JP6098630B2 - 溶接構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、閉断面部を有する溶接構造体を製造する方法に関する。
自動車のサスペンションアームを支持するサブフレームの前後方向メンバのように車体に組み付けられる部材や、フロント・リアのサイドフレームのように車体を構成する部材には、車体の強度を確保して安全性を高める観点から高強度化が求められる一方、エンジンの燃費向上のために軽量化が求められる。そこで、これらの部材には、金属製の閉断面構造体が用いられるのが一般的である。
従来、こうした閉断面構造体は、断面略コ字状部材の側壁端部から外方に向けて折曲されたフランジ部を両端に有する形状(以下、断面ハット状と称す)の2つの金属素材を用い、両金属素材の対向するフランジ部どうしを溶接することにより製造されてきた。具体的には、図8(a)に示すようにフランジ部の幅が異なる2つの金属素材101,102を準備し、これらのフランジ部111,112を重ね合わせた状態で、幅が狭い方のフランジ部112の側端面に沿ってアーク溶接等による重ね隅肉溶接が行われる。
2つの金属素材を溶接して成る上記構造体(溶接構造体)では、下側の金属素材101が上側の金属素材102の上下方向の位置決め部材となるので、上記フランジ部111,112の合わせ面に直交する方向の位置合わせが容易である一方、両金属素材101,102の両側壁端部にフランジ部を設ける必要があるので、金属素材の使用量が増大すると共に構造体が重量化して燃費が悪化するという問題が生じる。
この問題に対処するため、例えば図8(b)に示す構造体では、上記フランジ部を有しない断面略コ字状の2つの金属素材201,202を準備し、一方の素材201の内側に他方の素材202を嵌め合わせ、この状態で、外側の素材201の側壁端部211に沿って重ね隅肉溶接が行われる。この方法によれば、金属素材にフランジ部が設けられないことから、図8(a)に示す構造体に比べて金属素材の使用量を減少させ、軽量化することが可能である。
ところで、上記溶接構造体では、軽量化のために板厚の小さい金属素材が用いられることがあるが、板厚が小さいほど、溶接の施工性が悪化しやすく、また、さびが生じて孔が空きやすくなる。これらの問題に対処するため、上記金属素材としてめっき鋼板が用いられることがある。しかし、めっき鋼板を用いた場合、図8(a)に示すようなフランジ合わせ型構造体や図8(b)に示すような嵌合わせ型構造体を製造するためにアーク溶接やレーザ溶接等による重ね隅肉溶接を行うと、溶接に伴ってめっき金属が蒸発して金属ガスが発生する。そして、発生した金属ガスはフランジ部の合わせ面または嵌合わせ面での溶融部に混入し、外部へ排出されないまま溶融部が凝固して、金属素材内にいわゆるブローホールが発生することがある。ブローホールは構造体の強度不足の原因となることから、その発生を抑制することが求められている。
この問題に対して、特許文献1には、上記嵌合わせ型構造体の製造方法において、一方の金属素材として、断面コ字状部材の側壁に、溶接方向に沿って凹溝が断続的に形成されたものが用いられている。この方法によれば、凹溝により生じる隙間によってブローホールの発生が抑制されるとのことである。
特許文献1に記載の方法の場合、金属素材に凹溝が存在することにより溶接位置が制限されるという問題、さらに、2つの金属素材が重なり合う部分ではやはりブローホールの発生を抑制できないという問題がある。
また、特許文献1に記載の嵌合わせ型構造体では、2つの金属素材についてそれぞれ位置決めを行うための治具を設ける必要があり、従って、治具装置が複雑化してコストアップの原因となるという問題がある。
本発明は、閉断面部を有する溶接構造体の製造において、ブローホールの発生を抑制して溶接構造体につき所要強度を確保することを課題とする。
上記目的を達成するために、本願の請求項1に記載の発明は、
閉断面部を有する溶接構造体を製造する方法であって、
側壁端部から外方に向けて折曲されたフランジ部を両端に有する断面ハット状の第1金属素材を準備する工程と、
前記フランジ部の内側端部とそれぞれ対接可能に形成された開放側端部を両端に有する断面略コ字状の第2金属素材を準備する工程と、
前記第1金属素材に対して前記第2金属素材を位置決めする工程と、
前記第1金属素材と前記第2金属素材とを接合して前記閉断面部を形成する工程とを含み、
前記位置決めする工程では、前記第1金属素材のフランジ部の内側端部と前記第2金属素材の開放側端部とを対接させて略L字状の対接部を設け、
前記閉断面部を形成する工程では、前記対接部に沿って外方から溶接して前記フランジ部の少なくとも一部を溶け込ませながら、前記第1金属素材と前記第2金属素材とを接合することを特徴とする。
閉断面部を有する溶接構造体を製造する方法であって、
側壁端部から外方に向けて折曲されたフランジ部を両端に有する断面ハット状の第1金属素材を準備する工程と、
前記フランジ部の内側端部とそれぞれ対接可能に形成された開放側端部を両端に有する断面略コ字状の第2金属素材を準備する工程と、
前記第1金属素材に対して前記第2金属素材を位置決めする工程と、
前記第1金属素材と前記第2金属素材とを接合して前記閉断面部を形成する工程とを含み、
前記位置決めする工程では、前記第1金属素材のフランジ部の内側端部と前記第2金属素材の開放側端部とを対接させて略L字状の対接部を設け、
前記閉断面部を形成する工程では、前記対接部に沿って外方から溶接して前記フランジ部の少なくとも一部を溶け込ませながら、前記第1金属素材と前記第2金属素材とを接合することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記第1金属素材を準備する工程は、板状の金属素材を断面ハット状にプレスする工程を含み、
前記第2金属素材を準備する工程は、前記第1金属素材を準備する工程に加えて、断面ハット状のフランジ部を曲げ戻して断面略コ字状とする工程を含むことを特徴とする、
前記第1金属素材を準備する工程は、板状の金属素材を断面ハット状にプレスする工程を含み、
前記第2金属素材を準備する工程は、前記第1金属素材を準備する工程に加えて、断面ハット状のフランジ部を曲げ戻して断面略コ字状とする工程を含むことを特徴とする、
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、
前記位置決めする工程では、前記第1金属素材と前記第2金属素材の一方を下に他方を上にして重ね合わせ、上側から押圧することを特徴とする。
前記位置決めする工程では、前記第1金属素材と前記第2金属素材の一方を下に他方を上にして重ね合わせ、上側から押圧することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、
前記第1金属素材と前記第2金属素材の少なくとも一方はめっき層を有することを特徴とする。
前記第1金属素材と前記第2金属素材の少なくとも一方はめっき層を有することを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、第1金属素材と第2金属素材の少なくとも一方がめっき層を有する場合には、溶接に伴うめっき金属の蒸発により発生した金属ガスが溶融部に混入するところ、第1金属素材と第2金属素材を対接させて設けられる略L字状の対接部に沿ってフランジ部を溶融部に溶け込ませながら溶接が行われることにより、溶融部から対接部の内方に向けて金属ガスが排出されやすくなる。このようにして、溶接に伴う金属素材内でのブローホールの発生が抑制され、所要強度を有する溶接構造体を製造することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、断面ハット状の第1金属素材を断面略コ字状の第2金属素材に比べて少ない工程数で準備できるので、2つの断面略コ字状金属素材を用いる嵌合わせ型構造体を製造する場合と比べて製造コストを低減することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、第1金属素材と第2金属素材の一方を下に他方を上にして重ね合わせて上側から押圧することにより、下側の金属素材が上側の金属素材の位置決め部材としての機能を発揮するので、治具装置を単純化して溶接構造体の製造コストを低減することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、第1金属素材と第2金属素材の少なくとも一方がめっき層を有することにより、溶接に伴ってブローホールの原因となる金属ガスが発生することから、請求項1の効果が具体的に達成される。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、「上」、「下」など特定の方向を示す用語を用いるが、これらの用語は図面との関係で発明の理解を容易にするために用いており、他の方向での実施を除外するものではない。
図1は、本発明の実施の形態による溶接構造体の斜視図であり、図2はその正面図である。溶接構造体10は断面略コ字状の第1部分1と第2部分2から成る。第1部分1と第2部分2との間には閉断面部3が形成されている。なお、上記「断面略コ字状」には、断面U字状、断面半円状、断面半楕円状なども含まれるものとする。
図1(a)、図2(a)に示すように溶接の程度が小さい場合、溶接構造体10は、第1部分1側から外方へ突出するフランジ状の突出部4を両端に有する。突出部4と第2部分2との間は、正面図(図2)で略L字状に形成されている。突出部4の内側端部には、第1部分1と第2部分2とを接合している溶接部5が形成されている。
図1(b)、図2(b)に示すように溶接の程度が大きい場合、突出部4ではフランジの長さが短くなって、溶接部5と一体となって膨出部6が形成される。また、図2(b)に示すように、膨出部6は、溶接の程度に応じて閉断面部3にまで膨出していてもよい。
なお、溶接の程度が大きいとは、溶接時間が長いなど、供給するエネルギが大きいことをいい、溶接の程度が小さいとは、供給するエネルギが小さいことをいう。
図1に示すように、第1部分1と第2部分2には、後述する位置決めピン32を挿通させるための孔7が形成されている。
次に、この溶接構造体10の製造方法について、図3から図5を用いて説明する。
溶接構造体10は、プレス成形された第1金属素材11と第2金属素材21とを溶接して成る。金属素材11,21は亜鉛めっき鋼板である。必要な強度を確保するために、金属素材11,21としてハイテン(高張力鋼板)を用いてもよい。溶接構造体10の製造方法は、以下の工程S1〜S3を含む。
(S1)断面ハット状の第1金属素材11を準備する。
(S2)断面略コ字状の第2金属素材21を準備する。
(S3)金属素材11,21の位置決めを行う。
(S4)第1金属素材11と第2金属素材21とを接合する。
(S1)断面ハット状の第1金属素材11を準備する。
(S2)断面略コ字状の第2金属素材21を準備する。
(S3)金属素材11,21の位置決めを行う。
(S4)第1金属素材11と第2金属素材21とを接合する。
工程S1では、図3(a)に概略的に示すように以下の工程S11,S12が実施される。なお、図3では、パンチ、ダイなどプレス金型の図示を省略している。
(S11)板状の金属素材11をドロー成形によりプレスして断面ハット状とする。
(S12)金属素材11のうち、押さえ部Hより外方の部分をトリミングする。
(S11)板状の金属素材11をドロー成形によりプレスして断面ハット状とする。
(S12)金属素材11のうち、押さえ部Hより外方の部分をトリミングする。
このようにして形成された断面ハット状の第1金属素材11は、側壁12の上端から外方に向けて折曲された所望の長さのフランジ部13を両端に有する。このフランジ部13は上記突出部4に相当する。また、図示していないが、金属素材11(および下記金属素材12)には、図1の孔7に相当する孔が形成される。
工程S2では、図3(b)に概略的に示すように以下の工程S21〜S23が実施される。
(S21)板状の金属素材21をドロー成形によりプレスして断面ハット状とする。
(S22)形成されるフランジ22aを曲げ戻して断面略コ字状とする。
(S23)側壁22を部分的にトリミングして、所望の高さとする。
(S21)板状の金属素材21をドロー成形によりプレスして断面ハット状とする。
(S22)形成されるフランジ22aを曲げ戻して断面略コ字状とする。
(S23)側壁22を部分的にトリミングして、所望の高さとする。
なお、上記工程S22とS23では、工程S12で説明したように押さえ部Hより外方の部分をトリミングしてから、フランジ22aを曲げ戻してもよい。
工程S2で、断面略コ字状の第2金属素材21は、各側壁22の端部(開放側端部)23が、第1金属素材11のフランジ部13の内側端部(折曲部)と対接できるように形成される。ここで、図5に詳しく図示されているように、プレス成形の性質上、第1金属素材11のフランジ部13は側壁12から滑らかに折曲されている。従って、側壁22の開放側端部23は、正確にはフランジ部13の内側端部より若干外側の平坦面部分と対接する。
このように、断面ハット状素材は断面略コ字状素材よりも少ない工程数で準備できるので、本実施形態による溶接構造体10は、従来の嵌合わせ型構造体よりも単純に低コストで製造できる。
図4は、金属素材11,21を位置決めする工程S3を示す図である。工程S3では、第1金属素材11のフランジ部13の各内側端部と第2金属素材21の開放側端部23とを対接させる。具体的には、まず、第1金属素材11と第2金属素材21が第1金属素材11を下にして支持台31の上に載置される。支持台31には位置決めピン32が取り付けられており、金属素材11,21に形成された孔に位置決めピン32が挿通される。これにより、第1金属素材11と第2金属素材21は水平方向に位置決めされる。第1金属素材11は、支持台31と第2金属素材21により上下方向に位置決めされる。一方、第2金属素材21はクランプ33により上側から押圧されている。これにより、第2金属素材21は、第1金属素材11とクランプ33により上下方向に位置決めされる。
ここで、図9は、従来の溶接構造体(嵌合わせ型構造体)の製造において金属素材を位置決めする工程を示す図である。図9は図4に対応し、同一または類似の機能を有する治具については同一の符号を付している。図9では、本実施形態による上記工程S3で用いられた治具に加えて、下側の金属素材201の側壁端部211を上側から押圧するクランプ133が設けられている。また、位置決めピンとして段付ピン132が用いられている。これにより、下側の金属素材201は支持台31とクランプ133により上下方向に位置決めされ、上側の金属素材202は段付ピンの段差部132aとクランプ33により上下方向に位置決めされる。このように、嵌合わせ型構造体を製造する場合、2つの金属素材201,202が対接しないことから、上下方向の位置決め用治具を追加し、さらに位置決めピンを段差のないものから段付ピンに変更する必要が生じる。
本実施形態では、この嵌合わせ型構造体を製造する場合に比べて、上下方向の位置決め用治具を減らすことができるので、治具装置を単純化して製造を低コスト化することができる。また、段付ピン132を用いた場合には、構造体の形状(高さ)に応じて治具装置を変更する必要があるところ、段差のないピン32を用いることによりその必要がなくなり、すなわち製造のフレキシビリティが向上する。
図5は、金属素材11,21を溶接する工程S4を示す図である。工程S4では、アーク溶接機の一例であるMAG(マグ)溶接機を用いて溶接が行われる。図5中、符号44は溶接ワイヤを、符号45は溶接トーチの銅管を、符号Dは溶滴を、符号Mは溶融部を示す。銅管45は、溶接ワイヤ34の下部を露出させた状態で溶接ワイヤ34の外周を覆っている。銅管45の外周部にはセラミック製の絶縁層(図示せず)が設けられ、この絶縁層と銅管45との間から、不活性ガスと炭酸ガスの混合ガス(シールドガス)が供給される。そして、第1金属素材11のフランジ部13と第2金属素材21の開放側端部23との対接部Fに沿って、フランジ部13と側壁22との成すL字の外方から連続的にアーク溶接が行われる。
このとき、対接部Fに供給するアークのエネルギに応じてフランジ部13が溶融部Mに溶け込みながら溶接が進む。供給するエネルギが大きい場合には、フランジ部13の全体が溶け込んで図1(b)、図2(b)に示すような膨出部6が形成され、供給するエネルギが小さい場合には、フランジ部13の一部が溶け込む。供給されるエネルギの大小は、MAG溶接機に印加する電力、溶接時間等により制御可能である。
ここで、図10は、従来の溶接構造体(フランジ合わせ型構造体、嵌め合わせ型構造体)の製造において金属素材を溶接する工程を示す図である。アーク溶接等を行うと、溶接に伴ってめっき層の亜鉛が蒸発して亜鉛ガスが生じるところ、従来の溶接構造体の製造では、フランジ部の合わせ面または嵌合わせ面での金属素材の重なり部Fの距離が長いことに起因して、亜鉛ガスが溶融部Mから反溶接側(閉断面部)に向けて排出されにくく、従って金属素材中にブローホールが発生しやすい。
一方、本実施形態では、略L字状の対接部Fに沿って溶接が行われるところ、金属素材11,21の重なりが金属素材21の板厚のみであるので、亜鉛ガスが溶融部Mから対接部Fの内方(閉断面部)に向けて排出されやすくなり、従って金属素材11,21におけるブローホールの発生が抑制されることになる。
特に、対接部Fに供給するアークのエネルギを大きくしてフランジ部13の全体を溶け込ませながら溶接を進める場合には、溶融部Mから閉断面部に向けて直接に亜鉛ガスが排出されるので、金属素材11,21におけるブローホールの発生がさらに抑制されることになる。
次に、上記溶接構造体10の適用例について説明する。
図6は、車両のサブフレームを概略的に示す上面図である。サブフレーム50は、FF車(フロントエンジン・フロントドライブ車)の車体後部に設けられており、車軸の位置決めを行うためのサスペンションアームを複数個有するマルチリンク型サスペンションを支持している。
サブフレーム50は、車体前後方向に間隔をおいて設けられたフロント車幅方向メンバ51およびリア車幅方向メンバ52と、これらの左右両端に連結される一対の前後方向メンバ53および一対の連結メンバ54とを備えている。
マルチリンク型サスペンションは、サブフレーム50の左右両端にそれぞれ一対ずつ、アッパサスペンションアーム61と、ロアサスペンションアーム62と、リアロアアーム63とを備えている。サスペンションアーム61,62は、フロント車幅方向メンバ51により上下に揺動自在に支持されており、リアロアアーム63は、リア車幅方向メンバ52により上下に揺動自在に支持されている。リアロアアーム63には、符号63aで示すスプリング受部で、一端が車体に取り付けられるスプリングの他端が取り付けられている。
前後方向メンバ53の前後端部には、マウント部53a,53bが設けられている。これらのマウント部を介して、サブフレーム50が車体に取り付けられている。
図7は前後方向メンバ53の斜視図である。前後方向メンバ53は、略円弧状に湾曲して延びる閉断面部材である。従って、この前後方向メンバ53を上記溶接構造体10として製造できる。前後方向メンバ53は、2つの金属素材531,532を溶接して成る。前後方向メンバ53に形成されている孔53cは、上記位置決めピン32が挿通される部分であって溶接構造体10の孔7に対応する。
以上、上記実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。また、上記実施形態には種々の変形、改良が加えられてよく、従って上記実施形態には種々の変形例が存在する。幾つかの変形例について以下で説明する。
例えば、上記実施形態では、溶接構造体10の一例としてサスペンションアームを支持するサブフレームの前後方向メンバ53について説明したが、フロント・リアのサイドフレーム、さらに車両以外では貯留タンク類や建築資材など、閉断面部を有するいずれの溶接構造体にも本発明を適用できる。
また、上記実施形態では、溶接構造体10が閉断面部材である場合について説明したが、全長にわたって閉断面が形成されている必要はなく、閉断面部を有していれば部分的に開断面が形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第1金属素材や第2金属素材をドロー成形によりプレスしているが、フォーム成形等他の成形方法を用いてもよい。
また、上記実施形態では、第1金属素材11の上に第2金属素材21を鉛直方向に重ねて溶接を行ったが、例えば第1金属素材11と第2金属素材21を水平方向に重ねて溶接を行ってもよい。
また、上記実施形態では、金属素材11,21として鉄を主成分とする素材(鋼板)を用いたが、他の金属(例えばアルミニウム)を主成分とする素材を用いてもよい。また、同種の金属どうしを溶接して成る溶接構造体だけでなく、異種の金属どうしを溶接して成る溶接構造体にも本発明を適用できる。
また、上記実施形態では、アーク溶接を行って溶接構造体を製造したが、レーザ溶接等を行ってもよい。
以上のように、本発明によれば、溶接に伴うブローホールの発生を抑制して、溶接構造体について所要強度を確保することが可能となるから、この種の溶接構造体を備えた車両等の製造産業分野において本発明が好適に利用される可能性がある。
1 第1部分
2 第2部分
3 閉断面部
6 膨出部
10 溶接構造体
11 第1金属素材
12 側壁
13 フランジ部
21 第2金属素材
22 側壁
23 開放側端部
50 サブフレーム
53 (サブフレームの)前後方向メンバ
F 対接部
M 溶融部
2 第2部分
3 閉断面部
6 膨出部
10 溶接構造体
11 第1金属素材
12 側壁
13 フランジ部
21 第2金属素材
22 側壁
23 開放側端部
50 サブフレーム
53 (サブフレームの)前後方向メンバ
F 対接部
M 溶融部
Claims (4)
- 閉断面部を有する溶接構造体を製造する方法であって、
側壁端部から外方に向けて折曲されたフランジ部を両端に有する断面ハット状の第1金属素材を準備する工程と、
前記フランジ部の内側端部とそれぞれ対接可能に形成された開放側端部を両端に有する断面略コ字状の第2金属素材を準備する工程と、
前記第1金属素材に対して前記第2金属素材を位置決めする工程と、
前記第1金属素材と前記第2金属素材とを接合して前記閉断面部を形成する工程とを含み、
前記位置決めする工程では、前記第1金属素材のフランジ部の内側端部と前記第2金属素材の開放側端部とを対接させて略L字状の対接部を設け、
前記閉断面部を形成する工程では、前記対接部に沿って外方から溶接して前記フランジ部の少なくとも一部を溶け込ませながら、前記第1金属素材と前記第2金属素材とを接合することを特徴とする
方法。 - 前記第1金属素材を準備する工程は、板状の金属素材を断面ハット状にプレスする工程を含み、
前記第2金属素材を準備する工程は、前記第1金属素材を準備する工程に加えて、断面ハット状のフランジ部を曲げ戻して断面略コ字状とする工程を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の方法。 - 前記位置決めする工程では、前記第1金属素材と前記第2金属素材の一方を下に他方を上にして重ね合わせ、上側から押圧することを特徴とする、
請求項1または2に記載の方法。 - 前記第1金属素材と前記第2金属素材の少なくとも一方はめっき層を有することを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
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