JP3957703B2 - レーザ溶接方法、レーザ溶接継手、外板パネルおよび鉄道車両の構体構造 - Google Patents

レーザ溶接方法、レーザ溶接継手、外板パネルおよび鉄道車両の構体構造 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ溶接継手、それを用いた外板パネルおよび鉄道車両の構体構造に関するものである。無塗装の鉄道車両構体、あるいはバス、トラック等の車体に特に適するものである。
一般に、レーザ光を熱源として、主として金属に集光した状態で照射し、金属を局部的に溶融・凝固させることによって接合するレーザ溶接方法は知られている。レーザ溶接方法は、他の溶接方法と比べて精密な入熱制御が容易であるという利点がある。
このことを利用して薄板(肉厚0.5〜4mm程度)どうしの重ね溶接継手において、レーザビームを照射した薄板の反対側に位置する薄板の内部までの領域を加熱溶融して、それにより生じた溶融池の底部が前記反対側の薄板の外側面に到達しないようにする部分溶込み溶接が開発されており、溶接裏面に溶接ビードを露見させない溶接継手の形成が可能となる。
このことを応用して、車両構体などにおいて、補強部材の接合部と外板とを密着させた部分に、非接触で補強部材側からレーザビームを移動させながら照射して、補強部材の表面から外板の内部までの領域を加熱溶融して、溶融池の底部が外板の外側面に到達しないようにレーザ出力またはビーム移動速度を制御しながら外板パネルと補強部材とを接合することは知られている(例えば特許文献1〜3参照)。
これにより溶接裏面となる外板の外側面を、意匠性のある外板面としてそのまま利用することができる。このようなレーザ溶接の技術は、特に、塗装の不要なステンレス製の鉄道車両構体、あるいはバス、トラック等の車体に適用する場合に利点がある。従来の抵抗スポット溶接による接合では必ず溶接圧痕と溶接焼けが外板面に残り、外観を損ねるとともに、発生した溶接焼けの後処理に多大なコストがかかっていたからである。
レーザ溶接における接合強度のばらつきを抑えて構造物としての安定した品質を得るためには、ある程度の溶け込み深さが必要であるが、深すぎると溶接裏面に高温酸化による変色(裏焼け)が生じたり、溶接ビードが露出したりするおそれがある。これを解決する方法も知られている(例えば特許文献4参照)。
また、溶接時における溶接裏面の冷却や、後処理によっても酸化変色を排除することも可能である。
特許第2795339号公報(段落0010〜0018および図2参照) 特許第2907317号公報(段落0009〜0015参照) 特表2002−515373号公報(段落0025,0026および図4,図5参照) 特許第2929447号公報(段落0010〜0017および図3,図6参照)
上記のように溶接裏面への溶接線の貫通や酸化変色の問題は、従来技術によりある程度解決されたが、レーザビームにより局部的に加熱された溶接部の収縮により重ね継手における部材はわずかに角折れを起こし、これが溶接裏面において溶接線に沿った凸状の溶接痕として現れるという課題が残されている。
前記角折れに伴う凸状の溶接痕は、レーザビームによる溶融池の貫通や酸化変色に比べれば全く軽微なものであるが、もともとレーザ溶接に伴う溶接歪みは小さいので、この溶接痕をなくすことが、外板の品質と付加価値を高めるために求められる。
その一方、この溶接痕を生じさせないようにレーザの出力を調整して接合を行うと、例えば下板1.5mm厚、上板1mm厚の場合は、継手界面のビード幅は0.3mm〜0.5mm、下板への溶け込み深さは0.1mm〜0.2mmとなり、この程度の溶け込み深さでは何らかの外乱の影響を受けた場合には全く接合されない。逆に凸状の溶接痕が生じれば確実に継手が形成されていることになり、接合品質と外観品質とのいずれも同時に確保するのは困難である。
なお、下板の厚さが3mm以上である場合は十分な溶け込み深さを確保しても外板面への影響はほとんどないことが確認されているが、下板の板厚の必要以上の増加は構造物の質量を著しく増すことになるので好ましくない。
そこで、発明者らは、鋭意研究を重ねたところ、外板の外側面に、前記レーザビームよる溶接線方向とほぼ平行に研磨加工(例えば、鉄道車両のステンレス構体で一般に使用されているベルトグラインド仕上げ)を施せば、光の散乱の具合により溶接線がほとんど見えなくなることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
この発明は、接合品質を確保して、溶接痕を視覚的に目立たなくすることができるレーザ溶接方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、複数の板状部材を重ね合せ、その面外方向からレーザビームを移動
しながら連続的に照射し、レーザビームを照射した板状部材の反対側に位置する板状部材の内部までの領域を加熱溶融して、それにより生じた溶融池の底部が前記反対側の板状部材の外側面に到達しないように前記複数の板状部材が接合するレーザ溶接方法であって、前記反対側の板状部材の外側面に、予め前記レーザビームよる溶接線方向とほぼ平行に研磨加工が施されているものを用いることを特徴とする。ここで、「板状部材」とは、全体が板状である必要はなく、レーザ溶接により接合される部分が板状である場合も含まれる。「レーザビームよる溶接線方向とほぼ平行に研磨加工が施されている」とは、外側面を構成する板状部材の内側に接合される板状部材(例えば、骨材または内張り材などの取付部品)の構成上、(i)溶接線方向を特定の一方向に限定することができない場合には最も外観(外側面)への影響の大きい溶接線方向に研磨方向を合せること、(ii)溶接線方向を特定の一方向に限定することができない場合に、研磨方向と一致しない溶接線となる板状部材を、研磨方向とほぼ一致する溶接線によって接合された板状部材に溶接すること、(iii)溶接線方向を特定の一方向に限定することができない場合に、研磨方向と一致しない溶接線の溶接痕(角折れに伴う凸状の溶接痕)が外側面側から視認できないように、または視認が困難となるようにその溶接痕の上に保護材や表装材を取付けることも含まれる。また、板状部材の外側面にレーザビームよる溶接線方向とほぼ平行に研磨加工を施すのは、接合の前であっても、接合の後であってもよい。「研磨加工」は、ベルトグラインダによるBG(ベルトグラインド)仕上げといわれるもので、「JIS R 6001」で規定される砥粒を接着したベルトを回転させ鋼板の表面を一方向に断続的に(不連続に)研磨することにより仕上げるものである(「JIS G 4305」でNo.3やNo.4なる記号で示される表面仕上げに該当する)。
このようにすれば、外側面を構成する板状部材として、レーザビームよる溶接線方向とほぼ平行に研磨加工を施している板状部材を用い、光の散乱の具合により、溶接線がほとんど見えなくなるようにしているので、後加工として、外側面に対して表面仕上げをすることなく、外側面に現れる凸状の溶接痕が視覚的に目立たないようになる。
このように、重ね合わせた2枚の板状部材のうち溶接裏面となる外側面(重ね溶接継手における下側の板状部材の下面)にベルトグラインダなどにより溶接線とほぼ平行方向に研磨処理された部材を用いると、十分な溶込みのある部分溶込み溶接継手であっても、光の散乱などにより上記のごとく発生する溶接痕はほとんど視認し得ない(視覚的に目立たない)ものとなる。よって、何ら後処理を施すことなく、美麗な外側面が構成される。すなわち、安定かつ適切な接合強度の確保と、美麗な外観品質の確保との両立を実現できることになる。
このことを、2枚の板状部材を重ね合わせて接合する場合についてさらに説明すると、まず、図1(a)に示すように、板状部材1,2(例えば、SUS301L、SUS304などの冷間圧延ステンレス鋼板)を重ね合せ、その板状部材2の、板状部材1に接触する面と反対側の面側からレーザビームRを移動しながら板状部材1,2に対し連続的に照射し、レーザビームRを照射した板状部材2の反対側の板状部材1の内部までの領域を加熱溶融して、それにより生じた溶融池Pの底部が反対側の板状部材1の外側面S1に到達しないように、レーザビームRの出力またはビーム移動速度を制御しながら板状部材1,2を接合するので、外側面S1に溶接ビードは現れない。この場合、図1(b)に示すように、レーザ溶接による熱収縮のため、わずかに角度θの角折れに伴う凸状の溶接痕が生じる。そして、図1(c)に示すように、この角折れ部(角折れ線L)が外側の板状部材1の外側面にすじ状になって現れる。しかしながら、図1(d)に示すように、外側面S1に溶接線に平行に研磨加工を施しているので、外側面S1に衝突する光の散乱の具合により溶接痕である角折れ部(角折れ線L)がほとんど見えなくなる。なお、表面が滑らかであると、図17(a)に示すように、特定方向からの光が、角折れ部を境に反射方向R1,R2にはっきりと分かれて視点に向かうので、角折れ線Lが見えるが、溶接線方向に研磨加工された表面では、図17(b)に示すように、あらゆる方向からの光が反射して視点に向かうので、角折れ部Lが見えなくなる。
よって、(i)溶接線が外側面に現れず、美麗な外側面が得られ、また溶接ひずみが小さく、寸法精度の向上が図れるので、品質の向上の点で有利となる。また、(ii)レーザ溶接により溶接速度がはやくなり、施工性が向上するので、製造コストの低減が図れる。さらに、(iii)レーザ溶接により連続溶接が可能となり、シールを廃止できるので、メンテナンスコストの低減が図れる。
以上のように構成したから、本発明は、従来の抵抗スポット溶接による継手に比べて、構体剛性(軽量化)や寸法精度の向上を確保した上で、外観の向上を図ることができる。また、外板として、予めレーザビームよる溶接線方向とほぼ平行に研磨加工が外側面に施されているものを用いれば、後処理が不要であるので、生産性も向上する。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って詳細に説明する。
図2は本発明に係るレーザ溶接方法を、鉄道車両の車体構造に用いる場合の基本原理の説明図である。
図2(a)(b)に示すように、外板11(予めレーザビームよる溶接線方向とほぼ平行に、ベルトグラインダにより研磨加工が外側面11aに施されている表面研削材)の内面側への断面略ハット形状の第1の補強部材12の接合に、溶融池の底部が外板11の外側面11aに到達しないように部分溶け込みレーザ溶接が用いられる。このとき、レーザビームによる溶接線方向とほぼ平行に、外板11の外側面11aに研磨加工が施されている。つまり、レーザビームによる溶接線方向と外側面11aについての研磨加工方向(表面研削仕上げ方向)とがほぼ同じ方向とされる。
各第1の補強部材12は、断面ハット形状で、開口側に向かって徐々に間隔が広くなる断面略コ字形状の本体部12aと、この本体部12aの開口端縁に互いに反対方向に延びるように連接され前記外板11にレーザ溶接により接合されるフランジ部12b,12cとを有する。本体部12aは、接合状態で外板11とほぼ並行になる基板部12aaと、基板部12aaの両側縁より開口端縁側に向けて間隔が広がるようにフランジ部12b,12c側に延びる側板部12ab,12acとを有する。
このように、本体部12aは、側板部12ab,12acの間隔がフランジ部12b,12c側に向かって徐々に広くなる断面略コ字形状であるので、第1の補強部材12は、それに直交する方向に、かつ外板面に平行に作用するせん断荷重に対して変形(ずり変形)しにくくなっている。従って、鉄道車両の構体の外板パネルとして用いる場合のように、断面変形を抑えるために第1の補強部材12に直交する方向にも高い面外曲げ剛性が求められる場合には、第1の補強部材12(本体部12a)の上に、それに直交する方向に断面ハット形状の第2の補強部材13を、レーザ溶接により接合することで対応可能である。なぜなら、第2の補強部材13と外板との間に生じるずり変形が第1の補強部材により抑えられるので、外板パネルとしての面外せん断剛性を低下させることがなく、その結果どのような荷重に対しても面外曲げ剛性を高く維持できるからである。こうすることで第2の補強部材を外板と直接接合しなくても面外曲げ剛性が確保できるので、外板を美麗に保つことができる。
第2の補強部材13も、図2(c)に示すように、断面略コ字形状の本体部13aと、この本体部13aの開口端縁に互いに反対方向に延びるように連接され前記外板11にレーザ溶接により接合されるフランジ部13b,13cとを有する。
この第2の補強部材13のように、部材の構成上、それの溶接線方向と外板11の外側面の表面研磨方向(表面研削仕上げ方向)とが一致しない場合には、その部材13は外板11に直接接合された部材12(本体部12aa)に対しレーザ溶接により接合することで、外観(外側面)への溶接痕の露出が防止される。この場合、レーザ溶接は、溶接痕が外部から見える場所に露出しないので、外板11と第1の補強部材12(フランジ部12b,12c)との接合の場合とは異なり、施工時に制御の容易な完全溶け込みレーザ溶接とすることができる。このように、レーザ溶接で構造体全体を接合する場合に、部分溶け込みレーザ溶接と完全溶け込みレーザ溶接とを使い分けることで、構造体全体として、外観を損ねることなく、しかも容易に必要な接合強度が確保される。
続いて、このようなレーザ溶接方法によるレーザ溶接継手あるいは外板パネルを、鉄道車両の構体構造に適用した例を、図3〜図14に沿って説明する。
外板21(厚さ1.5mm)は、腰板部分21A、吹き寄せ・窓周り部分21Bおよび幕板部分21Cという3つの部分に分けられ、それらの端縁部が重ね合わされて部分溶け込みレーザ溶接により一体に接合されている。
この外板21の各部分21A〜21Cは、外側面に予め研磨加工が施されているもので、その研磨加工の方向が車両長手方向(レール方向)に一致しており、前記レーザビームよる溶接線方向も車両長手方向に平行になっている。なお、22は窓開口部、23はドア開口部である。
外板21の各部分21A,21B,21Cの内側には、断面ハット形状の内板パネル(厚さ1mm)25〜29が、車両長手方向に沿って平行に部分溶け込みレーザー溶接により接合されている。つまり、内板パネル25〜29が車両長手方向に延び、その車両長手方向に前記レーザ溶接の溶接線方向が一致している。
外板21の腰板部分21Aの内側には、断面ハット形状の内板パネル25が4つ、車両長手方向に沿って平行に設けられている。吹き寄せ・窓周り部分21B(外板)の内側には、窓開口部22の前後において、下側から2つの凸部を有する内板パネル26、4つの断面ハット形状の内板パネル27、2つの凸部を有する内板パネル28が順に設けられている。外板21の幕板部分21Cの内側には2つの内板パネル29が上下に平行に配置されている。
内板パネル25〜29の車内側であって窓開口部22の前後に、構造の簡略化を図るために、内板パネル25〜29に直交する方向に延びる断面ハット形状の戸尻柱31が内板パネル25〜29に重ねて設けられている。戸尻柱31のフランジ部が内板パネル25〜29の本体部に、溶融池の底部が内板パネル25〜29を貫通する完全溶け込みレーザ溶接により接合されている。これにより側開口周りの高剛性化が図られている。戸尻柱31は、前述した第2の補強部材に対応するもので、図11に示すように、断面コ字形状の本体部31aと、この本体部31aに互いに反対方向に延びるように連接され内板パネル25〜29にレーザ溶接により接合されるフランジ部31b,31cとを有する。
また、窓開口部22の下部において断面ハット形状の窓柱32が設けられている。この窓柱32も、断面コ字形状の本体部32aと、この本体部32aに互いに反対方向に延びるように連接されるフランジ部32b,32cとを有し、フランジ部32B,32Cが内板パネル25等の本体部に、溶融池の底部が内板パネル25等を貫通する完全溶け込みレーザ溶接により接合されている。
内板パネル25〜29は、それぞれ、前述した第1の補強部材12に対応するもので、断面ハット形状で、内板パネル25は、図8に示すように、開口側に向かって徐々に間隔が広くなる断面コ字形状の本体部25aと、この本体部25aに互いに反対方向に延びるように連接され前記外板21Aにレーザ溶接により接合されるフランジ部25b,25cとを有する。
窓開口部22の下側には腰帯33が、上側には幕帯34がそれぞれレーザ溶接により接合されている。なお、24Aは窓枠、24Bはドア枠である。
窓開口部22の四隅には、それぞれ継手37が設けられ、下側の継手に対して戸尻柱31を挟んで別の継手36が設けられている。
これら内板パネル25〜29の外板21に対する接合は、外板21の内側に対し内板パネル25〜29を重ね合せ、内板パネル25〜29側からレーザビームを移動しながら連続的に照射し、外板21の内部までの領域を加熱溶融して、それにより生じた溶融池の底部が外板21の外側面に到達しないように、レーザビームの出力またはビーム移動速度を制御しながら接合される(部分溶け込みレーザ溶接)。このように、外板21と内板パネル25〜29との継手形式(部分溶け込みレーザ溶接継手)が統一され、溶接施工の安定化が図れる。また、外板21の面外変形は、剛性の高い骨材(内板パネル25〜29、戸尻柱31,窓柱32など)によって支持されるので、断面寸法精度が向上する。
外板21(21A〜21C)は、いずれも、外側面に前記レーザビームよる溶接線方向とほぼ平行な車両長手方向に、研磨加工(表面処理)が施されている板状部材である。この研磨加工としては、ベルトグラインダーによるBG(ベルトグラインド)仕上げが望ましい。国内在来線車両の外板としてよく用いられている、例えばSUS304 #80BG材を使用して、試作したところ、内板パネル(厚さ1mm)と外板(厚さ1.5mm)とを、レーザ出力が2.5kWでもって、上板側からレーザ溶接する場合、上下板接合部の幅と単位溶接長当たりの引張せん断強度との関係は、図15に示すようになることが確認されている。よって、接合幅wが0.7mm程度になるように溶接速度を制御すれば、必要な接合強度(剪断引張強度5kN/cm程度)が確保されることがわかる。なお、上板の板厚は下板の板厚よりも薄くなければ、溶接の焼けが出てしまうので、各種実験から下板の板厚は上板の板厚の1.5倍以上は必要であると考えられる(例えば、上板1mm、下板1.5mmや上板1mm、下板2mm)。
前述したほか、鉄道車両の側構体の製作は、図16に示すように、断面ハット形状の内板パネルに代えて、凹凸形状が繰り返される内板パネル(断面ハット形状の内板パネルを連接したもの)を用いて行うこともできる。
この場合には、まず、幕板部分、吹き寄せ・窓周り部分および腰板部分に対応する外板41A,41B,41Cの内側に、それぞれ、前記外板に対応する所定の大きさの内板パネル42A,42B,42Cを部分溶け込みレーザ溶接により車両長手方向に沿って接合し、幕板部用外板パネル43A、吹き寄せ・窓周り部用外板パネル43Bおよび腰板部用外板パネル43Cを製作する。この場合、内板パネル42A〜42Cのうち凹部の部分(外板41A〜41Cの内側面に接触している部分)が車両長手方向に沿って延びており、この部分が部分溶け込みレーザ溶接により外板41A〜41Cに接合される。
それから、幕板部、吹き寄せ・窓周り部および腰板部用外板パネル43A〜43Cを、所定の位置関係で、部分溶け込みレーザ溶接により車両長手方向に沿って接合して、構造体49’とする。
その後、窓開口部の上下に、幕帯44A,44B,腰帯45を、部分溶け込みレーザ溶接により車両長手方向に沿って接合し、構造体49”とする。さらに、車両長手方向の直交する方向の戸尻柱46、窓柱47、ドア枠48を接合することにより必要な剛性を確保して、側構体49とする。
(a)〜(d)はそれぞれ本発明に係るレーザ溶接方法の原理の説明図である。 (a)〜(c)はそれぞれ本発明に係るレーザ溶接方法を、鉄道車両の車体 構造に用いる場合の基本原理の説明図である。 本発明に係る鉄道車両の側構体を、車外側から見た状態を示す図である。 同鉄道車両の側構体を、車内側から見た状態を示す図である。 図4のA−A線における断面図である。 図4のB−B線における断面図である。 図4のC−C線における断面図である。 図4のD−D線における断面図である。 図4のE−E線における断面図である。 図4のF−F線における断面図である。 図5のG部の拡大図である。 図7のH部の拡大図である。 図7のJ部の拡大図である。 図7のK部の拡大図である。 上下板接合部の幅と単位溶接長当たりの引張せん断強度との関係を示す図である。 本発明に係る鉄道車両の側構体を組み立てる手順の一例を示す説明図である。 (a)(b)はそれぞれ溶接線が見えなくなる原理の説明図である。
符号の説明
S1 外側面
L 角折れ線
1,2 板状部材
11 外板
11a 外側面
12 第1の補強部材
12a 本体部
12b,12c フランジ部
13 第2の補強部材
21 外板
25〜29 内板パネル

Claims (1)

  1. 複数の板状部材を重ね合せ、その面外方向からレーザビームを移動しながら連続的に照射し、レーザビームを照射した板状部材の反対側に位置する板状部材の内部までの領域を加熱溶融して、それにより生じた溶融池の底部が前記反対側の板状部材の外側面に到達しないように前記複数の板状部材を接合するレーザ溶接方法であって、
    前記反対側の板状部材の外側面に、予め前記レーザビームよる溶接線方向とほぼ平行に研磨加工が施されているものを用いることを特徴とするレーザ溶接方法。
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