JP2003107804A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2003107804A
JP2003107804A JP2001301843A JP2001301843A JP2003107804A JP 2003107804 A JP2003107804 A JP 2003107804A JP 2001301843 A JP2001301843 A JP 2001301843A JP 2001301843 A JP2001301843 A JP 2001301843A JP 2003107804 A JP2003107804 A JP 2003107804A
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JP2001301843A
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Fumihiro Arataira
文弘 荒平
Marekatsu Mizoe
希克 溝江
Takeshi Takiguchi
剛 瀧口
Masanori Ito
雅教 伊藤
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Canon Inc
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  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アモルファスシリコン系感光体を用いた画像
形成方法において、転写残余のトナーによるクリーニン
グ部での負荷を軽減し、感光体へのトナー融着等による
画像不良を防止することにより、長期使用においても画
像再現性に優れた画像形成方法を提供する。 【解決手段】 シリコン原子を母体とする非晶質材料で
構成された光導電層を有する感光体を用いた画像形成方
法において、結着樹脂と着色剤とアルカリ金属元素を
0.01〜3.0質量%含有する微粒子とを少なくとも
含有する負帯電性トナーを用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット法のような画像形
成方法において静電荷潜像を顕像化するためのトナー、
及びアモルファスシリコン系感光体を用いた画像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成法としては、静電記録
法、磁気記録法、トナージェット法など多数の方法が知
られている。例えば、電子写真法は、一般には光導電性
物質を利用した感光体などの像担持体の上に、種々の手
段により電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーに
より現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記
録媒体にトナー像を転写した後、熱・圧力等により記録
媒体上にトナー画像を定着して画像を得るものである。
【0003】一般に、電子写真感光体に用いる光受容部
材の素材としては、セレン、硫化カドミニウム、酸化亜
鉛、アモルファスシリコン(以下a−Siと記す)等の
無機材料、或いは有機材料等、各種の材料が提案されて
いる。これらのうちでもa−Siに代表される珪素原子
を主成分として含む非単結晶質堆積膜、例えば水素及び
/又はハロゲン(例えばフッ素、塩素等)を含む(例え
ば水素またはダングリングボンドを補償する)a−Si
等のアモルファス堆積膜は高性能(高解像度)、高耐
久、無公害な感光体として提案され、その幾つかは実用
化されている。特開昭54−86341号公報、米国特
許第4,265,991号明細書には、光導電層を主と
してa−Siで形成した電子写真感光体の技術が開示さ
れている。また、特開昭60−12554号公報には珪
素原子を含有する非晶質シリコンからなる光導電層の表
面に炭素及びハロゲン原子を含む表面層が開示されてお
り、更に特開平2−111962号公報には、a−S
i:H、またはa−C:H感光層上に表面保護潤滑層を
設けた感光体が開示されている。
【0004】また、画像形成の際に、転写後に像担持体
上に記録媒体に転写せずに残余したトナーが種々の方法
でクリーニングされ、廃トナーとして廃トナー容器に蓄
えられるクリーニング工程を経て、上述の工程が繰り返
される画像形成法が用いられてきた。
【0005】このクリーニング工程については、従来ブ
レードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ロー
ラクリーニング等が用いられていた。いずれの方法も力
学的に転写残余のトナーを掻き落とすか、またはせき止
めて廃トナー容器へと捕集されるものであった。装置面
からみると、ファーブラシ、ローラクリーニングによる
クリーニング装置は、部材を具備するための装置が必然
的に大きくなるので、装置の小型化という観点ではブレ
ードクリーニングが好適に用いられる。しかしながら、
クリーニングブレードのような部材が像担持体表面に押
し当てられることにより、像担持体を摩耗させ、像担持
体の短命化を引き起こす。また、上記クリーニングブレ
ードにより像担持体上のトナーを完全にクリーニングす
ることは不可能であり、クリーニングブレードをすり抜
けた転写残トナー等の汚染物質により一次帯電部材が汚
染され、像担持体の帯電電位が低下するという問題が生
じる。特にアモルファスシリコン感光体を用いる場合に
は、表面層が高硬度であるため感光体の削れ量が少ない
ことから、高耐久性及び高速の機械に用いられることが
多い。このためアモルファスシリコン感光体を用いた場
合は、上記ブレードクリーニングによるクリーニング性
が低下し、上述の問題がより顕著に表れる。
【0006】画像形成装置の小型化且つ高耐久性を達成
し、良好な画像を形成するには、上述のような問題を引
き起こす転写残余のトナーを少なくし、クリーニング装
置の小型化を達成し、またアモルファスシリコン感光体
の負荷を軽減させることが好ましい。そのために、特公
昭36−10231号公報、同43−10799号公報
及び同51−14895号等によれば、重合、球形トナ
ーを用いて転写性を向上させるという報告が多数ある。
【0007】しかしながら、球形トナーを用いた画像形
成方法において、クリーニングブレードによる転写残ト
ナーのクリーニングを行った場合、その球形ゆえに滑り
性が高く、クリーニングブレードからトナーがすり抜け
るという問題が生じることがあるため、さらなる転写残
トナー量の軽減や、転写性の向上が求められる。
【0008】一方、不定形、粉砕トナーを用いた場合
は、そのようなクリーニング部からのすり抜けのような
問題は生じにくいが、上述したような摩耗による像担持
体の短命化の問題が生じるので、転写残トナー量軽減、
転写性向上が求められる。特にアモルファスシリコン感
光体を用いた場合は、通常の有機系の感光体に比べて、
アモルファスシリコン感光体の容量が大きいので、転写
時に印加される電界が転写されるべきトナーよりも感光
体の方に流れやすく、転写性が有機系の感光体に比べて
劣る。
【0009】また、上述のようなクリーニングに関わる
問題点を解決し、更には、省資源、廃棄物削減及びトナ
ーの有効活用の観点から、クリーニング装置を除去した
廃トナーのでないシステムとして、現像同時クリーニン
グ又はクリーナーレスと呼ばれるシステムが望まれてい
た。
【0010】しかしながら、従来の現像同時クリーニン
グ又はクリーナレスに関する技術の開示は、特開平5−
2287号公報にあるように画像上に転写残余のトナー
の影響によるポジメモリ、ネガメモリなどに焦点を当て
たものが主であった。しかし、電子写真の利用が進んで
いる今日、様々な記録媒体に対してトナー像を転写する
必要性がでてきているが、この意味で上記公報に開示さ
れた技術は様々な記録媒体に対して満足するものではな
かった。
【0011】クリーナレスに関連する技術の開示を行っ
ているものに特開昭59−133573号公報、特開昭
62−203182号公報、特開昭63−133179
号公報、特開昭64−20587号公報、特開平2−3
02772号公報、特開平5−2289号公報、特開平
5−53482号公報、特開平5−61383号公報等
があるが、詳細かつ具体的なシステム全体の構成につい
ては言及されていなかった。
【0012】また、トナーにより可視像を形成する工程
についても種々の方法が知られている。例えば、電気的
潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、加
圧現像法、キャリアとトナーからなる二成分系トナーを
用いる磁気ブラシ現像法等が知られている。トナー担持
体が像担持体と非接触でトナーをトナー担持体から像担
持体へ飛翔させる非接触一成分現像法、磁性トナーと中
心に磁極を配した回転スリーブとを用い、像担持体上と
スリーブ上の間でトナーを電界にて飛翔させる磁性一成
分現像方法、更にはトナー担持体を像担持体に圧接させ
電界によってトナーを転移させる接触一成分現像法も用
いられている。
【0013】クリーナレスに好ましく適用される現像方
法として、従来は本質的にクリーニング装置を有さない
現像同時クリーニングでは、像担持体表面をトナー及び
トナー担持体により擦る構成が必須とされてきたため、
トナー或いはトナーが像担持体に接触する接触現像方法
が多く検討されてきた。これは、現像手段において転写
残トナーを回収するために、トナー或いはトナーが像担
持体に接触し、擦る構成が有利であると考えられるため
である。しかしながら、接触現像方法を適用した現像同
時クリーニング又はクリーナレスプロセスでは、長期間
使用によるトナー劣化、トナー担持体表面劣化、像担持
体表面劣化又は磨耗等を引き起こしやすい弊害が存在す
る。そのため、非接触現像方法による現像同時クリーニ
ング方法が望まれていた。
【0014】また、電子写真装置や静電記録装置等に用
いられる画像形成方法において、電子写真感光体・静電
記録誘電体等の像担持体上に潜像を形成する方法につい
ても様々な方法が知られている。
【0015】例えば、電子写真法では、像担持体として
の光導電性物質を利用した感光体上を所要の極性・電位
に一様に帯電処理した後に、画像パターン露光を施すこ
とにより電気的潜像を形成する方法が一般的である。
【0016】従来、像担持体を所要の極性・電位に一様
に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置としてはコ
ロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用されていた。コ
ロナ帯電器は非接触型の帯電装置であり、ワイヤ電極等
の放電電極と該放電電極を囲むシールド電極を備え、放
電開口部を被帯電体である像担持体に対向させて非接触
に配設し、放電電極とシールド電極に高圧を印加するこ
とにより生じる放電電流(コロナシャワー)に像担持体
面をさらすことで像担持体面を所定に帯電させるもので
ある。
【0017】近年では、像担持体等の被帯電体の帯電装
置として、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の
利点があることから接触帯電装置が多く提案され、また
実用化されている。
【0018】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体
に、ローラー型(帯電ローラー)、ファーブラシ型、磁
気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯
電部材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に
所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性
・電位に帯電させるものである。
【0019】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、放電帯電機構と直接注入帯電機構
の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的で
あるかにより各々の特性が現れる。
【0020】放電帯電機構 接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象
により被帯電体表面が帯電する機構である。放電帯電機
構は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有
するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印
加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生
量は格段に少ないけれども放電生成物を生じることが原
理的に避けられないため、オゾンなどの活性イオンによ
る弊害は避けられない。特に、アモルファスシリコン系
感光体を用いる場合、有機系の感光体に比べて表面層の
硬度が非常に高く、そのために感光体表面に付着した放
電生成物を機械的に除去することが非常に困難であるの
で、放電生成物が水分を吸着し、感光体の表面の抵抗が
低下することによる潜像電位の流れによる画像の輪郭が
はっきりしないぼけた画像、流れ画像が発生しやすい傾
向がある。そのような画像不良を防止する対策として、
アモルファスシリコン系感光体を加温し、放電生成物に
吸着した水分を除去することで不良画像を防止する対策
が挙げられ、実施もされている。
【0021】直接注入帯電機構 接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されるこ
とで被帯電体表面が帯電する系である。直接帯電、ある
いは注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称される。よ
り詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接
触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用
いないで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものであ
る。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下
の印加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位
に帯電することができる。この帯電系はイオンの発生を
伴わないため放電生成物による弊害は生じない。しか
し、直接注入帯電であるため、接触帯電部材の被帯電体
への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこでより高
い頻度で被帯電体に接触する構成をとるため、接触帯電
部材はより密な接触点を持つ、被帯電体との速度差を多
く持つ等の構成が好ましく用いられる。
【0022】接触帯電装置は、接触帯電部材として導電
ローラー(帯電ローラー)を用いたローラー帯電方式が
帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられてい
る。従来のローラー帯電における帯電機構は前記の放
電帯電機構が支配的である。
【0023】帯電ローラーは、導電あるいは中抵抗のゴ
ム材あるいは発泡体を用いて作製される。さらにこれら
を積層して所望の特性を得たものもある。
【0024】帯電ローラーは被帯電体との一定の接触状
態を得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵
抗が大きく、多くの場合、被帯電体に従動あるいは若干
の速度差をもって駆動される。
【0025】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から感光
体への放電現象を用いているため、先に述べたように接
触帯電部材に印加する電圧は感光体表面電位以上の値が
必要とされ、ある程度量のオゾンは発生し、上述のよう
な画像不良が発生しやすい。
【0026】また、帯電均一化のためにAC帯電を行っ
た場合にはさらなるオゾンの発生、AC電圧の電界によ
る接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発
生、また、放電による感光体表面の劣化等が顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0027】従って、放電によらない直接注入帯電によ
る帯電が好ましいが、従来のローラー型の帯電部材の場
合、注入帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低下や
接触性の不足やローラー形状による接触ムラや被帯電体
の付着物による帯電ムラが生じやすい。
【0028】また、ファーブラシによる注入帯電も、従
来のローラー型の帯電部材よりは感光体との接触点は増
加し注入帯電性は向上するものの、絶対的な帯電能力が
低く、帯電ムラが起こりやすいため、帯電不均一性によ
る画像不良が発生しやすい。
【0029】これらに対し、磁気ブラシ帯電は、接触帯
電部材として導電性磁性粒子をマグネットロール等で磁
気拘束してブラシ状に形成した磁気ブラシ部を有する部
材(磁気ブラシ帯電器)を用い、磁気ブラシ部を構成さ
せる導電性磁性粒子として粒径5〜50μmのものを用
い、感光体と十分速度差を設け、感光体に接触させて帯
電を行うものである。このような帯電機構により、感光
体との接触点がファーブラシによる帯電部材よりははる
かに向上し、注入による帯電を行っても均一な帯電が可
能になり、それに起因する画像不良の発生も生じない。
しかしながら、機器構成が複雑であり、装置が大型化し
やすく、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒子が
脱落して感光体に付着する等の弊害もある。
【0030】ここで、これらの接触帯電方法を現像同時
クリーニング方法、クリーナレス画像形成方法に適用し
た場合を考える。現像同時クリーニング方法、クリーナ
レス画像形成方法では、クリーニング部材を有さないた
めに感光体上に残余する転写残トナーが、そのまま接触
帯電部材と接触し、付着或いは混入する。また、放電帯
電機構が支配的である帯電方法の場合には、放電エネル
ギーによるトナー劣化に起因する帯電部材へのトナーの
付着性の悪化も生ずる。一般的に用いられている絶縁性
トナーが接触帯電部材に付着或いは混入すると、帯電性
の低下が起こる。
【0031】この被帯電体の帯電性の低下は、放電帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、接触帯電部材
表面に付着したトナー層が放電電圧を阻害する抵抗とな
るあたりから急激に起こる。
【0032】これに対し、直接注入帯電機構が支配的で
ある帯電方法の場合には、付着或いは混入した転写残ト
ナーが接触帯電部材表面と被帯電体との接触確率を低下
させることにより被帯電体の帯電性が低下する。この被
帯電体の一様帯電性の低下は、画像露光後の静電潜像の
コントラスト及び均一性の低下となり、画像濃度のムラ
幅を拡大させる或いはカブリを増大させる。
【0033】また、現像同時クリーニング方法、クリー
ナレス画像形成方法では、現像工程で安定して転写残ト
ナーを回収し、回収トナーが現像特性を悪化させないよ
うにすることがポイントとなり、転写残トナーの帯電極
性及び帯電量の制御を帯電工程時に行うこととなる。従
って、さらなる転写残トナー量の軽減は必須である。こ
れについて一般的なレーザープリンターを例として具体
的に説明する。マイナス極性電圧を印加する帯電部材、
マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯電性のトナーを
用いる反転現像の場合、その転写工程において、プラス
極性の転写部材によって可視化された像を記録媒体に転
写することになるが、記録媒体の種類(厚み、抵抗値、
誘電率等の違い)と画像面積等の関係により、転写残余
のトナーの帯電極性がプラスからマイナスまで変動す
る。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯電する際のマ
イナス極性の帯電部材により、感光体表面と共に転写残
余のトナーまでもが、転写工程においてプラス極性に振
れていたとしても、一様にマイナス側へ帯電極性を揃え
ることが可能であれば、現像方法として反転現像を用い
た場合、トナーの現像されるべき明部電位部にはマイナ
スに帯電された転写残余のトナーが残り、トナーの現像
されるべきでない暗部電位には現像電界の関係上トナー
担持体の方に引き寄せられ、暗部電位をもつ感光体上に
転写残トナーは残留することなく回収される。すなわ
ち、帯電部材によって感光体の帯電と同時に転写残余の
トナーの帯電極性を制御することにより、現像同時クリ
ーニング、クリーナレス画像形成方法が成立する。
【0034】しかしながら、接触帯電工程において一様
に転写残トナーの帯電極性を揃えることができないと、
現像部材によってトナーを回収することが困難となる。
またこの時、摺擦等の機械的力によって転写残トナーが
トナー担持体に回収されたとしても、転写残トナーの帯
電極性が均一に揃えられていないと、トナー担持体上の
トナーの帯電性に悪影響を及ぼし、現像特性を低下させ
る。また、転写残トナーが帯電部材に多量に付着、混入
することで感光体への一時帯電性の低下が生じ、かぶり
などの画像不良が生じる。
【0035】すなわち、現像同時クリーニング、クリー
ナレス画像形成方法においては、転写残トナーの帯電部
材通過時の摩擦帯電制御特性及び帯電部材への付着・混
入特性が、画像形成装置の耐久特性、画像品質特性に密
接につながっている。
【0036】感光体への帯電性を向上させ、安定した均
一帯電を行うために、接触帯電部材の被帯電体面との接
触面に粉末を塗布する構成も特公平7−99442号公
報に開示されている。しかしながら、接触帯電部材(帯
電ローラー)は被帯電体(感光体)に対して従動回転
(速度差駆動なし)するものであり、スコロトロン等の
コロナ帯電器と比べるとオゾン生成物の発生は格段に少
なくなっているものの、帯電原理は前述のローラー帯電
の場合と同様に依然として放電帯電機構を主としてい
る。特に、より安定した帯電均一性を得るためには、D
C電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加するために、放
電によるオゾン生成物の発生はより多くなってしまう。
よって、長期に装置を使用した場合には、オゾン生成物
による画像流れ等の弊害が現れやすい。更に、クリーナ
ーレスの画像形成装置に適用した場合には、転写残トナ
ーの混入のため塗布した粉末が均一に帯電部材に付着し
ていることが困難となり、均一帯電を行う効果が薄れて
しまう。
【0037】また、現像同時クリーニング画像形成方法
において、転写残トナーの帯電部材通過時の帯電制御特
性を向上させることで現像同時クリーニング性能を向上
させるものとして、特開平11−15206号公報で
は、特定のカーボンブラック及び特定のアゾ系鉄化合物
を含有するトナー粒子と無機微粉体とを有するトナーを
用いた画像形成方法が提案されている。更に、現像同時
クリーニングを用いた画像形成方法において、トナーの
形状係数を規定した転写効率に優れたトナーにより、転
写残トナー量を減少させることで現像同時クリーニング
性能を向上させることも提案されている。しかしなが
ら、ここで用いられた接触帯電も放電帯電機構によるも
ので、直接注入帯電機構ではなく、放電帯電による前述
の問題が残っている。更に、これらの提案は、接触帯電
部材の転写残トナーによる感光体への帯電均一性の低下
を抑制する効果はあっても、帯電性を積極的に高める効
果は明らかでない。
【0038】更には、市販の電子写真プリンターの中に
は、転写工程と帯電工程の間に感光体に当接するローラ
ー部材を用い、現像での転写残トナー回収性を補助或い
は制御する現像同時クリーニング画像形成装置もある。
このような画像形成装置は、良好な現像同時クリーニン
グ性を示し、廃トナー量を大幅に減らすことができる
が、コストが高くなり、小型化の点でも現像同時クリー
ニングの利点を損ねている。
【0039】これらに対し、特開平10−307456
号公報において、トナー粒子とトナー粒子径の1/2以
下の粒径を有する導電性の帯電促進粒子とを含むトナー
を直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニング画像
形成方法に適用した画像形成装置が開示されている。こ
の提案によると、放電生成物を生ずることなく、廃トナ
ー量を大幅に減らすことが可能な、低コストで小型化に
有利な現像同時クリーニング画像形成装置が得られ、帯
電不良、画像露光の遮光或いは拡散を生じない良好な画
像が得られる。
【0040】また、特開平10−307421号公報に
おいては、トナー粒径の1/50〜1/2の粒径を有す
る導電性粒子を含むトナーを直接注入帯電機構を用いた
現像同時クリーニング画像形成方法に適用し導電性粒子
に転写促進効果を持たせた画像形成装置が開示されてい
る。
【0041】また、特開平10−307455号公報で
は微粒子の粒径を構成画素1画素の大きさ以下とするこ
と、及びより良好な帯電均一性を得るために微粒子の粒
径を10nm〜50μmとすることが記載されている。
特開平10−307457号公報では人の視覚特性を考
慮して帯電不良部の画像への影響を視覚的に認識されに
くい状態とするために導電性粒子を約5μm以下、好ま
しくは20nm〜5μmとすることが記載されている。
【0042】更に、特開平10−307458号公報に
よれば、微粒子の粒径をトナー粒径以下とすることで、
現像時にトナーの現像を阻害する、あるいは現像バイア
スが微粒子を介してリークすることを防止し画像の欠陥
をなくすことができ、さらに微粒子の粒径を0.1μm
より大きく設定することにより、像担持体に微粒子が埋
め込まれ露光光を遮光する弊害も解決し優れた画像記録
を実現する、直接注入帯電機構を用いた現像同時クリー
ニング画像形成方法が記載されている。
【0043】特開平10−307456号公報によれ
ば、トナーに微粒子を外部添加し、少なくとも可撓性の
接触帯電部材と像担持体との当接部に上記微粒子を介在
させ、この微粒子が現像工程で像担持体に付着し転写工
程の後も像担持体上に残留し持ち運ばれることで、帯電
不良、画像露光の遮光を生じない良好な画像が得られる
現像同時クリーニング画像形成装置が開示されている。
【0044】しかしながら、感光体にアモルファスシリ
コン感光体を用いた場合は、主に高速による画像形成が
行われ、そのために転写残トナーが帯電工程時で摩擦帯
電量を制御させる時間が短くなるので、摩擦帯電制御性
のさらなる向上、また制御させるトナー量を軽減させる
転写性の向上が求められる。
【0045】特にアモルファスシリコン感光体の中でも
高硬度により高耐久性の表面層である非単結晶質水素化
炭素膜を用いた感光体の場合は、感光体の表面層が正帯
電付与能力が高く、転写残トナーの摩擦帯電極性を正帯
電性にさせやすい。現像部で負帯電性トナーを用いる場
合はさらに不利になり、帯電工程時での摩擦帯電極性制
御の向上が求められる。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アモルファ
スシリコン系感光体を用いる際、転写残余のトナーによ
るクリーニング部での負荷を軽減し、感光体へのトナー
融着等による画像不良を防止することが可能になり、使
用環境、長時間の使用においても画像再現性に優れた画
像形成方法を提供することを課題とする。
【0047】本発明はまた、アモルファスシリコン系感
光体を用いた場合でも安定した一次帯電性を付与するこ
とができ、現像同時クリーニング性を組み合わせること
によるクリーナーレス画像形成を可能とする画像形成方
法を提供することを課題とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成方
法において、特定の微粒子を含有するトナーを用いるこ
とにより、トナーに良好な摩擦帯電性を付与することが
でき、転写性を向上させることができ、クリーナーレス
システムの画像形成方法においても良好に画像形成を行
うことができることを見いだした。
【0049】即ち、本発明は以下の通りである。
【0050】(1)像担持体である感光体を帯電させる
帯電工程と、前記帯電された感光体に静電潜像を形成さ
せる静電潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させた
トナーを前記静電潜像に転移させてトナー像を形成する
現像工程と、前記現像工程において感光体上に形成され
たトナー像を転写材に静電転写させる転写工程とを少な
くとも有する画像形成方法であって、前記感光体は導電
性支持体とシリコン原子を母体とする非晶質材料からな
る光導電層とを有し、前記トナーは、結着樹脂と、着色
剤と、アルカリ金属元素を0.01〜3.0質量%含有
する微粒子とを含有する負帯電性トナーであることを特
徴とする画像形成方法。
【0051】(2)前記アルカリ金属元素が前記微粒子
の表面に存在していることを特徴とする(1)の画像形
成方法。
【0052】(3)前記微粒子が酸化チタンまたは酸化
スズであることを特徴とする(1)または(2)の画像
形成方法。
【0053】(4)前記微粒子の抵抗が1×102〜1
×109Ω・cmであることを特徴とする(1)〜
(3)のいずれかの画像形成方法。
【0054】(5)前記微粒子の体積平均粒径が前記ト
ナーの体積平均粒径よりも小さく、且つ0.05μm以
上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの
画像形成方法。
【0055】(6)前記微粒子の遊離率が5〜90%で
あることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの画像
形成方法。
【0056】(7)前記微粒子は、トナー粒子1個当た
り0.3個以上の割合で前記トナー粒子表面に存在する
ことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの画像形成
方法。
【0057】(8)前記微粒子はトナー全体に対して
0.2〜10質量%含有されることを特徴とする(1)
〜(7)のいずれかの画像形成方法。
【0058】(9)前記トナーは磁性酸化鉄をさらに含
有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの画
像形成方法。
【0059】(10)前記トナーは、平均円形度が0.
970以上であり、磁場79.6kA/m(1000エ
ルステッド)における磁化の強さが10〜50Am2
kg(emu/g)であることを特徴とする(1)〜
(9)のいずれかの画像形成方法。
【0060】(11)前記トナーの質量平均粒径が3〜
10μmであることを特徴とする(1)〜(10)のい
ずれかの画像形成方法。
【0061】(12)前記感光体は、非晶質水素化炭素
膜からなる表面層をさらに有することを特徴とする
(1)〜(11)のいずれかの画像形成方法。
【0062】(13)前記非晶質水素化炭素膜の水素量
が41〜60%であることを特徴とする(12)の画像
形成方法。
【0063】(14)前記帯電工程は、帯電部材を感光
体に接触させて帯電を行う工程であることを特徴とする
(1)〜(13)のいずれかの画像形成方法。
【0064】(15)前記帯電工程において、前記帯電
部材と前記感光体とは前記微粒子を介して接触すること
を特徴とする(14)の画像形成方法。
【0065】(16)前記転写工程後に感光体上に残存
する転写残トナーを、前記現像工程において前記トナー
担持体によって回収することを特徴とする(1)〜(1
5)のいずれかの画像形成方法。
【0066】(17)前記現像工程は、感光体とトナー
担持体とが非接触である非接触現像方法により現像を行
う工程であることを特徴とする(1)〜(16)のいず
れかの画像形成方法。
【0067】(18)前記帯電工程は、アスカーC硬度
が25〜50のローラー部材に電圧を印加することによ
り感光体を帯電する工程であることを特徴とする(1)
〜(17)のいずれかの画像形成方法。
【0068】(19)前記帯電工程はローラー部材に電
圧を印加することにより感光体を帯電する工程であり、
前記ローラー部材は少なくとも表面が球形換算での平均
セル径が5〜300μmである窪みを有しており、前記
窪みを空隙部とした時のローラー部材表面の空隙率が1
5〜90%であることを特徴とする(1)〜(18)の
いずれかの画像形成方法。
【0069】(20)前記帯電工程は、導電性を有する
ブラシ部材に電圧を印加することにより感光体を帯電す
る工程であることを特徴とする(1)〜(17)のいず
れかの画像形成方法。
【0070】(21)像担持体である感光体を帯電させ
る帯電手段と、前記帯電された感光体に静電潜像を形成
させる静電潜像形成手段と、トナー担持体上に担持させ
たトナーを前記静電潜像に転移させてトナー像を形成す
る現像手段と、前記現像手段において感光体上に形成さ
れたトナー像を転写材に静電転写させる転写手段とを少
なくとも有する画像形成装置であって、前記感光体は導
電性支持体とシリコン原子を母体とする非晶質材料から
なる光導電層とを有し、前記トナーは、結着樹脂と、着
色剤と、アルカリ金属元素を0.01〜3.0質量%含
有する微粒子とを含有する負帯電性トナーであることを
特徴とする画像形成装置。
【0071】(22)前記アルカリ金属元素が前記微粒
子の表面に存在していることを特徴とする(21)の画
像形成装置。
【0072】(23)前記微粒子が酸化チタンまたは酸
化スズであることを特徴とする(21)または(22)
の画像形成装置。
【0073】(24)前記微粒子の抵抗が1×102
1×109Ω・cmであることを特徴とする(21)〜
(23)のいずれかの画像形成装置。
【0074】(25)前記微粒子の体積平均粒径が前記
トナーの体積平均粒径よりも小さく、且つ0.05μm
以上であることを特徴とする(21)〜(24)のいず
れかの画像形成装置。
【0075】(26)前記微粒子の遊離率が5〜90%
であることを特徴とする(21)〜(25)のいずれか
の画像形成装置。
【0076】(27)前記微粒子は、トナー粒子1個当
たり0.3個以上の割合で前記トナー粒子表面に存在す
ることを特徴とする(21)〜(26)のいずれかの画
像形成装置。
【0077】(28)前記微粒子はトナー全体に対して
0.2〜10質量%含有されることを特徴とする(2
1)〜(27)のいずれかの画像形成装置。
【0078】(29)前記トナーは磁性酸化鉄をさらに
含有することを特徴とする(21)〜(28)のいずれ
かの画像形成装置。
【0079】(30)前記トナーは、平均円形度が0.
970以上であり、磁場79.6kA/m(1000エ
ルステッド)における磁化の強さが10〜50Am2
kg(emu/g)であることを特徴とする(21)〜
(29)のいずれかの画像形成装置。
【0080】(31)前記トナーの質量平均粒径が3〜
10μmであることを特徴とする(21)〜(30)の
いずれかの画像形成装置。
【0081】(32)前記感光体は、非晶質水素化炭素
膜からなる表面層をさらに有することを特徴とする(2
1)〜(31)のいずれかの画像形成装置。
【0082】(33)前記非晶質水素化炭素膜の水素量
が41〜60%であることを特徴とする(32)の画像
形成装置。
【0083】(34)前記帯電手段は、帯電部材を感光
体に接触させて帯電を行うことを特徴とする(21)〜
(33)のいずれかの画像形成装置。
【0084】(35)前記帯電手段において、前記帯電
部材と前記感光体とは前記微粒子を介して接触すること
を特徴とする(34)の画像形成装置。
【0085】(36)前記転写後に感光体上に残存する
転写残トナーを、前記現像手段の前記トナー担持体によ
って回収することを特徴とする(21)〜(35)のい
ずれかの画像形成装置。
【0086】(37)前記現像手段は、感光体とトナー
担持体とが非接触である非接触現像方法により現像を行
うことを特徴とする(21)〜(36)のいずれかの画
像形成装置。
【0087】(38)前記帯電手段は、アスカーC硬度
が25〜50のローラー部材に電圧を印加することによ
り感光体を帯電することを特徴とする(21)〜(3
7)のいずれかの画像形成装置。
【0088】(39)前記帯電手段はローラー部材に電
圧を印加することにより感光体を帯電し、前記ローラー
部材は少なくとも表面が球形換算での平均セル径が5〜
300μmである窪みを有しており、前記窪みを空隙部
とした時のローラー部材表面の空隙率が15〜90%で
あることを特徴とする(21)〜(38)のいずれかの
画像形成装置。
【0089】(40)前記帯電手段は、導電性を有する
ブラシ部材に電圧を印加することにより感光体を帯電す
ることを特徴とする(21)〜(37)のいずれかの画
像形成装置。
【0090】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成方法は、被帯電
体としてアモルファスシリコン系感光体を用いている。
このため、高耐久性、高画質な画像が得られる。また、
帯電工程において、像担持体と当接部を形成して接触す
る帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電
する工程を用いることによって、低オゾン・低電力等の
多数の利点が得られる。
【0091】また、本発明では、アルカリ金属元素を
0.01〜3.0質量%含有する微粒子を少なくとも含
有する負帯電性トナーを用いることにより、微粒子自身
の摩擦帯電極性を正極性とし、トナーに含有した場合に
マイクロキャリアとしての効果を発現することができ
る。すると、トナーの摩擦帯電量が高くなり、感光体に
現像されるトナーの摩擦帯電量も高くなる。これによ
り、トナーが転写工程時にかかる電界に追随しやすくな
るため転写性が向上し、感光体のトナーの転写残量の軽
減が図れる。さらに、トナー担持体上のトナーの摩擦帯
電量の分布もシャープになりやすく、トナー担持体上の
反転成分に起因する反転かぶりも低減させることが可能
になる。
【0092】また、クリーナーレスによる画像形成方法
に本発明を適用した場合、帯電部材と感光体との当接部
に上記微粒子が介在する。この時、上記微粒子と転写残
トナーとが摺擦されると、微粒子の負帯電付与性により
転写残トナーが負帯電性に制御されやすく、現像部での
転写残トナーの回収性も向上し、かぶりなどの画像不良
が低減する。
【0093】本発明における上記微粒子の摩擦帯電極性
の測定装置の概略図を図1に示す。測定方法は以下の通
りである。23℃、相対湿度60%の環境下、測定対象
の微粒子0.4gにフッ素アクリル樹脂コートを施した
体積平均粒径45μmの磁性粒子19.6gを加えた混
合物を、50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に
入れ、上記の環境下に1晩放置後、150回手振りで振
盪する。次いで、底に500メッシュのスクリーン63
が固定された金属製の測定容器62に上記混合物0.5
gを入れ、金属製のふた64をする。このときの測定容
器62全体の重量を測定し、W1kgとする。次に図示
せぬ吸引機(測定容器62と接する部分は少なくとも絶
縁体)の吸引口67から吸引し、メッシュ上の混合物か
ら微粒子を吸引し、磁性粒子と分離させる。このとき風
量調節弁66を調節して真空計65の圧力を2.5×1
5Paとする。この状態で3分間吸引を行い、このと
きの電位計69の電位をV(ボルト)とする。この電位
の極性を測定することで微粒子の摩擦帯電極性を測定す
る。この場合、磁性粒子の摩擦帯電極性を測定すること
になるので、電位計の値が負極性を示した場合、微粒子
自身の摩擦帯電極性が正極性ということになる。
【0094】また、図1において68はコンデンサーで
あり、容量をC(mF)とする。また吸引後の測定容器
62全体の質量を測定し、W2kgとする。従ってこの
微粒子の摩擦帯電量(mC/kg)は通常以下の式
(1)の如く計算される。
【0095】
【数1】 摩擦帯電量(mC/kg)= CV/(W1−W2) (1) さらに、本発明では、上記微粒子にアルカリ金属を含有
させることにより、微粒子の抵抗を低下させる効果も発
揮され、耐久的に使用した場合の感光体への一次帯電性
の維持に効果が認められる。なお、この効果は微粒子の
抵抗が特に高くなる低湿環境下においてより発揮され
る。
【0096】上述したように、本発明は、アルカリ金属
元素の微粒子中の含有量が0.01〜3.0質量%含有
することを特徴とするものである。上記微粒子中のアル
カリ金属の含有量が上記範囲よりも少なすぎると、微粒
子のマイクロキャリア効果および抵抗低下の効果が見ら
れず、転写性、一次帯電性の維持に問題が生じることが
ある。また、上記含有量が上記範囲よりも多すぎると、
微粒子からアルカリ金属元素を含む成分(この成分を、
以下「アルカリ金属」と表記する場合もある)が脱落し
やすくなることがある。すると、現像工程時にかかる電
界が、この脱落したアルカリ金属を通してリークしやす
くなり、現像性の低下を招いてしまう。
【0097】また、本発明者らは鋭意検討の結果、理由
は不明であるが、アルカリ金属元素の中でもリチウム、
ナトリウムを上記微粒子に含有させた場合に上記の本発
明の効果が顕著に現れることを見出した。従って、上記
微粒子に含有される金属元素はリチウムまたはナトリウ
ムであることが好ましい。
【0098】なお、微粒子中のアルカリ金属元素の種類
や状態は、誘導結合高周波プラズマ分光分析(ICP)
や電子分光法(ESCA)などの公知の方法を用いて定
性定量することができる。即ち、予めアルカリ元素の含
有量の分かっているサンプルをICPやESCAを用い
て周知の方法で測定して検量線を作製し、その検量線か
ら微粒子中のアルカリ元素の含有量を求めることができ
る。
【0099】さらに、上記のような効果をより発現させ
るにはアルカリ金属元素が微粒子の表面に存在している
ことが好ましい。アルカリ金属が微粒子表面に存在する
と、アルカリ金属とトナー粒子とが直接接するので、摩
擦帯電、抵抗特性を反映させやすく、その効果がより顕
著になる。
【0100】アルカリ金属元素を上記微粒子の表面に存
在させるには、基体である微粒子を作製後、アルカリ金
属を含有する化合物で表面処理を行う方法が挙げられ
る。また、基体が無機粒子の場合、高温で焼成すること
により基体の表面にしみ出すような状態でアルカリ金属
元素を微粒子表面に存在させることもできる。
【0101】アルカリ金属元素が微粒子の表面に存在し
ていることを確認するには、微粒子を塩酸水溶液中に浸
して微粒子を処理し、このときの浸す時間を変えること
で処理時間を変えて、塩酸水溶液中に浸された微粒子を
塩酸水溶液と分離し、取り出す。その粒子をESCAに
より表面分析を行い、処理時間とともにアルカリ金属元
素量が減少する(すなわち、短時間処理の方が長時間処
理よりアルカリ金属元素の存在量が多い)ことを確認す
ることで、アルカリ金属元素が主に微粒子の表面に存在
していることが分かる。
【0102】なお、特開2001−100453号公報
に脂肪酸アルカリ金属塩で表面処理した無機粒子含有ト
ナーの例が開示されているが、アルカリ金属の含有量が
少なく、上述したような効果は得られない。さらに、特
開平8−143785号公報、特開平9−249820
号公報において、酸化ナトリウムを含有した白色導電粉
末に関する技術が開示されている。但し、上記公報で
は、導電性粉末を有機ポリマー中(ゴムやプラスチッ
ク)に分散させて得られる成形可能な導電性ポリマー材
料に関し、そのポリマー中の導電性粉末の分散性につい
て優れていることを基本概念とするものである。
【0103】これに対して本発明では、種々の材料(例
えばトナー粒子や感光体、帯電部材の表面等)と絡み合
いながら、特にアルカリ金属元素が微粒子表面に存在す
ることを特徴とするものである。更に、アルカリ金属元
素の微粒子中の存在割合やトナー粒子と微粒子の粒径比
などの条件を特定することにより、微粒子とトナーの接
触で生じる摩擦帯電量等を改質し、トナーとして新たな
効果を発揮させたものである。このように、本発明はト
ナーに含まれる微粒子自身の機能を活かす特殊な使用形
態において、その挙動も制御することにより成立する電
子写真システムに関するものであるから、使用分野のみ
ならず技術に至る思想も含め、上記各公報に記載された
技術とは全く異なる。
【0104】本発明において、微粒子をトナーに含有さ
せる方法としては、トナーを構成するトナー粒子内部に
含有させる内部添加およびトナー粒子形成後に微粒子を
添加する外部添加とがある。前述のような本発明の効果
をより迅速にかつ効率的に行うには、微粒子はトナー表
面に存在することが好ましく、その達成手段としては制
御が容易な外部添加が好ましい。また、他には内部添加
後に粉砕や研磨などの機械的な方法でトナー粒子表面に
微粒子を露出させる手段なども挙げられる。
【0105】微粒子の抵抗値としては、102〜109Ω
・cmであることが好ましい。微粒子の抵抗値が上記範
囲よりも大きすぎると、本発明を現像同時クリーニング
を用いた画像形成方法に適用する際に、微粒子を帯電部
材と像担持体との当接部またはその近傍の帯電領域に介
在させ、この微粒子を介して接触帯電部材の像担持体へ
の緻密な接触性を維持させても、感光体への電荷注入性
が低下し、良好な帯電性を得るための帯電促進効果が得
られないので好ましくない。さらに、微粒子の帯電促進
効果を十分に引き出し、良好な帯電性を安定して得るた
めには、微粒子の抵抗値が接触帯電部材の表面部または
像担持体との接触部の抵抗よりも小さいことが好まし
い。
【0106】また、微粒子の抵抗値が上記範囲よりも小
さすぎると、感光体にピンホールが存在した場合に電荷
がその部分に集中し、部材の破壊が生じたり、画像が横
方向に抜けてしまう、リーク画像が生じやすいので好ま
しくない。
【0107】以下、微粒子の体積抵抗値の測定方法を説
明する。図2に示すセルBに、測定環境下で24時間以
上放置した微粒子0.5gを充填し、粉体(微粒子)に
接するよう電極21及び22を配し、該電極間に電圧を
印加し、その時流れる電流を電流計24で測定するによ
り得られる。測定条件は、23℃、相対湿度65%の環
境で、粉体と電極との接触面積2.26cm2、上部電
極に15kgの荷重で圧力をかけ、セルの高さ(d)を
ノギスで測定し、印加電圧50Vで電流を測定し、面
積、高さから体積抵抗を算出した。
【0108】微粒子の粒径としては、トナー中のトナー
粒子の体積平均粒径よりも小さい体積平均粒径であるこ
とが好ましく、また、微粒子の体積平均粒子径は0.0
5μm以上であることがより好ましい。
【0109】クリーナーレスによる画像形成方法では、
感光体と帯電部材が当接する部分に介在する微粒子の粒
径は小さいほど、感光体と帯電部材との接触点が増大し
帯電均一性は向上する。しかしながら、微粒子の体積平
均粒径が0.05μmよりも小さすぎると、微粒子がト
ナー粒子と同期して挙動するために、転写工程時で該微
粒子のほとんどがトナー粒子とともに転写材の方に移行
してしまい、帯電工程部への該微粒子の供給が不足して
帯電均一性が低下しやすいので好ましくない。
【0110】また、微粒子の体積平均粒子径が小さい
と、高湿下での現像性の低下を防ぐために、トナー全体
に対する微粒子の含有量を小さく設定しなければならな
い。微粒子の平均粒子径が0.05μm未満では、微粒
子の有効量を確保できず、クリーナーレスによる画像形
成方法の場合、帯電工程において、絶縁性の転写残トナ
ーの接触帯電部材への付着・混入による帯電阻害に打ち
勝って感光体の帯電を良好に行わせるのに十分な量の微
粒子を帯電部材と感光体との当接部またはその近傍の帯
電領域に介在させることができず、帯電不良を生じ易く
なる。より好ましくは0.1μm以上である。
【0111】また、微粒子の体積平均粒径がトナー粒子
の体積平均粒径よりも大きいと、微粒子をトナーに混合
した際微粒子がトナー粒子から遊離しやすく、現像工程
において現像容器から像担持体への微粒子の供給量が不
足し、十分な帯電性が得られにくい。また、帯電部材か
ら脱落した微粒子は静電潜像を書き込む露光光を遮光ま
たは拡散するため、静電潜像の欠陥を生じ画像品位を低
下させる。更に、微粒子の平均粒子径が大きすぎると、
帯電部材からも脱落しやすいことに加え、単位質量当た
りの粒子数が減少する。このため、帯電部材からの微粒
子の脱落等による減少や劣化を考慮した上で微粒子を帯
電部材と感光体との当接部またはその近傍の帯電領域に
逐次に微粒子を供給し続け介在させるために、また、接
触帯電部材が微粒子を介して像担持体への緻密な接触性
を維持し良好な帯電性を安定して得るためには、微粒子
のトナー全体に対する含有量を大きくしなければならな
い。
【0112】しかし、微粒子の含有量を大きくしすぎる
と、特に高湿環境下での摩擦帯電能、現像性を低下さ
せ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずる。このような観
点から、微粒子の体積平均粒径は好ましくは5μm以下
が良い。感光体の磨耗性も考慮すると、微粒子中の体積
平均粒径が5μm以上の粒子の個数%が3%以下である
ことが一層好ましい。
【0113】本発明におけるアルカリ金属元素を含有す
る微粒子の体積平均粒径及び粒度分布は、コールター社
製、LS−230型レーザー回折式粒度分布測定装置に
リキッドモジュールを取り付けて粒径0.04〜200
0μmの測定範囲で測定されるものである。測定法とし
ては、純水10mlに微量の界面活性剤を添加し、これ
に微粒子の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波
ホモジナイザー)にて10分間分散した後、測定時間9
0秒、測定回数1回で測定する。
【0114】また、トナーからの微粒子の体積平均粒径
の測定においては、純水100gに対して微量の界面活
性剤を添加してトナーを2〜10gを加え、超音波分散
機(超音波ホモジナイザー)にて10分間分散した後、
遠心分離機等によりトナー粒子から上記微粒子を分離す
る。磁性トナーの場合は磁石を利用することもできる。
分離した分散液を測定時間90秒、測定回数1回で測定
する。
【0115】微粒子が凝集体として構成されている場合
の粒径は、その凝集体としての平均粒径として定義され
る。微粒子は一次粒子の状態で存在するばかりでなく二
次粒子の凝集した状態で存在することも問題はない。ど
のような凝集状態であれ、凝集体として帯電部材と感光
体との当接部またはその近傍の帯電領域に介在し、帯電
補助または促進の機能が実現できればその形態は問わな
い。
【0116】本発明におけるトナーの質量平均粒径及び
体積均粒径はコールターカウンターTA-II型あるい
はコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々
の方法で測定可能である。具体的には、下記のように測
定できる。コールターマルチサイザー(コールター社
製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフ
ェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピ
ューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナト
リウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。たとえ
ば、ISOTON R-II(コールターサイエンティ
フィックジャパン社製)が使用できる。測定手順は以下
の通りである。上記電解水溶液を100〜150ml加
え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁し
た電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い
前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーを用
いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して
体積分布と個数分布とを算出する。それから、本発明に
係わる所の体積分布から求めた体積平均粒径、および体
積基準の質量平均粒径(D4)を求める。また、上記測
定方法では、体積及び質量平均粒径はほぼ同じ値を示す
ことから、体積、質量平均粒径はほぼおなじであると見
なすことができる。
【0117】これに加え、微粒子の遊離率は5〜90%
であることが好ましい。微粒子の遊離率が5%よりも少
なすぎると感光体への供給量が不足して十分な帯電性が
得られにくく、90%より多すぎると、現像同時クリー
ニングによって回収される微粒子の量が多くなり、現像
器内での微粒子の蓄積によるトナーの摩擦帯電性及び現
像性の低下を生じ好ましくない。
【0118】アルカリ金属元素を有する微粒子の遊離率
は、トナー粒子に含まれる微粒子を構成する原子(例え
ば微粒子が酸化チタンからなる場合はチタン原子)とト
ナーに含まれない微粒子を構成する原子との個数の和に
対する、トナー粒子に含まれない微粒子を構成する原子
の個数の比によって表される。上記遊離率は、Japa
n Hardcopy97論文集の65〜68ページに
記載の原理で測定することができ、具体的には、トナー
粒子を一個ずつプラズマへ導入し、得られる発光スペク
トルからトナー粒子中の元素、トナー粒子数、トナー粒
子の粒径を知ることができ、この発光スペクトルから上
記遊離率を測定することができる。
【0119】上記の測定方法によれば、アルカリ金属元
素を有する微粒子の遊離率は、トナー粒子に含まれる結
着樹脂の構成元素である炭素原子(C)の発光と、アル
カリ金属元素を含有する微粒子を構成する原子(A)の
発光を測定して下記式により求められる。
【0120】
【数2】 上記式において「同時に発光した」とは、上記原子
(A)の発光であって炭素原子(C)の発光から2.6
msec以内の発光をいい、それ以降の原子(A)の発
光はアルカリ金属元素を有する微粒子を構成する原子の
みの発光とする。また、炭素原子とアルカリ金属元素を
含有する微粒子を構成する原子とが同時発光するという
ことは、微粒子がトナー粒子と同期していることを意味
し、アルカリ金属元素を有する微粒子を構成する原子の
みの発光は、アルカリ金属元素を含有する微粒子がトナ
ー粒子から遊離していることを意味する。
【0121】遊離率の測定は、具体的には、発光スペク
トルを利用したパーティクルアナライザー(PT100
0:横河電機(株)製)を使用して行うことができる。
【0122】測定方法は以下の通りである。まず0.1
%酸素含有のヘリウムガスを用い、23℃で湿度60%
の環境にて測定を行い、トナーサンプルを同環境下にて
1晩放置し、調湿する。測定に際しては、チャンネル1
で炭素原子(測定波長247.860nm、Kファクタ
ーは推奨値を使用)、チャンネル2でアルカリ金属元素
を有する微粒子を構成する原子を測定し、1回のスキャ
ンで炭素原子の発光回数が1000〜1400回となる
ようにサンプリングを行い、炭素原子の発光回数が総数
で10000回以上となるまでスキャンを繰り返し、発
光回数を積算する。この時、炭素原子の発光回数を縦軸
に、炭素原子の三乗根電圧を横軸にとった分布におい
て、該分布が極大を一つ有し、更に、谷が存在しない分
布となるようにサンプリングし、測定を行う。そして、
このデータを元に、全原子のノイズカットレベルを1.
50Vとし、上記計算式を用い、アルカリ金属元素を有
する微粒子の遊離率を算出する。なお、後述の実施例に
おいても同様に測定した。
【0123】遊離率の調整は、微粒子をトナー粒子に外
添する場合は、トナー粒子に添加する微粒子の量や、外
添強度(外添時間、撹拌速度)などを適宜調整すること
により達成される。また、微粒子をトナー粒子に内添す
る場合は、粉砕トナーにおいては、トナー粒子に添加す
る微粒子の量や、混練強度、粉砕条件を、重合トナーに
おいては添加される微粒子の量や微粒子への表面処理な
どを、それぞれ、適宜調整することで達成される。
【0124】また、微粒子は、透明、白色または淡色の
微粒子であることが、転写材上に転写される微粒子がカ
ブリとして目立たないため好ましく良い。静電潜像形成
工程における露光光の妨げとならない意味からも、微粒
子は透明、白色または淡色の微粒子であることがよく、
より好ましくは、微粒子の露光光に対する透過率が30
%以上であることが良い。
【0125】本発明では、微粒子の光透過性は以下の手
順で測定されるものである。片面に接着層を有する透明
のフィルムに微粒子を一層分固定した状態で透過率を測
定する。光はシートの鉛直方向から照射しフィルム背面
に透過した光を集光し光量を測定する。フィルムのみと
微粒子を付着させたときの光量の差から正味の光量とし
て粒子の透過率を算出する。実際にはX−Rite社製
310T透過型濃度計を用いて測定される。
【0126】更に、微粒子は、トナー粒子1個当たり
0.3個以上の割合でトナー粒子表面に存在することが
好ましく、より好ましくはトナー粒子1個当たり1.0
〜50.0個の割合で存在することである。0.3個未
満では、トナーの流動性を向上させる効果が低下するこ
とがあるので好ましくない。
【0127】トナー粒子表面に存在する微粒子は、トナ
ー粒子表面の直接観察により存在の有無、及び存在の割
合を得ることができる。即ち、微粒子を含有するトナー
を電子顕微鏡(SEM)を用いてトナー粒子10個を一
つの集合体として捉え、各トナー粒子の表面に存在し、
アルカリ金属元素の存在を示すピークを有する個々の微
粒子の個数を数える。
【0128】元素の定性はSEMに併設させた定性分析
装置を用いる。この方法で10体の集合体(トナー総計
100個)について測定を行い、トナー粒子100個当
たりの微粒子の存在割合を算出する。尚、アルカリ金属
元素の存在を示すピークを有する微粒子は、事前の組成
分析(例えばICP、ESCAなど)によりアルカリ金
属を含有していることを確認し対応取りを行う。
【0129】上記微粒子をトナー粒子表面に存在させる
には、前述したように、微粒子が上記割合でトナー粒子
表面に存在するように含有量を適宜調整して、上記微粒
子をトナー粒子に外添すればよい。
【0130】また、微粒子はトナー全体に対して0.2
〜10質量%含有されることが好ましい。微粒子のトナ
ー全体に対する含有量が0.2質量%よりも少なすぎる
と、クリーナーレスによる画像形成方法の場合、絶縁性
の転写残トナーの接触帯電部材への付着・混入による帯
電阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良好に行なわせる
のに十分な量の微粉末を、帯電部材と像担持体との当接
部或いはその近傍の帯電領域に介在させることができ
ず、帯電性が低下し帯電不良を生じる。また、含有量が
10質量%よりも多すぎる場合では、現像同時クリーニ
ングによって回収される微粒子が多くなりすぎることに
より現像部でのトナーの帯電能、現像性が低下し、画像
濃度低下やトナー飛散を生ずる。
【0131】このようなアルカリ金属元素を含有する微
粒子の材質としては、酸化チタンまたは酸化スズが好ま
しく用いられる。
【0132】さらに、微粒子のトナー全体に対する含有
量は、1.5〜5質量%であることが好ましい。
【0133】なお、一般に高画質化のためにより微小な
潜像ドットを忠実に現像するためには、トナーの質量平
均粒径は3〜10μmであることが好ましい。質量平均
粒径が3μm未満のトナーにおいては、トナーの転写効
率の低下から感光体上の転写残トナーが多くなり、この
ようなトナーを本発明で用いる接触帯電工程に適用する
と帯電部材を汚染しやすくなるため、微粒子による帯電
促進効果が低下してしまう。さらに、トナー全体の表面
積が増えることに加え、粉体としての流動性及び攪拌性
が低下し、個々のトナー粒子を均一に摩擦帯電させるこ
とが困難となることからカブリや転写性が悪化傾向とな
り、帯電性以外の要因による画像欠陥の原因となりやす
いため、本発明で使用するトナーとしては好ましくな
い。また、トナーの質量平均粒径が10μmを越える場
合には、文字やライン画像に飛び散りが生じやすく、高
解像度が得られにくい。さらに装置が高解像度になって
いくと1ドットの再現が悪化する傾向にもなる。
【0134】本発明では磁性または非磁性のいずれのト
ナーを用いることが可能であるが、トナーは磁性酸化鉄
を含有する磁性トナーであることが好ましい。トナー自
身が磁気力を持っているとトナー担持体内に内包させた
マグネットにより現像器内でのトナーの飛散を抑制する
ことができ、磁気力により、現像工程での帯電工程部か
ら吐き出されたトナーの回収性も向上するので好まし
い。また、トナーの平均円形度が0.970以上であ
り、トナーの磁場79.6kA/m(1000エルステ
ッド)における磁化の強さが10〜50Am2/kg
(emu/g)であることが、転写残トナー量及びカブ
リを低減させ、良好な帯電性を維持するために好まし
い。
【0135】本発明で用いられるトナーに含まれ得る磁
性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェラ
イトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;
Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金
属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Z
n,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,T
i,W,Vのような金属との合金、およびこれらの混合
物等が挙げられる。
【0136】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、
酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウ
ム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)のような磁性
酸化鉄;鉄粉(Fe);コバルト粉(Co);及びニッ
ケル粉(Ni)が挙げられる。上述した磁性材料を単独
で或いは2種以上の組み合わせて使用する。中でも上記
磁性酸化鉄を好適に用いることができる。特に好適な磁
性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末であ
る。磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対し
て、磁性体10〜200質量部、好ましくは20〜15
0質量部である。また、磁性酸化鉄には着色剤としての
効果もあるので好ましい。
【0137】本発明における平均円形度は、粒子の形状
を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであ
り、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置
「FPIA−1000」を用いて測定を行い、3μm以
上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形
度(ai)を下記式(2)によりそれぞれもとめ、さら
に下記式(3)で示すように、測定された全粒子の円形
度の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円形度
(a)と定義する。
【0138】
【数3】
【0139】
【数4】 なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−
1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の
算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形
度0.40〜1.00を61分割したクラスに分け、分
割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う方
法を用いている。しかしながら、この算出方法で算出さ
れる平均円形度の各値との誤差は非常に少なく、実質的
に無視出来る程度のものである。本発明においては、算
出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取
り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用い
る算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出
式を用いても良い。
【0140】測定手段は以下の通りである。界面活性剤
を約0.1mg溶解している水10mlにトナー5mg
を分散させて分散液を調製し、超音波(20kHz、5
0W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000
〜2万個/μlとして前記装置により測定を行い、3μ
m以上の円相当径の粒子群の平均円形度を求める。
【0141】本発明における平均円形度とは、トナーの
凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合
1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は
小さな値となる。
【0142】なお、本測定において3μm以上の円相当
径の粒子群についてのみ円形度を測定する理由は、3μ
m未満の円相当径の粒子群にはトナー粒子とは独立して
存在する外部添加剤の粒子群も多数含まれており、その
影響によりトナー粒子群についての円形度が正確に見積
もれないからである。
【0143】また、本発明において磁性トナーの磁化の
強さは、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業
社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6k
A/mで測定される値である。
【0144】本発明では、トナーの示差走査熱量計(D
SC)により測定されるDSC曲線において、昇温時の
吸熱メインピーク温度が好ましくは60〜140℃の範
囲、より好ましくは60〜120℃の範囲にあること
が、トナーにおいて特に好ましく、降温時の発熱メイン
ピーク温度が好ましくは60〜150℃の範囲、より好
ましくは60〜130℃の範囲にあることがトナーにお
いて特に好ましい。DSC測定では、例えば、パーキン
エルマー社製のDSC−7が利用できる。測定に用いる
サンプル量は、トナーサンプルの場合には、約10〜1
5mgを用いる。
【0145】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/min、
温度0〜200℃の範囲で降温、昇温させた時に測定さ
れるDSC曲線を用いる。
【0146】トナーに使用される着色剤としては、従来
より知られている染料及び/又は顔料が使用可能であ
る。着色剤としては、例えば、カーボンブラック、フタ
ロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマネントレ
ッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハンザーイエ
ロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエローが挙
げられる。着色剤の含有量としては、結着樹脂100質
量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜
20質量部、更にトナー像を定着したOHPフィルムの
透過性をよくする為には12質量部以下が好ましく、更
に好ましくは0.5〜9質量部がよい。
【0147】本発明で用いられるトナーは前述の微粒子
に加え、以下に説明する無機微粉末を含有することが好
ましい。無機微粉末としては、流動化剤及び転写助剤と
して平均1次粒子径4〜80nmのものが上記トナーに
添加されることが好ましい。上記無機微粉末は、トナー
の流動性改良、トナー粒子の摩擦帯電量均一化、及び転
写性の向上のために添加されるが、無機微粉末を疎水化
処理するなどの処理によってトナーの摩擦帯電量の調
整、環境安定性の向上等の機能を付与することも好まし
い形態である。
【0148】無機微粉末の平均1次粒子径が80nmよ
りも大きすぎる場合、または80nm以下の無機微粉末
が添加されていない場合には、転写残トナーが多くな
り、安定して良好な帯電特性を得ることが困難である。
また、良好なトナーの流動性が得られず、トナー粒子へ
の帯電付与が不均一になり易く、カブリの増大、画像濃
度の低下、トナー飛散等の問題を避けられない。一方、
無機微粉末の平均一次粒子径が4nmよりも小さすぎる
場合には、無機微粉末の凝集性が強まり、一次粒子では
なく解砕処理によっても解れ難い強固な凝集性を持つ粒
度分布の広い凝集体として挙動し易く、凝集体の現像あ
るいは感光体またはトナー担持体等を傷つけるなどによ
る画像欠陥を生じ易くなる。トナー粒子の摩擦帯電量分
布をより均一とするためには無機微粉末の平均一次粒子
径は6〜70nmであることが更に好ましい。
【0149】本発明において、無機微粉末の平均1次粒
子径は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影したトナーの
写真と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたX線マイク
ロアナライザー(XMA)等の元素分析手段によって無
機微粉末の含有する元素でマッピングされたトナーの写
真とを対照しつつ、トナー表面に付着または遊離して存
在している無機微粉末の1次粒子を100個以上測定
し、個数平均径を求めることが出来る。
【0150】本発明で用いられる無機微粉末としては、
シリカ、アルミナ、酸化チタン、あるいはそれらの複合
酸化物などが使用できる。例えば、シリカ、所謂ケイ酸
微粉末としてはケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により
生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称さ
れる乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆ
る湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリ
カ微粉末の内部にあるシラノール基が少なく、またNa
2O、SO3-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好
ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程におい
て、例えば塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハ
ロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いること
によって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉末を得る
ことも可能でありそれらも包含する。
【0151】平均一次粒子径が4〜80nmの無機微粉
末の添加量は、トナーに対して0.1〜3.0質量%で
あることが好ましく、添加量が0.1質量%未満ではそ
の効果が十分ではなく、3.0質量%を超えると定着性
が悪くなることがある。ここで無機微粉末は、疎水化処
理された物であることが高温高湿環境下での特性から好
ましい。トナーと混合された無機微粉末が吸湿すると、
トナーの摩擦帯電量が著しく低下し、トナー飛散が起こ
り易くなる。
【0152】疎水化処理の処理剤としては、シリコーン
ワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
ル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シラン
カップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン
化合物のような処理剤を単独でまたは併用して処理して
も良い。
【0153】その中でも、シリコーンオイルにより処理
したものが好ましく、より好ましくは、無機微粉末をシ
ラン化合物等で疎水化処理すると同時または処理した後
に、シリコーンオイルにより処理したものが、高湿環境
下でもトナーの摩擦帯電量を高く維持し、トナー飛散を
防止する上でよい。
【0154】無機微粉末の処理条件としては、例えば第
一段反応としてシリル化反応を行いシラノール基を化学
結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーン
オイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することができ
る。
【0155】上記シリコーンオイルは、25℃における
粘度が10〜200,000mm2/sのものが、さら
には3,000〜80,000mm2/sのものが好ま
しい。シリコーンオイルの粘度が10mm2/s未満で
は、無機微粉末に安定性が無く、熱および機械的な応力
により、画質が劣化する傾向がある。200,000m
2/sを超える場合は、均一な処理が困難になる傾向
がある。
【0156】使用されるシリコーンオイルとしては、例
えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイル等が特に好ましい。シリコーンオイルの処
理の方法としては、例えばシラン化合物で処理された無
機微粉末とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等
の混合機を用いて直接混合してもよいし、無機微粉末に
シリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。また
は適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散さ
せた後、シリカ微粉末を加え混合し溶剤を除去する方法
でもよい。無機微粉末の凝集体の生成が比較的少ない点
で噴霧機を用いる方法がより好ましい。
【0157】シリコーンオイルの処理量は無機微粉末1
00質量部に対し1〜23質量部、好ましくは5〜20
質量部が良い。シリコーンオイルの量が少なすぎると無
機微粉末に良好な疎水性を付与できないことがあり、多
すぎるとカブリ発生等の不具合が生ずる。
【0158】本発明で用いられる平均一次粒子径が4〜
80nmの無機微粉末は、BET法で測定した窒素吸着
により比表面積が20〜250m2/g範囲内のものが
好ましい。比表面積はBET法に従って、比表面積測定
装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて
試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて
比表面積を算出して得られる。
【0159】本発明で用いられるトナーは荷電制御剤を
トナー粒子に配合(内添)されていることが好ましい。
荷電制御剤によって、現像システムに応じたトナーの最
適な荷電量を容易にコントロールすることが可能になる
からである。
【0160】正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシ
ン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジル
アンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン
酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレー
トの如き四級アンモニウム塩;を単独で或いは2種類以
上組み合わせて用いることが出来る。これらの中でも、
ニグロシン系化合物及び四級アンモニウム塩の如き荷電
制御剤が、特に好ましく用いられる。さらに、モノマー
の単重合体、又は、前述した様なスチレン、アクリル酸
エステル及びメタクリル酸エステルの如き重合性モノマ
ーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることがで
き、この場合、これらの荷電制御剤は結着樹脂(の全部
又は一部)としての作用をも有する。
【0161】負荷電性制御剤としては、例えば、有機金
属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯
体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカ
ルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。
他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及
びポリカルボン酸及び金属塩、無水物、エステル類、ビ
スフェノール等のフェノール誘導体類等がある。
【0162】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。トナーに内添する際、この様な荷電制御剤は、結着
樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部(好まし
くは0.2〜10質量部)用いる。
【0163】本発明のトナーは、粉砕法、重合法により
製造することができる。まずは、粉砕法を例示する。結
着樹脂、磁性体、離型剤、荷電制御剤、場合によって着
色剤等トナーとして必要な成分及びその他の添加剤等を
ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十分
混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー
の如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに
相溶させた中に磁性体等の他のトナー材料を分散又は溶
解させ、冷却固化、粉砕後、分級、必要に応じて表面処
理を行ってトナー粒子を得ることが出来る。分級及び表
面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程において
は生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
粉砕工程は、機械衝撃式、ジェット式等の公知の粉砕装
置を用いた方法を用いることができる。
【0164】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル共重合体、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテ
ル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等
のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹
脂;天然樹脂変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビ
ニル、シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタ
ン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシ
レン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマ
ロンインデン樹脂;石油系樹脂が挙げられる。
【0165】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、ビニル系単量体が用いられ
る。ビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如き
二重結合を有するモノカルボン酸若しくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカ
ルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;例え
ば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如き
ビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビ
ニルエーテル類;が挙げられる。これらは、単独もしく
は2つ以上用いられる。
【0166】ここで架橋剤としては主として2個以上の
重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香
族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を
2個有するカルボン酸エステル;例えば、ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニ
ル基を有する化合物;が単独若しくは混合物として用い
られる。
【0167】さらには、本発明に用いられる結着樹脂と
して架橋性モノマーで架橋された重合体又は共重合体で
あってもよい。芳香族ジビニル化合物として例えば、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アル
キル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例え
ば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリ
レート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げら
れ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリ
レート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチ
レングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレン
グリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレ
ートをメタアクリレートに代えたものが挙げられ;芳香
族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレー
ト化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジア
クリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及
び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代え
たものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類と
して例えば、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられ
る。
【0168】ここで、架橋剤として、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエ
ステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートを
メタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
【0169】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、
さらに好ましくは0.03〜5質量部用いることができ
る。架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に定着性、耐
オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳
香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族
基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート
化合物類が挙げられる。
【0170】本発明に用いられる結着樹脂としては、ビ
ニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂等が好
ましく、より好ましくは、ビニル系樹脂とポリエステル
系樹脂である。また、本発明において、ビニル系モノマ
ーの単重合体または共重合体、ポリエステル、ポリウレ
タン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、
変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族ま
たは脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を、必要
に応じて前述した結着樹脂に混合して用いることができ
る。2種以上の樹脂を混合して結着樹脂として用いる場
合、分子量の異なるものを適当な割合で混合するのが好
ましい。
【0171】結着樹脂に用いられるビニル系樹脂の物性
として、ガラス転移温度は好ましくは45〜80℃、よ
り好ましくは55〜70℃であり、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィ(GPC)測定による分子量分布に
おいて、数平均分子量(Mn)は2,500〜50,0
00、質量平均分子量(Mw)は10,000〜1,0
00,000であることが好ましい。結着樹脂のガラス
転移点(Tg)は、示差熱分析装置(DSC測定装
置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い下記
の条件で測定した。
【0172】 試料 :5〜20mg、好ましくは10mg 温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃/min.) 降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/min.) 昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/min.) 昇温IIで測定されるTgを測定値とする。
【0173】測定法:試料をアルミパン中にいれ、リフ
ァレンスとして空のアルミパンを用いる。吸熱ピークが
出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲
線との交点をガラス転移点Tgとする。
【0174】また、結着樹脂のGPCによる分子量は、
トナーをTHF(テトラヒドロキシフラン)中に室温で
24時間静置して溶解した溶液を、ポア径が0.2μm
の耐溶剤性メンブランフィルターでろ過してサンプル溶
液とし、例えば以下の条件で測定することができる。
尚、サンプル調製は、THFに可溶な成分の濃度が0.
4〜0.6質量%になるようにTHFの量を調整する。
【0175】 装置 :高速GPC HLC8120 GPC(東ソー社製) カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、 806、807の7連(昭和電工社製) 溶離液:THF 流速 :1.0ml/min オーブン温度: 40.0℃ 試料注入量 : 0.10ml
【0176】また、試料の分子量の算出に当たっては、
標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダー
ド ポリスチレン F−850、F−450、F−28
8、F−128、F−80、F−40、F−20、F−
10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2
500、A−1000、A−500)により作成した分
子量校正曲線を使用することができる。
【0177】トナーの分子量は、粉砕法において製造さ
れる場合、用いる結着樹脂と混練条件により任意に変え
ることができる。また、重合法においては、用いる開始
剤や架橋剤の種類および量等の組み合わせにより、任意
に変えることが可能である。また、連鎖移動剤等を使用
しても調整可能である。
【0178】ビニル系重合体又は共重合体からなる結着
樹脂は、例えば以下の方法で合成することができる。合
成方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合
法、乳化重合法が利用できる。
【0179】例えば、カルボン酸モノマー又は酸無水物
モノマーを用いる場合には、モノマーの性質上、塊状重
合法または溶液重合法を利用することが好ましい。ジカ
ルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸モノエス
テルの如きモノマーを用い、塊状重合法、溶液重合法に
よりビニル系共重合体を得ることができる。溶液重合法
においては、溶媒留去時にジカルボン酸、ジカルボン酸
モノエステル単位を留去条件を工夫することにより一部
無水化することができる。更に、塊状重合法または溶液
重合法によって得られたビニル系共重合体を加熱処理す
ることで更に無水化を行うことができる。酸無水物をア
ルコールの如き化合物により一部エステル化することも
できる。逆に、この様にして得られたビニル系共重合体
を加水分解処理で酸無水物基を閉環させ、一部ジカルボ
ン酸とすることができる。
【0180】一方、ジカルボン酸モノエステルモノマー
を用い、懸濁重合法、乳化重合法で得られたビニル系共
重合体を加熱処理による無水化及び加水分解処理による
開環により無水物からジカルボン酸を得ることができ
る。塊状重合法または溶液重合法で得られたビニル系共
重合体を、モノマー中に溶解し、次いで懸濁重合法また
は乳化重合法により、ビニル系重合体または共重合体を
得る方法を用いれば、酸無水物の一部は開環してジカル
ボン酸単位を得ることができる。重合時にモノマー中に
他の樹脂を混合してもよく、得られた樹脂を加熱処理に
よる酸無水物化、弱アルカリ水処理による酸無水物の開
環アルコール処理によりエステル化を行うことができ
る。
【0181】ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物モノマ
ーは交互重合性が強いので、無水物、ジカルボン酸の如
き官能基をランダムに分散させたビニル系共重合体を得
る為には以下の方法が好ましい方法の一つである。ジカ
ルボン酸モノエステルモノマーを用い溶液重合法によっ
てビニル系共重合体を得、このビニル系共重合体をモノ
マー中に溶解し、懸濁重合法によって結着樹脂を得る方
法である。この方法では溶液重合後の溶媒留去時に処理
条件により、全部またはジカルボン酸モノエステル部を
脱アルコール閉環無水化させることができ酸無水物を得
ることができる。懸濁重合時には酸無水物基が加水分解
開環し、ジカルボン酸が得られる。
【0182】ポリマーにおける酸無水物化は、カルボニ
ルの赤外吸収が酸またはエステルの時よりも高波数側に
シフトするので酸無水物の生成または消滅が確認でき
る。この様にして得られる結着樹脂は、カルボキシル
基、無水物基、ジカルボン酸基が結着樹脂中に均一に分
散されているので、トナーに良好な帯電性を与えること
ができる。
【0183】結着樹脂としては以下に示すポリエステル
樹脂も好ましい。ポリエステル樹脂は、全成分中45〜
55mol%がアルコール成分であり、55〜45mo
l%が酸成分である。アルコール成分としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノ
ール誘導体、ジオール類、グリセリン、ソルビット、ソ
ルビタン等の多価アルコール類が挙げられる。
【0184】全酸成分中50mol%以上を含む2価の
カルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又は
その無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水
物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケ
ニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマ
ル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不
飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられ、また、
3価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメ
リット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水
物等が挙げられる。
【0185】特に好ましいポリエステル樹脂のアルコー
ル成分としてはビスフェノール誘導体であり、酸成分と
しては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はそ
の無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸又はその
無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如き
ジカルボン酸類;トリメリット酸又はその無水物のトリ
カルボン酸類が挙げられる。
【0186】これらの酸成分及びアルコール成分から得
られたポリエステル樹脂を用いた結着樹脂を含有するト
ナーは、本発明の画像形成方法に熱ローラー定着を適用
した場合の定着性が良好で、耐オフセット性に優れてい
る。
【0187】ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは90
mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/
g以下であり、ポリエステル樹脂のOH価は好ましくは
50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKO
H/g以下であることが良い。これは、分子鎖の末端基
数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大
きくなる為である。
【0188】ポリエステル樹脂のガラス転移温度(T
g)は好ましくは50〜75℃、より好ましくは55〜
65℃であることが良く、ポリエステル樹脂のGPC測
定による分子量分布において、数平均分子量(Mn)は
好ましくは1,500〜50,000、より好ましくは
2,000〜20,000であり、質量平均分子量(M
w)は好ましくは6,000〜100,000、より好
ましくは10,000〜90,000であることが良
い。
【0189】次に重合法として懸濁重合を例示する。重
合性単量体および着色剤、更に必要に応じて重合開始
剤、架橋剤、荷電制御剤、離型剤、可塑剤、磁性体、そ
の他の添加剤などをホモジナイザー、ボールミル、コロ
イドミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶解
または分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する
水系媒体中に懸濁する。重合開始剤は、重合性単量体中
に他の添加剤を添加する時同時に加えても良いし、水系
媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。又、造粒直
後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒
に溶解した重合開始剤を加えることも出来る。
【0190】重合温度は40℃以上、一般には50〜9
0℃の温度に設定して重合を行う。この温度範囲で重合
を行うと、内部に封じられるべき離型剤やワックスの類
が、相分離により析出して内包化がより完全となる。残
存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期な
らば、反応温度を90〜150℃にまで上げる事は可能
である。
【0191】重合性単量体系を構成する重合性単量体と
しては以下のものが挙げられる。重合性単量体として
は、スチレン・o−メチルスチレン・m−メチルスチレ
ン・p−メチルスチレン・p−メトキシスチレン・p−
エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチ
ル・アクリル酸エチル・アクリル酸n−ブチル・アクリ
ル酸イソブチル・アクリル酸n−プロピル・アクリル酸
n−オクチル・アクリル酸ドデシル・アクリル酸2−エ
チルヘキシル・アクリル酸ステアリル・アクリル酸2−
クロルエチル・アクリル酸フェニル等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸メチル・メタクリル酸エチル・メ
タクリル酸n−プロピル・メタクリル酸n−ブチル・メ
タクリル酸イソブチル・メタクリル酸n−オクチル・メ
タクリル酸ドデシル・メタクリル酸2−エチルヘキシル
・メタクリル酸ステアリル・メタクリル酸フェニル・メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル・メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他のア
クリロニトリル・メタクリロニトリル・アクリルアミド
等の単量体が挙げられる。
【0192】これらの単量体は単独、または混合して使
用し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチ
レン誘導体を単独で、あるいはほかの単量体と混合して
使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好
ましい。
【0193】単量体に樹脂を添加して重合しても良い。
例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解
して乳化重合を起こすために使用できないアミノ基、カ
ルボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、
ニトリル基等親水性官能基含有の単量体成分をトナー中
に導入したい時には、これらとスチレンあるいはエチレ
ン等ビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重
合体、またはグラフト共重合体等、共重合体の形にし
て、あるいはポリエステル、ポリアミド等の重縮合体、
ポリエーテル、ポリイミン等重付加重合体の形で使用が
可能となる。こうした極性官能基を含む高分子重合体を
トナー中に共存させると、前述のワックス成分を相分離
させ、より内包化が強力となり、耐オフセット性、耐ブ
ロッキング性、低温定着性の良好なトナーを得ることが
できる。このような極性官能基を含む高分子重合体を使
用する場合、その平均分子量は5,000以上が好まし
く用いられる。5,000以下、特に4,000以下で
は、本重合体が表面付近に集中し易いことから、現像
性、耐ブロッキング性等に悪い影響が起こり易くなり好
ましくない。また、極性重合体としては特にポリエステ
ル系の樹脂が好ましい。
【0194】また、材料の分散性や定着性、あるいは画
像特性の改良等を目的として上記以外の樹脂を単量体系
中に添加しても良く、用いられる樹脂としては、例え
ば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン
及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチル
アミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチ
レン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニ
ルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケ
トン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチ
レン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチ
ルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコン樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹
脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹
脂、芳香族系石油樹脂などが単独或いは混合して使用で
きる。これら樹脂の添加量としては、単量体100質量
部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未満では
添加効果が小さく、一方20質量部以上添加すると重合
トナーの種々の物性設計が難しくなる。
【0195】重合開始剤としては、2,2'−アゾビス
−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−ア
ゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビ
ス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系
重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカー
ボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0196】架橋剤を添加しても良く、好ましい添加量
としては、0.001〜15質量%である。架橋剤とし
ては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する
化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニ
ルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタク
リレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エ
ステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニ
ルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;
及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしく
は混合物として用いられる。
【0197】分散安定剤としては、界面活性剤や有機・
無機分散剤が使用でき、中でも無機分散剤が分散安定性
の面から好ましい。無機分散剤としては、燐酸カルシウ
ム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛等
の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイ
ト、アルミナ等の無機酸化物が挙げられる。無機分散剤
は、重合性単量体100質量部に対して、0.2〜20
質量部を単独で使用することが望ましいが、超微粒子を
発生し難いもののトナーの微粒化はやや苦手であるの
で、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用して
も良い。界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン
硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタ
デシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレ
イン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
【0198】離型剤としては、パラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油
系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその
誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワッ
クス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオ
レフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、
キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体な
どで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロ
ック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級
脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂
肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステ
ルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植
物系ワックス、動物性ワックス等示差熱分析における吸
熱ピークを45℃以上110℃以下、更には50℃以上
90℃以下に有するものが好ましい。離型剤の含有量と
しては、トナー全体に対して0.5〜50質量%の範囲
が好ましい。含有量が0.5質量%未満では低温オフセ
ット抑制効果に乏しく、50質量%を超えてしまうと長
期間の保存性が悪化することがある。
【0199】本発明で用いられるトナーを粉砕法、重合
法のいずれの方法を用いて製造する場合でも、微粒子を
トナー粒子に内添するには、微粒子を結着樹脂(懸濁重
合の場合は結着樹脂を構成する重合性単量体)、着色剤
および他の添加剤に混合してトナー粒子を得る。一方、
微粒子をトナー粒子に外添する場合には、上記方法によ
ってトナー粒子を得た後に、微粒子を他の外添剤と共に
トナー粒子に混合してトナーを得る。
【0200】次に、本発明の画像形成方法および画像形
成装置について説明する。本発明の画像形成方法は、
(a)像担持体である感光体を帯電させる帯電工程と、
(b)帯電された感光体に静電潜像を形成させる静電潜
像形成工程と、(c)トナー担持体上に担持させたトナ
ーを前記静電潜像に転移させてトナー像を形成する現像
工程と、(d)現像工程において感光体上に形成された
トナー像を転写材に静電転写させる転写工程とを少なく
とも有する。
【0201】本発明で用いられる感光体は導電性支持体
とシリコン原子を母体とする非晶質材料からなる光導電
層を有する、いわゆるアモルファスシリコン系感光体で
あることを特徴とする。また、感光体は非晶質水素化炭
素膜からなる表面層をさらに有することが好ましい。表
面層を非晶質水素化炭素膜にすることにより感光体表面
の硬度を高くすることができ、耐久的な使用による感光
体表面の摩耗量が低減し高耐久化につながるためであ
る。
【0202】また、本発明で用いられる感光体の表面層
の膜厚は、表面層の磨耗量と電子写真装置の寿命との関
係から0.01〜10μm、好適には0.1〜1μmの
範囲が望ましい。表面層の膜厚が0.01μm以下だと
機械的強度が損なわれることがあり、10μm以上にな
ると感光体表面の残留電位が高くなり、最適な電位設
定、感度が得られないことがあるので好ましくない。
【0203】本発明において、非晶質水素化炭素膜から
なる表面層は、下記式(4)
【0204】
【数5】 シリコン原子含有率(%) =(シリコン原子個数/(シリコン原子個数+炭素原子個数))×100 ・・・(4) により定義されるシリコン原子含有率が0.01%以下
の表面層を表す。
【0205】表面層のシリコン原子含有量(原子個数)
は、炭素含有量を測定するためのサンプルとして705
9ガラス基板上に0.5μm堆積させた表面層を作製
し、この表面層サンプル中の炭素原子、シリコン原子個
数をSIMSによりそれぞれ測定して得られる値であ
り、この値と上記式(4)から上記シリコン原子含有率
が算出される。また、上記表面層を構成する非晶質水素
化炭素膜中に含まれる水素量はH/(C+H)が41〜
60%、好適には45〜55%が好ましい。水素量が4
0%以下だと電子写真特性が悪化し、現像工程で十分な
電位差を確保しにくく、かぶり画像等の画像不良が生じ
る可能性があるので好ましくない場合があり、また60
%を越えると膜の緻密化が損なわれ、機械的強度が損な
われ、表面層の削れが増すこともあるので好ましくな
い。上記水素量は、表面層の水素含有量を測定するため
にシリコンウエハー上に表面層サンプルを作製し、この
表面層サンプルに対してIRによる水素量の測定を行う
ことにより得られる。また、IR測定によりC−CとC
−H結合のピークを検出し、そのピークの面積比と、C
−C結合部ではC原子2個、C−H結合部では1個ずつ
をそれぞれ割り当て、それぞれの面積比に掛けて、下記
式(5)より水素量を算出した。
【0206】
【数6】 水素量(%)=(水素数/(炭素数+水素数))×100・・・(5) 以下、図面を参照して本発明に用いる感光体としての光
受容部材を詳細に説明する。図3の(A)及び(B)は
本発明で用いられる光受容部材の模式的断面図の一例で
ある。図3(A)は光導電層が機能分離されていない単
一層からなる単層型光受容部材であり、図3(B)は光
導電層が電荷発生層と電荷輸送層とに分離された機能分
離型光受容部材である。
【0207】図3(A)に示す光受容部材はアモルファ
スシリコン(以下、「a−Si」と表記することがあ
る)系材料からなり、アルミニウム等の導電性基体10
1と、導電性基体101の表面に順次積層された電荷注
入阻止層102、光導電層103、及び表面層104か
らなる。ここで、電荷注入阻止層102は導電性基体1
01から光導電層103への電荷の注入を阻止するもの
であり、必要に応じて設けられる。この電荷注入阻止層
102の材料は公知のものを使用することができ、必要
に応じて厚さを設定する。また、光導電層103は少な
くともシリコン原子を含む非晶質材料で構成され、光導
電性を示すものである。更に表面層104は炭素原子と
水素原子とを含むアモルファス材料からなる膜(a−
C:H膜)であり、電子写真装置における顕像を保持す
る能力を持つものである。
【0208】以下、図3(B)について、電荷注入阻止
層102の有無により効果が異なる場合を除いては、電
荷注入阻止層102は有るものとして説明する。
【0209】図3(B)に示すa−Si系光受容部材
は、光導電層103が少なくともシリコン原子と炭素原
子を含む非晶質材料で構成された電荷輸送層106と、
少なくともシリコン原子を含む非晶質材料で構成された
電荷発生層105とが順次積層された構成を有する機能
分離型の光受容部材である。この光受容部材に光を照射
すると、主として電荷発生層105で生成されたキャリ
アーが電荷輸送層106を通過して導電性基体101に
至る。
【0210】光受容部材を構成する各層は、高周波電源
を用いたRFプラズマCVD法(以下、「RF−PCV
D法」と表記する)やVHF電源を用いたVHFプラズ
マCVD法(以下、「VHF−PCVD法と表記す
る」)などの化学蒸着法により形成することができる。
【0211】図4は、RF−PCVD法を用いた光受容
部材の堆積装置の一例を模式的に示した図である。この
装置は大別すると、堆積装置2100、原料ガスの供給
装置2200、堆積装置2100中の反応容器2110
内を減圧する為の排気装置(図示せず)から構成されて
いる。反応容器2110内にはアースに接続された円筒
状被成膜基体2112、円筒状被成膜基体2112の加
熱用ヒーター2113、原料ガス導入管2114が設置
され、更に高周波マッチングボックス2115を介して
高周波電源2120が接続されている。
【0212】原料ガス供給装置2200は、SiH4
2,CH4,NO,B26,CF4等の原料ガスボンベ
2221〜2226とバルブ2231〜2236、22
41〜2246、2251〜2256及びマスフローコ
ントローラー2211〜2216から構成され、各原料
ガスボンベ2221〜2226は各バルブ2260を介
して反応容器2110内のガス導入管2114にそれぞ
れ接続されている。
【0213】円筒状被成膜基体2112は導電性受け台
2123の上に設置されることによってアースに接続さ
れる。
【0214】以下、図4の装置を用いた、光受容部材の
形成方法の手順の一例について説明する。反応容器21
10内に導電性基体としての円筒状被成膜基体2112
を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)によ
り反応容器2110内を排気する。続いて加熱用ヒータ
ー2113により円筒状被成膜基体2112の温度を2
0℃〜500℃の所望の温度に制御する。次いで、光受
容部材形成用の原料ガスを反応容器2110内に流入さ
せるためには、まず、原料ガスボンベのバルブ2231
〜2236、反応容器のリークバルブ2117がそれぞ
れ閉じていることを確認し、流入バルブ2241〜22
46、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ22
60が開いていることを確認した後に、メインバルブ2
118を開いて反応容器2110及びガス供給配管21
16を排気する。
【0215】その後、真空計2119の読みが0.67
mPaになった時点で補助バルブ2260、流出バルブ
2251〜2256を閉じる。その後、バルブ2231
〜2236を開いてガスボンベ2221〜2226より
各ガスを導入し圧力調整器2261〜2266により各
ガス圧を2kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ
2241〜2246を徐々に開けて各ガスをマスフロー
コントローラー2211〜2216内に導入する。
【0216】以上の手順によって成膜準備を完了した
後、円筒状被成膜基体2112上に、必要に応じて電荷
注入阻止層を形成し、次いで光導電層の形成を行う。な
お、本明細書では光導電層の形成についてのみ説明す
る。円筒状被成膜基体2112が所望の温度になったと
ころで、各流出バルブ2251〜2256のうちの必要
なものと補助バルブ2260とを徐々に開き、各ガスボ
ンベ2221〜2226から所望の原料ガスを、ガス導
入管2114を介して反応容器2110内に導入する。
次に、各マスフローコントローラー2211〜2216
によって、各原料ガスが所望の流量になるように調整す
る。その際、反応容器2110内が133.3Pa以下
の所望の圧力になる様に、真空計2119を見ながらメ
インバルブ2118の開口を調整する。反応容器211
0の内圧が安定したところで、高周波電源2120を1
〜450MHzの所望の電力に設定して、例えば13.
56MHzの高周波電力を高周波マッチングボックス2
115を通じてカソード電極2111に供給し高周波グ
ロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反
応容器2110内に導入させた各原料ガスが分解され、
所望のシリコン原子を主成分とする光導電層が円筒状被
成膜基体2112上に堆積される。所望の膜厚の層の形
成が行われた後、高周波電力の供給を止め、各流出バル
ブ2251〜2256を閉じて反応容器2110への各
原料ガスの流入を止め、光導電層の形成を終える。な
お、光導電層は、シリコン原子を母体とする非晶質材料
からなるものであれば、その組成や膜厚は公知のものを
使用することができる。
【0217】上記光導電層に表面層を形成する場合も基
本的には上記の操作を繰り返せばよい。その際、表面層
104の成膜ガスとしては、CH4、C26、C38
4 10等のガス、及びガス化し得る炭化水素が有効に
使用されるものとして挙げられる。又、これらの炭素供
給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne
等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0218】図5は、VHF−PCVD法による光受容
部材の堆積装置の一例を模式的に示した図である。この
装置は図4に示した堆積装置2100を図5の堆積装置
3100に置き換えることで構成される。VHF−PC
VD法を用いたこの装置による堆積膜の形成は、以下の
ように行うことができる。
【0219】まず、反応容器3111内に導電性支持体
3112を設置する。駆動装置3120によって支持体
3112を回転し、不図示の排気装置(例えば拡散ポン
プ)により反応容器3111内を排気管3121を介し
て排気し、反応容器3111内の圧力を1.33×10
-5Pa以下に調整する。続いて、支持体加熱用ヒーター
3113により導電性支持体3112の温度を50〜5
00℃の所定の温度に加熱保持する。
【0220】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器311
1に流入させるには、まず図4のガスボンベのバルブ2
231〜2236、反応容器のリークバルブ(不図示)
がそれぞれ閉じられていることを確認し、流入バルブ2
241〜2246、流出バルブ2251〜2256、補
助バルブ2260がそれぞれ開かれていることを確認し
た後に、メインバルブ(不図示)を開いて反応容器31
11およびガス配管内を排気する。次に真空計(不図
示)の読みが約6.65×10-4Paになった時点で補
助バルブ2260、流出バルブ2251〜2256を閉
じる。
【0221】その後、バルブ2231〜2236を開い
てガスボンベ2221〜2226より各ガスを導入し、
圧力調整器2261〜2266により各ガス圧を2×1
5Paに調整する。次に、流入バルブ2241〜22
46を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラ
ー2211〜2216内に導入する。
【0222】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下のようにして導電性支持体3112上に堆積膜
の形成を行う。導電性支持体(3112)が所定の温度
になったところで流出バルブ2251〜2256のうち
の必要なものおよび補助バルブ2260を徐々に開き、
ガスボンベ2221〜2226から所定のガスをガス導
入管(不図示)を介して反応容器3111内の放電空間
3130に導入する。次にマスフローコントローラー2
211〜2216によって各原料ガスが所定の流量にな
るように調整する。その際、放電空間3130内の圧力
が133Pa以下の所定の圧力になるように真空計(不
図示)を見ながらメインバルブ(不図示)の開口を調整
する。
【0223】圧力が安定したところで、50MHz〜4
50MHz、例えば周波数105MHzのVHF電源
(不図示)を所望の電力に設定して、マッチングボック
ス3116を通じて放電空間3130にVHF電力を導
入し、グロー放電を生起させる。かくして支持体311
2により取り囲まれた放電空間3130において、導入
された原料ガスは、放電エネルギーにより励起されて解
離し、支持体3112上に所定の堆積膜が形成される。
このときVHF電力導入と同時に、支持体加熱用ヒータ
ー3113の出力を調整し導電性支持体の温度を所定の
値で変化させる。この時、層形成の均一化を図るため支
持体回転用モーター3120によって、所望の回転速度
で回転させる。
【0224】所望の膜厚の層の形成が行われた後、VH
F電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器への
ガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。同様の操作
を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受
容部材が形成される。
【0225】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器3111
内、流出バルブ2251〜2256から反応容器311
1に至る配管内に残留することを避けるために、流出バ
ルブ2251〜2256を閉じ、補助バルブ2260を
開き、さらにメインバルブ(不図示)を全開にして系内
を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0226】上述のガス種およびバルブ操作は各々の層
の作成条件にしたがって変更が加えられることは言うま
でもない。
【0227】本発明の画像形成方法において、感光体を
帯電させる帯電工程(一次帯電工程)は、上述したよう
に、帯電部材を感光体に接触させて帯電を行う、いわゆ
る接触帯電方法を用いた工程であることが好ましい。こ
のような帯電方法を用いることにより、微量な放電によ
っても均一な帯電が行われ、放電による流れ画像などの
発生を低減できるので好ましい。
【0228】また、さらに帯電部材と感光体の当接部
に、上述したアルカリ金属元素を0.01〜3.0質量
%含有する微粒子を介在させることで、感光体に電荷を
直接注入させる注入帯電により均一な帯電が行われ、放
電による画像劣化の影響が皆無になるのでより好まし
い。また、小型化、低コスト化の観点から、本発明の画
像形成方法は、転写工程後に感光体上に残存するトナー
を除去するクリーナー装置を設けず、転写残余のトナー
を現像工程後にトナー担持体で回収するクリーナーレス
による画像形成方法であることがさらに好ましい。
【0229】上記接触帯電を行う帯電手段(接触帯電手
段)としては、帯電ローラー、帯電ブレードを用いる方
法や、導電性ブラシを用いる方法がある。
【0230】接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯
電ブレードの材質は導電性ゴムが好ましく、その表面に
離型性被膜を設けてもよい。離型性被膜としては、ナイ
ロン系樹脂、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)、PV
dC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリル樹脂など
が適用可能である。
【0231】ローラー部材としての、上記導電性ゴムを
用いた帯電ローラー(弾性導電性ローラー)は、硬度が
低すぎると形状が安定しないために被帯電体との接触性
が悪くなり、更に、帯電部材と像担持体との当接部に上
記微粒子を介在させることで弾性導電性ローラー表層を
削りまたは傷つけ、安定した帯電性が得られない。ま
た、硬度が高すぎると被帯電体との間に帯電当接部を確
保できないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触
性が悪くなるので、アスカーC硬度で25度〜50度が
好ましい。
【0232】弾性導電性ローラーは弾性を持たせて感光
体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する感光体
を充電するに十分低い抵抗を有する電極として機能する
ことが重要である。一方では、感光体にピンホールなど
の欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必
要がある。電子写真用感光体を用いた場合、十分な帯電
性と耐リーク性を得るには、体積固有抵抗値が103
108Ω・cmの範囲でなければならず、より好ましく
は104〜107Ω・cmの抵抗値であることが良い。
【0233】弾性導電性ローラーの抵抗値は、ローラー
の芯金に総圧1kgの加重がかかるようφ30mmの円
筒状アルミドラムにローラーを圧着した状態で、芯金と
アルミドラムとの間に100Vを印加し、計測した抵抗
値、計測時のニップ幅および弾性体の厚みから計算す
る。
【0234】例えば、弾性導電性ローラーは芯金上に可
撓性部材としてのゴムあるいは発泡体の中抵抗層を形成
することにより作製される。中抵抗層は樹脂(例えばウ
レタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫
化剤、発泡剤等により処方され、芯金の上にローラー状
に形成する。その後必要に応じて切削、表面を研磨して
形状を整え弾性導電性ローラーを作製することができ
る。
【0235】また、上記弾性導電性ローラーの表面は上
記微粒子を介在させるために微少なセルまたは凹凸を有
していることが好ましい。つまり、ローラー部材は少な
くとも表面が球形換算での平均セル径が5〜300μm
である窪みを有しており、該窪みを空隙部としたローラ
ー部材表面の空隙率は15〜90%であることが好まし
い。
【0236】セル径が5μm以下となり、空隙率が90
%を越えると、ローラー表面に微粒子を保持させる能力
が減少し、当接部への微粒子の介在量が減少することで
一次帯電性が悪化する場合がある。さらに感光体とロー
ラーの摩擦力が大きくなり、感光体の削れが増大するこ
とがあるので好ましくない。また、セル径が300μm
を越え、空隙率が15%以下になると、帯電部材と感光
体との接触均一性が減少し一次帯電性の帯電均一性、帯
電電位が低下し、ハーフトーン画像などに帯電ムラの画
像不良を生じることがあるので好ましくない。
【0237】導電性弾性ローラーの材質としては、弾性
発泡体に限定するものでは無く、弾性体の材料として、
エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPD
M)、ウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(N
BR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調
整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物
質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものが
あげられる。また、導電性物質を分散せずに、または導
電性物質と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調
整をすることも可能である。
【0238】導電性弾性ローラーは像担持体としての感
光体に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配
設し、導電性弾性ローラーと像担持体の当接部である帯
電当接部を形成させる。この帯電当接部幅は特に制限さ
れるものではないが、導電性弾性ローラーと像担持体の
安定して密な密着性を得るため1mm以上、より好まし
くは2mm以上が良い。
【0239】また、接触帯電部材としての帯電ブラシ
は、一般に用いられている繊維に導電材を分散させて抵
抗調整されたものが用いられる。繊維としては、一般に
知られている繊維が使用可能であり、例えばナイロン、
アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポリエステル
等が挙げられる。導電材としては、一般に知られている
導電材が使用可能であり、例えば、ニッケル、鉄、アル
ミニウム、金、銀等の導電性金属或いは酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン等の導電性
金属の酸化物、更にはカーボンブラック等の導電粉が挙
げられる。なおこれら導電材は必要に応じ疎水化、抵抗
調整の目的で表面処理が施されていてもよい。使用に際
しては、繊維との分散性や生産性を考慮して選択して用
いる。
【0240】接触帯電部材として帯電ブラシを用いる場
合には、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロ
ール状帯電ブラシとしては、例えば導電性繊維をパイル
地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付
けてロールブラシとすることができる。導電性繊維は、
繊維の太さが1〜20デニール(繊維径10〜500μ
m程度)、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ
密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メー
トル当たり1.5×107〜4.5×108本程度)のも
のが好ましく用いられる。
【0241】帯電ブラシは、一次帯電均一性の観点か
ら、よりブラシ密度の高い物を使用することが好まし
く、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作るこ
とも好ましく良い。例えば、300デニール/50フィ
ラメントのように300デニールの微細な繊維を50本
束ねて1本の繊維として植毛することも可能である。
【0242】しかしながら、本発明においては、直接注
入帯電の帯電ポイントが主には帯電部材と像担持体との
帯電当接部及びその近傍の導電性微粉体の介在密度に依
存しているため、帯電部材の選択の範囲は広められてお
り、帯電ブラシを単独で用いる場合よりブラシ密度は少
なくても構わない。
【0243】帯電ブラシの材質としては、ユニチカ
(株)製の導電性レーヨン繊維REC−B、REC−
C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)
製のSA−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネ
ボウ製のベルトロン、クラレ(株)製のクラカーボ、レ
ーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)
製のローバル等があるが、環境安定性の点でREC−
B、REC−C、REC−M1、REC−M10が特に
好ましく良い。
【0244】以下に、感光体と接触帯電部材との当接部
における微粒子の介在量について説明する。感光体と接
触帯電部材との当接部における微粒子の介在量は、少な
すぎると、該粒子による潤滑効果が十分に得られず、像
担持体と接触帯電部材との摩擦が大きくなり、接触帯電
部材を感光体に速度差を持って回転駆動させることが困
難となる。つまり、駆動トルクが過大となるし、無理に
回転させると接触帯電部材や感光体の表面が削れてしま
う。更に微粒子による接触機会増加の効果が得られない
こともあり十分な帯電性能が得られない。一方、介在量
が多過ぎると、微粒子の接触帯電部材からの脱落が著し
く増加し、作像上に悪影響が出る。
【0245】微粒子の介在量は102〜5×105個/m
2が好ましい。介在量が102個/mm2より低いと、
感光体と接触帯電部材との間で十分な潤滑効果と接触機
会増加の効果が得られず帯電性能の低下が生じ、また、
転写残トナーが多い場合に帯電性能の低下が生じる。
【0246】また、直接注入帯電方式を現像同時クリー
ニング画像形成における潜像担持体の一様帯電として適
用する場合には、転写残トナーの帯電部材への付着また
は混入による帯電特性の低下が生ずる。転写残トナーの
帯電部材への付着及び混入を抑制し、または転写残トナ
ーの帯電部材への付着または混入による帯電特性への悪
影響に打ち勝って、良好な直接注入帯電を行うには、感
光体と接触帯電部材との当接部における微粒子の介在量
が102個/mm2以上、より好ましくは103個/mm2
以上である。
【0247】また、微粒子の塗布量の上限値は、微粒子
が感光体上に1層均一に塗布されるまであり、それ以上
塗布されても効果が向上するわけではなく、逆に露光光
源を遮ったり、散乱させたりという弊害が生じる。塗布
密度上限値は微粒子の粒径によっても変わってくるため
に、一概にはいえないが、微粒子が感光体上に1層均一
に塗布される量が上限といえる。
【0248】微粒子の量は、5×105個/mm2を超え
ると、微粒子の像担持体への脱落が著しく増加し、粒子
自体の光透過性を問わず、像担持体への露光量不足が生
じる。5×105個/mm2以下では脱落する粒子量も低
く抑えられ露光の阻害を改善できる。微粒子の介在量
を、102〜5×105個/mm2として画像形成を行
い、像担持体上に脱落した粒子の存在量を測定したとこ
ろ、103〜105個/mm 2であり、作像上の弊害はな
かった。したがって、微粒子の好ましい介在量の上限
は、5×105個/mm2である。
【0249】次に、帯電当接部での微粒子の介在量及び
静電潜像形成工程での像担持体上の微粒子の存在量の測
定方法について述べる。微粒子の介在量は接触帯電部材
と感光体の接触面部を直接測ることが望ましいが、当接
部を形成する接触帯電部材の表面と感光体の表面との間
に速度差を設けている場合、接触帯電部材に接触する前
に感光体上に存在した粒子の多くは逆方向に移動しなが
ら接触する帯電部材に剥ぎ取られることから、本発明で
は接触面部に到達する直前の接触帯電部材表面の粒子量
をもって介在量とした。具体的には、帯電バイアスを印
加しない状態で感光体及び弾性導電性ローラーの回転を
停止し、感光体及び弾性導電性ローラーの表面をビデオ
マイクロスコープ(OLYMPUS製OVM1000
N)及びデジタルスチルレコーダ(DELTIS製SR
−3100)で撮影した。弾性導電性ローラーについて
は、弾性導電性ローラーを感光体に当接するのと同じ条
件でスライドガラスに当接し、スライドガラスの背面か
らビデオマイクロスコープにて接触面を1000倍の対
物レンズで10箇所以上撮影した。得られたデジタル画
像から個々の粒子を領域分離するため、ある閾値を持っ
て2値化処理し、粒子の存在する領域の数を所望の画像
処理ソフトを用いて計測した。また、像担持体上の存在
量についても像担持体上を同様のビデオマイクロスコー
プにて撮影し同様の処理を行い計測した。
【0250】次に、静電潜像形成工程について説明す
る。本発明の画像形成方法では、像露光により感光体の
帯電面に静電潜像として画像情報を書き込む静電潜像形
成工程を用いるのが好ましい。すなわち、像担持体の帯
電面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段は、像露光
手段であることが好ましい。静電潜像形成のための画像
露光手段としては、デジタル的な潜像を形成するレーザ
ー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナ
ログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わ
ないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み
合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を
形成できるものであるなら構わない。
【0251】次に、現像工程について説明する。本発明
の画像形成方法における現像工程では、上述したトナー
によって感光体上の静電潜像を現像する。まず、現像に
使用するトナー担持体について説明する。
【0252】本発明に使用されるトナー担持体は、アル
ミニウム、ステンレススチールの如き金属又は合金で形
成された導電性円筒(現像ローラー)が好ましく使用さ
れる。充分な機械的強度及び導電性を有する樹脂組成物
で導電性円筒が形成されていても良く、導電性のゴムロ
ーラーを用いても良い。また、上記のような円筒状に限
られず、回転駆動する無端ベルトの形態をしても良い。
【0253】本発明においては、トナー担持体上に5〜
50g/m2のトナー層を形成することが好ましい。ト
ナー担持体上のトナー量が5g/m2よりも小さいと、
十分な画像濃度が得られにくく、トナーの帯電が過剰に
なることによるトナー層のムラを生じる。トナー担持体
上のトナー量が50g/m2よりも多くなると、トナー
飛散を生じ易くなる。
【0254】また、本発明に使用されるトナー坦持体の
表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜
3.5μmの範囲にあることが好ましい。Raが0.2
μm未満ではトナー担持体上の帯電量が高くなり、現像
性が不充分となる。Raが3.5μmを超えると、トナ
ー担持体上のトナーコート層にむらが生じ、画像上で濃
度むらとなる。Raは0.5〜3.0μmの範囲にある
ことがさらに好ましい。
【0255】本発明において、トナー担持体の表面粗さ
Raは、JIS表面粗さ「JISB 0601」に基づ
き、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式
会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗
さに相当する。
【0256】また本発明においては、トナー担持体と対
向して微小間隔をもって配設されている強磁性金属ブレ
ードによりトナー担持体上のトナーを規制されることが
トナーの粉体特性や帯電特性を長期にわたり維持し、か
つ温湿度環境の影響を受けにくく、トナー飛散の起こり
にくい均一な帯電を得る観点から特に好ましい。
【0257】また、本発明の画像形成方法においては、
現像工程でトナーを担持して現像部に搬送するトナー担
持体の移動速度を、感光体の移動速度に対して速度差を
もたせることにより、トナー担持体側から感光体側へト
ナー粒子および微粒子を十分に供給することができるた
め、良好な画像を得ることができる。
【0258】トナーを担持するトナー担持体表面は、感
光体表面の移動方向と同方向に移動していてもよいし、
逆方向に移動していてもよい。その移動方向が同方向で
ある場合感光体の移動速度に対して、比で100%以上
であることが望ましい。100%未満であると、画像品
質が悪くなる。移動速度比が高まれば高まるほど、現像
部位に供給されるトナーの量は多く、潜像に対しトナー
の脱着頻度が多くなり、不要な部分は掻き落とされ必要
な部分には付与されるという繰り返しにより、潜像に忠
実な画像が得られる。速度比は、以下の式により求めた
値である。
【0259】
【数7】速度比(%)=(トナー担持体速度/感光体速
度)×100 具体的には、トナー担持体表面の移動速度が感光体表面
の移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度であるこ
とが好ましい。
【0260】本発明における現像工程は、感光体とトナ
ー担持体とが非接触である非接触型現像方法であること
が好ましい。接触現像方法であると、現像部で微粒子に
よって感光体に電荷が注入されやすく、潜像を乱してし
まい、画像不良が生じやすく、現像部でかぶりも生じや
すいので好ましくない。
【0261】非接触現像方法の場合、トナー担持体の感
光体に対する離間距離よりもトナー担持体上のトナー層
を薄く形成することが好ましい。現像工程は感光体に対
してトナー層を非接触として、感光体の静電潜像をトナ
ー画像として可視化する非接触型現像方法を適用するこ
とで、電気抵抗値が低い導電性微粉体をトナー中に添加
しても、現像バイアスが感光体へ注入することによる現
像かぶりが発生しない。そのため、良好な画像を得るこ
とができる。
【0262】また、トナー担持体は感光体に対して10
0〜1000μmの離間距離を有して対向して設置され
ることが好ましく、120〜500μmの離間距離を有
して対向して設置されることが更に好ましい。トナー担
持体の感光体に対する離間距離が100μmよりも小さ
いと、離間距離の振れに対するトナーの現像特性の変化
が大きくなるため、安定した画像性を満足する画像形成
装置を量産することが困難となる。トナー担持体の感光
体に対する離間距離が1000μmよりも大きいと、現
像装置への転写残トナーの回収性が低下し、回収不良に
よるカブリを生じ易くなる。また、感光体上の潜像に対
するトナーの追従性が低下するために、解像性の低下、
画像濃度の低下等の画質低下を招いてしまう。
【0263】本発明において、トナー担持体に対して交
番電界を印加して現像を行う現像工程で現像されること
が好ましく、印加現像バイアスは直流電圧に交番電圧
(交流電圧)を重畳してもよい。
【0264】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波
であっても良い。このように交番電圧の波形としては周
期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0265】トナーを担持をするトナー担持体と感光体
との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度が
3×106〜10×106V/mであり、周波数100〜
5000Hzの交番電界を現像バイアスとして印加する
ことが好ましい。トナー担持体と感光体との間に印加さ
れる現像バイアスの電界強度が3×106V/mよりも
小さいと、現像装置への転写残トナーの回収性が低下
し、回収不良によるカブリを生じ易くなる。また、現像
力が小さいために画像濃度の低い画像となり易い。一
方、現像バイアスの電界強度が10×106V/mより
も大きいと現像力が大き過ぎることによる細線の潰れに
よる解像性の低下、カブリの増大による画質低下を生じ
易く、現像バイアスの感光体へのリークによる画像欠陥
を生じ易くなる。また、トナー担持体と感光体との間に
印加される現像バイアスのAC成分の周波数が100H
zよりも小さいと、潜像に対するトナーの脱着頻度が少
なくなり、現像装置への転写残トナーの回収性が低下し
やすく、画像品質も低下し易い。現像バイアスのAC成
分の周波数が5000Hzよりも大きいと、電界の変化
に追従できるトナーが少なくなるために、転写残トナー
の回収性が低下し、現像性が低下する。
【0266】交番電界を現像バイアスとして印加する等
によって、トナー担持体と感光体間に高電位差がある場
合でも、現像部による感光体への電荷注入が生じないた
め、トナー担持体側のトナー中に添加された微粒子が均
等に感光体側に移行されやすく、均一に微粒子を感光体
に塗布し、帯電部で均一な接触を行い、良好な帯電性を
得ることが出来る。
【0267】次に、本発明の画像形成方法の接触転写工
程について具体的に説明する。本発明において、感光体
からトナー画像の転写を受ける記録媒体は転写ドラム等
の中間転写体であってもよい。記録媒体を中間転写体と
する場合、中間転写体から紙などの転写材に再度転写す
ることでトナー画像が得られる。
【0268】接触転写工程とは、感光体と転写材を介し
て転写手段を当接しながら現像画像を転写材に静電転写
するものであるが、転写手段の当接圧力としては線圧
2.9N/m(3g/cm)以上であることが好まし
く、より好ましくは19.6N/m(20g/cm)以
上である。当接圧力としての線圧が2.9N/m(3g
/cm)未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の
発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0269】また、接触転写工程における転写手段とし
ては、転写ローラーあるいは転写ベルトを有する装置が
使用される。転写ローラーは少なくとも芯金と導電性弾
性層からなり、導電性弾性層はカーボン等の導電材を分
散させたウレタンやEPDM等の、体積抵抗106〜1
10Ωcm程度の弾性体で作られており、転写バイアス
電源により転写バイアスが印加されている。
【0270】
【実施例】以下に本発明の画像形成方法に使用される感
光体とトナー、トナーに含有される微粒子、帯電部材に
ついて実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は
これらの実施例にのみに限定されるものではない。
【0271】〈感光体製造例1〜6〉図4に示すRF−
PCVD装置を用いて、下記の条件により円筒状導電性
基体上に電荷注入阻止層、光導電層を積層した後、それ
ぞれ下記(1)〜(6)の条件で表面層を0.5μm堆
積して感光体1〜6を製造した。更に表面層のシリコン
原子含有量、水素含有量を測定するためのサンプルとし
てガラス基板上、シリコンウェハー上にもそれぞれ下記
(1)〜(6)の条件で表面層サンプルを作製し、各原
子の含有量を測定した。表1に感光体1〜6の表面層中
のシリコン原子および水素原子の含有量をそれぞれ示
す。
【0272】 [感光体の製造条件] (電荷注入阻止層) SiH4 100ml/min(normal) H2 300ml/min(normal) PH3 800ppm(SiH4に対して) NO 5ml/min(normal) パワー 150W(13.56MHz) 内圧 80Pa 基体温度 280℃ 膜厚 3μm (光導電層) SiH4 350ml/min(normal) H2 600ml/min(normal) B26 0.5ppm(SiH4に対して) パワー 400W(13.56MHz) 内圧 73Pa 基体温度 280℃ 膜厚 20μm (1)感光体1の表面層 CH4 500ml/min(normal) パワー 1000W(13.56MHz) 内圧 66.7Pa 基板温度 200℃ (2)感光体2の表面層 CH4 500ml/min(normal) パワー 800W(13.56MHz) 内圧 13.Pa 基板温度 300℃ (3)感光体3の表面層 CH4 500ml/min(normal) パワー 1500W(13.56MHz) 内圧 13.3Pa 基板温度 300℃ (4)感光体4の表面層 CH4/H2 100ml/min(normal)/200ml/min(normal) パワー 500W(13.56MHz) 内圧 6.7Pa 基板温度 150℃ (5)感光体5の表面層 CH4/H2 100mL/min(normal)/200mL/min(normal) パワー 500W(13.56MHz) 内圧 4.0Pa 基板温度 室温 (6)感光体6の表面層 SiH4/CH4/H2 0.4mL/min(normal)/100mL/min(normal) /200mL/min(normal) パワー 500W(13.56MHz) 内圧 40.0Pa 基板温度 250℃
【0273】
【表1】 〈帯電部材製造例1〉φ6mm、長さ320mmのSU
Sローラーを芯金とし、芯金上にウレタン樹脂、導電性
粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処
方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成し、さ
らに切削研磨し、形状及び表面性を整え、可撓性部材と
してφ12mm、長さ320mmの帯電ローラー1を作
製した。表2に帯電ローラー1の物性を示す。
【0274】〈帯電部材製造例2〉 シリコーンゴム 100質量部 パラフィンオイル 10質量部 酸化亜鉛 6質量部 高級脂肪酸 1質量部 導電性カーボンブラック 5質量部 以上の材料を50℃に調整した密閉型ミキサーにて10
分間混練して原料コンパウンドを調整し、このコンパウ
ンドに原料のシリコーンゴム100質量部に対して加硫
剤としての硫黄を2質量部、加硫促進剤としてのMBT
(2−メルカプトベンゾチアゾール)を1質量部及びT
MTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)を1.5
質量部、ZnMDC(亜鉛ジメチルジチオカルバメー
ト)を1.5質量部それぞれ加え、20℃に冷却した二
本ロール機にて10分間混練しゴムコンパウンドを作製
した。
【0275】一方でφ9mmステンレス製の芯金を用意
し、外径φ16mmのローラ状になるように上記のゴム
パウンドを押し出し成型機にて芯金上に供給、成形し、
150℃、15分間加熱加硫し、抵抗値が4×103Ω
cm弾性ローラを作製した。
【0276】また、表面被覆層として、N−メトキシメ
チル化ナイロン(商品名:トレジン、帝国化学産業
(株)製)100質量部に対して酸化亜鉛5質量部を添
加し、ボールミルにて4時間かけて分散させた樹脂溶液
を調整し、この樹脂溶液を用いて上記弾性ローラにディ
ッピングにより表層を塗布し、120℃で1時間程度加
熱乾燥を行い、厚さ20μmの表層を有する帯電ローラ
ー2を得た。表2に帯電ローラー2の物性を示す。
【0277】
【表2】 〈微粒子製造例1〉硫酸チタニル水溶液中の硫酸チタニ
ルを加水分解し、不溶性の白色含水酸化チタンを沈殿さ
せ、濾過、洗浄して含水酸化チタンを得る。この含水酸
化チタンにナトリウム元素が0.1質量%になるように
水酸化ナトリウム水溶液を添加し撹拌して、濾過、洗浄
を行い150℃で乾燥させた。これを解砕、分級して粒
径を調整した微粒子1を得た。
【0278】〈微粒子製造例2〉微粒子の製造例1で得
られた乾燥前の含水酸化チタンを900℃で焼成を行う
ことにより、ナトリウム元素を表面近傍に有する酸化チ
タン粒子を得た。得られた酸化チタン粒子を解砕、分級
することにより粒径を調整し、ナトリウム元素を表面近
傍に存在せしめた微粒子2を得た。この微粒子2のナト
リウム元素の含有量は0.105%であった。
【0279】〈微粒子製造例3〉ナトリウム元素が0.
006質量%になるように水酸化ナトリウム水溶液を添
加した以外は微粒子の製造例2と同様の方法により微粒
子3を得た。
【0280】〈微粒子製造例4〉ナトリウム元素が2.
6質量%になるように水酸化ナトリウム水溶液を添加し
た以外は微粒子の製造例2と同様の方法により微粒子4
を得た。
【0281】〈微粒子製造例5〉ナトリウム元素が3.
3質量%になるように水酸化ナトリウム水溶液を添加し
た以外は微粒子の製造例2と同様の方法により微粒子5
を得た。
【0282】〈微粒子製造例6〉微粒子の製造例2で解
砕、分級の程度を調整した以外は上記製造例2と同様の
方法により体積平均粒径0.03μmの微粒子6を得
た。
【0283】〈微粒子製造例7〉微粒子の製造例2で解
砕、分級の程度を調整した以外は上記製造例2と同様の
方法により体積平均粒径0.12μmの微粒子7を得
た。
【0284】〈微粒子製造例8〉微粒子の製造例2で解
砕、分級の程度を調整した以外は上記製造例2と同様の
方法により体積平均粒径8.2μmの微粒子8を得た。
【0285】〈微粒子製造例9〉微粒子の製造例2で解
砕、分級の程度を調整した以外は上記製造例2と同様の
方法により体積平均粒径6.4μmの微粒子9を得た。
【0286】〈微粒子製造例10〉硫酸チタニル水溶液
中の硫酸チタニルを加水分解し、不溶性の白色含水酸化
チタンを沈殿させ、濾過、洗浄して含水酸化チタンを得
た。この含水酸化チタンを900℃で焼成して酸化チタ
ンを得、解砕、分級して粒径を調整した。この酸化チタ
ンを純水に分散させ、微粒子中のナトリウム元素の含有
量が0.5質量%になるように水酸化ナトリウム水溶液
の添加量を調整して混合し、pH7〜8に維持したまま
70℃で加熱混合した。さらに、塩酸を加えてpHを6
程度に調整しそのまま撹拌し熟成後、濾過、洗浄して1
20℃で乾燥させて微粒子10を得た。
【0287】〈微粒子製造例11〉微粒子の製造例10
の水酸化ナトリウムを水酸化カリウムに変えた以外は上
記製造例1と同様の方法により微粒子11を得た。
【0288】〈微粒子製造例12〉塩化スズ(SnCl
4・5H2O)の水溶液をpH6.5〜7.5に維持しな
がら90℃で加熱させた後に塩酸を加え生成した沈殿物
を濾過/乾燥させた。得られた乾燥物を窒素雰囲気中6
00℃で焼成し、解砕、分級して粒径を調整した。この
酸化スズを純水に分散させ、微粒子中のナトリウム元素
の含有量が0.2質量%になるように、水酸化ナトリウ
ム水溶液の添加量を調整して混合し、pH7〜8に維持
したまま70℃で加熱混合した。さらに、塩酸を加えて
pHを6程度に調整しそのまま撹拌し熟成後、濾過、洗
浄して120℃で乾燥させて微粒子12を得た。
【0289】〈微粒子製造例13〉硫酸チタニル水溶液
中の硫酸チタニルを加水分解し、不溶性の白色含水酸化
チタンを沈殿させ、濾過、洗浄して含水酸化チタンを得
る。この含水酸化チタンを900℃で焼成し、解砕、分
級して粒径を調整した微粒子13を得た。
【0290】〈微粒子製造例14〉塩化スズ(SnCl
4・5H2O)の水溶液をpH6.5〜7.5に維持しな
がら90℃で加熱した後に塩酸を加え生成した沈殿物を
濾過/乾燥させた。得られた乾燥物を窒素雰囲気中60
0℃で焼成し、解砕、分級して粒径を調整した微粒子1
4を得た。
【0291】上記各微粒子1〜12を塩酸水溶液中に浸
して処理し、浸す時間を変えることで処理時間を変え、
塩酸水溶液中に浸された酸化チタン粒子または酸化スズ
粒子を塩酸水溶液と分離して取り出した。その粒子をE
SCAにより表面分析した。その結果、微粒子2〜12
に関しては、処理時間が短いほどアルカリ金属元素の原
子%が多かったことから、アルカリ元素は主に微粒子表
面に存在していることが分かった。
【0292】一方、微粒子1は処理時間によらずほぼ同
じ割合のアルカリ元素が確認され、微粒子中にほぼ均一
に存在していることが確認された。また、微粒子13,
14からはアルカリ金属元素が確認されなかった。
【0293】なお、アルカリ元素の含有量は誘導結合プ
ラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)により測定
した。
【0294】表3に各微粒子1〜12中のアルカリ元素
の含有量(質量%)、体積平均粒径、23℃/相対湿度
60%環境下での摩擦帯電極性、23℃/相対湿度5%
環境下での抵抗を示す。
【0295】
【表3】 〈トナー粒子製造例1〉イオン交換水709gに0.1
M−Na3PO4水溶液451gを投入し60℃に加温し
た後、1.0M−CaCl2水溶液67.7gを徐々に
添加してCa3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0296】 スチレン 80部 n−ブチルアクリレート 20部 不飽和ポリエステル樹脂 2部 飽和ポリエステル樹脂 3部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1.5部 表面処理疎水化磁性体 95部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。この単量体組成物を60℃に
加温し、そこにベヘニン酸ベヘニルを主体とするエステ
ルワックス(DSCにおける吸熱ピークの極大値72
℃)6部を添加混合溶解し、これに重合開始剤2,2'
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[半減
期t1/2=140分,60℃条件下]5gを溶解した。
【0297】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、60℃で6時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、80℃で更
に2時間蒸留を行い、その後、懸濁液を冷却し、塩酸を
加えてCa3(PO4 2を溶解し、濾過、水洗、乾燥し
て質量平均粒径6.7μmのトナー粒子1を得た。
【0298】〈トナー粒子製造例2〉トナー粒子製造例
1で得られたトナー粒子1を二軸押し出し機にて130
℃で溶融混練を行った。この溶融混練物をハンマーミル
にて粗砕し、1mmメッシュパスのトナー粗砕物を得
た。さらにこの粗砕物をジェット気流を利用した衝突式
粉砕機で微粉砕した後、風力分級し、体積平均粒径6.
9μmのトナー粒子2を得た。
【0299】〈トナー粒子製造例3〉ポリエステル樹脂
(Tg60℃、分子量:Mp6900、Mn3050、
Mw54500)100質量部、モノアゾ金属錯体(負
荷電制御剤)3.0質量部、低分子量エチレン−プロピ
レン共重合体(吸熱メインピーク温度:86℃,発熱メ
インピーク温度:86.5℃)3.5質量部をヘンシェ
ルミキサーで混合した後、温度130℃に設定した2軸
混練機にて混練した。混練物は冷却しハンマーミルにて
粗粉砕した後に機械式粉砕機(ターボミル)で粉砕し
た。更に気流式分級機で分級し、質量平均粒径が7.2
μmの非磁性のトナー粒子3を得た。
【0300】〈トナー粒子製造例4〉トナー粒子製造例
1で得られたトナー粒子1に微粒子1を20質量部加
え、二軸押し出し機にて130℃で溶融混練を行った。
この溶融混練物をハンマーミルにて粗砕し、1mmメッ
シュパスのトナー粗砕物を得た。さらにこの粗砕物をジ
ェット気流を利用した衝突式粉砕機で微粉砕した後、風
力分級し、体積平均粒径7.4μmのトナー粒子4を得
た。
【0301】〈トナー製造例1〉トナー粒子1を100
質量部に微粒子1を1.5質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合し、トナー1を得た。
【0302】〈トナー製造例2〉トナー粒子1を100
質量部に微粒子2を1.8質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合し、トナー2を得た。
【0303】〈トナー製造例3〉トナー粒子1を100
質量部に微粒子3を1.5質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合し、トナー3を得た。
【0304】〈トナー製造例4〉トナー粒子1を100
質量部に微粒子4を1.5質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合し、トナー4を得た。
【0305】〈トナー製造例5〉トナー粒子1を100
質量部に微粒子5を1.5質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合し、トナー5を得た。
【0306】〈トナー製造例6〉トナー粒子1を100
質量部に微粒子6を0.8質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合し、トナー6を得た。
【0307】〈トナー製造例7〉トナー粒子1を100
質量部に微粒子7を1.0質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合し、トナー7を得た。
【0308】〈トナー製造例8〉トナー粒子1を100
質量部に微粒子8を3.0質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合し、トナー8を得た。
【0309】〈トナー製造例9〉トナー粒子1を100
質量部に微粒子9を2.3質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合し、トナー9を得た。
【0310】〈トナー製造例10〉トナー粒子1を10
0質量部に微粒子10を1.5質量部およびジメチルシ
リコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量
部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))にて混合し、トナー10を得た。
【0311】〈トナー製造例11〉トナー粒子1を10
0質量部に微粒子11を1.5質量部およびジメチルシ
リコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量
部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))にて混合し、トナー11を得た。
【0312】〈トナー製造例12〉トナー粒子1を10
0質量部に微粒子12を1.5質量部およびジメチルシ
リコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量
部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))にて混合し、トナー12を得た。
【0313】〈トナー製造例13〉トナー粒子1を10
0質量部に微粒子13を1.5質量部およびジメチルシ
リコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量
部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))にて混合し、トナー13を得た。
【0314】〈トナー製造例14〉トナー粒子1を10
0質量部に微粒子14を1.5質量部およびジメチルシ
リコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量
部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))にて混合し、トナー14を得た。
【0315】〈トナー製造例15〉トナー製造例1にお
いて微粒子1の添加量を3.8質量部とし、ヘンシェル
ミキサーによる混合時間をトナー1を製造する際の時間
の1/20にした以外は、トナー製造例1と同様の方法
によりトナー15を得た。
【0316】〈トナー製造例16〉トナー粒子4を10
0質量部にジメチルシリコーンオイルで処理した疎水性
シリカ微粉体を1質量部を添加し、ヘンシェルミキサー
(三井三池化工機(株))にて混合してトナー16を得
た。
【0317】〈トナー製造例17〉トナー粒子1を10
0質量部に微粒子1を11質量部およびジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部を
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))
にて混合してトナー17を得た。
【0318】〈トナー製造例18〉トナー粒子1を10
0質量部に微粒子1を0.16質量部およびジメチルシ
リコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量
部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))にて混合してトナー18を得た。
【0319】〈トナー製造例19〉トナー粒子2を10
0質量部に微粒子1を2.5質量部およびジメチルシリ
コーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部
を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))にて混合してトナー19を得た。
【0320】〈トナー製造例20〉トナー粒子3を10
0質量部に微粒子1を1.5質量部およびジメチルシリ
コーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体を1質量部
を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))にて混合してトナー20を得た。
【0321】〈トナー製造例21〉トナー粒子1を10
0質量部にジメチルシリコーンオイルで処理した疎水性
シリカ微粉体を1質量部を添加し、ヘンシェルミキサー
(三井三池化工機(株))にて混合してトナー21を得
た。
【0322】表4に上記各トナー1〜21に含有される
微粒子のトナー状態での質量平均粒径、遊離率、トナー
1個あたりの存在量、並びにトナーの円形度、磁化の強
さの値をそれぞれ示す。
【0323】
【表4】 以下、本発明の画像形成方法の評価について説明する。
【0324】〈実施例1〉本発明の電子写真装置として
レーザービームを用いた有機感光体デジタル複写機(キ
ヤノン社製:GP405)を用意した。この装置の概略
は以下の通りである。感光体の帯電手段として帯電ロー
ラを備え、現像手段として1成分ジャンピング現像方法
を採用した現像担持体上のトナーと感光体とが非接触で
ある1成分現像器を備え、転写手段として転写ローラを
備え、さらにブレードクリーニング手段、帯電前露光手
段を備える。また、帯電ローラ、クリーニング手段およ
び感光体は一体型のユニットとなっている。プロセスス
ピードは210mm/sである。この装置に次のように
改造を施し、以下の評価項目に従い評価を行った。
【0325】まず、帯電手段を上記帯電部材製造例2で
製造した帯電部材2に変更し、レーザーおよび前露光の
中心波長を660nmに変更し、感光体を上記感光体製
造例1で製造した感光体1に変更した画像形成装置を用
意した。
【0326】帯電部材に印加する帯電電圧は−490V
の直流電圧に、1.85kHz、1.8kVppのサイ
ン波を重畳させ、この帯電電圧を感光体が回転するタイ
ミングと同期させて印加するように外部電源から印加し
た。転写電圧は、感光体からの画像を転写する画像形成
時は+15μAになるように電圧を制御した定電流制御
とした。現像電圧は、画像形成時には−260Vの直流
成分に800Vpp/1.8kHzの矩形波を重畳し、
非画像形成時は−260Vの直流電圧のみを印加するよ
うに制御した。
【0327】上記の画像形成装置を用いて評価環境23
℃/相対湿度60%で画像比率5%A4横通紙1000
枚耐久評価を行い、以下に示す評価方法に従い評価を行
った。
【0328】(評価1)かぶり画像、画像濃度評価 1000枚通紙後にA3サイズの紙で、ベタ白画像の画
出しを行い、ベタ白部のかぶりを反射濃度計(TOKY
O DENSHOKU(株)製、REFLECTOME
TER MODEL TC−6DS)を用いて測定し
た。画出し後の白地部反射濃度平均値をベタ白Dw、画
出し前の用紙の反射濃度平均値をDrとした時の(Dw
−Dr)をかぶり量とし、以下の評価項目に従い評価を
行った。
【0329】 ◎:かぶりが1.5%未満 ○:かぶりが1.5%以上3%未満 △:かぶりが3%以上5%未満 ×:かぶりが5%以上 (評価2)転写効率 1000枚耐久の通紙後にベタ黒画像形成中の紙の転写
工程部の通紙中に感光体および帯電部材を停止させ、感
光体の転写−帯電間部分および現像−転写間部分をそれ
ぞれマイラーテープでテーピングしてはぎ取り評価紙に
貼付した。また、マイラーテープのみも同じ評価紙に貼
付した。マクベス反射濃度計を用いて、各評価紙の反射
濃度を測定した。それぞれ、転写−帯電間部分の反射濃
度平均値をDtr、現像−転写間部分の反射濃度をDd
ev、テープのみの反射濃度をDtpとし、以下の式に
代入して転写効率を求め、以下の評価項目に従い評価を
行った。
【0330】
【数8】転写効率(%)=((Ddev−Dtp)−(Dtr−Dt
p))/(Ddev−Dtp)×100 ◎:転写効率が95%以上 ○:転写効率が90%以上95%未満 △:転写効率が85%以上90%未満 ×:転写効率が85%未満 (評価3)トナー飛散評価 上記画像形成装置を用いて1000枚通紙を、A4画像
比率15%、32℃/80%環境下で行い、通紙後に現
像器を観察し、以下の評価項目に従い評価を行った。
【0331】 ○:現像ブレードなどにトナー飛散がみられず良好 △:現像ブレードに僅かにトナー飛散がみられる程度。
【0332】各評価の評価結果を表5に示す。
【0333】〈実施例2〜16〉実施例1において、感
光体およびトナーを表5に示すように変えた以外は、実
施例1と同様の評価を行った。評価結果を表5に示す。
【0334】〈比較例1〜5〉実施例1において、感光
体およびトナーを表5に示すように変えた以外は、実施
例1と同様の評価を行った。評価結果を表5に示す。
【0335】
【表5】 〈実施例17〉次にクリーナーレスシステムによる画像
形成方法の評価について説明する。実施例1と同様に、
レーザービームを用いた有機感光体デジタル複写機(キ
ヤノン社製:GP405)を用意した。この複写機を以
下のように改造し、図6に示すような画像形成装置を得
た。
【0336】まず、帯電部分には上記で製造した帯電部
材1(図6中306)の表面に、評価対象のトナーであ
るトナー2の製造に使用された微粒子2を、104/m
2で均一になるように塗布したものを装着した。この
帯電部材1を回転させるために、外部から回転モータを
帯電部材の芯金部分に取り付けられるように改造し、帯
電部材の回転を画像形成装置の感光体の回転と同期する
ように制御し、帯電部材を感光体と当接する部分におい
て感光体表面の移動方向(A方向)と逆方向(B方向)
に移動するように回転させ、このときの周速度比を15
0%に制御した。
【0337】さらに、レーザー(L)、前露光(P)の
中心波長を660nmに変更し、上記感光体製造例2で
製造した感光体2(図6中1)を装着し、クリーニング
ブレードは除去したクリーナーレスシステムの画像形成
装置を用意した。なお、このクリーナーレスシステムの
画像形成装置は、感光体2に現像されたトナー像を転写
材301に転写する転写手段302と、転写されたトナ
ー像を転写材301に定着させる定着手段313とを、
さらに備えている。
【0338】帯電部材に印加する帯電電圧は−500V
の直流電圧とした。転写電圧は感光体からの画像を転写
する画像形成時は+15μAになるように電圧を制御し
た定電流制御とした。現像電圧は、画像形成時には−2
60Vの直流成分に800Vpp/1.8kHzの矩形
波を重畳し、非画像形成時は−260Vの直流電圧のみ
を印加するように制御した。
【0339】上記の画像形成装置を用いて耐久評価を行
い、以下に示す評価方法に従い評価を行った。
【0340】(評価1)感光体の帯電電位評価 23℃/5%環境下で、画像比率5%、A4横通紙5万
枚の耐久評価を行い、通紙前後の感光体の暗電位を感光
体の長手方向の中心位置の現像部で測定(Model3
44 表面電位計 トレック社)し、以下の評価項目に
従い評価を行った。
【0341】 ◎:帯電電位が −350以上 ○:帯電電位が−300以上 −350未満 △:帯電電位が−250以上 −300未満 ×:帯電電位が−250未満 (評価2)帯電吐き出しトナーの現像回収性評価 上記評価1における5万枚通紙後にA3サイズの紙で、
ベタ白画像及び画像先端から20cmはベタ黒、それ以
降はベタ白画像の画出しを行い、ベタ白画像と黒−白画
像の後半のベタ白部のかぶりを反射濃度計(TOKYO
DENSHOKU(株)製、REFLECTOMET
ER MODEL TC−6DS)を用いて測定し、画
出し後のベタ白画像および黒−白画像の白地部反射濃度
平均値をそれぞれDw、Dsとし、画出し前の用紙の反
射濃度平均値をDrとした。この時の(Ds−Dr)お
よび(Dw−Dr)をかぶり量とし、そのかぶり量の差
((Dw−Dr)−(Ds−Dr))を以下の評価項目
に従い評価を行った。
【0342】 ◎:かぶりの差が1.5%未満 ○:かぶりの差が1.5%以上3%未満 △:かぶりの差が3%以上5%未満 ×:かぶりの差が5%以上 (評価3)感光体の摩耗評価 5万枚通紙をA4画像比率5%、23℃/5%環境下で
行い、通紙前後の表面層の干渉度合いを反射分光式干渉
計(大塚電子(株)製MCPD2000)により測定
し、得られた干渉度合いの値と既知の屈折率から膜厚を
算出し、以下の評価項目に従い評価を行った。
【0343】 ◎:測定誤差内で磨耗量は検出されず、非常に良好 ○:磨耗しているが、軽微であり、画像に摩耗による画
像不良の発生はなし △:僅かに摩耗し、一次電位の低下が見られ、画像にか
ぶりがわずかに生じた △×:磨耗量が多く、一次電位の低下が見られ、画像に
軽微なかぶりが生じた 評価結果を表6に示す。
【0344】〈実施例18〜38〉実施例17におい
て、感光体およびトナーを表6に示すように変えた以外
は、実施例17と同様の評価を行った。なお、各実施例
において評価対象のトナーが微粒子無添加のトナーであ
る場合は、帯電部材の表面に微粒子1を塗布した。評価
結果を表6に示す。
【0345】〈比較例6〜10〉実施例17において、
感光体およびトナーを表6に示すように変えた以外は、
実施例17と同様の評価を行った。なお、各実施例にお
いて評価対象のトナーが微粒子無添加のトナーである場
合は、帯電部材の表面に微粒子1を塗布した。評価結果
を表6に示す。
【0346】
【表6】
【0347】
【発明の効果】本発明によれば、シリコン原子を母体と
する非晶質材料で構成された光導電層を有する感光体を
用いた画像形成方法において、結着樹脂と着色剤とアル
カリ金属元素を0.01〜3.0質量%含有する微粒子
とを少なくとも含有する負帯電性トナーを用いることに
より、トナーの帯電量の分布を均一にすることができる
ため、反転成分によるかぶりを低減することができ、ま
たトナーの摩擦帯電量を向上させることができるため、
転写特性が向上させることができる。また、本発明の画
像形成方法を現像同時クリーニング画像形成方法に適用
したクリーナレスシステムにおいても均一な一次帯電電
位が得られ、鮮明な画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 微粒子の摩擦帯電極性測定装置の概略図
【図2】 微粒子の体積抵抗値を測定する装置の概略図
【図3】 光受容部材の一例を示す模式的断面図
【図4】 RF−PCVD法により光受容部材を製造す
るために用いられる堆積装置の一例を示す模式的構成図
【図5】 VHF−PCVD法により光受容部材を製造
するために用いられる堆積装置の一例を示す模式的構成
【図6】 本発明によるクリーナーレス画像形成装置の
概略図
【符号の説明】
1 感光体 11a 現像ブレード 12 トナー担持体 13 トナー 14 マグネット 101 導電性基体 102 電荷注入阻止層 103 光導電層 104 表面層 105 電荷発生層 106 電荷輸送層 2100,3100 堆積装置 2200,3200 ガス供給装置 301 転写材 302 転写ローラ 306 帯電部材 307 現像器 313 定着器 P 前露光
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/083 G03G 15/02 103 15/02 101 9/08 346 103 301 15/08 507 15/08 507L 507B (72)発明者 瀧口 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 伊藤 雅教 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA08 AA15 CB03 CB07 CB10 CB20 DA07 EA01 EA02 EA05 EA07 EA10 FA06 2H068 CA03 DA12 FC01 FC08 FC15 2H077 AA37 AC16 AD02 AD06 AD07 AD13 AD18 AD24 AD31 BA03 CA11 EA03 EA12 EA13 EA16 FA01 FA13 FA22 FA25 GA04 2H200 FA08 FA18 GA18 GA23 GA45 GA46 GA49 GA54 GA57 GB37 GB50 HA02 HA21 HA28 HB08 HB12 HB17 HB22 HB43 HB45 HB46 HB47 HB48 JA02 JB10 JC02 LC06 MA01 MA03 MA04 MA08 MA13 MA14 MB01 MB04 MB06 MC01 MC02 MC06 MC15 MC16 NA02

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体である感光体を帯電させる帯電
    工程と、 前記帯電された感光体に静電潜像を形成させる静電潜像
    形成工程と、 トナー担持体上に担持させたトナーを前記静電潜像に転
    移させてトナー像を形成する現像工程と、 前記現像工程において感光体上に形成されたトナー像を
    転写材に静電転写させる転写工程とを少なくとも有する
    画像形成方法であって、 前記感光体は導電性支持体とシリコン原子を母体とする
    非晶質材料からなる光導電層とを有し、 前記トナーは、結着樹脂と、着色剤と、アルカリ金属元
    素を0.01〜3.0質量%含有する微粒子とを含有す
    る負帯電性トナーであることを特徴とする画像形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ金属元素が前記微粒子の表
    面に存在していることを特徴とする請求項1記載の画像
    形成方法。
  3. 【請求項3】 前記微粒子が酸化チタンまたは酸化スズ
    であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形
    成方法。
  4. 【請求項4】 前記微粒子の抵抗が1×102〜1×1
    9Ω・cmであることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記微粒子の体積平均粒径が前記トナー
    の体積平均粒径よりも小さく、且つ0.05μm以上で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記
    載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記微粒子の遊離率が5〜90%である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記微粒子は、トナー粒子1個当たり
    0.3個以上の割合で前記トナー粒子表面に存在するこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画
    像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記微粒子はトナー全体に対して0.2
    〜10質量%含有されることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記トナーは磁性酸化鉄をさらに含有す
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載
    の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記トナーは、平均円形度が0.97
    0以上であり、磁場79.6kA/m(1000エルス
    テッド)における磁化の強さが10〜50Am2/kg
    (emu/g)であることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれか一項に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記トナーの質量平均粒径が3〜10
    μmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記感光体は、非晶質水素化炭素膜か
    らなる表面層をさらに有することを特徴とする請求項1
    〜11のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記非晶質水素化炭素膜の水素量が4
    1〜60%であることを特徴とする請求項12記載の画
    像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記帯電工程は、帯電部材を感光体に
    接触させて帯電を行う工程であることを特徴とする請求
    項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 前記帯電工程において、前記帯電部材
    と前記感光体とは前記微粒子を介して接触することを特
    徴とする請求項14記載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 前記転写工程後に感光体上に残存する
    転写残トナーを、前記現像工程において前記トナー担持
    体によって回収することを特徴とする請求項1〜15の
    いずれか一項に記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 前記現像工程は、前記感光体と前記ト
    ナー担持体とが非接触である非接触現像方法により現像
    を行う工程であることを特徴とする請求項1〜16のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 前記帯電工程は、アスカーC硬度が2
    5〜50のローラー部材に電圧を印加することにより前
    記感光体を帯電する工程であることを特徴とする請求項
    1〜17のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 前記帯電工程はローラー部材に電圧を
    印加することにより前記感光体を帯電する工程であり、
    前記ローラー部材は少なくとも表面が球形換算での平均
    セル径が5〜300μmである窪みを有しており、前記
    窪みを空隙部とした時のローラー部材表面の空隙率が1
    5〜90%であることを特徴とする請求項1〜18のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 前記帯電工程は、導電性を有するブラ
    シ部材に電圧を印加することにより前記感光体を帯電す
    る工程であることを特徴とする請求項1〜17のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 像担持体である感光体を帯電させる帯
    電手段と、 前記帯電された感光体に静電潜像を形成させる静電潜像
    形成手段と、 トナー担持体上に担持させたトナーを前記静電潜像に転
    移させてトナー像を形成する現像手段と、 前記現像手段において感光体上に形成されたトナー像を
    転写材に静電転写させる転写手段とを少なくとも有する
    画像形成装置であって、 前記感光体は導電性支持体とシリコン原子を母体とする
    非晶質材料からなる光導電層とを有し、 前記トナーは、結着樹脂と、着色剤と、アルカリ金属元
    素を0.01〜3.0質量%含有する微粒子とを含有す
    る負帯電性トナーであることを特徴とする画像形成装
    置。
  22. 【請求項22】 前記アルカリ金属元素が前記微粒子の
    表面に存在していることを特徴とする請求項21記載の
    画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記微粒子が酸化チタンまたは酸化ス
    ズであることを特徴とする請求項21または22記載の
    画像形成装置。
  24. 【請求項24】 前記微粒子の抵抗が1×102〜1×
    109Ω・cmであることを特徴とする請求項21〜2
    3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 前記微粒子の体積平均粒径が前記トナ
    ーの体積平均粒径よりも小さく、且つ0.05μm以上
    であることを特徴とする請求項21〜24のいずれか一
    項に記載の画像形成装置。
  26. 【請求項26】 前記微粒子の遊離率が5〜90%であ
    ることを特徴とする請求項21〜25のいずれか一項に
    記載の画像形成装置。
  27. 【請求項27】 前記微粒子は、トナー粒子1個当たり
    0.3個以上の割合で前記トナー粒子表面に存在するこ
    とを特徴とする請求項21〜26のいずれか一項に記載
    の画像形成装置。
  28. 【請求項28】 前記微粒子はトナー全体に対して0.
    2〜10質量%含有されることを特徴とする請求項21
    〜27のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  29. 【請求項29】 前記トナーは磁性酸化鉄をさらに含有
    することを特徴とする請求項21〜28のいずれか一項
    に記載の画像形成装置。
  30. 【請求項30】 前記トナーは、平均円形度が0.97
    0以上であり、磁場79.6kA/m(1000エルス
    テッド)における磁化の強さが10〜50Am2/kg
    (emu/g)であることを特徴とする請求項21〜2
    9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  31. 【請求項31】 前記トナーの質量平均粒径が3〜10
    μmであることを特徴とする請求項21〜30のいずれ
    か一項に記載の画像形成装置。
  32. 【請求項32】 前記感光体は、非晶質水素化炭素膜か
    らなる表面層をさらに有することを特徴とする請求項2
    1〜31のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  33. 【請求項33】 前記非晶質水素化炭素膜の水素量が4
    1〜60%であることを特徴とする請求項32記載の画
    像形成装置。
  34. 【請求項34】 前記帯電手段は、帯電部材を感光体に
    接触させて帯電を行うことを特徴とする請求項21〜3
    3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  35. 【請求項35】 前記帯電手段において、前記帯電部材
    と前記感光体とは前記微粒子を介して接触することを特
    徴とする請求項34記載の画像形成装置。
  36. 【請求項36】 前記転写後に感光体上に残存する転写
    残トナーを、前記現像手段の前記トナー担持体によって
    回収することを特徴とする請求項21〜35のいずれか
    一項に記載の画像形成装置。
  37. 【請求項37】 前記現像手段は、前記感光体と前記ト
    ナー担持体とが非接触である非接触現像方法により現像
    を行うことを特徴とする請求項21〜36のいずれか一
    項に記載の画像形成装置。
  38. 【請求項38】 前記帯電手段は、アスカーC硬度が2
    5〜50のローラー部材に電圧を印加することにより像
    担持体を帯電することを特徴とする請求項21〜37の
    いずれか一項に記載の画像形成装置。
  39. 【請求項39】 前記帯電手段はローラー部材に電圧を
    印加することにより前記感光体を帯電し、前記ローラー
    部材は少なくとも表面が球形換算での平均セル径が5〜
    300μmである窪みを有しており、前記窪みを空隙部
    とした時のローラー部材表面の空隙率が15〜90%で
    あることを特徴とする請求項21〜38のいずれか一項
    に記載の画像形成装置。
  40. 【請求項40】 前記帯電手段は、導電性を有するブラ
    シ部材に電圧を印加することにより前記感光体を帯電す
    ることを特徴とする請求項21〜37のいずれか一項に
    記載の画像形成装置。
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