JP3555919B2 - 光ディスクの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式ビデオディスクやDVD(デジタルビデオディスク)などの2枚のディスクを貼り合せて作製される光ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光学式ビデオディスクは、以下のような工程で作製される。
まず、情報を支承するピットが形成されたスタンパを射出成形機に取り付け、このスタンパによってポリカーボネートやアクリルなどの透光性の合成樹脂を射出成形することにより、ピットが転写された透光性の合成樹脂基板を作製する。
【0003】
次に、この基板のピット形成面(信号面)にスパッタ法や真空蒸着法などによりアルミニウム又はアルミニウム合金などを被着させ反射膜を形成する。次に、この反射膜の表面に紫外線硬化型樹脂をスピンコート法により塗布して紫外線を照射することにより保護膜を形成する。
【0004】
このようにして、貼り合わされるべきA面、B面の一対のディスクをそれぞれ別々に作製した後、それぞれのディスクの保護膜上にホットメルトタイプの粘着剤をロールコータなどにより塗布し、2枚のディスクを貼り合せることにより作製される。
【0005】
最近、DVD(デジタルビデオディスク)と称される小型で高密度記録可能な貼り合わせ方式の光学式ビデオディスクが開発されているがこのDVDも前述した従来の光学式ビデオディスクと同様な工程で作製される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の成形から貼り合わせまでの工程は、従来バッチ式で各工程用の装置によって不連続に行われてきたが、最近では生産の効率化のためにこれらの装置をハンドリング装置によって継ぎ、連続した工程で貼り合わせ方式の光ディスクを生産することが要求されるようになってきた。
【0007】
このように連続した工程で光ディスクを生産する場合、貼り合わせ工程より前の工程でA面、B面のどちらかのディスクに不良が発生してもそのまま貼り合わせ工程に供給すると共に不良品の位置を監視し、その後の検査工程で不良品を振り分けることが考えられる。
【0008】
しかしながら、不良品を振り分けが最終工程で行われるため、途中の工程でトラブルが発生すると検査工程での良品、不良品の振り分けの信頼性が低くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、貼り合わせ型の光ディスクを効率良く生産することができる光ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、連続した工程で、第1の成形機により第1のディスクを成形すると共に第2の成形機により第2のディスクを成形し、第1及び第2のディスクを交互に反射膜形成装置に供給して第1及び第2のディスクに反射膜を順次形成し、反射膜が形成された第1及び第2のディスクを保護膜形成装置に順次供給して第1及び第2のディスクの反射膜上に保護膜を形成し、保護膜が形成された第1及び第2のディスクを貼り合わせ装置に供給して第1及び第2のディスクを貼り合せてなる光ディスクの製造方法であって、反射膜又は保護膜の形成不良が生じた場合、貼り合わせ装置に供給する前に貼り合わされるべき第1及び第2のディスクを対にして排出することを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明は以上の方法を用いたので、ディスクの成形から貼り合わせまでを連続して行って貼り合わせ型の光ディスクを製造する場合において、反射膜又は保護膜の形成不良が生じた場合、貼り合わせに用いる第1及び第2のディスクの一方に反射膜又は保護膜の形成不良が生じた場合でも、貼り合わせ装置に供給する前に対となる他方のディスクを容易に判別することができ、対となる第1及び第2のディスクを排出することが容易となり、良品、不良品の振り分けの信頼性が向上する。
また、光ディスクのA面、B面にそれぞれ対応する第1、第2のディスクが必ず対となって貼り合わせ工程に供給されるため、光ディスクの貼り合わせミスを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、DVDとCD(コンパクトディスク)の兼用一貫生産システムに適用した一実施形態の全体構成を示している。図2は、図1の構成の模式的な平面構成を示している。図1及び図2において、一点鎖線の矢印は、ディスクの搬送ラインと搬送方向を示している。
【0013】
まずA面、B面の一対のディスクを貼り合せたDVDの生産工程について、図1及び図2に基づいて説明する。
A面のスタンパが装着された第1の射出成形機1a及びB面のスタンパが装着された第2の射出成形機1bにより、透明な合成樹脂製の第1のディスク基板(A面)及び第2のディスク基板(B面)が同時にかつ連続的に成形される。
【0014】
成形された第1及び第2のディスク基板は、第1及び第2の射出成形機1a、1bから、旋回移載アームを有する取出機2a、2bで取出され、それぞれ自動巡回型の搬送機3a、3b上に受け渡される。搬送機3a、3b上を搬送されて冷却された第1及び第2のディスク基板は、搬送機3a、3bの取出し位置で一対の旋回移載アーム4a、4bによって取出され、一対の搬送機5a、5bに移載される。
【0015】
一対の搬送機5a、5bに移載された第1及び第2のディスク基板は、取出し位置で旋回移載アーム6によって交互に取出され、間欠的に回転するターンテーブル(搬送ライン)7のディスク受け台(トレイ)に交互に移載される。旋回移載アーム6は、所定角度に配置され同時に旋回する2本のアームを有し、一方のアームが一対の搬送機5a、5bの一方からディスク基板の取出し位置にある時他方のアームがターンテーブル7のディスク受け台へのディスク基板の受け渡し位置にあるように旋回して第1及び第2のディスク基板をターンテーブル7のディスク受け台に交互に移載する。
【0016】
ターンテーブル7は、その円周方向に偶数個のトレイを有している。これにより、交互に移載されてくる第1及び第2のディスク基板は、必ず同一のトレイ上に載置される。従って、例えば第1のディスク基板が不良となった場合、後述するように第1のディスク基板及び貼り合わせの際対となる第2のディスク基板をターンテーブル7のトレイから確実に取り除くことができるようになる。
ターンテーブル7により、間欠的に搬送された第1及び第2のディスク基板は交互にスパッタ装置8に供給され、スパッタリング法によりアルミニウム又は、アルミニウム合金の反射膜が形成され再び同じディスク受け台に置かれる。
【0017】
スパッタ装置8の駆動電圧及び積算電力は、制御装置40により、モニタされており、制御装置40は、スパッタ装置8の駆動電圧又は積算電力が所定範囲内か否かを常時モニタし、スパッタ装置8の駆動電圧又は積算電力が所定範囲外となったことに応答して貼り合わされるべき第1及び第2のディスク基板のどちらか一方にスパッタ不良が発生したとしても両方のディスクを対で取り除くように後述する旋回移載アームを制御する制御信号を発生する。
【0018】
スパッタ装置8にて反射膜が形成され再び同じディスク受け台に置かれた第1及び第2のディスク基板はターンテーブル7によって間欠的に搬送され、不良品排出位置で制御装置40からの制御信号に応じて旋回移載アーム9により貼り合わされるべき第1及び第2のディスクを対にして排出して不良品ストッカ10に収納する。
【0019】
ターンテーブル7によって間欠的に搬送されてきた第1及び第2のディスク基板は、取出し位置でほぼ同時に一対の旋回移載アーム11a、11bによって取出され、一対のスピンコータ12a、12bのそれぞれに移載される。
第1及び第2のディスク基板は、スピンコータ12a、12bで反射膜上に紫外線硬化樹脂からなる保護膜が塗布された後、一対の旋回移載アーム11a、11bによって、スピンコータ12a、12bから取出されターンテーブル13
(紫外線照射テーブル)のディスク受け台(トレイ)にほぼ同時に移載される。
【0020】
旋回移載アーム11a、11bは、各々所定角度に配置され同時に旋回する2本のアームを有し、一方のアームがターンテーブル7のディスク受け台からディスク基板を取出す位置にある時他方のアームがスピンコータ12a、12bへの受け渡し位置にあり、また一方のアームがスピンコータ12a、12bからディスク基板を取出す位置にある時他方のアームがターンテーブル13のトレイへの受け渡し位置にあるように旋回して第1及び第2のディスク基板をターンテーブル7からスピンコータ12a、12b及びスピンコータ12a、12bからターンテーブル13に順次移載する。
【0021】
ターンテーブル13は、その円周方向に偶数個のトレイを有している。これにより、第1及び第2のディスク基板は、ターンテーブル13のトレイに交互に置かれ必ず同一のトレイ上に載置される。従って、例えば第1のディスク基板が保護膜塗布不良となった場合、第1のディスク基板及び貼り合わせの際対となる第2のディスク基板をターンテーブル(搬送ライン)7のトレイから対にして確実に取り除くことができるようになる。
【0022】
ターンテーブル13のトレイに交互に置かれた第1及び第2のディスク基板
は、回転しているターンテーブル13上において紫外線照射装置14の下を通過している間に、塗布された保護膜が乾燥して硬化する。
第1及び第2のディスク基板は、保護膜が乾燥して硬化された後、次の貼り合わせ工程に投入されるように、旋回移載アーム15により、ターンテーブル13のトレイから交互に取出され間欠的に回転するターンテーブル(貼り合わせ投入テーブル)16のディスク受け台(トレイ)に交互に移載される。
【0023】
ターンテーブル16は、その円周方向に偶数個、例えば6個のトレイを有しており、第1及び第2のディスク基板がターンテーブル13のトレイに交互に置かれ必ず同一のトレイ上に載置される。第1及び第2のディスク基板は、6個のトレイを有するターンテーブル16が60度回転する毎に旋回移載アーム15によって、移載位置に対応するトレイ上に交互に載置されると共に搬送される。
【0024】
移載位置に対してそれぞれ120度及び240度回転した一対の取出し位置に対応する2つのトレイ上の第1及び第2のディスク基板は、一対の旋回移載アーム17a、17bによって、ターンテーブル16からほぼ同時に取出されターンテーブル18(貼り合わせテーブル)のディスク受け台(トレイ)にほぼ同時に移載される。
【0025】
ターンテーブル18のトレイに交互に置かれ、搬送された第1及び第2のディスク基板は、スクリーン印刷機などからなる貼り合わせ用接着剤塗布装置によ
り、ラジカル重合又はカチオン重合硬化樹脂などの接着剤が塗布され、次の貼り合わせ装置で対となる第1及び第2のディスク基板で重ね合わせ、紫外線を照射して硬化させる。
【0026】
このようにして作製された光ディスクは、旋回移載アーム19によりターンテーブル18のトレイ上から取出され、ストッカに保管される。ストッカに保管された貼り合わせ型の光ディスクは、所定時間放置された後、検査工程に投入される。
【0027】
所定時間放置された光ディスクは、間欠的に回転する検査テーブル20のディスク受け台(トレイ)上に順次投入され、バーコードリーダからなるタイトル照合装置21でバーコードの照合が行われ、A面、B面の一対のディスクが貼り合わされているか否かが検出され、制御装置40にその検査結果が供給される。
【0028】
バーコードの照合が行われた光ディスクは、搬送され、次の検査装置22で信号面の傷、反射率及び複屈折率などが測定され、その検査結果が制御装置40に供給される。
検査された光ディスクは、タイトル照合装置21、検査装置22の検査結果に基づいて旋回移載アーム23により、良品と不良品に区分けされて良品ストッカ24又は不良品ストッカ25に収納される。
【0029】
次にCDの生産工程について、図1及び図2に基づいて説明する。
ディスク基板の成形から保護膜形成工程までは、上述のDVDの生産工程とほぼ同様に行われる。但し、CDは、単板ディスクであるため、反射膜又は保護膜の形成不良が生じたディスクについてのみ、不良品として搬送ラインから排出される。
【0030】
CDの生産の場合、保護膜が乾燥して硬化された後、検査工程に投入されるように、制御装置40からの制御信号に応答して、ターンテーブル13のトレイから順次取出され間欠的に回転する検査テーブル20のディスク受け台(トレイ)に移載されるように旋回移載アーム15が動作する。
【0031】
検査テーブル20に順次投入されたCDは、上述のDVDの生産工程とほぼ同様にタイトル照合装置21でバーコードの照合が行われ、検査装置22で信号面の傷、反射率及び複屈折率などが測定され、タイトル照合装置21、検査装置22の検査結果に基づいて旋回移載アーム23により、良品と不良品に区分けされて良品ストッカ24又は不良品ストッカ25に収納される。
【0032】
尚、CDなどの単板ディスクの生産の場合、第1の射出成形機1aと第2の射出成形機1bに異なるディスクのスタンパを装着することにより、異なる光ディスクの2ロット同時連続生産が可能になる。
【0033】
【発明の効果】
本発明では、ディスクの成形から貼り合わせまでを連続して行う貼り合わせ型の光ディスクの製造装置が、反射膜又は保護膜形成工程において、偶数個のトレイを有する巡回型の搬送手段によって第1及び第2のディスクを交互に載置し搬送するようにしたので、一方のディスクに反射膜又は保護膜の形成不良が生じた場合でも、貼り合わせ装置に供給する前に対となる他方のディスクを容易に判別することができ、対となる第1及び第2のディスクを排出することが容易とな
り、良品、不良品の振り分けの信頼性が向上する。
また、光ディスクのA面、B面にそれぞれ対応する第1、第2のディスクが必ず対となって貼り合わせ工程に供給されるため、光ディスクの貼り合わせミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DVDとCD(コンパクトディスク)の兼用一貫生産システムに適用した一実施形態の全体構成を示す図である。
【図2】図1の構成の模式的な平面構成を示す図である。
【符号の説明】
1a・・・・・・・・・・・・第1の射出成形機
1b・・・・・・・・・・・・第2の射出成形機
2a、2b・・・・・・・・・取出機
4a、4b、6、9、11a、11b、15、17a、17b、19、23・・・・・・・・・・・・・・・・旋回移載アーム
3a、3b、5a、5b・・・搬送機
7、13、16、18・・・・ターンテーブル
8・・・・・・・・・・・・・スパッタ装置
10、25・・・・・・・・・不良品ストッカ
12a、12b・・・・・・・スピンコータ
14・・・・・・・・・・・・紫外線照射装置
20・・・・・・・・・・・・検査テーブル
21・・・・・・・・・・・・タイトル照合装置
22・・・・・・・・・・・・検査装置
24・・・・・・・・・・・・良品ストッカ
40・・・・・・・・・・・・制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式ビデオディスクやDVD(デジタルビデオディスク)などの2枚のディスクを貼り合せて作製される光ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光学式ビデオディスクは、以下のような工程で作製される。
まず、情報を支承するピットが形成されたスタンパを射出成形機に取り付け、このスタンパによってポリカーボネートやアクリルなどの透光性の合成樹脂を射出成形することにより、ピットが転写された透光性の合成樹脂基板を作製する。
【0003】
次に、この基板のピット形成面(信号面)にスパッタ法や真空蒸着法などによりアルミニウム又はアルミニウム合金などを被着させ反射膜を形成する。次に、この反射膜の表面に紫外線硬化型樹脂をスピンコート法により塗布して紫外線を照射することにより保護膜を形成する。
【0004】
このようにして、貼り合わされるべきA面、B面の一対のディスクをそれぞれ別々に作製した後、それぞれのディスクの保護膜上にホットメルトタイプの粘着剤をロールコータなどにより塗布し、2枚のディスクを貼り合せることにより作製される。
【0005】
最近、DVD(デジタルビデオディスク)と称される小型で高密度記録可能な貼り合わせ方式の光学式ビデオディスクが開発されているがこのDVDも前述した従来の光学式ビデオディスクと同様な工程で作製される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の成形から貼り合わせまでの工程は、従来バッチ式で各工程用の装置によって不連続に行われてきたが、最近では生産の効率化のためにこれらの装置をハンドリング装置によって継ぎ、連続した工程で貼り合わせ方式の光ディスクを生産することが要求されるようになってきた。
【0007】
このように連続した工程で光ディスクを生産する場合、貼り合わせ工程より前の工程でA面、B面のどちらかのディスクに不良が発生してもそのまま貼り合わせ工程に供給すると共に不良品の位置を監視し、その後の検査工程で不良品を振り分けることが考えられる。
【0008】
しかしながら、不良品を振り分けが最終工程で行われるため、途中の工程でトラブルが発生すると検査工程での良品、不良品の振り分けの信頼性が低くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、貼り合わせ型の光ディスクを効率良く生産することができる光ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、連続した工程で、第1の成形機により第1のディスクを成形すると共に第2の成形機により第2のディスクを成形し、第1及び第2のディスクを交互に反射膜形成装置に供給して第1及び第2のディスクに反射膜を順次形成し、反射膜が形成された第1及び第2のディスクを保護膜形成装置に順次供給して第1及び第2のディスクの反射膜上に保護膜を形成し、保護膜が形成された第1及び第2のディスクを貼り合わせ装置に供給して第1及び第2のディスクを貼り合せてなる光ディスクの製造方法であって、反射膜又は保護膜の形成不良が生じた場合、貼り合わせ装置に供給する前に貼り合わされるべき第1及び第2のディスクを対にして排出することを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明は以上の方法を用いたので、ディスクの成形から貼り合わせまでを連続して行って貼り合わせ型の光ディスクを製造する場合において、反射膜又は保護膜の形成不良が生じた場合、貼り合わせに用いる第1及び第2のディスクの一方に反射膜又は保護膜の形成不良が生じた場合でも、貼り合わせ装置に供給する前に対となる他方のディスクを容易に判別することができ、対となる第1及び第2のディスクを排出することが容易となり、良品、不良品の振り分けの信頼性が向上する。
また、光ディスクのA面、B面にそれぞれ対応する第1、第2のディスクが必ず対となって貼り合わせ工程に供給されるため、光ディスクの貼り合わせミスを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、DVDとCD(コンパクトディスク)の兼用一貫生産システムに適用した一実施形態の全体構成を示している。図2は、図1の構成の模式的な平面構成を示している。図1及び図2において、一点鎖線の矢印は、ディスクの搬送ラインと搬送方向を示している。
【0013】
まずA面、B面の一対のディスクを貼り合せたDVDの生産工程について、図1及び図2に基づいて説明する。
A面のスタンパが装着された第1の射出成形機1a及びB面のスタンパが装着された第2の射出成形機1bにより、透明な合成樹脂製の第1のディスク基板(A面)及び第2のディスク基板(B面)が同時にかつ連続的に成形される。
【0014】
成形された第1及び第2のディスク基板は、第1及び第2の射出成形機1a、1bから、旋回移載アームを有する取出機2a、2bで取出され、それぞれ自動巡回型の搬送機3a、3b上に受け渡される。搬送機3a、3b上を搬送されて冷却された第1及び第2のディスク基板は、搬送機3a、3bの取出し位置で一対の旋回移載アーム4a、4bによって取出され、一対の搬送機5a、5bに移載される。
【0015】
一対の搬送機5a、5bに移載された第1及び第2のディスク基板は、取出し位置で旋回移載アーム6によって交互に取出され、間欠的に回転するターンテーブル(搬送ライン)7のディスク受け台(トレイ)に交互に移載される。旋回移載アーム6は、所定角度に配置され同時に旋回する2本のアームを有し、一方のアームが一対の搬送機5a、5bの一方からディスク基板の取出し位置にある時他方のアームがターンテーブル7のディスク受け台へのディスク基板の受け渡し位置にあるように旋回して第1及び第2のディスク基板をターンテーブル7のディスク受け台に交互に移載する。
【0016】
ターンテーブル7は、その円周方向に偶数個のトレイを有している。これにより、交互に移載されてくる第1及び第2のディスク基板は、必ず同一のトレイ上に載置される。従って、例えば第1のディスク基板が不良となった場合、後述するように第1のディスク基板及び貼り合わせの際対となる第2のディスク基板をターンテーブル7のトレイから確実に取り除くことができるようになる。
ターンテーブル7により、間欠的に搬送された第1及び第2のディスク基板は交互にスパッタ装置8に供給され、スパッタリング法によりアルミニウム又は、アルミニウム合金の反射膜が形成され再び同じディスク受け台に置かれる。
【0017】
スパッタ装置8の駆動電圧及び積算電力は、制御装置40により、モニタされており、制御装置40は、スパッタ装置8の駆動電圧又は積算電力が所定範囲内か否かを常時モニタし、スパッタ装置8の駆動電圧又は積算電力が所定範囲外となったことに応答して貼り合わされるべき第1及び第2のディスク基板のどちらか一方にスパッタ不良が発生したとしても両方のディスクを対で取り除くように後述する旋回移載アームを制御する制御信号を発生する。
【0018】
スパッタ装置8にて反射膜が形成され再び同じディスク受け台に置かれた第1及び第2のディスク基板はターンテーブル7によって間欠的に搬送され、不良品排出位置で制御装置40からの制御信号に応じて旋回移載アーム9により貼り合わされるべき第1及び第2のディスクを対にして排出して不良品ストッカ10に収納する。
【0019】
ターンテーブル7によって間欠的に搬送されてきた第1及び第2のディスク基板は、取出し位置でほぼ同時に一対の旋回移載アーム11a、11bによって取出され、一対のスピンコータ12a、12bのそれぞれに移載される。
第1及び第2のディスク基板は、スピンコータ12a、12bで反射膜上に紫外線硬化樹脂からなる保護膜が塗布された後、一対の旋回移載アーム11a、11bによって、スピンコータ12a、12bから取出されターンテーブル13
(紫外線照射テーブル)のディスク受け台(トレイ)にほぼ同時に移載される。
【0020】
旋回移載アーム11a、11bは、各々所定角度に配置され同時に旋回する2本のアームを有し、一方のアームがターンテーブル7のディスク受け台からディスク基板を取出す位置にある時他方のアームがスピンコータ12a、12bへの受け渡し位置にあり、また一方のアームがスピンコータ12a、12bからディスク基板を取出す位置にある時他方のアームがターンテーブル13のトレイへの受け渡し位置にあるように旋回して第1及び第2のディスク基板をターンテーブル7からスピンコータ12a、12b及びスピンコータ12a、12bからターンテーブル13に順次移載する。
【0021】
ターンテーブル13は、その円周方向に偶数個のトレイを有している。これにより、第1及び第2のディスク基板は、ターンテーブル13のトレイに交互に置かれ必ず同一のトレイ上に載置される。従って、例えば第1のディスク基板が保護膜塗布不良となった場合、第1のディスク基板及び貼り合わせの際対となる第2のディスク基板をターンテーブル(搬送ライン)7のトレイから対にして確実に取り除くことができるようになる。
【0022】
ターンテーブル13のトレイに交互に置かれた第1及び第2のディスク基板
は、回転しているターンテーブル13上において紫外線照射装置14の下を通過している間に、塗布された保護膜が乾燥して硬化する。
第1及び第2のディスク基板は、保護膜が乾燥して硬化された後、次の貼り合わせ工程に投入されるように、旋回移載アーム15により、ターンテーブル13のトレイから交互に取出され間欠的に回転するターンテーブル(貼り合わせ投入テーブル)16のディスク受け台(トレイ)に交互に移載される。
【0023】
ターンテーブル16は、その円周方向に偶数個、例えば6個のトレイを有しており、第1及び第2のディスク基板がターンテーブル13のトレイに交互に置かれ必ず同一のトレイ上に載置される。第1及び第2のディスク基板は、6個のトレイを有するターンテーブル16が60度回転する毎に旋回移載アーム15によって、移載位置に対応するトレイ上に交互に載置されると共に搬送される。
【0024】
移載位置に対してそれぞれ120度及び240度回転した一対の取出し位置に対応する2つのトレイ上の第1及び第2のディスク基板は、一対の旋回移載アーム17a、17bによって、ターンテーブル16からほぼ同時に取出されターンテーブル18(貼り合わせテーブル)のディスク受け台(トレイ)にほぼ同時に移載される。
【0025】
ターンテーブル18のトレイに交互に置かれ、搬送された第1及び第2のディスク基板は、スクリーン印刷機などからなる貼り合わせ用接着剤塗布装置によ
り、ラジカル重合又はカチオン重合硬化樹脂などの接着剤が塗布され、次の貼り合わせ装置で対となる第1及び第2のディスク基板で重ね合わせ、紫外線を照射して硬化させる。
【0026】
このようにして作製された光ディスクは、旋回移載アーム19によりターンテーブル18のトレイ上から取出され、ストッカに保管される。ストッカに保管された貼り合わせ型の光ディスクは、所定時間放置された後、検査工程に投入される。
【0027】
所定時間放置された光ディスクは、間欠的に回転する検査テーブル20のディスク受け台(トレイ)上に順次投入され、バーコードリーダからなるタイトル照合装置21でバーコードの照合が行われ、A面、B面の一対のディスクが貼り合わされているか否かが検出され、制御装置40にその検査結果が供給される。
【0028】
バーコードの照合が行われた光ディスクは、搬送され、次の検査装置22で信号面の傷、反射率及び複屈折率などが測定され、その検査結果が制御装置40に供給される。
検査された光ディスクは、タイトル照合装置21、検査装置22の検査結果に基づいて旋回移載アーム23により、良品と不良品に区分けされて良品ストッカ24又は不良品ストッカ25に収納される。
【0029】
次にCDの生産工程について、図1及び図2に基づいて説明する。
ディスク基板の成形から保護膜形成工程までは、上述のDVDの生産工程とほぼ同様に行われる。但し、CDは、単板ディスクであるため、反射膜又は保護膜の形成不良が生じたディスクについてのみ、不良品として搬送ラインから排出される。
【0030】
CDの生産の場合、保護膜が乾燥して硬化された後、検査工程に投入されるように、制御装置40からの制御信号に応答して、ターンテーブル13のトレイから順次取出され間欠的に回転する検査テーブル20のディスク受け台(トレイ)に移載されるように旋回移載アーム15が動作する。
【0031】
検査テーブル20に順次投入されたCDは、上述のDVDの生産工程とほぼ同様にタイトル照合装置21でバーコードの照合が行われ、検査装置22で信号面の傷、反射率及び複屈折率などが測定され、タイトル照合装置21、検査装置22の検査結果に基づいて旋回移載アーム23により、良品と不良品に区分けされて良品ストッカ24又は不良品ストッカ25に収納される。
【0032】
尚、CDなどの単板ディスクの生産の場合、第1の射出成形機1aと第2の射出成形機1bに異なるディスクのスタンパを装着することにより、異なる光ディスクの2ロット同時連続生産が可能になる。
【0033】
【発明の効果】
本発明では、ディスクの成形から貼り合わせまでを連続して行う貼り合わせ型の光ディスクの製造装置が、反射膜又は保護膜形成工程において、偶数個のトレイを有する巡回型の搬送手段によって第1及び第2のディスクを交互に載置し搬送するようにしたので、一方のディスクに反射膜又は保護膜の形成不良が生じた場合でも、貼り合わせ装置に供給する前に対となる他方のディスクを容易に判別することができ、対となる第1及び第2のディスクを排出することが容易とな
り、良品、不良品の振り分けの信頼性が向上する。
また、光ディスクのA面、B面にそれぞれ対応する第1、第2のディスクが必ず対となって貼り合わせ工程に供給されるため、光ディスクの貼り合わせミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DVDとCD(コンパクトディスク)の兼用一貫生産システムに適用した一実施形態の全体構成を示す図である。
【図2】図1の構成の模式的な平面構成を示す図である。
【符号の説明】
1a・・・・・・・・・・・・第1の射出成形機
1b・・・・・・・・・・・・第2の射出成形機
2a、2b・・・・・・・・・取出機
4a、4b、6、9、11a、11b、15、17a、17b、19、23・・・・・・・・・・・・・・・・旋回移載アーム
3a、3b、5a、5b・・・搬送機
7、13、16、18・・・・ターンテーブル
8・・・・・・・・・・・・・スパッタ装置
10、25・・・・・・・・・不良品ストッカ
12a、12b・・・・・・・スピンコータ
14・・・・・・・・・・・・紫外線照射装置
20・・・・・・・・・・・・検査テーブル
21・・・・・・・・・・・・タイトル照合装置
22・・・・・・・・・・・・検査装置
24・・・・・・・・・・・・良品ストッカ
40・・・・・・・・・・・・制御装置
Claims (1)
- 連続した工程で、第1の成形機により第1のディスクを成形すると共に第2の成形機により第2のディスクを成形し、前記第1及び第2のディスクを交互に反射膜形成装置に供給して前記第1及び第2のディスクに反射膜を順次形成し、前記反射膜が形成された前記第1及び第2のディスクを保護膜形成装置に順次供給して前記第1及び第2のディスクの反射膜上に保護膜を形成し、前記保護膜が形成された前記第1及び第2のディスクを貼り合わせ装置に供給して前記第1及び第2のディスクを貼り合せてなる光ディスクの製造方法であって、
前記反射膜又は保護膜の形成不良が生じた場合、前記貼り合わせ装置に供給する前に貼り合わされるべき前記第1及び第2のディスクを対にして排出することを特徴とする光ディスクの製造方法。
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JP13769697A JP3555919B2 (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | 光ディスクの製造方法 |
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- 1997-05-13 JP JP13769697A patent/JP3555919B2/ja not_active Expired - Fee Related
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