JPH05307267A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH05307267A
JPH05307267A JP13452592A JP13452592A JPH05307267A JP H05307267 A JPH05307267 A JP H05307267A JP 13452592 A JP13452592 A JP 13452592A JP 13452592 A JP13452592 A JP 13452592A JP H05307267 A JPH05307267 A JP H05307267A
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JP
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photosensitive member
electrophotographic photosensitive
layer
photoconductor
electrophotographic
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Shunkai Sako
春海 酒匂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】クリ−ニング性が良く、かつ、画像欠陥を生じ
ない電子写真感光体の製造方法を提供することである。 【構成】導電性支持体上に感光層および保護層を有し、
少なくとも該表面層にはフッ素原子含有樹脂微粒子が含
有された電子写真感光体の表面を0.1μm以上、5.
0μm以下の平均表面粗さを持つように機械研磨する電
子写真感光体の製造方法において、該機械研磨に使用す
る研磨粒子の粒径が1.0μm以上、5.0μm以下で
あることを特徴とする電子写真感光体の製造方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体の製造方
法に関し、詳しくは高耐久性並びに表面の滑り性に優れ
た電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体はその像形成プロセスに
おいて、帯電、露光、現像、転写、クリ−ニングおよび
除電の繰り返し過程を経る。帯電および露光により形成
された静電潜像はトナ−といわれる微粒子状の現像剤に
よりトナ−画像となる。さらにこのトナ−画像は転写プ
ロセスにおいて紙などの転写材に転写されるが、100
%のトナ−が転写されるわけではなく、一部が感光体上
に残留する。この残留トナ−を除去しないと繰り返しプ
ロセスにおいて汚れなどのない高品質な画像を得ること
ができない。そのために、残留トナ−のクリ−ニングプ
ロセスが必要となる。クリ−ニングプロセスとしてはフ
ァ−ブラシ、磁気ブラシまたはブレ−ドなどを用いたも
のが代表的であるが、クリ−ニングの精度、装置構成な
どの点から一般にはブレ−ドクリ−ニングが選択され
る。
【0003】ブレ−ドクリ−ニングについて説明する
と、図1のAおよびBにそれぞれクリ−ニングブレ−ド
の具体例の正面図および側面図として示すように、支持
体2に取り付けた板状のポリウレタンなどの素材からな
る弾性部材1を電子写真感光体の進行方向と垂直に電子
写真感光体に加圧当接させる構成となっている。従って
トナ−のクリ−ニング精度を上げるためには、電子写真
感光体へのブレ−ドの当接圧を上げる必要がある。ま
た、電子写真感光体3へのクリ−ニングブレ−ド4の当
接方法としては図2の電子写真感光体へのクリ−ニング
ブレ−ドの順方向の当接を示す該略図に示すような順方
向のもの、と、図3の電子写真感光体へのクリ−ニング
ブレ−ドのカウンタ−方向の当接を示す該略図に示すよ
うなカウンタ−方向のものとがある。クリ−ニングの精
度から見ると、後者のカウンタ−方式のブレ−ド当接方
法がより好ましいとされている。クリ−ニング精度を向
上させるカウンタ−方式の当接方法は、同時に電子写真
感光体へのブレ−ドの当接圧を上げ、両者の摩擦力の上
昇を引き起こす。その結果、電子写真感光体の削れ量の
増加による耐久性低下、電子写真感光体の傷の発生、ブ
レ−ドの反転によるクリ−ニング不良の発生や装置の停
止などの問題が生じる。図4にクリ−ニングブレ−ドの
反転状態を示す概略説明図として装置停止に至ったブレ
−ド反転状態を示す。
【0004】以上のような電子写真感光体のクリ−ニン
グに関わる問題、特に電子写真感光体の削れ、傷および
ブレ−ドの反転を解決するために、電子写真感光体の摩
擦係数を低くすることが効果的であることが知られてい
る。従来、電子写真感光体の摩擦係数を低くする方法と
して電子写真感光体の表面層や保護層に潤滑剤を含有さ
せる方法が数多く提案されている。具体的には特開昭5
2−117134号公報、特開昭53−107841号
公報、特開昭54−26740号公報、特開昭54−2
7434号公報、特開昭54−86340号公報、特開
昭54−143142号公報、特開昭54−14314
8号公報、特開昭56−99345号公報、特開昭56
−126838号公報、特開昭57−14845号公
報、特開昭57−74748号公報、特開昭57−35
863号公報、特開昭57−76553号公報、特開昭
57−201240号公報、特開昭58−44444号
公報、特開昭58−70229号公報、特開昭58−1
02649号公報、特開昭58−162958号公報、
特開昭59−197042号公報、特開昭62−272
281号公報、特開昭62−272282号公報、特開
昭63−30850号公報、特開昭63−56658号
公報、特開昭63−58352号公報、特開昭63−5
8450号公報、特開昭63−61255号公報、特開
昭63−61256号公報、特開昭63−65449号
公報、特開昭63−65450号公報、特開昭63−6
5451号公報、特開昭63−73267号公報、特開
昭63−221355号公報、特開昭63−24915
2号公報、特開昭63−311356号公報などで提案
されている。
【0005】潤滑剤としてはポリテトラフルオロエチレ
ンなどのフッ素原子含有樹脂、球状のアクリル樹脂、ポ
リエチレン樹脂などの粉末や酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウムなどの金属酸化物粉末などが知られている。特に、
フッ素原子を多量に含むフッ素原子含有樹脂は表面エネ
ルギ−が著しく小さいので潤滑剤としての効果が大きい
い。このようなフッ素原子含有樹脂は結晶性の微粒子と
して用いられ、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレ
タン、ポリカ−ボネ−トなどの結着剤樹脂に分散させた
後に、電子写真感光体の表面層や保護層として成膜され
る。これらの表面層や保護層が十分な摩擦係数の低下を
示すためには、表面層や保護層に5重量%以上のフッ素
原子含有樹脂微粒子を含有させる必要があった。
【0006】しかし、フッ素原子含有樹脂微粒子はあく
まで結着剤樹脂に分散されているため、電子写真感光体
の初期状態においては該微粒子は結着剤にくるまれてお
り、即ち、該微粒子が直接電子写真感光体表面に出てい
るわけではない。従って、電子写真感光体の初期状態に
おける摩擦係数には該微粒子は全く寄与せず、結着剤の
摩擦係数がそのまま該感光体の摩擦係数となっていた。
即ち、フッ素原子含有樹脂微粒子を含有させた表面層や
保護層を有する電子写真感光体とはいえ、初期状態では
摩擦係数が高く、従って、クリ−ニングブレ−ドを有す
る電子写真装置に該感光体をそのまま設置したのではク
リ−ニングブレ−ドの反転によるクリ−ニング不良の発
生や装置の停止などの問題が生じるため、該ブレ−ドに
トナ−あるいは潤滑剤などを塗布するという設置方法が
必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的は
電子写真感光体を用いた電子写真装置において耐久性が
向上し、良好なクリ−ニング性を維持できる電子写真感
光体の製造方法を提供することである。また、本発明の
第二の目的は電子写真感光体の研磨を均一に行う電子写
真感光体の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明は、導電性支持体上に感
光層および保護層を有し、少なくとも該表面層にはフッ
素原子含有樹脂微粒子が含有された電子写真感光体の表
面を0.1μm以上、5.0μm以下の平均表面粗さを
持つように機械研磨する電子写真感光体の製造方法にお
いて、該機械研磨に使用する研磨粒子の粒径が1.0μ
m以上、50μm以下であることを特徴とする電子写真
感光体の製造方法から構成される。
【0009】また、本発明は、導電性支持体上に感光層
および保護層を有し、少なくとも該表面層にはフッ素原
子含有樹脂微粒子が含有された電子写真感光体の表面を
0.1μm以上、5.0μm以下の平均表面粗さを持つ
ように機械研磨する電子写真感光体の製造方法におい
て、研磨材の該感光体当接面に対する圧力が0.01k
g/cm 以上、10kg/cm 以下であること
を特徴とする電子写真感光体の製造方法から構成され
る。
【0010】本発明においては、電子写真感光体は導電
性支持体上に感光層および保護層が設けられており、少
なくとも該表面層にフッ素原子含有樹脂微粒子を含有さ
れ、かつ、該表面層の平均面粗さをJIS規格B061
で定義される10点平均面粗さR (以下、平均面粗
さと略す)で示すところの0.1μm以上、5.0μm
以下、好ましくは0.1μm以上、3.0μm以下にな
るように機械研磨される。
【0011】平均面粗さを5.0μmより大きくする
と、電子写真感光体表面とクリ−ニングブレ−ドとの間
に隙間が生じ、転写残りの残留トナ−のうち微小粒径の
トナ−のすり抜けを起こし、クリ−ニング不良となる。
平均面粗さが3.0μmから5.0μmの場合でも環
境、条件が劣悪な状態で繰り返し使用するとやはり微小
粒径のトナ−のすり抜けを起こし、クリ−ニング不良と
なる可能性がある。平均面粗さが3.0μm以下、0.
1μm以上であればクリ−ニングブレ−ドと電子写真感
光体表面との摩擦も十分に小さく、また、繰り返し使用
によっても画像欠陥が現れてくることはない。また、平
均面粗さが0.1μmより小さい場合、クリ−ニングブ
レ−ドと電子写真感光体表面の摩擦はほとんど緩和され
ず、即ち、機械研磨によって電子写真感光体表面の結着
剤を除去し、フッ素原子含有樹脂微粒子自身を該表面に
出現させることによる摩擦低減効果が認められない。し
かし、平均面粗さが0.1μm以上になるまで機械研磨
しておけば上記効果が現れ、クリ−ニングブレ−ド反転
などの問題は発生しない。よって、クリ−ニングブレ−
ドの反転、ブレ−ドエッジ部の欠けなどによるクリ−ニ
ング不良は、表面層や保護層にフッ素原子含有樹脂微粒
子が含有された電子写真感光体表面の平均面粗さを0.
1μm以上、5.0μm以下になるように機械研磨する
ことによって防止することができる。
【0012】ところで、この機械研磨であるが、研磨ム
ラが無く、かつ、上記の範囲の電子写真感光体表面の平
均面粗さに研磨面を制御するためには、任意の条件では
できない。例えば研磨面にムラが生じると、画像ムラな
どの原因となるし、また、平均面粗さが0.1μm以
上、5.0μm以下の範囲になければ、先に述べたよう
な不具合が生じる。
【0013】本発明においては、電子写真感光体の平均
面粗さを制御し、研磨ムラを防止する方法について、研
磨剤を規定すること、および研磨条件を規定することの
2種の研磨方法をを挙げることができる。
【0014】第一の研磨剤の規定としては、使用する研
磨粒子の粒径が1.0μm以上、50μm以下であると
き、該感光体の平均面粗さを0.1μm以上、5.0μ
m以下に制御でき、かつ、研磨ムラを抑制できる。即
ち、研磨粒子の粒径が1.0μm未満の場合、細かすぎ
て研磨効果がなかなか得られず、また、50μmより大
きい場合、該感光体上に傷が入り易く、画像欠陥を生じ
るが、研磨粒子の粒径が上記の範囲にあるときは適切な
研磨が行われる。
【0015】第二の研磨条件の規定としては、研磨剤の
電子写真感光体当接面に対する圧力を0.01kg/c
以上、10kg/cm 以下の範囲とすること
により、該感光体の平均面粗さを0.1μm以上、5.
0μm以下に制御でき、かつ、研磨ムラを抑制できる。
即ち、研磨剤の該感光体当接圧が0.01kg/cm
未満の場合、研磨効果が不十分で、該感光体表面の摩
擦係数の低減に効果を挙げるほどフッ素原子含有樹脂微
粒子が表面に出現してこないこと、また、研磨剤の該感
光体当接圧が10kg/cm よりも大きい場合に
は、該感光体表面に不必要な傷が入り、画像欠陥となっ
てしまうが、研磨剤の該感光体当接圧が上記の範囲にあ
るときは適切な研磨が行われる。
【0016】一方、電子写真感光体表面の摩擦係数を有
効に下げ得るフッ素原子含有樹脂微粒子の含有率は保護
層中においては5〜70重量%、好ましくは10〜65
重量%であり、また、保護層の膜厚は0.05〜8.0
μm、好ましくは0.5〜6μmである。
【0017】本発明において感光層部分にもフッ素原子
含有樹脂微粒子を含有する場合には、薄層の保護層に比
べて感光層は厚いため、該微粒子の含有量は制限され
る。感光層中の含有率で0〜10重量%、好ましくは0
〜7重量%である。また、感光層中のフッ素原子含有樹
脂微粒子量を制限しても、感光層の総厚が厚い場合、特
にフォトキャリアが主に感光層の支持体側で発生する場
合には、光散乱による感度劣化、画像均一性の低下が著
しい。一方、感光層が薄すぎても、電子写真感光体の電
気容量の増加による感度低下や帯電能の低下を引き起こ
し、感光層中に該微粒子を含有しない場合においても、
感光層を極端に厚くすることはできない。その理由は、
該微粒子を含有する保護層が感光層の上に積層されるた
め、保護層は光散乱層となり、特にフォトキャリアが主
に感光層の支持体側で発生する場合、フォトキャリヤの
発生部が光散乱層から遠いほど、即ち、感光層が厚いほ
ど散乱後の光の光路長が長くなり、光散乱の影響が大き
くなってしまうからである。従って、感光層の厚さは保
護層との合計で10〜35μm、好ましくは15〜30
μmである。また、電子写真感光体中に含有される該微
粒子はできるだけ少量であることが好ましく、感光層と
保護層との合計膜厚中の該微粒子の平均含有率は17.
5重量%以下である。
【0018】本発明における電子写真感光体に用いられ
るフッ素原子含有樹脂微粒子はポリテトラフルオロエチ
レン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テル
共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン
共重合体およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共
重合体からなる群から選ばれた1種または2種以上から
構成されているものである。市販のフッ素原子含有樹脂
微粒子をそのまま用いることが可能である。0.3万〜
500万の分子量のものが使用可能であり、0.01〜
10μm、好ましくは0.05〜2.0μmの粒径のも
のが使用可能である。
【0019】本発明における電子写真感光体の感光層は
少なくとも電荷発生材料および電荷輸送材料を含有す
る。
【0020】電荷発生材料の例としてはフタロシアニン
顔料、多環キノン顔料、アゾ系顔料、ペリレン顔料、イ
ンジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩染料、
スクワリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、
チオピリリウム染料、キサンテン色素、キノンイミン色
素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素、セレン、
セレン−テルル合金、アモルファスシリコン、硫化カド
ミウムなどが挙げられる。
【0021】電荷輸送材料の例としてはピレン化合物、
N−アルキルカルバゾ−ル化合物、ヒドラゾン化合物、
N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン
化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタ
ン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチル
ベン化合物、ポリニトロ化合物、ポリシアノ化合物、更
にこれらの化合物をポリマ−上に固定したペンダントポ
リマ−などが挙げられる。
【0022】前記のフッ素原子含有樹脂微粒子、電荷発
生材料、電荷輸送材料などを、それぞれ成膜性を有する
結着剤樹脂中に分散、含有させて、保護層、感光層など
を形成する場合が多く、かかる結着剤樹脂としてはポリ
エステル、ポリウレタン、ポリアリレ−ト、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカ−ボネ−
ト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノ
−ル樹脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ樹
脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリア
ミド−イミド、ナイロン、ポリサルホン、ポリアリルエ
−テル、ポリアセタ−ル、ブチラ−ル樹脂などが挙げら
れる。
【0023】本発明における電子写真感光体の層構成に
ついて説明すると、導電性支持体は鉄、銅、金、銀、ア
ルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、錫、アンチ
モン、インジウムなどの金属や合金あるいは前記金属の
酸化物、カ−ボン、導電性ポリマ−などが使用可能であ
り、形状は円筒状、円柱状などのドラム形状とベルト
状、シ−ト状のものとがある。前記導電性材料はそのま
ま成型加工される場合、塗料として用いられる場合、蒸
着される場合やエッチング、プラズマ処理により加工さ
れる場合もある。塗料の場合には支持体として前記の金
属や合金、紙、プラスチックなども用いられる。
【0024】感光層は単層構成であっても、積層構成で
あってもよい。積層構成の場合には、少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層により構成され、導電性支持体側に電
荷発生層が設けられる場合と電荷輸送層が設けられる場
合とでは帯電極性、使用するトナ−極性などが異なる。
電荷発生層の膜厚としては0.001〜6μm、好まし
くは0.01〜2μmである。電荷発生層に含有される
電荷発生材料の含有率は10〜100重量%であること
が好ましく、より好ましくは50〜100重量%であ
る。電荷輸送層の膜厚は前述の感光層の膜厚から前記電
荷発生層の膜厚を差し引いたものである。電荷輸送層中
に含有される電荷輸送材料の含有量は20〜80重量%
であることが好ましく、より好ましくは30〜70重量
%である。
【0025】導電性支持体と感光層との間に下引き層を
設けてもよい。下引き層は界面での電荷注入制御や接着
層として機能する。下引き層は主に結着剤樹脂からなる
が、前記金属や合金またはそれらの酸化物、塩類、界面
活性剤などを含んでいてもよい。下引き層を形成する結
着剤樹脂の例としてはポリエステル、ポリウレタン、ポ
リアリレ−ト、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタ
ジエン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポリプロピレ
ン、ポリイミド、フェノ−ル樹脂、アクリル樹脂、シリ
コ−ン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、
アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリ
サルホン、ポリアリルエ−テル、ポリアセタ−ル、ブチ
ラ−ル樹脂などが挙げられる。膜厚は0.05〜7μm
が好ましく、より好ましくは0.1〜2μmである。
【0026】保護層は前述したように必ず感光層の上に
設けられ、少なくとも高濃度のフッ素原子含有樹脂微粒
子と結着剤樹脂とからなる。
【0027】本発明における電子写真感光体の積層は蒸
着、塗布などの方法が用いられる。塗布による方法は薄
膜から厚膜まで広い範囲で、しかも様々な組成の膜が形
成可能である。具体的にはパ−コ−タ−、ナイフコ−タ
−、浸漬塗布、スプレ−塗布、ビ−ム塗布、静電塗布、
ロ−ルコ−タ−、アトライタ−、粉体塗布などの手段で
塗布される。
【0028】保護層を塗布する際に用いられる塗料は、
結着剤樹脂および溶剤中に前記フッ素原子含有樹脂微粒
子を分散させることによって調製される。分散の方法と
してはボ−ルミル、超音波、ペイントシェ−カ−、レッ
ドデビル、サンドミルなどの方法が用いられる。導電性
微粉や顔料、電荷発生材料が顔料の場合も同様の分散方
法を用いることができる。
【0029】本発明方法により製造されたの電子写真感
光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザー
ビ−ムプリンター、CRTプリンター、LEDプリンタ
ー、液晶プリンター、レーザー製版、ファクシミリなど
の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0030】図8に本発明により製造した電子写真感光
体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成を示
した。図において、19は像担持体としての本発明によ
り製造したドラム型感光体であり軸19aを中心に矢印
方向に所定の周速度で回転駆動される。該感光体19は
その回転過程で帯電手段20によりその周面に正または
負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部21にて
不図示の像露光手段により光像露光L(スリット露光・
レ−ザ−ビ−ム走査露光など)を受ける。これにより感
光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されて
いく。その静電潜像は、次いで現像手段22でトナ−現
像され、そのトナ−現像像が転写手段23により不図示
の給紙部から感光体19と転写手段23との間に感光体
19の回転と同期取りされて給送された転写材Pの面に
順次転写されていく。像転写を受けた転写材Pは感光体
面から分離されて像定着手段27へ導入されて像定着を
受けて複写物(コピ−)として機外へプリントアウトさ
れる。像転写後の感光体19の表面はクリ−ニング手段
24にて転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、
前露光手段25により除電処理がされて繰り返して像形
成に使用される。感光体19の均一帯電手段20として
はコロナ帯電装置が一般に広く使用されている。また、
転写手段23もコロナ転写手段が一般に広く使用されて
いる。電子写真装置として、上述の感光体や現像手段、
クリ−ニング手段などの構成要素のうち、複数のものを
装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニッ
トを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例え
ば、感光体19とクリ−ニング手段24とを一体化して
一つの装置ユニットとし、装置本体のレ−ルなどの案内
手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このとき、
上記の装置ユニットのほうに帯電手段および/または現
像手段を伴って構成してもよい。また、光像露光Lは、
電子写真装置を複写機やプリンタ−として使用する場合
には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、
原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレ−ザ−ビ
−ムの走査、発光ダイオ−ドアレイの駆動、または液晶
シャッタ−アレイの駆動などを行うことにより行われ
る。
【0031】また、ファクシミリのプリンタ−として使
用する場合には、光像露光Lは受信デ−タをプリントす
るための露光になる。図9は、この場合の1例をブロッ
ク図で示したものである。コントロ−ラ28は画像読取
部27とプリンタ−36を制御する。コントロ−ラ28
の全体はCPU34により制御されている。画像読取部
27からの読取りデ−タは、送信回路30を通して相手
局に送信される。相手局から受けたデ−タは受信回路2
9を通してプリンタ−36に送られる。画像メモリ33
には所定の画像デ−タが記憶される。プリンタコントロ
−ラ35はプリンタ−36を制御している。31は電話
である。回線32から受信された画像(回線を介して接
続されたリモ−ト端末からの画像情報)は、受信回路2
9で復調された後、CPU34で復号処理が行われ、順
次画像メモリ33に格納される。そして、少なくとも1
ペ−ジの画像が画像メモリ33に格納されると、そのペ
−ジの画像記憶を行う。CPU34は、画像メモリ33
より1ペ−ジの画像情報を読み出しプリンタコントロ−
ラ35に復号化された1ペ−ジの画像情報を送出する。
プリンタコントロ−ラ35は、CPU34からの1ペ−
ジの画像情報を受け取るとそのペ−ジの画像情報記録を
行うべく、プリンタ−36を制御する。なおCPU34
は、プリンタ36による記録中に、次のペ−ジの受信を
行っている。以上のように、画像の受信と記録が行われ
る。
【0032】
【実施例】
実施例1〜4 ナイロン(M−4000、東レ(株)製)10部(重量
部、以下同様)、メタノ−ル100部およびイソプロパ
ノ−ル90部を混合溶解した後、外径80mm、肉厚
1.5mm、長さ363mmのアルミニウム製シリンダ
−上に浸漬塗布し、90℃で20分間乾燥して、2.0
μmの下引き層を形成した。
【0033】次に、下記構造式のトリスアゾ顔料10
部、
【化1】 ポリカ−ボネ−ト(ビスフェノ−ルA型、Mn20,0
00)5部およびシクロヘキサノン600部をサンドミ
ルにて分散して電荷発生層用塗料を調製した。この塗料
を下引き層上に浸漬塗布し、120℃で20分間乾燥し
て0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0034】次に、下記構造式のビフェニル化合物20
部、
【化2】 ポリカ−ボネ−ト(ビスフェノ−ルA型、Mn20,0
00)20部およびクロロベンゼン800部をボ−ルミ
ルで分散し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を
電荷発生層上に浸漬塗布し、130℃で90分間乾燥し
て18μmの電荷輸送層を形成した。
【0035】次に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子
(ルブロンL−5、ダイキン工業(株)製)2部、前記
ビフェニル化合物6部、ポリカ−ボネ−ト(ビスフェノ
−ルZ型、Mn18,000)12部およびジクロロメ
タン1,000部をサンドミルで分散して保護層用塗料
を調製した。この塗料を電荷輸送層上にスプレ−塗布
し、120℃で30分間乾燥して6.0μmの保護層を
形成した。
【0036】更に上記方法で作成した電子写真感光体を
表面の平均面粗さが0.1μm以上、5.0μm以下の
範囲に入るように、あらかじめ、ラッピングフィルム
(住友スリ−エム(株)製、研磨粒子粒径1.0μm、
9.0μm、30μm、40μmの4種類、研磨粒子材
質は酸化アルミニウム)で機械研磨した。作成した電子
写真感光体をそれぞれ実施例1の感光体、実施例2の感
光体、実施例3の感光体、実施例4の感光体とする。
【0037】実施例5〜8 実施例1において、電荷輸送層にポリテトラフルオロエ
チレン微粒子(商品名ルブロンL−5、ダイキン工業
(株)製)2部を含み、かつ、保護層を塗布していない
他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し
た。
【0038】さらに上記方法で作成した電子写真感光体
を表面の平均面粗さが0.1μm以上、5.0μm以下
の範囲に入るように、あらかじめ、ラッピングフィルム
(前出)で機械研磨した。作成した電子写真感光体をそ
れぞれ実施例5の感光体、実施例6の感光体、実施例7
の感光体、実施例8の感光体とする。
【0039】実施例9〜11 実施例1と同様にして作成した電子写真感光体を表面の
平均面粗さが0.1μm以上、5.0μm以下の範囲に
入るように、あらかじめ、ラッピングフィルム(富士写
真フィルム(株)製、研磨粒子粒径1.0μm、8.0
μm、研磨粒子材質は炭化ケイ素および住友スリ−エム
(株)製、研磨粒子粒径30μm、研磨粒子材質は炭化
ケイ素の3種類)で機械研磨した。作成した電子写真感
光体をそれぞれ実施例9の感光体、実施例10の感光
体、実施例11の感光体とする。
【0040】比較例1 保護層を設けず、かつ、機械研磨を施さない他は、実施
例1と同様にして電子写真感光体を作成し、これを比較
例1の感光体とする。
【0041】比較例2および3 機械研磨を施さない他は、実施例1および実施例5と同
様にして電子写真感光体を作成し、これを比較例2、比
較例3の感光体とする。
【0042】比較例4および5 実施例1と同様にして作成した電子写真感光体を、あら
かじめ、ラッピングフィルム(富士写真フィルム(株)
製、研磨粒子粒径0.3μm、研磨粒子材質は酸化アル
ミニウムおよび同社製、研磨粒子粒径0.5μm、研磨
粒子材質は酸化クロムの2種類)で機械研磨した。作成
した電子写真感光体をそれぞれ比較例4の感光体、比較
例5の感光体とする。
【0043】比較例6および7 実施例5と同様にして作成した電子写真感光体を、あら
かじめ、ラッピングフィルム(富士写真フィルム(株)
製、研磨粒子粒径0.3μm、研磨粒子材質は酸化アル
ミニウムおよび同社製、研磨粒子粒径0.5μm、研磨
粒子材質は酸化クロムの2種類)で機械研磨した。作成
した電子写真感光体をそれぞれ比較例6の感光体、比較
例7の感光体とする。
【0044】比較例8および9 実施例1および5と同様にして作成した電子写真感光体
を、あらかじめ、ラッピングフィルム(富士写真フィル
ム(株)製、研磨粒子粒径60μm、研磨粒子材質は酸
化アルミニウム)でそれぞれ機械研磨した。作成した電
子写真感光体をそれぞれ比較例8の感光体、比較例9の
感光体とする。
【0045】実施例12〜15 実施例1と全く同様にして外径80mm、肉厚1.5m
m、長さ363mmのアルミニウム製シリンダ−上に
2.0μmの下引き層、0.15μmの電荷発生層、1
8μmの電荷輸送層、6.0μmの保護層を形成した。
【0046】さらに上記方法で作成した電子写真感光体
を表面の平均面粗さが0.1μm以上、5.0μm以下
の範囲に入るように、あらかじめ、ラッピングテ−プ
(富士写真フィルム(株)製、C=2000、研磨粒子
粒径8.0μm)にて機械研磨した。その時の当接圧が
それぞれ0.02kg/cm 、0.2kg/c
、2.0kg/cm 、9.0kg/cm
あるものをそれぞれ実施例12の感光体、実施例13の
感光体、実施例14の感光体、実施例15の感光体とす
る。
【0047】実施例16〜19 実施例12において、電荷輸送層にポリテトラフルオロ
エチレン微粒子(商品名ルブロンL−5、ダイキン工業
(株)製)2部を含み、かつ、保護層を塗布していない
他は、実施例12と同様にして電子写真感光体を作成し
た。
【0048】更に上記方法で作成した電子写真感光体を
表面の平均面粗さが0.1μm以上、5.0μm以下の
範囲に入るように、あらかじめ、ラッピングテ−プ(前
出)で機械研磨した。その時の当接圧がそれぞれ0.0
2kg/cm 、0.2kg/cm 、2.0kg
/cm 、9.0kg/cm であるものをそれぞ
れ実施例16の感光体、実施例17の感光体、実施例1
8の感光体、実施例19の感光体とする。
【0049】実施例20〜23 実施例12と同様にして作成した電子写真感光体を表面
の平均面粗さが0.1μm以上、5.0μm以下の範囲
に入るように、あらかじめ、ラッピングフィルム(住友
スリ−エム(株)製、研磨粒子粒径1.0μm)で機械
研磨した。その時の当接圧がそれぞれ0.02kg/c
、0.2kg/cm 、2.0kg/cm
、9.0kg/cm であるものをそれぞれ実施
例20の感光体、実施例21の感光体、実施例22の感
光体、実施例23の感光体とする。
【0050】実施例24〜27 実施例12と同様にして作成した電子写真感光体を表面
の平均面粗さが0.1μm以上、5.0μm以下の範囲
に入るように、あらかじめ、ラッピングフィルム(住友
スリ−エム(株)製、研磨粒子粒径40μm)で機械研
磨した。その時の当接圧がそれぞれ0.02kg/cm
、0.2kg/cm 、2.0kg/cm
9.0kg/cm であるものをそれぞれ実施例20
の感光体、実施例21の感光体、実施例22の感光体、
実施例23の感光体とする。
【0051】比較例10 保護層を設けず、かつ、機械研磨を施さない他は、実施
例12と同様にして電子写真感光体を作成し、これを比
較例10の感光体とする。
【0052】比較例11および12 機械研磨を施さない他は、実施例12および実施例16
と同様にして電子写真感光体を作成し、これを比較例1
1、比較例12の感光体とする。
【0053】比較例13および14 実施例12と同様にして作成した電子写真感光体を、あ
らかじめ、ラッピングフィルム(住友スリ−エム(株)
製、研磨粒子粒径1.0μmおよび40μmの2種類)
で機械研磨した。その時の当接圧は共に0.005kg
/cm であった。作成した電子写真感光体をそれぞ
れ比較例13の感光体、比較例14の感光体とする。
【0054】比較例15および16 実施例12と同様にして作成した電子写真感光体を、あ
らかじめ、ラッピングフィルム(住友スリ−エム(株)
製、研磨粒子粒径1.0μmおよび40μmの2種類)
で機械研磨した。その時の当接圧は共に12kg/cm
であった。作成した電子写真感光体をそれぞれ比較
例15の感光体、比較例16の感光体とする。
【0055】比較例17および18 実施例16と同様にして作成した電子写真感光体を、あ
らかじめ、ラッピングフィルム(住友スリ−エム(株)
製、研磨粒子粒径1.0μmおよび40μmの2種類)
で機械研磨した。その時の当接圧は共に0.005kg
/cm であった。作成した電子写真感光体をそれぞ
れ比較例13の感光体、比較例14の感光体とする。
【0056】比較例19および20 実施例16と同様にして作成した電子写真感光体を、あ
らかじめ、ラッピングフィルム(住友スリ−エム(株)
製、研磨粒子粒径1.0μmおよび40μmの2種類)
で機械研磨した。その時の当接圧は共に12kg/cm
であった。作成した電子写真感光体をそれぞれ比較
例19の感光体、比較例20の感光体とする。
【0057】耐久性およびクリ−ニング性 実施例1〜27の感光体および比較例1〜20の感光体
をキヤノン(株)製複写機カラ−レ−ザ−コピア−1
(CLC−1)を用いて評価した。その結果と各感光体
の初期状態の表面平均面粗さおよび摩擦係数を表1〜4
に示す。
【0058】表1〜4において摩擦係数の測定方法は以
下の方法による。測定器は図5に該略図として示したヘ
イドン製表面性試験機14型をドラム状の試料測定用に
改造した。符号6はサンプルを示すが、ドラム状、平板
状のサンプルのいずれも測定可能である。測定はウレタ
ンゴムブレ−ド7を用いる。ウレタンゴム(バンコラ
ン、バンド−化学(株)製)はゴム硬度65±3°、寸
法は幅5mm、長さ12mm、自由長8mm、厚さ2m
m(図6)、角度30°(図7)である。
【0059】荷重は10g、サンプル7が巻かれた試料
ドラムはウレタンゴムブレ−ド7と順方向で、母線方向
に動かす。この時の荷重を摩擦力として読み取る。ま
た、基準試料として25μmのポリエチレンテレフタレ
−ト(マイラ−)フィルムを用い、試料と同じ直径のシ
リンダ−に巻きつけて、全く同一の条件で摩擦力を測定
する。 により摩擦係数を算出する。
【0060】摩擦係数はポリエステルフィルム基準なの
で、多少の測定条件のバラツキには影響されない。ま
た、感光ドラムの直径にも影響されず、一定の値を示
す。次のような条件の範囲が許容される。 ウレタンゴム :硬度62〜72°、厚み
1〜5mm バンド−化学(株)の他、北辰ゴム(株)、東海ゴム
(株)など ポチエチレンテレフタレ−ト フィルム:厚み10〜50μm 東レ(株)(ルミラ−)、帝人(株)、デュポン(マイ
ラ−)など ドラム直径 :20〜160mm(ドラ
ムの径を変化させてもポリエステル基準の摩擦係数は変
化しない。
【0061】
【表1】
【表2】
【0062】表1および2に示すように、表面層中にフ
ッ素原子含有樹脂微粒子を含むことにより、耐久による
電子写真感光体の削れ量が減る(例えば比較例1に対
し、実施例1〜11)。
【0063】しかし、クリ−ニング性に関しては、電子
写真感光体の初期状態は該微粒子が結着剤にくるまれて
いるため、該感光体表面を機械研磨して該微粒子を該表
面に出現させなければクリ−ニングブレ−ドとの摩擦を
緩和することができず、設置時、クリ−ニングブレ−ド
のめくれなどの問題が生じてしまう(比較例2、3に対
し、実施例1〜11)。ちなみに比較例2の感光体の摩
擦係数(初期状態では1.6)は100枚コピ−をした
後では0.4まで下がり、以後、クリ−ニングブレ−ド
のめくれなどの問題は生じなかった。ただし、たとえ感
光体表面を予め機械研磨したとしても研磨粒子の粒径が
1.0μmよりも小さい場合には、機械研磨した効果が
ほとんど得られず、やはり、設置時クリ−ニングブレ−
ドのめくれなどの問題を引き起こしてしまう(比較例4
〜7)。また、逆に研磨粒子の粒径が50μmより大き
い粒子で機械研磨してしまうと、感光体表面が必要以上
に粗れてしまい、耐久により更に表面状態が粗れた時、
クリ−ニングブレ−ドからのトナ−のすり抜けによる画
像欠陥が生じてしまう(比較例8、9、コピ−1万枚
時、感光体の表面平均面粗さはそれぞれ6.0μm、
6.4μmであった)。
【0064】
【表3】
【表4】
【0065】表3および4に示すように、表面層中にフ
ッ素原子含有樹脂微粒子を含むことにより、耐久による
電子写真感光体の削れ量が減る(例えば比較例10に対
し、実施例12〜27)。
【0066】しかし、クリ−ニング性に関しては、電子
写真感光体の初期状態は該微粒子が結着剤にくるまれて
いるため、該感光体表面を機械研磨して該微粒子を該表
面に出現させなければクリ−ニングブレ−ドとの摩擦を
緩和することができず、設置時、クリ−ニングブレ−ド
のめくれなどの問題が生じてしまう(比較例11、12
に対し、実施例12〜27)。ちなみに比較例11の感
光体の摩擦係数(初期状態では1.6)は100枚コピ
−をした後では0.4まで下がり、以後、クリ−ニング
ブレ−ドのめくれなどの問題は生じなかった。ただし、
たとえ感光体表面を予め機械研磨したとしても研磨剤の
該感光体当接面に対する圧力が0.01kg/cm
よりも小さい場合には、機械研磨した効果がほとんど得
られず、やはり、設置時クリ−ニングブレ−ドのめくれ
などの問題を引き起こしてしまう(比較例13、14、
17、18)。また、逆に研磨剤の該感光体の当接面に
対する圧力が10kg/cm より大きい状態で機械
研磨してしまうと、感光体表面が必要以上に粗れてしま
い、繰り返し使用により更に表面状態が粗れた時、クリ
−ニングブレ−ドからのトナ−のすり抜けによる画像欠
陥が生じてしまう(比較例15、16、19、20)。
【0067】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体の製造方法は表
面層にフッ素原子含有樹脂微粒子を含有し、かつ、該感
光体表面を機械研磨することで電子写真感光体の耐久性
およびクリ−ニング性の向上が図れるわけであるが、そ
れだけではクリ−ニング性に問題が生じてしまうことか
ら、機械研磨における研磨粒子の粒径を特定すること、
または研磨剤の該感光体に対する当接圧を特定すること
により、クリ−ニング性が良好で、画像欠陥のない電子
写真感光体を製造できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリ−ニングブレ−ドの具体例を示す正面図A
および側面図Bである。
【図2】電子写真感光体へのクリ−ニングブレ−ドの順
方向の当接を示す概略説明図である。
【図3】電子写真感光体へのクリ−ニングブレ−ドのカ
ウンタ−方向の当接を示す概略説明図である。
【図4】クリ−ニングブレ−ドの反転状態を示す概略説
明図である。
【図5】摩擦係数測定器のヘイドン14型の概略図であ
る。
【図6】摩擦係数測定の際に用いたウレタンゴムブレ−
ドの形状を示す図である。
【図7】図5において、ウレタンゴムブレ−ドとサンプ
ルの接触部分を拡大した図である。
【図8】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【図9】電子写真装置をプリンタ−として使用したファ
クシミリのブロック図である。
【符号の説明】
1 弾性部材 2 支持体 3 電子写真感光体 4 クリ−ニングブレ−ド 5 サンプリ台 6 サンプル 7 ウレタンゴムブレ−ド 8 支柱 9 受皿 10 分銅 11 支持点 12 バランサ− 13 荷重変換器 14 モ−タ− 15 ホルダ−支持ア−ム 16 上部ホルダ− 17 下部ホルダ− 18 固定ビス 19 本発明により製造したドラム型感光体 19a軸 20 帯電手段 21 露光部 22 現像手段 23 転写手段 24 クリ−ニング手段 25 前露光手段 26 像定着手段 P 転写材 L 光像露光 27 画像読取部 28 コントロ−ラ 29 受信回路 30 送信回路 31 電話 32 回線 33 画像メモリ 34 CPU 35 プリンタコントロ−ラ 36 プリンタ−

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層および保護層を
    有し、少なくとも該表面層にはフッ素原子含有樹脂微粒
    子が含有された電子写真感光体の表面を0.1μm以
    上、5.0μm以下の平均表面粗さを持つように機械研
    磨する電子写真感光体の製造方法において、該機械研磨
    に使用する研磨粒子の粒径が1.0μm以上、50μm
    以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】導電性支持体上に感光層および保護層を有
    し、少なくとも該表面層にはフッ素原子含有樹脂微粒子
    が含有された電子写真感光体の表面を0.1μm以上、
    5.0μm以下の平均表面粗さを持つように機械研磨す
    る電子写真感光体の製造方法において、研磨材の該感光
    体当接面に対する圧力が0.01kg/cm 以上、
    10kg/cm 以下であることを特徴とする電子写
    真感光体の製造方法。 【0001】
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5733698A (en) * 1996-09-30 1998-03-31 Minnesota Mining And Manufacturing Company Release layer for photoreceptors
JP2000137343A (ja) * 1998-10-29 2000-05-16 Ricoh Co Ltd 感光体ドラム基体及び感光体ドラム基体の製造方法
JP2004117849A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法
JP2012203028A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ

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