JP3023276U - 電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インサートモールド形式の電気コネクタにお
いて、導電ターミナルとハウジングの一体性を向上し、
導電ターミナルのコンタクト片の変形の恐れを少なくし
た電気コネクタを提供することを目的としている。 【構成】 絶縁性樹脂で成形されたハウジング１と、複
数の導電ターミナル２とから成る。各導電ターミナル２
がハウジング１の成形時に所定の位置に配置され、ハウ
ジング１の成形によってハウジング１内に固定されてい
る。ハウジング１は上面１ａに開口部３が設けられ、こ
の開口部３からハウジング１の底壁１ｂに向かってプラ
グ嵌入穴４が形成されており、導電ターミナル２はプラ
グ嵌入穴４の内壁に沿うコンタクト片６を有している。
コンタクト片６の先端部側縁に係合部が形成され、ハウ
ジング１の絶縁性樹脂と係合して一体性が強化されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、絶縁性樹脂で成形されたハウジングと、複数の導電ターミナルとか ら成り、各導電ターミナルがハウジングの成形時に所定の位置に配置され、ハウ ジングの成形によってハウジング内に固定されている、いわゆるインサートモー ルド形式の電気コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、前記の如くのインサートモールド形式の電気コネクタとしては、実開平 ３−６４４８７号公報に開示された接続装置などが公知である。この形式の電気 コネクタの場合、一般に、ハウジングの上面に開口部を形成し、この開口部から ハウジングの底壁に向かってプラグ嵌入穴を形成し、導電ターミナルのコンタク ト片を前記プラグ嵌入穴の内壁に沿って配置した構成としている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記のような構成の電気コネクタにおいては、導電ターミナルのコンタクト片 がプラグ嵌入穴の内壁に沿って、一側面を露出させた状態で配置されていて、ハ ウジングの絶縁性樹脂との一体性が比較的弱かった。この結果、プラグ嵌入穴に プラグ側コネクタが挿入、接続される際に、プラグ側コネクタが、斜めに挿入さ れるなど、正しく挿入されない結果として、コンタクト片に斜め方向の外力が加 えられた時に、コンタクト片が変形し、電気コネクタとしての機能が損なわれる 問題点があった。

【０００４】 本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、インサートモールド形式の電 気コネクタにおいて、導電ターミナルとハウジングの一体性を向上し、導電ター ミナルのコンタクト片の変形の恐れを少なくした電気コネクタを提供することを 目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成する本考案の電気コネクタは、絶縁性樹脂で成形されたハウ ジングと、複数の導電ターミナルとから成り、各導電ターミナルがハウジングの 成形時に所定の位置に配置され、ハウジングの成形によってハウジング内に固定 されている電気コネクタにおいて、前記ハウジングは、上面に開口部が設けられ 、この開口部からハウジングの底壁に向かってプラグ嵌入穴が形成されており、 前記導電ターミナルは、前記プラグ嵌入穴の内壁に沿うコンタクト片を有してお り、かつ、導電ターミナルのコンタクト片の先端部側縁に係合部が形成され、こ の係合部がハウジングの絶縁性樹脂と係合して、ハウジングとの一体性が強化さ れていることを特徴とする電気コネクタである。

【０００６】 前記導電ターミナルのコンタクト片は、先端部を外側に折曲して、この折曲し た先端部をハウジングの上面と略平行にし、ハウジングの絶縁性樹脂と係合させ るのが、コンタクト片に加わる斜め方向の外力に対向する点で有利である。この 場合、コンタクト片の折曲された先端部は、ハウジングの上面と面一に配置する 構成や、ハウジングの上面の下側に埋設する構成とすることができる。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、導電ターミナルのコンタクト片の先端部をハウジングの絶縁 性樹脂と係合させて一体性を強化されているので、コンタクト片に対する斜め方 向の外力に対抗して、導電ターミナルの変形を防止することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図を参照して説明する。

【０００９】 図１乃至図３は本考案の第１の実施例の電気コネクタを表したものである。こ の電気コネクタは、絶縁性樹脂で成るハウジング１と複数の導電ターミナル２で 構成されている。ハウジング１は図３に表れているように、立方体状に成形され ており、上面１ａに開口部３が設けられ、この開口部３からハウジング１の底壁 １ｂに向かってプラグ嵌入穴４が形成されている。一方、導電ターミナル２は図 ２に表れているように、コ字状とされ外向きの半田テール５とこの半田テール５ から立上るコンタクト片６を有しており、コンタクト片６の先端部７が半田テー ル５と同一の方向に折曲してあり、折曲された先端部７の両側縁には係合段部８ が形成してある。

【００１０】 前記ハウジング１と導電ターミナル２は、いわゆるインサートモールドによっ て一体化されている。即ち、一組みの導電ターミナル２毎に、半田テール５およ び折曲した先端部７をそれぞれ外向きにしてコンタクト片６が互いに向き合うよ うにして、所定の間隔とピッチ（例えば０．５ｍｍピッチ）で配置し、この導電 ターミナル２に対して絶縁性樹脂を成形することによって、ハウジング１内に導 電ターミナル２を固定して電気コネクタを完成したものである。導電ターミナル ２のコンタクト片６は、ハウジング１に形成されたプラグ嵌入穴４の内壁に沿っ て並び、プラグ嵌入穴４に嵌入される相手側のプラグコネクタ（図示していない ）の導電ターミナルのコンタクト片と電気的に接続できるようになっている。

【００１１】 導電ターミナル２のコンタクト片６の折曲した先端部７は、ハウジング１の上 面１ａの下側に埋設されており、先端部７の両側縁に形成した係合段部８はハウ ジング１を構成した絶縁性樹脂と係合させてある。

【００１２】 上記実施例の電気コネクタによれば、導電ターミナル２のコンタクト片６の変 形を確実に防止することができる。即ち、コンタクト片６の先端部７がハウジン グ１の絶縁性樹脂内に埋設され、先端部両側縁に形成した係合段部８が絶縁性樹 脂と係合して一体性を強化されている。従って、この電気コネクタに対して相手 側のプラグコネクタが挿入、接続される際などに、正しい挿入が行われないこと を理由として、コンタクト片６に対して斜め方向の外力が働いた場合でも、係合 段部８と絶縁性樹脂の係合部分によって、この斜め方向の外力に対抗することが 可能で、コンタクト片６がハウジング１から剥離するなどの、コンタクト片６の 変形を防止することができるものである。

【００１３】 次に、図４乃至図１２は、本考案の第２の実施例を示したものである。この実 施例の電気コネクタも前記第１の実施例と同様に、ハウジング１と導電ターミナ ル２とから構成され、導電ターミナル２がハウジング１内に、インサートモール ドによって所定の位置に配置されている。導電ターミナル２は、外向きの半田テ ール５とコンタクト片６を有し、コンタクト片６の先端部７が外向きに折曲され て、全体としてコ字状とされ、先端部７の両側縁に係合段部８が形成されている 。そして、コンタクト片６がハウジング１のプラグ嵌入穴４の内壁に沿って配置 され、先端部７は、ハウジング１の上面１ａと面一とされて、前記係合段部８は 、ハウジング１の上面１ａにおいて、ハウジング１の絶縁性樹脂と係合してハウ ジング１との一体性が強化されている。

【００１４】 この実施例も、導電ターミナル２のコンタクト片６とハウジング１の一体性が 強化されている結果、コンタクト片６に作用する斜め方向の外力に対抗して、ハ ウジング１から剥離するなどの変形を防ぐことができる。

【００１５】 以上、二つの実施例では、導電ターミナル２のコンタクト片６の先端部７の両 側には係合段部８を形成したものについて説明したが、ハウジング１の絶縁性樹 脂と係合させて一体性を強化するには、このような係合段部８に限られるもので はない。例えば、係合の為の凹部や突起を先端部７の両側縁や上下面に形成して 、絶縁性樹脂と係合させて一体性の強化を図ることも可能である。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によれば、導電ターミナルのコンタクト片の先端部側縁とハウジングを 構成した絶縁性樹脂を係合させて一体性を強化したので、コンタクト片に作用す る斜め方向の外力など、変形の原因となる外力に対抗して変形を防止でき、信頼 性の高い電気コネクタを提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１の実施例の拡大断面図であ
る。

【図２】 同じく第１の実施例の導電ターミナルの斜
視図である。

【図３】 同じく第１の実施例の一部を破断した斜視
図である。

【図４】 本考案の第２の実施例の平面図である。

【図５】 同じく第２の実施例の正面図である。

【図６】 同じく第２の実施例の側面図である。

【図７】 図４のＡ−Ａ線における拡大断面図であ
る。

【図８】 図４のＢ−Ｂ線における拡大断面図であ
る。

【図９】 第２の実施例の一部拡大平面図である。

【図１０】 同じく第２の実施例の導電ターミナルのキ
ャリアストリップで連続した状態の平面図である。

【図１１】 同じく第２の実施例の導電ターミナルのキ
ャリアストリップで連続した状態の断面図である。

【図１２】 同じく第２の実施例の導電ターミナルのコ
ンタクト片の先端部を表した部分図である。

【符号の説明】

１ ハウジング １ａ ハウジングの上面 １ｂ ハウジングの底壁 ２ 導電ターミナル ３ 開口部 ４ プラグ嵌入穴 ５ 半田テール ６ コンタクト片 ７ コンタクト片の先端部 ８ 係合段部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁性樹脂で成形されたハウジング
   と、複数の導電ターミナルとから成り、各導電ターミナ
   ルがハウジングの成形時に所定の位置に配置され、ハウ
   ジングの成形によってハウジング内に固定されている電
   気コネクタにおいて、前記ハウジングは、上面に開口部
   が設けられ、この開口部からハウジングの底壁に向かっ
   てプラグ嵌入穴が形成されており、前記導電ターミナル
   は、前記プラグ嵌入穴の内壁に沿うコンタクト片を有し
   ており、かつ、導電ターミナルのコンタクト片の先端部
   側縁に係合部が形成され、この係合部がハウジングの絶
   縁性樹脂と係合して、ハウジングとの一体性が強化され
   ていることを特徴とする電気コネクタ。
2. 【請求項２】 導電ターミナルのコンタクト片は、先
   端部が外側に折曲されており、この折曲された先端部が
   ハウジングの上面と略平行にされ、ハウジングの絶縁性
   樹脂と係合している請求項１記載の電気コネクタ。
3. 【請求項３】 コンタクト片の折曲された先端部は、
   ハウジングの上面と面一に配置されている請求項２記載
   の電気コネクタ。
4. 【請求項４】 コンタクト片の折曲された先端部は、
   ハウジングの上面の下側に埋設してある請求項２記載の
   電気コネクタ。