JPH1139734A - 光学記録媒体の製造方法 - Google Patents

光学記録媒体の製造方法

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JPH1139734A
JPH1139734A JP9197222A JP19722297A JPH1139734A JP H1139734 A JPH1139734 A JP H1139734A JP 9197222 A JP9197222 A JP 9197222A JP 19722297 A JP19722297 A JP 19722297A JP H1139734 A JPH1139734 A JP H1139734A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貼り合わされる2つの記録基板の合せ面に2
度に分けて貼合せ材を塗布し、第1の貼合せ材の塗布に
よって合せ面の表面をある程度滑らかにし、第2の貼合
せ材の塗布により広がりを容易にして、内周部への貼合
せ材の寄りを略均一に制御する。 【解決手段】 第1の記録基板Da及び第2の記録基板
Dbの互いに貼り合わされる合せ面に液状の第1の貼合
せ材1を塗布する第1の塗布工程と、第1の記録基板D
a及び第2の記録基板Dbの合せ面に塗布された第1の
貼合せ材1の上に液状の第2の貼合せ材2を塗布する第
2の塗布工程と、第1の記録基板Da及び第2の記録基
板Dbを第1の貼合せ材1及び第2の貼合せ材2を挟み
込んで重ね合わせることにより両記録基板Da,Db間
に両貼合せ材1,2を延展させる延展工程とを経る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相ピットやプリ
グルーブ等の情報記録用の微細凹凸が設けられた2枚の
記録基板を貼合せ材で貼り合わせて一体に構成される光
学記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、オーディオ用、ビデオ用
その他各種の情報を記録する光学記録媒体として、その
記録及び/又は再生を光照射によって行う光ディスク、
光磁気ディスク等が提供されており、これら光ディスク
等の情報記録面には、情報記録のための位相ピット、プ
リグルーブ等の微細凹凸が形成されている。そして、情
報記録の大容量化の要求から、情報記録面が2層以上に
重ねて形成された多層記録面構造の光学記録媒体が提供
されている。
【0003】この多層記録面構造の光学記録媒体は、一
般的には、それぞれに情報記録面が設けられた2枚の記
録基板を、液体樹脂からなる貼合せ材を用いて貼り合わ
せることにより接合して一体に構成されている。この2
枚の記録基板を貼合せ材で貼り合わせるため、一般に、
スピンコート法と呼ばれる貼合せ材の塗布方法が用いら
れている。
【0004】このスピンコート法は、貼合せ材としての
液体樹脂を記録基板の合せ面上に滴下した後、記録基板
を回転させることによって遠心力で液体樹脂を延展さ
せ、記録基板上に均一の液体樹脂膜を形成するものであ
る。このようにして貼合せ材が塗布された2枚の記録基
板を、それぞれ液体樹脂を挟み込むようにして重ね合わ
せた後、液体樹脂を硬化させて2層間の分離層とするこ
とにより2層記録面構造の光学記録媒体が構成されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光学記録媒体の製造方法において、スピンコ
ート法等の塗布手段によって貼合せ材が合せ面の略全面
に塗布された2枚の記録基板を貼り合わせる場合に、貼
合せ材がそれぞれ塗布された合せ面を重ね合わせてゆく
と合せ面内に空気が入り込むことを阻止することが難し
く、貼合せ材の内部に気泡が入り込むという課題があっ
た。このように、貼合せ材の内部に気泡が入り込むと、
位相ピットやプリグルーブ等の微細凹凸の形状が崩れ、
情報信号の読み出しが困難になり、光学記録媒体として
の品質上から問題になる。
【0006】そのため、従来では、貼合せ材の内部に気
泡が入ることのない状態にして2枚の記録基板を貼り合
わせるか、或いは気泡が入ることを前提にして2枚の記
録基板を一旦貼り合わせた後、貼合せ材の内部に入り込
んだ気泡を除去装置で除去することにより、気泡の混入
による上記課題の発生を防止するようにしていた。
【0007】例えば、前者の例としては、2枚の記録基
板に貼合せ材をそれぞれ塗布した後、真空装置内で貼合
せ作業を行い、空気が混入するおそれを除去した状態で
行う場合である。また、後者の例としては、貼合せ材を
介して2枚の記録基板を貼り合わせた後、貼合せ材の内
部に入り込んだ気泡を、真空装置を用いて真空挽きして
脱泡を行う場合等である。ところが、真空装置内におけ
る貼り合わせ作業及び真空装置を用いた脱泡作業のいず
れの場合においても、真空装置という特別な装置が必要
になっていたため、製造の際の設備コストが高くなるば
かりでなく、製作時間の長期化も避けられないという課
題が生ずる。
【0008】そこで、このような課題を回避するため、
次に述べるような方法が、一般的に行われている。それ
は、互いに貼り合わされる2枚の記録基板の両方又は一
方の合せ面の適当な位置に貼合せ材をリング状に塗布
し、貼合せ材を挟み込んで2枚の記録基板を重ね合わせ
た状態で一体に回転させ、遠心力で貼合せ材を振り切る
ようにしてスピンコート法で貼合せ材を延展させて所定
の品質を得るようにしている。
【0009】このスピンコート法を用いた場合に、貼合
せ材は遠心力によって外側に流れるため、記録基板の貼
合せ材が最初に塗布された位置より外周部では、遠心力
で貼合せ材が延展されて広がるために問題を生じること
はない。ところが、貼合せ材の最初の塗布位置より内周
部は遠心力の作用方向と逆側になるため、この内周部で
は遠心力による貼合せ材の延展作用を受けることはでき
ず、単に貼合せ時の毛細管現象に基づく貼合せ材の自然
な寄りつきしか期待することができない。
【0010】このような貼合せ材の毛細管現象による自
然な寄りは、記録基板の表面状態(凹凸の大小等の面粗
度等)の違い、いわゆる「ぬれ性」の違い等によって影
響を受けるが、内周部における貼合せ材の寄りが均一に
ならないできれいな円を形成しない場合には、外観上の
見た目が悪くなるばかりでなく、記録再生時における品
質上に問題を引き起こす場合がある。そのため、貼合せ
材の内周部への寄りが不十分である場合、或いは寄りが
バラバラである場合には、上述したように真空装置を用
いて強制的に真空挽きして、貼合せ材を内周部に強制的
に寄せるようにしていた。
【0011】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、貼り合わされる2つの記録基板の
合せ面に2度に分けて貼合せ材を塗布し、第1の貼合せ
材の塗布によって合せ面の表面をある程度滑らかにし、
第2の貼合せ材の塗布により広がりを容易にして、内周
部への貼合せ材の寄りを略均一に制御することができる
光学記録媒体の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光学記録媒体の
製造方法は、上述したような課題等を解決し、上記目的
を達成するために、第1の記録基板及び第2の記録基板
の互いに貼り合わされる合せ面の少なくとも一方に液状
の第1の貼合せ材を塗布する第1の塗布工程と、第1の
記録基板及び第2の記録基板の合せ面に塗布された第1
の貼合せ材及び合せ面の少なくとも一方に液状の第2の
貼合せ材を塗布する第2の塗布工程と、第1の記録基板
及び第2の記録基板を第1の貼合せ材及び第2の貼合せ
材を挟み込んで重ね合わせることにより第1の記録基板
及び第2の記録基板間に第1の貼合せ材及び第2の貼合
せ材を延展させる延展工程とを経ることを特徴としてい
る。
【0013】本発明は、上述のように構成したことによ
り、貼り合わされる2つの記録基板の少なくとも一方の
合せ面に第1の貼合せ材を塗布し、次に、2つの記録基
板の少なくとも一方の合せ面又は第1の貼合せ材に第2
の貼合せ材を塗布した後、第1及び第2の貼合せ材を挟
み込むようにして2つの記録基板を重ね合わせる。これ
により、第1の貼合せ材の塗布によって合せ面の表面が
ある程度滑らかに形成され、この第1の貼合せ材によっ
て流動性の高められた第2の貼合せ材が容易に広がり、
従って、貼合せ材の内周部への寄りを略均一にすること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1〜図7は本発明の光学記
録媒体の製造方法を説明するためのもので、図1〜図6
は本発明に係る光学記録媒体を構成する2枚の記録基板
に貼合せ材を塗布して貼り合わせる工程を示す説明図、
図7はこの光学記録媒体の製造方法の実施に供する製造
装置の一例を示す説明図である。
【0015】また、図8〜図10は本発明の光学記録媒
体の製造方法の他の例を説明するためのもので、図8は
本発明の光学記録媒体の製造方法の第2の例を示す説明
図、図9は本発明の光学記録媒体の製造方法の第3の例
を示す説明図、図10は本発明の光学記録媒体の製造方
法の第4の例を示す説明図である。
【0016】以下の説明は、例えばデータ情報の記録ピ
ットやトラッキング用のプリグルーブ等の情報記録用の
微細凹凸がそれぞれ形成された中央穴を有する第1の記
録基板Da及び第2の記録基板Dbを第1の貼合せ材1
及び第1の貼合せ材2によって接合し、各記録基板D
a,Dbに設けられた情報記録面を2層に積層して形成
したROM(read only memory)型の2層光ディスクに
適用したものである。
【0017】この光学記録媒体ODとしての2層光ディ
スクには、2層の情報記録面に対して片面から光ビーム
を照射して第1及び第2の情報記録面に記録されている
情報信号をそれぞれ選択的に読み出して再生可能とされ
た片面再生用光ディスクと、再生のみならず情報信号の
記録も可能とされた片面記録再生用光ディスクと、2層
の情報記録面に対して両面から光ビームを個別に照射し
て第1及び第2の情報記録面に記録されている情報信号
を個別に読み出して再生可能とされた両面再生用光ディ
スクと、再生のみならず情報信号の記録も可能とされた
両面記録再生用光ディスクとが存在するが、本発明は、
これら光ディスクのいずれにも適用できるものである。
【0018】また、本発明は、このような2層光ディス
クに限定されるものではなく、例えば3枚又は4枚以上
の記録基板を重ね合わせる3層以上の光ディスクにも適
用できるものである。更に、本発明は光ディスクに限定
されるものではなく、例えば光磁気ディスク、相変化光
ディスク、その他回転中心となる中央穴を有する光学記
録媒体であって、情報記録用の微細凹凸を有する情報記
録面が2層以上に積層された各種の光学記録媒体に適用
することができる。
【0019】この例において、光学記録媒体ODが両面
再生用光ディスク又は両面記録再生用光ディスクである
場合には、この光学記録媒体ODを構成する第1の記録
基板Daと第2の記録基板Dbは同一の構成となるが、
光学記録媒体ODが片面再生用光ディスク又は片面記録
再生用光ディスクである場合には、その第1の記録基板
Daと第2の記録基板Dbは構成が若干異なるものにな
る。この場合にも、両面用光ディスクと片面用光ディス
クの一方の記録基板、例えば第1の記録基板Daは共通
にすることができる。
【0020】即ち、光学記録媒体ODが両面から光ビー
ムを照射する再生専用又は記録再生兼用の両面用光ディ
スクである場合には、第1の記録基板Daと第2の記録
基板Dbとは同一の構成とされ、ディスク状をなす記録
基板Da,Dbの中央部には、ドライブ装置に装着され
る際の位置決めをなすと共に回転中心となる中央穴dが
設けられている。この第1及び第2の記録基板Da,D
bの一面には、データ情報の記録ビット、トラッキング
用のプリグルーブ等の情報記録用の微細凹凸が情報記録
面として設けられ、例えばポリカーボネート(PC)や
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の透明樹脂を材
料として射出成形によって形成される。そして、微細凹
凸の表面には、例えばアルミニウム蒸着膜等による反射
膜が形成され、これにより情報記録面が構成されてい
る。
【0021】また、光学記録媒体ODが片面から光ビー
ムを照射する再生専用又は記録再生兼用の片面用光ディ
スクである場合には、第1の記録基板Daは上述した両
面用光ディスクの第1の記録基板Daと同一の構成とさ
れ、中央穴dを有すると共に一面に情報記録面としての
微細凹凸が設けられ、同様にポリカーボネート(PC)
やポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の透明樹脂を
材料として射出成形によって形成される。そして、微細
凹凸の表面には、同様にアルミニウム蒸着膜等による反
射膜が形成され、これにより情報記録面が構成されてい
る。
【0022】その一方、片面用光ディスクの第2の記録
基板Dbは、基板本体の構成は第1の記録基板Daと同
一であるが、情報記録面として形成される微細凹凸の表
面の構成が異なるところである。即ち、第2の記録基板
Dbの微細凹凸の表面には、例えば窒化珪素(SiN)
等による半透明膜が形成され、これにより情報記録面が
構成されている。
【0023】このような構成を有する第1の記録基板D
a及び第2の記録基板Dbの、微細凹凸側の互いに貼り
合わされる面(以下「合せ面」という。)の少なくとも
一方には、図1A,Bに示すように、光を照射されるこ
とによって硬化する光硬化性樹脂からなる液状樹脂の第
1の貼合せ材1を塗布し、これを内周ぬらし材として用
いる。このような光硬化性樹脂としては、例えば紫外線
の照射によって硬化される紫外線硬化性液状樹脂(大日
本インキ科学株式会社製のSD301)を用いることが
できる。
【0024】この第1の貼合せ材1の塗布位置は、使用
する貼合せ材の粘度により左右されるものであり、この
実施の例においては粘度500cps(25℃時)の紫
外線硬化性液状樹脂(SD301)を使用し、中心穴d
の中央から半径R1(=22mm)の位置に環状に連続
させて塗布した。この第1の貼合せ材1の塗布位置より
内側の中心穴dに近い内周部は、微細凹凸の形成されな
い非情報記録面とされている。そして、この非情報記録
面には周方向に連続するリング状の逃げ溝3が設けられ
ており、この逃げ溝3が、中心穴dから貼合せ材がはみ
出すことを防止する凹部の一具体例を示している。
【0025】次に、図1A,Bのように第1の貼合せ材
1が所定位置に塗布された第1の記録基板Da及び第2
の記録基板Dbを、個別に遠心振り機にかけてそれぞれ
単品で第1の貼合せ材1を振り切る。これにより、図2
A,Bに示すように、第1及び第2の記録基板Da,D
bの各合せ面に第1の貼合せ材1が略一定の厚みで略均
一に延展される。
【0026】続いて、第1及び第2の記録基板Da,D
bの少なくとも一方の合せ面に塗布された第1の貼合せ
材1(後述する図9の例の場合には、貼合せ材の塗布さ
れない記録基板の合せ面)に、図3A,Bに示すよう
に、同じく光を照射されることによって硬化する光硬化
性樹脂からなる液状樹脂の第2の貼合せ材2を塗布し、
これを主たる接着剤として用いる。このような光硬化性
樹脂としては、上述した例えば紫外線の照射によって硬
化される紫外線硬化性液状樹脂(大日本インキ科学株式
会社製のSD301)を用いることができる。
【0027】この第2の貼合せ材2の塗布位置も第1の
貼合せ材1と同様に、使用する貼合せ材の粘度によって
左右されるものであり、この実施の例においては、同じ
く粘度500cps(25℃時)の紫外線硬化性液状樹
脂(SD301)を使用している。そして、中心穴dの
中央から半径R2(=37mm)の位置に環状に連続さ
せて塗布した。尚、第1の貼合せ材1及び第2の貼合せ
材2の塗布形状は、この例のようにリング状に連続する
形状に限定されるものではなく、例えば周方向に所定間
隔おいて間欠的に塗布したり、周方向に波形に連続する
形状、その他各種の形状を適用できるものである。
【0028】次に、第1の記録基板Da及び第2の記録
基板Dbを、図4に示すように、第1の貼合せ材1及び
第2の貼合せ材2が塗布された合せ面をそれぞれ対向さ
せる。そして、図5に示すように、第1及び第2の貼合
せ材1,2を挟み込むようにして両記録基板Da,Db
を重ね合わせる。これにより、第1の貼合せ材1の表面
を伝わって第2の貼合せ材2が四方八方に押し広げら
れ、合せ面の略全面に亘って延展される。
【0029】この場合、第1の貼合せ材1がガイド部材
の役目をなし、この第1の貼合せ材1の表面に沿って第
2の貼合せ材2が流動して押し広げられるため、第2の
貼合せ材2は、記録基板Da,Dbの半径方向内側であ
っても十分な量がスムースに流動することができる。そ
の結果、第2の貼合せ材2の内周部への寄りが略均一と
なり、貼合せ材できれいな円を形成して外観上の見た目
を良くできると共に、記録再生時における品質向上を図
ることができる。
【0030】尚、内周部に寄ってきた第2の貼合せ材2
のうち余分なものは逃げ溝3内に入り込み、この逃げ溝
3内に保持されて中心穴d側にはみ出すことがない。従
って、中心穴d部分の美感を保つことができると共に、
クランプ領域の強度が高く維持され、安定性の高いクラ
ンプを達成することができる。
【0031】次に、図5のように重ねられた貼合せ記録
基板Da,Dbを、水平面内に配置された水平面を有す
る回転台(遠心振り機)に載置する。この回転台には、
その回転軸と同軸上に中心軸が設けられており、この中
心軸に貼合せ記録基板Da,Dbの中心穴dを嵌合さ
せ、例えばバネ圧着式チャック等の固定手段によって固
定する。そして、回転台を回転駆動して貼合せ記録基板
Da,Dbを所定の回転条件(例えば、3000rpm
にて2.5秒間回転させる。)により一体に回転させ
る。
【0032】これにより、図6に示すように、第1及び
第2の貼合せ材1,2が適当に混じり合って延展され、
略均一の厚みとされた透明樹脂からなる中間膜4が2層
間の分離層として形成される。その結果、中間膜4を接
着剤として第1の記録基板Daと第2の記録基板Dbと
が一体的に接合され、1枚の光学記録媒体ODが構成さ
れる。
【0033】尚、情報記録面の構成としては、微細凹凸
が形成されるものであれば、光磁気記録層、相変化記録
層等のように各種の構造を適用することができる。ま
た、上述した実施の例では、第1の貼合せ材1及び第2
の貼合せ材2は同一の液状樹脂を用いたが、例えば化学
反応の発生が無いこと等の所定の条件を満たすものであ
れば、異なる種類の液状樹脂を用いることができること
は勿論である。その理由は、第1の貼合せ材1による内
周ぬらしのためのスピン振り切り(例えば、3000r
pmにて2.5秒間回転させる。)後の膜厚は第1の貼
合せ材1をノズルから吐出させて塗布した時点の厚みに
比べて十分に薄く、重ね合わせ後のスピン振り切りによ
る延展具合は、第2の貼合せ材2の粘度が支配的要因と
なって決定されるからである。
【0034】このような構成からなる光学記録媒体OD
は、例えば図7に示すような構成を有する製造装置10
によって製造される。この製造装置10は、一対のディ
スク供給部11a,11bと、一対の徐電クリーナー部
12a,12bと、一対の内周ぬらし部13a,13b
と、一対の第1スピナー部14a,14bと、一対の第
1搬送アーム部15a,15bと、塗布部16と、反転
部17と、合せインデックス部18と、第2搬送アーム
部19と、一対の第2スピナー部20a,20bと、硬
化搬送部21と、硬化部22と、取出し部23と、回収
部24とを備えている。
【0035】光学記録媒体ODの第1の記録基板Daは
一方のディスク供給部11aに供給され、第2の記録基
板Dbは他方のディスク供給部11bに供給される。そ
して、それぞれ徐電クリーナー部12a,12b及び内
周ぬらし部13a,13bを経て第1スピナー部14
a,14bに逐次的に搬送されるが、第1の記録基板D
a側の工程と第2の記録基板Db側の工程とは全く同一
であるため、ここでは第1の記録基板Da側の工程のみ
を説明して、第2の記録基板Db側の工程の説明は省略
する。
【0036】ディスク供給部11aは、情報記録面とし
て微細凹凸が形成された第1の記録基板Daが供給され
るところであり、複数枚の記録基板Daが、その中心穴
に挿通される支持柱によって支持されている。このディ
スク供給部11aは、モータとボールネジとリフトアッ
プ板との組み合わせからなるリフトアップ機構30を有
し、モータでボールネジを回してリフトアップ板を間欠
的に上昇又は下降させることにより、1枚の記録基板D
aを取出し可能とすることができる。
【0037】徐電クリーナー部12aは、ディスク供給
部11aから送られてきた記録基板Daにイオン化され
た圧縮空気を吹きつけて表面に付着したホコリを除去す
ると共に、記録基板Daから静電気を無くすためのもの
である。この徐電クリーナー部12aは、記録基板Da
を載置して180°回転することができるスピンドル3
1と、イオン化された圧縮空気を吹き出すエアーノズル
32と、このエアーノズル32から吹き出されたエアー
を回収するダクトハウジング33とを備えている。
【0038】内周ぬらし部13aは、徐電クリーナー部
12aから送られてきた記録基板Daの合せ面の所定位
置に、図1A,Bに示すように、第1の貼合せ材1を塗
布するものである。この内周ぬらし部13aは、記録基
板Daを載置して回転することができるテーブル34
と、記録基板Daの内周部に第1の貼合せ材1aを吐出
するぬらし用ノズル35とを備えている。そして、ぬら
し用ノズル35はスライド機構によって記録基板Daの
半径方向に移動可能に構成されており、このスライド機
構の作動を介して第1の貼合せ材1aが、記録基板Da
の半径方向任意の位置に塗布可能とされている。従っ
て、テーブル34の回転制御とぬらし用ノズル35の吐
出制御とを行うことにより、記録基板Daの合せ面内周
部の任意の位置に、第1の貼合せ材1を周方向に連続さ
せてリング状に塗布し、若しくは周方向に適宜の長さで
間欠的にリング状に塗布することができる。
【0039】また、第1スピナー部14aは、内周ぬら
し部13aによって塗布された第1の貼合せ材1を遠心
力で振り切って延展させ、図2A,Bに示すように、合
せ面に略一定の厚さで広げるものである。この第1スピ
ナー部14aは、記録基板Daを吸着して高速度で回転
させる回転テーブル36と、回転する記録基板Daの外
周縁から飛散する第1の貼合せ材1が跳ね返って記録基
板Daに付着することを防止する跳ね返り防止板37と
を備えている。
【0040】第1搬送アーム部15aは、記録基板Da
をディスク供給部11aから徐電クリーナー12a及び
内周ぬらし部13aを経て第1スピナー部14aまで逐
次的に搬送するものである。この第1搬送アーム部15
aは、記録基板Daの移動方向を3箇所に仕切る櫛歯状
の枠体38と、この枠体38を上下動作が可能で記録基
板Daの移動方向に直線的に往復動作させる搬送駆動機
構とを備えている。そして、枠体38の各仕切り部内に
は記録基板Daを吸着して搬送することができる吸着部
がそれぞれ設けられている。この第1搬送アーム部15
aの先端部に位置する第1スピナー部14aの回転テー
ブル36に支持された第1の記録基板Daは、枠体38
の先端部で押されて塗布部16に搬送される。
【0041】この塗布部16は、第1スピナー部14a
で延展された第1の貼合せ材1の上に第2の貼合せ材2
を塗布するものである。この塗布部16は、搬送されて
きた第1の記録基板Daを吸着して回転可能とされたス
ピンドルと、このスピンドルに保持された第1の記録基
板Daの合せ面の内周部の所定位置に第2の貼合せ材2
を塗布する塗布ノズル40とを備えている。そして、吸
着位置aにおいて、第1の記録基板Daが第1搬送アー
ム部15aから塗布部16に受け渡される。この吸着位
置aにおいて、図3A及びBに示すように、塗布ノズル
40から第2の貼合せ材2が吐出され、この第2の貼合
せ材2が第1の貼合せ材1の上にリング状に塗布され
る。
【0042】一方、第2の記録基板Dbの側に位置する
第1搬送アーム部15bの先端部に位置する第1スピナ
ー部14bの回転テーブル36に支持された第2の記録
基板Dbは、枠体38の先端部で押されて反転部17に
搬送される。
【0043】この反転部17は、第1スピナー部14b
から搬送される第2の記録基板Dbを受けて180°反
転させ、次のインデックス部18との間で協働して、第
2の記録基板Dbを第1の記録基板Da上に重ね合わせ
るものである。この反転部17は、クランクアーム41
を180°反転させる反転駆動機構と、クランクアーム
41の先端部に設けられ且つ第2の記録基板Dbを吸着
することができる吸着板と、この吸着板で吸着され且つ
クランクアーム41により180°反転された第2の記
録基板Dbを上下方向に移動させる上下移動機構とを備
えている。
【0044】この反転部17と塗布部16との間を接続
するように合せインデックス部18が設けられている。
この合せインデックス部18は、第1の記録基板Daと
第2の記録基板Dbを貼り合わせ、次の第2搬送アーム
部19に搬送するものである。この合せインデックス部
18は、3本のアームを120°の等間隔に設けた回転
アーム42と、各アームの先端部に設けられ且つ第1の
記録基板Daを吸着することができる吸着部と、回転ア
ーム42を120°の角度で間欠的にステップ動作させ
て吸着位置aと合せ位置bと転送位置cとの3位置を逐
次的に移動させるアーム回転機構とを備えている。
【0045】この合せインデックス部18のアーム回転
機構は、図7において時計方向に回動するように構成さ
れており、まず、吸着位置aにおいて第1の記録基板D
aを吸着し、次に、合せ位置bに移動する。この合せ位
置bでは、反転部17の働きにより、第1の貼合せ材1
の上に第2の貼合せ材2が塗布された第1の記録基板D
aと第1の貼合せ材1のみが塗布された第2の記録基板
Dbとが、図4に示すような状態を経て図5に示すよう
に、第1及び第2の貼合せ材1,2を対向させてこれら
を挟み込むように重ね合わされる。そして、転送位置c
に移動されて、2種類の貼合せ材1,2を介して貼り合
わされた第1の記録基板Daと第2の記録基板Dbとが
第2搬送アーム部19に搬送される。
【0046】この第2搬送アーム部19は、合せインデ
ックス部18から送られてきた貼合せ記録基板Da,D
bを2箇所の第2スピナー部20a,20bに選択的に
供給すると共に、各第2スピナー部20a,20bで処
理された後の貼合せ記録基板Da,Dbを、次の硬化搬
送部21に逐次的に搬送するものである。この第2搬送
アーム部19は、4本のアームを90°の等間隔に設け
た回動アーム43と、各アームの先端部に設けられ且つ
貼合せ記録基板Da,Dbを吸着することができる吸着
部と、回動アーム43を90°の角度で往復回動させる
アーム回動機構とを備えている。
【0047】この第2搬送アーム部19のアーム回動機
構は、回動アーム43を90°往復回動させるように構
成されており、図7において時計方向(実線の矢印方
向)に90°回動することにより、転送位置cで受けた
貼合せ記録基板Da,Dbを一方の第2スピナー部20
aの振切り位置dに搬送する。このとき、他方の第2ス
ピナー部20bの振切り位置eに位置するアームは転送
位置cに移動し、次に送られてくる貼合せ記録基板D
a,Dbを吸着する。
【0048】これとは逆の反時計方向(破線の矢印方
向)にアーム回動機構が90°回動することにより、転
送位置cで受けた貼合せ記録基板Da,Dbは他方の第
2スピナー部20bの振切り位置eに搬送される。そし
て、一方の第2スピナー部20aの振切り位置dに位置
するアームが転送位置cに移動し、次に送られてくる貼
合せ記録基板Da,Dbを吸着する。
【0049】2箇所の第2スピナー部20a,20b
は、貼合せ記録基板Da,Dbを回転させることによっ
て2枚の記録基板Da,Db間に介在された貼合せ材
1,2に遠心力を作用させ、これらの貼合せ材1,2を
記録基板Da,Dbの半径方向外側に延展させて両記録
基板Da,Dbの合せ面に薄く広げると共に、余分な貼
合せ材1,2を振り切るためのものである。この第2ス
ピナー部20a,20bは、貼合せ記録基板Da,Db
を吸着して回転させるスピンドル駆動機構44と、この
スピンドル駆動機構44により回転される貼合せ記録基
板Da,Dbの2枚の記録基板を貼り合わせる貼合せ材
1,2から遠心力で振り切られた貼合せ材1,2が再び
記録基板Da,Dbに付着しないようにする跳ね返し防
止板45と、振り切られた貼合せ材1,2を回収してリ
サイクルタンクに戻す貼合せ材回収機構とを備えてい
る。
【0050】これら第2スピナー部20a,20bで余
分な貼合せ材1,2が振り切られることにより、図6に
示すように、第2の貼合せ材2が第1の貼合せ材1によ
って両側から挟み込まれて1つに混じり合い接着剤とし
て2枚の記録基板Da,Dbを接合すると共に、各記録
基板Da,Dbに設けられた2層の情報記録面間の分離
層としての役割を果たすことになる。
【0051】第2スピナー部20a,20bで余分な貼
合せ材1,2が振り切られた貼合せ記録基板Da,Db
は、第2搬送アーム部19の回動アーム43の90°往
復回動により逐次的に硬化搬送部21に搬送される。即
ち、回動アーム43の時計方向への90°回動により一
方の第2スピナー部20aから貼合せ記録基板Da,D
bが硬化搬送部21に搬送され、次の回動アーム43の
反時計方向への90°回動により他方の第2スピナー部
20bから貼合せ記録基板Da,Dbが硬化搬送部21
に搬送される。
【0052】硬化搬送部21は、第2スピナー部20
a,20bから搬送されてくる貼合せ記録基板Da,D
bを受けて所定間隔にて回転搬送させるものである。こ
の硬化搬送部21は、一定速度で回転駆動される搬送テ
ーブル46と、この搬送テーブル46の外周側の8箇所
に等間隔に設けられた8個の基板受け部47とを備えて
いる。
【0053】第2搬送アーム部19から硬化搬送部21
に搬送される貼合せ記録基板Da,Dbは、回動アーム
43と重なり合う受渡し位置fに移動してきた基板受け
部47に載置され、ここで搬送テーブル46に受け渡さ
れる。そして、搬送テーブル46の回転により、図7に
おいて時計方向に回転されて、硬化部22a,22bに
供給される。尚、図中48は第1の検出センサであり、
この第1の検出センサ48は、受渡し位置fに移動して
きた基板受け部47に貼合せ記録基板Da,Dbがある
か否かを検出するためのものである。
【0054】硬化部22a,22bは、貼合せ記録基板
Da,Dbの2枚の記録基板Da,Dbを貼り合わせて
いる貼合せ材1,2を光(例えば、紫外線等)の照射に
よって硬化させ、両記録基板Da,Dbが一体に接合さ
れた光学記録媒体ODを形成するためのものである。こ
の硬化部22a,22bは、紫外線を発生させる上下の
紫外線ランプが内蔵された紫外線照射装置50を有し、
紫外線ランプを上下に配置することによって貼合せ記録
基板Da,Dbの上下両面から紫外線を照射するように
している。そして、搬送テーブル46の回転方向に2つ
の硬化部22a,22bを配設し、これにより長い時間
紫外線を貼合せ材1,2に照射できるようにして、貼合
せ材1,2の硬化が完全に行われるように構成してい
る。
【0055】この硬化部22a,22bは、搬送テーブ
ル46の略1/4の部分を覆うテーブルカバー51を有
し、このテーブルカバー51の入口に第1の硬化部22
aが配設され、その中途部に第2の硬化部22bが配設
されている。そして、テーブルカバー51の出口の近傍
には、予備用の硬化部22cが設定されている。
【0056】この硬化部22a,22bにおける紫外線
の照射により硬化された貼合せ材1,2を有する貼合せ
記録基板Da,Dbは、搬送テーブル46が所定角度回
転することによって達する取出し位置gにおいて、取出
し部23によって搬送テーブル46から取り出される。
この取出し位置gには、第2の検出センサ52が設けら
れている。この第2の検出センサ52は、取出し位置g
に移動してきた基板受け部47に貼合せ記録基板Da,
Dbがあるか否かを検出するためのものであり、その検
出信号に基づいて取出し部23が駆動される。
【0057】取出し部23は、基板受け部47上の貼合
せ記録基板Da,Dbを吸着することができる吸着部
と、この吸着部を先端部に有する取出しアーム53と、
この取出しアーム53を上下方向へ所定距離移動可能と
すると共に水平方向へ所定角度旋回可能とするアーム駆
動機構とを備えている。この取出し部23で硬化搬送部
21から取り出された貼合せ記録基板Da,Dbは、こ
の貼合せ記録基板Da,Dbの表面検査を行うための図
示しない表面検査部を経て、回収部24に回収される。
【0058】この回収部24は、表面検査部の検査を通
過してきた貼合せ記録基板Da,Dbを、光学記録媒体
ODの完成品として回収するものである。この回収部2
4は、取出し部23で取り出された光学記録媒体ODを
受ける受け板と、この受け板上に所定枚数を集積するた
めの回収スピンドルを備えている。
【0059】この実施の例に係る製造装置では、上述し
たような一連の工程を有するが、特に内周ぬらし部13
a,13bと第1スピナー部14a,14bとを設けた
ことにより、貼合せ材1,2の内周側の寄り位置を正確
に制御することができ、中央穴の合せ面における貼合せ
材1,2の量を略均一にして外観上の見栄えを向上させ
ることができる。
【0060】即ち、この実施の例によれば、互いに貼り
合わされる第1の記録基板Daの合せ面と第2の記録基
板Dbの合せ面とにそれぞれ第1の貼合せ材1を塗布し
て遠心力で延展させるようにしたため、それぞれの合せ
面の表面を第1の貼合せ材1で滑らかにすることができ
た。そして、次の工程において、一方の合せ面の第1の
貼合せ材1の上に第2の貼合せ材2をリング状に塗布
し、両貼合せ材1,2を挟み込むようにして両記録基板
Da,Dbを重ね合わせるようにしたため、第2の貼合
せ材2が第1の貼合せ材1の上をスムースに延展するこ
とができ、しかも、より薄い状態で第2の貼合せ材2が
広げられるようになった。
【0061】その結果、第2の貼合せ材2の広がり具合
を容易に予測することができるようになり、第1の記録
基板Daと第2の記録基板Dbとを重ね合わせた際の、
第2の貼合せ材2の内周側への寄り位置を正確に制御す
ることができるようになった。そのため、製品としての
光学記録媒体ODの外観上の見栄えが高められ、商品価
値の向上を図ることができるようになった。しかも、貼
合せ材2の内周側への寄り位置を制御するに際して、真
空装置等の特別な装置を必要としないため、製品のコス
トアップを生ずることがない。
【0062】図8〜図10は、本発明の光学記録媒体の
製造方法の他の例を説明するためのものである。即ち、
図8は、本発明の光学記録媒体の製造方法の第2の例を
示すもので、光学記録媒体ODを構成する2枚の記録基
板Da,Dbのうち、一方の記録基板Daにのみ上述し
た第1の貼合せ材1及び第2の貼合せ材2を塗布し、他
方の記録基板Dbにはどちらの貼合せ材1,2をも塗布
しないようにしたものである。
【0063】また、図9は、本発明の光学記録媒体の製
造方法の第3の例を示すもので、光学記録媒体ODを構
成する2枚の記録基板Da,Dbのうち、一方の記録基
板Daには上述した第1の貼合せ材1を塗布し、他方の
記録基板Dbには第2の貼合せ材2を塗布したものであ
る。更に、図10は本発明の光学記録媒体の製造方法の
第4の例を示すもので、光学記録媒体ODを構成する2
枚の記録基板Da,Dbに、上述した第1の貼合せ材1
及び第2の貼合せ材2を共に塗布したものである。
【0064】この図8〜図10に示すような構成とする
ことによっても、上述した実施の例と同様の効果を得る
ことができ、貼合せ材の内周部への寄りを略均一に設定
することができる。
【0065】以上説明したが、本発明は上記実施の例に
限定されるものではなく、例えば、上記実施の例におい
ては、第1及び第2の貼合せ材1,2をノズルから吐出
させて合せ面にリング状に連続して塗布する構成とした
が、ノズルによらない他の塗布方法を用いることができ
る。例えば、ハケに第1又は第2の貼合せ材1,2を含
浸させ、このハケで記録基板の合せ面に貼合せ材1,2
を塗布する方式(ハケ塗り式)、スタンプ状の部材に第
1又は第2の貼合せ材1,2を含浸させ、このスタンプ
部材で記録基板の合せ面に貼合せ材1,2を押印塗布す
る方式(スタンプ式)、転写ローラ等の転写部材に第1
又は第2の貼合せ材1,2を転写させ、この転写部材で
記録基板の合せ面に貼合せ材1,2を転写塗布する方式
(転写式)等の各種の貼合せ材塗布方式を採用すること
ができる。
【0066】また、上記実施の例においては、中央穴か
ら貼合せ材がはみ出すことを防止するための凹部として
リング状の逃げ溝3を2枚の記録基板Da,Dbの内周
部にそれぞれ設けた例について説明したが、逃げ溝3を
いずれか一方の記録基板Da,Dbに設ける構成として
もよく、更に、逃げ溝3は周方向に連続しないで間欠的
に設けられるものであってもよい。そして、1枚の記録
基板上に複数の溝が近接して形成されていてもよい。更
に、溝の形状は半円形に限定されるものではなく、四角
形、台形等各種の形状に形成することができる。このよ
うに、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更
できるものである。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1の貼合せ材を塗布する第1の塗布工程と、第2の貼
合せ材を塗布する第2の塗布工程と、これら貼合せ材を
延展させる延展工程とを経て第1の記録基板と第2の記
録基板を貼合せるようにしたため、第1の貼合せ材の塗
布によって合せ面の表面をある程度滑らかにして流動性
を高め、この第1の貼合せ材でガイドして第2の貼合せ
材を押し広げて延展させることにより、貼合せ材の内周
部への寄りを略均一にすることができる。
【0068】従って、第1の記録基板と第2の記録基板
とを重ね合わせる際の貼合せ材の広がり具合を容易に予
測することができ、貼合せ材の内周側への寄り位置を正
確に制御することができる。そのため、貼合せ材が記録
基板の中心穴からはみ出すことがなく、製品としての光
学記録媒体の外観上の美感を保って、商品価値の低下を
防ぐことができるようになった。しかも、貼合せ材の内
周側への寄り位置を制御するに際して、真空装置等の特
別な装置を必要としないため、脱泡に要する時間が不要
となり、製造時間を短縮させて製品のコストアップを防
止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学記録媒体の製造方法を説明するた
めのもので、同図Aは本発明に係る光学記録媒体を構成
する記録基板に第1の貼合せ材を塗布した状態の平面
図、同図Bは同じく縦断面図である。
【図2】本発明の光学記録媒体の製造方法を説明するた
めのもので、同図Aは図1に示す記録基板に塗布された
第1の貼合せ材を延展した状態の平面図、同図Bは同じ
く縦断面図である。
【図3】本発明の光学記録媒体の製造方法を説明するた
めのもので、同図Aは図2に示す記録基板に第2の貼合
せ材を塗布した状態の平面図、同図Bは同じく縦断面図
である。
【図4】本発明の光学記録媒体の製造方法を説明するた
めのもので、図3に示す第1の記録基板に図2に示す第
2の記録基板を重ね合わせる前の状態を示す説明図であ
る。
【図5】本発明の光学記録媒体の製造方法を説明するた
めのもので、図4に示す2枚の記録基板を重ね合わせた
状態を示す説明図である。
【図6】本発明の光学記録媒体の製造方法を説明するた
めのもので、図5に示す2枚の記録基板を振り切った状
態を示す説明図である。
【図7】本発明の光学記録媒体の製造方法の実施に供す
る製造装置の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の光学記録媒体の製造方法の第2の例を
示す説明図である。
【図9】本発明の光学記録媒体の製造方法の第3の例を
示す説明図である。
【図10】本発明の光学記録媒体の製造方法の第4の例
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 第1の貼合せ材、 2 第2の貼合せ材、 3 逃
げ溝(凹部)、 4中間膜、 10 製造装置、 11
a,11b ディスク供給部、 12a,12b 徐電
クリーナー部、 13a,13b 内周ぬらし部、 1
4a,14b第1スピナー部、 15a,15b 第1
搬送アーム部、 16 塗布部、17 反転部、 18
合せインデックス部、 19 第2搬送アーム部、
20a,20b 第2スピナー部、 21 硬化搬送
部、 22a,22b 硬化部、 23 取出し部、
24 回収部、 OD 光学記録媒体、 Da 第1の
記録基板、 Db 第2の記録基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録用の微細凹凸が設けられ且つ回
    転中心となる中心穴を有する第1の記録基板及び第2の
    記録基板間に液状の貼合せ材を介在させ、当該貼合せ材
    を硬化させて第1の記録基板と第2の記録基板とを貼り
    合わせることにより形成される光学記録媒体の製造方法
    において、 上記第1の記録基板及び第2の記録基板の互いに貼り合
    わされる合せ面の少なくとも一方に液状の第1の貼合せ
    材を塗布する第1の塗布工程と、 上記第1の記録基板及び第2の記録基板の上記合せ面に
    塗布された第1の貼合せ材及び当該合せ面の少なくとも
    一方に液状の第2の貼合せ材を塗布する第2の塗布工程
    と、 上記第1の記録基板及び第2の記録基板を上記第1の貼
    合せ材及び第2の貼合せ材を挟み込んで重ね合わせるこ
    とにより第1の記録基板及び第2の記録基板間に第1の
    貼合せ材及び第2の貼合せ材を延展させる延展工程とを
    経ることを特徴とする光学記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学記録媒体の製造方法
    において、 上記第1の塗布工程は、上記第1の記録基板及び第2の
    記録基板のそれぞれの合せ面において中心穴に近い内周
    部に上記第1の貼合せ材を環状に連続し又は間欠的に塗
    布した後、第1の記録基板及び第2の記録基板を個別に
    回転させてそれぞれの合せ面に第1の貼合せ材を延展さ
    せることを特徴とする光学記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光学記録媒体の製造方法
    において、 上記第1の塗布工程は、上記第1の記録基板及び第2の
    記録基板のそれぞれの合せ面の略全面に第1の貼合せ材
    を略均一の厚みで塗布することを特徴とする光学記録媒
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光学記録媒体の製造方法
    において、 上記第2の塗布工程は、上記第1の記録基板及び第2の
    記録基板のそれぞれの合せ面に塗布された上記第1の貼
    合せ材の少なくとも一方の、当該第1の貼合せ材の最初
    の塗布位置よりも半径方向外側にて上記第2の貼合せ材
    を環状に連続し又は間欠的に塗布することを特徴とする
    光学記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光学記録媒体の製造方法
    において、 上記第1の記録基板及び第2の記録基板の少なくとも一
    方の、上記中心穴に近い内周部の非情報記録面には、上
    記第1の貼合せ材及び第2の貼合せ材が当該中心穴から
    はみ出すことを防止する凹部を設けたことを特徴とする
    光学記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003046097A1 (de) * 2001-11-30 2003-06-05 Krauss-Maffei Kunststofftechnik Gmbh Verfahren zum herstellen eines datenträgers aus zwei halbseiten
KR100562217B1 (ko) * 2000-04-27 2006-03-22 오리진 일렉트릭 캄파니 리미티드 광디스크기판의 접합방법 과 장치, 및 액상물질의 공급방법
WO2010116945A1 (ja) * 2009-04-07 2010-10-14 太陽誘電株式会社 多層型光情報記録媒体
CN103862816A (zh) * 2012-12-07 2014-06-18 欧利生电气株式会社 接合构件制造方法

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