JP5395505B2 - 鉄道車両 - Google Patents
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Description
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1の鉄道車両は、構体の外壁を構成する外板と、その外板の内面に配設される下骨組みと、その下骨組みに交差して配設される上骨組みとを備えるものであり、前記下骨組みは、断面コ字状の下骨チャンネル部と、その下骨チャンネル部から両側へ延設され前記外板の内面に溶接固定される板状の下骨フランジ部とを備え、前記上骨組みは、断面コ字状の上骨チャンネル部と、その上骨チャンネル部から両側へ延設される板状の上骨フランジ部とを備え、前記下骨組み又は上骨組みの少なくとも一方は、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を切り欠いて形成される切欠部を備え、下骨フランジ部と上骨フランジ部とが互いに反対側を向き、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を前記切欠部に嵌め込んだ状態で、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設されている。
技術的思想2の鉄道車両は、技術的思想1記載の鉄道車両において、前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも大きくされ、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部が当接されると共に、前記下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間が形成される。
技術的思想3の鉄道車両は、技術的思想1記載の鉄道車両において、前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも小さくされ、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間が形成されると共に、前記下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部が当接される。
技術的思想4の鉄道車両は、技術的思想3記載の鉄道車両において、前記切欠部は、上骨チャンネル部に形成されると共に、その切欠部の長さは、前記下骨フランジ部が外板の内面に溶接される際の溶接痕よりも外側において、前記下骨フランジ部に前記上骨チャンネル部の頂部が当接される長さとされている。
技術的思想5の鉄道車両は、技術的思想1から3のいずれかに記載の鉄道車両において、前記上骨フランジ部の前記外板と反対側の面に前記上骨チャンネル部を跨いで溶接固定される補強板を備えている。
技術的思想6の鉄道車両は、技術的思想5記載の鉄道車両において、前記切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、前記補強板は、前記切欠部に対応する位置に配設されている。
技術的思想7の鉄道車両は、技術的思想5又は6に記載の鉄道車両において、前記切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、前記補強板は、前記切欠部に対応する位置に前記上骨チャンネル部の内部空間側へ向けて延設されるリブ部を備えている。
技術的思想8の鉄道車両は、技術的思想7記載の鉄道車両において、前記補強板は、前記リブ部の延設方向先端を折り曲げることで形成され前記上骨チャンネル部の内部空間側の面に溶接固定される折曲固定板を備えている。
<効果>
技術的思想1記載の鉄道車両によれば、下骨組みと上骨組みとを交差して配設するので、下骨組み及び上骨組みを横骨および縦骨(又は、縦骨および横骨)として機能させ、外板を強化でき、その分、構体の強度を確保できる。また、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の一方に切り欠き形成した切欠部に、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の他方を嵌め込むので、その分、下骨組みと上骨組みとの厚さ方向の重なりを大きくできる。その結果、構体の厚さを薄くして、車室空間の広さを確保できる。
ここで本技術的思想の鉄道車両によれば、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の切欠部に、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を嵌め込む場合に、下骨フランジ部と上骨フランジ部とを互いに反対側へ向けた状態(下骨チャンネル部と上骨チャンネル部とを向かい合わせた状態)で嵌め込むので、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の少なくとも一方に形成される切欠部の長さ(下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の一方の長手方向に沿う方向の長さ)を、従来の鉄道車両のように、フランジ部を含めた補強部材全体の幅を受け入れ可能な大きさとする必要がなく、少なくとも下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を受け入れ可能な大きさとすれば足りる。
よって、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の少なくとも一方に形成される切欠部の長さが不必要に長くなることを回避して、最小限の長さにできるので、切欠部が形成された下骨組み又は上骨組みの強度の向上を図ることができる。従って、構体の厚さを薄くして車室空間の広さを確保しつつ、切欠部が形成された下骨組み又は上骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
技術的思想2記載の鉄道車両によれば、技術的思想1記載の鉄道車両の奏する効果に加え、下骨チャンネル部の高さ寸法を上骨チャンネル部の高さ寸法よりも大きくし、下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部を当接させると共に、下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間を形成する構成であるので、下骨組み及び上骨組みが寸法誤差を有する場合であっても、その寸法誤差分を下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に形成される隙間により吸収できる。
これにより寸法誤差があっても、下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部を密着させることができるので、かかる密着により両部材の溶接固定を確実に行うことができ、その結果、下骨組みと上骨組みの連結を強固として、構体の強度を向上できるという効果がある。また、このように下骨組みと上骨組みとの寸法誤差分を吸収できれるので、これら両部材の寸法公差を緩くでき、寸法管理を容易にして、下骨組み及び上骨組みの部品コストを低減して、その分、鉄道車両全体としての製品コストを低減できるという効果がある。
更に、本技術的思想の鉄道車両によれば、上述したように、下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間を形成するので、下骨チャンネル部に切欠部を形成する際には、その下骨チャンネル部を下骨フランジ部まで完全に切り欠く必要がなく、下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間の隙間に相当する高さ分までは下骨チャンネル部の一部をリブ状に残すことができる。これにより、下骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
技術的思想3記載の鉄道車両によれば、技術的思想1記載の鉄道車両の奏する効果に加え、下骨チャンネル部の高さ寸法を上骨チャンネル部の高さ寸法よりも小さくし、下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間が形成されると共に、下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部を当接させるので、下骨組み及び上骨組みが寸法誤差を有する場合であっても、その寸法誤差分を下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に形成される隙間により吸収できる。
これにより寸法誤差があっても、下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部を密着させることができるので、かかる密着により両部材の溶接固定を確実に行うことができ、その結果、下骨組みと上骨組みの連結を強固として、構体の強度を向上できるという効果がある。また、このように下骨組みと上骨組みとの寸法誤差分を吸収できるので、これら両部材の寸法公差を緩くでき、寸法管理を容易にして、その分、下骨組み及び上骨組みの部品コストを低減して、鉄道車両全体としての製品コストを低減できるという効果がある。
更に、本技術的思想の鉄道車両によれば、上述したように、下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間を形成するので、上骨チャンネル部に切欠部を形成する際には、その上骨チャンネル部を上骨フランジ部まで完全に切り欠く必要がなく、下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間の隙間に相当する高さ分までは上骨チャンネル部の一部をリブ状に残すことができる。これにより、上骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
技術的思想4記載の鉄道車両によれば、技術的思想3記載の鉄道車両の奏する効果に加え、切欠部が上骨チャンネル部に形成される場合に、その切欠部の長さを、下骨フランジ部が外板の内面に溶接される際の溶接痕よりも外側において、下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部が当接される長さとするので、下骨フランジ部と外板との溶接を長手方向に沿って連続して溶接可能として、溶接強度および外観品質の向上と製造コストの低減とを図ることができるという効果がある。
技術的思想5記載の鉄道車両によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、上骨フランジ部の外板と反対側の面に上骨チャンネル部を跨いで溶接固定される補強板を備えるので、かかる補強板により、上骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
技術的思想6記載の鉄道車両によれば、技術的思想5記載の鉄道車両の奏する効果に加え、切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、補強板が切欠部に対応する位置に溶接固定されているので、かかる補強板により、下骨組みの曲げモーメントに対する強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
即ち、下骨組みは、下骨チャンネル部に切欠部が形成される(切り欠かれる)ことで、下骨フランジ部のみが曲げモーメントを受ける形状となる(切欠部が形成された部位の断面二次モーメントが減少する)ため、曲げモーメントに対する強度が低下する。
これに対し本技術的思想の鉄道車両によれば、上述したように、上骨チャンネル部を跨いで上骨フランジ部を連結する補強板を切欠部に対応する位置に配設し、また、下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部を当接させるので、切欠部を挟んで位置する下骨フランジ部同士を、上骨フランジ部を介して補強板により連結できる。その結果、中立軸から離れた位置の断面積を確保して、切欠部が形成された部位の断面二次モーメントを大きくできるので、下骨組みの曲げモーメントに対する強度を向上させ、その分、構体の強度の向上を図ることができる。
技術的思想7記載の鉄道車両によれば、技術的思想5又は6に記載の鉄道車両の奏する効果に加え、切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、補強板は、切欠部に対応する位置に上骨チャンネル部の内部空間側へ向けて延設されるリブ部を備えるので、かかるリブ部により、補強板の曲げ剛性を高めることができ、切欠部が形成された部位の面外方向のせん断強度を更に大きくできる。よって、下骨組の曲げモーメントに対する強度と圧縮強度とを向上させ、その分、構体の強度をより一層向上させることができる。この場合、補強板から上骨チャンネル部の内部空間へ向けてリブ部を延設させるので、リブ部を外部へ突出させることなく、上骨チャンネル部の内部空間に収納できる。よって、下骨組み及び上骨組みの厚さが嵩むことを回避できるので、リブ部による強度向上の効果を得つつ、構体の厚さを薄くして、車室空間の広さを確保できるという効果がある。
技術的思想8記載の鉄道車両によれば、技術的思想7記載の鉄道車両の奏する効果に加え、上骨チャンネル部の内部空間側の面に溶接固定される折曲固定板を補強板が備えるので、かかる折曲固定板により補強板と上骨チャンネル部とを連結して、上骨組みを補強できる。これにより、下骨組みの曲げモーメントに対する強度と圧縮強度とを向上させ、その分、構体の強度の向上を図ることができる。また、リブ部の延設方向先端を折り曲げることで折曲固定板を形成するので、かかる折曲固定板の成形を容易として、部品コストを低減でき、その分、鉄道車両全体としての製品コストを低減できるという効果がある。
5,205,305,405,505,605,705 側構体(鉄道車両の一部)
9 外板
10,310,710 下骨組み
10a,310a,710a 下骨頂部(下骨チャンネル部の一部)
10b,310b,710b 下骨壁部(下骨チャンネル部の一部)
10c,310c,710c 下骨フランジ部
30d,230d,310d,710d,730d 切欠部
30,230,330,430,730 上骨組み
30a,230a,330a,430a,730a上骨頂部(上骨チャンネル部の一部)
30b,230b,330b,430b,730b上骨壁部(上骨チャンネル部の一部)
30c,230c,330c,430c,730c 上骨フランジ部
51,651 補強板
53 リブ部
55 折曲固定板
DK1 幅寸法(上骨チャンネル部または下骨チャンネル部の対向する一対の壁面の一方の外側の面から他方の外側の面までの寸法)
DK2 幅寸法(上骨フランジ又は下骨フランジの一方の端部から他方の端部までの寸法)
HW1 切欠長さ(下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の向かい合った端部間の寸法)
DH1,DH3 高さ寸法(下骨チャンネル部の高さ寸法)
HH1,HH2,HH3,HH4 高さ寸法(上骨チャンネル部の高さ寸法)
S1,S2,S3,S4 隙間
m1,m7 溶接痕
Claims (6)
- 構体の外壁を構成する外板と、その外板の内面に配設される下骨組みと、その下骨組みに交差して配設される上骨組みとを備える鉄道車両において、
前記下骨組みは、断面コ字状の下骨チャンネル部と、その下骨チャンネル部から両側へ延設され前記外板の内面に溶接固定される板状の下骨フランジ部とを備え、
前記上骨組みは、断面コ字状の上骨チャンネル部と、その上骨チャンネル部から両側へ延設される板状の上骨フランジ部とを備え、
前記下骨組み又は上骨組みの少なくとも一方は、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を切り欠いて形成される切欠部を備え、
下骨フランジ部と上骨フランジ部とが互いに反対側を向き、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を前記切欠部に嵌め込んだ状態で、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設され、
前記切欠部によって分断された前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の向かい合った端部間の寸法は、前記上骨チャンネル部または下骨チャンネル部の対向する一対の壁面の一方の外側の面から他方の外側の面までの寸法よりも大きな値に設定され、かつ、前記上骨フランジ又は下骨フランジの一方の端部から他方の端部までの寸法よりも小さな値に設定されていることを特徴とする鉄道車両。 - 構体の外壁を構成する外板と、その外板の内面に配設される下骨組みと、その下骨組みに交差して配設される上骨組みとを備える鉄道車両において、
前記下骨組みは、断面コ字状の下骨チャンネル部と、その下骨チャンネル部から両側へ延設され前記外板の内面に溶接固定される板状の下骨フランジ部とを備え、
前記上骨組みは、断面コ字状の上骨チャンネル部と、その上骨チャンネル部から両側へ延設される板状の上骨フランジ部とを備え、
前記下骨組み又は上骨組みの少なくとも一方は、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を切り欠いて形成される切欠部を備え、
下骨フランジ部と上骨フランジ部とが互いに反対側を向き、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を前記切欠部に嵌め込んだ状態で、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設され、
前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも大きくされ、
前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部が当接されると共に、前記下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間が形成されることを特徴とする鉄道車両。 - 前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも小さくされ、
前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間が形成されると共に、前記下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部が当接されることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両。 - 前記切欠部は、上骨チャンネル部に形成されると共に、その切欠部の長さは、前記下骨フランジ部が外板の内面に溶接される際の溶接痕よりも外側において、前記下骨フランジ部に前記上骨チャンネル部の頂部が当接される長さとされていることを特徴とする請求項3記載の鉄道車両。
- 前記切欠部が下骨チャンネル部に形成され、
前記切欠部に対応する位置に配設されると共に、前記上骨フランジ部の前記外板と反対側の面に前記上骨チャンネル部を跨いで溶接固定される補強板を備え、
前記補強板は、前記切欠部に対応する位置に前記上骨チャンネル部の内部空間側へ向けて延設されることで、前記下骨チャンネル部の対向する一対の壁面と同一平面上に位置するリブ部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両。 - 前記補強板は、前記リブ部の延設方向先端を折り曲げることで形成され前記上骨チャンネル部の内部空間側の面に溶接固定される折曲固定板を備えていることを特徴とする請求項5記載の鉄道車両。
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