JP2002251037A - トナー、トナーの製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー、トナーの製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2002251037A
JP2002251037A JP2001064181A JP2001064181A JP2002251037A JP 2002251037 A JP2002251037 A JP 2002251037A JP 2001064181 A JP2001064181 A JP 2001064181A JP 2001064181 A JP2001064181 A JP 2001064181A JP 2002251037 A JP2002251037 A JP 2002251037A
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達哉 中村
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Tsutomu Kukimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリントアウト時に不快な臭気がなく、比較
的温度の高い環境下においても迅速な帯電速度を有し、
トナー層厚規制部材や感光体へのトナー融着が生じにく
く、多数枚のプリントアウトにおいても高品位な画像を
維持できる磁性トナー、及びこれを用いて放電生成物を
生ずることなくクリーナーレス画像形成に良好な画像形
成方法及び画像形成装置を提供する。 【解決手段】 平均円形度が0.970以上であり、磁
場79.6kA/mにおける磁化の強さが10〜50A
2/kgであり、表面における炭素元素に対する鉄元
素の存在量の比が0.001未満であり、かつ残留スチ
レンモノマーが300ppm未満である磁性トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット法のごとき画像形
成方法に用いられるトナー、該トナーの製造方法、該ト
ナーを用いる画像形成方法、画像形成装置及びプロセス
カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性を有するトナー及び画像形成
方法に関しては多くの提案がなされている。
【0003】米国特許第3,909,258号明細書に
は電気的に導電性を有する磁性トナーを用いて現像する
方法が提案されている。これは内部に磁性を有する円筒
状の導電性スリーブ上に導電性磁性トナーを支持し、こ
れを静電潜像に接触せしめ現像するものである。この
際、現像部において、記録体表面とスリーブ表面の間に
トナー粒子により導電路が形成され、この導電路を経て
スリーブよりトナー粒子に電荷が導かれ、静電像の画像
部との間のクーロン力によりトナー粒子が画像部に付着
して現像される。この導電性磁性トナーを用いる現像方
法は従来の二成分現像方法にまつわる問題点を回避した
優れた方法であるが、反面トナーが導電性であるため、
現像した画像を、記録体から普通紙等の最終的な支持部
材へ静電的に転写することが困難であるという問題を有
している。
【0004】静電的に転写することが可能な高抵抗の磁
性トナーを用いる現像方法として、トナー粒子の誘電分
極を利用した現像方法がある。しかし、かかる方法は本
質的に現像速度がおそい、現像画像の濃度が十分に得ら
れていない等の問題点を有しており、実用上困難であ
る。
【0005】高抵抗の絶縁性の磁性トナーを用いるその
他の現像方法として、トナー粒子相互の摩擦、トナー粒
子とスリーブ等との摩擦等によりトナー粒子を摩擦帯電
し、これを静電像保持部材に接触して現像する方法が知
られている。しかしこの方法は、トナー粒子と摩擦部材
との接触回数が少なく、また、用いられる磁性トナーは
トナー粒子表面に磁性粉体が多く露出しているため、摩
擦帯電が不十分となりやすく帯電不良による画像不良な
どの問題があった。
【0006】さらに、特開昭55−18656号公報等
において、ジャンピング現像方法が提案されている。こ
れはスリーブ上に磁性トナーを極めて薄く塗布し、これ
を摩擦帯電し、次いでこれを静電像に極めて近接して現
像するものである。この方法は、磁性トナーをスリーブ
上に薄く塗布することによりスリーブとトナーの接触す
る機会を増し、十分な摩擦帯電を可能にしている点で優
れた方法である。しかしながら、絶縁性磁性トナーを用
いる現像方法には、用いる絶縁性磁性トナーに関わる不
安定要素がある。それは、絶縁性磁性トナー中には微粉
末状の磁性粉体が相当量混合分散されており、該磁性粉
体の一部がトナー粒子の表面に露出しているため、磁性
トナーの流動性及び摩擦帯電性に影響し、結果として、
磁性トナーの現像特性、耐久性等の磁性トナーに要求さ
れる種々の特性の変動または劣化を引き起こすというも
のである。
【0007】従来の磁性粉体を含有する磁性トナーを用
いた場合に、上述した問題が生じてしまうのは、磁性ト
ナーの表面に磁性粉体が露出していることがその大きな
原因と考えられる。すなわち、磁性トナーの表面に、ト
ナーを構成する樹脂に比して相対的に抵抗の低い磁性粉
体が露出することにより、トナー帯電性能の低下、トナ
ー流動性の低下、その上、長期間の使用においては、ト
ナー同士または規制部材との摺擦による磁性粉体の剥離
に伴う画像濃度の低下やスリーブゴーストと呼ばれる濃
淡のムラの発生などトナーの劣化などが引き起こされる
ものと思われる。従来より、磁性トナーに含有される磁
性酸化鉄に関する提案は出されているが、いまだ改良す
べき点を有している。
【0008】例えば、特開昭62−279352号公報
においては、ケイ素元素を含有する磁性酸化鉄を含有す
る磁性トナーが提案されている。かかる磁性酸化鉄は、
意識的にケイ素元素を磁性酸化鉄内部に存在させている
が、該磁性酸化鉄を含有する磁性トナーの流動性には、
いまだ改良すべき点を有している。
【0009】また、特公平3−9045号公報において
は、ケイ酸塩を添加することで、磁性酸化鉄の形状を球
形に制御する提案がされている。この方法で得られた磁
性酸化鉄は、粒子形状の制御のためにケイ酸塩を使用す
るため磁性酸化鉄内部にケイ素元素が多く分布し、磁性
酸化鉄表面におけるケイ素元素の存在量が少なく、磁性
酸化鉄の平滑度が高いため、磁性トナーの流動性はある
程度改良されるが、磁性トナーを構成する結着樹脂と磁
性酸化鉄との密着性が不十分である。
【0010】また、特開昭61−34070号公報にお
いては、四三酸化鉄への酸化反応中のヒドロシソケイ酸
塩溶液を添加して四三酸化鉄の製造方法が提案されてい
る。この方法による四三酸化鉄は、表面近傍にSi元素
を有するものの、Si元素が四三酸化鉄表面近傍に層を
成して存在し、表面が摩擦のごとき機械的衝撃に対して
弱いという問題点を有している。
【0011】一方、トナーは、結着樹脂、着色剤等を溶
融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置により粉砕
し、分級機により分級して、所望の粒径を有するトナー
として製造(粉砕法)されているが、この方法では、ト
ナーの微小粒径化には材料の選択範囲に制限がある。例
えば、樹脂着色剤分散体が充分に脆く、経済的に使用可
能な製造装置で微粉砕し得るものでなくてはならない。
この要求から、樹脂着色剤分散体を脆くするため、この
樹脂着色剤分散体を実際に高速で微粉砕する場合に、広
い粒径範囲の粒子が形成され易く、特に比較的大きな割
合の微粒子(過度に粉砕された粒子)が含まれるという
問題が生ずる。更に、このように脆性の高い材料は、複
写機等において現像用トナーとして使用する際、しばし
ば、更に微粉砕ないし粉化を受ける。
【0012】また、粉砕法によるトナーの製造では、磁
性粉または着色剤等の固体微粒子を樹脂中へ完全に均一
に分散することは困難であり、その分散の度合いによっ
ては、かぶりの増大、画像濃度の低下の原因となる。さ
らに、粉砕法は、本質的に、トナーの表面に磁性酸化鉄
粒子が露出してしまうため、トナーの流動性や過酷環境
下での帯電安定性にどうしても問題が残る。
【0013】すなわち、粉砕法においては、高精彩、高
画質化で要求されるトナーの微粒子化に限界があり、そ
れに伴い粉体特性、特にトナーの均一帯電性および流動
性が著しく減衰する。
【0014】ところで、トナーの小粒径化に伴い、用い
られる磁性材料も微粒子化の道を必然的にたどってきて
いる。例えば着色剤としても働き汎用性の高い磁性材料
であるマグネタイトにおいても、粒径が細かい方が着色
力が高く、また、小粒径のトナーを製造する際、個々の
トナー粒子に均一な量を含有させることが粒径が細かい
方が確率的に有利と推察される。しかしながらマグネタ
イトは一般に、微粒子化による表面積の増大に伴い残留
磁化が上昇する性質を持つ。即ち、着色力の高い小粒径
のマグネタイトを用いると、トナー製造中にマグネタイ
トが磁気凝集を起こす場合があり、トナー中のマグネタ
イトの分散性が悪化して現像性に問題が生じることにな
る。加えて、トナー粒子としての残留磁化も上昇するた
め、トナー粒子の磁気凝集による流動性の悪化、さらに
は、磁性一成分現像方法においてはスリーブからの磁気
的拘束力が増大するため現像性の低下も引き起こす。し
かも、長期使用に伴い現像性の不良なトナーが現像され
ずに蓄積していくため、画像濃度の低下など様々な問題
が生じる。すなわち、小粒径化されていく磁性トナーの
性能に大きく係わる今後のキー技術として、磁気特性を
制御した微粒径マグネタイトのトナー中への均一分散が
大きなウェイトを占める。
【0015】トナーの磁気特性に着目した提案として、
特公平7−60273号公報には、特定の粒度分布に分
級した、トナーの残留磁化が1〜5emu/g(Am2
/kg)の粉砕法による小粒径トナーが開示されてい
る。また、特許2662410号公報には、残留磁化が
2.7〜5.5emu/gであり、結着樹脂の分子量分
布が少なくとも2つ以上のピークを有する粉砕トナーが
開示されている。しかし、これらの公報に記載の磁性ト
ナーは粉砕トナーであり、前述したようにトナー粒子表
面の磁性粉体の露出を抑えることが困難であるととも
に、磁性粉体の分散性にも問題が有り、トナーの流動性
や過酷環境下での帯電安定性に問題が残る。また、トナ
ーの円形度も低く、転写性にも大きな問題を生じる。さ
らに、これらの公報では、画像形成装置のトナー層厚規
制部材が、トナーに負荷のかかりにくい磁気ブレードを
使用した実施例しか開示されておらず、トナーの帯電性
向上のために、例えばトナー担持体に当接された弾性ブ
レードの様に、トナーに負荷のかかる層厚規制部材を使
用した場合の、トナー残留磁化の画質への影響について
は全く不明である。
【0016】前述の様な粉砕法によるトナーの問題点を
克服するため、更には上記のごとき要求を満たすため懸
濁重合法によるトナーの製造方法が提案されている。懸
濁重合によるトナー(以後、重合トナー)は、トナーの
微粒子化が容易に可能であり、更には、得られるトナー
の形状が球状であることから流動性に優れ、高画質化に
有利となる。しかしながら、この重合トナー中に磁性粉
体を含有することにより、その流動性及び帯電特性は著
しく低下する。これは、磁性粉体は一般的に親水性であ
るためにトナー表面に存在しやすいためであり、この問
題を解決するためには磁性粉体の有する表面特性の改質
が重要となる。
【0017】一方、重合トナー中の磁性粉体の分散性向
上のための表面改質に関しては、数多く提案されてい
る。例えば、特開昭59−200254号公報、特開昭
59−200256号公報、特開昭59−200257
号公報、特開昭59−224102号公報等に磁性粉体
の各種シランカップリング剤処理技術が提案されてお
り、特開昭63−250660号公報、特開平10−2
39897号公報では、ケイ素元素含有磁性粉体をシラ
ンカップリング剤で処理する技術が開示されている。し
かしながら、これらの処理によりトナー中の分散性はあ
る程度向上するものの、磁性粉体表面の疎水化を均一に
行うことが困難であるという問題があり、したがって、
磁性粉体同士の合一や疎水化されていない磁性粉体粒子
の発生を避けることができず、トナー中の分散性を良好
なレベルにまで向上させるには不十分であった。
【0018】ところで、特開平10−20548号公報
には、重合開始剤として分子量250以下の非芳香族系
有機過酸化物を用いた重合トナーの製造方法が開示され
ている。該公報に従えば、重合開始剤の分解物や残存モ
ノマーがある程度少なく、臭気の少ないトナーを製造す
ることができる。しかし、該公報に記載されているのは
着色剤としてカーボンブラックを用いたものであり、磁
性粉体を用いた場合の効果については全く不明である。
また、残存モノマー量もまだ依然として多く、さらなる
改善が必要である。さらに、懸濁重合後、懸濁液の濾過
を行うことなく引き続いて懸濁液に酸を加えてトナー粒
子の酸洗浄を行っているため、重合開始剤の分解物であ
るカルボン酸は廃水に溶出することはなく、重合時に生
成した量がほぼそのままトナー粒子中に残存していて、
トナー加熱時の臭気のみならず、定着性、帯電性にも問
題が残っている。
【0019】また、特開平9−43904号公報には、
疎水化処理磁性粉体を含有する重合トナーを、過酸化物
系重合開始剤であるビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サンを用いて製造する方法が開示されている。しかし、
該公報には、磁性粉体の疎水化処理方法については全く
記載が無く、疎水化処理が完全に行われているか不明で
ある。また、該公報は、アゾ系の重合開始剤でコア部分
の粒子を製造後、上記過酸化物系重合開始剤を用いてシ
ェル部分を形成・重合させることを開示しているもの
の、磁性粉体、スチレンモノマー、過酸化物系重合開始
剤が共存した状態でトナー粒子を製造した場合の効果に
ついては不明である。また、該公報のトナーは、磁性粉
体を結着樹脂100質量部に対して46質量部しか添加
されておらず、さらにこの粒子にシェル部分を形成した
ものであるため、磁性粉体は粒子内部にほぼ完全に内包
化されていることが推察される。
【0020】また、該公報ではトナーを二成分現像剤と
して利用しているため、本発明のトナーとは本質的に性
質の異なるものである。
【0021】さらに、特公平4−73442号公報に
は、分散剤として部分ケン化ポリビニルアルコールを用
いて、トナー用の樹脂を懸濁重合した後に、アルカリ金
属の水酸化物を重合系に添加、加熱後、引き続いて濾過
を行うことにより、原料由来または重合時に副生した酸
性不純物の除去を行う方法が開示されている。しかし、
重合トナーの製造に関しては何ら記載がなく、このアル
カリ処理を磁性粉体を含有する重合トナーに適用した時
に、どの様な効果が発現するかは全く不明である。
【0022】プリンター装置はLED、レーザービーム
プリンターが最近の市場の主流になっており、技術の方
向としてより高解像度即ち、従来240、300dpi
であったものが400、600、800dpiとなって
きている。従って現像方式もこれにともなって、より高
精細なものが要求されてきている。また、複写機におい
ても高機能化が進んでおり、そのためデジタル化の方向
に進みつつある。この方向は、静電潜像をレーザーで形
成する方法が主である為、やはり高解像度の方向に進ん
でいる。ここでもプリンターと同様に高解像・高精細の
現像方式が要求されてきており、特開平1−11225
3号公報、特開平2−284158号公報などでは粒径
の小さいトナーが提案されているが、前述した種々の課
題は解決が十分なされていない。
【0023】更に、静電潜像を現像するためのトナーと
しては、キャリアとトナーからなる二成分系現像剤、及
びキャリアを必要としない一成分系トナー(磁性トナ
ー、非磁性トナー)が知られている。二成分系では主に
キャリアとトナーの摩擦によって、一成分系では主にト
ナーと帯電付与部材との摩擦によって、トナーへの帯電
が行われる。また、トナーとしては、二成分系、一成分
系の差異によらず、トナー及びトナーの流動特性、帯電
特性等を改善する目的でトナー母粒子に外部添加剤とし
て無機微粉体を添加する方法が提案され、広く用いられ
ている。
【0024】例えば、特開平5−66608号公報、特
開平4−9860号公報等には、疎水化処理を施した無
機微粉体若しくは疎水化処理した後、さらにシリコーン
オイル等で処理した無機微粉体が記載されており、また
特開昭61−249059号公報、特開平4−2644
53号公報、特開平5−346682号公報には、疎水
化処理無機微粉体とシリコーンオイル処理無機微粉体を
併用添加する方法が記載されている。
【0025】また、外部添加剤として導電性微粉体を添
加する方法は数多く提案されている。例えば、導電性微
粉体としてのカーボンブラックは、トナーに導電性を付
与するため、またはトナーの過剰な帯電を抑制しトリボ
分布を均一化させるため等の目的で、トナー表面に付着
または固着させる外部添加剤として広く知られている。
また、特開昭57−151952号公報、特開昭59−
168458号公報、特開昭60−69660号公報で
は、高抵抗磁性トナーにそれぞれ酸化スズ、酸化亜鉛、
酸化チタンの導電性微粉体を外部添加することが開示さ
れている。また、特開昭56−142540号公報で
は、高抵抗磁性トナーに酸化鉄、鉄粉、フェライトの如
き導電性磁性粒子を添加し、導電性磁性粒子に磁性トナ
ーへの電荷誘導を促進させることで、現像性と転写性を
両立させたトナーが提案されている。更に、特開昭61
−275864号公報、特開昭62−258472号公
報、特開昭61−141452号公報、特開平02−1
20865号公報では、トナーにグラファイト、マグネ
タイト、ポリピロール導電性微粉体、ポリアニリン導電
性微粉体を添加することが開示されている。その他、多
種多様な導電性微粉体をトナーに添加することが知られ
ている。
【0026】従来、画像形成方法としては、静電記録
法、磁気記録法、トナージェット法など多数の方法が知
られている。例えば、電子写真法は、一般には潜像担持
体としての光導電性物質を利用した感光体上に、種々の
手段により電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー
で現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記録
媒体にトナー像を転写した後、熱・圧力等により記録媒
体上にトナー画像を定着して画像を得るものである。
【0027】一般には、転写後に像担持体上に転写材に
転写せずに残余したトナーが、種々の方法でクリーニン
グされ廃トナーとして廃トナー容器に蓄えられるクリー
ニング工程を経て、上述の工程が繰り返される画像形成
法が用いられている。このクリーニング工程について
は、従来、ブレードクリーニング、ファーブラシクリー
ニング、ローラークリーニング等が用いられている。い
ずれの方法も力学的に転写残余のトナーを掻き落とす
か、または、せき止めて廃トナー容器へと捕集するもの
であった。そのため、このような部材が像担持体表面に
押し当てられることに起因する問題が生じている。例え
ば、部材を強く押し当てることにより像担持体を摩耗さ
せ短命化することが挙げられる。装置面からみると、か
かるクリーニング装置を具備するために装置が必然的に
大きくなり装置のコンパクト化を目指すときのネックに
なっている。更には、省資源、廃棄物削減の観点及びト
ナーの有効活用という観点で廃トナーのでないシステ
ム、定着性、耐オフセット性にすぐれたシステムが望ま
れている。
【0028】これに対し、廃トナーのでないシステムと
して、現像兼クリーニング又はクリーナーレスと呼ばれ
る技術も提案されている。しかしながら、従来の現像兼
クリーニング又はクリーナーレスに関する技術の開示
は、特開平5−2287号公報にあるように画像上に転
写残余のトナーの影響によるポジメモリ、ネガメモリな
どに焦点を当てたものが主であり、電子写真の利用が進
み、様々な転写材に対してトナー像を転写する必要性が
でてきた今日において、様々な記録媒体に対応できるも
のではなく、満足するものではなかった。
【0029】クリーナーレスに関連する技術の開示を行
っているものに、特開昭59−133573号公報、特
開昭62−203182号公報、特開昭63−1331
79号公報、特開昭64−20587号公報、特開平2
−302772号公報、特開平5−2289号公報、特
開平5−53482号公報、特開平5−61383号公
報等があるが、望ましい画像形成方法については述べら
れておらず、トナー構成についても言及されていない。
【0030】また、トナーによって可視像を現像する現
像工程についても種々の方法が知られている。例えば、
静電潜像を可視化する方法としては、カスケード現像
法、加圧現像法、キャリアとトナーからなる二成分系現
像剤を用いる磁気ブラシ現像法等が知られている。トナ
ー担持体が像担持体と非接触でトナーをトナー担持体か
ら像担持体へ飛翔させる非接触一成分現像法、磁性トナ
ーを用い中心に磁極を配した回転スリーブを用い感光体
表面とスリーブ表面の間を電界にて飛翔させる磁性一成
分現像方法、更にはトナー担持体を像担持体に圧接させ
電界によってトナーを転移させる接触一成分現像法も用
いられている。
【0031】このように種々の現像方法がある中で、本
質的にクリーニング装置を有さない現像兼クリーニング
では、像担持体表面をトナー及びトナー担持体により擦
る構成が必須とされてきたため、適用するのに好適な現
像方法として、トナーが像担持体に接触する接触現像方
法が多く検討されてきた。これは、現像手段において転
写残トナーを回収するために、トナーが像担持体に接触
し、擦る構成が有利であると考えられるためである。し
かしながら、接触現像方法を適用した現像兼クリーニン
グ又はクリーナーレスプロセスでは、長期間使用による
トナー劣化、トナー担持体表面劣化、感光体表面劣化又
は磨耗等を引き起こしてしまいやすく、耐久特性に対し
て充分な解決がなされていない。そのため、非接触現像
方法による現像兼クリーニング方法が望まれている。
【0032】また、電子写真装置や静電記録装置等に用
いられる画像形成方法において、電子写真感光体・静電
記録誘電体等の像担持体上に静電潜像を形成する方法に
ついても様々な方法が知られている。
【0033】例えば、電子写真法では、像担持体として
の光導電性物質を利用した感光体上を所要の極性・電位
に一様に帯電処理した後に、画像パターン露光を施すこ
とにより静電潜像を形成する方法が一般的である。
【0034】従来、潜像担持体を所要の極性・電位に一
様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置としては
コロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用されている。
コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であり、ワイヤ電極
等の放電電極と該放電電極を囲むシールド電極を備え、
放電開口部を被帯電体である像担持体に対向させて非接
触に配設し、放電電極とシールド電極に高圧を印加する
ことにより生じる放電電流(コロナシャワー)に像担持
体面をさらすことで像担持体面を所定の電位に帯電させ
るものである。
【0035】近年では、像担持体等の被帯電体の帯電装
置として、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の
利点があることから接触帯電装置の提案が多くなされ、
また実用化もされている。接触帯電装置は、像担持体等
の被帯電体に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ
型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材
(接触帯電部材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯
電部材に所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所
定の極性・電位に帯電させるものである。
【0036】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、(1)放電帯電機構と(2)直接注入
帯電機構の二種類の帯電機構が混在しており、どちらが
支配的であるかにより各々の特性が現れる。
【0037】(1)放電帯電機構 接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象
により被帯電体表面を帯電する機構である。放電帯電機
構は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有
するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印
加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生
量は格段に少ないが、放電生成物が原理的に生じてしま
うため、オゾンなど活性イオンによる弊害は避けられな
い。
【0038】(2)直接注入帯電機構 接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されるこ
とで被帯電体表面が帯電する系である。直接帯電、また
は注入帯電、または電荷注入帯電とも称される。より詳
しくは、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接触し
て、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いな
いで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものである。よ
って、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印加
電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電
することができる。この帯電機構はイオンの発生を伴わ
ないため、放電生成物による弊害は生じない。しかし、
直接注入帯電であるため、接触帯電部材の被帯電体への
接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこでより高い頻
度で被帯電体に接触する構成をとる必要があり、接触帯
電部材はより密な接触点を持つ、被帯電体との速度差を
多く持つ等の構成が必要となる。
【0039】接触帯電装置としては、接触帯電部材とし
て導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が
帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられてい
る。従来のローラ帯電における帯電機構は前記(1)の
放電帯電機構が支配的である。
【0040】帯電ローラは、導電または中抵抗のゴム材
または発泡体を用いて作成される。さらにこれらを積層
して所望の特性を得たものもある。帯電ローラは被帯電
体との一定の接触状態を得るために弾性を持たせている
が、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、被帯電体
に従動または若干の速度差をもって駆動される。従っ
て、直接注入帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低
下や接触性の不足やローラ形状による接触ムラや被帯電
体の付着物による帯電ムラは避けられない。
【0041】図7は電子写真法における接触帯電の帯電
効率例を表したグラフである。横軸に接触帯電部材に印
加したバイアス、縦軸にはその時得られた被帯電体(以
下、感光体と記す)帯電電位を表すものである。ローラ
帯電の場合の帯電特性はAで表される。即ち凡そ−50
0Vの放電閾値を過ぎてから帯電が始まる。従って−5
00Vに帯電する場合は、−1000Vの直流電圧を印
加するか、または、−500V直流の帯電電圧に加え
て、放電閾値以上の電位差を常に持つようにピーク間電
圧1200Vの交流電圧を印加して感光体電位を帯電電
位に収束させる方法が一般的である。
【0042】より具体的に説明すると、厚さ25μmの
感光層を有するOPC感光体に対して帯電ローラを加圧
当接させた場合には、約640V以上の電圧を印加すれ
ば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧
に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。こ
の閾値電圧を放電開始電圧Vthと定義する。つまり、
電子写真に必要とされる感光体表面電位Vdを得るため
には帯電ローラにはVd+Vthという必要とされる以
上の直流(DC)電圧が必要となる。このようにして直
流電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行う方法を
「DC帯電方式」と称する。しかし、DC帯電において
は環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動する
ため、また、感光体が削れることによって膜厚が変化す
るとVthが変動するため、感光体の電位を所望の値に
することが難しい。
【0043】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つ交流(AC)電圧を重畳した電圧を
接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる
ことが提案されている。これは、ACによる電位のなら
し効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC
電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱
には影響されることはない。ところが、このような接触
帯電装置においても、その本質的な帯電機構は、接触帯
電部材から感光体への放電現象を用いているため、先に
述べたように接触帯電部材に印加する電圧は感光体表面
電位以上の値が必要とされ、微量のオゾンも発生してし
まう。
【0044】また、帯電均一化のためにAC帯電を行っ
た場合にはさらなるオゾンの発生、AC電圧の電界によ
る接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発
生、また、放電による感光体表面の劣化等が顕著にな
り、新たな問題点となっている。
【0045】一方、ファーブラシ帯電は、接触帯電部材
として導電性繊維のブラシ部を有する部材(ファーブラ
シ帯電器)を用い、その導電性繊維ブラシ部を被帯電体
としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加
して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものであ
る。このファーブラシ帯電もその帯電機構は前記(1)
の放電帯電機構が支配的である。
【0046】ファーブラシ帯電器は固定タイプとロール
タイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折り
込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固
定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて
形成される。繊維密度としては100本/mm2程度の
ものが比較的容易に得られるが、直接注入帯電により十
分均一な帯電を行うにはそれでも接触性は不十分であ
り、ファーブラシ帯電器を用いた直接注入帯電により十
分均一な帯電を行うには、感光体に対して機械構成とし
ては困難なほどに速度差を持たせる必要があり、現実的
ではない。
【0047】このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の
帯電特性は図7のBに示される如き特性をとる。従っ
て、ファーブラシ帯電では、固定タイプ、ロールタイプ
のどちらにもおいても、多くの場合、高い帯電バイアス
を印加し、放電現象を起こしながら帯電を行っている。
【0048】これらに対し、磁気ブラシ帯電は、接触帯
電部材として導電性磁性粒子をマグネットロール等で磁
気拘束してブラシ状に形成した磁気ブラシ部を有する部
材(磁気ブラシ帯電器)を用い、その磁気ブラシ部を被
帯電体としての像担持体に接触させ、所定の帯電バイア
スを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させる
ものである。
【0049】この磁気ブラシ帯電の場合はその帯電機構
は前記(2)の直接注入帯電機構が支配的である。磁気
ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子として粒径5〜5
0μmのものを用い、像担持体と十分速度差を設けるこ
とで、均一な直接注入帯電を可能にする。
【0050】磁気ブラシ帯電では、図7の帯電特性グラ
フのCにあるように、印加バイアスとほぼ比例した帯電
電位を得ることが可能になる。しかしながら、機器構成
が複雑であること、磁気ブラシ部を構成している導電性
磁性粒子が脱落して像担持体に付着する等の弊害もあ
る。
【0051】また、接触帯電方法や接触転写方法に関す
るものであるが、像担持体に導電性弾性ローラを当接
し、該導電性ローラに電圧を印加しながら該像担持体表
面を一様に帯電し、次いで露光、現像工程によってトナ
ー像を得た後、該像担持体に電圧を印加した別の導電性
ローラを押圧しながらその間に転写材を通過させ、該像
担持体上のトナー像を転写材に転写した後、定着工程を
経て複写画像を得る方法が開示されている(特開昭63
−149669号公報、特開平2−123385号公
報)。
【0052】しかしながら、接触帯電方法または接触転
写方法においては、コロナ放電を用いる場合とは異な
り、憂慮すべき問題点がある。具体的には、まず接触転
写方法の場合、転写部材が転写時に転写部材を介して像
担持体に当接されるため、像担持体上に形成されたトナ
ー像を転写材へ転写する際にトナー像が圧接され、所謂
転写中抜けと称される部分的な転写不良の問題が生じ
る。加えて、近年の技術の方向として、より高解像度で
高精細の現像方式が要求されてきており、こういった要
求にこたえるために、トナーの粒径を小さくする方向に
進んでいるが、このようにトナー粒径が小さくなるほ
ど、転写工程でトナー粒子にかかるクーロン力に比し
て、トナー粒子の像担持体への付着力(鏡像力やファン
デルワールス力など)が大きくなり、結果として転写残
トナーが増加する傾向にある。
【0053】一方、接触帯電方法においては、帯電部材
が押接圧を持って像担持体表面に圧接されている。その
ため、未転写の残留トナー、すなわち転写残トナーが像
担持体表面に押し付けられることにより、像担持体表面
の削れ及び摩耗が生じやすく、または削れた部分が発生
核となりトナー融着が発生しやすくなり、この傾向は転
写残トナーが多い程顕著となって現れる。
【0054】こういった像担持体の削れやトナー融着
は、像担持体の静電潜像形成に重大な欠損を生じさせ
る。具体的には、像担持体の削れが生じると、一次帯電
ができなくなるため、削れた部分がハーフトーン画像上
に黒く現れ、逆にトナー融着は露光による潜像形成をで
きなくするためハーフトーン画像上に白く現れる。さら
にはトナーの転写性も悪化させてしまうことになる。そ
のため、前述の転写不良と相まって、著しい画像欠陥と
なって現れ、場合によっては相乗的に画質の悪化が早ま
ることとなる。
【0055】このような像担持体の削れや転写不良とい
う問題は、不定形トナー粒子から成る現像剤を用いた場
合に発生しやすい。これは、不定形トナーの転写性が低
いことに加え、トナー粒子のエッジ部が像担持体表面を
引っ掻きやすいためと思われる。
【0056】加えて、削れの問題はトナー粒子表面に磁
性粉体が露出している磁性現像剤を用いる場合に、特に
顕著となる。これは露出した磁性粉体が感光体に直接圧
接されることを考えれば容易に納得されることである。
【0057】さらには、転写残トナーが多くなると接触
帯電部材と感光体とが十分な接触を保つことが難しくな
り、帯電性が悪化するため、反転現像などにおいては非
画像部へのトナーの転移、すなわちカブリが発生しやす
くなる。この現象は部材の抵抗が上がりやすい低湿下に
おいてよく見受けられる。
【0058】このように、環境を考慮すると非常に好ま
しい接触帯電方法及び接触転写方法を用いる画像形成方
法においては、転写性が高く、かつ、像担持体の削れや
トナー融着の起こりにくい磁性現像剤の開発が望まれて
いる。
【0059】一方、これらの接触帯電方法を現像兼クリ
ーニング方法、クリーナーレス画像形成方法に適用した
場合を考える。
【0060】現像兼クリーニング方法、クリーナーレス
画像形成方法では、クリーニング部材を有さないために
像担持体上に残余する転写残トナーが、そのまま接触帯
電部材と接触し、付着または混入する。また、放電帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、放電エネルギ
ーによるトナー劣化に起因する帯電部材への付着性の悪
化も生ずる。一般的に用いられている絶縁性トナーが接
触帯電部材に付着または混入すると、帯電性の低下が起
こる。
【0061】この被帯電体の帯電性の低下は、放電帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、接触帯電部材
表面に付着したトナー層が放電電圧を阻害する抵抗とな
るあたりから急激に起こる。これに対し、直接注入帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、付着または混
入した転写残トナーが接触帯電部材表面と被帯電体との
接触確率を低下させることにより被帯電体の帯電性が低
下する。この被帯電体の一様帯電性の低下は、良好な静
電潜像の形成を妨げ、結果、画像濃度の低下や、カブ
リ、画像ムラを増大させる。
【0062】また、現像兼クリーニング方法、クリーナ
ーレス画像形成方法では、像担持体上の転写残トナーの
帯電極性及び帯電量を制御し、現像工程で安定して転写
残トナーを回収し、回収トナーが現像特性を悪化させな
いようにすることがポイントとなり、転写残トナーの帯
電極性及び帯電量の制御を帯電部材によって行うことと
なる。
【0063】これについて具体的に一般的なレーザプリ
ンターを例として説明する。マイナス極性電圧を印加す
る帯電部材、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯電
性のトナーを用いる反転現像の場合、その転写工程にお
いて、プラス極性の転写部材によって可視化された像を
記録媒体に転写することになるが、転写材の種類(厚
み、抵抗、誘電率等の違い)と画像面積等の関係によ
り、転写残余のトナーの帯電極性はプラスからマイナス
まで変動する。しかし、マイナス極性の帯電部材によっ
て感光体を帯電させることにより、感光体表面と共に転
写残余のトナーを、一様にマイナス側へ帯電極性を揃え
ることが出来る。
【0064】これゆえ、現像工程においては、トナーの
現像されるべき明部電位部に存在する転写残余のトナー
はそのまま感光体上に残り、トナーの現像されるべきで
ない暗部電位部に存在する転写残トナーは、現像電界の
関係上トナー担持体の方に引き寄せられ、暗部電位部に
残留することなく回収される。すなわち、帯電部材によ
って感光体の帯電と同時に転写残余のトナーの帯電極性
を制御することにより、現像兼クリーニング、クリーナ
ーレス画像形成方法が成立する。
【0065】しかしながら、転写残トナーが接触帯電部
材のトナー帯電極性の制御能力以上に、接触帯電部材に
付着または混入すると、一様に転写残トナーの帯電極性
を揃えることができず、現像部材によってトナーを回収
することが困難となる。また、トナー担持体に摺擦等の
機械的な力によって回収されたとしても、転写残トナー
の帯電が均一に揃えられていないと、トナー担持体上の
トナーの帯電性に悪影響を及ぼし、現像特性を低下させ
る。
【0066】すなわち、現像兼クリーニング、クリーナ
ーレス画像形成方法においては、転写残トナーの帯電部
材通過時の帯電制御特性及び帯電部材への付着・混入特
性が、耐久特性、画像品質特性に密接につながってい
る。
【0067】帯電ムラを防止し安定した均一帯電を行う
ために、接触帯電部材に被帯電体面との接触面に粉末を
塗布する構成も特公平7−99442号公報に開示され
ている。しかしながら、接触帯電部材(帯電ローラ)が
被帯電体(感光体)に従動回転(速度差駆動なし)であ
り、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生
成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原理
は前述のローラ帯電の場合と同様に、依然として放電帯
電機構を主としている。特に、より安定した帯電均一性
を得るためにはDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印
加するために、放電によるオゾン生成物の発生はより多
くなってしまう。よって、長期に装置を使用した場合に
は、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現れやす
い。更に、クリーナーレスの画像形成装置に適用した場
合には、転写残トナーの混入のため塗布した粉末が均一
に帯電部材に付着していることが困難となり、均一帯電
を行う効果が薄れてしまう。
【0068】また、特開平5−150539号公報に
は、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画
像形成を繰り返すうちにブレードクリーニングしきれな
かったトナー粒子やシリカ微粒子が帯電手段の表面に付
着・蓄積することによる帯電阻害を防止するために、ト
ナー中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子より小さい
平均粒径を有する導電性微粉体を含有することが開示さ
れている。しかし、ここで用いられた接触帯電または近
接帯電は放電帯電機構によるもので、直接注入帯電機構
ではなく、放電帯電による前述の問題がある。更に、ク
リーナーレスの画像形成装置へ適用した場合には、クリ
ーニング機構を有する場合と比較して多量の導電性微粉
体及び転写残トナーが帯電工程を通過することによる帯
電性への影響、これら多量の導電性微粉体及び転写残ト
ナーの現像工程における回収性、回収された導電性微粉
体及び転写残トナーによるトナーの現像特性への影響に
関して何ら考慮されていない。更に、接触帯電に直接注
入帯電機構を適用した場合には、導電性微粉体が接触帯
電部材に必要量供給されず、転写残トナーの影響による
帯電不良を生じてしまう。
【0069】また、近接帯電では、多量の導電性微粉体
及び転写残トナーにより感光体を均一帯電することが困
難であり、転写残トナーのパターンを均す効果が得られ
ないため、転写残トナーのパターン画像露光を遮光する
ためのパターンゴーストを生ずる。更に、画像形成中の
電源の瞬断または紙詰まり時にはトナーによる機内汚染
が著しくなる。
【0070】また、現像兼クリーニングを適用した画像
形成方法において、転写残トナーの帯電部材通過時の帯
電制御特性を向上させることで現像兼クリーニング性能
を向上させるものとして、特開平11−15206号公
報では、特定のカーボンブラック及び特定のアゾ系鉄化
合物を含有するトナー粒子と無機微粉体とを有するトナ
ーを用いる画像形成方法が提案されている。更に、現像
兼クリーニングを適用した画像形成方法において、トナ
ーの形状係数を規定した転写効率に優れたトナーによ
り、転写残トナー量を減少させることで現像兼クリーニ
ング性能を向上させることも提案されている。しかしな
がら、ここで用いられた接触帯電も放電帯電機構による
もので、直接注入帯電機構ではなく、放電帯電による前
述の問題がある。更に、これらの提案は、接触帯電部材
の転写残トナーによる帯電性低下を抑制する効果はあっ
ても、帯電性を積極的に高める効果は期待できない。
【0071】更には、市販の電子写真プリンターの中に
は、転写工程と帯電工程の間に感光体に当接するローラ
部材を用い、現像工程中での転写残トナー回収性を補助
または制御する現像兼クリーニングを適用した画像形成
装置もある。このような画像形成装置は、良好な現像兼
クリーニング性を示し、廃トナー量を大幅に減らすこと
ができるが、コストが高くなり、小型化の点でも現像兼
クリーニングの利点を損ねている。
【0072】これらに対し、特開平10−307456
号公報において、トナー粒子及びトナー粒径の1/2以
下の粒径を有する導電性を有する帯電促進粒子を含むト
ナーを直接注入帯電機構を用いた現像兼クリーニングを
利用する画像形成装置が開示されている。この提案によ
ると、放電生成物を生ずることなく、廃トナー量を大幅
に減らすことが可能な、低コストで小型化に有利な現像
兼クリーニングを適用した画像形成装置が得られ、帯電
不良、画像露光の遮光または拡散を生じない良好な画像
が得られる。
【0073】また、特開平10−307421号公報に
おいては、トナー粒径の1/50〜1/2の粒径を有す
る導電性微粉体を含むトナーを、直接注入帯電機構を利
用した現像兼クリーニングを適用した画像形成方法に適
用し、導電性微粉体に転写促進効果を持たせた画像形成
装置が開示されている。
【0074】更に、特開平10−307455号公報で
は導電性微粉体の粒径を構成画素1画素の大きさ以下と
すること、及びより良好な帯電均一性を得るために導電
性微粉体の粒径を10nm〜50μmとすることが記載
されている。
【0075】特開平10−307457号公報では人の
視覚特性を考慮して帯電不良部の画像への影響を視覚的
に認識されにくい状態とするために導電性微粉体を約5
μm以下、好ましくは20nm〜5μmとすることが記
載されている。
【0076】更に、特開平10−307458号公報に
は、導電性微粉体の粒径はトナー粒径以下とすること
で、トナーの現像を阻害したり、現像バイアスが導電性
微粉体を介してリークしたりすることを防止し、画像の
欠陥を抑制するということが記載されており、且つ導電
性微粉体の粒径を0.1μmより大きく設定することに
より、像担持体に導電性微粉体が埋め込まれにくくし
て、埋め込まれた微粉体が露光光を遮光するといった弊
害も解決している。
【0077】特開平10−307456号公報には、ト
ナーに導電性微粉体を外部添加し、少なくとも可撓性の
接触帯電部材と像担持体との当接部に前記トナー中に含
有の導電性微粉体が、現像工程で像担持体に付着し、転
写工程の後も像担持体上に残留し持ち運ばれて介在して
いることで、帯電不良、画像露光の遮光を生じない良好
な画像が得られる現像兼クリーニングを適用した画像形
成装置が開示されている。
【0078】しかしながら、これらの提案も長期にわた
る繰り返し使用における安定した性能、解像性を高める
ためにより粒径の小さなトナー粒子を用いる場合の性能
に更なる改良の余地を有するものであった。
【0079】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決することにある。
【0080】本発明の目的は、プリントアウト時に不快
な臭気が無く、比較的温度の高温高湿環境下においても
迅速な帯電速度を有するトナーを提供することにある。
【0081】本発明の目的は、トナー層厚規制部材や感
光体へのトナー融着が生じにくく、多数枚のプリントア
ウトにおいても高品位な画質を維持できる磁性トナーを
提供することにある。
【0082】また、本発明の目的は、上記トナーを製造
する方法を提供することにある。
【0083】さらに本発明の目的は、上記トナーを用
い、放電生成物を生ずることなく、廃トナー量を大幅に
減らすことが可能な画像形成方法を提供することにあ
る。
【0084】また、本発明の目的は、良好な帯電性を安
定して得られる現像兼クリーニング或いはクリーナーレ
スシステムを用いた画像形成を可能とする画像形成方法
を提供することにある。
【0085】また、本発明の目的は、転写性に優れ、転
写残トナーの回収性に優れた現像兼クリーニング画像形
成を可能とする画像形成方法を提供することにある。
【0086】本発明は、低コストで小型化に有利な現像
兼クリーニング画像形成を可能とし、かつ長期にわたる
繰り返し使用においても、帯電不良を生じない良好な画
像が得られる画像形成装置を提供することにある。
【0087】また、本発明の目的は、解像性を高めるた
めにより粒径の小さなトナー粒子を用いる際において
も、良好な画像が安定して得られる画像形成装置及びプ
ロセスカートリッジを提供することにある。
【0088】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の目的は、
少なくとも結着樹脂及び磁性粉体を含有する磁性トナー
粒子と無機微粉体とを有する磁性トナーであって、磁性
トナーの平均円形度が、0.970以上であり、前記磁
性トナーの磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが
10〜50Am2/kgであり、前記磁性粉体が、少な
くとも磁性酸化鉄を含有し、前記磁性トナーのX線光電
子分光分析により測定される前記磁性トナー粒子の表面
に存在する炭素元素の存在量(A)に対する鉄元素の存
在量(B)の比(B/A)が、0.001未満であり、
前記結着樹脂が、少なくともスチレンモノマーを含む単
量体を重合して得られる樹脂を含有しており、前記磁性
トナー中の残留スチレンモノマーが、300ppm未満
であり、前記磁性トナーの体積平均粒径をCとし、透過
型電子顕微鏡を用いた前記磁性トナーの断面観察におけ
る磁性粉体と磁性トナー粒子表面との距離の最小値をD
としたとき、 D/C≦0.02 の関係を満たすトナー粒子を50個数%以上含有するこ
とを特徴とするトナーを提供することにある。
【0089】さらに本発明の目的は、上記磁性トナーの
製造方法、該磁性トナーを用いる画像形成方法、画像形
成装置及びプロセスカートリッジを提供することにあ
る。
【0090】
【発明の実施の形態】<1>本発明の磁性トナー 本発明の磁性トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性粉
体を含有する磁性トナー粒子及び無機微粉体を有するト
ナーである。
【0091】本発明のトナーの構成材料である結着樹脂
は、主としてスチレン系結着樹脂を含有している。
【0092】該スチレン系結着樹脂は、スチレンモノマ
ーを含む単量体を重合した樹脂であれば特に制限はない
が、下記に示す樹脂が挙げられる。例えば、ポリスチレ
ン;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニル
トルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合
体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−
アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、
スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、
スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−
メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチル
アミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテ
ル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体が挙げ
られる。
【0093】また、その他の樹脂を結着樹脂として併用
してもよく、その際併用できる樹脂としては、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢
酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニル
ブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジ
ン、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪
族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂が挙げ
られる。
【0094】本発明に係る結着樹脂として、上記の如
く、スチレン系共重合体と他の樹脂とを併用することも
できるが、結着樹脂を構成する全ユニット中50%以上
がスチレンに由来するものであることが好ましく、より
好ましくは60%以上、更には70%以上が好ましい。
【0095】上記結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)
は、50〜70℃であることが好ましく、50℃よりも
低いとトナーの保存性が低下し、70℃よりも高いと定
着性に劣る傾向がある。
【0096】結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、後
述するワックスの示差熱分析による吸熱ピークと同様に
測定することができる。即ち、ガラス転移温度(Tg)
は、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いて、「A
STM D3418−8」に準じて行う。装置検出部の
温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正
についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプル
にはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空パンをセ
ットし、昇温速度10℃/分で測定を行うことにより実
施可能である。
【0097】重合法により本発明の磁性トナーを得る場
合は、スチレンを含む重合性単量体組成物を重合するこ
とにより得ることができる。重合性単量体は、少なくと
もスチレンモノマーを含んでいれば特に制限はないが、
その他の重合性単量体として、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノ
エチル等のメタクリル酸エステル類その他のアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如き単
量体を単量体組成物に共存させ、スチレンと共重合する
と、前述のTg設定が容易となるため好ましい。
【0098】該結着樹脂は過酸化物系重合開始剤にて、
スチレンを含む単量体を重合させて得られたものである
ことが好ましい。世の中で広く一般に使用されている重
合開始剤としてはアゾ系重合開始剤もあるが、アゾ系重
合開始剤のみを用いた場合には本発明の効果は発現され
にくい。すなわち、アゾ系重合開始剤は開始剤効率が低
く、生成したラジカル種がラジカルカップリングを起こ
して多量の開始剤分解物を副生し、この分解物は高沸点
の液状物もしくは低融点の結晶物であるため製造工程で
除去することが非常に困難であり、この分解物はトナー
中に多量に残留することになる。この分解物はある程度
の極性を有しているため、例えば重合法によりトナーを
製造した場合には、トナー粒子の表面近傍に存在しやす
く、また、トナー中の磁性粉体を表面近傍に引き連れて
くるため、トナー中の磁性粉体の分散不良、定着性の低
下、トナーの帯電性能や耐保存性に大きな問題が生じた
り、プリントアウト時に分解物の不快な臭気が発生する
といった問題を生じたりすることがある。また、トナー
に残留するスチレンモノマーについても、過酸化物系重
合開始剤を使用した場合に比較して非常に多くなり、充
分な精製工程を行わないと、プリントアウト時にモノマ
ー臭を発生することがある。その点、過酸化物系重合開
始剤を用いた場合には、開始剤分解物の生成量が少な
く、また、分解物のトナーからの除去は比較的容易で、
残留スチレンも非常に低く抑えることが可能となり、高
品位な画質となり、スチレンモノマーや分解物に起因す
る臭気が発生も抑制することができる。
【0099】本発明の磁性トナー中の残留スチレンモノ
マーは、300ppm未満である。より好ましくは、1
00ppm未満である。残留スチレンモノマー量が30
0ppmを超えると、定着時の臭気の発生を完全に防止
することはできない。また、比較的温度の高い環境下で
長時間プリントアウトを行った際に、トナー内部から残
留スチレンモノマーが多く揮発するため、トナーや感光
体の帯電速度が低下して、例えば画像濃度の低下が生じ
たり、カブリに劣るようになりやすい。また、トナー内
部から残留スチレンモノマーが出てくる際には、トナー
内部に存在するワックスなどをトナー表面につれてくる
ため、トナーが凝集しやすいものとなってしまう。さら
に、高温環境下においては、元来、トナーの熱的、機械
的強度の低下が生じやすいため、残留スチレンモノマー
が多量に含有されている場合には、トナー担持体、トナ
ー層厚規制部材、および感光体ドラム等へのトナー融
着、或いはトナー同士の凝集が生じやすく、高品位な画
質が得られにくくなってしまう。
【0100】本発明の磁性トナーの製造において使用す
ることのできる過酸化物系重合開始剤は、有機系として
は、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、
ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケト
ンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシル
パーオキサイドが挙げられ、無機系としては、過硫酸
塩、過酸化水素が挙げられる。これらの中で、モノマー
に溶解する有機過酸化物が残留スチレンモノマーの抑制
には効果的であり、中でもパーオキシエステル、パーオ
キシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、ジア
シルパーオキサイド、パーオキシケタールを用いると、
磁性粉体の分散も良好となるため好ましい。
【0101】また、パーオキシエステル及びジアシルパ
ーオキサイドの少なくともいずれかを用いると、併発す
る水素引き抜き反応による結着樹脂のゲル化が適度とな
り、低温定着性の観点から有利であり好適に利用され
る。
【0102】本発明で使用できる上記有機過酸化物は様
々なものがあるが、具体例を挙げれば、t−ブチルパー
オキシアセテート、t−ブチルパーオキシラウレート、
t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシル
パーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシピバレ
ート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ヘ
キシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパ
ーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシ
ネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,
3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエー
ト、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ
ネオデカノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−
シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロ
ピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチ
ルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ
ベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−
m−トルオイルベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオ
キシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシマレイッ
クアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリ
メチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビ
ス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサンの如きパーオ
キシエステル;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドの如きジ
アシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ
ーオキシジカーボネートの如きパーオキシジカーボネー
ト;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン、1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサ
ン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパ
ーオキシブタンの如きパーオキシケタール;ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブ
チルクミルパーオキサイドの如きジアルキルパーオキサ
イド;その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカ
ーボネートが挙げられる。これら有機過酸化物のうち、
特に好適なものは、パーオキシエステル或いはジアシル
パーオキサイドである。
【0103】なお、必要に応じてこれら過酸化物を二種
以上用いることもできるし、本発明の効果を損なわない
範囲で、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボ
ニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニト
リルの如きアゾ系重合開始剤を併用することも可能であ
る。
【0104】本発明で使用される過酸化物系重合開始剤
は、単量体100質量部に対し0.5〜20質量部の添
加量で重合反応を行うと、分子量1万〜10万の間に極
大を有する重合体を得、トナーに望ましい強度と適当な
溶融特性を与えることが出来る。
【0105】また、本発明で用いられる有機過酸化物系
重合開始剤の理論活性酸素量は、4.0〜12.0%の
範囲にあることが望ましく、4.0%よりも小さいと重
合開始剤が多量に必要となるため経済的に不利であり、
12.0%を超えると取り扱いおよび重合反応の制御が
困難となる場合がある。
【0106】本発明の磁性トナーは、前記パーオキシエ
ステルまたはジアシルパーオキサイドに起因して生成す
るカルボン酸の含有量が2000ppm以下であること
が好ましい。重合開始剤であるパーオキシエステルが熱
分解を起こすと、対応するアルコキシラジカルとカルボ
ン酸ラジカルにまず分解し、その後これらのラジカル、
およびカルボン酸ラジカルが脱炭酸して生成するアルキ
ルラジカル等がモノマーへ付加することにより重合反応
が進行する。同様に、ジアシルパーオキサイドが熱分解
を起こすと、対応するカルボン酸ラジカルにまず分解
し、その後このカルボン酸ラジカル、およびカルボン酸
ラジカルが脱炭酸して生成するアルキルラジカル等がモ
ノマーへ付加することにより重合反応が進行する。
【0107】しかし、重合トナーの製造においては、従
来ほとんど副生しないと考えられてきたカルボン酸(こ
のものはカルボン酸ラジカルが荷電制御剤、磁性粉体、
磁性粉体の疎水化処理剤、モノマー、ポリマー等から水
素を引き抜くことにより生成する)が多量に副生するこ
とが本発明者らの検討で判明した。また同時に、このカ
ルボン酸はトナー中の磁性粉体の分散を良好にするとい
うことも、本発明者らの検討により判明した。一方で、
該カルボン酸は極性基を持つ親水性化合物であり、トナ
ーの環境安定性に影響を与え、高湿下では帯電性が低下
し、低湿下ではチャージアップを引き起こすことがあ
り、また、定着性が悪化する傾向にあることも本発明者
らの検討により判明した。すなわち、該カルボン酸はト
ナー粒子の製造工程においては有用であるが、製造後に
除去を行うことが好ましいと言える。
【0108】本発明の磁性トナーを用いてプリントアウ
トを行うにあたっては、該カルボン酸がトナーを基準に
して2000ppmを超えてトナー中に含有されている
と、該カルボン酸の影響で環境安定性や定着性が低下す
る場合があり、好ましくは1000ppm以下、さらに
好ましくは500ppm以下である。
【0109】尚、トナー中の残留スチレンモノマーや前
記したカルボン酸の定量は、ガスクロマトグラフィーに
より次の様にして測定可能である。
【0110】サンプル瓶にトナー約500mgを精秤
し、これに精秤した約10gのアセトンを加えた後よく
混合し、超音波洗浄機にて超音波を30分間照射する。
その後メンブランフィルター(例えばアドバンテック東
洋(株)製 ディスポーザブルメンブランフィルター
25JP020AN)を用いて濾過を行い、濾液2μl
をガスクロマトグラフィーで分析する。そして、予めス
チレンやカルボン酸を用いて作成した検量線により、残
留スチレンモノマーやカルボン酸の残存量を算出する。
後述する実施例では、下記の条件により分析を行う。
【0111】<分析条件> GC:HP社 6890GC カラム:HP社 INNOWax(200μm×0.4
0μm×25m) キャリアーガス:He(コンスタントプレッシャーモー
ド:20psi) オーブン:50℃:10分ホールド、10℃/分で20
0℃まで昇温、200℃で5分ホールド。 INJ:200℃、パルスドスプリットレスモード(2
0→40psi、until0.5分) スプリット比:5.0:1.0 DET:250℃(FID) 本発明においては、トナー中の前記カルボン酸含有量を
低く抑えることで、特に定着性が良好で、環境変動によ
らず安定した帯電性を有した磁性トナーが得られる。
【0112】過酸化物系重合開始剤の分解により生成す
るカルボン酸としては様々なものがあり、重合開始剤の
酸構造成分の種類により異なるが、2−エチルヘキサン
酸、ネオデカン酸、ピバリン酸、イソ吉草酸、コハク
酸、安息香酸、オクタン酸、ステアリン酸、ラウリン酸
が例示できる。
【0113】また、本発明の磁性トナーの製造方法にお
いて、トナー中の、過酸化物系重合開始剤、特にパーオ
キシエステルやジアシルパーオキサイド由来のカルボン
酸を除去するためには、トナー粒子を製造した後に真空
乾燥や加熱乾燥により除去する方法、トナー粒子を懸濁
させた水の蒸留を行い、水とともに留去する方法、トナ
ーを懸濁した水系媒体をアルカリ性に処理して(必要に
より加熱や撹拌処理を行い)トナー粒子と前記カルボン
酸の塩を含むアルカリ性の水系媒体を実質的に分離する
方法など色々あるが、最も効率が良く容易に実施できる
のはアルカリ処理による方法である。
【0114】例えば、重合トナーの場合、重合が終了し
た後で水系媒体を炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムの
如きアルカリを使ってpH8〜14、好ましくは9〜1
3、より好ましくは10〜13、さらに好ましくは10
〜12に調整して加熱撹拌を行えば、カルボン酸を対応
する水溶性のカルボン酸塩として水に溶出させることが
可能である。この後で、懸濁液を、例えば濾過すれば、
カルボン酸塩は廃水へと流されてトナー中のカルボン酸
は除去可能となる。ここで、pHを10〜12の範囲と
するとさらに好ましい理由は、カルボン酸の完全な中和
を行うためと、結着樹脂中の官能基(例えばアクリル酸
のエステル)の加水分解が抑制できるからである。ま
た、アルカリ性とした重合懸濁液を、アルカリ性の状態
のままでトナー粒子と水媒体とを実質的に分離すること
が非常に重要であり、例えば分離工程を経ずに水媒体の
pHを酸性にしてしまうと、水に溶けていたカルボン酸
塩は再び水不溶性のカルボン酸に戻ってしまうため、カ
ルボン酸のトナーからの除去は非常に不完全なものとな
る。尚、トナー粒子とアルカリ性の水系媒体との分離
は、濾過、遠心分離など従来公知のあらゆる方法で実施
できる。
【0115】本発明においてトナーを磁性トナーとする
ためトナー粒子に含有させる磁性粉体としては、マグネ
タイト、マグヘマタイト、フェライトの如き磁性酸化
鉄、鉄、コバルト、ニッケルの如き金属またはこれらの
金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウ
ム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カ
ドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タ
ングステン、バナジウムの如き金属の合金及びその混合
物が挙げられるが、少なくとも磁性酸化鉄を含有してい
るものである。
【0116】これらの中でも、リン、コバルト、ニッケ
ル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ
素を含んでもよい四三酸化鉄、γ−酸化鉄の如き磁性酸
化鉄を主成分とするものが挙げられ、これらを一種また
は二種以上を組み合わせて用いられる。これら磁性粉体
は、モース硬度が5〜7のものが好ましい。
【0117】また、磁性粉体の粒子形状としては特に制
限はないが、一例をあげれば球形(粒状)、6面体、8
面体、14面体の如き多面体がある。磁性粉体の形状は
SEMなどによって確認することができる。すなわち、
SEMにより磁性粉体粒子の形状を観察し、粒子個数割
合が最も多い形状をもってその試料の粉体形状とする。
【0118】また、本発明における磁性粉体の磁気特性
としては、磁場795.8kA/m下での飽和磁化が1
0〜200Am2/kg、残留磁化が1〜100Am2
kg、抗磁力が1〜30kA/mであることが好まし
い。
【0119】本発明において磁性粉体の磁気特性は、振
動型磁力計VSMP−1−10(東英工業社製)を用い
て、25℃の室温にて外部磁場796kA/mで測定す
る方法により実施可能である。
【0120】本発明のトナーに添加される磁性粉体とし
ては、トナーとしての磁気特性、着色力、帯電性等、様
々な物性、性能を考慮して種々のものが選択されるが、
例えば磁気特性を改良するため、特に残留磁化を低下さ
せるために、特開平8−169717号公報及び特開平
10−101339号公報に記載されているようなリン
元素を含有するマグネタイトも好適に利用することがで
きる。リン元素を含有するマグネタイトは、マグネタイ
ト粒子の生成時にあらかじめ系内に水溶性のリン化合物
(例えばヘキサメタリン酸ソーダ、第一リン酸アンモニ
ウムの如きリン酸塩、正リン酸塩、亜リン酸塩)を共存
させることにより得ることができ、この場合、リン元素
の含有量は鉄元素に対し0.05〜5.0質量%が好ま
しい。
【0121】磁性粉体に含まれるリン元素の含有量が上
記範囲よりも小さいと、リン元素の添加効果が十分に得
られず、逆にリン元素の含有量が上記範囲よりも大きい
と、磁性粉体製造時の濾過性に問題を生じることがある
ため好ましくない。
【0122】ここで、リン元素を含有する磁性粉体とし
ては、結晶が形成される前にリンを含有させて製造した
磁性粉体を使用することが特に重要である。本発明の磁
性トナーにこの様な残留磁化の低い小粒径磁性材料を用
いることにより、磁性粉体の分散性が良好となるため、
転写性及びカブリ特性に優れ、さらには現像性にも優れ
た小粒径磁性トナーが得られるようになる。
【0123】また、場合によって特公平3−9045号
公報や特開昭61−34070号公報に記載されている
ケイ素含有の磁性酸化鉄も用いることができる。磁性粉
体中に、鉄元素に対し5.0質量%以下のケイ素元素を
含有させることによっても、残留磁化を低下させること
が可能であり、また磁性粉体を表面処理する際には、均
一な表面処理が可能となる。これは、処理剤としてシラ
ンカップリング剤を用いた場合、磁性粉体中のケイ素元
素とカップリング剤中のケイ素元素とがより安定なシロ
キサン結合を形成するため、磁性体粒子の表面全体が完
全に処理剤で覆われることによると考えられる。
【0124】この場合、磁性粉体としてのマグネタイト
粒子の生成時に、あらかじめ系内に鉄元素に対して5.
0質量%以下のケイ素元素となるよう水溶性ケイ素化合
物(例えば水ガラス、ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリウム)
を共存させることによりケイ素元素含有の磁性酸化鉄を
得ることができる。尚、磁性粉体中に含有されるケイ素
元素が5.0質量%を超えると、濾過性等製造面での困
難性が現れるため好ましくない。また、磁性粉体製造時
において、磁性粒子の結晶化が始まる前にケイ素元素を
添加しておくこともできる。さらに、リン元素とケイ素
元素の両方を含有する磁性酸化鉄も必要に応じて使用で
きる。
【0125】本発明の磁性トナーに用いられる磁性粉体
の体積平均粒径としては0.01〜1.0μmが好まし
く、さらに好ましくは0.05〜0.5μmが好まし
い。体積平均粒径が0.01μm未満の場合、黒色度の
低下が顕著となり、白黒用トナーの着色剤としての役割
を磁性粉体に持たせる場合には着色力が不十分となり、
また、磁性粉体粒子の凝集も強くなるため、分散性に関
しても低下する傾向となる。一方、体積平均粒径が1.
0μmを超えた場合にも、一般の着色剤と同様に着色力
が不足するようになる。加えて、特に小粒径トナー用の
着色剤として使用する場合、個々のトナー粒子に同程度
の個数の磁性粉体を分散させることが確率的に困難とな
り、分散性が低下しやすい。
【0126】なお、磁性粉体の体積平均粒径は、透過型
電子顕微鏡(TEM)を用いて測定できる。具体的に
は、測定するトナーの粉体サンプルを透過型電子顕微鏡
(TEM)で観察し、視野中の100個の磁性粉体粒子
径を測定して、体積平均粒径を求める。
【0127】前述のTEMによる具体的な観察方法とし
ては、常温硬化性のエポキシ樹脂中へ観察すべき粒子を
十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬
化させ得られた硬化物を、ダイヤモンド歯を備えたミク
ロトームにより薄片状のサンプルとして観察する方法が
例示される。
【0128】また、本発明の磁性トナーに用いられる磁
性粉体は、疎水化表面処理されていることが好ましく、
この疎水化表面処理については、水系媒体中でカップリ
ング剤を用いて表面処理されることにより、磁性粉体の
粒子表面が疎水化されていることがより一層好ましい。
【0129】重合トナーに使用される磁性粉体の表面改
質に関しては、数多く提案されている。例えば、特開昭
59−200254号公報、特開昭59−200256
号公報、特開昭59−200257号公報、特開昭59
−224102号公報等に磁性粉体の各種シランカップ
リング剤処理技術が提案されており、特開昭63−25
0660号公報では、ケイ素元素含有磁性粒子をシラン
カップリング剤で処理する技術が開示されている。
【0130】しかしながら、これらの処理によりトナー
粒子表面からの磁性粉体の露出はある程度抑制されるも
のの、磁性粉体表面の疎水化を均一に行うことが困難で
あるという問題があり、したがって、磁性粉体同士の合
一や疎水化されていない磁性粉体粒子の発生を避けるこ
とができず、磁性粉体の露出を完全に抑制するには不十
分である。また、疎水化磁性酸化鉄を用いる例として特
公昭60−3181号公報にアルキルトリアルコキシシ
ランで処理した磁性酸化鉄を含有するトナーが提案され
ている。この磁性酸化鉄の添加により、確かにトナーの
電子写真諸特性は向上しているものの、磁性酸化鉄の表
面活性は元来小さく、処理の段階で合一粒子が生じた
り、疎水化が不均一であったりで、必ずしも満足のいく
ものではなく、接触帯電工程や接触転写工程、或いはク
リーナーレス工程を有するような本発明の画像形成方法
に適用するにはさらなる改良が必要である。
【0131】さらに、処理剤等を多量に使用したり、高
粘性の処理剤等を使用した場合、疎水化度は確かに上が
るものの、磁性粉体粒子同士の合一等が生じて分散性は
逆に悪化してしまう。このような磁性粉体を用いて製造
されたトナーは、摩擦帯電性が不均一であり、それに起
因してカブリや転写性が良くないものとなる傾向があ
る。
【0132】このように、従来の表面処理磁性粉体を用
いた重合トナーでは、疎水性と分散性の両立は必ずしも
達成されておらず、このような重合トナーを本発明の如
き接触帯電工程から成る画像形成方法に適用しても、高
精細な画像を安定して得ることは難しい。
【0133】そこで、本発明の磁性トナーに使用される
磁性粉体においては、その粒子表面を疎水化する際、水
系媒体中で、磁性粉体粒子を一次粒径となるよう分散し
つつカップリング剤を加水分解しながら表面処理する方
法を用いることが非常に好ましい。この疎水化処理方法
は気相中で乾式処理する方法よりも、磁性粉体粒子同士
の合一が生じにくく、また疎水化処理による磁性粉体粒
子間の帯電反発作用が働き、磁性粉体はほぼ一次粒子の
状態で表面処理される。
【0134】カップリング剤を水系媒体中で加水分解し
ながら磁性粉体表面を処理する方法は、クロロシラン類
やシラザン類のようにガスを発生するようなカップリン
グ剤を使用する必要もなく、さらに、これまで気相中で
は磁性粉体粒子同士が合一しやすくて、良好な処理が困
難であった高粘性のカップリング剤も使用できるように
なり、疎水化の効果は絶大である。
【0135】本発明における磁性粉体の表面処理におい
て使用できるカップリング剤としては、例えば、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられる。
より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であ
り、一般式(1)で表されるものである。
【0136】RmSiYn (1) [式中、Rはアルコオキシ基を示し、mは1〜3の整数
を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、
メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整
数を示す。ただし、m+n=4である。] 上記一般式(1)で示されるシランカップリング剤とし
ては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラ
ン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシ
ラン、n−オクタデシルトリメトキシシランを挙げるこ
とができる。
【0137】特に、一般式(2)で表されるアルキルト
リアルコキシシランカップリング剤を使用して水系媒体
中で磁性粉体を疎水化処理するのが良い。
【0138】 Cp2p+1−Si−(OCq2q+13 (2) [式中、pは2〜20の整数を示し、qは1〜3の整数
を示す。]上記式におけるpが2より小さいと疎水化処
理は容易となるが、疎水性を十分に付与することが困難
であり、トナー粒子からの磁性粉体の露出を抑制するの
が難しくなる。また、pが20より大きいと疎水性は十
分になるが、磁性粉体粒子同士の合一が多くなり、トナ
ー中へ磁性粉体粒子を十分に分散性させることが困難に
なり、カブリや転写性が低下傾向となる。
【0139】また、qが3より大きいとシランカップリ
ング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行われにくく
なる。
【0140】特に好ましくは、上記式(2)中、pは3
〜15の整数であり、qは1又は2の整数である。
【0141】その処理量は、磁性粉体100質量部に対
して、0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10
質量部とするのが良い。
【0142】本発明において「水系媒体」とは、水を主
要成分としている媒体である。具体的には、水系媒体と
して水そのもの、水に少量の界面活性剤を添加したも
の、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添
加したものが挙げられる。
【0143】界面活性剤としては、ポリビニルアルコー
ルの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。界面活性
剤は、水100質量部に対して0.1〜5質量部添加す
るのが良い。pH調整剤としては、塩酸の如き無機酸が
挙げられる。有機溶剤としては、メタノールが挙げら
れ、水に対して500%以下で添加するのが好ましい。
【0144】磁性粉体の表面処理方法として、水系媒体
中でカップリング剤で処理するには、水系媒体中で適量
の磁性粉体およびカップリング剤を攪拌する方法が挙げ
られる。例えば、撹拌羽根を有する混合機(具体的に
は、アトライター、TKホモミキサーの如き高剪断力混
合装置)で、磁性粉体粒子が水系媒体中で、一次粒子に
なるように充分に攪拌をおこなうのが良い。
【0145】こうして得られる表面処理された磁性粉体
は、粒子の凝集が見られず、個々の粒子表面が均一に疎
水化処理されているため、重合トナー用の材料として用
いた場合、トナー粒子中への分散性が非常に良好であ
る。しかもトナー粒子表面からの磁性粉体の露出が無
く、ほぼ球形に近い重合トナーが得られる。
【0146】本発明の磁性トナーに用いられる磁性粉体
は、結着樹脂100質量部に対して、10〜200質量
部を用いることが好ましく、さらに好ましくは20〜1
80質量部を用いることが良い。10質量部未満ではト
ナーの着色力が乏しく、カブリの抑制も困難である。一
方、200質量部を超えると、トナー担持体への磁力に
よる保持力が強まり現像性が低下したり、個々のトナー
粒子への磁性粉体の均一な分散が難しくなるだけでな
く、定着性が低下してしまうこともある。
【0147】本発明の磁性トナーに用いられる磁性粉体
は、例えばマグネタイトの場合、第一鉄塩1モルと第二
鉄塩2モルの混合水溶液の加水分解反応による方法や、
適当なpHに調節した第一鉄塩水溶液を加熱条件下で空
気酸化することにより得ることができる。後者の場合、
酸化反応の終期に液のpHを調整し、磁性酸化鉄が一次
粒子になるよう十分に攪拌し、カップリング剤を添加し
て十分に混合攪拌し、攪拌後に濾過、乾燥し、軽く解砕
することで、本発明において利用できる疎水性処理磁性
酸化鉄粒子が得られる。または、酸化反応終了後、洗
浄、濾過して得られた酸化鉄粒子を、乾燥せずに別の水
系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを調整し、
十分攪拌しながらシランカップリング剤を添加し、カッ
プリング処理を行っても良い。いずれにせよ、酸化反応
終了後に乾燥工程を経ずに表面処理を行うことが肝要で
ある。
【0148】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄の使用も可能
である。
【0149】水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は一
般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶
解度から鉄濃度0.5〜2モル/リットルが用いられ
る。硫酸鉄の濃度は一般に低いほど製品の粒度が細かく
なる傾向を有する。又、反応に際しては、空気量が多い
程、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
【0150】このようにして製造された残留磁化の低い
疎水性磁性粉体粒子を材料とした磁性トナーを使用する
ことにより、画像形成においては、感光体の削れ及びト
ナー融着が抑制され、また安定して高画質な画像が得ら
れるようになる。
【0151】本発明の磁性トナーは、少なくとも上記結
着樹脂および表面処理磁性粉体とを含有する磁性トナー
粒子と無機微粉体とを有している。
【0152】無機微粉体は、トナーの流動性改良及び帯
電均一化のために添加される。本発明における無機微粉
体は、個数平均一次粒径4〜80nmが好ましい。
【0153】無機微粉体の個数平均一次粒径が80nm
よりも大きい場合、または80nm以下の無機微粉体が
添加されていない場合には、転写残トナーが帯電部材へ
付着した場合に帯電部材に固着し易くなり、安定して良
好な帯電特性を得ることが困難である。また、良好なト
ナーの流動性が得られず、トナー粒子への帯電付与が不
均一になり易く、カブリの増大、画像濃度の低下、トナ
ー飛散等の問題を避けられないことがある。
【0154】無機微粉体の個数平均一次粒径が4nmよ
りも小さい場合には、無機微粉体の凝集性が強まり、一
次粒子ではなく解砕処理によっても解れ難い強固な凝集
性を持つ粒度分布の広い凝集体として挙動し易く、凝集
体の現像、像担持体または現像担持体等を傷つけるなど
による画像欠陥を生じ易くなる。トナー粒子の帯電分布
をより均一とするためには無機微粉体の個数平均一次粒
径は6〜35nmであることがより好ましい。
【0155】本発明において、無機微粉体の個数平均一
次粒径の測定法は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影し
たトナーの写真で、更に走査型電子顕微鏡に付属させた
XMA等の元素分析手段によって無機微粉体の含有する
元素でマッピングされたトナーの写真を対照しつつ、ト
ナー粒子表面に付着または遊離して存在している無機微
粉体の一次粒子を100個以上測定し、個数平均径を求
めることで得られる。
【0156】本発明で用いられる無機微粉体としては、
シリカ、アルミナ、チタニア(酸化チタン)から選ばれ
る無機微粉体またはそれらの複酸化物が使用できる。シ
リカの複酸化物としては、例えば、ケイ酸微粉体が挙げ
られる。
【0157】ケイ酸微粉体としては、ケイ素ハロゲン化
物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒ
ュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラスか
ら製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であ
る。表面及びケイ酸微粉体の内部にあるシラノール基が
少なく、またNa2O、SO3 2-の如き製造残滓の少ない
乾式シリカの方が好ましい。また、乾式シリカにおいて
は、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化
チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合
物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物
の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含す
る。
【0158】個数平均一次粒径が4〜80nmの無機微
粉体の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.
1〜3.0質量部であることが好ましい。添加量が0.
1質量部未満ではその効果が十分ではなく、3.0質量
部を超えると定着性が低下することがある。
【0159】本発明における無機微粉体は、トナーの流
動性改良及びトナー粒子の帯電均一化のために添加され
るが、無機微粉体を疎水化処理するなどの処理によって
トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上等の機能を付
与することも好ましい形態である。
【0160】磁性トナーに添加された無機微粉体が吸湿
すると、トナー粒子の帯電量が著しく低下し、トナー飛
散が起こり易くなる。
【0161】無機微粉体を疎水化処理する疎水化処理剤
としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニ
ス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シ
ラン化合物、シランカップリング剤、その他有機硅素化
合物、有機チタン化合物の如き処理剤を単独でまたは併
用して処理しても良い。
【0162】その中でも、上記シリコーンオイルにより
処理したものが好ましく、より好ましくは、無機微粉体
をシラン化合物で疎水化処理すると同時または処理した
後に、シリコーンオイルにより処理したものを用いる
と、高湿環境下でもトナーの帯電量を高く維持し、トナ
ー飛散を防止する上でよい。
【0163】そのような無機微粉体の処理条件として
は、例えば第一段反応として上記疎水化処理剤でシリル
化反応を行い、シラノール基を化学結合により消失させ
て疎水化処理した後、第二段反応としてシリコーンオイ
ルにより表面に疎水性の薄膜を形成する方法が挙げら
れ、それによりさらに疎水性を高めることができる。よ
り好ましい処理方法として、第一段反応としてシラン化
合物を疎水化処理剤として用い、第二段反応にシリコー
ンオイル処理で処理する方法が挙げられる。
【0164】シリコーンオイルの処理の方法としては、
例えばシラン化合物で処理された無機微粉体とシリコー
ンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直
接混合してもよいし、無機微粉体にシリコーンオイルを
噴霧する方法を用いてもよい。または適当な溶剤にシリ
コーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、無機微粉
体を加え混合し、溶剤を除去する方法でもよい。無機微
粉体の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用いる
方法がより好ましい。
【0165】上記シリコーンオイルは、25℃における
粘度が10〜200,000mm2/sのものが、さら
には3,000〜80,000mm2/sのものが好ま
しい。10mm2/s未満では、無機微粉体に安定性が
無く、熱および機械的な応力により、画質が劣化する傾
向がある。200,000mm2/sを超える場合は、
均一な処理が困難になる傾向がある。
【0166】このようなシリコーンオイルとしては、例
えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリ
コーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイルが挙げられる。
【0167】シリコーンオイルの処理量は、処理前の無
機微粉体100質量部に対し、1〜23質量部、好まし
くは5〜20質量部が良い。シリコーンオイルの量が少
なすぎると良好な疎水性が得られず、多すぎるとカブリ
発生等の不具合が生ずることがある。
【0168】無機微粉体を処理するための上記シラン化
合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザンの如き
有機ケイ素化合物が挙げられる。
【0169】本発明で用いられる無機微粉体は、BET
法で測定した窒素吸着により比表面積が20〜250m
2/g範囲内のものが好ましく、より好ましくは40〜
200m2/gのものが更に良い。
【0170】比表面積はBET法に従って、比表面積測
定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用い
て試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用い
て比表面積を算出することにより得ることができる。後
述する実施例においても、同様に測定できる。
【0171】また、本発明の磁性トナーは、表面に導電
性微粉体を有することが好ましいが、該導電性微粉体の
体積平均粒径は、磁性トナーの体積平均粒径よりも小さ
いことが好ましい。
【0172】上記条件を満たす導電性微粉体の体積平均
粒径は0.5〜10μmであることが好ましい。導電性
微粉体の体積平均粒径が小さいと、現像性の低下を防ぐ
ために導電性微粉体のトナー全体に対する含有量を小さ
く設定しなければならない。導電性微粉体の体積平均粒
径が0.5μm未満では、帯電工程において、転写残ト
ナーが接触帯電部材に付着・混入することによって生じ
る帯電阻害に打ち勝って、像担持体の帯電を良好に行う
のに十分な量の導電性微粉体を、帯電部材と像担持体と
の当接部またはその近傍の帯電領域に介在させることが
できず、帯電不良を生じ易くなる。
【0173】また、導電性微粉体の体積平均粒径が10
μmよりも大きいと、帯電部材から脱落した導電性微粉
体が、静電潜像を書き込む露光を遮光または拡散し、静
電潜像の欠陥を生じ画像品位を低下させることがある。
更に、導電性微粉体の体積平均粒径が大きいと、単位質
量当たりの粒子数が少なく、且つ帯電部材からの導電性
微粉体の脱落等によって導電性微粉体の更なる減少、及
び劣化が生じやすくなるため、導電性微粉体を帯電部材
と像担持体との当接部またはその近傍の帯電領域に逐
次、導電性微粉体を供給し続け介在させ、また、接触帯
電部材が導電性微粉体を介して像担持体への緻密な接触
性を維持し良好な帯電性を安定して得るためには、導電
性微粉体のトナー全体に対する含有量を大きくしなけれ
ばならない。しかし、導電性微粉体の含有量を大きくす
ると、特に高湿環境下でのトナー全体としての帯電能、
現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずる
傾向がある。
【0174】上記の理由から、導電性微粉体の体積平均
粒径は、0.5〜5μmであることが好ましく、より好
ましくは0.8〜5μm、更に好ましくは1.1〜5μ
mが良く、また0.5μm以下の粒径を有するものが7
0体積%以下、5.0μm以上の粒径を有するものが6
個数%以下であることが良い。尚、導電性微粉体の粒径
は、SEMによって測定される。
【0175】導電性微粉体の磁性トナー100質量部に
対する含有量は、0.2〜10質量部であることが好ま
しい。本発明のトナーは、表面に磁性粉体が実質上露出
していない為、導電性微粉体のトナー100質量部に対
する含有量が0.2質量部よりも少ないと、現像性が低
下する傾向にある。また、現像兼クリーニングを用いた
画像形成方法に適用する際には、接触帯電部材への絶縁
性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち
勝って像担持体の帯電を良好に行うのに十分な量の導電
性微粉体を有しえなくなる。また、含有量が10質量部
よりも多い場合では、現像兼クリーニングによって回収
される導電性微粉体が多くなりすぎるため、現像部での
トナーの帯電能、現像性が低下し、画像濃度低下やトナ
ー飛散を生ずることがある。導電性微粉体のトナー10
0質量部に対する含有量は、0.5〜5質量部であるこ
とが特に好ましく良い。
【0176】また、導電性微粉体の抵抗は、1×109
〜1×10-1Ω・cmであることが好ましい。導電性微
粉体の抵抗が、1×109Ω・cmよりも大きいと上記
と同様に、現像性が低下する傾向にあり、また現像兼ク
リーニングを用いた画像形成方法に適用する際には、導
電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部またはその
近傍の帯電領域に介在させ、接触帯電部材の導電性微粉
体を介しての像担持体への緻密な接触性を維持させて
も、良好な帯電性を得るための帯電促進効果が得られな
いことがある。また、1×10-1Ω・cmよりも小さい
と、トナーの帯電性が充分に得られない場合がある。
【0177】導電性微粉体の帯電促進効果を十分に引き
出し、良好な帯電性を安定して得るためには、導電性微
粉体の抵抗が、接触帯電部材の表面部または像担持体と
の接触部の抵抗よりも小さいことが好ましい。更に、導
電性微粉体の抵抗が、1×106Ω・cm以下であるこ
とが、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着
・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電をよ
り良好に行わせる上で好ましい。
【0178】また、導電性微粉体は、透明、白色または
淡色の導電性微粉体であることが、転写材上に転写され
る導電性微粉体がカブリとして目立たないため好まし
い。静電潜像形成工程における露光の妨げとならない意
味でも導電性微粉体は透明、白色または淡色の導電性微
粉体であることがよく、より好ましくは、導電性微粉体
の露光に対する透過率が30%以上であることが良い。
【0179】本発明においては、導電性微粉体の光透過
性については以下の手順で測定することができる。片面
に接着層を有する透明のフィルムに導電性微粉体を一層
分固定した状態で透過率を測定する。光はシートの鉛直
方向から照射しフィルム背面に透過した光を集光し光量
を測定する。フィルムのみと粒子を付着したときの光量
から正味の光量として導電性微粉体の透過率を算出す
る。具体的には、X−Rite社製310T透過型濃度
計を用いる測定方法が挙げられ、後述する実施例におい
ても該装置を用いて測定を行うことができる。
【0180】本発明における導電性微粉体としては、非
磁性であるものが好ましく、例えば、カーボンブラッ
ク、グラファイトの如き炭素微粉体;銅、金、銀、アル
ミニウム、ニッケルの如き金属微粉体;酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化インジウ
ム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸
化モリブデン、酸化鉄、酸化タングステンの如き金属酸
化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリ
ウムの如き金属化合物、またはこれらの複合酸化物が必
要に応じて粒度及び粒度分布を調整することで使用でき
る。これらの中でも酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンの
如き導電性無機酸化物微粉末が特に好ましい。
【0181】また、導電性無機酸化物微粉末の抵抗値を
制御する等の目的で、アンチモン、アルミニウムの如き
元素をドープした金属酸化物の如き導電性材料を表面に
有する微粉末も使用できる。例えば、酸化スズ及び/又
はアンチモンで表面処理された酸化チタン微粉末、アン
チモンでドープされた酸化第二スズ微粉末、または酸化
第二スズ微粉末である。
【0182】市販の酸化スズ及び/又はアンチモンで表
面処理された導電性酸化チタン微粉末としては、例えば
EC−300(チタン工業株式会社)、ET−300、
HJ−1、HI−2(以上、石原産業株式会社)、W−
P(三菱マテリアル株式会社)が挙げられる。
【0183】市販のアンチモンドープの導電性酸化スズ
微粉末としては、例えばT−1(三菱マテリアル株式会
社)やSN−100P(石原産業株式会社)が、また市
販の酸化第二スズとしては、SH−S(日本化学産業株
式会社)が挙げられる。
【0184】本発明における導電性微粉体の体積平均粒
径及び粒度分布の測定には、コールター社製、LS−2
30型レーザー回折式粒度分布測定装置にリキッドモジ
ュールを取り付けて0.04〜2000μmの測定範囲
で測定することにより実施できる。測定方法としては、
純水10mlに微量の界面活性剤を添加し、これに導電
性微粉体の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波
ホモジナイザー)にて10分間分散した後、測定時間9
0秒、測定回数1回で測定する。後述する本実施例にお
いても、同様に測定できる。
【0185】本発明において、導電性微粉体の体積平均
粒径及び粒度分布の調整方法としては、導電性微粉体の
体積平均一次粒子が製造時において所望の粒径及び粒度
分布が得られるように、製造法および製造条件を設定す
る方法以外にも、一次粒子の小さな粒子を凝集させる方
法、一次粒子の大きな粒子を粉砕する方法または分級に
よる方法等が可能であり、更には、所望の粒径及び粒度
分布の基材粒子の表面の一部もしくは全部に導電性微粉
体を付着または固定化する方法、所望の粒径及び粒度分
布の粒子に導電性成分が分散された形態を有する導電性
微粉体を用いる方法等も可能であり、これらの方法を組
み合わせて導電性微粉体の粒径及び粒度分布を調整する
ことも可能である。
【0186】導電性微粉体の粒子が凝集体として構成さ
れている場合の粒径は、その凝集体としての体積平均粒
径として定義される。導電性微粉体は、一次粒子の状態
で存在するばかりでなく、二次粒子の凝集した状態で存
在することも問題はない。どのような状態であれ、帯電
部材と像担持体との当接部またはその近傍の帯電領域に
介在し、帯電補助または促進の機能が実現できればその
形態は問わない。
【0187】本発明において、導電性微粉体の抵抗測定
は、錠剤法により測定し正規化して求めることができ
る。即ち、底面積2.26cm2の円筒内に凡そ0.5
gの導電性粉末試料を入れ上下電極に15kgの加圧を
行うと同時に100Vの電圧を印加し、その時の抵抗値
を計測し、その後正規化して比抵抗を算出する。後述す
る本実施例においても、同様に測定できる。
【0188】本発明に係わる磁性トナーは、示差走査熱
量計により測定されるトナーのDSC曲線において、昇
温時に40〜110℃、より好ましくは45〜90℃に
吸熱ピークを有することが好ましい。本発明の磁性トナ
ーにおいては、残留スチレンモノマーの含有量が低減さ
れており、トナーの凝集を抑制することに関して優れた
ものであるため、40〜65℃に吸熱ピークを有するよ
うにした場合においても、良好な画像形成が可能であ
り、この効果は、特に79.6kA/mの磁場にさらし
た後のトナーの残留磁化が10Am2/kg未満である
場合に特に顕著となる。
【0189】転写材上に転写されたトナー像はその後、
熱・圧力等のエネルギーにより転写材上に定着され、半
永久的画像が得られる。この際、熱ロール式定着が一般
に良く用いられる。
【0190】後述するが、体積平均粒径が10μm以下
のトナーを用いれば、非常に高精細な画像を得ることが
できるが、粒径の細かいトナー粒子は紙等の転写材を使
用した場合に紙の繊維の隙間に入り込み、熱定着用ロー
ラからの熱の受け取りが不十分となり、低温オフセット
が発生しやすい。
【0191】しかしながら、示差走査熱量計により測定
されるトナーのDSC曲線において、昇温時に40〜1
10℃の範囲に吸熱ピークを有するようにトナーを設計
すると、高解像性と耐オフセット性を両立させつつ、感
光体の削れを防止することが可能となる。磁性トナーの
前記吸熱ピークが40℃よりも小さいと耐保存安定性や
帯電性に問題が生じる場合があり、該吸熱ピークが11
0℃よりも大きいと感光体の削れを防止することが困難
となる場合がある。
【0192】示差走査熱量計により測定されるトナーの
DSC曲線において、昇温時に吸熱ピークを40〜11
0℃の範囲に発現させる方法としては様々な方法がある
が、例えばトナーを製造する際に、後述する従来公知の
ワックスを原材料の一部として使用することにより容易
に達成可能である。
【0193】尚、トナーやワックスの吸熱ピーク温度の
測定は、「ASTM D 3418−8」に準じて行
う。測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7
を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の
融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱
を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用
い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/mi
nで測定を行う。また、上記測定装置によって、バイン
ダー樹脂成分等のガラス転移温度(Tg)を測定するこ
ともできる。
【0194】本発明の磁性トナーに使用可能なワックス
としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びそ
の誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシ
ャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導
体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス
及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワッ
クスの如き天然ワックス及びその誘導体で、誘導体には
酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グ
ラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコー
ル、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸、または
その化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケ
トン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、
動物性ワックスが挙げられるが、いずれも示差熱分析に
おける吸熱ピークが、40〜110℃、更には45〜9
0℃であるものが好ましい。また、前述したような40
〜65℃に吸熱ピークを有する磁性トナーを製造するた
めには、40〜65℃に吸熱ピークを有するワックスを
用いることができ、この様なワックスを用いる場合に
は、更なる耐オフセット性の向上が達成される。
【0195】本発明の磁性トナーは、ワックスを使用す
る際、結着樹脂100質量部に対して0.5〜50質量
部の範囲の含有量であることが好ましい。含有量が0.
5質量部未満では低温オフセット抑制効果が充分でな
く、50質量部を超えてしまうと長期間の保存性が悪化
すると共に、他のトナー材料の分散性が悪くなり、トナ
ーの流動性の悪化や画像特性の低下につながることがあ
る。
【0196】本発明の磁性トナーは、荷電特性を安定化
するために荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤と
しては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速
く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御
剤が好ましい。さらに、直接重合法を用いてトナーを製
造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への
可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。具
体的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチ
ル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナ
フトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金
属化合物、アゾ染料またはアゾ顔料の金属塩または金属
錯体、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子
型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、
カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤と
して四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖
に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシ
ン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
【0197】荷電制御剤をトナーに含有させる方法とし
ては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法が
ある。これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂
の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製
造方法によって決定されるもので、一義的に限定される
ものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対
して0.001〜10質量部、より好ましくは0.01
〜5質量部の範囲で用いられる。
【0198】しかしながら、本発明の磁性トナーは、荷
電制御剤の添加は必須ではなく、トナー層厚規制部材や
トナー担持体との摩擦帯電を積極的に利用することでト
ナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0199】本発明の磁性トナーは、磁性粉体以外に他
の着色剤を併用しても良い。併用し得る着色材料として
は、磁性または非磁性無機化合物、公知の染料及び顔料
が挙げられる。具体的には、例えば、コバルト、ニッケ
ルの如き強磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マン
ガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素を加えた合
金、ヘマタイト、チタンブラック、ニグロシン染料/顔
料、カーボンブラック、フタロシアニンが挙げられる。
これらもまた、上記磁性粉体と同様の表面を処理して用
いても良い。
【0200】また、本発明の磁性トナーは、クリーニン
グ性向上等の目的で、一次粒径30nmを超える(好ま
しくは比表面積が50m2/g未満)、より好ましくは
一次粒径50nm以上(好ましくは比表面積が30m2
/g未満)の球形に近い無機微粒子又は有機微粒子をさ
らに添加することも好ましい形態のひとつである。具体
的には、例えば、球状シリカ粒子、球状ポリメチルシル
セスキオキサン粒子、球状樹脂粒子が好ましく用いられ
る。
【0201】さらに、本発明に用いられるトナーには、
実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例
えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉
末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、または
酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロン
チウム粉末の如き研磨剤、または例えば酸化チタン粉
末、酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤、ケーキ
ング防止剤、また、逆極性の有機および/または無機微
粒子を現像性向上剤として少量用いる事もできる。これ
らの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能で
ある。
【0202】<2>本発明のトナーの特性 本発明の磁性トナーの平均円形度は、0.970以上で
ある。
【0203】平均円形度が0.970以上のトナー(ト
ナー粒子群で構成される粉体)から構成されるトナーは
転写性に非常に優れている。これはトナー粒子と感光体
との接触面積が小さく、鏡像力やファンデルワールス力
等に起因するトナー粒子の感光体への付着力が低下する
ためと考えられる。従って、このようなトナーを用いれ
ば転写率が高く、転写残トナーが非常に低減するため、
帯電部材と感光体との圧接部におけるトナーが非常に少
なく、トナー融着が防止され、画像欠陥が著しく抑制さ
れるものと考えられる。さらに、平均円形度が0.97
0以上のトナー粒子は表面のエッジ部がほとんど無いた
め、帯電部材と感光体との圧接部において摩擦が低減さ
れ、感光体表面の削れが抑制される。これらの効果は、
転写中抜けの発生しやすい接触転写工程を含む画像形成
方法においては、より顕著となって現れる。
【0204】この際、トナーの円形度分布において、モ
ード円形度が0.99以上であることがより好ましい。
モード円形度が0.99以上であると、トナー粒子の多
くが真球に近い形状を有することを意味しており、上記
したような感光体の削れや画像欠陥の抑制効果がより顕
著となる。
【0205】本発明における平均円形度及びモード円形
度とは、粒子の形状を定量的表現する指標として用いた
ものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像
分析装置「FPIA−1000」を用いて測定を行い、
測定された粒子の円形度(ai)を下記式(I)により
求め、さらに下記式(II)で示すように測定された全粒
子の円形度の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円
形度(am)と定義する。 円形度(ai)=L0/L 式(I) (式中、L0は磁性トナー粒子像と同じ投影面積をもつ
円の周囲長を示し、Lは磁性トナー粒子の投影像の周囲
長を示す。)
【外1】
【0206】また、モード円形度とは、円形度を0.4
0から1.00までを、0.400以上0.410未
満、0.410以上0.420未満、・・・・・・0.
990以上1.000未満及び1.000の如く0.0
1毎に61分割し、測定した各粒子の円形度をそれぞれ
各分割範囲に割り振り、円形度頻度分布において頻度値
が最大となるピークの円形度である。
【0207】なお、本発明で用いる測定装置である「F
PIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均
円形度の算出に当たって、粒子を得られた円形度によっ
て、円形度0.40〜1.00を61分割したクラスに
分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出
を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法
で算出される平均円形度の各値と、上述した各粒子の円
形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度
の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視でき
る程度のものであり、本発明においては、算出時間の短
縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の
理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の
概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いて
も良い。
【0208】測定手順としては、以下の通りである。
【0209】界面活性剤約0.1mgを溶解している水
10mlに、磁性トナー約5mgを分散させて分散液を
調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分
間照射し、分散液濃度を5000〜2万個/μlとし
て、前記装置により測定を行い、3μm以上の粒径の粒
子群の平均円形度及びモード円形度を求める。
【0210】本発明における平均円形度とは、磁性トナ
ーの凹凸の度合いの指標であり、磁性トナーが完全な球
形の場合1.000を示し、磁性トナーの表面形状が複
雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
【0211】また、X線光電子分光分析により測定され
る磁性トナーの表面に存在する炭素元素の含有量(A)
に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)は、0.
001未満である。
【0212】本発明の磁性トナーは、トナー粒子が高い
帯電量を持つことが好ましく、そのためには表面に電荷
のリークサイトとなる磁性粉体が露出していないことが
好ましい。さらには接触帯電工程を含む画像形成方法に
おいて、トナー粒子表面に磁性粉体が露出している磁性
トナーを用いた場合、露出した磁性粉体による感光体の
削れがより顕著となって現れやすい。しかしながら、上
述の如き(B/A)が0.001未満である、すなわち
磁性粉体がトナー粒子表面にほとんど露出していない磁
性トナーを用いれば、帯電部材によりトナーが感光体表
面圧接されても感光体表面が削れることはほとんど無
く、感光体の削れ及びトナー融着を著しく低減させるこ
とが可能となる。無論、接触転写工程を組み合わせた画
像形成方法においてもその効果は絶大であり、非常に高
精細な画像を長期に渡って得ることが可能である。さら
には(B/A)を0.0005未満とすれば、高画質及
び耐久安定性が格段に向上することからより好ましい。
【0213】本発明の磁性トナーは、実質上トナー表面
に磁性粉体が露出していない為、トナーの帯電量がリー
クし難く、そのため導電性微粉体を多く表面に有してい
ても、帯電量の低下が少なく、画像濃度の高い良好な画
像を得ることが可能である。
【0214】本発明の磁性トナーは、トナー表面に露出
する磁性粉体の量を抑制して、高い帯電量を有するよう
に設計したものであるが、この様なトナーでは、極端に
湿度の低い環境下において、耐久を重ねた場合には、ト
ナー粒子がチャージアップを引き起こし、凝集してしま
いやしという課題が存在していた。
【0215】本発明においては、トナー中に含有される
残留スチレンモノマーを低減することにより、トナーが
凝集するのを抑制している。残留スチレンモノマーは揮
発する際に、トナーの内部に存在するワックスなどの成
分をトナー表面に引き出すことがあり、トナーの凝集を
助長するものであるが、残留スチレンモノマーを300
ppm未満とした場合には、このような現象が実質的に
生じなくなる。
【0216】加えて、トナーの凝集を抑制するという観
点からは、磁性粉体として、残留磁化の低い磁性粉体を
用いることが好ましい。好適に用いることのできる磁性
粉体としては、磁場79.6kA/mにさらした後の残
留磁化が、10Am2/kg未満であることが好まし
く、更には7Am2/kg未満、特には5Am2/kg未
満であることが好ましい。
【0217】残留磁化の低い磁性粉体を用いることに加
えて、導電性微粉体をトナー表面に有させることによ
り、更なるトナーの凝集を緩和することができるため、
低温低湿下における多数枚のプリントアウトにおいて、
より安定して良好な画像が得られるようになる。
【0218】また、円形度が非常に高い為、磁性トナー
が現像部で細い穂が形成され、磁性トナー1個1個の帯
電が均一になることで、かぶりの非常に少ない良好な画
像を得ることが可能である。
【0219】磁性トナー表面に存在する炭素元素の含有
量(A)に対する鉄元素の含有(B)の比(B/A)
は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分
析を行い算出することができる。
【0220】本発明では、ESCAの装置および測定条
件は、下記の通りである。 使用装置:PHI社製 1600S型 X線光電子分光装置 測定条件:X線源 MgKα(400W) 分光領域 直径800μm 本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PH
I社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度を算出す
る。本測定はトナーをイソプロピルアルコールの如き溶
剤を用いて超音波洗浄し、磁性トナー粒子表面に付着し
ている無機微粉体を除去した後、磁気力にて分離し、乾
燥し測定することが好ましい。後述する本実施例におい
ても、同様に測定できる。
【0221】なお、トナー粒子内部の特定の部分のみに
磁性粉体が含有されている特殊なトナーは、特開平7−
209904号公報においても既に開示されている。し
かしながら、特開平7−209904号公報において
は、トナーの円形度、残留スチレンモノマー量及び含有
する磁性粉体の好適な磁気特性に関する言及がなされて
おらず、特開平7−209904号公報に記載されてい
るようなトナーを本発明の使用形態で用いても同じよう
な効果が発現するかどうかは不明である。
【0222】さらに、特開平7−209904号公報に
おいて開示されているトナー構成を要約すれば、トナー
粒子表面に磁性粉体の存在しない樹脂層を一定量以上の
厚みで有しているものである。該公報に記載されたトナ
ーに於いては、磁性粉体を有さない樹脂層がある程度の
厚みを持って形成されているため、例えば体積平均粒径
が10μmと小さなトナーの場合においては、磁性粉体
が存在しうる容積が小さくなるため、十分な量の磁性粉
体を内包しにくいものと思われる。しかも、こういった
トナーでは、トナーの粒度分布において粒径の大きいト
ナー粒子と小さい粒子とで、磁性粉体の存在しない表面
樹脂層のトナー全体に対する相対的な存在割合が異なる
こととなり、従って、内包される磁性粉体含有量も異な
るため、現像性や転写性がトナーの粒径によって異なっ
てしまう。この様な場合には、粒径に依存する、選択現
像性が見られるようになり、従って、こういった磁性ト
ナーを用いて長期に渡りプリントアウトを行うと、磁性
粉体を多く含み現像されにくい粒子、即ち粒径の大きな
トナー粒子が残りやすく、耐久後における画像濃度及び
画質の低下、さらには定着性の悪化にもつながってしま
う。
【0223】上記の説明から導かれるように、トナー粒
子中における好ましい磁性粉体の分散状態とは、磁性粉
体粒子が凝集せずになるべくトナー粒子全体に均一に存
在する状態であり、本発明の磁性トナーにおいて、必要
とされる特徴の一つである。即ち、トナーの体積平均粒
径をC、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた磁性トナ
ーの断面観察において、磁性粉体とトナー粒子表面との
距離の最小値をDとしたとき、D/C≦0.02の関係
を満たすトナー粒子の個数は50%以上である必要があ
る。
【0224】本発明においては、D/C≦0.02の関
係を満たすトナー粒子の粒子数が、65%以上であるこ
とがさらに好ましく、75%以上が特に好ましい。
【0225】D/C≦0.02の関係を満たすトナー粒
子数が50%未満の場合には、過半数のトナー粒子にお
いて少なくともD/C=0.02境界線よりも外側には
磁性粉体が全く存在しないことになる。仮に前述のよう
な粒子を球形として想定すると、1つのトナー粒子を全
空間とした場合に磁性粉体が存在しない空間は、トナー
粒子の表面側に少なくとも約7.8%存在することにな
る。この様な粒子においては、実際には、境界線上に磁
性粉体が均一に整列してトナー粒子内部に内壁を作るよ
うに存在するわけではないので、トナー粒子の表面から
10%程度の部分には磁性粉体がほとんど存在していな
いこととなる。このような粒子から構成される磁性トナ
ーにおいては、上述の如き様々な弊害が発生しやすい。
【0226】本発明において、TEMによる具体的なD
/Cの測定方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中
へ観察すべき粒子を十分に分散させた後に温度40℃の
雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、そのま
ま、または凍結してダイヤモンド歯を備えたミクロトー
ムにより薄片状のサンプルとして観察する方法が好まし
い。
【0227】該当する粒子数の割合の具体的な測定方法
については、以下の通りである。
【0228】TEMにてD/Cを決定するための粒子
は、顕微鏡写真での断面積から粒径を求め、その値が後
述するコールターカウンターによって測定される個数平
均粒径(D1)の±10%の幅に含まれるものを該当粒
子とし、その該当粒子について、磁性粉体粒子表面と該
磁性トナー粒子表面との距離の最小値(D)を計測し、
D/Cを計算する。こうして計算されたD/C値が0.
02以下の粒子の割合を、下記式(III)により求め
るものと定義する。このときの顕微鏡写真は精度の高い
測定を行うために、1万〜2万倍の倍率が好適である。
またトナーの体積平均粒径に関しては、後述する方法に
よって測定する。
【0229】本発明では、透過型電子顕微鏡(日立製H
−600型)を装置として用い、加速電圧100kVで
観察し、拡大倍率が1万倍の顕微鏡写真を用いて観察・
測定する。後述する実施例においても同様に測定でき
る。
【外2】
【0230】本発明で、D/C≦0.02の関係を満た
すトナー粒子数を50%以上とするには、磁性粉体中に
含まれる粒径0.03〜0.1μmの範囲の粒子や粒径
0.3μm以上の粒子の比率を小さくしたり、磁性粉体
の表面処理剤の種類や処理の均一性を制御したりするこ
となどが挙げられる。
【0231】さらに、特開平7−209904号公報に
おいては、特殊な構造のトナーそのものが提案されてい
るだけであり、その具体的な使用形態に関しては何の記
載もなされていない。本発明者等は、特開平7−209
904号公報において開示されている技術思想とは異な
る発想にて得られた特殊なトナーを用いて画像形成する
ことにより、感光体の耐久性において著しい改良効果が
発現することを見出し、本発明に到ったものである。
【0232】本発明の画像形成方法において、更に高画
質化のため、より微小な潜像ドットを忠実に現像するた
めには、トナーの体積平均粒径が3〜10μm、更には
4〜8μmであることが好ましい。体積平均粒径が3μ
m未満のトナーに於いては、転写効率の低下から感光体
上の転写残トナーが多くなり、接触帯電工程での感光体
の削れやトナー融着の抑制が難しくなる。さらに、トナ
ー全体の表面積が増えることに加え、粉体としての流動
性及び攪拌性が低下し、トナー粒子と導電性微粉体がと
もに挙動する傾向が強まり、転写工程において導電性微
粉体はより転写され易くなり、接触帯電部材に付着・混
入して帯電部において介在する導電性微粉体が減少す
る。このため相対的に転写残トナーによる個々のトナー
粒子の帯電性阻害が大きくなることからカブリや転写性
が悪化傾向となり、削れや融着以外にも画像の不均一ム
ラの原因となりやすいため、本発明で使用するトナーに
は好ましくない。
【0233】また、トナーの体積平均粒径が10μmを
超える場合には、文字やライン画像に飛び散りが生じや
すく、高解像度が得られにくい。その原因として、トナ
ー粒子の帯電量が導電性微粉体の含有量の増大によって
大幅に低下し易くなり、帯電部において介在する導電性
微粉体量を接触帯電部材の像担持体への緻密な接触性と
接触抵抗を維持できる程度にまでトナー中での導電性微
粉体の含有量を設定すると、トナー母粒子の帯電量が低
下することによりトナー全体の現像性が低下し、現像兼
クリーニングによって導電性微粉体の比率が著しく多い
トナーが回収されることによる現像部での導電性微粉体
の僅かな偏在によっても著しい画像濃度低下等による画
像性の低下を招くことが挙げられる。さらに装置が高解
像度になっていくと8μm以上のトナーでは、1ドット
の再現性が悪化する傾向にある。より安定した帯電性と
現像性を維持するためには、トナーの体積平均粒径が4
〜8μmであることが好ましい。
【0234】また、トナーの個数分布における変動係数
は35%以下であることが好ましい。変動係数が35%
を超えると、感光体表面、トナー層厚規制部材等への融
着が起きやすく、画像欠陥を生じることがある。尚、ト
ナー粒子の個数分布における変動係数S1は下式(IV)
から算出される。
【0235】 変動係数S1=(S/D1)×100 式(IV) (式中、Sはトナー粒子の個数分布における標準偏差値
を示し、D1は個数分布から求めた個数基準の個数平均
粒径(μm)を示す。)ここで、トナーの体積平均粒径
及び個数平均粒径及び粒度分布はコールターカウンター
TA−II型またはコールターマルチサイザー(コール
ター社製)等種々の方法で測定可能である。本発明にお
いては、コールターマルチサイザー(コールター社製)
を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイ
ス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピュー
タ(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウム
を用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、I
SOTON R−II(コールターサイエンティフィッ
クジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記
電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活
性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を
0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え
る。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分
間分散処理を行い前記コールターマルチサイザーにより
アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、
2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分
布と個数分布とを算出する。
【0236】それから、本発明に係わるところの体積分
布から求めた体積基準の体積平均粒径(D4:各チャン
ネルの中央値をチャンネルの代表値とする)、個数分布
から求めた個数基準の個数平均粒径(D1)と個数変動
係数(S1)を求めることができる。後述する本実施例
においても、同様に測定できる。
【0237】粒径の測定におけるチャンネルとしては、
2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm
未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.0
4μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜
8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;1
0.08〜12.70μm未満;12.70〜16.0
0μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.
20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μ
m未満;32.00〜40.30μm未満の13チャン
ネルを用いた。
【0238】また、本発明の磁性トナーは、磁場79.
6kA/m(1000エルステッド)における磁化の強
さが10〜50Am2/kg(emu/g)である。磁
性トナーは、現像装置内に磁気力発生手段を設けること
でトナーの漏れを防止でき、トナーの搬送性または攪拌
性を高められる。また、トナー担持体上に磁力が作用す
るように磁気力発生手段を設けることで、転写残トナー
の回収性が更に向上し又磁性トナーが穂立ちを形成する
ためにトナーの飛散を防止することが容易となる。磁性
トナーが上記範囲の磁化を有するには、先述した磁性粉
体の添加量を調整すれば良い。また、本発明において磁
性粉体の磁化の強さは、振動型磁力計VSMP−1−1
0(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁
場79.6kA/mで測定する方法により実施可能であ
る。後述する実施例においても、同様に測定できる。
【0239】しかし、トナーの磁場79.6kA/mに
おける磁化の強さが10Am2/kg未満であると、ト
ナー担持体による現像剤の搬送が良好に行なわれなく、
またトナー担持体上におけるトナーの穂立ちが不安定と
なり、トナーへの帯電付与が均一に行えないことによる
カブリ、画像濃度ムラ、転写残トナーの回収不良等の画
像不良を生じ易くなる。磁性トナーの磁場79.6kA
/mにおける磁化の強さが50Am2/kgよりも大き
いと、トナーに磁力を作用させると磁気凝集によりトナ
ーの流動性が著しく低下し、転写性が低下することで転
写残トナーが増加し、及びトナー粒子と導電性微粉体が
ともに挙動する傾向が強まることで接触帯電部材に付着
・混入して介在する導電性微粉体が減少するとともに、
帯電部に介在する導電性微粉体量が転写残トナー量に対
して相対的にも減少し、帯電性の低下に伴うカブリ及び
画像汚れを生じ易くなる。
【0240】また、本発明の磁性トナーは、磁場79.
6kA/m(1000エルステッド)において、残留磁
化が10Am2/kg(emu/g)未満である。ここ
で本発明の磁性トナーの残留磁化とは、磁場79.6k
A/m(1000エルステッド)下に本発明の磁性トナ
ーを一旦置き、その後磁場をゼロまで落としたときの磁
性トナーに残留する磁化をいう。上記残留磁化は、磁場
の調整が可能な振動型磁力計(例えば前述したVSMP
−1−10など)を用いて測定することができる。
【0241】磁性トナーの残留磁化が10Am2/kg
よりも大きいと、トナー担持体上のトナーの穂が長くな
りすぎ、細線潜像の幅より長く、潜像からはみ出した
り、飛び散ったりして画質が悪化してしまうとともに、
トナー担持体上のトナーコート層の厚みが大きくなり、
個々の粒子が均一な帯電をしにくくなり、画像濃度の低
下やカブリの悪化を生じてしまうことがある。また、多
数枚のプリントアウトを行った際には、残留磁化が高い
場合には、トナー粒子間の磁気凝集が生じてしまい、ト
ナー担持体とトナー層厚規制部材の間でトナーが過度の
圧力を受けるようになるため、トナー表面の無機微粒子
がトナーに埋め込まれたり、トナー担持体やトナー層厚
規制部材を汚染するようになったりしてしまい、均一な
層形成及び均一な帯電の付与が阻害されるようになって
しまう。磁性トナーの残留磁化は、7Am2/kg未満
であることが好ましく、5Am2/kg未満であること
がより好ましい。
【0242】また、この磁気凝集からくるトナー劣化や
部材の汚染は、残留スチレンモノマーが300ppmを
超えて磁性トナーに含有されている場合に特に顕著とな
り、残留磁化が10Am2/kg未満であっても問題を
生じる場合がある。特に、高温環境下でのプリントアウ
トに際しては、残留スチレンモノマーの影響でトナー表
面の熱的、機械的強度が低下してしまうため、上記の無
機微粉末の埋め込みや部材の汚染が顕著となる。さら
に、高温環境下では、多量の残留スチレンモノマーが含
有されているようなトナーにおいては、トナーの帯電速
度が低下してしまうために、トナーが充分な帯電量を有
しにくく、残留磁化が低くてもトナー担持体から静電荷
像担持体へのトナー飛翔が阻害され、上記の弊害はより
一層顕著となる。したがって、本発明の磁性トナーは残
留磁化が10Am2/kg未満であることと共に、残留
スチレンモノマーが300ppm未満であることも必須
である。
【0243】トナーの残留磁化を上記の範囲とするため
には、磁性粉体の含有量を調節する方法、磁性粉体とし
て残留磁化の低いもの(例えば球形のマグネタイト)を
用いる方法、または、前述したようなリン元素やケイ素
元素を含有させることにより残留磁化を低下させた磁性
粉体を用いること等で達成可能である。尚、トナー中の
磁性粉体における、鉄元素に対するリン元素及びケイ素
元素の含有量の測定は、ICP(誘導結合プラズマ原子
発光分光法)を用い、以下のように行うことができる。
【0244】トナーにシリカ等の外添剤が混合されてい
るときは、NaOH水溶液中でトナー表面を処理し、濾
過して取り除く。濾過残査を水洗後、塩酸中で処理し、
濾過して濾液(濾液A)を採取する。さらにこの濾過残
査を塩酸とフッ素酸の混合水溶液で処理し、濾過して濾
液を採取(濾液B)する。こうして得られた濾液Aと濾
液Bを混合し、混合液中の鉄元素、リン元素及びケイ素
元素をICPにより定量して、磁性粉体中の鉄元素に対
するリン元素及びケイ素元素の含有量を求める。
【0245】<3>本発明の磁性トナーの製造方法 本発明の磁性トナーの製造方法は、前述した磁性トナー
を懸濁重合によって製造する方法であって、過酸化物系
重合開始剤を用いて重合を行うことを特徴とする。
【0246】本発明の磁性トナーは、粉砕法によって製
造することも可能であるが、この粉砕法で得られるトナ
ー粒子は一般に不定形のものであり、本発明の磁性トナ
ーの必須要件である円形度が0.970以上という物性
を得るためには、機械的・熱的または何らかの特殊な処
理を行うことが必要となる。さらに粉砕法は、本質的に
トナー粒子表面に磁性粉体が露出してしまうため、X線
光電子分光分析により測定される表面に存在する炭素元
素の含有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比
(B/A)が、0.001未満であるトナーを得ること
が困難であり、感光体の削れという問題が解決できない
ことがある。そこで、上述の諸問題を解決するため、本
発明の磁性トナーは、重合法、特に懸濁重合法により製
造することが好ましい。
【0247】本発明の磁性トナーの製造方法に係る懸濁
重合法とは、単量体および磁性粉体(更に必要に応じ
て、ワックス、着色剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の
添加剤)を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物
とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する水
系媒体(例えば水相)中に適当な撹拌機を用いて分散
し、重合開始剤を用いて懸濁重合反応を行わせ、所望の
粒径を有するトナーを得るものであり、本発明において
は好適である。
【0248】より具体的には、本発明の磁性トナーの製
造方法は、前述した磁性トナーを製造するにあたり、少
なくともスチレンモノマーを含む単量体と前記磁性粉体
とが含まれる単量体組成物を水系媒体中で過酸化物系重
合開始剤を用いて懸濁重合する懸濁重合工程を含む。
【0249】この懸濁重合法で得られる磁性重合トナー
は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているた
め、円形度が0.970以上という本発明に必須な物性
要件、さらにはモード円形度が0.99以上というより
好ましい物性を満たすトナーが得られやすく、さらにこ
ういったトナーは帯電量の分布も比較的均一となるた
め、高い転写性が得られるものである。
【0250】しかしながら、重合トナーの製造時、通常
の磁性粉体を含有させるだけでは、トナー粒子表面にお
ける磁性粉体の露出を抑えることは困難であり、さらに
は得られるトナー粒子の流動性及び帯電特性が著しく低
下するだけでなく、磁性粉体と水との間に強い相互作用
が生じることにより、円形度が0.970以上のトナー
が得られ難い。これは、第一に磁性粉体粒子は、一般的
に親水性であるためにトナー粒子表面に偏在しやすいこ
と、第二に単量体組成物を水系媒体中で懸濁する際、ま
たは重合中に懸濁液を撹拌する際に、磁性粉体が懸濁液
粒子内部で乱雑に動き、それに単量体から成る懸濁粒子
表面が引きずられ、形状が歪んで円形になりにくいこ
と、等が原因と考えられる。こういった問題を解決する
ために、上記したような表面全体が完全に処理剤で処理
された磁性粉体粒子を使用することが好ましい。
【0251】上述のカップリング剤で均一に表面処理さ
れた磁性粉体を用いることにより、円形度が0.970
以上、さらにはモード円形度が0.99以上で、X線光
電子分光分析により測定されるトナーの表面に存在する
炭素元素の含有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)
の比(B/A)が0.001未満という磁性トナーを得
ることが可能となり、このトナーを接触帯電工程を有す
る画像形成方法で用いると、感光体の削れやトナー融着
がより一層抑制され、低湿環境下においても高画質の安
定化が達成できるのである。さらには、(B/A)を
0.0005未満とすれば、高画質及び耐久安定性が格
段に向上する。
【0252】次に本発明の画像形成方法に関わる重合ト
ナーの懸濁重合法による製造方法を説明する。重合トナ
ーの製造法おいては、前述した単量体を含む単量体組成
物を重合することにより、直接的にトナー粒子が得られ
る。
【0253】本発明に係わる重合トナーの製造において
は、前記重合性単量体から構成される単量体組成物に樹
脂を添加して重合しても良い。例えば、単量体では水溶
性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすた
め使用できないアミノ基、カルボン酸基、水酸基、スル
フォン酸基、グリシジル基、ニトリル基の如き親水性官
能基を含有する単量体成分をトナー中に導入したい時に
は、これらとスチレンまたはエチレンの如きビニル化合
物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、またはグ
ラフト共重合体の如き共重合体の形にして、またはポリ
エステル、ポリアミドの如き重縮合体、ポリエーテル、
ポリイミンの如き重付加重合体の形で使用が可能とな
る。こうした極性官能基を含む高分子重合体をトナー中
に共存させると、前述のワックス成分を相分離させ、よ
り内包化が強力となり、耐オフセット性、耐ブロッキン
グ性、低温定着性の良好なトナーを得ることができる。
このような極性官能基を含む高分子重合体を使用する場
合、その重量平均分子量は5,000以上であることが
好ましい。分子量5,000未満、特に4,000以下
では、本重合体が表面付近に集中し易い事から、現像
性、耐ブロッキング性等に悪い影響が起こり易くなり好
ましくない。また、極性重合体としては特にポリエステ
ル系の樹脂が好ましい。
【0254】また、材料の分散性や定着性、または画像
特性の改良等を目的として上記以外の樹脂を単量体組成
物中に添加しても良く、用いられる樹脂としては、例え
ば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン
及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチル
アミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチ
レン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニ
ルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケ
トン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチ
レン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチ
ルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペ
ル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素
樹脂、芳香族系石油樹脂が単独または混合して使用でき
る。
【0255】これら樹脂の添加量としては、単量体10
0質量部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未
満では添加効果が小さく、一方、20質量部を超えて添
加すると重合トナーの種々の物性設計が難しくなる傾向
がある。
【0256】さらに、単量体を重合して得られるトナー
の分子量範囲とは異なる分子量の重合体を、単量体中に
溶解して重合すれば、分子量分布の広い、耐オフセット
性の高いトナーを得ることが出来る。
【0257】磁性粉体による磁性トナーの残留磁化は、
本発明の磁性トナーの説明で述べたように、磁性粉体の
使用量の調整、残留磁化の低い磁性粉体の使用、及びリ
ン元素やケイ素元素を含有させて残留磁化を低下させた
磁性粉体の使用等によって調整される。
【0258】本発明の磁性トナーを重合法により製造す
る場合は、架橋剤を添加しても良く、好ましい添加量と
しては、単量体100質量部に対して、0.001〜1
5質量部である。
【0259】ここで架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香
族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3
−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を2
個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビ
ニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン
の如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有す
る化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
【0260】本発明の磁性トナーを重合法により製造す
る場合は、一般に上述のトナー組成物、すなわち重合性
単量体中に磁性粉体、ワックス、可塑剤、荷電制御剤、
架橋剤、場合によって着色剤等トナーとして必要な成分
及びその他の添加剤、例えば重合反応で生成する重合体
の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、高分子重合
体、分散剤等を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミ
ル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機に依って
均一に溶解または分散せしめた単量体組成物を、分散安
定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。このとき、高速
撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用
して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得
られるトナー粒子の粒径がシャープになる。
【0261】本発明に係る磁性トナーを重合法により製
造する場合は、前記過酸化物系重合開始剤を使用する必
要があるが、過酸化物系重合開始剤添加の時期として
は、重合性単量体中に他の添加剤を添加すると同時に加
えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても
良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性
単量体または溶媒に溶解した重合開始剤を加える事も出
来る。造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維
持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を
行えば良い。
【0262】また、本発明の磁性トナーを重合法により
製造する場合において使用される分散安定剤としては、
公知の界面活性剤や有機・無機分散剤が使用でき、中で
も無機分散剤は、場合により画像欠陥の原因となる粒径
が過度に小さい粒子を生じ難く、主にその立体障害性に
より懸濁粒子の分散安定性を得ているので反応温度を変
化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪
影響を与え難いので、好ましく使用できる。こうした無
機分散剤の例としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネシ
ウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛の如き燐酸多価金属
塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩、
メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等
の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナの
如き無機酸化物が挙げられる。
【0263】これらの無機分散剤は、重合性単量体10
0質量部に対して、0.2〜20質量部を単独で使用す
ることが望ましいが、0.001〜0.1質量部の界面
活性剤を併用しても良い。
【0264】界面活性剤としては、例えば、ドデシルベ
ンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、
ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ス
テアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが挙げら
れる。
【0265】上記無機分散剤を用いる場合には、そのま
ま使用しても良いが、より粒度分布の狭いトナー粒子を
得るため、水系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させ
ることが出来る。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速
撹拌下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液
とを混合して、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させる
ことが出来、より均一な単量体組成物の造粒が可能とな
る。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生す
るが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量
体の水への溶解が抑制されて、乳化重合に依る超微粒ト
ナーが発生し難くなるので、より好都合である。
【0266】また、分散安定剤を用いた場合には、トナ
ー製造後にこの分散剤を除去することが望ましく、分散
剤がトナー表面に残存していると帯電性、特に環境安定
性に大きな問題が生じる場合が多いので、出来る限り除
去を行うことが好ましい。
【0267】例えば、リン酸カルシウムを分散剤として
用いた場合には、該分散剤が酸性で水に溶解する性質を
利用して、重合が終了した懸濁液に酸を添加することに
よりリン酸カルシウムを溶解し、その後濾過、水洗を繰
り返すことにより、リン酸カルシウムをほぼ完全に除去
することが可能である。リン酸カルシウムを溶解する際
には、トナー粒子の懸濁している水系媒体のpHを4未
満、より好ましくは2未満とすることで短時間にリン酸
カルシウムの除去が可能である。
【0268】前述したように、例えば、重合の際に分散
安定剤として燐酸カルシウムを用いた場合には、これを
溶解、除去するために、分散剤の付着したトナー粒子と
pH4未満の水を接触させることが好ましい形態である
が、その工程の前にトナー中の過酸化物系重合開始剤由
来のカルボン酸を除去するために、アルカリ性に処理し
た水系媒体とトナー粒子とを実質的に分離することが、
本発明においてはさらに好ましい形態である。
【0269】本発明のトナーの懸濁重合過程で用いられ
る「水系媒体」は、前記同様、水を主要成分としている
媒体である。具体的には、水系媒体として水そのもの、
水に少量の界面活性剤を添加したもの、水にpH調整剤
を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げら
れる。
【0270】また、上記単量体組成物を水系媒体中で造
粒および重合する際には、単量体組成物と水系媒体との
質量比を20:80〜60:40の範囲とすると、シャ
ープな粒度分布とすることができることから好ましい。
さらに30:70〜50:50の範囲とすると、磁性粉
体の分散が良好で、変動係数の小さい非常にシャープな
粒度分布となり特に好ましい。
【0271】前記重合工程においては、重合温度は40
℃以上、一般には50〜120℃の温度に設定して重合
を行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられ
るべきワックス類が、相分離により析出して内包化がよ
り完全となることから好ましい。
【0272】重合トナー粒子は重合終了後、濾過、洗
浄、乾燥を行い、公知の方法によって無機微粉体を混合
し表面に付着させることで、トナーを得ることができ
る。
【0273】より詳しくは、重合終了後に重合トナー粒
子を含む懸濁液をアルカリ性に(より好ましくはpH1
0〜12に調整)し、濾過等の操作によって重合トナー
粒子と水系媒体とを実質的に分離する。このような操作
によって前述したように過酸化物系重合開始剤から生じ
るカルボン酸を効率よく除去することができる。
【0274】また、上記カルボン酸の分離工程後に、重
合トナー粒子を酸性水系(より好ましくはpH4未満)
と接触させることにより、分散安定剤としてリン酸カル
シウム等の難水溶性金属塩を使用した場合での分散安定
剤を効率よく除去することができる。
【0275】また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や
微粉をカットすることも、本発明の望ましい形態の一つ
である。
【0276】 <4>本発明の画像形成方法および画像形成装置 本発明の画像形成方法は、帯電部材に電圧を印加し、像
担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された像担持体
に、静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、像担持
体に形成された静電潜像に、トナー担持体上に担持され
たトナーを転移させてトナー像を像担持体上に現像する
現像工程と、像担持体上に形成されたトナー像を転写材
に静電転写させる転写工程とを有し、像担持体上に繰り
返して作像が行われる画像形成方法であって、トナーと
して、本発明の磁性トナーを用いることを特徴とする。
【0277】本発明の画像形成方法においては、帯電工
程において、帯電部材を像担持体である感光体に当接部
を形成するように当接させて、電圧を印加することによ
り像担持体である感光体を帯電させる直接帯電法を用い
ることが好ましい。
【0278】本発明の画像形成装置は、本発明の画像形
成方法を用いたものであり、即ち、静電潜像を担持する
ための像担持体と、帯電部材に電圧を印加し、像担持体
を帯電させる帯電手段と、帯電された像担持体に、静電
潜像を形成させる静電潜像形成手段と、像担持体に形成
された静電潜像に、トナー担持体上に担持されたトナー
を転移させてトナー像を像担持体上に形成させる現像手
段と、前記感光体表面に形成されたトナー像を転写材に
静電転写する転写手段とを有する画像形成装置であっ
て、トナーとして、本発明の磁性トナーを用いることを
特徴とする。
【0279】なお、本発明の画像形成装置を構成する各
手段については、上記の作用、または後述する画像形成
方法を実現する手段であれば良く、従来より知られてい
る種々の手段を利用することもできる。また、本発明の
画像形成方法及び画像形成装置では、上記の他にも、本
発明の技術分野において知られている他の工程や手段等
を含むものであっても良い。
【0280】次に、本発明の画像形成方法および画像形
成装置の実施形態を図に沿って詳細に説明するが、本発
明はこれらに限定されない。
【0281】図1において、像担持体としての感光体1
00の周囲に、接触帯電部材である帯電ローラ117、
現像手段である現像装置140、転写手段である転写ロ
ーラ114、クリーナー116、給紙ローラ124が設
けられている。そして感光体100は、帯電ローラ11
7によって−700Vに帯電される。(印加電圧は交流
電圧Vpp=2.0kV(Vpp:ピーク間電位)、直
流電圧−700Vdc)そして、レーザビームスキャナ
121によりレーザー光123を感光体100に照射す
る事によって露光される。感光体100上の静電潜像は
現像装置140によって一成分磁性トナーで現像され、
転写材を介して感光体に当接された転写ローラ114に
より転写材上へ転写される。トナー像をのせた転写材P
は、搬送ベルト125等により定着装置126へ運ばれ
転写材P上に定着される。また、一部感光体上に残され
たトナーはクリーニング手段であるクリーナー116に
よりクリーニングされる。
【0282】現像装置140は、図2に示すように感光
体100に近接して、アルミニウム、ステンレスの如き
非磁性金属で作られた円筒状のトナー担持体102(以
下、「現像スリーブ」ともいう)およびトナーを収容し
ているトナー容器が配設され、感光体100と現像スリ
ーブ102との間隙は、図示されないスリーブ/感光体
間隙保持部材等により約300μmに維持されている。
この間隙は、必要により変更可能である。現像スリーブ
102内にはマグネットローラ104が、現像スリーブ
102と同心的に固定、配設されている。但し、現像ス
リーブ102は回転可能である。マグネットローラ10
4には図示の如く複数の磁極が具備されており、S1は
現像、N1はトナーコート量規制、S2はトナーの取り
込み/搬送、N2はトナーの吹き出し防止に影響してい
る。141は、攪拌部材であり、現像装置内のトナーの
攪拌を行っている。
【0283】また、現像装置は、現像スリーブ102に
付着して搬送される磁性トナー量を規制するトナー層厚
規制部材として、弾性ブレード103が配設され、弾性
ブレード103の現像スリーブ102に対する当接圧に
より現像領域に搬送されるトナー量が制御される。現像
領域では、感光体100と現像スリーブ102との間に
直流電圧及び/又は交流電圧の現像バイアスが印加さ
れ、現像スリーブ102上のトナーは静電潜像に応じて
感光体100上に飛翔し可視像となる。
【0284】上記図1のように帯電ローラを用いたとき
の好ましいプロセス条件として、ローラの当接圧が4.
9〜490N/m(5〜500g/cm)で、直流電圧
または直流電圧に交流電圧を重畳したものが用いられ
る。直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いる場合
は、交流電圧=0.5〜5kV(Vpp)、交流周波数
=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kV
が好ましい。
【0285】本発明の画像形成方法における帯電工程に
おける帯電手段としては、被帯電体であり像担持体でも
ある感光体に、図1における上記帯電ローラであるロー
ラ型(帯電ローラ)の他に、ファーブラシ型、磁気ブラ
シ型、ブレード型(帯電ブレード)の導電性の帯電部材
(接触帯電部材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯
電部材に所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定
の極性・電位に帯電させる接触帯電装置を用いることが
できる。これらの接触帯電部材を用いた帯電手段では、
高電圧が不要になったり、オゾンの発生を抑制すること
ができるといった効果がある。
【0286】接触帯電部材としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、転写
残トナーの付着を軽減することを目的としてその表面に
離型性被膜を設けてもよい。離型性被膜としては、ナイ
ロン系樹脂、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)、PV
dC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリル樹脂が適
用可能である。
【0287】接触帯電部材に対する印加帯電バイアスは
直流電圧のみでも良好な帯電性を得ることが可能である
が、図1に示す上記装置のように直流電圧に交流電圧
(交番電圧)を重畳してもよい。
【0288】このときの交流電圧は、2×Vth(Vt
h:直流電圧印加における放電開始電圧)(V)未満の
ピーク電圧を有するものであるのが好ましい。
【0289】直流電圧に印加される交流電圧のピーク電
圧が、2×Vth未満でないと、像担持体上の電位が不
安定になることがあり好ましくない。直流電圧に交流電
圧を重畳されたバイアスを印加する際の交流電圧とし
て、より好ましくはVth未満のピーク電圧を有するも
のである。それにより、実質的な放電現象を伴うことな
く、像担持体を帯電させることができる。
【0290】交流電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波が適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波
であっても良い。このように交流電圧の波形としては周
期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0291】本発明の画像形成方法は、転写工程後、感
光体に残留したトナーを現像工程において回収する現像
兼クリーニング工程またはクリーナーレス工程を有する
画像形成方法であることが好ましい。
【0292】さらに、現像兼クリーニング画像形成方法
またはクリーナーレス画像形成方法において、現像工程
はトナーによって像担持体上の静電潜像を現像する工程
であり、帯電工程は像担持体と当接部を形成して接触す
る帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電
する工程であり、且つ少なくとも帯電部材と像担持体と
の当接部及び/又はその近傍に、本導電性微粉体が介在
していることが好ましい。該導電性微粉体は、磁性トナ
ー中に含有させておき、現像工程で像担持体に付着さ
せ、転写工程で転写されずに像担持体上に残留するよう
にして、帯電部材と像担持体との当接部に介在させるこ
とが好ましい。
【0293】まず、現像兼クリーニング画像形成方法に
おいて、磁性トナー粒子に導電性微粉体を外部添加した
場合の画像形成プロセス中でのトナー粒子及び導電性微
粉体の挙動を説明する。
【0294】トナーに含有させた導電性微粉体は、現像
工程において像担持体上の静電潜像に、トナー粒子とと
もに適当量が像担持体側に移行する。
【0295】像担持体上のトナー像は、転写工程におい
て転写材側に転移する。像担持体上の導電性微粉体も一
部は転写材側に付着するが、残りは像担持体上に付着保
持されて残留する。トナーと逆極性の転写バイアスを印
加して転写を行う場合には、トナーは転写材側に引かれ
て積極的に転移するが、像担持体上の導電性微粉体は導
電性であることで、転写材側には積極的には転移せず、
一部は転写材側に付着するものの、残りは像担持体上に
付着保持されて残留する。
【0296】クリーナーを用いない画像形成方法では、
転写後の像担持体面に残存の転写残トナーおよび上記の
残存導電性微粉体は、像担持体と接触帯電部材の当接部
である帯電部に像担持体面の移動でそのまま持ち運ばれ
て、接触帯電部材に付着・混入する。従って、像担持体
と接触帯電部材との当接部に導電性微粉体が介在した状
態で像担持体の接触帯電が行われる。
【0297】この導電性微粉体の存在により、接触帯電
部材への転写残トナーの付着・混入による汚染にかかわ
らず、接触帯電部材の像担持体への緻密な接触性と接触
抵抗を維持できるため、該接触帯電部材による像担持体
の帯電を良好に行わせることができる。また、接触帯電
部材に付着・混入した転写残トナーは、帯電部材から像
担持体へ印加される帯電バイアスによって、帯電バイア
スと同極性に帯電を揃えられて接触帯電部材から徐々に
像担持体上に吐き出され、像担持体面の移動とともに現
像部に至り、現像工程において現像兼クリーニング(回
収)される。
【0298】更に、トナーに含有させて導電性微粉体の
供給を行っているため、画像形成を繰り返すたびに、導
電性微粉体が、現像部で像担持体面に移行し該像担持面
の移動により転写部を経て帯電部に持ち運ばれて帯電部
に逐次に供給され続けるため、帯電部において導電性微
粉体が脱落等で減少、或いは劣化するなどしても、帯電
性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定
して維持される。
【0299】更なる解決すべき課題として、従来の画像
形成方法において、像担持体と接触帯電部材との当接部
に積極的に導電性微粉体を存在させ、接触帯電部材への
絶縁性の転写残トナーの付着・混入による帯電阻害に打
ち勝って像担持体の帯電を良好に行わせるために必要量
の導電性微粉体をトナーに含有させた場合、トナーカー
トリッジ内でトナー量が少なくなるまで使用された際に
画像濃度低下またはカブリの増大により、良好な画像品
位が保持できないことがある。
【0300】従来のクリーニング機構を有する画像形成
装置においても、トナーに導電性微粉体を含有させた場
合、現像工程において選択的に導電性微粉体が消費され
たり、または逆に選択的に導電性微粉体が残ったりして
しまうことによるトナー中での導電性微粉体の含有割合
の変動により、トナーカートリッジ内でトナー量が少な
くなるまで使用された際には、画像濃度低下またはカブ
リの増大を生ずることがある。このため、導電性微粉体
をトナー粒子に固着させるなどして、導電性微粉体の選
択的な消費または偏析を低減し、画像濃度低下、カブリ
の増大等による画像性の低下を防止することが知られて
いる。
【0301】導電性微粉体を含有させたトナーを、現像
兼クリーニング画像形成方法に適用した場合には、導電
性微粉体の含有割合の変動が、画像特性に対してより大
きな影響を与える。
【0302】クリーナーを用いない画像形成方法におい
ては、転写後の像担持体面に残存の転写残トナーおよび
上記の残存導電性微粉体は、接触帯電部材に付着・混入
する。このとき、接触帯電部材に付着・混入する導電性
微粉体の転写残トナーに対する量の比率は、導電性微粉
体とトナー粒子の転写性の差から、元のトナー中での導
電性微粉体の量比率よりも明らかに多くなる。
【0303】この状態で接触帯電部材に付着・混入した
導電性微粉体は、転写残トナーと共に接触帯電部材から
徐々に像担持体上に吐き出されて像担持体面の移動とと
もに現像部に至り、現像工程において現像兼クリーニン
グ(回収)される。すなわち、現像兼クリーニングによ
って、導電性微粉体の比率が著しく多いトナーが回収さ
れることにより、導電性微粉体の含有割合の変動が大幅
に加速され、著しい画像濃度低下等による画像性の低下
を招くことになる。
【0304】これに対して、従来のクリーニング機構を
有する画像形成装置における場合と同様に、トナー粒子
に導電性微粉体を固着させて導電性微粉体の含有割合の
変動を抑制しようとすると、転写工程においても導電性
微粉体がトナー粒子とともに挙動するため、トナー粒子
とともに転写材側に転移してしまい、接触帯電部材に付
着・混入して帯電部において導電性微粉体が介在するこ
とができず、または介在したとしても転写残トナー量に
対して導電性微粉体の介在量が不十分となり、転写残ト
ナーによる帯電性阻害に打ち勝って帯電性を維持するこ
とができず、また、接触帯電部材の像担持体への緻密な
接触性と接触抵抗を維持できず、接触帯電部材による像
担持体の帯電性が低下し、カブリ及び画像汚れを生じて
しまいやすくなる。
【0305】接触帯電部材を用いた現像兼クリーニング
画像形成方法に導電性微粉体を含有させたトナーを適用
するには、上述のような困難があるが、本発明におい
て、これに対し、上記したようにトナーの体積平均粒径
を3〜10μmとすることで、オゾンの発生を低減でき
る接触帯電部材を用い廃トナーを生じないクリーナーレ
ス画像形成方法で、良好な帯電性を維持しつつ導電性微
粉体の偏析を大幅に緩和し、画像濃度低下等の画像性の
低下を実用上問題無いレベルまで改良できる。
【0306】像担持体と接触帯電部材との当接部におけ
る導電性微粉体の介在量は、少なすぎると、該導電性微
粉体による潤滑効果が十分に得られず、像担持体と接触
帯電部材との摩擦が大きくて接触帯電部材を像担持体に
速度差を持って回転駆動させることが困難である。つま
り、駆動トルクが過大となるし、無理に回転させると接
触帯電部材や像担持体の表面が削れてしまう。更に導電
性微粉体による接触機会増加の効果が得られないことも
あり十分な帯電性能が得られない。一方、介在量が多過
ぎると、導電性微粉体の接触帯電部材からの脱落が著し
く増加し作像上に悪影響が出ることがある。
【0307】上記のことから、像担持体と接触帯電部材
との当接部における導電性微粉体の介在量は1×103
〜5×105個/mm2が好ましく、より好ましくは1×
104〜5×105個/mm2が良い。1×103個/mm
2より低いと十分な潤滑効果と接触機会が得られず帯電
性能の低下が生じることがある。1×104個/mm2
り低いと転写残トナーが多い場合に帯電性能の低下が生
じることがある。
【0308】導電性微粉体の塗布密度範囲は、導電性微
粉体をどれぐらいの密度で像担持体上に塗布することで
均一帯電性の効果が得られるかでも決定される。
【0309】帯電時は少なくともこの記録解像度よりは
均一な接触帯電が必要なことは言うまでもない。
【0310】しかしながら人間の目の視覚特性に関し
て、空間周波数が10cycles/mm以上では、画
像上の識別諧調数が限りなく1に近づいていく、すなわ
ち濃度ムラを識別できなくなる。この特性を積極的に利
用すると、像担持体上に導電性微粉体を付着させた場
合、少なくとも像担持体上で10cycles/mm以
上の密度で導電性微粉体を存在させ、直接注入帯電を行
えば良いことになる。たとえ導電性微粉体の存在しない
ところにミクロな帯電不良が発生したとしても、その帯
電不良によって発生する画像上の濃度ムラは、人間の視
覚特性を越えた空間周波数領域に発生するため、画像上
では問題は無いことになる。
【0311】導電性微粉体の塗布密度が変化したとき
に、画像上に濃度ムラとしての帯電不良が認知されるか
どうかについては、導電性微粉体がわずかにでも塗布さ
れれば(例えば10個/mm2)、帯電ムラ発生の抑制
に効果が認められるが、画像上の濃度ムラが人間にとっ
て許容可能かどうかと言う点においてはまだ不十分であ
る。
【0312】ところがその塗布量を1×102個/mm2
以上とすると、画像の客観評価において急激に好ましい
結果が得られるようになる。更に、塗布量を1×103
個/mm2以上と増加させていくことにより、帯電不良
に起因する画像上の問題点は皆無となる。
【0313】直接注入帯電方式による帯電では、放電帯
電方式とは根本的に異なり、帯電部材が感光体に確実に
接触する事で帯電が行われている訳であるが、たとえ導
電性微粉体を像担持体上に過剰に塗布したとしても、接
触できない部分は必ず存在する。ところが本発明の人間
の視覚特性を積極的に利用した導電性微粉体の塗布を行
うことで、実用上この問題点を解決する。
【0314】しかしながら、直接注入帯電方式を現像兼
クリーニング画像形成における潜像担持体の一様帯電と
して適用する場合には、転写残トナーの帯電部材への付
着または混入による帯電特性の低下が生ずる。転写残ト
ナーの帯電部材への付着及び混入を抑制し、または転写
残トナーの帯電部材への付着または混入による帯電特性
への悪影響に打ち勝って、良好な直接注入帯電を行うに
は、像担持体と接触帯電部材との当接部における導電性
微粉体の介在量が1×104個/mm2以上であることが
好ましい。
【0315】また、導電性微粉体の塗布量の上限値は、
導電性微粉体が像担持体上に1層均一に塗布されるまで
であり、それ以上塗布されても効果が向上するわけでは
なく逆に、露光源を遮ったり、散乱させたりという弊害
が生じる。
【0316】塗布密度上限値は導電性微粉体の粒径によ
っても変わってくるために、一概にはいえないが、強い
て記述するならば、導電性微粉体が像担持体上に1層均
一に塗布される量が上限である。
【0317】導電性微粉体の量は、5×105個/mm2
を超えると、導電性微粉体の像担持体への脱落が著しく
増加し、粒子自体の光透過性を問わず、像担持体への露
光量不足が生じることがある。5×105個/mm2以下
では脱落する粒子量も低く抑えられ露光の阻害を改善で
きる。該介在量範囲において像担持体上に脱落した粒子
の存在量を測ると1×102〜1×105個/mm2であ
ったことから、作像上弊害がない該存在量としては1×
104〜5×105個/mm2の介在量が好ましい。
【0318】帯電当接部での導電性微粉体の介在量及び
静電潜像形成工程での像担持体上の導電性微粉体の存在
量の測定方法について述べる。導電性微粉体の介在量
は、接触帯電部材と像担持体の接触面部を直接測ること
が望ましいが、当接部を形成する接触帯電部材の表面と
像担持体の表面には速度差を設けている場合、接触帯電
部材に接触する前に像担持体上に存在した粒子の多くは
逆方向に移動しながら接触する帯電部材に剥ぎ取られる
ことから、本発明においては、接触面部に到達する直前
の接触帯電部材表面の粒子量をもって介在量とする。
【0319】具体的には、帯電バイアスを印加しない状
態で像担持体及び導電性弾性ローラの回転を停止し、像
担持体及び導電性弾性ローラの表面をビデオマイクロス
コープ(OLYMPUS製OVM1000N)及びデジ
タルスチルレコーダ(DELTIS製SR−3100)
で撮影する。導電性弾性ローラについては、導電性弾性
ローラを像担持体に当接するのと同じ条件でスライドガ
ラスに当接し、スライドガラスの背面からビデオマイク
ロスコープにて接触面を1000倍の対物レンズで10
箇所以上撮影する。得られたデジタル画像から個々の粒
子を領域分離するため、ある閾値を持って2値化処理
し、粒子の存在する領域の数を所望の画像処理ソフトを
用いて計測する。また、像担持体上の存在量についても
像担持体上を同様のビデオマイクロスコープにて撮影し
同様の処理を行い計測する。
【0320】また、本発明の画像形成方法において、接
触帯電部材は、接触帯電部材と像担持体との間に導電性
微粉体を介在させる当接部を設ける上で弾性を有するこ
とが好ましく、接触帯電部材に電圧を印加することによ
り像担持体を帯電するために導電性であることが好まし
い。従って、接触帯電部材は導電性弾性のローラ部材、
磁性粒子を磁気拘束させた磁気ブラシ部を有し該磁気ブ
ラシ部を感光体に接触させた磁気ブラシ接触帯電部材ま
たは導電性繊維から構成されるブラシ部材等であること
が好ましく良い。
【0321】本発明において、接触帯電部材として用い
る導電性弾性のローラ部材の硬度は、アスカーC硬度が
50度以下であることが好ましい。硬度が低すぎると形
状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くなり、
更に、帯電部材と像担持体との当接部に導電性微粉体を
介在させることでローラ部材表層を削りまたは傷つけ、
安定した帯電性が得られない。また、硬度が高すぎると
像担持体(以下、「被帯電体」ともいう)との間に帯電
当接部を確保できないだけでなく、被帯電体表面へのミ
クロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度25〜5
0度が好ましい範囲である。
【0322】なお、アスカーC硬度は、高分子計器
(株)製ASKER C型ゴム硬度計を用い、SRIS
(日本ゴム協会標準規格)に準じて測定する。
【0323】ローラ部材は、弾性を持たせて被帯電体と
の十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電体を
充電するに十分低い抵抗を有する電極として機能するこ
とが重要である。一方では、被帯電体にピンホールなど
の欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必
要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた場
合、十分な帯電性と耐リークを得るには、体積抵抗値1
×103〜1×108Ω・cmの抵抗であることが良く、
より好ましくは1×104〜1×107Ω・cmの体積抵
抗値であることが良い。
【0324】ローラ部材の体積抵抗値は、ローラの芯金
に総圧1kgの加重がかかるよう直径30mmの円筒状
アルミドラムにローラを圧着した状態で、芯金とアルミ
ドラムとの間に100Vを印加し、計測することができ
る。後述する本実施例においても、同様に測定できる。
【0325】本発明におけるローラ部材は、例えば、芯
金上に可撓性部材としてのゴムまたは発泡体の中抵抗層
を形成することにより作成され得る。中抵抗層は樹脂
(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラ
ック)、硫化剤、発泡剤により処方され、芯金の上にロ
ーラ状に形成する。その後必要に応じて切削、表面を研
磨して形状を整えローラ部材を作成することができる。
該ローラ部材表面は導電性微粒子を介在させるために微
少なセルまたは凹凸を有していることが好ましい。
【0326】このセルは、球形換算での平均セル径が5
〜300μmである窪みを有しており、上記窪みを空隙
部としたローラ部材の表面の空隙率は15〜90%であ
るのが好ましい。
【0327】ローラ部材の表面の平均セル径が5μmよ
り小さい場合は、導電性微粉体の供給が不足し、300
μmを越える場合は、導電性微粉体の供給が過剰とな
り、いずれも像担持体の帯電電位が不均一となることが
あるから好ましくない。また、空隙率が15%より少な
いと、導電性微粉体の供給が不足し、90%を越えると
供給が過剰となり、いずれも像担持体の帯電電位が不均
一となることがあるから好ましくない。
【0328】ローラ部材の材質としては、弾性発泡体に
限定するものでは無く、弾性体の材料として、チレン−
プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ウレタ
ン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリ
コーンゴムや、イソプレンゴムに抵抗調整のためにカー
ボンブラックや金属酸化物の如き導電性物質を分散した
ゴム材や、またこれらを発泡させたものがあげられる。
また、導電性物質を分散せずに、または導電性物質と併
用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすること
も可能である。
【0329】また、ローラ部材に用いられる芯金として
は、アルミニウム、SUSが挙げられる。
【0330】ローラ部材は、像担持体としての被帯電体
に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設
し、ローラ部材と像担持体の当接部である帯電当接部を
形成させる。この帯電当接部幅は、特に制限されるもの
ではないが、ローラ部材と像担持体の安定して密な密着
性を得るため1mm以上、より好ましくは2mm以上が
良い。
【0331】また、接触帯電部材としてのブラシ部材と
しては、一般に用いられている繊維に導電材を分散させ
て抵抗調整された帯電ブラシが挙げられる。繊維として
は、一般に知られている繊維が使用可能であり、例えば
ナイロン、アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポ
リエステルが挙げられる。導電材としては、一般に知ら
れている導電材が使用可能であり、例えば、ニッケル、
鉄、アルミニウム、金、銀の如き導電性金属または酸化
鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン
の如き導電性金属の酸化物、更にはカーボンブラックの
如き導電粉が挙げられる。なお、これら導電材は必要に
応じ疎水化、抵抗調整の目的で表面処理が施されていて
もよい。使用に際しては、繊維との分散性や生産性を考
慮して選択して用いる。
【0332】接触帯電部材として帯電ブラシを用いる場
合には、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロ
ール状帯電ブラシとしては、例えば、導電性繊維をパイ
ル地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き
付けてロールブラシとすることができる。導電性繊維は
繊維の太さが1〜20デニール(繊維径10〜500μ
m程度)、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ
密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メー
トル当たり1.5×107〜4.5×108の本程度)の
ものが好ましく用いられる。
【0333】帯電ブラシは、極力ブラシ密度の高い物を
使用することが好ましく、1本の繊維を数本?数百本の
微細な繊維から作ることも好ましく良い。例えば、30
0デニール/50フィラメントのように300デニール
の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛する
ことも可能である。しかしながら、本発明においては、
直接注入帯電の帯電ポイントを決定しているのは、主に
は帯電部材と像担持体との帯電当接部及びその近傍の導
電性微粉体の介在密度に依存しているため、帯電部材の
選択の範囲は広められている。
【0334】帯電ブラシに用いられる芯金としては、帯
電ローラ部材に用いられるものと同様のものが挙げられ
る。
【0335】帯電ブラシの体積抵抗値は、ローラ部材の
場合と同様に十分な帯電性と耐リークを得るには1×1
3〜1×108Ω・cmの抵抗であることが良く、より
好ましくは1×104〜1×107Ω・cmの抵抗である
ことが良い)。
【0336】帯電ブラシの材質としては、ユニチカ
(株)製の導電性レーヨン繊維REC−B、REC−
C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)
製のSA−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネ
ボウ製のベルトロン、クラレ(株)製のクラカーボ、レ
ーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)
製のローバル等があるが、環境安定性の点でREC−
B、REC−C、REC−M1、REC−M10が特に
好ましく挙げられる。
【0337】また、接触帯電部材が可撓性を有している
ことが、接触帯電部材と像担持体の当接部において導電
性微粉体が像担持体に接触する機会を増加させ、高い接
触性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させる点
で好ましく良い。つまり、接触帯電部材が導電性微粉体
を介して密に像担持体に接触して、接触帯電部材と像担
持体の当接部に存在する導電性微粉体が像担持体表面を
隙間なく摺擦することで、接触帯電部材による像担持体
の帯電は帯電促進粒子の存在により放電現象を用いない
安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となり、従来のロ
ーラ帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られ、
接触帯電部材に印加した電圧とほぼ同等の電位を像担持
体に与えることができる。
【0338】更に、当接部を形成する帯電部材の表面の
移動速度と像担持体の表面の移動速度には、相対的速度
差を設けることで、接触帯電部材と像担持体の当接部に
おいて、導電性微粉体が像担持体に接触する機会を格段
に増加させ、より高い接触性を得ることができ、直接注
入帯電性を向上させる点で好ましく良い。
【0339】接触帯電部材と像担持体との当接部に導電
性微粉体を介在させることにより、つまり導電性微粉体
の潤滑効果(摩擦低減効果)により、接触帯電部材と像
担持体との間に大幅なトルクの増大及び接触帯電部材及
び像担持体表面の顕著な削れ等を伴うことなく速度差を
設けることが可能となる。
【0340】帯電部に持ち運ばれる像担持体上の転写残
トナーを接触帯電部材に一時的に回収し均すために、接
触帯電部材と像担持体は、当接部において互いに逆方向
に移動させることが好ましく良い。例えば、接触帯電部
材を回転駆動し、さらに、その回転方向は像担持体表面
の移動方向とは逆方向に回転するように構成することが
望ましい。即ち、逆方向回転で像担持体上の転写残トナ
ーを一旦引き離し帯電を行うことにより優位に直接注入
帯電を行うことが可能である。
【0341】帯電部材を像担持体表面の移動方向と同じ
方向に移動させて速度差をもたせることも可能である
が、直接注入帯電の帯電性は像担持体の周速と帯電部材
の周速の比に依存するため、逆方向と同じ周速比を得る
には順方向では帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて
大きくなるので、帯電部材を逆方向に移動させる方が回
転数の点で有利である。
【0342】速度差を設ける構成としては、接触帯電部
材を回転駆動して像担持体と該接触帯電部材に速度差を
設けることができる。ここで記述した周速比は、下式
(V)で表せる(帯電部材周速は当接部において帯電部
材表面が像担持体表面と同じ方向に移動するとき正の値
である)。 周速比(%)=(帯電部材周速/像担持体周速)×100 式(V) 相対速度差を示す指標としては、次式(VI)で表され
る相対移動速度比がある。 相対移動速度比(%)=|(Vc−Vp)/Vp|×100 式(VI) (式中、Vcは帯電部材表面の移動速度、Vpは像担持
体表面の移動速度であり、Vcは、当接部において帯電
部材表面が像担持体表面と同じ方向に移動するとき、V
pと同符号の値とする。) 相対移動速度比は、通常には10〜500%である。
【0343】像担持体上の転写残トナーを一時的に回収
するとともに導電性微粉体を担持し直接注入帯電を優位
に実行する上でも、接触帯電部材として前述したような
可撓性部材である導電性弾性のローラ部材または回動可
能な帯電ブラシロールを用いることが好ましい。
【0344】また、本発明の画像形成方法において、像
担持体の最表面層の体積抵抗値は、1×109〜1×1
14Ω・cmであることにより、より良好な帯電性を与
えることができるため好ましい。電荷の直接注入による
帯電方式においては、被帯電体である感光体側の抵抗を
下げることでより効率良く電荷の授受が行えるようにな
る。このためには、最表面層の体積抵抗値としては1×
1014Ω・cm以下であることが好ましく良い。一方、
像担持体として静電潜像を一定時間保持する必要するた
めには、最表面層の体積抵抗値としては1×109Ω・
cm以上であることが好ましく良い。
【0345】更に、像担持体が電子写真感光体であり、
該電子写真感光体の最表面層の体積抵抗値が1×109
〜1×1014Ω・cmであることにより、プロセススピ
ードの速い装置においても、十分な帯電性を与えること
ができより好ましい。
【0346】また、像担持体は、光導電性物質を利用し
た感光体であることが好ましく、より具体的にはアモル
ファスセレン、CdS、ZnO2、アモルファスシリコ
ン又は有機系感光物質の様な光導電絶縁物質層を持つ感
光ドラムもしくは感光ベルトであることが好ましく、ア
モルファスシリコン感光層、又は有機感光層を有する感
光体が特に好ましく用いられる。
【0347】また、本発明において、感光体表面の水に
対する接触角は85度以上であることが好ましく、この
ような感光体とするには、感光体表面が高分子結着剤を
主体とし、さらに離型性を付与することによって構成さ
れるものを用いることができる。例えば、セレン、アモ
ルファスシリコンの如き無機感光体の上に樹脂を主体と
した表面層を設ける場合、又は機能分離型感光体の電荷
輸送層として、電荷輸送物質と樹脂からなる表面層をも
つ場合、さらにその上に上記のような表面層を設ける場
合等がある。このような表面層に離型性を付与する手段
としては、下記のことが挙げられる。 (1)膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いも
のを用いる。 (2)撥水、親油性を付与するような添加剤を加える。 (3)高い離型性を有する材料を粉体状にして樹脂中に
分散する。
【0348】(1)の例としては、樹脂の構造中にフッ
素含有基、シリコーン含有基等を導入することにより達
成する。(2)としては、界面活性剤等を添加剤とすれ
ばよい。(3)の材料である離型性粉体としては、フッ
素原子を含む化合物、すなわちポリ四フッ化エチレン、
ポリフッ化ビニリデン、フッ化カーボンが挙げられる。
【0349】これらの手段によって感光体表面の水に対
する接触角を85度以上とすることができ、トナーの転
写性及び感光体の耐久性を一層向上させることができ
る。好ましくは90度以上がよい。この中でも特にポリ
4フッ化エチレンが好適である。本発明においては、
(3)の含フッ素樹脂などの離型性粉体の最表面層への
分散する手段が好適である。この場合、表面層の樹脂に
加える離型性粉体の量を多くすれば、水に対する接触角
を大きくすることができる。
【0350】接触角の測定は、滴下式の接触角計により
水の自由表面が感光体に接する場所で、液面と感光体表
面のなす角(液の内部にある角)で定義する。
【0351】なお、上記測定は室温(約21〜25℃)
で行われるものとする。
【0352】離型性粉体を表面に含有させるためには、
バインダー樹脂中に上記離型性粉体を分散させた層を感
光体最表面に設けるか、または、元々樹脂を主体として
構成されている有機感光体であれば、新たに表面層を設
けなくても、最上層に離型性粉体を分散させれば良い。
添加量は、表面層総質量に対して、1〜60質量%、さ
らには、2〜50質量%が好ましい。1質量%より少な
いとトナーの転写性及び感光体の耐久性改善の効果が不
十分であり、60質量%を超えると膜の強度が低下した
り、感光体への入射光量が著しく低下したりするため、
好ましくない。
【0353】本発明は、帯電手段が帯電部材を、像担持
体である感光体に当接部を形成するように当接させて、
電圧を印加することにより感光体を帯電させる直接帯電
法が必須構成であるが、帯電手段が感光体に接すること
のないコロナ放電等による方法にくらべて感光体表面に
対する負荷が大きいので、本発明において感光体を上記
の構成に変わって下記の構成とすることがより好まし
い。
【0354】有機感光層として、感光層が電荷発生物質
及び電荷輸送物質を同一に含有する単一層型でもよく、
または電荷輸送層と電荷発生層を有する機能分離型感光
層であっても良い感光層を用いる。即ち、導電性基板上
に有機感光層を設け、その表面に保護層を設ける。導電
性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層さ
れている構造の積層型感光層は好ましい例の一つであ
る。
【0355】導電性基体としては、アルミニウム・ステ
ンレスの如き金属、アルミニウム合金・酸化インジウム
−酸化錫合金による被膜層を有するプラスチック、導電
性粒子を含侵させた紙・プラスチック、導電性ポリマー
を有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフィル
ムが挙げられる。
【0356】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上・塗工性改良・基体の保護・基体上に欠陥の被覆・
基体からの電荷注入性改良・感光層の電気的破壊に対す
る保護等を目的として、下引き層を設けても良い。下引
き層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミ
ダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、
メチルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール
樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカ
ワ、ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミニウムによっ
て形成されうる。その膜厚は通常0.1〜10μm、好
ましくは0.1〜3μm程度であるのが好ましい。
【0357】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素、セレン・
非晶質シリコンの如き無機物質の電荷発生物質を適当な
結着剤に分散し塗工するか、または蒸着する等により形
成される。電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、
広範囲な結着樹脂から選択できるが、例えば、ポリカー
ボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、酢酸ビニル樹脂の如き樹脂が挙げられる。電荷発生
層中に含有される結着樹脂の量は80質量%以下、好ま
しくは0〜40質量%である。また、電荷発生層の膜厚
は5μm以下、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0358】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、
アントラセン、ピレン、フェナントレンといった構造を
有する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、
オキサジアゾール、ピラゾリンの如き含窒素環式化合
物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、セレン、セレ
ン−テルル、非晶質シリコン、硫化カドニウムが挙げら
れる。また、これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ポリビニルアントラセンの如き有機光導電
性ポリマーが挙げられる。
【0359】表面層として保護層を設けてもよい。保護
層の樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、または
これらの樹脂を硬化剤により硬化した樹脂が単独あるい
は二種以上組み合わされて用いられる。
【0360】また、保護層の樹脂中に導電性微粒子を分
散していることが好ましい。そのような導電性微粒子の
例としては、金属、金属酸化物が挙げられ、好ましく
は、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモ
ン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被膜酸化
チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被膜酸化
スズ、酸化ジルコニウムの如き金属酸化物の超微粒子が
ある。これらは単独で用いても二種以上を混合して用い
ても良い。
【0361】さらに保護層の樹脂中には、潤滑性微粒子
が分散されることが好ましい。潤滑性微粒子としては、
フッ素樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子及びポリオレフ
ィン系樹脂粒子から選ばれる少なくとも一種以上を用い
る。
【0362】一般的に保護層に粒子を分散させる場合、
分散粒子による入射光の散乱を防ぐために入射光の波長
よりも粒子の粒径の方が小さいことが必要であり、本発
明における保護層に分散される導電性微粒子、絶縁性の
潤滑性微粒子の体積平均粒径としては0.5μm以下で
あることが好ましい。また、保護層中でのこれらの含有
量は、保護層総質量に対して2〜90質量%が好まし
く、5〜80質量%がより好ましい。2質量%より少な
い場合には、所望の体積抵抗値を得にくくなり、また9
0質量%より多い場合には、膜強度が低下してしまい保
護層が削りとられやすくなり、感光体の寿命が短くなる
傾向があり、また抵抗が低くなってしまい潜像電位が流
れることによる画像不良を生じやすくなるためである。
【0363】保護層の膜厚は、0.1〜10μmが好ま
しく、1〜7μmがより好ましい。
【0364】上記の樹脂層は、上記導電性基板に蒸着ま
たは塗布等で積層する方法が用いられる。積層の方法に
ついては、具体的には塗布にはバーコーター、ナイフコ
ーター、ロールコーター、アトライター、スプレー、浸
漬塗布、静電塗布、粉体塗布が用いられる。上記塗布方
法は、各層毎にその構成成分を有機溶媒等に溶解、分散
させた溶液または分散液等を上記の方法より塗布した
後、溶媒を乾燥などにより除去することによって行うこ
とができる。または、反応硬化型の結着樹脂を用いる場
合には、各層構成成分を樹脂原料成分および必要に応じ
て添加される適当な有機溶媒等に溶解、分散させた溶液
または分散液等を、上記の方法により塗布した後、例え
ば熱、光等により樹脂原料を反応硬化させ、さらに必要
に応じて溶媒を乾燥等によって除去すればよい。
【0365】感光体を製造する際に用いられる有機溶媒
としては、エタノール、トルエン、メチルエチルケトン
が挙げられる。
【0366】また、感光体の表面抵抗を調整すること
で、更に安定して均一に帯電を行うことができることか
ら、感光体の表面に電荷注入層を設けることも好まし
い。感光体の表面抵抗を調整することによって、電荷注
入をより効率化または促進できる。電荷注入層は、樹脂
中に導電性微粒子を分散させた形態が好ましく良い。
【0367】電荷注入層を設ける形態としては、例え
ば、(I)セレン、アモルファスシリコンの如き無機感
光体もしくは単一層型有機感光体の上に、電荷注入層を
設ける場合、(I)機能分離型有機感光体の電荷輸送層
として、電荷輸送物質と樹脂を有する表面層を持つもの
に電荷注入層としての機能を兼ねさせる場合(例えば、
電荷輸送層として樹脂中に電荷輸送物質と導電性微粒子
を分散させる、または電荷輸送物質自体もしくはその存
在状態によって、電荷輸送層に電荷注入層としての機能
を持たせる場合)、(III)さらに機能分離型有機感
光体上に最表面層として電荷注入層を設ける場合等があ
るが、最表面層の体積抵抗が本発明における上記範囲に
あることが好ましい。また、この場合は、電荷注入層に
上記潤滑性微粒子を分散させることも可能である。
【0368】電荷注入層としては、例えば、金属蒸着膜
等の無機の層、または導電性微粒子を結着樹脂中に分散
させた導電粉分散樹脂層等によって構成され、蒸着膜は
蒸着、導電粉分散樹脂層はディッピング塗工法、スプレ
ー塗工法、ロールコート塗工法及びビーム塗工法等の適
当な塗工法にて塗工することによって形成される。ま
た、絶縁性の結着樹脂に光透過性の高いイオン導電性を
持つ樹脂を混合もしくは共重合させて構成するもの、ま
たは中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成するもので
もよい。
【0369】この中でも、感光体の最表面層が、少なく
とも金属酸化物からなる上記導電性微粒子が分散された
樹脂層であることが、電子写真感光体の表面の抵抗を下
げることでより効率良く電荷の授受が行えるようにし、
かつ感光体として静電潜像を保持している間に表面の抵
抗を下げたことで静電潜像電荷が拡散することによる潜
像のボケもしくは流れを抑制する上で好ましく良い。
【0370】導電性微粒子分散層の場合、分散粒子によ
る入射光の散乱を防ぐために入射光の波長よりも粒子の
粒径の方が小さいことが必要であり、分散される導電性
粒子の体積平均粒径としては0.5μm以下であること
が好ましい。導電性微粒子の含有量は、最外層の総質量
に対して2〜90質量%が好ましく、5〜70質量%が
より好ましく良い。2質量%より少ない場合には、所望
の体積抵抗値を得にくくなり、また90質量%より多い
場合には、膜強度が低下してしまい電荷注入層が削りと
られやすくなり、感光体の寿命が短くなる傾向があり、
また抵抗が低くなってしまい潜像電位が流れることによ
る画像不良を生じやすくなるためである。層厚は、0.
1〜10μmが好ましく、潜像の輪郭のシャープさを得
るためには、5μm以下であることがより好ましく、電
荷注入層の耐久性の点からは1μm以上であることがよ
り好ましい。
【0371】また、電荷注入層の結着樹脂は下層の結着
樹脂と同じとすることも可能であるが、この場合には電
荷注入層の塗工時に下層(例えば電荷輸送層)の塗工面
を乱してしまう可能性があるため、形成方法を特に選択
する必要がある。
【0372】図8は、表面層として電荷注入層を設けた
感光体の層構成模型図である。即ち該感光体は、導電性
基体(アルミニウムドラム基体)11上に、導電層1
2、正電荷注入防止層13、電荷発生層14、電荷輸送
層15を順に塗工した一般的な有機感光体ドラムに電荷
注入層16を塗布することにより、帯電性能を向上した
ものである。尚、電荷注入層には、導電粒子16aを分
散させても良い。
【0373】電荷注入層16として重要な点は、表層の
体積抵抗値が1×109〜1×101 4Ω・cmの範囲に
あることである。本構成のように電荷注入層16を設け
ない場合でも、例えば電荷輸送層15が上記抵抗範囲に
或る場合は同等の効果が得られる。例えば、表層の体積
抵抗が約1×1013Ω・cmであるアモルファスシリコ
ン感光体等を用いても同様に良好な帯電性が得られる。
【0374】なお、本発明における像担持体の最表面層
の体積抵抗値の測定方法は、表面に金を蒸着させたポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム上に像担持
体の最表面層と同様の組成からなる層を作成し、これを
体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製414
0BpAMATER)にて、23℃、65%の環境で1
00Vの電圧を印加して測定する方法が挙げられる。後
述する本実施例においても、同様に測定できる。
【0375】また、本発明においては、像担持体表面に
離型性を付与することが好ましく、像担持体表面の水に
対する接触角は85度以上であることが好ましい。より
好ましくは像担持体表面の水に対する接触角は90度以
上であることは前述と同様であり、同様な方法により達
成される。
【0376】次に、本発明の画像形成方法において好ま
しく適用される接触転写工程について具体的に説明す
る。
【0377】接触転写工程とは、感光体と転写材を介し
て転写手段を当接しながら現像画像を転写材に静電転写
するものであるが、転写手段の当接圧力としては線圧
2.9N/m(3g/cm)以上であることが好まし
く、より好ましくは19.6N/m(20g/cm)以
上である。当接圧力としての線圧が2.9N/m(3g
/cm)未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の
発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0378】また、接触転写工程における転写手段とし
ては、転写ローラまたは転写ベルトを有する装置が使用
される。図4に転写ローラの構成の一例を示す。33は
像担持体(感光ドラム)であり、34は転写ローラであ
る。転写ローラ34は、少なくとも芯金34aと導電性
弾性層34bからなる。導電性弾性層34bはカーボン
の如き導電材を分散させたウレタンやEPDMの如き体
積抵抗1×106〜1×1010Ω・cm程度の弾性体で
作られており、転写バイアス電源35により転写バイア
スが印加されている。
【0379】本発明の画像形成方法は、感光体の表面が
有機化合物である様な画像形成装置に接触転写方法を用
いる場合において特に有効である。即ち、有機化合物が
感光体の表面層を形成している場合には、無機材料を用
いた他の感光体よりもトナー粒子に含まれる結着樹脂と
の接着性が強く、転写性がより低下する傾向にあるため
である。
【0380】また、本発明の画像形成方法に接触転写方
法を適用する場合、使用される感光体としては特に制限
はないが、上述のものが挙げられる。また上記した様々
な微粒子等も分散するなどしても良い。
【0381】また、接触転写方法を適用した本発明の画
像形成方法は、直径が50mm以下の小径の感光体を有
する画像形成装置に対し特に有効に用いられる。即ち、
小径感光体の場合には、同一の線圧に対する曲率が大き
く、当接部における圧力の集中が起こりやすいためであ
る。ベルト感光体でも同一の現象があると考えられる
が、本発明は、転写部での曲率半径が25mm以下の画
像形成装置に対しても有効である。
【0382】また、本発明に使用されるトナー担持体の
表面粗度(Ra)は、JIS中心線平均粗さ(Ra)で
0.2〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。
【0383】Raが0.2μm未満では、トナー担持体
上の帯電量が高くなり現像性が不充分となることがあ
る。Raが3.5μmを超えると、トナー担持体上のト
ナーコート層にむらが生じ、画像上で濃度むらとなるこ
とがある。さらに好ましくは、0.5〜3.0μmの範
囲にあることが好ましい。
【0384】本発明において、トナー担持体の表面粗度
Raは、JIS表面粗さ「JISB 0601」に基づ
き、表面粗度測定器(サーフコーダSE−30H、株式
会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗
さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の
方向に測定長さRaとして2.5mmの部分を抜き取
り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向を
Y軸、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次式(V
II)によって求められる値をマイクロメートル(μ
m)で表したものを言う。後述する実施例においても、
同様に測定できる。
【外3】
【0385】また、後述する樹脂層に微粒子を添加し、
その粒径や添加量によっても表面粗さを調整できる。添
加される微粒子とは、後述する導電性微粒子、樹脂層を
構成する樹脂に完全相溶しない有機物、無機物の粒子を
指す。
【0386】上記のような性質を有するトナー担持体と
しては、アルミニウム、ステンレススチールの如き金属
又は合金で形成される導電性円筒(以下、「現像スリー
ブ」または「現像ローラ」ともいう)が好ましく使用さ
れる。充分な機械的強度及び導電性を有する樹脂組成物
で導電性円筒が形成されていても良く、導電性のゴムロ
ーラを用いても良い。また、上記のような円筒状に限ら
ず、回転駆動する無端ベルトの形態をしても良い。
【0387】さらに、本発明に係わる磁性トナーは高い
帯電能力を有するために、現像に際しては磁性トナーの
総帯電量をコントロールすることが望ましく、本発明に
係わるトナー担持体の表面は、導電性微粒子及び/又は
滑剤を分散した樹脂層で被覆されていることが好まし
い。
【0388】トナー担持体の被覆層において、樹脂材料
に含まれる導電性微粒子は、14.7MPa(120k
g/cm2)で加圧した後の抵抗値が0.5Ω・cm以
下であるものが好ましい。
【0389】トナー担持体の表面の樹脂層に用いられる
導電性微粒子としては、カーボン微粒子、カーボン微粒
子と結晶性グラファイトとの混合物、または結晶性グラ
ファイトが好ましい。導電性微粒子は、体積平均粒径
0.005〜10μmを有するものが好ましい。
【0390】トナー担持体の表面の樹脂層に用いられる
樹脂材料は、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、
ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素
樹脂、アクリル系樹脂の如き熱可塑性樹脂;エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリ
コーン樹脂、ポリイミド樹脂の如き熱硬化性樹脂または
光硬化性樹脂を使用することができる。
【0391】中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のよう
な離型性のあるもの、またはポリエーテルスルホン、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミ
ド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ス
チレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好
ましい。特に、フェノール樹脂が好ましい。
【0392】トナー担持体の表面の樹脂層に用いられる
導電性微粒子は、上記樹脂成分10質量部当たり、3〜
20質量部使用するのが好ましい。カーボン微粒子とグ
ラファイト粒子を組み合わせて使用する場合は、グラフ
ァイト10質量部当たり、カーボン微粒子1〜50質量
部を使用するのが好ましい。
【0393】導電性微粒子が分散されているスリーブの
樹脂コート層の体積抵抗率は、1×10-6〜1×106
Ω・cmが好ましい。
【0394】本発明における現像工程は、トナー担持体
上に5〜50g/m2のトナー層を形成することが好ま
しい。トナー担持体上のトナー量が5g/m2よりも小
さいと、十分な画像濃度が得られ難く、トナーの帯電が
過剰になることによるトナー層のムラを生じることがあ
る。トナー担持体上のトナー量が50g/m2よりも多
くなると、トナー飛散を生じやすくなる。
【0395】本発明においては、トナー担持体上のトナ
ーを規制するトナー層厚規制部材が、トナーを介してト
ナー担持体に当接されていることによって、トナー担持
体上に担持されたトナー量を規制することが、トナーが
温湿度環境の影響を受けにくく、トナー飛散の起こりに
くい均一な帯電を得る観点から特に好ましい。
【0396】該トナー層厚規制部材は、弾性部材によっ
て規制されることが磁性トナーを均一帯電させる観点か
ら特に好ましい。
【0397】また本発明においては、現像工程におい
て、感光体とトナー担持体とを一定の間隙を設けて対向
するように配置されている。カブリの無い高画質を得る
ためにトナー担持体上にトナー担持体と感光体の最近接
間隙(以下、「S−D間」ともいう)よりも小さい層厚
で、磁性トナーを塗布し、交流電界を印加して現像を行
う現像工程で現像されることが好ましい。すなわち、ト
ナー担持体上の磁性トナーを規制するトナー層厚規制部
材によってトナー担持体上のトナー層厚よりも感光体と
トナー担持体の最近接間隙が広くなるように設定して用
いることが好ましい。
【0398】本発明において、非接触型現像方法を適用
するために、トナー担持体の像担持体に対する離間距離
よりもトナー担持体上のトナー層を薄く形成することが
好ましく良い。現像工程は像担持体に対してトナー層を
非接触として、像担持体の静電潜像をトナー画像として
可視化する非接触型現像方法を適用することで、電気抵
抗値が低い導電性微粉体をトナー中に添加しても、現像
バイアスが像担持体へ注入することによる現像かぶりが
発生しない。そのため、良好な画像を得ることができ
る。
【0399】また、トナー担持体は像担持体に対して1
00〜1000μmの離間距離を有して対向して設置さ
れることが好ましく良い。トナー担持体の像担持体に対
する離間距離が100μmよりも小さいと、離間距離の
振れに対するトナーの現像特性の変化が大きくなるた
め、安定した画像性を満足する画像形成装置を量産する
ことが困難となる。トナー担持体の像担持体に対する離
間距離が1000μmよりも大きいと、像担持体上の潜
像に対するトナーの追従性が低下するために、解像性の
低下、画像濃度の低下等の画質低下を招くことがある。
好ましくは120〜500μmがよい。
【0400】また本発明においては、トナーを担持する
トナー担持体表面は、像担持体表面の移動方向と同方向
に移動していてもよいし、逆方向に移動していてもよ
い。その移動方向が同方向である場合、像担持体の移動
速度に対して、比で0.7倍以上であることが望まし
い。0.7倍未満であると、画像品質が悪いことがあ
る。移動速度比が高まれば高まるほど、現像部位に供給
されるトナーの量は多く、潜像に対しトナーの脱着頻度
が多くなり、不要な部分は掻き落とされ必要な部分には
付与されるという繰り返しにより、潜像に忠実な画像が
得られる。逆に、機械的な制限のために7倍以下行うこ
とが現実的である。トナー担持体表面の移動速度が像担
持体表面の移動速度に対し、1.05〜3.00倍の速
度であることが好ましい。
【0401】本発明において、トナー担持体に対して交
流電界を印加して現像を行う現像工程で現像されること
が好ましいが、印加現像バイアスは直流電圧に交流電圧
(交番電圧)を重畳してもよい。
【0402】交流電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波が、適宜使用可能である。また、直流電源を
周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス
波であっても良い。このように交番電圧の波形としては
周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用で
きる。
【0403】トナー担持体と像担持体との間に、少なく
ともピークトゥーピークの電界強度で3×106〜1×
107V/m、周波数100〜5000Hzの交流電界
を現像バイアスとして印加することが好ましい。
【0404】トナー担持体と像担持体との間に印加され
る現像バイアスの電界強度が3×106V/mよりも小
さいと、現像装置への転写残トナーの回収性が低下し、
回収不良によるカブリを生じ易くなる。また、現像力が
小さいために画像濃度の低い画像となり易い。一方、現
像バイアスの電界強度が1×107V/mよりも大きい
と現像力が大き過ぎることによる細線の潰れによる解像
性の低下、カブリの増大による画質低下を生じ易く、現
像バイアスの像担持体へのリークによる画像欠陥を生じ
易くなる。また、トナー担持体と像担持体との間に印加
される現像バイアスの交流成分の周波数が100Hzよ
りも小さいと、潜像に対するトナーの脱着頻度が少なく
なり、現像装置への転写残トナーの回収性が低下しやす
く、画像品質も低下し易い。現像バイアスの交流成分の
周波数が5000Hzよりも大きいと、電界の変化に追
従できるトナーが少なくなるために、転写残トナーの回
収性が低下し、現像性が低下することがある。
【0405】交流電界を現像バイアスとして印加する等
によって、トナー担持体と像担持体間に高電位差がある
場合でも、現像部による像担持体への電荷注入が生じな
いため、トナー担持体側のトナー中に添加された導電性
微粉体が均等に像担持体側に移行されやすく、均一に導
電性微粉体を像担持体に塗布し、帯電部で均一な接触を
行い、良好な帯電性を得ることが出来る。
【0406】本発明において磁場79.6kA/mにお
ける磁化の強さを規定する理由は、磁性粉体の磁気特性
を表す量としては、磁気飽和における磁化の強さ(飽和
磁化)が用いられるが、本発明においては画像形成装置
内で実際に磁性トナーに作用する磁場における磁性トナ
ーの磁化の強さが重要であるためである。画像形成装置
に磁性トナーが適用される場合、磁性トナーに作用する
磁場は、画像装置外への磁場の漏洩を大きくしないた
め、または磁場発生源のコストを低く抑えるために、市
販されている多くの画像形成装置において数十から百数
十kA/mであり、画像形成装置内で実際に磁性トナー
に作用する磁場の代表的な値として磁場79.6kA/
m(1000エルステッド)を選択し、磁場79.6k
A/mにおける磁化の強さを規定した。
【0407】このような磁性トナーを得る手段として
は、トナー粒子に磁性粉体を含有させる。トナーの磁場
79.6kA/mにおける磁化の強さが10Am2/k
g(emu/g)よりも小さいと磁気力によりトナー搬
送を行うことが困難となり、トナー担持体上に均一にト
ナーを担持させることができなくなる。磁場79.6k
A/mにおける磁化の強さが50Am2/kg(emu
/g)よりも大きいとトナー粒子に含有させる磁性粉体
量が多いために、定着性が低下する。
【0408】本発明においては、像担持体の帯電面に静
電潜像を形成する潜像形成手段が、像露光手段であるこ
とが好ましい。静電潜像形成のための画像露光手段とし
ては、デジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手
段に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像
露光やLEDなどの他の発光素子でも構わないし、蛍光
燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み合わせによる
ものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できるも
のであるなら構わない。
【0409】また、像担持体は静電記録誘電体等であっ
ても良い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位
に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除
電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形
成する。
【0410】本発明のトナーは、磁性粉体の粒度分布が
均一であるため、磁性粉体の分散性が均一、かつ良好で
ある。さらに、トナーの形状、表面性も均一である。こ
れらのことからトナーの帯電速度、帯電量分布が揃い、
転写残トナーも少ないものである。このような本発明の
トナーを前記の画像形成方法及び画像形成装置に適用す
ると、転写残トナーも僅かであり、その転写残トナーも
帯電部通過時に迅速に帯電し、トナー担持体に速やかに
回収、または現像される。しかも、形状に起因して導電
性微粉体との付着力が適度にコントロールしやすく帯電
部へ、より効果的に供給されるものである。
【0411】<5>本発明のプロセスカートリッジ 本発明のプロセスカートリッジは、本発明の画像形成装
置から着脱可能に構成されており、像担持体と帯電手段
とからなる群から選ばれる少なくとも1つの手段が、現
像手段と一体に支持されているものである。このような
プロセスカートリッジは、従来より知られているよう
に、例えば、選ばれた上記手段等を樹脂製の枠体などに
よる支持部材によってプロセス位置に支持することによ
り構成され、上記手段等を支持した支持部材(プロセス
カートリッジ)をプロセス位置に案内するレール等の案
内部材を画像形成装置本体に設ければ良い。
【0412】本発明のプロセスカートリッジにおいて使
用される現像手段は、トナー、トナーを収容するトナー
容器、トナー担持体等を有している。
【0413】プロセスカートリッジにおいて使用される
トナー、トナー担持体、像担持体および帯電手段は、本
発明の画像形成装置に用いられる、上述したものを用い
ることが好ましい。
【0414】上記構成のように現像手段が、着脱可能と
なるプロセスカートリッジであることにより、帯電手段
や感光体やトナーの寿命が終了したとしても、各々の手
段、部材を変更するだけで画像形成装置としては成立
し、無駄なく使用することができる。
【0415】
【実施例】以下、本発明を製造例及び実施例により具体
的に説明するが、これは本発明を何ら限定するものでは
ない。
【0416】A.磁性粉体の製造 以下のようにして、表面処理磁性粉体1〜8を得た。
【0417】<表面処理磁性粉体1>硫酸第一鉄水溶液
中に、鉄元素に対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ
溶液、鉄元素に対しリン元素換算で1.0質量%のヘキ
サメタリン酸ソーダ、鉄元素に対しケイ素元素換算で
1.0質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を
含む水溶液を調製した。水溶液のpHを13前後に維持
しながら空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行
い、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過
して一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取
し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを
乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液
のpHを約6に調整し、十分攪拌しながらシランカップ
リング剤(n−C1021Si(OCH33)を磁性酸
化鉄に対し1.0質量部(磁性粒子の量は含水サンプル
から含水量を引いた値として計算した)添加し、カップ
リング処理を行った。生成した疎水性磁性粒子を常法に
より洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集している粒子
を解砕処理して、表面処理磁性粉体1を得た。得られた
磁性粉体の物性を表1に示す。
【0418】<表面処理磁性粉体2>表面処理磁性体1
の製造に於いて、酸化反応を行う際の空気の吹き込み速
度を変えた以外は同様にして表面処理磁性粉体2を得
た。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。
【0419】<表面処理磁性粉体3>表面処理磁性体1
の製造に於いて、シランカップリング剤を(n−C6
13Si(OCH33)とする以外は同様にして表面処理
磁性粉体3を得た。得られた磁性粉体の物性を表1に示
す。
【0420】<表面処理磁性粉体4>表面処理磁性体1
の製造に於いて、シランカップリング剤の添加量を0.
2質量部とする以外は同様にして表面処理磁性体4を得
た。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。
【0421】<表面処理磁性粉体5>硫酸第一鉄水溶液
中に、鉄元素に対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ
溶液、鉄元素に対しリン元素換算で1.0質量%のヘキ
サメタリン酸ソーダ、鉄元素に対してケイ素元素換算で
1.0質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を
含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8前後に維持し
ながら空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行
い、磁性粒子のスラリー液を得た。洗浄、濾過した後こ
の含水スラリー液を一旦取り出した。その後、表面処理
磁性粉体1の製造と同様にして上記磁性粉体の湿式表面
処理および後処理を行い、表面処理磁性粉体5を得た。
得られた磁性粉体の物性を表1に示す。
【0422】<表面処理磁性粉体6>硫酸第一鉄水溶液
中に、鉄元素に対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ
溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
水溶液をpH13に維持しながら、空気を吹き込み、8
0〜90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリ
ー液を調製した。得られた磁性粉体の物性を表1に示
す。
【0423】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.
2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリ
ー液をpH8に維持して、空気を吹き込みながら酸化反
応を行い、磁性粒子のスラリー液を得た。その後、生成
した磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過後、表面処理を行わず
に乾燥し、凝集している粒子を解砕処理し未処理磁性粉
体を得た。さらに、ヘンシェルミキサー(三井三池化工
機(株)製)で前記の未処理磁性粉体を撹拌しつつシラ
ンカップリング剤(n−C613Si(OCH33
0.2質量部を添加して乾式表面処理を行い、表面処理
磁性粉体6を得た。得られた磁性粉体の物性を表1に示
す。
【0424】<表面処理磁性粉体7>表面処理磁性粉体
1の製造と同様に酸化反応を進め、酸化反応後に生成し
た磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過後、表面処理を行わずに
乾燥し、凝集している粒子を解砕処理し未処理磁性粉体
を得た。さらに、さらに、ヘンシェルミキサーで前記の
未処理磁性粉体を撹拌しつつシランカップリング剤(n
−C613Si(OCH33)0.2質量部を添加して
乾式表面処理を行い、表面処理磁性粉体7を得た。得ら
れた磁性粉体の物性を表1に示す。
【0425】<表面処理磁性粉体8>攪拌機、不活性ガ
ス導入管、還流冷却管および温度計を備えたフラスコに
ポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ(株)
製)0.1部を溶解した脱イオン水200部を仕込ん
だ。そこへ予め調製しておいたスチレン97.5部およ
びグリシジルメタクリレート2.5部からなる重合性単
量体にベンゾイルパーオキサイド8部を溶解した混合物
を仕込み、高速で攪拌して均一な懸濁液とした。次いで
窒素ガスを吹き込みながら80℃に加熱し、この温度で
5時間攪拌を続けて重合反応を行った。その後に濾過、
水洗、乾燥を行って、エポキシ基を含有する樹脂を得
た。
【0426】一方、表面処理磁性粉体1の製造と同様に
酸化反応を進め、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子
を洗浄、濾過後、表面処理を行わずに、乾燥し、凝集し
ている粒子を解砕処理し未処理磁性粉体を得た。この未
処理磁性粉体80部と上記エポキシ基を含有する樹脂2
0部とをラボブラストミルを用いて180℃、100r
pmの条件下に30分間混練して、エポキシ基を含有す
る樹脂と磁性粉体とを反応させた。冷却した後、粉砕し
て、表面処理磁性粉体8を得た。得られた磁性粉体の物
性を表1に示す。
【0427】
【表1】
【0428】B.導電性微粉体の製造 以下のようにして、導電性微粉体1〜5を得た。
【0429】<導電性微粉体1>一次粒径0.1〜0.
3μmの酸化亜鉛一次粒子を圧力により造粒した、体積
平均粒径3.7μm、粒度分布における0.5μm以下
が6.6体積%、5μm以上が8個数%、抵抗80Ω・
cm、白色の微粒子酸化亜鉛を導電性微粉体1とする。
【0430】この導電性微粉体1は、走査型電子顕微鏡
にて3000倍及び3万倍で観察したところ、一次粒径
0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子と粒径1〜10
μmの凝集体からなっていた。
【0431】後述する実施例1の画像形成装置で画像露
光に用いられるレーザビームスキャナの露光光波長74
0nmにあわせて、波長740nmの光源を用いて、こ
の波長域における透過率をX−Rite社製310T透
過型濃度計を用い測定したところ、この導電性微粉体1
の透過率はおよそ35%であった。
【0432】導電性微粉体1の代表的物性値を下記表2
に示す。
【0433】<導電性微粉体2>導電性微粒体1を風力
分級して得られた、体積平均粒径2.4μm、粒度分布
における0.5μm以下が4.1体積%、5μm以上が
1個数%、抵抗440Ω・cm、透過率35%の微粒子
酸化亜鉛を導電性微粉体2とする。
【0434】この導電性微粉体2は、走査型電子顕微鏡
にて観察したところ、一次粒径0.1〜0.3μmの酸
化亜鉛一次粒子と粒径1〜5μmの凝集体からなってい
たが、導電性微粉体1と比較すると、一次粒子は減少し
ていた。代表的物性値を下記表2に示す。
【0435】<導電性微粉体3>導電性微粒体1を風力
分級して得られた、体積平均粒径1.5μm、粒度分布
における0.5μm以下が35体積%、5μm以上が0
個数%、抵抗1500Ω・cm、透過率35%の微粒子
酸化亜鉛を導電性微粉体3とする。
【0436】この導電性微粉体3は、走査型電子顕微鏡
にて観察したところ、一次粒径0.1〜0.3μmの酸
化亜鉛一次粒子と粒径1〜4μmの凝集体からなってい
たが、導電性微粉体1と比較すると、一次粒子は増加し
ていた。代表的物性値を下記表2に示す。
【0437】<導電性微粉体4>体積平均粒径0.3μ
m、粒度分布における0.5μm以下が80体積%、5
μm以上が0個数%、一次粒径0.1〜0.3μm、抵
抗100Ω・cm、透過率35%、白色の微粒子酸化亜
鉛を導電性微粉体4とする。
【0438】この導電性微粉体4は、走査型電子顕微鏡
にて観察したところ、凝集体の少ない一次粒径0.1〜
0.3μmの酸化亜鉛一次粒子からなっていた。代表的
物性値を下記表2に示す。
【0439】<導電性微粉体5>酸化スズ・アンチモン
で表面処理された体積平均粒径2.8μmのホウ酸アル
ミニウムを風力分級によって粗粒子を除いた後に、水系
に分散しての濾過を繰り返し行うことで微粒子を除き、
体積平均粒径3.2μm、粒度分布における0.5μm
以下が0.4体積%、5μm以上が1個数%の灰白色の
導電性微粉体を得た。これを導電性微粉体5とする。代
表的物性値を下記表2に示す。
【0440】
【表2】
【0441】C.磁性トナーの製造 <磁性トナーA>イオン交換水292質量部に、1.0
モル/リットルのNa3PO4水溶液46質量部を投入
し、80℃に加温した後、1.0モル/リットルのCa
Cl2水溶液67質量部を徐々に添加してCa3(P
42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 77質量部 ・ラウリルメタクリレート 23質量部 ・飽和ポリエステル樹脂(Mp11000、Tg69℃) 3質量部 ・負荷電性制御剤(アゾ系金属錯体) 0.5質量部 ・表面処理磁性粉体1 100質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株)製)を
用いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単
量体組成物を80℃に加温し、そこに示差熱分析におけ
る吸熱ピーク温度が70℃のエステルワックス20質量
部を添加混合し、これに重合開始剤としてt−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート8質量部を溶解し
た。
【0442】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、80℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
(特殊機化工業(株)製)にて10,000rpmで1
0分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、80℃で4時間反応させ、無水炭酸ナトリウム4
質量部を系内に添加した後、さらに2時間反応を継続し
た(反応終了後の懸濁液のpHは10.5であった)。
反応終了後、懸濁液を冷却し、連続式ベルトフィルター
(住友重機械工業社(株)製、商品名「イーグルフィル
ター」)を用いて以下のような操作を行った。
【0443】まず、アルカリ性の懸濁液の脱水をベルト
上で行い、次いでトータル量1000質量部の水をシャ
ワーリングして水洗を行い、懸濁液中に含まれる2−エ
チルヘキサン酸ナトリウム(これは重合開始剤であるt
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの分解
により副生した2−エチルヘキサン酸が、炭酸ナトリウ
ムにより中和されたものである)の除去を行った。さら
に、ベルト上で1000質量部の希塩酸(pH1.0)
での洗浄、1000質量部の水での水洗、そして脱水を
行うことで、2−エチルヘキサン酸および分散剤として
使用したリン酸カルシウムが実質的に除去された磁性ト
ナー粒子を得た。その後、この含水磁性トナー粒子を乾
燥して体積平均粒径7.2μmの磁性トナー粒子Aを得
た。
【0444】この磁性トナー粒子Aの100質量部と、
ヘキサメチルジシラザンで表面を処理した後シリコーン
オイルで処理した個数平均一次粒径が9nmの疎水性シ
リカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーで混合
して、磁性トナーAを調製した。磁性トナーAの物性を
表3及び表4に示す。尚、後述する値(b/a)は、2
6/100であった。
【0445】<磁性トナーB>表面処理磁性粉体1の代
わりに表面処理磁性粉体2を使用する以外は、磁性トナ
ーAと同様にして磁性トナーBを調製した。磁性トナー
Bの物性を表3及び表4に示す。
【0446】<磁性トナーC>表面処理磁性粉体1の代
わりに表面処理磁性粉体3を使用する以外は、磁性トナ
ーAと同様にして磁性トナーCを調製した。磁性トナー
Cの物性を表3及び表4に示す。
【0447】<磁性トナーD>表面処理磁性粉体1の代
わりに表面処理磁性粉体4を使用する以外は、磁性トナ
ーAと同様にして磁性トナーDを調製した。磁性トナー
Dの物性を表3及び表4に示す。
【0448】<磁性トナーE>表面処理磁性粉体1の代
わりに表面処理磁性粉体5を使用する以外は、磁性トナ
ーAと同様にして磁性トナーEを調製した。磁性トナー
Eの物性を表3及び表4に示す。
【0449】<磁性トナーF>磁性トナー粒子Aを10
0質量部と、ヘキサメチルジシラザン処理した個数平均
一次粒径が9nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部と
をヘンシェルミキサーで混合して、磁性トナーFを調製
した。磁性トナーFの物性を表3及び表4に示す。
【0450】<磁性トナーG>イオン交換水292質量
部に、1.0モル/リットルのNa3PO4水溶液46質
量部を投入し80℃に加温した後、1.0モル/リット
ルのCaCl2水溶液67質量部を徐々に添加してCa3
(PO42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 77質量部 ・ラウリルメタクリレート 23質量部 ・飽和ポリエステル樹脂(Mp11000、Tg69℃) 3質量部 ・負荷電性制御剤(アゾ系金属錯体) 0.5質量部 ・表面処理磁性粉体1 100質量部 上記処方をアトライターを用いて均一に分散混合して単
量体組成物を得た。この単量体組成物を80℃に加温
し、そこに示差熱分析における吸熱ピーク温度が70℃
のエステルワックス20質量部を添加混合し、これに重
合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート8質量部を溶解した。
【0451】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、80℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
にて10,000rpmで10分間撹拌し、造粒した。
その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で6時間反応
させた(反応終了後の懸濁液のpHは9.5であっ
た)。反応終了後、懸濁液を冷却し、希塩酸を加えてp
H1.0として1時間撹拌した。その後、懸濁液を連続
ベルトフィルターにより濾過、水洗し、乾燥して体積平
均粒径7.3μmの磁性トナー粒子Gを得た。
【0452】この磁性トナー粒子G100質量部と、磁
性トナーAの製造の際に使用した疎水性シリカ微粉体
0.8質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、磁性
トナーGを調製した。磁性トナーGの物性を表3及び表
4に示す。
【0453】<磁性トナーH>イオン交換水292質量
部に1.0モル/リットルのNa3PO4水溶液46質量
部を投入し80℃に加温した後、1.0モル/リットル
のCaCl2水溶液67質量部を徐々に添加してCa
3(PO42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 77質量部 ・ラウリルメタクリレート 23質量部 ・飽和ポリエステル樹脂(Mp11000、Tg69℃) 3質量部 ・負荷電性制御剤(アゾ系金属錯体) 0.5質量部 ・表面処理磁性粉体1 100質量部 上記処方をアトライターを用いて均一に分散混合して単
量体組成物を得た。
【0454】この単量体組成物を80℃に加温し、そこ
に示差熱分析における吸熱ピーク温度が70℃のエステ
ルワックス20質量部を添加混合し、これに重合開始剤
としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト8質量部を溶解した。
【0455】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、80℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで10
分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、80℃で6時間反応させた(反応終了後の懸濁液の
pHは9.5であった)。反応終了後、懸濁液を冷却
し、懸濁液をヌッチェで吸引濾過し、トナー粒子を10
0質量部の水で水洗した。その後、トナー粒子をpH
1.0の希塩酸にリスラリーし、1時間撹拌した。さら
に、トナー粒子をヌッチェで吸引濾過し、充分に水洗を
行った後、乾燥して体積平均粒径7.0μmの磁性トナ
ー粒子Hを得た。
【0456】この磁性トナー粒子Hを100質量部と、
磁性トナーAにおいて使用した疎水性シリカ微粉体0.
8質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、磁性トナ
ーHを調製した。磁性トナーHの物性を表3及び表4に
示す。
【0457】<磁性トナーI>得られたトナー粒子の処
理において、100質量部の水の代わりに200質量部
のpH11.0のアルカリ水溶液で水洗する以外は、磁
性トナーHと同様にして磁性トナーIを調製した。磁性
トナーIの物性を表3及び表4に示す。
【0458】<磁性トナーJ>エステルワックスの使用
量を51質量部とする以外は、磁性トナーAと同様にし
て、磁性トナーJを得た。磁性トナーJの物性を表3及
び表4に示す。
【0459】<磁性トナーK>エステルワックスの使用
量を0.4質量部とする以外は、磁性トナーAと同様に
して、磁性トナーKを得た。磁性トナーKの物性を表3
及び表4に示す。
【0460】<磁性トナーL>エステルワックスに代え
て、示差熱分析における吸熱ピーク温度が120℃の低
分子量ポリエチレンワックスを20質量部用いる以外
は、磁性トナーAと同様にして、磁性トナーLを得た。
磁性トナーLの物性を表3及び表4に示す。
【0461】<磁性トナーM>表面処理磁性粉体1の代
わりに表面処理磁性体2を50質量部用いる以外は、磁
性トナーAと同様にして、磁性トナーMを得た。磁性ト
ナーMの物性を表3及び表4に示す。
【0462】<磁性トナーN>表面処理磁性粉体1の代
わりに表面処理磁性体2を150質量部とする以外は、
磁性トナーAと同様にして、磁性トナーNを得た。磁性
トナーNの物性を表3及び表4に示す。
【0463】<磁性トナーO>イオン交換水292質量
部に、1.0モル/リットルのNa3PO4水溶液46質
量部を投入し60℃に加温した後、1.0モル/リット
ルのCaCl2水溶液67質量部を徐々に添加してCa3
(PO42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 77質量部 ・ラウリルメタクリレート 23質量部 ・飽和ポリエステル樹脂(Mp11000、Tg69℃) 3質量部 ・負荷電性制御剤(アゾ系金属錯体) 0.5質量部 ・表面処理磁性粉体1 100質量部 上記処方をアトライターを用いて均一に分散混合して単
量体組成物を得た。
【0464】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
に示差熱分析における吸熱ピーク温度が70℃のエステ
ルワックス20質量部を添加混合し、これに重合開始剤
としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート7質量部
を溶解した。
【0465】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
にて10,000rpmで10分間撹拌し、造粒した。
その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃で4時間反応
させ、無水炭酸ナトリウム4質量部を系内に添加した
後、さらに80℃で2時間反応を継続した(反応終了後
の懸濁液のpHは10.5であった)。反応終了後、懸
濁液を冷却し、フィルタープレス(栗田機械製作所
(株)製)を用いて以下のような操作を行った。
【0466】まず、アルカリ性の懸濁液をフィルタープ
レス内に導入してトナー粒子の濾過を行う。次いでトー
タル量1000質量部の水を濾枠内に流し、懸濁液中の
ネオデカン酸ナトリウム(これは重合開始剤であるt−
ブチルパーオキシネオデカノエートの分解により副生し
たネオデカン酸が、炭酸ナトリウムにより中和されたも
のである)を除去する。さらに、pH1.0の希塩酸を
濾枠内に流し、トナー粒子表面に付着しているリン酸カ
ルシウムを溶解除去する。その後、濾枠内に水を流し、
充分に洗浄を行う。そして圧搾、エアーブローを行うこ
とで、ネオデカン酸および分散剤として使用したリン酸
カルシウムが実質的に除去されたトナー粒子を得た。そ
の後、この含水トナー粒子を乾燥して体積平均粒径7.
1μmの磁性トナー粒子Oを得た。
【0467】この磁性トナー粒子Oを100質量部と、
ヘキサメチルジシラザンで表面を処理した後シリコーン
オイルで処理した個数平均一次粒径が9nmの疎水性シ
リカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーで混合
して、磁性トナーOを調製した。磁性トナーOの物性を
表3及び表4に示す。
【0468】<磁性トナーP>重合開始剤としてt−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの代わりに
t−ブチルパーオキシピバレート7質量部を使用し、重
合温度を70℃とした以外は、磁性トナーAと同様にし
て、磁性トナーPを得た。磁性トナーPの物性を表3及
び表4に示す。
【0469】<磁性トナーQ>重合開始剤としてt−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの代わりに
ベンゾイルパーオキサイド8質量部を使用した以外は、
磁性トナーAと同様にして、磁性トナーQを得た。磁性
トナーQの物性を表3及び表4に示す。
【0470】<磁性トナーR>重合開始剤としてt−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの代わりに
ラウロイルパーオキサイド10質量部を使用した以外
は、磁性トナーAと同様にして、磁性トナーRを得た。
磁性トナーRの物性を表3及び表4に示す。
【0471】<磁性トナーS(比較例)>イオン交換水
292質量部に、1.0モル/リットルのNa3PO4
溶液46質量部を投入し60℃に加温した後、1.0モ
ル/リットルのCaCl2水溶液67質量部を徐々に添
加してCa3(PO42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 65質量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート 35質量部 ・飽和ポリエステル樹脂(Mp11000、Tg69℃) 10質量部 ・負荷電性制御剤(アゾ系金属錯体) 0.5質量部 ・表面処理磁性粉体1 120質量部 上記処方をアトライターを用いて均一に分散混合して単
量体組成物を得た。
【0472】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
に示差熱分析における吸熱ピーク温度が70℃のエステ
ルワックス20質量部を添加混合し、これに重合開始剤
としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート7質量部
を溶解した。
【0473】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
にて10,000rpmで10分間撹拌し、造粒した。
その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃で6時間反応
させて前駆体粒子を得た。これを室温まで冷却し、この
水系懸濁液中に超音波発振機にて調製したスチレン1
3.0質量部、2−エチルヘキシルアクリレート7.0
質量部、t−ブチルパーオキシネオデカノエート0.4
質量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1質量部、水20
質量部からなる水乳濁液40.7質量部を滴下し、該前
駆体粒子を膨潤させた。
【0474】その後、窒素下にて攪拌を続けながら昇温
し、80℃で4時間反応させし、無水炭酸ナトリウム4
質量部を系内に添加した後、さらに80℃で2時間反応
を継続した(反応終了後の懸濁液のpHは10.5であ
った)。反応終了後、磁性トナーAの場合と同様にして
後処理を行い、トナー粒子Sを得た。このトナー粒子1
00部と、磁性トナーAの製造において使用した疎水性
シリカ微粉体2.0部とをヘンシェルミキサーで混合し
て、トナーSを調製した。トナーSの物性を表5及び表
6に示す。尚、後述する値(b/a)は、35/100
であった。
【0475】<磁性トナーT(比較用)>表面処理磁性
粉体1に代えて表面処理磁性粉体6を使用する以外は、
磁性トナーGと同様にして、比較例として磁性トナーT
を得た。磁性トナーTの物性を表5及び表6に示す。
尚、後述する値(b/a)は、22/100であった。
【0476】<磁性トナーU(比較用)>表面処理磁性
粉体1に代えて表面処理磁性粉体7を使用する以外は磁
性トナーGと同様にして、比較例として磁性トナーUを
得た。磁性トナーUの物性を表5及び表6に示す。
【0477】<磁性トナーV(比較用)>表面処理磁性
粉体1に代えて表面処理磁性粉体8を使用する以外は磁
性トナーGと同様にして、比較例として磁性トナーVを
得た。磁性トナーVの物性を表5及び表6に示す。
【0478】<磁性トナーW(比較用)>重合開始剤と
してt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
の代わりに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)15質量部を使用し、表面処理磁性粉体1
の代わりに表面処理磁性粉体6を使用した以外は、磁性
トナーGと同様にして、比較例として磁性トナーWを得
た。磁性トナーWの物性を表5及び表6に示す。
【0479】<磁性トナーX(比較用)>表面処理磁性
粉体6の代わりに表面処理磁性粉体7を使用した以外
は、磁性トナーWと同様にして、比較例として磁性トナ
ーXを得た。磁性トナーXの物性を表5及び表6に示
す。
【0480】<磁性トナーY(比較用)>イオン交換水
730質量部に1.0モル/リットルのNa3PO4水溶
液46質量部を投入し60℃に加温した後、1.0モル
/リットルのCaCl2水溶液67質量部を徐々に添加
してCa3(PO42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 77質量部 ・ラウリルメタクリレート 23質量部 ・飽和ポリエステル樹脂(Mp11000、Tg69℃) 3質量部 ・負荷電性制御剤(アゾ系金属錯体) 0.5質量部 ・表面処理磁性粉体6 100質量部 上記処方をアトライターを用いて均一に分散混合して単
量体組成物を得た。
【0481】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
に示差熱分析における吸熱ピーク温度が70℃のエステ
ルワックス20質量部を添加混合し、これに重合開始剤
として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)15質量部を溶解した。
【0482】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
にて10,000rpmで10分間撹拌し、造粒した。
その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃で3時間反応
させ、さらに80℃に昇温して7時間反応させた。
【0483】その後、懸濁液を冷却し、これに下記物質
を定量ポンプを用いて滴下し、前記懸濁液中の粒子に吸
着させた。 ・スチレン 45質量部 ・ステアリルメタクリレート 5質量部 ・ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 4質量部 その後、70℃に昇温し、10時間保持した。反応終了
後、懸濁液を冷却し、希塩酸を加えてpH1.0として
1時間撹拌した。その後、濾過、乾燥して体積平均粒径
7.8μmの磁性トナー粒子Yを得た。
【0484】この磁性トナー粒子Yを100質量部と、
磁性トナーAの製造の際に使用した疎水性シリカ微粉体
0.8質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、比較
例としての磁性トナーYを調製した。磁性トナーYの物
性を表5及び表6に示す。
【0485】<磁性トナーZ(比較用)>エマルゲン9
50(花王(株)製)を1質量部、ネオゲンR(第一工
業製薬(株)製)を2質量部含有する水100質量部
に、以下の物質を添加した。 ・スチレン 76質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・アクリル酸 4質量部 過硫酸カリウム5質量部を触媒として用い、攪拌下70
℃で8時間重合させて固形分50%の酸性極性基含有樹
脂エマルジョンを得た。
【0486】次に、下記混合物をディスパーを用いて攪
拌しながら25℃に加熱した。 ・上記酸性極性基含有樹脂エマルション 200質量部 ・表面処理磁性粉体6 100質量部 ・磁性トナーAの製造において使用したエステルワックス 20質量部 ・負荷電性制御剤(アゾ系金属錯体) 0.5質量部 ・水 350質量部 次いでこの分散溶液を約2時間攪拌した後60℃まで加
熱し、これをアンモニアによってpH8.0に調整し
た。さらに、この分散液を90℃まで加熱し、5時間こ
の温度を保ったところ、約8μmの粒子が得られた。こ
の粒子の分散液を冷却、分離、水洗したのち乾燥させ、
磁性トナー粒子Zを得た。この粒子を電子顕微鏡で観察
したところ、重合体粒子と磁性粉体微粒子との二次粒子
の会合粒子から成り立っている事が観察された。
【0487】この磁性トナー粒子Yの100質量部と、
磁性トナーAの製造の際に使用した疎水性シリカ微粉体
0.8質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、比較
例としての磁性トナーZを調製した。磁性トナーZの物
性を表5及び表6に示す。
【0488】 <磁性トナーAA(比較用)> ・スチレン/ラウリルメタクリレート共重合体(質量比77/23) 100質 量部 ・飽和ポリエステル樹脂(Mp11000、Tg69℃) 3質量部 ・負荷電性制御剤(アゾ系金属錯体) 0.5質量部 ・表面処理磁性粉体6 100質量部 ・磁性トナーAの製造において使用したエステルワックス 20質量部 上記材料をブレンダーにて混合し、140℃に加熱した
2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミル(ター
ボ工業社製)で微粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級
して磁性トナー粒子AAを得た。その後衝撃式表面処理
装置(処理温度50℃、回転式処理ブレード周速90m
/sec)を用いて球形化し、磁性トナー粒子AAを得
た。
【0489】この磁性トナー粒子AAの100質量部に
対して磁性トナーAの製造の際に使用した疎水性シリカ
0.8質量部を加えた混合物をヘンシェルミキサーで混
合し、比較例としての磁性トナーAAを調製した。磁性
トナーAAの物性を表5及び表6に示す。
【0490】<磁性トナーBB>磁性トナーAの製造で
用いたエステルワックスの代わりに、吸熱ピーク温度
が、65℃のエステルワックスを用いる以外は磁性トナ
ーAの製造と同様にして、磁性トナーBBを調製した。
磁性トナーBBの物性を表3及び表4に示す。
【0491】尚、磁性トナーの残留磁化(σr)及び磁
化の強さは、前述した測定法に基づき測定した。また、
トナー中における磁性体の分散状態は、前述したTEM
によるトナー粒子の断層面観察を行い、目視により評価
した。
【0492】また、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い
たトナー粒子の断層面観察により、磁性トナー粒子中に
おける疎水性酸化鉄の分散状態も評価した。
【0493】TEMによる具体的な評価方法としては、
上述したトナー粒子中の酸化鉄の体積平均粒径及び粒度
分布を決定する場合と同様の方法で行った。
【0494】トナー粒子内部での疎水性酸化鉄の分散状
態の具体的評価は以下のように行った。トナーの数平均
粒径の±10%の径を有する粒子断層面を抽出し、その
断層面と中心を同じにして径が半分の相似図形を書く
(相似図形の面積は粒子断層面面積の1/4となる)。
【0495】次に、粒子断層面内(相似図形内も含む)
に存在する0.03μm以上の疎水性酸化鉄粉末の個数
を数え、その個数をaとする。同様に相似図形内に存在
する0.03μm以上の疎水性酸化鉄粉末の個数を数
え、その個数をbとする。こうして得られたa、bにつ
いてその比b/aを計算する。
【0496】比b/aの値がそれぞれの面の面積比であ
る1/4に近いほど、疎水性酸化鉄粉末がトナー粒子の
中心から表層付近まで同じ存在量であること、即ち、ト
ナー粒子内での疎水性酸化鉄の分散状態が均一であるこ
とを意味し、b/aの値が3/8〜1/5の範囲にあれ
ば、ほぼ良好な分散がなされているといえる。
【0497】
【表3】
【0498】
【表4】
【0499】
【表5】
【0500】
【表6】
【0501】<磁性トナーα>磁性トナー粒子Aを10
0質量部と、磁性トナーAの製造の際に使用した疎水性
シリカ0.8質量部、および上記導電性微粉体1の1.
5質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、磁性トナ
ーαを調製した。磁性トナーαの物性を表7及び表8に
示す。
【0502】<磁性トナーβ>磁性トナー粒子Aを10
0質量部と、磁性トナーAの製造の際に使用した疎水性
シリカ0.8質量部、および上記導電性微粉体2の1.
5質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、磁性トナ
ーβを調製した。磁性トナーβの物性を表7及び表8に
示す。
【0503】<磁性トナーγ>磁性トナー粒子Aを10
0質量部と、磁性トナーAの製造の際に使用した疎水性
シリカ0.8質量部、および上記導電性微粉体3の1.
5質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、磁性トナ
ーγを調製した。磁性トナーγの物性を表7及び表8に
示す。
【0504】<磁性トナーδ>磁性トナー粒子Aを10
0質量部と、磁性トナーAの製造の際に使用した疎水性
シリカ0.8質量部、および上記導電性微粉体4の1.
5質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、磁性トナ
ーδを調製した。磁性トナーδの物性を表7及び表8に
示す。
【0505】<磁性トナーε>磁性トナー粒子Aを10
0質量部と、磁性トナーAの製造の際に使用した疎水性
シリカ0.8質量部、および上記導電性微粉体5の1.
5質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、磁性トナ
ーεを調製した。磁性トナーεの物性を表7及び表8に
示す。
【0506】<磁性トナーζ>磁性トナー粒子Bを10
0質量部と、磁性トナーAの製造の際に使用した疎水性
シリカ0.8質量部、および上記導電性微粉体1の1.
5質量部とをヘンシェルミキサーで混合して、磁性トナ
ーζを調製した。磁性トナーζの物性を表7及び表8に
示す。
【0507】<磁性トナーη(比較用)>磁性トナー粒
子Tを100質量部と、磁性トナーAの製造の際に使用
した疎水性シリカ0.8質量部、および前記導電性微粉
体1の1.5質量部とをヘンシェルミキサーで混合し
て、比較例としての磁性トナーηを調製した。磁性トナ
ーηの物性を表7及び表8に示す。
【0508】<磁性トナーθ(比較用)>磁性トナー粒
子Wを100質量部と、磁性トナーAの製造の際に使用
した疎水性シリカ0.8質量部、および前記導電性微粉
体1の1.5質量部とをヘンシェルミキサーで混合し
て、比較例としての磁性トナーθを調製した。磁性トナ
ーθの物性を表7及び表8に示す。
【0509】<磁性トナーι(比較用)>磁性トナー粒
子Xを100質量部と、磁性トナーAの製造の際に使用
した疎水性シリカ0.8質量部、および前記導電性微粉
体1の1.5質量部とをヘンシェルミキサーで混合し
て、比較例用としての磁性トナーιを調製した。磁性ト
ナーιの物性を表7及び表8に示す。
【0510】<磁性トナーκ(比較用)>磁性トナー粒
子AAを100質量部と、磁性トナーAの製造の際に使
用した疎水性シリカ0.8質量部、および前記導電性微
粉体1の1.5質量部とをヘンシェルミキサーで混合し
て、比較例用としての磁性トナーκを調製した。磁性ト
ナーκの物性を表7及び表8に示す。
【0511】
【表7】
【0512】
【表8】
【0513】D.感光体の製造 <感光体Aの製造>感光体としては直径30mmのアル
ミニウムシリンダーを基体とした。これに、図3に示す
ような構成の層を順次浸漬塗布により積層して、感光体
Aを作成した。 (1)第1層は導電被覆層(導電層)であり、酸化錫及
び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを
主体とする。膜厚15μm。 (2)第2層は下引き層であり、変性ナイロン及び共重
合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。 (3)第3層は電荷発生層であり、長波長域に吸収を持
つアゾ顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とす
る。膜厚0.6μm。 (4)第4層は電荷輸送層であり、ホール搬送性トリフ
ェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オストワ
ルド粘度法による分子量2万)に8:10の質量比で溶
解したものを主体とし、さらにポリ4フッ化エチレン粉
体(体積平均粒径0.2μm)を総固形分に対して10
質量%添加し、均一に分散した。膜厚25μm。水に対
する接触角は95度であった。
【0514】なお、接触角の測定は、純水を用い、装置
は、協和界面科学(株)、接触角計CA−X型を用い
た。
【0515】<実施例1>画像形成装置として、LBP
−1760を改造し、概ね図1に示されるものを用い
た。
【0516】像担持体としての感光体100には、感光
体A(有機感光体(OPC)ドラム)を用いた。この感
光体100に、帯電部材として、導電性カーボンを分散
しナイロン樹脂で被覆された帯電ローラ117を当接さ
せ(当接圧60g/cm)、直流電圧−700Vdcに
交流電圧2.0kVppを重畳したバイアスを印加し
て、感光体上を一様に帯電する。帯電に次いで、レーザ
ー光で画像部分を露光することにより静電潜像を形成す
る。この時、暗部電位Vd=−700V、明部電位VL
=−150Vとした。
【0517】トナー担持体として、下記の構成の層厚約
7μm、JIS中心線平均粗さ(Ra)1.1μmの樹
脂層を、表面をブラストした直径18mmのアルミニウ
ム円筒上に形成した現像スリーブ102を使用し、現像
磁極94mT(940ガウス)、トナー層厚規制部材と
して厚み1.2mm、自由長1.2mmのシリコーンゴ
ム製ブレードを19.6N/m(20g/cm)の線圧
で当接させた。感光体100と現像スリーブ102との
間隙は300μmとした。 ・フェノール樹脂 100質量部 ・グラファイト(体積平均粒径約7μm) 90質量部 ・カーボンブラック 10質量部 次いで、現像バイアスとして、−450Vの直流電圧と
周波数2000Hz、ピーク間電圧1600Vの交流電
圧を重畳したものを用いた。また、現像スリーブの周速
は感光体周速(70mm/sec)に対して順方向に1
10%のスピード(77mm/sec)とした。
【0518】また、転写手段としては、図4のような転
写ローラ34(導電性カーボンを分散したエチレン−プ
ロピレンゴム製である、導電性弾性層34bの体積抵抗
値1×108Ω・cm、表面ゴム硬度24度、直径20
mm、当接圧59N/m(60g/cm)を図4中矢印
A方向の感光体周速(70mm/sec)に対して等速
とし、転写バイアスは直流電圧1.5kVとした。
【0519】定着手段としては、LBP−1760のオ
イル塗布機能のない、フィルムを介してヒータにより加
熱加圧定着する方式の定着装置126を用いた。この時
加圧ローラはフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用
し、ローラの直径は30mmであった。また、定着温度
は200℃、ニップ幅を6mmに設定した。
【0520】磁性トナーとして磁性トナーAを使用し、
常温常湿(25℃、50%RH)、高温高湿(32℃、
85%RH)及び低温低湿(15℃、15%RH)環境
下において、印字面積比率7%の縦ラインのみからなる
画像パターンを12枚/分(A4サイズ)のプリントア
ウト速度で間歇モード(すなわち、1枚プリントアウト
する毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の現像装
置の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)で5
000枚のプリントアウト試験を行った。尚、500枚
毎にベタ黒画像パターンとベタ白画像パターンのプリン
トアウトも行った。転写材としては75g/m2の紙を
使用した。評価は以下のようにして行った。
【0521】[プリントアウト画像の評価] 1)画像濃度の変動 500枚目と5000枚目のベタ黒画像について、マク
ベス反射濃度計RD918(マクベス社製)により、原
稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対
する相対濃度をそれぞれ測定し、これらの濃度差から以
下のように判定した。
【0522】 A:非常に良好(濃度差 0.05未満) B:良好(濃度差 0.05以上〜0.10未満) C:普通(濃度差 0.10以上〜0.20未満) D:悪い(濃度差 0.20以上) 2)画質 画質の判断基準は、画像の均一性、細線再現性を総合的
に評価したものである。なお、画像の均一性はべた黒画
像で判断を行った。
【0523】 A:細線再現性、画像の均一性に優れ、鮮明な画像 B:細線再現性、画像の均一性が若干劣るものの、良好
な画像 C:実用的には問題の無い画質 D:細線再現性、画像の均一性が悪く、実用上好ましく
ない画像 3)カブリの変動 501枚目と5001枚目のベタ白画像形成時の感光体
上の転写前の部分をマイラーテープによりテーピングし
てはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼った
もののマクベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に
貼ったもののマクベス濃度を差し引き、それぞれカブリ
の値を算出した。そして、5001枚目の値から501
枚目の値を差し引き、以下のように判定した。
【0524】 A:非常に良好(濃度差 0.05未満) B:良好(濃度差 0.05以上〜0.15未満) C:普通(濃度差 0.15以上〜0.30未満) D:悪い(濃度差 0.30以上) 4)転写性 1000枚目のベタ黒画像形成時の感光体上の転写残ト
ナーを、マイラーテープによりテーピングしてはぎ取
り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったもののマ
クベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼ったも
ののマクベス濃度を差し引いた数値で評価した。
【0525】 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上〜0.1未満) C:普通(0.1以上〜0.2未満) D:悪い(0.2以上) [画像形成装置とのマッチング評価] 1)感光体とのマッチング プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷や残
留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影
響を目視で評価した。
【0526】 A:未発生 B:わずかに傷の発生が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い 2)トナー層厚規制部材とのマッチング プリントアウト試験終了後、トナー層厚規制部材(シリ
コーンゴム製ブレード)を現像器から取り外し、軽くエ
アーブローを行った後、トナー担持体(現像スリーブ)
との当接部分を顕微鏡で観察し、融着状況を評価した。
【0527】 A:未発生 B:わずかに固着が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い 得られた結果を表9〜11に示す。
【0528】<実施例2〜20>磁性トナーとして磁性
トナーAの代わりに、それぞれ磁性トナーB、C、D、
E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、
Q、R、BB、αを使用する以外は、実施例1と同様に
評価を行った。結果を表9〜11に示す。
【0529】<比較例1〜9>磁性トナーとして磁性ト
ナーAの代わりに、それぞれ磁性トナーS、T、U、
V、W、X、Y、Z、AAを使用する以外は、実施例1
と同様に評価を行った。結果を表9〜11に示す。
【0530】
【表9】
【0531】
【表10】
【0532】
【表11】
【0533】<実施例21>また本発明のトナーは、ク
リーナーレス画像形成方法または現像兼回収工程を有す
る画像形成方法にも適用可能である。
【0534】まず、本発明の実施例に用いる像担持体と
して、以下の感光体Bを製造した。
【0535】感光体は負帯電用の有機光導電性物質を用
いた感光体(以下OPC感光体)であり、直径30mm
のアルミニウム製のシリンダーを基体とした。これに、
図8に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層し
て、感光体を作成した。
【0536】(1)第1層は導電層であり、アルミニウ
ムシリンダーの欠陥等をならすため、またレーザー露光
の反射によるモアレの発生を防止するために設けられて
いる厚さ約20μmの導電性粒子分散樹脂層(酸化錫及
び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを
主体とする)である。
【0537】(2)第2層は正電荷注入防止層(下引き
層)であり、アルミニウム支持体から注入された正電荷
が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止す
る役割を果たし、メトキシメチル化ナイロンによって体
積抵抗値が1×106Ω・cm程度に調整された厚さ約
1μmの中抵抗層である。
【0538】(3)第3層は電荷発生層であり、ジスア
ゾ系の顔料をブチラール樹脂に分散した厚さ約0.3μ
mの層であり、レーザー露光を受けることによって正負
の電荷対を発生する。
【0539】(4)第4層は電荷輸送層であり、ポリカ
ーボネート樹脂にヒドラゾン化合物を分散した厚さ約2
5μmの層であり、P型半導体である。従って、感光体
表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはでき
ず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸
送することができる。
【0540】(5)第5層は電荷注入層であり、光硬化
性のアクリル樹脂に導電性酸化スズ超微粒子及び体積平
均粒径約0.25μmのポリ4フッ化エチレン樹脂粒子
を分散したものである。具体的には、アンチモンをドー
ピングし低抵抗化した体積平均粒径約0.03μmの酸
化スズ粒子を樹脂100質量部に対して100質量部、
更にポリ4フッ化エチレン樹脂粒子を20質量部、分散
剤を1.2質量部分散したものである。このようにして
調製した塗工液をスプレー塗工法にて厚さ約2.5μm
に塗工した後光照射により硬化させて電荷注入層とし
た。
【0541】得られた感光体の表面の体積抵抗値は、5
×1012Ω・cm、感光体表面の水に対する接触角は、
102度であった。
【0542】次に、本発明の実施例に用いる帯電部材の
製造例について述べる。
【0543】<帯電部材Aの製造>直径6mm、長さ2
64mmのSUSローラを芯金とし、芯金上にウレタン
樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、
発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状
に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整え、可
撓性部材として直径12mm、長さ234mmの帯電ロ
ーラAを作成した。得られた帯電ローラAは、抵抗が1
×105Ω・cmであり、硬度は、アスカーC硬度で30
度であった。また、この帯電ローラ表面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、平均セル径は約90μmで、空
隙率は55%であった。
【0544】本実施例の画像形成装置として、図5に示
されるものを用いた。
【0545】本例の画像形成装置は、転写式電子写真プ
ロセスを利用した現像兼クリーニングプロセス(クリー
ナーレスシステム)のレーザプリンター(記録装置)で
ある。クリーニングブレードの如きクリーニング部材を
有するクリーニングユニットを除去したプロセスカード
リッジを有し、現像剤としては一成分系磁性トナーを使
用し、トナー担持体上のトナー層と感光体が非接触とな
るよう配置される非接触現像の画像形成装置である。
【0546】(1)本例画像形成装置の全体的な概略構
成 像担持体としての感光体21は、上記で得られた感光体
B(回転ドラム型OPC感光体)を用い、矢印のX方向
に94mm/secの周速度(プロセススピード)をも
って回転駆動される。接触帯電部材としての帯電ローラ
22は、上記で得られた帯電部材A(帯電ローラ)を用
いる。
【0547】帯電ローラ22は感光体21に対して弾性
に抗して所定の押圧力で圧接され配設してある。帯電当
接部nは感光体21と帯電ローラ22の当接部である。
本例では、帯電ローラ22は感光体21との接触面であ
る帯電当接部nにおいて対向方向(矢印Y方向)に10
0%の周速比(相対移動速度比200%)で回転駆動さ
れている。即ち、接触帯電部材としての帯電ローラ22
の表面は、感光体21の表面に対して速度差を持たせ
た。また、帯電ローラ22の表面には、塗布量がおよそ
1×104個/mm2で均一になるように前記導電性微粉
体3を塗布した。
【0548】また、帯電ローラ22の芯金22aには帯
電バイアス印加電源から−700Vの直流電圧を帯電バ
イアスとして印加するようにした。本例では感光体21
の表面は帯電ローラ22に対する印加電圧とほぼ等しい
電位(−680V)に直接注入帯電方式にて一様に帯電
処理される。これについては後述する。
【0549】レーザビームスキャナ23は露光手段であ
り、レーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含む。こ
のレーザビームスキャナ23は、目的の画像情報の時系
列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレ
ーザー光を出力し、該レーザ光で上記感光体21の一様
帯電面を走査露光する。この走査露光により回転感光体
21の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成さ
れる。
【0550】現像手段としての現像装置24は、感光体
21の表面の静電潜像をトナー画像として現像する。
【0551】本例の現像装置24は、負帯電性磁性一成
分絶縁現像剤である磁性トナーαを用いた、非接触型の
反転現像装置である。磁性トナーαには導電性微粉体1
が外添添加してある。
【0552】トナー担持体として、下記の構成の層厚約
7μm、JIS中心線平均粗さ(Ra)1.0μmの樹
脂層を、表面をブラストした直径16mmのアルミニウ
ム円筒上に形成した現像スリーブ24aを使用し、現像
磁極94mT(940ガウス)のマグネットロールを内
包し、トナー層厚規制部材として厚み1.2mm、自由
長1.2mmのシリコーンゴム製の弾性ブレード24c
を19.6N/m(20g/cm)の線圧で当接させ
た。感光体21と現像スリーブ24aとの間隙は300
μmとした。 ・フェノール樹脂 100質量部 ・グラファイト(体積粒径約7μm) 90質量部 ・カーボンブラック 10質量部 また、現像スリーブ24aは、感光体21との対向部で
ある現像部a(現像領域部)にて感光体21の回転方向
と順方向(矢印W方向)に感光体21の周速の120%
の周速で回転させる。
【0553】この現像スリーブ24aに弾性ブレード2
4cで磁性トナーが薄層にコートされる。磁性トナーは
弾性ブレード24cで現像スリーブ24aに対する層厚
が規制され、また電荷が付与される。この時、現像スリ
ーブ24aにコートされたトナー量は、15g/m2
あった。
【0554】現像スリーブ24aにコートされた磁性ト
ナーは、現像スリーブ24aの回転により、感光体21
と現像スリーブ24aの対向部である現像部aに搬送さ
れる。
【0555】また、現像スリーブ24aには現像バイア
ス印加電源より現像バイアス電圧が印加される。現像バ
イアス電圧は、−420Vの直流電圧と、周波数160
0Hz、ピーク間電圧1500V(電界強度5×106
V/m)の矩形の交流電圧を重畳したものを用い、現像
スリーブ24aと感光体21の間、現像部aで一成分ジ
ャンピング現像を行わせた。
【0556】接触転写手段としての中抵抗の転写ローラ
25は、感光体に98N/m(100g/cm)の線圧
で圧接させて転写ニップ部bを形成させてある。この転
写ニップ部bに不図示の給紙部から所定のタイミングで
記録媒体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ
25に転写バイアス印加電源から所定の転写バイアス電
圧が印加されることで、感光体21側のトナー像が転写
ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写され
ていく。
【0557】本例では転写ローラ25の体積抵抗値は5
×108Ωcmのものを用い、+3000Vの直流電圧
を印加して転写を行った。即ち、転写ニップ部bに導入
された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送され
て、その表面側に感光体21の表面に形成担持されてい
るトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されて
いく。
【0558】転写ニップ部bに給紙されて感光体21側
のトナー像の転写を受けた転写材Pは感光体の表面から
分離されて、定着手段である熱定着方式等の定着装置2
6に導入され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プ
リント、コピー)として装置外へ排出される。
【0559】本例の画像形成装置は、クリーニングユニ
ットを除去しており、転写材Pに対するトナー像転写後
の感光体21の表面に残留の転写残トナーはクリーナー
で除去されることなく、感光体21の回転にともない帯
電当接部nを経由して現像部aに至り、現像装置24に
おいて現像兼クリーニング(回収)される。
【0560】本例の画像形成装置は、感光体21、帯電
ローラ22、現像装置24の3つのプロセス機器が、画
像形成装置本体から着脱可能に構成されているプロセス
カートリッジ27を有する。画像形成装置及びプロセス
カートリッジ化するプロセス機器の組み合わせ等は上記
に限られるものではなく任意である。カートリッジ保持
部材28は、プロセスカートリッジの着脱案内・保持部
材である。
【0561】(2)本実施例における導電性微粉体の挙
動について 現像装置24の磁性トナーに混入させた導電性微粉体
は、現像装置24による感光体21側の静電潜像のトナ
ー現像時にトナーとともに適当量が感光体21側に移行
する。
【0562】感光体21上のトナー像は、転写部bにお
いて転写バイアスの影響で記録媒体である転写材P側に
引かれて積極的に転移するが、感光体21上の導電性微
粉体は導電性であることで転写材P側には積極的には転
移せず、感光体21上に実質的に付着保持されて残留す
る。
【0563】本発明においては、画像形成装置はクリー
ニング工程を有さないため、転写後の感光体21の表面
に残存の転写残トナーおよび上記の残存導電性微粉体
は、感光体21と接触帯電部材である帯電ローラ22の
帯電当接部nに感光体21面の移動でそのまま持ち運ば
れて、帯電ローラ22に付着または混入する。したがっ
て、感光体21と帯電ローラ22との帯電当接部nにこ
の導電性微粉体が存在した状態で感光体21の直接注入
帯電が行われる。
【0564】この導電性微粉体の存在により、帯電ロー
ラ22にトナーが付着・混入した場合でも、帯電ローラ
22の感光体21への緻密な接触性と接触抵抗を維持で
きるため、該帯電ローラ22による感光体21の直接注
入帯電を行わせることができる。
【0565】つまり、帯電ローラ22が導電性微粉体を
介して密に感光体21に接触して、帯電ローラ22と感
光体21の相互接触面に存在する導電性微粉体が感光体
21表面を隙間なく摺擦することで、帯電ローラ22に
よる感光体21の帯電は導電性微粉体の存在により放電
現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電が支配的と
なり、従来のローラ帯電等では得られなかった高い帯電
効率が得られ、帯電ローラ22に印加した電圧とほぼ同
等の電位を感光体21に与えることができる。
【0566】また帯電ローラ22に付着または混入した
転写残トナーは帯電ローラ22から徐々に感光体21上
に吐き出されて感光体21面の移動とともに現像部aに
至り、現像工程において現像兼クリーニング(回収)さ
れる。
【0567】現像兼クリーニングは、転写後に感光体2
1上に残留したトナーを、引き続く画像形成工程の現像
時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成
し、該潜像の現像時において、現像装置のかぶり取りバ
イアス、即ち現像装置に印加する直流電圧と感光体の表
面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vbackに
よって回収するものである。本実施例における画像形成
装置のように反転現像の場合では、この現像兼クリーニ
ングは、現像バイアスによる感光体の暗部電位から現像
スリーブにトナーを回収する電界と、現像スリーブから
感光体の明部電位へトナーを付着させる電界の作用でな
される。
【0568】また、画像形成装置が稼働されることで、
現像装置24の磁性トナーに混入させてある導電性微粉
体が現像部aで感光体21面に移行し、感光体21面の
移動により転写ニップ部bを経て帯電当接部nに持ち運
ばれて帯電当接部nに新しい粒子が逐次に供給され続け
るため、帯電当接部nにおいて導電性微粉体が脱落等で
減少したり、該導電性微粉体が劣化するなどしても、帯
電性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安
定して維持される。
【0569】かくして、接触帯電方式、転写方式、トナ
ーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯
電部材として簡易な帯電ローラ22を用いて、しかも該
帯電ローラ22の転写残トナーによる汚染にかかわら
ず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を長期に渡
り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与える
ことが出来、オゾン生成物による障害、帯電不良による
障害等のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を
得ることができる。
【0570】また、前述のように導電性微粉体は帯電性
を損なわないために、抵抗値が1×109Ω・cm以下
である必要がある。そのため、現像部aにおいて磁性ト
ナーが直接感光体21に接触する接触現像装置を用いた
場合には、磁性トナー中の導電性微粉体を通じて、現像
バイアスにより感光体21に電荷注入され、画像かぶり
が発生してしまう。
【0571】しかし、本例において現像装置は非接触型
現像装置であるので、現像バイアスが感光体21に注入
されることがなく、良好な画像を得ることが出来る。ま
た、現像部aにおいて感光体21への電荷注入が生じな
いため、交流電圧のバイアスなど現像スリーブ24aと
感光体21間に高電位差を持たせることが可能であり、
導電性微粉体が均等に現像されやすく、均一に導電性微
粉体を感光体21表面に塗布し、帯電部で均一な接触を
行い、良好な帯電性を得ることが出来、良好な画像を得
ることが可能となる。
【0572】帯電ローラ22と感光体21との帯電当接
部nに導電性微粉体を介在させることにより、該導電性
微粉体の潤滑効果(摩擦低減効果)により帯電ローラ2
2と感光体21との間に容易に効果的に速度差を設ける
ことが可能となる。
【0573】帯電ローラ22と感光体21との間に速度
差を設けることにより、帯電ローラ22と感光体21の
相互接触面部、帯電当接部nにおいて導電性微粉体が感
光体21に接触する機会を格段に増加させ、高い接触性
を得ることができ、良好な直接注入帯電を可能としてい
る。
【0574】本実施例では、帯電ローラ22を回転駆動
し、その回転方向は感光体21表面の移動方向とは逆方
向に回転するように構成することで、帯電当接部nに持
ち運ばれる感光体21上の転写残トナーを帯電ローラ2
2に一時的に回収し均す効果を得ている。即ち、逆方向
回転で感光体21上の転写残トナーを一旦引き離し帯電
を行うことにより優位に直接注入帯電を行うことが可能
である。
【0575】更に、本実施例では像担持体としての感光
体21と接触帯電部材としての帯電ローラ22との帯電
当接部nにおける適当な量の導電性微粉体の介在によっ
て、該微粉末による潤滑効果により帯電ローラ22と感
光体21との摩擦を低減し、帯電ローラ22を感光体2
1に速度差を持って回転駆動させることが容易である。
つまり、駆動トルクが低減し、帯電ローラ22や感光体
21の表面の削れまたは傷を防止できる。更に導電性微
粉体による接触機会増加により十分な帯電性能が得られ
る。また、導電性微粉体の帯電ローラ22からの脱落よ
る作像上に悪影響もない。
【0576】(3)評価 本実施例では、トナーカートリッジ内に磁性トナーαを
充填して、高温高湿(32℃、85%RH)環境下にお
いて、印字面積比率7%の縦ラインのみからなる画像パ
ターンを12枚/分(A4サイズ)のプリントアウト速
度で間歇モード(すなわち、1枚プリントアウトする毎
に10秒間現像器を休止させ、再起動時の現像装置の予
備動作でトナーの劣化を促進させるモード)で5000
枚のプリントアウト試験を行った。尚、500枚毎にベ
タ黒画像パターンとベタ白画像パターンのプリントアウ
トも行った。転写材としては75g/m2の紙を使用し
た。転写材としては75g/m2のA4コピー紙を用い
た。その結果、耐久による現像性の低下は見られず、何
ら問題がなかった。
【0577】また、プリントアウト終了後、帯電ローラ
22上で感光体21との帯電当接部nに対応する部分を
テーピングし、観察したところ、微量の転写残トナーが
確認されるものの、ほぼ白色の酸化亜鉛粒子(導電性微
粉体1)で覆われており、介在量はおよそ3×105
/mm2であった。帯電ローラと感光体との帯電当接部
に介在している転写残トナーを走査型顕微鏡で観察した
ところ、表面を非常に粒径が細かい導電性微粉体で固着
しているように覆われたような転写残トナーは観察され
なかった。
【0578】また、感光体21と帯電ローラ22との帯
電当接部nに導電性微粉体1が存在した状態で、初期よ
りプリントアウト終了まで帯電不良に起因する画像欠陥
を生じず、良好な直接注入帯電性が得られた。
【0579】また、感光体として最表面層の体積抵抗値
が5×1012Ω・cmの感光体Bを用いたことにより、
静電潜像を維持することでシャープな輪郭の文字画像が
得られ、多数枚のプリントアウト後も十分な帯電性が得
られる直接注入帯電を実現ができる。上記5000枚の
間欠プリント後の直接注入帯電後の感光体電位は、印加
帯電バイアス−700Vに対して−670Vであり、初
期からの帯電性の低下は10Vと軽微であり、帯電性の
低下による画像品質の低下は認められなかった。
【0580】更に、像担持体の表面の水に対する接触角
が102度である感光体Bを用いたこととあいまって、
転写効率は初期及び5000枚の間欠プリント後も非常
に優れていた。転写後の感光体上に転写残トナー量が少
ないことを勘案しても、5000枚の間欠プリント後の
帯電ローラ22上での転写残トナーが微量であったこと
と非画像部のカブリが少ないことより、現像での転写残
トナーの回収性が良好であったことが解る。更に、50
00枚の間欠プリント後も感光体上の傷は軽微であり、
この傷に対応して画像上に生じる画像欠陥は実用上許容
できるレベルに抑制されていた。
【0581】以下プリント画像の評価法および画像形成
装置とのマッチング評価法について述べる。結果を表1
2に示す。
【0582】[プリントアウト画像の評価] 1)画像濃度の変動 500枚目と5000枚目のベタ黒画像について、マク
ベス反射濃度計RD918(マクベス社製)により、原
稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対
する相対濃度をそれぞれ測定し、これらの濃度差から以
下のように判定した。
【0583】 A:非常に良好(濃度差 0.05未満) B:良好(濃度差 0.05以上〜0.10未満) C:普通(濃度差 0.10以上〜0.20未満) D:悪い(濃度差 0.20以上) 2)画質 画質の判断基準は、画像の均一性、細線再現性を総合的
に評価したものである。なお、画像の均一性はべた黒画
像で判断を行った。
【0584】 A:細線再現性、画像の均一性に優れ、鮮明な画像 B:細線再現性、画像の均一性が若干劣るものの、良好
な画像 C:実用的には問題の無い画質 D:細線再現性、画像の均一性が悪く、実用上好ましく
ない画像 3)カブリの変動 501枚目と5001枚目のベタ白画像形成時の感光体
上の転写前の部分をマイラーテープによりテーピングし
てはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼った
もののマクベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に
貼ったもののマクベス濃度を差し引き、それぞれカブリ
の値を算出した。そして、5001枚目の値から501
枚目の値を差し引き、以下のように判定した。
【0585】 A:非常に良好(濃度差 0.05未満) B:良好(濃度差 0.05以上〜0.15未満) C:普通(濃度差 0.15以上〜0.30未満) D:悪い(濃度差 0.30以上) 4)転写性 1000枚目のベタ黒画像形成時の感光体上の転写残ト
ナーを、マイラーテープによりテーピングしてはぎ取
り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったもののマ
クベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼ったも
ののマクベス濃度を差し引いた数値で評価した。
【0586】 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上〜0.1未満) C:普通(0.1以上〜0.2未満) D:悪い(0.2以上) 5)帯電性 初期及びプリントアウト試験終了後、一様帯電後の感光
体表面電位を現像装置位置にセンサーを配置し測定し、
その差分により帯電性を評価した。差分がマイナスに大
きくなるほど帯電性の低下が大きいことを示す。
【0587】6)像担持体と接触帯電部材との当接部に
おける導電性微粉体の介在量 感光体と接触帯電部材との帯電当接部における導電性微
粉体の介在量を前述の方法で測定した。1×104〜5
×105個/mm2の介在量が好ましい。
【0588】[画像形成装置とのマッチング評価] 1)トナー層厚規制部材とのマッチング プリントアウト試験終了後、トナー層厚規制部材(シリ
コーンゴム製ブレード)を現像器から取り外し、軽くエ
アーブローを行った後、トナー担持体(現像スリーブ)
との当接部分を顕微鏡で観察し、融着状況を評価した。
【0589】 A:未発生 B:わずかに固着が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い 得られた結果を表12に示す。
【0590】<実施例22〜24>実施例21で用いた
感光体Bの代わりに、下記のように製造された感光体
C、D、Eを用いる以外は、実施例21と同様に画出し
テストを行った。結果を表12に示す。
【0591】<感光体Cの製造>感光体Bの第5層に、
ポリ4フッ化エチレン樹脂粒子と分散剤を分散しなかっ
たこと以外は、感光体Bと同様にして感光体Cを作成し
た。これにより、感光体表面層の体積抵抗値は、2×1
12Ω・cm、感光体表面の水に対する接触角は、78
度であった。
【0592】<感光体Dの製造>感光体Bの第5層にお
いて、アンチモンをドーピングし、低抵抗化した体積平
均粒径約0.03μmの酸化スズ粒子を光硬化性のアク
リル樹脂100質量部に対して300質量部分散したも
のを加えたこと以外は、感光体Bと同様にして感光体D
を作成した。この場合、感光体表面層の体積抵抗値は、
2×107Ω・cm、感光体表面の水に対する接触角
は、88度であった。
【0593】<感光体Eの製造>感光体Bの第5層(電
荷注入層)を設けない、電荷輸送層を最外層とする4層
構成の感光体とすること以外は、感光体Bと同様にして
感光体Eを作成した。この場合、感光体表面層の体積抵
抗値は、1×1015Ω・cm、感光体表面の水に対する
接触角は、73度であった。
【0594】<実施例25>実施例21で用いた帯電部
材Aの帯電部材の代わりに、下記のように製造された帯
電部材Bを用いる以外は、実施例21と同様に画出しテ
ストを行った。本実施例で用いた画像形成装置は、図6
に概略図を示す。即ち、帯電手段は、帯電部材Bを用い
た帯電ブラシ22’とする。結果を表12に示す。
【0595】<帯電部材Bの製造>直径6mm、長さ2
64mmのSUSローラを芯金とし、芯金上に導電性ナ
イロン繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金にス
パイラル状に巻き付けてロール状帯電ブラシを作成し
た。ナイロン繊維にカーボンブラックを分散させて抵抗
調整された、繊維の太さが6デニール(300デニール
/50フィラメント)、ブラシの繊維の長さは3mm、
ブラシ密度は1平方インチ当たり10万本で植毛された
物を用いた。得られた帯電ブラシロールの抵抗値は1×
107Ω・cmであった。
【0596】<実施例26〜30>実施例21で用いた
磁性トナーαの代わりに、磁性トナーβ、γ、δ、ε、
ζをそれぞれ用いる以外は、実施例21と同様に画出し
テストを行った。結果を表12に示す。
【0597】<比較例10〜13>実施例21で用いた
磁性トナーαの代わりに、磁性トナーη、θ、ι、κを
それぞれ用いる以外は、実施例21と同様に画出しテス
トを行った。結果を表12に示す。
【0598】
【表12】
【0599】A.磁性粉体の製造 以下のようにして、表面処理磁性粉体9〜12および磁
性粉体1を得た。
【0600】<表面処理磁性粉体9の製造>硫酸第一鉄
水溶液中に、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の苛
性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調
製した。水溶液のpHを9前後に維持しながら空気を吹
き込み、70℃以上で酸化反応を行い、種晶を生成させ
るスラリー液を調製した。
【0601】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.
2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリ
ー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応
をすすめ、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗
浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サンプルを
少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サ
ンプルを乾燥せずに水系媒体中に再分散させた後、再分
散液のpHを約6に調製し、十分攪拌しながらシランカ
ップリング剤(n−C1021Si(OCH33)を磁性
酸化鉄に対し1.0質量部(磁性酸化鉄の量は含水サン
プルから含水量を引いた値として計算した)添加し、カ
ップリング処理を行った。生成した疎水性酸化鉄粒子を
常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集してい
る粒子を解砕処理して、表面処理磁性粉体9を得た。
【0602】<磁性粉体1の製造>表面処理磁性粉体9
の製造と同様に酸化反応を進め、酸化反応後に生成した
磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過後、表面処理を行わずに、
乾燥し、凝集している粒子を解砕処理し磁性粉体1を得
た。
【0603】<表面処理磁性粉体10の製造>上記磁性
粉体1を、再分散させた後、再分散液のpHを約6に調
製し、十分攪拌しながらシランカップリング剤(n−C
1021Si(OCH33)を磁性酸化鉄に対し1.0質
量部添加し、カップリング処理を行った。生成した疎水
性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで
凝集している粒子を解砕処理して、表面処理磁性粉体1
0を得た。
【0604】<表面処理磁性粉体11の製造>シランカ
ップリング剤を(n−C613Si(OCH33)とす
る以外は、表面処理磁性粉体9の製造と同様にして表面
処理磁性粉体11を得た。
【0605】<表面処理磁性粉体12の製造>シランカ
ップリング剤を(n−C1837Si(OCH33)とす
る以外は、表面処理磁性粉体9の製造と同様にして表面
処理磁性粉体12を得た。
【0606】得られた磁性粉体の物性を表13に示す。
【0607】
【表13】
【0608】B.導電性微粉体の製造 上記実施例で用いた導電性微粉体1〜5を用いた。
【0609】C.磁性トナーの製造 <磁性トナー1の製造>イオン交換水292質量部に、
1.0モル/リットルのNa3PO4水溶液46質量部を
投入し、80℃に加温した後、1.0モル/リットルの
CaCl2水溶液67質量部を徐々に添加してCa3(P
42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 88質量部 ・ステアリルメタクリレート 12質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 8質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 2質量部 ・表面処理磁性粉体 85質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量
体組成物を80℃に加温し、そこに示差熱分析における
吸熱ピーク温度が75℃のエステルワックス10質量部
を添加混合し、これに重合開始剤としてt−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート6質量部を溶解し
た。
【0610】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、80℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで10
分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、80℃で4時間反応させ、無水炭酸ナトリウム4質
量部を系内に添加した後、さらに2時間反応を継続した
(反応終了後の懸濁液のpHは10.5であった)。反
応終了後、懸濁液を冷却し、連続式ベルトフィルター
(住友重機械工業社製、商品名「イーグルフィルタ
ー」)を用いて以下のような操作を行った。
【0611】まず、アルカリ性の懸濁液の脱水をベルト
上で行い、次いでトータル量1000質量部の水をシャ
ワーリングして水洗を行い、懸濁液中に含まれる2−エ
チルヘキサン酸ナトリウム(これは重合開始剤であるt
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの分解
により副生した2−エチルヘキサン酸が、炭酸ナトリウ
ムにより中和されたものである)の除去を行った。さら
に、ベルト上で1000質量部の希塩酸(pH1.0)
での洗浄、1000質量部の水での水洗、そして脱水を
行なうことで、2−エチルヘキサン酸および分散剤とし
て使用したリン酸カルシウムが実質的に除去された磁性
トナー粒子を得た。その後、この含水磁性トナー粒子を
乾燥して体積平均粒径6.8μmの磁性トナー粒子1を
得た。
【0612】この磁性トナー粒子1の100質量部と、
ヘキサメチルジシラザンで表面を処理した後シリコーン
オイルで処理し、処理後のBET値が200m2/gの
疎水性シリカ微粉体1.1質量部とをヘンシェルミキサ
ー(三井三池化工機(株))で混合して、磁性トナー1
を調製した。磁性トナー1の物性を表14に示す。尚、
前述した値(b/a)は、27/100であった。
【0613】<磁性トナー2の製造>表面処理磁性粉体
9の代わりに表面処理磁性粉体11を使用する以外は、
磁性トナー1の製造と同様にして磁性トナー2を調製し
た。磁性トナー2の物性を表14に示す。
【0614】<磁性トナー3の製造>表面処理磁性粉体
9の代わりに表面処理磁性粉体12を使用する以外は、
磁性トナー1の製造と同様にして磁性トナー3を調製し
た。磁性トナー3の物性を表14に示す。
【0615】<磁性トナー4の製造>磁性トナー粒子1
を100質量部と、ヘキサメチルジシラザン処理し、処
理後のBET値が200m2/gの疎水性シリカ微粉体
1.1質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))で混合して、磁性トナー4を調製した。磁性ト
ナー4の物性を表14に示す。
【0616】<磁性トナー5の製造>イオン交換水29
2質量部に、1.0モル/リットルのNa3PO4水溶液
46質量部を投入し80℃に加温した後、1.0モル/
リットルのCaCl2水溶液67質量部を徐々に添加し
てCa3(PO42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 88質量部 ・ステアリルメタクリレート 12質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 8質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 2質量部 ・表面処理磁性粉体9 85質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量
体組成物を80℃に加温し、そこに示差熱分析における
吸熱ピーク温度が75℃のエステルワックス10質量部
を添加混合し、これに重合開始剤としてt−ブチル−2
−エチルヘキサノエート6質量部を溶解した。
【0617】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、80℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで10
分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、80℃で6時間反応させた(反応終了後の懸濁液の
pHは9.5であった)。反応終了後、懸濁液を冷却
し、希塩酸を加えてpH1.0として1時間撹拌した。
その後、懸濁液を連続ベルトフィルターにより濾過、水
洗し、乾燥して体積平均粒径6.6μmの磁性トナー粒
子5を得た。
【0618】この磁性トナー粒子5を100質量部と、
磁性トナー1の製造の際に使用した疎水性シリカ微粉体
1.1質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))で混合して、磁性トナー5を調製した。磁性ト
ナー5の物性を表14に示す。
【0619】<磁性トナー6の製造>イオン交換水29
2質量部に1.0モル/リットルのNa3PO4水溶液4
6質量部を投入し80℃に加温した後、1.0モル/リ
ットルのCaCl2水溶液67質量部を徐々に添加して
Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 88質量部 ・ステアリルメタクリレート 12質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 8質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 2質量部 ・表面処理磁性粉体9 85質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。
【0620】この単量体組成物を80℃に加温し、そこ
に示差熱分析における吸熱ピーク温度が75℃のエステ
ルワックス10質量部を添加混合し、これに重合開始剤
としてt−ブチル−2−エチルヘキサノエート6質量部
を溶解した。
【0621】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、80℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで10
分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、80℃で6時間反応させた(反応終了後の懸濁液の
pHは9.5であった)。反応終了後、懸濁液を冷却
し、懸濁液をヌッチェで濾過し、トナー粒子を100質
量部の水で水洗した。その後、トナー粒子をpH1.0
の希塩酸にリスラリーし、1時間撹拌した。さらに、ト
ナー粒子をヌッチェで濾過し、充分に水洗を行った後、
乾燥して体積平均粒径6.7μmの磁性トナー粒子6を
得た。
【0622】この磁性トナー粒子6を100質量部と、
磁性トナー1の製造の際に使用した疎水性シリカ微粉体
1.1質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))で混合して、磁性トナー6を調製した。磁性ト
ナー6の物性を表14に示す。
【0623】<磁性トナー7の製造>得られるトナー粒
子の処理において、100質量部の水の代わりに200
質量部のpH11.0のアルカリ水溶液で水洗する以外
は、磁性トナー6の製造と同様にして磁性トナー7を調
製した。磁性トナー7の物性を表14に示す。
【0624】<磁性トナー8の製造>エステルワックス
の使用量を51質量部とする以外は、磁性トナー1の製
造と同様にして、磁性トナー8を得た。磁性トナー8の
物性を表14に示す。
【0625】<磁性トナー9の製造>エステルワックス
の使用量を0.4質量部とする以外は、磁性トナー1の
製造と同様にして、磁性トナー9を得た。磁性トナー9
の物性を表14に示す。
【0626】<磁性トナー10の製造>エステルワック
スに代えて、示差熱分析における吸熱ピーク温度が12
0℃の低分子量ポリエチレンワックスを10質量部用い
る以外は、磁性トナー1の製造と同様にして、磁性トナ
ー10を得た。磁性トナー10の物性を表14に示す。
【0627】<磁性トナー11の製造>表面処理磁性粉
体9の使用量を50質量部とする以外は、磁性トナー1
の製造と同様にして、磁性トナー11を得た。磁性トナ
ー11の物性を表14に示す。
【0628】<磁性トナー12の製造>表面処理磁性粉
体9の使用量を150質量部とする以外は、磁性トナー
1の製造と同様にして、磁性トナー12を得た。磁性ト
ナー12の物性を表14に示す。
【0629】<磁性トナー13の製造>イオン交換水2
92質量部に、1.0モル/リットルのNa3PO4水溶
液46質量部を投入し60℃に加温した後、1.0モル
/リットルのCaCl2水溶液67質量部を徐々に添加
してCa3(PO42を含む水系媒体を得た。 ・スチレン 88質量部 ・ステアリルメタクリレート 12質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 8質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 2質量部 ・表面処理磁性粉体9 85質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。
【0630】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
に示差熱分析における吸熱ピーク温度が75℃のエステ
ルワックス10質量部を添加混合し、これに重合開始剤
としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート5質量部
を溶解した。
【0631】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで10
分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、60℃で4時間反応させ、無水炭酸ナトリウム4質
量部を系内に添加した後、さらに80℃で2時間反応を
継続した(反応終了後の懸濁液のpHは10.5であっ
た)。反応終了後、懸濁液を冷却し、フィルタープレス
(栗田機械製作所製)を用いて以下のような操作を行っ
た。
【0632】まず、アルカリ性の懸濁液をフィルタープ
レス内に導入してトナー粒子の濾過を行う。次いでトー
タル量1000質量部の水を濾枠内に流し、懸濁液中の
ネオデカン酸ナトリウム(これは重合開始剤であるt−
ブチルパーオキシネオデカノエートの分解により副生し
たネオデカン酸が、炭酸ナトリウムにより中和されたも
のである)を除去する。さらに、pH1.0の希塩酸を
濾枠内に流し、トナー粒子表面に付着しているリン酸カ
ルシウムを溶解除去する。その後、濾枠内に水を流し、
充分に洗浄を行なう。そして圧搾、エアーブローを行な
うことで、ネオデカン酸および分散剤として使用したリ
ン酸カルシウムが実質的に除去されたトナー粒子を得
た。その後、この含水トナー粒子を乾燥して体積平均粒
径7.1μmの磁性トナー粒子13を得た。
【0633】この磁性トナー粒子13を100質量部
と、ヘキサメチルジシラザンで表面を処理した後シリコ
ーンオイルで処理し、処理後のBET値が200m2
gの疎水性シリカ微粉体1.1質量部とをヘンシェルミ
キサー(三井三池化工機(株))で混合して、磁性トナ
ー13を調製した。磁性トナー13の物性を表14に示
す。
【0634】<磁性トナー14の製造>重合開始剤とし
てt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの
代わりにt−ブチルパーオキシピバレート5質量部を使
用し、重合温度を70℃とした以外は、磁性トナー1の
製造と同様にして、磁性トナー14を得た。磁性トナー
14の物性を表14に示す。
【0635】<磁性トナー15の製造>重合開始剤とし
てt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの
代わりにt−ヘキシルパーオキシピバレート5質量部を
使用した以外は、磁性トナー1の製造と同様にして、磁
性トナー15を得た。磁性トナー15の物性を表14に
示す。
【0636】<磁性トナー16の製造>重合開始剤とし
てt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの
代わりにジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオ
キシジカーボネート10質量部を使用した以外は、磁性
トナー1の製造と同様にして、磁性トナー16を得た。
磁性トナー16の物性を表14に示す。
【0637】<磁性トナー17の製造>重合開始剤とし
てt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの
代わりにベンゾイルパーオキサイド5質量部を使用した
以外は、磁性トナー1の製造と同様にして、磁性トナー
17を得た。磁性トナー17の物性を表14に示す。
【0638】<磁性トナー18の製造>重合開始剤とし
てt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの
代わりにステアロイルパーオキサイド20質量部を使用
した以外は、磁性トナー1の製造と同様にして、磁性ト
ナー18を得た。磁性トナー18の物性を表14に示
す。
【0639】<磁性トナー19の製造>重合開始剤とし
てt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの
代わりに過硫酸アンモニウム15質量部を使用した以外
は、磁性トナー1の製造と同様にして、磁性トナー19
を得た。磁性トナー19の物性を表14に示す。
【0640】<磁性トナー20の製造(比較用)>表面
処理磁性粉体9に代えて磁性粉体1を85質量部使用す
る以外は、磁性トナー1の製造と同様にして、比較例と
して磁性トナー20を得た。磁性トナー20の物性を表
15に示す。尚、前述した値(b/a)は、3/100
であった。
【0641】<磁性トナー21の製造(比較用)>表面
処理磁性粉体9に代えて表面処理磁性粉体10を85質
量部使用する以外は磁性トナー3の製造と同様にして、
比較例として磁性トナー21を得た。磁性トナー21の
物性を表15に示す。
【0642】<磁性トナー22の製造(比較用)>重合
開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエートの代わりに2,2’−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)15質量部を使用し、表面処理磁
性粉体9の代わりに表面処理磁性粉体10を使用した以
外は、磁性トナー1の製造と同様にして、磁性トナー2
2を得た。磁性トナー22の物性を表15に示す。
【0643】<磁性トナー23の製造(比較用)>イオ
ン交換水730質量部に1.0モル/リットルのNa3
PO4水溶液46質量部を投入し60℃に加温した後、
1.0モル/リットルのCaCl2水溶液67質量部を
徐々に添加してCa3(PO42を含む水系媒体を得
た。 ・スチレン 88質量部 ・ステアリルメタクリレート 12質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 8質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 2質量部 ・表面処理磁性粉体10 70質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。
【0644】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
に示差熱分析における吸熱ピーク温度が75℃のエステ
ルワックス10質量部を添加混合し、これに重合開始剤
として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)15質量部を溶解した。
【0645】前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入
し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー
(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで10
分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、60℃で3時間反応させ、さらに80℃に昇温して
7時間反応させた。
【0646】その後、懸濁液を冷却し、これに下記物質
を定量ポンプを用いて滴下し、前記懸濁液中の粒子に吸
着させた。 ・スチレン 45質量部 ・ステアリルメタクリレート 5質量部 ・ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 4質量部 その後、70℃に昇温し、10時間保持した。反応終了
後、懸濁液を冷却し、希塩酸を加えてpH1.0として
1時間撹拌した。その後、濾過、乾燥して体積平均粒径
7.0μmの磁性トナー粒子23を得た。この磁性トナ
ー粒子23を100質量部と、磁性トナー1の製造の際
に使用した疎水性シリカ微粉体1.1質量部とをヘンシ
ェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、比
較例としての磁性トナー23を調製した。磁性トナー2
3の物性を表15に示す。尚、前述した値(b/a)
は、37/100であった。
【0647】<磁性トナー24の製造(比較用)>エマ
ルゲン950(花王(株)製)を1質量部、ネオゲンR
(第一工業製薬(株)製)を2質量部含有する水100
質量部に、以下の物質を添加した。 ・スチレン 76質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・アクリル酸 4質量部 過硫酸カリウム5質量部を触媒として用い、攪拌下70
℃で8時間重合させて固形分50%の酸性極性基含有樹
脂エマルジョンを得た。
【0648】次に、下記混合物をディスパーを用いて攪
拌しながら25℃に加熱した。 ・上記酸性極性基含有樹脂エマルション 200質量部 ・表面処理磁性粉体10 90質量部 ・ポリエチレンディスパージョン 20質量部 (三井石油化学社製 ケミパールWF−640) ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 2質量部 ・水 350質量部 次いでこの分散溶液を約2時間攪拌した後60℃まで加
熱し、これをアンモニアによってpH8.0に調整し
た。さらに、この分散液を90℃まで加熱し、5時間こ
の温度を保ったところ、約8μmの粒子が得られた。こ
の粒子の分散液を冷却、分離、水洗したのち乾燥させ、
磁性トナー粒子24を得た。この粒子を電子顕微鏡で観
察したところ、重合体粒子と磁性粉体微粒子との2次粒
子の会合粒子から成り立っている事が観察された。
【0649】この磁性トナー粒子24の100質量部
と、磁性トナー1の製造の際に使用した疎水性シリカ微
粉体1.1質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化
工機(株))で混合して、比較例としての磁性トナー2
4を調製した。磁性トナー24の物性を表15に示す。
【0650】 <磁性トナー25の製造(比較用)> ・スチレン/ステアリルメタクリレート共重合体(質量比88/12) 100 質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 8質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 2質量部 ・表面処理磁性粉体10 85質量部 ・製造例1で使用したエステルワックス 10質量部 上記材料をブレンダーにて混合し、140℃に加熱した
2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微
粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級して体積平均粒径
10.4μmの磁性トナー粒子25を得た。この磁性ト
ナー粒子25の100質量部に対して磁性トナー1の製
造の際に使用した疎水性シリカ0.8質量部を加えた混
合物をヘンシェルミキサーで混合し、比較例としての磁
性トナー25を調製した。磁性トナー25の物性を表1
5に示す。
【0651】<磁性トナー26の製造(比較用)>磁性
トナー25の製造において、粗粉砕物をターボミル(タ
ーボ工業社製)で微粉砕する以外は同様の手法により、
トナー粒子を得た。その後衝撃式表面処理装置(処理温
度50℃、回転式処理ブレード周速90m/sec.)
を用いて体積平均粒径10.3μmの球形化の磁性トナ
ー粒子26を得た。
【0652】次に、得られた球形化の磁性トナー粒子2
6の100質量部に対して、磁性トナー1の製造の際に
使用した疎水性シリカ0.8質量部を加えた混合物をヘ
ンシェルミキサーで混合し、比較例としての磁性トナー
26を調製した。磁性トナー26の物性を表15に示
す。
【0653】<磁性トナー27の製造>磁性トナー粒子
1を100質量部と、磁性トナー1の製造の際に使用し
た疎水性シリカ1.1質量部、および上記導電性微粉体
1の2.0質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化
工機(株))で混合して、磁性トナー27を調製した。
磁性トナー27の物性を表15に示す。
【0654】<磁性トナー28の製造>磁性トナー粒子
1を100質量部と、磁性トナー1の製造の際に使用し
た疎水性シリカ1.1質量部、および上記導電性微粉体
2の2.0質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化
工機(株))で混合して、磁性トナー28を調製した。
磁性トナー28の物性を表15に示す。
【0655】<磁性トナー29の製造>磁性トナー粒子
1を100質量部と、磁性トナー1の製造の際に使用し
た疎水性シリカ1.1質量部、および上記導電性微粉体
3の2.0質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化
工機(株))で混合して、磁性トナー29を調製した。
磁性トナー29の物性を表15に示す。
【0656】<磁性トナー30の製造>磁性トナー粒子
1を100質量部と、磁性トナー1の製造の際に使用し
た疎水性シリカ1.1質量部、および上記導電性微粉体
4の2.0質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化
工機(株))で混合して、磁性トナー30を調製した。
磁性トナー30の物性を表15に示す。
【0657】<磁性トナー31の製造>磁性トナー粒子
1を100質量部と、磁性トナー1の製造の際に使用し
た疎水性シリカ1.1質量部、および上記導電性微粉体
5の2.0質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化
工機(株))で混合して、磁性トナー31を調製した。
磁性トナー31の物性を表15に示す。
【0658】<磁性トナー32の製造>磁性トナー粒子
13を100質量部と、磁性トナー1の製造の際に使用
した疎水性シリカ1.1質量部、および上記導電性微粉
体1の2.0質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池
化工機(株))で混合して、磁性トナー32を調製し
た。磁性トナー32の物性を表15に示す。
【0659】<磁性トナー33の製造(比較用)>磁性
トナー粒子20を100質量部と、磁性トナー1の製造
の際に使用した疎水性シリカ1.1質量部、および前記
導電性微粉体1の2.0質量部とをヘンシェルミキサー
(三井三池化工機(株))で混合して、比較例としての
磁性トナー33を調製した。磁性トナー33の物性を表
15に示す。
【0660】<磁性トナー34の製造(比較用)>磁性
トナー粒子25を100質量部と、磁性トナー1の製造
の際に使用した疎水性シリカ0.8質量部、および前記
導電性微粉体1の2.0質量部とをヘンシェルミキサー
(三井三池化工機(株))で混合して、比較例としての
磁性トナー34を調製した。磁性トナー34の物性を表
15に示す。
【0661】<磁性トナー35の製造(比較用)>磁性
トナー粒子26を100質量部と、磁性トナー1の製造
の際に使用した疎水性シリカ0.8質量部、および前記
導電性微粉体1の2.0質量部とをヘンシェルミキサー
(三井三池化工機(株))で混合して、比較例としての
磁性トナー35を調製した。磁性トナー35の物性を表
15に示す。
【0662】
【表14】
【0663】
【表15】
【0664】D.感光体の製造 感光体としては、上述した感光体A〜Eを用いた。
【0665】<実施例31>画像形成装置として、LB
P−1760を改造し、概ね図1に示されるものを用い
た。
【0666】像担持体としての感光体100には、感光
体A(有機感光体(OPC)ドラム)を用いた。この感
光体100に、帯電部材として、導電性カーボンを分散
しナイロン樹脂で被覆された帯電ローラ117を当接さ
せ(当接圧60g/cm)、直流電圧−700Vdcに
交流電圧2.0kVppを重畳したバイアスを印加し
て、感光体上を一様に帯電する。帯電に次いで、レーザ
ー光で画像部分を露光することにより静電潜像を形成す
る。この時、暗部電位Vd=−700V、明部電位VL
=−150Vとした。
【0667】トナー担持体として、下記の構成の層厚約
7μm、JIS中心線平均粗さ(Ra)1.0μmの樹
脂層を、表面をブラストした直径16mmのアルミニウ
ム円筒上に形成した現像スリーブ102を使用し、現像
磁極90mT(900ガウス)、トナー規制部材として
厚み1.0mm、自由長1.0mmのシリコーンゴム製
ブレードを29.4N/m(30g/cm)の線圧で当
接させた。感光体100と現像スリーブ102との間隙
は290μmとした。 ・フェノール樹脂 100質量部 ・グラファイト(体積平均粒径約7μm) 90質量部 ・カーボンブラック 10質量部 次いで、現像バイアスとして、−500Vの直流電圧と
周波数2000Hz、ピーク間電圧1600Vの交流電
圧を重畳したものを用いた。また、現像スリーブの周速
は感光体周速(90mm/sec)に対して順方向に1
10%のスピード(99mm/sec)とした。
【0668】また、転写手段としては、図4のような転
写ローラ34(導電性カーボンを分散したエチレン−プ
ロピレンゴム製である、導電性弾性層34bの体積抵抗
値1×108Ω・cm、表面ゴム硬度24度、直径20
mm、当接圧59N/m(60g/cm)を図4中矢印
A方向の感光体周速(90mm/sec)に対して等速
とし、転写バイアスは直流電圧1.5kVとした。
【0669】定着手段としては、LBP−1760のオ
イル塗布機能のない、フィルムを介してヒータにより加
熱加圧定着する方式の定着装置126を用いた。この時
加圧ローラはフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用
し、ローラの直径は30mmであった。また、定着温度
は190℃、ニップ幅を7mmに設定した。
【0670】磁性トナーとして磁性トナー1を使用し、
まず常温常湿(25℃、60%RH)および高温、高湿
(32℃、85%RH)環境下において、それぞれ20
0枚の画出し試験を行った。次いで、低温低湿(15
℃、20%RH)環境下にプロセスカートリッジをセッ
トした画像形成装置を一晩放置し、10枚の画出し試験
を行った。尚、転写材としては80g/m2の紙を使用
した。評価は以下のようにして行った。
【0671】[プリントアウト画像の評価] 1)画像濃度 常温常湿下、50枚目のプリントアウト画像(ベタ黒画
像)について、マクベス反射濃度計RD918(マクベ
ス社製)により、原稿濃度が0.00の白地部分のプリ
ントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0672】 A:非常に良好(1.40以上) B:良好(1.35〜1.40未満) C:普通(1.00〜1.35未満) D:悪い(1.00未満) 2)帯電安定性 常温常湿下および高温高湿下での50枚目のプリントア
ウト画像(ベタ黒画像)の画像濃度差を帯電安定性の指
標とした。
【0673】 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05〜0.10未満) C:普通(0.10〜0.20未満) D:悪い(0.20以上) 3)転写性 高温高湿下、ベタ黒画像形成時(200枚目)の感光体
上の転写残トナーを、マイラーテープによりテーピング
してはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼っ
たもののマクベス濃度から、マイラーテープのみを紙上
に貼ったもののマクベス濃度を差し引いた数値で評価し
た。
【0674】 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05〜0.1未満) C:普通(0.1〜0.2未満) D:悪い(0.2以上) 4)定着性 低温低湿下での2枚目のプリントアウト画像(ベタ黒画
像)について、50g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄
紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低
下率(%)で評価した。
【0675】 A:5%未満 B:5%〜10%未満 C:10%〜20%未満 D:20%以上 [画像形成装置とのマッチング評価] 1)感光体とのマッチング プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷や残
留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影
響を目視で評価した。
【0676】 A:未発生 B:わずかに傷の発生が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い 2)定着装置とのマッチング プリントアウト試験終了後、定着フィルム表面の傷や残
留トナーの固着状況を目視で評価した。
【0677】 A:未発生 B:わずかに固着が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い 得られた結果を表16に示す。
【0678】
【表16】
【0679】<実施例32〜50>磁性トナーとして磁
性トナー1の代わりに、それぞれ磁性トナー2〜19及
び27を使用する以外は、実施例31と同様に評価を行
った。結果を表16に示す。
【0680】<比較例14〜20>磁性トナーとして磁
性トナー1の代わりに、それぞれ磁性トナー20〜26
を使用する以外は、実施例31と同様に評価を行った。
結果を表16に示す。
【0681】<実施例51>次に、クリーナーレス画像
形成方法あるいは現像兼回収工程を有する画像形成方法
に適用した例を示す。
【0682】トナーを磁性トナー27に変更し、現像条
件を以下のように変更する以外は、実施例21と同様に
して画像形成を行った。
【0683】実施例21で用いたトナー担持体に代え
て、現像磁極90mT(900ガウス)のマグネットロ
ールを、下記の構成の層厚約7μm、JIS中心線平均
粗さ(Ra)1.0μmの樹脂層を、表面をブラストし
た直径16mmのアルミニウム円筒上に形成した現像ス
リーブで内包したものを用いた。また、トナー規制部材
として厚み1.0mm、自由長1.5mmのウレタン製
の弾性ブレードを用い、29.4N/m(30g/c
m)の線圧で現像スリーブに当接させた。感光体と現像
スリーブとの間隙は290μmとした。 ・フェノール樹脂 100質量部 ・グラファイト(体積粒径約7μm) 90質量部 ・カーボンブラック 10質量部 本実施例では、トナーカートリッジ内に120gの磁性
トナー27を充填して、まず常温常湿(25℃、60%
RH)および高温高湿(32℃、85%RH)環境下に
おいて、それぞれ2%カバレッジのプリント画像を一枚
間欠で1000枚プリントアウトし、トナーカートリッ
ジ内で磁性トナー量が少なくなるまで使用した。転写材
としては80g/m2のA4コピー紙を用いた。その結
果、両環境とも耐久による現像性の低下は見られず、環
境間における帯電性の変動についても何ら問題がなかっ
た。
【0684】また、常温常湿環境下における1000枚
の間欠プリント後、帯電ローラ22上で感光体21との
帯電当接部nに対応する部分をテーピングし、観察した
ところ、微量の転写残トナーが確認されるものの、ほぼ
白色の酸化亜鉛粒子(導電性微粉体1)で覆われてお
り、介在量はおよそ3×105個/mm2であった。帯電
ローラと感光体との帯電当接部に介在している転写残ト
ナーを走査型顕微鏡で観察したところ、表面を非常に粒
径が細かい導電性微粉体で固着しているように覆われた
ような転写残トナーは観察されなかった。
【0685】また、感光体21と帯電ローラ22との帯
電当接部nに導電性微粉体1が存在した状態で、初期よ
り1000枚の間欠プリント後まで帯電不良に起因する
画像欠陥を生じず、良好な直接注入帯電性が得られた。
【0686】また、感光体として最表面層の体積抵抗値
が5×1012Ω・cmの感光体Bを用いたことにより、
静電潜像を維持することでシャープな輪郭の文字画像が
得られ、1000枚の間欠プリント後も十分な帯電性が
得られる直接注入帯電を実現ができる。1000枚の間
欠プリント後の直接注入帯電後の感光体電位は、印加帯
電バイアス−700Vに対して−670Vであり、初期
からの帯電性の低下は10Vと軽微であり、帯電性の低
下による画像品質の低下は認められなかった。
【0687】更に、像担持体の表面の水に対する接触角
が102度である感光体Bを用いたこととあいまって、
転写効率は初期及び1000枚の間欠プリント後も非常
に優れていた。転写後の感光体上に転写残トナー量が少
ないことを勘案しても、1000枚の間欠プリント後の
帯電ローラ22上での転写残トナーが微量であったこと
と非画像部のカブリが少ないことより、現像での転写残
トナーの回収性が良好であったことが解る。更に、10
00枚の間欠プリント後も感光体上の傷は軽微であり、
この傷に対応して画像上に生じる画像欠陥は実用上許容
できるレベルに抑制されていた。
【0688】以下プリント画像の評価法および画像形成
装置とのマッチング評価法について述べる。結果を表1
7に示す。
【0689】[プリントアウト画像の評価] 1)画像濃度 常温常湿下、500枚目のプリントアウト画像(ベタ黒
画像)について、マクベス反射濃度計RD918(マク
ベス社製)により、原稿濃度が0.00の白地部分のプ
リントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0690】 A:非常に良好(1.40以上) B:良好(1.35〜1.40未満) C:普通(1.00〜1.35未満) D:悪い(1.00未満) 2)帯電安定性 常温常湿下および高温高湿下での500枚目のプリント
アウト画像(ベタ黒画像)の画像濃度差を帯電安定性の
指標とした。
【0691】 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05〜0.10未満) C:普通(0.10〜0.20未満) D:悪い(0.20以上) 3)転写性 高温高湿下、ベタ黒画像形成時(500枚時)の感光体
上の転写残トナーを、マイラーテープによりテーピング
してはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼っ
たもののマクベス濃度から、マイラーテープのみを紙上
に貼ったもののマクベス濃度を差し引いた数値で評価し
た。
【0692】 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05〜0.1未満) C:普通(0.1〜0.2未満) D:悪い(0.2以上) 4)定着性 常温常湿下、初期からプリントアウト終了までの画像サ
ンプルの裏側に発生する汚れを目視で観察し、評価し
た。
【0693】 A:全く汚れが無い B:よく観察すると、僅かに汚れがある C:数枚が多少汚れている D:多数枚汚れている 5)帯電性 初期及びプリントアウト試験終了後、一様帯電後の感光
体表面電位を現像装置位置にセンサーを配置し測定し、
その差分により帯電性を評価した。差分がマイナスに大
きくなるほど帯電性の低下が大きいことを示す。
【0694】6)像担持体と接触帯電部材との当接部に
おける導電性微粉体の介在量 感光体と接触帯電部材との帯電当接部における導電性微
粉体の介在量を前述の方法で測定した。1×104〜5
×105個/mm2の介在量が好ましい。
【0695】[画像形成装置とのマッチング評価] 1)感光体とのマッチング プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷や残
留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影
響を目視で評価した。
【0696】 A:未発生 B:わずかに傷の発生が見られる C:固着や傷がある D:固着や傷が多い <実施例52〜54>実施例51で用いた感光体Bの代
わりに、前記実施例で用いた感光体C、D、Eを用いる
以外は、実施例51と同様に画出しテストを行った。結
果を表17に示す。
【0697】<実施例55>実施例51で用いた帯電部
材Aの帯電部材の代わりに、前記実施例で用いた帯電部
材Bを用いる以外は、実施例51と同様に画出しテスト
を行った。本実施例で用いた画像形成装置は、図6に概
略図を示す。即ち、帯電手段は、帯電部材Bを用いた帯
電ブラシ22’とする。結果を表17に示す。
【0698】<実施例56〜60>実施例51で用いた
磁性トナー27の代わりに、磁性トナー28〜32をそ
れぞれ用いる以外は、実施例51と同様に画出しテスト
を行った。結果を表17に示す。
【0699】<比較例21〜23>実施例22で用いた
磁性トナー27の代わりに、磁性トナー33〜35をそ
れぞれ用いる以外は、実施例51と同様に画出しテスト
を行った。結果を表17に示す。
【0700】
【表17】
【0701】
【発明の効果】本発明によれば、プリントアウト時に不
快な臭気が無く、比較的温度の高い環境下においても迅
速な帯電速度を有し、トナー層厚規制部材や感光体への
トナー融着が生じにくく、多数枚のプリントアウトにお
いても高品位な画質を維持できる磁性トナーを提供する
ことができる。
【0702】また、本発明によれば、放電生成物を生ず
ることなく、廃トナー量を大幅に減らすことが可能な画
像形成方法を提供することができる。
【0703】また、本発明によれば、良好な帯電性を安
定して得られるクリーナーレス画像形成を可能とする画
像形成方法を提供することができる。
【0704】また、本発明によれば、転写性に優れ、転
写残トナーの回収性に優れた現像兼クリーニング画像形
成を可能とする画像形成方法を提供することができる。
【0705】また、本発明によれば、低コストで小型化
に有利な現像兼クリーニング画像形成を可能とし、かつ
長期にわたる繰り返し使用においても、帯電不良を生じ
ない良好な画像が得られる画像形成装置を提供すること
ができる。
【0706】さらに本発明により、解像性を高めるため
により粒径の小さなトナー粒子を用いる際においても良
好な画像を安定して得られる画像形成装置及びプロセス
カートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一つの実施の形態であ
る概略構成を示す図である。
【図2】本発明の画像形成装置に用いられる一成分現像
用の現像装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の画像形成装置に用いられる像担持体の
概略構成を示す図である。
【図4】本発明の画像形成装置に用いられる接触転写部
材の概略構成を示す図である。
【図5】本発明の画像形成装置の他の実施の形態を示す
図である。
【図6】本発明の画像形成装置の他の実施の形態を示す
図である。
【図7】接触帯電部材の帯電特性を示すグラフである。
【図8】本発明の画像形成装置に用いられる像担持体の
層構成の例を示す模式図である。
【符号の説明】
100 感光体(像担持体) 102 現像スリーブ(トナー担持体) 114 転写ローラ(転写手段) 116 クリーナ 117 帯電ローラ(接触帯電部材) 121 レーザビームスキャナ 123 レーザ光 124 給紙ローラ 125 搬送ベルト 126 定着装置 140 現像装置(現像手段) 141 攪拌部材 103 弾性ブレード(トナー層厚規制部材) 104 マグネットローラ 34 転写ローラ 34a 芯金 34b 導電性弾性層 21 感光体 22 帯電ローラ 22’ 帯電ブラシ(接触帯電部材) 22a 芯金 23 レーザビームスキャナ 24 現像装置 24a 現像スリーブ 24b 攪拌部材 24c 弾性ブレード 25 転写ローラ 26 定着装置 27 プロセスカートリッジ 28 カートリッジ保持部材 11 アルミ基体(導電性基体) 12 導電層 13 正電荷注入防止層 14 電荷発生層 15 電荷輸送層 16 電荷注入層 16a 導電粒子(導電フィラー)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/147 503 G03G 5/147 504 3J103 504 9/08 365 9/087 374 9/08 365 375 374 15/02 101 375 102 15/02 101 15/06 101 102 15/08 501C 15/06 101 501Z 15/08 501 504A 506A 504 9/08 301 506 302 507 325 384 15/08 507B 507L (72)発明者 馬籠 道久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 河本 恵司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 千葉 建彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 中村 達哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 岡戸 謙次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 久木元 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA06 AB06 CA04 CA12 CA14 CA26 CB03 CB07 CB13 EA02 EA03 EA05 EA07 EA10 2H068 AA05 AA06 AA08 AA14 AA21 AA28 2H073 BA04 BA13 BA43 CA02 2H077 AA37 AC16 AD02 AD06 AD13 AD17 AD23 AD36 AE03 BA07 EA13 EA16 FA03 2H200 FA07 GA23 GA34 GA46 GA57 GB37 HA03 HA21 HB08 HB12 HB17 HB22 HB45 HB46 HB47 HB48 JA02 JB18 LA20 MA03 MA04 MA08 MA12 MA14 MA20 MB04 MC02 MC06 NA02 NA06 NA09 3J103 FA05 GA02 GA54 GA57 GA58 HA04 HA20 HA41 HA43 HA47

Claims (105)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び磁性粉体を含有
    する磁性トナー粒子と無機微粉体とを有する磁性トナー
    であって、 磁性トナーの平均円形度が、0.970以上であり、 前記磁性トナーの磁場79.6kA/mにおける磁化の
    強さが10〜50Am 2/kgであり、 前記磁性粉体が、少なくとも磁性酸化鉄を含有し、 前記磁性トナーのX線光電子分光分析により測定される
    前記磁性トナー粒子の表面に存在する炭素元素の存在量
    (A)に対する鉄元素の存在量(B)の比(B/A)
    が、0.001未満であり、 前記結着樹脂が、少なくともスチレンモノマーを含む単
    量体を重合して得られる樹脂を含有しており、 前記磁性トナー中の残留スチレンモノマーが、300p
    pm未満であり、 前記磁性トナーの体積平均粒径をCとし、透過型電子顕
    微鏡を用いた前記磁性トナーの断面観察における磁性粉
    体と磁性トナー粒子表面との距離の最小値をDとしたと
    き、 D/C≦0.02 の関係を満たすトナー粒子を50個数%以上含有するこ
    とを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 磁場79.6kA/mにおける磁性トナ
    ーの残留磁化が10Am2/kg未満であることを特徴
    とする請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 磁場79.6kA/mにおける磁性トナ
    ーの残留磁化が7Am2/kg未満であることを特徴と
    する請求項1に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 磁場79.6kA/mにおける磁性トナ
    ーの残留磁化が5Am2/kg未満であることを特徴と
    する請求項1に記載のトナー。
  5. 【請求項5】 D/C≦0.02の関係を満たすトナー
    粒子を65個数%以上含有することを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 D/C≦0.02の関係を満たすトナー
    粒子を75個数%以上含有することを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 磁性トナーは、結着樹脂100質量部に
    対して、磁性粉体を10〜200質量部含有することを
    特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 磁性トナーは、示差走査熱量計により測
    定されるトナーのDSC曲線において、昇温時に40〜
    110℃の範囲に吸熱ピークを有することを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 磁性トナーは、示差走査熱量計により測
    定されるトナーのDSC曲線において、昇温時に45〜
    90℃の範囲に吸熱ピークを有することを特徴とする請
    求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  10. 【請求項10】 トナー粒子がワックスをさらに含み、
    示差走査熱量計によって測定される吸熱ピークが、該ワ
    ックスに由来することを特徴とする請求項8又は9に記
    載のトナー。
  11. 【請求項11】 磁性トナーは、結着樹脂100質量部
    に対し0.5〜50質量部のワックス成分を含有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のト
    ナー。
  12. 【請求項12】 前記結着樹脂は、少なくとも過酸化物
    系重合開始剤を用いて、スチレンモノマーを含む単量体
    を重合させて得られる樹脂を含有することを特徴とする
    請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 前記過酸化物系重合開始剤が、有機過
    酸化物であることを特徴とする請求項12に記載のトナ
    ー。
  14. 【請求項14】 前記有機過酸化物が、パーオキシエス
    テル、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサ
    イド、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド
    からなるグループより選ばれる1種以上の有機過酸化物
    であることを特徴とする請求項13に記載のトナー。
  15. 【請求項15】 前記有機過酸化物が、パーオキシエス
    テル又はジアシルパーオキサイドであることを特徴とす
    る請求項13に記載のトナー。
  16. 【請求項16】 前記過酸化物系重合開始剤が、ジアシ
    ルパーオキサイドを含有しており、該ジアシルパーオキ
    サイドに由来するカルボン酸の含有量が、磁性トナーの
    質量に対して2000ppm以下であることを特徴とす
    る請求項13に記載のトナー。
  17. 【請求項17】 ジアシルパーオキサイドに由来するカ
    ルボン酸の含有量が、磁性トナーの質量に対して100
    0ppm以下であることを特徴とする請求項16に記載
    のトナー。
  18. 【請求項18】 ジアシルパーオキサイドに由来するカ
    ルボン酸の含有量が、磁性トナーの質量に対して500
    ppm以下であることを特徴とする請求項16に記載の
    トナー。
  19. 【請求項19】 前記過酸化物系重合開始剤が、パーオ
    キシエステルを含有しており、該パーオキシエステルに
    由来するカルボン酸の含有量が、磁性トナーの質量に対
    して2000ppm以下であることを特徴とする請求項
    13に記載のトナー。
  20. 【請求項20】 パーオキシエステルに由来するカルボ
    ン酸の含有量が、前記磁性トナーの質量に対して100
    0ppm以下であることを特徴とする請求項19に記載
    のトナー。
  21. 【請求項21】 パーオキシエステルに由来するカルボ
    ン酸の含有量が、前記磁性トナーの質量に対して500
    ppm以下であることを特徴とする請求項19に記載の
    トナー。
  22. 【請求項22】 前記磁性粉体は、鉄元素に対し、0.
    05〜5.0質量%のリン元素を含有していることを特
    徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載のトナー。
  23. 【請求項23】 前記磁性粉体は、鉄元素に対し、5.
    0質量%以下のケイ素元素を含有していることを特徴と
    する請求項1乃至22のいずれかに記載のトナー。
  24. 【請求項24】 前記磁性粉体は、疎水化表面処理され
    ていることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに
    記載のトナー。
  25. 【請求項25】 前記磁性粉体が、水系媒体中でカップ
    リング剤により表面処理されたものであることを特徴と
    する請求項24に記載のトナー。
  26. 【請求項26】 前記無機微粉体は、個数平均一次粒径
    4〜80nmであり、疎水化処理された無機微粉体であ
    ることを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載
    のトナー。
  27. 【請求項27】 前記無機微粉体は、シリカ、酸化チタ
    ン、アルミナ及びその複酸化物からなるグループより選
    ばれる無機微粉体を少なくとも有していることを特徴と
    する請求項26に記載のトナー。
  28. 【請求項28】 前記無機微粉体は、少なくともシリコ
    ーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項2
    6又は27に記載のトナー。
  29. 【請求項29】 前記無機微粉体は、少なくともシラン
    化合物で処理すると同時に、シリコーンオイルで処理さ
    れていることを特徴とする請求項28に記載のトナー。
  30. 【請求項30】 前記無機微粉体は、少なくともシラン
    化合物で処理した後、シリコーンオイルで処理されてい
    ることを特徴とする請求項28に記載のトナー。
  31. 【請求項31】 磁性トナーのモード円形度は、0.9
    9以上であることを特徴とする請求項1乃至30のいず
    れかに記載のトナー。
  32. 【請求項32】 磁性トナーは、磁性トナーの体積平均
    粒径よりも小さい導電性微粉体を含有することを特徴と
    する請求項1乃至31のいずれかに記載のトナー。
  33. 【請求項33】 前記導電性微粉体の抵抗が、1×10
    9Ω・cm以下であることを特徴とする請求項32に記
    載のトナー。
  34. 【請求項34】 前記導電性微粉体の抵抗が、1×10
    6Ω・cm以下であることを特徴とする請求項32に記
    載のトナー。
  35. 【請求項35】 前記導電性微粉体が、非磁性であるこ
    とを特徴とする請求項32に記載のトナー。
  36. 【請求項36】 少なくともスチレンモノマーを含む単
    量体と磁性粉体とを含有する単量体組成物を、水系媒体
    中で、過酸化物系重合開始剤を用いて懸濁重合して磁性
    トナー粒子を製造する工程を含む磁性トナーの製造方法
    であって、得られる磁性トナーが、少なくとも該磁性ト
    ナー粒子と無機微粉体とを有しており、 磁性トナーの平均円形度が、0.970以上であり、 前記磁性トナーの磁場79.6kA/mにおける磁化の
    強さが10〜50Am 2/kgであり、 前記磁性粉体が、少なくとも磁性酸化鉄を含有し、 前記磁性トナーのX線光電子分光分析により測定される
    前記磁性トナー粒子の表面に存在する炭素元素の存在量
    (A)に対する鉄元素の存在量(B)の比(B/A)
    が、0.001未満であり、 前記結着樹脂が、少なくともスチレンモノマーを含む単
    量体を重合して得られる樹脂を含有しており、 前記磁性トナー中の残留スチレンモノマーが、300p
    pm未満であり、 前記磁性トナーの体積平均粒径をCとし、透過型電子顕
    微鏡を用いた前記磁性トナーの断面観察における磁性粉
    体と磁性トナー粒子表面との距離の最小値をDとしたと
    き、 D/C≦0.02 の関係を満たすトナー粒子を50個数%以上含有するこ
    とを特徴とするトナーの製造方法。
  37. 【請求項37】 前記過酸化物系重合開始剤が、有機過
    酸化物であることを特徴とする請求項36に記載のトナ
    ーの製造方法。
  38. 【請求項38】 前記有機過酸化物は、パーオキシエス
    テル、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサ
    イド、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド
    からなるグループより選ばれる有機過酸化物であること
    を特徴とする請求項37に記載のトナーの製造方法。
  39. 【請求項39】 前記有機過酸化物が、パーオキシエス
    テル又はジアシルパーオキサイドであることを特徴とす
    る請求項37に記載のトナーの製造方法。
  40. 【請求項40】 単量体組成物と水系媒体との質量比を
    20:80〜60:40の範囲として懸濁重合を行うこ
    とを特徴とする請求項36乃至39のいずれかに記載の
    トナーの製造方法。
  41. 【請求項41】 単量体組成物と水系媒体との質量比を
    30:70〜50:50の範囲として懸濁重合を行うこ
    とを特徴とする請求項36乃至39のいずれかに記載の
    トナーの製造方法。
  42. 【請求項42】 前記懸濁重合後に、磁性トナー粒子と
    アルカリ性の水系媒体を実質的に分離する分離工程を行
    うことを特徴とする請求項36乃至41のいずれかに記
    載のトナーの製造方法。
  43. 【請求項43】 分離工程後に、磁性トナー粒子と酸を
    加えて調整したpH4未満の水とを接触させる工程を行
    うことを特徴とする請求項42に記載のトナーの製造方
    法。
  44. 【請求項44】 懸濁重合後、アルカリを懸濁液に添加
    し、水系媒体のpHを10〜12の範囲内に調整するこ
    とを特徴とする請求項36乃至41のいずれかに記載の
    トナーの製造方法。
  45. 【請求項45】 前記磁性粉体が、鉄元素に対して0.
    05〜5.0質量%のリン元素を含有していることを特
    徴とする請求項36乃至44のいずれかに記載のトナー
    の製造方法。
  46. 【請求項46】 前記磁性粉体が、鉄元素に対して5.
    0質量%以下のケイ素元素を含有していることを特徴と
    する請求項36乃至44のいずれかに記載のトナーの製
    造方法。
  47. 【請求項47】 帯電部材に電圧を印加し、像担持体を
    帯電させる帯電工程と、 帯電された像担持体に、静電潜像を形成させる静電潜像
    形成工程と、 像担持体に形成された静電潜像に、トナー担持体上に担
    持されたトナーを転移させてトナー像を像担持体上に現
    像する現像工程と、 像担持体上に形成されたトナー像を転写材に静電転写さ
    せる転写工程とを少なくとも有する画像形成方法であっ
    て、 該トナーが、少なくとも結着樹脂及び磁性粉体を含有す
    る磁性トナー粒子と無機微粉体とを有する磁性トナーで
    あって、 磁性トナーの平均円形度が、0.970以上であり、 前記磁性トナーの磁場79.6kA/mにおける磁化の
    強さが10〜50Am 2/kgであり、 前記磁性粉体が、少なくとも磁性酸化鉄を含有し、 前記磁性トナーのX線光電子分光分析により測定される
    前記磁性トナー粒子の表面に存在する炭素元素の存在量
    (A)に対する鉄元素の存在量(B)の比(B/A)
    が、0.001未満であり、 前記結着樹脂が、少なくともスチレンモノマーを含む単
    量体を重合して得られる樹脂を含有しており、 前記磁性トナー中の残留スチレンモノマーが、300p
    pm未満であり、 前記磁性トナーの体積平均粒径をCとし、透過型電子顕
    微鏡を用いた前記磁性トナーの断面観察における磁性粉
    体と磁性トナー粒子表面との距離の最小値をDとしたと
    き、 D/C≦0.02 の関係を満たすトナー粒子を50個数%以上含有するこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  48. 【請求項48】 前記帯電工程が、像担持体と当接部を
    形成して接触する接触帯電部材に電圧を印加することに
    より像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする
    請求項47に記載の画像形成方法。
  49. 【請求項49】 前記現像工程は、トナー像を転写材上
    に転写した後に像担持体に残留したトナーを回収するク
    リーニング工程を兼ねていることを特徴とする請求項4
    7又は48に記載の画像形成方法。
  50. 【請求項50】 磁性トナーが導電性微粉体を含有して
    おり、該導電性微粉体が、現像工程で像担持体に付着
    し、転写後も像担持体上に残留し、帯電工程において、
    少なくとも帯電部材と像担持体の当接部及びその近傍の
    少なくともいずれかに介在することを特徴とする請求項
    47乃至49のいずれかに記載の画像形成方法。
  51. 【請求項51】 前記帯電工程は、前記接触帯電部材と
    前記像担持体との当接部に1×103〜5×105個/m
    2以上の導電性微粉体が介在した状態で像担持体を帯
    電させる工程であることを特徴とする請求項50に記載
    の画像形成方法。
  52. 【請求項52】 前記帯電工程は、当接部を形成する前
    記接触帯電部材の表面の移動速度と前記像担持体の表面
    の移動速度とが、相対的速度差を有しつつ像担持体を帯
    電させる工程であることを特徴とする請求項48乃至5
    1のいずれかに記載の画像形成方法。
  53. 【請求項53】 前記帯電工程は、前記接触帯電部材と
    前記像担持体が互いに逆方向に移動しつつ像担持体を帯
    電させる工程であることを特徴とする請求項48乃至5
    2のいずれかに記載の画像形成方法。
  54. 【請求項54】 前記接触帯電部材として、アスカーC
    硬度が50度以下のローラ部材を用いることを特徴とす
    る請求項48乃至53のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  55. 【請求項55】 前記帯電工程は、接触帯電部材として
    ローラ部材を用い、前記ローラ部材に電圧を印加するこ
    とにより像担持体を帯電させる工程であり、前記ローラ
    部材は少なくとも球形換算での平均セル径が5〜300
    μmである窪みを表面に有しており、前記窪みを空隙部
    としたローラ部材表面の空隙率は15〜90%であるこ
    とを特徴とする請求項48乃至54のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  56. 【請求項56】 前記帯電工程は、前記接触帯電部材と
    して、導電性を有するブラシ部材に、電圧を印加するこ
    とにより像担持体を帯電させる工程であることを特徴と
    する請求項48乃至53のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  57. 【請求項57】 前記接触帯電部材は、体積抵抗値1×
    103〜1×108Ω・cmを有することを特徴とする請
    求項48乃至56のいずれかに記載の画像形成方法。
  58. 【請求項58】 前記帯電工程は、前記接触帯電部材に
    直流電圧または2×Vth(Vth:直流電圧印加にお
    ける放電開始電圧)(V)未満のピーク間電圧を有する
    交流電圧を直流電圧に重畳した電圧を印加することによ
    り像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする請
    求項48乃至57のいずれかに記載の画像形成方法。
  59. 【請求項59】 前記帯電工程は、前記接触帯電部材に
    直流電圧、またはVth(V)未満のピーク間電圧を有
    する交流電圧を直流電圧に重畳した電圧を印加すること
    により像担持体を帯電させる工程であることを特徴とす
    る請求項58に記載の画像形成方法。
  60. 【請求項60】 前記像担持体の最表面を形成する最表
    面層の体積抵抗値が、1×109〜1×1014Ω・cm
    であることを特徴とする請求項47乃至59のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  61. 【請求項61】 前記像担持体の最表面を形成する最表
    面層が、少なくとも金属酸化物からなる導電性微粒子が
    分散された樹脂層であることを特徴とする請求項47乃
    至60のいずれかに記載の画像形成方法。
  62. 【請求項62】 前記像担持体の最表面を形成する最表
    面層の水に対する接触角は、85度以上であることを特
    徴とする請求項47乃至61のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  63. 【請求項63】 前記像担持体の最表面を形成する最表
    面層は、フッ素系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子及び
    ポリオレフィン系樹脂粒子から選ばれる少なくとも一種
    以上の潤滑性微粒子が分散された樹脂層であることを特
    徴とする請求項47乃至62のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  64. 【請求項64】 前記像担持体が、光導電性物質を利用
    した感光体であることを特徴とする請求項47乃至63
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  65. 【請求項65】 前記静電潜像形成工程は、像露光によ
    り像担持体に静電潜像を形成させる工程であることを特
    徴とする請求項47乃至64のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  66. 【請求項66】 前記現像工程において、現像領域にお
    けるトナー担持体面の移動速度が、像担持体面の移動速
    度に対し0.7〜7.0倍の速度であることを特徴とす
    る請求項47乃至65のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  67. 【請求項67】 前記現像工程において、現像領域にお
    けるトナー担持体面の移動速度が、像担持体面の移動速
    度に対し1.05〜3.00倍の速度であることを特徴
    とする請求項66に記載の画像形成方法。
  68. 【請求項68】 前記トナー担持体の表面粗度(Ra)
    が、0.2〜3.5μmであることを特徴とする請求項
    47乃至67のいずれかに記載の画像形成方法。
  69. 【請求項69】 前記現像工程は、トナー担持体上に5
    〜50g/m2のトナー層を形成し、トナー層からトナ
    ーを像担持体に転移させトナー像を像担持体上に現像す
    る工程であることを特徴とする請求項47乃至68のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  70. 【請求項70】 前記現像工程において、トナー担持体
    に当接されたトナー層厚規制部材によりトナー担持体上
    に担持されたトナー量を規制することを特徴とする請求
    項47乃至69のいずれかに記載の画像形成方法。
  71. 【請求項71】 前記トナー層厚規制部材が、弾性部材
    であることを特徴とする請求項70に記載の画像形成方
    法。
  72. 【請求項72】 現像工程は、像担持体とトナー担持体
    との間隙よりも薄い厚さに磁性トナー層をトナー担持体
    上に形成し、前記トナー層からトナーを静電潜像に転移
    させて、トナー像を像担持体上に現像する現像工程であ
    ることを特徴とする請求項47乃至71のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  73. 【請求項73】 像担持体とトナー担持体とが、一定の
    間隙を設けて対向するように配置されており、前記間隙
    が100〜1000μmであることを特徴とする請求項
    72に記載の画像形成方法。
  74. 【請求項74】 現像工程は、トナー担持体と像担持体
    との間に、少なくとも交流電界を現像バイアスとして印
    加して、像担持体の静電潜像をトナーによって現像する
    工程であり、前記交流電界はピークトゥーピークの電界
    強度で3×106〜1×107V/m、周波数100〜5
    000Hzであることを特徴とする請求項47乃至73
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  75. 【請求項75】 前記転写工程は、転写部材が転写時に
    転写材を介して像担持体に当接しており、像担持体上の
    トナー像を転写材に転写させる工程であることを特徴と
    する請求項47乃至74のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  76. 【請求項76】 静電潜像を担持するための像担持体
    と、 帯電部材に電圧を印加し、像担持体を帯電させる帯電手
    段と、 帯電された像担持体に、静電潜像を形成させる静電潜像
    形成手段と、 像担持体に形成された静電潜像に、トナー担持体上に担
    持されたトナーを転移させてトナー像を像担持体上に形
    成させる現像手段と、 前記像担持体表面に形成されたトナー像を転写材に静電
    転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置で
    あって、 該トナーが、請求項1乃至35のいずれか一項に記載の
    磁性トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  77. 【請求項77】 前記帯電手段は、像担持体と当接部を
    形成して接触する接触帯電部材に電圧を印加することに
    より像担持体を帯電させる手段であることを特徴とする
    請求項76に記載の画像形成装置。
  78. 【請求項78】 静電潜像を担持するための像担持体
    と、 帯電部材に電圧を印加し、像担持体を帯電させる帯電手
    段と、 帯電された像担持体に、静電潜像を形成させる静電潜像
    形成手段と、 像担持体に形成された静電潜像に、トナー担持体上に担
    持されたトナーを転移させてトナー像を像担持体上に形
    成させる現像手段と、 前記像担持体表面に形成されたトナー像を転写材に静電
    転写する転写手段と、を有する画像形成装置から着脱可
    能に構成されているプロセスカートリッジであって、 前記像担持体及び前記帯電手段の少なくとも一方が、前
    記現像手段と一体に支持され、 該トナーが、少なくとも結着樹脂及び磁性粉体を含有す
    る磁性トナー粒子と無機微粉体とを有する磁性トナーで
    あって、 磁性トナーの平均円形度が、0.970以上であり、 前記磁性トナーの磁場79.6kA/mにおける磁化の
    強さが10〜50Am 2/kgであり、 前記磁性粉体が、少なくとも磁性酸化鉄を含有し、 前記磁性トナーのX線光電子分光分析により測定される
    前記磁性トナー粒子の表面に存在する炭素元素の存在量
    (A)に対する鉄元素の存在量(B)の比(B/A)
    が、0.001未満であり、 前記結着樹脂が、少なくともスチレンモノマーを含む単
    量体を重合して得られる樹脂を含有しており、 前記磁性トナー中の残留スチレンモノマーが、300p
    pm未満であり、 前記磁性トナーの体積平均粒径をCとし、透過型電子顕
    微鏡を用いた前記磁性トナーの断面観察における磁性粉
    体と磁性トナー粒子表面との距離の最小値をDとしたと
    き、 D/C≦0.02 の関係を満たすトナー粒子を50個数%以上含有するこ
    とを特徴とするプロセスカートリッジ。
  79. 【請求項79】 前記帯電手段は、像担持体と当接部を
    形成して接触する接触帯電部材に電圧を印加することに
    より像担持体を帯電させる手段であることを特徴とする
    請求項78に記載のプロセスカートリッジ。
  80. 【請求項80】 前記現像手段は、トナー像を転写材上
    に転写した後に像担持体に残留したトナーを回収するク
    リーニング手段を兼ねていることを特徴とする請求項7
    8又は79に記載のプロセスカートリッジ。
  81. 【請求項81】 前記磁性トナーが導電性微粉体を含有
    しており、該導電性微粉体が、現像手段で像担持体に付
    着し、転写後も像担持体上に残留し、帯電手段におい
    て、少なくとも帯電部材と像担持体の当接部及びその近
    傍の少なくともいずれかに介在することを特徴とする請
    求項78乃至80のいずれかに記載のプロセスカートリ
    ッジ。
  82. 【請求項82】 前記帯電手段は、前記接触帯電部材と
    前記像担持体との当接部に1×103〜5×105個/m
    2以上の導電性微粉体が介在した状態で像担持体を帯
    電させる手段であることを特徴とする請求項81に記載
    のプロセスカートリッジ。
  83. 【請求項83】 前記帯電手段は、当接部を形成する前
    記接触帯電部材の表面の移動速度と前記像担持体の表面
    の移動速度が、相対的速度差を有しつつ像担持体を帯電
    させる手段であることを特徴とする請求項79に記載の
    プロセスカートリッジ。
  84. 【請求項84】 前記帯電手段は、前記接触帯電部材と
    前記像担持体が互いに逆方向に移動しつつ像担持体を帯
    電させる手段であることを特徴とする請求項79に記載
    のプロセスカートリッジ。
  85. 【請求項85】 前記接触帯電部材が、アスカーC硬度
    50度以下のローラ部材であることを特徴とする請求項
    79乃至84のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  86. 【請求項86】 前記接触帯電部材が、少なくとも球形
    換算での平均セル径が5〜300μmである窪みを表面
    に有しており、前記窪みを空隙部としたローラ部材表面
    の空隙率は15〜90%であるローラ部材を用いること
    を特徴とする請求項79乃至85のいずれかに記載のプ
    ロセスカートリッジ。
  87. 【請求項87】 前記帯電手段は、前記接触帯電部材と
    して、導電性を有するブラシ部材を有することを特徴と
    する請求項79乃至84のいずれかに記載のプロセスカ
    ートリッジ。
  88. 【請求項88】 前記接触帯電部材は、体積抵抗値1×
    103〜1×108Ω・cmであることを特徴とする請求
    項79乃至87のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  89. 【請求項89】 前記帯電手段は、前記接触帯電部材に
    直流電圧または2×Vth(Vth:直流電圧印加にお
    ける放電開始電圧)(V)未満のピーク間電圧を有する
    交流電圧を直流電圧に重畳した電圧を印加することによ
    り像担持体を帯電することを特徴とする請求項79乃至
    88のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  90. 【請求項90】 前記帯電手段は、前記接触帯電部材に
    直流電圧、またはVth(V)未満のピーク間電圧を有
    する交流電圧を直流電圧に重畳した電圧を印加すること
    により像担持体を帯電させることを特徴とする請求項7
    9乃至88のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  91. 【請求項91】 前記像担持体の最表面を形成する最表
    面層の体積抵抗値が、1×109〜1×1014Ω・cm
    であることを特徴とする請求項78乃至90のいずれか
    に記載のプロセスカートリッジ。
  92. 【請求項92】 前記像担持体の最表面を形成する最表
    面層は、少なくとも金属酸化物からなる導電性微粒子が
    分散された樹脂層であることを特徴とする請求項78乃
    至91のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  93. 【請求項93】 前記像担持体の最表面を形成する最表
    面層の水に対する接触角が、85度以上であることを特
    徴とする請求項78乃至92のいずれかに記載のプロセ
    スカートリッジ。
  94. 【請求項94】 前記像担持体の最表面を形成する最表
    面層は、フッ素系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子及び
    ポリオレフィン系樹脂粒子から選ばれる少なくとも一種
    以上の潤滑性微粒子が分散された樹脂層であることを特
    徴とする請求項78乃至93のいずれかに記載のプロセ
    スカートリッジ。
  95. 【請求項95】 前記像担持体は、光導電性物質を利用
    した感光体であることを特徴とする請求項78乃至94
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  96. 【請求項96】 前記静電潜像形成手段は、像露光によ
    り像担持体に静電潜像を形成することを特徴とする請求
    項78乃至95のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  97. 【請求項97】 前記現像手段は、現像領域におけるト
    ナー担持体面の移動速度が、像担持体面の移動速度に対
    し0.7〜7.0倍の速度であることを特徴とする請求
    項78乃至96のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  98. 【請求項98】 前記現像手段は、現像領域におけるト
    ナー担持体面の移動速度が、像担持体面の移動速度に対
    し1.05〜3.00倍の速度であることを特徴とする
    請求項78乃至96のいずれかに記載のプロセスカート
    リッジ。
  99. 【請求項99】 前記トナー担持体の表面粗度(Ra)
    が0.2〜3.5μmであることを特徴とする請求項7
    8乃至98のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  100. 【請求項100】 前記現像手段は、トナー担持体上に
    5〜50g/m2のトナー層を形成し、トナー層からト
    ナーを転移させトナー像を像担持体上に現像することを
    特徴とする請求項78乃至99のいずれかに記載のプロ
    セスカートリッジ。
  101. 【請求項101】 前記現像手段は、トナー担持体に当
    接されたトナー層厚規制部材を有し、前記トナー層厚規
    制部材はトナー担持体上に担持されるトナー量を規制す
    ることを特徴とする請求項78乃至100のいずれかに
    記載のプロセスカートリッジ。
  102. 【請求項102】 前記トナー層厚規制部材は、弾性部
    材であることを特徴とする請求項101に記載のプロセ
    スカートリッジ。
  103. 【請求項103】 前記現像手段は、像担持体とトナー
    担持体との間隙よりも薄い厚さに磁性トナー層をトナー
    担持体上に形成し、前記トナー層からトナーを静電潜像
    に転移させて、トナー像を像担持体上に現像することを
    特徴とする請求項78乃至102のいずれかに記載のプ
    ロセスカートリッジ。
  104. 【請求項104】 前記現像手段は、像担持体と一定の
    間隙を設けて対向するように配置されているトナー担持
    体を有し、前記間隙が100〜1000μmであること
    を特徴とする請求項78乃至103のいずれかに記載の
    プロセスカートリッジ。
  105. 【請求項105】 前記現像手段は、トナー担持体と像
    担持体との間に、少なくとも交流電界を現像バイアスと
    して印加して像担持体の静電潜像をトナーによって現像
    し、前記交流電界はピークトゥーピークの電界強度で3
    ×106〜1×107V/m、周波数100〜5000H
    zであることを特徴とする請求項78乃至104のいず
    れかに記載のプロセスカートリッジ。
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