JP3950775B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体の製造方法に関し、詳しくは電子写真感光体の表面層である電荷輸送層にフッ素原子含有樹脂微粒子及び特定のバインダー樹脂を含有する電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
像保持部材の代表的なものの一つとして電子写真感光体が挙げられる。電子写真技術は、即時性や高品質の画像が得られること等から、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用されてきている。その中核となる電子写真感光体については、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛に代表される無機系材料があるが、近年では無公害性、高生産性、材料設計の容易性及び将来性等の点から有機系材料の開発が盛んに行われている。これらの電子写真感光体には、当然ながら適用される電子写真プロセスに応じた電気的、機械的更には光学的特性等、様々な特性が要求される。特に、繰り返し使用される電子写真感光体にあたっては、帯電、露光、現像、転写、クリーニングといった電気的、機械的な力が直接的又は間接的に繰り返し加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。無機系電子写真感光体に比較して表面層の耐摩耗性が十分ではない有機系電子写真感光体では、表面層の耐摩耗性向上が特に必要となってくることから、その改善のために多くの試みがなされてきた。
【0003】
その中で、耐摩耗性を向上させる手法として、表面層に強度や潤滑性に優れる材料を用いる手法、例えば特許文献1に示されるように特定のポリアリレート樹脂及びフッ素含有樹脂粒子とを含有させることによって、より良好な強度や潤滑性を得る手法等が示されている。
【0004】
しかしながら、これらの試みは耐摩耗性という課題に対しては一定の効果を示しているが、ポリアリレート樹脂等のように膜強度を向上させる材料を用いると、クリーニングブレードとの摩擦が大きくなるため、ブレード捲れやドラム停止時のブレード鳴きといった問題が発生し易くなる。一方、フッ素原子含有樹脂微粒子は、ブレードとの摩擦を低減し、クリーニングに関わる問題を抑制する効果があるが、フッ素原子含有樹脂微粒子がバインダー樹脂に覆われている初期状態や、従来以上に強度を高めた場合には、その効果を十分発揮できないことがあった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−319129号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、良好な耐久性を維持しつつ、良好なクリーニング性を持つ電子写真感光体を容易に得られる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、支持体及び該支持体上の感光層を有し、該感光層が電荷発生材料を含有する電荷発生層及び電荷輸送材料を含有する電荷輸送層を有する積層型の感光層であり、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体
を製造する方法において、
該電荷輸送層のバインダー樹脂は下記(b)のみであり、かつ、
下記(a)、(b)、(c)及び(d)を含有する塗料を、浸漬塗布法で200mm/min以下の塗布スピードで該電荷発生層上に塗布し、乾燥することによって、十点平均粗さRzが0.3μm〜0.8μmの該電荷輸送層を形成する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される:
(a)塗料中における体積平均粒径が0.05μm〜0.3μmであるフッ素原子含有樹脂微粒子、
(b)繰り返し単位としては下記式(1−3)で示される繰り返し単位及び下記式(2−2)で示される繰り返し単位のみを有するポリアリレート樹脂、又は、繰り返し単位としては下記式(1−2)で示される繰り返し単位及び下記式(2−3)で示される繰り返し単位のみを有するポリアリレート樹脂、
【0008】
【化2】
【0009】
(c)バインダー樹脂に対して溶解性を示す溶媒としてのモノクロロベンゼン、
(d)バインダー樹脂に対して難溶性を示す溶媒としてのアセトン、ジメトキシメタン、又は、酢酸メチル。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
本発明において、溶解性を示す溶媒とは、一般的な良溶媒のことを示し、特殊な操作をすることなしに常温で溶媒が溶質を溶かしきるか又は5質量%以上の溶質を溶解する性質のものとする。また、難溶性を示す溶媒とは、溶媒が溶質にとって貧溶媒のことを示し、溶質が常温では膨潤する程度又は膨潤もしないか、又は5質量%未満の溶質しか溶解しない性質のものとする。
【0012】
バインダー樹脂に対して溶解性を示す溶媒と、難溶性を示す溶媒の比率としては、難溶性を示す溶媒が全溶媒100質量部に対して50質量部未満であることが塗料の安定性及び塗工性の点からは好ましい。更に、良好な溶解性を示す溶媒の方が沸点が高く、揮発し難い溶媒であることが、塗料の安定性及び塗工性の点からは好ましい。
【0013】
本発明に用いられるポリアリレート樹脂の重量平均分子量は、100,000以上であることが好ましい。
【0014】
本発明に用いられるフッ素原子含有樹脂微粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合樹脂等の粒子が挙げられる。これらの中では、特に四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)が好ましい。
【0015】
フッ素原子含有樹脂微粒子の含有量は表面層である電荷輸送層の全体100質量部に対して、0.5〜30質量部が好ましい。0.5質量部未満では、耐摩耗性の効果が少なく、30質量部を超えると光の透過性の低下、散乱等が生じて電子写真特性に悪影響を与えることがある。
【0016】
塗料中のフッ素原子含有樹脂微粒子の粒径は、体積平均粒径として0.05μm〜0.3μmである。粒径が0.05μm未満であると、本発明のクリーニング性に対する効果が得られ難くなり、0.3μmより大きいと、フッ素原子含有樹脂微粒子の凝集物を起点とした傷が発生し易くなる。
【0017】
表面層である電荷輸送層の表面粗さは、十点平均粗さRzとして0.3μm〜0.8μmとなるよう形成される。ここでいう十点平均粗さRzとは、JIS規格B061で定義される数値であり、本発明においては測定長さを2.5mmとした時の数値とした。十点平均粗さRzが0.3μmより小さいと、クリーニングブレードとの摩擦が大きくなり易いために、ブレード捲れやブレード鳴きが発生し易くなる。また、十点平均粗さRzが0.8μmより大きいと、光散乱による画質劣化が起こり易くなり、また、フッ素原子含有樹脂微粒子の凝集物を起点とした傷が発生し易くなる。
【0018】
以下、本発明で製造される電子写真感光体の構成について説明する。本発明における電子写真感光体は、支持体上に感光層を有する。感光層は、電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料を含有する電荷発生層を有する積層型である。
【0019】
支持体は導電性を有するものであればよく、アルミニウム及びステンレス等の金属、あるいは導電層を設けた金属、紙及びプラスチック等が挙げられ、形状はシート状及び円筒状が挙げられる。
【0020】
本発明においては、支持体と感光層の間に干渉縞を防止する、また支持体の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。この導電層は、カーボンブラックや金属粒子等の導電性粒子をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。更に、干渉縞を抑制するためにシリカ微粒子を適量添加することも効果的である。導電層の膜厚は2〜40μmが好ましく、より好ましくは5〜25μmが適当である。また、干渉縞抑制のために支持体表面を切削、粗面化、アルマイト処理等を行うこともできる。
【0021】
支持体又は導電層の上に、層の接着機能及び電荷バリヤー機能を有する中間層を設けてもよい。中間層の材料としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン及びポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは適当な溶媒に溶解して塗布される。中間層の膜厚は0.05μm〜5μmが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5μmが適当である。
【0022】
本発明に用いられる電荷発生材料としては特に限定はないが、例えば、セレン−テルル、ピリリウム及びチアピリリウム系の染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン及び非対称キノシアニン系の各顔料が挙げられる。
【0023】
電荷発生層は前記電荷発生材料を0.3〜4倍量のバインダー樹脂でアトライター、ロールミル又は液衝突型高速分散機(ナノマイザー)等の方法で分散される。分散液を塗布、乾燥することによって感光層が形成される。ただし、電荷発生材料の特性によってはバインダー樹脂を溶媒と電荷発生材料で分散した後に投入したり、バインダー樹脂を使用しないことも可能である。電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.1〜2μmが適当である。
【0024】
電荷輸送層は主として、電荷輸送材料と、繰り返し単位としては下記式(1−3)で示される繰り返し単位及び下記式(2−2)で示される繰り返し単位のみを有するポリアリレート樹脂、又は、繰り返し単位としては下記式(1−2)で示される繰り返し単位及び下記式(2−3)で示される繰り返し単位のみを有するポリアリレート樹脂とをバインダー樹脂に対して良好な溶解性を示す溶媒及び難溶性を示す溶媒との混合溶媒中に溶解し、更にフッ素原子含有樹脂微粒子を分散することにより得られた塗料を塗工、乾燥することによって形成する。用いられる電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラジン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物が挙げられる。
【0025】
また、本発明においては、フッ素原子含有樹脂微粒子を分散するために分散助材を用いてもよい。用いる分散助材は、特に限定されるものではないが、塗料中の溶媒に対して良好な分散性を示すものがより好ましい。フッ素原子含有樹脂微粒子の分散には、ホモジナイザー、ラインミキサー、ウルトラディスパーサー、ホモミキサー、液衝突型高速分散機及び超音波分散機等の各種乳化機や分散機、ミキサー等の混合装置が使用できる。
【0026】
電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。電荷輸送材料とバインダー樹脂との比率(質量)は5/1〜1/5が好ましく、より好ましくは3/1〜1/3程度であるが、電荷輸送層が表面層である場合は、電荷輸送材料の比率は、バインダー樹脂よりも少ないことが耐久性の点から好ましい。また、塗布する方法は浸漬塗布法であり、塗布スピードは200mm/min以下である。
【0027】
また、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC8120GPC(東ソー(株))を用い、標準ポリスチレン換算で示される値で示した。
【0028】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、「部」とあるのは質量部を意味する。
【0029】
まず、本発明で用いるポリアリレート樹脂は、以下の例のごとく合成することができる。以下に合成例を示す。
【0030】
<合成例>
特定ポリアリレートの合成
式(1−3)/式(2−2)=5/5の合成例を以下に示す。
【0031】
各々の式に由来するビスフェノールモノマーを各0.3mol、分子量調整剤としてp−t−ブチルフェノール0.012mol、水酸化ナトリウム65gをイオン交換水2リットルに溶解した後、相間移動触媒であるトリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加し溶解させた(水相)。別にテレフタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの1:1混合物0.64molを1リットルのジクロロメタンに溶解した(有機相)。反応容器を20℃に保ち、強撹拌において水相に有機相を添加し、4時間の界面重合を行った。有機相に生成したポリマーが存在しているが、触媒のポリマー中への混入を抑えるために、この有機相をイオン交換水で十分に洗浄した。更に、有機相をメタノールに滴下して、ポリマーを再沈殿させて単離した。得られたポリマーの分子量はMw=115,000であった。他のポリアリレートも同様な手法で合成できる。
【0032】
(実施例1)
直径30mm×長さ357mmのアルミニウムシリンダーを水系洗浄剤を用いて超音波洗浄した後、80℃のイオン交換水に浸漬し、次いで引き上げることによって乾燥した清浄な面を得た。この支持体上に、以下の材料より構成される塗料を浸漬塗布法にて塗布し、140℃で30分間熱硬化することにより、膜厚が15μmの導電層を形成した。
【0033】
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
結着樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶媒:メタノール/メトキシプロパノール=0.2/0.8 20部
【0034】
次に、この導電層上に、N−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥することによって、膜厚が1.0μmの中間層を形成した。
【0035】
次に、下記式で示される電荷発生材料4部、テトラヒドロフラン70部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で10時間分散し、その後にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBLS、積水化学製)2部をテトラヒドロフラン20部に溶解した溶液を加え、更に2時間分散をした。更に、ガラスビーズを分離し、シクロヘキサノン100部を加え電荷発生層用の分散液を調製した。この分散液を中間層上に浸漬塗布して、80℃で10分間乾燥し、膜厚が0.1μmの電荷発生層を形成した。
【0036】
【化3】
【0037】
次に、バインダー樹脂として、式(1−3)/式(2−2)=5/5(Mw=115,000)10部をモノクロロベンゼン100部に溶解し、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業製)10部、分散材として、下記式で示されるジオルガノポリシロキサン1部を添加した。この混合物を液衝突分散機(ナノマイザー・分散圧500bar)を用い3回分散することによって、フッ素原子含有樹脂微粒子分散液を調製した。
【0038】
【化4】
【0039】
次に、最終比率で、下記式で示される電荷輸送材料が9部、
【0040】
【化5】
【0041】
下記式で示される電荷輸送材料が1部、
【0042】
【化6】
【0043】
上記式(1−3)/式(2−2)で示されるポリアリレート樹脂が12部、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子が4部、上記式で示されるジオルガノポリシロキサンが0.4部となるように、バインダー樹脂に対して良好な溶解性を示すものとしてモノクロロベンゼン、難溶性を示すものとしてアセトンを用い、塗料中の最終比率でモノクロロベンゼン:アセトン=7:3になるように調製した溶媒120部を用いて、塗料を調製した。ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子は、先に分散したフッ素原子含有樹脂微粒子分散液を用いた。この電荷輸送層用塗料中のポリテトラフルオロエチレン樹脂粉体の粒径をクロロベンゼン中において、溶媒粘度0.80cP、溶媒密度1.10g/cm3、サンプル密度2.17g/cm3として粒度分布測定器(CAPA700、堀場製作所製)を用いて測定したところ、体積平均粒径として0.22μmであった。この塗料を浸漬塗布法で110mm/minの塗布スピードで前述した電荷発生層上に塗布して、120℃で1時間乾燥することによって、膜厚が30μmの電荷輸送層を形成した。
【0044】
評価する装置として、キヤノン(株)複写機GP−40(電子写真感光体に接触配置された帯電部材から直流及び交流電圧を印加して該電子写真感光体を帯電するプロセス、780nmレーザー光によるデジタル像露光、反転現像、プロセススピードを210mm/sec、複写速度=A4横40枚/分)とした。得られた電子写真感光体に交換して初期電位を測定した。暗部電位Vd=−700Vとして、明部電位Vl=−200Vとした。電子写真感光体の表面電位は、評価機から、現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入し測定を行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、ドラム軸方向のほぼ中央、ドラム表面からのギャップを3mmとした。更に、A4サイズの普通紙を1枚複写ごとに1度停止する間欠モード(10秒/枚の複写間隔)にて、印字比率6%の画像を23℃/5%RHの雰囲気環境において1000枚の複写を行った。ここで、ドラム停止時にブレード鳴きの発生があるかどうかを確認した。評価はブレード鳴きが聞こえなかったものを○、僅かに聞こえたものを△、聞こえたものを×とした。その後、引き続き50000枚の複写を行った。ここで、写真原稿の複写画像の確認をした後、摩耗量の測定を行った。結果を表1に示す。
【0045】
(実施例2)
実施例1で用いたアセトンの代わりにバインダー樹脂に難溶性を示すジメトキシメタンを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0046】
(実施例3)
実施例1で用いたアセトンの代わりにバインダー樹脂に難溶性を示す酢酸メチルを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0047】
(実施例4)
実施例1で用いたポリアリレート樹脂の代わりに式(1−2)/式(2−3)=3/7(Mw=120,000)のものを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0048】
(実施例5)
実施例1で用いたモノクロロベンゼン:アセトンの比率を85:15とした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0049】
(実施例6)
実施例1で用いたモノクロロベンゼン:アセトンの比率を55:45とした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0050】
(参考例1)
実施例5で用いた塗料を希釈し、浸漬塗布法で220mm/minの塗工スピードで塗布した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0051】
(比較例1)
実施例1で用いたアセトンの代わりにバインダー樹脂に溶解性を示すテトラヒドロフランを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0052】
(比較例2)
実施例1で用いたポリアリレート樹脂の代わりにビスフェノールA型のみから構成される市販ポリアリレート(商品名:U−100、ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明によって、表面層である電荷輸送層に特定のポリアリレート及びフッ素原子含有樹脂微粒子を含有する電子写真感光体において、良好な耐久性が得られ、更に良好なクリーニング性も得られる電子写真感光体の製造方法を提供することが可能となった。
Claims (1)
- 支持体及び該支持体上の感光層を有し、該感光層が電荷発生材料を含有する電荷発生層及び電荷輸送材料を含有する電荷輸送層を有する積層型の感光層であり、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体
を製造する方法において、
該電荷輸送層のバインダー樹脂は下記(b)のみであり、かつ、
下記(a)、(b)、(c)及び(d)を含有する塗料を、浸漬塗布法で200mm/min以下の塗布スピードで該電荷発生層上に塗布し、乾燥することによって、十点平均粗さRzが0.3μm〜0.8μmの該電荷輸送層を形成する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法:
(a)塗料中における体積平均粒径が0.05μm〜0.3μmであるフッ素原子含有樹脂微粒子、
(b)繰り返し単位としては下記式(1−3)で示される繰り返し単位及び下記式(2−2)で示される繰り返し単位のみを有するポリアリレート樹脂、又は、繰り返し単位としては下記式(1−2)で示される繰り返し単位及び下記式(2−3)で示される繰り返し単位のみを有するポリアリレート樹脂、
(d)バインダー樹脂に対して難溶性を示す溶媒としてのアセトン、ジメトキシメタン、又は、酢酸メチル。
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