JP6487188B2 - 編地及びワイピングクロス - Google Patents

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本発明は、ワイピングクロスに好適な編地に関するもので、詳しくは洗車後の自動車などを美観よく拭き取ることのできるワイピングクロスに好適な編地に関するものである。
従来から、ワイピングクロスは家庭用清掃具や眼鏡拭きといった家庭用途から、車の清掃・拭き上げ用具などといった産業用途まで広範な分野で展開されている。特に合成繊維、中でもポリエステル繊維を用いたワイピングクロスは、生産性と発塵性との観点から汎用されている。
しかし、従来からあるワイピングクロスは、一般的なハンカチ、ふきん、タオルなどの域を超えるものではなく、少量の汚れに対しては優れた拭き取り性を発揮するが、例えば油汚れを拭き取った場合には、拭き取った汚れがクロス表面に付着し、再度クロスを使用した際に汚れを広げてしまうことがあり、その改善が求められていた。
そこで、クロス表面に凹凸を設け、凹部に汚れを移すことで、クロスを再び使用したときに汚れが広がるのを抑える工夫が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2006−6537号公報
上記特許文献記載のクロスは、従来のクロスと比べ持続的な拭き取り性に優れているが、一方でポリエステル繊維を主体にして構成されているため、保水性に乏しいという難点がある。ポリエステルは疎水性高分子であるため、ポリエステル繊維を主体に構成したクロスは、必然的に保水性に欠けるものとなる。
この点、クロスの保水性が乏しくなると、例えば水拭き時もしくは水等を拭き取る際に、クロスと拭き取り対象物との間に水等の膜が形成され、その膜が支えとなってクロスの移動が大きく妨げられることになる。したがって、上記クロスは、いわゆる乾拭き状態で使用する分には、取扱いの点で何ら問題ないと考えられるものの、水等が介在する場合には、非常に扱い難いものとなる。
さらに、上記クロスの場合、水等を介在させて使用する際、強い力を作用させるなどしてクロスを移動できたとしても、拭き取り後、対象物表面に筋状の滴の痕が残ることがあり、かえって対象物の美観を損ねてしまうなど、課題を残している。
したがって、本発明の課題は、上記従来技術の欠点を解消する点にあり、持続的な拭き取り性に優れているのは無論のこと、水などの液状物が介在する状況下においても滑らかに対象物表面を拭き取ることができ、かつ拭き取り後に滴の痕を残し難いワイピングクロスに適した編地を提供する点にある。
水などの液状物が介在する状況下で上記のクロスを使用すると、クロスの円滑な移動が妨げられ、拭き取り後に滴の痕を残すことがある。そこで検討したところ、水等を対象物表面に残したままにすると、水等の表面張力によりクロスが対象物表面に貼りつき易くなり、これが原因でクロスの移動が妨げられ、同時にクロスの移動に付随して滴の痕が残ることが分かった。これを受け、かかる水等を素早く取り除けば、クロスを円滑に移動させつつ滴の痕を残さず美観よく拭き取ることができるであろうとの考えの下、クロスを構成する編地の設計について検討したところ、拭き取り面となる表面に単糸繊度の細い糸を配すれば、毛細管現象により素早く水等を吸水し、裏面に親水性繊維糸を配すれば、吸い上げた水等を溜めておく(保水しておく)ことができることを見出した。さらに進んで、油汚れを拭き取った後再びクロスを使用しても汚れを広げ難く、吸水性、保水性の点でもより優れる編地の設計について鋭意検討したところ、表面を構成する糸の単糸繊度を規定することや裏面を親水性繊維糸で構成すること以外にも、表面の形状、親水性繊維糸の混率及び編地の厚みなどを特定すればよいことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、第一に、表面が単糸繊度0.001〜1.0dtexのポリエステル糸条から構成され、裏面が親水性繊維糸から構成される編地であって、編地全体に占める親水性繊維糸の混率が30〜70質量%であり、表面に高低差0.2〜1.0mmの凹凸部を有し、その凹部の密度が10〜50個/cmであり、かつ編地の厚みが0.7〜2.0mmであることを特徴とする編地を要旨とするものである。
本発明の編地を使用すれば、汚れの広がりを抑えながら繰り返して使用できるワイピングクロスが提供できる。また、このワイピングクロスは、水などの液状物が介在する状況下でも滑らかに対象物表面を移動させることができ、拭き取り後に滴の痕を残し難い。このような特性を持つ本発明のワイピングクロスは、例えば洗車後の自動車の拭き上げや金管楽器の拭き上げなどに適しており、美観よく仕上げることができる。
本発明において好適な編組織の一例である。 本発明において好適な編組織の一例である。 本発明において好適な編組織の一例である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の編地は、表面がポリエステル糸条から構成され、裏面が親水性繊維糸から構成される。本発明の編地には、必要に応じて表裏面の間に別の面を設けてもよいが、基本的には表裏面からなる二層構造のものが好ましい。
本発明の編地は、表面が単糸繊度0.001〜1.0dtexのポリエステル糸条から構成される。本発明の編地をワイピングクロスに適用した際、表面が拭き取り面に相当する。単糸繊度を細くすることで、毛細管現象を利用して対象物表面の水又は液状物を素早く吸い上げることができる。さらに、単糸繊度を細くすることで、対象物表面に付着した細かい汚れを効率よくかき取ることができる。ただし、あまり細くし過ぎると、繊維の剛性が失われ、少しの指圧で容易に対象物に密着し、クロスを滑らかに移動させ難くなる。さらに、水等を保水し易くなり、対象物に滴が残り易く他、水等の膜が形成され易くなり、クロスの移動が妨げられ易くなる。その意味で、単糸繊度が0.001未満になると、水もしくは液状物が介在する場合にクロスの移動が妨げられ易くなる。一方、1.0dtexを超えると、毛細管現象が働きづらくなり、対象物に滴が残り易く、また、拭き取り性も低下する。
また、拭き取り後において滴の痕を減らすには、対象物表面に残る水もしくは液状物の量を減らすことが重要であり、この点から、表面を構成する糸条には、疎水性の糸条を用いる必要がある。例えば、親水性繊維糸を使用すると、細繊度化するなどして吸水性を確保したとしても、糸条自身に水等が残り、後に滴の痕が生じ易くなる。この点からポリエステル糸条を使用する。本発明におけるポリエステル糸条としては、紡糸、延伸を通じて直接的に細繊度化したものや、アルカリ易溶性ポリエステル成分とアルカリ難溶性ポリエステル成分とからなる複合繊維を複数本束ねた糸条を、製編後、アルカリ割繊して細繊度化するものなどが使用できる。
他方、本発明の編地は、裏面が親水性繊維糸から構成される。親水性繊維糸は、表面から吸い上げた水等を裏面に溜めておくために使用する。親水性繊維糸としては、綿糸、レーヨン糸、ポリビニルアルコール糸(PVA糸)などがあげられ、中でも取扱い易い綿糸が好ましい。親水性繊維糸として複数種の糸条を用いてもよい。親水性繊維糸の形態としては、フィラメント糸、紡績糸のいずれでもよいが、嵩高で糸条内部に多く空隙を持つ紡績糸が好ましい。
親水性繊維糸の混率としては、編地全体に対し30〜70質量%の範囲にある。混率が30質量%未満になると、所望の保水性が獲得できない。一方、70質量%を超えると、保水性は十分となる反面、指圧により吸い上げた水等が表面に滲み出し易く、拭き取り後に滴の痕を残すことになる。好ましい混率は40〜55質量%である。
また、本発明の編地には、表面に高低差0.2〜1.0mmの凹凸部が形成されている。この凹凸部は、パイル布帛でパイルを凸部と見立てたようなものでなく、製編により実現された凹凸であり、編組織を工夫することにより、編地表面に高低差のある形態を実現したものである。この低い部分が凹部となり、凹部と凹部との間は相対的に盛り上がったようになるので、この盛り上がった部分が凸部となる。
このような凹凸部により、編地表面の凸部の繊維が対象物表面から汚れをかき取り、その後、凹部に汚れを移し保持するため、拭き取り性が持続する。さらに、凸部だけが対象物と接触し易くなるため、接触面積が小さくなり、クロスの移動がより滑らかになる。
凹凸部について、高低差が0.2mm未満になると、凹部の窪みが浅くなり、汚れを溜め込むことが難しくなるため、拭き取り後再度クロスを使用したとき汚れを広げ易くなる。また、窪みが浅くなり過ぎると、対象物との接触面積が増えてしまい、クロスの移動が滞り易くなる。一方、1.0mmを超えると、凸部が過度に突き出した形態となり、指圧がクロス全体に行き渡りづらくなるため、拭き取り性が低下する。また、凹部に由来する空隙が増え過ぎてしまうため、保水性が低下する。
凹凸部は、例えば表面にタック編を挿入することにより形成できる。タック編部分が凹部となり、隣接するタック部分同士の間が相対的に盛り上がったものとなるため、この部分が凸部となる。そして、タック編は編地の表裏面をつなぐ連結部分を兼ねており、このタック編の糸条を通じて裏面へ水等が運ばれる。さらに、編地表面は、上記した単糸繊度の細い糸条から編成されているから、かかるタック編も同様に単糸繊度の細い糸条から編成されている。そうすると、この糸条に働く毛細管現象により、裏面に溜めておいた水等は、表面に逆戻りし難く、クロス表面は、常にサラッとした感触のものとなる。
凹凸部の高低差は、編成長により調整でき、通常、24〜35cm/100Wが好ましい。この他にも、高低差の調整は、例えば編成時において糸の送り出し量、巻き取り張力などを調整することや、加工時の仕上巾の調整などにより可能である。
また、凹凸部は、凹部の密度が10〜50個/cmの範囲を満たすように形成されている必要がある。当該密度が10個/cm未満になると、編地の形態が平らに近いものとなり、水等が介在する状況下では、クロスが対象物表面に貼りつき易くなり、クロスの移動が妨げられ易くなる。また、凸部の繊維が汚れをかき取りづらくなり、汚れを保持することも困難となる。一方、密度が50個/cmを超えると、対象物との総接触面積が減り、かえって吸水性や拭き取り性などが低下する。凹部の密度は、20〜40個/cmが好ましい。
凹部密度の調整は、タック編の間隔や針密度などを調整することにより可能である。針密度としては22〜28Gが好ましい。この他にも、凹部密度の調整は、編成時の巻き取り張力、加工時の仕上巾の調整などにより可能である。
さらに、本発明の編地は、厚みが0.7〜2.0mmの範囲にある必要がある。厚みが0.7mm未満になると、保水性が低下する。一方、2.0mmを超えると、クロスが嵩高いものとなり、扱い難いものとなる。厚みの調整は、糸条の太さや密度などを適宜調整することにより可能である。
図1〜3に、本発明において好ましく採用できる編組織を例示する。なお、図3の組織は、図1、2のものと比べ凹部の密度が密になり易い傾向にある。
本発明の編地では、以上のように、糸の種類、太さ及び表面の形状、混率、厚みなどが各々特定されており、この編地を使用すれば、拭き取り性が良く、対象物を美観よく簡単に仕上げることのできるワイピングクロスが提供できる。
本発明では、この他にも、編地裏面に高収縮糸をプレーティング編するとよい。高収縮糸をプレーティング編することで、裏面の構造が密なものとなり、表面凹凸部の高低差がより明瞭なものとなり、拭き取り性がより持続する。また、クロスの移動もより滑らかになる。さらに、編地の後加工を通じて目付け、厚みなどが調整し易くなり、吸水性、保水性に優れる編地を設計するうえでも好ましい。
高収縮糸としては、編地を構成する他の糸条より沸騰水収縮率が高く、編地の後加工中に熱収縮させうるものであれば、どのようなものでも使用できるが、通常は、沸騰水収縮率10〜30%のポリエステル高収縮糸を用いるのがよい。ここで、沸騰水収縮率が10%未満になると、熱収縮の度合いが減り、凹凸部を明瞭にするなどといった上記効果が得られ難くなる。一方、30%を超えると、凹凸部の高低差に斑が生じ易くなり、優れた拭き取り性が持続し難くなる傾向にある。
ここで、編地の保水性を評価する指標について説明する。保水性の指標としては、具体的に保水容量が500g/m以上であることが好ましい。
保水容量の測定には、まずタテヨコ25cm四方に切り出した試料を用意する。次に、試験に供する前の質量(W)を測定し、その後、試料を蒸留水中に10分間浸漬する。浸漬後、試料の四隅の一端を吊り上げ、10分間そのままの状態で静止し、その後、質量(W)を測定する。そして、保水量=W−Wを算出し、この数値をg/m単位に換算する。この作業を3部の試料について行い、その平均を保水容量とする。
また、本発明の編地を用いたワイピングクロスは、水などの液状物が介在する状況下でも滑らかに対象物表面を移動させることができる。この滑らかさを推し量る指標として、本発明の編地は、保水率200%時の平均摩擦係数(MIU)が0.8以下であることが好ましい。
MIUの測定には、KES−SE摩擦感テスター(カトーテック社製)を用いる。この装置を用いることで、対象物を拭き取る際のクロスの滑り易さを定量的に推し量ることができる。具体的な測定方法としては、まずタテ6cm、ヨコ9cmに切り出した試料の質量を測る。次に、布帛に十分な水分を与えた後、試料質量に対して200%の保水率となるように脱水する。そして、テスター試料台にポリエステルフィルムを貼り付け、その上に、試料を張り付けたタテ3cm、ヨコ3cmの摩擦子を置く。その後、荷重を50gに設定し、試料台を運動させ、MIUを測定する。
なお、保水率とは、保水率(%)=〔{(脱水後の試料質量)−(水分付与前の試料質量)}/(水分付与前の試料質量)〕×100なる式で算出される数値である。また、保水率を200%に設定した理由は、本発明の編地を洗車後の自動車拭き上げ用ワイピングクロスに適用した場合を考慮してのことである。
本発明の編地の用途としては、特に限定されないが、ワイピングクロスが最も好適である。ワイピングクロスとして使用する場合、表面を対象物に向け、裏面に指圧をかけ、編地単体でそのままの形で使用してもよいが、好ましくは、裏面同士を重ね合わせたうえで、縁を縫製した形で使用するのがよい。こうすることで、縫製後は表裏面のいずれもが拭き取り面となり、より使用し易いものとなる。
また、裏面同士を重ね合わせて使用する場合、縁以外の場所も任意に縫製してよいが、縫製箇所を増やし過ぎると、縫糸によってクロスの特異な表面形状が崩されてしまうため、あまり増やさないことが好ましい。本発明では、縁部分のみの縫製でも2枚の編地の位置関係がずれ難く、ワイピングクロスとして優れた効果を奏する。
本発明のワイピングクロスは、例えば洗車後の自動車の拭き上げや金管楽器の拭き上げなどに適しており、特に自動車の拭き上げに適している。本発明のワイピングクロスを使用すれば、拭き取り後に滴の痕が残り難く、対象物を美観よく仕上げることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各種特性は、以下の方法で測定した。
(1)編地表面におけるポリエステル糸条の単糸繊度
まず、加工後の編地から、当該ポリエステル糸条を抜き取り、JIS L1013 8.3.1B法(簡便法)に基づいて総繊度を算出した。その後、JIS L1013 8.4に基づいてフィラメント数を数えた。そして、総繊度をフィラメント数で除し、単糸繊度とした。
(2)ポリエステル高収縮糸の沸騰水収縮率
製編前の糸条を外周1.125mの検尺機で5回かせ取りして2重にし、1/10g/dtexの荷重を掛け、試料長aを測定する。その後、1/6000g/dtexの荷重を掛けて30分間放置した後、30分間沸騰水処理し、乾燥後、1/10g/dtexの荷重を掛け、試料長bを測定し、沸騰水収縮率(%)=〔(a−b)/a〕×100なる式により算出した。
(3)凹凸部の高低差
加工後の編地をウェール方向に目に沿って切り取り、試料断面をデジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、VHX−900)により、倍率50倍で観察し、その際の凸部先端から凹部の底辺までの高さを測定する。一つの試料に対して10個の高低差を測定し、その平均値を編地の凹凸部の高低差とした。
(4)凹部の密度
加工後の編地を、1cm角の目盛りを有するルーペにより観察し、1cmに見える凹部の個数を目視により数えた。
(5)親水性繊維糸の混率
加工後の編地からタテヨコ15cm四方に切り出した試料を解編し、その中から親水性繊維糸に相当する糸条だけを選り分けた。そして、混率(質量%)=〔(親水性繊維糸の総質量)/(切り出した試料の質量)〕×100なる式で算出した。
(6)編地の厚み
加工後の編地の厚みを、JIS L1018 8.5.1に基づいて測定した。
(実施例1)
72dtex216fのポリエステル糸条と、60番手の綿コーマ糸と、33dtex12fで沸騰水収縮率が22%のポリエステル高収縮糸とを用意した。福原精機社製LPJ−H型編機(釜径33インチ、針密度28G)に上記3糸を導入し、図1に示す組織にて、表面にポリエステル糸条を配し、裏面に綿コーマ糸を配しつつ高収縮糸をプレーティング編した生機を編成した。
編成後、生機を精練、漂白した。続いて、SR1801conc(高松油脂社製)を3.0%omf使用して、液流染色機にて130℃、30分間の条件で、吸水加工を兼ねてリラックス処理した。その後、180℃で1分間ファイナルセットし、編地とした。
(実施例2)
72dtex216fのポリエステル糸条に代えて、78dtex48fのポリエステル複合繊維糸条を使用した以外は、実施例1の場合と同様に編成し、生機を得た。なお。前記ポリエステル複合繊維は、アルカリ易溶性ポリエステル成分とアルカリ難溶性ポリエステル成分とからなる複合繊維である。
次に、生機を精練、漂白し、その後、アルカリ濃度20g/Lの浴を使用し、100℃、30分間の条件でアルカリ割繊した。以降は、実施例1の場合と同じ条件で、吸水加工を兼ねたリラックス処理とファイナルセットとを順次行い、編地とした。
(実施例3、比較例1、3)
図1の組織に代えて、図2の組織を採用すること(実施例3)、ポンチ組織を採用すること(比較例1)又は図3の組織を採用すること(比較例3)以外は、実施例1と各々同様に行い、編地とした。
(実施例4、比較例2)
綿コーマ糸60番手に代えて、ポリビニルアルコール紡績糸60番手(実施例4)又はポリエステル紡績糸60番手(比較例2)を用いる以外は、実施例1と各々同様に行い、編地とした。
(比較例4)
タック編の間隔と共に編成時の巻き取り張力及び加工時の仕上巾を各々変更すること以外は、実施例1と同様に行い、編地を得た。
(比較例5)
編成長と共に編成時の巻き取り張力及び加工時の仕上巾を各々変更すること以外は、実施例1と同様に行い、編地を得た。
Figure 0006487188
本発明の編地は、表1に示すように、表面糸条の単糸繊度、親水性繊維糸の混率、表面の形状及び編地の厚みなどが所定範囲を満足しており、ワイピングクロスとすれば、水等が介在する状況下でも滑らかに対象物表面を拭き取ることができ、かつ拭き取り後に滴の痕を残し難いという効果が期待できるものであった。この点は、保水容量及びMIUが所定範囲を満足していることから裏づけられる。
これに対し、比較例1の編地は、表面の形態が平たいため、MIUの数値が示すように、実施例1のものと比べ、水等が介在する状況下では編地の移動が滞り易いものとなった。さらに、ポンチ組織のため厚みが薄くなってしまい、保水容量の数値が示すように、保水性に劣るものとなった。
また、比較例2では、親水性繊維糸でない糸条を使用して裏面を構成したため、所望の保水性が得られなかった。
比較例3の編地は、凹部の密度が高すぎるため、吸水性が下がり、MIUの数値が示すように、編地の滑らかな移動が妨げられ易いものとなった。一方、比較例4では、凹部の密度が少なすぎるため、編地の形態が平らに近いものとなり、同じく編地の移動が妨げられ易い傾向となった。
さらに、比較例5では、凹部が深くなり過ぎたために凹部に由来する空隙が増え過ぎてしまい、結果、保水性が低下した。

Claims (6)

  1. 表面が単糸繊度0.001〜1.0dtexのポリエステル糸条から構成され、裏面が親水性繊維糸から構成される編地であって、
    前記表面のみにおいてタック編が挿入され、前記裏面においてポリエステル高収縮糸がプレーティング編されており、
    編地全体に占める親水性繊維糸の混率が30〜70質量%であり、
    表面に高低差0.2〜1.0mmの凹凸部を有し、
    その凹部の密度が10〜50個/cmであり、
    かつ編地の厚みが0.7〜2.0mmであることを特徴とする編地。
  2. 前記ポリエステル高収縮糸の沸騰水収縮率が10〜30%であることを特徴とする、請求項1記載の編地。
  3. 保水容量が500g/m以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の編地。
  4. 保水率200%時の平均摩擦係数が0.8以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の編地。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の編地を用いてなるワイピングクロス。
  6. 裏面同士を重ね合わせたうえで、縁を縫製してなる請求項5記載のワイピングクロス。
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