JP2005021931A - 板材の重ね接合方法および重ね接合構造 - Google Patents

板材の重ね接合方法および重ね接合構造 Download PDF

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Shunichi Iwaki
俊一 岩木
Kazuo Genji
一夫 玄地
Noboru Yakabe
昇 矢ヶ部
Naoki Kawada
直樹 河田
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Abstract

【課題】ステンレス系または鉄系の板材の端部同士を十分な接合強度をもって重ね接合でき、しかも接合部分の水密性を十分に確保することが可能な板材の重ね接合方法および重ね接合構造を提供する。
【解決手段】溶融部分への入熱量が小さく、接合が不十分となり易いアドバンシングサイドASが上側の板材1において実質的に荷重の加わらない部分である端面1B側に向けられているため、接合強度の低下が抑制され、ステンレス系の上側の板材1の端部1Aと下側の板材2の端部2Aとの重ね接合構造として十分な接合強度が得られる。そして、摩擦攪拌接合が接合ラインLに沿って連続的に施工されることにより、接合部分の水密性が十分に確保される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステンレス系または鉄系の板材を重ねて接合する重ね接合方法および重ね接合構造に関するものである。
【0002】
鉄道車両の車体の製造において、外板にステンレス鋼板を使用する所謂ステンレス車体では、外板の接合部分を相互に重ねてスポット溶接するのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
なお、アルミニウム合金の押し出し型板(以下、アルミ型板という。)を外板に使用する所謂アルミ車体では、FSW(Friction Stir Welding)と略称される摩擦攪拌接合により外板を突き合せ接合する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。この突き合せ接合方法は、厚みの大きい中空のアルミ型板を突き合せ接合する方法であり、接合部分の車内側を予めアーク溶接しておき、その後、接合部分の車外側のみを摩擦攪拌接合により接合している。
【0004】
【特許文献1】
特開平06−156272号公報
【特許文献2】
特開2002−210571(段落0024,段落0031、図6,図9)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載のステンレス鋼板の重ね接合の構造では、不連続なスポット溶接のため、接合部分の水密性が低く、別途のシール処理が必要となるという問題がある。
【0006】
この点、特許文献2に記載の摩擦攪拌接合による接合構造では、連続的に摩擦攪拌接合することにより、接合部分の水密性を十分に確保することができる。しかしながら、この摩擦攪拌接合は、一般にアルミニウム合金の板材などの突き合せ接合に適用されるものであって、ステンレス系や鉄系の板材の重ね接合に適用すると十分な接合強度が得られない恐れがある。
【0007】
そこで、本発明は、ステンレス系または鉄系の板材の端部同士を十分な接合強度をもって重ね接合でき、しかも接合部分の水密性を十分に確保することが可能な板材の重ね接合方法および重ね接合構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本件出願の発明者等は、ステンレス系や鉄系の板材を摩擦攪拌接合により重ね接合する実験を繰り返した結果、以下のような現象を確認した。すなわち、摩擦攪拌接合用の回転ツールが挿入される上側の板材から見た場合、接合ラインに沿って進行する回転ツールの進行方向と回転ツールの回転方向とが逆向きとなる側(以下、リトゥリーティングサイド(Retreating side)という。)においては、回転ツールとの摩擦により溶融した板材部分が回転ツールの進行に伴なって相対的に進行方向と逆方向の下流側へ流動する際、その流動方向が回転ツールの回転方向と一致して回転ツールとの相対速度が小さくなり、その溶融部分への入熱量が大きくなる。その結果、接合が良好に行われることを確認した。
【0009】
一方、リトゥリーティングサイドの反対側であって回転ツールの進行方向と回転ツールの回転方向とが一致する側(以下、アドバンシングサイド(Advancing side)という。)においては、回転ツールとの摩擦により溶融した板材部分が回転ツールの進行に伴なって相対的に進行方向と逆方向の下流側へ流動する際、その流動方向が回転ツールの回転方向と逆向きとなって回転ツールとの相対速度が大きくなり、その溶融部分への入熱量が小さくなる。その結果、接合が不十分となり易いことを確認した。
【0010】
そして、重ね接合される板材において、実質的に荷重の加わらない部分である上側の板材の端部側がアドバンシングサイドとなるようにして摩擦攪拌接合すれば、十分な接合強度が得られることを確認して本発明を完成した。
【0011】
なお、本件出願の発明者等は、一対の回転ツールを接合ラインに沿って相互に近接して配置(タンデム配置)し、両者を相互に逆方向に回転させて摩擦攪拌接合すれば、アドバンシングサイドにおいても十分な接合強度が得られるであろうとの知見を得た。
【0012】
ここで、本発明に係る板材の重ね接合方法は、ステンレス系または鉄系の板材の端部同士を重ね、両者を摩擦攪拌接合により接合ラインに沿って重ね接合する方法であって、接合ラインに沿って進行する摩擦攪拌接合用の回転ツールの進行方向と回転ツールの回転方向とが一致する側(アドバンシングサイド)を上側の板材の端面側に向けて摩擦攪拌接合することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る板材の重ね接合方法では、ステンレス系または鉄系の板材の端部同士が摩擦攪拌接合により接合ラインに沿って重ね接合される。その際、溶融部分への入熱量が小さく、接合が不十分となり易い側(アドバンシングサイド)が実質的に荷重の加わらない部分である上側の板材の端面側に向けられているため、接合強度の低下が抑制され、十分な接合強度が得られる。そして、摩擦攪拌接合を接合ラインに沿って連続的に施工することにより、接合部分の水密性が十分に確保される。
【0014】
また、本発明に係る板材の重ね接合構造は、ステンレス系または鉄系の板材の端部同士が重ねられ、両者が摩擦攪拌接合により接合ラインに沿って重ね接合された構造であって、接合ラインに沿って進行する摩擦攪拌接合用の回転ツールの進行方向と前記回転ツールの回転方向とが一致する側(アドバンシングサイド)が上側の板材の端面側に向けられて摩擦攪拌接合されていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る板材の重ね接合構造では、溶融部分への入熱量が小さく、接合が不十分となり易い側(アドバンシングサイド)が実質的に荷重の加わらない部分である上側の板材の端面側に向けられているため、接合強度の低下が抑制され、ステンレス系または鉄系の板材の端部同士の重ね接合構造として十分な接合強度が得られる。そして、摩擦攪拌接合が接合ラインに沿って連続的に施工されることにより、接合部分の水密性が十分に確保される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る板材の重ね接合方法および重ね接合構造の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る板材の重ね接合方法により重ね接合される板材の重ね接合部分の斜視図、図2は図1に示した重ね接合部分の平面図、図3は一実施形態に係る板材の重ね接合構造を示す拡大断面図である。
【0017】
一実施形態に係る板材の重ね接合方法は、図1に示すように、ステンレス鋼板からなる上側の板材1の端部1Aと下側の板材2の端部2Aとを重ね、両者を摩擦攪拌接合により接合ラインLに沿って連続的に重ね接合する方法である。摩擦攪拌接合は、回転ツールFSWの回転ピンPと被接合板材との摩擦熱により被接合板材を局部的に軟化し、軟化した被接合板材同士を攪拌混合して接合する方法であり、接合後の変形・歪みが小さく、かつ接合欠陥も少ないという利点を有する。
【0018】
摩擦攪拌接合に使用する回転ツールFSWは、回転ピンPを上側の板材1に臨ませて回転駆動する。そして、回転ツールFSWの回転ピンPを上側の板材1から下側の板材2に届く深さまで挿入し、この回転ピンPを回転させつつ接合ラインLに沿って進行させることにより、上側の板材1の端部1Aと下側の板材2の端部2Aとを摩擦攪拌して重ね接合する。なお、図示の符号Mは摩擦攪拌接合により溶融した部分を示している。
【0019】
ここで、一実施形態の板材の重ね接合方法では、回転ツールFSWの回転ピンPの進行方向を図2の紙面の下から上に向かう実線矢印の方向としたとき、回転ピンPの回転方向を上側の板材1側から見て時計廻りに設定して摩擦攪拌接合する。すなわち、接合ラインLに沿って実線矢印方向に進行する回転ピンPの進行方向と回転ピンPの回転方向とが一致する側のアドバンシングサイドASが上側の板材1の端面1B側に向くようにして摩擦攪拌接合する。
【0020】
ここで、回転ピンPとの摩擦による板材1,2の溶融部分Mは、回転ピンPが実線矢印で示す方向に進行するのに伴ない、相対的に破線矢印で示す逆方向の下流側へ流動する。その際、アドバンシングサイドASでは、破線矢印で示す溶融部分Mの流動方向が回転ピンPの回転方向と逆向きとなって回転ピンPとの相対速度が大きくなり、その溶融部分Mへの入熱量が小さくなる。このため、アドバンシングサイドASでは、上側の板材1の端部1Aと下側の板材2の端部2Aとの接合が不十分となり易い。
【0021】
一方、接合ラインLを挟んだアドバンシングサイドASと反対の側のリトゥリーティングサイドRSにおいては、破線矢印で示す溶融部分Mの流動方向が回転ピンPの回転方向と一致して回転ピンPとの相対速度が小さくなり、その溶融部分Mへの入熱量が大きくなる。このため、リトゥリーティングサイドRSでは、上側の板材1の端部1Aと下側の板材2の端部2Aとの接合が良好に行われ、十分な接合強度が得られる。
【0022】
このような摩擦攪拌接合により、ステンレス鋼板からなる上側の板材1の端部1Aと下側の板材2の端部2Aとが接合ラインLに沿って順次連続的に重ね接合される(図1参照)。この摩擦攪拌接合による板材の重ね接合構造では、図3に示すように、上側の板材1に白抜き矢印で示すような荷重が作用した場合、溶融部分Mへの入熱量が小さく、接合が不十分となり易いアドバンシングサイドASが上側の板材1において実質的に荷重の加わらない部分である端面1B側に向けられているため、接合強度の低下が抑制され、十分な接合強度が得られる。そして、摩擦攪拌接合が接合ラインLに沿って連続的に施工されているため、接合部分の水密性が十分に確保される。
【0023】
本発明の板材の重ね接合方法および重ね接合構造は、図4に示す鉄道車両の車体10の製造に好適に適用される。この車体10は、ステンレス鋼板の外板を有する車体であって、台枠11、側構体12、妻構体13および屋根構体14が接合ラインL1〜L5に沿って相互に連続的に接合される。
【0024】
ここで、図4に示す台枠11と側構体12との接合ラインL1においては、図5に拡大して示すように、台枠11の側梁11Aの側面上に側構体12の側外板12Aの下縁部が長土台12Bを介して重ねられる。そして、これらの側外板12A、長土台12Bおよび側梁11Aが側外板12Aの外面(表面)側から回転ツールFSWによる摩擦攪拌接合F1によって重ね接合される。その際、摩擦攪拌接合F1は、側外板12Aにおける実質的に荷重の加わらない端面側にアドバンシングサイドASを向けて実施される。
【0025】
図4に示す台枠11と妻構体13との接合ラインL2においても、図5に示した例と同様に、台枠11の側梁11Aの側面上に妻構体13の妻外板13Aが長土台13Bを介して重ねられ、これらの三者が妻外板13Aの表面側から回転ツールFSWによる摩擦攪拌接合F1によって重ね接合される。その際、摩擦攪拌接合F1は、側外板13Aにおける実質的に荷重の加わらない端面側にアドバンシングサイドASを向けて実施される。
【0026】
図5に示した摩擦攪拌接合F1は、接合部分の水密性を確保するように接合ラインL1,L2に沿って連続的に施工される。この摩擦攪拌接合F1に使用する回転ツールFSWのピンPの長さは、側外板2A(妻外板3A)の表面から側梁1Aの厚みの中央部に達する長さに設定される。
【0027】
図4に示す側構体12と妻構体13との接合ラインL3においては、図6に拡大して示すように、妻構体13の妻外板13Aの左右の内面(右側のみ図示する)に固定されているスミ柱13C,13Dに対して側構体12の側外板12Aの前後の縁部(前側のみ図示する)が摩擦攪拌接合F2,F3により重ね接合される。
【0028】
すなわち、妻構体13の妻外板13Aの右端から突出して側構体12の側外板12Aに沿うように妻外板13Aの前方へ屈曲されたスミ柱13Cの接合縁部13C1には、側外板12Aの前縁部がこれを覆う飾り金(縁金)12Cと共に重ねられ、これらの飾り金(縁金)12C、側外板12Aの前縁部およびスミ柱13Cの接合縁部13C1が飾り金(縁金)12C側から回転ツールFSWによる摩擦攪拌接合F2によって重ね接合される。その際、摩擦攪拌接合F2は、飾り金(縁金)12Cにおける実質的に荷重の加わらない端面側にアドバンシングサイドASを向けて実施される。
【0029】
また、側構体12の側外板12Aに沿うようにその内側に配置された妻構体13のスミ柱13Dの外面には、側外板12Aの内面に骨部材として予め固定されたハット形断面の側柱12Dが重ねられ、この側柱12Dとスミ柱13Dとがスミ柱13Dの内面(裏面)側から回転ツールFSWによる摩擦攪拌接合F3によって重ね接合される。その際、摩擦攪拌接合F3は、スミ柱13Dにおける実質的に荷重の加わらない端面側にアドバンシングサイドASを向けて実施される。
【0030】
摩擦攪拌接合F2に使用するFSW工具のピンPの長さは、飾り金(縁金)2Cの表面からスミ柱3Cの接合縁部3C1の厚みの中央部に達する長さに設定されている。また、摩擦攪拌接合F3に使用するFSW工具のピンPの長さは、スミ柱3Dの内面(裏面)から側柱2Dの厚みの中央部に達する長さに設定されている。そして、摩擦攪拌接合F2,F3は、接合部分の水密性を確保するように接合ラインL3に沿って連続的に施工される。
【0031】
図4に示す側構体12と屋根構体14との接合ラインL4においては、図7に拡大して示すように、側構体12と屋根構体14とが摩擦攪拌接合F4,F5によって重ね接合される。
【0032】
図7に示す重ね接合構造において、側構体12の側外板12Aの上部にはL字状に屈曲して外面側へ立ち上がるドリップレール部12A1が形成されると共に、側外板12Aの内面(裏面)に固定された側柱12Dの内面側には、その上端から突出して内側へ湾曲する継手12Eが固定されている。一方、屋根構体14の屋根外板14Aの左右の縁部(一方のみ図示する。)には、外方に水平に突出する接合縁部14A1が形成されると共に、屋根外板14Aの内面(裏面)に固定されたタルキ14Cの内面側には、その下端部から突出して外方へ屈曲する長ケタ14Dが固定され、この長ケタ14Dには、屋根外板14Aの接合縁部4A1の下面に沿って略水平に突出する接合縁部14D1が形成されている。
【0033】
そして、図7に示した重ね接合構造では、側構体12側の側外板12Aの上部に形成されたドリップレール部12A1の水平部分の上面に屋根構体14側の長ケタ14Dの接合縁部14D1および屋根外板14Aの接合縁部14A1が順次重ねられ、これらの接合縁部14A1、接合縁部14D1およびドリップレール部12A1の水平部分が接合縁部14A1側からFSW工具による摩擦攪拌接合F4によって重ね接合される。その際、摩擦攪拌接合F4は、接合縁部14A1における実質的に荷重の加わらない端面側にアドバンシングサイドASを向けて実施される。
【0034】
また、屋根構体14側のタルキ14Cに固定された長ケタ14Dの本体部分14D2に側構体12側の継手12Eの上端部が重ねられ、この継手12Eの上端部と長ケタ14Dの本体部分14D2とが継手12Eの内面側から回転ツールFSWによる摩擦攪拌接合F5によって重ね接合される。その際、摩擦攪拌接合F5は、継手12Eにおける実質的に荷重の加わらない上端面側にアドバンシングサイドASを向けて実施される。
【0035】
摩擦攪拌接合F4に使用する回転ツールFSWのピンPの長さは、接合縁部14A1の表面からドリップレール部12A1の水平部分の厚みの中央部に達する長さに設定されている。また、摩擦攪拌接合F5に使用する回転ツールFSWのピンPの長さは、継手12Eの表面から長ケタ14Dの本体部分14D2の厚みの中央部に達する長さに設定されている。そして、摩擦攪拌接合F4,F5は、接合部分の水密性を確保するように、接合ラインL4に沿って連続的に施工される。
【0036】
図4に示す妻構体13と屋根構体14との接合ラインL5においては、図8に拡大して示すように、妻構体13と屋根構体14とが摩擦攪拌接合F6によって重ね接合される。
【0037】
図5に示す重ね接合構造において、妻構体13の妻外板13Aの上縁部に沿ってその内面に固定されたアーチ桁13Eには、妻外板13Aの前方へ向けて略直角に屈曲する接合縁部13E1が形成され、屋根構体14の屋根外板14Aの前後の端部(一方のみ図示する。)の内面には、タルキ14Eが固定されている。そして、アーチ桁13Eの接合縁部13E1の上面(外面)にタルキ14Eを介して屋根外板14Aが重ねられ、これらの屋根外板14A、タルキ14Eおよび接合縁部13E1が屋根外板14Aの上面(外面)側から回転ツールFSWによる摩擦攪拌接合F6によって重ね接合される。
【0038】
その際、摩擦攪拌接合F6は、屋根外板14Aにおける実質的に荷重の加わらない前後の端面側にアドバンシングサイドASを向けて実施される。また、この摩擦攪拌接合F6は、接合部分の水密性を確保するように接合ラインL5に沿って連続的に施工される。なお、摩擦攪拌接合F6に使用する回転ツールFSWのピンPの長さは、屋根外板14Aの表面からアーチ桁13Eの接合縁部13E1の厚みの中央部に達する長さに設定されている。
【0039】
本発明に係る板材の重ね接合方法および重ね接合構造は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、対象となる板材は、ステンレス鋼板に限らず、鉄系の鋼板であってもよい。また、板材の厚みは特に限定されない。そして、本発明は、鉄道車両の車体に限らず、種々の構造物にも適用できる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る板材の重ね接合方法によれば、ステンレス系または鉄系の板材の端部同士が摩擦攪拌接合により接合ラインに沿って重ね接合される際、入熱量が小さく、接合が不十分となり易い側(アドバンシングサイド)が実質的に荷重の加わらない部分である上側の板材の端面側に向けられているため、接合強度の低下が抑制され、十分な接合強度を得ることができる。そして、摩擦攪拌接合を接合ラインに沿って連続的に施工することにより、接合部分の水密性を十分に確保することができる。
【0041】
また、本発明に係る板材の重ね接合構造では、入熱量が小さく、接合が不十分となり易い側(アドバンシングサイド)が実質的に荷重の加わらない部分である上側の板材の端面側に向けられているため、接合強度の低下が抑制され、ステンレス系または鉄系の板材の端部同士の重ね接合構造として十分な接合強度を得ることができる。そして、摩擦攪拌接合が接合ラインに沿って連続的に施工されることにより、接合部分の水密性を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る板材の重ね接合方法により重ね接合される板材の重ね接合部分の斜視図である。
【図2】図1に示した重ね接合部分の平面図である。
【図3】一実施形態に係る板材の重ね接合構造を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る重ね接合方法および重ね接合構造が適用される鉄道車両の車体を示す斜視図である。
【図5】図4に示した台枠と側構体との接合ラインの断面図である。
【図6】図4に示した側構体と妻構体との接合ラインの断面図である。
【図7】図4に示した側構体と屋根構体との接合ラインの断面図である。
【図8】図4に示した妻構体と屋根構体との接合ラインの断面図である。
【符号の説明】
1…上側の板材、1A…端部、1B…端面、2…下側の板材、2A…端部、10…車体、11…台枠、11A…側梁、12…側構体、12A…側外板、12A1…ドリップレール部、12B…長土台、12C…飾り金(縁金)、12D…側柱、12E…継手、13…妻構体、13A…妻外板、13B…長土台、13C…スミ柱、13C1…接合縁部、13D…スミ柱、13E…アーチ桁、13E1…接合縁部、14…屋根構体、14A…屋根外板、14A1…接合縁部、14C…タルキ、14D…長ケタ、14D1…接合縁部、14D2…本体部分、14E…タルキ、FSW…回転ツール、P…回転ピン、M…溶融部分、AS…アドバンシングサイド、RS…リトゥリーティングサイド、L1〜L5…接合ライン、F1〜F6…摩擦攪拌接合。

Claims (2)

  1. ステンレス系または鉄系の板材の端部同士を重ね、両者を摩擦攪拌接合により接合ラインに沿って重ね接合する方法であって、前記接合ラインに沿って進行する摩擦攪拌接合用の回転ツールの進行方向と前記回転ツールの回転方向とが一致する側を上側の板材の端面側に向けて摩擦攪拌接合することを特徴とする板材の重ね接合方法。
  2. ステンレス系または鉄系の板材の端部同士が重ねられ、両者が摩擦攪拌接合により接合ラインに沿って重ね接合された構造であって、前記接合ラインに沿って進行する摩擦攪拌接合用の回転ツールの進行方向と前記回転ツールの回転方向とが一致する側が上側の板材の端面側に向けられて摩擦攪拌接合されていることを特徴とする板材の重ね接合構造。
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