JP2002367246A - ディスク製造方法 - Google Patents

ディスク製造方法

Info

Publication number
JP2002367246A
JP2002367246A JP2001172463A JP2001172463A JP2002367246A JP 2002367246 A JP2002367246 A JP 2002367246A JP 2001172463 A JP2001172463 A JP 2001172463A JP 2001172463 A JP2001172463 A JP 2001172463A JP 2002367246 A JP2002367246 A JP 2002367246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
ultraviolet
time
curable composition
irradiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001172463A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhide Ebisawa
勝英 蛯沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2001172463A priority Critical patent/JP2002367246A/ja
Publication of JP2002367246A publication Critical patent/JP2002367246A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線硬化性組成物をその硬化の進行に遅れ
ることなくディスク基板の外周縁部に展延させる。 【解決手段】 ディスク基板の貼合わせ面にカチオン重
合型紫外線硬化性組成物を円環状に塗布した後、紫外線
照射工程で設定した工程所要時間aの開始後、待機時間
cの間だけ紫外線照射せず、その後にカチオン重合型紫
外線硬化性組成物に要処理時間bだけ紫外線照射する。
工程所要時間終了時と紫外線照射の終了時とがほぼ一致
するように紫外線照射タイミングを設定することによっ
て、紫外線照射終了後、回転展延開始迄の間に待機時間
を設けないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク基板につ
いて紫外線硬化性組成物を接着剤として貼合わせてディ
スクを製造するディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばデジタル・ビデオ/バーサタイル
・ディスク、いわゆるDVDを製造する際には、2枚の
ディスク基板を、紫外線硬化性組成物等を接着剤として
貼合わせる手法が採用されている。ここでいう紫外線硬
化性組成物には、少なくともカチオン重合型紫外線硬化
性組成物とラジカル重合型紫外線硬化性組成物とが含ま
れる。従来、ラジカル重合型紫外線硬化性組成物を接着
剤として用いる場合は、2枚のディスク基板の少なくと
も一方に前記組成物を塗布し、これを挟んで2枚のディ
スク基板同士を重ね合わせ、この状態で紫外線照射し前
記組成物を硬化させていた。両面記録DVD−ROMの
場合では、紫外線が2枚のディスク基板間の接着剤層に
到達するまでの間に、情報記録層に相当するAl等の光
反射性薄膜が存在するものの、この薄膜自体は多少の紫
外線透過性(0.1〜1%透過率)を有するため、紫外
線照射による硬化自体は可能であった。しかしながら、
例えば両面記録DVD−RAM等の場合では、情報記録
層がZnS−SiO2膜やAl等の光反射薄膜を含む多
層構造になっているため、実質的な紫外線透過率がゼロ
となる。このような場合には、ラジカル重合型紫外線硬
化性組成物を接着剤として用いること自体ができない。
そこで近年、ラジカル重合型紫外線硬化性組成物に比し
て硬化速度の速いカチオン重合型紫外線硬化性組成物を
接着剤として用いる方法が開発されている。このような
方法としては、2枚のディスク基板の少なくとも一方に
カチオン重合型紫外線硬化性組成物を塗布し、塗布後に
この紫外線硬化性組成物に紫外線を照射して、これを挟
んで2枚のディスク基板を重ね合わせる。或いは前記紫
外線照射はカチオン重合型紫外線硬化性樹脂組成物を塗
布する前に行ってもよい。このようなディスク基板の貼
合わせ方法の一例として、接着剤を上方から落下させて
ディスク基板の貼合わせ面に同心円を描くように塗布
し、落下の途中で紫外線を接着剤に照射する方法があ
る。この方法によれば、紫外線がディスク基板に直接照
射されないために熱による情報記録層への影響を防止で
きる利点があるものの塗布の正確さと塗布量の均一性に
問題があり、ディスク基板を貼合わせて回転させた際に
接着剤がディスク基板間に完全に行き渡らず隙間を生じ
ることがあるという欠点がある。ディスク基板間に隙間
を生じたディスクは外観検査によっても発見が難しく、
製品として出荷して長期に使用するとディスク基板間に
水分が侵入して耐久性が低下したり、ディスクからの情
報の読み取りや書き込みにも支障を来すおそれがある。
【0003】このような欠点を改善するディスク貼合わ
せ方法として、ディスク基板に近接した位置で直接接着
剤を塗布した上で紫外線を照射する技術が提案されてい
る。即ち、ディスク基板の内周側に紫外線硬化性組成物
を接着剤として直接円環状に塗布し、接着剤に紫外線を
照射する。その後、2枚のディスク基板を貼合わせて回
転させることで接着剤をディスクの貼合わせ面全体に展
延させるというものである。そして、接着剤が展延され
たディスクを所定時間平面状態に維持すると接着剤が完
全硬化して貼合わせが完了する。ところで、このような
ディスク貼合わせ方法を用いて、製造ラインで多数のデ
ィスクを連続して生産すると、例えばディスク基板に対
する紫外線硬化性組成物である接着剤の塗布工程、ディ
スク基板上の接着剤に対する紫外線照射工程、ディスク
基板貼合わせ工程及び回転による展延工程等がディスク
基板の移載手段で連結されて連続して行われることにな
る。この場合、各工程でそれぞれの処理に要する時間
(以下、要処理時間という)が相違することが多く、製
造ラインでの各工程の処理をスムーズに連続してシーケ
ンス制御するために、各工程で設定される処理時間(以
下、工程所要時間という)は各工程中で最も処理に時間
のかかる工程の要処理時間に拘束されることになる。そ
のため、要処理時間の短い工程は要処理時間よりも工程
所要時間の方が長くなる。本発明における工程所要時間
とは、移載動作と移載動作との間で、ある工程に対して
割り当てられた処理のための時間であってディスクが各
工程を順次順調に移載されるために全工程を通じてほぼ
等しい長さの工程所要時間がそれぞれ設定される。この
ため1つのディスクの処理に長時間の要処理時間を要す
る工程には、装置を複数設置したり1装置内の収容個数
を増やしたりして1つのディスクを次工程に送り出す間
隔を設定された工程所要時間にほぼ一致させる等して、
工程間の順調な処理の流れを妨げないようにする必要が
ある。
【0004】そのため、要処理時間の比較的短い工程に
おいてはディスク基板がその工程に移載された時点で即
座に当該処理を行い、その後、他の工程の他の処理が完
了するまで、即ち設定された工程所要時間の残りの時間
を待機時間として待機していなければならなかった。例
えば、図4において紫外線照射工程の工程所要時間をa
(例えば5秒)として、接着剤の直接塗布工程終了後に
送られてきた、接着剤が円環状に塗布されたディスク基
板に対してこの工程の工程所要時間aの開始と同時に紫
外線照射が行われるが、この照射時間は要処理時間b
(b<a:例えば1秒)で終了する。そのため、紫外線
照射後に工程所要時間aが終了するまで待機時間c(=
a−b:例えば4秒)だけ待機しなければならなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、接着剤
として用いた紫外線硬化性組成物は、紫外線照射後に徐
々に硬化が進行するため、待機時間中であっても硬化が
進行することになり、工程所要時間終了後に次工程に送
られて他のディスク基板と貼り合わされ、更に次の工程
に送られて回転展延される際、既に接着剤の硬化が進行
しているために粘度が上昇してしまい、回転によるディ
スク基板間での展延が十分に行われなくなるおそれがあ
る。接着剤の展延がディスク基板の外周端縁まで全周に
わたって十分に行われないと接着剤層に隙間を発生さ
せ、製品品質を損ねるという上述した問題が生じる。特
にディスクの生産効率を向上させるために紫外線硬化性
組成物である接着剤の成分を調整して硬化重合速度を上
昇させると、ディスク基板の貼合わせ完了迄の時間を短
くすることができるが、工程所要時間の待機時間中の接
着剤の粘度上昇が一層進み、回転展延工程での接着剤の
展延性が更に低下して歩留まりが更に悪くなるという問
題が生じる。
【0006】本発明は、このような実情に鑑み、製造工
程における紫外線硬化性組成物の展延性を十分に確保し
て効率的で歩留まりのよいディスク製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるディスク製
造方法は、2枚のディスク基板をカチオン重合型紫外線
硬化性組成物を接着剤として貼合わせて1枚のディスク
とするディスクの製造方法において、ディスク基板の貼
合わせ面の一部にカチオン重合型紫外線硬化性組成物を
塗布する塗布工程と、塗布されたカチオン重合型紫外線
硬化性組成物に対し紫外線を照射する紫外線照射工程
と、紫外線を照射されたカチオン重合型紫外線硬化性組
成物を挟んで2枚のディスクを貼合わせる貼合わせ工程
と、双方のディスク基板間に介在するカチオン重合型紫
外線硬化性組成物を回転によって展延する展延工程とを
備えていて、紫外線照射工程の処理時間として設定され
た工程所要時間の終了時と紫外線照射の終了時とがほぼ
一致するように設定することを特徴とする。本発明によ
れば、カチオン重合型紫外線硬化性組成物をディスク基
板に塗布した後で、紫外線照射工程の工程所要時間の終
了時と紫外線照射の終了時とがほぼ一致するように紫外
線照射することによって、カチオン重合型紫外線硬化性
組成物に対して紫外線照射を終了した直後に次工程へ移
載してディスク基板の貼合わせを行い、次いで回転によ
る展延処理等の処理を行うことができ、紫外線照射工程
において紫外線照射後の待機時間がないためにカチオン
重合型紫外線硬化性組成物の粘度上昇に遅れずに展延処
理を行うことができる。そのため、接着剤層に隙間がで
きることがなくディスクとしての特性に悪影響を与えず
製品品質を良好に維持できる。
【0008】またカチオン重合型紫外線硬化性組成物
は、波長領域310〜340nmにおいて光吸収係数を
2×103-1以下のものであることが望ましい。一般
に、カチオン重合型紫外線硬化性組成物等の紫外線硬化
性組成物の光重合には波長350nm以下の紫外線が関
与しており、光重合開始剤として350nm以下に大き
な光吸収係数を有する材料が用いられている。このた
め、一般的な紫外線硬化性組成物では、特に重合に寄与
する340nm以下の波長における光吸収係数が1×1
4-1以上にもなっている場合が多い。ここで光吸収
係数とは、入射光強度I0、透過光強度I、透過距離x
との関係式I=I010-αxにおいてαで表される値で
ある。光吸収係数が1×104-1の場合、入射光強度
が10分の1に減衰するまでに透過する距離が、僅か
0.1mmしかないことになり、照射した紫外線エネル
ギーのほとんどが表面で吸収されることになる。したが
って、表面部分においてのみ硬化が生じ、表面と内部の
硬化状態とに差が生まれるので、本発明の製造方法のよ
うに紫外線照射後、展延を行う場合、紫外線硬化性組成
物が均一に広がらない原因となってしまう。一方、光吸
収係数が2×103-1以下であれば、入射光が10分
の1に減衰するまでに0.5mm以上透過することにな
るから、紫外線エネルギーは5倍以上の体積に亘って吸
収され、上記のような表面のみの集中的な吸収による部
分的硬化が生じ難く、均一な展延が可能となる。これに
より、ディスク基板間に接着剤層が均一に形成され、デ
ィスク基板間における紫外線硬化性組成物のはみ出しや
隙間の発生が防止される。なお、紫外線吸収により紫外
線硬化性組成物に反応種が植え付けられると、重合反応
は紫外線が十分透過せず反応種ができなかった部分にも
連鎖的に及ぶので接着剤層の硬化性には問題ない。
【0009】また紫外線照射工程の工程所要時間は紫外
線照射時間より長く設定されていることを特徴とする。
紫外線照射工程の工程所要時間開始直後を紫外線照射の
ための待機時間として、所定長さの待機時間経過後にデ
ィスク基板上に塗布されたカチオン重合型紫外線硬化性
組成物に対して紫外線を照射し、紫外線照射の終了とほ
ぼ同時に工程所要時間が完了するために、紫外線照射が
終了した直後にディスク基板の移載を経て、次工程にお
けるディスク基板の貼合わせを行うことができる。この
場合、貼合わせる他方のディスク基板は貼合わせのため
の待機状態にあり、紫外線照射終了後に待機時間を持た
ずに他方のディスク基板をカチオン重合型紫外線硬化性
組成物が塗布され且つ紫外線照射された一方のディスク
基板に貼合わせることができ、次いで次工程でディスク
を回転させてディスク基板間のカチオン重合型紫外線硬
化性組成物の展延処理を開始できる。紫外線照射終了後
から展延処理開始までの時間は、ほとんどディスク基板
貼合わせのための要処理時間として費やされ、待機時間
が発生しない。また貼合わせ工程の要処理時間が貼合わ
せ工程の工程所要時間とほぼ同一であるようにしてもよ
い。これによって紫外線照射終了時から貼合わせ工程を
介して回転による展延処理の開始まで待機時間を持たず
に連続処理することになり、紫外線照射後にカチオン重
合型紫外線硬化性組成物の粘度上昇に遅れずに展延処理
を行うことができて、貼合わせた2枚のディスク基板の
外周端縁までカチオン重合型紫外線硬化性組成物の展延
を確実に行うことができ、接着剤層に隙間ができること
がなくディスクとしての製品品質を良好にできる。尚、
ディスクがDVDであってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態をDVDの
製造を例にして説明する。図1にはDVD製造装置の概
略構成を示す。図において符号R1はディスク基板取出
部、R2はディスク作成部、R3はディスク検査部、R
4はディスク払出部であり、いずれも図示しないケース
の内部に収納されている。ディスク基板取出部R1は、
貼り合わされて1枚のディスク(DVD)をなす2枚の
ディスク基板1a,1bをディスク保持器2に別々に積
層した状態にストックしておくストックエリアA1と、
各ディスク保持器2に保持されたディスク基板1a,1
bを1枚ずつ取り出す取出エリアA2とに分けて構成さ
れている。
【0011】ディスク作成部R2は、ディスク基板1a
の貼合わせ面に向けて接着剤としてカチオン重合型紫外
線硬化性組成物を塗布する塗布装置3と、カチオン重合
型紫外線硬化性組成物を塗布されたディスク基板1aに
紫外線を照射する紫外線照射装置4と、カチオン重合型
紫外線硬化性組成物を塗布されたディスク基板1aと他
のディスク基板1bとを貼合わせて1枚のディスク1と
する貼合わせ装置5と、貼合わせを終えたディスク1を
回転によって展延する展延装置6と、展延を終えたディ
スク1の端面硬化処理を行う端面処理装置7と、端面処
理を終えたディスク1を所定時間だけ平面状に保持する
平面保持装置20と、平面保持を終えたディスク1をデ
ィスク検査部R3、ディスク払出部R4へと移載する移
載装置8とによって構成されている。ディスク検査部R
3は、ディスク1を検査し良/不良を判定するディスク
検査装置9によって構成されている。ディスク払出部R
4は、良品と判定されたディスク1を払い出す良品払出
部10と、不良品と判定されたディスク1を払い出す不
良品払出部11とによって構成されている。
【0012】次に、上記のように構成されたDVD製造
装置によるディスク1の製造方法について図1と図2に
示す製造工程図とを中心に説明する。ディスク1の製造
はシーケンス制御によって行われる。まず、ストックエ
リアA1に積み重ねられた一方のディスク基板1aがデ
ィスク作成部R2に供給される。ストックエリアA1に
は複数のディスク基板1aがディスク保持器2上に積層
されており、ディスク保持器2をストックエリアA1か
ら取出エリアA2に移動させると、ディスク保持器2上
に積層されたディスク基板1aのうち最も上にある1枚
が、図示しない搬送手段により塗布ステージBの基板供
給位置B1に移される。ディスク基板1aは、塗布ステ
ージBへの搬送に際して反転装置12により反転され
る。これは、前工程で貼合わせ面に異物等が付着するの
を防止するために、ストックエリアA1においてはディ
スク基板1aが貼合わせ面を下にしてストックされるた
めである。これは他方のディスク基板1bについても同
様であり、貼合わせ装置5への搬送に際して反転装置1
3により反転される。
【0013】塗布工程101において、基板供給位置B
1に移載されたディスク基板1aは、塗布ステージBが
図中矢印方向に回転することによって接着剤塗布位置B
2に移される。接着剤塗布位置B2に移されたディスク
基板1aの貼合わせ面には、塗布装置3によってカチオ
ン重合型紫外線硬化性組成物Sが接着剤としてディスク
基板1aと同心円をなすリング状に塗布される。なお、
カチオン重合型紫外線硬化性組成物Sには、波長領域3
10〜340nmにおける光吸収係数が2×103-1
以下の特性を有するものを使用するのが好ましい。一般
に、カチオン重合型紫外線硬化性組成物を含む紫外線硬
化性組成物の光重合には波長350nm以下の紫外線が
関与しており、光重合開始剤として350nm以下に大
きな光吸収係数を有する材料が用いられている。このた
め、一般的な紫外線硬化性組成物では、特に重合に寄与
する340nm以下の波長における光吸収係数が1×1
4-1以上にもなっている場合が多い。ここで光吸収
係数とは、入射光強度I0、透過光強度I、透過距離x
との関係式I=I010-αxにおいてαで表される値で
ある。光吸収係数が1×104-1の場合、入射光強度
が10分の1に減衰するまでに透過する距離が、僅か
0.1mmしかないことになり、照射した紫外線エネル
ギーのほとんどが表面で吸収されることになる。したが
って、表面部分においてのみ硬化が生じ、表面と内部の
硬化状態とに差が生まれるので、紫外線照射後に回転に
よる展延を行う場合、紫外線硬化性組成物が均一に広が
らない原因となってしまう。一方、光吸収係数が2×1
3-1以下であれば、入射光が10分の1に減衰する
までに0.5mm以上透過することになるから、紫外線
エネルギーは5倍以上の体積に亘って吸収され、上記の
ような表面のみの集中的な吸収による部分的硬化が生じ
難く、均一な展延が可能となる。これにより、ディスク
基板間に接着剤層が均一に形成され、ディスク基板間に
おける紫外線硬化性組成物のはみ出しや隙間の発生が防
止される。なお、紫外線吸収により紫外線硬化性組成物
に反応種が植え付けられると、重合反応は紫外線が十分
透過せず反応種ができなかった部分にも連鎖的に及ぶの
で接着剤層の硬化性には問題ない。
【0014】カチオン重合型紫外線硬化性組成物Sを塗
布されたディスク基板1aは、塗布ステージBがさらに
回転することによって基板移載位置B3に移される。基
板移載位置B3に移されたディスク基板1aはここで一
時的に停止し、紫外線照射工程102として、紫外線照
射装置4からカチオン重合型紫外線硬化性組成物Sに向
けて紫外線を照射される。紫外線はマスク等によってカ
チオン重合型紫外線硬化性組成物Sにのみ照射するよう
にし、紫外線照射を終えたディスク基板1aは、図示し
ない搬送手段によって貼合わせ装置5に搬送される。貼
合わせ装置5には、取出エリアA2から図示しない搬送
手段によって搬送されたディスク基板1bが反転を終え
て待機しており、ディスク基板1a,1bが貼合わせ面
どうしを対向させて重ね合わされ、カチオン重合型紫外
線硬化性組成物Sを介して貼り合わされて1枚のディス
ク1となる(ディスク基板貼合わせ工程103)。ディ
スク1は、図示しない搬送手段によって展延装置6に移
される。展延装置6では、回転展延工程104としてデ
ィスク1は中央の孔を利用して把持され、自らの周方向
に高速で回転され、遠心力を利用してカチオン重合型紫
外線硬化性組成物の展延が行われる。これにより、ディ
スク基板1a,1b間のカチオン重合型紫外線硬化性組
成物は均一な厚さの層に展延される。さらにこのとき、
ディスク基板1a,1bの中央孔を一致させることで軸
心合わせが行われる。
【0015】カチオン重合型紫外線硬化性組成物の展延
を終えたディスク1は、端面処理装置7に搬送され、こ
こでディスク1の表裏両面側から、紫外線と熱線(赤外
線)を含んだ光線が閃光的に照射される(両面紫外線/
熱線照射工程105)。このとき、反射ミラーを用いる
などしてディスク1の端面に対しても照射を行う。これ
により、端面近傍のカチオン重合型紫外線硬化性組成物
の硬化が促進されて端面からの組成物のはみ出しが防止
されるとともに、熱線で加温されることにより、カチオ
ン重合型紫外線硬化性組成物全体の硬化時間が短縮され
る。端面処理装置7での過程を終えたディスク1は、平
面保持装置20へ搬送されて平面保持工程106に供さ
れる。平面保持装置20は、所定長さの移動路21と、
この移動路21上を所定の移動速度で移動する平面保持
ユニット30とを備えている。平面保持ユニット30の
上面にはディスク1が平面状に載置され、平面保持ユニ
ット30の内部に設けられたファンなどでソフトに吸引
保持される。ディスク1は平面保持ユニット30で保持
された状態で、移動路21の出発点から終着点まで移動
する間の所定の時間養生され、この間にカチオン重合型
紫外線硬化性組成物の硬化が進行し、貼合せたディスク
1の形状が固まる。
【0016】平面保持装置20内での過程を終えたディ
スク1は、終着点で平面保持ユニット30から取りはず
されてディスク検査装置9に搬送される。本実施形態に
おいて、端面処理装置7から平面保持装置20への搬
送、および平面保持装置20からディスク検査装置9へ
のディスク1の搬送手段として移載装置8が用いられ、
さらにディスク1はこの移載装置8によって、ディスク
検査装置9から良品払出部10または不良品払出部11
に搬送される。移載装置8には、同期して駆動する3本
のアーム8a,8b,8cが設けられており、アーム8
aによって、端面処理装置7から平面保持装置20へデ
ィスク1が搬送されると同時に、アーム8bによって、
平面保持装置20の移動路21の終着点に到着した平面
保持ユニット30からディスク1が取りはずされてディ
スク検査装置9に搬送されると同時に、検査を終えたデ
ィスク1がアーム8cによって良品払出部10または不
良品払出部11に搬送される。ディスク検査装置9にお
いて不良品と判定されたものは正規の製造ラインから外
され、良品と判定されたもののみが良品払出部10に用
意されたディスク保持器上に積層され、ディスク保持器
ごと後工程に搬送される。
【0017】概ね上記のように構成されるDVD製造方
法において、ディスク貼合わせ方法に関連する主要部分
の工程を図2により説明する。尚、図2には工程所要時
間が同一である場合のディスク基板貼合わせ方法の主要
工程が示されている。ここでは各工程間に介在している
移載時間は省略した。ディスク基板1aの塗布工程10
1、紫外線照射工程102、ディスク基板貼合わせ工程
103、回転展延工程104、ディスク1外側面に対す
る両面紫外線/熱線照射工程105、ディスク1の平面
保持工程106等の各工程は、それぞれの処理時間が工
程所要時間a(例えば5秒)として与えられている。こ
の工程所要時間aは各処理工程中の最も要処理時間の長
い工程に基づいて設定されたものであり、本実施の形態
の貼合わせ方法によれば、ディスク基板貼合わせ工程1
03が最も要処理時間が長く設定されていて、その要処
理時間に等しく工程所要時間aが規定されていると、デ
ィスク基板貼合わせ工程に待機時間が発生せず好まし
い。ディスク基板貼り合わせ工程より長い要処理時間を
要する工程があるときは、この工程の装置数を増やして
貼合わせ工程の工程所要時間内での対応が可能となるよ
うにすることが好ましい。
【0018】本実施の形態によるディスク貼合わせ方法
において、シーケンス制御により、塗布工程101で工
程所要時間a内でディスク基板1aにカチオン重合型紫
外線硬化性組成物Sが同心円を描くよう円環状に塗布さ
れ、工程所要時間aが経過した後、ディスク基板1aは
紫外線照射工程102に搬送される。この紫外線照射工
程102の工程所要時間aが図3に示されている。図3
に示す紫外線照射工程102において、工程所要時間a
の開始から待機時間cだけ紫外線照射することなく待機
し、次いで残った要処理時間(ここでは紫外線照射時
間)bだけカチオン重合型紫外線硬化性組成物Sに紫外
線を例えば複数回の閃光照射によって照射する。換言す
れば、紫外線照射工程102の工程所要時間a中、要処
理時間bを除いた時間(a−b)を待機時間cとして設
定して工程所要時間開始から待機し、工程所要時間aの
終了時点が紫外線照射の終了時点とほぼ一致するように
紫外線照射開始のタイミングを待機時間cの終了時点に
設定する。
【0019】このように設定することで紫外線照射の終
了後に待機時間を経ることなく即座に、ディスク基板貼
合わせ工程103にディスク基板1aを搬送でき、待ち
かまえていた他方のディスク基板1bを貼合わせて回転
展延工程104に搬送して回転展延することができる。
ここで、ディスク基板貼合わせ工程103で他方のディ
スク基板1bは貼合わせのための待機状態に維持されて
いてその貼合わせ作業に設定された工程所要時間aの殆
どを要処理時間b(例えばb≒5秒)として貼合わせ作
業に費やすことになる。そのため、カチオン重合型紫外
線硬化性組成物Sに紫外線照射したディスク基板1aと
の貼合わせのための待ち時間はほとんどない。そして、
貼合わせ終了後に次の回転展延工程104に移載して即
座に即ち回転展延工程104の工程所要時間aの開始直
後に回転展延を開始する。例えば、本実施の形態では紫
外線照射終了直後から回転展延開始まで5秒(=貼合わ
せ工程の工程所要時間a)に短縮されるが、従来では紫
外線照射工程の待機時間c(=4秒)が更に介在するた
めに紫外線照射終了直後から回転展延開始まで9秒(=
4秒+5秒)かかることになってしまう。このように本
実施の形態によれば、ディスク基板1aに塗布されたカ
チオン重合型紫外線硬化性組成物Sに紫外線照射された
後、待機時間を持つことなく貼合わせ作業を行って回転
処理が開始されることになる。そのため、紫外線照射後
に粘度の上昇に遅れることなく貼合わせと回転展延を連
続して行えるから、カチオン重合型紫外線硬化性組成物
の重合硬化速度が速くても円形板状の2枚のディスク基
板1a、1bの外周縁部まで回転によって十分展延させ
ることができ、基板間に完全に行き渡らせることができ
る。
【0020】上述のように本実施の形態によれば、ディ
スク基板1aのカチオン重合型紫外線硬化性組成物Sに
紫外線を照射した後、待機時間を持たずに他のディスク
基板1bを貼合わせて回転展延することができ、カチオ
ン重合型紫外線硬化性組成物Sの粘度の上昇に遅れるこ
となく展延性を阻害されずに2枚のディスク基板1a、
1b間に完全にカチオン紫外線硬化性組成物Sを行き渡
らせることができる。従ってディスク基板間の接着剤層
に隙間が生じることなく高品質のディスク1を安定して
製造でき歩留まりが高い。特にカチオン重合型紫外線硬
化性組成物Sとして、波長領域310〜340nmにお
いて光吸収係数を2×103-1以下のものを用いる
と、紫外線エネルギーを接着剤内部(深部)にまで浸透
させることができるため硬化ムラや硬化不良をなくすこ
とができて、回転による展延不良をなくすことができ、
展延性が損なわれることなくディスク基板間に完全に行
き渡らせることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によるディスク製造方法は、紫外
線照射工程に設定された工程所要時間の終了時と紫外線
照射の終了時とがほぼ一致するように設定したから、カ
チオン重合型紫外線硬化性組成物の粘度上昇に遅れるこ
となく展延処理を行うことができて、2枚のディスク基
板の外周端縁までカチオン重合型紫外線硬化性組成物を
行き渡らせることができ、接着剤層に隙間ができること
がなく製品品質を良好に維持できる。
【0022】またカチオン重合型紫外線硬化性組成物
は、波長領域310〜340nmにおいて光吸収係数を
2×103-1以下とするようにしたため、紫外線エネ
ルギーを接着剤内部(深部)にまで浸透させることがで
きるため硬化ムラや硬化不良をなくすことができ、これ
によって回転による展延不良をなくすことができ、ディ
スク基板全体を隙間なく貼合わせることができる。また
紫外線照射工程の工程所要時間は紫外線照射時間より長
く設定されていても、待機時間を持たずに紫外線照射か
ら貼合わせと展延処理を行える。また貼合わせ工程の要
処理時間が貼合わせ工程の工程所要時間とほぼ同一であ
るため、紫外線照射終了時から貼合わせ工程を介して回
転による展延処理の開始まで待機時間を持たずに連続処
理することができ、紫外線照射後にカチオン重合型紫外
線硬化性組成物の粘度上昇に遅れずに貼合わせと展延処
理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施の形態を示す図であ
って、DVDの製造装置の概略構成を示す平面図であ
る。
【図2】 図1に示すDVD製造装置によるディスク基
板貼合わせ方法の主要工程を示すタイムチャートであ
る。
【図3】 実施の形態による紫外線照射工程の工程所要
時間における待機時間と要処理時間の関係を示す図であ
る。
【図4】 従来の紫外線照射工程の工程所要時間におけ
る待機時間と要処理時間の関係を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b ディスク基板 1 ディスク 3 塗布装置 4 紫外線照射装置 5 貼合わせ装置 6 展延装置 20 平面保持装置 a 工程所要時間 b 要処理時間 c 待機時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 541 G11B 7/24 541K Fターム(参考) 4D075 AC64 AC91 BB14Z BB43Y BB46Y BB95Y CA12 CA48 DA08 DC27 EA21 EA35 EB51 4J040 JB08 KA13 LA06 LA09 MB05 NA20 PA32 PB06 5D029 RA30 5D121 AA07 EE22 EE23 EE28 FF03 FF11 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン重合型紫外線硬化性組成物を接
    着剤として2枚のディスク基板を貼合わせて1枚のディ
    スクとするディスクの製造方法において、 ディスク基板の貼合わせ面の一部に前記カチオン重合型
    紫外線硬化性組成物を塗布する塗布工程と、 塗布された前記カチオン重合型紫外線硬化性組成物に対
    し紫外線を照射する紫外線照射工程と、 紫外線を照射された前記カチオン重合型紫外線硬化性組
    成物を挟んで2枚のディスク基板を貼合わせる貼合わせ
    工程と、 双方のディスク基板間に介在する前記カチオン重合型紫
    外線硬化性組成物を回転によって展延する展延工程とを
    備えていて、 前記紫外線照射工程の処理時間として設定された工程所
    要時間の終了時と紫外線照射の終了時とがほぼ一致する
    ように設定したことを特徴とするディスク製造方法。
  2. 【請求項2】 前記カチオン重合型紫外線硬化性組成物
    が、波長領域310〜340nmにおいて光吸収係数を
    2×103-1以下とすることを特徴とする請求項1記
    載のディスク製造方法。
  3. 【請求項3】 前記紫外線照射工程の工程所要時間は紫
    外線照射時間より長く設定されていることを特徴とする
    請求項1または2記載のディスク製造方法。
  4. 【請求項4】 前記貼合わせ工程の要処理時間が貼合わ
    せ工程の工程所要時間とほぼ同一であることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載のディスク製造方
    法。
JP2001172463A 2001-06-07 2001-06-07 ディスク製造方法 Withdrawn JP2002367246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001172463A JP2002367246A (ja) 2001-06-07 2001-06-07 ディスク製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001172463A JP2002367246A (ja) 2001-06-07 2001-06-07 ディスク製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002367246A true JP2002367246A (ja) 2002-12-20

Family

ID=19014080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001172463A Withdrawn JP2002367246A (ja) 2001-06-07 2001-06-07 ディスク製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002367246A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014048496A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Nitto Denko Corp 偏光フィルムの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014048496A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Nitto Denko Corp 偏光フィルムの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4831796B2 (ja) 貼合方法及び貼合装置
TWI384476B (zh) Fitting method and fitting device
TW200903482A (en) Bonding method and bonding apparatus
JP2000268416A (ja) 光ディスク接着装置
JP2002367246A (ja) ディスク製造方法
JP5056073B2 (ja) テープの使用方法及び半導体装置の製造方法
JPH09147430A (ja) 情報記録ディスクの製造方法および装置
JPH11273165A (ja) ディスク搬送方法、ディスク搬送装置及びディスクの製造方法
JP3637759B2 (ja) 基板の貼り合わせ方法および装置
JP2002020701A (ja) 接着方法、ディスク製造方法およびディスク製造装置
JP2003211057A (ja) 液状物体の塗布方法及び塗布装置と円板状物体の貼り合わせ方法及び貼り合わせ装置
JP2003036575A (ja) ディスクの製造方法およびディスクの製造装置
JPH09293280A (ja) 光記録媒体の製造方法
JP3468972B2 (ja) ディスク貼り合わせ装置
JP2003257086A (ja) 平面保持方法、平面保持ユニット、平面保持装置、ディスク製造方法、およびディスク製造装置
JP2000276786A (ja) 貼合せ方法および装置、光ディスクの製造方法
JP2002042383A (ja) 光ディスク貼合方法及び貼合装置
JP4612481B2 (ja) 光ディスクの製造装置
JP2002025125A (ja) 接着方法、ディスク製造方法およびディスク製造装置
TW200937411A (en) Transfer device and transfer method
JP2003217184A (ja) ディスク貼り合わせ装置
JP2002197729A (ja) ディスク製造装置
JP2003045090A (ja) ディスク基板搬送装置、およびそれを用いるディスク製造装置
JP2002074759A (ja) 光ディスク貼り合わせ方法および装置
JP2002352481A (ja) ディスク製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080902