JP2003257086A - 平面保持方法、平面保持ユニット、平面保持装置、ディスク製造方法、およびディスク製造装置 - Google Patents

平面保持方法、平面保持ユニット、平面保持装置、ディスク製造方法、およびディスク製造装置

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JP2003257086A
JP2003257086A JP2002135753A JP2002135753A JP2003257086A JP 2003257086 A JP2003257086 A JP 2003257086A JP 2002135753 A JP2002135753 A JP 2002135753A JP 2002135753 A JP2002135753 A JP 2002135753A JP 2003257086 A JP2003257086 A JP 2003257086A
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disk
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JP2002135753A
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Katsuhide Ebisawa
勝英 蛯沢
Norio Tsunematsu
則夫 常松
Masaaki Matsumoto
正明 松本
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば紫外線硬化性組成物を挟んで重ね合わ
された2枚のディスク基板などの板状物体を、その表面
に傷や異物付着等の損傷を与えることなく、正確に平面
状に保持できるようにする。 【解決手段】 表面が平面状で、該表面から裏面に貫通
する貫通孔35、36を有する保持部材37の表面上
に、板状物体を貫通孔35、36の一部を覆う位置に載
せた状態で、保持部材37の裏面側から吸気を行い、保
持部材37の表面側から裏面側へ流れる気流を発生させ
ることによって、板状物体を保持部材37の表面上に保
持することを特徴とする平面保持方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばディスク基
板などの板状物体を平面状に保持する方法、平面保持ユ
ニットおよび平面保持装置に関し、さらには2枚のディ
スク基板を紫外線硬化性組成物を接着剤として貼り合わ
せて1枚のディスクとするディスク製造方法およびディ
スク製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】板状物体を平面状に保持する方法は、特
に自重でたわみやすい薄い板状物体を、搬送したり、長
期保管する際にその変形を防ぐために使用され、通常、
平面性の基準となる平滑な平面を用い、その平面に対し
て板状物体を密着させて保持する方法がとられていて、
その密着、保持する方法としては、板状物体の大きさ、
形状、性質により種々のものが考案されている。このよ
うな平面保持方法は板状物体自体の経時による変形を防
ぐほか、加熱、塗布、接着等を板状物体に施した時にそ
れら処理に基づいて板状物体が変形するのを防止する方
法としても適用されていて、それら処理の種類によって
各種の改良がなされてきた。
【0003】例えば、2枚のディスク基板をカチオン型
紫外線硬化性組成物を用いて貼り合わせてDVDを製造
する場合、まず、ディスク基板の少なくとも一方に紫外
線硬化性組成物を塗布し、これを挟んで2枚のディスク
基板を重ねあわせる。そして、紫外線硬化性組成物に対
して紫外線を照射し、該組成物を硬化させることによっ
て2枚のディスク基板を貼り合わせる。
【0004】一般的にカチオン型紫外線硬化性組成物
は、紫外線が照射された直後に硬化が完了するものでは
なく、徐々に硬化が進行して完全に硬化するまでには多
少時間がかかる。そのため、紫外線照射後、紫外線硬化
性組成物の硬化がある程度進行するまでの間は、重ね合
わされた2枚のディスク基板を正確に平面状に保ってお
かないと、ディスクに反りや歪み等が発生するなどして
形状精度が悪くなるおそれがある。
【0005】ディスク基板を正確に平面状とする方法と
して、比較的硬い平坦面の間に挟む方法などが考えられ
るが、ディスク基板の表面に硬い物体を押し付けると、
ディスク基板の表面を傷つけるおそれがあり、また該硬
い物体を繰り返し使用するとディスク基板の表面に異物
が付着し易くなるという問題がある。特開平8−153
343号公報には、結晶−アモルファス間の相変化を生
じる記録薄膜層を基板上に備えた光学的情報記録媒体を
製造する際に、保護層の紫外線硬化工程および初期化工
程において、前記記録媒体を平坦な面に押しつけたり、
複数枚を積み重ねて両側から力を加えるなど、反りを矯
正する方向に矯正力を印加させる方法が記載されている
が、この方法においても損傷や異物付着等の問題があっ
た。
【0006】また、ディスク基板を保持する方法に関し
て、例えばEP0865039A1に、保持部材に形成
された凹部の開口部を覆うようにディスク基板を載せて
該凹部内を真空引きすることによって、保持部材上にデ
ィスク基板を保持する方法が記載されている。しかしな
がらこの方法では、真空引きを行うことによりディスク
基板に強い力が作用するので、ディスク基板に対して変
形や傷、ほこりの付着等のダメージを与えるおそれがあ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、板状
物体を、その表面に傷や異物付着等の損傷を与えること
なく、正確に平面状に保持することができる方法および
装置を提供することにある。また本発明の他の目的は、
ディスク基板を、その表面に傷や異物付着等の損傷を与
えることなく、正確に平面状に保持することができる方
法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、板状物体を平面状に保持する方法であっ
て、表面が平面状で、該表面から裏面に貫通する貫通孔
を有する保持部材の表面上に、前記板状物体を載せた状
態で、前記保持部材の裏面側から吸気を行い、該保持部
材の表面側から裏面側へ流れる気流を発生させることに
よって、前記板状物体を前記保持部材の表面上に保持す
ることを特徴とする平面保持方法を提供する。さらにま
た本発明は、表面が平面状で、該表面から裏面に貫通す
る貫通孔を有する保持部材と、前記保持部材の裏面側に
設けられた吸気手段とを備えてなり、前記保持部材の表
面上に板状物体を載せた状態で、前記吸気手段により吸
気を行うと、前記板状物体が前記保持部材の表面上に保
持されることを特徴とする平面保持ユニットを提供す
る。
【0009】本発明によれば、気流によって板状物体が
受ける風圧で、板状物体を保持部材に押しつけて保持す
るので、板状物体の表面側に物体を接触させずに、板状
物体にソフトな力を作用させて平面状に保持することが
可能である。したがって板状物体を、その表面に傷や異
物付着等の損傷を与えることなく、正確に平面状に保持
することができる。また、保持部材の表面側から裏面側
へ気流が流れているので、この表面側と裏面側とで圧力
差が生じない。したがって、板状物体に対して、撓みや
反りなどの変形が生じるほどの強い吸引力が作用する心
配がない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の平面保持方法では、表面
が平面状で、該表面から裏面に貫通する貫通孔を有する
保持部材の表面上に、前記板状物体を載せた状態で、前
記保持部材の裏面側から吸気を行い、該保持部材の表面
側から裏面側へ流れる気流を発生させる。特に、前記板
状物体がディスク基板である場合、少なくとも、ディス
ク基板の内周縁部と外周縁部の両方において、前記気流
を発生させることが好ましい。この方法によれば、ディ
スク基板の内周縁部と外周縁部の両方に風圧を作用させ
ることができ、ディスク基板を保持部材の表面に押し付
ける力を、ディスク基板の半径方向においてより均一化
することができるので、ディスク基板に撓みや反りが生
じるのを防止するうえで好ましい。
【0011】また、前記保持部材表面の表面粗さRaを
3.0μm以下とすることが好ましい。保持部材の表面
に、精錬時の不純物や原料の小片が表面上に残って生じ
た突起や、その後に生じた欠け等があると、保持部材の
表面上に保持される板状物体が保持部材表面と接触した
時に板状部材に傷が発生する可能性があるので、保持部
材表面の表面粗さRaを3.0μm以下とすることによ
り、板状物体における傷の発生を防止することできる。
特に、前記板状物体が、微小な傷が生じても製造不良と
なるディスク基板である場合には、かかる構成を採用す
ることが有効であり、歩留まりを向上させることができ
る。
【0012】また、第1の地点で前記保持部材の表面上
に前記板状物体を保持させ、該保持部材を移動路上で移
動させた後、第2の地点で前記板状物体を前記保持部材
上から取りはずす構成とすれば、連続工程に適用可能で
あり、生産性の向上に寄与することができる。また保持
部材を所定の速度で所定の長さだけ移動させれば、板状
物体を所定の時間だけ平面状に保持することができるの
で、工程の自動化を図ることが可能となる。特に、前記
第2の地点において前記板状物体が取りはずされた保持
部材に対して、前記第1の地点で別の板状物体を載せ
て、該保持部材を繰り返し使用すれば、効率良く連続生
産することができる。また、前記移動路上に、前記板状
物体を保持した複数の保持部材を同時に配置させれば、
製造効率を向上させることができる。
【0013】また、保持部材を移動路上で移動させる場
合、前記保持部材の裏面側に、該保持部材と一体的に電
動式のファンを設けるとともに、前記移動路上に、前記
ファンに電力を供給するための接触電極を設け、前記フ
ァンを回転させることによって前記気流を発生させるこ
とが好ましい。この方法によれば、移動路上を移動中
も、保持部材における板状物体の保持力を安定に保つこ
とができる。また、保持部材とともに移動路上を移動す
るファンに対して、電力を供給するための配線を行うの
は困難であるが、移動路上に接触電極を設ければ、移動
中のファンに対して容易に電力を供給することができ
る。
【0014】また移動路上において、接触電極を介して
ファンに電力を供給する場合、直流電圧を間欠的に供給
することが好ましい。ファンへ供給する電力は、直流の
方が低い電圧で動作可能であるため安全性が高い。また
接触電極を用いた電力供給を行うと電極が消耗し易いの
で、電力を間欠的に供給することにより電極の消耗を抑
えることができる。なお、ファンへの電力供給は間欠的
に停止されるが、電力供給が停止している間も、ファン
は慣性力により回り続けることができるので、電力供給
の停止時間を適宜設定することにより保持部材における
板状物体の保持力を維持することができる。
【0015】ファンへの電力の供給を間欠的に行う場
合、移動路上での保持部材の移動を間欠的に行い、保持
部材の停止時に、ファンへ直流電圧を供給することが好
ましい。保持部材の停止時に、接触電極を介してファン
へ電力を供給することにより、電極の消耗を効果的に抑
えることができる。
【0016】また前記移動路上で間欠移動するときの前
記保持部材の加速度、および減速時の加速度(減速の割
合)がいずれも500cm/sec2以下であることが
好ましい。移動路上で保持部材を間欠移動させる場合に
は、間欠移動の加速時および減速時に保持部材上の板状
物体が微動し易く、特に移動路上に複数の保持部材を同
時に配置させる場合には、間欠移動の加速時および減速
時に保持部材どうしが衝突し、その衝撃で保持部材上に
保持されている板状物体が踊ることがある。そこで、間
欠移動時の前記保持部材の加速度および減速時の加速度
を500cm/sec2以下とすることにより、加速時
または減速時に保持部材上の板状物体に作用する力、お
よび保持部材どうしが衝突したときの衝撃力を低減させ
て、保持部材上で板状物体が移動するのを防止し、保持
部材と板状物体の接触により板状物体に傷が発生するの
を防止することができる。また特に、間欠移動時の前記
保持部材の加速度および減速時の加速度を500cm/
sec2以下とするとともに、前述した保持部材表面の
表面粗さRaを3.0μm以下とする構成を採用するこ
とにより、板状物体における傷の発生をより効果的に防
止することできる。
【0017】本発明に係る平面保持方法は、前記板状物
体がディスク基板である場合に好適である。すなわち、
本発明のディスク製造方法は、2枚のディスク基板を紫
外線硬化性組成物を接着剤として貼り合わせて1枚のデ
ィスクとするディスク製造方法であって、一方のディス
ク基板に対して貼り合わせ面の一部に前記紫外線硬化性
組成物を塗布する工程と、塗布された前記紫外線硬化性
組成物に対し紫外線を照射する工程と、紫外線を照射さ
れた前記紫外線硬化性組成物を挟んで前記一方のディス
ク基板と他方のディスク基板とを貼り合わせる工程と、
双方のディスク基板間に介在する前記紫外線硬化性組成
物を展延する工程と、本発明に係る平面保持方法におい
て、前記板状物体として、前記紫外線硬化性組成物を挟
んで重ね合わされた前記2枚のディスク基板を適用し、
該2枚のディスク基板を平面状に保持する工程を備える
ことを特徴とする。特に、前記ディスクがDVDである
場合に好適である。DVD等のディスクの製造に際して
は、ディスク表面の状態が非常に厳しく要求されるが、
上記のようにして、風圧でディスク基板を保持部材に押
しつけて平面状に保持すれば、ディスク基板の表面に傷
や異物付着等の損傷が生じるのを防止できるので、上記
要求に応えられる表面精度に優れたディスクが製造可能
である。
【0018】本発明の平面保持方法は、次のような構成
の平面保持ユニットを用いて好適に実施することができ
る。すなわち、本発明に係る平面保持ユニットは、表面
が平面状で、該表面から裏面に貫通する貫通孔を有する
保持部材と、前記保持部材の裏面側に設けられた吸気手
段とを備えてなり、前記保持部材の表面上に板状物体を
載せた状態で、前記吸気手段により吸気を行うと、前記
板状物体が前記保持部材の表面上に保持されることを特
徴とする。この平面保持ユニットによれば、吸気手段に
よって、保持部材の裏面側から吸気を行うことによっ
て、保持部材の表面側から裏面側へ流れる気流を発生さ
せることができる。したがって、この気流による風圧
で、板状物体を保持部材に押しつけるようにして保持す
ることできるので、板状物体の表面に物体を接触させる
ことなく、ソフトな力を作用させて平面状に保持するこ
とが可能である。よって、板状物体を、その表面に傷や
異物付着等の損傷を与えることなく、正確に平面状に保
持することができる。
【0019】特に、前記板状物体がディスク基板である
場合、前記保持部材が、その表面に前記ディスク基板の
中心孔より大きい第1の貫通孔を有するとともに、前記
保持部材上に前記ディスク基板を前記第1の貫通孔と中
心が一致するように載せたときに、前記ディスク基板の
外周縁の少なくとも一部が前記保持部材の端縁より外方
に位置するか、又は該ディスク基板の外周縁と重なる位
置に貫通孔が設けられているかの少なくともいずれかの
形状を備えることが好ましい。かかる構成によれば、デ
ィスク基板の中心が、上記第1の貫通孔の中心と一致す
るように配置することによって、ディスク基板の内周縁
部と外周縁部の両方に風圧を作用させることができ、デ
ィスク基板を保持部材の表面に押し付ける力を、ディス
ク基板の半径方向においてより均一化することができる
ので、ディスク基板に撓みや反りが生じるのを防止する
うえで好ましい。
【0020】また前記第1の貫通孔の径を15mmより
大きくし、前記保持部材の表面であって、該第1の貫通
孔と中心が同じで、径が80mmの円上に第2の貫通孔
が設けられており、かつ前記第1の貫通孔と中心が同じ
で径が120mmの円より内方に前記保持部材の端縁が
位置しているか、又は前記径が120mmの円上に第3
の貫通孔が設けられているかの少なくともいずれかの形
状を備える構成とすれば、外径80mmタイプのディス
ク基板および外径120mmタイプのディスク基板の両
方に適用可能であり、板状部材がいずれのディスク基板
であっても、その内周縁部と外周縁部の両方に風圧を作
用させることができる。
【0021】また、前記保持部材表面の表面粗さRaが
3.0μm以下であることが好ましく、かかる構成によ
れば、保持部材の表面上に保持される板状物体が保持部
材表面と接触した時に板状部材に傷が生じるのを抑える
ことができる。特に、前記板状物体が、微小な傷が生じ
ても製造不良となるディスク基板である場合には、かか
る構成を採用することが有効であり、歩留まりを向上さ
せることができる。
【0022】本発明の平面保持方法は、次のような構成
の平面保持装置により実施することができる。すなわ
ち、本発明に係る平面保持装置は、本発明の平面保持ユ
ニットと、該平面保持ユニットが移動する移動路と、前
記移動路上の第1の地点において、前記平面保持ユニッ
トの前記保持部材の表面上に前記板状物体を載せる手段
と、前記移動路上の第2の地点において前記平面保持ユ
ニットの前記保持部材から前記板状物体を取りはずす手
段とを備えることを特徴とする。かかる構成によれば、
連続工程に好適であり、生産性の向上に寄与することが
できる。また工程の自動化を図ることも可能である。
【0023】前記移動路が循環路をなしており、前記第
2の地点において前記板状物体が取りはずされた平面保
持ユニットに対して、前記第1の地点で別の板状物体が
載せられる構成とすれば、平面保持ユニットを繰り返し
使用でき、効率良く連続生産することができる。また、
前記移動路上に、複数の平面保持ユニットが同時に配置
可能とすれば、製造効率を向上させることができる。さ
らに、保持部材を移動路上で移動させる場合、前記吸気
手段として電動式のファンを前記保持部材と一体的に設
け、かつ前記移動路上に前記ファンに電力を供給するた
めの接触電極を設けることが好ましい。かかる構成によ
れば、移動路上を移動中も、保持部材における板状物体
の保持力を安定に保つことができる。また、保持部材と
ともに移動しているファンに対して容易に電力を供給す
ることができる。
【0024】前記移動路上で、前記平面保持ユニットを
間欠移動させるための手段を設けることが好ましい。移
動路上での保持部材の移動を間欠的に行えば、保持部材
の停止時にファンへ直流電圧を供給して、ファンへの電
力の供給を間欠的に行うことができる。保持部材の停止
時に、接触電極を介してファンへ電力を供給することに
より、電極の消耗が効果的に抑えられる。また、前記移
動路上で間欠移動するときの前記平面保持ユニットの加
速度および減速時の加速度を500cm/sec2以下
に制御可能な制御手段を設けることが好ましい。かかる
構成によれば、平面保持ユニットの加速時または減速時
に保持部材上の板状物体に作用する力、および平面保持
ユニットどうしが衝突したときの衝撃力を低減させて、
保持部材上で板状物体が移動するのを防止し、保持部材
と板状物体の接触により板状物体に傷が発生するのを防
止することができる。また特に、間欠移動時の前記平面
保持ユニットの加速度および減速時の加速度を500c
m/sec2以下とするとともに、前述した保持部材表
面の表面粗さRaを3.0μm以下とする構成を採用す
ることにより、板状物体における傷の発生をより効果的
に防止することできる。
【0025】上記のディスク製造方法は、次のような構
成のディスク製造装置により実施可能である。すなわ
ち、本発明に係るディスク製造装置は、2枚のディスク
基板を紫外線硬化性組成物を接着剤として貼り合わせて
1枚のディスクとするディスク製造装置であって、一方
のディスク基板に対して貼り合わせ面の一部に前記紫外
線硬化性組成物を塗布する塗布手段と、塗布された前記
紫外線硬化性組成物に対し紫外線を照射する紫外線照射
手段と、紫外線を照射された前記紫外線硬化性組成物を
挟んで前記一方のディスク基板と他方のディスク基板と
を貼り合わせる貼り合わせ手段と、双方のディスク基板
間に介在する前記紫外線硬化性組成物を展延する展延手
段と、本発明に係る平面保持装置において前記板状物体
として、前記紫外線硬化性組成物を挟んで重ね合わされ
た前記2枚のディスク基板を適用した前記平面保持装置
を備えることを特徴とする。ディスクの製造に際して
は、ディスク表面の状態が非常に厳しく要求されるが、
本発明のディスク製造装置によれば、平面保持装置にお
いて、ディスク基板は風圧で保持部材に押し付けられる
ようにして平面状に保持されるので、ディスク基板の表
面に傷や異物付着等の損傷が生じるのが防止され、上記
要求に応えられる表面精度に優れたディスクが製造可能
である。
【0026】
【実施例】本発明に係る第1の実施例をDVDの製造を
例にして説明する。図1にはDVD製造装置の概略構成
を示す。図において符号R1はディスク基板取出部、R
2はディスク作成部、R3はディスク検査部、R4はデ
ィスク払出部であり、いずれも図示しないケースの内部
に収納されている。
【0027】ディスク基板取出部R1は、貼り合わされ
て1枚のディスク(DVD)をなす2枚のディスク基板
1a,1bをディスク保持器2に別々に積層した状態に
ストックしておくストックエリアA1と、各ディスク保
持器2に保持されたディスク基板1a,1bを1枚ずつ
取り出す取出エリアA2とに分けて構成されている。
【0028】ディスク作成部R2は、ディスク基板1a
の貼り合わせ面に向けてカチオン型紫外線硬化性組成物
を塗布する塗布装置(塗布手段)3と、カチオン型紫外
線硬化性組成物を塗布されたディスク基板1aに紫外線
を照射する紫外線照射装置(紫外線照射手段)4と、カ
チオン型紫外線硬化性組成物を塗布されたディスク基板
1aとディスク基板1bとを貼り合わせて1枚のディス
ク1とする貼り合わせ装置(貼り合わせ手段)5と、貼
り合わせを終えたディスク1を展延する展延装置(展延
手段)6と、展延を終えたディスク1の端面硬化処理を
行う端面処理装置7と、端面処理を終えたディスク1を
所定時間だけ平面状に保持する平面保持装置20と、平
面保持を終えたディスク1をディスク検査部R3、ディ
スク払出部R4へと移載する移載装置8とによって構成
されている。
【0029】ディスク検査部R3は、ディスク1を検査
し良/不良を判定するディスク検査装置9によって構成
されている。ディスク払出部R4は、良品と判定された
ディスク1を払い出す良品払出部10と、不良品と判定
されたディスク1を払い出す不良品払出部11とによっ
て構成されている。
【0030】次に、上記のように構成されたDVD製造
装置によるディスク1の製造工程について説明する。ま
ず、ストックエリアA1に積み重ねられた一方のディス
ク基板1aがディスク作成部R2に供給される。ストッ
クエリアA1には複数のディスク基板1aがディスク保
持器2上に積層されており、ディスク保持器2をストッ
クエリアA1から取出エリアA2に移動させると、ディ
スク保持器2上に積層されたディスク基板1aのうち最
も上にある1枚が、図示しない搬送手段により塗布ステ
ージBの基板供給位置B1に移される。
【0031】ディスク基板1aは、塗布ステージBへの
搬送に際して反転装置12により反転される。これは、
前工程で貼り合わせ面に異物等が付着するのを防止する
ために、ストックエリアA1においてはディスク基板1
aが貼り合わせ面を下にしてストックされるためであ
る。これは他方のディスク基板1bについても同様であ
り、貼り合わせ装置5への搬送に際して反転装置13に
より反転される。
【0032】基板供給位置B1に移載されたディスク基
板1aは、塗布ステージBが図中矢印方向に回転するこ
とによって接着剤塗布位置B2に移される。接着剤塗布
位置B2に移されたディスク基板1aの貼り合わせ面に
は、塗布装置3によってカチオン型紫外線硬化性組成物
Sがディスク基板1aと同心円をなすリング状に塗布さ
れる。なお、カチオン型紫外線硬化性組成物Sには、波
長領域310〜340nmにおける光吸収係数が2×1
3-1以下の特性を有するものが使用される。このよ
うな紫外線硬化性組成物は、光重合開始剤として、35
0nm以下の光吸収係数が比較的小さい材料を選択的に
使用することによって得られる。
【0033】カチオン型紫外線硬化性組成物Sを塗布さ
れたディスク基板1aは、塗布ステージBがさらに回転
することによって基板移載位置B3に移される。基板移
載位置B3に移されたディスク基板1aはここで一時的
に停止し、紫外線照射装置4からカチオン型紫外線硬化
性組成物に向けて紫外線を照射される。紫外線照射を終
えたディスク基板1aは、図示しない搬送手段によって
貼り合わせ装置5に搬送される。
【0034】貼り合わせ装置5には、取出エリアA2か
ら図示しない搬送手段によって搬送されたディスク基板
1bが反転を終えて待機しており、ディスク基板1a,
1bが貼り合わせ面どうしを対向させて重ね合わされ、
カチオン型紫外線硬化性組成物を介して貼り合わされて
1枚のディスク1となる。
【0035】ディスク1は、図示しない搬送手段によっ
て展延装置6に移される。展延装置6では、ディスク1
は中央の孔を利用して把持され、自らの周方向に高速で
回転され、遠心力を利用してカチオン型紫外線硬化性組
成物の展延が行われる。これにより、ディスク基板1
a,1b間のカチオン型紫外線硬化性組成物は均一な厚
さの層に展延される。さらにこのとき、ディスク基板1
a,1bの中央孔を一致させることで軸心合わせが行わ
れる。
【0036】カチオン型紫外線硬化性組成物の展延を終
えたディスク1は、端面処理装置7に搬送され、ここで
ディスク1の表裏両面側から、紫外線と熱線(赤外線)
を含んだ光線が閃光的に照射される。このとき、反射ミ
ラーを用いるなどしてディスク1の端面に対しても照射
を行う。これにより、端面近傍のカチオン型紫外線硬化
性組成物の硬化が促進されて端面からの組成物のはみ出
しが防止されるとともに、熱線で加温されることによ
り、カチオン型紫外線硬化性組成物全体の硬化時間が短
縮される。
【0037】端面処理装置7での過程を終えたディスク
1は、平面保持装置20へ搬送される。平面保持装置2
0は、所定長さの移動路21と、この移動路21上を所
定の移動速度で移動する複数の平面保持ユニット30と
を備えている。平面保持ユニット30の上面には貫通孔
35,36を有する平板状の保持部材37が設けられて
おり、平面保持ユニット30内部に収容されているファ
ン34で吸気を行うことによって、ディスク1が保持部
材37上に平面状に保持されるようになっている。ディ
スク1は、まず移動路21の出発点(第1の地点)22
に位置する平面保持ユニット30上に搬送され、その平
面保持ユニット30の保持部材37上に平面状に保持さ
れる。平面保持ユニット30が移動路21上を終着点
(第2の地点)23まで移動する間、平面保持ユニット
30上のディスク1は所定の時間だけ平面状に保持され
ることになり、この間にカチオン型紫外線硬化性組成物
の硬化が進行し、貼合せたディスク1の形状が固まる。
【0038】平面保持装置20内での過程を終えたディ
スク1は、終着点23で平面保持ユニット30から取り
はずされてディスク検査装置9に搬送される。なお本実
施例では移動路21は循環路をなしており、その移動路
21上の出発点(第1の地点)22と終着点(第2の地
点)23とは同じ位置である。この出発点22であり終
着点23でもある位置で、平面保持ユニット30からデ
ィスク1が取りはずされた後、その平面保持ユニット3
0上へディスク1が載置されるように構成されている。
【0039】本実施例において、端面処理装置7から平
面保持装置20への搬送、および平面保持装置20から
ディスク検査装置9へのディスク1の搬送手段として移
載装置8が用いられ、さらにディスク1はこの移載装置
8によって、ディスク検査装置9から良品払出部10ま
たは不良品払出部11に搬送される。移載装置8には、
同期して駆動する3本のアーム8a,8b,8cが設け
られており、アーム8aによって、端面処理装置7から
平面保持装置20へディスク1が搬送されると同時に、
アーム8bによって、平面保持装置20の移動路21の
終着点23に到着した平面保持ユニット30からディス
ク1が取りはずされてディスク検査装置9に搬送される
と同時に、検査を終えたディスク1がアーム8cによっ
て良品払出部10または不良品払出部11に搬送され
る。
【0040】ディスク検査装置9において不良品と判定
されたものは正規のラインから外され、良品と判定され
たもののみが良品払出部10に用意されたディスク保持
器上に積層され、ディスク保持器ごと後工程に搬送され
る。
【0041】概ね上記のように構成されるDVD製造装
置において、平面保持装置20について説明する。本実
施例において、平面保持装置20は、図2に示すように
スパイラル状の移動路21を備えており、図3に示すよ
うな、車輪31を有する平面保持ユニット30が、移動
路21上を、上方の出発点22から下方へスパイラル状
に、重力の作用により移動するようになっている。また
移動路21の最も低い地点24に到着した平面保持ユニ
ット30は、リフト25によって、出発点22と同位置
である終着点23まで持ち上げられるようになってい
る。
【0042】図3(a)は平面保持ユニット30を上方
から見た平面図であり、(b)は側面図である。本実施
例の平面保持ユニット30は、底面および上面に開口を
有する筐体33の底面に車輪31が固定されており、筐
体33の内部には電動式のファン34が収容されてい
る。筐体33の上面には、第1の貫通孔35および第2
の貫通孔36を有する平板状の保持部材37が取り付け
られている。また保持部材37の中央には、ディスク1
の中央孔H1と嵌合する突起38が設けられている。
【0043】保持部材37に設けられている第1の貫通
孔35は円形で、その径は、ディスク中央孔H1の径、
すなわち15mmより大きい。本実施例において第1の
貫通孔35の径は40mmである。第2の貫通孔36
は、第1の貫通孔35と中心が同じで、径が80mmの
円H2に沿って断続的に設けられた長孔からなる。この
径が80mmの円H2は、外径80mmタイプのディス
クの外周縁に相当する。本実施例において、第2の貫通
孔36の径方向の幅は4mmである。また保持部材37
の幅Wは120mmより小さく形成されており、保持部
材37の端縁の一部が、第1の貫通孔35と中心が同じ
で径が120mmの円H3より内方に位置している。こ
の径が120mmの円H3は、外径120mmタイプの
ディスクの外周縁に相当する。本実施例において、保持
部材37の幅Wは118mmに形成されている。なお、
図示していないが、保持部材37の表面には上記第1の
貫通孔35および第2の貫通孔36の他にも貫通孔を適
宜設けてもよい。これら他の貫通孔は、保持部材37の
表面上にディスク1を保持したときに、ディスク1によ
って孔の一部または全部が閉塞されてもよく、開口した
ままであってもよい。例えば前記径が120mmの円H
3上に第3の貫通孔(図示せず)を設けてもよく、この
ような第3の貫通孔を設ける場合は、保持部材37の幅
Wを120mmより大きくしてもよい。
【0044】保持部材37表面の表面粗さRaは3.0
μm以下であることが好ましい。保持部材37の表面粗
さRaが3.0μmより大きいと、保持部材37の表面
とディスク1とが接触したときに、ディスク1に傷が発
生するおそれがある。また保持部材37表面の表面粗さ
Raが小さすぎると、保持部材37上に保持されたディ
スク1を取り外し難くなるので、表面粗さRaは1.5
μm以上とすることが好ましい。
【0045】また、筐体33の側面上には、外方に突出
する電極39が設けられており、この電極39はファン
34の駆動手段と電気的に接続されている。一方、移動
路21上には、移動路21上を移動する平面保持ユニッ
ト30の電極39と接触する位置に接触電極(図示せ
ず)が、移動路21の全長にわたって設けられている。
この接触電極は、平面保持ユニット30の電極39と接
触することにより、この電極39を介してファン34の
駆動手段へ直流電圧を供給できるように構成されてい
る。また図示しない制御装置によって、接触電極への送
電が制御されている。
【0046】本実施例において、平面保持装置20の移
動路21は、その最も高い位置にある出発点22から最
も低い位置24まで、45個の平面保持ユニット30が
連なって移動できる長さに形成されており、出発点22
から45ユニット分移動すると、最も低い位置24に到
達するように構成されている。
【0047】また、移動路21上における平面保持ユニ
ット30の移動速度の制御を行うために、移動路21に
おいて、最も低い位置24の手前の部分にベルトコンベ
アー等の搬送手段21aが設けられている。この搬送手
段21a上で平面保持ユニット30の移動速度を制御す
れば、この搬送手段21aより上方の平面保持ユニット
30の移動速度も同様に制御することが可能である。し
たがって、移動路21上において、例えば平面保持ユニ
ット30を3秒間で1ユニット分移動させた後、1秒間
停止させ、その後再び3秒間で1ユニット分移動させる
という動作を繰り返しながら、間欠的に移動させること
ができる。また移動路21上の複数の平面保持ユニット
30を同時に移動させることができる。
【0048】移動路21上で平面保持ユニット30を間
欠的に移動させる場合、平面保持ユニット30は、始動
時に加速され、所定の一定速度で移動した後、減速され
て停止する動作を繰り返す。本実施例において、始動時
の加速度、および停止時の加速度(減速時の加速度、す
なわち減速の割合)は搬送手段21aで制御可能であ
る。平面保持ユニット30が間欠移動するときの加速度
および減速時の加速度は500cm/sec2以下とす
ることが好ましい。平面保持ユニット30始動時の加速
度および/または停止時の減速時の加速度が500cm
/sec2以上になると、加速時または減速時に保持部
材37上に保持されているディスク1に作用する力が大
きくなって、保持部材37上でディスク1が微動するお
それがあるほか、始動時および停止時に平面保持ユニッ
ト30どうしが衝突したときの衝撃力が大きくなるの
で、保持部材37上でディスク1が踊ってしまう。した
がって、平面保持ユニット30の加速度および減速時の
加速度を500cm/sec2以下に制御することによ
って、保持部材37とディスク1との接触によりディス
ク1に傷が発生するのを防止することができる。ディス
ク1の傷防止効果の点では平面保持ユニット30の加速
度および減速時の加速度が小さい方が好ましく、200
cm/sec2以下がより好ましい。
【0049】また、搬送手段21aの制御装置と、接触
電極への送電を制御する制御装置とは連動しており、平
面保持ユニット30が停止している1秒の間のみ接触電
極への送電を行い、平面保持ユニット30が移動してい
る3秒の間は接触電極への送電を停止させて、平面保持
ユニット30のファン34へ直流電圧を間欠的に供給す
ることができるように構成されている。
【0050】上記のように構成された平面保持装置20
の作動の仕方について説明する。出発点22に位置して
いる平面保持ユニット30は、その保持部材37の表面
上に、端面処理装置7での過程を終えたディスク1が載
置される。ディスク1は、その中心孔H1が保持部材3
7の中央の突起38と嵌合するように配置される。この
とき、ディスク1の外径が80mmであれば、図中符号
H2で示すように、ディスク1の外周縁は第2の貫通孔
36上に位置し、ディスク1の外径が120mmであれ
ば、図中符号H3で示すようにディスク1の外周縁が部
分的に保持部材37からはみ出す。
【0051】保持部材37上にディスク1が載置された
後、ファン34に直流電圧を供給して回転を開始させて
吸気を行う。これにより、保持部材37の表面側から裏
面側へ流れる気流が生じ、その風圧でディスク1は保持
部材37の表面に押しつけられるようにして平面状に保
持される。この気流は、第1の貫通孔35内、および保
持部材37の周縁部を流れ、ディスク1の外径が80m
mであれば、第2の貫通孔36内にも流れる。したがっ
てディスク1は、その外径が120mmであっても80
mmであっても、外周縁部および内周縁部の両方におい
て風圧の作用を効果的に受けるので、より正確に平面状
に保持される。
【0052】このようにして、ディスク1を平面状に保
持した状態で、平面保持ユニット30は移動路21上
を、上方から下方へスパイラル状に移動する。この間、
移動路21上の複数の平面保持ユニット30の移動を同
時に、かつ間欠的に行うとともに、停止時にのみ、平面
保持ユニット30のファン34へ直流電圧を間欠的に供
給する。ファン34は、電力供給が停止している間も慣
性力により回り続け、ディスク1の保持力は保たれる。
【0053】移動路21の最も低い位置24に到着した
平面保持ユニット30は、リフト25で持ち上げられて
出発点22へ搬送される。リフト25で搬送されている
間はファン34への電力供給はなく、したがって、ファ
ン34は減速した後停止し、ディスク1の平面保持は解
除される。終着点23(出発点22)に平面保持ユニッ
ト30が搬送されると、ディスク1は、移載装置8によ
って、保持部材37上から取りはずされて検査装置9へ
搬送される。保持部材37上からディスク1が取りはず
された平面保持ユニット30は、再びその保持部材37
の表面上に、端面処理装置7での過程を終えたディスク
1が載置されて繰り返し使用され、上記と同様にしてデ
ィスク1を平面状に保持する工程が繰り返される。
【0054】本実施例において、移動路21上における
平面保持ユニット30の移動が、例えば3秒間で1ユニ
ット分移動した後、1秒間停止するという周期の間欠的
移動であれば、1ユニット分移動するのに4秒かかるこ
とになるので、出発点22から最も低い位置24に至る
までに4秒×45ユニット=180秒、すなわち3分か
かる。したがってディスク1は平面保持ユニット30上
で3分間だけ平面状に保持されることになり、この3分
間の間にカチオン型紫外線硬化性組成物の硬化が進行し
てディスク1の形状が固まる。
【0055】なお、上記実施例では、平面保持装置20
における移動路21をスパイラル状としたが、移動路の
形状は循環路(始点と終点とが相違する非循環路でもよ
い)をなしていればよく、各種形状とすることが可能で
ある。また上記実施例では、移動路21を傾斜させ、平
面保持ユニット30に車輪31を設けて、重力の作用に
より平面保持ユニット30が移動するように構成した
が、平面保持ユニット30を移動させるための構成はこ
れに限られるものではない。例えば移動路に高低差を設
けず、移動路自体を駆動させることによって平面保持ユ
ニット30を移動させることも可能である。移動路21
をスパイラル状とした場合、平面保持装置20を設置す
るスペースが小さく済み、重力の作用により平面保持ユ
ニット30を移動させれば省エネルギー化が図れる。
【0056】図4は平面保持装置の第2の実施例を示し
たもので、本実施例の平面保持装置が前記第1の実施例
における平面保持装置20と異なる点は、移動路が傾斜
しておらず、3重の周回路41,42,43と、上段の
周回路41と中段の周回路42との間を昇降する第1昇
降装置44と、中段の周回路42と下段の周回路43と
の間を昇降する第2昇降装置45と、上段の周回路41
と下段の周回路43との間を昇降する第3昇降装置46
とを備えている点である。平面保持ユニット48は、前
記実施例における平面保持ユニット30と同様に構成さ
れている。各周回路41,42,43には、複数台の平
面保持ユニット48が走行可能に設置されており、平面
保持ユニット48は、貼り合わされたディスク1を載せ
て各周回路41,42,43を、上段、中段、下段の順
に周回し、最終的には再び上段の周回路41に戻るよう
に構成されている。また平面保持ユニット48を間欠的
に移動させるために、各周回路41,42,43には、
平面保持ユニット48を所定の進行方向へ所定の距離だ
け移動させる送り装置(図示略)が間欠的に設けられて
おり、この送り装置によって平面保持ユニット48を移
動させる際の速度が図示しない制御装置で制御できるよ
うに構成されている。
【0057】本実施例においても、前記第1の実施例と
同様に、各周回路41,42,43上で平面保持ユニッ
ト48を間欠的に移動させる場合、平面保持ユニット4
8の加速度および減速時の加速度を500cm/sec
2以とすることが好ましく、より好ましくは200cm
/sec2以下とする。これにより加速時または減速時
に保持部材上の板状物体に作用する力、および保持部材
どうしが衝突したときの衝撃力を低減させて、保持部材
上で板状物体が移動するのを防止し、保持部材と板状物
体の接触により板状物体に傷が発生するのを防止するこ
とができる。
【0058】本実施例の平面保持装置において、端面処
理を終えたディスク1が、まず上段の周回路41の投入
位置に位置する平面保持ユニット48に載置される。デ
ィスク1が載置された平面保持ユニット48は上段の周
回路41を半周して第1昇降装置44に載る。第1昇降
装置44は、平面保持ユニット48を載せて中段の周回
路42まで降下する。中段の周回路42に降下した平面
保持ユニット48は、今度は中段の周回路42を逆方向
に1周して第2昇降装置45に載る。第2昇降装置45
は、平面保持ユニット48を載せて下段の周回路43ま
で降下する。下段の周回路43に降下した平面保持ユニ
ット48は、今度は下段の周回路43を再び逆方向に1
周して第3昇降装置46に載る。第3昇降装置46は、
平面保持ユニット48を載せて上段の周回路41まで上
昇する。上段の周回路41に戻った平面保持ユニット4
8は、周回路41を残り半周して排出位置に至る。
【0059】平面保持ユニット48が投入位置から排出
位置に至るまで、平面保持ユニット48上のディスク1
は平面状に保持されることになり、この間に紫外線硬化
性樹脂組成物の硬化が進行し、貼り合わせたディスク1
の形状が固まる。平面保持装置において硬化を終えたデ
ィスク1は、排出位置に到着した平面保持ユニット48
から取り外され、ディスク検査装置9に搬送される。
【0060】本実施例によれば、特に平面保持装置の移
動路を傾斜させず、周回路上で平面保持ユニット48を
水平方向に移動させる構成としたので、平面保持ユニッ
ト48の移動速度を制御し易いという利点が得られる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
気流によって板状物体が受ける風圧で、平面状の保持部
材の表面に板状物体を押しつけて保持することができ
る。したがって、板状物体の表面側に物体を接触させず
に、板状物体にソフトな力を作用させて該板状物体を平
面状に保持することができるので、板状物体の表面に傷
や異物付着等の損傷を与えることなく、また板状物体の
変形を招くことなく、正確に平面状に保持することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施例を示す図であっ
て、光ディスクの製造装置の概略構成を示す平面図であ
る。
【図2】 第1の実施例における平面保持装置の外観を
示す概略構成図である。
【図3】 平面保持ユニットを示したもので、(a)は
平面図、(b)は側面図である。
【図4】 平面保持装置の第2の実施例の外観を示す概
略構成図である。
【符号の説明】
1a,1b ディスク基板(板状物体) 1 ディスク 3 塗布装置(塗布手段) 4 紫外線照射装置(紫外線照射手段) 5 貼り合わせ装置(貼り合わせ手段) 6 展延装置(展延手段) 20 平面保持装置 21 移動路 30,48 平面保持ユニット 34 ファン 35 第1の貫通孔 36 第2の貫通孔 37 保持部材 39 電極 41,42,43 周回路
フロントページの続き Fターム(参考) 5D121 AA02 EE21 FF02 FF18 GG02 GG28 JJ02 JJ03 JJ09 5F031 CA01 CA20 DA01 DA11 FA02 FA07 FA30 GA24 GA26 GA30 GA35 GA60 HA12 HA80 LA18 PA13 PA18 PA23

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状物体を平面状に保持する方法であっ
    て、表面が平面状で、該表面から裏面に貫通する貫通孔
    を有する保持部材の表面上に、前記板状物体を載せた状
    態で、前記保持部材の裏面側から吸気を行い、該保持部
    材の表面側から裏面側へ流れる気流を発生させることに
    よって、前記板状物体を前記保持部材の表面上に保持す
    ることを特徴とする平面保持方法。
  2. 【請求項2】 前記板状物体がディスク基板であって、
    少なくとも、ディスク基板の内周縁部と外周縁部の両方
    において、前記気流を発生させる請求項1記載の平面保
    持方法。
  3. 【請求項3】 前記保持部材表面の表面粗さRaが3.
    0μm以下である請求項1記載の平面保持方法。
  4. 【請求項4】 第1の地点で前記保持部材の表面上に前
    記板状物体を保持させ、該保持部材を移動路上で移動さ
    せた後、第2の地点で前記板状物体を前記保持部材上か
    ら取りはずす工程を有する請求項1記載の平面保持方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第2の地点において前記板状物体が
    取りはずされた保持部材に対して、前記第1の地点で別
    の板状物体を載せて、該保持部材を繰り返し使用する請
    求項4記載の平面保持方法。
  6. 【請求項6】 前記移動路上に、前記板状物体を保持し
    た複数の保持部材を同時に配置させる請求項5記載の平
    面保持方法。
  7. 【請求項7】 前記保持部材の裏面側に、該保持部材と
    一体的に電動式のファンを設けるとともに、前記移動路
    上に前記ファンに電力を供給するための接触電極を設
    け、前記ファンを回転させることによって前記気流を発
    生させる請求項4記載の平面保持方法。
  8. 【請求項8】 前記移動路上において前記ファンへ直流
    電圧を間欠的に供給する請求項7記載の平面保持方法。
  9. 【請求項9】 前記移動路上での前記保持部材の移動を
    間欠的に行い、前記保持部材の停止時に、前記ファンへ
    直流電圧を供給する請求項8記載の平面保持方法。
  10. 【請求項10】 前記移動路上で間欠移動するときの前
    記保持部材の加速度および減速時の加速度がいずれも5
    00cm/sec2以下である請求項9記載の平面保持
    方法。
  11. 【請求項11】 2枚のディスク基板を紫外線硬化性組
    成物を接着剤として貼り合わせて1枚のディスクとする
    ディスク製造方法であって、 一方のディスク基板に対して貼り合わせ面の一部に前記
    紫外線硬化性組成物を塗布する工程と、 塗布された前記紫外線硬化性組成物に対し紫外線を照射
    する工程と、 紫外線を照射された前記紫外線硬化性組成物を挟んで前
    記一方のディスク基板と他方のディスク基板とを貼り合
    わせる工程と、 双方のディスク基板間に介在する前記紫外線硬化性組成
    物を展延する工程と、 前記請求項1ないし10のいずれかに記載の平面保持方
    法において、前記板状物体として、前記紫外線硬化性組
    成物を挟んで重ね合わされた前記2枚のディスク基板を
    適用し、該2枚のディスク基板を平面状に保持する工程
    を備えることを特徴とするディスク製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ディスクがDVDである請求項1
    1記載のディスク製造方法。
  13. 【請求項13】 表面が平面状で、該表面から裏面に貫
    通する貫通孔を有する保持部材と、前記保持部材の裏面
    側に設けられた吸気手段とを備えてなり、前記保持部材
    の表面上に板状物体を載せた状態で、前記吸気手段によ
    り吸気を行うと、前記板状物体が前記保持部材の表面上
    に保持されることを特徴とする平面保持ユニット。
  14. 【請求項14】 前記板状物体がディスク基板であっ
    て、前記保持部材が、その表面に前記ディスク基板の中
    心孔より大きい第1の貫通孔を有するとともに、前記保
    持部材上に前記ディスク基板を前記第1の貫通孔と中心
    が一致するように載せたときに、前記ディスク基板の外
    周縁の少なくとも一部が前記保持部材の端縁より外方に
    位置するか、又は該ディスク基板の外周縁と重なる位置
    に貫通孔が設けられているかの少なくともいずれかの形
    状を備えている請求項13記載の平面保持ユニット。
  15. 【請求項15】 前記第1の貫通孔の径は15mmより
    大きく、前記保持部材の表面であって、前記第1の貫通
    孔と中心が同じで径が80mmの円上に第2の貫通孔が
    設けられており、かつ前記第1の貫通孔と中心が同じで
    径が120mmの円より内方に前記保持部材の端縁が位
    置しているか、又は前記径が120mmの円上に第3の
    貫通孔が設けられているかの少なくともいずれかの形状
    を備えている請求項14記載の平面保持ユニット。
  16. 【請求項16】 前記保持部材表面の表面粗さRaが
    3.0μm以下である請求項13記載の平面保持ユニッ
    ト。
  17. 【請求項17】 請求項13〜16のいずれかに記載の
    平面保持ユニットと、該平面保持ユニットが移動する移
    動路と、前記移動路上の第1の地点において、前記平面
    保持ユニットの前記保持部材の表面上に前記板状物体を
    載せる手段と、前記移動路上の第2の地点において前記
    平面保持ユニットの前記保持部材から前記板状物体を取
    りはずす手段とを備えることを特徴とする平面保持装
    置。
  18. 【請求項18】 前記移動路が循環路をなしており、前
    記第2の地点において前記板状物体が取りはずされた平
    面保持ユニットに対して、前記第1の地点で別の板状物
    体が載せられる請求項17記載の平面保持装置。
  19. 【請求項19】 前記移動路上に、複数の平面保持ユニ
    ットが同時に配置可能である請求項18記載の平面保持
    装置。
  20. 【請求項20】 前記吸気手段として電動式のファンが
    前記保持部材と一体的に設けられており、かつ前記移動
    路上に前記ファンに電力を供給するための接触電極が設
    けられている請求項17記載の平面保持装置。
  21. 【請求項21】 前記移動路上で、前記平面保持ユニッ
    トを間欠移動させるための手段が設けられている請求項
    20記載の平面保持装置。
  22. 【請求項22】 前記移動路上で間欠移動するときの前
    記平面保持ユニットの加速度および減速時の加速度を5
    00cm/sec2以下に制御可能な制御手段が設けら
    れている請求項21に記載の平面保持装置。
  23. 【請求項23】 2枚のディスク基板を紫外線硬化性組
    成物を接着剤として貼り合わせて1枚のディスクとする
    ディスク製造装置であって、 一方のディスク基板に対して貼り合わせ面の一部に前記
    紫外線硬化性組成物を塗布する塗布手段と、 塗布された前記紫外線硬化性組成物に対し紫外線を照射
    する紫外線照射手段と、 紫外線を照射された前記紫外線硬化性組成物を挟んで前
    記一方のディスク基板と他方のディスク基板とを貼り合
    わせる貼り合わせ手段と、 双方のディスク基板間に介在する前記紫外線硬化性組成
    物を展延する展延手段と、 前記請求項17ないし22のいずれかに記載の平面保持
    装置において、前記板状物体として、前記紫外線硬化性
    組成物を挟んで重ね合わされた前記2枚のディスク基板
    を適用した前記平面保持装置を備えることを特徴とする
    ディスク製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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