JP3690633B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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JP3690633B2 JP16445198A JP16445198A JP3690633B2 JP 3690633 B2 JP3690633 B2 JP 3690633B2 JP 16445198 A JP16445198 A JP 16445198A JP 16445198 A JP16445198 A JP 16445198A JP 3690633 B2 JP3690633 B2 JP 3690633B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置に関し、より詳しくは長寿命電子写真感光体に関する。
本発明の電子写真感光体およびそれを用いた電子写真プロセスは、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用される。
【0002】
【従来の技術】
近年電子写真複写機、電子写真プリンターなど高速化、小型化、高画質化に伴い感光体の高耐久化が要求されている。感光体の高耐久化は電子写真プロセスにおいて、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの反復過程で機械的、化学的作用を受け劣化する。機械的劣化は感光体の摩耗、傷、化学的劣化は発生するオゾンによるバインダー樹脂、電荷移動材の酸化劣化、および堆積物などによる画像劣化が発生する。また前記したように高速化、小型化に伴い感光体が小径化され電子写真プロセスでの使用条件は厳しくなり、特にクリーニング部ではゴムブレードが使用され十分にクリーニングするためにはゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされ、そのために感光体の摩耗、ゴムブレードのめくれ、ブレード鳴き(異音)が発生し、高画質化のためのトナー粒子の微粒化に伴いクリーニング不良が発生し、感光体からトナーの離型性向上が求められている。感光体も摩耗し電位変動、感度変動によるカラー画像の色バランスがくずれ色再現性に問題が発生するなどの不具合が生じる。このために感光体表面の摩擦係数を下げることが提案されている。
【0003】
表面潤滑性についてはフッ素化合物、ポリシロキサン化合物の界面活性剤の添加が多く提案されており、特にシリコーン化合物のグラフト重合体については特開昭61−95358号公報、特開昭61−189559号公報、特開昭62−75460号公報、特開昭62−205356号公報、特開平2−156246号公報、特開平5−323646号公報に記載されている、これら表面潤滑剤は表面の摩擦係数を下げるが、しかしバインダー樹脂、あるいは電荷移動材との相溶性が悪く塗膜が濁り透明性がなくなり塗膜中に多くは添加できない。したがって初期の繰り返し摺擦では効果のあるものの約1000回以上では摩擦係数が上昇し低摩擦化は持続せず感光体の摩耗、ブレードの巻き込み、異音が発生する。これは低摩擦セグメントのポリシロキサン鎖が表面に局在し膜中から早期に脱離していくためと思われる。膜中の低摩擦セグメントの濃度を上昇させることでバルク全体の低摩擦化は可能となるが塗膜の不透明性による光学的不具合で画質低下と残留電位の上昇による画像濃度の変動等が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、トリアリールアミン骨格をもつアクリルまたはメタクリルモノマーと末端アクリルまたはメタクリル変性ポリシロキサンとの共重合体を感光層の導電性基体より最も離れた表面側から少なくとも1層に含有させることにより、耐摩耗性を向上させ高画質を維持することを第一の目的とし、繰り返し使用してもクリーニング不良のない高感度、高耐久性電子写真感光体を提供することを第二の目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の下記一般式(1)、(3)、(4)で表わされるトリアリールアミン構造をもつアクリルまたはメタクリルエステルと下記一般式(2)の末端アクリルまたはメタクリル変性ポリシロキサンの共重合体を含む電子写真感光体により達成され、感光層中に低摩擦セグメント部多量添加による透明性の確保と残留電位上昇防止が図られる。
【0006】
【化5】
Figure 0003690633
【0007】
【化6】
Figure 0003690633
式中R1は水素、メチル基、Ar1はアリレン基を表わし、Ar2、Ar3は同一または異なる置換若しくは無置換のアリール基を表わす。nは0〜2の整数、R2は水素、メチル基を表わし、R3、R4、R5、R6、R7はアルキル基、フェニル基を表わし、lは0または6までの整数、jは0または1、mは10〜1000を表わす。
【0008】
ここで一般式(1)としてAr1のアリレン基はアリール基の2価基を表わし、その具体例としてはフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基を挙げることができる。Ar2、Ar3のアリール基は置換若しくは無置換の同一であっても異なってもよい。その具体例としてはフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、ビフェニル基、または次の一般式の基を挙げることができる。
【0009】
【化7】
Figure 0003690633
ここで、Wは
【0010】
【化8】
Figure 0003690633
【0011】
【化9】
Figure 0003690633
【0012】
【化10】
Figure 0003690633
【0013】
【化11】
Figure 0003690633
【0014】
【化12】
Figure 0003690633
を表わす。
【0015】
(上記式中のアルキル基としては、好ましくはC1〜C12、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、R11は水素、アルキル基、アリール基、ここでアルキル基はC1〜C12、好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、アリール基はフェニル基、ナフチル基、2−フルオレニル基、ビフェニル基を表わす。)
【0016】
【化13】
Figure 0003690633
式中R8は水素、メチル基、Ar4はアリレン基、Ar5、Ar6は同一または異なる置換、若しくは無置換のアリール基を表わし、pは1〜2の整数を表わす。
【0017】
ここで一般式(3)としてAr4のアリレン基はアリール基の2価基を表わし、その具体例としてはフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基を挙げることができる。Ar5、Ar6のアリール基は置換若しくは無置換の同一であっても異なってもよい。具体例としてフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、ビフェニル基、または次の一般式の基を挙げることができる。
【0018】
【化14】
Figure 0003690633
ここで、Wは
【0019】
【化15】
Figure 0003690633
【0020】
【化16】
Figure 0003690633
【0021】
【化17】
Figure 0003690633
【0022】
【化18】
Figure 0003690633
【0023】
【化19】
Figure 0003690633
を表わす。
【0024】
(上記式中のアルキル基は、好ましくはC1〜C12、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、R21は水素、アルキル基、アリール基、ここでアルキル基はC1〜C12、好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、アリール基はフェニル基、ナフチル基、2−フルオレニル基、ビフェニル基を表わす。)
【0025】
【化20】
Figure 0003690633
式中R9は水素、メチル基、Ar7はアリレン基、Ar8、Ar9は同一または異なる置換、若しくは無置換のアリール基を表わし、qは1〜4の整数を表わす。
【0026】
ここで一般式(4)の具体例としてAr7のアリレン基はアリール基の2価基 が挙げられ、フェニル基、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基を表わす。Ar8、Ar9のアリール基は置換若しくは無置換の同一であっても異なってもよい。具体例としてフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、ビフェニル基、または次の一般式の基を挙げることができる。
【0027】
【化21】
Figure 0003690633
ここで、Wは
【0028】
【化22】
Figure 0003690633
【0029】
【化23】
Figure 0003690633
【0030】
【化24】
Figure 0003690633
【0031】
【化25】
Figure 0003690633
【0032】
【化26】
Figure 0003690633
を表わす。
【0033】
(上記式中のアルキル基は、好ましくはC1〜C12、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、R31は水素、アルキル基、アリール基、ここでアルキル基はC1〜C12、好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、アリール基はフェニル基、ナフチル基、2−フルオレニル基、ビフェニル基を表わす。)
【0034】
具体例が下記表1に示されるが下記記載のものに限定されるものでない。
【0035】
【表1−1】
Figure 0003690633
【0036】
【表1−2】
Figure 0003690633
【0037】
【表1−3】
Figure 0003690633
【0038】
【表1−4】
Figure 0003690633
【0039】
【表1−5】
Figure 0003690633
【0040】
本発明で用いる末端アクリル変性ポリシロキサンは特開昭58−167606号公報、特開昭59−126478号公報に記載されている方法で合成される。また市販品としても末端アクリル変性ポリシロキサンは信越化学工業(株)からX−22−174DX、及び東レ・ダウコーニング(株)からBX16−192、及びHU−050の商標で市販されている。これらはポリシロキサン鎖長を制御することが可能である。
【0041】
本発明で用いるトリアリールアミン構造をもつアクリル、あるいはメタクリル化合物は特開平5−202135号公報に記載されており、これらモノマーと末端アクリル変性ポリシロキサンとの共重合も可能である。本発明の更なる向上の一つはトリアリールアミン構造とアクリロイル基の置換されたフェニル基がオレフィン結合で連結され移動サイト部が広がり移動度の向上が見込まれることである。
【0042】
これらトリアリールアミンモノマーとシロキサンモノマーは任意に共重合比率を変えて重合ができる。重合はトルエン溶媒を用いて、開始剤はアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物、あるいは過酸化ベンゾイルなどの過酸化物を用いて窒素気流下反応させ、反応終了後は再沈し個体としてとりだせる。トリアリールアミン部の共重合比率が多いとそのままバインダー樹脂、例えばポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどと伴にクリアに成膜できる。またシロキサンモノマーの比率が高い場合は従来の分子分散型に添加剤として使用される。この場合も低分子輸送材との相溶性がよくバインダー樹脂、輸送材、シロキサン共重合体でバルク全体に均一に混合分散される。特開平9−319120号公報記載の高分子電荷輸送材にも添加でき、トリアリールアミンが相溶サイトとなり高分子輸送材中にも均一分散しバルク全体にシロキサン鎖が分散する。共重合体は共重合比率と添加量とで感光層中シロキサン濃度を変えられる。シロキサン濃度は摩擦係数を変動させる。
【0043】
本発明の感光体について述べる。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを使用することができる。
【0044】
本発明における感光層は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは説明の都合上、まず積層型について述べる。
はじめに、電荷発生層について説明する。電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0045】
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0046】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0047】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
本発明の感光体の電荷発生層には正孔輸送物質を含ませることができ、正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0048】
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
【0049】
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系若しくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0050】
次に、電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層は、本発明のトリアリールアミン−シロキサン共重合体は電荷移動機能があり、それ自体をバインダー樹脂と伴に溶解、塗工し電荷輸送層とし使用でき、バインダー樹脂としてはフィルム性の良いポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステル、メタクリル樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、などが用いられる。これらのバインダーは、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0051】
従来の分子分散電荷輸送層には本発明共重合体は添加剤として使用され、シロキサンを1〜10重量%の濃度割合で添加することで層中全体に分散する。この場合は電荷輸送層中の輸送サイト濃度40%wt以上あれば良く本発明のシロキサン共重合体を添加すると低分子輸送物質濃度が下げられフィルム強度がはかられる利点がある。電荷輸送層に使用される低分子電荷輸送物質は、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭52−139065号公報、特開昭52−139066号公報に記載)イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体(特願平1−77839号公報に記載)、ベンジジン誘導体(特公昭58−32372号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭57−73075号公報に記載)、ヒドラゾン誘導体(特開昭55−154955号公報、特開昭55−156954号公報、特開昭55−52063号公報、特開昭56−81850号公報などに記載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭51−10983号公報に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51−94829号公報に記載)、スチリル誘導体(特開昭56−29245号公報、特開昭58−198043号公報に記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58−58552号公報に記載)、ピレン誘導体(特願平2−94812号公報に記載)などを挙げることができ、これらを本発明共重合体及び上記バインダー樹脂と共に併用することができる。
【0052】
また、高分子電荷輸送層を用いることが特開平9−319120号公報に記載されているが、本発明の共重合体はこれら高分子輸送層にも1〜10%添加され電荷輸送層全体を摩擦係数が下げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0053】
また、本発明において電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
【0054】
次に、感光層が単層構成の場合の本発明について述べる。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くは電荷発生物質と低分子ならびにバインダー樹脂よりなる機能分離型のものが挙げられる。すなわち、電荷発生物質ならびに電荷輸送物質には前出の材料を用いることができる。
【0055】
また、必要により可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。更に必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層として挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層として挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0056】
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と感光層(積層タイプの場合には、電荷発生層)との間に下引き層を設けることができる。下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考慮して、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の場合と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0057】
さらに、本発明の下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用し、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層にはAl23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0058】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
【0059】
モノフェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど。
【0060】
ビスフェノール系化合物
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
【0061】
高分子フェノール系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
【0062】
パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0063】
ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0064】
有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0065】
有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0066】
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品として容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0067】
(合成例)
モノマー合成は、特開平5−202135号公報に記載されている方法を用いた。
▲1▼4−ジ(p−トリル)アミノ−3’−ヒドロキシスチルベン
4−ジ(p−トリル)アミノ−3”−メトキシスチルベン18.7g(0.046mol)、エタンチオールナトリウム塩11.6g(0.138mol)、DMF80mlを200ml三口フラスコに取り、120〜130℃で5時間反応した。冷却後反応液を水400ml中に注ぎ、塩酸で酸性にした。析出物を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで脱水し、その後酢酸エチルを減圧下蒸発させ残留オイルをシリカゲル、トルエン:酢酸エチル=4:1vol.混合溶媒でカラムクロマト分離した。オイル状 黄橙色12gを得た。I.Rν OH3550cm-1
【0068】
▲2▼3−メタクロイルオキシ−4’−ジ(p−トリル)アミノスチルベン
上記OH体12g(0.0306mol)をジオキサン50mlに溶解し、その中に水酸化ナトリウム1.84gを水10mlに溶解した水溶液を加え9℃に冷却した中にメタクリル酸クロライド4.8gを30分で滴下し、1時間反応した。その後反応液を300mlの水中に注ぎトルエン300mlで抽出し、硫酸マグネシウムで脱水、溶媒除去後シリカゲル、トルエンでカラムクロマトで分離した。収量11.5g I.R ν3550cm-1の消失、1740cm-1にC=O、950cm-1に=CH2の吸収が発現した。
【0069】
▲3▼共重合
▲2▼のトリアリールアミンアクリルモノマー10g、片末端アクリル変性ポリシロキサン(BX16−192 東レ・ダウ社製)5g、トルエン35g、アゾビスジメチルバレロニトリル0.1gを100ml四つ口フラスコにとり、窒素気流中65℃で7時間反応した。反応後冷却、トルエンで希釈し1Lメタノールで析出させた。GPCの結果ポリスチレン換算分子量Mw43000であった。この共重合体No.1のI.R吸収スペクトルチャートは図1に示される。
【0070】
▲4▼N[4−(4−ヒドロキシスチリル)−フェニル]−N−フェニル−α−フェニルスチルベン−4’−アミンの合成
メトキシ体27.8g、エタンチオールナトリウム塩12.6g、DMF100mlを三口フラスコにとり120〜130℃で5時間反応させた。冷却後水中に注ぎ、塩酸で酸性にし析出物を濾別し、水200mlで2回洗浄後乾燥した。この粗製物をシリカゲル、トルエン:酢酸エチル=4:1volカラムクロマトで分離し、溶媒除去後黄色オイルにエタノールを加え晶析させた。これを濾取し乾燥 収量19.7g I.R νOH 3550cm-1
【0071】
▲5▼N[4−(4−メタクロイルオキシスチリル)フェニル]−N−フェニル−α−フェニルスチルベン−4’−アミンの合成
▲4▼のヒドロキシル体15g(0.028mol)、ジオキサン100ml、水酸化ナトリウム1.71gの水10ml溶液を三口フラスコに取り、5〜8℃に冷却、撹拌下メタクロイルクロライド4.4gを10分間で滴下し、その後3時間反応した。その後反応液を水500ml中に注ぎ、トルエンで有機分を抽出し、トルエン溶液を水200mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水後溶媒を留去してシリカゲル、トルエンでカラムクロマトしてモノマーを得た。収量14.2g
【0072】
▲6▼共重合
▲5▼のモノマー5.4g、末端アクリル変性シリコーンオイル(信越化学社製X−22−174DX)0.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル0.1g、トルエン14gを四つ口フラスコにとり、窒素気流下65℃で7時間反応した。反応後、トルエンで希釈、冷却しメタノール中に滴下し晶析させた。収量5.42g ポリスチレン換算分子量Mw46000であった。この共重合体をNo.5共重合体とした。この共重合体No.5のI.R吸収スペクトルチャートは図4に示される。
【0073】
このようにトリアリールアミン構造をもつアクリルモノマーは合成され、また重合体も得られる。
共重合体は表1のモノマーNoとシロキサンモノマーで行ない以下の表2に示した。また共重合比率は以下の重量割合で重合した。共重合体No.3、共重合体No.4、共重合体No.6、共重合体No.7、共重合体No.8のI.R吸収スペクトルチャートは、それぞれ、図2、図3、図5、図6、図7に示される。
【0074】
【表2】
Figure 0003690633
これら共重合体は全てポリスチレン換算分子量Mw4〜5万の範囲の重合体で得られた。
【0075】
【実施例】
(実施例1)
φ30mmアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感光体を得た。
【0076】
[下引き層用塗工液]
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
【0077】
[電荷発生層用塗工液]
オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2部
テトラヒドロフラン 50部
【0078】
[電荷輸送層用塗工液]
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製 Mv5万) 10部
No.2の共重合体 10部
塩化メチレン 100部
【0079】
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記表の共重合体の電荷輸送層を実施例1と同様に設けた(表3)。
【0080】
【表3】
Figure 0003690633
【0081】
(比較例1)
実施例1と同様に下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層を設けた。
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製 Mv5万) 10部
下記に示す化合物 10部
【0082】
【化27】
Figure 0003690633
【0083】
1%塩化メチレン溶液のシリコーンオイル 0.1部
(信越化学社製 KF50)
塩化メチレン 100部
【0084】
(比較例2)
実施例1と同様に下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層を設けた。
ポリスチレン(電化社製 HRM) 10部
下記に示す化合物 10部
【0085】
【化28】
Figure 0003690633
【0086】
1%塩化メチレン溶液のシリコーンオイル 0.1部
(信越化学社製 KF50)
塩化メチレン 100部
【0087】
(比較例3)
実施例1と同様に下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層を設けた。
ポリカーボネートA(帝人化成社製 C1400) 10部
下記に示す化合物 10部
【0088】
【化29】
Figure 0003690633
【0089】
1%塩化メチレン溶液のシリコーンオイル 0.1部
(信越化学社製 KF50)
塩化メチレン 100部
【0090】
(比較例4)
実施例1と同様に下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層を設けた。
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製 Mv5万) 10部
下記に示す化合物 10部
【0091】
【化30】
Figure 0003690633
【0092】
1%塩化メチレン溶液のシリコーンオイル 0.1部
(信越化学社製 KF50)
塩化メチレン 100部
【0093】
以上のように作製した実施例1〜4および比較例1〜4の電子写真感光体を実装用にした後、以下のようにして評価を行なった。
[実機ランニング特性評価方法]
市販電子写真複写機イマジオMF200[(株)リコー製]により、それぞれの感光体について1万枚までの通紙試験を行なった。通紙試験中および通紙試験後に感光体の、画像品質特性、感光層摩耗量の評価を適時行なった。
暗部電位:各感光体の表面電位を初期850Vになるように調製した
明部電位:各感光体の表面電位を初期80Vになるように調製した
画像品質:ベタ濃度、細線再現性、異常画像等総合的に評価
摩耗量 :実機ランニングによる感光層膜厚減少量
摩擦係数の試験法はオイラーベルト法で行なった。
評価結果を表4に示す。
【0094】
【表4】
Figure 0003690633
【0095】
実施例1〜4は摩擦係数の上昇は低くおさえられ、摩耗量も小さくおさえられ、バインダー樹脂がポリカーボネートZ樹脂は摩耗量の減少が確認されなかった。ブレードとの異音もなかった。比較例の摩擦係数は大巾に上昇した。バインダー樹脂がポリスチレンは摩耗量が大きく、ブレードでの異音が発生し、画像で地汚れが発生した。またこの複写機はローラー帯電方式であり、ローラーがトナーで汚れるが実施例は汚れ度合いが比較例と比べると大巾に改善され残留トナーのクリーニング性、感光体からの離型性がよいことがうかがえる。
【0096】
(実施例5)
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層液を塗工し実施例1と同様に設けた。
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製 Mv5万) 10部
下記に示す化合物 7部
【0097】
【化31】
Figure 0003690633
No.5共重合体 3部
塩化メチレン 100部
【0098】
(実施例6)
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層液を塗工し実施例1と同様に設けた。
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製 Mv5万) 10部
下記に示す化合物 7部
【0099】
【化32】
Figure 0003690633
No.1共重合体 3部
塩化メチレン 100部
【0100】
(実施例7)
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層液を塗工し実施例1と同様に設けた。
ポリスチレン樹脂(HRM、電化社製) 10部
下記に示す化合物 7部
【0101】
【化33】
Figure 0003690633
No.3共重合体 3部
塩化メチレン 100部
【0102】
(実施例8)
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層液を塗工し実施例1と同様に設けた。
ポリメチルメタクリレート樹脂(BR88、三菱レーヨン) 10部
下記に示す化合物 7部
【0103】
【化34】
Figure 0003690633
No.7共重合体 3部
塩化メチレン 100部
【0104】
比較例は共重合体を除いたものとした。このように作製した感光体を実施例1と同様に実機試験を行なった。その結果を表5に示した。
【0105】
【表5】
Figure 0003690633
分子分散型電荷輸送層においても本発明の共重合体の添加は摩擦係数の上昇を抑え、摩耗量を低減するのに効果がある。
【0106】
(実施例9)
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層液を塗工し実施例1と同様に設けた。
下記に示す化合物 10部
【0107】
【化35】
Figure 0003690633
No.6共重合体 4部
塩化メチレン 100部
【0108】
(実施例10)
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層液を塗工し実施例1と同様に設けた。
下記に示す化合物 10部
【0109】
【化36】
Figure 0003690633
No.4共重合体 4部
塩化メチレン 100部
【0110】
(実施例11)
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層液を塗工し実施例1と同様に設けた。
下記に示す化合物 10部
【0111】
【化37】
Figure 0003690633
No.3共重合体 2部
塩化メチレン 100部
【0112】
(実施例12)
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層液を塗工し実施例1と同様に設けた。
下記に示す化合物 10部
【0113】
【化38】
Figure 0003690633
No.8共重合体 2部
塩化メチレン 100部
【0114】
比較例は共重合体を除いたものとした。このように作製した感光体を実施例1と同様に実機試験を行なった。その結果を表6に示した。
【0115】
【表6】
Figure 0003690633
【0116】
高分子輸送材に添加しても摩擦係数が低減した。摩耗は認められなかったが比較例11、12ではブレードによる異音が発生したが、実施例11、12では異音は発生しないことから摩擦係数の低減による効果といえる。
【0117】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は1万枚の耐久試験において表面潤滑性に優れ、かつ持続性に優れ、耐摩耗性の向上、クリーニング性向上、ブレードの巻き込み、異音のないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】No.1共重合体のIR吸収スペクトルチャートである。
【図2】No.3共重合体のIR吸収スペクトルチャートである。
【図3】No.4共重合体のIR吸収スペクトルチャートである。
【図4】No.5共重合体のIR吸収スペクトルチャートである。
【図5】No.6共重合体のIR吸収スペクトルチャートである。
【図6】No.7共重合体のIR吸収スペクトルチャートである。
【図7】No.8共重合体のIR吸収スペクトルチャートである。

Claims (7)

  1. 導電性基体上に感光層を有する電子写真感光体において、導電性基体より最も離れた表面側から少なくとも1層に、トリアリールアミン構造をもつアクリル、またはメタクリル化合物と片末端アクリル、またはメタクリル変性ポリシロキサン化合物との共重合体を含有した電子写真感光体。
  2. 前記、共重合体のトリアリールアミン構造をもつアクリル、またはメタクリル化合物は一般式(1)で示され、片末端アクリル、またはメタクリルポリシロキサン化合物は一般式(2)で示される共重合体であることを特徴とした請求項1記載の電子写真感光体。
    Figure 0003690633
    Figure 0003690633
    式中R1は水素、メチル基、Ar1はアリレン基を表わし、Ar2、Ar3は同一または異なる置換若しくは無置換のアリール基を表わす。nは0〜2の整数、R2は水素、メチル基、R3、R4、R5、R6、R7はアルキル基、フェニル基を表わし、lは0または6までの整数、jは0または1、mは10〜1000を表わす。
  3. 前記一般式(2)の片末端アクリル、またはメタクリルポリシロキサン化合物と共重合されるトリアリールアミン構造をもつアクリル、あるいはメタクリル化合物が、一般式(3)で示される請求項1記載の電子写真感光体。
    Figure 0003690633
    式中R8は水素、メチル基、Ar4はアリレン基、Ar5、Ar6は置換、無置換の同一若しくは異なったアリール基を表わし、pは1または2を表わす。
  4. 前記一般式(2)の片末端アクリル、またはメタクリルポリシロキサン化合物と共重合されるトリアリールアミン構造をもつアクリル、あるいはメタクリル化合物が、一般式(4)で示される請求項1記載の電子写真感光体。
    Figure 0003690633
    式中R9は水素、メチル基、Ar7はアリレン基、Ar8、Ar9は同一または異なる置換若しくは無置換のアリール基を表わす。qは1〜4の整数を表わす。
  5. 前記トリアリールアミン含有アクリル、またはメタクリルモノマーと末端変性アクリル、またはメタクリルポリシロキサン化合物との共重合体とバインダー樹脂からなる請求項1記載の電子写真感光体。
  6. 前記トリアリールアミン含有アクリル、またはメタクリルモノマーと末端変性アクリル、またはメタクリルポリシロキサン化合物との共重合体と低分子電荷輸送材とバインダー樹脂からなる請求項1記載の電子写真感光体。
  7. 前記トリアリールアミン含有アクリル、またはメタクリルモノマーと末端変性アクリル、またはメタクリルポリシロキサン化合物との共重合体と高分子電荷輸送材からなる請求項1記載の電子写真感光体。
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