JP5395505B2 - 鉄道車両 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両に関し、特に、車室空間の広さを確保しつつ、構体の強度を向上できる鉄道車両に関するものである。
鉄道車両の構体は、第1の補強部材および第2の補強部材を、断面コ字状のチャンネル部と板状のフランジ部とを有するハット形状に形成し、第1の補強部材のフランジ部を外板に溶接固定し横骨として機能させると共に、第2の補強部材のフランジ部を第1の補強部材に交差させつつ第1の補強部材のチャンネル部の頂部に溶接固定し縦骨として機能させることで、外板の捩りや撓みに対する補強がなされていた(特許文献1)。
しかしながら、上述した従来の鉄道車両では、第1の補強部材の頂部に第2の補強部材を重ねる構成であるため、第1の補強部材の厚さと第2の補強部材の厚さとを加えた厚さが必要となり、構体全体としての厚さが嵩むため、その分、車室内空間が狭くなる。
そこで、外板を補強しつつ車室空間を確保する技術が提案されている。例えば、特許文献2には、第1の補強部材のチャンネル部分の一部を長手方向に分断し、その分断した部分へ第2の補強部材を嵌め込むことで、両補強部材のフランジ部同士を溶接固定する技術が開示されている。これにより、第1の補強部材と第2の補強部材との組立てからなる構体の厚さを少なくできるので、構体の厚さを薄くして、その分、車室空間の広さを確保できる(特許文献2)。
特開2005−329412号(例えば、第2図(c)など) 特開2008−149963号(例えば、第1図、第2図など)
しかしながら、上述した後者の技術では、フランジ部を含めた第2の補強部材全体の幅を、第1の補強部材のチャンネル部を分断した部分に受け入れさせる構成であるため、そのチャンネル部を分断した部分の長さが不必要に長くなる。そのため、第1の補強部材の強度が低下して、その分、構体全体としての強度が低下するという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、車室空間の広さを確保しつつ、構体の強度を向上できる鉄道車両を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の鉄道車両は、構体の外壁を構成する外板と、その外板の内面に配設される下骨組みと、その下骨組みに交差して配設される上骨組みとを備えるものであり、前記下骨組みは、断面コ字状の下骨チャンネル部と、その下骨チャンネル部から両側へ延設され前記外板の内面に溶接固定される板状の下骨フランジ部とを備え、前記上骨組みは、断面コ字状の上骨チャンネル部と、その上骨チャンネル部から両側へ延設される板状の上骨フランジ部とを備え、前記下骨組み又は上骨組みの少なくとも一方は、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を切り欠いて形成される切欠部を備え、下骨フランジ部と上骨フランジ部とが互いに反対側を向き、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を前記切欠部に嵌め込んだ状態で、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設され、前記切欠部によって分断された前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の向かい合った端部間の寸法は、前記上骨チャンネル部または下骨チャンネル部の対向する一対の壁面の一方の外側の面から他方の外側の面までの寸法よりも大きな値に設定され、かつ、前記上骨フランジ又は下骨フランジの一方の端部から他方の端部までの寸法よりも小さな値に設定されている。
請求項2記載の鉄道車両は、構体の外壁を構成する外板と、その外板の内面に配設される下骨組みと、その下骨組みに交差して配設される上骨組みとを備えるものであり、前記下骨組みは、断面コ字状の下骨チャンネル部と、その下骨チャンネル部から両側へ延設され前記外板の内面に溶接固定される板状の下骨フランジ部とを備え、前記上骨組みは、断面コ字状の上骨チャンネル部と、その上骨チャンネル部から両側へ延設される板状の上骨フランジ部とを備え、前記下骨組み又は上骨組みの少なくとも一方は、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を切り欠いて形成される切欠部を備え、下骨フランジ部と上骨フランジ部とが互いに反対側を向き、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を前記切欠部に嵌め込んだ状態で、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設され、前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも大きくされ、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部が当接されると共に、前記下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間が形成される。
請求項3記載の鉄道車両は、請求項1記載の鉄道車両において、前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも小さくされ、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間が形成されると共に、前記下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部が当接される。
請求項4記載の鉄道車両は、請求項3記載の鉄道車両において、前記切欠部は、上骨チャンネル部に形成されると共に、その切欠部の長さは、前記下骨フランジ部が外板の内面に溶接される際の溶接痕よりも外側において、前記下骨フランジ部に前記上骨チャンネル部の頂部が当接される長さとされている。
請求項5記載の鉄道車両は、請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両において、前記切欠部が下骨チャンネル部に形成され、前記切欠部に対応する位置に配設されると共に、前記上骨フランジ部の前記外板と反対側の面に前記上骨チャンネル部を跨いで溶接固定される補強板を備え、前記補強板は、前記切欠部に対応する位置に前記上骨チャンネル部の内部空間側へ向けて延設されることで、前記下骨チャンネル部の対向する一対の壁面と同一平面上に位置するリブ部を備えている。
請求項記載の鉄道車両は、請求項記載の鉄道車両において、前記補強板は、前記リブ部の延設方向先端を折り曲げることで形成され前記上骨チャンネル部の内部空間側の面に溶接固定される折曲固定板を備えている。
請求項1記載の鉄道車両によれば、下骨組みと上骨組みとを交差して配設するので、下骨組み及び上骨組みを横骨および縦骨(又は、縦骨および横骨)として機能させ、外板を強化でき、その分、構体の強度を確保できる。また、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の一方に切り欠き形成した切欠部に、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の他方を嵌め込むので、その分、下骨組みと上骨組みとの厚さ方向の重なりを大きくできる。その結果、構体の厚さを薄くして、車室空間の広さを確保できる。
ここで本発明の鉄道車両によれば、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の切欠部に、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を嵌め込む場合に、下骨フランジ部と上骨フランジ部とを互いに反対側へ向けた状態(下骨チャンネル部と上骨チャンネル部とを向かい合わせた状態)で嵌め込むので、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の少なくとも一方に形成される切欠部の長さ(下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の一方の長手方向に沿う方向の長さ)を、従来の鉄道車両のように、フランジ部を含めた補強部材全体の幅を受け入れ可能な大きさとする必要がなく、少なくとも下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を受け入れ可能な大きさとすれば足りる。
よって、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の少なくとも一方に形成される切欠部の長さが不必要に長くなることを回避して、最小限の長さにできるので、切欠部が形成された下骨組み又は上骨組みの強度の向上を図ることができる。従って、構体の厚さを薄くして車室空間の広さを確保しつつ、切欠部が形成された下骨組み又は上骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
請求項2記載の鉄道車両によれば、請求項1記載の鉄道車両の奏する効果に加え、下骨チャンネル部の高さ寸法を上骨チャンネル部の高さ寸法よりも大きくし、下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部を当接させると共に、下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間を形成する構成であるので、下骨組み及び上骨組みが寸法誤差を有する場合であっても、その寸法誤差分を下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に形成される隙間により吸収できる。
これにより寸法誤差があっても、下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部を密着させることができるので、かかる密着により両部材の溶接固定を確実に行うことができ、その結果、下骨組みと上骨組みの連結を強固として、構体の強度を向上できるという効果がある。また、このように下骨組みと上骨組みとの寸法誤差分を吸収できれるので、これら両部材の寸法公差を緩くでき、寸法管理を容易にして、下骨組み及び上骨組みの部品コストを低減して、その分、鉄道車両全体としての製品コストを低減できるという効果がある。
更に、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間を形成するので、下骨チャンネル部に切欠部を形成する際には、その下骨チャンネル部を下骨フランジ部まで完全に切り欠く必要がなく、下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間の隙間に相当する高さ分までは下骨チャンネル部の一部をリブ状に残すことができる。これにより、下骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
請求項3記載の鉄道車両によれば、請求項1記載の鉄道車両の奏する効果に加え、下骨チャンネル部の高さ寸法を上骨チャンネル部の高さ寸法よりも小さくし、下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間が形成されると共に、下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部を当接させるので、下骨組み及び上骨組みが寸法誤差を有する場合であっても、その寸法誤差分を下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に形成される隙間により吸収できる。
これにより寸法誤差があっても、下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部を密着させることができるので、かかる密着により両部材の溶接固定を確実に行うことができ、その結果、下骨組みと上骨組みの連結を強固として、構体の強度を向上できるという効果がある。また、このように下骨組みと上骨組みとの寸法誤差分を吸収できるので、これら両部材の寸法公差を緩くでき、寸法管理を容易にして、その分、下骨組み及び上骨組みの部品コストを低減して、鉄道車両全体としての製品コストを低減できるという効果がある。
更に、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間を形成するので、上骨チャンネル部に切欠部を形成する際には、その上骨チャンネル部を上骨フランジ部まで完全に切り欠く必要がなく、下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間の隙間に相当する高さ分までは上骨チャンネル部の一部をリブ状に残すことができる。これにより、上骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
請求項4記載の鉄道車両によれば、請求項3記載の鉄道車両の奏する効果に加え、切欠部が上骨チャンネル部に形成される場合に、その切欠部の長さを、下骨フランジ部が外板の内面に溶接される際の溶接痕よりも外側において、下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部が当接される長さとするので、下骨フランジ部と外板との溶接を長手方向に沿って連続して溶接可能として、溶接強度および外観品質の向上と製造コストの低減とを図ることができるという効果がある。
請求項5記載の鉄道車両によれば、請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、上骨フランジ部の外板と反対側の面に上骨チャンネル部を跨いで溶接固定される補強板を備えるので、かかる補強板により、上骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
また、切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、補強板が切欠部に対応する位置に溶接固定されているので、かかる補強板により、下骨組みの曲げモーメントに対する強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
即ち、下骨組みは、下骨チャンネル部に切欠部が形成される(切り欠かれる)ことで、下骨フランジ部のみが曲げモーメントを受ける形状となる(切欠部が形成された部位の断面二次モーメントが減少する)ため、曲げモーメントに対する強度が低下する。
これに対し本発明の鉄道車両によれば、上述したように、上骨チャンネル部を跨いで上骨フランジ部を連結する補強板を切欠部に対応する位置に配設し、また、下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部を当接させるので、切欠部を挟んで位置する下骨フランジ部同士を、上骨フランジ部を介して補強板により連結できる。その結果、中立軸から離れた位置の断面積を確保して、切欠部が形成された部位の断面二次モーメントを大きくできるので、下骨組みの曲げモーメントに対する強度を向上させ、その分、構体の強度の向上を図ることができる。
さらに、切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、補強板は、切欠部に対応する位置に上骨チャンネル部の内部空間側へ向けて延設されることで、下骨チャンネル部の対向する一対の壁面と同一平面上に位置するリブ部を備えるので、かかるリブ部により、補強板の曲げ剛性を高めることができ、切欠部が形成された部位の面外方向のせん断強度を更に大きくできる。よって、下骨組の曲げモーメントに対する強度と圧縮強度とを向上させ、その分、構体の強度をより一層向上させることができる。この場合、補強板から上骨チャンネル部の内部空間へ向けてリブ部を延設させるので、リブ部を外部へ突出させることなく、上骨チャンネル部の内部空間に収納できる。よって、下骨組み及び上骨組みの厚さが嵩むことを回避できるので、リブ部による強度向上の効果を得つつ、構体の厚さを薄くして、車室空間の広さを確保できるという効果がある。
請求項6記載の鉄道車両によれば、請求項5記載の鉄道車両の奏する効果に加え、上骨チャンネル部の内部空間側の面に溶接固定される折曲固定板を補強板が備えるので、かかる折曲固定板により補強板と上骨チャンネル部とを連結して、上骨組みを補強できる。これにより、下骨組みの曲げモーメントに対する強度と圧縮強度とを向上させ、その分、構体の強度の向上を図ることができる。また、リブ部の延設方向先端を折り曲げることで折曲固定板を形成するので、かかる折曲固定板の成形を容易として、部品コストを低減でき、その分、鉄道車両全体としての製品コストを低減できるという効果がある。
(a)は、本発明の第1実施形態における車両構体の部分断面斜視図である。(b)は、図1(a)のIbで示した部分を拡大した拡大斜視図である。 (a)は、側構体を分解した斜視図であり、(b)は、側構体の斜視図である。 図2(b)のIII−III線における側構体の断面図である。 (a)は、第2実施形態における側構体の断面図であり、(b)は、第2実施形態の変形例である。 (a)は、第3実施形態における側構体を分解した斜視図であり、(b)は、その側構体の斜視図である。 図5(b)のVI−VI線における側構体の断面図である。 第4実施形態における側構体の断面図である。 (a)は、第5実施形態における側構体の斜視図であり、(b)は、補強部材の斜視図であり、(c)は、図8(a)のVIIIc−VIIIc線における側構体の断面図である。 (a)は、第6実施形態における側構体の斜視図であり、(b)は、図9(a)のIXb−IXb線における側構体の断面図である。 (a)は、第7実施形態における側構体を分解した斜視図であり、(b)は、その側構体の斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1(a)を参照して、鉄道車両の車両構体100について説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態における車両構体100の部分断面斜視図である。
図1(a)に示すように、車両構体100は、鉄道車両の基体部を構成するものであり、主に、屋根構体1と、床構体3と、側構体5と、妻構体6とを備えている。屋根構体1は、車両構体100の上側に配設され、鉄道車両の屋根を構成し、床構体3は、車両構体100の下側に配設され、鉄道車両の床を構成するものである。側構体5は、その床構体3と屋根構体1とを連結し、鉄道車両の左右の側面を構成するものである。また、妻構体6は、車両構体の前後に配置され、妻面を構成するものである。
次いで図1(b)、図2及び図3を参照して、側構体5について説明する。図1(b)は、図1(a)のIbで示した部分を拡大した拡大斜視図である。図2(a)は、側構体5を分解した斜視図であり、図2(b)は、側構体5の斜視図であり、図3は、図2(b)のIII−III線における側構体5の断面図である。なお、図2(a)及び図2(b)には、側構体5の一部が図示されている。また、図1(b)に示す矢印Xは、車両構体100の前後方向を示し、矢印Yは、車両構体100の幅方向を示し、矢印Zは、車両構体100の上下方向を示している。図2から図10に示す矢印X、矢印Yおよび矢印Zに関しても同様に車両構体の前後方向、幅方向および上下方向を示している。
図1(b)に示すように、側構体5は、車両構体100の外壁を形成する外板9を備え、その外板9の車内側(図1(b)矢印Y方向右前側)の面へ複数本の下骨組み10が取り付けられている。それら下骨組み10は、長尺状に形成されており、その長手方向は、車両構体100の前後方向に対して平行である。また、下骨組み10には、複数本の上骨組み30が取り付けられている。それら上骨組み30は、長尺状に形成されており、その長手方向は、下骨組み10の長手方向に対して直交している。
下骨組み10は、レーザ溶接にて外板9の車内側の面へ取り付けられる。レーザ溶接で使用されるレーザ光線の強度は、外板9の車外側(図1(b)矢印Y方向左奥側)の面に溶接痕m1を形成しない強度とされるので、溶接痕m1は車内側にのみ形成され、外観の見栄えを損なうことはない。また、下骨組み10への上骨組み30の取り付けもレーザ溶接にて行われ、そのレーザ溶接により溶接痕M1が形成される。このように、下骨組み10と上骨組み30とを直交した状態で外板9へ溶接するので、下骨組み10及び上骨組み30を横骨および縦骨(又は、縦骨および横骨)として機能させ、外板9を強化でき、その分、車両構体100の強度を確保できる。
図2(a)、図2(b)及び図3に示すように、下骨組み10は、平板状に形成された下骨頂部10aを備え、その下骨頂部10aの両側(矢印Z方向の両側)の端部から下骨頂部10aに直交する方向(矢印Y方向)へ下骨壁部10bがそれぞれ延設されている。それら下骨壁部10bは平板状に形成され、それぞれの延設方向の先端部から外側へ向けて下骨フランジ部10cが延設されている。この下骨フランジ部10cが、外板9の車内側の面へレーザ溶接される(溶接痕m1)。この溶接により下骨フランジ部10cと外板9とが接合され、下骨組み10が外板9へ取り付けられる。接合部位である溶接痕m1は、下骨組み10の長手方向(矢印X方向)に沿って連続して形成されるので、外板9との接合強度を確保できる。なお、下骨頂部10aと一対の下骨壁部10bとから形成される部位(以下「下骨チャンネル部10a,10b」と称す)の断面形状は、コの字形状に形成されている。
上骨組み30は、平板状に形成された上骨頂部30aを備え、その上骨頂部30aの両側(矢印X方向の両側)の端部から上骨頂部30aに直交する方向(矢印Y方向)へ上骨壁部30bがそれぞれ延設されている。それら上骨壁部30bは平板状に形成され、それぞれの延設方向の先端部から外側へ向けて上骨フランジ部30cが延設されている。上骨頂部30aと一対の上骨壁部30bとから形成される部位(以下「上骨チャンネル部30a,30b」と称す)の断面形状は、コの字形状に形成されており、その上骨チャンネル部30a,30bには、切欠部30dが切り欠き形成されている。
図3に示すように、切欠部30dは、上骨組み30の長手方向に直交する方向へ向かって、上骨頂部30a及び上骨壁部30bを切り欠いて形成されており、上骨頂部30aから上骨フランジ部30cと上骨壁部30bとの接続部位までの間が切り欠かれている。
ここで、切欠部30dによって分断された上骨壁部30bの向かい合った端部間の寸法値である切欠部30dの切欠長さHW1は、一方の下骨壁部10bの外側の面から他方の下骨壁部10bの外側の面までの寸法値である下骨チャンネル部10a,10bの幅寸法DK1よりも大きな値に設定され、一方の下骨フランジ部10cの端部から他方の下骨フランジ部10cの端部までの寸法値である下骨組み10の幅寸法DK2よりも小さな値に設定されている(DK1<HW1<DK2)。
よって、上骨組み30の上骨頂部30aと下骨組み10の下骨頂部10aとを対向させた状態で、上骨組み30の切欠部30dへ下骨組み10の下骨チャンネル部10a,10bを嵌め込むことができる。従って、その分、下骨組み10と上骨組み30との厚さ方向の重なりを大きくできるので、側構体5の厚さ(矢印Y方向寸法値)を薄くして、車室空間の広さを確保できる。
しかも、上骨組み30の上骨頂部30aと下骨組み10の下骨頂部10aとを対向させた状態で、上骨組み30の切欠部30dへ下骨組み10の下骨チャンネル部10a,10bを嵌め込む構成なので、切欠部30dの切欠長さHW1を下骨チャンネル部10a,10bの幅寸法DK1よりも大きな値に設定しつつ下骨組み10の幅寸法DK2よりも小さな値に設定できる。そのため、上骨チャンネル部30a,30bの切欠部30dの切欠長さHW1を、従来の鉄道車両のように、下骨フランジ部10cを含めた下骨組み10全体の幅を受け入れ可能な大きさとする必要がなく、少なくとも下骨チャンネル部10a,10bを受け入れ可能な大きさとすれば足りる。よって、上骨チャンネル部30a,30bの切欠部30dの切欠長さHW1を最小限の長さにできるので、上骨組み30の強度を向上させて、側構体5の強度の向上を図ることができる。
また、切欠部30dは、上述したように、上骨頂部30aから上骨フランジ部30cと上骨壁部30bとの接続部位までの間を切り欠いて形成されているので、切欠部30dの切り欠き深さ(矢印Y方向寸法値)は、上骨頂部30aの車外側(矢印Y方向下側)の面から上骨フランジ部30cの車外側の面までの寸法値である上骨チャンネル部30a,30bの高さ寸法HH1と同じ寸法値となる。その上骨チャンネル部30a,30bの高さ寸法HH1は、下骨フランジ部10cの車内側(矢印Y方向上側)の面から下骨頂部10aの車内側の面までの寸法値である下骨チャンネル部10a,10bの高さ寸法DH1より小さな値に設定されている(HH1<DH1)。
そのため上骨組み30の切欠部30dへ下骨組み10の下骨チャンネル部10a,10bを嵌め込み、下骨頂部10aを上骨フランジ部30cへ当接させた状態において、下骨フランジ部10cと上骨頂部30aとの間に隙間S1を形成できる。よって、下骨組み10及び上骨組み30が寸法誤差を有する場合であっても、その寸法誤差分を隙間S1により吸収できる。これにより寸法誤差があっても、下骨頂部10aに上骨フランジ部30cを密着させることができるので、かかる密着により下骨組み10と上骨組み30との溶接固定を確実に行うことができ(図2の溶接痕M1)、下骨組み10と上骨組み30の連結を強固として、側構体5の強度を向上できる。また、このように、下骨組み10と上骨組み30との寸法誤差分を吸収できれば、これら下骨組み10及び上骨組み30の寸法公差を緩くでき、寸法管理を容易にできるので、下骨組み10及び上骨組み30の部品コストを低減して、その分、鉄道車両全体としての製品コストの低減を図ることができる。
更に、下骨フランジ部10cの車内側の面には、レーザ溶接にて溶接痕m1が形成され、その溶接痕m1は、下骨フランジ部10cの車内側の面に盛り上がって形成される。
ここで、下骨フランジ部10cは、外板9の車内側の面に溶接固定される部位であり、下骨組み10の長手方向に沿って連続的に溶接される。そのため、下骨フランジ部10cに上骨頂部30aを当接させる構成であると、上骨頂部30aが溶接痕m1の盛り上がり部位に当接するので、その盛り上がり分、下骨頂部10aに対して上骨フランジ部30cが浮き上がる。よって、上骨フランジ部30cを下骨頂部10aへ溶接する際に溶接不良が生じ、溶接強度の低下を招く。かかる場合には、上骨頂部30aが当接される箇所の溶接痕m1の盛り上がり部位を除去すれば良いが、それでは加工コストが嵩む。一方、上骨頂部30aが当接される箇所を避けて、下骨組み10を長手方向(矢印X方向)に沿って断続的に溶接することもできるが、その場合には、溶接長さが減少して溶接強度の低下を招く。
これに対し本実施形態では、上骨頂部30aと下骨フランジ部10cとの間に隙間S1が形成されるので、下骨フランジ部10cと外板9との溶接を下骨組み10の長手方向に沿って連続的に行って、溶接強度の低下を回避している。この際、下骨フランジ部10c上の溶接痕m1を除去する必要はないので、製造コストの低減を図ることができる。
図4(a)を参照して、第2実施形態の側構体205について説明する。図4(a)は、第2実施形態の側構体205の断面図である。前述した第1実施形態の側構体5では、下骨フランジ部10cと上骨頂部30aとの間に隙間S1を形成することで、上骨頂部30aが溶接痕m1へ当接することを回避した。これに対し、第2実施形態の側構体205では、上骨頂部230aを一対の溶接痕m1の外側に当接させて溶接痕m1への当接を回避している。なお、上記した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図4(a)に示すように、側構体205は上骨組み230を有しており、その上骨組み230は、第1実施形態と同様に、平板状に形成された上骨頂部230aと、その上骨頂部230aの両側(矢印X方向の両側)の端部からそれぞれ延設される一対の上骨壁部230bと、それら一対の上骨壁部230bの先端部からそれぞれ外側へ向けて延設される上骨フランジ部230cとを有している。また、上骨頂部230aと一対の上骨壁部230bとから形成される部位(以下「上骨チャンネル部230a,230b」と称す)に切欠部230dが切り欠き形成されている。その切欠部230dの両側に位置する上骨頂部230aの端部がそれぞれ下骨フランジ部10cへレーザ溶接される(溶接痕M2)。
切欠部230dの切欠長さHW2は、一対の溶接痕m1の間隔寸法DK3より大きな寸法値に設定され、一方の下骨フランジ部10cの端部から他方の下骨フランジ部10cの端部までの寸法値である下骨組み10の幅寸法DK2より小さな寸法値に設定されている(DK3<HW2<DK2)。加えて、上骨頂部230aの車外側(矢印Y方向下側)の面から上骨フランジ部230cの車外側の面までの寸法値HH2が下骨チャンネル部10a,10bの高さ寸法DH1より大きな値に設定されている(DH1<HH2)。
そのため、下骨組み10の下骨チャンネル部10a,10bを上骨組み230の切欠部230dへ嵌め込み、下骨頂部10aと上骨フランジ部230cとの間に隙間S2を形成した状態で、上骨頂部230aを下骨フランジ部10cの車内側の面であって溶接痕m1の外側の面へ当接させることができる。
よって、上骨組み230を下骨組み10へ溶接する際に、下骨フランジ部10c上の溶接痕m1の盛り上がり部位を除去する必要がない。また、上骨頂部230aが下骨フランジ部10c上へ密着されるので溶接強度の向上を図ることができる。加えて、下骨組み10及び上骨組み230の寸法管理を容易として、部品コストを低減し、鉄道車両全体としての製品コストを低減できる。
図4(b)は、第2実施形態の変形例である。図4(b)に示すように、第2実施形態の側構体205について、上骨フランジ部230cの両端を車内側へ突設して第1リブ壁230eを形成するようにしても良い。この第1リブ壁230eは、上骨フランジ部230cの長手方向(矢印Z方向)へ連続して延設されるので、上骨フランジ部230cの曲げ強度をその長手方向全域に渡って向上させることができ、上骨組み230全体の曲げ強度を確保できる。また、上骨壁部230bの上骨フランジ部230c側の一部を残して、切欠部230dを切り欠き形成することで、第2リブ壁230b1を形成しても良い。この切欠部230dに残された第2リブ壁230b1によっても、上骨組み230の曲げ強度の低下を最小限に抑えることができる。なお、他の実施形態においても、第2リブ壁230b1に相当するリブ壁を残すように、各切欠部を切り欠き形成しても良い。
図5及び図6を参照して、第3実施形態の側構体305について説明する。図5(a)は、側構体305を分解した斜視図であり、図5(b)は、その側構体305の斜視図であり、図6は、図5(b)のVI−VI線における側構体305の断面図である。
第1実施形態では、上骨組み30の上骨チャンネル部30a,30bへ切欠部30dが切り欠き形成され、その切欠部30dへ下骨組み10の下骨チャンネル部10a,10bが嵌め込まれる構成とした。これに対し第3実施形態の側構体305では、下骨組み310の下骨チャンネル部310a,310bへ切欠部310dが切り欠き形成され、その切欠部310dへ上骨組み330の上骨チャンネル部330a,330bを嵌め込むようにしている。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第3実施形態の側構体305は、第1実施形態と同様に、外板9に取り付けられる下骨組み310と、その下骨組み310へ直交した状態で取り付けられる上骨組み330とを備えている。下骨組み310は、第1実施形態と同様に、平板状に形成された下骨頂部310aと、その下骨頂部310aの両側(矢印Z方向の両側)の端部からそれぞれ延設される一対の下骨壁部310bと、それら一対の下骨壁部310bの先端部からそれぞれ外側へ向けて延設される下骨フランジ部310cとを有している。また、下骨頂部310aと一対の下骨壁部310bとから形成される部位(以下「下骨チャンネル部310a,310b」と称す)に切欠部310dが切り欠き形成されている。
上骨組み330は、第1実施形態と同様に、平板状に形成された上骨頂部330aと、その上骨頂部330aの両側(矢印X方向の両側)の端部からそれぞれ延設される一対の上骨壁部330bと、それら一対の上骨壁部330bの先端部からそれぞれ外側へ向けて延設される上骨フランジ部330cとを有している。そして、上骨頂部330aと上骨壁部330bとから形成される部位(以下「上骨チャンネル部330a,330b」と称す)が下骨組み310の切欠部310dへ嵌め込まれる。
図6に示すように、切欠部310dは、下骨組み310の長手方向に直交する方向へ向かって、下骨頂部310a及び下骨壁部310bを切り欠いて形成されており、下骨頂部310aから下骨フランジ部310cと下骨壁部310bとの接続部位までの間が切り欠かれている。
ここで、切欠部310dによって分断された下骨壁部310bの向かい合った端部間の寸法値である切欠部310dの切欠長さDW1は、一方の上骨壁部330bの外側の面から他方の上骨壁部330bの外側の面までの寸法値である上骨チャンネル部330a,330bの幅寸法HK1よりも大きな値に設定され、一方の上骨フランジ部330cの端部から他方の上骨フランジ部330cの端部までの寸法値である上骨組み330の幅寸法HK2よりも小さな値に設定されている(HK1<DW1<HK2)。
よって、上骨組み330の上骨頂部330aと下骨組み310の下骨頂部310aとを対向させた状態で、下骨組み310の切欠部310dへ上骨組み330の上骨チャンネル部330a,330bを嵌め込むことができる。従って、その分、下骨組み310と上骨組み330との厚さ方向の重なりを大きくできるので、側構体305の厚さ(矢印Y方向寸法値)を薄くして、車室空間の広さを確保できる。しかも、上骨組み330の上骨頂部330aと下骨組み310の下骨頂部310aとを対向させた状態で、下骨組み310の切欠部310dへ上骨組み330の上骨チャンネル部330a,330bを嵌め込む構成なので、下骨チャンネル部310a,310bの切欠部310dの切欠長さDW1を最小限の長さにでき、下骨組み310の強度を向上でき、側構体305の強度を向上できる。
また、切欠部310dは、上述したように、下骨頂部310aから下骨フランジ部310cと下骨壁部310bとの接続部位までの間を切り欠いて形成されているので、切欠部310dの切り欠き深さ(矢印Y方向寸法値)は、下骨頂部310aの車内側(矢印Y方向上側)の面から下骨フランジ部310cの車内側の面までの寸法値である下骨チャンネル部310a,310bの高さ寸法DH3と同じ寸法値となる。その下骨チャンネル部310a,310bの高さ寸法DH3は、上骨頂部330aの車外側(矢印Y方向下側)の面から上骨フランジ部330cの車外側の面までの寸法値である上骨チャンネル部330a,330bの高さ寸法HH3より大きな値に設定されている(HH3<DH3)。
そのため、下骨組み310の切欠部310dへ上骨組み330の上骨チャンネル部330a,330bを嵌め込み、上骨フランジ部330cを下骨頂部310aへ当接させた状態において、下骨フランジ部310cと上骨頂部330aとの間に隙間S3を形成できる。よって、上骨組み330を下骨組み310へ溶接する際に、下骨フランジ部310c上の溶接痕m1の盛り上がり部位を除去する必要がない。また、下骨頂部310aが上骨フランジ部330c上へ密着されるので溶接強度の向上を図ることができる(溶接痕M3)。加えて、下骨組み310及び上骨組み330の寸法管理を容易として、部品コストを低減し、鉄道車両全体としての製品コストを低減できる。
図7を参照して、第4実施形態の側構体405について説明する。図7は、第4実施形態における側構体405の断面図である。第3実施形態の側構体305では、下骨フランジ部310cと上骨頂部330aとの間に隙間S3を形成することで、上骨フランジ部330cが下骨頂部310aへ当接する構成とした。これに対し、第4実施形態の側構体405では、下骨頂部310aと上骨フランジ部430cとの間に隙間S4を形成することで、上骨頂部430aが下骨フランジ部310cへ当接するように構成している。なお、上述した第1,3実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図7に示すように、第4実施形態の側構体405は、上骨組み430を有しており、その上骨組み430は、第1実施形態と同様に、平板状に形成された上骨頂部430aと、その上骨頂部430aの両側(矢印X方向の両側)の端部からそれぞれ延設される一対の上骨壁部430bと、それら一対の上骨壁部430bの先端部からそれぞれ外側へ向けて延設される上骨フランジ部430cとを有している。そして、上骨頂部430aと上骨壁部430bとから形成される部位(以下「上骨チャンネル部430a,430b」と称す)が下骨組み310の切欠部310dへ嵌め込まれる。
上骨頂部430aの車外側(矢印Y方向下側)の面から上骨フランジ部430aの車外側の面までの寸法値である上骨チャンネル部430a,430bの高さ寸法HH4は、下骨チャンネル部310a,310bの高さ寸法DH3より大きな値に設定されている(DH3<HH4)。よって、下骨組み310の切欠部310dへ上骨組み430の上骨チャンネル部430a,430bを嵌め込み、上骨頂部430aを下骨フランジ部310cへ当接させた状態において、下骨頂部310aと上骨フランジ部430cとの間に隙間S4を形成できる。従って、下骨組み310及び上骨組み430に寸法誤差があっても、下骨フランジ部310cに上骨頂部430aを密着させて上骨組み430と下骨組み310との溶接固定を確実に行い(図7の溶接痕M4)、側構体405の強度を向上できる。また、下骨組み310及び上骨組み430の寸法管理を容易として、部品コストを低減し、鉄道車両全体としての製品コストを低減できる。
図8を参照して、第5実施形態の側構体505について説明する。図8(a)は、側構体505の斜視図であり、図8(b)は、補強部材50の斜視図である。図8(c)は、図8(a)のVIIIc−VIIIc線における側構体505の断面図である。第5実施形態の側構体505では、第3実施形態の側構体305(図5及び図6参照)の一対の上骨フランジ部330cを、補強部材50により連結し、側構体505の強度を向上させている。なお、上述した第3実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図8(b)に示すように、補強部材50は、平板状に形成された補強板51を有し、その補強板51の中央部には、その両側から同方向へ向けて一対のリブ部53が延設されている。一対のリブ部53の下端部には、それぞれ外側へ向けて折曲された平板状の折曲固定板55が補強板51と平行に延設されている。また、補強板51は、リブ部53より外方へ突出した一対の突出部51aを有している。
図8(a)および図8(c)に示すように、補強部材50は、下骨組み310の切欠部310dがある上骨チャンネル部330a,330bの内部空間に、リブ部53を挿入して嵌め込まれ、補強板51の一対の突出部51aが一対の上骨フランジ部330cへまたは上骨フランジ部330cを貫通して下骨チャンネル部310aへそれぞれレーザ溶接される(溶接痕M5)。また、一対の折曲固定板55が上骨頂部330aへそれぞれレーザ溶接される(溶接痕M51)。これにより、補強部材50が上骨組み330に溶接されて取り付けられる。
補強板51が溶接される位置は、下骨頂部310aと重なる位置である。よって、切欠部310dを挟んで位置する下骨頂部310aの端部を補強板51により直線的に結ぶことができる。その結果、下骨組み310をその長手方向に直交する面で切断した切断面の断面積を確保して、切欠部310dの曲げモーメントに対する強度を向上させ、その分、側構体505の強度を確保できる。また、上骨チャンネル部330a,330bの内部空間へ向けて、補強板51から一対のリブ部53を延設するので、リブ部53を車内側(矢印Y方向上側)へ突出させることなく、上骨チャンネル部330a,330bの内部空間に収納できる。よって、上骨組み330及び下骨組み310の厚さを大きくすることなく、リブ部53による強度向上の効果を得つつ、車室空間の広さを確保できる。なお、補強部材50を、折曲固定板55を省略して構成し、補強部材50の軽量化を図るようにしても良い。
図9を参照して、第6実施形態の側構体605について説明する。図9(a)は、第6実施形態における側構体605の斜視図であり、図9(b)は、図9(a)のIXb−IXb線における側構体605の断面図である。第6実施形態の側構体605では、第3実施形態の側構体305(図5及び図6参照)の上骨組み330に対して、その上骨組み330とは別の上骨組み330との間に平板形状に形成された補強板651を挟んで溶接し、側構体605の強度を向上させている。なお、上述した第3実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
下骨組み310へ嵌め込まれた上骨組み330の上骨フランジ部330c上に、平板状の補強板651を載置し、更に、その補強板651上に、別の上骨組み330をその上骨フランジ部330cを補強板651へ当接させて載置する。即ち、一対の上骨組み330の上骨フランジ部330cで補強板651を挟んだ状態とする。この状態から、上側の上骨組み330の上骨フランジ部330cを車内側からレーザ溶接することで(溶接痕M6)、その上骨組み330と補強板651とを、下骨組み310に溶接された上骨組み330へ同時に溶接する。これにより、切欠部310dを挟んで位置する下骨頂部310aの端部を上骨組み330を介して補強板651で連結できるので、曲げモーメントに対する強度を大きくして、側構体605の強度の向上できる。
なお、補強板651及び別の上骨組み330の溶接の際に、下骨組み310の下骨頂部310aと重なり合う部位ではレーザ光線の強度を強めて、溶接を下骨頂部310aまで到達させて、下骨組み310と、その下骨組み310へ嵌め込まれる上骨組み330との溶接も同時に行なうようにしても良い。かかる溶接によれば、上骨組み330の下骨組み310に対する溶接を、補強板651及び別の上骨組み330の溶接と同時に行うことができるので、溶接の手間を省いて製造コストを低減できる。また、補強板651を省略して構成し、側構体605の部品コストを低減するようにしても良い。
図10を参照して、第7実施形態の側構体705について説明する。図10(a)は、第7実施形態における側構体705を分解した斜視図であり、図10(b)は、側構体705の斜視図である。第7実施形態の側構体705では、上骨組み730に複数の上骨チャンネル部730a,730bを形成し、下骨組み710に複数の下骨チャンネル部710a,710bを形成して、これら上骨組み730と下骨組み710とを、複数の切欠部710d,730dを介して互いに嵌め込み、側構体705の剛性を向上させている。
図10(a)に示すように、上骨組み730は、複数の上骨フランジ部730cを介して複数の上骨チャンネル部730a,730bが連結されて形成されている。上骨チャンネル部730a,730bに形成される切欠部730dは、隣接する切欠部730dに対して千鳥配置とされている。同様に、下骨組み710は、複数の下骨フランジ部710cを介して複数の下骨チャンネル部710a,710bが連結されて形成されている。下骨チャンネル部710a,710bに形成される切欠部710dは、隣接する切欠部710dに対して千鳥配置とされている。
これら切欠部710d,730dの配設位置は、下骨チャンネル部710a,710bの長手方向(図10(a)矢印X方向)と上骨チャンネル部730a,730bの長手方向(図10(a)矢印Z方向)とを直交させた状態で、下骨チャンネル部710a,710bと上骨チャンネル部730a,730bとを対向させて組み合わせることで、切欠部710dには、上骨チャンネル部730a,730bが嵌め込まれ、切欠部730dには、下骨チャンネル部710a,710bが嵌め込まれる位置とされている。
そして図10(b)に示すように、外板9にレーザ溶接された下骨組み710(溶接痕m7)へ上骨組み730を嵌め込んで更にレーザ溶接することで(溶接痕M7)、上骨組み730と下骨組み710とが接続され、側構体705が製造される。よって、側構体705の前後方向(図10(b)矢印X方向)および上下方向(図10(b)矢印Z方向)の剛性強度を向上できる。
また、下骨組み710に複数の下骨チャンネル部710a,710bが形成されているので、下骨チャンネル部710a,710bが個々に分離されている場合に比べて、下骨チャンネル部710a,710bを並べる工程を省いて、製造工程を簡略化できる。また、同様に、上骨チャンネル部730a,730bに関しても、上骨組み730に複数の上骨チャンネル部730a,730bが形成されているので、上骨チャンネル部730a,730bを並べる工程を省いて、製造工程を簡略化できる。
なお、本第7実施形態の複数の下骨チャンネル部710a,710bを有する下骨組み710と、上記第1から第6実施形態で説明した上骨組み30,230,330,430とを組み合わせたり、本第7実施形態の複数の上骨チャンネル部730a,730bを有する上骨組み730と、上記第1から第6実施形態で説明した下骨組み10,310とを組み合わせて、側構体を形成するようにしても良い。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態では、各上骨組みを対応する各下骨組みへ溶接することで、各上骨頂部と外板9との間に隙間を有する場合を説明した。しかし必ずしもこれに限られるものではなく、各上骨頂部と外板9との間に平板を挟み込んで構成しても良い。この場合、各上骨組みが平板を介して外板9に支持されるので、各上骨組みの変形を防止でき、側構体の強度を向上できる。
また、上記各実施形態では、各下骨組みの長手方向、または、各上骨組みの長手方向に沿ってレーザ溶接する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、溶接する向きを、例えば90度違えて溶接しても良い。
また、溶接痕M1〜M7,m1,m7の形状は、直線形状、波型形状、点、またはリング形状であっても良く、溶接の数は、一つの溶接部位(例えば、上骨頂部30aと下骨フランジ部10cとの当接部位など、1の部材を他の部材に溶接するための溶接部位)に対して1ヶ所でも良く、複数ヶ所であっても良い。
また、上記各実施形態ではその説明を省略したが、上骨組み及び下骨組みのチャンネル部における断面コ字状の角部の角度は、90度に限られるものではなく、90度より大きな角度であっても良く、或いは、90度よりも小さな角度であっても良い。また、かかる角部にコーナーRが設けられていても良く、面取り加工が施されていても良い。
また、上記第7実施の形態では、下骨組み710が複数の下骨フランジ部710cを備え、それら各下骨フランジ部710cの全てが外板9にレーザ溶接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数の下骨フランジ部710cの内の一部の下骨フランジ部710cのみを外板9にレーザ溶接し、残りの下骨フランジ部710cについては外板9へのレーザ溶接を省略しても良い。この場合、外板9へのレーザ溶接が省略される下骨フランジ部710cは、外板9へレーザ溶接される下骨フランジ部710cと同じ形状であっても良く、或いは、異なる形状(例えば、下骨チャンネル部710aからの高さが異なる)であっても良い。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1の鉄道車両は、構体の外壁を構成する外板と、その外板の内面に配設される下骨組みと、その下骨組みに交差して配設される上骨組みとを備えるものであり、前記下骨組みは、断面コ字状の下骨チャンネル部と、その下骨チャンネル部から両側へ延設され前記外板の内面に溶接固定される板状の下骨フランジ部とを備え、前記上骨組みは、断面コ字状の上骨チャンネル部と、その上骨チャンネル部から両側へ延設される板状の上骨フランジ部とを備え、前記下骨組み又は上骨組みの少なくとも一方は、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を切り欠いて形成される切欠部を備え、下骨フランジ部と上骨フランジ部とが互いに反対側を向き、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を前記切欠部に嵌め込んだ状態で、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設されている。
技術的思想2の鉄道車両は、技術的思想1記載の鉄道車両において、前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも大きくされ、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部が当接されると共に、前記下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間が形成される。
技術的思想3の鉄道車両は、技術的思想1記載の鉄道車両において、前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも小さくされ、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間が形成されると共に、前記下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部が当接される。
技術的思想4の鉄道車両は、技術的思想3記載の鉄道車両において、前記切欠部は、上骨チャンネル部に形成されると共に、その切欠部の長さは、前記下骨フランジ部が外板の内面に溶接される際の溶接痕よりも外側において、前記下骨フランジ部に前記上骨チャンネル部の頂部が当接される長さとされている。
技術的思想5の鉄道車両は、技術的思想1から3のいずれかに記載の鉄道車両において、前記上骨フランジ部の前記外板と反対側の面に前記上骨チャンネル部を跨いで溶接固定される補強板を備えている。
技術的思想6の鉄道車両は、技術的思想5記載の鉄道車両において、前記切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、前記補強板は、前記切欠部に対応する位置に配設されている。
技術的思想7の鉄道車両は、技術的思想5又は6に記載の鉄道車両において、前記切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、前記補強板は、前記切欠部に対応する位置に前記上骨チャンネル部の内部空間側へ向けて延設されるリブ部を備えている。
技術的思想8の鉄道車両は、技術的思想7記載の鉄道車両において、前記補強板は、前記リブ部の延設方向先端を折り曲げることで形成され前記上骨チャンネル部の内部空間側の面に溶接固定される折曲固定板を備えている。
<効果>
技術的思想1記載の鉄道車両によれば、下骨組みと上骨組みとを交差して配設するので、下骨組み及び上骨組みを横骨および縦骨(又は、縦骨および横骨)として機能させ、外板を強化でき、その分、構体の強度を確保できる。また、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の一方に切り欠き形成した切欠部に、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の他方を嵌め込むので、その分、下骨組みと上骨組みとの厚さ方向の重なりを大きくできる。その結果、構体の厚さを薄くして、車室空間の広さを確保できる。
ここで本技術的思想の鉄道車両によれば、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の切欠部に、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を嵌め込む場合に、下骨フランジ部と上骨フランジ部とを互いに反対側へ向けた状態(下骨チャンネル部と上骨チャンネル部とを向かい合わせた状態)で嵌め込むので、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の少なくとも一方に形成される切欠部の長さ(下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の一方の長手方向に沿う方向の長さ)を、従来の鉄道車両のように、フランジ部を含めた補強部材全体の幅を受け入れ可能な大きさとする必要がなく、少なくとも下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を受け入れ可能な大きさとすれば足りる。
よって、下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の少なくとも一方に形成される切欠部の長さが不必要に長くなることを回避して、最小限の長さにできるので、切欠部が形成された下骨組み又は上骨組みの強度の向上を図ることができる。従って、構体の厚さを薄くして車室空間の広さを確保しつつ、切欠部が形成された下骨組み又は上骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
技術的思想2記載の鉄道車両によれば、技術的思想1記載の鉄道車両の奏する効果に加え、下骨チャンネル部の高さ寸法を上骨チャンネル部の高さ寸法よりも大きくし、下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部を当接させると共に、下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間を形成する構成であるので、下骨組み及び上骨組みが寸法誤差を有する場合であっても、その寸法誤差分を下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に形成される隙間により吸収できる。
これにより寸法誤差があっても、下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部を密着させることができるので、かかる密着により両部材の溶接固定を確実に行うことができ、その結果、下骨組みと上骨組みの連結を強固として、構体の強度を向上できるという効果がある。また、このように下骨組みと上骨組みとの寸法誤差分を吸収できれるので、これら両部材の寸法公差を緩くでき、寸法管理を容易にして、下骨組み及び上骨組みの部品コストを低減して、その分、鉄道車両全体としての製品コストを低減できるという効果がある。
更に、本技術的思想の鉄道車両によれば、上述したように、下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間を形成するので、下骨チャンネル部に切欠部を形成する際には、その下骨チャンネル部を下骨フランジ部まで完全に切り欠く必要がなく、下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間の隙間に相当する高さ分までは下骨チャンネル部の一部をリブ状に残すことができる。これにより、下骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
技術的思想3記載の鉄道車両によれば、技術的思想1記載の鉄道車両の奏する効果に加え、下骨チャンネル部の高さ寸法を上骨チャンネル部の高さ寸法よりも小さくし、下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間が形成されると共に、下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部を当接させるので、下骨組み及び上骨組みが寸法誤差を有する場合であっても、その寸法誤差分を下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に形成される隙間により吸収できる。
これにより寸法誤差があっても、下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部を密着させることができるので、かかる密着により両部材の溶接固定を確実に行うことができ、その結果、下骨組みと上骨組みの連結を強固として、構体の強度を向上できるという効果がある。また、このように下骨組みと上骨組みとの寸法誤差分を吸収できるので、これら両部材の寸法公差を緩くでき、寸法管理を容易にして、その分、下骨組み及び上骨組みの部品コストを低減して、鉄道車両全体としての製品コストを低減できるという効果がある。
更に、本技術的思想の鉄道車両によれば、上述したように、下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間を形成するので、上骨チャンネル部に切欠部を形成する際には、その上骨チャンネル部を上骨フランジ部まで完全に切り欠く必要がなく、下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間の隙間に相当する高さ分までは上骨チャンネル部の一部をリブ状に残すことができる。これにより、上骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
技術的思想4記載の鉄道車両によれば、技術的思想3記載の鉄道車両の奏する効果に加え、切欠部が上骨チャンネル部に形成される場合に、その切欠部の長さを、下骨フランジ部が外板の内面に溶接される際の溶接痕よりも外側において、下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部が当接される長さとするので、下骨フランジ部と外板との溶接を長手方向に沿って連続して溶接可能として、溶接強度および外観品質の向上と製造コストの低減とを図ることができるという効果がある。
技術的思想5記載の鉄道車両によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、上骨フランジ部の外板と反対側の面に上骨チャンネル部を跨いで溶接固定される補強板を備えるので、かかる補強板により、上骨組みの強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
技術的思想6記載の鉄道車両によれば、技術的思想5記載の鉄道車両の奏する効果に加え、切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、補強板が切欠部に対応する位置に溶接固定されているので、かかる補強板により、下骨組みの曲げモーメントに対する強度を向上させ、その分、構体の強度を向上できるという効果がある。
即ち、下骨組みは、下骨チャンネル部に切欠部が形成される(切り欠かれる)ことで、下骨フランジ部のみが曲げモーメントを受ける形状となる(切欠部が形成された部位の断面二次モーメントが減少する)ため、曲げモーメントに対する強度が低下する。
これに対し本技術的思想の鉄道車両によれば、上述したように、上骨チャンネル部を跨いで上骨フランジ部を連結する補強板を切欠部に対応する位置に配設し、また、下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部を当接させるので、切欠部を挟んで位置する下骨フランジ部同士を、上骨フランジ部を介して補強板により連結できる。その結果、中立軸から離れた位置の断面積を確保して、切欠部が形成された部位の断面二次モーメントを大きくできるので、下骨組みの曲げモーメントに対する強度を向上させ、その分、構体の強度の向上を図ることができる。
技術的思想7記載の鉄道車両によれば、技術的思想5又は6に記載の鉄道車両の奏する効果に加え、切欠部が下骨チャンネル部に形成される場合に、補強板は、切欠部に対応する位置に上骨チャンネル部の内部空間側へ向けて延設されるリブ部を備えるので、かかるリブ部により、補強板の曲げ剛性を高めることができ、切欠部が形成された部位の面外方向のせん断強度を更に大きくできる。よって、下骨組の曲げモーメントに対する強度と圧縮強度とを向上させ、その分、構体の強度をより一層向上させることができる。この場合、補強板から上骨チャンネル部の内部空間へ向けてリブ部を延設させるので、リブ部を外部へ突出させることなく、上骨チャンネル部の内部空間に収納できる。よって、下骨組み及び上骨組みの厚さが嵩むことを回避できるので、リブ部による強度向上の効果を得つつ、構体の厚さを薄くして、車室空間の広さを確保できるという効果がある。
技術的思想8記載の鉄道車両によれば、技術的思想7記載の鉄道車両の奏する効果に加え、上骨チャンネル部の内部空間側の面に溶接固定される折曲固定板を補強板が備えるので、かかる折曲固定板により補強板と上骨チャンネル部とを連結して、上骨組みを補強できる。これにより、下骨組みの曲げモーメントに対する強度と圧縮強度とを向上させ、その分、構体の強度の向上を図ることができる。また、リブ部の延設方向先端を折り曲げることで折曲固定板を形成するので、かかる折曲固定板の成形を容易として、部品コストを低減でき、その分、鉄道車両全体としての製品コストを低減できるという効果がある。
100 車両構体(構体)
5,205,305,405,505,605,705 側構体(鉄道車両の一部)
9 外板
10,310,710 下骨組み
10a,310a,710a 下骨頂部(下骨チャンネル部の一部)
10b,310b,710b 下骨壁部(下骨チャンネル部の一部)
10c,310c,710c 下骨フランジ部
30d,230d,310d,710d,730d 切欠部
30,230,330,430,730 上骨組み
30a,230a,330a,430a,730a上骨頂部(上骨チャンネル部の一部)
30b,230b,330b,430b,730b上骨壁部(上骨チャンネル部の一部)
30c,230c,330c,430c,730c 上骨フランジ部
51,651 補強板
53 リブ部
55 折曲固定板
DK1 幅寸法(上骨チャンネル部または下骨チャンネル部の対向する一対の壁面の一方の外側の面から他方の外側の面までの寸法)
DK2 幅寸法(上骨フランジ又は下骨フランジの一方の端部から他方の端部までの寸法)
HW1 切欠長さ(下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の向かい合った端部間の寸法
DH1,DH3 高さ寸法(下骨チャンネル部の高さ寸法)
HH1,HH2,HH3,HH4 高さ寸法(上骨チャンネル部の高さ寸法)
S1,S2,S3,S4 隙間
m1,m7 溶接痕

Claims (6)

  1. 構体の外壁を構成する外板と、その外板の内面に配設される下骨組みと、その下骨組みに交差して配設される上骨組みとを備える鉄道車両において、
    前記下骨組みは、断面コ字状の下骨チャンネル部と、その下骨チャンネル部から両側へ延設され前記外板の内面に溶接固定される板状の下骨フランジ部とを備え、
    前記上骨組みは、断面コ字状の上骨チャンネル部と、その上骨チャンネル部から両側へ延設される板状の上骨フランジ部とを備え、
    前記下骨組み又は上骨組みの少なくとも一方は、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を切り欠いて形成される切欠部を備え、
    下骨フランジ部と上骨フランジ部とが互いに反対側を向き、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を前記切欠部に嵌め込んだ状態で、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設され
    前記切欠部によって分断された前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部の向かい合った端部間の寸法は、前記上骨チャンネル部または下骨チャンネル部の対向する一対の壁面の一方の外側の面から他方の外側の面までの寸法よりも大きな値に設定され、かつ、前記上骨フランジ又は下骨フランジの一方の端部から他方の端部までの寸法よりも小さな値に設定されていることを特徴とする鉄道車両。
  2. 構体の外壁を構成する外板と、その外板の内面に配設される下骨組みと、その下骨組みに交差して配設される上骨組みとを備える鉄道車両において、
    前記下骨組みは、断面コ字状の下骨チャンネル部と、その下骨チャンネル部から両側へ延設され前記外板の内面に溶接固定される板状の下骨フランジ部とを備え、
    前記上骨組みは、断面コ字状の上骨チャンネル部と、その上骨チャンネル部から両側へ延設される板状の上骨フランジ部とを備え、
    前記下骨組み又は上骨組みの少なくとも一方は、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を切り欠いて形成される切欠部を備え、
    下骨フランジ部と上骨フランジ部とが互いに反対側を向き、前記下骨チャンネル部または上骨チャンネル部を前記切欠部に嵌め込んだ状態で、前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設され、
    前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも大きくされ、
    前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部に上骨フランジ部が当接されると共に、前記下骨フランジ部と上骨チャンネル部の頂部との間に隙間が形成されることを特徴とする鉄道車両。
  3. 前記下骨チャンネル部の高さ寸法が前記上骨チャンネル部の高さ寸法よりも小さくされ、
    前記下骨組みと上骨組みとが交差して配設された状態では、前記下骨チャンネル部の頂部と上骨フランジ部との間に隙間が形成されると共に、前記下骨フランジ部に上骨チャンネル部の頂部が当接されることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両。
  4. 前記切欠部は、上骨チャンネル部に形成されると共に、その切欠部の長さは、前記下骨フランジ部が外板の内面に溶接される際の溶接痕よりも外側において、前記下骨フランジ部に前記上骨チャンネル部の頂部が当接される長さとされていることを特徴とする請求項3記載の鉄道車両。
  5. 前記切欠部が下骨チャンネル部に形成され、
    前記切欠部に対応する位置に配設されると共に、前記上骨フランジ部の前記外板と反対側の面に前記上骨チャンネル部を跨いで溶接固定される補強板を備え
    前記補強板は、前記切欠部に対応する位置に前記上骨チャンネル部の内部空間側へ向けて延設されることで、前記下骨チャンネル部の対向する一対の壁面と同一平面上に位置するリブ部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両。
  6. 前記補強板は、前記リブ部の延設方向先端を折り曲げることで形成され前記上骨チャンネル部の内部空間側の面に溶接固定される折曲固定板を備えていることを特徴とする請求項記載の鉄道車両。
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