JP2001312092A - 現像剤、該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像剤、該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ

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JP2001312092A
JP2001312092A JP2001044146A JP2001044146A JP2001312092A JP 2001312092 A JP2001312092 A JP 2001312092A JP 2001044146 A JP2001044146 A JP 2001044146A JP 2001044146 A JP2001044146 A JP 2001044146A JP 2001312092 A JP2001312092 A JP 2001312092A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触帯電方法を用いた画像形成方法におい
て、接触帯電手段による像担持体の帯電を促進し、均一
で安定した帯電を付与することができる現像剤を提供す
る。また、直接注入帯電機構により低印加電圧で均一で
安定した帯電を像担持体に付与することができる現像剤
を提供する。 【解決手段】 接触帯電方法および/または現像同時ク
リーニングを用いた画像形成装置に用いられる現像剤
を、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒
子と、1次粒子の個数平均径が4〜80nmである無機
微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも有し、0.60
μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の
粒度分布において、1.00μm以上2.00μm未満
の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有し、かつ3.
00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒子を15
〜70個数%含有する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置、静
電記録装置、磁気記録装置などに用いられる現像剤及び
該現像剤を用いた画像形成方法及び該現像剤を有するプ
ロセスカートリッジに関する。
【0002】また、本発明は、予め像担持体上にトナー
画像を形成後、転写材の如き記録媒体上にトナー画像を
転写させて画像形成する複写機、プリンタ、ファクシミ
リ及びプロッタなどの画像形成装置及びこれらの画像形
成装置に着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
【0003】
【従来の技術】従来、画像形成法としては、静電記録
法、磁気記録法、トナージェット法など多数の方法が知
られている。例えば、電子写真法は、一般には潜像担持
体としての光導電性物質を利用した感光体上に、種々の
手段により電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー
により現像して可視像とし、必要に応じて紙などの記録
媒体にトナー像を転写した後、加熱,加圧,加熱加圧等
により記録媒体上にトナー画像を定着して画像を得るも
のである。
【0004】トナーにより可視像を形成する工程につい
ては種々の方法が知られている。例えば、電気的潜像を
可視化する方法としては、カスケード現像法、加圧現像
法、キャリアとトナーからなる二成分系現像剤を用いる
磁気ブラシ現像法等が知られている。トナー担持体が潜
像担持体と非接触でトナーをトナー担持体から潜像担持
体へ飛翔させる非接触一成分現像法、磁性トナーと中心
に磁極を配した回転スリーブとを用い、感光体上とスリ
ーブ上の間で磁性トナーを電界にて飛翔させる磁性一成
分現像方法、更にはトナー担持体を潜像担持体に圧接さ
せ電界によってトナーを転移させる接触一成分現像法も
用いられている。
【0005】更に、潜像を現像するための現像剤として
は、キャリアとトナーとなからなる2成分系現像剤、及
びキャリアを必要としない1成分系現像剤(磁性トナ
ー、非磁性トナー)が知られている。2成分系現像剤で
は主にキャリアとトナーの摩擦によって、1成分系現像
剤では主にトナーと帯電付与部材との摩擦によって、ト
ナーへの摩擦帯電が行われる。
【0006】また、2成分系、1成分系の差異によら
ず、トナーの流動特性、帯電特性等を改善する目的でト
ナー粒子に外部添加剤として無機微粉末を添加する方法
が提案され、広く用いられている。
【0007】例えば、特開平5−66608号公報,特
開平4−9860号公報等に疎水化処理を施した無機微
粉末あるいは疎水化処理した後さらにシリコーンオイル
等で処理した無機微粉末を添加する方法、または特開昭
61−249059号公報,特開平4−264453号
公報,特開平5−346682号公報に疎水化処理した
無機微粉末とシリコーンオイル処理した無機微粉末とを
併用添加する方法が開示されている。
【0008】また、外部添加剤(すなわち、外添剤)と
して現像剤に導電性微粉末を添加する方法は数多く提案
されている。例えば、導電性微粉末としてのカーボンブ
ラックは、トナーに導電性を付与するために、またはト
ナーの過剰な帯電を抑制しトリボ分布を均一化させるた
め等の目的で、トナー粒子表面に付着または固着するた
めの外部添加剤として用いられることが広く知られてい
る。また、特開昭57−151952号公報、特開昭5
9−168458号公報、特開昭60−69660号公
報には、高抵抗磁性トナーに酸化スズ、酸化亜鉛、酸化
チタンの導電性微粉末をそれぞれ外部添加することが開
示されている。また、特開昭56−142540号公報
では、高抵抗磁性トナーに酸化鉄、鉄粉、フェライトの
如き導電性磁性粒子を添加し、導電性磁性粒子に磁性ト
ナーへの電荷誘導を促進させることで現像性と転写性を
両立する現像剤が提案されている。更に、特開昭61−
275864号公報、特開昭62−258472号公
報、特開昭61−141452号公報、特開平02−1
20865号公報では、トナーにグラファイト、マグネ
タイト、ポリピロール導電性粒子、ポリアニリン導電性
粒子を添加することが開示されているほか、多種多様な
導電性微粉末をトナーに添加することが知られている。
【0009】電子写真感光体や静電記録誘電体等の像担
持体上に潜像を形成する方法についても様々な方法が知
られている。例えば、電子写真法では、潜像担持体とし
ての、光導電性物質を利用した感光体を所要の極性・電
位に一様に帯電処理した後に、この感光体上に画像パタ
ーン露光を施すことにより電気的潜像を形成する方法が
一般的である。
【0010】従来、潜像担持体を所要の極性・電位に一
様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置としては
コロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用されていた。
【0011】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲むシール
ド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に
対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極に
高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシャ
ワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面を所定に
帯電させるものである。
【0012】近年では、潜像担持体等の被帯電体の帯電
装置として、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等
の利点があることから接触帯電装置が多く提案され、ま
た実用化されている。
【0013】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体
に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブ
ラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部
材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に所定
の電圧バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電
位に帯電させるものである。
【0014】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、放電帯電機構と直接注入帯電機構
の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的で
あるかにより各々の特性が現れる。
【0015】接触帯電の放電帯電機構 接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象
により被帯電体表面が帯電する機構である。放電帯電機
構は接触帯電部材と被帯電体との間に一定の放電しきい
値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部
材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれ
ば発生量は格段に少ないけれども放電生成物を生じるこ
とが原理的に避けられないため、オゾンなどの活性イオ
ンによる弊害は避けられない。
【0016】接触帯電の直接注入帯電機構 接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されるこ
とで被帯電体表面が帯電する系である。直接帯電、ある
いは注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称される。よ
り詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接
触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用
いないで被放電体表面に直接電荷注入を行うものであ
る。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下
の印加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位
に帯電することができる。この帯電系はオゾンの如き活
性イオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は
生じない。しかし、直接注入帯電であるため、接触帯電
部材の被帯電体への接触性が帯電性に大きく効いてく
る。そこでより高い頻度で被帯電体に接触する構成をと
るため、接触帯電部材はより密な接触点を持つ、被帯電
体との速度差を多く持つ等の構成が必要となる。
【0017】接触帯電装置は、接触帯電部材として導電
ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の
安定性という点で好ましく、広く用いられている。
【0018】従来のローラ帯電における帯電機構は、前
記の放電帯電機構が支配的である。帯電ローラは、導
電あるいは中抵抗のゴム材または発泡体を用いて作製さ
れ、さらにこれらのゴム材や発泡体を積層して所望の特
性を得たものもある。
【0019】帯電ローラは被帯電体との一定の接触状態
を得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵抗
が大きく、多くの場合、被帯電体に従動あるいは若干の
速度差をもって駆動される。従って、直接注入帯電しよ
うとしても、絶対的帯電能力の低下、接触性の不足やロ
ーラ形状による接触ムラ、被帯電体の付着物による帯電
ムラは避けられない。
【0020】図3は電子写真法における接触帯電の帯電
効率例を表したグラフである。横軸に接触帯電部材に印
加したバイアス、縦軸にその時得られた被帯電体(以
下、感光体と記す)の帯電電位を表している。ローラ帯
電の場合の帯電特性はAで表される。即ち、印加電圧が
およそ−500Vの放電閾値を過ぎてから感光体の表面
電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対してほぼ傾
き1で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧
を帯電開始電圧Vthと定義する。従って、−500V
に帯電する場合は、−1000Vの直流電圧を印加する
か、または、−500V直流の帯電電圧に加えて、放電
閾値以上の電位差を常に持つように、例えばピーク間電
圧1200Vの交流電圧を印加して感光体電位を帯電電
位に収束させる方法が一般的である。
【0021】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには、Vd+Vthという必要と
される以上のDC電圧を帯電ローラに印加する必要があ
る。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加
して帯電を行う方法を「DC帯電方式」と称する。
【0022】しかし、DC帯電においては環境変動等に
よって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、感
光体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変
動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難し
かった。
【0023】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に、特開昭63−149669号公報に開示されるよう
な、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電
部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これ
は、ACによる電位のならし効果を目的としたものであ
り、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるV
dに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0024】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は接触帯電部材から感光体
への放電現象を用いたものであるため、先に述べたよう
に、接触帯電部材に印加する電圧は所望の感光体表面電
位以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。ま
た、帯電均一化のためにAC帯電を行った場合には、さ
らなるオゾンの発生、AC電圧の電界による接触帯電部
材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発生、また、放
電による感光体表面の劣化等が顕著になり、新たな問題
点となっていた。
【0025】また、ファーブラシ帯電は、接触帯電部材
として導電性繊維のブラシ部を有する部材(ファーブラ
シ帯電器)を用い、その導電性繊維ブラシ部を被帯電体
としての感光体に接触させ、導電性繊維ブラシ部に所定
の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位
に帯電させるものである。このファーブラシ帯電もその
帯電機構は前記の放電帯電機構を支配的とすることが
可能である。
【0026】ファーブラシ帯電器は固定タイプとロール
タイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折り
込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固
定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて
形成する。繊維密度としては100本/mm2程度のも
のが比較的容易に得られるが、直接注入帯電により十分
均一な帯電を行うにはそれでも接触性は不十分である。
直接注入帯電により十分均一な帯電を行うには、ファー
ブラシ帯電器に感光体に対して機械構成としては困難な
ほどに速度差を持たせる必要があり、現実的ではない。
【0027】このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の
帯電特性を図3のBに示す。従って、ファーブラシ帯電
の場合においても、固定タイプ、ロールタイプのいずれ
も、多くは高い帯電バイアスを印加し放電現象を用いて
帯電を行っている。
【0028】これらに対し、磁気ブラシ帯電は、接触帯
電部材として導電性磁性粒子をマグネットロール等で磁
気拘束してブラシ状に形成した磁気ブラシ部を有する部
材(磁気ブラシ帯電器)を用い、その磁気ブラシ部を被
帯電体としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアス
を印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるも
のである。この磁気ブラシ帯電の場合、その帯電機構は
前記の直接注入帯電機構が支配的である。
【0029】磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子
として粒径5〜50μmのものを用い、感光体と十分速
度差を設けることで、均一に直接注入帯電を可能にす
る。
【0030】磁気ブラシ帯電の直流印加時の帯電特性
は、図3のCで表される。図3に示すように、印加バイ
アスとほぼ比例した帯電電位を得ることが可能にある。
【0031】しかしながら、磁気ブラシ帯電には、機器
構成が複雑であること、磁気ブラシ部を構成している導
電性磁性粒子が脱落して感光体に付着する等の弊害もあ
る。このように、オゾンなどの放電生成物の生成が実質
的に無く、低い印加電圧で均一な帯電が得られる直接注
入帯電機構による、簡易で安定した一様帯電装置が望ま
れている。
【0032】また、省資源、廃棄物削減の観点及びトナ
ーの有効活用と言う意味で廃トナーの出ない画像形成法
が望まれている。
【0033】従来、一般には、潜像をトナーにより現像
して可視像とし、紙などの記録媒体にトナー像を転写し
た後に、記録媒体に転写されずに潜像担持体上に残余し
たトナーが種々の方法でクリーニングされ廃トナーとし
て廃トナー容器に蓄えられるクリーニング工程を経て、
画像形成の工程が繰り返される画像形成法が用いられて
きた。
【0034】このクリーニング工程については、従来よ
り、ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニン
グ、ローラクリーニング等が用いられてきた。いずれの
方法も力学的に転写残余のトナーを掻き落とすか、また
はせき止めて廃トナー容器へと捕集されるものであっ
た。よって、省資源、環境保全への気運の高まりに伴
い、廃トナー容器に蓄えられる廃トナーを回収した後
に、再利用または廃棄処理するシステムを構築する事が
求められつつある。これに対し、クリーニング工程で回
収されるトナーを現像装置内に循環させ再利用する、い
わゆるトナーリユースも実用化されている。しかしなが
ら、クリーニング部材が潜像担持体表面に押し当てられ
ることに起因して潜像担持体が磨耗して短命化する問題
があった。また、装置面からは、かかるトナーリユース
装置及びクリーニング装置を具備するために画像形成装
置が必然的に大きくなり、装置のコンパクト化を目指す
ときのネックになっていた。
【0035】これに対し、廃トナーのでないシステムと
して、現像同時クリーニング又はクリーナレスと呼ばれ
る技術も提案されている。従来の現像同時クリーニング
又はクリーナレスに関する技術は特開平5−2287号
公報に開示されているように、転写残余のトナーの画像
への影響によるポジメモリ、ネガメモリなどに焦点を当
てたものが主であった。しかし、電子写真の利用が進ん
でいる今日、様々な記録媒体に対してトナー像を転写す
る必要性がでてきており、この意味で様々な記録媒体に
対して満足し得るものではなかった。
【0036】クリーナレスに関連する技術の開示を行っ
ているものに特開昭59−133573号公報、特開昭
62−203182号公報、特開昭63−133179
号公報、特開昭64−20587号公報、特開平2−3
02772号公報、特開平5−2289号公報、特開平
5−53482号公報、特開平5−61383号公報等
があるが、望ましい画像形成方法については述べられて
おらず、トナー構成についても言及されていなかった。
【0037】本質的にクリーニング装置を有さない、現
像同時クリーニングまたはクリーナレスに好ましく適用
される現像方法として、従来は潜像担持体表面をトナー
及びトナー担持体により擦る構成が必須とされてきたた
め、トナー或いは現像剤が潜像担持体に接触する接触現
像方法が多く検討されてきた。これは、現像手段におい
て転写残トナー粒子を回収するために、トナー或いは現
像剤が潜像担持体に接触し、擦る構成が有利であると考
えられるためである。しかしながら、接触現像方法を適
用した、現像同時クリーニング又はクリーナレスプロセ
スでは、長期間使用によりトナー劣化、トナー担持体表
面劣化、感光体表面劣化又は磨耗等を引き起こし、耐久
特性に対して充分な解決がなされていない。そのため、
非接触現像方法による現像同時クリーニング方法が望ま
れていた。
【0038】ここで、接触帯電方法を現像同時クリーニ
ング方法、クリーナレス画像形成方法に適用した場合を
考える。現像同時クリーニング方法、クリーナレス画像
形成方法では、クリーニング部材を用いないため、感光
体上に残余する転写残トナー粒子がそのまま接触帯電部
材と接触し、この接触帯電部材に付着または混入する。
また、放電帯電機構が支配的である帯電方法の場合に
は、放電エネルギーによるトナー劣化に起因する帯電部
材への付着性の悪化も生ずる。一般的に用いられている
絶縁性トナーが接触帯電部材に付着或いは混入すると、
帯電性の低下が起こる。
【0039】この被帯電体の帯電性の低下は、放電帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、接触帯電部材
表面に付着したトナー層が放電電圧を阻害する抵抗とな
るあたりから急激に起こる。これに対し、直接注入帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、付着或いは混
入した転写残トナー粒子が接触帯電部材表面と被帯電体
との接触確率を低下させることにより被帯電体の帯電性
が低下する。
【0040】この被帯電体の一様帯電性の低下は、画像
露光後の静電潜像のコントラスト及び均一性の低下とな
り、画像濃度を低下させたりカブリを増大させる。
【0041】また、現像同時クリーニング方法、クリー
ナレス画像形成方法では、感光体上の転写残トナー粒子
の帯電極性及び帯電量を制御し、現像工程で安定して転
写残トナー粒子を回収し、回収トナーが現像特性を悪化
させないようにすることがポイントとなる。このため、
転写残トナー粒子の帯電極性及び帯電量の制御を帯電部
材によって行うこととなる。これについて一般的なレー
ザープリンターを例として具体的に説明する。マイナス
極性電圧を印加する帯電部材、マイナス帯電性の感光体
及びマイナス帯電性のトナーを用いる反転現像の場合、
その転写工程において、プラス極性の電圧を印加する転
写部材によって可視化された像を記録媒体に転写するこ
とになるが、記録媒体の種類(厚み、抵抗、誘電率等の
違い)と画像面積等の関係により、転写残余のトナーの
帯電極性がプラスからマイナスまで変動する。しかし、
転写残余のトナーが転写工程においてプラス極性に振れ
ていたとしても、マイナス帯電性の感光体を帯電する際
のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面と共に一
様にマイナス側へ転写残余のトナーの帯電極性を揃える
ことが出来る。これゆえ、現像方法として反転現像を用
いた場合、トナーの現像されるべき明部電位部にはマイ
ナスに帯電された、転写残余のトナーが残り、トナーの
現像されるべきでない暗部電位には、現像電界の関係上
トナー担持体の方に引き寄せられ、暗部電位をもつ感光
体上に転写残トナー粒子は残留することなく回収され
る。すなわち、帯電部材によって感光体の帯電と同時に
転写残余のトナーの帯電極性を制御することにより、現
像同時クリーニング、クリーナレス画像形成方法が成立
する。
【0042】しかしながら、転写残トナー粒子が接触帯
電部材のトナー帯電極性の制御能カ以上に、接触帯電部
材に付着或いは混入すると、一様に転写残トナー粒子の
帯電極性を揃えることができず、現像工程においてトナ
ーを回収することが困難となる。また、転写残トナー粒
子が摺擦等の機械的力によってトナー担持体に回収され
たとしても、転写残トナー粒子の帯電が均一に揃えられ
ていないと、トナー担持体上のトナーの摩擦帯電性に悪
影響を及ぼし、現像特性を低下させる。すなわち、現像
同時クリーニング、クリーナレス画像形成方法に於いて
は、転写残トナー粒子の帯電部材通過時の帯電制御特性
及び帯電部材への付着・混入特性が、耐久特性、画像品
質特性に密接につながっている。
【0043】現像同時クリーニング画像形成方法に於い
て、転写残トナー粒子の帯電部材通過時の帯電制御特性
を向上させることで現像同時クリーニング性能を向上さ
せるものとして、特開平11−15206号公報では、
特定のカーボンブラック及び特定のアゾ系鉄化合物を含
有するトナー粒子と無機微粉体とを有するトナーを用い
た画像形成方法が提案されている。更に、現像同時クリ
ーニング画像形成方法に於いて、トナーの形状係数を規
定した転写効率に優れたトナーにより、転写残トナー粒
子量を減少させることで現像同時クリーニング性能を向
上させることも提案されている。しかしながら、ここで
用いられた接触帯電も放電帯電機構によるもので、直接
注入帯電機構ではないため、放電帯電による前述の問題
がある。更に、これらの提案は、接触帯電部材の転写残
トナー粒子による帯電性低下を抑制する効果はあって
も、帯電性を積極的に高める効果は期待できない。
【0044】更には、市販の電子写真プリンタの中に
は、転写工程と帯電工程の間に感光体に当接するローラ
部材を用い、現像での転写残トナー粒子回収性を補助或
いは制御する現像同時クリーニング画像形成装置もあ
る。このような画像形成装置は、良好な現像同時クリー
ニング性を示し、廃トナー量を大幅に減らすことができ
るが、コストが高くなり、小型化の点でも現像同時クリ
ーニングの利点を損ねている。
【0045】また、帯電ムラを防止し安定した均一帯電
を行うために、接触帯電部材の被帯電体面との接触面に
粉末を塗布する構成も特公平7−99442号公報に開
示されている。しかしながら、接触帯電部材(帯電ロー
ラ)が被帯電体(感光体)に従動回転(速度差駆動な
し)する構成であり、スコロトロン等のコロナ帯電器と
比べるとオゾン生成物の発生は格段に少なくなっている
ものの、前述のローラ帯電の場合と同様に、帯電原理は
依然として放電帯電機構を主としている。特に、より安
定した帯電均一性を得るためには、DC電圧にAC電圧
を重畳した電圧を印加するために、放電によるオゾン生
成物の発生はより多くなってしまう。よって、長期に装
置を使用した場合には、オゾン生成物による画像流れ等
の弊害が現れやすい。更に、上記構成をクリーナレスの
画像形成装置に適用した場合には、転写残トナー粒子の
混入のため塗布した粉末が均一に帯電部材に付着してい
ることが困難となり、均一帯電を行う効果が薄れてしま
う。
【0046】また、特開平5−150539号公報に
は、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画
像形成を繰り返すうちにブレードクリーニングしきれな
かったトナー粒子やシリカ微粒子が帯電手段の表面に付
着・蓄積することによる帯電阻害を防止するために、現
像剤中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子より小さい
平均粒径を有する導電性粒子を含有することが開示され
ている。しかし、ここで用いられた接触帯電または近接
帯電は放電帯電機構によるものであり直接注入帯電機構
ではないため、放電帯電による前述の問題がある。更
に、この構成をクリーナレスの画像形成装置へ適用した
場合には、クリーニング機構を有する場合と比較して、
多量の導電性微粒子及び転写残トナー粒子が帯電工程を
通過することによる帯電性への影響、これら多量の導電
性微粒子及び転写残トナー粒子の現像工程における回収
性、回収された導電性微粒子及び転写残トナー粒子によ
る現像剤の現像特性への影響に関しては何ら考慮されて
いない。更に、接触帯電に直接注入帯電機構を適用した
場合には、導電性微粒子が接触帯電部材に必要量供給さ
れず、転写残トナー粒子の影響による帯電不良を生じて
しまう。
【0047】また、近接帯電では、多量の導電性微粒子
及び転写残トナー粒子により感光体を均一帯電すること
が困難であり、転写残トナー粒子のパターンを均す効果
が得られないため、転写残トナー粒子がパターン画像露
光を遮光してパターンゴーストを生ずる。更に、画像形
成中の電源の瞬断或いは紙詰まり時には現像剤による機
内汚染が著しくなる。
【0048】これらに対し、特開平10−307456
号公報において、トナー粒子及びトナー粒径の1/2以
下の粒径を有する導電性を有する帯電促進粒子を含む現
像剤を直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニング
画像形成方法に適用した画像形成装置が開示されてい
る。この提案によると、放電生成物を生ずることなく、
廃トナー量を大幅に減らすことが可能な、低コストで小
型化に有利な現像同時クリーニング画像形成装置が得ら
れ、帯電不良、画像露光の遮光或いは拡散を生じない良
好な画像が得られる。しかしながら、さらなる改良が望
まれる。
【0049】また、特開平10−307421号公報に
おいては、トナー粒径の1/50〜1/2の粒径を有す
る導電性粒子を含む現像剤を直接注入帯電機構を用いた
現像同時クリーニング画像形成方法に適用し導電性粒子
に転写促進効果を持たせた画像形成装置が開示されてい
る。
【0050】更に、特開平10−307455号公報で
は導電性微粉末の粒径を構成画素1画素の大きさ以下と
すること、及びより良好な帯電均一性を得るために導電
性微粉末の粒径を10nm〜50μmとすることが記載
されている。
【0051】特開平10−307457号公報では人の
視覚特性を考慮して帯電不良部の画像への影響を視覚的
に認識されにくい状態とするために導電性粒子を約5μ
m以下、好ましくは20nm〜5μmとすることが記載
されている。
【0052】更に、特開平10−307458号公報に
よれば、導電性微粉末の粒径をトナー粒径以下とするこ
とで、現像時にトナーの現像を阻害することや現像バイ
アスが導電性微粉末を介してリークすることを防止し画
像の欠陥をなくすことができることが記載されている。
同時に、上記導電性微粉末の粒径を0.1μmより大き
く設定することにより、像担持体に導電性微粉末が埋め
込まれ、露光光を遮光する弊害も解決し優れた画像記録
を実現する直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニ
ング画像形成方法が記載されている。しかしながら、さ
らなる改良が望まれる。
【0053】特開平10−307456号公報によれ
ば、トナーに導電性微粉末を外部添加し、少なくとも可
撓性の接触帯電部材と像担持体との接触部に前記トナー
中に含有の導電性微粉末が、現像工程で像担持体に付着
し転写工程の後も像担持体上に残留し持ち運ばれて介在
していることで、帯電不良、画像露光の遮光を生じない
良好な画像が得られる現像同時クリーニング画像形成装
置が開示されている。しかしながら、これらの提案も長
期にわたる繰り返し使用における安定した性能、解像性
を高めるためにより粒径の小さなトナー粒子を用いる場
合の性能に更なる改良の余地があった。
【0054】また、平均粒子径を規定した導電性粒子を
外部添加する提案も為されている。例えば、特開平9−
146293号公報においては、平均粒子径5〜50n
mの微粉末A及び平均粒子径0.1〜3μmの微粉末B
を外部添加剤とし、4〜12μmのトナー母粒子に規定
する程度以上に強く付着させたトナーが提案されている
が、微粉末Bの遊離しているもの及びトナー母粒子から
離脱するものの割合を少なくする事を目的としている。
また、特開平11−95479号公報においては、粒径
を規定した導電性シリカ粒子及び疎水化された無機酸化
物を含むトナーが提案されているが、トナーに過剰に蓄
積される電荷の、導電性シリカ粒子による外部へのリー
ク作用を目的としたものでしかない。
【0055】更に、トナーの粒度分布及び形状を規定し
た提案も数多く為されており、近年では日本特許第28
62827号公報のようにフロー式粒子像解析装置で測
定された粒度分布及び円形度を規定した提案もある。外
添剤の影響を考慮したトナーの粒度分布及び形状を規定
した提案としては、例えば、特開平11−174731
号公報においては、円形度の規定された平均長径が10
〜400nmの無機微粉体Aと非球形状無機微粉体Bを
有するトナーが提案されているが、非球形状無機微粉体
Bのスペーサ効果による無機微粉体Aのトナー母体への
埋没抑制を目的をしたものである。特開平11−202
557号公報においてもトナーの粒度分布及び円形度に
対する規定が提案されているが、トナー画像として現像
されたトナー粒子の密度を密とすることにより尾引き現
象を抑制し、高温高湿環境下でのトナーの保存性を改良
する事を目的としている。
【0056】更に特開平11−194530号公報にお
いては、0.6〜4μmの外添剤微粒子A及び無機微粉
末Bを有し、且つ粒度分布が規定されたトナーが提案さ
れているが、外添剤微粒子Aの介在による無機微粉末B
のトナー母粒子への埋め込み等によるトナー劣化防止を
目的としており、トナー母粒子への外添剤微粒子Aの付
着・遊離に対して考慮されていない。また、特開平10
−83096号公報においては、着色剤が内包された球
形樹脂微粒子表面に導電性微粒子及びシリカ微粒子が添
加されたトナーが提案されているが、トナー粒子表面に
導電性を持たせ、トナー粒子間の電荷の移動・交換を迅
速化させ、トナーの摩擦帯電の均一性を高めることを目
的としている。
【0057】このように、注入帯電工程を有する画像形
成方法、現像同時クリーニング画像形成法またはクリー
ナレス画像形成法に用いるための現像剤には、外部添加
剤に対する検討が十分に為されておらず、外部添加剤を
含めた現像剤の提案にも、注入帯電工程を有する画像形
成方法、現像同時クリーニング画像形成法或いはクリー
ナレス画像形成法に適応するために十分な検討が為され
たものがない。
【0058】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑みなされたものであり、良好な現像−クリー
ニング工程によるトナー画像形成を可能とする現像剤を
提供することにある。
【0059】また本発明の目的は、オゾンなどの放電生
成物の生成が実質的に無く、低い印加電圧で均一な帯電
が得られる直接注入帯電機構による、簡易で安定した一
様帯電を可能とする現像剤を提供することにある。
【0060】また、本発明の目的は、廃トナー量を大幅
に減らすことが可能な、低コストで小型化に有利な現像
−クリーニング工程(現像同時クリーニング工程)を可
能とする画像形成方法を提供することにある。
【0061】また、本発明の目的は、オゾンなどの放電
生成物の生成が実質的に無く、低い印加電圧で均一な帯
電が得られる直接注入帯電機構による、簡易で安定した
一様帯電を可能とし、かつ長期にわたる繰り返し使用に
おいても、帯電不良を生じない良好な画像が得られる画
像形成に方法を提供することにある。
【0062】また、本発明の目的は、良好な一様帯電性
を安定して得られる独立したクリーニング工程が不用な
クリーナレス画像形成を可能とする画像形成方法及びプ
ロセスカートリッジを提供することにある。
【0063】また、本発明の目的は転写残トナー粒子の
回収性に優れた現像−クリーニング工程を可能とする画
像形成方法およびプロセスカートリッジを提供すること
を課題とする。
【0064】さらに、本発明の目的は、解像性を高める
ためにより粒径の小さなトナー粒子を用いる際において
も良好な画像を安定して得られる現像−クリーニング工
程を有する画像形成方法及び該画像形成方法を達成する
ためのプロセスカートリッジを提供することにある。
【0065】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明の構成によって達成される。
【0066】すなわち、本発明の第1の態様の現像剤
は、像担持体を帯電する帯電工程と、前記帯電工程にお
いて帯電された像担持体の帯電面に、画像情報を静電潜
像として書き込む潜像形成工程と、前記静電潜像を現像
剤によりトナー画像として可視化する現像工程と、前記
トナー画像を転写材に転写する転写工程とを有し、これ
ら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法にお
ける前記帯電工程が、像担持体とこの像担持体に接触す
る帯電部材との接触部に現像剤が有する成分が介在した
状態で、前記帯電部材に電圧を印加することにより像担
持体を帯電する工程である画像形成方法に使用される現
像剤であって、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有
するトナー粒子と、1次粒子の個数平均径が4〜80n
mである無機微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも有
し、0.60μm以上159.21μmの粒径範囲の個
数基準の粒度分布において、1.00μm以上2.00
μm未満の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有し、
且つ3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒
子を15〜70個数%含有することを特徴とする。
【0067】また、本発明の第2の態様の現像剤は、像
担持体を帯電する帯電工程と、前記帯電工程において帯
電された像担持体の帯電面に、画像情報を静電潜像とし
て書き込む潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤によ
りトナー画像として可視化する現像工程と、前記トナー
画像を転写材に転写する転写工程とを有し、これら各工
程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法における前
記現像工程が、前記静電潜像を可視化するとともに、前
記トナー画像が前記転写材に転写された後に前記像担持
体上に残留した現像剤を回収する工程である画像形成方
法に使用される現像剤であって、結着樹脂および着色剤
を少なくとも含有するトナー粒子と、1次粒子の個数平
均径が4〜80nmである無機微粉末と、導電性微粉末
とを少なくとも有し、0.60μm以上159.21μ
m未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、1.
00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子を15
〜60個数%含有し、且つ3.00μm以上8.96μ
m未満の粒径範囲の粒子を15〜70個数%含有するこ
とを特徴とする。
【0068】上記各現像剤は、0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
いて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の
粒子を20〜50個数%含有することが好ましい。
【0069】また、上記各現像剤は、0.60μm以上
159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布
において、8.96μm以上の粒径範囲の粒子を0〜2
0個数%含有することが好ましい。
【0070】また、上記各現像剤は、0.60μm以上
159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布
において、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範
囲の粒子の現像剤中の含有量をA個数%、2.00μm
以上3.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量をB個
数%としたときに、次式 A>B を満足することが好ましく、次式 A>2B を満足することがさらに好ましい。
【0071】また、上記現像剤は、0.60μm以上1
59.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に
おいて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範
囲での下記式で示される個数分布の変動係数Knが、5
〜40であることが好ましく、5〜30であることがよ
り好ましい。
【0072】 個数分布の変動係数Kn=(Sn/D1)×100 〔式中、Snは3.00μm以上15.04μm未満の
粒径範囲における個数分布の標準偏差を表し、D1は
3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲におけ
る個数基準の平均円相当径(μm)を表す。〕 また、上記各現像剤は、0.60μm以上159.21
μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、
3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲での下
記式より求められる円形度aが0.90以上である粒子
を90〜100個数%含有することが好ましく、93〜
100個数%含有することがより好ましい。
【0073】円形度a=L0/L 〔式中、L0は粒子の投影像と同じ面積をもつ円の周囲
長を表し、Lは粒子の投影像の周囲長を表す。〕 また、上記各現像剤は、0.60μm以上159.21
μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、
3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲での下
記式より求められる円形度分布の標準偏差SDが0.0
45以下であることが好ましい。
【0074】 標準偏差SD={Σ(ai−am2/n}1/2〔式中、a
は3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲に
おける各粒子の円形度を表し、amは3.00μm以上
15.04μm未満の粒子の平均円形度を表し、nは
3.00μm以上15.04μm未満の全粒子数を表
す。〕 さらに、上記各現像剤は、粒子径が0.6〜3μmの前
記導電性微粉末を前記トナー粒子100個当たり5〜3
00個含有することが好ましい。
【0075】上記各現像剤において、導電性微粉末の含
有量が現像剤全体(トナー粒子及び外添剤の総量を基
準)の1〜10質量%であることが好ましい。
【0076】また、上記各現像剤において、導電性微粉
末は、抵抗が109Ω・cm以下であることが好まし
く、106Ω・cm以下さらに好ましくは10〜106Ω
・cmであることがより好ましい。
【0077】また、上記現像剤において、導電性微粉末
は、非磁性であることが好ましい。
【0078】さらに、上記現像剤において、導電性微粉
末は、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンから選ばれる少
なくとも一種の酸化物を含有することが好ましい。
【0079】上記各現像剤は、無機微粉末の含有量が現
像剤全体の0.1〜3.0質量%であることが好まし
い。
【0080】また、上記各現像剤において、無機微粉末
は、少なくともシリコーンオイルで処理されたものであ
ることが好ましい。また、無機微粉末は、シラン化合物
で処理されると同時に、もしくはその後にシリコーンオ
イルで処理されたものであることが好ましい。
【0081】さらに、上記各現像剤において、無機微粉
末は、シリカ、チタニア、アルミナから選ばれる少なく
とも一種の無機微粉末を含有することが好ましい。
【0082】上記各現像剤は、磁場79.6kA/mに
おける磁化の強さが10〜40Am 2/kgである磁性
現像剤であることが好ましい。
【0083】本発明の第1の態様の画像形成方法は、像
担持体を帯電する帯電工程と、前記帯電工程において帯
電された像担持体の帯電面に、画像情報を静電潜像とし
て書き込む潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤によ
りトナー画像として可視化する現像工程と、前記トナー
画像を転写材に転写する転写工程とを有し、これら各工
程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法において、
前記現像剤は、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有
するトナー粒子と、平均1次粒子径が4〜80nmであ
る無機微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも含有し、
0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個
数基準の粒度分布において、1.00μm以上2.00
μm未満の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有し、
且つ3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒
子を15〜70個数%含有する現像剤であり、前記帯電
工程は、少なくとも像担持体とこの像担持体に接触する
帯電部材との接触部に、前記導電性微粉末を含む前記現
像剤の成分が介在した状態で、前記帯電部材に電圧を印
加することにより前記像担持体を帯電する工程であるこ
とを特徴とする。
【0084】上記画像形成方法では、上記した本発明の
各現像剤を好ましく用いることができる。
【0085】上記画像形成方法は、帯電工程において前
記接触部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉
末の含有比率が、前記現像剤に含有される前記導電性微
粉末の含有比率よりも高いことが好ましい。
【0086】上記画像形成方法において、現像工程は、
前記静電潜像を可視化するとともに、前記トナー画像が
前記転写材に転写された後に前記像担持体表面に残留し
た現像剤を回収する工程であることが好ましい。
【0087】上記画像形成方法において、帯電部材の表
面における移動速度と前記像担持体の表面における移動
速度との間に相対的速度差を設けることが好ましい。
【0088】上記画像形成方法において、帯電部材の表
面における移動方向と前記像担持体の表面における移動
方向とは、互いに逆方向であることが好ましい。
【0089】上記画像形成方法において、帯電工程は、
少なくとも表層が発泡体からなるローラ部材に電圧を印
加することにより前記像担持体を帯電する工程であるこ
とが好ましい。
【0090】上記画像形成方法において、帯電工程は、
アスカーC硬度が25〜50のローラ部材に電圧を印加
することにより前記像担持体を帯電する工程であること
が好ましい。
【0091】上記画像形成方法において、帯電工程は、
体積固有抵抗が103〜108Ω・cmのローラ部材に電
圧を印加することにより前記像担持体を帯電する工程で
あることが好ましい。
【0092】上記画像形成方法において、帯電工程は、
導電性を有するブラシ部材に電圧を印加することにより
前記像担持体を帯電する工程であることが好ましい。
【0093】上記画像形成方法において、像担持体は、
その最表面層における体積抵抗が1×109〜1×10
14Ω・cmであることが好ましい。
【0094】上記画像形成方法において、像担持体の最
表面層は、金属酸化物導電性微粒子が少なくとも分散さ
れた樹脂層であることが好ましい。
【0095】上記画像形成方法において、像担持体の表
面の水に対する接触角が85度以上であることが好まし
い。
【0096】上記画像形成方法において、像担持体は、
その最表面層がフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はポ
リオレフィン系樹脂から選ばれる材料からなる滑剤微粒
子が少なくとも分散された層であることが好ましい。
【0097】上記画像形成方法は、現像工程において前
記現像剤を担持する現像剤担持体が、前記像担持体に対
して100〜1000μmの離間距離で対向して配置さ
れていることが好ましい。
【0098】上記画像形成方法において、現像工程は、
現像剤担持体上に前記現像剤を5〜30g/m2の密度
で担持させることにより現像剤層を形成し、この現像剤
層から現像剤を前記像担持体に転移させることにより静
電潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0099】上記画像形成方法において、現像工程は、
前記現像剤を担持する現像剤担持体を前記像担持体に対
して所定の離間距離で対向して配置し、現像剤からなり
前記離間距離よりも薄い現像剤層を前記現像剤担持体上
に形成し、前記現像剤層から現像剤を電気的に前記像担
持体表面に転移させることにより静電潜像を現像する工
程であることが好ましい。
【0100】上記画像形成方法において、現像工程は、
前記現像剤を担持する現像剤担持体と前記像担持体との
間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度が3×
10 6〜10×106V/mであり、周波数が100〜5
000Hzである交流電界を、現像バイアスを印加する
ことにより形成し、前記像担持体の静電潜像を現像剤に
よって現像する工程であることが好ましい。
【0101】上記画像形成方法において、転写工程は、
現像工程によって形成されたトナー画像を中間転写体に
転写した後に、前記転写材に再転写する工程であること
が好ましい。
【0102】上記画像形成方法において、転写工程は、
転写部材を前記転写材を介して前記像担持体に当接する
ことにより転写を行う工程であることが好ましい。
【0103】さらに、本発明の第2の態様の画像形成方
法は、像担持体を帯電する帯電工程と、前記帯電工程に
おいて帯電された像担持体の帯電面に、画像情報を静電
潜像として書き込む潜像形成工程と、前記静電潜像を現
像剤によりトナー画像として可視化する現像工程と、前
記トナー画像を転写材に転写する転写工程を有し、これ
ら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法であ
って、前記現像工程は前記静電潜像を可視化するととも
に、前記トナー画像が前記転写材に転写された後に前記
像担持体に残留した現像剤を回収する工程であり、前記
現像剤は、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有する
トナー粒子と、平均1次粒子径が4〜80nmである無
機微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも含有し、0.
60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基
準の粒度分布において、1.00μm以上2.00μm
未満の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有し、且つ
3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒子を
15〜70個数%含有する現像剤であることを特徴とす
る。
【0104】上記画像形成方法では、上記した本発明の
各現像剤を好ましく用いることができる。
【0105】上記画像形成方法は、帯電工程において、
前記像担持体に接触する帯電部材によって前記像担持体
を帯電することが好ましい。
【0106】上記画像形成方法において、像担持体の表
面の水に対する接触角が85度以上であることが好まし
い。
【0107】上記画像形成方法において、像担持体は、
その最表面層がフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はポ
リオレフィン系樹脂から選ばれる材料からなる滑剤微粒
子が少なくとも分散された層であることが好ましい。
【0108】上記画像形成方法は、現像工程において前
記現像剤を担持する現像剤担持体が、前記像担持体に対
して100〜1000μmの離間距離で対向して配置さ
れていることが好ましい。
【0109】上記画像形成方法において、現像工程は、
現像剤担持体上に前記現像剤を5〜30g/m2の密度
で担持させることにより現像剤層を形成し、この現像剤
層から現像剤を前記像担持体に転移させることにより静
電潜像を現像する工程であることが好ましい。
【0110】上記画像形成方法において、現像工程は、
前記現像剤を担持する現像剤担持体を前記像担持体に対
して所定の離間距離で対向して配置し、現像剤からなり
前記離間距離よりも薄い現像剤層を前記現像剤担持体上
に形成し、前記現像剤層から現像剤を電気的に前記像担
持体表面に転移させることにより静電潜像を現像する工
程であることが好ましい。
【0111】上記画像形成方法において、現像工程は、
前記現像剤を担持する現像剤担持体と前記像担持体との
間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度が3×
10 6〜10×106V/mであり、周波数が100〜5
000Hzである交流電界を、現像バイアスを印加する
ことにより形成し、前記像担持体の静電潜像を現像剤に
よって現像する工程であることが好ましい。
【0112】上記画像形成方法において、転写工程は、
現像工程によって形成されたトナー画像を中間転写体に
転写した後に、前記転写材に再転写する工程であること
が好ましい。
【0113】上記画像形成方法において、転写工程は、
転写部材を前記転写材を介して前記像担持体に当接する
ことにより転写を行う工程であることが好ましい。
【0114】また、本発明の第1の態様のプロセスカー
トリッジは、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤
によって可視化し、この可視化されたトナー画像を転写
材に転写することにより画像を形成するための画像形成
装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジ
であって、前記プロセスカートリッジは、静電潜像を担
持するための像担持体と、前記像担持体を帯電するため
の帯電手段と、前記像担持体に形成された静電潜像を、
現像剤を用いて現像することによりトナー画像を形成す
る現像手段とを少なくとも有し、前記現像剤は、結着樹
脂および着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、平
均1次粒子径が4〜80nmである無機微粉末と、導電
性微粉末とを少なくとも有し、0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
いて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の
粒子を15〜60個数%含有し、且つ3.00μm以上
8.96μm未満の粒径範囲の粒子を15〜70%含有
する現像剤であり、前記帯電手段は、少なくとも前記像
担持体とこの像担持体に接触する帯電部材との接触部
に、前記現像手段によって前記像担持体に付着し前記転
写手段による転写が行われた後もこの像担持体に残留し
た、前記導電性微粉末を含有する前記現像剤の成分が介
在した状態で、前記帯電部材に電圧を印加することによ
り前記像担持体を帯電することを特徴とする。
【0115】前記現像手段は、前記像担持体に対向して
配置される現像剤担持体とこの現像剤担持体上に薄層の
現像剤層を形成する現像剤層規制部材とを少なくとも有
し、前記現像剤担持体上の現像剤層から前記像担持体へ
前記現像剤を転移させることにより前記トナー画像を形
成する手段であることが好ましい。
【0116】上記プロセスカートリッジでは、上記した
本発明の各現像剤を好ましく用いることができる。
【0117】上記プロセスカートリッジにおいて、前記
接触部に介在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末
の含有比率が、前記現像剤に含有される導電性微粉末の
含有比率よりも高いことが好ましい。
【0118】上記プロセスカートリッジにおいて、現像
手段は、前記静電潜像を可視化するとともに、前記トナ
ー画像が前記転写材に転写された後に前記像担持体表面
に残留した現像剤を回収することが好ましい。
【0119】上記プロセスカートリッジにおいて、帯電
部材の表面における移動速度と前記像担持体の表面にお
ける移動速度との間に相対的速度差を設けることが好ま
しい。
【0120】上記プロセスカートリッジにおいて、帯電
部材の表面における移動方向と前記像担持体の表面にお
ける移動方向とは、互いに逆方向であることが好まし
い。
【0121】上記プロセスカートリッジにおいて、帯電
部材は、少なくとも表層が発泡体からなるローラ部材で
あることが好ましい。
【0122】上記プロセスカートリッジにおいて、帯電
部材は、アスカーC硬度が25〜50のローラ部材であ
ることが好ましい。
【0123】上記プロセスカートリッジにおいて、帯電
部材は、体積固有抵抗が103〜108Ω・cmのローラ
部材であることが好ましい。
【0124】上記プロセスカートリッジにおいて、帯電
部材は、導電性を有するブラシであることが好ましい。
【0125】上記プロセスカートリッジにおいて、像担
持体は、その最表面層における体積抵抗が1×109
1×1014Ω・cmであることが好ましい。
【0126】上記プロセスカートリッジにおいて、像担
持体の最表面層は、金属酸化物導電性微粒子が少なくと
も分散された樹脂層であることが好ましい。
【0127】上記プロセスカートリッジにおいて、像担
持体の表面の水に対する接触角が85度以上、より好ま
しくは90度以上、さらに好ましくは95度以上である
ことが好ましい。
【0128】上記プロセスカートリッジにおいて、像担
持体は、その最表面層がフッ素系樹脂、シリコーン系樹
脂又はポリオレフィン系樹脂から選ばれる材料からなる
滑剤微粒子が少なくとも分散された層であることが好ま
しい。
【0129】上記プロセスカートリッジにおいて、現像
剤担持体は、前記像担持体に対して100〜1000μ
mの離間距離で対向して配置されていることが好まし
い。
【0130】上記プロセスカートリッジにおいて、現像
手段は、前記現像剤担持体上に前記現像剤を5〜30g
/m2の密度で担持させることにより現像剤層を形成
し、この現像剤層から現像剤を前記像担持体に転移させ
ることにより静電潜像を現像する手段であることが好ま
しい。
【0131】上記プロセスカートリッジにおいて、現像
手段は、前記現像剤担持体を前記像担持体に対して所定
の離間距離で対向して配置し、現像剤からなり前記離間
距離よりも薄い現像剤層を前記現像剤担持体上に形成
し、前記現像剤層から現像剤を前記像担持体表面に転移
させることにより静電潜像を現像することが好ましい。
【0132】上記プロセスカートリッジにおいて、現像
手段は、前記現像剤担持体と前記像担持体との間に、少
なくともピークトゥーピークの電界強度が3×106
10×106V/mであり、周波数が100〜5000
Hzである交流電界を、現像バイアスを印加することに
より形成することが好ましい。
【0133】また、本発明の第2の態様のプロセスカー
トリッジは、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤
によって可視化し、この可視化されたトナー画像を転写
材に転写することにより画像を形成するための画像形成
装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジ
であって、前記プロセスカートリッジは、静電潜像を担
持するための像担持体と、前記像担持体を帯電するため
の帯電手段と、前記像担持体に形成された静電潜像を、
現像剤を用いて現像することによりトナー画像を形成す
る現像手段とを少なくとも有し、前記現像剤は、結着樹
脂および着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、平
均1次粒子径が4〜80nmである無機微粉末と、導電
性微粉末とを少なくとも有し、0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
いて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の
粒子を15〜60個数%含有し、且つ3.00μm以上
8.96μm未満の粒径範囲の粒子を15〜70個数%
含有する現像剤であり、前記現像手段は、前記現像剤担
持体上の現像剤層から前記像担持体へ前記現像剤を転移
させることにより前記静電潜像を可視化するとともに、
前記トナー画像が前記転写材に転写された後に前記像担
持体に残留した現像剤を回収することを特徴とする。
【0134】前記現像手段は、前記像担持体に対向して
配置される現像剤担持体とこの現像剤担持体上に薄層の
現像剤層を形成する現像剤層規制部材とを少なくとも有
することが好ましい。
【0135】上記プロセスカートリッジでは、上記した
本発明の各現像剤を好ましく用いることができる。
【0136】上記プロセスカートリッジにおいて、帯電
手段は、前記像担持体に接触する帯電部材によって前記
像担持体を帯電する接触帯電手段であることが好まし
い。
【0137】上記プロセスカートリッジにおいて、像担
持体の表面の水に対する接触角が85度以上であること
が好ましい。
【0138】上記プロセスカートリッジにおいて、像担
持体は、その最表面層がフッ素系樹脂、シリコーン系樹
脂又はポリオレフィン系樹脂から選ばれる材料からなる
滑剤微粒子が少なくとも分散された層であることが好ま
しい。
【0139】上記プロセスカートリッジにおいて、現像
剤担持体は、前記像担持体に対して100〜1000μ
mの離間距離で対向して配置されていることが好まし
い。
【0140】上記プロセスカートリッジにおいて、現像
手段は、前記現像剤担持体上に前記現像剤を5〜30g
/mの密度で担持させることにより現像剤層を形成
し、この現像剤層から現像剤を前記像担持体に転移させ
ることにより静電潜像を現像する手段であることが好ま
しい。
【0141】上記プロセスカートリッジにおいて、現像
手段は、前記現像剤担持体を前記像担持体に対して所定
の離間距離で対向して配置し、現像剤からなり前記離間
距離よりも薄い現像剤層を前記現像剤担持体上に形成
し、前記現像剤層から現像剤を前記像担持体表面に転移
させることにより静電潜像を現像することが好ましい。
【0142】上記プロセスカートリッジにおいて、現像
手段は、前記現像剤担持体と前記像担持体との間に、少
なくともピークトゥーピークの電界強度が3×106
10×106V/mであり、周波数が100〜5000
Hzである交流電界を、現像バイアスを印加することに
より形成することが好ましい。
【0143】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0144】<現像剤>本発明は、トナー粒子及び外添剤
を少なくとも有する一成分系現像剤が好ましい。
【0145】まず、本発明の現像剤について説明する。
本発明の現像剤は、像担持体を帯電する帯電工程と、こ
の帯電工程において帯電された像担持体の帯電面に、画
像情報を静電潜像として書き込む潜像形成工程と、この
静電潜像を現像剤によりトナー画像として可視化する現
像工程と、上記トナー画像を転写材に転写する転写工程
とを有し、これら各工程を繰り返して画像形成が行わ
れ、上記帯電工程は、像担持体とこの像担持体に接触す
る帯電部材との接触部に現像剤が含有する成分が介在し
た状態で、帯電部材に電圧を印加することにより像担持
体を帯電する工程である、接触帯電を用いた画像形成方
法、特に好ましくは、いわゆる直接注入帯電機構を用い
た画像形成方法に使用されることが好ましい。
【0146】また、本発明の現像剤は、像担持体を帯電
する帯電工程と、この帯電工程において帯電された像担
持体の帯電面に、画像情報を前記静電潜像として書き込
む潜像形成工程と、この静電潜像を現像剤によりトナー
画像として可視化する現像工程と、上記トナー画像を転
写材に転写する転写工程とを有し、これら各工程を繰り
返して画像形成が行われ、上記現像工程は静電潜像を可
視化するとともに、トナー画像が転写材に転写された後
に像担持体上に残留した現像剤を回収する工程である、
いわゆる現像同時クリーニングを用いた画像形成方法に
使用されることが好ましい。
【0147】本発明の現像剤は、結着樹脂および着色剤
を少なくとも含有するトナー粒子と、平均1次粒子径が
4〜80nmである無機微粉末と、導電性微粉末とを少
なくとも有し、0.60μm以上159.21μm未満
の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、1.00μ
m以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子を15〜60
個数%含有し、且つ3.00μm以上8.96μm未満
の粒径範囲の粒子を15〜70個数%含有することを特
徴とする。
【0148】本発明の現像剤を用いることにより、良好
な帯電性を安定して現像剤に付与することができ、現像
剤の長期にわたる繰り返し使用においても帯電不良が生
じずに良好な画像が得られ、且つ廃トナー量を大幅に減
らすことが可能な、低コストで小型化に有利な現像同時
クリーニング画像形成方法が可能となる。
【0149】また、本発明の現像剤を用いることによ
り、オゾンなどの放電生成物が実質的に無く、低い印加
電圧で均一な帯電が得られる直接注入帯電機構を用いた
一様帯電を簡易な構成で均一に行うことができ、現像剤
の長期にわたる繰り返し使用においても帯電不良を生じ
ない良好な画像が得られる画像形成方法が可能となる。
また、本発明の現像剤を用いることによって、多量の現
像剤成分が接触帯電部材に付着または混入しても、一様
帯電性の低下を抑制することができ、像担持体の帯電不
良による画像不良を抑制することができる、接触帯電に
よる画像形成方法が可能となる。
【0150】また、本発明の現像剤を用いた現像同時ク
リーニング画像形成方法において、良好な摩擦帯電特性
を安定して示す現像剤が得られ、現像剤の長期にわたる
繰り返し使用においても、転写残トナー粒子の回収不良
や、一様帯電または潜像形成の阻害による画像不良を生
ずることなく良好な画像が得られ、且つ廃トナー量を大
幅に減らすことが可能な、低コストで小型化に有利な現
像同時クリーニング画像形成方法が可能となる。
【0151】本発明の現像剤は、結着樹脂及び着色剤を
少なくとも含有するトナー粒子と、1次粒子の個数平均
径が4〜80nmである無機微粉末と、導電性微粉末と
を有する。現像剤が有する導電性微粉末は、像担持体に
形成された静電潜像が現像される際に、トナー粒子とと
もに適当量が現像剤担持体から像担持体に移行する。静
電潜像が現像されることにより像担持体上に形成された
トナー画像は、転写工程において紙などの転写材に転移
する。このとき、像担持体上の導電性微粉末も一部は転
写材に付着するが、残りは像担持体上に付着保持されて
残留する。トナー粒子の帯電極性と逆極性の転写バイア
スを印加して転写を行う場合には、トナーは転写材側に
引かれて積極的に転移するが、像担持体上の導電性微粉
末は導電性であるため転写材側に転移し難い。このた
め、導電性微粉末の一部は転写材に付着するものの残り
は像担持体上に付着保持されて残留する。
【0152】クリーニング工程のように、像担持体上に
付着保持されて残留した導電性微粉末を像担持体上から
取り除く工程を持たない画像形成方法では、転写工程後
の像担持体表面に残存したトナー粒子(以下、これを
「転写残トナー粒子」という)および導電性微粉末は、
像担持体において像を担持する面(以下、これを「像担
持面」という)の移動に伴って帯電部に持ち運ばれる。
すなわち、帯電工程に接触帯電部材を用いる場合は、導
電性微粉末は像担持体と接触帯電部材とが接触して形成
される接触部に持ち運ばれ、接触帯電部材に付着・混入
する。従って、像担持体と接触帯電部材との接触部に導
電性微粉末が介在した状態で像担持体の接触帯電が行わ
れる。
【0153】本発明においては、導電性微粉末を帯電部
に積極的に持ち運ぶことにより、転写残トナー粒子の付
着・混入により接触帯電部材が汚染されるにも拘わら
ず、接触帯電部材の接触抵抗を維持できるため、接触帯
電部材による像担持体の帯電を良好に行うことができ
る。
【0154】しかし、接触帯電部材の帯電部に十分な量
の導電性微粉末が介在しない場合には、転写残トナー粒
子の接触帯電部材への付着・混入による像担持体の帯電
の低下が容易に起こり、画像汚れを生ずる。
【0155】更に、導電性微粉末を像担持体と接触帯電
部材とが接触して形成する接触部に積極的に持ち運ぶこ
とにより、接触帯電部材の像担持体への緻密な接触性と
接触抵抗を維持できるため、接触帯電部材による像担持
体の直接注入帯電を良好に行なわせることができる。
【0156】また、接触帯電部材に付着・混入した転写
残トナー粒子は、接触帯電部材から徐々に像担持体上に
吐き出され、像担持面の移動に伴って現像部に至り、現
像工程において現像同時クリーニング、すなわち転写残
トナー粒子の回収が行われる。接触帯電部材に付着・混
入した導電性微粉末も同様に接触帯電部材から徐々に像
担持体上に吐き出され、像担持面の移動に伴って現像部
に至る。すなわち、転写残トナー粒子とともに導電性微
粉末が像担持体上に存在し、現像工程において転写残ト
ナー粒子の回収が行われる。現像工程における転写残ト
ナー粒子の回収が現像バイアス電界を利用するものであ
る場合には、転写残トナー粒子が現像バイアス電界によ
って回収されるのに対して、像担持体上の導電性微粉末
は導電性であるため回収され難い。このため、導電性微
粉末の一部は回収されるものの、残りは像担持体上に付
着保持されて残留する。本発明者らの検討によれば、こ
のように現像工程で回収され難い導電性微粉末が像担持
体上に存在することで、像担持体上の転写残トナー粒子
の回収性を向上させる効果を有することが判明した。す
なわち、像担持体上の導電性微粉末が像担持体上の転写
残トナー粒子の回収助剤として働き、現像工程における
転写残トナー粒子の回収をより確実なものとし、転写残
トナー粒子の回収不良によるポジゴーストやカブリ等の
画像欠陥を有効に防止することができる。
【0157】従来、現像剤に導電性微粉末を外部添加す
る目的の多くが、トナー粒子表面に導電性微粉末を付着
させることによってトナーの摩擦帯電性を制御すること
であり、トナー粒子から遊離或いは脱離する導電性微粉
末は、現像剤特性の変化或いは劣化を招く弊害として扱
われてきた。これに対し、本発明の現像剤は、導電性微
粉末をトナー粒子表面から積極的に遊離させる点で、従
来多く検討されてきた現像剤への導電性微粉末の外部添
加とは異なる。導電性微粉末を、転写後の像担持体上を
経由させて像担持体と接触帯電部材とが接触して形成す
る接触部である帯電部に持ち運び、介在させることによ
って像担持体の帯電性を積極的に向上させることによ
り、安定して均一な一様帯電を可能とし、像担持体の帯
電低下による画像不良の発生を防止する。また、現像工
程において導電性微粉末が像担持体上に存在すること
で、導電性微粉末が像担持体上の転写残トナー粒子の回
収助剤として働き、現像工程における転写残トナー粒子
の回収をより確実なものとし、転写残トナー粒子の回収
不良によるポジゴーストやカブリ等の画像欠陥を有効に
防止することができる。
【0158】本発明の現像剤においては、トナー粒子表
面に付着してトナー粒子と共に挙動する導電性微粉末
は、本発明の現像剤が効果として発現する像担持体の帯
電性の促進及び現像同時クリーニング性能の向上に対し
ての寄与が少なく、トナー粒子の現像性の低下、現像同
時クリーニング工程での転写残トナー粒子回収性の低
下、及び転写性の低下によって転写残トナー粒子量が増
加することにより、一様帯電を阻害する等の弊害を生む
場合がある。
【0159】本発明の現像剤に含有される導電性微粉末
は、画像形成が繰り返されることにより、帯電工程およ
び現像工程を経て像担持面に移行し、さらに像担持面の
移動に伴い転写工程を経て再び帯電部に持ち運ばれるこ
とにより、帯電部に導電性微粉末が逐次供給され続け
る。従って、帯電部において導電性微粉末が脱落するな
どして減少したり、導電性微粉末の一様帯電性促進能力
が劣化した場合でも、帯電部に導電性微粉末が供給され
続けるため、装置の長期にわたる繰り返し使用において
も像担持体の帯電性の低下を防止し、良好な一様帯電が
安定して維持される。
【0160】現像剤に添加する導電性微粉末の粒径の、
像担持体の帯電性促進効果及び現像同時クリーニング性
に対する影響についての本発明者らの検討によれば、導
電性微粉末のうち粒子径が非常に小さいもの(例えば
0.1μm程度以下のもの)は、トナー粒子表面に強固
に付着し易く、現像工程で像担持体上の非画像部に導電
性微粉末を十分に供給することができず、転写工程にお
いてもトナー粒子表面から導電性微粉末が遊離しない。
このため、転写後の像担持体上に導電性微粉末を積極的
に残留させ、帯電部に導電性微粉末を積極的に供給する
ことができない。従って、像担持体の帯電性を向上させ
る効果が得られず、接触帯電部材に転写残トナー粒子が
付着混入した場合には像担持体の帯電性低下による画像
不良を生ずる。
【0161】また、現像同時クリーニング工程において
も、像担持体上に導電性微粉末を供給することができな
いため、また、像担持体上に供給されたとしても導電性
微粉末の粒子径が小さすぎるために、転写残トナー粒子
の回収性を向上させる効果が得られず、転写残トナー粒
子の回収不良によるポジゴーストやカブリ等の画像欠陥
を有効に防止することができない。
【0162】また、導電性微粉末のうち粒子径が大きす
ぎるもの(例えば4μm程度以上のもの)は、帯電部に
供給されても粒径が大きいために、導電性微粉末が帯電
部材から脱落しやすくなり、安定して十分な粒子数の導
電性微粉末を帯電部に介在させ続けることが困難とな
り、均一な像担持体の帯電性を促進することができな
い。更に、単位重量当たりの導電性微粉末の粒子数が減
少するため、像担持体の均一帯電促進効果を十分に得ら
れるだけの粒子数の導電性微粉末を帯電部に介在させる
(帯電部における像担持体と導電性微粉末との接触点数
を多くすることによって、像担持体の一様帯電性を促進
する効果が高まるため、帯電部に介在する導電性微粉末
の粒子数が多いことが求められる。)には、導電性微粉
末の現像剤に対する添加量を大きくせざるを得なくな
る。しかし、導電性微粉末の添加量を多くしすぎると、
現像剤全体としての摩擦帯電能や現像性を低下させ、画
像濃度低下やトナー飛散を生ずる。また、導電性微粉末
の粒径が大きいために、現像工程における転写残トナー
粒子の回収助剤としての効果が十分には得られない。転
写残トナー粒子の回収を高めるために、導電性微粉末の
像担持体上での存在量を大きくしすぎると、粒径が大き
いために潜像形成工程への悪影響、例えば画像露光を遮
ることによる画像欠陥を生じる場合がある。
【0163】本発明者らは、導電性微粉末の粒径の検討
から、さらに実際の現像剤の挙動に直接関与する、外部
添加剤を含む現像剤の粒度分布の検討へ進め、鋭意検討
の末、本発明に至った。
【0164】すなわち、現像剤を、結着樹脂および着色
剤を少なくとも含有するトナー粒子と、平均1次粒子径
が4〜80nmである無機微粉末と、導電性微粉末とを
少なくとも有し、0.60μm以上159.21μm未
満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、1.00
μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子を15〜6
0個数%含有し、且つ3.00μm以上8.96μm未
満の粒径範囲の粒子を15〜70個数%含有する構成と
することで、接触帯電による像担持体の帯電不良を有効
に防止することができ、直接注入帯電機構での像担持体
の一様帯電性を向上させることができる。また、現像同
時クリーニングでの転写残トナー粒子の回収を高め、転
写残トナー粒子の回収不良によるポジゴーストやカブリ
等の画像欠陥を有効に防止することができる。
【0165】より詳細に説明すると、本発明の現像剤が
有する1次粒子の個数平均径が4〜80nmである無機
微粉末は、トナー粒子表面に付着してトナー粒子ととも
に挙動することで、現像剤の流動性を改良し、トナー粒
子の摩擦帯電特性を均一化させる。このため、トナー粒
子の転写性を向上させ、接触帯電部材への転写残トナー
粒子の混入量を低減し、像担持体の帯電性低下を防止
し、現像工程における転写残トナー粒子の回収での負荷
を低減できる。
【0166】この無機微粉末は、トナー粒子表面に付着
してトナー粒子とともに挙動すること、および1次粒子
の個数平均径が4〜80nmと小さく、トナーに付着し
ている状態での粒径も1次粒径から凝集体でも0.1μ
m以下のものであり、現像剤の0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲における個数基準の粒度分
布に実質的に影響を与えない。
【0167】これに対し、本発明の現像剤が有する導電
性微粉末は、現像剤の0.60μm以上159.21μ
m未満の粒径範囲の個数墓準の粒度分布において、粒子
径が1.00μm以上2.00μm未満の粒子を15〜
60個数%含有させることに寄与する。より具体的に
は、本発明の現像剤が有する導電性微粉末を、少なくと
も1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子
を有するものとし、1.00μm以上2.00μm未満
の粒径範囲の粒子の現像剤中の含有量が上記範囲となる
ように、この導電性微粉末を現像剤中に含有させること
により、上記本発明の効果を得ることができる。本発明
者らの検討によれば、1.00μm以上2.00μm未
満の粒径範囲の導電性微粉末が現像剤中に存在すること
により、接触帯電における接触帯電部材への転写残トナ
ー粒子の付着・混入による像担持体の帯電不良を防止
し、直接注入帯電における像担持体の一様帯電性を向上
させ、現像同時クリーニングを用いた画像形成方法にお
ける帯電不良および転写残トナー粒子の回収不良を有効
に防止する効果が大きいことが判明した。また、導電性
微粉末の現像工程における転写残トナー粒子の回収助剤
としての効果には、導電性微粉末の粒径が大きく関与
し、転写残トナー粒子の回収助剤として最適な導電性微
粉末の粒径範囲が存在し、特に1.00μm以上2.0
0μm未満の粒径範囲の粒子径を有する導電性微粉末の
含有量(個数%)が転写残トナー粒子の回収助剤として
効果に深く関与することが判明した。
【0168】1.00μm以上2.00μm未満の粒径
範囲の導電性微粉末の粒子は、トナー粒子表面に強固に
付着しにくく、現像工程において像担持体上の非画像部
にまで十分に供給され、転写工程においてトナー粒子表
面から積極的に遊離し、転写後の像担持面を経て効率良
く帯電部に供給される。また、上記導電性微粉末は、帯
電部において均一に分散して介在できることにより像担
持体の帯電促進効果が高く、帯電部に安定して保持され
るため、画像形成装置の長期にわたる繰り返し使用にお
いても像担持体の帯電性の低下を防止し、良好な一様帯
電が安定して維持される。また、帯電工程に接触帯電部
材を用いた現像同時クリーニング画像形成法のように、
転写残トナー粒子による帯電部材の汚染が避けられない
場合でも、像担持体の帯電性の低下を防止することがで
きる。さらに、導電性微粉末の粒子が転写後の像担持面
へ効率良く供給され、転写残トナー粒子の回収助剤とし
て特に優れた効果を発揮することで、現像同時クリーニ
ング工程での転写残トナー粒子の回収性を高めることが
できる。
【0169】上述したように、本発明の現像剤は、0.
60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基
準の粒度分布における1.00μm以上2.00μm未
満の粒径範囲の粒子の含有量が15〜60個数%である
ことを特徴とする。上記粒径測定範囲における1.00
μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量を
上記範囲とすることにより、帯電工程における像担持体
の一様帯電性の向上を図ることができる。また、適度な
量の導電性微粉末を帯電部に安定して存在させることが
できるため、後の露光工程において、導電性微粉末が像
担持体上に過剰に存在することによる露光不良を防止す
ることができる。現像剤中の1.00μm以上2.00
μm未満の粒径範囲の粒子の含有量が上記範囲よりも少
なすぎる場合には、接触帯電による像担持体の一様帯電
性を充分に向上させることができず、現像同時クリーニ
ングでの転写残トナー粒子の回収不良を有効に防止する
効果が十分ではない。また、現像剤中の1.00μm以
上2.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量が上記範
囲よりも多すぎる場合には、過剰の導電性微粉末が帯電
部に供給されるため、帯電部に保持しきれない導電性微
粉末が露光光を遮る程度までに像担持体上に排出され、
露光不良による画像欠陥を生じる、或いは飛散して機内
を汚染する等の弊害を著しく生じ易くなる。
【0170】本発明の現像剤の0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
ける粒子径が1.00以上2.00μm未満の粒子の含
有量は、20〜50個数%であることがより好ましく、
20〜45個数%であることがさらに好ましい。上記粒
子の含有量をこの範囲とすることで、接触帯電による像
担持体の一様帯電性をより向上させ、且つ現像同時クリ
ーニングを用いた画像形成方法における転写残トナー粒
子の回収不良を有効に防止する効果がより高まる。更
に、過剰の導電性微粉末が帯電部に供給されることを防
止し、帯電部に保持しきれない導電性微粉末が多量に像
担持体上に排出されることによる露光不良による画像欠
陥の発生をより確実に抑制できる。
【0171】上述したように、本発明の現像剤に、0.
60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基
準の粒度分布において1.00μm以上2.00μm未
満の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有させるに
は、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒
子の現像剤中の含有量が上記範囲となるように、この導
電性微粉末を現像剤中に含有させればよい。しかしなが
ら、現像剤の0.60μm以上159.21μm未満の
粒径範囲の個数基準の粒度分布において、1.00μm
以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子は上記導電性微
粉末のみに限られるものではなく、トナー粒子や現像剤
に添加される他の粒子が含まれていてもよい。
【0172】本発明の現像剤に含有される少なくとも結
着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子は、公知の製
法によって得ることが可能であり、トナー製法及び製造
条件(例えば、トナーの平均粒径や粉砕法によって作製
される場合の粉砕条件)によって生じる1.00μm以
上2.00μm未満の粒径範囲のトナー粒子の量は変化
する。しかし、現像剤の0.60μm以上159.21
μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、ト
ナー粒子に起因する1.00μm以上2.00μm未満
の粒径範囲の粒子の含有量が10個数%を超えると、
1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲のトナー
粒子が有する摩擦帯電性が、平均粒径付近の粒径のトナ
ー粒子が有する摩擦帯電性と大きく異なるため、トリボ
分布がブロードになり、現像性が低下し、実用に適さな
い。
【0173】すなわち、現像剤の0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
いて、導電性微粉末に起因する1.00μm以上2.0
0μm未満の粒子を5〜60個数%含有することが好ま
しい。
【0174】また、本発明の現像剤は、0.60μm以
上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分
布において、3.00μm以上8.96μm未満の粒径
範囲の粒子を15〜70個数%含有することを特徴とす
る。
【0175】本発明の現像剤において、3.00μm以
上8.96μm未満の粒径範囲の粒子は、像担持体上に
形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、こ
のトナー画像を転写材に転写することにより転写材上に
トナー画像を形成するために、所定量が必要である。ま
た、3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒
子には、像担持体上に形成された静電潜像に静電的に付
着し、静電潜像を忠実にトナー画像として現像するのに
適した摩擦帯電特性を持たせることができる。
【0176】3.00μm未満の粒子径の粒子は、過剰
な帯電を保持するまたは過度に摩擦帯電電荷を減衰させ
る等、安定した摩擦帯電特性を持たせることが困難とな
る。そのため、像担持体上の静電潜像のない部分(画像
の白地部)への付着量が多くなり易く、忠実に静電潜像
をトナー画像として現像することが困難である。また、
3.00μm未満の粒子径の粒子は、表面に凹凸を有す
る転写材(例えば、表面に繊維による凹凸を有する紙)
に対しては良好な転写性を維持することが困難となるた
め、転写残トナー粒子が増大する。このため、転写残ト
ナー粒子が像担持体に多量に付着した状態で帯電工程に
供され、更には接触帯電部材に多量の転写残トナー粒子
が付着・混入するため、像担持体の帯電が阻害され、導
電性微粉末を介して接触帯電部材が像担持体と緻密な接
触性を有することで像担持体の帯電性を高める本発明の
効果を阻害する傾向がある。また、転写残トナー粒子の
粒径が小さくなると、現像工程において転写残トナー粒
子に働く機械的、静電的、さらに磁性トナーの場合には
磁気的な回収力が小さくなるため、相対的に転写残トナ
ー粒子と像担持体との付着カが大きくなり、現像工程で
の転写残トナー粒子の回収性が低下し、転写残トナー粒
子の回収不良によるポジゴーストやカブリ等の画像欠陥
を生じやすくする傾向がある。
【0177】また、8.96μm以上の粒子径の粒子
は、静電潜像を忠実にトナー画像として現像するのに十
分に高い摩擦帯電特性を持たせることが困難である。一
般に、現像剤の粒径が大きいほど得られるトナー画像の
解像性が低いものになるが、1.00μm以上2.00
μm未満の粒径範囲の粒子の現像剤中の含有量が所定の
範囲となるように導電性微粉末を含有させた本発明の現
像剤では、現像剤中に多くの導電性微粉末の粒子を含有
するため、特に粒子径の大きいトナー粒子の摩擦帯電量
がより低下し易くなり、8.96μm以上の粒子径の粒
子には、静電潜像を忠実にトナー画像としそ現像するの
に十分に高い摩擦帯電特性を持たせることが困難とな
り、良好な解像性を有するトナー画像を得ることがより
困難となる。
【0178】従って、0.60μm以上159.21μ
m未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、3.
00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒子の含有
量を上記範囲とすることにより、静電潜像を忠実にトナ
ー画像として現像するのに適した摩擦帯電特性を持たせ
るトナー粒子を確保し、1.00μm以上2.00μm
未満の粒径範囲の粒子の現像剤中の含有量が所定の範囲
となるように導電性微粉末を含有させた本発明の現像剤
を用いて、高画像濃度で解像性に優れた画像を得ること
が可能となる。
【0179】本発明において、現像剤中の3.00μm
以上8.96μm未満の粒径範囲の粒子の含有量が上記
範囲よりも少なすぎる場合には、静電潜像を忠実にトナ
ー画像として現像するのに適した摩擦帯電特性を持つト
ナー粒子を確保することが困難となる。このため、得ら
れる画像がカブリが多い、画像濃度が低いまたは解像性
の低いものとなる。
【0180】また、現像剤中の3.00μm以上8.9
6μm未満の粒径範囲の粒子の含有量が上記範囲よりも
多すぎる場合は、前述した1.00μm以上2.00μ
m未満の粒径範囲の粒子の現像剤中の含有量を本発明に
おいて規定する範囲内とすることが困難となる。また、
1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子の
現像剤中の含有量が本発明において規定する範囲内にあ
ったとしても、3.00μm以上8.96μm未満の粒
径範囲の粒子の含有量に対して、1.00μm以上2.
00μm未満の粒径範囲の粒子が相対的に不足する。こ
のため、接触帯電による像担持体の一様帯電性を十分に
向上させることができず、現像同時クリーニングでの転
写残トナー粒子の回収不良を有効に防止する効果が十分
には得られない。
【0181】本発明の現像剤の0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
ける粒子径が3.00μm以上8.96μm未満の粒径
範囲の粒子の含有量は、20〜65個数%であることが
より好ましく、25〜60個数%であることがさらに好
ましい。上記粒子の含有量をこの範囲とすることで、接
触帯電による像担持体の一様帯電性をより向上させ、現
像同時クリーニングを用いた画像形成方法における転写
残トナー粒子の回収不良を有効に防止する効果をより高
めることができ、かつ高画像濃度でカブリが少なく解像
性に優れた画像を得ることができる。
【0182】上述したように、静電潜像を忠実にトナー
画像として現像するのに適した摩擦帯電特性を持たせる
粒子を確保し、高画像濃度でカブリが少なく解像性に優
れた画像を得るために、本発明の現像剤は、0.60μ
m以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒
度分布において3.00μm以上8.96μm未満の粒
径範囲の粒子を、15〜70個数%含有する。従って、
3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒子の
現像剤中の含有量が、トナー粒子に起因することが望ま
しい。しかしながら、現像剤中の0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
いて、3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の
粒子はトナー粒子のみに限られるものではなく、導電性
微粉末や現像剤に添加される他の粒子が含まれていても
よい。
【0183】本発明の現像剤は、0.60μm以上15
9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
いて、8.96μm以上の粒子径の粒子を0〜20個数
%含有することが好ましい。
【0184】前述したように、1.00μm以上2.0
0μm未満の粒径範囲の粒子の現像剤中の含有量が本発
明において規定する範囲となるように導電性微粉末を含
有させた本発明の現像剤では、現像剤中に多くの導電性
微粉末の粒子を含有するため、8.96μm以上の粒子
径の粒子に静電潜像を忠実にトナー画像として現像する
のに十分に高い摩擦帯電特性を持たせることが困難とな
る。このような上記粒径測定範囲における8.96μm
以上の粒子の現像剤中の含有量が、上記範囲よりも多す
ぎる場合は、現像剤全体として静電潜像を忠実にトナー
画像として現像するのに十分に高い摩擦帯電特性を持た
せることが困難となり、得られる画像の解像性が低いも
のになりやすい。
【0185】また、粒子径が8.96μm以上のトナー
粒子では、トナー粒子表面において局所的に高い摩擦帯
電電荷を保持しやすく、このような部位に導電性微粉末
が付着すると、導電性微粉末がトナー粒子から遊離せず
にトナー粒子とともに挙動するようになり、転写後の像
担持体上に供給される導電性微粉末が減少しやすくな
る。このため、帯電部に導電性微粉末が介在することに
よる像担持体の帯電促進効果が十分には得られない場合
がある。また、転写後の像担持体上に供給される導電性
微粉末が減少しやすいことで、転写残トナーの回収性を
向上させる効果が得られない場合がある。
【0186】更に、粒子径の大きなトナー粒子が、転写
残トナー粒子として帯電部に持ち運ばれると、接触帯電
部材の像担持体への接触性を損ない、像担持体の帯電不
良を引き起こし易くなる。すなわち、導電性微粉末を介
して接触帯電部材が像担持体と緻密な接触性を有するこ
とで像担持体の一様帯電性を高める本発明の効果が得ら
れない場合がある。また、粒径の大きな転写残トナー粒
子を現像工程で回収しようとする場合にも、粒径の大き
な転写残トナー粒子が回収されずに画像欠陥を生じてし
まう、あるいは潜像形成工程での露光を遮ることで画像
欠陥となってしまう場合がある。
【0187】従って、本発明の現像剤は、0.60μm
以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度
分布において、8.96μm以上の粒子径の粒子が現像
剤中で0〜10個数%であることがより好ましく、0〜
7個数%であることがさらに好ましい。上記粒子の含有
量をこの範囲とすることで、より高画像濃度でカブリが
少なく解像性に優れた画像を得ることができる。また、
導電性微粉末を介して接触帯電部材が像担持体と緻密な
接触性を有することで像担持体の一様帯電性を高める上
でより優位であり、現像での転写残トナーの回収不良及
び潜像形成工程での露光の遮光による画像欠陥の発生を
抑制する上でより優位となる。
【0188】また、本発明の現像剤は、0.60μm以
上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分
布において、1.00μm以上2.00μm未満の粒径
範囲の粒子の含有量をA個数%、2.00μm以上3.
00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量をB個数%とし
たときに、A>Bの関係を満足することが好ましく、A
>2Bの関係を満足することがより好ましい。
【0189】すなわち、2.00μm以上3.00μm
未満の粒径範囲の粒子の含有量B個数%は、1.00μ
m以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量A個
数%よりも少ないことが好ましい。本発明の現像剤の
0.60μm以上159.21μm未満の測定粒径範囲
における個数基準の粒度分布が上記関係を満足する場
合、帯電部において導電性微粉末が均一に分散して介在
することができ、良好な一様帯電性が得られる。
【0190】上記AおよびBがA>Bの関係を満足しな
い場合には、帯電部に介在する導電性微粉末の均一分散
性が低下し、あるいは接触帯電部材での導電性微粉末の
保持性が劣り、像担持体の帯電均一化効果が低下し易く
なる。また、帯電部への導電性微粉末の供給性が劣り、
長期にわたる繰り返し使用によって、像担持体の帯電の
促進効果が低下して像担持体の帯電が不安定となりやす
い。また、上記A>Bの関係が成立しない場合には、転
写性が比較的低い2.00μm以上3.00μm未満の
粒径範囲のトナー粒子がより多く帯電部に供給され保持
されるために、導電性微粉末の帯電部での保持性を相対
的に低下させ、画像形成装置の長期にわたる繰り返し使
用によっては像担持体の一様帯電を阻害しやすく、転写
残トナー粒子中のトナー粒子の微粒子が増加すること
で、転写残トナー粒子の回収性が低下し、ポジゴースト
やカブリを生じ易くなる。
【0191】つまり、2.00μm以上3.00μm未
満の粒径範囲の粒子のうちの導電性微粉末粒子は、1.
00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子径を有
する導電性微粉末よりも帯電部に導電性微粉末が介在す
ることによって得られる帯電促進効果が大幅に劣り、転
写残トナー粒子の現像での回収性向上効果にも劣る。
2.00μm以上3.00μm未満の粒径範囲の粒子の
うちのトナー粒子は、摩擦帯電性が不安定であるために
カブリを生じやすく、転写性も低い。このため、より多
くの転写残トナー粒子が帯電部に供給されることとな
り、像担持体の一様帯電を阻害しやすい。また、転写残
トナー粒子が増加すること、及び転写残トナーの摩擦帯
電性が不安定であることにより、現像での転写残トナー
粒子の回収性が低下しやすい。よって、2.00μm以
上3.00μm未満の粒径範囲の粒子径を有する粒子の
含有量が少ないことが好ましい。すなわち、現像剤の粒
度分布全体における、2.00μm以上3.00μm未
満の粒径範囲の粒子径を有する粒子の含有比率が少ない
方が好ましい。
【0192】これらの観点より、1.00μm以上2.
00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量A個数%が、
2.00μm以上3.00μm未満の粒径範囲の粒子の
含有量B個数%よりも多いことが好ましく、1.00μ
m以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量A個
数%が、2.00μm以上3.00μm未満の粒径範囲
の粒子の含有量B個数%の2倍よりも大きいことがより
好ましい。
【0193】また、3.00μm以上8.96μm未満
の粒径範囲の粒子の含有量をC個数%とするとき、この
C個数%が2.00μm以上3.00μm未満の粒径範
囲の粒子の含有量B個数%の2倍よりも大きいことが好
ましく、3倍よりも大きいことがより好ましい。
【0194】0.60μm以上159.21μm未満の
粒径範囲の個数基準の粒度分布において、2.00μm
以上3.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量B個数
%は、20個数%以下であることが好ましく、より好ま
しくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下であ
る。
【0195】また、本発明の現像剤は、0.60μm以
上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分
布において、3.00μm以上15.04μm未満の粒
径範囲での次式で示される個数分布の変動係数Knが、
5〜40であることが好ましい。
【0196】 個数分布の変動係数Kn=(Sn/D1)×100 〔式中、Snは3.00μm以上15.04μm未満の
粒径範囲における個数分布の標準偏差を表し、D1は
3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲におけ
る個数基準の平均円相当径(μm)を表す。〕 上記変動係数Knを5〜40とすることにより、トナー
粒子と導電性微粉末との均一な混合性が得られ、導電性
微粉末が像担持体上へより均一に供給されることによ
り、像担持体の帯電均一化効果をより高めることができ
る。また、トナー粒子の帯電量分布がシャープ化され、
カブリとなるトナー粒子及び転写残トナー粒子が減少
し、像担持体の帯電阻害をより安定して抑制できる。ま
た、現像工程での転写残トナー粒子の回収をより安定し
て行うことができるため、回収不良に起因する画像欠陥
をより確実に抑制できる。トナー粒子の帯電量分布をさ
らにシャープ化させるためには、上記変動係数Knが5
〜30であることがより好ましい。
【0197】また本発明の現像剤は、0.60μm以上
159.21μm未満の粒径範囲の体積基準の粒度分布
から求められる現像剤の重量平均粒径(D4)が4〜1
0μmであることが好ましく、3.00μm以上15.
04μm未満の粒径範囲において下記式で示される体積
基準の粒度分布の変動係数Kvが10〜30であること
が好ましい。
【0198】体積基準の粒度分布の変動係数Kv=(S
v/D4)×100 〔式中、Svは3.00μm以上15.04μm未満の
粒径範囲における体積分布の標準偏差を表し、D4は
3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲におけ
る体積基準の体積平均粒径(μm)を表す。〕 上記体積基準の粒度分布の変動係数Kvが10〜30で
あることで、現像剤の3.00μm以上15.04μm
未満の粒径範囲での粒子の帯電量分布がシャープ化さ
れ、カブリとなるトナー粒子及び転写残トナー粒子が減
少し、より安定して像担持体の帯電阻害を抑制できる。
また、現像同時クリーニング工程での転写残トナー粒子
の回収性を高めることができるため、回収不良による画
像欠陥を有効に防止できる。したがって、上記変動係数
Kwは10〜25であることがより好ましい。
【0199】上記変動係数KnまたはKvが上記範囲よ
りも小さすぎる場合には、トナー粒子の製造が困難とな
リ、上記変動係数KnまたはKvが上記範囲よりも大き
すぎる場合には、トナー粒子と無機微粉末及び導電性微
粉末との均一な混合性が得られにくく、像担持体の安定
した帯電促進効果が得られにくい。また、現像剤全体と
しての帯電量分布がブロードとなり、画像濃度の低下、
カブリの増大などによる画質低下を生じる。更には、転
写残トナー粒子量が増大し、帯電性を阻害し、現像同時
クリーニング工程での転写残トナー粒子の回収率が低下
する。
【0200】上記変動係数Kvを15〜30とすること
により、現像剤の3.00μm以上15.04μm未満
の粒径範囲における粒子の帯電量分布がシャープ化さ
れ、カブリとなるトナー粒子及び転写残トナー粒子が減
少し、像担持体の帯電阻害をより安定して抑制できる。
また、現像同時クリーニング工程での転写残トナー粒子
の回収性を高めることができるため、トナー粒子の回収
不良による画像欠陥を有効に防止できる。なお、上記変
動係数Kvは15〜25であることがより好ましい。
【0201】更に、本発明の現像剤は、3.00μm以
上15.04μm未満の粒径範囲において、下記式より
求められる円形度aが0.90以上である粒子を90〜
100個数%含有することが好ましく、93〜100個
数%含有することがより好ましい。
【0202】円形度a=L0/L 〔式中、L0は粒子の投影像と同じ面積をもつ円の周囲
長を示し、Lは粒子の投影像の周囲長を表す。〕 本発明者らの検討によれば、現像剤中の3.00μm以
上15.04μm未満の粒径範囲の粒子の円形度aが、
導電性微粉末の帯電部への供給性に大きく関与する。ま
た、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲で
円形度の高い粒子を多く含有する現像剤では、導電性微
粉末がトナー粒子から遊離しやすいため、帯電部への導
電性微粉末の供給性が優れ、画像形成装置の長期にわた
る繰り返し使用によっても像担持体の良好な一様帯電を
安定して維持することができる。また、現像での転写残
トナーの回収においても像担持体上に導電性微粉末がよ
り安定して供給されるため、画像形成装置の長期にわた
る繰り返し使用によっても良好な転写残トナーの回収性
を安定して維持することができる。
【0203】3.00μm以上15.04μm未満の粒
径範囲の粒子のうち、形状が歪なトナー粒子からは、本
発明の効果をもたらす粒径範囲の粒径を有する導電性微
粉末が遊離しにくい。すなわち、粒径が3.00μm以
上15.04μm未満の粒径範囲の粒子で形状が歪な粒
子が、導電性微粉末を捕捉する(遊離しない)傾向が顕
著に見られた。
【0204】このため、3.00μm以上15.04μ
m未満の粒径範囲に形状が歪な粒子を多く有する現像剤
では導電性微粉末の帯電部への供給性が劣り、画像形成
装置の長期にわたる繰り返し使用によって像担持体の帯
電の促進効果が低下し、良好な一様帯電を安定して維持
することが困難となることが判明した。また、現像での
転写残トナーの回収においても像担持体上への導電性微
粉末の供給性が劣り、良好な転写残トナーの回収性を安
定して維持することが困難となることが判明した。さら
に、導電性微粉末が3.00μm以上15.04μm未
満の粒径範囲で形状が歪な粒子に付着して帯電部へ供給
されたとしても、帯電部に安定して保持されず、像担持
体の帯電促進効果は極めて小さい。すなわち、現像剤中
の3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲の粒
子のうち、円形度の低い粒子数を少なくすることで、帯
電部への導電性微粉末の供給がより円滑となり、かつ導
電性微粉末が帯電部により安定して保持されることが判
明した。また、現像での転写残トナーの回収において
は、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲で
形状が歪な粒子に付着して像担持体上に供給される導電
性微粉末には、転写残トナーの回収助剤としての効果が
ほとんどない。
【0205】また、粒径がほぼ3μm未満のトナー粒子
では、トナー粒子の形状と上記粒径範囲の導電性微粉末
の遊離し易さには相関が弱く、トナー粒子の形状に関わ
らず、トナー粒子と導電性微粉末が遊離せず共に挙動す
る傾向が強い。
【0206】また、3.00μm以上15.04μm未
満の粒径範囲で円形度の高い粒子は、像担持体との付着
カが小さいため、転写性に優れると同時に現像同時クリ
ーニング工程での粒子の回収性にも優れる。さらに、上
述したように、導電性微粉末がトナー粒子から遊離しや
すいため、転写残トナー粒子の回収助剤としてより有効
に作用し、トナー粒子から遊離した導電性微粉末の像担
持体上への供給性に優れるため、現像同時クリーニング
工程での転写残トナー粒子の回収性をより高めることが
できる。すなわち、現像剤が3.00μm以上15.0
4μm未満の粒径範囲の粒子のうち、円形度の高い粒子
数を多く含有することで、現像同時クリーニング工程で
のトナー粒子の回収不良による画像欠陥の発生をより安
定して抑制することができる。
【0207】更なる検討の結果、現像剤の3.00μm
以上15.04μm未満の粒径範囲の粒子において、円
形度aが0.90以上である粒子を90〜100個数%
含有することにより、導電性微粉末が、トナー粒子から
遊離し易いため帯電部へより安定して供給され、帯電部
に持ち運ばれて均一に分散して安定して保持され像担持
体の帯電促進効果を示し、画像形成装置の長期にわたる
繰り返し使用によっても像担持体の良好な一様帯電をよ
り安定して維持することができることが判明した。更
に、現像同時クリーニング工程でのトナー粒子の回収性
に関しても、転写残トナー粒子の回収性を高める効果の
高い粒径範囲の粒径を有する導電性微粉末が、トナー粒
子から遊離し易く、転写工程後の像担持体上への導電性
微粉末の供給がより安定して行われることにより、転写
残トナー粒子の回収助剤としての効果が十分に発現さ
れ、より優れた転写残トナー粒子回収性を示すことが判
明した。
【0208】また、本発明の現像剤は、現像剤の3.0
0μm以上15.04μm未満の粒径範囲の粒子におい
て、円形度aが0.90以上である粒子を93〜100
個数%含有することがより好ましい。上記円形度aが
0.90以上である粒子を93〜100個数%含有する
ことで、帯電部への導電性微粉末の供給がより安定して
行われ、より高い像担持体の帯電促進効果が得られ、ク
リーナレス画像形成においても転写残トナー粒子の回収
性をより高めることができる。
【0209】なお、現像剤の3.00μm以上15.0
4μm未満の粒径範囲の粒子は、トナー粒子を主として
含むものであるが、トナー粒子のみに限定されるもので
はなく、一部は導電性微粉末あるいは他の添加剤を含む
ものであっても、その粒子の形状による、本発明の効果
をもたらす上記粒径の導電性微粉末の遊離し易さに関
し、トナー粒子と同様の傾向を示す。
【0210】本発明の現像剤は、3.00μm以上1
5.04μm未満の粒径範囲において、下記式より求め
られる円形度分布の標準偏差SDが0.045以下であ
ることが好ましい。
【0211】 標準偏差SD={Σ(ai−am2/n}1/2〔式中、a
iは3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲に
おける各粒子の円形度を表し、amは3.00μm以上
15.04μm未満の粒子の平均円形度を表し、nは粒
径が3.00μm以上15.04μm未満の全粒子数を
示す。〕 現像剤の上記円形度分布の標準偏差SDが0.045以
下であることで、トナー粒子からの導電性微粉末の遊離
性が安定し、像担持体上への導電性微粉末の供給がより
安定するため、より安定して像担持体の帯電阻害を抑制
でき、現像とクリーニングをおこなう工程(すなわち、
現像−クリーニング工程)でのトナー粒子の回収性がよ
り安定する。
【0212】本発明において、現像剤の粒径、粒度分布
及び円形度分布は、フロー式粒子像分析装置FPIA−
1000(東亜医用電子社製)によって測定される円相
当径を「粒径」と定義し、粒径0.60μm以上15
9.21μm未満の個数基準の粒度分布及び円形度分布
を用いて求められる値である。
【0213】フロー式粒子像分析装置による測定は以下
の方法によって行われる。フィルターを通して微細なご
みを取り除き、その結果として103cm3中に測定範囲
(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm
未満)の粒子数が20個以下とした水10ml中に希釈
した界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォ
ン酸塩を微細なごみを取り除いた水で10倍程度に薄め
たもの)を数滴加える。これに測定試料を適当量(例え
ば、0.5〜20mg)加え、超音波ホモジナイザー
(出力50W、6mm径ステップ型チップ)で3分間分
散処理を行い、測定試料の粒子濃度を7000〜100
00個/10-3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象
として)に調整した試料分散液を用いて、0.60μm
以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒
度分布及び円形度分布を測定する。
【0214】測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行
のFPIA−1000のカタログ(1995年6月
版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136
439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0215】試料分散液は、フラットで扁平な透明フロ
ーセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って
広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対し
て交差して通過する光路を形成するように、ストロボと
CCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に
位置するように装着される。試料分散液が流れている間
に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を
得るために1/30秒間隔で照射される。その結果、そ
れぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する
2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元
画像の面積から、この2次元画像の面積と同一の面積を
有する円の直径を円相当径として算出する。
【0216】また、それぞれの粒子の2次元画像から各
粒子の周長が求められ、この2次元画像の面積と同一の
面積を有する円の周長との比を算出することにより円形
度分布が求められる。
【0217】測定結果(粒度分布及び円形度分布の頻度
%及び累積%)は、下記の表1に示す通り、0.06〜
400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに
対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができ
る。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上15
9.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
【0218】
【表1】
【0219】なお、本発明で用いている測定装置である
「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、
平均円形度の算出に当たって、粒子を得られた円形度に
よって、円形度0.40〜1.00を61分割したクラ
スに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の
算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算
出法で算出される平均円形度の値と、各粒子の円形度の
相加平均によって算出される平均円形度との誤差は、非
常に少なく、実質的には無視できる程度のものであり、
本発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡
略化等のデータの取り扱い上の理由で、このような算出
法を用いてもよい。
【0220】なお、本発明における現像剤の粒度分布お
よび円形度分布は、上記測定方法と同様の測定原理を用
いた他の装置によって測定されるものであってもよい。
【0221】また、本発明の現像剤は、粒径が0.6〜
3μmの導電性微粉末の粒子をトナー粒子100個あた
り5〜500個有することが好ましい。粒径が0.6〜
3μmの導電性微粉末の粒子は、トナー粒子から遊離し
て挙動し易く、帯電部材に均一に付着し且つ安定して保
持される。このため、現像剤中に粒径が0.6〜3μm
の導電性微粉末の粒子をトナー粒子100個あたり5〜
500個有することで、現像工程及び転写工程において
像担持体上への導電性微粉末の供給がより促進され、像
担持体の帯電性をより安定して均一化できる。また、現
像剤中に粒径が0.6〜3μmの導電性微粉末の粒子を
トナー粒子100個あたり5〜500個有することで、
現像同時クリーニング工程における転写残トナー粒子の
回収性がより安定する。
【0222】本発明の現像剤において、粒径が0.6〜
3μmの導電性微粉末の粒子がトナー粒子100個あた
り5個未満の場合には、導電性微粉末に起因する1.0
0μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子を5〜6
0個数%含有させることが困難であり、上述した1.0
0μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子を15〜
60個数%含有することによる像担持体の帯電促進効果
および現像同時クリーニングにおける転写残トナー粒子
の回収性向上効果等の本発明の効果が著しく減少する場
合もある。また、本発明の現像剤において、粒径が0.
6〜3μmの導電性微粉末の粒子がトナー粒子100個
あたり500個よりも大幅に多いと、トナー粒子に対す
る導電性微粉末の粒子の比率が高すぎるために、トナー
粒子の摩擦帯電を阻害し、現像剤としての現像性および
転写性を低下させ、画像濃度の低下、カブリの増加、転
写残トナー粒子の増加による一様帯電性の低下および現
像同時クリーニングでの転写残トナー粒子の回収不良の
発生を生じ易くなる。このような観点から、現像剤中に
0.6〜3μmの導電性微粉末の粒子をトナー粒子10
0個あたり5〜300個有することがより好ましく、1
0〜200個有することが更に好ましい。
【0223】本発明の現像剤中でのトナー粒子100個
あたりの0.6〜3μmの導電性微粉末の個数は、以下
のように測定することにより得られる値である。すなわ
ち、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤の写真
と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素
分析手段によって導電性微粉末の含有する元素でマッピ
ングされた現像剤の写真を対照し、トナー粒子を100
個に対して、トナー粒子表面に付着或いは遊離して存在
している導電性微粉末を特定し、特定された導電性微粉
末のうち画像処理装置(例えば、日立製作所製FE−S
EMS−800から、3000〜10000倍に拡大し
た画像情報をインターフェースを介して、例えばニコレ
社製画像解析装置Luzex IIIに導入し解析す
る)によって求められる円相当径0.6〜3μmの導電
性微粉末の粒子数をカウントして得られる値である。
【0224】また、本発明の現像剤は、導電性微粉末の
含有量が現像剤全体の0.5〜10質量%であることが
好ましい。導電性微粉末の含有量を上記範囲とすること
により、像担持体の帯電を促進するための適度な量の導
電性微粉末を帯電部に供給することができ、現像同時ク
リーニングにおいて転写残トナー粒子の回収性を高める
ために必要な量の導電性微粉末を像担持体上に供給する
ことができる。現像剤の導電性微粉末の含有量が上記範
囲よりも小さすぎる場合には、帯電部に供給される導電
性微粉末量が不足し易く、像担持体の安定した帯電促進
効果が得られにくい。この場合、現像同時クリーニング
を用いる画像形成においても、現像時に転写残トナー粒
子とともに像担持体上に介在する導電性微粉末量が不足
し易く、転写残トナー粒子の回収性が十分には向上しな
い場合がある。また、現像剤の導電性微粉末の含有量が
上記範囲よりも大きすぎる場合には、過剰の導電性微粉
末が帯電部に供給され易く、帯電部に保持しきれない導
電性微粉末が多量に像担持体上に排出されることによる
露光不良を生じ易くなる。また、トナー粒子の摩擦帯電
特性を低下させる、或いは乱し、画像濃度低下やカブリ
の増加の原因となる場合がある。このような観点から、
現像剤の導電性微粉末の含有量は、1〜10質量%であ
ることがより好ましく、1.2〜5質量%であることが
さらに好ましい。
【0225】また、導電性微粉末の抵抗は、像担持体の
帯電促進効果および転写残トナー粒子回収性の向上効果
を現像剤に付与するために、109Ω・cm以下である
ことが好ましい。導電性微粉末の抵抗が上記範囲よりも
大きすぎると、導電性微粉末を帯電部材と像担持体との
接触部或いはその近傍の帯電領域に介在させ、導電性微
粉末を介しての接触帯電部材の像担持体への緻密な接触
性を維持させても、像担持体の良好な一様帯電性を得る
ための帯電促進効果が小さくなる。現像同時クリーニン
グにおいても、導電性微粉末が転写残トナー粒子と同極
性の電荷を帯び易くなり、導電性微粉末の電荷が転写残
トナー粒子と同極性で大きくなると、転写残トナー粒子
回収性の向上効果が大幅に低下する。
【0226】導電性微粉末による像担持体の帯電促進効
果を十分に引き出し、像担持体の良好な一様帯電性を安
定して得るためには、導電性微粉末の抵抗が接触帯電部
材の表面部或いは像担持体との接触部の抵抗よりも小さ
いことが好ましく、この接触帯電部材の抵抗の1/10
0以下であることがさらに好ましい。
【0227】更に、導電性微粉末の抵抗が106Ω・c
m以下であることが、絶縁性の転写残トナー粒子の接触
帯電部材への付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像
担持体の一様帯電をより良好に行わせる上で、また、現
像同時クリーニングにおいて転写残トナー粒子の回収性
の向上効果をより安定して得る上で好ましい。この導電
性微粉末の抵抗は100〜105Ω・Cmであることがさ
らに好ましい。
【0228】本発明において、導電性微粉末の抵抗測定
は錠剤法により測定し正規化して求めることができる。
即ち、底面積2.26cm2の円筒内に約0.5gの粉
体試料を入れ、粉体試料の上下に配置された上下電極間
に15kgの加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加
して抵抗値を計測し、その後正規化して比抵抗を算出す
る。
【0229】また、導電性微粉末は、透明、白色または
淡色の導電性微粉末であることが、転写材上に転写され
る導電性微粉末がカブリとして目立たないため好まし
い。潜像形成工程における露光光の妨げになることを防
ぐ点からも、導電性微粉末は透明、白色或いは淡色の導
電性微粉末であることが好ましい。さらに、導電性微粉
末はこの静電潜像を形成する像露光光に対する透過率が
30%以上であることが好ましい。この透過率は35%
以上であることがさらに好ましい。
【0230】以下、本発明における導電性微粉末の光透
過性の測定方法の一例を示す。片面に接着層を有する透
明なフィルムの接着層上に導電性微粉末を一層分固定し
た状態で透過率を測定する。光はシートの鉛直方向から
照射し、フィルム背面まで透過した光を集光してその光
量を測定する。フィルムのみの場合と導電性微粉末を付
着したときの光量の差に基づいて、正味の光量としての
光透過率を算出した。実際にはX−Rite社製310
T透過型濃度計を用いて測定することができる。
【0231】また、導電性微粉末は非磁性であることが
好ましい。導電性微粉末が非磁性であることで、透明、
白色または淡色の導電性微粉末が得られやすい。反対
に、磁性を有する導電性材料は、透明、白色または淡色
とすることが困難である。また、現像剤担持のために磁
気力による現像剤の搬送及び保持を行う画像形成法にお
いては、磁性を有する導電性微粉末は現像されにくいた
め、像担持体上への導電性微粉末の供給が不足したり、
現像剤担持体表面に導電性微粉末が蓄積することによ
り、トナー粒子の現像を妨げる等の弊害を起こし易い。
更に、磁性トナー粒子に磁性を有する導電性微粉末を添
加すると、磁気的凝集力によりトナー粒子から導電性微
粉末が遊離しにくくなる傾向があり、導電性微粉末の像
担持体上への供給性が低下し易い。
【0232】本発明における導電性微粉末としては、例
えばカーボンブラック、グラファイトなどの炭素微粉
末;銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微
粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウ
ム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸
化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングステ
ンなどの金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウ
ム、チタン酸カリなどの金属化合物、あるいはこれらの
複合酸化物などが必要に応じて粒度及び粒度分布を調整
することで使用できる。
【0233】導電性微粉末は、これらの中でも酸化亜
鉛、酸化スズ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種
の酸化物を含有していることが好ましい。更には、酸化
亜鉛、酸化スズ、酸化チタン等の無機酸化物を少なくと
も表面に有する微粒子が特に好ましい。これらの酸化物
は、導電性微粉末としての抵抗を低く設定することが可
能であり、非磁性であり、白色或いは淡色であり、転写
材上に転写される導電性微粉末がカブリとして目立たな
いため好ましい。
【0234】また、導電性微粉末が導電性無機酸化物か
らなる場合或いは導電性無機酸化物を含む場合には、抵
抗値を制御する等の目的で、該導電性無機酸化物の主金
属元素と異なるアンチモン、アルミニウムなどの元素を
含有させた金属酸化物や、導電性材料を用いることもで
きる。例えば、アルミニウムを含有する酸化亜鉛、アン
チモンを含有する酸化第二スズ微粒子、あるいは酸化チ
タン、硫酸バリウム或いはホウ酸アルミニウムの表面を
アンチモンを含有する酸化スズで処理して得られる微粒
子などである。導電性無機酸化物にアンチモン、アルミ
ニウムなどの元素を含有させる量としては、0.05〜
20重量%とすることが好ましく、より好ましくは0.
05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%で
ある。
【0235】また、該無機酸化物を酸素欠損型とした導
電性無機酸化物も好ましく用いられる。
【0236】市販の酸化スズ・アンチモン処理された導
電性酸化チタン微粒子としては、例えばEC−300
(チタン工業株式会社)、ET−300、HJ−1、H
I−2(以上、石原産業株式会社)、W−P(三菱マテ
リアル株式会社)などが挙げられる。
【0237】市販のアンチモンドープの導電性酸化スズ
としては、例えばT−1(三菱マテリアル株式会社)や
SN−100P(石原産業株式会社)などが、また市販
の酸化第二スズとしては、SH−S(日本化学産業株式
会社)などが挙げられる。
【0238】特に好ましいものとしては、高い白色度或
いは透光性が得られる点で、アルミニウムを含有する酸
化亜鉛等の金属酸化物、酸素欠損型の酸化亜鉛、酸化ス
ズ、酸化チタン等の金属酸化物、及びこれらを少なくと
も表面に有する微粒子が挙げられる。
【0239】また、導電性微粉末の体積平均粒径は0.
5〜10μmであることが好ましい。導電性微粉末の体
積平均粒径が上記範囲よりも小さすぎると、現像性の低
下を防ぐために、導電性微粉末の現像剤に対する含有量
を小さく設定しなければならない。導電性微粉末の添加
量を少なく設定しすぎると、導電性微粉末の有効量を確
保できず、帯電工程において、絶縁性の転写残トナー粒
子の付着・混入による接触帯電部材への帯電阻害に打ち
勝って像担持体の帯電を良好に行わせるのに十分な量の
導電性微粉末を、帯電部材と像担持体との接触部或いは
その近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電不
良を生じ易くなる。この観点から、導電性微粉末の体積
平均粒径は0.6μm以上であることがより好ましく、
0.8μm以上であることがさらに好ましい。
【0240】また、導電性微粉末の体積平均粒径が上記
範囲よりも大きすぎると、帯電部材から脱落した導電性
微粉末が、静電潜像を形成する露光光を遮光或いは拡散
するため、静電潜像の欠陥を生じて画像品位を低下させ
る場合があり好ましくない。更に、導電性微粉末の体積
平均粒径が上記範囲よりも大きすぎると、単位重量当た
りの導電性微粉末の粒子数が減少するため、転写残トナ
ー粒子の回収性向上が十分には得られなくなる。また、
導電性微粉末の粒子数が減少するため、帯電部材からの
導電性微粉末の脱落等による帯電部材及びその近傍に介
在する導電性微粉末の減少、劣化を考慮すると、導電性
微粉末を帯電部材と像担持体との接触部或いはその近傍
の帯電領域に逐次供給し続け介在させるために、また、
接触帯電部材が導電性微粉末を介して像担持体への緻密
な接触性を維持し良好な一様帯電性を安定して得るため
には、導電性微粉末の現像剤に対する含有量を大きくせ
ざるを得なくなる。しかし、導電性微粉末の含有量を大
きくしすぎると、特に高湿環境下での現像剤全体として
の帯電能、現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛
散を生ずる。このような観点から、導電性微粉末の体積
平均粒径は5μm以下であることがより好ましく、最適
には3μm以下であることが良い。
【0241】上記導電性微粉末の体積平均粒径及び粒度
分布の測定法を例示する。コールター社製、LS−23
0型レーザー回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュ
ールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定
範囲とし、得られる体積基準の粒度分布より導電性微粉
末の体積平均粒径を算出する。測定手順としては、純水
10ccに微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微
粉末の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモ
ジナイザー)にて10分間分散した後、測定時間90
秒、測定回数1回で測定する。
【0242】本発明において、導電性微粉末の粒度及び
粒度分布の調整方法としては、導電性微粉末の一次粒子
が製造時において所望の粒度及び粒度分布が得られるよ
うに製造法、製造条件を設定する方法以外にも、一次粒
子の小さな粒子を凝集させる方法、一次粒子の大きな粒
子を粉砕する方法或いは分級による方法等が可能であ
り、更には、所望の粒度及び粒度分布の基材粒子の表面
の一部もしくは全部に導電性粒子を付着或いは固定化す
る方法、所望の粒度及び粒度分布の粒子に導電性成分が
分散された形態を有する導電性微粒子を用いる方法等も
可能であり、これらの方法を組み合わせて導電性微粉末
の粒度及び粒度分布を調整することも可能である。
【0243】導電性微粉末の粒子が凝集体として構成さ
れている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径と
して定義される。導電性微粉末は、一次粒子の状態で存
在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在する
ことも間題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体
として帯電部材と像担持体との接触部或いはその近傍の
帯電領域に介在し、帯電補助或いは促進の機能が実現で
きればその形態は問わない。
【0244】本発明の現像剤は、1次粒子の個数平均径
が4〜80nmの無機微粉末をさらに有する。無機微粉
末の1次粒子の個数平均径が上記範囲よりも大きすぎる
場合、または上記範囲の無機微粉末が添加されていない
場合には、転写残トナー粒子が帯電部材へ付着した際に
帯電部材に固着し易くなり、像担持体の良好な一様帯電
性を安定して得ることが困難となる。また、導電性微粉
末を現像剤中でトナー粒子に対して均一に分散させるこ
とが困難となり、導電性微粉末の像担持体上への供給む
らを生じやすく、接触帯電部材への供給むらを生じた場
合には導電性微粒子の供給が不足した部分に対応した像
担持体の帯電不良を生じ、画像欠陥となりやすい。ま
た、現像同時クリーニング時において像担持体上の導電
性微粉末の介在量のむらが生ずる場合には、転写残トナ
ー粒子の回収性が一時的或いは部分的に低下することに
よる回収不良を生じる。更に、現像剤の良好な流動性が
得られず、トナー粒子への摩擦帯電付与が不均一になり
易いため、カブリの増大、画像濃度の低下、トナー飛散
等の問題が生じやすい。無機微粉末の1次粒子の個数平
均径が4nmよりも小さい場合には、無機微粉末の凝集
性が強まり、一次粒子ではなく解砕処理によっても解れ
難い強固な凝集性を持つ粒度分布の広い凝集体として挙
動し易くなるため、無機微粉末の凝集体の現像による画
像抜け、像担持体、現像剤担持体或いは接触帯電部材等
を傷つけるなどによる画像欠陥を生じ易くなる。これら
の観点から、無機微粉末の1次粒子の個数平均径は6〜
50nmであることがより好ましく、8〜35nmであ
ることが更に好ましい。
【0245】すなわち本発明において、上記1次粒子の
平均径を有する無機微粉末は、トナー粒子の表面に付着
させることで現像剤の流動性を改良し、トナー粒子の摩
擦帯電を均一化するために添加されるのみでなく、導電
性微粉末を現像剤中でトナー粒子に対して均一に分散さ
せ、像担持体上に均一に導電性微粉末を供給せしめる効
果も併せ持つ。
【0246】本発明において、無機微粉末の1次粒子の
個数平均径は以下の方法により測定することにより得ら
れる値である。すなわち、走査型電子顕微鏡により拡大
撮影した現像剤の写真と、更に走査型電子顕微鏡に付属
させたXMA等の元素分析手段によって無機微粉末の含
有する元素でマッピングされた現像剤の写真を対照し、
トナー表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉
末の1次粒子を100個以上測定し、個数平均径を求め
ることが出来る。
【0247】また、本発明において無機微粉末は、1次
粒子の個数平均径4〜80nmのシリカ、チタニア、ア
ルミナから選ばれる少なくとも1種を含有することが好
ましい。例えば、シリカ微粉体としてはケイ素ハロゲン
化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又は
ヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス
等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能
であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノー
ル基が少なく、またNaO、SO3-等の製造残滓の少
ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおい
ては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩
化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化
合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化
物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含す
る。
【0248】また、本発明において無機微粉末は、疎水
化処理されていることが好ましい。無機微粉末を疎水化
処理することによって、無機微粉末の高湿環境における
帯電性の低下を防止し、無機微粉末が表面に付着したト
ナー粒子の摩擦帯電量の環境安定性を向上させること
で、現像剤としての画像濃度、カブリ等の現像特性の環
境安定性をより高めることができる。無機微粉末の帯電
性、及び無機微粉末が表面に付着したトナー粒子の摩擦
帯電量の環境による変動を抑制することで、導電性微粉
末のトナー粒子からの遊離し易さが変動することを防止
でき、導電性微粉末の像担持体上への供給量を安定化
し、像担持体の帯電性及び転写残トナー粒子回収性の環
境安定性を高めることができる。
【0249】疎水化処理の処理剤としては、シリコーン
ワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
ル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シラン
カッブリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化
合物の如き処理剤を単独で或いは併用して処理しても良
い。その中でも、無機微粉末は少なくともシリコーンオ
イルで処理されていることが特に好ましい。
【0250】上記シリコーンオイルは、25℃における
粘度が10〜200,000mm2/sのものが、さら
には3,000〜80,000mm2/sのものが好ま
しい。シリコーンオイルの粘度が上記範囲よりも小さす
ぎる場合には、無機微粉末の処理に安定性が無く、処理
したシリコーンオイルが熱および機械的な応力により脱
離、転移或いは劣化して画質が劣化する傾向がある。ま
た、粘度が上記範囲よりも大きすぎる場合には、無機微
粉末の均一な処理が困難になる傾向がある。
【0251】使用されるシリコーンオイルとしては、例
えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイル等が特に好ましい。
【0252】シリコーンオイルの処理の方法としては、
例えばシラン化合物で処理された無機微粉末とシリコー
ンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直
接混合してもよいし、無機微粉末にシリコーンオイルを
噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシ
リコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ
微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。無機
微粉末の凝集体の生成が比較的少ない点から、噴霧機を
用いる方法がより好ましい。
【0253】シリコーンオイルの処理量は無機微粉末1
00質量部に対し1〜23質量部、好ましくは5〜20
質量部が良い。シリコーンオイルの量が上記範囲よりも
少なすぎると良好な疎水性が得られず、多すぎるとカブ
リ発生等の不具合が生ずることがある。
【0254】また、本発明において無機微粉末は、少な
くともシラン化合物で処理すると同時に、またはその後
にシリコーンオイルで処理されていることが好ましい。
無機微粉末の処理にシラン化合物を用いることが、シリ
コーンオイルの無機微粉末への付着性を高めて、無機微
粉末の疎水性及び帯電性を均一化する上で特に好まし
い。
【0255】無機微粉末の処理条件としては、例えば第
一段反応としてシリル化反応を行いシラノール基を化学
結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーン
オイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することができ
る。
【0256】また、本発明の現像剤は、無機微粉末の含
有量が現像剤全体の0.1〜3.0質量%であることが
好ましい。無機微粉末の含有量が上記範囲より少なすぎ
る場合には、無機微粉末を添加することの効果が十分に
得られず、また上記範囲より多すぎる場合には、トナー
粒子に対して過剰な無機微粉末が導電性微粉末を被覆し
てしまい、導電性微粉末が抵抗が高い場合と同様な挙動
を示すようになり、像担持体上への導電性微粉末の供給
性の低下、帯電促進効果の低下、転写残トナー粒子の回
収性の低下等の本発明の効果を損なうようになる。無機
微粉末の含有量は、現像剤全体の0.3〜2.0質量%
であることがより好ましく、さらに好ましくは0.5〜
1.5質量%である。
【0257】本発明で用いられる1次粒子の個数平均径
が4〜80nmの無機微粉末は、BET法で測定した窒
素吸着による比表面積が20〜250m2/gのものが
好ましく、40〜200m2/gのものがより好まし
い。比表面積は、BET法に従い、比表面積測定装置オ
ートソ一ブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表
面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出す
ることができる。
【0258】本発明において、トナー粒子は結着樹脂及
び着色剤を少なくとも含有する着色樹脂粒子である。ト
ナー粒子の抵抗は1010Ω・cm以上であることが好ま
しく、1012Ω・cm以上であることがより好ましい。
トナー粒子が実質的に絶縁性を示さなければ、現像性と
転写性とを両立することが困難である。また、トナー粒
子への現像電界による電荷の注入を生じ易く、現像剤の
帝国を乱しカブリを生ずる。
【0259】本発明に使用されるトナー粒子が含有する
結着樹脂の種類としては、例えば、スチレン系樹脂、ス
チレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天
然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、
キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、
クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。
【0260】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、ビニルトルエン等
のスチレン誘導体;例えば、アクリル酸又はアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エ
ステル類;例えば、メタクリル酸又はメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸オクチル等のメタクリル酸エステル類;例えば、
マレイン酸又はマレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、
マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカル
ボン酸エステル類;例えば、アクリルアミド、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン又は塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエ
ステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等
のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチ
ルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケト
ン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエ
ーテル類;等のビニル系単量体が単独もしくは2つ以上
用いられる。
【0261】ここで、架橋剤としては、主として2個以
上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例
えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のよう
な芳香族ジビニル化合物;例えぼエチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル
基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いら
れる。
【0262】結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、
50〜70℃であることが好ましい。ガラス転移点温度
が上記範囲よりも低すぎると場合には現像剤の保存性が
低下し、高すぎる場合には定着性に劣る。
【0263】本発明で用いられるトナー粒子にワックス
成分を含有させるのは好ましい形態のひとつである。本
発明に用いられるトナー粒子に含有されるワックスとし
ては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体、マイク
ロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッ
シャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワッ
クス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素
系ワックスの酸化物;または、それらのブロック共重合
物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスな
どの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カ
ルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全
部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミ
チン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖
のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類などの
飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン
酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルア
ルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコー
ル、カルナウビルアルコール、セチルアルコール、メリ
シルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有す
る長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;
ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミ
ド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸
アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレン
ビスカブリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和
脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、
ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオ
レイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシ
ン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレン
ビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソ
フタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリ
ン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩
(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化
水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系
モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニ
ン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部
分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得
られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物な
どが挙げられる。
【0264】本発明においては、該ワックスを結着樹脂
100質量部に対して好ましくは0.5〜20質量部、
より好ましくは0.5〜15質量部の範囲で用いられ
る。
【0265】本発明に使用されるトナー粒子が含有する
着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、
鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロ
シアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエ
ローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、クロム
イエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズ
ベンガル、トリアリールメタン系染料、モノァゾ系、ジ
スアゾ系染顔料等、従来公知の染顔料を単独或いは混合
して使用し得る。
【0266】本発明の現像剤は、磁場79.6kA/m
における磁化の強さが10〜40Am2/kgである磁
性現像剤であることが好ましい。現像剤の磁化の強さは
20〜35Am2/kgであることがより好ましい。
【0267】本発明において磁場79.6kA/mにお
ける磁化の強さを規定する理由は以下の通りである。通
常、磁性体の磁気特性を表す量としては磁気飽和におけ
る磁化の強さ(飽和磁化)が用いられるが、本発明にお
いては画像形成装置内で実際に磁性現像剤に作用する磁
場における磁性現像剤の磁化の強さが重要であるためで
ある。画像形成装置に磁性現像剤が適用される場合、磁
性現像剤に作用する磁場は、画像形成装置外への磁場の
漏洩を大きくしないため或いは磁場発生源のコストを低
く抑えるために、市販されている多くの画像形成装置に
おいて数十から百数十kA/mであり、画像形成装置内
で実際に磁性現像剤に作用する磁場の代表的な値として
磁場79.6kA/m(1000エルステッド)を選択
し、磁場79.6kA/mにおける磁化の強さを規定し
た。
【0268】現像剤の磁場79.6kA/mにおける磁
化の強さが上記範囲よりも小さすぎる場合には、磁気力
により現像剤搬送を行うことが困難となり、現像剤担持
体上に均一に現像剤を担持させることができなくなる。
また、磁気力により現像剤搬送を行う場合には、一成分
系磁性現像剤の穂立ちを均一に形成できないために、導
電性微粉末の像担持体への供給性が低下し、転写残トナ
ー粒子の回収性も低下する。磁場79.6kA/mにお
ける磁化の強さが上記範囲よりも大きすぎる場合には、
トナー粒子の磁気凝集性が高まり、導電性微粉末の現像
剤中での均一な分散及び像担持体への供給が困難とな
り、本発明の効果である像担持体の帯電促進効果又はト
ナー回収性促進効果が損なわれる。
【0269】このような磁性現像剤を得る手段として
は、トナー粒子に磁性体を含有させる。本発明において
現像剤を磁性現像剤とするためトナー粒子に含有させる
磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェラ
イト等の磁性酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケル等の金属
或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、
鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウ
ム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セ
レン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属の合
金及びその混合物が挙げられる。
【0270】これらの磁性体の磁気特性としては、磁場
795.8kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2
/kg、残留磁化が1〜100Am2/kg、抗磁力が
1〜30kA/mであるものが好ましく用いられる。こ
れらの磁性体は結着樹脂100重量部に対し、20〜2
00重量部で用いられる。このような磁性体の中でもマ
グネタイトを主とするものが特に好ましい。
【0271】本発明において磁性現像剤の磁化の強さ
は、振動型磁カ計VSM P−1−10(東英工業社
製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA
/mで測定することができる。また、磁性体の磁気特性
は、25℃の室温にて外部磁場796kA/mで測定す
ることができる。
【0272】また、本発明において現像剤は、100メ
ッシュパス−200メッシュオン粒径の球形鉄粉に対す
る摩擦帯電量が絶対値で、20〜100mC/kgであ
ることが好ましい。現像剤の摩擦帯電量が絶対値で上記
範囲よりも小さすぎる場合には、トナー粒子の転写性が
低下することで転写残トナー粒子が増大するため、像担
持体の帯電性が低下し易くなり、転写残トナー粒子の回
収の負荷が大きくなり回収不良を生じ易くなる。現像剤
の摩擦帯電量が絶対値で上記範囲よりも大きすぎる場合
には、現像剤の静電的凝集性が高まり、導電性微粉末の
現像剤中での均一な分散及び像担持体への供給が困難と
なり、本発明の効果である像担持体の帯電促進効果又は
トナー回収性促進効果が損なわれる。特に磁性現像剤の
場合には、現像剤が磁気凝集性を併せ持つために静電的
凝集性をより抑制することが必要であり、磁性現像剤の
100メッシュパス−200メッシュオンの鉄粉に対す
る摩擦帯電量は絶対値で25〜50mC/kgであるこ
とが好ましい。
【0273】本発明における現像剤の摩擦帯電量の測定
法を図面を用いて詳述する。図5は現像剤の摩擦帯電量
を測定する装置の説明図である。23℃、相対湿度60
%の環境下、先ず摩擦帯電量を測定しようとする現像剤
と100メッシュパス−200メッシュオンの粒径の球
形の鉄粉キャリア(例えば、同和鉄粉社製球形鉄粉DS
P138を使用することが可能である)の質量比5:9
5(例えば、現像剤0.5gに鉄粉キャリア9.5g)
の混合物を50〜100mlの容量のポリエチレン製の
瓶に入れ100回震盪する。次いで、底に500メッシ
ュのスクリーン53を備える金属製の測定容器52に前
記混合物約0.5gを入れ、金属製のフタ54をする。
この時の測定容器52全体の重量を秤り、これをW1
(g)とする。次に、吸引機51(少なくとも測定容器
52と接する部分は絶縁体)において、吸引口57から
吸引し、風量調節弁56を調整することにより真空計5
5の圧力を2450Paとする。この状態で充分(約1
分間)吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位
計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58はコン
デンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後
の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。この現
像剤の摩擦帯電量は下式の如く計算される。
【0274】現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)=CX
V/(W1−W2) 本発明において現像剤は、荷電制御剤を含有することが
好ましい。荷電制御剤のうち、現像剤を正荷電性に制御
するものとして、例えば下記の物質がある。
【0275】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタ
ングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の
金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキ
サイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオル
ガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチ
ルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどの
ジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダ
ゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組み合
わせて用いることができる。これらの中でも、トリフェ
ニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない
四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式
(1)で表されるモノマーの単重合体:前述したスチレ
ン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き
重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用
いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結
着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【外1】
【0276】特に下記一般式(2)で表される化合物が
本発明の構成においては好ましい。
【外2】
【0277】〔式中、R1,R2,R3,R4,R5,R
6は、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原
子、置換もしくは未置換のアルキル基または、置換もし
くは未置換のアリール基を表す。R7,R8,R9は、各
々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。A-は、硫
酸イオン、硝酸イオン、ほう酸イオン、りん酸イオン、
水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、
有機りん酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほう酸イオ
ン、テトラフルオロボレートなどの陰イオンを示す。〕 また、現像剤を負荷電性に制御するものとして次の物質
が挙げられる。例えば、有機金属錯体、キレート化合物
が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金
属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカ
ルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロ
キシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びそ
の金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフ
ェノール誘導体類などがある。
【0278】また、次に示した一般式(3)で表される
アゾ系金属錯体が好ましい。
【外3】
【0279】〔式中、Mは配位中心金属を表わし、S
c、Ti、V、Cr、Co、Ni、Mn、Fe等が挙げ
られる。Arはアリール基であり、フェニル基、ナフチ
ル基が挙げられ、置換基を有していてもよい。この場合
の置換基としては、ニトロ基ハロゲン基、カルポキシル
基、アニリド基および炭素数1〜18のアルキル基、ア
ルコキシ基などがある。X、X′、Y、Y′は−O−、
−CO−、−NH−又は−NR−(Rは炭素数1〜4の
アルキル基)である。Kは水素、ナトリウム、カリウ
ム、アンモニウム、脂肪族アンモニウムあるいはなしを
示す。〕 特に中心金属としてはFe、Crが好ましく、置換基と
してはハロゲン、アルキル基、アニリド基が好ましく、
カウンターイオンとしては水素、アンモニウム、脂肪族
アンモニウムが好ましい。
【0280】あるいは、次の一般式(4)に示した塩基
性有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発
明に使用できる。特に中心金属としてはFe、Al、Z
n、Zr、Crが好ましく、置換基としてはハロゲン、
アルキル基、アニリド基が好ましく、カウンターイオン
としては水素、アルカリ金属、アンモニウム、脂肪族ア
ンモニウムが好ましい。またカウンターイオンの異なる
錯塩の混合物も好ましく用いられる。
【外4】
【0281】荷電制御剤を現像剤に含有させる方法とし
ては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法と
がある。これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹
脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー
製造方法によって決定されるもので、一義的に限定され
るものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に
対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5
質量部の範囲で用いられる。
【0282】本発明に係るトナー粒子を製造するにあた
っては、上述したような構成材料をボールミルその他の
混合機により十分混合した後、加熱ロール、ニーダー、
エクストルーダー等の熱混練機を用いて良く混練し、冷
却固化後、粉砕、分級、必要に応じてトナー形状調整等
の表面処理を行ってトナー粒子を得る方法が好ましく、
他には、特公昭56−13945号公報等に記載のディ
スク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化
し球状トナー粒子を得る方法;結着樹脂溶液中に構成材
料を分散した後、噴霧乾燥することによりトナー粒子を
得る方法;特公昭36−10231号公報、特開昭59
−53856号公報、特開昭59−61842号公報に
述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナー粒子を
生成する方法;水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合
しトナー粒子を生成するソープフリー重合方法に代表さ
れる乳化重合方法;樹脂微粒子及び着色剤等を溶液中に
おいて会合させてトナー粒子を生成させる会合重合法;
単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤
を用い直接トナー粒子を生成する分散重合方法;あるい
はコア材、シェル材から成るいわゆるマイクロカプセル
トナーにおいて、コア材あるいはシェル材、またはこれ
らの両方に所定の材料を含有させる方法等の方法が応用
できる。
【0283】トナー粒子の形状調整のための処理として
は、粉砕法により得られたトナー粒子を水中或いは有機
溶液中に分散させ加熱或いは膨潤させる方法、熱気流中
を通過させる熱処理法、機械的エネルギーを付与して処
理する機械的衝撃法などが挙げられる。機械的衝撃力を
加える手段としては、例えばホソカワミクロン社製のメ
カノフージョンシステムや奈良機械製作所製のハイブリ
ダイゼーションシステム等の装置のように、高速回転す
る羽根によりトナー粒子をケーシングの内側に遠心力に
より押しつけ、圧縮力又は/及び摩擦力等の力によりト
ナー粒子に機械的衝撃力を加える方法が挙げられる。
【0284】本発明においては、機械的衝撃を加える処
理を行う場合には、処理時の雰囲気温度をトナー粒子の
ガラス転移点Tg付近の温度(Tg±30℃)とするこ
とが、凝集防止、生産性の観点から好ましい。さらに好
ましくは、処理時の雰囲気温度がトナーのガラス転移点
Tg±20℃の範囲の温度で、熱機械的衝撃によるトナ
ー粒子の恭敬か処理を行うことが、導電性微粉末を有効
に働かせるのに特に有効である。
【0285】熱機械的衝撃力を繰り返し与えることによ
りトナー粒子の球形化処理を行う方法の一例を図7及び
図8を参照しながら具体的に説明する。
【0286】図7はトナー粒子の製造例2〜4で用いた
トナー粒子球形化処理装置の構造を示す模式的概略構成
図であり、図8は、図7の処理部1の構造を示す模式的
部分的断面図である。
【0287】このトナー粒子球形化処理装置は、高速回
転する羽根によりトナー粒子をケーシングの内側に遠心
力により押しつけ、少なくとも圧縮力及び摩擦力による
熱機械的衝撃力を繰り返し与えることによりトナー粒子
を球形化処理するものである。図8に示すように、処理
部1には鉛直方向に4枚の回転ロータ72a、72b、
72cおよび72dが設置されている。これら回転ロー
タ72a〜72dは、最外縁部の周速が例えば100m
/秒となるように、電動モータ84により回転駆動軸7
3を回転させることによって回転される。この時の回転
ロータ72a〜72dの回転数は、例えば、130s-1
である。さらに、吸引ブロア85(図7参照)を稼働さ
せて、各回転ロータ72a〜72dと一体に設けられた
ブレード79a〜79dの回転によって発生する気流量
と同等、またはそれよりも多い風量を吸引する。フィー
ダ86からトナー粒子が空気とともにホッパー82に吸
引導入され、導入されたトナー粒子は、粉体供給管81
及び粉体供給口80を通って第1の円筒状処理室89a
の中央部に導入される。このトナー粒子は、第1の円筒
状処理室89aでブレード79aと側壁77により球形
化処理を受け、次いで、球形化処理を受けたトナー粒子
はガイド板78aの中央部に設けられた第1の粉体排出
口90aを通って、第2の円筒状処理室89bの中央部
に導入され、さらにブレード79bと側壁77により球
形化処理を受ける。
【0288】第2の円筒状処理室89bで球形化処理さ
れたトナー粒子は、ガイド板78bの中央部に設けられ
た第2の粉体排出口90bを通って第3の円筒状処理室
89cの中央部に導入され、さらにブレード79cと側
壁77により球形化処理を受け、さらに、ガイド板78
cの中央部に設けられた第3の粉体排出口90cを通っ
て第4の円筒状処理室89dの中央部にトナー粒子は導
入され、ブレード79dと側壁77により球形化処理を
受ける。トナー粒子を搬送している空気は、第1〜第4
の円筒状処理室89a〜89dを経由し、搬出管93、
パイプ97、サイクロン91、バグフィルター92、及
び吸引ブロア85を通って装置システムの系外に排出さ
れる。
【0289】各円筒状処理室89a〜89d内に導入さ
れたトナー粒子は、各ブレード79a〜79dによって
瞬聞的に機械的打撃作用を受け、さらに、側壁77に衝
突して機械的衝撃力を受ける。回転ロータ72a〜72
dにそれぞれ設置されている所定の大きさのブレード7
9a〜79dの回転により、回転ロータ面の上方空間
に、中央部から外周へ、外周から中央部へ循環する対流
が発生する。トナー粒子は円筒状処理室89a〜89d
内に滞留し、球形化処理を受ける。この機械的衝撃力に
より発生する熱により、トナー粒子表面がトナー粒子を
構成する結着樹脂のガラス転移温度付近にまで温度上昇
する場合には、熱機械的衝撃力によるトナー粒子の球形
化がなされる。各円筒状処理室89a〜89dを経由す
ることにより、連続的に効率良くトナー粒子は球形化さ
れる。
【0290】トナー粒子の球形化の度合いは、トナー粒
子の球形化処理部での滞留時間及び温度等によって調整
することが可能であり、具体的には、回転ロータの回転
速度、回転数、ブレードの高さ、幅及び枚数、ブレード
外周と側壁とのクリアランス、吸引ブロアの吸引風量、
また、球形化処理部に導入される際のトナー粒子温度及
びトナー粒子を搬送する空気温度等によって調整され
る。
【0291】また、バッチ式の装置として、奈良機械
(株)製として商品化されているハイブリタイゼーショ
ンシステムを用いるのも好ましい例の一つである。
【0292】粉砕法により得られるトナー粒子の形状を
制御するには、結着樹脂等のトナー粒子構成材料の選択
及び粉砕時の条件を適宜設定することで可能であるが、
気流式粉砕機でトナー粒子の円形度を高めようとすると
生産性が低下し易く、機械式粉砕機を用いてトナー粒子
の円形度を高める条件を設定することが好ましい。
【0293】本発明においては、トナー粒子の粒度分布
の変動係数を低く抑えるためには、分級工程において多
分割分級機を用いることが生産性の点で好ましい。ま
た、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲のト
ナー粒子の超微粒子を少なくするためには、粉砕工程に
おいて機械式粉砕機を用いることが好ましい。
【0294】上記のようにして得られたトナー粒子に外
部添加剤を加え混合機により混合し、さらに必要に応じ
篩を通過させることで、本発明に係る現像剤を製造する
ことができる。
【0295】粉砕法によってトナー粒子を製造する場合
に用いられる製造装置としては、例えば混合機として
は、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミ
キサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社
製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロ
ミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミ
キサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツ
ボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダ
ー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss
社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX
二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄
工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、
ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山
社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製
作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が
挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、
ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社
製);lDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニュ
ーマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工
所社製);ウルマックス(8曹エンジニアリング社
製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社
製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル
(ターボ工業社製)が挙げられ、この中でもクリプトロ
ン、ターボミル等の機械式粉砕機を用いることがより好
ましい。分級機としては、クラッシール、マイクロンク
ラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セ
イシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エ
ンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプ
レックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミク
ロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディ
スパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社
製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げら
れ、この中でもエルボージェット等の多分割分級機を用
いることがより好ましい。粗粒などをふるい分けるため
に用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃
栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿
工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社
製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリー
ナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社
製);円形振動篩い等が挙げられる。
【0296】本発明で用いられる各種特性付与を目的と
した現像剤への添加剤としては、例えば、以下のような
ものが用いられる。
【0297】(1)研磨剤:金属酸化物(チタン酸スト
ロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、酸化クロムなど)、窒化物(窒化ケイ素な
ど)、炭化物(炭化ケイ素など)、金属塩(硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)など。
【0298】(2)滑剤:フッ素系樹脂粉末(ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)、シ
リコン系樹脂粉末、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウムなど)など。
【0299】これら添加剤は、トナー粒子100質量部
に対し、0.05〜10質量部が用いられ、好ましくは
0.1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、また、複数併用しても良い。
【0300】〈画像形成方法、画像形成装置及びプロセ
スカートリッジ〉次に、本発明の現像剤を好適に用いる
ことができる本発明の画像形成方法及び画像形成装置に
ついて説明する。また、本発明のプロセスカートリッジ
についても説明する。
【0301】本発明の画像形成方法の第1の態様は、
(I)像担持体を帯電する帯電工程、(II)帯電工程
において帯電された像担持体の帯電面に静電潜像として
画像情報を書き込む潜像形成工程、(III)潜像形成
工程において形成された静電潜像を、上記本発明の現像
剤によりトナー画像として可視化する現像工程、(I
V)現像工程において形成されたトナー画像を転写材に
転写する転写工程を有し、これら各工程を繰り返して画
像形成を行う方法であり、この第1態様の画像形成方法
は、上記帯電工程が少なくとも像担持体とこの像担持体
に接触する帯電部材との接触部に、上記現像剤の成分が
介在した状態で、帯電部材に電圧を印加することにより
像担持体を帯電する、いわゆる接触帯電方法を用いたも
のである。
【0302】上記帯電工程は、少なくとも像担持体とこ
の像担持体に接触する帯電部材との接触部に、少なくと
も導電性微粉末を含有する現像剤の成分が介在した状態
で、帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯
電する工程であることが好ましい。
【0303】また、本発明の画像形成方法の第2の態様
は、(i)像担持体を帯電する帯電工程、(ii)帯電
工程において帯電された像担持体の帯電面に静電潜像と
して画像情報を書き込む潜像形成工程、(iii)潜像
形成工程において形成された静電潜像を、上記本発明の
現像剤によりトナー画像として可視化する現像工程、
(iv)現像工程において形成されたトナー画像を転写
材に転写する転写工程を有し、これら各工程を繰り返し
て画像形成を行う方法であり、この第2態様の画像形成
方法において、上記現像工程は静電潜像を可視化すると
ともに、トナー画像が転写材に転写された後に像担持体
に残留した現像剤を回収する工程である。
【0304】すなわち、この第2態様の画像形成方法
は、現像工程がトナー画像を転写材に転写した後に像担
持体上に残留した現像剤を回収する工程を兼ねる、いわ
ゆる現像同時クリーニング法を用いたものである。
【0305】また、本発明で用いられる画像形成装置の
第1の態様は、(A)静電潜像を担持するための像担持
体、(B)像担持体を帯電するための帯電手段、(C)
帯電手段によって帯電された像担持体を露光することに
より、像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段、
(D)潜像形成手段によって形成された静電潜像を、本
発明の現像剤を用いて現像することによりトナー画像を
形成する現像手段、(E)現像手段によって形成された
トナー画像を転写材に転写する転写手段とを少なくとも
有し、像担持体上に繰り返してトナー画像が形成される
ものであり、この第1態様の画像形成装置においては、
上記帯電手段が、少なくとも像担持体とこの像担持体に
接触する帯電部材との接触部に、現像手段によって像担
持体に付着し、転写手段による転写が行われた後も像担
持体に残留した、上記現像剤の成分が介在した状態で、
帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電す
る手段である。
【0306】上記帯電手段は、少なくとも像担持体とこ
の像担持体に接触する帯電部材との接触部に、少なくと
も導電性微粉末を含有する現像剤の成分が介在した状態
で、帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯
電する手段であることが好ましい。
【0307】また、本発明の画像形成装置の第2の態様
は、(a)静電潜像を担持するための像担持体、(b)
像担持体を帯電するための帯電手段、(c)帯電手段に
よって帯電された像担持体を露光することにより、像担
持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段、(d)潜像
形成手段によって形成された静電潜像を、本発明の現像
剤を用いて現像することによりトナー画像を形成する現
像手段、(e)現像手段によって形成されたトナー画像
を転写材に転写する転写手段とを少なくとも有し、像担
持体上に繰り返してトナー画像が形成されるものであ
り、この第2態様の画像形成装置において、上記現像手
段は静電潜像を可視化するとともに、トナー画像が転写
材に転写された後に像担持体に残留した現像剤を回収す
る手段である。
【0308】本発明のプロセスカートリッジの第1の態
様は、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によっ
て可視化し、この可視化されたトナー画像を転写材に転
写することにより画像を形成するための画像形成装置本
体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジであっ
て、前記プロセスカートリッジは、静電潜像を担持する
ための像担持体と、前記像担持体を帯電するための帯電
手段と、前記像担持体に形成された静電潜像を、本発明
の現像剤を用いて現像することによりトナー画像を形成
する現像手段とを少なくとも有し、前記帯電手段は、少
なくとも前記像担持体とこの像担持体に接触する帯電部
材との接触部に、前記現像手段によって前記像担持体に
付着し前記転写手段による転写が行われた後もこの像担
持体に残留した、前記導電性微粉末を含有する前記現像
剤の成分が介在した状態で、前記帯電部材に電圧を印加
することにより前記像担持体を帯電することを特徴とす
るものである。
【0309】前記現像手段は、前記像担持体に対向して
配置される現像剤担持体とこの現像剤担持体上に薄層の
現像剤層を形成する現像剤層規制部材とを少なくとも有
し、前記現像剤担持体上の現像剤層から前記像担持体へ
前記現像剤を転移させることにより前記トナー画像を形
成する手段であることが好ましい。
【0310】本発明のプロセスカートリッジの第2の態
様は、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によっ
て可視化し、この可視化されたトナー画像を転写材に転
写することにより画像を形成するための画像形成装置本
体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジであっ
て、前記プロセスカートリッジは、静電潜像を担持する
ための像担持体と、前記像担持体を帯電するための帯電
手段と、前記像担持体に形成された静電潜像を、本発明
の現像剤を用いて現像することによりトナー画像を形成
する現像手段とを少なくとも有し、前記現像手段は、前
記現像剤担持体上の現像剤層から前記像担持体へ前記現
像剤を転移させることにより前記静電潜像を可視化する
とともに、前記トナー画像が前記転写材に転写された後
に前記像担持体に残留した現像剤を回収することを特徴
とするものである。
【0311】前記現像手段は、前記像担持体に対向して
配置される現像剤担持体とこの現像剤担持体上に薄層の
現像剤層を形成する現像剤層規制部材とを少なくとも有
することが好ましい。
【0312】以下、本発明の画像形成方法、画像形成装
置及びプロセスカートリッジについて詳細に説明する。
【0313】まず、本発明の画像形成方法における帯電
工程は、帯電手段としてのコロナ帯電器等の非接触型の
帯電装置、または被帯電体である像担持体に、ローラ型
(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレ
ード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯電
器)を接触させ、この帯電部材(以下「接触帯電部材」
と表記する)に所定の帯電バイアスを印加して、被帯電
体面を所定の極性および電位に帯電させる接触帯電装置
によって行われる。本発明においては、コロナ帯電器等
の非接触型の帯電装置と比較して低オゾン、低電カ等の
利点がある接触帯電装置を用いることが好ましい。
【0314】また、像担持体上の転写残トナー粒子は、
形成する画像のパターンに対応するものと、画像の形成
されていない部分のいわゆるカブリトナーに起因するも
のが考えられる。形成する画像のパターンに対応する転
写残トナー粒子は、現像同時クリーニングでの完全な回
収が困難であり、回収が不十分であると回収不良のトナ
ー粒子がそのまま次に形成される画像に現れてパターン
ゴーストを生ずる。このような画像のパターンに対応す
る転写残トナー粒子は、転写残トナー粒子のパターンを
均すことによって現像同時クリーニングでの回収性を大
幅に向上させることができる。例えば、現像工程が接触
現像プロセスであれば、現像剤を担持する現像剤担持体
の移動速度と、現像剤担持体に接触している像担持体の
移動速度に相対的速度差を持たせることで、転写残トナ
ー粒子のパターンを均すと同時に転写残トナー粒子を効
率良く回収することができる。しかしながら、画像形成
中の電源の瞬断または紙詰まり時のように多量の転写残
トナー粒子が像担持体上に残る場合には、転写残トナー
粒子が像担持体上に残ったパターンで画像露光等の潜像
形成を阻害するためのパターンゴーストを生ずる。これ
に対し、接触帯電装置を用いた場合は、接触帯電部材に
よって転写残トナー粒子のパターンを均すことで、現像
工程が非接触現像プロセスであっても転写残トナー粒子
を効率良く回収することができ、回収不良によるパター
ンゴーストの発生を防止することができる。また、多量
の転写残トナー粒子が像担持体上に残る場合にも、接触
帯電部材が一旦転写残トナー粒子を堰き止め、転写残ト
ナー粒子のパターンを均して徐々に転写残トナー粒子を
像担持体上に吐き出すことにより、潜像形成阻害による
パターンゴーストを防止することができる。多量の転写
残トナー粒子が接触帯電部材に堰き止められる場合の接
触帯電部材の汚染による像担持体の帯電性の低下に関し
ては、本発明の特定の現像剤を用いることで像担持体の
一様帯電性の低下を実用上問題ない範囲にまで低減する
ことができる。この点からも、本発明においては接触帯
電装置を用いることが好ましい。
【0315】本発明においては、帯電部材の表面におけ
る移動速度と像担持体の表面における移動速度との間
に、相対的速度差を設けることが好ましい。帯電部材の
表面における移動速度と像担持体の表面における移動速
度との間に相対的速度差を設けると、接触帯電部材と像
担持体との間での大幅なトルクの増大、接触帯電部材及
び像担持体表面の顕著な削れ等を生じるが、接触帯電部
材と像担持体との接触部に現像剤が有する成分を介在さ
せることにより、潤滑効果(摩擦低減効果)が得られ、
大幅なトルクの増大や顕著な削れを伴うことなく速度差
を設けることが可能となる。
【0316】また、像担持体と像担持体に接触する帯電
部材との接触部に介在する現像剤の有する成分が、少な
くとも上述の導電性微粉末を含有することが好ましい。
更には、この接触部に介在する現像剤成分全体に対する
導電性微粉末の含有比率が、上記本発明の現像剤に含有
される導電性微粉末(本発明の画像形成に供される前の
現像剤中の導電性微粉末)の含有比率よりも高いことが
より好ましい。上記接触部に介在する現像剤の有する成
分が、少なくとも導電性微粉末を含有することで、像担
持体と接触帯電部材との間の導通路が確保され、接触帯
電部材への転写残トナー粒子の付着或いは混入による像
担持体の一様帯電性の低下を抑制することができる。ま
た、上記接触部に介在する現像剤成分全体に対する導電
性微粉末の含有比率が、上記本発明の現像剤に含有され
る導電性微粉末の含有比率よりも高いことにより、接触
帯電部材への転写残トナー粒子の付着或いは混入による
像担持体の一様帯電性の低下をより安定して抑制するこ
とができる。更に、本発明の現像剤を用いることで、帯
電部において接触帯電部材と像担持体との相対移動速度
を比較的大きく持たせた場合でも、優れた潤滑性を発揮
する1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒
子を多く含む導電性微粉末が帯電部に供給されること
で、接触帯電部材及び像担持体の削れ・傷を抑制するこ
とができる。
【0317】接触帯電部材に対する印加帯電バイアス
は、直流電圧のみであっても像担持体の良好な帯電性を
得ることが可能であるが、直流電圧に交番電圧(交流電
圧)を重畳したものであってもよい。このような交番電
圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用
可能である。また、交番電圧は、直流電源を周期的にオ
ン/オフすることによって形成されたパルス波の電圧で
あっても良い。このように、交番電圧としては、周期的
にその電圧値が変化するような波形を有するバイアスが
使用できる。
【0318】本発明において、接触帯電部材に対する印
加帯電バイアスは、放電生成物を生じない範囲で印加す
ることが好ましい。すなわち、接触帯電部材と被帯電体
(像担持体)との間の放電開始電圧よりも低いことが好
ましい。また、直接注入帯電機構が支配的である帯電方
法であることが好ましい。
【0319】現像同時クリーニング方法では、像担持体
上に残余する絶縁性の転写残トナー粒子が接触帯電部材
に接触し、付着或いは混入することで像担持体の帯電性
が低下するが、放電帯電機構が支配的である帯電方法の
場合には、接触帯電部材表面に付着したトナー層が放電
電圧を阻害する抵抗となるあたりから、像担持体の帯電
性の低下が急激に起こる。これに対し、直接注入帯電機
構が支配的である帯電方法の場合には、接触帯電部材に
付着或いは混入した転写残トナー粒子が接触帯電部材表
面と被帯電体との接触確率を低下させることにより被帯
電体(像担持体)の一様帯電性が低下し、これが静電潜
像のコントラスト及び均一性の低下となり、画像濃度を
低下させる或いはカブリを増大させる。放電帯電機構お
よび直接注入帯電機構の帯電性低下のメカニズムに基づ
くと、少なくとも像担持体と像担持体に接触する帯電部
材との接触部に導電性微粉末を介在させることによる像
担持体の帯電性低下の防止効果及び帯電促進効果は、直
接注入帯電機構においてより顕著であり、直接注入帯電
機構に本発明の現像剤を適用することが好ましい。すな
わち、放電帯電機構において像担持体と像担持体に接触
する帯電部材との接触部に少なくとも導電性微粉末を介
在させることによって、転写残トナー粒子が接触帯電部
材に付着或いは混入して形成するトナー層が帯電部材か
ら像担持体への放電電圧を阻害する抵抗とならないよう
にするためには、像担持体と像担持体に接触する帯電部
材との接触部およびその近傍の帯電領域に介在する現像
剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率をより大き
くしなければならない。従って、多量の転写残トナー粒
子が接触帯電部材に付着或いは混入する場合には、接触
帯電部材に付着或いは混入したトナー層が放電電圧を阻
害する抵抗とならないように付着或いは混入する転写残
トナー粒子量を制限するために、像担持体上により多く
の転写残トナー粒子を吐き出さねばならず、潜像形成を
阻害し易くなるのである。これに対し、直接注入帯電機
構においては、少なくとも像担持体と像担持体に接触す
る帯電部材との接触部に導電性微粉末を介在させること
によって、容易に導電性微粉末を介して接触帯電部材と
被帯電体との接触点を確保でき、接触帯電部材に付着或
いは混入した転写残トナー粒子が接触帯電部材と被帯電
体との接触確率を低下させることを防止し、像担持体の
帯電性の低下を抑制することができる。
【0320】特に、接触帯電部材の表面における移動速
度と像担持体の表面における移動速度との間に相対的速
度差を設ける場合、像担持体と接触帯電部材との接触部
に介在する現像剤成分全体の量が接触帯電部材と像担持
体との摺擦によって制限されることで像担持体の帯電阻
害をより確実に抑制し、かつ接触帯電部材と像担持体の
接触部において導電性微粉末が像担持体に接触する機会
を格段に増加することで、接触帯電部材と像担持体のよ
り高い接触性を得ることができ、導電性微粉末を介して
の像担持体への直接注入帯電をより促進することができ
る。これに対して、放電帯電は像担持体と接触帯電部材
との接触部ではなく、像担持体と接触帯電部材とが非接
触で微小間隙を有する領域で放電が行われるため、接触
部に介在する現像剤成分全体の量が制限されることによ
る帯電阻害を抑制する効果が期待できない。この観点か
らも、本発明においては直接注入帯電機構が支配的であ
る帯電方法を用いることが好ましく、放電帯電機構に頼
らない直接注入帯電機構が支配的である帯電方法を実現
するために、接触帯電部材に対する印加帯電バイアス
は、接触帯電部材と被帯電体(像担持体)との間の放電
開始電圧よりも低いことが好ましい。
【0321】接触帯電部材の表面における移動速度と像
担持体の表面における移動速度との間に相対的速度差を
設ける構成としては、接触帯電部材を回転駆動すること
によって速度差を設けることが好ましい。
【0322】また、帯電部材の表面における移動方向と
像担持体の表面における移動方向とは、互いに逆方向で
あることが好ましい。すなわち、帯電部材と像担持体は
互いに逆方向に移動することが好ましい。接触帯電部材
に持ち運ばれる像担持体上の転写残トナー粒子を接触帯
電部材に一時的に回収し均す効果を高めるために、接触
帯電部材と像担持体は互いに逆方向に移動させることが
好ましい。例えば、接触帯電部材を回転駆動し、さら
に、その回転方向は像担持体表面の移動方向とは逆方向
に回転するように構成することが望ましい。すなわち、
逆方向回転で像担持体上の転写残トナー粒子を一旦像担
持体から引き離し帯電を行うことにより、優位に直接注
入帯電を行うこと、及び潜像形成の阻害を抑制すること
が可能である。更には、転写残トナー粒子のパターンを
均す効果を高めることで、転写残トナー粒子の回収性を
高め、回収不良によるパターンゴーストの発生をより確
実に防止することが可能となる。
【0323】帯電部材を像担持体表面の移動方向と同じ
方向に移動させて相対的速度差をもたせることも可能で
ある。しかし、直接注入帯電の帯電性は像担持体の移動
速度と像担持体の移動遠度に対する帯電部材の相対移動
速度との比に依存するため、逆方向と同じ相対移動速度
比を得るには、順方向では帯電部材の移動速度が逆方向
の時に比べて大きくなるので、帯電部材を逆方向に移動
させる方が移動速度の点で有利である。また、転写残ト
ナー粒子のパターンを均す効果においても、帯電部材を
像担持体表面の移動方向と逆方向に移動させる方が有利
である。
【0324】本発明においては、像担持体の移動速度と
帯電部材の移動速度の比(相対移動速度比)は、10〜
500%であることが好ましく、20〜400%である
ことがより好ましい。相対移動速度比が、上記範囲より
も小さすぎる場合には、接触帯電部材と像担持体との接
触確率を増加させることが十分にはできず、直接注入帯
電による像担持体の帯電性を維持することが難しい場合
がある。更に、上述の像担持体と接触帯電部材との接触
部に介在する導電性微粉末の量を接触帯電部材と像担持
体との摺擦によって制限することにより像担持体の帯電
阻害を抑制する効果、及び転写残トナー粒子のパターン
を均し現像同時クリーニングでの現像剤の回収性を高め
る効果が十分には得られない場合もある。相対移動速度
比が、上記範囲よりも大きすぎる場合には、帯電部材の
移動速度を高めることとなるために、像担持体と接触帯
電部材との接触部に持ち連ばれた現像剤成分が飛散する
ことによる装置内の汚染を生じ易く、像担持体及び接触
帯電部材が摩耗し易くなるあるいは傷の発生を生じ易く
なり短寿命化する傾向がある。
【0325】また、帯電部材の移動速度が0である場合
(帯電部材が静止している状態)は、帯電部材の像担持
体との接触点が定点となるため、帯電部材の像担持体へ
の接触部の摩耗または劣化を生じ易く、像担持体の帯電
阻害を抑制する効果及び転写残トナー粒子のパターンを
均し現像同時クリーニングでの現像剤の回収性を高める
効果が低下しやすく好ましくない。
【0326】ここで記述した相対的速度差を示す相対移
動速度比は次式で表すことができる。なお、ここで帯電
部材の移動速度をVc、像担持体の移動速度をVpと
し、帯電部材の移動速度は接触部において帯電部材表面
が像担持体表面と同じ方向に移動するときを像担持体の
移動速度と同符号の値としている。
【0327】相対移動速度比(%)=|[(Vc−V
p)/Vp]×100| 本発明においては、像担持体上の転写残トナー粒子を一
時的に帯電部材に回収するとともに、導電性微粉末を帯
電部材に担持し、像担持体と帯電部材との接触部を設け
て直接注入帯電を優位に実行するために、接触帯電部材
が弾性を有することが好ましい。また、接触帯電部材に
よって転写残トナー粒子のパターンを均すことで転写残
トナー粒子の回収性を高める上でも、接触帯電部材が弾
性を有することが好ましい。
【0328】また、本発明においては、帯電部材に電圧
を印加することにより像担持体を帯電するために、帯電
部材は導電性であることが好ましい。従って、帯電部材
は弾性導電ローラ、磁性粒子を磁気拘束させた磁気ブラ
シ部を有し該磁気ブラシ部を被帯電体に接触させた磁気
ブラシ接触帯電部材、または導電性繊維からなるブラシ
であることが好ましい。帯電部材の構成が簡易化できる
点で、帯電部材は弾性導電ローラ或いは導電性を有する
ブラシローラであることがより好ましく、帯電部材に付
着或いは混入する現像剤成分(例えば、転写残トナー粒
子や導電性微粉末)を飛散することなく安定して保持し
やすい点で、帯電部材は弾性導電ローラであることが特
に好ましい。
【0329】ローラ部材としての弾性導電ローラの硬度
は、硬度が低すぎると形状が安定しないために被帯電体
との接触性が悪くなり、更に、帯電部材と像担持体との
接触部に介在する導電性微粉末が弾性導電ローラ表層を
削る或いは傷つけてしまうため、像担持体の安定した帯
電性が得られない。また、硬度が高すぎると被帯電体と
の間に帯電接触部を確保できないだけでなく、被帯電体
(像担持体)表面へのミクロな接触性が悪くなるので、
像担持体の安定した帯電性が得られない。更には、転写
残トナー粒子のパターンを均す効果が低下して転写残ト
ナー粒子の回収性を高めることができなくなる。そこ
で、帯電接触部及び均し効果が十分得られるように、像
担持体への弾性導電口ーラの接触圧を高めると、接触帯
電部材或いは像担持体の削れ、傷等が発生し易くなる。
これらの観点よりローラ部材としての弾性導電ローラの
アスカーC硬度は20〜50の範囲であることが好まし
く、25〜50の範囲であることがより好ましく、25
〜40の範囲であることがさらに好ましい。ここで、ア
スカーC硬度は、JlS K6301で規定されるスプ
リング式硬度計アスカーC(高分子計器株式会社製)を
用いて測定される硬度である。本発明においては、荷重
を9.8Nとし、ローラの形態において測定を行う。
【0330】本発明においては、接触帯電部材としての
ローラ部材表面は、導電性微粒子を安定して保持させる
ために微少なセルまたは凹凸を有していることが好まし
い。
【0331】また、導電性弾性ローラは弾性を持たせて
像担持体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する
像担持体を充電するのに十分低い抵抗を有する電極とし
て機能することが重要である。一方では、像担持体にピ
ンホールなどの欠陥部位が存在した場合に、電圧のリー
クを防止する必要がある。被帯電体として電子写真用感
光体等の像担持体を用いた場合、十分な帯電性と耐リー
クを得るには、導電性弾性ローラの抵抗は、103〜1
8Ω・cmであることが好ましく、104〜107Ω・
cmであることがより好ましい。導電性弾性ローラの抵
抗は、ローラに49N/mの当接圧があかるよう直径3
0mmの円筒状アルミドラムにローラを圧着した状態
で、芯金とアルミドラムとの間に100Vを印加し、計
測することができる。
【0332】例えぼ、導電性弾性ローラは芯金上に可撓
性部材としてのゴムあるいは発泡体の中抵抗層を形成す
ることにより作製される。中抵抗層は樹脂(例えばウレ
タン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化
剤、発泡剤等により処方され、芯金の上にローラ状に形
成され、その後必要に応じて切削、表面を研磨して形状
を整え導電性弾性ローラを作製することができる。
【0333】導電性弾性ローラの材質としては、弾性発
泡体に限定するものでは無く、弾性体の材料として、エ
チレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPD
M)、ウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(N
BR)、シリコーンゴムやイソプレンゴム等に抵抗調整
のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質
を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものが挙
げられる。また、導電性物質を分散せずに、或いは導電
性物質と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整
をすることも可能である。
【0334】導電性弾性ローラは被帯電体である像担持
体に対して、弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配
設され、導電性弾性ローラと像担持体との接触部である
帯電接触部が形成される。この帯電接触部の幅は特に制
限されるものではないが、導電性弾性ローラと像担持体
とが安定して密な密着性を得るために1mm以上、より
好ましくは2mm以上であることが好ましい。
【0335】また、本発明の帯電工程に用いられる帯電
部材は、導電性繊維からなるブラシ(ブラシ部材)に電
圧を印加することにより像担持体を帯電するものであっ
ても良い。このような接触帯電部材としての帯電ブラシ
は、一般に用いられている繊維に導電材を分散させて抵
抗調整されたものを用いることができる。繊維として
は、一般に知られている繊維が使用可能であり、例えば
ナイロン、アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポ
リエステル等が挙げられる。導電材としては、一般に知
られているものが使用可能であり、例えば、ニッケル、
鉄、アルミニウム、金、銀等の導電性金属或いは酸化
鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン
等の導電性の金属酸化物、更にはカーボンブラック等の
導電粉が挙げられる。なおこれら導電材は必要に応じ疎
水化、抵抗調整の目的で表面処理が施されていてもよ
い。なお、使用に際しては、繊維との分散性や生産性を
考慮して上記導電材を適宜選択して用いる。
【0336】接触帯電部材としての帯電ブラシには、固
定型と回動可能なロール状のものがある。ロール状の帯
電ブラシとしては、例えば導電性繊維をパイル地にした
テープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付けてロー
ルブラシとしたものがある。導電性繊維は、繊維の太さ
が1〜20デニール(繊維径10〜500μm程度)、
ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平
方インチ当たり1万〜30万本(1平方メートル当たり
1.5×107〜4.5×108本)のものが好ましく用
いられる。
【0337】帯電ブラシは、極カブラシ密度の高い物を
使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の
微細な繊維から作ることも好ましい。例えば、300デ
ニール/50フィラメントのように300デニールの微
細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛すること
も可能である。しかしながら、本発明においては、直接
注入帯電の帯電ポイントを決定しているのは、主には帯
電部材と像担持体との帯電接触部及びその近傍の導電性
微粉末の介在密度に依存しているため、帯電部材の選択
の範囲は広められている。
【0338】帯電ブラシの抵抗値は、弾性導電性ローラ
の場合と同様に、像担持体の十分な帯電性と耐リークを
得るためには103〜108Ω・cmであることが好まし
く、より好ましくは104〜107Ω・cmである。
【0339】帯電ブラシの材質としては、ユニチカ
(株)製の導電性レーヨン繊維REC−B、REC−
C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)
製のSA−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネ
ボウ製のベルトロン、クラレ(株)製のクラカーボ、レ
ーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)
製のローバル等があるが、環境安定性の点でREC−
B、REC−C、REC−M1、REC−M10を用い
ることが特に好ましい。
【0340】また、接触帯電部材が可撓性を有している
ことが、接触帯電部材と像担持体の接触部において導電
性微粉末が像担持体に接触する機会を増加させ、高い接
触性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させる点
で好ましい。つまり、接触帯電部材が導電性微粉末を介
して密に像担持体に接触して、接触帯電部材と像担持体
の接触部に存在する導電性微粉末が像担持体表面を隙間
なく摺擦することで、接触帯電部材による像担持体の帯
電は、放電現象を用いない、導電性微粉末を介した安定
かつ安全な直接注入帯電が支配的となる。従って、導電
性微粉末を介しての直接注入帯電を適用することによ
り、従来の放電帯電によるローラ帯電等では得られなか
った高い帯電効率が得られ、接触帯電部材に印加した電
圧とほぼ同等の電位を像担持体に与えることができる。
更に、接触帯電部材が可撓性を有していることで、多量
の転写残トナー粒子が接触帯電部材に供給された場合
に、一時的に転写残トナー粒子を堰き止める効果及び転
写残トナー粒子のパターンを均す効果が高まることで、
潜像形成阻害及び転写残トナー粒子の回収不良による画
像不良の発生をより確実に防止することができる。
【0341】像担持体と接触帯電部材との接触部におけ
る導電性微粉末の介在量は、少なすぎると導電性微粉末
による潤滑効果が十分に得られず、像担持体と接触帯電
部材との摩擦が大きくなるため、接触帯電部材を像担持
体に対して速度差を持って回転駆動させることが困難と
なる。つまり、導電性微粉末の介在量が少ないと駆動ト
ルクが過大となり、無理に回転させると接触帯電部材や
像担持体の表面が削れやすくなる。更に導電性微粉末に
よる接触機会増加の効果が十分には得られないこともあ
り、像担持体の良好な帯電性能が得られない場合があ
る。一方、上記接触部における導電性微粉末の介在量が
多すぎると、導電性微粉末の接触帯電部材からの脱落が
著しく増加し、画像露光の遮光等の潜像形成阻害を起こ
して作像上に悪影響が出やすい。
【0342】本発明者らの検討によると、像担持体と接
触帯電部材との接触部における導電性微粉末の介在量
は、103個/mm2以上であることが好ましく、104
個/mm2以上であることがより好ましい。この導電性
微粉末の介在量が103個/mm 2以上であることで、駆
動トルクが過大となることがなく、導電性微粉末による
潤滑効果が十分に得られる。介在量が103個/mm2
り大幅に低いと十分な潤滑効果と接触機会増加の効果が
得られず、像担持体の帯電性の低下が生じる傾向があ
る。
【0343】また、直接注入帯電方式を現像同時クリー
ニング画像形成における像担持体の一様帯電として適用
する場合には、転写残トナー粒子の帯電部材への付着或
いは混入による像担持体の帯電性の低下が懸念される。
転写残トナー粒子の帯電部材への付着及び混入を抑制
し、または転写残トナー粒子の帯電部材への付着或いは
混入による像担持体の帯電阻害に打ち勝って、良好な直
接注入帯電を行うには、像担持体と接触帯電部材との接
触部における導電性微粉末の介在量が104個/mm2
上であることが好ましい。介在量が104個/mm2より
大幅に低いと、転写残トナー粒子が多い場合に像担持体
の帯電性が低下しやすい。
【0344】帯電工程における像担持体上での導電性微
粉末の存在量の適正範囲は、導電性微粉末をどれぐらい
の密度で像担持体上に塗布することで、像担持体の均一
帯電性の効果が得られるかによっても決定される。
【0345】像担持体の帯電時は、少なくとも記録解像
度よりは均一な接触帯電が必要なことは言うまでもな
い。しかしながら、図4の人間の目の視覚特性を示すグ
ラフのように、空間周波数が10cycles/mm以
上では、画像上の識別諧調数が限りなく1に近づいてい
く、すなわち濃度ムラを識別できなくなる。この特性を
積極的に利用すると、像担持体上に導電性微粉末を付着
させた場合、少なくとも像担持体上で10cycles
/mm以上の密度で導電性微粉末を存在させ、直接注入
帯電を行えば良いことになる。たとえ導電性微粉末の存
在しないところに像担持体上でミクロな帯電不良が発生
したとしても、その帯電不良によって発生する画像上の
濃度ムラは、人間の視覚特性を越えた空間周波数領域に
発生するため、画像上では問題は無いことになる。
【0346】導電性微粉末の像担持体上への塗布密度が
変化したときに、画像上に濃度ムラとしての帯電不良が
認知されるかどうかについては、導電性微粉末がわずか
にでも塗布されれば(例えば10個/mm2)、帯電ム
ラ発生の抑制に効果が認められるが、画像上の濃度ムラ
が人間にとって許容可能かどうかと言う点においてはま
だ不十分である。ところがその塗布量を102個/mm2
以上にすると、画像の客観評価において急激に好ましい
結果が得られるようになる。更に、塗布量を103個/
mm2以上増加させていくことにより、帯電不良に起因
する画像上の問題点は皆無となる。
【0347】直接注入帯電方式による帯電では、放電帯
電方式とは根本的に異なり、帯電部材が被帯電体に確実
に接触する事で帯電が行われているが、たとえ導電性微
粉末を像担持体上に過剰に塗布したとしても、接触でき
ない部分は必ず存在する。ところが本発明の人間の視覚
特性を積極的に利用した導電性微粉末の塗布を行うこと
で、実用上この問題点を解決する。
【0348】また、導電性微粉末の像担持体上での存在
量の上限値は、導電性微粉末が像担持体上に1層が均一
に塗布されるまでであり、それ以上塗布されても効果が
向上するわけではなく、逆に帯電工程後に過剰の導電性
微粉末が吐き出されることで露光光源を遮ったり、散乱
させたりという弊害が生じる。
【0349】塗布密度上限値は、導電性微粉末の粒径や
接触帯電部材の導電性微粉末の保持性等によっても変わ
ってくるために、一概にはいえないが、強いて記述する
ならば導電性微粉末が像担持体上に1層が均一に塗布さ
れる量が上限とすることができる。
【0350】導電性微粉末の像担持体上での存在量は、
導電性微粉末の粒径等にもよるが、5×105個/mm2
を超えると、導電性微粉末の像担持体からの脱落が著し
く増加する傾向にあり、画像形成装置内を汚染するとと
もに、導電性微粉末自体の光透過性を問わず像担持体へ
の露光量不足が生じる場合がある。この存在量が5×1
5個/mm2以下であれば、脱落する粒子量も低く抑え
られ、導電性微粉末の飛散による装置内の汚染を低減す
るとともに、露光の阻害を改善できる。
【0351】更に、現像同時クリーニング工程におい
て、像担持体上での導電性微粉末の存在量による転写残
トナー粒子の回収性の向上効果についても実験を行った
ところ、帯電後現像前の像担持体上での導電性微粉末の
存在量が102個/mm2を超えると、像担持体上に導電
性微粉末が存在しない場合と比較して明らかに転写残ト
ナー粒子の回収性が向上し、像担持体上に導電性微粉末
が1層均一に塗布される程度まで画像欠陥のない現像同
時クリーニングによる画像が得られた。転写後帯電前の
像担持体上での導電性微粉末の存在量の場合と同様に、
導電性微粉末の存在量が5×105個/mm2を超えるあ
たりから、徐々に導電性微粉末の像担持体からの脱落が
顕著となり、潜像形成に影響を与えカブリが増加する傾
向が見られた。
【0352】すなわち、像担持体と接触帯電部材との接
触部における導電性微粉末の介在量を103個/mm2
上に設定し、且つ像担持体上の導電性微粉末の存在量を
10 2個/mm2以上とし5×105個/mm2を大きく超
えないように設定することが、像担持体の帯電性が良好
であり、転写残トナー粒子の回収性が良好であり、装置
内汚染や露光阻害による画像欠陥のない画像を形成する
ためには好ましい。像担持体と接触帯電部材との接触部
における導電性微粉末の介在量は104個/mm2以上に
設定することがより好ましい。
【0353】像担持体と接触帯電部材との接触部におけ
る導電性微粉末の介在量と潜像形成工程での像担持体上
の導電性微粉末の存在量との関係は、像担持体と接触
帯電部材との接触部への導電性微粉末の供給量、像担
持体及び接触帯電部材への導電性微粉末の付着性、接
触帯電部材の導電性微粉末に対する保持性、像担持体
の導電性微粉末に対する保持性等の要因があるため、一
概には決定されない。実験的には、像担持体と接触帯電
部材との接触部における導電性微粉末の介在量が103
〜106個/mm2の範囲において、像担持体上に脱落し
た粒子の存在量(潜像形成工程での像担持体上の導電性
微粉末の存在量)を測ると102〜105個/mm2であ
った。
【0354】帯電接触部での導電性微粉末の介在量及び
潜像形成工程での像担持体上の導電性微粉末の存在量の
測定方法について述べる。帯電部での導電性微粉末の介
在量は接触帯電部材と像担持体の接触面部における値を
直接測ること力好ましいが、接触部を形成する接触帯電
部材の表面の移動方向が像担持体の表面の移動方向とは
逆方向である場合、接触帯電部材に接触する前に像担持
体上に存在した粒子の多くは逆方向に移動しながら接触
する帯電部材に剥ぎ取られることから、本発明では接触
面部に到達する直前の接触帯電部材表面の粒子量をもっ
て介在量としている。具体的には、帯電バイアスを印加
しない状態で像担持体及び弾性導電性ローラの回転を停
止し、像担持体及び弾性導電性ローラの表面をビデオマ
イクロスコープ(OLYMPUS製OVM1000N)
及びデジタルスチルレコーダ(DELTIS製SR−3
100)で撮影する。弾性導電性ローラについては、弾
性導電性ローラを像担持体に当接するのと同じ条件でス
ライドガラスに当接し、スライドガラスの背面からビデ
オマイクロスコープにて接触面を1000倍の対物レン
ズで10箇所以上撮影した。得られたデジタル画像から
個々の粒子を領域分離するため、ある閾値を持って2値
化処理し、粒子の存在する領域の数を所望の画像処理ソ
フトを用いて計測する。また、像担持体上の存在量につ
いても像担持体上を同様のビデオマイクロスコープにて
撮影し同様の処理を行い計測する。
【0355】像担持体上の導電性微粉末の存在量は、上
記と同様の手段で転写後帯電前及び帯電後現像前の像担
持体上を撮影して画像処理ソフトを用いて計測する。
【0356】本発明において、像担持体の最表面層の体
積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cm、より好まし
くは1×1010〜1×1014Ω・cmであることによ
り、より良好な像担持体の帯電性を与えることができ好
ましい。電荷の直接注入による帯電方式においては、被
帯電体側の抵抗を下げることでより効率良く電荷の授受
が行えるようになる。このためには、最表面層の体積抵
抗値としては1×1014Ω・cm以下であることが好ま
しい。一方、像担持体として静電潜像を一定時間保持す
るためには、最表面層の体積抵抗値としては1×109
Ω・cm以上であることが好ましい。高湿環境下におい
ても微小な潜像まで乱されることなく静電潜像を保持す
るためには抵抗値として1×1010Ω・cm以上である
ことが好ましい。
【0357】更に、像担持体が電子写真感光体であり、
該電子写真感光体の最表面層の体積抵抗が1×109
1×1014Ω・cmであることにより、プロセススピー
ドの速い装置においても、像担持体に十分な帯電性を与
えることができより好ましい。
【0358】また、像担持体はアモルファスセレン、C
dS、ZnO2、アモルファスシリコン又は有機系感光
物質の様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは
感光ベルトであることが好ましく、アモルファスシリコ
ン感光層、又は有機感光層を有する感光体が特に好まし
く用いられる。
【0359】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単
一層型でもよく、又は電荷輸送層と電荷発生層を有する
機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷
発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の
積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0360】像担持体の表面抵抗を調整することで、更
に安定して像担持体の均一な帯電を行うことができる。
【0361】像担持体の表面抵抗を調整することによっ
て電荷注入をより効率化或いは促進する目的で、電子写
真感光体の表面に電荷注入層を設けることも好ましい。
電荷注入層は、樹脂中に導電性微粒子を分散させた形態
が好ましい。
【0362】電荷注入層を設ける形態としては、例え
ば、 (i)セレン、アモルファスシリコンの如き無機感光体
もしくは単一層型有機感光体の上に、電荷注入層を設け
る (ii)機能分離型有機感光体の電荷輸送層として、電
荷輸送剤と樹脂を有する表面層を持つものに電荷注入層
としての機能を兼ねさせる(例えば、電荷輸送層として
樹脂中に電荷輸送剤と導電性粒子を分散させる、あるい
は電荷輸送剤自体もしくはその存在状態によって、電荷
輸送層に電荷注入層としての機能を持たせる) (iii)機能分離型有機感光体上に最表面層として電
荷注入層を設ける等があるが、最表面層の体積抵抗が好
ましい範囲にあることが重要である。
【0363】電荷注入層としては、例えば、金属蒸着膜
等の無機材料の層、あるいは導電性微粒子を結着樹脂中
に分散させた導電粉分散樹脂層等によって構成され、蒸
着膜は蒸着、導電粉分散樹脂層はディッピング塗工法、
スプレー塗工法、ロールコート塗工法及びビーム塗工法
等の適当な塗工法にて塗工することによって形成され
る。また、絶縁性のバインダーに光透過性の高いイオン
導電性を持つ樹脂を混合もしくは共重合させて構成する
もの、または中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成す
るものでもよい。
【0364】この中でも、像担持体の最表面層が、少な
くとも金属酸化物からなる導電性微粒子(以下、「酸化
物導電微粒子」と表記する)が分散された樹脂層である
ことが好ましい。すなわち、像担持体の最表面層をこの
ような構成にすることにより、電子写真感光体の表面の
抵抗を下げてより効率良く電荷の授受を行うことがで
き、かつ表面の抵抗を下げたことで像担持体が静電潜像
を保持している間に潜像電荷が拡散することによる潜像
のボケもしくは流れを抑制できるため好ましい。
【0365】上記酸化物導電微粒子が分散された樹脂層
の場合、分散された粒子による入射光の散乱を防ぐため
に、入射光の波長よりも酸化物導電微粒子の粒径の方が
小さいことが好ましい。従って、分散される酸化物導電
微粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好ま
しい。酸化物導電微粒子の含有量は、最外層の総重量に
対して2〜90質量%が好ましく、5〜70質量%がよ
り好ましい。酸化物導電微粒子の含有量が上記範囲より
も少なすぎる場合には、所望の体積抵抗値を得にくくな
る。また、含有量が上記範囲よりも多すぎる場合には、
膜強度が低下してしまうため、電荷注入層が削り取られ
やすくなり、感光体の寿命が短くなる傾向があり、また
抵抗が低くなりすぎてしまうことによって潜像電位が流
れることによる画像不良を生じやすくなる。
【0366】また、電荷注入層の層厚は、0.1〜10
μmが好ましく、潜像の輪郭のシャープさを得る上では
5μm以下であることがより好ましく、電荷注入層の耐
久性の点からは1μm以上であることがより好ましい。
【0367】電荷注入層のバインダーは下層のバインダ
ーと同じとすることも可能であるが、この場合には電荷
注入層の塗工時に下層(例えば電荷輸送層)の塗工面を
乱してしまう可能性があるため、形成方法を特に選択す
る必要がある。
【0368】なお、本発明における像担持体の最表面層
の体積抵抗値の測定方法は、表面に金を蒸着させターボ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に像担
持体の最表面層と同様の組成からなる層を作成し、これ
を体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製41
40B pA MATER)にて、温度23℃、湿度6
5%の環境で100Vの電圧を印加して測定するという
ものである。
【0369】また、本発明においては、像担持体表面に
離型性を付与することが好ましく、像担持体表面の水に
対する接触角は85度以上であることが好ましい。より
好ましくは像担持体表面の水に対する接触角は90度以
上である。
【0370】像担持体表面が高い接触角を有すること
は、像担持体表面がトナー粒子に対して高い離型性を有
することを示す。この効果により、現像同時クリーニン
グ工程においては現像剤の回収効率が向上する。また、
転写残トナー粒子量を著しく減少させることができるた
め、転写残トナー粒子による像担持体の帯電性低下を抑
制することもできる。
【0371】像担持体表面に離型性を付与する手段とし
ては、例えば、 膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを
用いる、 撥水、親油性を付与するような添加剤を加える、 高い離型性を有する材料を粉体状にして分散する、が
挙げられる。としては、樹脂の構造中にフッ素含有
基、シリコーン含有基を導入することにより達成する。
としては、界面活性剤を添加剤として添加すればよ
い。としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビ
ニリデン及びフッ化カーボンの如きフッ素原子を含む化
合物、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂等を
用いることが挙げられる。
【0372】これらの手段によって像担持体表面の水に
対する接触角を85度以上とすることが可能である。
【0373】この中でも像担持体の最表面層が、少なく
ともフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はポリオレフィ
ン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の材料からな
る滑剤微粒子が分散された層であることが好ましい。特
に、ポリ4フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデンの如
き含フッ素樹脂を用いることが好適である。本発明にお
いては、の粉体として含フッ素樹脂を離型性粉体とし
て用いた場合には、最表面層への分散が好適である。
【0374】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を感光体
最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構
成されている有機感光体であれば、新たに表面層を設け
なくても、最表面層に該粉体を分散させれぱ良い。
【0375】上記の離型性を有する粉体の像担持体の表
面層への添加量は、表面層総重量に対して、1〜60質
量%であることが好ましく、2〜50質量%であること
がより好ましい。添加量が上記範囲よりも少なすぎると
転写残トナー粒子が充分に減少せず、現像同時クリーニ
ング装置での現像剤の回収効率が充分でない。添加量が
上記範囲よりも大きすぎると膜の強度が低下したり、感
光体への入射光量が著しく低下して像担持体の帯電性を
損ねたりするため好ましくない。該粉体の粒径について
は、画質の面から1μm以下であることが好ましく、
0.5μm以下であることがより好まし粒径が上記範囲
よりも大きすぎると入射光の散乱によりラインの切れが
悪くなりやすく、解像性を損ねやすい。
【0376】本発明において、接触角の測定は純水を用
い、装置は協和界面科学(株)製接触角計CA−DS型
を用いた。
【0377】本発明に用いられる像担持体としての感光
体の好ましい様態のひとつを以下に説明する。導電性基
体としては、アルミニウム又はステンレスの如き金属;
アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化錫合金によ
る被膜層を有するプラスチック;導電性粒子を含浸させ
た紙又はプラスチック;導電性ポリマーを有するプラス
チック;の円筒状シリンダー及びフィルムが用いられ
る。
【0378】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上、塗工性改良、基体の保護、基体上に欠陥の被覆、
基体からの電荷注入性改良または感光層の電気的破壊に
対する保護を目的として下引き層を設けても良い。
【0379】下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ
−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エ
チルセルロース、メチルセルロース、二トロセルロー
ス、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチ
ラール、フェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重
合ナイロン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン又は酸化
アルミニウム等の材料によって形成される。下引き層の
膜厚は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μ
mが良い。
【0380】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素又はセレン
や非晶質シリコンの如き無機物質等の電荷発生物質を適
当な結着剤に分散し塗工する、あるいは蒸着により形成
する。なかでもフタロシアニン系顔料が感光体感度を本
発明に適合する感度に調整するうえで好ましい。結着剤
としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、
シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂が挙げ
られる。電荷発生層中に含有される結着剤の量は80質
量%以下、好ましくは0〜40質量%であることが良
い。電荷発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05〜
2μmが好ましい。
【0381】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、
アントラセン、ピレン及びフェナントレンの如き多環芳
香族化合物;インドール、カルバゾール、オキサジアゾ
ール及びピラゾリンの如き含窒素環式化合物;ヒドラゾ
ン化合物;スチリル化合物;セレン;セレン−テルル;
非晶質シリコン;硫化カドニウム等が挙げられる。
【0382】これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂及びポリアミド樹脂の如き樹脂;ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール及びポリビニルアントラセンの如き有機
光導電性ポリマーが挙げられる。
【0383】表面層として、電荷注入をより効率化或い
は促進するために樹脂中に導電性微粒子を分散させた層
を設けてもよい。表面層の樹脂としては、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、あるいはこれらの樹脂の硬化剤が単独
あるいは2種以上組み合わされて用いられる。導電性微
粒子の例としては、金属又は金属酸化物が挙げられる。
好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化ア
ンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被
膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被
膜酸化スズ又は酸化ジルコニウム等の超微粒子がある。
これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良
い。
【0384】図6は、表面層として電荷注入層を設けた
感光体の層構成模型図である。即ち感光体は、導電性基
体(アルミニウムドラム基体)11上に導電層12、正
電荷注入防止層13、電荷発生層14、電荷輸送層15
の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体ドラムに電
荷注入層16を塗布することにより、電荷注入による帯
電性能を向上させたものである。
【0385】像担持体の最表層に形成される電荷注入層
16として重要な点は、表層の体積抵抗値が1×109
〜1×1014Ω・cmの範囲にあることである。本構成
のように電荷注入層16を設けない場合でも、例えば像
担持体の最表層となる電荷輸送層15が上記抵抗範囲に
ある場合は同等の効果が得られる。例えば、表層の体積
抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感
光体等を用いても同様に電荷注入による良好な帯電性が
得られる。
【0386】本発明においては、像担持体の帯電面に静
電潜像を形成する潜像形成工程及び潜像形成手段が、像
担持体表面に静電潜像としての画像情報を像露光により
書き込む工程及び像露光手段であることが好ましい。静
電潜像形成のための画像露光手段としては、デジタル的
な潜像を形成するレーザー走査露光手段に限定されるも
のではなく、通常のアナログ的な画像露光やLEDなど
の他の発光素子でも構わないし、蛍光燈等の発光素子と
液晶シャッター等の組み合わせによるものなど、画像情
報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わ
ない。
【0387】像担持体は静電記録誘電体等であっても良
い。この場合は、像担持体面としての誘電体面を所定の
極性、電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電
子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を
書き込み形成する。
【0388】本発明の現像手段で使用される現像剤担持
体は、アルミニウム、ステンレススチールの如き金属又
は合金で形成された導電性円筒(現像ローラー)が好ま
しく使用される。充分な機械的強度及び導電性を有する
樹脂組成物で導電性円筒が形成されていても良く、導電
性のゴムローラーを用いても良い。また、上記のような
円筒状に限られず、回転駆動する無端ベルトの形態をし
ても良い。
【0389】本発明に使用される現像剤担持体(現像ス
リーブ)の表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で
0.2〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。Ra
が上記範囲よりも小さすぎると、現像剤担持体上の現像
剤担持量が減少するために、或いは現像剤担持体上の現
像剤の摩擦帯電量が高くなるために現像性が低下する。
また、Raが上記範囲よりも大きすぎると、現像剤担持
体上の現像剤層にむらが生じ、画像上で濃度むらとなる
りやすい。Raの範囲は、さらに好ましくは、0.5〜
3.0μmである。
【0390】さらに、本発明に使用される現像剤担持体
は、現像剤担持体表面に導電性の微粒子及び/又は滑剤
が分散されている樹脂組成物で形成されている被覆層を
有していることが、現像剤担持体上での現像剤の摩擦帯
電量をコントロールする上で望ましい。
【0391】現像剤担持体の被覆層において、樹脂材料
に含まれる導電性の微粒子は、1.2×107Paで加
圧した後の抵抗値が0.5Ω・cm以下であるものが好
ましい。
【0392】導電性の微粒子としては、カーボン微粒
子、カーボン微粒子と結晶性グラファイトとの混合物、
または結晶性グラファイトが好ましい。導電性の微粒子
は、0.005〜10μmの粒径を有するものが好まし
い。
【0393】樹脂材料は、例えば、スチレン系樹脂、ビ
ニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド
樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如
き熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウ
レタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹
脂の如き熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂を使用する
ことができる。
【0394】中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のよう
な離型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン、
ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリア
ミド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、
スチレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより
好ましい。特に、フェノール樹脂が好ましい。
【0395】導電性の微粒子は、樹脂成分10質量部当
たり3〜20質量部使用することが好ましい。また、導
電性の微粒子として、カーボン微粒子とグラファイト粒
子を組み合わせて使用する場合は、グラファイト10質
量部当たりカーボン微粒子1〜50質量部を使用するこ
とが好ましい。
【0396】導電性の微粒子が分散されている現像剤担
持体の被覆層の体積抵抗率は10-6〜106Ω・Cmが
好ましい。
【0397】本発明において、現像剤担持体上に3〜3
0g/m2の現像剤層を形成することが好ましい。現像
剤担持体上に3〜30g/m2の現像剤層を形成するこ
とで、均一な現像剤層を形成し易く、導電性微粉末が像
担持体上に均一に供給されることで、像担持体の均一な
帯電が得られ易い。現像剤担持体上の現像剤量が上記範
囲よりも少なすぎる場合には、十分な画像濃度が得られ
にくく、現像剤担持体上の現像剤層の微小なむらが、画
像濃度むら及び導電性微粉末の供給むらによる像担持体
の帯電むらとして現れ易くなる。現像剤担持体上の現像
剤量が上記範囲よりも多すぎる場合には、トナー粒子へ
の摩擦帯電の付与が不十分となり易く、トナー飛散を生
じ易くなり、カブリの増大、転写性の低下により像担持
体の帯電を阻害し易くなる。
【0398】また、現像剤担持体上に5〜25g/m2
の現像剤層を形成することがより好ましい。現像剤担持
体上に5〜25g/m2の現像剤層を形成することで、
現像剤担持体上の現像剤への摩擦帯電付与がより均一に
行われ易く、回収した転写残トナー粒子が現像剤担持体
近傍のトナー粒子の摩擦帯電に与える影響を軽減し、よ
り安定した現像同時クリーニング性が得られる。現像剤
担持体上の現像剤量が上記範囲よりも少なすぎる場合に
は、回収した転写残トナー粒子が現像担持体近傍のトナ
ー粒子の摩擦帯電に影響を与え易く、一部のトナー粒子
の摩擦帯電が過剰になることによる現像剤層のムラを生
じ、転写残トナー粒子の回収性が不均一となることがあ
る。現像剤担持体上の現像剤量が上記範囲よりも多すぎ
る場合には、回収した転写残トナー粒子が再度の摩擦帯
電を十分には付与されることなく再び現像部に搬送さ
れ、現像に供されることでカブリをより生じ易くなる。
【0399】また、本発明においては、現像剤担持体上
の現像剤の量を規制する部材が現像剤を介して現像剤担
持体に当接されていることによって規制されていること
が、転写残トナー粒子の回収による現像性の変動を抑制
でき、現像剤が温湿度環境の影響を受けにくく転写性が
良好で均一な摩擦帯電を得る観点から特に好ましい。
【0400】また、本発明においては、現像剤を担持す
る現像剤担持体表面は、像担持体表面の移動方向と同方
向に移動していてもよいし、逆方向に移動していてもよ
い。その移動方向が同方向である場合、像担持体の移動
速度に対して比で100%以上であることが望ましい。
100%未満であると画像品質が悪くなる場合がある。
【0401】現像剤担持体表面の移動速度の像担持体表
面の移動速度に対する移動速度比が100%以上(現像
剤担持体表面の移動速度が、像担持体表面の移動逮度よ
りも大きいまたは同じ)であれば、現像剤担持体側から
像担持体側へのトナー粒子の供給が十分に行われるた
め、十分な画像濃度を得易く、導電性微粉末の供給も十
分に行われるため、像担持体の良好な帯電性を得ること
ができる。
【0402】更に、現像剤担持体表面の移動速度が像担
持体表面の移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度
であることがより好ましい。移動速度比が高まるほど現
像部位に供給されるトナーの量は多く、潜像に対しトナ
ーの脱着頻度が多くなり、不要な部分は掻き落とされ必
要な部分には付与されるという繰り返しにより、転写残
トナー粒子の回収性が向上し、回収不良によるパターン
ゴーストの発生をより確実に抑制することができる。更
には、潜像に忠実な画像が得られる。また、接触現像プ
ロセスにおいては、移動速度比が高まるほど像担持体と
現像剤担持体との摺擦により転写残トナー粒子の回収性
がより向上する。しかし、移動速度比が上記範囲を大き
く超えると、現像剤担持体上からの現像剤の飛散による
カブリ、画像汚れを生じ易くなり、接触現像プロセスで
は像担持体あるいは現像剤担持体が摺擦による摩耗や削
れのために短寿命化し易くなる。現像剤担持体上の現像
剤量を規制する現像剤層厚規制部材が現像剤を介して現
像剤担持体に当接されている場合には、現像剤層厚規制
部材または現像剤担持体が摺擦による摩耗や削れのため
に短寿命化し易い。上記観点から、現像剤担持体表面の
移動速度が像担持体表面の移動速度に対し、1.1〜
2.5倍の遠度であることがさらに好ましい。
【0403】本発明において、非接触型現像方法を適用
するために、現像剤担持体の像担持体に対する所定の離
間距離よりも、現像剤担持体上の現像剤層を薄く形成す
ることが好ましい。本発明によって、従来は困難であっ
た非接触型現像方法を用いた現像同時クリーニング画像
形成を高い画像品位で実現することが可能となった。現
像工程において、像担持体に対して現像剤層を非接触と
し、像担持体の静電潜像をトナー画像として可視化する
非接触型現像方法を適用することで、電気抵抗値が低い
導電性微粉末を現像剤中に多量に添加しても、現像バイ
アスが像担持体へ注入することによる現像かぶりが発生
しない。そのため、良好な画像を得ることができる。
【0404】また、現像剤担持体は像担持体に対して1
00〜1000μmの離間距離を有して対向して設置さ
れることが好ましい。現像剤担持体の像担持体に対する
離間距離が上記範囲よりも小さすぎると、離間距離の振
れに対する現像剤の現像特性の変化が大きくなるため、
安定した画像性を満足する画像形成装置を量産すること
が困難となる。現像剤担持体の像担持体に対する離間距
離が上記範囲よりも大きすぎると、像担持体上の潜像に
対するトナー粒子の追従性が低下するために、解像性の
低下、画像濃度の低下等の画質低下を招きやすい。ま
た、像担持体上への導電性微粉末の供給性が低下し易
く、像担持体の帯電性が低下し易くなる。より好ましく
は現像剤担持体は像担持体に対して100〜600μm
の離間距離を有して対向して設置されることである。現
像剤担持体の像担持体に対する離間距離が100〜60
0μmであることで、現像同時クリーニング工程におけ
る転写残トナー粒子の回収性がより優位に行える。離間
距離が上記範囲よりも大きすぎると、現像装置への転写
残トナー粒子の回収性が低下し、回収不良によるカブリ
を生じ易くなる。
【0405】本発明では、現像剤担持体と像担持体との
間に交番電界(交流電界)を形成して現像を行う現像工
程で現像されることが好ましい。交番電界は現像剤担持
体と像担持体との間に交番電圧を印加することにより形
成することができる。印加する現像バイアスは直流電圧
に交番電圧(交流電圧)を重畳したものであってもよ
い。
【0406】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波
であっても良い。このように交番電圧の波形としては周
期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0407】現像剤を担持をする現像剤担持体と像担持
体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度
で3×106〜10×106V/m、周波数100〜50
00Hzの交流電界(交番電界)を、現像バイアスを印
加することによって形成することが好ましい。現像バイ
アスを印加することにより上記範囲の交流電界を形成す
ることで、現像剤中に添加された導電性微粉末が均等に
像担持体側に移行されやすく、帯電部において導電性微
粉末を介しての接触帯電部材と像担持体との均一かつ緻
密な接触を得ることで、像担持体の一様帯電(特に直接
注入帯電)を顕著に促進することができる。また、交流
電界を現像バイアスにより形成することで、現像剤担持
体と像担持体間に高電位差がある場合でも、現像部にお
ける像担持体への電荷注入が生じないため、導電性微粉
末を現像剤中に多量に添加しても、現像バイアスが像担
持体へ電荷注入することによる現像かぶりが発生せず、
良好な画像を得ることができる。現像剤担持体と像担持
体との間に現像バイアスを印加することで形成される交
流電界の強度が上記範囲よりも小さすぎると、像担持体
に供給される導電性微粉末の量が不足しやすく、像担持
体の一様帯電性が低下し易い。また、現像力が小さいた
めに画像濃度の低い画像となり易い。一方、交流電界の
強度が上記範囲よりも大きすぎると、現像力が大き過ぎ
るために細線の潰れによる解像性の低下、カブリの増大
による画質低下及び像担持体の帯電性の低下を生じ易
く、現像バイアスの像担持体へのリークによる画像欠陥
を生じ易くなる。また、現像剤担持体と像担持体との間
に現像バイアスを印加することで形成される交流電界の
周波数が上記範囲よりも小さすぎると、像担持体に均一
に導電性微粉末が供給されにくく、像担持体の一様帯電
のむらを生じ易くなる。交流電界の周波数が上記範囲よ
りも大きすぎると、像担持体に供給される導電性微粉末
の量が不足しやすく、像担持体の一様帯電性が低下し易
い。
【0408】さらに、現像剤を担持をする現像剤担持体
と像担持体との間に、少なくともピークトゥーピークの
電界強度で4×106〜10×106V/m、周波数50
0〜4000Hzの交流電界(交番電界)を、現像バイ
アスを印加することによって形成することがより好まし
い。上記範囲の交流電界を現像バイアスにより形成する
ことで、現像剤中に添加された導電性微粉末が均等に像
担持体側に移行されやすく、転写後の像担持体に均一に
導電性微粉末を塗布することができ、非接触型現像方法
を適用した場合においても高い転写残トナー粒子の回収
性が維持できる。
【0409】現像剤担持体と像担持体との間に現像バイ
アスを印加することで形成される交流電界の強度が上記
範囲よりも小さすぎると、現像装置への転写残トナー粒
子の回収性が低下し、回収不良によるカブリを生じ易く
なる。また、現像剤担持体と像担持体との間に現像バイ
アスを印加することで形成される交流電界の周波数が上
記範囲よりも小さすぎると、潜像に対するトナーの脱着
頻度が少なくなり、現像装置への転写残トナー粒子の回
収性が低下しやすく、画像品質も低下し易い。交流電界
の周波数が上記範囲よりも大きすぎると、電界の変化に
追従できるトナー粒子が少なくなるために、転写残トナ
ー粒子の回収性が低下し、転写残トナー粒子の回収不良
によるポジゴーストを生じ易くなる。
【0410】本発明において、転写工程は現像工程によ
って形成されたトナー画像を中間転写体に転写した後
に、紙等の記録媒体に再転写する工程であっても良い。
すなわち、像担持体からトナー画像の転写を受ける転写
材は転写ドラム等の中間転写体であってもよい。転写材
を中間転写体とする場合、中間転写体から紙などの記録
媒体に再度転写することでトナー画像が得られる。中間
転写体を適用することで厚紙等の種々の記録媒体に寄ら
ず像担持体上の転写残トナー粒子量を低減できる。
【0411】また、本発明において、転写時に転写部材
が転写材(配録媒体)を介して像担持体に当接している
ことが好ましく良い。
【0412】像担持体と転写材を介して転写手段を当接
しながら像担持体上のトナー画像を転写材に転写する接
触転写工程では、転写手段の当接圧力としては線圧2.
94〜980N/mであることが好ましく、より好まし
くは19.6〜490N/mである。転写手段の当接圧
力が上記範囲よりも小さすぎると、転写材の搬送ずれや
転写不良の発生が起こりやすくなるため好ましくない。
当接圧力が上記範囲よりも大きすぎる場合には、感光体
表面の劣化やトナー粒子の付着を招き、結果として感光
体表面へのトナー融着を生じる場合がある。
【0413】また、接触転写工程における転写手段とし
ては、転写ローラあるいは転写ベルトを有する装置が好
ましく使用される。転写ローラは少なくとも芯金と芯金
を被覆する導電性弾性層とを有し、導電性弾性層はポリ
ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチ
レン(EPDM)の如き弾性材料に、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化硅素のごとき導電性付与
剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を106
1010Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは
発泡肉質の層等による弾性体であることが好ましい。
【0414】転写ローラでの好ましい転写プロセス条件
としては、転写ローラの当接圧が2.94〜490N/
mであり、より好ましくは19.6〜294N/mであ
る。当接圧力としての線圧が上記範囲よりも小さすぎる
場合には、転写残トナー粒子が増加し像担持体の帯電性
を阻害し易くなる。転写手段の当接圧力が上記範囲より
も大きすぎると、押圧力により導電性微粉末が転写材に
転写され易くなり、導電性微粉末の像担持体または接触
帯電部材への供給量が減少することで、像担持体の帯電
促進効果が低下し、現像同時クリーニングでの転写残ト
ナー粒子の回収性が低下する。また、画像上でのトナー
の飛び散りが増加する。
【0415】転写材を介して像担持体に転写手段を当接
させながらトナー画像を転写材に静電転写する接触転写
工程では、印加される直流電圧は±0.2〜±10kV
であることが好ましい。
【0416】また、本発明は、静電潜像担持体として直
径が30mm以下の小径の感光体を有する画像形成装置
に対し特に有効に用いられる。即ち、転写工程後かつ帯
電工程前に独立したクリーニング工程を有さないこと
で、帯電、露光、現像、転写各工程の配置の自由度が高
まり、直径が30mm以下の小径の感光体と組み合わせ
て、画像形成装置の小型化、省スペース化を達成でき
る。ベルト状感光体でも同様に各工程の配置の自由度が
高まることで、画像形成装置の小型化、省スペース化を
達成する上で、当接部での曲率半径が25mm以下の感
光体ベルトを用いた画像形成装置に対しても有効であ
る。
【0417】また、本発明の画像形成装置は、上記した
ような像担持体と現像手段とを少なくとも有するプロセ
スカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能に装着す
るものであっても良い。なお、このプロセスカートリッ
ジは、上記帯電手段をさらに有するものであってもよ
い。
【0418】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定され
るものではない。
【0419】まず、本発明の実施例に用いる像担持体と
しての感光体の製造例について述べる。
【0420】〈感光体製造例1〉負帯電用の有機光導電
性物質を用いた感光体(以下「OPC感光体」と表記す
る)を製造した。感光体の基体には、直径24mmのア
ルミニウム製のシリンダーを用いた。このシリンダー上
に下記の各層を浸漬塗布することにより順次積層して、
図6に示すような構成の感光体を作製した。
【0421】第1層は導電層12であり、アルミニウム
基体11の欠陥等をならすため、またレーザ露光の反射
によるモアレの発生を防止するために設けられている厚
さ約20μmの導電性粒子分散樹脂層(酸化錫及び酸化
チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体と
する)である。
【0422】第2層は正電荷注入防止層13であり、ア
ルミニウム基体11から注入された正電荷が感光体表面
に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果た
し、メトキシメチル化ナイロンによって106Ω・cm
程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0423】第3層は電荷発生層14であり、ジスアゾ
系の顔料をプチラール樹脂に分散した厚さ約0.3μm
の層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電
荷対を発生する。
【0424】第4層は電荷輸送層15であり、ポリカー
ボネート樹脂にヒドラゾン化合物を分散した厚さ約25
μmの層であり、P型半導体である。従って、感光体表
面に帯電された負電荷はこの層を移動することはでき
ず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸
送することができる。
【0425】第5層は電荷注入層16であり、光硬化性
のアクリル樹脂に導電性酸化スズ超微粒子及び粒径約
0.25μmの四フッ化エチレン樹脂粒子を分散したも
のである。具体的には、樹脂に対して、アンチモンをド
ーピングし低抵抗化した粒径約0.03μmの酸化スズ
粒子を100質量%、更に四フッ化エチレン樹脂粒子を
20質量%、分散剤を1.2質量%を分散したものであ
る。このようにして調製した塗工液をスプレー塗工法に
て厚さ約2.5μmに塗工して電荷注入層16とした。
【0426】このようにして得られた感光体の最表面層
における体積抵抗は、5×1012Ω・cm、感光体表面
の水に対する接触角は、102度であった。
【0427】〈感光体製造例2〉感光体製造例1の第5
層(電荷注入層16)に、四フッ化エチレン樹脂粒子及
び分散剤を分散しなかったこと以外は、感光体製造例1
と同様にして感光体を作製した。このようにして得られ
た感光体の最表面層における体積抵抗は、2×1012Ω
・cm、感光体表面の水に対する接触角は、78度であ
った。
【0428】〈感光体製造例3〉感光体製造例1の第5
層(電荷注入層16)を、アンチモンをドーピングし低
抵抗化した粒径約0.03μmの酸化スズ粒子を光硬化
性のアクリル樹脂100質量部に対して300質量部分
散したものとしたこと以外は、感光体製造例1と同様に
して感光体を作製した。この場合、感光体表面層の体積
抵抗値は、2×107Ω・cm、感光体表面の水に対す
る接触角は、88度であった。
【0429】〈感光体製造例4〉感光体製造例1の第5
層(電荷注入層)を設けず、電荷輸送層15を最外層と
する4層構成の感光体とすること以外は、感光体製造例
1と同様にして感光体を作製した。得られた感光体の最
表面属の体積抵抗は、1×1015Ω・cm、感光体表面
の水に対する接触角は、73度であった。
【0430】次に、本発明の実施例で用いられる帯電部
材の製造例について述べる。
【0431】〈帯電部材の製造例1〉直径6mm、長さ
264mmのSUSローラを芯金とし、芯金上にウレタ
ン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化
剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をロー
ラ状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整え
た。このようにして、直径12mm、長さ234mmの
可撓性を有する発泡ウレタンローラを有する帯電ローラ
を作製した。
【0432】得られた帯電ローラは、発泡ウレタンロー
ラの抵抗が105Ω・cmであり、硬度は、アスカーC
硬度で30度であった。
【0433】〈帯電部材の製造例2〉直径6mm、長さ
264mmのSUSローラを芯金とし、芯金上にEPD
Mゴム、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化
剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡EPDM層をロー
ラ状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整え
た。このようにして、直径12mm、長さ234mmの
可撓性を有する発泡EPDMローラを有する帯電ローラ
を作製した。
【0434】得られた帯電ローラは、発泡EPDMロー
ラ部の抵抗が106Ω・cmであり、硬度は、アスカー
C硬度で45度であった。
【0435】〈帯電部材の製造例3〉帯電部材の製造例
2において、中抵抗の発泡させていないEPDM層をロ
ーラ状に形成した以外は、帯電部材の製造例2と同様に
して直径12mm、長さ234mmのEPDMローラを
有する帯電ローラを作製した。
【0436】得られた帯電ローラは、抵抗が105Ω・
cmであり、硬度は、アスカーC硬度で60度であっ
た。
【0437】〈帯電部材の製造例4〉直径6mm、長さ
264mmのSUSローラを芯金とし、芯金上に導電性
ナイロン繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金に
スパイラル状に巻き付けてロール状帯電ブラシを作製し
た。導電性ナイロン繊維は、ナイロン繊維にカーボンブ
ラックを分散させて抵抗調整したものであり、繊維の太
さは6デニール(300デニール/50フィラメント)
であった。ブラシの繊維の長さは3mm、ブラシ密度は
1平方インチ当たり10万本で植毛された物を用いた。
得られた帯電ブラシロールの抵抗値は1×107Ω・c
mであった。
【0438】次に、現像剤に含有されるトナー粒子の製
造例、無機微粉末及び導電性微粉末の例について述べ、
本発明の実施例に用いる現像剤の製造例について述べ
る。
【0439】〈トナー粒子の製造例1〉結着樹脂として
スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフ
エステル共重合体(ピーク分子量3.5万)100質量
部、磁性粉としてマグネタイト(磁場795.8kA/
m下で飽和磁化が85Am2/kg、残留磁化が6Am2
/kg、抗磁力が5kA/m)80質量部、モノアゾ鉄
錯体(負帯電性制御剤)2質量部及びポリプロピレン
(離型剤)4質量部をブレンダーにて混合し、混合物を
130℃に加熱したエクストルーダーにより溶融混練
し、得られた混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて微粉砕した。さらに得られた
微粉砕品をコアンダ効果を利用した多分割分級装置で厳
密に分級して、0.60μm以上159.21μm未満
の粒径範囲の体積基準の粒度分布から求められる重量平
均粒径7.9μmのトナー粒子1を得た。トナー粒子1
の抵抗は、1014Ω・cm以上であった。
【0440】〈トナー粒子の製造例2〜4〉結着樹脂と
してスチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハ
ーフエステル共重合体(ピーク分子量3.5万、ガラス
転移点温度65℃)100質量部、磁性粉としてマグネ
タイト(磁場795.8kA/m下で飽和磁化が85A
2/kg、残留磁化が6Am2/kg、抗磁力が5kA
/m)90質量部、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸
の鉄錯体(負帯電性制御剤)2質量部及び無水マレイン
酸変性ポリプロピレン(離型剤)3質量部をブレンダー
にて混合し、混合物を130℃に加熱したエクストルー
ダーにより溶融混練し、得られた混練物を冷却後、粗粉
砕及び微粉砕し、得られた微粉砕品を多分割分級装置で
分級した。得られた分級品を、図7および図8に示すト
ナー粒子球形化処理装置を用いて熱機械的衝撃力を粒子
に繰り返し与えることにより球形化処理し、球形化処理
の度合を表2に示すように変えることで、0.60μm
以上159.21μm未満の粒径範囲の体積基準の粒度
分布から求められる重量平均粒径6.5〜6.8μmの
トナー粒子2〜4を得た。トナー粒子の抵抗は、いずれ
も1014Ω・cm以上であった。
【0441】〈トナー粒子の製造例5、6〉磁性粉の代
わりに、着色剤としてカーボンブラック5質量部を用い
る以外はトナー粒子の製造例1と同様にして、重量平均
粒径6.0μmのトナー粒子5を得た。
【0442】また、微粉砕装置として、機械式粉砕装置
を用い、得られるトナー粒子の円形度が高まるように粉
砕条件を設定して粉砕する以外は、トナー粒子の製造例
5と同様にして、重量平均粒径5.9μmのトナー粒子
6を得た。トナー粒子5及び6の抵抗は、いずれも10
14Ω・Cm以上であった。
【0443】〈トナー粒子の製造例7〉粉砕、分級条件
を変更する以外は、トナー粒子の製造例5と同様にし
て、重量平均粒径10.8μmのトナー粒子7を得た。
トナー粒子7の抵抗は、1014Ω・cm以上であった。
【0444】〈トナー粒子の製造例8〉イオン交換水7
09gに0.1M−Na3PO4水溶液451gを投入
し60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液6
7.7gを徐々に添加してCa3(PO4)2を含む水
系媒体を得た。 スチレン 76部 n−ブチルアクリレート 24部 ジビニルベンゼン 0.2部 ビスフェノールAのP.O.及びE.O.付加物とフマ
ル酸の縮合反応より得られる不飽和ポリエステル樹脂
3部 ビスフェノールAのP.O.及びE.O.付加物とテレ
フタル酸の縮合反応より得られる飽和ポリエステル樹脂
2部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1部 表面処理磁性体1(磁場795.8kA/m下で飽和磁
化が82Am2/kg、残留磁化が7Am2/kg、抗磁
力が8kA/m) 80部 なお、ここで、上記表面処理磁性体1の製造法について
説明する。
【0445】硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオンに対して
l.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化
第一鉄を含む水溶液を調製した。
【0446】水溶液のpHを9前後に維持しながら、空
気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を
生成させるスラリー液を調製した。
【0447】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.
2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリ
ー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応
をすすめ、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗
浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サンプルを
少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サ
ンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、
再分散液のpHを約6に調製し、十分攪拌しながらシラ
ンカップリング剤(n−C1021Si(OCH33)を
磁性酸化鉄に対し1.0質量部(磁性酸化鉄の量は含水
サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加
し、カップリング処理を行った。生成した疎水性酸化鉄
粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集
している粒子を解砕処理して、表面処理磁性体1を得
た。
【0448】上記処方をアトライター(三井三池化工機
(株))を用いて均一に分散混合した。
【0449】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
にベヘニン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス
(DSCにおける吸熱ピークの極大値72℃)6部を添
加混合溶解し、これに重合開始剤2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)[t1/2=14
0分,60℃条件下]5質量部を溶解した。
【0450】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌習で撹拌し
つつ、60℃で6時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、80℃で更
に2時間蒸留を行い、その後、懸濁液を冷却し、塩酸を
加えてCa3(PO4 2を溶解し、濾過、水洗、乾燥し
て重量平均粒径6.5μmの磁性のトナー粒子8を得
た。磁性のトナー粒子8の抵抗は1014Ω・cmであっ
た。
【0451】上記各トナー粒子1〜8の代表的物性値を
表2に示す。
【0452】
【表2】
【0453】〈無機微粉末の例1〉ヘキサメチルジシラ
ザンで処理した後にジメチルシリコーンオイルで処理さ
れた疎水性乾式シリカ微粉体を無機微粉末A−1とし
た。この無機微粉末A−1の1次粒子の個数平均径は1
2nm、BET比表面積は120m2/gであった。
【0454】〈無機微粉末の例2〉疎水化処理を施して
いない乾式シリカ微粉体を無機微粉末A−2とした。こ
の無機微粉末A−2の1次粒子の個数平均径は10n
m、BET比表面積は300m2/gであった。
【0455】〈無機微粉末の例3〉ヘキサメチルジシラ
ザンで処理した乾式シリカ微粉体を無機微粉末A−3と
した。この無機微粉末A−3の1次粒子の個数平均径は
16nm、BET比表面積は170m2/gであった。
【0456】〈無機微粉末の例4〉ヘキサメチルジシラ
ザンで処理した二酸化チタン微粉体を無機微粉末A−4
とした。この無機微粉末A−4の1次粒子の個数平均径
は30nm、BET比表面積は60m2/gであった。
【0457】上記各無機微粉末A−1〜A−4の代表的
物性値を表3に示す。
【0458】
【表3】
【0459】〈導電性微粉末の例1〉粒径約0.1μm
の硫酸バリウム粉体に質量比で50%の酸化スズを付着
させた導電性微粉末を導電性微粉末B−1とした。この
導電性微粉末B−1は白色であった。また、発明の実施
の形態において述べた錠剤法によって測定された導電性
微粉末の抵抗は2.7×104Ω・cmであった。ま
た、後述する実施例の画像形成装置で画像露光に用いら
れるレーザビームスキャナの露光光波長740nmにあ
わせて、波長740nmの光源及びX−Rite社製3
10T透過型濃度計を用いて、上記波長域における透過
率を測定した。この導電性微粉末B−1の透過率はおよ
そ35%であった。この導電性微粉末B−1の粒度分布
を実施の形態で述べたレーザ回折式粒度分布測定によっ
て測定したところ、体積基準の10%径、50%径、9
0%径はそれぞれ0.18μm、0.50μm、l.6
6μmであった。
【0460】〈導電性微粉末の例2〜4〉硫酸バリウム
粉体の粒径を0.3μm、0.5μmおよび1.2μm
に変更し、導電性微粉末の例1と同様にして得られた導
電性微粉末を導電性微粉末B−2〜B−4とした。これ
ら導電性微粉末B−2〜B−4は、酸化スズの硫酸バリ
ウム粉体表面積に対する付着量が上記導電性微粉末B−
1と同様となるように、導電性微粉末B−2〜B−4の
導電性微粉末B−1に対する比表面積比率に基づいて酸
化スズの付着量がそれぞれ調整されている。導電性微粉
末B−2〜B−4の抵抗、透過率及びレーザ回折式粒度
分布測定において得られた体積基準の10%径、50%
径、90%径を表4に示す。
【0461】〈導電性微粉末の例5〉酸化スズの代わり
にアンチモンをドープした酸化スズを付着させる以外は
導電性微粉末の例1の導電性微粉末B−1と同様にし
て、粒径約0.1μmの硫酸バリウム粉体に質量比で5
0%のアンチモンをドープした酸化スズを付着させた導
電性微粉末得た。これを導電性微粉末B−5とした。導
電性微粉末B−5の抵抗、透過率及びレーザ回折式粒度
分布測定において得られた体積基準の10%径、50%
径、90%径を表4に示す。また、導電性微粉末B−5
は灰色であり、透過率は20%以下であった。
【0462】〈導電性微粉末の例6〉酸化スズの代わり
にアンチモンをドープした酸化スズを付着させる以外は
導電性微粉末の例4の導電性微粉末B−4と同様にし
て、粒径約1.2μmの硫酸バリウム粉体にアンチモン
をドープした酸化スズを付着させた導電性微粉末を得
た。これを導電性微粉末B−6とした。導電性微粉末B
−6の抵抗、透過率及びレーザ回折式粒度分布測定にお
いて得られた体積基準の10%径、50%径、90%径
を表4に示す。また、導電性微粉末B−6は灰色であ
り、透過率は20%以下であった。
【0463】〈導電性微粉末の例7及び8〉粒径約2μ
mの硼酸アルミニウム粉体に酸化スズを付着させた導電
性微粉末から、風力分級によって粗粒子を除いた後に、
これを水系の分散媒に分散して濾過を繰り返し行って微
粒子を除くことにより、灰白色の導電性微粉末を得た。
得られた体積抵抗率が4.3×104Ω・cmの導電性
微粉末を導電性微粉末B−7とした。
【0464】また、酸化スズの代わりにアンチモンをド
ープした酸化スズを付着させる以外は導電性微粉末B−
7と同様にして灰色の導電性微粉末B−8を得た。導電
性微粉末B−8の透過率は20%以下であった。導電性
微粉末B−7およびB−8の抵抗、透過率及びレーザ回
折式粒度分布測定において得られた体積基準の10%
径、50%径、90%径を表4に示す。
【0465】上記各導電性微粉末B−1〜B−8の代表
的物性値を表4に示す。
【0466】
【表4】
【0467】〈実施例1〉 現像剤の製造例1 トナー粒子の製造例1で得られた磁性トナー粒子1を1
00重量部に対し、無機微粉末A−1を1.23質量部
及び導電性微粉末B−4を1.03部添加し、ミキサー
で均一に混合して現像剤1を得た。表5に示すように、
得られた現像剤1は無機微粉末を1.2質量%及び導電
性微粉末を1.0質量%含有する磁性現像剤である。
【0468】得られた磁性現像剤1の0.60μm以上
159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布
および円形度分布は、発明の実施の形態で述べようにフ
ロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電
子社製)を用いた方法で測定した。より詳細に記述する
と、内径30mm、高さ65mmの硬質ガラス製ネジ口
瓶(例えば、日電理化硝子株式会社製30ml用ネジ口
瓶SV−30)に、フィルターを通して微細なごみを取
り除いた水(円相当径0.60μm以上159.21μ
m未満の粒径範囲の粒子数が103cm3中に測定20個
以下とすることが好ましい)10mlと、希釈した界面
活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を
微細なごみを取り除いた水で10倍程度に薄めたもの)
を数滴加えた。これに測定試料を測定円相当径範囲の粒
子を対象として測定試料の粒子濃度が7000〜100
00個/103cm3となるように適当量(例えば、0.
5〜20mg)加え、超音波ホモジナイザーで3分間分
散処理(出カ50W、周波数20kHzの株式会社エス
エムテー社製ULTRA SONIC HOMOGEN
IZER UH−50に6mm径ステップ型チップを適
用し、パワーコントロールボリュームの目盛りを7に設
定して、すなわち同チップを用いた場合の最大出カの半
分程度の分散力で処理)を行った試料分散液を用いて、
0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有
する粒子の粒度分布及び円形度分布を測定した。
【0469】得られた粒度分布から、1.00μm以上
2.00μm未満、2.00μm以上3.00μm未
満、3.00μm以上8.96μm未満および8.96
μm以上の各粒径範囲の粒子の含有量(個数%)、3.
00μm以上15.04μm未満の粒径範囲での個数分
布の変動係数をそれぞれ求めた。また、得られた円形度
分布から、円形度が0.90以上である粒子の含有量
(個数%)および標準偏差を求めた。
【0470】また、現像剤1中のトナー粒子100個あ
たりの粒径が0.6〜3μmの導電性微粉末の個数を、
発明の実施の形態において述べたようにして走査型電子
顕微鏡写真から測定した。トナー粒子を100個に対し
て、トナー粒子表面に付着或いは遊離して存在している
粒径0.6〜3μmの導電性微粉末の粒子数は15個で
あった。
【0471】また現像剤1の100メッシュパス−20
0メッシュオンの粒径の球形鉄粉に対する摩擦帯電量は
−39.6mC/kgであった。現像剤1の上記各物性
値を表5に示す。
【0472】さらに、磁性現像剤1の磁化の強さを振動
型磁力計VSMP−1−10(東英工業社製)を用い
て、25℃、外部磁場79.6kA/mで測定したとこ
ろ、25Am2/kgであった。
【0473】〈実施例2〉現像剤の製造例2 実施例1において、導電性微粉末B−4の含有量を2.
0質量%とした以外は、実施例1と同様にして現像剤2
を得た。得られた現像剤2の0.60μm以上159.
21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布を図9
(b)に示す。
【0474】〈実施例3、4〉現像剤の製造例3、4 実施例1において、導電性微粉末B−4の含有量を、表
5に示すように5.0質量%および9.0質量%に変化
させた以外は、実施例1と同様にして現像剤3および4
を得た。
【0475】〈比較例1〉現像剤の製造例5 実施例1において、導電性微粉末B−4の含有量を1
5.0質量%とした以外は、実施例1と同様にして現像
剤5を得た。
【0476】〈実施例5〉現像剤の製造例6 実施例1において、導電性微粉末B−4の代わりに導電
性微粉末B−3を2.0質量%を用いた以外は、実施例
1と同様にして現像剤6を得た。得られた現像剤6の
0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個
数基準の粒度分布を図9(c)に示す。
【0477】〈比較例2〉現像剤の製造例7 実施例1において、導電性微粉末B−4の代わりに導電
性微粉末B−2を1.0質量%を用いた以外は、実施例
1と同様にして現像剤7を得た。
【0478】〈実施例6、7〉現像剤の製造例8、9 比較例2において、導電性微粉末B−2の含有量をそれ
ぞれ2.0質量%および5.0質量%とした以外は、比
較例2と同様にして現像剤8及び9を得た。得られた現
像剤8の0.60μm以上159.21μm未満の粒径
範囲の個数基準の粒度分布を図9(d)に示す。
【0479】〈比較例3、4〉現像剤の製造例10、1
1 実施例1において、導電性微粉末B−4の代わりに導電
性微粉末B−1をそれぞれ2.0質量%および5.0質
量%用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤10及
び11を得た。得られた現像剤10の0.60μm以上
159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布
を図9(e)に示す。
【0480】〈比較例5〉現像剤の製造例12 実施例1において、導電性微粉末B−4の代わりに導電
性微粉末B−5を2.0質量%用いた以外は、実施例1
と同様にして現像剤12を得た。
【0481】〈実施例8〉現像剤の製造例13 実施例1において、導電性微粉末B−4の代わりに導電
性微粉末B−6を5.0質量%用いた以外は、実施例1
と同様にして現像剤13を得た。
【0482】〈実施例9〜11〉現像剤の製造例14〜
16 実施例1において、導電性微粉末B−4の代わりに導電
性微粉末B−7をそれぞれ1.0質量%、2.0質量%
および5.0質量%用いた以外は、実施例1と同様にし
て現像剤14〜16を得た。得られた導電性微粉末B−
7を2.0質量%含有する現像剤15の0.60μm以
上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分
布を図9(a)に示す。
【0483】〈実施例12〉現像剤の製造例17 実施例1において、導電性微粉末B−4の代わりに導電
性微粉末B−8を2.0質量%用いた以外は、実施例1
と同様にして現像剤17を得た。
【0484】〈比較例6〉現像剤の製造例18 実施例1において、導電性微粉末を含有させなかった以
外は、実施例1と同様にして現像剤18を得た。得られ
た現像剤18の0.60μm以上159.21μm未満
の粒径範囲の個数基準の粒度分布を図9(f)に示す。
【0485】〈実施例13〜15〉現像剤の製造例19
〜21 実施例1において、無機微粉末A−1の代わりに無機微
粉末A−2〜A−4をそれぞれ用いた以外は、実施例1
と同様にして現像剤19〜21を得た。各現像剤19〜
21の磁場79.6kA/mにおける磁化の強さは、い
ずれも22〜26Am2/kgの範囲であった。
【0486】〈実施例16〜18〉現像剤の製造例22
〜24 実施例2において、トナー粒子1の代わりに、トナー粒
子の製造例2〜4で得られた磁性のトナー粒子2〜4を
それぞれ用いた以外は、実施例2と同様にして現像剤2
2〜24を得た。各現像剤22〜24の磁場79.6k
A/mにおける磁化の強さは、いずれも26〜28Am
2/kgの範囲であった。
【0487】〈実施例19、20〉現像剤の製造例2
5、26 実施例1において、無機微粉末A−1の代わりに無機微
粉末A−4を1.0質量%用い、導電性微粉末B−4の
含有量を3.0質量%とし、トナー粒子1の代わりにト
ナー粒子の製造例5または6で得られた非磁性のトナー
粒子5および6をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同
様にして現像剤25及び26を得た。
【0488】〈実施例21〉現像剤の製造例27 実施例1において、無機微粉末A−1の代わりに無機微
粉末A−4を1.0質量%用い、導電性微粉末B−4の
含有量を3.0質量%とし、トナー粒子1の代わりにト
ナー粒子の製造例7で得られた非磁性のトナー粒子7を
用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤27を得
た。
【0489】〈実施例22〉現像剤の製造例28 実施例1において、無機微粉末A−1の含有量を0.9
質量%、導電性微粉末B−4の含有量を3.0質量%と
し、トナー粒子1の代わりにトナー粒子の製造例8で得
られた磁性トナー粒子8を用いた以外は、実施例1と同
様にして現像剤28を得た。
【0490】上記各現像剤1〜28の無機微粉末及び導
電性微粉末の含有量、0.60μm以上、59.21μ
m未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布から得られた、
1.00μm以上2.00μm未満、2.00μm以上
3.00μm未満、3.00μm以上8.96μm未満
および8.96μm以上の粒径範囲の粒子の含有量(個
数%)、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範
囲での個数分布の変動係数Kn、円形度分布から得られ
た、円形度が0.90以上である粒子の含有量(個数
%)および標準偏差、現像剤中でのトナー粒子100個
あたりの0.6〜3μmの導電性微粉末の個数、並びに
100メッシュパス−200メッシュオンの粒径の球形
鉄粉に対する摩擦帯電量を表5にそれぞれ示す。
【0491】
【表5】
【0492】〈実施例23A〉 現像剤1、帯電部材部
材1を用いた画像形成装置及び画像形成方法の評価 図1は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す図で
ある。この画像形成装置は、転写式電子写真プロセスを
利用した現像同時クリーニングプロセス(クリーナレス
システム)のレーザプリンタ(記録装置)である。クリ
ーニングプレードなどのクリーニング部材を有するクリ
ーニングユニットを除去したプロセスカートリッジを有
し、現像剤としては磁性1成分系現像剤(すなわち、外
添剤と磁性トナー粒子を有する磁性トナー)を使用し、
現像剤担持体上の現像剤層と像担持体とが非接触となる
ように配置された非接触現像の画像形成装置の一例であ
る。
【0493】(1)画像形成装置の構成 1は像担持体としての、感光体製造例1の回転ドラム式
のOPC感光体であり、時計方向(矢印の方向)に94
mm/secの周速度(プロセススピード)をもって回
転駆動される。
【0494】2は接触帯電部材としての帯電部材製造例
1の帯電ローラである。帯電ローラ2は感光体1に対し
て弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設してあ
る。nは感光体1と帯電ローラ2との接触部である帯電
部である。本実施例では、帯電ローラ2は感光体1との
接触部である帯電部nにおいて対向方向(感光体表面の
移動方向と逆方向)に141mm/sec(相対移動速
度比250%)の周速度で回転駆動されている。また、
帯電ローラ2の表面には、塗布量がおよそ一層で均一に
なるように、導電性微粉末の例4の導電性微粉末B−4
をあらかじめ塗付した。
【0495】また帯電ローラ2の芯金2aには、帯電バ
イアス印加電源S1から−700Vの直流電圧を帯電バ
イアスとして印加した。本実施例では、感光体1の表面
は帯電ローラ2に対する印加電圧とほぼ等しい電位(−
680V)に直接注入帯電方式によって一様に帯電処理
される。これについては後述する。
【0496】3はレーザダイオード、ポリゴンミラー等
を含むレーザビームスキャナ(露光器)である。このレ
ーザビームスキャナは、目的の画像情報の時系列電気デ
ィジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光
(波長740nm)を出力し、該レーザ光Lで感光体1
の一様帯電面を走査露光する。この走査露光により回転
感光体1に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成さ
れる。
【0497】4は現像装置である。感光体1表面の静電
潜像がこの現像装置によりトナー画像として現像され
る。本実施例の現像装置4は、現像剤として負帯電性1
成分絶縁現像剤である現像剤1を用いた、非接触型の反
転現像装置である。現像剤1にはトナー粒子1および導
電性微粉末B−4が外添添加されている。
【0498】4aは現像剤担持搬送部材としての、マグ
ネットロール4bを内包させた直径16mmの非磁性現
像スリーブである。この現像スリーブ4aは、感光体1
に対して300μmの離間距離をあけて対向配設され、
感光体1との対向部である現像部(現像領域部)aにて
感光体1の回転方向と順方向に感光体1の周速の120
%の周速(周速度113mm/sec)で回転される。
【0499】この現像スリーブ4a上に、現像剤1が弾
性ブレード4cによって薄層にコートされる。現像剤1
は、弾性ブレード4cによって現像スリーブ4上での層
厚が規制されるとともに電荷が付与される。この時、現
像スリーブ4aにコートされた現像剤量は、18g/m
2であった。
【0500】現像スリーブ4aにコートされた現像剤1
は、スリーブ4aが回転することによって、感光体1と
当該スリーブ4aとの対向部である現像部aに搬送され
る。また、スリーブ4aには、現像バイアス印加電源S
2により現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス
電圧は−420Vの直流電圧と、周波数1600Hz、
ピーク間電圧1500V(電界強度5×106V/m)
の矩形の交流電圧とを重畳したものを用いて、現像スリ
ーブ4aと感光体1との間で1成分のジャンピング現像
を行った。
【0501】5は接触転写手段としての中抵抗の転写ロ
ーラであり、感光体1に98N/mの線圧で圧接させて
転写ニップ部bを形成している。この転写ニップ部bに
図示せぬ給紙部から所定のタイミングで記録媒体として
の転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ5に転写バイア
ス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加され
ることで、感光体1側のトナー像が転写ニップ部bに給
紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0502】本実施例では、転写ローラ5は抵抗が5×
108Ωcmのものを用い、+3000Vの直流電圧を
印加して転写を行った。即ち、転写ニップ部bに導入さ
れた転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、
その表面側に感光体1の表面に形成担持されているトナ
ー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0503】6は熱定着方式等の定着装置である。転写
二ップ部bに給紙され感光体1側のトナー像の転写を受
けた転写材Pは、感光体1の表面から分離されてこの定
着装置6に導入され、トナー像の定着を受けて画像形成
物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0504】本例の画像形成装置はクリーニングユニッ
トを除去しており、転写材Pに対するトナー像転写後の
感光体1の表面に残留した転写残りの現像剤(転写残ト
ナー粒子)はクリーニング手段で除去されることなく、
感光体1の回転に伴い帯電部nを経由して現像部aに至
り、現像装置4において現像同時クリーニング(回収)
される。
【0505】本例の画像形成装置は、感光体1、帯電ロ
ーラ2、現像装置4の3つのプロセス機器を一括して画
像形成装置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッ
ジ7として構成してある。本発明においてはプロセスカ
ートリッジ化するプロセス機器の組み合わせ等は上記に
限られるものではなく任意である。なお、8はプロセス
カートリッジ着脱案内・保持部材である。
【0506】(2)導電性微粉末の挙動 現像装置4の現像剤1に混入された導電性微粉末mは、
感光体1側の静電潜像の現像装置4によるトナー現像時
に、トナー粒子tとともに適当量が感光体1側に移行す
る。
【0507】感光体1上のトナー画像(すなわちトナー
粒子)は、転写部bにおいて転写バイアスの影響で記録
媒体である転写材P側に引かれて積極的に転移する。し
かし、感光体1上の導電性微粉末mは導電性であるため
転写材P側には積極的には転移せず、感光体1上に実質
的に付着保持されて残留する。
【0508】本実施例においては、画像形成装置はクリ
ーニング工程を有さないため、転写後の感光体1の表面
に残存した転写残トナー粒子および導電性微粉末は、感
光体1の回転に伴って、感光体1と接触帯電部材である
帯電ローラ2の接触部である帯電部nに持ち運ばれて、
帯電ローラ2に付着或いは混入する。従って、感光体1
と帯電ローラ2との接触部nにこの導電性微紛末mが存
在した状態で感光体1の直接注入帯電が行われる。
【0509】この導電性微粉末mの存在により、帯電ロ
ーラ2に転写残トナー粒子が付着・混入した場合でも、
帯電ローラ2の感光体1への綴密な接触性と接触抵抗を
維持できるため、該帯電ローラ2による感光体1の直接
注入帯電を行わせることができる。
【0510】つまり、帯電ローラ2が導電性微粉末mを
介して密に感光体1に接触し、この導電性微粉末mが感
光体1表面を隙間なく摺擦する。これにより、帯電ロー
ラ2による感光体1の帯電を、放電現象を用いない、安
定かつ安全な直線注入帯電が支配的とすることが可能に
なり、従来のローラ帯電等では得られなかった高い帯電
効率が得られる。従って、帯電ローラ2に印加した電圧
とほぼ同等の電位を感光体1に与えることができる。
【0511】また帯電ローラ2に付着或いは混入した転
写残トナー粒子は、帯電ローラ2から徐々に感光体1上
に吐き出され、感光体1表面の移動に伴って現像部aに
至り、現像装置4において現像同時クリーニング(回
収)される。
【0512】現像同時クリーニングは、転写後に感光体
1上に残留したトナー粒子を、画像形成工程の次回以降
の現像時(現像後、再度帯電工程、露光工程を介した後
の潜像の現像時)において、現像装置のかぶり取りバイ
アス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位
間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によっ
て回収するものである。本実施例における画像形成装置
のように、反転現像の場合、この現像同時クリーニング
は、現像バイアスによる感光体の暗部電位から現像スリ
ーブにトナー粒子を回収する電界と、現像スリーブから
感光体の明部電位ヘトナー粒子を付着させる(現像す
る)電界の作用でなされる。
【0513】また、画像形成装置が稼働されることで、
現像装置4の現像剤に含有された導電性微粉末mが、現
像部aで感光体1表面に移行し、感光体1表面の移動に
伴って転写部bを経て帯電部nに持ち運ばれることによ
って、帯電部nに新しい導電性微粉末mが逐次供給され
続けるため、帯電部nにおいて導電性微粉末mが脱落等
で減少したり、帯電部nの導電性微粉末mが劣化するな
どしても、帯電性の低下が生じることが防止されて感光
体1の良好な帯電性が安定して維持される。
【0514】かくして、接触帯電方式、転写方式、トナ
ーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯
電部材として簡易な帯電ローラ2を用いて、像担持体と
しての感光体1に均一な帯電性を低印加電圧で与えるこ
とができる。しかも、該帯電ローラ2が転写残トナー粒
子により汚染されるにも拘わらず、オゾンレスの直接注
入帯電を長期に渡り安定に維持させることができ、均一
な帯電性を与えることができる。よって、オゾン生成物
による障害、帯電不良による障害等のない、簡易な構
成、低コストな画像形成装置を得ることができる。
【0515】前述のように、導電性微粉末は帯電性を損
なわないために、抵抗値が1×10 9Ω・cm以下であ
る必要がある。導電性微粉末の抵抗値が1×109Ω・
cmよりも大きいと、帯電ローラ2が導電性微粉末を介
して密に感光体1に接触し、導電性微粉末が感光体1表
面を摺擦しても、感光体1への電荷注入が十分には行わ
れず、感光体1を所望の電位に帯電させることが困難と
なる。また、現像剤が直接感光体1に接触する接触現像
装置を用いた場合には、現像部aにおいて現像剤中の導
電性微粉末を通じて、現像バイアスにより感光体1に電
荷注入され、画像かぶりあるいは画像の欠け、濃度薄が
発生してしまう。
【0516】しかし、本実施例では現像装置は非接触型
現像装置であるので、現像バイアスが感光体1に注入さ
れることがなく、良好な画像を得ることができる。ま
た、現像部aにおいて感光体1への電荷注入が生じない
ため、交流バイアスなど現像スリーブ4aと感光体1と
の間に高電位差を持たせることが可能となる。これによ
り導電性微粉末mが均等に現像されやすくなるため、均
一に導電性微粉末mを感光体1表面に塗布し、帯電部で
均一な接触を行い、良好な帯電性を得ることができ、良
好な面像を得ることが可能となる。
【0517】帯電ローラ2と感光体1との接触面に介在
された導電性微粉末の潤滑効果(摩擦低減効果)によ
り、帯電ローラ2と感光体1との間に容易に効果的に速
度差を設けることが可能となる。この潤滑効果により、
帯電ローラ2と感光体1との摩擦を低減し、駆動トルク
を低減し、帯電ローラ2や感光体1の表面の削れあるい
は傷を防止できる。また、この速度差を設けることによ
り、帯電ローラ2と感光体1の相互接触部(帯電部)n
において導電性微粉末が感光体1に接触する機会を格段
に増加させ、高い接触性を得ることができる。よって、
良好な直接注入帯電を可能としている。
【0518】本実施例では、帯電ローラ2を回転駆動
し、その回転方向は感光体1表面の移動方向とは逆方向
に回転するように構成することで、帯電部nに持ち運ば
れる感光体1上の転写残トナー粒子を帯電ローラ2に一
時的に回収し、帯電部nに介在する転写残トナー粒子の
存在量を均す効果を得ている。このため、転写残トナー
粒子の帯電部nでの偏在による帯電不良の発生が防止さ
れ、より安定した帯電性が得られる。
【0519】さらに、帯電ローラ2を逆方向に回転する
ことによって、感光体1上の転写残トナー粒子を感光体
1から一旦引き離して帯電を行うことにより、優位に直
接注入帯電を行うことが可態である。また、導電性微粉
末の帯電ローラ2からの過度の脱落による帯電性の低下
を起こさない。
【0520】(3)評価 本実施例では、0.60μm以上159.21μm未満
の粒径範囲の個数基準の粒度分布から求めた1.00μ
m以上2.00μm未満の粒子個数%が19.8個数%
である現像剤1を用いている。ここで、トナーカートリ
ッジ内に120gの現像剤1を充填して、5%カバレッ
ジの画像の3500枚の連続プリントにより、トナーカ
ートリッジ内で現像剤量が少なくなるまで使用した。転
写材としては90g/m2のA4コピー紙を用いた。そ
の結果、初期および3500枚の連続プリント後におい
ても画像濃度が十分に高く、カブリが少なく、また現像
性の低下は見られなかった。
【0521】また、3500枚の連続プリント後、帯電
ローラ2上で感光体1との接触部nに対応する部分を観
察したところ、微量の転写残トナー粒子が確認されるも
のの、ほぼ白色の導電性微粉末B−4で覆われていた。
【0522】また、感光体1と帯電ローラ2との接触部
nに導電性微粉末B−4が存在した状態で、かつ導電性
微粉末B−4の抵抗が十分に低いために、初期より35
00枚の連続プリント後まで帯電不良に起因する画像欠
陥を生じず、良好な直接注入帯電性が得られた。
【0523】また、像担持体として感光体製造例1の最
表面層の体積抵抗が5×1012Ω・cmの感光体を用い
たことにより、静電潜像を維持することができ、シャー
プな輸郭の文字画像が得られ、3500枚の連続プリン
ト後も十分な帯電性が得られる直接注入帯電を実現でき
た。3500枚の連続プリント後の直接注入帯電後、感
光体電位は、印加帯電バイアス−700Vに対して−6
90Vであり、初期からの帯電性の低下は見られず、帯
電性の低下による画像品質の低下は認められなかった。
【0524】更に、像担持体の表面の水に対する接触角
が102度である感光体製造例1の感光体を用いたこと
とあいまって、転写効率は初期及び3500枚の連続プ
リント後も非常に優れていた。転写後の感光体上に転写
残トナー粒子量が少ないことを勘案しても、3500枚
の連続プリント後の帯電ローラ2上での転写残トナー粒
子が微量であったことと非画像部のカブリが少ないこと
より、現像での転写残トナー粒子の回収性が良好であっ
たことが解る。
【0525】像担持体の移動速度(プロセススピード)
を94mm/secから120mm/secと速くし、
帯電ローラ2の移動速度(周速度)を感光体表面の移動
方向と逆方向に120mm/sec(相対移動速度比を
250%から200%)に変更して、上記と同様にして
評価を行った結果を実施例23の評価として表6に示
す。
【0526】プロセススピードが94mm/sec、帯
電ローラ2の感光体1との相対移動速度比が250%の
条件では未発生であったパターン回収不良と画像汚れが
僅かながら発生しており、3500枚の連続プリントア
ウトによる帯電性の低下も−30Vと拡大した。プロセ
ススピードが120mm/sec、帯電ローラ2の感光
体1との相対移動速度比が200%の条件とすること
で、感光体1の帯電性が低下し、転写残トナー粒子の回
収性が低下する傾向が見られた。
【0527】ところで、画像形成装置はより高速でより
低コストであることがますます求められつつある。例え
ば、普及している電子写真方式を利用したレーザプリン
タでは、ローエンドと呼ばれる個人向け入門機種の印字
速度が1分当たり6〜8枚であったのが、1分当たり1
0〜15枚程度まで高速化され、かつ低価格化が進んで
いる。印字速度を像担持体の移動速度(プロセススピー
ド)に換算すると50mm/sec程度から100mm
/sec近くにまで高速化されており、今後も更に高速
化されていくものと考えられる。
【0528】プロセススピードが速くなると、一般には
現像同時クリーニングにおける転写残トナー粒子の回収
性が低下する傾向がある。プロセススピードが速くなる
ことで、一次帯電における転写残トナー粒子の帯電制御
が十分には行われ難く、一次帯電から吐き出されて現像
での回収に向かう転写残トナー粒子の帯電が不均一とな
り易いこと、及び現像にて回収された転写残トナー粒子
の混入による現像剤の摩擦帯電性への影響を抑制するこ
とが困難となる方向であることが理由として考えられ
る。特にこの傾向は、非接触現像法において顕著であ
る。これは、接触現像法における転写残トナー粒子の回
収では、現像剤担持体と像担持体との接触により静電気
的な力がより有効に働き、且つ摺擦による物理的な力が
働くため、プロセススピードの増大による転写残トナー
粒子の回収性の低下を補い易いためと推測される。
【0529】また、直接注入帯電の帯電性も、プロセス
スピードの増大に伴い低下する傾向がある。これは、導
電性微粉末を介しての像担持体と接触帯電部材との接触
確率の低下、または電荷を注入して像担持体を帯電させ
るための帯電時間の短縮のためと推測される。更に、前
記接触確率を維持するために、プロセススピードの増大
と併せて、像担持体の移動速度に対する帯電部材の移動
速度比を維持或いは増大させると、トルクの大幅な増大
がコストアップ要因となり、像担持体及び帯電部材の
傷、帯電部材に付着或いは混入する転写残トナー粒子の
飛散による機内汚染等の問題を生じ易くなる。従って、
より速いプロセススピードで、帯電部材の移動速度を低
く抑えて、パターン回収不良と画像汚れが発生せず、繰
り返し使用後の像担持体の帯電性の低下を十分に小さく
することが可能な現像剤及び画像形成方法が求められ
る。
【0530】以下、プリント画像の評価法について述べ
る。
【0531】(a)画像濃度 初期、及び3500枚の連続プリントアウトを終了した
後、2日放置して再び電源を入れた1枚目の画像濃度に
より評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」
(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地
部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し
た。評価結果を表6に示す。なお、表6中の各記号は、
それぞれ以下の評価を意味する。
【0532】A:非常に良好で、グラフィックな画像ま
で高品位に表現するために十分な画像(1.40以上) B:良好で、ノングラフィックで高品位な画質を得るた
めに十分な画像濃度(1.35以上乃至1.40未満) C:普通で、文字を認識する上では十分として許容され
る画像濃度(1.20以上乃至1.35未満) D:悪い。濃度が薄いとして許容されない画像濃度
(1.20未満) (b)画像カブリ 初期、および3500枚の連続プリントアウトを終了し
た後に、プリントアウト画像をサンプリングし、プリン
トアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差
から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価し
た。白色度は「リフレクトメータ」(東京電色社製)に
より測定した。評価結果を表6に示す。なお、表6中の
各記号は、それぞれ以下の評価を意味する。
【0533】 A:非常に良好で、肉限では一般に認識されないカブリ
(1.5%未満) B:良好で、注意して見ないと認識できないカブリ
(1.5%以上乃至2.5%未満) C:普通。カブリを認識することは容易であるが、許容
されるカブリ(2.5%以上乃至4.0%未満) D:悪い。画像汚れとして認識され許容できないカブリ
(4%以上) 以下、プリント画像の評価法について述べる。
【0534】(C)転写性 初期および3500枚プリントアウト終了後に、転写性
の評価を行った。転写性は、ベタ黒画像形成時の感光体
上の転写残トナー粒子を、マイラーテープによりテーピ
ングしてはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に
貼ったもののマクベス濃度から、マイラーテープのみを
紙上に貼ったもののマクベス濃度を差し引いた数値で評
価した。評価結果を表6に示す。なお、表6中の各記号
は、それぞれ以下の評価を意味する。
【0535】 A:非常に良好(0.05未満) B:良好(0.05以上乃至0.1未満) C:普通(0.1以上乃至0.2未満) D:悪い(0.2以上) (d)像担持体の帯電性 初期(約40枚〜約50枚)後に一様に帯電後の感光体
表面電位を測定し、及び3500枚の連続プリントアウ
トを終了した後、現像器位置にセンサを配置して同様に
して、一様帯電後の感光体表面電位を測定し、その差分
により像担持体の帯電性を評価した。評価結果を表6に
示す。差分がマイナスに大きくなるほど像担持体の帯電
性の低下が大きいことを示す。
【0536】(e)パターン回収不良 縦線の同一パターン(2ドット98スペースの縦線繰り
返し)を連続プリントアウト後、ハーフトーン画像(2
ドット3スペースの横線繰り返し)のプリントアウト試
験を行い、ハーフトーン画像上に縦線のパターンに対応
した濃淡が生じるかどうかを目視で評価した。評価結果
を表6に示す。なお、表6中の各記号は、それぞれ以下
の評価を意味する。
【0537】 A:非常に良好(未発生) B:良好(わずかに濃淡の発生が見られるが、画像への
影響はない) C:普通(濃淡むらを生じるが、実用上許容レベルの範
囲である) D:悪い(濃淡むらが顕著で許容できない)、 (f)画像汚れ 画像汚れの評価は、定着後の画像を目視で観察し、以下
の評価基準に基づいて評価を行なった。評価結果を表6
に示す。
【0538】 A:未発生 B:かすかに発生。画像への影響は極めて軽微である C:ある程度発生。実用上許容できるレベルである D:画像汚れが著しく、許容できない 〈実施例24〜26〉 感光体の評価 実施例23で用いた感光体製造例1の感光体の代わり
に、感光体製造例2〜4で得られた感光体を用いる以外
は、実施例23と同様に像担持体の移動速度(プロセス
スピード)120mm/sec、帯電ローラ2の感光体
との周速比200%の条件で評価を行った。結果を表6
に示す。
【0539】感光体製造例2で製造された感光体を用い
た実施例24では、実施例23と比較すると転写性及び
転写残トナー粒子の回収性がやや劣り、これに伴い感光
体の帯電性の砥下による画像の一部に点状の画像汚れが
見られ、パターン回収不良が見られたが、実用上許容で
きる範囲内であった。
【0540】感光体製造例3で製造された感光体を用い
た実施例25では、実施例23と比較するとややトナー
画像の輸郭のシャープさが劣り、カブリが悪化したが、
それ以外はほぼ良好な性能を示した。
【0541】感光体製造例4で製造された感光体を用い
た実施例26では、実施例23と比較すると初期から帯
電効率が悪く、印加帯電バイアス電源−700Vに対し
帯電後の感光体表面電位は初期から−650Vとやや劣
った。現像同時クリーニング性でも比較して劣り、パタ
ーン回収不良及びカブリの増大が見られたが、実用上は
許容できる範囲内であった。
【0542】〈実施例27、28〉 帯電部材の評価 実施例23で用いた帯電部材製造例1の帯電部材の代わ
りに、帯電部材製造例2および3で得られた帯電部材を
用いた以外は、実施例23と同様に評価を行った。結果
を表6に示す。
【0543】帯電部材製造例2で製造された帯電ローラ
を用いた実施例27は、実施例23と比較すると、感光
体と接触帯電部材との密着性にやや劣り、接触帯電部材
への導電性微粉末の付着量がやや少なく、初期から像担
持体の帯電性にやや劣り、カブリの増大傾向も見られた
が、実用上は問題とはならない範囲であり、現像同時ク
リーニング性は良好であった。
【0544】帯電部材製造例3で製造された帯電ローラ
を用いた実施例28は、実施例23と比較すると、感光
体上の転写残トナー粒子に対する接触帯電部材の摺擦力
が小さいために初期からパターン回収不良が見られ、感
光体と接触帯電部材との接触部における導電性微粉末の
介在量が明らかに少なく、連続プリントアウト後は像担
持体の帯電性低下に伴ってカブリが増加したが、実用上
は許容できる範囲内であった。また、接触帯電部材への
印加帯電バイアスを−700Vの直流電圧から、直流電
圧−700Vにピークトゥーピークで1600V、周波
数700Hzのサイン波を交流電圧として重畳して放電
帯電に変更したところ、像担持体の帯電性低下に伴うカ
ブリの増加は緩和される傾向であったが、パターン回収
不良は改善されなく、連続プリントアウト後は感光体表
面の傷に対応しての画像汚れが目立ちはじめた。
【0545】〈実施例29〜31〉 現像剤2〜4の評
価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤2〜4を用いる以外は、実施例23と同様に画出し
テストを行った。結果を表6に示す。
【0546】現像剤2または3を用いた実施例29、3
0は、実施例23と比較すると、更に像担持体の帯電の
均一性及び現像同時クリーニング性に優れ、画像濃度の
低下、カブリの増加及びパターン回収不良は見られなか
った。
【0547】現像剤4を用いた実施例31は、実施例2
9と比較すると、初期の画像濃度がやや低く、画像上で
のカブリも悪化しているが、連続プリントアウト後の像
担持体の帯電性の低下も軽微で、現像同時クリーニング
性も良好でパターン回収不良は見られなかった。
【0548】〈比較例7〉現像剤5の評価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤5を用いる以外は、実施例23と同様に画出しテス
トを行った。結果を表6に示す。
【0549】現像剤5を用いた比較例7は、実施例23
と比較すると初期の画像濃度が大幅に低下し、3500
枚の連続プリント後でも明らかに画像濃度は薄く、転写
性の低下、カブリの増大及び顕著な画像汚れの発生がみ
られ、許容できない画像であった。
【0550】〈実施例32〉現像剤6の評価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤6を用いる以外は、実施例23と同様に画出しテス
トを行った。結果を表6に示す。現像剤6を用いた実施
例30は、像担持体の帯電性が良好で、現像同時クリー
ニング性に優れていた。
【0551】〈比較例8〉現像剤7の評価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤7を用いる以外は、実施例23と同様に画出しテス
トを行った。結果を表6に示す。
【0552】現像剤7を用いた比較例8は、初期には良
好な像担持体の帯電性を示したが、パターン回収不良を
発生した。3500枚の連続プリント終了後は帯電部材
表面の転写残トナー粒子の付着が多く、像担持体の帯電
性は大幅に低下し、顕著なカブリの増大、帯電不良によ
る画像汚れ、転写性の低下を生じ、パターン回収不良も
更に悪化し、許容できない画像となった。
【0553】〈実施例33、34〉現像剤8及び9の評
価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤8及び9を用いる以外は、実施例23と同様に画出
しテストを行った。結果を表6に示す。
【0554】現像剤8を用いた実施例33は、実施例2
3と比較すると、初期からやや画像濃度が低く、パター
ン回収不良の発生も見られたが、実用上は許容できる範
囲内であった。
【0555】現像剤9を用いた実施例34は、実施例2
3と比較すると、初期から画像濃度が低く、カブリも多
めで、パターン回収不良の発生も見られたが、実用上は
許容できる範囲内であった。
【0556】〈比較例9〜11〉現像剤10〜12の評
価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤10〜12を用いる以外は、実施例23と同様に画
出しテストを行った。結果を表6に示す。現像剤10〜
12を用いた比較例9〜11は、実施例23と比較する
といずれも初期から画像濃度が低く、カブリが多かっ
た。3500枚の連続プリント終了後は帯電部材表面の
転写残トナー粒子の付着が多く、顕著なパターン回収不
良及び画像汚れを生じた。更に、比較例11では現像剤
の飛散による機内汚染を生じた。
【0557】〈実施例35〜39〉現像剤13〜17の
評価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤13〜17を用いる以外は、実施例23と同様に画
出しテストを行った。結果を表6に示す。
【0558】現像剤13を用いた実施例35は、実施例
23と比較すると、初期から画像上でのカブリが目立っ
たが、3500枚の連続プリント終了後の像担持体の帯
電性及び現像同時クリーニング性は良好であった。
【0559】現像剤14及び15を用いた実施例36及
び37は、共に実施例23と比較すると、共に初期から
パターン回収不良がやや悪く、3500枚の連続プリン
ト終了後の像担持体の帯電性の低下もやや大きいが、実
用上は許容できる範囲内であった。
【0560】現像剤16を用いた実施例38は、初期か
ら画像濃度がやや低く、カブリも多めであった。350
0枚の連続プリント終了後では、帯電部材に保持しきれ
ない導電性微粉末が画像露光を遮光することに起因する
と考えられる画像汚れをやや生じたが、実用上は許容で
きる範囲内であった。
【0561】現像剤17を用いた実施例39は、初期か
らカブリがやや多く、パターン回収不良がやや悪かっ
た。3500枚の連続プリント終了後の像担持体の帯電
性の低下もやや大きいが、実用上は許容できる範囲内で
あった。
【0562】〈比較例12〉現像剤18の評価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤18を用いる以外は、実施例23と同様に画出しテ
ストを行った。結果を表6に示す。
【0563】現像剤18を用いた比較例12は、300
枚の連続プリント時に帯電不良による画像汚れを生じ、
顕著なパターン回収不良を生じた。この時の像担持体の
帯電性の低下は140Vであり、帯電部材表面には転写
残トナー粒子の付着が著しく、これ以上の評価を行うこ
とができなかった。
【0564】〈実施例40〜42〉現像剤19〜21の
評価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤19〜21を用いる以外は、実施例23と同様に画
出しテストを行った。結果を表6に示す。
【0565】現像剤19を用いた実施例40は、転写性
に劣り、3500枚の連続プリント終了後の像担持体の
帯電性の低下もやや大きく、パターン回収不良も発生し
たが、実用上は許容できる範囲内であった。
【0566】現像剤20を用いた実施例41は、やや転
写性に劣るものの、概ね良好な像担持体の帯電性及び現
像同時クリーニング性を示した。
【0567】現像剤21を用いた実施例42は、実施例
23と比較すると画像濃度がやや低く、転写性もやや劣
るものの、概ね良好な像担持体の帯電性及び現像同時ク
リーニング性を示した。
【0568】〈実施例43〜45〉現像剤22〜24の
評価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤22〜24を用いる以外は、実施例23と同様に画
出しテストを行った。結果を表6に示す。
【0569】現像剤22を用いた実施例43は、初期か
ら良好な画像が得られ、3500枚の連続プリント終了
後の像担持体の帯電性の低下も十分に小さく、現像同時
クリーニング性も良好であった。
【0570】現像剤23及び24を用いた実施例44及
び45は、実施例23と比較すると初期から転写性にす
ぐれ、3500枚の連続プリント終了後の像担持体の帯
電性の低下もより小さく、パターン回収不良及び画像汚
れの発生も無く、像担持体の帯電性及びトナー回収性に
優れていた。
【0571】〈実施例46〉現像剤25、帯電部材の製
造例4で製造された帯電ブラシを用いた画像形成装置お
よび画像形成方法の評価 図2は、本発明の画像形成装置の別の構成の一例を示す
概略構成模型図である。本実施例の画像形成装置は、転
写式電子写真プロセスを利用した現像同時クリーニング
プロセスを採用したレーザプリンタ(記録装置)であ
る。クリーニングユニットを有さず、小径ドラム状感光
体の採用により小型化された、画像形成装置本体に着脱
自在のプロセスカードリッジを有する。現像剤としては
非磁性一成分系現像剤である現像剤25を使用し、現像
剤担持体上の現像剤層と像担持体が非接触に配置される
非接触現像の例である。
【0572】(1)画像形成装置の構成 21は像担持体としての、感光体製造例1の直径24m
mの回転ドラム型のOPC感光体であり、矢印の時計方
向に90mm/secの周速度(プロセススピード)を
もって回転駆動される。
【0573】22は接触帯電部材としての導電性ブラシ
ローラ(以下、帯電ブラシと表記する)である。帯電ブ
ラシ22は、帯電部材の製造例4で得られたロール状帯
電ブラシであり、感光体の回転方向と逆方向に感光体の
周速に対して相対速度比200%で回転駆動される。ま
た、帯電ブラシ22と感光体21の間に導電性微粉末
(現像剤25に含有される導電性微粉末B−4)が介在
した状態で、帯電ブラシ22の芯金22aに帯電バイア
ス印加手段から−700Vの直流電圧が帯電バイアスと
して印加され、感光体21の表面を直接注入帯電方式に
て一様に帯電処理する。一様帯電処理後の感光体21の
表面電位は−680Vであった。
【0574】23は潜像形成手段としてのレーザビーム
スキャナである。このレーザビームスキャナは、目的の
画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強
度変調されたレーザ光Lにより、上記感光体21の一様
帯電面を走査露光する。この走査露光により、感光体2
1表面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成され
る。
【0575】24は現像装置である。感光体21の表面
の静電潜像は、この現像装置によりトナー画像として現
像される。現像装置24は、現像剤としてトナー粒子の
製造例5で得られたトナー粒子5に無機微粉末A−4お
よび導電性微粉末B−4を外添添加して得られた現像剤
7を用いた、すなわち絶縁性の負帯電性非磁性1成分系
現像剤を用いた、非接触型の反転現像装置である。
【0576】24aは現像剤担持部材としての現像ロー
ラである。この現像ローラは、カーボンブラックを分散
して抵抗を調整したシリコーンゴムからなる直径16m
mの中抵抗ゴムローラである。この現像剤担持体24a
を感光体21との間に280μmの離間距離を設定して
配置した。
【0577】現像剤担持体24aは、感光体21との対
向部分において、感光体21の回転方向と順方向に、感
光体21の回転周速に対し134%の周速で回転され
る。すなわち、現像剤担持体24aの表面の移動速度は
120mm/sであり、感光体21表面に対する相対速
度は30mm/sである。
【0578】現像剤担持体24aに現像剤を塗布する手
段として、現像部分に塗布ローラ24bを設け、該現像
剤担持体24aに当接させた。現像剤担持体24aと塗
布ローラ24bとの接触部において、現像剤担持体24
aの表面が移動する方向(回転方向)に対して、塗布ロ
ーラ24b表面がカウンター方向に移動するように回転
させる(回転方向は同方向)ことにより、現像剤を現像
剤担持体24aに供給及び塗布した。塗布ローラー24
bは、バイアスが印加されている芯金と芯金上に中抵抗
の弾性層を形成した抵抗103〜108Ω・cmのローラ
ー部材である(塗布ローラー24bの抵抗は、帯電部材
としての帯電ローラーと同様にして測定することができ
る)。塗布ローラー24bにバイアスを印加する構成に
より、塗布ローラ24b表面の電位は−500Vに制御
され、現像剤の供給及びはぎ取りを制御している。な
お、本発明においては、塗布ローラ24bは、金属また
は樹脂等によって形成されていてもよいが、バイアスが
印加されている芯金と芯金上に高抵抗層または中抵抗層
を形成する構成を用いることもできる。この塗布ローラ
24bにバイアスを印加する構成により、塗布ローラ2
4b表面の電位が制御されることは、現像剤の供給及び
はぎ取りを制御する上で好ましい。また、芯金上に弾性
層を有する構成も可能である。
【0579】更に現像剤担持体24a上での現像剤のコ
ート層制御のために、現像剤規制部材24cとしてのS
US316をL字形に曲げ加工した非磁性ブレードを現
像剤担持体24aに当接させた。
【0580】現像装置24に収納されている現像剤は、
現像剤塗布ローラ24b及び塗布ブレード24cによ
り、現像剤掴持体である現像ローラ24a上に塗布され
るとともに電荷を付与される。この時、現像ローラ24
aにコートされた現像剤量は、10g/m2であった。
【0581】現像ローラ24aにコートされた現像剤
は、ローラ24aが回転することにより、感光体21と
現像ローラ24aの対向部である現像部に搬送される。
また、現像ローラ24aには、現像バイアス印加手段よ
り現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス電圧
は、−400Vの直流電圧と、周波数1800Hz、ピ
ーク間電圧1800V(電界強度6.4×106V/
m)の矩形の交流電圧を重畳したものを用い、現像ロー
ラ24aと感光体21の間で非磁性1成分ジャンピング
現像を行わせた。
【0582】25は接触転写手段としての中抵抗の転写
ローラ(ローラ抵抗値は5×108Ω・cm)であり、
感光体21に98N/mの線圧で圧接させて転写ニップ
部を形成させた。この転写ニップ部に記録媒体としての
転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ25に転写バイア
ス印加手段から+2800VのDC電圧を転写バイアス
として印加することで、感光体21側のトナー像を、転
写ニップ部に給紙された転写材Pの面に順次に転写して
いく。即ち、転写ニップ部に導入された転写材Pは、こ
の転写ニップ部を挟持搬送されて、その表面側に感光体
21表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電
気力と押圧力にて転写されていく。
【0583】26は熱定着方式等の定着装置である。面
状発熱体26aから耐熱性無端ベルト26bを介して加
熱されると同時に、加圧ローラ26cによる加圧により
加熱加圧定着を行う定着装置の例である。転写ニップ部
に給紙され、感光体21側のトナー像の転写を受けた転
写材Pは、感光体21の表面から分離されてこの定着装
置26に導入され、トナー像の定着を受けて画像形成物
(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0584】本実施例のプリンタでは、転写材Pに対す
るトナー像転写後の感光体21の表面に残留した転写残
トナー粒子は、クリーナで除去されることなく、感光体
21の回転に伴い帯電部を経由して現像部に至り、現像
装置24において現像同時クリーニング(回収)され
る。
【0585】27はプリンタ本体に対して着脱自在のプ
ロセスカートリッジである。本例の画像形成装置は、感
光体21(像担持体)、帯電ブラシ22(接触帯電部
材)、現像装置24の3つのプロセス機器を一括してプ
リンタ本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジと
して構成してある。プロセスカートリッジ化するプロセ
ス機器の組み合わせは、上記に限られるものではなく任
意である。なお、28はプロセスカートリッジの着脱案
内・保持部材である。
【0586】(2)評価 本実施例では、0.60μm以上159.21μm未満
の粒径範囲の個数基準の粒度分布から求めた1.00μ
m以上2.00μm未満の粒子個数%が20.4個数%
である現像剤25を用いている。実施例21と同様に、
トナーカートリッジ内に80gの現像剤を充填して、5
%カバレッジの画像の3500枚の連続プリントによ
り、トナーカートリッジ内で現像剤量が少なくなるまで
使用して評価を行った。
【0587】初期からの3500枚の連続プリントを通
じて、更には3500枚の連続プリント後に2日放置し
た後プリントした場合でも、画像濃度の低下は見られな
かった。また、3500枚の連続プリント後、帯電ブラ
シ22上で感光体21との接触部に対応する部分を観察
したところ、微量の転写残トナー粒子が確認されるもの
の、導電性微粉末B−4で覆われていた。
【0588】また、感光体21と帯電ブラシ22との接
触部に導電性微粉末B−4が存在しており、かつ導電性
微粉末B−4の抵抗が4.8×104Ω・cmと十分に
低いため、初期より3500枚の連続プリント後まで像
担持体の帯電不良に起因する画像欠陥を生じず、良好な
直接注入帯電性が得られた。
【0589】また、転写効率は、感光体製造例1の感光
体を使用したこととあいまって、初期及び3500枚の
連続プリント後も非常に優れていた。転写後の感光体上
に転写残トナー粒子量が少ないことを勘案しても、35
00枚の連続プリント後の帯電ブラシ22上での転写残
トナー粒子が微量であったことと、非画像部のカブリが
少ないことより、現像装置での転写残トナー粒子の回収
性が良好であったことが解る。
【0590】〈実施例47〉現像剤26の評価 実施例46で用いた現像剤25の代わりに、表5に示す
現像剤26を用いる以外は、実施例46と同様に評価を
行った。結果を表6に示す。
【0591】現像剤26を用いた実施例47は、像担持
体の帯電性及びトナー回収性に優れた画像欠陥のない良
好な画像が得られ、転写残トナー粒子は実施例46より
も少なく、3500枚の連続プリント後の帯電ブラシ2
2上での転写残トナー粒子の量も少なかった。
【0592】〈実施例48〉現像剤27の評価 実施例46で用いた現像剤25の代わりに、表5に示す
現像剤27を用いる以外は、実施例46と同様に評価を
行った。結果を表6に示す。
【0593】現像剤27を用いた実施例48は、実施例
46と比較すると初期から画像濃度がやや薄く、カブリ
もやや多く、解像性もやや低下した画像となった。ま
た、3500枚の連続プリント後では、像担持体の帯電
不良のよる画像汚れ及び顕著な転写残トナー粒子の回収
不良は生じなかったが、転写残トナー粒子は多く、カブ
リもやや増加しており、実施例46と比較すると、像担
持体の帯電性及び転写残トナー粒子の回収性共に全般に
劣っていた。
【0594】〈実施例49〉 現像剤28の評価 実施例23で用いた現像剤1の代わりに、表5に示す現
像剤28を用いる以外は、実施例23と同様に評価を行
った。結果を表6に示す。
【0595】
【表6】
【0596】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
転写残トナー粒子の回収性に優れた現像同時クリーニン
グ画像形成方法を達成することが可能となり、特に、従
来は困難であった非接触型現像法を適用した場合にも画
像品位に優れた現像同時クリーニング画像形成方法を可
能とする現像剤が得られた。
【0597】また、接触帯電方式、転写方式、トナーリ
サイクルプロセスの画像形成装置において、潜像形成へ
の阻害が抑制され、転写残トナー粒子の回収性に優れ、
パターンゴーストが十分に抑制された現像同時クリーニ
ング画像形成装置が可能となった。
【0598】また、接触帯電部材への導電性微粉末の供
給性を制御し、転写残トナー粒子の付着・混入による帯
電阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良好に行わせるこ
とができる現像剤が得られた。さらに、良好な現像同時
クリーニング性を示し、廃トナー量を大幅に減らすこと
ができ、低コストで小型化の点でも優位なプロセスカー
トリッジを得ることができた。
【0599】また、接触帯電部材として簡易な部材を用
いることができ、接触帯電部材の転写残トナー粒子によ
る汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの直接注
入帯電を長期に渡り安定に維持させることができ、しか
も像担持体の均一な帯電性を与えることができる。従っ
て、オゾン生成物による障害、帯電不良による障害等の
ない、簡易な構成、低コストなプロセスカートリッジを
得ることができる。
【0600】更に、導電性微粉末を帯電部材と像担持体
との接触部に介在させることによる長期に渡って繰り返
し使用された場合での、像担持体上の傷を大幅に減少で
き、画像上の画像欠陥を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における画像形成装置の概略を
示す構成図。
【図2】本発明の実施例における画像形成装置の概略を
示す構成図。
【図3】各帯電部材の帯電特性を示すグラフ。
【図4】空間周波数による人の視覚特性を示すグラフ。
【図5】本発明において用いた現像剤の帯電量測定装置
の概略を示す模式図。
【図6】本発明の像担持体としての感光体の層構成を示
す模型図。
【図7】本発明の実施例において用いたトナー粒子球形
化装置の概略を示す構成図。
【図8】本発明の実施例において用いたトナー粒子球形
化装置の処理部の模式図。
【図9】本発明の実施例及び比較例の現像剤のフロー式
粒度分布測定装置による0.60〜159.21μmの
粒径範囲の個数基準の粒度分布。
【符号の説明】
1、21 感光体(像担持体、被帯電体) 2 帯電ローラ(接触帯電部材) 3、23 レーザビームスキャナ(潜像形成手段、露光
装置) 4、24 現像装置 4a 現像スリーブ(現像剤担持体) 4c 弾性ブレード(現像剤層厚規制部材) 5、25 転写ローラ(転写部材) 6、26 定着装置 7、27 プロセスカートリッジ 22 帯電ブラシ(接触帯電部材) 24a 現像ローラ(現像剤担持体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/147 504 G03G 5/147 504 2H077 9/083 15/02 101 15/02 101 15/06 101 15/06 101 15/16 15/08 507 9/08 101 15/16 15/08 507B Fターム(参考) 2H003 BB11 CC05 CC06 2H005 AA08 CA26 CB07 CB13 EA01 EA02 EA05 EA07 EA10 2H032 AA05 BA01 BA07 BA19 2H068 AA05 AA06 AA08 AA21 BB03 BB31 BB33 CA60 FA27 2H073 AA01 BA03 BA13 BA43 CA03 2H077 AC16 AD00 AD06 AD36 DB12 DB14 DB15 EA03

Claims (150)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂および着色剤を少なくとも含有
    するトナー粒子と、1次粒子の個数平均径が4〜80n
    mである無機微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも有
    し、 0.60μm以上159.21μmの粒径範囲の個数基
    準の粒度分布において、1.00μm以上2.00μm
    未満の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有し、且つ
    3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒子を
    15〜70個数%含有することを特徴とする現像剤。
  2. 【請求項2】 0.60μm以上159.21μm未満
    の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、1.00μ
    m以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子を20〜50
    個数%含有することを特徴とする請求項1記載の現像
    剤。
  3. 【請求項3】 0.60μm以上159.21μm未満
    の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、8.96μ
    m以上の粒径範囲の粒子を0〜20個数%含有すること
    を特徴とする請求項1または2記載の現像剤。
  4. 【請求項4】 0.60μm以上159.21μm未満
    の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、1.00μ
    m以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子の現像剤中の
    含有量をA個数%、2.00μm以上3.00μm未満
    の粒径範囲の粒子の含有量をB個数%としたときに、次
    式 A>2B を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の現像剤。
  5. 【請求項5】 0.60μm以上159.21μm未満
    の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、3.00μ
    m以上15.04μm未満の粒径範囲での下記式で示さ
    れる個数分布の変動係数Knが、5〜40であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像
    剤。 個数分布の変動係数Kn=(Sn/D1)×100 〔式中、Snは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における個数分布の標準偏差を表し、D1は
    3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲におけ
    る個数基準の平均円相当径(μm)を表す。〕
  6. 【請求項6】 0.60μm以上159.21μm未満
    の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、3.00μ
    m以上15.04μm未満の粒径範囲での下記式より求
    められる円形度aが0.90以上である粒子を90〜1
    00個数%含有することを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか一項に記載の現像剤。 円形度a=L0/L 〔式中、L0は粒子の投影像と同じ面積をもつ円の周囲
    長を表し、Lは粒子の投影像の周囲長を表す。〕
  7. 【請求項7】 0.60μm以上159.21μm未満
    の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、3.00μ
    m以上15.04μm未満の粒径範囲での円形度aが
    0.90以上である粒子を93〜100個数%含有する
    ことを特徴とする請求項6記載の現像剤。
  8. 【請求項8】 0.60μm以上159.21μm未満
    の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、3.00μ
    m以上15.04μm未満の粒径範囲での下記式より求
    められる円形度分布の標準偏差SDが0.045以下で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記
    載の現像剤。 標準偏差SD={Σ(ai−am2/n}1/2 〔式中、aiは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における各粒子の円形度を表し、amは3.0
    0μm以上15.04μm未満の粒子の平均円形度を表
    し、nは3.00μm以上15.04μm未満の全粒子
    数を表す。〕
  9. 【請求項9】 粒子径が0.6〜3μmの前記導電性微
    粉末を前記トナー粒子100個当たり5〜300個含有
    することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記
    載の現像剤。
  10. 【請求項10】 前記導電性微粉末の含有量が現像剤全
    体の1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜
    9のいずれか一項に記載の現像剤。
  11. 【請求項11】 前記導電性微粉末の抵抗が109Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れか一項に記載の現像剤。
  12. 【請求項12】 前記導電性微粉末の抵抗が106Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れか一項に記載の現像剤。
  13. 【請求項13】 導電性微粉末が非磁性であることを特
    徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の現像
    剤。
  14. 【請求項14】 前記導電性微粉末が、酸化亜鉛、酸化
    スズ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化物
    を含有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか
    一項に記載の現像剤。
  15. 【請求項15】 前記無機微粉末の含有量が現像剤全体
    の0.1〜3.0質量%であることを特徴とする請求項
    1〜14のいずれかに記載の現像剤。
  16. 【請求項16】 前記無機微粉末が、少なくともシリコ
    ーンオイルで処理されたものであることを特徴とする請
    求項1〜15のいずれか一項に記載の現像剤。
  17. 【請求項17】 前記無機微粉末が、シラン化合物で処
    理されると同時に、もしくはその後にシリコーンオイル
    で処理されたものであることを特徴とする請求項1〜1
    6のいずれか一項に記載の現像剤。
  18. 【請求項18】 前記無機微粉末が、シリカ、チタニ
    ア、アルミナから選ばれる少なくとも一種の無機微粉末
    を含有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか
    一項に記載の現像剤。
  19. 【請求項19】 磁場79.6kA/mにおける磁化の
    強さが10〜40Am2/kgである磁性現像剤である
    ことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載
    の現像剤。
  20. 【請求項20】 現像剤が、 像担持体を帯電する帯電工程と、 前記帯電工程において帯電された像担持体の帯電面に、
    画像情報を静電潜像として書き込む潜像形成工程と、 前記静電潜像を現像剤によりトナー画像として可視化す
    る現像工程と、 前記トナー画像を転写材に転写する転写工程とを有し、
    これら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法
    における前記帯電工程が、像担持体とこの像担持体に接
    触する帯電部材との接触部に現像剤が有する成分が介在
    した状態で、前記帯電部材に電圧を印加することにより
    像担持体を帯電する工程である画像形成方法に使用され
    る現像剤である請求項1〜19のいずれか一項に記載の
    現像剤。
  21. 【請求項21】 現像剤が、 像担持体を帯電する帯電工程と、 前記帯電工程において帯電された像担持体の帯電面に、
    画像情報を静電潜像として書き込む潜像形成工程と、 前記静電潜像を現像剤によりトナー画像として可視化す
    る現像工程と、 前記トナー画像を転写材に転写する転写工程とを有し、
    これら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法
    における前記現像工程が、前記静電潜像を可視化すると
    ともに、前記トナー画像が前記転写材に転写された後に
    前記像担持体上に残留した現像剤を回収する工程である
    画像形成方法に使用される現像剤である請求項1〜19
    のいずれか一項に記載の現像剤。
  22. 【請求項22】 像担持体を帯電する帯電工程と、 前記帯電工程において帯電された像担持体の帯電面に、
    画像情報を静電潜像として書き込む潜像形成工程と、 前記静電潜像を現像剤によりトナー画像として可視化す
    る現像工程と、 前記トナー画像を転写材に転写する転写工程とを有し、 これら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法
    において、 前記現像剤は、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有
    するトナー粒子と、平均1次粒子径が4〜80nmであ
    る無機微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも含有し、 0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個
    数基準の粒度分布において、1.00μm以上2.00
    μm未満の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有し、
    且つ3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒
    子を15〜70個数%含有する現像剤であり、 前記帯電工程は、少なくとも像担持体とこの像担持体に
    接触する帯電部材との接触部に、前記現像剤の成分が介
    在した状態で、前記帯電部材に電圧を印加することによ
    り前記像担持体を帯電する工程であることを特徴とする
    画像形成方法。
  23. 【請求項23】 前記帯電工程は、少なくとも像担持体
    とこの像担持体に接触する帯電部材との接触部に、前記
    現像剤が有する前記導電性微粉末が介在した状態で、前
    記帯電部材に電圧を印加することにより前記像担持体を
    帯電する工程であることを特徴とする請求項22記載の
    画像形成方法。
  24. 【請求項24】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の
    粒子を20〜50個数%含有することを特徴とする請求
    項22または23記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、8.96μm以上の粒径範囲の粒子を0〜20個
    数%含有することを特徴とする請求項22〜24のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の
    粒子の現像剤中の含有量をA個数%、2.00μm以上
    3.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量をB個数%
    としたときに、次式 A>2B を満足することを特徴とする請求項22〜25のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での下記式で示される個数分布の変動係数Knが、5〜
    40であることを特徴とする請求項22〜26のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。 個数分布の変動係数Kn=(Sn/D1)×100 〔式中、Snは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における個数分布の標準偏差を表し、D1は
    3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲におけ
    る個数基準の平均円相当径(μm)を表す。〕
  28. 【請求項28】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での下記式より求められる円形度aが0.90以上であ
    る粒子を90〜100個数%含有することを特徴とする
    請求項22〜27のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。 円形度a=L0/L 〔式中、L0は粒子の投影像と同じ面積をもつ円の周囲
    長を表し、Lは粒子の投影像の周囲長を表す。〕
  29. 【請求項29】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での円形度aが0.90以上である粒子を93〜100
    個数%含有することを特徴とする請求項28記載の画像
    形成方法。
  30. 【請求項30】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での下記式より求められる円形度分布の標準偏差SDが
    0.045以下であることを特徴とする請求項22〜2
    9のいずれか一項に記載の画像形成方法。 標準偏差SD={Σ(ai−am2/n}1/2 〔式中、aiは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における各粒子の円形度を表し、amは3.0
    0μm以上15.04μm未満の粒子の平均円形度を表
    し、nは3.00μm以上15.04μm未満の全粒子
    数を表す。〕
  31. 【請求項31】 前記現像剤が、粒子径が0.6〜3μ
    mの前記導電性微粉末を前記トナー粒子100個当たり
    5〜300個含有することを特徴とする請求項22〜3
    0のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 前記導電性微粉末の含有量が現像剤全
    体の1〜10質量%であることを特徴とする請求項22
    〜31のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  33. 【請求項33】 前記導電性微粉末の抵抗が109Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項22〜32のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  34. 【請求項34】 前記導電性微粉末の抵抗が106Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項22〜33のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  35. 【請求項35】 導電性微粉末が非磁性であることを特
    徴とする請求項22〜34のいずれか一項に記載の画像
    形成方法。
  36. 【請求項36】 前記導電性微粉末が、酸化亜鉛、酸化
    スズ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化物
    を含有することを特徴とする請求項22〜35のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  37. 【請求項37】 前記無機微粉末の含有量が現像剤全体
    の0.1〜3.0質量%であることを特徴とする請求項
    22〜36のいずれかに記載の画像形成方法。
  38. 【請求項38】 前記無機微粉末が、少なくともシリコ
    ーンオイルで処理されたものであることを特徴とする請
    求項22〜37のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  39. 【請求項39】 前記無機微粉末が、シラン化合物で処
    理されると同時に、もしくはその後にシリコーンオイル
    で処理されたものであることを特徴とする請求項22〜
    38のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 前記無機微粉末が、シリカ、チタニ
    ア、アルミナから選ばれる少なくとも一種の無機微粉末
    を含有することを特徴とする請求項22〜39のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 前記現像剤が、磁場79.6kA/m
    における磁化の強さが10〜40Am2/kgである磁
    性現像剤であることを特徴とする請求項22〜40のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 前記帯電工程において前記接触部に介
    在する現像剤成分全体に対する導電性微粉末の含有比率
    が、前記現像剤に含有される前記導電性微粉末の含有比
    率よりも高いことを特徴とする請求項22〜41のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  43. 【請求項43】 前記現像工程が、前記静電潜像を可視
    化するとともに、前記トナー画像が前記転写材に転写さ
    れた後に前記像担持体表面に残留した現像剤を回収する
    工程であることを特徴とする請求項22〜42のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  44. 【請求項44】 前記帯電部材の表面における移動方向
    と前記像担持体の表面における移動速度との間に相対的
    速度差を設けることを特徴とする請求項22〜43のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  45. 【請求項45】 前記帯電部材の表面における移動方向
    と前記像担持体の表面における移動方向とが、互いに逆
    方向であることを特徴とする請求項22〜44のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 前記帯電工程が、少なくとも表層が発
    泡体からなるローラ部材に電圧を印加することにより前
    記像担持体を帯電する工程であることを特徴とする請求
    項22〜45のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  47. 【請求項47】 前記帯電工程が、アスカーC硬度が2
    5〜50のローラ部材に電圧を印加することにより前記
    像担持体を帯電する工程であることを特徴とする請求項
    22〜46のいずれかに記載の画像形成方法。
  48. 【請求項48】 前記帯電工程が、体積固有抵抗が10
    3〜108Ω・cmのローラ部材に電圧を印加することに
    より前記像担持体を帯電する工程であることを特徴とす
    る請求項22〜47のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。
  49. 【請求項49】 前記帯電工程が、導電性を有するブラ
    シ部材に電圧を印加することにより前記像担持体を帯電
    する工程であることを特徴とする請求項22〜48のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  50. 【請求項50】 前記像担持体が、その最表面層におけ
    る体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであるこ
    とを特徴とする請求項22〜49のいずれか一項に記載
    の画像形成方法。
  51. 【請求項51】 前記像担持体の最表面層が、金属酸化
    物導電性微粒子が少なくとも分散された樹脂層であるこ
    とを特徴とする請求項22〜50のいずれか一項に記載
    の画像形成方法。
  52. 【請求項52】 前記像担持体の表面の水に対する接触
    角が85度以上であることを特徴とする請求項22〜5
    1のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  53. 【請求項53】 前記像担持体が、その最表面層がフッ
    素系樹脂、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂
    から選ばれる材料からなる滑剤微粒子が少なくとも分散
    された層であることを特徴とする請求項22〜52のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  54. 【請求項54】 前記現像工程において前記現像剤を担
    持する現像剤担持体が、前記像担持体に対して100〜
    1000μmの離間距離で対向して配置されていること
    を特徴とする請求項22〜53のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  55. 【請求項55】 前記現像工程が、現像剤担持体上に前
    記現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させることに
    より現像剤層を形成し、この現像剤層から現像剤を前記
    像担持体に転移させることにより静電潜像を現像する工
    程であることを特徴とする請求項22〜54のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  56. 【請求項56】 前記現像工程が、前記現像剤を担持す
    る現像剤担持体を前記像担持体に対して所定の離間距離
    で対向して配置し、現像剤からなり前記離間距離よりも
    薄い現像剤層を前記現像剤担持体上に形成し、前記現像
    剤層から現像剤を電気的に前記像担持体表面に転移させ
    ることにより静電潜像を現像する工程であることを特徴
    とする請求項22〜55のいずれか一項に記載の画像形
    成方法。
  57. 【請求項57】 前記現像工程が、前記現像剤を担持す
    る現像剤担持体と前記像担持体との間に、少なくともピ
    ークトゥーピークの電界強度が3×106〜10×106
    V/mであり、周波数が100〜5000Hzである交
    流電界を、現像バイアスを印加することにより形成し、
    前記像担持体の静電潜像を現像剤によって現像する工程
    であることを特徴とする請求項22〜56のいずれか一
    項に記載の画像形成方法。
  58. 【請求項58】 前記転写工程が、現像工程によって形
    成されたトナー画像を中間転写体に転写した後に、前記
    転写材に再転写する工程であることを特徴とする請求項
    22〜57のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  59. 【請求項59】 前記転写工程が、転写部材を前記転写
    材を介して前記像担持体に当接することにより転写を行
    う工程であることを特徴とする請求項22〜58のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  60. 【請求項60】 像担持体を帯電する帯電工程と、 前記帯電工程において帯電された像担持体の帯電面に、
    画像情報を静電潜像として書き込む潜像形成工程と、 前記静電潜像を現像剤によりトナー画像として可視化す
    る現像工程と、 前記トナー画像を転写材に転写する転写工程を有し、こ
    れら各工程を繰り返して画像形成を行う画像形成方法で
    あって、 前記現像工程は前記静電潜像を可視化するとともに、前
    記トナー画像が前記転写材に転写された後に前記像担持
    体に残留した現像剤を回収する工程であり、前記現像剤
    は、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有するトナー
    粒子と、平均1次粒子径が4〜80nmである無機微粉
    末と、導電性微粉末とを少なくとも含有し、 0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個
    数基準の粒度分布において、1.00μm以上2.00
    μm未満の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有し、
    且つ3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒
    子を15〜70個数%含有する現像剤であることを特徴
    とする画像形成方法。
  61. 【請求項61】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の
    粒子を20〜50個数%含有することを特徴とする請求
    項60記載の画像形成方法。
  62. 【請求項62】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、8.96μm以上の粒径範囲の粒子を0〜20個
    数%含有することを特徴とする請求項60または61記
    載の画像形成方法。
  63. 【請求項63】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の
    粒子の現像剤中の含有量をA個数%、2.00μm以上
    3.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量をB個数%
    としたときに、次式 A>2B を満足することを特徴とする請求項60〜62のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  64. 【請求項64】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での下記式で示される個数分布の変動係数Knが、5〜
    40であることを特徴とする請求項60〜63のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。 個数分布の変動係数Kn=(Sn/D1)×100 〔式中、Snは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における個数分布の標準偏差を表し、D1は
    3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲におけ
    る個数基準の平均円相当径(μm)を表す。〕
  65. 【請求項65】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での下記式より求められる円形度aが0.90以上であ
    る粒子を90〜100個数%含有することを特徴とする
    請求項60〜64のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。 円形度a=L0/L 〔式中、L0は粒子の投影像と同じ面積をもつ円の周囲
    長を表し、Lは粒子の投影像の周囲長を表す。〕
  66. 【請求項66】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での円形度aが0.90以上である粒子を93〜100
    個数%含有することを特徴とする請求項65記載の画像
    形成方法。
  67. 【請求項67】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での下記式より求められる円形度分布の標準偏差SDが
    0.045以下であることを特徴とする請求項60〜6
    6のいずれか一項に記載の画像形成方法。 標準偏差SD={Σ(ai−am2/n}1/2 〔式中、aiは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における各粒子の円形度を表し、amは3.0
    0μm以上15.04μm未満の粒子の平均円形度を表
    し、nは3.00μm以上15.04μm未満の全粒子
    数を表す。〕
  68. 【請求項68】 前記現像剤が、粒子径が0.6〜3μ
    mの前記導電性微粉末を前記トナー粒子100個当たり
    5〜300個含有することを特徴とする請求項60〜6
    7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  69. 【請求項69】 前記導電性微粉末の含有量が現像剤全
    体の1〜10質量%であることを特徴とする請求項60
    〜68のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  70. 【請求項70】 前記導電性微粉末の抵抗が109Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項60〜69のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  71. 【請求項71】 前記導電性微粉末の抵抗が106Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項60〜70のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  72. 【請求項72】 導電性微粉末が非磁性であることを特
    徴とする請求項60〜71のいずれか一項に記載の画像
    形成方法。
  73. 【請求項73】 前記導電性微粉末が、酸化亜鉛、酸化
    スズ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化物
    を含有することを特徴とする請求項60〜72のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  74. 【請求項74】 前記無機微粉末の含有量が現像剤全体
    の0.1〜3.0質量%であることを特徴とする請求項
    60〜73のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  75. 【請求項75】 前記無機微粉末が、少なくともシリコ
    ーンオイルで処理されたものであることを特徴とする請
    求項60〜74のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  76. 【請求項76】 前記無機微粉末が、シラン化合物で処
    理されると同時に、もしくはその後にシリコーンオイル
    で処理されたものであることを特徴とする請求項60〜
    75のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  77. 【請求項77】 前記無機微粉末が、シリカ、チタニ
    ア、アルミナから選ばれる少なくとも一種の無機微粉末
    を含有することを特徴とする請求項60〜76のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  78. 【請求項78】 前記現像剤が、磁場79.6kA/m
    における磁化の強さが10〜40Am2/kgである磁
    性現像剤であることを特徴とする請求項60〜77のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  79. 【請求項79】 前記帯電工程において、前記像担持体
    に接触する帯電部材によって前記像担持体を帯電するこ
    とを特徴とする請求項60〜78のいずれか一項に記載
    の画像形成方法。
  80. 【請求項80】 前記像担持体の表面の水に対する接触
    角が85度以上であることを特徴とする請求項60〜7
    9のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  81. 【請求項81】 前記像担持体が、その最表面層がフッ
    素系樹脂、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂
    から選ばれる材料からなる滑剤微粒子が少なくとも分散
    された層であることを特徴とする請求項60〜80のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  82. 【請求項82】 前記現像工程において前記現像剤を担
    持する現像剤担持体が、前記像担持体に対して100〜
    1000μmの離間距離で対向して配置されていること
    を特徴とする請求項60〜81のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  83. 【請求項83】 前記現像工程が、現像剤担持体上に前
    記現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させることに
    より現像剤層を形成し、この現像剤層から現像剤を前記
    像担持体に転移させることにより静電潜像を現像する工
    程であることを特徴とする請求項60〜82のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  84. 【請求項84】 前記現像工程が、前記現像剤を担持す
    る現像剤担持体を前記像担持体に対して所定の離間距離
    で対向して配置し、現像剤からなり前記離間距離よりも
    薄い現像剤層を前記現像剤担持体上に形成し、前記現像
    剤層から現像剤を電気的に前記像担持体表面に転移させ
    ることにより静電潜像を現像する工程であることを特徴
    とする請求項60〜83のいずれか一項に記載の画像形
    成方法。
  85. 【請求項85】 前記現像工程が、前記現像剤を担持す
    る現像剤担持体と前記像担持体との間に、少なくともピ
    ークトゥーピークの電界強度が3×106〜10×106
    V/mであり、周波数が100〜5000Hzである交
    流電界を、現像バイアスを印加することにより形成し、
    前記像担持体の静電潜像を現像剤によって現像する工程
    であることを特徴とする請求項60〜84のいずれか一
    項に記載の画像形成方法。
  86. 【請求項86】 前記転写工程が、現像工程によって形
    成されたトナー画像を中間転写体に転写した後に、前記
    転写材に再転写する工程であることを特徴とする請求項
    60〜85のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  87. 【請求項87】 前記転写工程が、転写部材を前記転写
    材を介して前記像担持体に当接することにより転写を行
    う工程であることを特徴とする請求項60〜86のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  88. 【請求項88】 像担持体上に形成された静電潜像を現
    像剤によって可視化し、この可視化されたトナー画像を
    転写材に転写することにより画像形成するための画像形
    成装置本体に着脱可能に装着されるプロセスカートリッ
    ジであって、 前記プロセスカートリッジは、静電潜像を担持するため
    の像担持体と、 前記像担持体を帯電する帯電手段と、 前記像担持体に形成された静電潜像を、現像剤を用いて
    現像することによりトナー画像を形成する現像手段とを
    少なくとも有し、 前記現像剤は、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有
    するトナー粒子と、平均1次粒子径が4〜80nmであ
    る無機微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも含有し、 0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個
    数基準の粒度分布において、1.00μm以上2.00
    μm未満の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有し、
    且つ3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒
    子を15〜70%含有する現像剤であり、 前記帯電手段は、少なくとも像担持体とこの像担持体に
    接触する帯電部材との接触部に、前記現像手段によって
    前記像担持体に付着し前記転写手段による転写が行われ
    た後もこの像担持体に残留した、前記導電性微粉末を含
    有する前記現像剤の成分が介在した状態で、前記帯電部
    材に電圧を印加することにより前記像担持体を帯電する
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  89. 【請求項89】 前記現像手段が、前記像担持体に対向
    して配置される現像剤担持体とこの現像剤担持体上に薄
    層の現像剤層を形成する現像剤層規制部材とを少なくと
    も有し、前記現像剤担持体上の現像剤層から前記像担持
    体へ前記現像剤を転移させることにより前記トナー画像
    を形成する手段であることを特徴とする請求項88記載
    のプロセスカートリッジ。
  90. 【請求項90】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の
    粒子を20〜50個数%含有することを特徴とする請求
    項88または89記載のプロセスカートリッジ。
  91. 【請求項91】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、8.96μm以上の粒径範囲の粒子を0〜20個
    数%含有することを特徴とする請求項88〜90のいず
    れか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  92. 【請求項92】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲の
    粒子の現像剤中の含有量をA個数%、2.00μm以上
    3.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量をB個数%
    としたときに、次式 A>2B を満足することを特徴とする請求項88〜91のいずれ
    か一項に記載のプロセスカートリッジ。
  93. 【請求項93】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での下記式で示される個数分布の変動係数Knが、5〜
    40であることを特徴とする請求項88〜92のいずれ
    か一項に記載のプロセスカートリッジ。 個数分布の変動係数Kn=(Sn/D1)×100 〔式中、Snは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における個数分布の標準偏差を表し、D1は
    3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲におけ
    る個数基準の平均円相当径(μm)を表す。〕
  94. 【請求項94】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での下記式より求められる円形度aが0.90以上であ
    る粒子を90〜100個数%含有することを特徴とする
    請求項88〜93のいずれか一項に記載のプロセスカー
    トリッジ。 円形度a=L0/L 〔式中、L0は粒子の投影像と同じ面積をもつ円の周囲
    長を表し、Lは粒子の投影像の周囲長を表す。〕
  95. 【請求項95】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での円形度aが0.90以上である粒子を93〜100
    個数%含有することを特徴とする請求項94記載のプロ
    セスカートリッジ。
  96. 【請求項96】 前記現像剤が、0.60μm以上15
    9.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布にお
    いて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲
    での下記式より求められる円形度分布の標準偏差SDが
    0.045以下であることを特徴とする請求項88〜9
    5のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。 標準偏差SD={Σ(ai−am2/n}1/2 〔式中、aiは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における各粒子の円形度を表し、amは3.0
    0μm以上15.04μm未満の粒子の平均円形度を表
    し、nは3.00μm以上15.04μm未満の全粒子
    数を表す。〕
  97. 【請求項97】 前記現像剤が、粒子径が0.6〜3μ
    mの前記導電性微粉末を前記トナー粒子100個当たり
    5〜300個含有することを特徴とする請求項88〜9
    6のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  98. 【請求項98】 前記導電性微粉末の含有量が現像剤全
    体の1〜10質量%であることを特徴とする請求項88
    〜97のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  99. 【請求項99】 前記導電性微粉末の抵抗が109Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項88〜98のい
    ずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  100. 【請求項100】 前記導電性微粉末の抵抗が106Ω
    ・cm以下であることを特徴とする請求項88〜99の
    いずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  101. 【請求項101】 導電性微粉末が非磁性であることを
    特徴とする請求項88〜100のいずれか一項に記載の
    プロセスカートリッジ。
  102. 【請求項102】 前記導電性微粉末が、酸化亜鉛、酸
    化スズ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化
    物を含有することを特徴とする請求項88〜101のい
    ずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  103. 【請求項103】 前記無機微粉末の含有量が現像剤全
    体の0.1〜3.0質量%であることを特徴とする請求
    項88〜102のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  104. 【請求項104】 前記無機微粉末が、少なくともシリ
    コーンオイルで処理されたものであることを特徴とする
    請求項88〜103のいずれか一項に記載のプロセスカ
    ートリッジ。
  105. 【請求項105】 前記無機微粉末が、シラン化合物で
    処理されると同時に、もしくはその後にシリコーンオイ
    ルで処理されたものであることを特徴とする請求項88
    〜104のいずれか一項に記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  106. 【請求項106】 前記無機微粉末が、シリカ、チタニ
    ア、アルミナから選ばれる少なくとも一種の無機微粉末
    を含有することを特徴とする請求項88〜105のいず
    れか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  107. 【請求項107】 前記現像剤が、磁場79.6kA/
    mにおける磁化の強さが10〜40Am2/kgである
    磁性現像剤であることを特徴とする請求項88〜106
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  108. 【請求項108】 前記接触部に介在する現像剤成分全
    体に対する導電性微粉末の含有比率が、前記現像剤に含
    有される導電性微粉末の含有比率よりも高いことを特徴
    とする請求項88〜107のいずれか一項に記載のプロ
    セスカートリッジ。
  109. 【請求項109】 前記現像手段が、前記静電潜像を可
    視化するとともに、前記トナー画像が前記転写材に転写
    された後に前記像担持体表面に残留した現像剤を回収す
    ることを特徴とする請求項88〜108のいずれか一項
    に記載のプロセスカートリッジ。
  110. 【請求項110】 前記帯電部材の表面における移動速
    度と前記像担持体の表面における移動速度との間に相対
    的速度差を設けることを特徴とする請求項88〜109
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  111. 【請求項111】 前記帯電部材の表面における移動方
    向と前記像担持体の表面における移動方向とが、互いに
    逆方向であることを特徴とする請求項88〜110のい
    ずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  112. 【請求項112】 前記帯電部材が、少なくとも表層が
    発泡体からなるローラ部材であることを特徴とする請求
    項88〜111のいずれか一項に記載のプロセスカート
    リッジ。
  113. 【請求項113】 前記帯電部材が、アスカーC硬度が
    25〜50のローラ部材であることを特徴とする請求項
    88〜112のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  114. 【請求項114】 前記帯電部材が、体積固有抵抗が1
    3〜108Ω・cmのローラ部材であることを特徴とす
    る請求項88〜113のいずれか一項に記載のプロセス
    カートリッジ。
  115. 【請求項115】 前記帯電部材が、導電性を有するブ
    ラシであることを特徴とする請求項88〜114のいず
    れか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  116. 【請求項116】 前記像担持体が、その最表面層にお
    ける体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmである
    ことを特徴とする請求項88〜115のいずれか一項に
    記載のプロセスカートリッジ。
  117. 【請求項117】 前記像担持体の最表面層が、金属酸
    化物導電性微粒子が少なくとも分散された樹脂層である
    ことを特徴とする請求項88〜116のいずれか一項に
    記載のプロセスカートリッジ。
  118. 【請求項118】 前記像担持体の表面の水に対する接
    触角が85度以上であることを特徴とする請求項88〜
    117のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  119. 【請求項119】 前記像担持体が、その最表面層がフ
    ッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹
    脂から選ばれる材料からなる滑剤微粒子が少なくとも分
    散された層であることを特徴とする請求項88〜118
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  120. 【請求項120】 前記現像剤担持体が、前記像担持体
    に対して100〜1000μmの離間距離で対向して配
    置されていることを特徴とする請求項88〜119のい
    ずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  121. 【請求項121】 前記現像手段が、前記現像剤担持体
    上に前記現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させる
    ことにより現像剤層を形成し、この現像剤層から現像剤
    を前記像担持体に転移させることにより静電潜像を現像
    する手段であることを特徴とする請求項88〜120の
    いずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  122. 【請求項122】 前記現像手段が、前記現像剤担持体
    を前記像担持体に対して所定の離間距離で対向して配置
    し、現像剤からなり前記離間距離よりも薄い現像剤層を
    前記現像剤担持体上に形成し、前記現像剤層から現像剤
    を前記像担持体表面に転移させることにより静電潜像を
    現像する手段であることを特徴とする請求項88〜12
    1のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  123. 【請求項123】 前記現像手段が、前記現像剤担持体
    と前記像担持体との間に、少なくともピークトゥーピー
    クの電界強度が3×106〜10×106V/mであり、
    周波数が100〜5000Hzである交流電界を、現像
    バイアスを印加することにより形成することを特徴とす
    る請求項88〜122のいずれか一項に記載のプロセス
    カートリッジ。
  124. 【請求項124】 像担持体上に形成された静電潜像を
    現像剤によって可視化し、この可視化されたトナー画像
    を転写材に転写することにより画像を形成するための画
    像形成装置本体に着脱可能に装着されるプロセスカート
    リッジであって、 前記プロセスカートリッジは、静電潜像を担持するため
    の像担持体と、 前記像担持体を帯電するための帯電手段と、 前記像担持体に形成された静電潜像を、現像剤を用いて
    現像することにより、トナー画像を形成する現像手段と
    を少なくとも有し、 前記現像剤は、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有
    するトナー粒子と、平均1次粒子径が4〜80nmであ
    る無機微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも含有し、 0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個
    数基準の粒度分布において、1.00μm以上2.00
    μm未満の粒径範囲の粒子を15〜60個数%含有し、
    且つ3.00μm以上8.96μm未満の粒径範囲の粒
    子を15〜70個数%含有する現像剤であり、 前記現像手段は、前記現像剤担持体上の現像剤層から前
    記像担持体へ前記現像剤を転写させることにより前記静
    電潜像を可視化するとともに、前期トナー画像が前期転
    写材に転写された後に前記像担持体に残留した現像剤を
    回収することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  125. 【請求項125】 前記現像手段が、前記像担持体に対
    向して配置される現像剤担持体とこの現像剤担持体上に
    薄層の現像剤層を形成する現像剤層規制部材とを少なく
    とも有することを特徴とする請求項124の記載のプロ
    セスカートリッジ。
  126. 【請求項126】 前記現像剤が、0.60μm以上1
    59.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に
    おいて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲
    の粒子を20〜50個数%含有することを特徴とする請
    求項124または125記載のプロセスカートリッジ。
  127. 【請求項127】 前記現像剤が、0.60μm以上1
    59.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に
    おいて、8.96μm以上の粒径範囲の粒子を0〜20
    個数%含有することを特徴とする請求項124〜126
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  128. 【請求項128】 前記現像剤が、0.60μm以上1
    59.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に
    おいて、1.00μm以上2.00μm未満の粒径範囲
    の粒子の現像剤中の含有量をA個数%、2.00μm以
    上3.00μm未満の粒径範囲の粒子の含有量をB個数
    %としたときに、次式 A>2B を満足することを特徴とする請求項124〜127のい
    ずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  129. 【請求項129】 前記現像剤が、0.60μm以上1
    59.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に
    おいて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範
    囲での下記式で示される個数分布の変動係数Knが、5
    〜40であることを特徴とする請求項124〜128の
    いずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。 個数分布の変動係数Kn=(Sn/D1)×100 〔式中、Snは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における個数分布の標準偏差を表し、D1は
    3.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲におけ
    る個数基準の平均円相当径(μm)を表す。〕
  130. 【請求項130】 前記現像剤が、0.60μm以上1
    59.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に
    おいて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範
    囲での下記式より求められる円形度aが0.90以上で
    ある粒子を90〜100個数%含有することを特徴とす
    る請求項124〜129のいずれか一項に記載のプロセ
    スカートリッジ。 円形度a=L0/L 〔式中、L0は粒子の投影像と同じ面積をもつ円の周囲
    長を表し、Lは粒子の投影像の周囲長を表す。〕
  131. 【請求項131】 前記現像剤が、0.60μm以上1
    59.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に
    おいて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範
    囲での円形度aが0.90以上である粒子を93〜10
    0個数%含有することを特徴とする請求項130記載の
    プロセスカートリッジ。
  132. 【請求項132】 前記現像剤が、0.60μm以上1
    59.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布に
    おいて、3.00μm以上15.04μm未満の粒径範
    囲での下記式より求められる円形度分布の標準偏差SD
    が0.045以下であることを特徴とする請求項124
    〜131のいずれか一項に記載のプロセスカートリッ
    ジ。 標準偏差SD={Σ(ai−am2/n}1/2 〔式中、aiは3.00μm以上15.04μm未満の
    粒径範囲における各粒子の円形度を表し、amは3.0
    0μm以上15.04μm未満の粒子の平均円形度を表
    し、nは3.00μm以上15.04μm未満の全粒子
    数を表す。〕
  133. 【請求項133】 前記現像剤が、粒子径が0.6〜3
    μmの前記導電性微粉末を前記トナー粒子100個当た
    り5〜300個含有することを特徴とする請求項124
    〜132のいずれか一項に記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  134. 【請求項134】 前記導電性微粉末の含有量が現像剤
    全体の1〜10質量%であることを特徴とする請求項1
    24〜133のいずれか一項に記載のプロセスカートリ
    ッジ。
  135. 【請求項135】 前記導電性微粉末の抵抗が109Ω
    ・cm以下であることを特徴とする請求項124〜13
    4のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  136. 【請求項136】 前記導電性微粉末の抵抗が106Ω
    ・cm以下であることを特徴とする請求項124〜13
    5のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  137. 【請求項137】 導電性微粉末が非磁性であることを
    特徴とする請求項124〜136のいずれか一項に記載
    のプロセスカートリッジ。
  138. 【請求項138】 前記導電性微粉末が、酸化亜鉛、酸
    化スズ、酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化
    物を含有することを特徴とする請求項124〜137の
    いずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  139. 【請求項139】 前記無機微粉末の含有量が現像剤全
    体の0.1〜3.0質量%であることを特徴とする請求
    項124〜138のいずれか一項に記載のプロセスカー
    トリッジ。
  140. 【請求項140】 前記無機微粉末が、少なくともシリ
    コーンオイルで処理されたものであることを特徴とする
    請求項124〜139のいずれか一項に記載のプロセス
    カートリッジ。
  141. 【請求項141】 前記無機微粉末が、シラン化合物で
    処理されると同時に、もしくはその後にシリコーンオイ
    ルで処理されたものであることを特徴とする請求項12
    4〜140のいずれか一項に記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  142. 【請求項142】 前記無機微粉末が、シリカ、チタニ
    ア、アルミナから選ばれる少なくとも一種の無機微粉末
    を含有することを特徴とする請求項124〜141のい
    ずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  143. 【請求項143】 前記現像剤が、磁場79.6kA/
    mにおける磁化の強さが10〜40Am2/kgである
    磁性現像剤であることを特徴とする請求項124〜14
    2のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  144. 【請求項144】 前期帯電手段が、前期像担持体に接
    触する帯電部材によって前記像担持体を帯電する接触帯
    電手段であることを特徴とする請求項124〜143の
    いずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  145. 【請求項145】 前記像担持体の表面の水に対する接
    触角が85度以上であることを特徴とする請求項124
    〜144のいずれか一項に記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  146. 【請求項146】 前記像担持体が、その最表面層がフ
    ッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹
    脂から選ばれる材料からなる滑剤微粒子が少なくとも分
    散された層であることを特徴とする請求項124〜14
    5のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  147. 【請求項147】 前記現像剤担持体が、前記像担持体
    に対して100〜1000μmの離間距離で対向して配
    置されていることを特徴とする請求項124〜146の
    いずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  148. 【請求項148】 前記現像手段が、前記現像剤担持体
    上に前記現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させる
    ことにより現像剤層を形成し、この現像剤層から現像剤
    を前記像担持体に転移させることにより静電潜像を現像
    する手段であることを特徴とする請求項124〜147
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  149. 【請求項149】 前記現像手段が、前記現像剤担持体
    を前記像担持体に対して所定の離間距離で対向して配置
    し、現像剤からなり前記離間距離よりも薄い現像剤層を
    前記現像剤担持体上に形成し、前記現像剤層から現像剤
    を前記像担持体表面に転移させることにより静電潜像を
    現像する手段であることを特徴とする請求項124〜1
    48のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  150. 【請求項150】 前記現像手段が、前記現像剤担持体
    と前記像担持体との間に、少なくともピークトゥーピー
    クの電界強度が3×106〜10×106V/mであり、
    周波数が100〜5000Hzである交流電界を、現像
    バイアスを印加することにより形成することを特徴とす
    る請求項124〜149のいずれか一項に記載のプロセ
    スカートリッジ。
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