JP3814463B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは製造効率に優れ、かつ環境安全性を配慮した上に優れた電子写真特性と画像品位を有した電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体は、無機系、有機系の大別の他、その層構成により単層型の電子写真感光体と積層型の電子写真感光体にも分けられる。いずれの電子写真感光体も、その製造方法として各種蒸着法や塗布液を用いた塗布法が用いられる。
【0003】
現在、電子写真感光体の主流となった有機電子写真感光体は、電荷発生材、電荷輸送材等の電子写真材料をバインダー樹脂、滑材、酸化防止剤、その他の添加剤と共に有機溶剤中に溶解、分散させて、塗布法により導電性支持体上に感光層塗膜として形成させる方法が一般的である。
【0004】
このような塗布液に求められる要件は幾つか挙げられるが、第一には電子写真材料、バインダー樹脂、滑材、酸化防止剤、その他の添加剤等の塗布液組成分を均一に溶解、分散していることである。次いで、前記均一な状態が安定であることである。また、この安定性には、材料を変質や劣化等させない要件も含まれる。更に、実際に塗布された際に適当な物理物性も求められる。即ち、塗膜が塗布された際に、ムラを起こさないように適切にセッティングすることや白化やユズ肌といった塗膜欠陥を起こさないことが重要である。
【0005】
これらの要件は、電子写真材料やバインダー樹脂、滑材、酸化防止剤、その他の添加剤等の材料そのものの性質や相性の影響も大きいが、塗布液に用いられる溶剤の物性にも大きく左右されるものである。
【0006】
即ち、溶剤の選択如何によっては、溶剤と材料間の溶解性、表面張力、粘度等の要因で塗布液の安定性はもとより、塗布された後の塗膜の特性、更に電子写真感光体において最も重要となる電子写真特性や画像特性に大きく影響するのである。
【0007】
一例を挙げれば、感光層を形成する電子写真材料とバインダー樹脂に対し同様に良好な溶解性を示す溶剤を用いても、溶剤種が異なることにより電子写真感光体としての光感度や残留電位に大きな差異を生じることが知られている。本来、電子写真感光体となってからは、感光層中に存在しない、又は存在してもごくわずかにある溶剤が電子写真感光体に大きく関与してくる所為である。
【0008】
また、溶剤と材料間での化学反応による組成変化も安定性の見地から注意すべき点である場合がある。溶剤の化学構造により、電子写真材料が分解、重合、結晶型変化等することは製造上の大きな制約となる。
【0009】
更に、主たる溶剤、即ち本発明における第一の溶剤の沸点如何によっては、塗布時の塗膜のセッティングが遅れ、塗膜が重力方向に流れ落ちる、通称「塗膜のタレ」が発生し、塗布域の広範にわたって均一な膜厚の塗膜を得ることが原則となる電子写真感光体にとっては不都合となっていた。
【0010】
従って、電子写真感光体塗布液は、塗膜を効率的に得ると言う目的からは必ずしも満足のできるものではなかった。例えば、特定のバインダー樹脂を用いる場合、溶剤の選定はその樹脂に対して良溶解性を示すものを第一の条件とし、更には、その樹脂と共に感光層を形成する電荷輸送材にも良溶解性を求められることは当然のことであった。従って、使用できる溶剤種は、限られたものになっていた。
【0011】
これらを更に電子写真感光体を製造の側面から見た場合、使用可能な溶剤が限られていることは、生産効率、製造コストの面からも制約になっており、更には、従来、良溶剤であっても年々厳しさを増す環境基準や化学安全基準に対し、一部のハロゲン系溶剤のように使用しづらい、又は使用すべきではない溶剤が増えつつあることも事実である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これら電子写真感光体が抱える生産効率や塗膜膜厚の均一性や製造コスト、更には、環境基準、化学安全基準に対する課題を高い次元で改善し、かつ優れた性能、画像品位を有す電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性支持体上に少なくとも電荷発生材と電荷輸送材とこれらを結着するバインダー樹脂からなる感光層を塗布により形成された電子写真感光体において、該塗布に用いる溶剤が2種以上であり、該溶剤の第一の溶剤が前記塗布液に含まれるバインダー樹脂及び電荷輸送材の双方に対し良好な溶解性を示し、第二以降の溶剤が前記バインダー樹脂及び電荷輸送材の双方に対し不溶性であって、かつ前記バインダー樹脂が下記構造式(1)及び(2)からなる繰り返し単位を有する化合物から選ばれた少なくとも1種が混合されていることを特徴とする電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
【0014】
【化5】
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
本発明で示す良好な溶解性とは、一般的な良溶媒のことを示し、特殊な操作をすること無しに常温で溶媒が溶質を溶かしきるか、又は25質量%以上の溶質を溶解する性質のものとする。また、不溶性とは、溶媒が溶質にとって貧溶媒のことを指し、溶質が常温では膨潤する程度、又は膨潤もしないか、又は25質量%未満の溶質しか溶解しない状態を指す。
【0017】
従来、電子写真感光体を塗布により製造する場合の溶剤は、良溶解性を示す溶剤のみから選出されてきた。これは、不溶性の溶剤を用いることにより電子写真特性が劣ったり、塗布液の安定性が低下することや、得られた塗膜にムラや白化、ユズ肌と言った塗膜欠陥が発生することを嫌ったことによる。これら従来より慣習的に選出されてきた溶剤の中には、今日の環境基準から見ると好ましくないものや使用量を削減すべき溶剤が多く含まれてきたのも事実である。
【0018】
本発明は、これらの課題を鑑み検討を加えたところ、上記のように電子写真材料に対し良好な溶解性を示す良溶媒と不溶性を示す貧溶媒を選出し、選出された良溶媒と貧溶媒とがお互いに溶解しあうことを条件とし、従来、発生してきた課題を克服した上で良好な電子写真特性と製造効率、そして環境安全性も考慮した電子写真感光体を製造することを成し得たものである。
【0019】
ここで言うところの製造効率とは、塗布時の塗布速度に起因するもので従来の溶剤の組合せに対し相対的に速やかに塗布できることを指す。このことは、第二の溶剤に用いている貧溶媒によるところが大きい。
【0020】
第一の溶剤に溶解されたバインダー樹脂や電子写真材料は、第二の溶剤であるところの貧溶媒を加えられることにより溶解分子鎖の絡み合いが弱まり、見掛け粘度の低下を起こす。これは、同量の良溶媒を加えた場合の固形分に応じた粘度からみて明らかに低下しており、貧溶媒を加えるほど粘度の低下率は大きくなる。更に、貧溶媒を加えると溶質であるところのバインダー樹脂や電子写真材料が溶けきれなくなり塗布液中より析出し出し、この時点で塗布液としては全く使えなくなる。また、それ以前の貧溶媒添加量であっても塗布後の塗膜乾燥時に溶質の析出現象が起こることがあり貧溶媒の種類、添加量は慎重に決められなければならない。
【0021】
本発明においては、第二以降の溶剤比率が全溶剤量に対し、5〜50質量%であることが好ましい。
【0022】
この適宜決められた貧溶媒の量以内では、前記の低下した粘度により浸漬塗布を例にとれば、所定の膜厚を得るための支持体引き上げ速度が上がることになり塗布速度、即ち製造タクトが上がることになる。
【0023】
溶剤としては、第一の溶剤がモノクロロベンゼンが好ましく、第二以降の溶剤がメチラール、酢酸エチル及びアセトンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0024】
次に、本発明に用いる電子写真感光体の感光層について説明する。
【0025】
本発明の感光層としての光導電層の構成は、電荷発生材料と電荷輸送材料の両方を含有させて導電性支持体上に塗布した単層型、あるいは電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層した積層型があり、いずれの層構成にも本発明は適応される。
【0026】
以下に、積層型の電子写真感光体を例にとって説明する。
【0027】
積層型の電子写真感光体の構成としては、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層したものと、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層したものがある。
【0028】
積層型の電子写真感光体の電荷輸送層は、主鎖又は側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン及びフェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物;インドール、カルバソール、オキサジアゾール及びピラゾリン等の含窒素環化合物;ヒドラゾン化合物及びスチリル化合物等の電荷輸送材料を成膜性を有する樹脂に溶解させた塗工液を用いて形成される。
【0029】
このような成膜性を有する樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル及びポリアリレート等が挙げられ、好ましくはポリカーボネート、ポリアリレート及びポリメタクリル酸エステル等である。電荷輸送層の厚さは、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μmである。
【0030】
積層型の電子写真感光体の電荷発生層は、スーダンレッド及びダイアンブル等のアゾ顔料;ピレン、キノン及びアントアントロン等のキノン顔料;キノシアニン顔料;ペリレン顔料;インディゴ及びチオインディゴ等のインディゴ顔料;及びフタロシアニン顔料等の電荷発生材料をポリビニルブチラール、ポリスチレン及びポリ酢酸ビニルアクリル等の樹脂に分散させてこの分散液を塗工するか、前記顔料を支持体表面に真空蒸着することによって形成する。このような電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.01〜3μmである。
【0031】
本発明においては、支持体と感光層の中間にバリヤー機能と接着機能を有する下引層を設けることができる。下引層は、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、アルコール可溶ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等によって形成できる。下引層の膜厚は0.1〜3μmが適当である。
【0032】
また、本発明における感光層の表面に傷、摩耗等の機械的な損傷を防止する意味で保護層を設けることも可能である。保護層を構成する材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポリアセタール、フェノール、アクリル、シリコーン、エポキシ、ユリア、アリル、アルキッド、ブチラール、フェノキシ及びホスファゼン等の樹脂、又はアクリル変性エポキシ、アクリル変性ウレタン及びアクリル変性ポリエステル樹脂等の熱硬化型樹脂や光硬化型樹脂、及び各種の電子線硬化型樹脂等が用いられる。保護層の膜厚としては0.2〜10μm程度が適当である。
【0033】
以上の各層に用いられる樹脂中には、クリーニング性や耐摩耗性等の改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素系グラフトポリマー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系ブロックポリマー、シリコーン系ブロックポリマー及びシリコーン系オイル潤滑剤等を含有させてもよい。また、保護層の抵抗制御の目的で、酸化スズ粉体や導電性酸化チタン粉体等を分散させてもよい。更に、耐候性を向上させる目的で、酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。
【0034】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を示す。
【0035】
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0036】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材7に、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段6により順次転写されていく。
【0037】
トナー画像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0038】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0039】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものを容器11に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
【0040】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0041】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0042】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は質量部を示す。
【0043】
(実施例1)
外径φ29.92mm、内径φ28.5mm、長さ257mmの円筒状アルミニウムシリンダーを用意した。
【0044】
まず、10質量%の酸化アンチモンを含有する酸化錫で被覆した導電性酸化チタン粉体200部、白色酸化チタン粉体200部、フェノール樹脂400部、1−メトキシ−2プロパノール400部及びメタノール100部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で分散して導電性下引層の塗工液を調製し、前記アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布し、140℃で30分間加熱乾燥させることにより、膜厚が15μmの導電性下引層を設けた。
【0045】
次に、ポリアミド(商品名:CM−8000、東レ(株)製)10部、メタノール100部及びブタノール80部を混合溶解した液を準備し、前記導電性下引層上に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が0.50μmの中間層を設けた。
【0046】
次に、CuKαの特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン顔料4部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM2積水化学工業株式会社製)2部及びシクロヘキサノン100部からなる混合液をサンドミルで8時間分散した後、酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用の分散液を調製した。この分散液を前記中間層上に浸漬塗布し、95℃で10分間加熱乾燥して電荷発生層を形成した。乾燥後の膜厚は175mg/m2であった。
【0047】
次に、下記構造式(4)の化合物9部、
【0048】
【化6】
【0049】
下記構造式(5)の化合物1部及び
【0050】
【化7】
【0051】
下記構造式(1)で示される繰り返し単位を有するビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(数平均分子量22000)10部
【0052】
【化8】
【0053】
をモノクロロベンゼン60部/メチラール20部の混合溶剤中に溶解した溶液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃の雰囲気で1時間加熱乾燥し、膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。この様に作製した電子写真感光体を本発明の実施感光体1とした。
【0054】
この塗布液の常温での粘度は、250センチポイズ(B型粘度計による)、電荷輸送層の膜厚25μmを得るための塗布速度は110mm/分であった。なお、構造式(4)と上記ポリカーボネート樹脂は、いずれもモノクロロベンゼンには良好に溶解し、一方、メチラール単独にはほとんど溶解しなかった。
【0055】
(実施例2)
実施例1におけるメチラールを酢酸メチルに置き換えた以外は、全く同様にして電子写真感光体を作製し、実施感光体2とした。この際、酢酸メチルを用いることにより、電荷輸送層を形成させる際の塗料粘度が235センチポイズとなり、乾燥後の電荷輸送層の膜厚25μmを得るための塗布速度が120mm/分となった。また、構造式(4)と上記ポリカーボネート樹脂は、酢酸メチル単独にはほとんど溶解しなかった。また、モノクロロベンゼンと酢酸メチルは、相互に良好に溶解した。
【0056】
(実施例3〜8)
実施例1及び実施例2に示した方法と同じ手法により溶剤の組合せのみを表1のように変え、それぞれ実施感光体とした。その際の電荷輸送層の塗料の粘度、え電荷輸送層25μmを得るための塗布速度を表1に示す。
【0057】
(比較例1〜3)
実施例1及び実施例2に示した方法と同じ手法により溶剤の組合せのみを本発明に該当しない表1のように変え、それぞれ比較感光体1〜3とした。その際の電荷輸送層塗料の粘度、電荷輸送層25μmを得るための塗布速度は、表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
(実施例9)
実施例1において、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂を下記構造式(2)の繰り返し単位を有するポリアリレート(重量平均分子量80000)に置き換えた以外は、全く同様にして電子写真感光体を作製し、実施感光体9とした。
【0060】
【化9】
【0061】
(実施例10)
実施例1において、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂と実施例9で用いたポリアリレートを1:1で混合した以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、実施感光体10とした。
【0062】
<評価結果>
評価は、得られた電子写真感光体をキヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:レーザーショットA404)に装着し、電子写真感光体の感度の測定(暗部電位−650Vとした際の明部電位)、及び実際の画像の画像品位を評価することにより行った。評価結果は、感度を表2に、画像品位を含め、塗布速度(製造効率)や感度も考慮に入れた総合的な考察を表3に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、実施例に示すとおり、製造効率を損なわずに、かつ環境安全性も配慮した上で、画像品位に優れた電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ容器
12 案内手段
Claims (8)
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生材と電荷輸送材とこれらを結着するバインダー樹脂からなる感光層を塗布により形成された電子写真感光体において、該塗布に用いる溶剤が2種以上であり、該溶剤の第一の溶剤が塗布液に含まれるバインダー樹脂及び電荷輸送材の双方に対し良好な溶解性を示し、第二以降の溶剤が前記バインダー樹脂及び電荷輸送材の双方に対し不溶性であって、該第一の溶剤がモノクロロベンゼンであり、該第二以降の溶剤がメチラール、酢酸メチル及びアセトンからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、かつ前記バインダー樹脂が下記構造式(1)及び(2)からなる繰り返し単位を有する化合物から選ばれた少なくとも1種が混合されていることを特徴とする電子写真感光体:
- 前記塗布液に用いる溶剤において、第二以降の溶剤がメチラールである請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記塗布液に用いる溶剤のうち、前記第二以降の溶剤比率が全溶剤量に対し5〜50質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも一つの手段と共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体にトナーで現像する現像手段、及び電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
- 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有している電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法は、電荷輸送材、バインダー樹脂、及び2種以上の溶剤を含んでいる塗布液を塗布することによって該電荷輸送層を形成する工程を含み、
該溶剤の第一の溶剤が該塗布液に含まれるバインダー樹脂及び電荷輸送材の双方に対し良好な溶解性を示し、第二以降の溶剤が前記バインダー樹脂及び電荷輸送材の双方に対し不溶性であって、該第一の溶剤がモノクロロベンゼンであり、該第二以降の溶剤がメチラール、酢酸メチル及びアセトンからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
且つ該バインダー樹脂が下記構造式(1)及び(2)からなる繰り返し単位を有する化合物から選ばれた少なくとも1種が混合されていることを特徴とする電子写真感光体の製造方法:
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