、医薬品、医療用具等の製造工程等で多く設置される環境が管理されたクリーンルームや工程で使用されているリントフリーワイパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
クリーンルームや環境の管理された室内で用いられる用品には、その環境の維持に必要な特別の性能が要求される。特に、微小な塵や素材の欠片など(以下、リントと言う)の発生が少ないことが要求される。よく知られているように、クリーンルーム内の汚染や持ち込まれるリントは、作業者自身および作業者の使用用品が発生源となものが多い。このことから、作業衣やワイパーなどの用品に対して特別な注意が払われ、その改良が続けられている。
【0003】
クリーンルーム内の微粒子汚染の潜在源の一つは、その中で日常的に行われる拭掃作業用のワイパーである。例えば半導体や集積回路などの製造、組立の際には、その作業工程で汚れを拭き取る目的でワイパーが用いられ、また種々の設備、備品の表面の清掃、壁や部屋の内面清掃にもワイパーが広く用いられている。この種のワイパーは、高い吸液性と柔軟性を必要とするので、周囲の環境内への微小粒子や繊維屑の放出と発散の防止にとって構造上の妨げとなっている。
【0004】
クリーンルームでは、個々のクリーンルームに要求される清浄の度合に応じて、使用されるワイパーの素材が編物、織物、不織布、スポンジ、紙などから選ばれている。清浄度の高い室内では、特に合成繊維からなる編物や織物が多く用いられている。比較的清浄度の低い室内では、セルロース繊維を主成分とする不織布が多く用いられている。
【0005】
一般に、クリーンルームで用いられるワイパーは、編物や織物、不織布等を矩形形状などに裁断した平面形状の布帛片で形成されたものが常用されている。この種のワイパーは、ワイパーの縁辺は、通常、布帛の裁断縁と一致している。ワイパーは、かかる構造を有しているので、布帛の切断面からの発塵と繊維の脱落を防ぐために、ワイパーの縁辺部とその端面が熱溶着によってフィルム状にされたり、ヒートシールされている場合が多い。
一方、ワイパーを形成する布帛を構成する繊維素材としては、熱可塑性ポリマーからなる繊維、特に長繊維のマルチフィラメントヤーンが従来から多用されている。その理由は、切断面からの発塵を抑えるために編地などの切断の際にヒートカッターや超音波カッターを用いて切断された単糸を溶融して接着し脱落し難くするためである。このような理由で、セルロースなどの非熱可塑性乃至非溶融性の繊維は、使いにくいという制約があった。
【0006】
また、熱可塑性合成繊維としては、特にポリエステル繊維が用いられることから、その吸水性が低いこと、例えポリエステル繊維に親水性加工などが施されているとしても、加工剤等の溶出が有機溶剤等での拭き取りの際に増大する懸念もあるので使用条件に合わせてワイパーの使用法に注意を払う必要があった。
【0007】
一方、セルロース繊維は、吸水性が高く、溶出物が少なく、高温度での使用にも耐える素材ではあるが、熱可塑性がなく、切断された布帛端面からの発塵と繊維の脱落を熱接着によって抑制し難い素材であった。
【0008】
これまで、清浄度の高いクリーンルームで用いるワイパーの潜在リントを低減させるために種々の方法が提案されている。例えば、特開平2−45017号公報(Texwipe)に記載されている方法では、熱可塑性布材料からなるシートを所定の寸法に切断し、その周辺部に構成する熱可塑性繊維の融合端縁を設けて、布帛の切断面周辺からのリントの発生を防止している。その際、単にシートをヒートカットするだけでは、切断面からのリントの発生を抑制にするのに充分ではないので、シ−トの端縁部の熱可塑性繊維の一定幅で溶融して接着することでリント発生の低減を図っている。この端部の接着封止部分は、熱可塑性繊維が溶融、固化させられて形成したものであるので、フィルム状となり、樹脂の配向や結晶化が充分なものではなく、引裂強度や引張強度が低下している。従って、この接着封止部分の幅を大きくして破れないようにすることが必要である。上述の理由で、ワイパーはその端縁部が硬く、柔軟性や取扱性に劣り、四隅が尖っているため、柔らかい拭取対象物を傷つけ易いので、使用上の注意を要するものであった。シートの内部に吸液性の優れた素材や材料を挿入した構造のワイパーを形成しても、その端縁部の上述の問題が解決されるものでもない。
【0009】
米国特許第5069735号(Milliken)には、編物からなるワイピングクロスにおいて、編物を熱風やレーザーを用いて所定の寸法に切断する方法が提案されている。この方法によってシートの周囲の縁に位置する熱可塑性繊維を熱で溶融してリントの脱落を抑制することができるが、縁部がフィルム状になることは避けられず、ワイパーのリント発生の防止効果や引裂強度などの機械物性の低下等の問題は、依然として解決できない方法である。
【0010】
米国特許第3810810号、英国特許第1088861(MIlliken)には、熱ローラー等を用いるシートの切断と縁のシールを行う上記した特開平2−45017号公報と同様の方法が提案されている。
【0011】
米国特許第5229181号(Amber Technologies)には、連続した筒状の編物を長手方向と直角の方向にヒートカットした胴腔状のワイパーが提案されている。この胴腔状の構造のワイパーは、編地の2縁が編地の連続した構造であるが、他の2縁は切断されており、切断部位からのリントや脱落繊維の発生を防止する目的で端部の繊維を熱圧着して、溶融しながら切断することが行われている。従って、先の米国特許第5069735号、3810810、特開平2−45017号公報等に提案されているワイパーと共通の問題点があった。なお同時に、エンボスロールを用いて袋状の編地を部分的に熱融着してシート状のものにしたワイパーも提案されている。これは吸液性は低下するが、一枚のシート状の形態にすることができるために寸法安定性や機械的な物性は向上する。
【0012】
前述した先行技術のワイパーはいずれも、その静的状態におけるリントや繊維の脱落を低減するという目的は一応達成できる。しかし、実際の使用時の状況(伸縮や揉み、擦りなどの応力がワイパーに加わった時やその後など)における発塵や繊維の脱落を低減するには不充分なものであった。更に、ワイパーの他の要求機能、例えば吸液性、水や有機溶剤に対する溶出性、実作業行程でのワイパーの取扱性や安全性については充分ではなかった。また、いずれのワイパーも形成に編地の切断を必要とする。その結果、編地の切断のときに編地構成糸のループが切断され、ループの構成繊維の無数の切断余端からのリントや繊維の切断片の脱落防止のために特別の処置が必要であった。また、編地の切断端部の繊維脱落の防止とリントの封止に熱溶着法を用いるので、熱可塑性繊維または熱可塑性繊維を含む複合繊維の使用が必要になり、吸液性、耐溶剤性、溶出成分の少なさなどの点で優れているセルロース繊維をワイパーの素材として使えないという問題があった。また、熱溶着法は、ワイパーの使用上の扱い性を向上させるためにシール部分を極力小さくすることが行われるので、微小の繊維片の脱落が起き易く、発埃の抑制性について信頼を欠く面があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、クリーンルームで使用することができる発塵性が著しく抑制された繊維布帛からなるワイパーを提供することである。
本発明の目的は、特にクラス100以下の高度に清浄なクリーンルームで使用することができるリントフリーワイパーを提供することである。
本発明の他の目的は、信頼性の高いリントフリーワイパーをワイパーの使用場面で随意に要求される性能を満足する繊維素材からなるリントフリーワイパーを簡素な手段で提供することができる技術を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、繊維布帛からなるワイパーにおいて、布帛構成糸のループが布帛の縁辺を実質的に形成してなる布帛構造を有する布帛でワイパーを構成することによって、ワイパー本体内に存在する発塵因となる繊維の切断端を極小化することに成功した。
すなわち、本発明は、布帛の縁部が該布帛を構成する糸のループで実質的に形成してなるリントフリーワイパーである。
【0015】
本発明のリントフリーワイパーは、一般に、平面または筒状あるいは袋状の形状の構造を有し、平面の中央の拭い面からその縁辺に延びる全ての面が布帛で形成されている。
ここで、布帛は織物または編物である。但し、本発明の目的を達成するには、織物の場合は緯糸が連続して打ち込める織機、例えばフライ織機やシャトル織機等で製織された織物であり、編物の場合は経編地、横編地、丸編地など任意の編地であることができる。
【0016】
前述した構造の本発明のリントフリーワイパーを製作する上で、編物はその縁辺が実質的に編糸のループのみからなる編物構造体として形成できるので、すなわち布帛を形成する際の刃物等による切断面を完全に排除して形成することができるので、後述する本発明の実施態様及び実施例の説明から明らかなように、技術的、商業的に特に有利な布帛である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して更に詳細に説明する。
本発明において、リントフリーワイパーは、実質的に、布帛のみで形成されている。リントフリーワイパーは、その縁辺がこれを形成する布帛の縁辺に相当する場合もあるし、リントフリーワイパーの中央の拭い面もしくはその裏面に布帛片の縁辺を位置させて形成されていても差し支えない。
【0018】
本発明において、布帛の縁辺(縁部)は布帛の構造を破壊せずに広げたときの布帛の端縁を意味する。緯糸方向にもしくは経糸方向、布帛が編地である場合は、編地のコース方向もしくはウエール方向での端縁を意味する。
【0019】
本発明では、布帛は、以上の意味での布帛の縁辺が実質的に布帛を構成糸のループで形成されている布帛構造を有するものであることが必要である。ここで布帛の構成糸のループとは、織物もしくは編物の構造を形成している糸が布帛の端縁部でその進行方向を少なくとも90度以上布帛面側に曲げられて存在している状態をいう。
【0020】
例えば、リントフリーワイパーの本体が織物で形成される場合、図1A及び図1Bで例示されるように、シャトル織機、フライ織機などで織られた織物は、その緯糸(2)の縁辺がループを形成した織物を得ることができる。この織物は、経糸(1)の切断余端(20)を織物側に曲げたループ群で縁辺を形成する(ループは形成後に縫製で織物構造に固定されていてもよい)ことにより、本発明のリントフリーワイパーを形成することができる。この織物は、縁辺に織物構成糸の切断端が存在することがない。
【0021】
一方、リントフリーワイパーが編物で形成される場合、図2で例示される編糸(7)で横編み機で編まれた平形編物(例えば図3A)は、コース方向の縁辺がループ(4)で形成され、ウエル方向の縁辺がループ(5)で形成され、編物の縁辺にはワイパー形成のための刃物等による切断端が存在していない。
【0022】
このように、本発明のリントフリーワイパーは、本体を構成する布帛構造の縁辺がループで実質上形成されていることが肝要である。しかしながら、このように特定される布帛構造の縁辺に、布帛構造の形成、すなわち製織もしくは編成の経糸もしくは給糸によって導入される糸の切断余端が布帛構造の縁辺に含まれていることを排除するものではない。例えば、図1Aの織物の経糸の切断余端(20)、または緯糸の切断余端(3)が一部縁辺に含まれていてもよいし、図2図、図3A及び図3Bに例示される編物の編物を構成する糸(7)の切断余端(6)が一部縁辺に含まれていてもよい。
【0023】
この種の切断端は、その数が布帛構造を形成するために用いられた糸本数の概ね2倍以下、すなわち使用した糸の両端の切断端の存在は許される。例えば織物の場合、織物構造の縁辺に織物を構成する経糸を切断端、ループを形成した場合に一部経糸の切断端が含まれていてもよく、布帛を構成する緯糸の切断端をほんの一部縁部に含んでもよい。一方、編物の場合は、編物を構成する糸の編み始めや編み終わりの糸の切断端が縁辺の一部に含まれてよい。
【0024】
本発明のリントフリーワイパーは、これを構成する布帛の縁辺に布帛の切断線をもっていない。布帛構造の縁辺が布帛構成糸のループで形成されて、布帛構造の縁辺は、基本的に、糸の切断端が存在しない。従って、ワイパーからの発塵や繊維の脱落が大幅に少なくなる。
【0025】
ワイパーはある大きさの布帛で提供されるが、工業的に生産することから連続した大きな布帛を作成し、その布帛を一定の大きさにするために切断することでワイパー用の布帛を得るのが一般的な方法であった。このために、リントフリーワイパーは布帛の縁辺が糸またはループの切断線で形成されることになる。布帛が切断されると、布帛を形成している糸が切断される、例えば織物であれば経糸及び緯糸が、編物であれば布帛を構成するループが切断されるので、たとえ布帛が長繊維で構成されていても糸の切断面が無数に生成し、その切断面から極く短い繊維の切断物が大量に発生したり、同時に刃物などによって繊維が擦過されてリントが多量に発生する。
【0026】
一方、本発明のリントフリーワイパーでは、布帛構造の縁辺はループで形成され、切断線に相当するものがない。布帛を構成する糸は、例えば編物の場合は編始めと編終わりの部分で糸が切断されているが、それは1本1本のヤーンが切断されたものであり、布帛が切断されたものに対して、その糸の切断のされ方は大きな違いが生じる。つまり、ヤーンを単独で切断する場合には糸長方向に対して大きな角度(例えば直角方向)での切断が工業的にも可能なのに対して、布帛の切断の際にはその角度を大きく保つことが困難である。特にループで構成されている編地の場合にはその切断角度を糸に対して全て大きく保持することは工業的には事実上不可能である。従って、単に切断箇所数が非常に大きくなるだけでなく、繊維そのものへの物理的な損傷を与える確率が極めて大きいものになることは避けられない。
【0027】
このことは、刃物による切断の場合のみならず、ヒートカットやレーザーカットの場合においても同じ傾向になる。従って、布帛の縁辺をループで構成することにより、布帛の縁辺を切断したものより発塵や繊維の脱落も飛躍的に少なくなるという効果を奏する。また、布帛の縁辺に切断線のない布帛でリントフリーワイパーを形成するので、布帛の縁部の切断線部の熱処理等が不要であり、製造工程の短縮化が図れ、更に後工程での微小なリントなど汚染及び発塵や繊維の脱落の原因を少なくできる。
【0028】
特にセルロース繊維などの熱可塑性のない繊維素材を使用することができるので、リントフリーワイパーの吸液性や取扱性などの機能性を大幅に向上させることができる。
特に使用者にとっては、実使用の際に縁辺部のヒートシール部の外れなどによる大量のリント発生の心配をしなくてよくなるという安心感を保持できる。
また、本発明における横編み機、丸編み機で作成される例えば平形、袋状、胴腔状、筒状、特に好ましくは中空部を有する筒状の編物ワイパーは、編地を編成した後にはワイパーとしての布帛形状が形成されており、縁辺の特別な処理も不要なため、生産性が高く、かつ繊維素材の選定等のワイパー設計上の自由度が大幅に向上する。
【0029】
また、本発明による織物及び経編物によるワイパーは通常の使用形状、例えば30cm四方程度のワイパーを形成するには前述の形状より経方向の縁辺部の処理を行う手間がかかるが、ワイパーの使用工程が自動化等により連続的に使用され長尺のワイパーが必要な場合には非常に好適な物となる。これは、連続的に使用される状況ではワイパーの縁辺部は実質的に緯方向のみとなり、本発明の織物または経編物によるワイパーでは刃物等による切断部を有さない長尺のワイパーを得ることができるからである。
【0030】
本発明のリントフリーワイパーを形成する布帛の構成糸(ヤーン)は、紡績糸(30〜50mmの長さの短繊維を紡績してヤーンにしたものが通常用いられる)、マルチフィラメントヤーン(長繊維)、それらの複合されたヤーンなどのいずれであってもよい。
【0031】
短繊維からなるヤーンを用いる場合は、例えば強く撚糸したり、マルチフィラメントヤーンで表層を覆うように複合撚糸したりして単糸の脱落を防止することが好ましい。少なくとも拭き取り面はマルチフィラメントヤーンからなるワイパーである方が、実際の拭き取り操作時に単糸が引っかかって抜け落ちるのを防止する点から好ましい。長繊維であれば一本の単糸が切断されても毛羽になるだけであり、布帛から脱落することが起こりにくいからである。布帛を構成するヤーンが全てマルチフィラメントヤーンからなるワイパーは布帛を構成する単繊維が抜け落ちる懸念が極めて小さいので一層好ましい。
【0032】
また、本発明のリントフリーワイパーに用いられる繊維素材の形態は、特に限定されるものではない。長繊維を用いる場合は、原糸、仮撚加工糸、撚糸、エア交絡加工糸、複合撚糸等の形態でもよい。さらに、本発明の目的を損なわない範囲において2種以上の繊維素材、例えば合成繊維と再生セルロース繊維とが混繊交絡、交撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)等、複合されていてもよい。
【0033】
本発明のリントフリーワイパーに用いられる繊維素材は、例えばポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリパラフェニレンテレフタルアミドなどの合成繊維、例えばビスコースレーヨン、キュプラアンモニウムレーヨン、綿、麻などのセルロース繊維、または例えばアセテート繊維、蛋白繊維、絹、ウールなどの合成繊維や天然繊維のいずれを用いても良く、用途、使用する溶剤の種類などに応じて適宜に選択することができる。
【0034】
尚、これらの繊維素材は厳密にその繊維素材のポリマー等のみからなるものに限定されるものではなく、通常の繊維製造工程で用いられる添加剤や油剤など、織編工程等で用いられる糊剤や染料、ポリマーの分解によって生成する微量の物質などを含むものが含まれる。さらに、これらの繊維素材はその製造方法の違いや形状、微細構造、結晶構造等に制限されない。
本発明においては、布帛の刃物等による切断部がないため、熱可塑性を示さないポリマーからなる繊維のみを選択してもリントや脱落繊維の増大を懸念することなく採用できる。
【0035】
本発明に用いるヤーンの繊度は、用途や条件、布帛の製造方法、例えば編み機の種類などに応じて適宜選択されるが、例えば横編み機で平形のワイパーを作る場合には100〜1000dtexの範囲のものが好ましい。繊度の小さいものを用いると粗い組織のワイパーになり、大きいものを用いると硬くなる傾向になりやすいので、吸液性や拭取り性を勘案して糸の選定や設計をすることが好ましい。また、丸編み機で筒状ワイパーを作る場合には5〜400dtex、好ましくは10〜300dtex、さらに好ましくは20〜200dtexの範囲のものが適する。ヤーンの繊度が5dtex未満であると編物の編成時に繊維が切断しやすく、切断部からリントや脱落繊維が発生しやすい。また、ヤーンの繊度が400dtexを越えると目付が大きくなりすぎる傾向になるので糸の選定や編み設計に十分留意して製造することが肝要である。
【0036】
本発明に用いる単繊維の繊度は、目的の用途や条件などに応じて適宜選択されてよい。通常は0.05〜5dtexの範囲、好ましくは0.8〜5dtexの範囲のものを用いるとよい。単繊維の繊度が大きいとゴワゴワした感触のワイパーとなる傾向が強く、また、小さい繊度のものを用いると拭取り性能が高く柔らかいものが得られる一方、引っ張り強度や摩耗強度が低下する傾向があるので、使用する目的、用途に応じて適正な選択をすることが好ましい。また、繊度の異なる単繊維を混合したものを用いてもよい。
【0037】
本発明に用いる繊維素材の形状、断面形状は特に限定されず、形状が長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面形状は丸型、L型、Y型、W型、八葉型、扁平型、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
特に、L型、Y型、W型、八葉型、扁平型、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型の異型断面糸を用いると同じ繊度の丸断面の糸より表面積が増加し、その形状効果にもよって保液性、ひいては吸液性が向上するので好ましい。特に、W型断面である、例えば旭化成工業株式会社製「テクノファインR 」を用いると吸液性、拭取り性が向上するので好ましい。
【0038】
本発明において布帛を構成する糸にセルロース繊維が含まれていることが好ましい。特にワイパーが通常使用される場合の拭き取り面の面積比率が概ね90%以上セルロース繊維で構成されていると好ましい。これは耐溶剤性が高く、吸液性が大きく向上するためである。
【0039】
本発明において、布帛を構成する糸がセルロース繊維と合成繊維の複合繊維であるもの、さらには布帛を構成する糸がセルロース繊維を芯部に有し、鞘部が合成繊維からなる複合繊維であるものは、編地の製造条件が容易で簡単な機構で生産できる上、合成繊維の長所とセルロース繊維の長所を併せ持つワイパーが得られるので好ましい。
【0040】
本発明の複合繊維は、例えば、エアの旋回流を用いたエア交絡、エア交絡を行ったのちに仮撚加工を行うもの、芯になる糸に鞘になる糸を巻き付けるカバリング、撚糸等のいずれの方法によってもよい。また、芯鞘の構造特徴を持たせるにはそれぞれの糸の特性によって加工方法を適宜選択されてよく、例えばカバリングや複合仮撚(伸度差仮撚等)等の方法が通常よく用いられる。
【0041】
本発明のリントフリーワイパーにおいて、本体を形成する布帛の形状は、リントフリーワイパーの形状に準じて選ぶことができる。
例えば、編地が平形形状(図3参照)や袋形状(図4A、図4B及び図4F参照)や胴腔状形状(図5A、図5B参照)であることができる。また、前記例示の形状であれば、編み組織、経緯方向のループの大きさ等も限定されない。例えば、コース方向の端縁を解れにくくするために横編地であれば、抜き糸編みやピコット編みを採用できる。更に、目移しや目減らし目増し等の組織を用いてもよく、リンキング等が行われていてもよい。更に、ウエル方向の縁辺を解れにくくするために、例えば端縁部のみ中央部よりもループの大きさを小さくして密にすることで解れにくくしてもよく、更にまた、縁辺部を解れにくい編み組織を採用することもできる。
【0042】
リントフリーワイパーは、適宜編み機を選定して編み機上で製造することができる。例えば、平形(図3)、袋状(図4A及び図4B)、胴腔状(図5A及びB)、筒状形状(図6A)の編物でリントフリーワイパーを形成する場合は、横編み機を用いればよい。また、例えば筒状編物(図6Aから図6C)中空部を有する筒状の編物(図7A及び7D、図8A及び図9A)でリンフリーワイパーを得るには丸編み機を用いればよい。
【0043】
本発明において、リントフリーワイパーは形状が筒状の編地であることが好ましい。筒状であることにより、少なくとも緯方向の縁辺(60)は編物本体で構成されるのでループの切断面のない編地構造を得ることができる。また、この編地は、経方向について、編地を切断せずに編み始め、編み終わらせる、すなわち、編み始め(62)編み終わり(64)で糸のみ切断することで経方向の縁辺(62)及び(64)はループの状態で終了させることになる。この状態であれば、ループが切断されないため、リントフリーワイパーの繊維の損傷が極めて少なく発塵やリントの発生が抑制される。また、たとえ端部が解れても、ループが外れるだけで切断されるわけではないため、形態はくずれるものの、本発明の目的である発塵やリントの発生の抑制にはなんら問題のないものである。
筒状編物の長さは、編成した編み目の数の増減または編み目の大きさの大小などで調整することができる。
【0044】
また、編地を構成する糸の、例えば編始めや編終りの糸切断部を有する端部例えば図6A62および64をカール(8)させる(図6B、図6C)ことでヤーンの切断点がリントフリーワイパーの表面に露出することを抑制し易くする点からも好ましい。また、カールの形成はこの部分からの糸の解れの防止にも役立つ。カール部分の編地はコース方向で約3〜10mm程度が好ましい。熱可塑性の合成繊維で構成されている場合には、カールの部分をそのまま熱エンボス等の熱処理で、ワイパー本体に圧着させておいてもよい。この場合は、端糸がさらに解れにくくなるので好ましい。更に、編地の末端部分をかがり、縫製して端糸の解れを防ぐことともきる。繰り返し使用にも対応できるようにすることができる。
【0045】
本発明にリントフリーワイパーおいて、筒状編地が筒状の中空構造部(9)(図7B、図7C、図7E参照)と該中空構造部(9)に連結された筒状の一重構造編地(10)からなることがさらに好ましい。この構造は、リントフリーワイパーとして使用する際、縁辺がコース方向においても、例えば図7(72、74)は、ワイパー本体の編地(7)で構成されるため、例えば織物の経糸のように特別にループ形成させないでもループとなるからである。
【0046】
この一重構造編地部(10)は、実質的にこの編物の編み終わりの部分になることが多い。この編地構造は、中空構造部を解けにくくするなどの効果が発揮する。中空構造が解けても筒状編地となり本発明の目的を達成するにはなんら支障はないが、より良好な実施形態である構造を保つためには、これらを防止することが好ましく、このため、この編地(7)を構成する糸の切断余端、すなわち編み終わり時の糸切断部を中空構造部(9)の連結部(14)から外すように該連結部(14)にさらに一重構造編地(10)を付加して編成することにより、編立て後の取扱いや後処理(洗浄、乾燥、袋つめ等)行程での取扱い時に端糸を引っかけたりしてもすぐには解けない中空構造部を得ることができる。
【0047】
本発明において一重構造編地(10)が筒状編物の縁(74)(図7B、図7C)または内側(12)(図7E、図8B、図8C、図9B)に位置することが好ましい。この理由は、編地を構成する糸の切断余端を有する一重構造編地(10)をワイパー本体から隔離する機能を有し、この存在により糸の切断余端が表面に現れないワイパーを得ることができ、ワイパー使用時の通常の拭き取り面(13)である筒状編地の外側の位置に存在させないことにより、微小な塵や脱落繊維の発生を防ぐとともに編地を解れにくくするのに有効である。
【0048】
例えば図7Eのように筒状編物を編成した後に中空構造部(9)を回転させて一重構造編地(10)を筒状編物の内壁(12)に位置させるのが好ましい。このような構成とすることにより、端糸の解れ、リントや脱落繊維の発生を効果的に防止することができる。また、ワイパー使用時にゆるやかな凸部が形成されるため、その取扱い性が向上する。筒状の縁(74)が一重構造編地(10)となっている場合でもその部分をカール(8)させて糸端が外に出にくいようにするのが好ましい(図7C)。
【0049】
本発明において編地の末端部がカール(8)していることが好ましい。
ここで「カール」とは、編地を静置した時に、その編地の端片が中央部に向かって巻き上がることをいい、その巻き上がりの角度や巻き回数などには限定されるものではないが、編地の末端部のカールの巻き回数は1〜5回程度が好ましい。巻き回数またはカールの角度が少なすぎると糸端の露出を防止する効果が小さくなり、また、巻き回数が多すぎるとその部分の厚みが大きくなって取扱いにくくなる。従って、カールの程度は要求される特性や用途に合わせて設定するのが好ましい。また、編地の末端部を構成する糸や編地の設計を変更してカールし易くすることもできる。
【0050】
本発明おいて筒状編地が複数の筒状の中空構造部(91 )、(92 )、…(9m )…(9n )(図8B、図8C、図9参照)を有し、中空構造部が一重連結構造部(14)、(141 )…(14m )…(14n )を介してそれぞれ連結されていることが好ましい。この構造にすることにより編物の編み始めと編み終わりが必然的に筒状編地の内側(12)に存在することにより、ワイパーとして使用する際の拭き取り面として通常利用される筒状編地の外側(13)に存在せず、編み始めや編み終わりの糸の切断部が拭き取りによる過度の負荷や拭き取り面との擦過を回避することを可能にする。
【0051】
中空構造部(9)の数は、用途に合わせて適宜選定することができる。例えば、ワイパーの寸法が大きいものや高い吸液能力が必要な場合等には中空構造部(9)の数を増やすのが好ましい(図9参照)。また、通常の手作業での拭取りに用いられるワイパーの場合は、2つの中空構造部を有するもの(図8参照)でもよく、この場合は構造も単純であり、簡便に製造できるので好ましい。
【0052】
各中空構造部(9)の寸法(長さと幅)は使用条件等に合わせて任意に設定することができる。例えば、2つの中空構造部(図8の91 、92 )を有するワイパーを連続して編成する場合は、その長さが概ね同じになるように設定すると、編み終わり部分をワイパーの内側中央部付近に位置させることができ、編地の解れの懸念を減少させる点でも好ましい。この中空構造部(9)の長さは、通常ワイパーの長さの1/2より少し小さい寸法に設定するのが好ましいが、比較的目付の小さいワイパーを作る場合には、この中空構造部(9)の長さを小さくして一重連結構造部(14、2つの中空構造部(9)を連結している部分)の長さを大きくするのが好ましい。また、各中空構造部(9)の寸法を通常用いるワイパーの寸法にすると、2枚のワイパーが連結された構造のものとなり、多量の液の拭取りなどに好適なものとなる。また、中空構造部の円周(この円周の約1/2がワイパー幅となる)は横編の場合は、編み機の編み幅、丸編みの場合は釜の大きさに合わせて設定するのが、製造上の手間や設計が容易となるので好ましい。
【0053】
本発明において筒状編地の末端の中空構造部(9)と該中空構造部に連結する一重構造部(14)の連結部に一重構造編地(10)が更に付加されていることが好ましい(図8参照)。この構造にすることにより、中空構造部(9)の編地を解れにくくし、中空構造が保てなくなりただの筒状になり編み終わり部を有する縁部が拭き取り時の負荷を受けにくくするために有効である。一重構造編地(10)の長さはカールの程度に合わせて設定するのが好ましい。また、一重連結構造部(14)の円周は糸の選択や編地の設計によっても変化するが、中空構造部(9)と略同一になるように設定するのが好ましい。
【0054】
さらに中空構造部(9)と一重連結構造部(14)および/または一重構造編地(10)は、連続した編地で構成するのが、連結の手間を省く点から好ましい。このような筒状編地は、要求されるワイパーの寸法に合わせた横編み機の幅や丸編み機の釜を用いて製造することができる。
【0055】
本発明のリントフリーワイパーに用いられる布帛は、実質上2層構造を有するものであることが好ましい。例えば編地の場合、2層構造は編地の内側と外側が容易に見分けられる編地形状を採用することが有効である。このような編地の形状は、平形、袋状、胴腔状、筒状が相当する。2層構造とすることにより、内外層の機能を別けて編地を設計し、使用条件の合致した適切なリントフリーワイパーを得ることが容易になる。ここで「編地が実質上2層構造」とは、2層の編地面を有するものや編み地の表裏面が構造や素材などの相違によって厳密に区別されている構造に限定されず、いわゆるプレーティング手法などによって表裏面の素材発現率を変えた構造などが含まれる。例えば、複数の種類の素材を用いた場合、片側面の素材の発現率が100%のものに限定されず、表裏面の発現率が異なっているものも含む。プレーティング法などによって2種類以上の糸を用いた編地で表面と裏面の素材が異なるワイパーを作る場合は、表面部分に耐磨耗性や強度の大きい合成繊維、裏面に吸水性などに優れる繊維、例えば再生セルロース繊維などを配した構造にすることが好ましい。こうすることで、磨耗強度などが比較的低い繊維素材も用いることが可能になる。
【0056】
編地を2層構造にすると編地の強度を向上させやすく、また種々の機能を付与することが容易になる。例えば2層構造の外側に疎水性繊維、内側に親水性繊維が実質的に発現するように構成されたワイパーは、液体を拭き取る際に疎水性部分を液体が通過して親水性繊維部分に保持されやすくなるために、拭取り面への濡れ戻りが少なくなる。例えば、疎水性繊維としてポリエステルなどの合成繊維、親水性繊維としてセルロースなどの繊維を用いられると好ましい。この際はセルロース繊維の強度の懸念も合成繊維によって補強される効果が得られる。また2層構造の外側に長繊維を、内側に短繊維からなる紡績糸を用いる場合などでは表面に紡績糸の毛羽や糸端が出にくいために脱落繊維を少なくすると共に膨らみ感や吸液性を増すことができる効果が得られる。
【0057】
特に図7、図8に示すような形状のワイパーの場合には2層構造は筒状編物の編地のうち特に中空構造部(9)に設けることが好ましい。通常、ワイパーとして使用される場合は実質的な拭取り部は中空構造部(9)であり、この部分の拭取り性能がほとんどワイパー全体の拭取り性能を示すからである。上記の2層構造を編成する手段としては、いわゆるプレーティング手法を用いるのが簡便で好ましい。
【0058】
また、ワイパーの使用条件によっては、上記2層構造を適宜に設けてよい。例えば、目付を低く抑えるために中空構造部(9)を短く、一重連結構造部(14)を長く編成したような2つの中空構造(9)を持つ本発明品の場合は実質的な拭取り部は一重連結構造部(14)であり、この部分の拭取り性能がほとんどワイパー全体の拭取り性能を示すからである。2層構造を編成する手段としては、いわゆるプレーティング手法を用いるのが簡便で好ましい。
【0059】
本発明において、実質上2層構造である編地の内側の少なくとも一部がセルロース繊維であることが好ましい。これは、機械的強度や耐摩耗性が合成繊維に比べて低いセルロース繊維を保護し、セルロース繊維の特徴である吸水性を活かす点で好ましい。一部がセルロースであっても充分な吸液性が得られ、また、合成繊維に比べてコストの高いセルロース繊維の使用量を低減できるので工業的に好ましい。また、例えば外側に合成繊維、内側の一部にセルロース繊維、内側の一部に導電繊維を用いると拭取り性と吸液性と導電性を有した非常に機能の高いワイパーを得ることも可能となるので好ましい。
【0060】
本発明において、2層構造である編地の外側に合成繊維を有し、該合成繊維の単繊維の繊度が実質的に0.05dtex以上、2.0dtex以下であることが好ましい。この繊度の合成繊維を用いると拭取り性、柔軟性が向上する。合成繊維の場合、この繊度であっても機械強度はワイパーの通常使用の状態では問題がない。
【0061】
本発明において、2層構造である編地の外側の合成繊維が実質的に異型断面であることが好ましい。異型断面の形状を用途や要求機能により適宜選択することで特殊な機能を付与できる。また、2層構造の内側にさらに別の機能を持つ糸を使用することで複合された機能を持たせることが可能である。例えば、外側の合成繊維がW型である、例えば旭化成工業株式会社製「テクノファインR 」を用いると吸液性や拭取り性が向上するため好ましい。
本発明において、2層構造である編地の内側の少なくとも一部がに導電繊維であることが好ましい。
【0062】
近年、LSIや電子部品等の製造工程ではワイパーからの発塵、リントの発生を極度に嫌うことは前述したが、さらに静電気の発生も極度に嫌う工程も増加している。このため、種々の導電繊維が使用されているが従来のワイパーでは導電繊維の生地または導電繊維を一部に含む生地が切断されていることから、発塵やリントの発生が懸念されるとともに表面に導電繊維が露出し、導電物質がLSIや電子部品等の製品に直接触れたり、付着、汚染する恐れ等が懸念されるものであった。
【0063】
本発明の2層構造である編地の内側の少なくとも一部に導電繊維を用いると導電物質が直接製品に接触する可能性を低減し、製品への導電性物質の付着や汚染の危険性が少なく、発生した静電気を逃がすことができ、かつ、発塵やリントの発生の危険性が少ない非常に優れた導電性能を有したワイパーを得ることができる。
【0064】
導電繊維は特に限定されないが、例えばカーボンを原糸に練り込んだものや、金属、例えば金、銀、銅等を糸にメッキや蒸着したものや、金属繊維、例えば金、銀、銅、モリブデン、ニッケル等の10〜1000μmの直径の糸や金属繊維と他の素材の繊維、例えば合成繊維等との複合繊維などを用途に合わせて適宜に選択されてよい。
【0065】
導電繊維の使用は用途によって要求性能が異なるため、2層構造の内側の一部、または、内側の実質的に全てに、あるいはワイパー全体に使用するか等も用途に応じて適宜選択されてよい。
【0066】
また、本発明において編立て後の筒状編物に、熱エンボスロールや接着剤などを用いて部分的に固定させてシート状の形態として使用しても差し支えない。この場合には、編み始め部と編み終わり部の両方が内部に挟まれるように固定点を位置させるのが一層好ましい。また、固定部の大きさや数は、風合や吸液性を損なわないように留意するのが好ましい。さらに接着剤を用いる場合はさらにその用途で用いられる溶剤などにより生じる溶出物などを充分留意して選択すること肝要である。さらに吸液性をより高めるために得られた編物を親水加工処理したり、予め親水処理加工を施して吸水性を高めた合成繊維を用いてもよい。この場合は用途や条件によって溶出物の発生や分解の懸念がないように留意するのが肝要である。
【0067】
本発明におけるワイパーの寸法、シートの目付はその使用される用途に応じて適宜に設計されてよい。一般的には3×3インチ〜12×12インチの寸法、100〜200g/m2 の目付の物が使われる場合が多い。
【0068】
本発明のワイパーは、本発明の目的を達成できる布帛を作成後、油剤等を落とす洗浄を行った後、クリーンルーム内で超純水を用いて洗浄し、かつ、乾燥させ、包装することで製造される。
【0069】
本発明のワイパーはクリーンルームや環境の管理された室内で用いられるため、布帛からの発塵やリントの発生の抑制の他に、布帛についている様々な汚れ、および微小な塵や糸屑、リントを除去することが肝要である。布帛作成後の布帛には糸に付着している原糸油剤や布帛を作成する機械、例えば編み機から移行した油、その他静電気等により付着した埃や汚れ等があり、このままではクリーンルーム等の管理された室内では使えない。まず、これらの油剤や汚れを落とす洗浄を行うことが必要である。油剤等を落とす洗浄もクリーンルーム内で実施してもよい。
【0070】
油剤等を落とす洗浄は、通常の方法で、例えばノニオン・アニオン系の活性剤を添加して、温度をかけながら揺動させて洗浄を実施するとよい。この際、あまり布帛に物理的な負荷がかからないようにすることが肝要である。すなわち、負荷がかかり過ぎると例えば編地の場合、解れの原因となるからである。この洗浄が終了したら、数回水洗もしくは湯洗することが好ましい。これは、布帛に洗浄時の活性剤等の成分を残留させないようにするためである。
【0071】
油剤等を落とす洗浄が終了した後、布帛はクリーンルーム内で処理されることが肝要である。これは、これ以降の工程で静電気等による微小な塵やリントの吸着による再汚染を防ぐためである。仕上げの洗浄を行う際に使用する水は、超純水であることが好ましい。超純水を用いて洗浄する場合も、活性剤等を用いても差し支えないが、洗浄後のワイパーに界面活性剤、金属イオンなどが残留しないように充分な洗浄を行うことが肝要である。また、数回の水洗または湯洗することが好ましい。さらに、この際も編地の解れ等の欠点を回避する意味から過度に布帛に物理的な負荷をかけないように洗浄条件を設定することが好ましい。
超純水による洗浄が終了したら、脱水する。これは早く乾燥させることができるため、生産性の面から見て好ましい。
【0072】
乾燥もクリーンルーム内で実施することが肝要である。例えば、タンブラー型の乾燥機を用いてもよいし、吊り干しを行ってもよい。また、乾燥後には形態を整えるために必要に応じて、スチーム等によるセットやアイロン等をかけてもよい。
乾燥した布帛はクリーンルーム内で包装されることが肝要である。包装に用いられる袋は、それ自体からの発塵や静電気による汚れの吸着が発生しないような仕様の包装材であることが好ましい。また、使用上のことを考慮すると上記包装材で2重に包装することが好ましい。これは、実際に使用するクリーンルームに持ち込む際に、順次開封することで微小な塵や汚れをクリーンルーム内に持ち込まないために好ましい。
【0073】
以下に本発明のリントフリーワイパーの製造方法の諸態様ついて説明する。
(1)織物製のリントフリーワイパーの製造
ワイパーの本体が織物の場合は、例えば、いわゆるシャトル織機を用いて製造することができる。織機の幅は、製品の要求性能、すなわち、ワイパーの寸法や用いる繊維素材の性質、織り設計により適宜選択されるが、好ましくは1枚あたりの使用幅が4〜16インチのものが多く用いられる。
【0074】
織物の経糸密度は概ねおさ密度で設定され、緯糸密度は経糸の給糸量に対するシャトルの往復回数で設定される。織密度は特に限定されず、使用する糸の繊度、織り組織、目的によって自由に設定することができる。例えば、経糸にポリエステルマルチフィラメントである56dtex/36フィラメント、緯糸にポリエステルマルチフィラメントである83dtex/36フィラメントを用いて、平織組織の場合は97本/インチのおさ密度で80本/インチの緯糸密度に設定して織るとしっかりした平織物が得られる。シャトル織機による本発明のワイパーの製造は、例えば所望するワイパーの設定幅に必要な経糸を準備し、最初は緯糸を入れずに経糸を給糸し、経糸縁辺のループ部分を作成し、しかる後に緯糸をシャトルで飛ばして織物を製織して、所定の長さの織物が得られた時点で再度緯糸を入れずに経糸を給糸し、他端のループ部分を作成する。経糸のみを給糸した部分を緯糸が打ち込まれている部分から1cm程度のところで切断して、次いで、端部を布帛側に折って、図1Bで示されるような平織組織を含めた状態で経糸のループを形成する。両縁辺の経糸の解れを防止するために経糸のループを縫製により固定することができる。
【0075】
(2)経編物製のリントフリーワイパーの製造
経編物の場合は、いわゆる経編機等を用いて製造することができる。例えば、トリコット編機を用いてワイパーを製造する場合、編み機の幅は、製品の要求機能、すなわち、ワイパーの寸法や用いる繊維素材の性質、編み設計により適宜選択されるが、通常、幅は20〜150インチとされ、好ましくは1枚あたりの使用幅は4〜16インチのものが多く用いられる。編機のゲージ、すなわち1インチあたりの針本数は、製品の要求性能により適宜選択される。通常のトリコット編機では12〜40ゲージ、通常24〜40ゲージのものが多く用いられる。編組織は特に限定されず、製品の要求性能や用いる繊維素材の性質により適宜選択される。本発明の目的を達成するためにはウエル方向の縁部はループで形成させる編組織を選択することができる。例えば、ハーフトリコット組織で編成する場合は、バック糸をフロント糸より一本多くすればウエル方向の縁部はループで形成される。例えばハーフトリコット組織で本発明の布帛が経編物のワイパーを得るには、所望の幅のフロント糸とバック糸(フロント糸+1本)を準備し、最初は編成せずに糸を給糸し、その後所望の長さを編み立て、最初と同様に編成せずに糸を給糸する。編成されている部分から1cm程度のとこでフロント糸およびバック糸を切断し、織物の経糸と同様の方法でコース方向にループを形成させれば本発明の経編物のワイパーを製造することができる。
【0076】
(3)平形編物によるリントフリーワイパーの製造
図3A及び図3Bは、天竺組織に一口給糸で編んだ編物による平形編物のリントフリーワイパー(100)の例を示す。編地のコース方向及びウエール方向における縁辺が図2で示されると同様にループで形成されてうに編糸の切断余端(6)を除いて、編目のループのみで形成されている。図3Aは、リントフリーワイパーは概ね正方形の形状の平形編地によるもの、図3Bは、ウエール方向の2縁辺が目増やし編およびまたは目減らし編することにより、円弧形状に形成された例である。
【0077】
図3A及び図3Bのリントフリーワイパーは、いわゆる横編機、好ましくはフルファッションの編み機等を用いて製造することができる。編機の編幅は、製品の要求機能、すなわち、ワイパーの寸法や用いる繊維素材の性質、編設計により適宜選択され、通常、幅は2〜150インチとされ、好ましくは1枚あたりの使用幅が4〜16インチの編物とする。編機のゲージ、すなわち1インチあたりの針本数は、製品の要求性能により適宜選択され、通常の横編機では2〜26ゲージとされ、8〜22ゲージのものが適する。また、編成の給糸口数、すなわち給糸数は、本発明の目的である脱落繊維を減少させる点から少ない方が好ましい。
【0078】
編組織は、ニット、タック、ウエルトの組合せで構成され、特に限定されないが、コース方向の端部となる編み始め部と編み終わり部では、編地の解れ難い組織、例えば、抜き糸編み(袋止め編み)、ピコット編み、巻揚止め編み、振り止め編み等の組織で編成すると解れ難いので好ましい。また、例えば、目移し編みにより目増やしや目減らしを行っても解れやすい部分が少なくなるので好ましい。また、ウエル方向の端部となる部分も解れ難い組織で編成することもできる。更に、解れ難くするために編地の中央部と端部でループの大きさが変わっていてもよい。例えば、端部の編み目を小さく、中央部の編み目を大きくしてもよい。また、2層構造を形成する場合は、特殊な給糸口を用いたり、編み組織で実施すればよい。
【0079】
(4)袋状編物ワイパーのリントフリーワイパーの製造
図4A及び図4Bは天竺組織に一口給糸で編んだ編物による袋状編物のリントフリーワイパー(100)の例を示す。図4Fは図4Bを裏返したものである。図4Cは図4AのA−A線で切断した切断形状を示すものである。同様に図4D及び図4Eはそれぞれ図4B及び図4Fの切断線B−B、C−Cによる切断線による切断形状を示すものである。
【0080】
図4Aは、すなわち筒状編物のコース方向の片側が閉じた(40)袋状編物のリントフリーワイパーである。また、図4Bは、図4Dに示すような断面形状、すなわち筒状編物のコース方向の片側を閉じた(40)後に、編地を解れにくくするために平形編地(42)が更に編成されたリントフリーワイパーである。また、図4Fは平形編地(42)が袋状の内側(12)に入り、実質的な拭き取り面である(13)に露出しないため、更に編地が解れにくくなる。
【0081】
これらの袋状編物ワイパーは、例えば、いわゆる横編み機、好ましくはフルファッションの編み機等を用いて製造することができる。横編み機の条件および編み組織は平形編物と同様であり、端部を解れ難くすることと給糸数を少なくすることに留意すれば、特に限定されない。例えば、横編み機を用いて袋状の編物ワイパーを編成するには、編み始め例えば(46)を袋天竺組織で筒状編物を編成し、編み終わり時に目移し編みで筒を閉じて編成するか、リンキング等の手法で筒を閉じれば、コース方向の片側の端部が閉じた袋状構造の編物ワイパー(例えば図4A)が得られる。この際、編み終わり部に平形編地が編成されていてもよい(例えば図4B)。
更にまた、編み終わり部に平形編地があればその部分がカールしていてもよく、また、編成後に裏返しにして内側に平形編地を入れてもよい(例えば図4F)。
【0082】
(4)胴腔状編物製ワイパーの製造
図5A及び図5Bは天竺組織に一口給糸で編んだ編物による胴腔編物のリントフリーワイパー(100)の例を示す。図5C、図5Dはそれぞれ図5A、図5Bの(55)で切断した断面の形状を示す図である。
図5Aは、筒状編物のコース方向の両側が閉じ(50及び52)、胴腔部(58)を有する胴腔状編物のリントフリーワイパーである。また、図5Bは、筒状編物のコース方向の両側を閉じた部分(50及び52)の両側に編地を解れにくくするために平形編地(54および56)が編成された胴腔部(58)を有する胴腔状編物のリントフリーワイパーである。これらのワイパーは、いわゆる横編み機、好ましくはフルファッションの編み機等を用いて製造することができる。横編み機の条件および編み組織は平形編物と同様であり、端部を解れ難くすることと給糸数を少なくすることに留意すれば、特に限定されない。例えば、横編み機を用いて本発明の胴腔状構造の編物ワイパーを編成するには、編み始めを、例えば、図5Aのワイパーでは抜き糸編み(袋止め編み)、ピコット編み、巻揚止め編み、振り止め編み等の組織で編成し、しかる後に目移しを行い(50)、袋天竺組織で筒状部分を編成する。その後、目移しを行い、筒を閉じて(52)更に解れ難い組織やリンキング等の手法を用いて編成を終了させれば、胴腔状の編物ワイパーを得ることができる。また、編み始めおよびまたは編み終わり部に平形編地(54)、(56)があってもよい(例えば図5B)。
【0083】
(5)筒状編物によるリントフリーワイパーの製造
図6Aは、天竺組織に一口給糸で編んだ編物による円筒形の筒状編物のリントフリーワイパー(100)の例を示す。図6B及び図6Cは、図6Aの断面図であり、筒状編地のコース方向の端部がカール(8)した状態を示している。図6Bでは筒状編地の円筒の外側(13)にカールしている状態を示し、図6Cでは筒状編地の円筒の内側(12)にカールしている状態を示している。取り扱い性を考慮すると図6Cの用に内側(12)にカールが存在すると拭き取り面(13)が平滑となり、作業中の引っかけ等の懸念が少なくなる。
【0084】
これら筒状編物によるワイパーは、いわゆる横編機、好ましくはフルファッションの編み機等、または、丸編機を用いて製造することができる。横編機の条件および編組織は平形編物と同様であり、端部を解れ難くすること給糸数を少なくすることに留意すれば、特に限定されない。また、丸編機はシングルでもダブルでもいずれの丸編み機を用いてもよい。丸編機の釜径(釜の直径)は製品の要求機能、すなわち、ワイパーの寸法や用いる繊維素材の性質、編設計により適宜選択されるが、通常、釜径は2〜40インチ、好ましくは4〜30インチである。丸編み機のゲージ、すなわち1インチあたりの針本数は、製品の要求性能により適宜選択されるが、通常は20〜42ゲージ、好ましくは24〜36ゲージである。また、編成に用いる口数、すなわち給糸数は、脱落繊維を減少させる点から少ない方が好ましく、通常、1〜60口、好ましくは1〜24口である。また、編み組織はニット、タック、ウエルトの組合せで構成され、特に限定されないが、編み始め及び編み終わりが解れ難い組織にすることが好ましい。
また、図6Bまたは図6Cの(8)のように筒状編地のコース方向の端部をカールさせるには、例えば端部のみトルクの強い撚糸を用いたり、ループの大きさを変えたり、2層構造で片側に熱水収縮率違う糸を用いればよい。
【0085】
(6)中空部を有する筒状編物によるリントフリーワイパーの製造
図7A、図7Dは、天竺組織に一口給糸で編んだ編物(7)による中空構造部を1つ有する筒状編物のリントフリーワイパー(100)の例を示す。図7B、図7Cは図7Aの断面を示している。図7Bは図7Aのワイパーが中空構造部(9)と一重構造編地(10)からなることを示し、図7Cは一重構造編地(10)がカール(8)している状態を示す。図7Eは図7Dの断面を示しており、図7Aで得られた編物の中空構造部(9)を回転させて一重構造編地(10)を円筒状の内側(12)に移行させた状態を示している。
【0086】
また、図8Aは、天竺組織に一口給糸で編んだ編物(7)による中空構造部を2つ有する筒状編物のリントフリーワイパー(100)の例を示す。図8B、図8Cはそれぞれ図8Aの断面を示しており、図8Aのワイパーが中空構造部(91 、92 )、それに連結する一重連結構造部(14)、末端の中空構造部(92 )と一重連結構造部(14)に更に連結してなる一重構造編地(10)とからなることを示している。ワイパーの通常使用時の拭き取り面が13、一重構造編地(10)は円筒状の内側(12)に位置している。また、図8Cは一重構造編地(10)がカール(8)している状態を示している。
【0087】
更にまた、図9Aは、天竺組織に一口給糸で編んだ編物(7)による中空構造部を複数有する筒状編物のリントフリーワイパー(100)の例を示す。図9Bは図9Aの断面を示しており、図9Aのワイパーが中空構造部(91 、9m 、9n )、それに連結する一重連結構造部(141 、14m 、14n )、末端の中空構造部(9n )と一重連結構造部(14n )に更に連結してなる一重構造編地(10)とからなることを示している。ワイパーの通常使用時の拭き取り面が(13)、一重構造編地(10)は円筒状の内側(12)に位置している。
【0088】
例えば、シングルシリンダー編機を用いた編成では、中空状の開始部分において一本交互にシリンダー部の針を持ち上げ、その間の部分で糸を一時保持させ、次のコースすなわち編み目の配列からは通常に編成することができる。中空構造部分の必要コースが編成されたら中空状の開始部分で保持していた糸を同時に編み込むことで連結され、中空構造部が形成される。その後、通常編成を続けることで中空構造部と一重構造編地を持つ編物が得られる。この時点で編成を終了すると本発明品(例えば図7A)が得られる。更に、最初の中空構造部を編成したのと同様の方法で再度中空構造部を編成して2つの中空構造部を有する編地を得ることができる。この場合、先に編成した一重構造編地は一重連結構造部となる。この後、通常編成を行うと一重構造編地が編成される。この時点で編成を終了すると2つの中空構造部を有するワイパー(図8A)が得られる。
【0089】
前述した編成を繰り返して図9で示す多数の中空構造部を有する編地によるワイパーが得られる。なお、前述の通り編み終わりは一重構造編地にすることが取扱いや使用時に端糸が引っかかったりして編地が解れることを防止する、また、リントや脱落繊維の防止の面から好ましい。更に、糸の切れ端をできるだけ外表面に出さないようにすることが好ましく、そのために、例えば複数本の糸を用いて編成する場合は編み終わりに際して各糸を順次切断することで一本を除いて他の糸の糸端を編地のループ内に編み入れるのが好ましい。更に該一重構造編地をカールさせることで糸の切れ端を内側に巻き込むことによって糸端が外表面に出ないようにすると一層好ましい。これにより、ワイパーからの発塵を少なくする効果も得られる。
【0090】
上述のように中空部を有する筒状編物は、いわゆるシングルシリンダー編み機等を用いて製造することができる。編み機の釜径(釜の直径)は製品の要求機能、すなわち、ワイパーの寸法や用いる繊維素材の性質、編み設計により適宜選択されるが、通常、釜径は2〜20インチ、好ましくは4〜16インチである。編み機のゲージ、すなわち1インチあたりの針本数は、製品の要求性能により適宜選択されるが、通常は20〜42ゲージ、好ましくは24〜36ゲージである。また、編成に用いる口数、すなわち給糸数は、本発明の目的である脱落繊維を一層減少させる観点から少ない方が好ましく、通常、1〜60口、好ましくは1〜24口である。
【0091】
編組織はニット、タック、ウエルトの組合せで構成され、特に限定されないが、天竺組織、1:1タック組織、1:3タック組織が好ましい。1:1タック組織とは、1ウエル(緯方向の編み目)おきにタックで編成し、次のコース(経方向の編み目)では前のコースと1ウエルずれた編み目が1ウエルおきにタックで編成されている組織をいう。1:3タックの場合は3ウエルおきにタックで編成し、次のコースでは1ウエルずれた編み目が3ウエルおきにタックで編成されている組織をいう。2種以上の繊維素材を用いて2層構造編地を得るためにプレーティングを行う場合は、天竺組織が好ましい。これは素材の方向が制御されやすいからである。また、編地の設計は、選択した編み機の機能に合わせて用途やその性能を考慮して適性に設計することが好ましい。特に拭取り面側にポリエステル繊維、反対側にセルロース繊維が実質的に現れるように編み条件を設定したり、部分的に度目を変えて連続した編地を作って伸縮性や取扱い性等の機能を高めることもできる。
【0092】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、例中の各性能評価は下記方法で測定した。
(1)乾式リント数(叩き)の評価:
試料を空気中に吊し、棒で120回/分の頻度で叩く際に空気中に放出される0.3μm以上の粒子を粒子測定器で測定し、1立方フィート当たりに換算して記録する。
【0093】
(2)乾式リント数(伸縮)の評価:
試料を空気中で両端を把持し、経方向、緯方向に、それぞれ5%の伸長を60回繰り返した際に空気中に放出される0.3μm以上の粒子を粒子測定器で測定し、1立方フィート当たりに換算して記録する。
【0094】
(3)湿式リント数の評価:
IES−RP−CC−004.2(米国、環境科学研究所が推奨する測定方法)に記載された方法によって測定した。最小応力下で5分間水中に浸して振った後に0.5μm以上の粒子を粒子数測定器によって測定する。試料1m2 当たりに換算して記録する。
【0095】
(4)吸液性の測定:
IES−RP−CC−004.2の方法に従って測定し、単位質量当たりの吸収された容積として換算して記録する。
【0096】
(5)脱落繊維の測定:
試料を300mlの純水に浸し、15分間超音波を当てた後にワイパーを取り出す。この液を黒色に着色された濾紙を用いて濾過し、濾紙上に残されたファイバー状のワイパーからの脱落物を測定する。長さが100μm以上のものを数えて、試料1m2 当たりに換算して記録する。
【0097】
(6)溶出物量の測定:
それぞれの液体800mlにワイパーを50gの割合で浸し、24時間静置する。ワイパーを取り出し、残りの液を蒸発完固させてその重量を試料ワイパー1m2 に換算して記録する。
【0098】
参考例1
シャトル織機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(56dtex/36フィラメント)を経糸に、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)を緯糸に使用し、おさ密度97本/インチ、緯糸密度80本/インチ、平織組織で、最初は長さ方向の縁部となる部分を緯糸を入れずに経糸を給糸して製造し、しかる後に緯糸をシャトルで飛ばして織物を作成し、所定の長さの織物が得られた時点で、再度長さ方向の縁部となる部分を緯糸を入れずに経糸を給糸して製造した。なお、経糸は1358本を整経し、また、緯糸も通常の方法で準備した。経糸のみを給糸した部分を緯糸が打ち込まれている部分から1cm程度のところで切断し、図1Bの形状に織組織を含めた状態で縁部を布帛側に2回以上折り曲げてループ形成させ、解れ防止のため縫製した。得られたワイパーは35cm×35cmであった。
【0099】
得られた織物ワイパーをクリーンルーム内に設置した洗濯機で洗浄して汚れ、原糸油剤、編立て時に用いた油剤を洗浄除去した。その後、同じくクリーンルーム内で乾燥し、ポリオレフィンフィルムを用いて包装してリントフリーワイパーを製作した。このワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れたものであり、高清浄度クリーンルームに好適な製品であった。
【0100】
参考例2
32ゲージ/インチのトリコット編機にて、フロント糸、バック糸ともにポリエステルマルチフィラメントヤーン(56dtex/36フィラメント)を用いてハーフトリコット組織で、最初は編成せずに糸を送り縁部のループ作成の部分を製造し、しかる後に拭き取り部分となる本体を編成し、最後は再びは編成せずに糸を送り縁部のループ作成の部分を製造した。なお、フロント糸は600本を、また、バック糸は601本を通常の方法で整経し、準備した。コース方向の縁部となる編成されていない部分を編成されている部分から1cm程度のところで切断し、参考例1と同様に編組織を含めた状態でループ形成させ解れ防止のため縫製した。得られたワイパーは幅47cm、長さ26cmであった。
【0101】
得られた編物ワイパーを参考例1と同様の方法で処理し、幅30cm、長さ30cmのリントフリーワイパーを製作した。得られたワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れた性能を示し、高清浄度クリーンルームに好適な製品であった。
【0102】
参考例3
30ゲージ/1.5インチのフルファッション編機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)の仮撚加工糸を3本撚糸した糸を1口で、編み始めを抜き糸編みで解れにくく編成し、その後天竺組織にて編成した。編み終わり部をリンキングにて解れ防止を行って、幅20cm、長さ20cmの図3Aに示す平形の編物ワイパーを得た。
得られた編物ワイパーを参考例1と同様に処理し、リントフリーワイパーを製作した。このワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れたものであり、高清浄度クリーンルームに好適な製品であった。
【0103】
参考例4
30ゲージ/1.5インチのフルファッション編み機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)の仮撚加工糸を3本撚糸した糸を1口で、編み始めから袋天竺組織で編成し、その後目移しを行いスムース組織にて編成した。編み始め及び編み終わり部をリンキングにて解れ防止を行って、幅20cm、袋状部の長さ20cm、平形編地部の長さ1cmの図4Bに示した袋状の編物ワイパーを得た。
得られた編物ワイパーを参考例1と同様の方法で処理し、リントフリーワイパーを製作した。得られたワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れた性能を示し、高清浄度クリーンルームに好適な製品であった。
【0104】
参考例5
30ゲージ/1.5インチのフルファッション編み機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)の仮撚加工糸を3本撚糸した糸を1口で、編み始めは抜き糸編みで解れにくく編成し、目移しを行い袋天竺組織で筒状部分を編成し、その後目移しを行いスムース組織にて編成した。編み終わり部をリンキングにて解れ防止を行って、幅20cm、筒状で編成した袋状部の長さ20cm、編み始め及び編み終わりの平形編地部の長さ1cmの図5Bに示す胴腔状の編物ワイパーを得た。
得られた編物ワイパーを参考例1と同様の方法で処理し、リントフリーワイパーを製作した。得られたワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れた性能を示し、高清浄度クリーンルームに好適なリントフリーワイパーであった。
【0105】
参考例6
20ゲージ/インチの横編み機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)の仮撚加工糸を3本撚糸した糸を1口で、袋天竺組織で編成した。編み始め及び編み終わり部をリンキングにて解れ防止を行って、円周40cm、長さ20cmの図6Aに示す構造の筒状の編物ワイパーを得た。
得られた編物ワイパーを参考例1と同様の方法で処理し、リントフリーワイパーを製作した。得られたワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れた性能を示し、高清浄度クリーンルームに好適なリントフリーワイパーであった。
【0106】
参考例7
釜径13インチ、28ゲージ/インチのダブルの丸編み機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)の加工糸を4口で、スムース組織で編成し、円周70cmの筒状の編物を編成した。筒状部の長さは35cmであった。コース方向の端部は自然にカールし、その編地面の断面形状は図6Bに示す構造のワイパーを得た。
得られた編物ワイパーを参考例1と同様の方法で処理し、リントフリーワイパーを製作した。得られたワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れた性能を示し、高清浄度クリーンルームに好適な物であった。
【0107】
参考例8
釜径13インチ、28ゲージ/インチのシングルシリンダー丸編み機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)の加工糸を4口で、天竺組織で編成し、円周70cmの筒状の編物を編成した。筒状部の長さは30cmであった。コース方向の端部は自然にカールし、その編地面の断面形状は図6Bに示すようなものであった。取り扱い性を向上させるために裏返しにし、編地面の断面形状を図6Cの構造形態の編物を得た。得られた編物ワイパーを参考例1と同様の方法で処理し、リントフリーワイパーを製作した。得られたワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れた性能を示し、高清浄度クリーンルームに好適なワイパーであった。
【0108】
実施例1
釜径4インチ、32ゲージ/インチのシングルシリンダー編み機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)を4口で、天竺組織で中空構造部および一重構造編地を持った円周20cmの筒状の編物を編成した。中空構造部の長さは10cm、一重構造編地の長さは1cmであった。一重構造編地は編成後に自然にカールし、その編地面の断面形状が図7Cに示す構造の編地を得た。
得られた編物ワイパーを参考例1と同様に処理し、リントフリーワイパーを製作した。このワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れたものであり、高清浄度クリーンルームに好適なものであった。
【0109】
実施例2
釜径4インチ、28ゲージ/インチのシングルシリンダー編み機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)を4口で、キュプラアンモニウムレーヨンマルチフィラメントヤーン(33dtex/24フィラメント)を4口で、編地の外側にポリエステルが、内側にキュプラが存在するようにプレーティング法で天竺組織で、2層構造の編地からなる中空構造部および一重構造編地を持った円周18cmの筒状の編物を編成した。中空構造部の長さは9cm、一重構造編地の長さは1cmであった。一重構造編地を筒状編物の内側にくるように中空構造部を回して移動させて本発明のワイパーを得た。この編物ワイパーの編地面の断面形状は図7Eで示すようなものであった。
得られた編物ワイパーを参考例1と同様の方法で処理し、リントフリーワイパーを製作した。得られたワイパーの評価結果は表1に示したように微小リントや脱落繊維の少ない優れた適性を示す。特に吸液性が向上しており、液の拭き取りに好適な物であり、高清浄度クリーンルームに用いられて好適なワイパーであった。
【0110】
実施例3
鞘部がポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)、芯部がキュプラアンモニウムレーヨンマルチフィラメントヤーン(33dtex/24フィラメント)で構成された複合繊維を用いた以外は実施例1と同様の方法でリントフリーワイパーを製作した。
得られたワイパーは、表1にその結果を示したように優れた適性を示すものであり、高清浄度クリーンルームに好適な物であった。
【0111】
実施例4
釜径4インチ、32ゲージ/インチのシングルシリンダー編み機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)を4口で、中空構造部の連結部以外は天竺組織で編成し、中空構造部2つを一重連結構造部で連結させた構造を連続して編み立て、次いで、連結部からさらに一重構造編地を編成して筒状の編物を編成した。中空構造部の円周はいずれも20cm、長さは4cmであり、中空構造部を連結している一重連結構造部の円周は20cm、長さは1cm、連結部にさらに編成された一重構造編地の円周も20cm、長さは1cmであった。
得られた編物ワイパーを参考例1と同様の方法で処理し、リントフリーワイパーを製作した。ワイパーの断面形状は図8Bのようなものであった。このワイパーの性能評価結果は表1に示したように優れた適性を示すものであり、高清浄度クリーンルームに好適なリントフリーワイパーであった。
【0112】
実施例5
釜径4インチ、28ゲージ/インチのシングルシリンダー編み機にて、ポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)を4口で、キュプラアンモニウムレーヨンマルチフィラメントヤーン(33dtex/24フィラメント)を4口で編み地外側にポリエステルが、内側にキュプラが存在するようにプレーティング法で実質的に2層構造で、連結部以外を天竺組織で編成し、中空構造部2つを一重連結構造部で連結させた構造を連続して編み立て、次いで連結部から一重構造編地をさらに編成して、筒状編物を編成した。中空構造部の円周はいずれも20cm、長さは4cmであり、中空構造部を連結する一重構造部の円周は20cm、長さは1cm、連結部からさらに編成された一重構造編地の円周も20cm、長さは1cmであった。
得られた編物ワイパーを参考例1と同様の方法で処理し、リントフリーワイパーを製作した。ワイパーの断面形状は図8Cに示すようなものであった。得られたワイパーの性能評価結果を表1に示したが、実施例2と同様に、極めて優れた特性を有することがわかった。
【0113】
実施例6
鞘部がポリエステルマルチフィラメントヤーン(83dtex/36フィラメント)、芯部がキュプラアンモニウムマルチフィラメントヤーン(33dtex/24フィラメント)で構成された複合繊維を用いた以外は実施例4と同様の方法でリントフリーワイパーを製作した。
得られたワイパーの性能評価結果は表1に示したように優れた適性を示すものであり、高清浄度クリーンルームに好適な物であった。
【0114】
比較例1
高品質クリーンルームワイパーであるTEXWIPE社製TX1009(ポリエステル100%編み物で、編み地を切断後四方をヒートカットしてある)を上記と同じ方法でその物性を測定した結果を表1に示した。リントや溶出物量については使用上は問題のない値を示すが、伸縮を伴うような実使用状況では多数のリントや脱落繊維が観察されるものであった。
【0115】
比較例2
高品質クリーンルームワイパーであるTEXWIPE 社製TX1010(ポリエステル100%編み物で、編み地を切断後四方を熱溶着してある)を上記と同じ方法でその物性を測定した結果を表1に示した。リントや溶出物量については使用上は問題のない値を示すが、伸縮を伴うような実使用状況では多数のリントや脱落繊維が観察されるものであった。また、端面が硬く、ふき取りの際に取り扱い性が良くない。デリケートな拭き取り対象物に用いると商品に傷をつけることが懸念されるものであった。
【0116】
比較例3
高品質クリーンルームワイパーである鐘紡合繊株式会社製SavinaーMinimax(ポリエステル、ポリアミド系編物で、編地を切断後四方をヒートカットしてある)を上記と同じ方法でその物性を測定した結果を表1に示した。リントや溶出物量については使用上は問題のない値を示すが、伸縮を伴うような実使用状況では多数のリントや脱落繊維が観察されるものであった。
【0117】
【表1】
Figure 0003986757
【0118】
【発明の効果】
本発明のリントフリーワイパーは、布帛の縁部が該布帛を構成する糸のループでなる布帛構造を有する布帛で形成したものである。したがって、リントフリーワイパーはその構造内にリントや脱落繊維などの発塵源となる糸の切断端を実質的に含んでいない。よって、本発明のリントフリーワイパーは、発塵が顕著に抑制され、クラス100以下の高清浄度のクリーンルームで安心して使用することができる。
【0119】
本発明のリントフリーワイパーは、発塵抑制機能が縁辺を布帛を構成する糸のループで形成した布帛構造に基づいているので、発塵抑制構造の形成に繊維の溶着や接着加工を必要としない方法で調製することができ、それ故に非熱可塑性のセルロース繊維による高度のリントフリーワイパーの調製を可能にし、柔軟で拭き取り作業性に優れた安全性の高いリントフリーワイパーの提供を可能するものである。
【0120】
特に、横編み機や丸編機では編機で製造した時点で個々のワイパーの形状、構造のものを得ることができるので、あとで切断したり切断部の融着処理などの工程を必要としない。更には多岐にわたる使用方法に合わせて、リントフリー性が高く、信頼性の高いワイパーを設計提供できるようにするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 本発明による織物で作られたワイパーの縁辺構造の一例を説明する図である。
【図1B】 本発明による織物で作られたワイパーの縁辺構造の別の一例を説明する図である。
【図2】 本発明による編物で作られたワイパーの縁辺構造の一例の説明図である。
【図3A】 本発明による平形編物のワイパーの一例の説明図である。
【図3B】 本発明による平形編物のワイパーの別の一例の説明図である。
【図4A】 袋状編物で作られた本発明によるワイパーの実施態様を示す斜視図である。
【図4B】 袋状編物で作られた本発明によるワイパーの別の実施態様を示す斜視図である。
【図4C】 図4Aを説明する断面斜視図である。
【図4D】 図4Bを説明する断面斜視図である。
【図4E】 図4Fを説明する断面斜視図である。
【図4F】 袋状編物で作られた本発明によるワイパーの別の実施態様を示す斜視図である。
【図5A】 胴腔状編物で作られた本発明によるワイパーの実施態様を示す説明図である。
【図5B】 胴腔状編物で作られた本発明によるワイパーの別の実施態様を示す説明図である。
【図5C】 図5Aを説明する断面斜視図である。
【図5D】 図5Bを説明する断面斜視図である。
【図6A】 筒状編物で作られた本発明によるワイパーの実施態様を示す説明図である。
【図6B】 図6Aを説明する断面斜視図である。
【図6C】 図6Aを説明する別の断面斜視図である。
【図7A】 中空構造部を有する筒状編物で作られた本発明によるワイパーの実施態様を示す説明図である。
【図7B】 図7Aを説明する断面斜視図である。
【図7C】 図7Aを説明する別の断面斜視図である。
【図7D】 中空構造部を有する筒状編物で作られた本発明によるワイパーの別の実施態様を示す説明図である。
【図7E】 図7Dを説明する断面斜視図である。
【図8A】 2つの中空構造部を有する筒状編物で作られた本発明によるワイパーの実施態様を示す説明図である。
【図8B】 図8Aを説明する断面斜視図である。
【図8C】 図8Aを説明する別の断面斜視図である。
【図9A】 複数の中空構造部を有する筒状編物で作られた本発明によるワイパーの実施態様を示す説明図である。
【図9B】 図9Aを説明する断面斜視図である。

Claims (15)

  1. 編物の縁部が実質的に編地構成糸のループで形成されている筒状編物からなり、かつ該筒状編物が筒状の中空構造部(9)と該中空構造部に連結された筒状の一重構造編地(10)で形成されてなるリントフリーワイパー。
  2. 該筒状編物が複数の筒状の中空構造部(9)を有し、それぞれの中空構造部が一重構造編地からなる一重連結構造部(14)を介してそれぞれ連結されている請求項1に記載のリントフリーワイパー。
  3. 筒状編物の末端の中空構造部と該中空構造部に連結する一重連結構造部(14)の連結部に一重構造編地(10)が更に連結されている請求項2に記載のリントフリーワイパー。
  4. 一重構造編地(10)が筒状編物の端縁又は内側に位置する請求項1〜3のいずれか一項に記載のリントフリーワイパー。
  5. 筒状編物を形成する編地の末端部がカールしている請求項1〜4のいずれか一項に記載のリントフリーワイパー。
  6. 編地構成糸が長繊維である請求項1〜5のいずれか一項に記載のリントフリーワイパー。
  7. 編地構成糸の単繊維の繊度が0.05dtex以上5dtex以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のリントフリーワイパー。
  8. 編地構成糸が異型断面糸である請求項1〜7のいずれか一項に記載のリントフリーワイパー。
  9. 編地構成糸がセルロース繊維である請求項1〜8のいずれか一項に記載のリントフリーワイパー。
  10. 編地構成糸がセルロース繊維と合成繊維との複合糸である請求項1〜8のいずれか一項に記載のリントフリーワイパー。
  11. 編地構成糸がセルロース繊維と合成繊維との複合糸であって、かつセルロース繊維を実質的に芯部に有し、鞘部が実質的に合成繊維からなる複合糸である請求項10に記載のリントフリーワイパー。
  12. 筒状編物を形成する編地が2層構造編地でなる請求項1〜11のいずれか一項に記載のリントフリーワイパー。
  13. 筒状編物を形成する編地が2層構造編地でなり、かつ中空構造部(9)の内側の2層構造編地の層が、少なくともその一部がセルロース繊維で形成されてなる請求項12に記載のリントフリーワイパー。
  14. 筒状編物を形成する編地が2層構造編地でなり、かつ中空構造部(9)における外側の2層構造編地の外側層が、合成繊維からなり、該合成繊維の単糸の繊度が0.05dtex以上、2.0dtex以下である請求項12または13に記載のリントフリーワイパー。
  15. 筒状編物を形成する編地が2層構造編地でなり、かつ中空構造部(9)の内側の2層構造編地の層が、少なくとも一部に導電性繊維を含んでなる請求項12〜14のいずれか一項に記載のリントフリーワイパー。
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