JP2020194075A - トナーおよびトナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性、耐熱保存性、耐久性および排紙接着性に優れたトナーを提供する。【解決手段】結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、結着樹脂が、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニットおよび第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する重合体Aを含有し、第一の重合性単量体が炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一であり、第一のモノマーユニットのSP値と第二のモノマーユニットのSP値が所定の関係式を満足し、無機微粒子が、金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体と、被覆層と、を含有し、被覆層が所定の構造を有するトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法に用いられるトナーおよび該トナーの製造方法に関する。
近年、電子写真法を用いた画像形成装置において、省エネルギー化や高速化の要望が高まっている。これらに対応するためにトナーにおいては、少ない熱量で定着可能な、優れた低温定着性に対するニーズが高まっている。
優れた低温定着性を実現する手法として、トナー中の結着樹脂のガラス転移点(Tg)を低下させることが挙げられる。しかしながら、Tgを低下させたトナーにおいては、低温で良好な定着画像を得ることはできるが、耐熱保存性との両立が困難であった。
そこで、低温定着性と耐熱保存性を両立させるために、結晶性樹脂をメインバインダーとして用いる手法が検討されている。結晶性樹脂は動的粘弾性測定において室温から徐々に温度を上げて粘弾性を測定した場合、融点までは粘度変化が極めて小さいが、融点において急激に可塑化し、それに伴った急激な粘度低下が起こる。そのため、結晶性樹脂はシャープメルト性に優れ、低温定着性と耐熱保存性を両立する材料として注目されている。
しかし、結晶性樹脂は分子鎖が一定の規則性で配向しているため、脆く割れやすいという性質がある。そのため、結晶性樹脂を多量に含有させたトナーは、現像器内の攪拌などの外的なストレスに対して弱く、耐久性に課題がある。
また、高速化された画像形成装置において、印字された記録紙は短い紙間隔で排紙され、定着ニップ通過時に溶融したトナーが十分に固まる前に大量に積載される。従って積載した記録紙が接着され剥がれなくなる問題や、1回定着したトナーが剥がれて別の紙に移行してしまう問題が発生する。これらを排紙接着に係る問題と呼んでいる。このような現象は高速印字に対応するために低温定着化されたトナーにおいて生じやすくなっている。
これまでも、結晶性樹脂をメインバインダーとして用いるトナーにおいて、低温定着性、耐熱保存性、耐久性、又は排紙接着性を改良する様々な提案がなされてきた。
特許文献1では、長鎖アルキル基を有する重合性単量体と、非晶性部位を形成する重合性単量体を共重合した結晶性ビニル樹脂をトナーコアの結着樹脂に使用したトナーが提案されている。
特許文献2では、長鎖アルキル基を有する重合性単量体と、非晶性部位を形成する重合性単量体を結着樹脂として使用し、重合性単量体のSP値差を一定の範囲に制御したトナーが提案されている。
特開2014−130243号公報 国際公開第2018/110593号
特許文献1に記載のトナーに使用された結着樹脂は、低温定着性と耐熱保存性を両立している。しかしながら、該トナーに使用された結着樹脂は、長鎖アルキル基を有する重合性単量体に由来する構造の割合が高く、室温付近での弾性が低いため、耐久性が低下しやすい。また、排紙接着性に関しては言及されていないが、結晶状態の制御に関する議論が十分ではないため改善の余地がある。
一方、特許文献2に記載のトナーに使用された結着樹脂は、低温定着性と耐熱保存性をより高いレベルで両立している。しかしながら、結晶性樹脂を結着樹脂として使用したトナーの課題である、排紙接着性や耐久性については議論されておらず改善の余地がある。
本発明は、上記課題を解決したトナーを提供するものである。すなわち、本発明は、低温定着性、耐熱保存性、耐久性および排紙接着性に優れたトナーを提供するものである。
本発明は、
結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、および、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニット
を有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1):
3.00≦(SP21−SP11)≦25.00 (1)
を満足し、
該無機微粒子が、
金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体と、
被覆層と、
を含有し、
該被覆層が、下記式(A)、式(B)、式(C)および式(D)からなる群から選択される少なくとも一で表される構造を有する
ことを特徴とするトナーに関する。
また、本発明は、
結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体、及び、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体
を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm0.5としたとき、下記式(2):
0.60≦(SP22−SP12)≦15.00 (2)
を満足し、
該無機微粒子が、金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体と、
被覆層と、
を含有し、
該被覆層が、下記式(A)、式(B)、式(C)および式(D)からなる群から選択される少なくとも一で表される構造を有する
ことを特徴とするトナーに関する。
Figure 2020194075
(式中、Mは、各々独立して、4価のSi、4価のTiおよび4価のZrからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。M’は、各々独立して、3価のTi、3価のZrおよび3価のAlからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。Rは、各々独立して、アルキル基又はこれの誘導体を示す。R〜Rは、各々独立して、アルコキシ基、アルキル基およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる基、水素原子、ヒドロキシ基、または−O−*を示す。*は、該無機元素との結合部位を示す。nおよびmは、それぞれ独立して、1以上の正の整数を示す。)
さらに、本発明は、
結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、および、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニット
を有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1):
3.00≦(SP21−SP11)≦25.00 (1)
を満足し、
該無機微粒子が、金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体を含有し、
該基体が、アルコキシ基とアルキル基を有する化合物で処理されている
ことを特徴とするトナーに関する。
さらにまた、本発明は、
本発明のトナーの製造方法であって、
該製造方法が、
水系媒体中で、重合性単量体を含有する重合性単量体組成物の粒子を形成する工程、及び、
該粒子に含有される該重合性単量体を重合させて得られる重合体Aを含有する該トナー粒子を得る工程を有する
ことを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明によれば、低温定着性、耐熱保存性、耐久性および排紙接着性に優れたトナーを提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
本発明において、「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。例えば、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の、炭素−炭素結合1区間を1ユニットとする。
ビニル系モノマーとは下記式(Z)で示すことができる。
Figure 2020194075
[式(Z)中、Zは、水素原子、又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基)を表し、Zは、任意の置換基を表す。]
結晶性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示す樹脂を指す。
通常、結晶性ビニル樹脂は、主鎖骨格に、長鎖アルキル基の側鎖を有し、側鎖の長鎖アルキル基同士が結晶化することで、樹脂として結晶性を示す。
したがって、長鎖アルキル基を有する結晶性ビニル樹脂を使用する場合、長鎖アルキル基の含有割合が高いほど結晶化度が高くなり、融点が上昇すると共に、シャープメルト性が発現し、低温定着性と耐熱保存性に優れる。
しかしながら、長鎖アルキル基の含有割合が高くなると、室温付近において結晶性ビニル樹脂の弾性が低下する。その結果、トナーが脆くなり、耐久性が低下し易い。
一方、この耐久性の低下を改善するために、長鎖アルキル基を有する重合性単量体と、その他の重合性単量体との共重合を行い、長鎖アルキル基の含有割合を一定以下にした場合、結晶性が極端に低下し、融点が低下する。その結果、耐熱保存性が低下すると共に、シャープメルト性が低下し、低温定着性も低下する。
また、結晶部を有するトナーは、定着工程において一旦溶融させると結晶部の一部が非晶部と相溶し、結晶性が元には戻らない、もしくは戻るのに時間がかかる。この状態で排紙された紙が積載されると、紙同士が接着され剥がれなくなる問題や、定着されたトナーがはがれて別の紙に移行する排紙接着の問題(排紙接着性)が起こりやすい。そのため低温定着性と排紙接着性の両立はこれまでも大きな課題であった。
本発明者らは鋭意検討した結果、長鎖アルキル基を有するモノマーユニット及びその他のモノマーユニットの種類及びそれらのSP値差を制御し、特定の被覆層を有する無機微粒子と併用することで上記課題を解決することを見出した。
本発明は、
結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、および、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニット
を有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1):
3.00≦(SP21−SP11)≦25.00 (1)
を満足し、
該無機微粒子が、
金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体と、
被覆層と、
を含有し、
該被覆層が、下記式(A)、式(B)、式(C)および式(D)からなる群から選択される少なくとも一で表される構造を有する
ことを特徴とするトナーに関する。
また、本発明は、
結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体、及び、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体
を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm0.5としたとき、下記式(2):
0.60≦(SP22−SP12)≦15.00 (2)
を満足し、
該無機微粒子が、金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体と、
被覆層と、
を含有し、
該被覆層が、下記式(A)、式(B)、式(C)および式(D)からなる群から選択される少なくとも一で表される構造を有する
ことを特徴とするトナーに関する。
Figure 2020194075
(式中、Mは、各々独立して、4価のSi、4価のTiおよび4価のZrからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。M’は、各々独立して、3価のTi、3価のZrおよび3価のAlからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。Rは、各々独立して、アルキル基又はこれの誘導体を示す。R〜Rは、各々独立して、アルコキシ基、アルキル基およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる基、水素原子、ヒドロキシ基、または−O−*を示す。*は、該無機元素との結合部位を示す。nおよびmは、それぞれ独立して、1以上の正の整数を示す。)
さらに、本発明は、
結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、
第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、および、
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニット
を有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモ
ノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1):
3.00≦(SP21−SP11)≦25.00 (1)
を満足し、
該無機微粒子が、金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体を含有し、
該基体が、アルコキシ基とアルキル基を有する化合物で処理されている
ことを特徴とするトナーに関する。
ここでSP値とは、溶解度パラメータ(solubility parameter)の略であり、溶解性の指標となる値である。算出方法については後述する。
第一の重合性単量体が炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一であることで、重合体Aは結晶性を示す樹脂となる。また、炭素数が上記範囲内であれば、重合体Aの融点を好ましい範囲内(例えば、50℃以上80℃以下)に制御することができる。
第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1)を満足する。
また、第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm0.5とし、第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm0.5としたとき、下記式(2)を満足する。
3.00≦(SP21−SP11)≦25.00 (1)
0.60≦(SP22−SP12)≦15.00 (2)
(SP21−SP11)の値は、4.00〜20.00であることが好ましく、5.00〜15.00であることがより好ましい。
また、(SP22−SP12)の値は、2.00〜10.00であることが好ましく、3.00〜7.00であることがより好ましい。
本発明におけるSP値の単位は、(J/m0.5であるが、下記式によって(cal/cm0.5の単位に換算することができる。
1(cal/cm0.5=2.045×10(J/m0.5
式(1)、又は、式(2)を満足することで、重合体Aの結晶性が低下することなく、融点が維持される。
上記重合体Aに加え、トナー粒子が、特定の無機元素を含有する基体と、特定の構造を有する被覆層と、を含有する(すなわち、該基体が、特定の化合物で処理されている)無機微粒子を含有することで、重合体Aの結晶性をより高い次元で制御することができる。これにより、低温定着性、耐熱保存性、耐久性及び排紙接着性を両立することが可能である。
この理由は以下のように推察している。
第一のモノマーユニットは、重合体Aに組み込まれ、第一のモノマーユニット同士が集合することで結晶性を発現する。しかしながら、通常の場合、他のモノマーユニットが組み込まれていると、当該他のモノマーユニットは第一のモノマーユニットの結晶化を阻害しやすいため、重合体として結晶性を発現しにくくなる。この傾向は、重合体の一分子内において第一のモノマーユニットと他のモノマーユニットがランダムに結合されていると顕著になる。
一方、(SP22−SP12)が式(2)の範囲となる重合性単量体を使用することで
、重合時に第一の重合性単量体と第二の重合性単量体がランダムに重合するのではなく、ある程度連続した重合形態を取ると考えられる。(SP22−SP12)が式(2)の範囲であると、SP値の差が存在するために、第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットを含有する重合体部位と、第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットを含有する重合体部位とが、ミクロな領域で相分離状態を形成しうると考えられる。
また、(SP21−SP11)が式(1)の範囲にあることで、重合体A中の第一のモノマーユニットと第二のモノマーユニットが相溶することなく明確な相分離状態を形成しうると考えられる。
そのため、SP値が式(1)または(2)を満たすことで、第一の重合性単量体がある程度連続して重合した重合体部位を得ることができるようになり、重合体部位の結晶性を高めることができ、融点が維持されると考える。
すなわち、重合体Aは、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニットを含む結晶性部位と、第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを含む高極性部位(又は非晶性部位)を有することが好ましい。
式(A)〜(D)からなる群から選択される少なくとも一で表される構造を有する被覆層中には、M−O結合由来の高極性部位と、アルキル基またはこれの誘導体由来の低極性部位と、が存在する。
重合体Aを含有するトナー粒子が上記被覆層を有する無機微粒子を含有する場合、極性の高い第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットと、無機微粒子の被覆層中の高極性部位と、が双極子―双極子相互作用すると考えられる。また、極性の低い第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニットと、無機微粒子の被覆層中の低極性部位と、の間で分子間力が働くと考えられる。その結果、重合体Aが、第一のモノマーユニットを外側、第二のモノマーユニットを内側として、無機微粒子表面に配向して、重合体Aの結晶性がより高く、かつ結晶状態が均一になると予想される。
したがって、上記無機微粒子を含有しない場合と比較して、定着後の再結晶化が迅速になり、排紙接着性が向上する。加えて、結晶性がより高いため、シャープメルト性が向上し、低温定着性と耐熱保存性がより高い次元で両立できる。さらに、結晶状態が均一であるため、現像容器内で撹拌された際などにトナーにかかる応力が分散され、耐久性が向上する。
(SP22−SP12)が0.60(J/cm0.5よりも小さい場合、重合体Aの融点が低下し、耐熱保存性が低下する。また、重合体A中の極性の高い第二のモノマーユニットと無機微粒子の被覆層中の高極性部位との双極子―双極子相互作用が小さくなるため、結晶化度が小さくなり、排紙接着性が低下する。
一方、15.00(J/cm0.5よりも大きいと、重合体Aの共重合性が劣ると考えられ、不均一化が生じ、低温定着性が低下する。
同様に、(SP21−SP11)が3.00(J/cm0.5よりも小さい場合、重合体Aの融点が低下し、耐熱保存性が低下する。また、重合体A中の極性の高い第二のモノマーユニットと無機微粒子の被覆層中の高極性部位の双極子―双極子相互作用が小さくなるため、結晶化度が小さくなり、排紙接着性が低下する。
一方、25.00(J/cm0.5よりも大きい場合、重合体Aの共重合性が劣ると考えられ、不均一化が生じ、低温定着性が低下する。
また、無機微粒子が特定の被覆層を有さない場合、すなわち、基体が特定の化合物で処理されていない場合、重合体Aの結晶性を向上させる効果が乏しく、また、重合体Aの不均一化が生じる。
すなわち、長鎖アルキル基を有するモノマーユニット及びその他のモノマーユニットの種類及びその含有割合、並びにそれらのSP値差を制御し、特定の被覆層を有する無機微粒子と併用することで、重合体Aの結晶性を制御し、低温定着性、耐熱保存性、耐久性お
よび排紙接着性を両立することが可能となった。
なお、重合体A中に上記第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニットが複数種類存在する場合、式(1)におけるSP11の値はそれぞれのモノマーユニットのSP値を加重平均した値とする。例えば、SP値がSP111のモノマーユニットAを第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニット全体のモル数を基準としてAモル%含み、SP値がSP112のモノマーユニットBを第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニット全体のモル数を基準として(100−A)モル%含む場合のSP値(SP11)は下記式(6)で表される。
SP11=(SP111×A+SP112×(100−A))/100 (6)
第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニットが3以上含まれる場合も同様に計算する。一方、SP12も同様に、それぞれの第一の重合性単量体のモル比率で算出した平均値を表す。
一方、第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットは、上記方法で算出したSP11に対して式(1)を満たすSP21を有するモノマーユニット全てが該当する。同様に、第二の重合性単量体は、上記方法で算出したSP12に対して式(6)を満たすSP22を有する重合性単量体全てが該当する。
すなわち、第二の重合性単量体が2種類以上の重合性単量体である場合、SP21はそれぞれの重合性単量体に由来するモノマーユニットのSP値を表し、SP21−SP11はそれぞれの第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットに対して決定される。同様に、SP22はそれぞれの重合性単量体のSP値を表し、SP22−SP12はそれぞれの第二の重合性単量体に対して決定される。
無機微粒子は、金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体を含有する。
金属元素としては、例えば、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、Nd、W、Pt、Au、Alなどが挙げられる。
また、半金属元素としては、例えば、Si、Geなどが挙げられる。
上記金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体として、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銅、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ガラス繊維、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、カーボンブラック、その他の無機物が挙げられる。
酸化鉄としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト又は他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、又は、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Ca、Mn、Se、Tiのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。具体的には、マグネタイト、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄ネオジウム(NdFe)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe)、酸化鉄マンガン(MnFe)が挙げられる。
この中でも、表面処理剤との反応性の高さ、処理の均一さ、トナーとしての実用性の観点から金属酸化物および半金属酸化物がより好ましく、更に好ましくはマグネタイトである。
無機微粒子の個数平均粒径は、0.10μm〜0.40μmであることが好ましく、0.10μm〜0.25μmであることがより好ましい。0.10μm以上であると、トナー中での均一分散性が向上する。また、0.40μm以下であると、無機微粒子の表面積が大きくなる。したがって、無機微粒子の粒径が上記範囲内であることで、より大きな核
剤効果を得ることができる。
また、無機微粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して20質量部以上150質量部以下であることが好ましく、より好ましくは50質量部以上100質量部以下である。無機微粒子の含有量が上記範囲内にあることで、無機微粒子と結着樹脂双方の特性を十分に発揮したトナーを得ることができる。
無機微粒子は、被覆層をさらに含有する。該被覆層は、下記式(A)、式(B)、式(C)および式(D)からなる群から選択される少なくとも一で表される構造を有する。
Figure 2020194075
式中、
Mは、各々独立して、4価のSi、4価のTiおよび4価のZrからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。
M’は、各々独立して、3価のTi、3価のZrおよび3価のAlからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。
は、各々独立して、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数4〜16、さらに好ましくは炭素数4〜10)又はこれの誘導体を示す。
〜Rは、各々独立して、アルコキシ基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数4〜16、さらに好ましくは4〜10)およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる基、水素原子、ヒドロキシ基、または−O−*を示す。*は、該無機元素との結合部位を示す。
nおよびmは、それぞれ独立して、1以上の正の整数を示す。
〜Rが示し得るアルキル基の誘導体としては、具体的には、ブチルシクロペンチル基、ブチルシクロヘキシル基、ヘキシルシクロペンチル基、ヘキシルシクロヘキシル基などが挙げられる。
〜Rが示し得るアルコキシ基の誘導体としては、具体的には、ジシクロペンチルメトキシ基、ジシクロヘキシルメトキシ基、トリシクロペンチルメトキシ基、トリシクロヘキシルメトキシ基、フェニルメトキシ基、ジフェニルメトキシ基、トリフェニルメトキシ基などが挙げられる。
上記構造を得るには、基体が、アルコキシ基とアルキル基を有する化合物(以下、表面処理剤ともいう)で処理されていることが好ましい。すなわち、無機微粒子は、基体と、該表面処理剤と、の反応物であることが好ましい。
具体的には、基体が、シラン化合物、チタネート化合物、アルミネート化合物およびジルコネート化合物等の化合物で処理されていることが好ましい。すなわち、無機微粒子は、シラン化合物、チタネート化合物、アルミネート化合物およびジルコネート化合物等の化合物と、基体と、の反応物であることが好ましい。
これらの表面処理剤はいずれも加水分解し、無機微粒子の表面に存在する水酸基と縮合反応することで強固な化学結合を形成する。無機微粒子が被覆層に上記構造を有することで、無機微粒子と重合体Aを含有するトナーにおいて、極性の高い第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットと、無機微粒子の被覆層中の高極性部位と、が双極子―双極子相互作用する。また、極性の低い第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニットと、無機微粒子の被覆層中の低極性部位と、の間で分子間力が働く。その結果、重合体Aが、第一のモノマーユニットを外側、第二のモノマーユニットを内側として無機微粒子表面に配向して、重合体Aの結晶性が高く、かつ結晶状態が均一になる。
シラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ジブチルジメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ジブチルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ジデシルジメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ジデシルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、及びこれらの加水分解物などを挙げることができる。
チタネート化合物としては、例えば、メチルトリメトキシチタン、ジメチルジメトキシチタン、メチルトリエトキシチタン、ジメチルジエトキシチタン、n−ブチルトリメトキシチタン、n−ジブチルジメトキシチタン、n−ブチルトリエトキシチタン、n−ジブチルジエトキシチタン、イソブチルトリメトキシチタン、トリメチルメトキシチタン、n−ヘキシルトリメトキシチタン、n−オクチルトリメトキシチタン、n−オクチルトリエトキシチタン、n−デシルトリメトキシチタン、n−ジデシルジメトキシチタン、n−デシルトリエトキシチタン、n−ジデシルジエトキシチタン、n−ヘキサデシルトリメトキシチタン、n−ヘキサデシルトリメトキシチタン、n−オクタデシルトリメトキシチタン、及びこれらの加水分解物などを挙げることができる。
アルミネート化合物としては、例えば、メチルジメトキシアルミニウム、ジメチルメトキシアルミニウム、メチルジエトキシアルミニウム、ジメチルエトキシアルミニウム、エチルジメトキシアルミニウム、エチルジエトキシアルミニウム、n−プロピルジメトキシアルミニウム、n−プロピルジエトキシアルミニウム、n−ブチルジメトキシアルミニウム、n−ブチルジエトキシアルミニウム、n−ジブチルメトキシアルミニウム、n−ブチルジエトキシアルミニウム、n−ジブチルエトキシアルミニウム、イソブチルジメトキシアルミニウム、n−ペンチルジメトキシアルミニウム、n−ペンチルジエトキシアルミニウム、ヘキシルジメトキシアルミニウム、ヘキシルジエトキシアルミニウム、オクチルジメトキシアルミニウム、オクチルジエトキシアルミニウム、n−デシルジメトキシアルミニウム、n−ジデシルメトキシアルミニウム、n−デシルジエトキシアルミニウム、n−ジデシルエトキシアルミニウム、n−ヘキサデシルジメトキシチタン、n−ヘキサデシルジメトキシチタン、n−オクタデシルジメトキシチタン、及びこれらの加水分解物などを挙げることができる。
ジルコネート化合物としては、例えば、メチルトリメトキシジルコニウム、ジメチルジメトキシジルコニウム、メチルトリエトキシジルコニウム、ジメチルジエトキシジルコニウム、n−ブチルトリメトキシジルコニウム、n−ジブチルジメトキシジルコニウム、n−ブチルトリエトキシジルコニウム、n−ジブチルジエトキシジルコニウム、イソブチルトリメトキシジルコニウム、トリメチルメトキシジルコニウム、n−ヘキシルトリメトキシジルコニウム、n−オクチルトリメトキシジルコニウム、n−オクチルトリエトキシジルコニウム、n−デシルトリメトキシジルコニウム、n−ジデシルジメトキシジルコニウム、n−デシルトリエトキシジルコニウム、n−ジデシルジエトキシジルコニウム、n−ヘキサデシルトリメトキシジルコニウム、n−ヘキサデシルトリメトキシジルコニウム、n−オクタデシルトリメトキシジルコニウム、及びこれらの加水分解物などを挙げることができる。
上記シラン化合物、チタネート化合物、アルミネート化合物、ジルコネート化合物を用いる場合、単独で、又は複数を併用することが可能である。複数を併用する場合、それぞれの化合物で個別に処理してもよいし、同時に処理してもよい。
表面処理剤の使用量は特に制限されず、本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整することができる。
また、表面処理剤は、加水分解処理を施したものとすることもできる。加水分解処理を施すことで無機微粒子表面にある水酸基等と水素結合を介し吸着し、これを加熱・脱水することにより強固な化学結合を形成することができる。また、水素結合を形成することで、加熱時に化合物の揮発を抑制することができる。化学結合を有することでトナー製造工程において処理剤が無機微粒子から脱離せず、トナーの製造安定性に影響を与えることなく使用できる。また、無機微粒子表面での第一のモノマーユニットの配向性が高くなるので、低温定着性及び耐久性が向上する。
無機微粒子の表面に存在する表面処理剤の量は、処理後の基体、すなわち無機微粒子が含有する炭素量を測定することで知ることが出来る。無機微粒子が含有する炭素量は、無機微粒子を基準として、0.30質量%〜2.50質量%であることが好ましく、0.30質量%〜2.00質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、トナーの製造安定性に影響を与えることなく使用出来る。
その中でも、表面処理剤としては、下記式(3)の構造を有する化合物を用いることが好ましい。すなわち、基体は、下記式(3)で示される化合物で処理されていることが好ましい。換言すると、無機微粒子が、基体と、下記式(3)で示される化合物と、の反応物であることが好ましい。
R’SiY’ (3)
(式中、R’はアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Y’はアルキル基又はこれの誘導体を示し、nは1〜3の整数を示す。ただし、m+n=4である。)
Y’が示し得るアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、4〜16がより好ましく、4〜10がさらに好ましい。アルキル基の炭素数が上記範囲内であることで、第一の重合性単量体由来のモノマーユニットと表面処理剤のアルキル基との相互作用が大きくなり、重合体Aの結晶性がより高くなると考えられる。そのため、耐熱保存性および排紙接着性をより向上することができる。
また、Y’が示し得るアルキル基の誘導体としては、例えば、ブチルシクロペンチル基、ブチルシクロヘキシル基、ヘキシルシクロペンチル基、ヘキシルシクロヘキシル基が挙げられる。
表面処理剤が上記式(3)の構造を有することで、加水分解条件を制御することにより加水分解率を高めつつも自己縮合を抑制することが可能であるため、無機微粒子の表面をより均一に処理することが可能である。この結果、第一のモノマーユニットと被覆層を有する無機微粒子が均一に相互作用し結晶性が高く、結晶状態が均一になり、排紙接着性や耐久性が更に向上する。
ここで、一例として、マグネタイトなどの金属酸化物をシラン化合物で処理する方法を以下に示す。以下の方法は一例であって、これに限定されるものではない。
湿式にて表面処理を行う場合、金属酸化物を水系媒体中に分散させた分散液を調製する。得られた再分散液のpHを3.0以上6.5以下に調整し、アルコキシシランを徐々に投入し、ディスパー翼などを用いて均一に分散する。この時、分散液の液温は35℃以上60℃以下であることが好ましい。一般的に、pHが低いほど、そして液温が高いほどアルコキシシランは加水分解しやすい。
また、気相中にて、シラン化合物を用いて処理を行ってもよい。具体的な処理方法としては、未処理の金属酸化物をヘンシェルミキサーで撹拌しながら、シラン化合物を噴霧して加える。その後、縮合反応が進行する温度まで昇温してから静かに置いて金属酸化物を乾燥すると共にシラン化合物の縮合反応を進行させる。
上記の方法によって、金属酸化物の表面にシラン化合物が化学結合した微粒子を得るこ
とができる。
更に、無機微粒子は、水分吸脱着曲線において下記式(4)および式(5)を満たしていることが好ましい。
1.5≦Z≦10.0 (4)
Y−X≧0.10 (5)
X:30.0℃相対湿度10% 吸着曲線における水分吸着量(mg/g)
Y:30.0℃相対湿度10% 脱着曲線における水分吸着量(mg/g)
Z:30.0℃相対湿度100%における水分吸着量(mg/g)
上記式(4)において、Zが1.5以上であることで、低温低湿環境下においても無機微粒子が一定範囲内の水分量を吸着し、トナーのチャージアップが抑制でき、画質をより向上させることができる。
また、Zが10.0以下であることで、高温高湿環境下において、トナー表層近傍の無機微粒子が水分を吸着し過ぎず、帯電の過度な低下を抑制できる。その結果、高温高湿環境下における画質を改善することができる。
Zは、より好ましくは1.8〜8.0であり、さらに好ましくは2.0〜6.0である。
また、Y−Xが上記式(5)を満たすことで、低温低湿環境下においても、トナー表層の無機微粒子が適度な水分を保持することが可能となり、トナーのチャージアップを抑制することができる。その結果、低温低湿環境下における画質を向上させることができる。Y−Xは、より好ましくは0.12以上であり、さらに好ましくは0.20以上である。
Y−Xの上限は特に制限されないが、4.00以下であることが好ましく、3.00以下であることがより好ましく、2.00以下であることがさらに好ましく、0.40以下であることがさらにより好ましい。Y−Xにかかる数値範囲は、任意に組み合わせることができる。
上記式(4)および式(5)を満たす無機微粒子の製造方法としては、特に制限されるものではないが、例えば以下の製造方法にて製造することが可能である。
表面処理剤を基体の粒子表面に均一に反応させて高い疎水性を発現させると同時に、基体の粒子表面の水酸基を完全に疎水化せずに一部残存させることを目的として、ホイール形混練機又はらいかい機によって、乾式にて表面処理を施すことができる。
ここでホイール形混練機としては、ミックスマラー、マルチマル、ストッツミル、逆流混練機、アイリッヒミル等が適用でき、ミックスマラーを適用することが好ましい。
ホイール形混練機又はらいかい機を用いた場合には、圧縮作用、せん断作用、へらなで作用という3つの作用を発現させることができる。
圧縮作用によって基体の粒子間に存在する表面処理剤を基体の表面に押しつけ、粒子表面との密着性、反応性を高めることができる。せん断作用によって表面処理剤と基体それぞれにせん断力を加え、表面処理剤を引き延ばすとともに、基体の粒子をばらばらにして凝集を解すことができる。更に、へらなで作用により基体表面に存在する表面処理剤をへらでなでるように均―に広げることができる。
上記3つの作用が連続的かつ繰り返し発現することによって、基体の凝集を解して再凝集させることなく、一つ一つの粒子に解しながら個々の粒子の表面を偏りなく表面処理することができる。
上記の手法による処理することで安定的に処理することが可能となる。
そしてホイール形混練機又はらいかい機によって、表面処理剤を用いて基体を処理した場合、基体の粒子表面において、表面処理剤と反応した部分と反応せずに残った水酸基価が交互に存在して共存する状態を形成できる。
無機微粒子の粒子表面をこのような状態とすることで、疎水性を高めながら、一定の水分吸着性を持たせることができ、Z値を適正範囲とすることができ、Y−X値を大きくすることができる。
トナー粒子は、結着樹脂を含有する。
該結着樹脂は、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、および、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する重合体Aを含有する。
また、該結着樹脂は、第一の重合性単量体、及び、第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有する。
重合体A中の第一のモノマーユニットの含有割合は、重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.00モル%〜60.00モル%であることが好ましく、より好ましくは10.00モル%〜60.00モル%であり、更に好ましくは20.00モル%〜40.00モル%である。
また、第一の重合性単量体および第二の重合性単量体を含有する組成物中の第一の重合性単量体の含有割合は、組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.00モル%〜60.00モル%であることが好ましく、より好ましくは10.00モル%〜60.00モル%であり、更に好ましくは20.00モル%〜40.00モル%である。
重合体A中の第二のモノマーユニットの含有割合は、重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.00モル%〜95.00モル%であることが好ましく、より好ましくは40.00モル%〜95.00モル%であり、40.00モル%〜70.00モル%である。
また、組成物中の第二の重合性単量体の含有割合は、組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.00モル%〜95.00モル%であることが好ましいく、より好ましくは40.00モル%〜95.00モル%であり、更に好ましくは40.00モル%〜70.00モル%である。
重合体A中の第一のモノマーユニットの含有割合、及び、組成物中の第一の重合性単量体の含有割合が上記範囲であり、かつ被覆層を有する無機微粒子を含有するトナーは、重合体Aと無機微粒子との相互作用により、従来よりも高い結晶性が得られる。その結果、トナーのシャープメルト性や弾性が向上し、低温定着性、耐久性、耐熱保存性及び排紙接着性に優れる。
重合体A中の第二のモノマーユニットの含有割合、及び、組成物中の第二の重合性単量体の含有割合が上記範囲である場合、重合体Aはシャープメルト性を保持しつつ、室温付近での弾性を向上させることができ、低温定着性及び耐久性に優れたトナーとなる。加えて、重合体Aにおいて第一のモノマーユニットの結晶化を阻害しにくく、融点の維持も可能となる。さらに、第二のモノマーユニットと無機微粒子表面の高極性部位の相互作用が十分得られ、良好な排紙接着性が得られる。
第一の重合性単量体は、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである。
炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、炭素数18〜36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンエイコサニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセリル、(メタ)アクリル酸セリル、(メタ)アクリル酸オクタコシル、(メタ)アクリル酸ミリシル、(メタ)アクリル酸ドドリアコンタンなど]及び炭素数18〜36の分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシルなど]が挙げられる。
これらの内、トナーの耐熱保存性の観点から、好ましくは炭素数18〜36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである。より好ましくは炭素数18〜30の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである。さらに好ましくは直鎖の(メタ)アクリル酸ステアリル及び(メタ)アクリル酸ベヘニルからなる群から選択される少なくとも一つである。
第一の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
第二の重合性単量体としては、例えば以下に挙げる重合性単量体のうち、式(1)、又は式(2)を満たす重合性単量体が挙げられる。第二の重合性単量体は、エチレン性不飽和結合を有することが好ましく、エチレン性不飽和結合を一つ有することがより好ましい。また、第二の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ニトリル基を有する単量体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど。
ヒドロキシ基を有する単量体;例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルなど。
アミド基を有する単量体;例えば、アクリルアミド、炭素数1〜30のアミンとエチレン性不飽和結合を有する炭素数2〜30のカルボン酸(アクリル酸及びメタクリル酸など)を公知の方法で反応させた単量体。
ウレタン基を有する単量体:例えば、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2〜22のアルコール(メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ビニルアルコールなど)と、炭素数1〜30のイソシアネート[モノイソシアネート化合物(ベンゼンスルフォニルイソシアネート、トシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、t−ブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、アダマンチルイソシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、3,5−ジメチルフェニルイソシアネート及び2,6−ジプロピルフェニルイソシアネートなど)、脂肪族ジイソシアネート化合物(トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなど)、脂環族ジイソシアネート化合物(1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート及び水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど)、及び芳香族ジイソシアネート化合物(フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートなど)など]とを公知の方法で反応させた単量体、及び
炭素数1〜26のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ノナデシルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコールなど)と、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2〜30のイソシアネート[2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(0−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート及び1,1−(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートなど]とを公知の方法で反応させた単量体など。
ウレア基を有する単量体:例えば炭素数3〜22のアミン[1級アミン(ノルマルブチ
ルアミン、t―ブチルアミン、プロピルアミン及びイソプロピルアミンなど)、2級アミン(ジノルマルエチルアミン、ジノルマルプロピルアミン、ジノルマルブチルアミンなど)、アニリン及びシクロキシルアミンなど]と、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2〜30のイソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体など。
カルボキシ基を有する単量体;例えば、メタクリル酸、アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−カルボキシエチル。
中でも、ニトリル基、アミド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、又はウレア基を有する単量体を使用することが好ましい。より好ましくは、第二の重合性単量体は、ニトリル基、アミド基、ヒドロキシ基、ウレタン基、及びウレア基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体である。
これらを有することで、重合体Aの融点が高くなりやすく、耐熱保存性が向上しやすい。また、室温付近の弾性が高まり、耐久性が向上しやすくなる。
第二の重合性単量体として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニルといったビニルエステル類も好ましく用いられる。ビニルエステル類は、非共役モノマーであり、第一の重合性単量体との反応性が適度に保たれやすい。そのため、重合体Aにおいて第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットが集合して結合している状態を形成させやすくなると考えられ、重合体Aの結晶性が高まり、低温定着性と耐熱保存性をより両立させやすくなる。
また、第二の重合性単量体が、下記式(E)及び(F)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
Figure 2020194075
式(E)中、Xは単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、
は、ニトリル基(−C≡N)、
アミド基(−C(=O)NHR11、該R11は水素原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基)、
ヒドロキシ基、
−COOR12(R12は炭素数1〜6(好ましくは1〜4)のアルキル基、若しくは炭素数1〜6(好ましくは1〜4)のヒドロキシアルキル基)、
ウレタン基(−NHCOOR13、該R13は炭素数1〜4のアルキル基)、
ウレア基(−NH−C(=O)−N(R14、該R14はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1〜6(好ましくは1〜4)のアルキル基)、
−COO(CHNHCOOR15(該R15は炭素数1〜4のアルキル基)、又は−COO(CH−NH−C(=O)−N(R16(該R16はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1〜6(好ましくは1〜4)のアルキル基)
を示し、
10は、水素原子又はメチル基を示す。
式(F)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示し、
10は、水素原子又はメチル基を示す。
さらに、第二の重合性単量体が、下記式(E)及び(F)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
Figure 2020194075
式(E)中、Xは単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、
は、ニトリル基(−C≡N)、
アミド基(−C(=O)NHR11、該R11は水素原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基)、
ヒドロキシ基、
−COOR12(該R12は炭素数1〜6(好ましくは1〜4)のアルキル基、若しくは炭素数1〜6(好ましくは1〜4)のヒドロキシアルキル基)、
ウレア基(−NH−C(=O)−N(R14、該R14はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基)、
−COO(CHNHCOOR15(該R15は炭素数1〜4のアルキル基)、又は−COO(CH−NH−C(=O)−N(R16(該R16はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1〜6(好ましくは1〜4)のアルキル基)
を示し、
10は、水素原子又はメチル基を示す。
式(F)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示し、
10は、水素原子又はメチル基を示す。
重合体Aは、ビニル重合体であることが好ましい。ビニル重合体は、例えば、エチレン性不飽和結合を含むモノマーの重合体が挙げられる。エチレン性不飽和結合とは、ラジカル重合することが可能な炭素−炭素二重結合を指し、例えば、ビニル基、プロペニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
重合体Aには、上述した第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットのモル比率を損ねない範囲で、
該第一の重合性単量体及び該第二の重合性単量体とは異なる第三の重合性単量体に由来する第三のモノマーユニットを含有してもよい。
また、第一の重合性単量体、及び、該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物には、該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合、及び第二の重合性単量体の含有割合を損ねない範囲で、第一の重合性単量体及び第二の重合性単量体とは異なる第三の重合性単量体を含有してもよい。
このとき、第三の重合性単量体に由来する第三のモノマーユニットのSP値をSP31(J/cm0.5としたとき、下記式(7)の関係を満たすことが好ましい。
0.00<(SP31−SP11)<3.00 (7)
また、第三の重合性単量体のSP値をSP32(J/cm0.5としたとき、
下記式(8)の関係を満たすことが好ましい。
0.00<(SP32−SP12)<0.60 (8)
第三の重合性単量体としては、上記第二の重合性単量体として例示した単量体のうち、式(7)又は式(8)を満たす単量体を用いてもよい。
なお、第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットは、SP11に対して式(7)
を満たすSP31を有するモノマーユニット全てが該当する。同様に、第三の重合性単量体は、SP12に対して式(8)を満たすSP32を有する重合性単量体全てが該当する。
すなわち、第三の重合性単量体が2種類以上の重合性単量体である場合、SP31はそれぞれの重合性単量体に由来するモノマーユニットのSP値を表し、SP31−SP11はそれぞれの第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットに対して決定される。同様に、SP32はそれぞれの重合性単量体のSP値を表し、SP32−SP12はそれぞれの第二の重合性単量体に対して決定される。
第三の重合性単量体としては、例えば、以下のものを用いることが可能である。
スチレン、o−メチルスチレンなどのスチレン及びその誘導体、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル類。
上記第三の重合性単量体の中でも好ましくは、スチレン、メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルである。これらを有することで耐久性を向上させやすい。
なお、上記単量体は極性基を有さないためにSP値が低く、上記式(1)又は式(2)を満たしにくい。しかし、式(1)又は式(2)を満たす場合には、第二の重合性単量体として用いることができる。
トナー粒子は、トナーの帯電性を環境によらず安定に保つために、荷電制御剤を用いてもよい。
負荷電性の荷電制御剤としては、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
正荷電性の荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートのようなジオルガノスズボレート類;樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.03質量部〜8質量部であることがより好ましい。また、これら荷電制御剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることが可能である。
トナー粒子は離型剤を含有していてもよい。
離型剤としては、カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナウバワックスなどのような脂肪酸エステル類から酸成分の一部又は全部を脱酸したもの;植物性油脂の水素添加などによって得られる、ヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物;ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニルなどの飽和脂肪酸モノエステル類;セバシン酸ジベヘニル、ドデカン二酸ジステアリル、オクタデカン二酸ジステアリルなどの飽和脂肪族ジカルボン酸と飽和脂肪族アルコールとのジエステル化物;ノナンジオールジベヘネート、ドデカンジオールジステアレー
トなどの飽和脂肪族ジオールと飽和脂肪酸とのジエステル化物、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石けんといわれているもの);炭素数12以上の長鎖アルキルアルコール又は長鎖アルキルカルボン酸;などが挙げられる。
トナー粒子中の離型剤の含有量は、1.0質量%〜30.0質量%であることが好ましく、2.0質量%〜25.0質量%であることがより好ましい。
また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重合体Aのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜200,000であることが好ましく、20,000〜150,000であることがより好ましい。
重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあることで、室温付近での弾性が維持しやすい。また、重合体Aの融点は、50℃〜80℃であることが好ましく、53℃〜70℃であることがより好ましい。融点が上記範囲にある場合、低温定着性及び耐熱保存性がより向上する。
重合体Aの融点は、使用する第一の重合性単量体の種類や量、第二の重合性単量体の種類や量などによって調整が可能である。
結着樹脂中の重合体Aの含有量は、50.0質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80.0質量%〜100.0質量%であり、更に好ましくは結着樹脂が重合体Aである。結着樹脂中の重合体Aの含有量が上記範囲にあることで、トナーのシャープメルト性が維持されやすく、低温定着性が向上する。
結着樹脂として重合体A以外に使用可能な樹脂としては、従来公知の、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、電子写真特性の観点から、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
ビニル系樹脂に使用可能な重合性単量体は、上述した第一の重合性単量体、第二の重合性単量体、第三の重合性単量体に使用可能な重合性単量体などが挙げられる。必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル樹脂は、2価以上の多価カルボン酸と多価アルコールの反応により得ることができる。
多価カルボン酸としては例えば以下の化合物が挙げられる。琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、ドデセニルコハク酸のような二塩基酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル、並びに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸。
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、以下の化合物を挙げることができる。アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール及び1,3−プロピレングリコール);アルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール);ビスフェノール類(ビスフェノールA);脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)付加物。アルキレングリコール及びアルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は直鎖状であっても、分岐していてもよい。さらに、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールなど。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、酸価や水酸基価の調整を目的として、必要に応じて酢酸及び安息香酸のような1価の酸、シクロヘキサノール及びベンジルアルコールのような1価のアルコールも使用することができる。
ポリエステル樹脂の製造方法については特に限定されないが、例えばエステル交換法や直接重縮合法を単独で又は組み合わせて用いることができる。
次に、ポリウレタン樹脂について述べる。ポリウレタン樹脂は、ジオールとジイソシアネート基を含有する物質との反応物であり、ジオール及びジイソシアネートの調整により、各種機能性をもつ樹脂を得ることができる。
ジイソシアネート成分としては、以下のものが挙げられる。炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)が6以上20以下の芳香族ジイソシアネート、炭素数2以上18以下の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4以上15以下の脂環式ジイソシアネート、及びこれらジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物。以下、「変性ジイソシアネート」ともいう。)、並びに、これらの2種以上の混合物。
芳香族ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート。
また、脂肪族ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びドデカメチレンジイソシアネート。
また、脂環式ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート及びメチルシクロヘキシレンジイソシアネート。
これらの中でも好ましいものは、炭素数6以上15以下の芳香族ジイソシアネート、炭素数4以上12以下の脂肪族ジイソシアネート、及び炭素数4以上15以下の脂環式ジイソシアネートであり、特に好ましいものは、XDI、IPDI及びHDIである。
また、ジイソシアネート成分に加えて、3官能以上のイソシアネート化合物を用いることもできる。
ポリウレタン樹脂に用いることのできるジオール成分としては、前述したポリエステル樹脂に用いることのできる2価のアルコールと同様のものを採用できる。
トナー粒子は、着色剤を含有してもよい。着色剤として、公知の有機顔料、有機染料、無機顔料、黒色着色剤としてのカーボンブラック、磁性体が挙げられる。そのほかに従来トナーに用いられている着色剤を用いてもよい。
また、上記無機微粒子が着色剤を兼ねていてもよい。
また、トナー粒子の形態としては、コア粒子の表面にシェルを形成したコア・シェル構造としてもよい。
コア・シェル構造の形成方法は、特に限定は無いが、例えば、コア粒子の存在下に、シェル用重合性単量体を懸濁重合させてシェルとなる重合層を形成させるとよい。
シェル用重合性単量体としては、スチレン、メチルメタクリレートなどのガラス転移温度が70℃を超える重合体を形成する単量体をそれぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて使用することが好ましい。メチルメタクリレートがより好ましい。
シェル用重合性単量体により得られる重合体のガラス転移温度は、トナーの保存性を向上させるために、50℃〜120℃であることが好ましく、60℃〜110℃であることがより好ましく、70℃〜105℃であることがさらに好ましい。
また、シェルは、耐熱性の観点から熱硬化性樹脂を含んでもよい。
熱硬化性樹脂としては、以下のものが例示できる。
メラミン樹脂、尿素(ユリア)樹脂、スルホンアミド樹脂、グリオキザール樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂、又はこれら各樹脂の誘導体。
ポリイミド樹脂;ビスマレイミド、アミノビスマレイミド、又はビスマレイミドトリアジンなどのマレイミド系重合体。
アミノ基を含む化合物とアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)との重縮合によって生成される樹脂(以下、アミノアルデヒド樹脂という)、又はアミノアルデヒド樹脂の誘導体。
なお、メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物である。尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドとの重縮合物である。グリオキザール樹脂は、グリオキザールと尿素との反応生成物と、ホルムアルデヒドとの重縮合物である。グリオキザール樹脂としては、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)が好ましい。
熱硬化性樹脂に窒素元素を含有させることで、熱硬化性樹脂の架橋硬化機能を向上させることができる。熱硬化性樹脂の反応性を高めるためには、メラミン樹脂では40質量%以上55質量%以下に、尿素樹脂では40質量%程度に、グリオキザール樹脂では15質量%程度に、窒素元素の含有量を調整することが好ましい。
シェルに含まれる熱硬化性樹脂の調製には、メチロールメラミン、メラミン、メチロール化尿素、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、及びスピログアナミンからなる群から選択される1種以上の熱硬化性モノマーが好適に使用できる。
シェルの形成に、硬化剤又は反応促進剤を用いてもよいし、複数の官能基を組み合わせたポリマーを用いてもよい。また、アクリルシリコーン樹脂(グラフトポリマー)を用いてシェルの耐水性を向上させてもよい。
シェルの厚さは、20nm以下であることが好ましく、3nm〜20nmであることがより好ましい。シェルの形成は水性媒体中で行われることが好ましく、シェルの材料は、水溶性を有していることが好ましい。
熱硬化性樹脂でシェルを形成するためには、コア粒子がアニオン性を有し、シェルがカチオン性を有することが好ましい。コア粒子がアニオン性を有することで、シェルの形成時にカチオン性のシェルの材料をコア粒子の表面に引き付けることが可能になる。
詳しくは、例えば、水系媒体中で負に帯電するコア粒子に、水系媒体中で正に帯電するシェル材料が電気的に引き寄せられ、in−situ重合によりコア粒子表面にシェルが形成される。これにより、分散剤を用いて水系媒体中にコア粒子を過度に分散させなくても、コア粒子表面に均一なシェルを形成しやすくなる。
トナーは、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のために、外添剤を含有することが好ましい。外添剤としては、シリカ微粒子、及び金属酸化物微粒子(アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化マグネシウム微粒子、酸化亜鉛微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子、又はチタン酸バリウム微粒子など)などの無機微粒子が挙げられる。
また、ビニル系樹脂、シリコーン樹脂、及びメラミン樹脂などからなる有機微粒子、及
び有機無機複合微粒子などを用いてもよい。
外添剤の含有量は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部〜4.0質量部であることが好ましく、0.2質量部〜3.5質量部であることがより好ましい。
トナー粒子は、本構成の範囲内であれば、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、粉砕法といった、従来公知のいずれの方法において製造されてもよいが、懸濁重合法によって製造されることが好ましい。すなわち、トナー粒子は、懸濁重合トナー粒子であることが好ましい。
懸濁重合法によりトナー粒子を製造する場合、無機微粒子の粒径と含有量、無機微粒子を処理する表面処理剤の種類や添加量、表面処理剤の処理方法について、本発明の要件を満たすように選択することにより、無機微粒子がトナー表層近傍に偏在する。その結果、結晶性樹脂の結晶性が表層近傍で高くなり、低温定着性と耐久性が更に向上する。
例えば、重体体Aを含む結着樹脂を生成する重合性単量体および無機微粒子、並びに、必要に応じて離型剤及び荷電制御剤などその他の添加材を混合して重合性単量体組成物を得る。その後、この重合性単量体組成物を、水系媒体(必要に応じて、分散安定剤を含有させてもよい。)中に加える。そして、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子を形成し、該粒子に含有させる重合性単量体を重合させることでトナー粒子を得ることができる。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定方法>
重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定は、H−NMRにより以下の条件にて行う。
・測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
・測定周波数:400MHz
・パルス条件:5.0μs
・周波数範囲:10500Hz
・積算回数 :64回
・測定温度 :30℃
・試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
得られたH−NMRチャートより、第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。
同様に、第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。
さらに、第三の重合性単量体を使用している場合は、第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークから、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は、上記積分値S、S及びSを用いて、以下のようにして求める。なお、n、n、nはそれぞれの部位について着眼したピークが帰属される構成要素における水素の数である。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)
={(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
同様に、第二の重合性単量体、第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は以下のように求める。
第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)
={(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n))}×1
00
第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)
={(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
なお、重合体Aにおいて、ビニル基以外の構成要素に水素原子が含まれない重合性単量体が使用されている場合は、13C−NMRを用いて測定原子核を13Cとし、シングルパルスモードにて測定を行い、H−NMRにて同様にして算出する。
また、トナー粒子が懸濁重合法によって製造される場合、離型剤やその他の樹脂のピークが重なり、独立したピークが観測されないことがある。それにより、重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合が算出できない場合が生じる。その場合、無機微粒子や離型剤やその他の樹脂を使用しないで同様の懸濁重合を行うことで、重合体A’を製造し、重合体A’を重合体Aとみなして分析することができる。
<SP値の算出方法>
SP12、SP22、SP32は、Fedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求める。
それぞれの重合性単量体について、分子構造中の原子又は原子団に対して、「Polym.Eng.Sci.,14(2),147−154(1974)」に記載の表から蒸発エネルギー(Δei)(cal/mol)及びモル体積(Δvi)(cm/mol)を求め、(4.184×ΣΔei/ΣΔvi)0.5をSP値(J/cm0.5とする。
一方、SP11、SP21、SP31は、重合性単量体の二重結合が重合によって開裂した状態の分子構造の原子又は原子団に対して、上記と同様の算出方法によって算出する。
<重合体Aの重量平均分子量(Mw)の測定方法>
重合体Aのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
・装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
・カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0mL/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<重合体Aの融点の測定方法>
重合体Aの融点は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、示差走査熱量測定を行う。リファレンスとしては銀製の空パンを用いる。
1回目の昇温過程における最大吸熱ピークのピーク温度を、融点(℃)とする。
なお、最大吸熱ピークとは、ピークが複数あった場合に、吸熱量が最大となるピークのことである。
<無機微粒子の被覆層の構造の分析>
飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用い、以下の条件で測定を行う。なお、使用した装置は、アルバック・ファイ社製、TRIFT−IVである。
サンプル調整:無機微粒子をインジウムシートに付着させる。
サンプル前処理:なし
一次イオン:Auイオン
加速電圧:30kV
電荷中和モード:ON
測定モード:Negative
ラスター:100μm
無機微粒子に含まれる無機元素と表面処理剤との結合を示すピークの有無で無機微粒子表面の構造を知ることができる。
<無機微粒子表面の処理剤量の測定方法>
HORIBA製炭素・硫黄分析装置(EMIA−320V)を用いて単位重量あたりの炭素量を測定する。この測定により得られた炭素量を、無機微粒子表面の処理剤量(質量%)とする。測定にあたっては、無機微粒子の仕込み量を0.20gとし、助燃剤としてタングステンとスズとの混合物を用いる。
<トナー中の無機微粒子含有量の測定方法>
熱分析装置「装置名:TGA7、パーキンエルマー社製」を用いて測定を行う。測定方法は以下の通りである。窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で、常温から900℃までトナーを加熱する。100℃から750℃まで間の減量質量%を結着樹脂量とし、残存質量を近似的に無機微粒子量とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、以下の方法により該外添剤を除去してから無機微粒子含有量の測定を行う。
<磁性トナーの場合>
トナー5gを、精密天秤を用いて200mLの蓋付きポリカップに秤量し、メタノールを100mL加え、超音波分散機で5分間分散させる。ネオジム磁石によりトナーを引き付け、上澄み液を捨てる。メタノールによる分散と上澄みを捨てる操作を3回繰り返した後、下記の材料を加え、軽く混合した後、24時間静置する。
・10%NaOH 100mL
・「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)数滴
その後、再びネオジム磁石を用いて分離する。なお、この際にNaOHが残留しないように繰り返し蒸留水ですすぐ。回収された粒子を真空乾燥機により十分に乾燥させる。上記操作により、外添剤が溶解、除去されたトナー粒子を得る。
<非磁性トナーの場合>
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学(株)製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに該ショ糖濃厚液31gと、6mLのコンタミノンNを入れ、分散液を作製する。この分散液にトナー1gを添
加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。遠心分離用チューブをいわき産業(株)製「KM Shaker」(model: V.SX)にて1分当たり350往復の条件で20分間振盪する。
振盪後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて、3500rpm、30分の条件で遠心分離を行う。遠心分離後のガラスチューブ内においては、最上層にはトナー粒子が存在し、下層の水溶液側には外添剤が存在する。上層を採取して、イオン交換水100mLで洗浄したのち、吸引濾過にてトナー粒子を採取する。必要に応じて、上記操作を繰り返し行い、外添剤とトナー粒子の分離を十分に行った後、分散液を乾燥し、トナー粒子を採集する。
<無機微粒子の水分吸脱着測定>
無機微粒子の水分吸脱着特性は、「高精度蒸気吸着量測定装置BELSORP−aqua3」(日本ベル(株))を用いて測定する。「高精度蒸気吸着量測定装置BELSORP−aqua3」は、対象とする気体(本発明の場合は水)のみが存在する条件下で固−気平衡に到達させ、このときの固体質量と蒸気圧を測定する。
まず、サンプル約1gを試料セルに導入し、室温下100Pa以下で24時間脱気する。脱気完了後、サンプル重量を精秤し、装置本体にセットし、下記条件で測定する。
・空気恒温槽温度:80.0℃
・吸着温度:30.0℃
・吸着質名称:H
・平衡時間:500sec
・温度待ち:60min
・飽和蒸気圧:4.245kPa
・サンプル管排気速度:普通
・導入圧力 初期導入量:0.20cm(STP)・g−1
・測定相対圧 P/P0(吸着過程→脱着過程を測定):0.05、0.10、0.15、0.25、0.35、0.45、0.55、0.65、0.75、0.85、0.90、0.95、1.00
上記条件で測定し、温度30.0℃における水分吸・脱着等温線を描き、吸着過程における湿度100%RH(測定相対圧が1.00)における吸着水分量Z(mg/g)を算出する。
また、温度30.0℃における相対湿度10%RH(測定相対圧が0.10)における吸着過程の水分吸着量X値(mg/g)と、湿度100%RH(測定相対圧が1.00)まで湿度履歴を受けた後の、脱着過程の温度30.0℃における相対湿度10%RH(測定相対圧が0.10)における水分吸着量Y値(mg/g)を算出し、その差であるY−X値を算出する。
<無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定方法>
無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡「JEM−2800」(日本電子株式会社)を用いて測定する。
具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナーを十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させて硬化物を得る。得られた硬化物を超音波ウルトラミクロトーム(EM5、ライカ社製)により薄片状のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において最大5万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の無機微粒子の一次粒子の長径を測定する。測定された長径の平均値を、該個数平均粒径とする。測定にはImage Pro PLUS(日本ローパー株式会社製)を用いる。
なお、無機微粒子を単独で入手できる場合は、上記方法で無機微粒子を単独で測定して個数平均粒径を測定してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。なお、以下の処方において、「部」は特に断りのない限り質量基準である。
<ウレタン基を有する単量体の調製>
メタノール50.0部を反応容器に仕込んだ。その後、撹拌下、40℃にてカレンズMOI[2−イソシアナトエチルメタクリレート](昭和電工株式会社)5.0部を滴下した。滴下終了後、40℃を維持しながら2時間撹拌を行った。その後、エバポレーターにて未反応のメタノールを除去することで、ウレタン基を有する単量体を調製した。
<ウレア基を有する単量体の調製>
ジブチルアミン50.0部を反応容器に仕込んだ。その後、撹拌下、室温にてカレンズMOI[2−イソシアナトエチルメタクリレート]5.0部を滴下した。滴下終了後、2時間撹拌を行った。その後、エバポレーターにて未反応のジブチルアミンを除去することで、ウレア基を有する単量体を調製した。
<重合体A0の調製>
還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を投入した。
・トルエン 100.0部
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下のアクリル酸ベヘニル、メタクリロニトリル及びスチレンを以下に示す割合で混合したものとする)
・アクリル酸ベヘニル(第一の重合性単量体) 67.0部(28.88モル%)
・メタクリロニトリル(第二の重合性単量体) 22.0部(53.80モル%)
・スチレン(第三の重合性単量体) 11.0部(17.33モル%)
・t−ブチルパーオキシピバレート 0.5部
(重合開始剤、日油社製:パーブチルPV)
上記反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。続いて、溶解液を25℃まで降温した後、1000.0部のメタノール中に溶解液を撹拌しながら投入し、メタノール不溶分を沈殿させた。得られたメタノール不溶分をろ別し、さらにメタノールで洗浄後、40℃で24時間真空乾燥して重合体A0を得た。重合体A0の重量平均分子量(Mw)は68,400、酸価は0.0mgKOH/g、融点は62℃であった。
上記重合体A0をNMRで分析したところ、アクリル酸ベヘニル由来のモノマーユニットが28.88モル%、メタクリロニトリル由来のモノマーユニットが53.80モル%、スチレン由来のモノマーユニットが17.33モル%含まれていた。
<非晶性樹脂の調製>
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
30.0部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
33.0部
・テレフタル酸 21.0部
・ドデセニルコハク酸 15.0部
・酸化ジブチルスズ 0.1部
減圧操作により系内を窒素置換した後、215℃にて5時間攪拌を行った。その後、攪拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、非晶性ポリエステルである非晶性
樹脂を合成した。非晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は5,200、重量平均分子量(Mw)が23,000、ガラス転移温度(Tg)は55℃であった。
<無機微粒子B1の製造例>
(基体1の製造方法)
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオンに対して1.0当量の苛性ソーダ溶液(Feに対しP換算で1質量%のヘキサメタリン酸ナトリウムを含有)を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液をpH9に維持しながら、空気を吹き込み、80℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、スラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。スラリー液をpH8に維持して、空気を吹き込みながら酸化反応を進め、酸化反応の終期にpHを6に調整し、水洗、乾燥を行って、基体1を得た。
(基体1の表面処理方法)
シンプソン・ミックスマーラ(新東工業株式会社製 型式MSG−0L)に基体1を10,000部投入し、30分間解砕処理を行った。
その後、同装置内に表面処理剤として、n−デシルトリメトキシシランを95部添加し、1時間作動することにより、無機微粒子B1を得た。得られた無機微粒子B1の物性を表1に示す。
<無機微粒子B2の製造例>
(基体2の製造方法)
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール589.6部、水42.0部、28質量%アンモニア水47.1部を加えて混合した。得られた溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながら、テトラメトキシシラン1100.0部及び5.4質量%アンモニア水395.2部を同時に添加し始めた。テトラメトキシシランは6時間かけて、アンモニア水は5時間かけて、それぞれを滴下した。滴下が終了した後、さらに0.5時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状ゾルゲルシリカ微粒子のメタノール−水分散液を得た。
次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前記分散液を80℃、減圧下で十分乾燥させた。上記工程を数十回実施し、得られた粒子を、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕処理し、開口30μmのメッシュで処理して粗粒物を除去して基体2を得た。
(基体2の表面処理方法)
基体2に、無機微粒子B1と同様の方法で表面処理を施した。表面処理剤の種類と量は表1に示す。得られた無機微粒子B2の物性を表1に示す。
<無機微粒子B3の製造例>
(基体3の製造方法)
原料となる合成ルチル鉱を粉砕したものと、のコークスと、を混合し、1000℃付近に昇温した流動床塩化炉内に入れ、供給される塩素ガスと発熱反応を行って粗四塩化チタンを得た。得られた粗四塩化チタンから、不純物を分離精製し、四塩化チタン水溶液を得た。この四塩化チタン水溶液を室温に保持しながら、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを7.0に調整してコロイド状の水酸化チタンを析出させ、引き続き62℃の温度で2.5時間熟成してルチル核を有するスラリー状の酸化チタン母粒子とした。この後、濾過、洗浄して、得られた湿ケーキを120℃で一昼夜熱処理し、粉砕した後、開口50μmのメッシュで処理して粗粒物を除去し、基体3を得た。
(基体3の表面処理方法)
無機微粒子B1と同様の方法で表面処理を施した。表面処理剤の種類と量は表1に示す。得られた無機微粒子B3の物性を表1に示す。
<無機微粒子B4の製造例>
(基体4の製造方法)
水酸化アルミニウムをステンレス製オートクレーブ内に入れ、密閉状態で1500℃まで昇温し、同温度を3時間保持した。得られた粒子をボールミルで粉砕し、開口50μmのメッシュで処理して粗粒物を除去し、基体4とした。
(基体4の表面処理方法)
無機微粒子B1と同様の方法で表面処理を施した。表面処理剤の種類と量は表1に示す。得られた無機微粒子B4の物性を表1に示す。
<無機微粒子B5の製造例>
(基体5の製造方法)
消石灰(水酸化カルシウム:Ca(OH))の水性懸濁液(10%)9.5Lを、45L容の圧力装置に入れ、炭酸ガスを吹き込んで炭酸カルシウム粒子を合成した。反応温度は25℃、炭酸ガスは純度100%のものを使用し(吹き込み量:10L/min)、反応液のpHが7になった段階で反応を停止した。得られたスラリーを開口50μmのメッシュで処理して粗粒物を除去し、乾燥させて基体5を得た。
(基体5の表面処理方法)
無機微粒子B1と同様の方法で表面処理を施した。表面処理剤の種類と量は表1に示す。得られた無機微粒子B5の物性を表1に示す。
<無機微粒子B6〜B8、B10の製造例>
基体1に、無機微粒子B1と同様の方法で表面処理を施した。表面処理剤の種類と量は表1に示す。得られた無機微粒子B6〜B8、B10の物性を表1に示す。
<無機微粒子B9の製造例>
基体1を無機微粒子B9とした。物性を表1に示す。
<無機微粒子B11の製造例>
表1に記載の表面処理剤を、固形分として10質量%になるようトルエン200部で希釈した。これをよく混合し、コーティング樹脂溶液を準備した。
100部の基体1を、32部のコーティング樹脂溶液に添加し、万能混合攪拌機(不二パウダル社製)を用いて、減圧しながら窒素を導入し、温度65℃に加熱し、攪拌を行った。攪拌しつつ、コーティング樹脂溶液を5回に分けて投入(1回あたり6.4部)し、溶剤を除去した。室温まで冷却した後、得られた表面処理無機微粒子をジュリアミキサー(徳寿工作所社製)に移し、窒素雰囲気下、160℃で2時間熱処理した。さらに目開き50μmのメッシュで処理して粗粒物を除去し、無機微粒子B11を得た。得られた無機微粒子B11の物性を表1に示す。
<トナー1の製造例>
[懸濁重合法によるトナーの製造]
(トナー粒子1の製造)
高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に、0.1mol/L−NaPO水溶液850質量部を添加し、回転周速33m/sで撹拌しつつ60℃に加温した。ここに1.0mol/L−CaCl水溶液68質量部を添加し、微少な難水溶性分散剤Ca(POを含む水系媒体を調製した。
また、下記の材料を、プロペラ式攪拌装置を用いて混合・溶解することで溶解液を調製した。使用した無機微粒子の構成及び物性を表1に示す。なお、下記材料を混合する際に、攪拌機の回転速度を100r/minとした。
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下のアクリル酸ベヘニル、メタクリロニトリル及びスチレンを以下に示す割合で混合したものとする)
・アクリル酸ベヘニル(第一の重合性単量体) 67.0部(28.88モル%)・メタクリロニトリル(第二の重合性単量体) 22.0部(53.80モル%)・スチレン(第三の重合性単量体) 11.0部(17.33モル%)・無機微粒子B1 65.0部
・荷電制御剤(ジーt−ブチルサリチル酸アルミニウム) 0.7部・離型剤 10.0部
(商品名:HNP−51、融点78℃、日本精蝋製)
・トルエン 100.0部
からなる混合物を調製した。上記混合物をアトライター(日本コークス社製)に投入し、直径5mmのジルコニアビーズを用いて、200rpmで2時間分散することで原材料分散液を得た。
一方、高速撹拌装置ホモミクサー(プライミクス社製)および温度計を備えた容器に、イオン交換水735.0部とリン酸三ナトリウム(12水和物)16.0部を添加し、12000rpmで撹拌しながら60℃に昇温した。そこに、イオン交換水65.0部に塩化カルシウム(2水和物)9.0部を溶解した塩化カルシウム水溶液を投入し、60℃を保持しながら12000rpmで30分間撹拌した。そこに、10%塩酸を加えてpHを6.0に調整し、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
続いて、上記原材料分散液を、撹拌装置および温度計を備えた容器に移し、100rpmで撹拌しながら60℃に昇温した。そこに、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV)8.0部を添加して60℃を保持しながら100rpmで5分間撹拌した後、上記高速撹拌装置にて12000rpmで撹拌している水系媒体中に投入した。60℃を保持しながら上記高速撹拌装置にて12000rpmで20分間撹拌を継続し、造粒液を得た。
上記造粒液を還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に移し、窒素雰囲気下において150rpmで撹拌しながら70℃に昇温した。70℃を保持しながら150rpmで10時間重合反応を行った。その後、反応容器から還流冷却管を外し、反応液を95℃に昇温した後、95℃を保持しながら150rpmで5時間撹拌することでトルエンを除去し、トナー粒子分散液を得た。
得られたトナー粒子分散液を150rpmで撹拌しながら20℃まで冷却した後、撹拌を保持したままpHが1.5になるまで希塩酸を加えて分散安定剤を溶解させた。固形分をろ別し、イオン交換水で充分に洗浄した後、40℃で24時間真空乾燥して、単量体組成物の重合体A1を含むトナー粒子1を得た。
また、上記トナー粒子1の製造方法において、無機微粒子、荷電制御剤、離型剤を使用しないようにする以外はすべて同様にして、重合体A1’を得た。
重合体A1’の重量平均分子量(Mw)は56,000、融点は62℃であった。
重合体A1’をNMRで分析したところ、アクリル酸ベヘニル由来のモノマーユニットが28.88モル%、メタクリロニトリル由来のモノマーユニットが53.80モル%、スチレン由来のモノマーユニットが17.33モル%含まれていた。
上記重合体A1と重合体A1’は同様にして作製されているため、同等の物性を有していると判断した。
(トナー1の調製)
得られたトナー粒子1、100部に対して、疎水化処理したコロイダルシリカ(商品名:R−202、デグサ社製)0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合してトナー1を調製した。
<トナー2〜24,29〜36、43〜45、49、50の製造例>
トナー1の製造例において、使用する重合性単量体、無機微粒子の種類及び添加部数を、表2のように変更する以外はすべて同様にして、トナー粒子2〜24,29〜36、43〜45、49、50を得た。
さらに、トナー1の製造例と同様の外添を行い、トナー2〜24,29〜36、43〜45、49、50を得た。トナー2〜24,29〜36、43〜45、49、50の物性を表3に示す。
<トナー25〜28、46の製造例>
トナー1の製造例において、材料を、プロペラ式攪拌装置を用いて混合・溶解する際に、カーボンブラックを6.5部添加する以外はすべて同様にして、トナー粒子25〜28、46を得た。
さらに、トナー1の製造例と同様の外添を行い、トナー25〜28、46を得た。トナー25〜28、46の物性を表3に示す。
<トナー37の製造例>
[乳化凝集法によるトナーの作製]
(重合体分散液の調製)
・トルエン 300.0部
・重合体A0 100.0部
上記材料を秤量・混合し、90℃で溶解させた。
別途、イオン交換水700.0部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.0部、ラウリン酸ナトリウム10.0部を加え90℃で加熱溶解させた。次いで前記のトルエン溶液と水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス製)を用いて7000rpmで攪拌した。さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)用いて200MPaの圧力で乳化した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い、重合体微粒子の濃度20%の重合体分散液を得た。
重合体微粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)を動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA−EX150(日機装製)を用いて測定したところ、0.40μmであった。
(離型剤分散液1の調製)
・離型剤(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製) 100.0部
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製) 5.0部
・イオン交換水 395.0部
上記材料を秤量し、攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径3cm
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子1の濃度20%の離型剤分散液1を得た。
離型剤微粒子1の体積分布基準の50%粒径(D50)を動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA−EX150(日機装製)を用いて測定したところ、0.15μmであった。
(無機微粒子分散液の調製)
・無機微粒子B1 50.0部
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製) 7.5部
・イオン交換水 442.5部
上記材料を秤量・混合し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、無機微粒子の濃度が10質量%の無機微粒子分散液1を得た。
(トナー37の製造)
・重合体分散液 500.0部
・離型剤分散液1 50.0部
・無機微粒子分散液1 650.0部
・イオン交換水 160.0部
前記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した。続いてホモジナイザー ウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて5000r/minで10分間分散した。1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで58℃まで加熱した。形成された凝集粒子の体積平均粒径を、コールターマルチサイザーIIIを用い、適宜確認し、6.0μmである凝集粒子が形成されたところで、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、攪拌を継続しながら、75℃まで加熱した。そして、75℃で1時間保持することで凝集粒子を融合させた。
その後、50℃まで冷却し3時間保持することで重合体の結晶化を促進させた。
その後、25℃まで冷却し、ろ過・固液分離した後、イオン交換水で洗浄を行った。洗浄終了後に真空乾燥機を用いて乾燥することで、重量平均粒径(D4)が6.07μmのトナー粒子37を得た。
トナー粒子37に対し、トナー1の製造例と同様の外添を行い、トナー37を得た。トナー37の物性を表3に示す。
<トナー38の製造例>
[溶解懸濁法によるトナーの作製]
(微粒子分散液1の調製)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683.0部、メタクリル酸エチレンオキシド(EO)付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11.0部、スチレン130.0部、メタクリル酸138.0部、アクリル酸−n−ブチル184.0部、過硫酸アンモニウム1.0部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の懸濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。
さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30.0部を加え、75℃にて5時間熟成してビニル重合体の微粒子分散液1を得た。微粒子分散液1の体積分布基準の50%粒径(D50)を動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA−EX150(日機装製)を用いて測定したところ、0.15μmであった。
(無機微粒子分散液2の調製)
・無機微粒子B1 100.0部
・酢酸エチル 150.0部
・ガラスビーズ(1mm) 200.0部
上記材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカーにて5時間分散を行い、ナイロンメッシュでガラスビーズを取り除き、無機微粒子分散液2を得た。無機微粒子分散液の体積分布基準の50%粒径(D50)を動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA−EX150(日機装製)を用いて測定したところ、0.20μmであった。
(離型剤分散液2の調製)
・離型剤(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製) 20.0部
・酢酸エチル 80.0部
上記を密閉できる反応容器に投入し、80℃で加熱攪拌した。ついで、系内を50rpmで緩やかに攪拌しながら3時間かけて25℃にまで冷却し、乳白色の液体を得た。
この溶液を直径1mmのガラスビーズ30.0部とともに耐熱性の容器に投入し、ペイントシェーカー(東洋精機製)にて3時間分散を行い、ナイロンメッシュでガラスビーズを取り除き、離型剤分散液2を得た。離型剤分散液2の体積分布基準の50%粒径(D50)を動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA−EX150(日機装製)を用いて測定したところ、0.23μmであった。
(油相の調製)
・重合体A0 100.0部
・酢酸エチル 85.0部
上記材料をビーカーに入れ、ディスパー(特殊機化社製)を用い3000rpmで1分間攪拌した。
・離型剤分散液2(固形分20%) 50.0部
・無機微粒子分散液2(固形分40%) 162.5部
・酢酸エチル 5.0部
さらに上記材料をビーカーに入れ、ディスパー(特殊機化社製)を用い6000rpmで3分間攪拌し、油相を調製した。
(水相の調製)
・微粒子分散液1 15.0部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(エレミノールMON7、三洋化成工業社製) 30.0部
・イオン交換水 955.0部
上記材料をビーカーに入れ、ディスパー(特殊機化社製)を用い3000rpmで3分間撹拌し、水相を調製した。
(トナー38の製造)
水相に油相を投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)にて回転数10000rpmで10分間分散した。その後、30℃、50mmHgの減圧下にて30分間脱溶剤した。次いで、ろ過を行い、ろ別とイオン交換水への再分散の操作をスラリーの電導度が100μSとなるまで繰り返すことで、界面活性剤の除去を行い、ろ過ケーキを得た。
上記ろ過ケーキを真空乾燥した後、風力分級を実施することで、トナー粒子38を得た。
トナー粒子38に対し、トナー1の製造例と同様の外添を行い、トナー38を得た。トナー38の物性を表3に示す。
<トナー39の製造例>
[粉砕法によるトナーの作製]
・重合体A0 100.0部
・無機微粒子B1 65.0部
・離型剤(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製) 2.0部
・荷電制御剤(T−77:保土ヶ谷化学社製) 2.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業(株)製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM−30型))によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業(
株)製T−250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmのトナー粒子39を得た。
トナー粒子34に対し、トナー1の製造例と同様の外添を行い、トナー39を得た。トナー39の物性を表2に示す。
<トナー40〜42の製造例>
(非晶性樹脂分散液の調製)
・トルエン 300.0部
・非晶性樹脂 100.0部
上記材料を秤量・混合し、90℃で溶解した。
別途、イオン交換水700.0部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.0部、ラウリン酸ナトリウム10.0部を加え90℃で加熱溶解した。
次いで、前記のトルエン溶液と水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス製)を用いて7000rpmで攪拌した。
さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)用いて200MPaの圧力で乳化した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い非晶性樹脂微粒子の濃度20%の非晶性樹脂分散液を得た。
非晶性樹脂微粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)を動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA−EX150(日機装製)を用いて測定したところ、0.38μmであった。
(トナー40〜42の製造)
トナー37の製造例における、分散液の使用量を表5のように変更する以外はすべて同様にして、トナー粒子40〜42を得た。
また、トナー粒子40〜42に対し、トナー37の製造例と同様の外添を行うことで、トナー40〜42を得た。トナー40〜42の物性を表3に示す。
<トナー47、48の製造例>
トナー39の製造例において、使用する重合性単量体、無機微粒子の種類及び添加部数を、表2のように変更する以外はすべて同様にして、トナー粒子47、48を得た。
さらに、トナー1の製造例と同様の外添を行い、トナー47、48を得た。トナー47、48の物性を表3に示す。
<実施例1>
トナー1に対して以下の評価を実施した。
<1>低温定着性の評価
定着器を外しても動作するように改造したHP社製JaserJet Pro 400
M451を用いて、10mm×10mmの四角画像が転写紙全体に均等に9ポイント配列された画像パターンの未定着画像を出力した。
なお、転写紙は、Fox River Bond(A4 90g/m)を使用し、転写紙上のトナー乗り量は、0.70mg/cmとした。また、トナーは通紙前に常温常湿(N/N)環境(23℃、60%RH)にて48時間放置した。
定着器は、HP社製JaserJet P2055の定着器を外部へ取り外し、レーザービームプリンター外でも動作するようにした外部定着器を用いた。
なお、外部定着器は、定着温度を温度100℃から10℃刻みに上げて行き、プロセススピード:210mm/secの条件で上記未定着画像を通紙した。
外部定着器を通過した定着画像を50g/cmの荷重をかけシルボン紙〔Lenz Cleaning Paper “dasper(R)”(Ozu Paper Co.Ltd)〕で擦った。そして、擦り前後の濃度低下率が20%以下になった温度を定着開始温度として、低温定着性を以下の基準で評価した。評価結果を表6に示す。
[評価基準]
A:定着開始温度が100℃
B:定着開始温度が110℃
C:定着開始温度が120℃
D:定着開始温度が130℃以上
<2>耐熱保存性の評価
保存時の安定性を評価するために耐熱保存性の評価を実施した。
約5gのトナー1を100mLのポリプロピレン製カップに入れ、温度50℃、湿度20%環境下で10日放置した後、トナーの凝集度を以下のようにして測定し、下記の基準にて評価を行った。
測定装置としては、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示式振動計「デジバイブロ MODEL 1332A」(昭和測器社製)を接続したものを用いた。
そして、パウダーテスターの振動台上に下から、目開き38μm(400メッシュ)の篩、目開き75μm(200メッシュ)の篩、目開き150μm(100メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、23℃、60%RH環境下で、以下の様にして行った。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2)上記のように10日放置したトナーを、予め23℃、60%RH環境下において24時間放置し、そのうちトナー5gを精秤し、最上段の目開き150μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式にもとづき凝集度を算出した。評価結果を表6に示す。
凝集度(%)={(目開き150μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100
+{(目開き75μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.6
+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.2
評価基準は下記の通り。
A:凝集度が20%未満
B:凝集度が20%以上25%未満
C:凝集度が25%以上30%未満
D:凝集度が30%以上
<3>耐久性の評価
HP社製JaserJet Pro 400 M451に上記で得られたトナー1を充填した後、印字用紙をセットした。
なお、転写紙は、Fox River Bond(A4 90g/m)を使用した。
23℃、60%RH環境下にて、印字率が1%の画像を連続して出力した。
500枚出力する毎にベタ画像、ハーフトーン画像を出力し、規制部材へのトナー融着に起因する縦スジ、いわゆる現像スジ発生の有無を目視で確認した。
最終的に10,500枚の画像出力を行った。評価結果を表6に示す。
[評価基準]
A:10,500枚でも発生なし
B:9,000枚より大きく10,500枚以下で発生
C:7,500枚より大きく9,000枚以下で発生
D:7,500枚以下で発生
<4>排紙接着性の評価
HP社製JaserJet Pro 400 M451に上記で得られたトナー1を充
填した後、印字用紙をセットした。
なお、転写紙は、Fox River Bond(A4 90g/m)を使用した。また、トナーは通紙前に高温高湿(H/H)環境(32.5℃、80%RH)にて24時間放置した。
印字比率12%のテストチャートを用いてH/H環境下において両面で10枚の連続プリント試験を行った。その後、10枚重ねた状態で未開封の転写紙の束(500枚/束)を7束(3500枚に相当)重ねて1時間荷重をかけ、剥がした際の状態を評価した。評価結果を表6に示す。
A:排紙接着が発生しない。
B:紙同士の接着は見られるが剥がした際に画像に欠陥が見られることはない。
C:剥がした際に画像に軽微な欠陥が見られる。
D:剥がした際に画像に顕著な欠陥が見られる。
<5>高温高湿環境下でのカブリ
HP社製JaserJet Pro 400 M451に上記で得られたトナー1を充填した後、印字用紙をセットした。
なお、転写紙は、Fox River Bond(A4 90g/m)を使用した。また、トナーは通紙前に高温高湿(H/H)環境(32.5℃、80%RH)にて3日間放置した。
H/H環境下で、白地部を有する画像を1枚プリントアウトした。
得られた画像に対して、反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて、反射率の測定を行った。測定で用いるフィルターには、グリーンフィルターを用いた。白地部反射率の最悪値Ds(%)、画像形成前の転写紙の反射率をDr(%)とした際のDr−Dsをカブリとして、以下の基準により評価を行った。評価結果を表6に示す。
A:カブリが1.0%未満
B:カブリが1.0%以上3.0%未満
C:カブリが3.0%以上5.0%未満
D:カブリが5.0%以上
<6>低温低湿環境下でのゴースト
また、HP社製JaserJet Pro 400 M451に上記で得られたトナー1を充填した後、印字用紙をセットした。
なお、転写紙は、Fox River Bond(A4 90g/m)を使用した。また、トナーは通紙前に低温低湿(L/L)環境(15℃、10%RH)にて3日間放置した。
L/L環境でベタ白画像を300枚プリントアウト後に、ゴースト判定画像を出力した。
ゴースト判定画像とは、転写紙の上端から5mmの位置に15mm×15mmのベタ画像を15mm間隔で横一列に7個並べ、ベタ画像から下をトナー載り量0.20mg/cmのハーフトーン画像としたものである。
上記画像のハーフトーン部における、現像ローラー1周目でベタ黒画像が形成された場所(黒印字部)と、されない場所(非画像部)での、マクベス濃度反射計により測定された反射濃度の差を下記のごとく算出した。
「反射濃度差」=(現像ローラー1周目に非画像部だった部分の画像の反射濃度)−(現像ローラー1周目に黒印字部だった部分の画像の反射濃度)
反射濃度差が小さいほどゴーストの発生が少ないと評価される。該反射濃度差について、以下の基準で評価した。評価結果を表6に示す。
A:0.00以上0.03未満である
B:0.03以上0.06未満である
C:0.06以上0.10未満である
D:0.10以上0.15未満である
E:0.15以上である
<実施例2〜45>
トナー2〜45に対して、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表6に示す。
<比較例1〜5>
トナー46〜50に対して、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表6に示す。
以下、表中の略号は以下の通り。
BEA :アクリル酸ベヘニル
BEMA:メタクリル酸ベヘニル
SA :アクリル酸ステアリル
MYA :アクリル酸ミリシル
OA :アクリル酸オクタコサ
HA :アクリル酸ヘキサデシル
MN :メタクリロニトリル
AN :アクリロニトリル
HPMA:メタクリル酸2ヒドロキシプロピル
AM :アクリルアミド
UT :ウレタン基を有する単量体
UR :ウレア基を有する単量体
AA :アクリル酸
VA :酢酸ビニル
MA :アクリル酸メチル
St :スチレン
MM :メタクリル酸メチル
Figure 2020194075
※1:無機微粒子を基準とした、無機微粒子が含有する炭素量(質量%)
Figure 2020194075
※トナー50に限り、便宜上、MMおよびStを第二の重合性単量体として取り扱う。表3においても同様とする。
Figure 2020194075
※2:結着樹脂中の重合体Aの割合(質量%)
Figure 2020194075
Figure 2020194075
Figure 2020194075

Claims (17)

  1. 結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該結着樹脂が、
    第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、および、
    該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニット
    を有する重合体Aを含有し、
    該第一の重合性単量体が、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一であり、
    該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1):
    3.00≦(SP21−SP11)≦25.00 (1)
    を満足し、
    該無機微粒子が、
    金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体と、
    被覆層と、
    を含有し、
    該被覆層が、下記式(A)、式(B)、式(C)および式(D)からなる群から選択される少なくとも一で表される構造を有する
    ことを特徴とする、トナー。
    Figure 2020194075
    (式中、Mは、各々独立して、4価のSi、4価のTiおよび4価のZrからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。M’は、各々独立して、3価のTi、3価のZrおよび3価のAlからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。Rは、各々独立して、アルキル基又はこれの誘導体を示す。R〜Rは、各々独立して、アルコキシ基、アルキル基およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる基、水素原子、ヒドロキシ基、または−O−*を示す。*は、該無機元素との結合部位を示す。nおよびmは、それぞれ独立して、1以上の正の整数を示す。)
  2. 結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該結着樹脂が、
    第一の重合性単量体、及び、
    該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体
    を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
    該第一の重合性単量体が、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
    該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm0.5としたとき、下記式(2):
    0.60≦(SP22−SP12)≦15.00 (2)
    を満足し、
    該無機微粒子が、金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体と、
    被覆層と、
    を含有し、
    該被覆層が、下記式(A)、式(B)、式(C)および式(D)からなる群から選択される少なくとも一で表される構造を有する
    ことを特徴とする、トナー。
    Figure 2020194075
    (式中、Mは、各々独立して、4価のSi、4価のTiおよび4価のZrからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。M’は、各々独立して、3価のTi、3価のZrおよび3価のAlからなる群から選ばれる1以上の元素を示す。Rは、各々独立して、アルキル基又はこれの誘導体を示す。R〜Rは、各々独立して、アルコキシ基、アルキル基およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる基、水素原子、ヒドロキシ基、または−O−*を示す。*は、該無機元素との結合部位を示す。nおよびmは、それぞれ独立して、1以上の正の整数を示す。)
  3. 前記無機微粒子が、前記基体と、下記式(3)で示される化合物と、の反応物である、請求項1または2に記載のトナー。
    R’SiY’ (3)
    (式中、R’はアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Y’はアルキル基又はこれの誘導体を示し、nは1〜3の整数を示す。ただし、m+n=4である。)
  4. 結着樹脂および無機微粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該結着樹脂が、
    第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、および、
    該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニット
    を有する重合体Aを含有し、
    該第一の重合性単量体が、炭素数18〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一であり、
    該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1):
    3.00≦(SP21−SP11)≦25.00 (1)
    を満足し、
    該無機微粒子が、金属元素および半金属元素から選ばれる少なくとも一の無機元素を含有する基体を含有し、
    該基体が、アルコキシ基とアルキル基を有する化合物で処理されている
    ことを特徴とする、トナー。
  5. 前記基体が、アルコキシ基とアルキル基を有する化合物で処理されており、
    該化合物が、下記式(3)で示される、請求項4に記載のトナー。
    R’SiY’ (3)
    (式中、R’はアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Y’はアルキル基又はこれの誘導体を示し、nは1〜3の整数を示す。ただし、m+n=4である。)
  6. 前記式(3)中、R’はアルコキシ基を示し、Y’は炭素数1〜20のアルキル基を示す、請求項3または5に記載のトナー。
  7. 前記重合体A中の前記第一のモノマーユニットの含有割合が、前記重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.00モル%〜60.00モル%であり、
    前記重合体A中の前記第二のモノマーユニットの含有割合が、前記重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.00モル%〜95.00モル%である、請求項1または4に記載のトナー。
  8. 前記組成物中の前記第一の重合性単量体の含有割合が、前記組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.00モル%〜60.00モル%であり、
    前記組成物中の前記第二の重合性単量体の含有割合が、前記組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.00モル%〜95.00モル%である、請求項2に記載のトナー。
  9. 前記第二の重合性単量体が、下記式(E)及び(F)からなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 2020194075
    (式(E)中、Xは単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、
    は、ニトリル基(−C≡N)、
    アミド基(−C(=O)NHR11、該R11は水素原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基)、
    ヒドロキシ基、
    −COOR12(該R12は炭素数1〜6のアルキル基、若しくは炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基)、
    ウレタン基(−NHCOOR13、該R13は炭素数1〜4のアルキル基)、
    ウレア基(−NH−C(=O)−N(R14、該R14はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基)、
    −COO(CHNHCOOR15(該R15は炭素数1〜4のアルキル基)、又は−COO(CH−NH−C(=O)−N(R16(該R16はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基)
    を示し、
    10は、水素原子又はメチル基を示す。)
    (式(F)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示し、
    10は、水素原子又はメチル基を示す。)
  10. 前記第二の重合性単量体が、下記式(E)及び(F)からなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 2020194075
    (式(E)中、Xは単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、
    は、ニトリル基(−C≡N)、
    アミド基(−C(=O)NHR11、該R11は水素原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基)、
    ヒドロキシ基、
    −COOR12(該R12は炭素数1〜6のアルキル基、若しくは炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基)、
    ウレア基(−NH−C(=O)−N(R14、該R14はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基)、
    −COO(CHNHCOOR15(該R15は炭素数1〜4のアルキル基)、又は−COO(CH−NH−C(=O)−N(R16(該R16はそれぞれ独立して、水素原子、若しくは炭素数1〜6のアルキル基)
    を示し、
    10は、水素原子又はメチル基を示す。)
    (式(F)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示し、
    10は、水素原子又はメチル基を示す。)
  11. 前記重合体Aが、前記第一の重合性単量体、及び第二の重合性単量体とは異なる第三の重合性単量体に由来する第三のモノマーユニットをし、
    該第三の重合性単量体が、スチレン、メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナー。
  12. 前記基体が、金属酸化物または半金属酸化物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のトナー。
  13. 前記基体が、マグネタイトである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のトナー。
  14. 前記無機微粒子の水分吸脱着曲線において、下記式(4)および式(5)を満たしている、請求項1〜13のいずれか一項に記載のトナー。
    1.5≦Z≦10.0 (4)
    Y−X≧0.10 (5)
    X:30.0℃相対湿度10% 吸着曲線における水分吸着量(mg/g)
    Y:30.0℃相対湿度10% 脱着曲線における水分吸着量(mg/g)
    Z:30.0℃相対湿度100%における水分吸着量(mg/g)
  15. 無機微粒子が含有する炭素量が、無機微粒子を基準として、0.30質量%〜2.50質量%である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のトナー。
  16. 前記トナー粒子が懸濁重合トナー粒子である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のトナー。
  17. 請求項1〜15のいずれか一項に記載のトナーの製造方法であって、
    該製造方法が、
    水系媒体中で、重合性単量体を含有する重合性単量体組成物の粒子を形成する工程、及び、
    該粒子に含有される該重合性単量体を重合させて得られる重合体Aを含有する該トナー粒子を得る工程を有する
    ことを特徴とする、トナーの製造方法。
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