JPH08334907A - 電子写真感光体バインダー用ポリエステル樹脂 - Google Patents

電子写真感光体バインダー用ポリエステル樹脂

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JPH08334907A
JPH08334907A JP16472895A JP16472895A JPH08334907A JP H08334907 A JPH08334907 A JP H08334907A JP 16472895 A JP16472895 A JP 16472895A JP 16472895 A JP16472895 A JP 16472895A JP H08334907 A JPH08334907 A JP H08334907A
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JP
Japan
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polyester
binder
polyester resin
molecular weight
compound
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Application number
JP16472895A
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English (en)
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Mitsuhisa Igarashi
光永 五十嵐
Mina Kubo
三奈 久保
Kenji Yao
健二 八百
Kazuro Sakurai
和朗 櫻井
Michiaki Fuji
通昭 藤
Yukio Horikawa
幸雄 堀川
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属製ドラムや導電層を表面に形成したポリエ
チレンテレフタレートフィルム等の支持体上に電荷発生
層と電荷輸送層とを有する電子写真感光体に使用される
バインダー樹脂に関するものである。 【構成】ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
と、ジオールからなるポリエステル樹脂であって、ジオ
ールが、一般式(1)又は(2) 【化1】 【化2】 (nは0以上の整数、mは1以上の整数である。R1
2 、R3 及びR4 は水素または炭素数1から4のアル
キル基、アリール基、アラルキル基であり、同じであっ
ても異なっていてもよい。)で表される含フッ素ジオー
ルの少なくとも1つを含むものである、電子写真感光体
バインダー用ポリエステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製ドラムや導電層
を表面に形成したポリエチレンテレフタレートフィルム
等の支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する電子
写真感光体に使用されるバインダー樹脂に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンター用感光体として用い
られている有機感光体(OPC)は、操作性、安定性お
よび経済性に優れていることから、現在の情報化社会を
支える重要な画像再生印刷技術として、驚異的な進歩を
遂げてきた。現在実用化されているOPC感光体は、初
期のタイプを除いて電荷発生部分と電荷輸送部分を分離
した機能分離型である。この機能分離型の感光体は電荷
発生材料の状態により大きく2つに分類される。1つは
電荷発生材料と電荷輸送材料が単一感光体層中に溶解ま
たは分散されている単層型感光体であり、他の1つは電
荷発生層と電荷輸送層とが別々の層に分離され、積層さ
れている積層型感光体である。
【0003】これらの感光体はその使用に際して、露
光、トナー付着、転写、残留トナーの除去のプロセスを
繰り返す。このプロセスの中で感光体表面には摩擦によ
り傷や磨耗が生じ、この結果、感度の低下や転写ムラな
どの問題が生ずる。そのため、耐磨耗性の改良がOPC
においては重要な課題となっている。この問題を解決す
る手段として、例えば出光技報(Vol.36,224
項、1993年)や特公平2−52257号等に述べら
れている様に、バインダー樹脂を改良することが提案さ
れている。しかしながら、実用上十分な耐磨耗性が確保
されるには至っていない。
【0004】OPC用バインダーに要求される特性は、
上述の耐磨耗性と共に、(1)色素の分散性が高く、
(2)有機溶媒への溶解性に優れ、溶液の粘度が低いこ
と、(3)ひび割れ等の劣化が生じないこと、(4)電
気的感度が良く、電荷移動材/バインダー比が小さく出
来ること、および(5)感光体表面へのトナーの付着
(フィルミング現象)がないこと、などである。一般
に、樹脂の分子量を上げると耐磨耗性が改良されること
が知られているが、高分子量になると上述の(2)の性
能が劣り、生産に困難が生ずる等、これらすべての特性
を満足する樹脂はなく、目的に応じて使い分けざるを得
ないのが現状である。
【0005】特開平3−84554号公報や特公昭56
−39552号公報などに記載されているように、フッ
素を含有する高分子の微粒子を感光体中に分散させる方
法や、フッ素を含有するモノマーを共重合したポリカー
ボネイト系バインダー樹脂が提案されているが、塗膜強
度が低下するなど繰り返し使用に対する耐久性の点で未
だ不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる従
来技術の諸欠点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を
完成したものである。その目的とするところは、(1)
耐磨耗性が高く、(2)色素の分散性が高く、(3)有
機溶媒への溶解性に優れ、溶液の粘度が低く、(4)ひ
び割れ等の劣化が生じず、(5)電気的感度が良く、電
荷移動材/バインダー比が小さく出来る、(6)フィル
ミング現象のない、OPC用バインダーに適したポリエ
ステル樹脂を提供することにある。さらに他の目的は、
工業的に容易に且つ安価に製造できるOPC用バインダ
ーに適したポリエステル樹脂を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した本発明の目的
は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジ
オールからなるポリエステル樹脂であって、ジオール
が、一般式(1)または(2)
【化6】
【化7】 (nは0以上の整数、mは1以上の整数である。R1
2 、R3 およびR4 は水素または炭素数1から4のア
ルキル基、アリール基、アラルキル基であり同じであて
っも異なっていてもよい。)で表される含フッ素ジオー
ルの少なくとも1つを含むものである、電子写真感光体
バインダー用ポリエステル樹脂、および、該ポリエステ
ル樹脂であって、ジオールが一般式(3)、(4)また
は(5)で表される芳香族系ジヒドロキシ化合物のうち
少なくとも1つを含むものである、電子写真感光体バイ
ンダー用ポリエステル樹脂により達成される。
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。一般式
(1)または(2)
【化8】
【化9】 で表される含フッ素ジオール化合物をポリエステルの共
重合成分として使用することが本発明の鍵となる部分で
ある。フッ素原子を有するポリエステルをバインダーに
用いることにより理由は定かでないが、OPCドラムと
しての耐磨耗性が向上し、さらにフィルミング現象が抑
制される。
【0009】本発明において用いられる、一般式(1)
で表される含フッ素脂肪族ジオール化合物の炭素数の数
(m+2×n)は特に限定をされるものではないが、当
該化合物の製造し易さ等より通常、1〜100の範囲が
好ましく、さらに好ましくは1〜50、特に好ましく
は、1〜10の範囲である。
【0010】一般式(1)で表される含フッ素脂肪族ジ
オール化合物の具体例としては、テトラフルオロエタン
−1,2−ジオール、2,2−ジフルオロプロパン−
1,3−ジオール、パーフルオロブタン−1,4−ジオ
ール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7−ドデカフルオロオクタン−1,8−ジオール、2,
2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタン−1,5
−ジオール、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタ
フルオロオクタン−1,8−ジオール、1H,1H,1
0H,10H−パーフルオロデカン−1,10−ジオー
ル、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8−テトラデカフルオロノナン−1,9−ジオ
ール、2,2,3,3−テトラフルオロブタン−1,4
−ジオール、などが例示されるが、これらに限るもので
はない。
【0011】本発明において用いられる、一般式(2)
で表される含フッ素芳香族ジオール化合物として、例え
ば、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−
メチル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−エチル−4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ヘキサフルオロ
プロパン等の化合物が例示されるが、これらに限られる
わけではない。上述の含フッ素脂肪族ジオール化合物と
含フッ素芳香族ジオール化合物は、それぞれ単独で用い
ても良いし、必要に応じて2種以上用いても良い。
【0012】全ジカルボン酸の合計に対する当該含フッ
素ジカルボン酸化合物の割合は、目的とするOPCによ
り適宜変えられるが、通常は1モル%以上が好ましく、
さらに好ましくは3モル%以上、最も好ましくは10モ
ル%以上である。
【0013】本発明のポリエステル樹脂に供するジカル
ボン酸としては、湯木和男編集の飽和ポリエステル樹脂
ハンドブックに記載されているような、ポリエステルの
製造に使用されるものであればいずれでもよい。このよ
うなジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフ
タレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタ
レンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2’−ビフェニ
ルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸、9,9−ビス(4
−カルボキシフェニレン)フルオレン等の芳香族ジカル
ボン酸、またはコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、デカメチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカル
ボン酸が挙げられる。
【0014】上記ジカルボン酸のエステル形成性誘導体
としては、アルキルエステル等が挙げられる。
【0015】本発明において、一般式(3)で表される
フルオレン系ジヒドロキシ化合物としては、例えば、
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ
メチルフェニル]フルオレン等、フルオレン骨格を有す
るジヒドロキシ化合物が挙げられ、これらは単独または
2種類以上を組み合わせて使用しても良い。これらの中
でも9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]フルオレンが入手が容易という点で好ましい。
【0016】本発明において、一般式(4)で表される
ジヒドロキシ化合物としては、アルカノンにフェノール
類を付加して得られる化合物で、例えば、2,2−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−プロパ
ン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3,5−ジメチルフェニル]−プロパン、2,2−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−4−メ
チルペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−3−メチルフェニル]−4−メチルペンタ
ン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3,5−ジメチルフェニル]−4−メチルペンタン、
2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−
エチルフェニル]−4−メチルペンタン、2,2−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−3−
メチルブタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−3,5−ジメチルフェニル]−3−メチルブ
タン等である。これらは単独または2種類以上を組み合
わせて使用しても良い。
【0017】これらの中でも、安価に入手可能な2,2
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−
プロパン、耐摩擦性に優れる2,2−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル]−4−メチルペンタ
ン、および2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3,5−ジメチルフェニル]−プロパン等が好ま
しい。
【0018】本発明において、一般式(5)で表される
ジヒドロキシ化合物としては、シクロアルカノンにフェ
ノール類を付加して得られる化合物で、例えば、1−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロ
ヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3−メチルフェニル]シクロヘキサン、1,1−
ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメ
チルフェニル]シクロヘキサン等のシクロヘキサノンか
ら誘導されたジヒドロキシ化合物、さらに、1,1−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロ
ペンタン等のシクロペンタノンから誘導されたジヒドロ
キシ化合物、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル]シクロヘプタン等のシクロヘプタノン
から誘導されたジヒドロキシ化合物、さらに、1,1−
ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シク
ロオクタン等のシクロオクタノンから誘導されたジヒド
ロキシ化合物等が挙げられる。
【0019】本発明のポリエステル樹脂の重合に供する
一般式(3)〜(5)以外のジオールは、湯木和男編集
の飽和ポリエステル樹脂ハンドブックに記載されている
ような、ポリエステルの製造に使用されるものであれば
いずれでもよい。例えば、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル等が挙げられる。
【0020】本発明に用いることの出来る他のジオール
としては、例えば、ビス−[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]−スルフォ
ン等の硫黄ジヒドロキシ化合物、トリシクロデカンジメ
チロール、トリシクロデカンジエチロール、トリシクロ
デカンジプロピロール、トリシクロデカンジブチロール
等のメチロール類、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル]−1−フェニルエタン等のジヒ
ドロキシ化合物が挙げられ、これらジオールは単独また
は2種類以上を併用しても良い。
【0021】OPCバインダーとしての靱性や接着性を
向上させるために、ポリエチレングリコール、両末端が
アルコールのポリシロキサン、ダイマー酸を少量添加す
ることもできる。添加する量は目的にもよるが、通常は
1モル%以下、好ましくは0.5モル%以下で目的とす
る効果が得られる。
【0022】本発明のポリエステル樹脂の重合に供する
一般式(3)〜(5)で表されるジオール以外のジオー
ルのうち、エチレングリコール等の低沸点脂肪族ジオー
ルは、ポリエステルを溶融重合法で製造する際には、全
ジヒドロキシ化合物群とジオールの総和に対して少なく
とも5モル%以上が好ましく、さらに好ましくは10モ
ル%以上である。エチレングリコール等の低沸点ジオー
ルが、全ジヒドロキシ化合物群に対して5モル%以上に
なると、溶融重合が速く進み、重合時間が短く済む等の
利点がある。
【0023】本発明のポリエステル樹脂は、例えば、エ
ステル交換法、直接重合法等の溶融重合法、溶液重合
法、界面重合法等の公知の方法から適宜の方法を選択し
て製造できる。またその際の重合触媒等の反応条件につ
いても従来公知の方法を用いる事ができる。中でも溶融
重合法が好ましく用いられる。
【0024】本発明のポリエステル樹脂を溶融重合法の
エステル交換法で製造するには、一般式(3)で表され
るフルオレン系ジヒドロキシ成分は樹脂中のグリコール
成分の10から95モル%であることが好ましい。95
モル%以下であると、溶融重合反応が進み易く、重合時
間が短くなるため好ましい。しかし、95モル%より多
い場合であっても、溶液重合法または界面重合法で容易
に製造することができる。
【0025】本発明のポリエスエル樹脂は、クロロフォ
ルム中、20℃で測定した極限粘度は、十分な機械的特
性を有する成形品が得られるため、0.3以上が好まし
く、さらに好ましくは0.4以上であり、特に好ましく
は0.6以上である。また、溶媒へ溶解し易く、溶液の
粘度が低く、OPC支持体上への塗布が容易であるとい
う点で、極限粘度が2.0以下のものが実用的である。
最適な極限粘度の値は目的とするOPCにより適宜選ば
れ、かかる目的とする極限粘度を有するポリエステル樹
脂は、分子量調節剤、重合時間、重合温度等の溶融重合
条件と後工程の鎖伸長反応の条件を調節する事により容
易に得られる。
【0026】ポリエステル樹脂では、ポリスチレン換算
の重量平均分子量で10万が(クロロフォルム中の極限
粘度で0.6dl/g)、従来公知の重合法で容易に得
られる限界である。0.6以上の極限粘度を持つ高分子
量ポリエステル樹脂を得るためには、上述した方法によ
って重合した後に、ジイソシアナートと反応させる方法
が好ましい。この後処理により、ポリエステルの分子鎖
が伸長でき、クロロフォルム中での極限粘度0.6以上
が容易に達成され、磨耗性等の機械特性を向上させるこ
とができる。
【0027】本発明に用いるジイソシアナートには、2
つのイソシアナート基が同一の分子に存在する化合物す
べてが含まれる。より具体的には、例えば、ヘキサメチ
レンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナ
ート、2,6−トリレンジイソシアナート、メチレン−
4,4’−ビスフェニルジイソシアナート、キシリレン
ジイソシアナート、3−イソシアナートメチル−3,
5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナート等が
挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み合わせ
て使用しても良い。これらの中でも、メチレン−4,
4’−ビスフェニルジイソシアナートが好適である。
【0028】ポリエステル樹脂と反応させるジイソシア
ナートの量は、数平均分子量を基にして計算したポリエ
ステルのモル数に対して通常は0.5〜1.3倍の範
囲、好ましくは0.8〜1.1の範囲が好適である。ポ
リエステル分子の末端がアルコール性のOHであるた
め、ジイソシアナートがアルコールと反応してウレタン
結合を形成することにより、ポリエステルの鎖伸長が達
成される。この後工程によりポリエステル中にウレタン
結合が導入されるが、ウレタン結合の量はモル分率は通
常1%以下になるため、樹脂全体としての屈折率、複屈
折、ガラス転移点、透明性などの物理的特性は処理前の
ポリエステル樹脂と変わらない。
【0029】上述した鎖伸長反応において必要ならば適
当な触媒を用いてもよい。触媒としては、オクチル酸ス
ズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ナフテン酸鉛などの金
属触媒、ジアゾビスシクロ〔2,2,2〕オクタン、ト
リエチレンジアミンなどが好適である。触媒の添加量は
鎖伸長反応温度にもよるが、通常1molのジイソシア
ナートに対して0.01mol以下、好ましくは0.0
01mol以下添加される。
【0030】反応は溶融状態の上述したポリエステルに
触媒とジイソシアナートを適量加え、乾燥した窒素を流
しながら攪拌する事によって進行する。また、必要なら
ばポリエステルとジイソシアナートの良溶媒である、適
当な有機溶媒中で反応を行ってもよい。この時、ポリエ
ステルの濃度は分子間反応に必要な濃度を保っていなけ
ればならない。この濃度は、ポリエステルの分子量によ
って異なるが、通常20重量%以上、好ましくは40重
量%以上である。この適正な濃度より低いと、分子内反
応が優先的に起こり、所謂環状高分子ができる場合があ
る。使用する有機溶媒は出来るかぎり沸点が高く安定な
化合物が望ましく、通常トリクロロベンゼン、ジメチル
スルフォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、キシ
レンなどが用いられる。
【0031】鎖伸長反応の反応温度は条件によって異な
るが、有機溶剤中で行う場合は溶剤の沸点以下の温度
で、有機溶剤を使用しない場合はポリエステルのガラス
転移点以上の温度に設定することが望ましい。反応温度
によって到達できる分子量や副反応による着色の度合い
が決まるため、目的とする分子量と反応前のポリエステ
ルの分子量などから勘案して、適当な反応系と、それに
あった適当な反応温度を選択することができる。例え
ば、有機溶剤としてトリクロロベンゼンを用いた場合、
130℃から150℃の範囲での反応が可能となり、副
反応による着色は殆ど無い。
【0032】上述したポリエステルの鎖伸長反応により
分子量は大幅に増大し、極限粘度の増加が達成される。
反応前の分子量によって最終の到達しえる分子量は異な
るが、通常は反応温度と反応時間さらにジイソシアナー
トの量を変えることにより、鎖伸長ポリエステルの分子
量を目的とする値にすることができる。これは場合によ
り異なるので一慨には規定できないが、一般に温度が高
いほど、また反応時間が長いほど分子量は上がる。ま
た、ジイソシアナートの量は数平均分子量より求めたポ
リエステルのモル数と等量または1.1等量あたりが最
も鎖伸長の効果が高い。
【0033】通常、本発明のポリエステルの分子量は5
万程度(極限粘度で0.4dl/g)で、最大でも10
万程度(極限粘度で0.6dl/g)である。例えば、
最も容易に製造できる5万程度の当該ポリエステルを原
料として鎖伸長反応をすると、極限粘度が0.7〜1.
5の高分子量ポリエステルが得られる。
【0034】鎖伸長したポリエステルはその一般的に分
子量分布が広くなる。溶融重合で製造した、上述の特殊
ジヒドロキシ化合物を共重合した非晶質ポリエステルの
分子量分布は、反応諸条件によって異なるが、重量平均
分子量と数平均分子量の比で、通常2程度である。鎖伸
長反応後は通常4程度かそれ以上になる。分子量分布が
あると好ましくない用途には、必要に応じて通常知られ
ている分子量分別法を用いて分子量分布を制御すること
ができる。
【0035】分子量分別法には貧溶媒による再沈法、ゲ
ルを充填したカラム中を通過させて分子の大きさでふる
い分けをする方法等が知られている。例えば、本発明の
ポリエステルのクロロフォルムまたはDMSO等の極性
有機溶媒の溶液に、貧溶媒であるアルコール、アセトン
を滴下する事により分子量分別できる。この場合、分子
量の高い高分子が先に沈殿する。又、本発明の高分子溶
液に貧溶媒を滴下し、白濁沈殿した後に容器の温度を上
げて沈殿を再溶解し、再び冷却することにより白濁沈殿
を得る方法で、分子量分別の精度を上げることもでき
る。分子量分別の方法はこれに限定されるものではな
く、例えばAnalysis of polymer
s, T. R. Crompton, Pergam
on Pressに記述されている方法を用いることも
できる。
【0036】上述の方法で得られた本発明のポリエステ
ル樹脂は実質的に線状の重合体である。
【0037】上述した、本発明のジカルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体と9,9−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシ)フェニル]フルオレンを代表例とする特殊ジ
ヒドロキシ化合物を共重合した非晶質ポリエステル樹脂
は、単層型感光体のバインダーおよび、積層型感光体の
電荷輸送層、或いは電荷輸送層および電荷発生層の両層
のバインダーとして使用できる。
【0038】本発明のポリエステル樹脂は、機能分離型
構造の感光体、例えば、図1〜図3に示される様に、導
電性支持体(1)上に感光体層(2)が成形された構造
を有する感光体に使用される。すなわち、感光体層
(2)が、図1(A)に示されるように本発明のバイン
ダー樹脂、電荷発生材料および電荷輸送材料とを含有す
る単一感光体層(2a)から構成される単層型感光体、
図2(A)に示されるように、少なくとも電荷発生材料
を含有する電荷発生層(2b)と、電荷輸送材を含有す
る電荷輸送層(2c)とが順次積層されたり、図2
(B)に示されるように、上記図2(A)とは逆に電荷
輸送層(2c)と電荷発生層(2b)とが順次積層され
た積層型感光体、図1(B)および図2(C)に示され
た様に、上記単層型感光体または積層型感光体の表面に
表面保護膜(2d)が形成された感光体、さらには、図
3に示されるように、電荷輸送層(2c)と前記単一感
光体層(2a)とが順次積層された感光体等に適用する
事ができる。尚、前記電荷発生層(2b)には本発明の
バインダー樹脂を用いる必要は必ずしもなく、例えば、
電荷発生材料等を蒸着、スパッタリング等する事により
形成してもよい。また、上記導電性支持体(1)と感光
体層(2)の間に中間層が形成されてもよい。
【0039】本発明のバインダー用ポリエステル樹脂を
上述した感光体に適用する場合、少なくとも感光体層
(2)に含まれていればよく、他のバインダー材と併用
してもよい。この場合、他のバインダー材は前記感光体
の磨耗性、色素との溶解性などの必要な条件を損なわな
い範囲で適時使用でき、通常は50重量%以下使用され
る。
【0040】上記の他のバインダー材としては、公知の
高分子化合物、例えば、スチレン系共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重
合体、スチレン−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、本発明以外の公知のポリエステル、
アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン
樹脂、ポリビニルブチラート樹脂、ポリエーテル樹脂な
どの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシアクリ
レート、ウレタンアクリレート樹脂等の熱硬化、光硬化
性樹脂等が例示される。無論上記例示に限ることなく、
一般にバインダー材として用いられるすべての樹脂が使
用できる。尚、電荷輸送材としても使用できるポリ−N
−ビニルカルバゾール等の光導電性ポリマーも上記の他
のバインダー材として使用できる。
【0041】上記電荷発生材料としては、セレン、セレ
ン−テルル、アモルファスシリコン、ビリリウム塩、ア
ゾ系化合物、ビスアゾ系化合物、トリスアゾ系化合物、
ジベンズピレンキノン系化合物、フタロシアニン系化合
物、インジゴイド系化合物、トリフェニルメタン系化合
物、スレン系化合物、トルイジン系化合物、ピラゾロン
系化合物、ペリレン系化合物、ペリノン系化合物、キナ
クリドン系化合物、多環キノリン系化合物、ピリリウム
系化合物等が挙げられる。無論これらの化合物に限定さ
れることはなく、公知の電荷発生材料として使用可能な
すべての化合物が用いられる。これらは必要に応じて、
2種以上混合して使用してもよい。
【0042】本発明のポリエステル樹脂と混合して用い
られる電荷輸送材としては、例えば、クロラニル、テト
ラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン等のフルオレノン系化合物、2,4,8,−ト
リニトロチキサントンやジニトロアントラセン等のニト
ロ化合物、4−メトキシ−トリフェニルアミン等のアミ
ン系化合物、N,N−ジエチルアミノベンズアルデヒ
ド、N,N−ジフェニルヒドラゾンやN−メチル−3−
カルバゾリルアルデヒド、N,N−ジフェニルヒドラゾ
ン等のヒドラゾン系化合物、9−(4−ジエチルアミノ
スチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、1−
(1−フェニル−4−カルバゾリル)メチリデンアミノ
−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリンやN−メチ
ルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、1−フェニ
ル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン、
1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノスチリル)−
5−(4−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンや1−
フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−
(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾ
リン系化合物、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−クロ
ロフェニル)オキサゾール等のオキサゾール系化合物、
2,5−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ジ(4−N,
N−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジ
アゾール等のオキサジアゾール系化合物、イソオキサゾ
ール系化合物、2−(4−ジエチルアミノスチリル)−
6−ジエチルアミノベンゾチアゾール等のチアゾール系
化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合
物、ピラゾール系化合物、インドール系化合物、トリア
ゾール系化合物、スチルベン系化合物、トリフェニルメ
タン系化合物等の含窒素環式化合物や縮合多環族化合
物、さらには、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビ
ニルピレン、ポリビニルアントラセン、エチルカルバゾ
ール−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0043】無論、上記例に限ることなくOPCの電荷
輸送材として使用可能な化合物であればすべて本発明に
適用できる。また、これらの電荷輸送材は2種類以上混
合して使用することも可能である。
【0044】本発明に用いる図1(1)の支持体の材質
としては、例えばアルミニュウム、ニッケル、銅、亜
鉛、パラジュウム、銀、インジュウム、ステンレス等の
金属シートを用いることが出来るが、これに限定される
ものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート等
の絶縁性の基体上に導電性層を設けて支持体を構成する
こともできる。
【0045】上記、単層型の感光体層(2)を有する感
光体における、本発明のポリエステルバインダー、電荷
発生材と電荷輸送材の使用割合は、目的とする感光体に
応じて適宜選択することができるが、感光体の感度を十
分に保ち、表面電位の低下を防止し、感光体の耐磨耗性
を良好に保つためにも、通常はバインダー100重量部
に対して、電荷発生材2〜25重量部、電荷輸送材25
〜150重量部の範囲で使用される。また、単層型の感
光体層(2)の厚さは目的に応じて適宜決められるが、
通常は3〜50μmの範囲であることが好ましい。
【0046】上記、積層型の感光体(2)における電荷
発生層(2b)は電荷発生材を真空蒸着せしめる方法、
電荷発生材を適当な結着性樹脂を用いてバインダー成形
する方法がある。電荷発生層(2b)を本発明のポリエ
ステル樹脂を含む結着性樹脂等を用いて形成する場合、
前記電荷発生材100重量部に対して結着性樹脂が0〜
300重量部であることが好ましい。結着性樹脂等の重
量が多いほど、導電性基板の支持体への密着性が向上す
る。また、電荷発生能を良好に保つためには、300重
量部以下が好ましい。上述の電荷発生層は目的に応じて
適宜の厚さにすることが出来るが、通常0.1〜5μm
の範囲にあることが好ましい。
【0047】さらに、上記積層型の感光体層(2)にお
ける電荷輸送層(2c)を本発明のポリエステル樹脂を
含む結着性樹脂等を用いて形成する場合、前記電荷輸送
材100重量部に対して結着性樹脂が25〜500重量
部であることが好ましい。結着性樹脂等の重量が25重
量部以上であると、電荷輸送層の強度が向上するため好
ましく、500重量部以下であると電荷輸送能が向上す
るため好ましい。上述の電荷発生層は目的に応じて適宜
の厚さにすることが出来るが、通常2〜100μmの範
囲にあることが好ましい。
【0048】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。
【0049】1.極限粘度 クロロフォルム中に共重合体0.15〜0.5gを溶解
後、ウベロード粘度計を用いて通常の方法で、20℃で
極限粘度を決定した。
【0050】2.分子量 東ソー製のカラムG6000H、4000H、G300
0H、(0.78×30cm、3本)を用い、クロロフ
ォルムを溶媒として用い、35℃で試料の溶離容積を測
定した。標準ポリスチレンを用いて作成した検量線か
ら、数平均分子量と重量平均分子量を求めた。
【0051】3.電子写真特性 川口電気製作所製の「エレクトロメーター」を用いて測
定した。即ち、感光体表面を帯電電位−6KVで5秒間
帯電させたときの受容電位Va(V)と、5秒間暗減衰
させた後の電位Vi(V)を半分にするために必要な露
光量E(lux.秒)を調べた。
【0052】4.耐磨耗性 アルミニュウムのドラム上に形成した感光体に1cm2
当たり10gの加重を掛けて、PPC用紙の上を10c
m/秒の速さで1時間滑走させて磨耗量を測定した。
【0053】実施例1〜2 1H、1H、10H、10H−パーフルオロデカン−
1、10−ジオール〔HOCH2 (CF28 CH2
H〕5mol、2.79kg、ナフタレンジカルボン酸
ジメチルエステル 50mol、12.2kg、2,2
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プ
ロパン 38.5mol、12.17kg、エチレング
リコール 116mol、7.2kgを原料とし、触媒
として、酢酸カルシルム 0.091mol、15.9
9gを用い、これらを反応槽に投入し、攪拌しながら常
法に従って190℃から230℃に徐々に加熱してエス
テル交換反応を行った。所定量のメタノールを系外へ抜
き出した後、重合触媒である酸化ゲルマニウム 0.0
66mol、6.9gと、着色を防止するため、リン酸
トリメチルエステル 0.1mol、14gとを投入し
て、昇温と減圧を徐々に行い、発生するエチレングリコ
ールを抜きながら、加熱槽温度を280℃、真空度を1
Torr以下に到達させる。この条件を維持し、粘度の
上昇を待ち、所定の撹拌トルクに到達後(約2時間後)
反応を終了し、反応物を水中に押し出してペレット(ポ
リエステルバインダー1)を得た(実施例1)。
【0054】このポリエステルバインダー1の極限粘度
の値は0.45であった。GPCより求めた重量平均分
子量は65,000であり、数平均分子量は26,00
0であった。
【0055】上述のポリエステル樹脂30gをトリクロ
ロベンゼンに溶解させ40重量%の溶液を調製した。数
平均分子量より計算したポリエステ共重合体のモル数の
1.1倍のメチレンビス(4−フェニルイソシアネー
ト)と0.175mgのジアゾビスシクロ〔2,2,
2〕オクタンを上述の溶液に加え、150℃で10時
間、窒素気流下で加熱攪拌した。得られた反応物をメタ
ノール中に再沈し、大量のメタノールと蒸留水で洗浄し
て本発明の鎖伸長ポリエステル樹脂(ポリエステルバイ
ンダー2)を得た(実施例2)。
【0056】上述のポリエステルバインダー2の極限粘
度の値は0.96dl/gで、GPCより求めた重量平
均分子量は210,000であり、数平均分子量は6
2,000であった。
【0057】次に、構造式(6)で示されるビスアゾ化
合物20gをジクロロメタン1リットルと共にボールミ
ルで粉砕混合し、得られた分散液中にアルミニュウムド
ラムを浸せきすることによりドラム表面に溶液をコーテ
ィングした。次にこのドラムを十分乾燥して溶剤を蒸発
させ、厚さ0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0058】
【化11】
【0059】次に、構造式(7)で示されるスチリル化
合物100gと150gのポリエステルバインダー1を
ジクロロメタン1リットルに溶解させ、これに先の電荷
発生層を形成したドラムを浸せきし、電荷発生層上に新
たに溶液をコーティングした。これを80℃で約1時間
乾燥して、厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。この
感光体ドラムを試料OPC1とする。
【0060】
【化12】
【0061】次にポリエステルバインダー1の代わりに
ポリエステルバインダー2を用いた以外は、同様にして
試料OPC2を作成した。
【0062】比較例1 実施例1の「ポリエステルバインダー1」の代わりにビ
スフェノールA型のポリカーボネイトを使用する以外
は、実施例1と同様にして感光体ドラムを作成し、これ
を試料OPC3とする。
【0063】上述した3試料について、電子写真特性と
磨耗量を測定した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】実施例3〜12 実施例1〜2とほぼ同様の方法に従って、表2に示した
組成で試料樹脂を作成した後に感光体ドラムを作成し
た。これら、実施例3〜12について磨耗量を測定した
結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】以上の結果より本発明の、含フッ素ジオー
ルを共重合したポリエステルは、OPC用バインダーと
して好適であることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】単層型感光体の構造を示す図である。
【図2】電荷発生層(2b)と電荷輸送層(2c)が積
層された積層型感光体の構造を示す図である。
【図3】単一感光体層(2a)と電荷輸送層(2c)が
積層された積層型感光体の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 感光体層 2a 単一感光体層 2b 電荷発生層 2c 電荷輸送層 2d 表面保護膜
【化10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 通昭 大阪府豊中市東豊中町5丁目2番地103− 105号 (72)発明者 堀川 幸雄 大阪府松原市柴垣1丁目27番12号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸またはそのエステル形成性
    誘導体と、ジオールからなるポリエステル樹脂であっ
    て、ジオールが、一般式(1)または(2) 【化1】 【化2】 (nは0以上の整数、mは1以上の整数である。R1
    2 、R3 およびR4 は水素または炭素数1から4のア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基であり同じであて
    っも異なっていてもよい。)で表される含フッ素ジオー
    ルの少なくとも1つを含むものである、電子写真感光体
    バインダー用ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 ジオールが、さらに一般式(3)(4)
    (5) 【化3】 【化4】 【化5】 (R5 、R10、およびR17は炭素数1から4のアルキレ
    ン基、R6 、R7 、R8、R9 、R11、R12、R15、R
    16、R18、R19、R20、R21およびR’は水素または炭
    素数1から4のアルキル基、アリール基、アラルキル基
    であり、同じであっても異なっていても良い。R13、R
    14は炭素数1から10までのアルキル基で、iは2以上
    の整数である。kは0以上2(i+2)以下の整数であ
    る。)で表される芳香族系ジヒドロキシ化合物のうち少
    なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項1に
    記載の電子写真感光体バインダー用ポリエステル樹脂。
JP16472895A 1995-06-06 1995-06-06 電子写真感光体バインダー用ポリエステル樹脂 Pending JPH08334907A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000019765A (ja) * 1998-04-30 2000-01-21 Canon Inc プロセスカ―トリッジ及び電子写真装置
JP2004117849A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法
JP2013246203A (ja) * 2012-05-23 2013-12-09 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd レジスト組成物、レジストパターン形成方法、高分子化合物及び高分子化合物の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004117849A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法
JP2013246203A (ja) * 2012-05-23 2013-12-09 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd レジスト組成物、レジストパターン形成方法、高分子化合物及び高分子化合物の製造方法

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