JP3647757B2 - 光ディスク製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録された情報を光で読み取ることが可能な光ディスクの製造、及び2枚のディスク基板の貼り合わせなどに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクにより、記録容量を増大させる技術が発展普及してきており、さらにその記録容量をより高密度化する傾向にある。例えば、2層の構造で、両面から1層づつ記録している光ディスクでDVD−9と称する8.5ギガバイトの記録容量のものがある。この種の光ディスクの製造方法としては、例えば2台の成形機により予め別々の情報を記録したディスク基板それぞれを成形し、その後でそれぞれの記録面に反射率の異なる反射膜を2台のスパッタリング装置により形成し、これらの記録面側同士を向かい合わせて貼り合わせるものである。この場合の反射膜は違う反射材料を用いて別々の反射率にする場合と、同一の材料を用い厚みを変えて反射率を別々にする場合とがある。
【0003】
また、1層の構造で、片面に1層を記録している光ディスクでDVD−5と称する4.7ギガバイトの記録容量のものがある。これは、例えば2台の成形機により予め情報を記録したディスク基板と情報の記録されていないディスク基板とをそれぞれを成形し、その後で1台のスパッタリング装置により記録面だけに反射膜を形成し、記録面を持たないディスク基板には反射膜を形成しない場合と、記録面を持たないディスク基板に別のスパッタリング装置で反射率の違う反射膜を形成する場合とがあり、これらを貼り合わせることにより得られる。
【0004】
このような光ディスクは、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)にせよ、コンパクト・ディスク(CD)にせよディスク基板は成形機で製作されるが、その成形時にかなりの熱で樹脂材料を軟化させて成形するので、成形機から出力されたディスク基板の温度は高く、したがって、その温度を常温程度まで低下させた後でスパッタリング装置により反射膜を形成しなければならない。この冷却は、一般に直線的に動く搬送機構の各受け台上に、双方の成形機からのディスク基板を平面状に順次載置して、冷却風などを吹きつけて搬送する過程で行われる。したがって、この部分の機構では大型化してしまうという問題があり、またディスク基板の上面にほこりなどが付着する可能性がある。
【0005】
また、別々の反射膜を形成する工程から2枚のディスク基板を重ね合わせる工程においても、スパッタリング装置のような成膜装置を2台用意し、それぞれの成膜装置で異なる反射率の反射膜が形成された2枚のディスク基板をそれぞれのラインで移載装置まで搬送し、その移載装置や重ね合わせ装置などに2枚のディスク基板を重ね合わせているが、移動する距離が長くなるのでディスク基板の上面にほこりなどが付着する可能性が高くなり、またその占有面積を小さくできないばかりか、搬送に時間を要する。ここで、光ディスクは貼り合わせ面にほこりなどが混入すると、正確に情報が読み取れない場合が生じるので、製造過程でディスク基板の貼り合わせ面にほこりなどが混入するのは避けなければならない。クリーンルームで製造を行えばこの問題は解決するのであるが、コストや他の生産ラインなどの関係もあり、クリーンルームで製造を行うことは実際上難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
いずれにせよ従来の製造装置では、1台で2種類のディスク基板を同時に製作する成形機、1台で2種類の反射膜を形成できるスパッタリング装置のような成膜装置を用いようが用いまいが、搬送機構及び移載機構そのもの、及び組み合わせに難点があり、ディスク基板の成形工程から重ね合わせ工程までの搬送ラインが長く、時間を要するためにほこりなどが混入する可能性が高く、またその部分の小形化ができないなどの問題があった。
【0007】
したがって、本発明では光ディスクの製造ラインの移載動作及び搬送動作をできるだけ旋回動作、回転動作の組み合わせとして、小形化とライン長を短くしてそれらに要する時間を短縮し、ほこりの混入の可能性を低減することを主な課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明に係る請求項1の発明では、2枚のディスク基板を貼り合わせてなる光ディスク基板を製作する光ディスク製造装置において、情報が記録されたディスク基板を成形する成形機と、前記ディスク基板を冷却するための冷却機構と、前記成形機から前記ディスク基板を前記冷却機構に移載する第1の移載手段と、前記冷却機構から移載された前記ディスク基板を搬送する第1の搬送手段と、前記冷却機構から前記ディスク基板を前記第1の搬送手段の受け部に載置する第2の移載手段と、前記第1の搬送手段から前記ディスク基板を順次受取ってその情報が記録された面に反射膜を形成する成膜装置と、前記ディスク基板が載置される受け部を複数備えて一定角度づつ間欠的に回転する第2の搬送手段と、前記第2の搬送手段の隣り合う受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の一方を表裏反転する反転手段と、前記第2の搬送手段の隣り合う受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の他方の前記反転手段で反転されていない前記ディスク基板の上面に液状接着剤を供給する接着剤供給ノズルと、前記第2の搬送手段の隣り合う受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の一方の反転された前記ディスク基板と、他方の前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板とを重ね合わせる重ね合わせ機構と、重ね合わされた一対の前記ディスク基板を回転処理するスピンナ装置と、回転処理された一対の前記ディスク基板に紫外線を照射して硬化させる硬化装置とを備え、前記重ね合わせ機構は、反転された前記ディスク基板を前記第2の搬送手段の受け部から受け取って上昇させる第1の昇降手段と、反転された前記ディスク基板を保持して、前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板の真上まで移動する移動手段と、前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板を前記第2の搬送手段の受け部から受け取って上昇させて、反転された前記ディスク基板に重ね合わせる第2の昇降手段とを有することを特徴とする光ディスク製造装置を提案するものである。この発明の光ディスク製造装置によれば、品質の良いDVDを高速で一貫生産でき、装置自体はコンパクトである。
【0009】
また、請求項2の発明では、請求項1において、前記成形機は1枚、又は同時に2枚のディスク基板を成形し得る光ディスク製造装置を提案するものである。
【0010】
また、請求項3の発明では、請求項1又は請求項2において、前記第1の移載手段は1枚、又は同時に2枚のディスク基板を移載し得ることを特徴とする光ディスク製造装置を提案するものである。
【0011】
また、請求項4の発明では、請求項1又は請求項2において、前記冷却機構は、前記ディスク基板を1枚、又は同時に2枚受け取って1列縦隊又は2列縦隊に間隔をあけて立てることにより放熱を行うことを特徴とする光ディスク製造装置を提案するものである。
【0012】
また、請求項5の発明では、請求項1又は請求項2において、前記冷却機構は、それぞれ同一ピッチで螺旋状に形成された溝を有する3本以上の送りシャフトを有し、これら送りシャフトは前記ディスク基板の仮想外周の一部分に位置するように配置され、前記ディスク基板の外周部分を前記溝内に納め、前記各送りシャフトを同一速度で回転させることにより前記送りシャフトに支承されたすべての前記ディスク基板を先送りすることを特徴とする光ディスク製造装置を提案するものである。温度の高いディスク基板を受け取って冷却を行う距離、つまり冷却機構の長さが従来に比べて短く、コンパクトであり、しかも同時に2枚のディスク基板の受取り、また引渡しを確実に行うのに適した構造である。
【0013】
また、請求項6の発明では、請求項1又は請求項2において、前記第2の移載手段は前記冷却機構から前記ディスク基板を吸着保持して垂直方向に旋回した後にほぼ直角に回転して前記ディスク基板を平面状態に位置させ、前記第1の搬送手段の受け部に載置することを特徴とする光ディスク製造装置を提案するものである。この発明によれば、冷却機構のディスク基板をその方向を変えてターンテーブルに載置することができ、しかも同時に2枚のディスク基板の受け渡しを確実に行うのに適した構造である。
【0014】
また、請求項7の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、前記成膜装置と前記第2の搬送手段との間に排出シュータと第3の移載手段とを備え、前記貼り合わせ機構以降の出力側でトラブルが生じたとき、前記第2の搬送手段以降の機構は停止させ、前記成形機から前記成膜装置までの機構は動作を続行させると同時に、前記第3の移載手段が動作して前記成膜装置から出力された前記ディスク基板を前記排出シュータに排出することを特徴とする光ディスク製造装置を提案するものである。この発明によれば、貼り合わせ機構以降のトラブルに対しては成形機から成膜装置を動かしているので、設置される排出シュータの数を最少限度に抑えながら、ディスク基板の成形品質を維持することができる。
【0015】
また、請求項8の発明では、請求項7において、前記排出シュータは二つに分割されており、前記第3の移載手段は前記成膜装置から出力された前記ディスク基板に形成された反射膜の差異、又は反射膜の有無によって、交互に振り分けることを特徴とする光ディスク製造装置を提案するものである。
【0016】
また、請求項9の発明では、2枚のディスク基板を貼り合わせてなる光ディスクを製作する光ディスク製造方法において、情報が記録されたディスク基板を成形する成形工程と、前記ディスク基板を間隔をあけ順次立てて冷却すると共に、前記ディスク基板を先送りして冷却する冷却工程と、前記冷却工程で先送りされて所定位置に来た前記ディスク基板を垂直方向に旋回させた後にほぼ直角に回転させて平面に載置する移載工程と、順次搬送されて来る前記ディスク基板に順次反射膜を形成する、又は交互に反射膜を形成する成膜工程と、前記ディスク基板を一定角度づつ間欠的に回転する搬送手段の二つの隣り合う受け部に載置して、一対の前記ディスク基板を一定角度づつ間欠的に回転する工程と、隣り合う前記受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の一方を反転する反転工程と、隣り合う前記受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の他方の前記反転工程で反転されていない前記ディスク基板の上面に液状接着剤を供給する工程と、隣り合う前記受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の一方の反転された前記ディスク基板を他方の前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板の真上まで搬送して重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた一対の前記ディスク基板を回転処理する回転処理工程と、回転処理された一対の前記ディスク基板間の前記液状接着剤を硬化させる硬化工程とを備え、前記重ね合わせ工程は、反転された前記ディスク基板を前記受け部から受け取って上昇させる工程と、反転された前記ディスク基板を保持して、前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板の真上まで移動する工程と、前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板を前記受け部から受け取って上昇させて、反転された前記ディスク基板に重ね合わせる工程とを有することを特徴とする光ディスク製造方法を提案するものである。この発明によれば、コンパクトな貼り合わせ機構で2枚のディスク基板の高品質の貼り合わせが可能である。
【0017】
また、請求項10の発明では、請求項9において、前記重ね合わせ工程以降の工程において異常が発生したときには、前記成形工程から成膜工程の間の工程はそのまま続行させ、前記反射膜の形成された前記ディスク基板を順次排出して前記成膜工程の後の工程を経ないようにしたことを特徴とする光ディスク製造方法を提案するものである。この発明によれば、貼り合わせ工程以降のトラブルに対してはディスク基板の成形工程から成膜工程をそのまま働かせているので、排出工程の数を最少限度に抑えながら、ディスク基板の成形品質を維持することができる。
【0018】
また、請求項11の発明では、請求項10において、前記反射膜の種類、有無によって前記ディスク基板を分けて排出することを特徴とする光ディスク製造方法を提案するものである。
【0024】
【発明の実施の形態及び実施例】
先ず、この装置全体の概略を示す図1によって本発明に係る光ディスクの製造装置及び製造方法の実施の形態について説明する。図1において、1は成形機であり、それぞれの片面に異なる情報が記録された2枚のディスク基板を同時に成形する。移載アームとその駆動装置とからなる移載手段2は、成形機1から2枚のディスク基板を同時に吸着保持して受け取り、ほぼ垂直方向に旋回して後で詳述する冷却機構3に載置する。冷却機構3は、成形されたばかりのディスク基板は温度が高いので常温近くまで冷ますためのものである。冷却機構3に一定間隔で立てて並べられたディスク基板は一定速度で先送りされ、所定位置に達したとき、2枚のディスク基板は第2の移載手段4により第1の回転型搬送手段であるターンテーブル5の二つの受け部5aに同時に載置される。第2の移載手段4については後で詳述するが、冷却機構3に立てて並べられた2枚のディスク基板を同時に吸着保持して、垂直上方向に旋回し、途中でその旋回方向とほぼ直角に回転して2枚のディスク基板を平面状、つまりターンテーブル5の平面と並行に位置させ、しかる後に再び垂直下方向に旋回してターンテーブル5の二つの受台5aに同時に載置する。ターンテーブル5には120度の等間隔で3個の受台5aが設けられており、間欠的に120度ずつ時計方向に回転し、240度回転する毎に、移載手段4により2枚のディスク基板を受け取る。
【0025】
ターンテーブル5の受け部5aに載置されたディスク基板は、第3の移載手段6によって順次第2のターンテーブル7に移載される。ターンテーブル7は、例えば8個の受台7aを一定間隔で備えるものであり、隣接する受台7a間の角度にほぼ等しい45度間隔で間欠的に反時計方向に回転する。受台7aに載置されたディスク基板(鎖線で示す)は、所定位置でスパッタリング装置のような成膜装置8に受け渡される。通常の成膜装置8と同様に、順次ディスク基板は図示しない引き入れ手段により受渡しポジションP1で成膜装置8内に供給され、反射膜が形成される。この成膜装置8は反射率の異なる2種類の反射膜を交互に形成する機能をもつものであり、反射膜の形成されたディスク基板は再び受渡しポジションP1で停止している受台7aに戻される。したがって、ターンテーブル7の受台7aには反射率の異なる反射膜の形成されたディスク基板が交互に戻され載置される。ターンテーブル7の第2の受渡しポジションP2で、ターンテーブル7の受台7a上のディスク基板は、第3の移載手段9により、貼り合わせ機構BDにおける第3のターンテーブル10に移載される。なお、成膜装置8は受け入れたディスク基板全てに同一の反射膜を形成したり、交互に反射膜を形成し、反射膜を形成しないといった設定も可能なものである。なお、ここで貼り合わせ機構BDは第3のターンテーブル10から後述する硬化装置23の後の検査装置27までの装置を含むものとする。
【0026】
第3のターンテーブル10は、例えば12個の受け部10aを有し、ほぼ60度間隔で間欠的に時計方向に回転する。各受け部10aは中央部分が空間になっていて、ターンテーブル10の円周部で切り欠かれ、外に開いているものである。ターンテーブル10の受け部10aに載置されたディスク基板は交互に、つまり1枚おきに後に詳述する反転手段11によりその場で表裏反転される。このとき、次の接着剤供給ポジションの受け部10aに載置されたディスク基板には接着剤供給機構12から液状接着剤の供給が行われている。接着剤供給機構12はその供給ノズル12aがディスク基板上を1回転することによりドーナツ状に液状接着剤を形成する。
【0027】
その状態から、ターンテーブル10が1ステップ、つまりほぼ60度回転すると、後で詳述する重ね合わせ機構により、前記反転されたディスク基板が吸着保持されて液状接着剤の供給された前記ディスク基板まで運ばれ、その重ね合わせポジションP3で重ね合わされる。次にターンテーブル10が1ステップ、つまりほぼ60度回転し、受渡しポジションP4に来ると、重ね合わされたディスク基板は3本の保持アームを持つ移載手段14により2台のスピンナ装置15、16に交互に振り分けられる。ここで、ターンテーブル10上からディスク基板を交互にスピンナ装置15、16に移載するのは、移載手段14のアームであり、重ね合わされたディスク基板を保持して90度左右に旋回することにより2台のスピンナ装置15、16に交互に振り分ける。移載手段14の図示の左右に延びるアームはそれぞれスピンナ装置15、16から交互にディスク基板を取り出して、一時載置ポジションP5の受台17に載置する。ここで3本の移載アームを備えたのは、ターンテーブル10上からディスク基板をスピンナ装置15、16に移載する移載アームの保持機構と、スピンナ装置15、16からディスク基板を取り出すための移載アームの保持機構とが異なるためである。保持機構を同じものにできれば、移載アームは1本又は2本で足る。
【0028】
18は廃棄シュータであり、トラブルなどによりターンテーブル10が所定時間以上停止した場合には、ターンテーブル10上のディスク基板の液状接着剤がディスク基板の中央穴からはみ出して不都合を生じることがあるので、トラブルが修復されて装置が動きだした初期には、例えば移載手段14の移載アームが貼り合わされたディスク基板を最大で3枚目までターンテーブル10の受渡しポジションP4から廃棄シュータ18に廃棄する。この実施例では4枚目から2台のスピンナ装置15、16に交互に供給される。
【0029】
そして、一時載置ポジションP5の受台17に載置された2枚の貼り合わされたディスク基板は、移載手段19によりターンテーブル20に移載される。移載手段19は2本の移載アームを備え、一方のアームが受台17上のディスク基板をターンテーブル20に移載し、他方の移載アームが接着剤が硬化されたディスク基板をターンテーブル20から次のターンテーブル21に移載する。ターンテーブル20に移載されたディスク基板には、次のポジションで重り搬送機構22により、中央に穴の開いたアルミニウム板又は耐熱性ガラスのような重り(図示せず)が載せられる。この重りはディスク基板の反り量の調整を補助するためのものであり、3個用意されている。重り搬送機構22は、ターンテーブル20の中央の載置ポジションP6に載置された重りを把持して搭載ポジションP7まで搬送し、ディスク基板上に載せる。他方、取り除きポジションP8では重り搬送機構22が熱処理されたディスク基板上の重りを取り除いて載置ポジションP6まで運び、そこに載置する。したがって、3個の重りで足りる。載置ポジションP6で重りは冷却される。
【0030】
そして、ディスク基板は硬化ポジションP9で、硬化装置23の紫外線照射部からの紫外線が照射され、ディスク基板間の液状接着剤が硬化される。紫外線照射部はパルス状に紫外線を発光するキセンノンランプ、又は連続光を発生する紫外線発生ランプを、ターンテーブル20の上側、又は下側、あるいは双方に備える。この実施例では後で詳述するように双方に紫外線照射器を備え、上側と下側からの紫外線の照射量を調整してディスク基板の反りを小さくしている。
【0031】
そして、最初のポジションに戻った光ディスクは前述のように移載手段19により冷却用ターンテーブル21に移載される。ターンテーブル21はターンテーブル10と同様に、その円周部で切り欠かれた4個の受け部を備える。4個の受け部はほぼ90度間隔で備えられ、ターンテーブル21は間欠的にほぼ90度ずつ反時計方向に回転する。光ディスクを受け取った位置からターンテーブル21が1ステップ、つまり90度回転した第2のポジションで、光ディスクは反転手段11と同様な反転手段24によって表裏反転される。この反転は後で行われる検査行程の関係で選択的になされ、検査上必要がなければ反転手段は動作せず、反転は行われない。次の第3のポジションで、除電ブロワ25がイオン化された空気を吹きつけて光ディスクの表面に付着したほこりなどを除去する。第4のポジションで、光ディスクは2本の移載アームを有する移載手段26の一方の移載アームにより検査装置27に搬送される。ターンテーブル21で搬送されている過程で、硬化装置23の熱により温度上昇した光ディスクの温度はほぼ常温近くまで低下する。
【0032】
検査装置27は下面側から設定された検査を行う。検査が終了すると、移載手段26の他方の移載アームにより検査装置27の光ディスクは昇降ステージ28に載置される。昇降ステージ28は光ディスクを受け取ると、移載手段29の移載アームが待機する位置まで上昇してその吸着面に接触する。これに伴い、移載手段29が作動して光ディスクを移載アームに吸着保持すると共に、水平に旋回し、検査結果が合格のものは良品テーブル30上のスタッカ31に順次載置され、積み上げられる。また、検査結果が不合格のものは不良品テーブル32上のスタッカ33又は不良品テーブル34上のスタッカ35に移載され、積み上げられる。
【0033】
そして、昇降ステージ28は光ディスクを移載手段29に渡すと、降下して元の位置に戻る。したがって、移載手段29の移載アームは水平に旋回動作を行うだけである。この点、他の移載装置6、9、14、19、26の移載アームは上昇動作、下降動作、水平旋回動作を行う。なお、良品テーブル30には複数のスタッカ31が一定間隔で着脱自在に搭載されており、所定の枚数の光ディスクが積載されると、テーブル30が回転して次のスタッカ31に光ディスクが積載されるようになっている。このような過程を経て、光ディスクの良品は良品テーブル30上のスタッカ31に、不良品は不良品テーブル32又は34に積載され、製造行程が終了する。
【0034】
次に、ターンテーブル10以降の機構にトラブルが生じた場合について図2により説明する。図2(A)は異常の無い場合の動作状態、図2(B)異常が生じた場合の動作状態をそれぞれ示す。異常の無い場合の動作については既に述べたので説明は省略する。成膜工程の後の工程で異常が発生した場合には、ターンテーブル10以降の機構は自動的又は手動で停止となるが、成形品質を保持するために成形機1から移載手段9までの機構は動作を続行する。このとき、移載手段9は正常時とは異なる動作を行い、ターンテーブル7のポジションP2でディスク基板を吸着保持して排出シュータ36に排出する。この排出シュータ36は二つに分割されており、ディスク基板に形成された反射膜の金属材料の種類、又は反射膜が形成されているものと、形成されていないものに分けられる。このことは、移載手段9の移載アームがシーケンスにより交互に排出シュータ36の二分割されたシュータに振り分けるだけで実現される。
【0035】
次に、図3により成形機1から冷却機構3に成形されたディスク基板を移載する具体的な実施例について説明する。移載手段2は駆動部2a、駆動部2aにより動作する移載アーム2b、移載アーム2bの先端部に設けられた二つの吸着部2cと2dを備える。先ず、成形機1からは図示しないディスク基板取り出し手段により2枚のディスク基板が同時に取り出される。図3(A)に示すように、移載手段2はそのディスク基板取り出し手段から2枚のディスク基板aとbを同時に受け取って吸着保持すると同時に、矢印で示す垂直下方向に旋回する。そして、図3(B)に示すように、2枚のディスク基板aとbが冷却機構3の載置位置上に至ると、冷却機構3の昇降アームが下方向に移動し、2枚のディスク基板aとbを冷却機構3に同時に載置する。
【0036】
冷却機構3の先送りシャフト3aは3本一組からなる二つの冷却部を有し、先送りシャフト3aは全て同一構造であり、図4に示すように真っ直ぐなシャフトに一定ピッチで形成された螺旋状の送り溝3bを有する。送り溝3bはディスク基板a(b)の円周部がその中に入って簡単には逸脱しないような深さと幅を有する。3本の先送りシャフト3aは、好ましくは2等辺3角形の頂点に配置され、3本の先送りシャフト3aの送り溝3bが均等にディスク基板a(b)の円周部を受けるように配置されている。これら6本の先送りシャフト3aは、不図示の駆動部により一定速度で、図4に示す矢印方向に回転する。したがって、それぞれの組の3本の先送りシャフト3aに立てて載置されたディスク基板a、bは次のディスク基板が移載手段2により移載されて来るまでに、一定距離先送りされている。このようにして2列縦隊で所定枚数のディスク基板a、bが順次先送りされ、所定位置まで送られると、前述のとおり移載手段4によりディスク基板a、bが同時にターンテーブル5に移載される。
【0037】
移載手段4は駆動部4a、駆動部4aにより動作する旋回アーム4b、旋回アーム4bから間隔をおいて垂直に延びる回転アーム4cと4dを有する。回転アーム4cと4dはそれぞれディスク基板a、bの情報が記録されていない内側部分を吸着する図5(B)に示す吸着部4eを有する。図5(A)に示すように、回転アーム4cと4dの吸着部4eがディスク基板a、bを吸着保持すると、旋回アーム4bが図示矢印のように旋回運動を行い、鎖線で示す状態になる。しかる後、回転アーム4cと4dが旋回面に対してほぼ直角に回転し、図5(C)に示すようにディスク基板a、bはターンテーブル5の二つの受台5aに同時に載置される。このような動作は、ターンテーブル5が2ステップ、つまりほぼ240度回転し、二つの空の受台5aが旋回アーム4bの旋回面に対して互いに等しい位置で停止されるとき、行われる。
【0038】
次に、成膜装置8による成膜後から、貼り合わせ機構BDにおける貼り合わせ工程の内のディスク基板の反転、液状接着剤の供給を経て2枚のディスク基板を重ね合わせるまでの過程の具体的な1実施例について、図6ないし図10により説明する。成膜装置8からは2種類のディスク基板A、Bが交互に出力され、ターンテーブル7の受台に載置される。ディスク基板A、Bは反射率の異なる反射膜がそれぞれ形成されているか、又はディスク基板Aに情報が記録されていない場合には、ディスク基板Bのみに反射膜が形成されていて、ディスク基板Aには反射膜が形成されていないか、ディスク基板A、Bにほぼ同等な反射膜が形成されている。ターンテーブル7上のディスク基板A、Bは、移載手段9により順次ターンテーブル10の受け部10aに載置される。このターンテーブル10は12個の受け部10aを有するから、ほぼ60度の角度で間欠的に回転し、図7の鎖線で示すようにディスク基板AとBのポジション一対を1ステップとして工程が行われる。したがって、移載手段9はターンテーブル10が停止している間にその隣り合う一対の受け部10aにディスク基板AとBを順次載置する。
【0039】
そして、ディスク基板Bだけが反転ポジションで反転手段11により反転され、ディスク基板Aは反転されないで次のポジションに搬送される。図8に示すように、反転手段11はターンテーブル10の受け部10aの切り欠き部10bを通して延びる把持アーム11aとこの把持アームを180度回転駆動する駆動部11b、図9で示されている、把持アーム11aと駆動部11bとを支承する垂直方向アーム11c、その垂直方向アーム11cを昇降させる直線駆動部11dなどからなる。その反転手段11と動作について図9を用いて説明すると、その(A)に示すように、把持アーム11aの把持部11eは、把持アーム11aを支点にして先端側から開くタイプのものであり、それぞれの先端部にはディスク基板の中央穴の周囲の非記録部を把持するための円形把持板11fが取り付けられている。把持部11eは開いた状態で待機しており、図9(B)に示すように、ディスク基板Bが反転ポジションにくると、駆動部11bが動作して把持部11eを閉じ、円形把持板11fがディスク基板Bの中央穴近傍の非記録部を両側から把持する。しかる後に図9(C)に示すように、直線駆動部11dのロッド11d’が上昇し、そのロッド11d’に固定された垂直方向アーム11cが上昇するのに伴い、把持アーム11a及び把持部11eはディスク基板Bの回転に支障の無い位置まで上昇する。次に、把持部11eは180度回転する。図9(D)はその途中の90度回転状態を示し、図9(E)は180度回転した状態を示す。その後、直線駆動部11dのロッド11d’が後退し、図9(F)に示すように、把持アーム11a及び把持部11eは元の位置に降下し、図9(A)に示すように、把持部11eが開いて表裏反転されたディスク基板Bをターンテーブル10の受け部10aに戻す。このようにしてディスク基板Bは表裏反転される。
【0040】
図7に示すようにこのとき同時に次のポジションでは接着剤供給機構12が動作しており、そのノズルが液状接着剤を吐出しながら1回転することで、ディスク基板Aにドーナツ状の厚い液状接着剤の膜を形成する。このようにディスク基板Bの表裏反転やディスク基板Aへの液膜形成が行われている間に、その直ぐ次のポジションのディスク基板Bがディスク基板Aに重ね合わされる。つまり、重ね合わせ機構に送られて来るディスク基板Aにはすべてドーナツ状の厚い液状接着剤の膜が形成されており、またディスク基板Bはすべて表裏反転されている。この重ね合わせについて図10を用いて説明すると、重ね合わせ機構13は、180度左右に回転するシャフト13a、シャフト13aの先端に取り付けられた吸着板13b、吸着板13bの一対の吸着部13cと13d、ターンテーブル10の下側に位置してその受け部10aをそれぞれ通して昇降動作する昇降装置13eと13fなどからなる。吸着板13bの一対の吸着部13cと13dはターンテーブル10の隣接する一対の受け部10aの上方に位置し、昇降装置13eと13fそれぞれの受け面13e’と13f’はターンテーブル10の受け部10aの内径よりも小さくなっている。
【0041】
ターンテーブル10が間欠的に回転して停止すると、昇降装置13eの受け面13e’が上昇運動を始め、その上昇過程でターンテーブル10からディスク基板Bを受け取って更に上昇して、ディスク基板Bを吸着部13cに接触させる。このとき吸着部13cは吸着動作を開始しているので、ディスク基板Bは吸着部13cに吸着される。次に、シャフト13aが180度回転することにより、吸着部13cが吸着部13dの位置に移動し、吸着部13dは吸着部13cの位置に移動し、その位置で停止する。すると、昇降装置13fが動作してその受け面13f’が上昇し、その上昇過程でターンテーブル10からディスク基板Aを受け取って更に上昇して、ディスク基板Aをディスク基板Bに接触させて重ね合わせが行われる。この状態で、吸着部13cは吸着動作を止め、ディスク基板Bを開放する。これに伴い、重ね合わされたディスク基板AとBは昇降装置13fの受け面13f’に受け取られる。次に、昇降装置13fの受け面13f’が降下を始め、その降下過程でディスク基板AとBをターンテーブル10上に受け渡し、受け面13f’はさらに降下して元の位置に戻る。そして、前述したように重ね合わされたディスク基板AとBは交互にスピンナ装置15、16に交互に振り分けて供給される。
【0042】
この重ね合わせ時に昇降装置13fの上昇速度を次のように制御するのが好ましい。ディスク基板Aがディスク基板Bに接触する寸前まで大きな速度で接近させ、接触する寸前で大幅に減速してディスク基板A上の接着剤をディスク基板Bに接触させ、必要に応じてさらに減速して接着剤を押し広げる。このとき、ディスク基板A上の液状接着剤がディスク基板Bに接触する寸前で、ディスク基板Aとディスク基板B間に交流電圧を印加すれば更に好ましい。交流電圧を印加することにより、ディスク基板Aとディスク基板B間にボイド、つまり気泡が形成されてしまうのを防ぐことができる。
【0043】
次に、硬化装置23の一実施例について図11を用いて説明する。図11(A)はターンテーブル20と硬化装置23の上面図、その(B)は正面図である。これらの図において、図1で示した移載手段19及び重り搬送手段22については図示するのを省略している。硬化装置23は、ターンテーブル20に対してほぼ垂直でその下側まで延びる熱遮蔽板23a、ターンテーブル20の上側と下側に鎖線で示された紫外線照射器23b、23c、紫外線が外部に漏出するのを制限するためのスカート23dなどからなる。図1に示すように、熱遮蔽板23aは両隣の貼り合わせ部の外壁Xと排出部の外壁Yとを結ぶ線上に近い位置にあり、したがって、熱を発する紫外線照射器23b、23cは貼り合わせ部の外壁Xと排出部の外壁Yとを結ぶ線よりも外側に位置する。この配置と熱遮蔽板23aが他部分への熱的影響を小さくし、さらにスカート23dがこの効果を高めている。
【0044】
この実施例では、紫外線照射器23b、23cによって貼り合わされた2枚のディスク基板の両側から紫外線が照射される。貼り合わされた2枚のディスク基板の反りの方向は一様であるので、紫外線照射器23b、23cの出力する紫外線量を調整することにより、反りを小さくすることができる。貼り合わされた2枚のディスク基板毎にその反りの量を検出し、電気信号に変換して紫外線照射器23b、23cの出力する紫外線量を制御すれば、反りの大きさによらずほぼ平坦な光ディスクを得ることが可能である。
【0045】
なお、以上の実施例では成形機1は2枚のディスク基板を同時に成形すると共に、成膜装置8も反射率の異なる2種類の反射膜を形成できる例について述べたが、成形機は1枚のディスク基板を成形できるだけのもので、また成膜装置8も1種類の反射膜を形成できるものでも良い。この場合、成形機は2台必要であり、図1の成形機1と直角の方向に2台平行して配置し、その間に冷却機構3を設ければ良い。そして、両側の成形機からそれぞれの移載手段により冷却機構にディスク基板を移載し、ディスク基板は前述のような冷却機構の構造によりターンテーブル5方向に先送りされ、その先送りされた2枚のディスク基板が所定位置にきたときに同時に吸着保持して、ターンテーブルに移載すれ良い。
【0046】
また、図1に示したターンテーブル5は受台5aが3個でなくとも良く、4個以上でも良い。成膜装置8が1種類の反射膜を形成する機能をもつだけのものである場合には、もう1台成膜装置を備え、それぞれの成膜装置で反射膜を形成した後のディスク基板をターンテーブル7の受台7aに交互に出力すれば良い。その後の機構については、図1に示した構造のものをそのまま使用することができる。このことは大きな実用上の効果を奏する。
【0047】
さらにまた、液状接着剤の供給は必ずしもディスク基板の上面に供給しなくても良く、表裏反転したディスク基板の下面に供給しても良い。この場合には、ターンテーブルの受け部を通して接着剤供給ノズルを上昇させ、ディスク基板に接触寸前で停止させて液状接着剤をディスク基板の下面に付着させることになる。この場合には、ドーナツ状に液状接着剤を供給する時間を短縮できると同時に、好ましい形のドーナツ状に液状接着剤を形成できるのでより品質の高い貼り合わせが可能となる。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、コンパクトで生産速度の速い光ディスク製造装置を提供することができ、しかも品質の高い光ディスクを生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光ディスクの一貫生産ラインの一実施例を示す。
【図2】 本発明に係る光ディスク製造装置の故障時の動作を説明するための図である。
【図3】 本発明に係る光ディスク製造装置の成形機から冷却機構にディスク基板を移載する機構を説明するための図である。
【図4】 本発明に係る光ディスク製造装置の冷却機構の1実施例の一部分を示す。
【図5】 本発明に係る光ディスク製造装置の冷却機構からディスク基板を移載する移載機構の1実施例を示す。
【図6】 本発明に係る光ディスク製造装置におけるディスク基板の重ね合わせとその前の工程について説明するための図である。
【図7】 本発明に係る光ディスク製造装置におけるディスク基板の重ね合わせとその前の工程について説明するための図である。
【図8】 本発明に係る光ディスク製造装置におけるディスク基板の反転機構を説明するための図である。
【図9】 本発明に係る光ディスク製造装置におけるディスク基板の反転機構の一実施例を説明するための図である。
【図10】 本発明に係る光ディスク製造装置における重ね合わせの一実施例を説明するための図である。
【図11】 本発明に係る光ディスク製造装置の硬化装置の一実施例を示す。
【符号の説明】
1・・・ディスク基板の成形機 2・・・第1の移載手段
3・・・冷却機構 4・・・第2の移載手段
5・・・第1のターンテーブル 6・・・第3の移載手段
7・・・第2のターンテーブル 8・・・反射膜形成用の成膜装置
9・・・第4の移載手段 10・・・第3のターンテーブル
11・・・反転機構 12・・・液状接着剤供給機構
13・・・重ね合わせ機構 14・・・第5の移載手段
15、16・・・スピンナ装置 17・・・一時載置用の受台
18・・・排出シュート 19・・・第6の移載手段
20・・・第4のターンテーブル 21・・・第5のターンテーブル
22・・・重り搬送機構 23・・・硬化装置
24・・・反転手段 25・・・静電ブロワ
26・・・第7の移載手段 27・・・検査装置
28・・・昇降ステージ 29・・・第8の移載手段
30・・・良品用ターンテーブル 31・・・ディスク基板用のスタッカ
32・・・不良品用ターンテーブル 33・・・不良品用のスタッカ
34・・・不良品用ターンテーブル 35・・・不良品用のスタッカ
A,B・・・ディスク基板
Claims (11)
- 2枚のディスク基板を貼り合わせてなる光ディスク基板を製作する光ディスク製造装置において、
情報が記録されたディスク基板を成形する成形機と、
前記ディスク基板を冷却するための冷却機構と、
前記成形機から前記ディスク基板を前記冷却機構に移載する第1の移載手段と、
前記冷却機構から移載された前記ディスク基板を搬送する第1の搬送手段と、
前記冷却機構から前記ディスク基板を前記第1の搬送手段の受け部に載置する第2の移載手段と、
前記第1の搬送手段から前記ディスク基板を順次受取ってその情報が記録された面に反射膜を形成する成膜装置と、
前記ディスク基板が載置される受け部を複数備えて一定角度づつ間欠的に回転する第2の搬送手段と、
前記第2の搬送手段の隣り合う受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の一方を表裏反転する反転手段と、
前記第2の搬送手段の隣り合う受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の他方の前記反転手段で反転されていない前記ディスク基板の上面に液状接着剤を供給する接着剤供給ノズルと、
前記第2の搬送手段の隣り合う受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の一方の反転された前記ディスク基板と、他方の前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板とを重ね合わせる重ね合わせ機構と、
重ね合わされた一対の前記ディスク基板を回転処理するスピンナ装置と、
回転処理された一対の前記ディスク基板に紫外線を照射して硬化させる硬化装置と、
を備え、
前記重ね合わせ機構は、反転された前記ディスク基板を前記第2の搬送手段の受け部から受け取って上昇させる第1の昇降手段と、反転された前記ディスク基板を保持して、前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板の真上まで移動する移動手段と、前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板を前記第2の搬送手段の受け部から受け取って上昇させて、反転された前記ディスク基板に重ね合わせる第2の昇降手段とを有することを特徴とする光ディスク製造装置。 - 請求項1において、
前記成形機は1枚、又は同時に2枚のディスク基板を成形し得ることを特徴とする光ディスク製造装置。 - 請求項1又は請求項2において、
前記第1の移載手段は1枚、又は同時に2枚のディスク基板を移載し得ることを特徴とする光ディスク製造装置。 - 請求項1又は請求項2において、
前記冷却機構は、前記ディスク基板を1枚、又は同時に2枚受け取って1列縦隊又は2列縦隊に間隔をあけて立てることにより放熱を行うことを特徴とする光ディスク製造装置。 - 請求項1又は請求項2において、
前記冷却機構は、それぞれ同一ピッチで螺旋状に形成された溝を有する3本以上の送りシャフトを有し、これら送りシャフトは前記ディスク基板の仮想外周の一部分に位置するように配置され、前記ディスク基板の外周部分を前記溝内に納め、前記各送りシャフトを同一速度で回転させることにより前記送りシャフトに支承されたすべての前記ディスク基板を先送りすることを特徴とする光ディスク製造装置。 - 請求項1又は請求項2において、
前記第2の移載手段は前記冷却機構から前記ディスク基板を吸着保持して垂直方向に旋回した後にほぼ直角に回転して前記ディスク基板を平面状態に位置させ、前記第1の搬送手段の受け部に載置することを特徴とする光ディスク製造装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、
前記成膜装置と前記第2の搬送手段との間に排出シュータと第3の移載手段とを備え、前記貼り合わせ機構以降の出力側でトラブルが生じたとき、前記第2の搬送手段以降の機構は停止させ、前記成形機から前記成膜装置までの機構は動作を続行させると同時に、前記第3の移載手段が動作して前記成膜装置から出力された前記ディスク基板を前記排出シュータに排出することを特徴とする光ディスク製造装置。 - 請求項7において、
前記排出シュータは二つに分割されており、前記第3の移載手段は前記成膜装置から出力された前記ディスク基板に形成された反射膜の差異、又は反射膜の有無によって、交互に振り分けることを特徴とする光ディスク製造装置。 - 2枚のディスク基板を貼り合わせてなる光ディスクを製作する光ディスク製造方法において、
情報が記録されたディスク基板を成形する成形工程と、
前記ディスク基板を間隔をあけ順次立てて冷却すると共に、前記ディスク基板を先送りして冷却する冷却工程と、
前記冷却工程で先送りされて所定位置に来た前記ディスク基板を垂直方向に旋回させた後にほぼ直角に回転させて平面に載置する移載工程と、
順次搬送されて来る前記ディスク基板に順次反射膜を形成する、又は交互に反射膜を形成する成膜工程と、
前記ディスク基板を一定角度づつ間欠的に回転する搬送手段の二つの隣り合う受け部に載置して、一対の前記ディスク基板を一定角度づつ間欠的に回転する工程と、
隣り合う前記受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の一方を反転する反転工程と、
隣り合う前記受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の他方の前記反転工程で反転されていない前記ディスク基板の上面に液状接着剤を供給する工程と、
隣り合う前記受け部に載置された一対の前記ディスク基板の内の一方の反転された前記ディスク基板を他方の前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板の真上まで搬送して重ね合わせる重ね合わせ工程と、
重ね合わされた一対の前記ディスク基板を回転処理する回転処理工程と、
回転処理された一対の前記ディスク基板間の前記液状接着剤を硬化させる硬化工程と、
を備え、
前記重ね合わせ工程は、反転された前記ディスク基板を前記受け部から受け取って上昇させる工程と、反転された前記ディスク基板を保持して、前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板の真上まで移動する工程と、前記液状接着剤が供給された前記ディスク基板を前記受け部から受け取って上昇させて、反転された前記ディスク基板に重ね合わせる工程とを有することを特徴とする光ディスク製造方法。 - 請求項9において、
前記重ね合わせ工程以降の工程において異常が発生したときには、前記成形工程から成膜工程の間の工程はそのまま続行させ、前記反射膜の形成された前記ディスク基板を順次排出して前記成膜工程の後の工程を経ないようにしたことを特徴とする光ディスク製造方法。 - 請求項10において、
前記反射膜の種類、有無によって前記ディスク基板を分けて排出することを特徴とする光ディスク製造方法。
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