JPWO2007141967A1 - 正荷電制御剤及びその製造方法ならびにこれを用いた電子写真用トナー - Google Patents

正荷電制御剤及びその製造方法ならびにこれを用いた電子写真用トナー Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007141967A1
JPWO2007141967A1 JP2008520154A JP2008520154A JPWO2007141967A1 JP WO2007141967 A1 JPWO2007141967 A1 JP WO2007141967A1 JP 2008520154 A JP2008520154 A JP 2008520154A JP 2008520154 A JP2008520154 A JP 2008520154A JP WO2007141967 A1 JPWO2007141967 A1 JP WO2007141967A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charge control
control agent
positive charge
meth
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008520154A
Other languages
English (en)
Inventor
貴幸 石本
貴幸 石本
真司 谷田部
真司 谷田部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Kasei Co Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Kasei Co Ltd filed Critical Fujikura Kasei Co Ltd
Publication of JPWO2007141967A1 publication Critical patent/JPWO2007141967A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/097Plasticisers; Charge controlling agents
    • G03G9/09733Organic compounds
    • G03G9/09741Organic compounds cationic
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/081Preparation methods by mixing the toner components in a liquefied state; melt kneading; reactive mixing
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08702Binders for toner particles comprising macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • G03G9/08706Polymers of alkenyl-aromatic compounds
    • G03G9/08708Copolymers of styrene
    • G03G9/08711Copolymers of styrene with esters of acrylic or methacrylic acid
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08742Binders for toner particles comprising macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • G03G9/08755Polyesters
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08775Natural macromolecular compounds or derivatives thereof
    • G03G9/08782Waxes
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08791Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775 characterised by the presence of specified groups or side chains
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/09Colouring agents for toner particles
    • G03G9/0902Inorganic compounds
    • G03G9/0904Carbon black
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/09Colouring agents for toner particles
    • G03G9/0906Organic dyes
    • G03G9/0918Phthalocyanine dyes

Abstract

本発明は、結着樹脂との相溶性、分散性が良好で、呈色を防ぎ、帯電性に優れ、低沸点有機化合物の含有量を低減し、臭気を感じさせない正荷電制御剤及び、その製造方法ならびに、帯電性や着色性に優れ、VOCの発生を抑制した電子写真用トナーの提供することに関する。この正荷電制御剤は、スチレン単量体(M1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)とを、共重合して得られる共重合体を含む正荷電制御剤であって、前記共重合体は、各単量体の共重合比(質量%)が(M1)+(M2):(M3)=99.5:0.5〜65:35であり、少なくとも一つの末端がRCOO−又はRO−である。(Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリサイクリック基である。)

Description

本発明は、電子写真法において静電荷像を可視像とする電子写真用トナー(トナー)ならびに、それに用いられる正荷電制御剤とその製造方法に関する。
本願は、2006年5月29日に、日本に出願された特願2006−148320号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
電子写真法には様々な方式が知られているが、光導電性物質(感光体)上に静電気による潜像を形成し、ついでこの潜像を可視化するために、結着樹脂中に着色剤が分散したトナー粒子を付着させ、必要に応じて紙、プラスチックフィルムなどの媒体に転写した後、熱・圧力などで媒体上にトナー画像を定着する方法が一般的である。
トナー粒子は、着色剤、結着樹脂、正荷電制御剤などを主成分とするものが一般的であり、正荷電制御剤には結着樹脂との相溶性や分散性が求められている。
正荷電制御剤の製造には、通常、重合開始剤としてアゾ系開始剤が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、アゾ系開始剤はラジカル発生後、再結合や不均化が起こりやすく(かご効果)、開始剤効率が小さい。この再結合や不均化により生じた副生成物は低沸点有機化合物となると考えられており、アゾ系開始剤を用いて得られる正荷電制御剤を使用して製造したトナーは、定着の際、揮発性有機化合物(VOC)を発生し、強い臭気を感じることがある。
そこで、アゾ系開始剤の代わりに開始剤効率の高い過酸化物系開始剤を用い、VOCの発生を防ぐ方法も検討されている。
特公平8−3658号公報
しかしながら、過酸化物系開始剤を用いると、得られる正荷電制御剤は帯電性が低下したり、濃い茶褐色を呈することがあった。そのため過酸化物系開始剤を用いて得られた正荷電制御剤を含んだトナーは帯電性や着色性が低下し、カラートナーなどは色相に影響を与える場合があり、その結果、印刷品質が低下する問題が生じるおそれがあった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、結着樹脂との相溶性、分散性が良好で、呈色を防ぎ、帯電性に優れ、低沸点有機化合物の含有量を低減し、臭気を感じさせない正荷電制御剤及び、その製造方法ならびに、帯電性や着色性に優れ、VOCの発生を抑制した電子写真用トナーの提供を課題とする。
本発明者らは、アゾ系開始剤を用いて得られる正荷電制御剤を、ガスクロマトグラフを用いて測定した場合、低沸点有機化合物の含有量が0.8質量%を超え、この正荷電制御剤を用いて製造したトナーを使用してプリントすると臭気を感じた。また、この正荷電制御剤の臭気測定試験を行った場合でも、明らかに強い臭気を感じた。
さらに、共重合体を構成する単量体中のアミンと過酸化物系開始剤とが、重合よりも先に反応してしまうことが、正荷電制御剤の帯電性の低下や呈色の原因となるため、アミンを含む単量体をあらかじめ第4級化させておき、過酸化物系開始剤との反応を防ぐことを見出した。これらの知見に基づき、さらに検討して、以下の正荷電制御剤及び、製造方法ならびに、この正荷電制御剤を用いたトナーを発明した。
本発明は以下の構成を含む。
[1] スチレン単量体(M1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)とを、共重合して得られる共重合体を含む正荷電制御剤であって、
前記共重合体は、各単量体の共重合比(質量%)が(M1)+(M2):(M3)=99.5:0.5〜65:35であり、少なくとも一つの末端がRCOO−又はRO−である正荷電制御剤。
(Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリサイクリック基である。)
[2] [1]に記載の正荷電制御剤の製造方法であって、
前記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体を第4級化して4級アンモニウム塩とした後に、スチレン単量体及び、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共に、過酸化物系開始剤を用いて共重合する正荷電制御剤の製造方法。
[3] 前記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)が、下記式(1)で示される [2]に記載の正荷電制御剤の製造方法。
(式(1)中、Rは水素原子又は、メチル基であり、Rはアルキレン基であり、R〜Rはそれぞれアルキル基である。)
[4] 低沸点有機化合物の含有量が0.8質量%以下である [1]に記載の正荷電制御剤。
[5] 結着樹脂100質量部に対して、[1] 又は、[4]に記載の正荷電制御剤を0.1〜20質量部含有する電子写真用トナー。
本発明によれば、結着樹脂との相溶性、分散性が良好で、呈色を防ぎ、帯電性に優れ、低沸点有機化合物の含有量を低減し、臭気を感じさせない正荷電制御剤及び、その製造方法ならびに、帯電性や着色性に優れ、VOCの発生を抑制した電子写真用トナーを提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の正荷電制御剤においては、スチレン単量体(M1)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)を構成単位とする共重合体を含む。
M1としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレンなどが挙げられるが、これらのうちではスチレンが好ましい。
M2としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、2―エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これらのうちではブチル(メタ)アクリレートや2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
M3は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩であり、上記式(1)で示される構造が好ましい。
式(1)中、Rは水素原子又は、メチル基であり、Rはアルキレン基であり、R〜Rはそれぞれアルキル基である。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられるが、これらのうちではエチレン基が好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられるが、これらのうちではメチル基が好ましい。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これらのうちではジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
共重合体を製造する方法は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを常法にしたがって、あらかじめパラトルエンスルホン酸アルキルエステルを用いて第4級化してM3とした後、M1及び、M2と合わせて重合開始剤の存在下に共重合させる。パラトルエンスルホン酸アルキルエステルとしては、例えば、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸プロピルなどが挙げられるが、これらのうちではパラトルエンスルホン酸メチルが好ましい。パラトルエンスルホン酸アルキルエステルの使用量は、これと反応させるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの単位1モル当り、通常0.8〜1.5モル、好ましくは1.0〜1.2モルの範囲とする。
このように、あらかじめジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを第4級化することにより、後述の重合開始剤とジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート中のアミンとの反応を防ぐので、このような方法で得られる共重合体は帯電性に優れ、呈色を防ぐことができ、この共重合体を使用すると、帯電性や着色性に優れたトナーが得られる。
前記重合開始剤としては、10時間半減期温度が120℃以下の過酸化物系開始剤が好ましく、例えば、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジベンゾイルパーオキサイド、サクシニックパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。これらのうちではt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジベンゾイルパーオキサイドが好ましく、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートが特に好ましい。
重合開始剤は、使用する単量体の混合物の合計質量を100質量部とした場合、これに対して、0.5〜20質量部の範囲で用いるのが好ましい。
上記過酸化物系開始剤を用いて得られる共重合体は低沸点有機化合物の含有量が少ないので、これを用いたトナーは定着の際、VOCの発生を抑制することができる。
共重合法としては、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合など、いずれの方法を用いてもよく、制限はないが、得られる共重合体の質量平均分子量の制御が比較的容易であること、また、反応操作が容易であることなどから、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、イソブチルケトンなどの有機溶剤又は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノールなどの低級アルコール中で、単量体の混合物を共重合させる溶液重合法が特に好ましい。これら溶剤のうちでは、少なくとも低級アルコールを用いるのが好ましい。
本発明に使用される共重合体は、各単量体の共重合比(質量%)が(M1)+(M2):(M3)=99.5:0.5〜65:35であり、99:1〜70:30が好ましい。
M3の含有量が0.5質量%未満になると、この共重合体を正荷電制御剤として用いてトナーに含有させた場合、正荷電制御剤としての帯電性が不十分となる傾向がある。一方、35質量%を超えると、結着樹脂への相溶性が低下するとともに、耐湿性も不十分となる傾向がある。
また上述したように、過酸化物系開始剤を用いて得られる共重合体は、少なくとも一つの末端がRCOO−又はRO−である。Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリサイクリック基であり、好ましくはアルキル基、アリール基である。
共重合体は、質量平均分子量が1500〜100000の範囲内であることが好ましい。このような範囲であると、高湿度環境下であっても帯電性が低下しにくく、定着時に定着ロールの表面にトナーが付着し残留するオフセットが発生しにくい。また、トナーとした際における結着樹脂との相溶性、分散性が良好であるとともに、トナーをキャリアとともに使用した場合でも、トナー粒子がつぶれるようなスペント化が進行しにくい。共重合体のより好ましい質量平均分子量は、3000〜50000である。
また、共重合体は、そのガラス転移温度が50〜80℃であると、トナーとした際の定着性を維持したまま、高温での保存安定性が良好となる。
さらに、低沸点有機化合物の含有量は、トナーとした際のVOC発生を防ぐために0.8質量%以下であることが好ましい。
このようにして得られる共重合体を含む正荷電制御剤を、必要に応じて着色剤、その他の添加剤などとともに結着樹脂に配合し、例えば平均粒径3〜25μm程度の粒子にすることによって、帯電性がさらに優れ、キャリアと撹拌混合した際にもスペント化の進行しにくいトナーとすることができる。正荷電制御剤の好ましい配合量は、通常、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部である。
正荷電制御剤の配合量が0.1質量部未満であると、十分な帯電性が得らないなどといった傾向がある。一方、20質量部を超えると、オフセット発生温度が低下する、高温高湿下における帯電性が低下する(耐環境性が低下する)、後述する結着樹脂との相溶性が低下する、などの傾向がある。
トナーに使用される結着樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シクロオレフィン樹脂などが好ましく、1種単独で又は、2種以上を組み合わせて使用できるが、特にスチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
スチレン−アクリル樹脂としては、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体が例示でき、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらのなかでもメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。また、これらは1種単独又は、2種以上を組合わせて使用できる。
スチレン及び/又はα−メチルスチレンと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合比率は、スチレン及び/又はα−メチルスチレン:(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、質量比で50:50〜90:10の範囲であることが好ましく、より好ましくは60:40〜85:15の範囲内である。
また、このようなスチレン−アクリル樹脂は、ガラス転移温度が約50〜約80℃であることが好ましく、さらには50〜70℃の範囲であることが好ましい。
さらに、このようなスチレン−アクリル樹脂は、質量平均分子量と数平均分子量との比率(質量平均分子量/数平均分子量)が、2〜50であることが好ましく、さらには10〜40の範囲であることが好ましい。
なお、スチレン−アクリル樹脂は、必要に応じて、第3の単量体単位を少量、好ましくはスチレン−アクリル樹脂中、3質量%以下の範囲で含有していてもよい。このような第3の単量体としては、共重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する化合物であればよく、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレン又はジ−もしくはポリ−アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのような多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどが挙げられ、これらの単量体を用いることにより、部分的に三次元架橋構造をもつ樹脂とすることができる。
結着樹脂に使用されるポリエステル樹脂は、基本的にはジカルボン酸成分とグリコール成分とから構成される。
ジカルボン酸成分としては、例えばマイレン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、ジクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸などや、これらの酸無水物又は、低級アルコールエステルが挙げられる。
グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチロールベンゼン、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAなどが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂は、トナーの特性をより良好とするために、そのグリコール成分の一部を、ソルビトール、ヘキサテトロール、ジペンタエリスリトール、グリセロール、蔗糖などの3価又は、4価のアルコールに置き換えたり、カルボン酸成分の一部を、ベンゼントリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価又は、4価のカルボン酸に置き換えたりして、部分的に三次元架橋構造をもたせてもよい。又は、エポキシ基やウレタン結合などを適宜導入して部分的架橋構造やグラフト状としてもよい。
結着樹脂に使用されるエポキシ樹脂としては、1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するものを含み、また、軟化温度が好ましくは50〜170℃、より好ましくは60〜150℃、分子量が700〜8000、より好ましくは900〜6000、エポキシ当量が150〜4000、より好ましくは200〜3500のものが好適である。このようなエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂などが挙げられる。
トナーに必要に応じて適宜含有される着色剤としては、特に制限はなく、例えば、カーボンブラック、フタロシアニン系染料、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoee Blue 3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)などが挙げられ、これらを1種単独で又は、2種以上組み合わせて使用できる。
これら着色剤は、十分な濃度の可視像を形成可能な質量割合で配合されるが、通常、結着樹脂100質量部に対して、1〜20質量部程度、好ましくは2〜7質量部である。
また、トナーにはさらに必要に応じて、トナー特性の改良、耐オフセット性の向上を目的として、高級脂肪酸類又は、高級脂肪酸の金属塩類、天然又は、合成のワックス類、高級脂肪酸エステル類又は、その部分ケン化物類、アルキレンビス脂肪酸アミド類、フッ素樹脂、シリコン樹脂などの離型性を有する物質を配合できる。その配合量は結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部程度である。
また、トナーの流動性、保存安定性を維持する目的で、コロイダルシリカ、疎水性シリカなどをトナー粒子100質量部に対して0.1〜3質量部程度の範囲で配合して、トナー粒子表面を処理してもよい。
トナーを調製する場合には、まず、上述した各成分を、ヘンシェルミキサー、ボールミルなどの混合機にて充分に混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーなどの熱混練機中で溶融混練し、冷却固化する。ついで、ハンマーミル、ジェットミルなどの粉砕機で粉砕し、得られた粉砕物を分級して、平均粒径が好ましくは3〜20μmの粒子を回収することにより調製できる。
その他には、各成分が溶融又は、分散している有機溶剤溶液を噴霧乾燥法などで、200℃以下の条件で乾燥する方法、結着樹脂を構成する単量体の混合物中に他の各成分を混合して懸濁液とし、これを共重合する方法、結着樹脂を構成する単量体の混合物を乳化重合した後、他の各成分を混合して凝集する方法などによっても調製できる。
このようにして得られる正荷電制御剤は、結着樹脂との相溶性、分散性が良好であって、低沸点有機化合物の含有量が低減するので、トナーとした際にVOCの発生を防ぎ、臭気を感じさせない。また、正荷電制御剤に含まれる共重合体を構成する単量体中のアミンと重合開始剤の反応を防ぐことにより、正荷電制御剤の帯電性を良好にし、呈色を防ぐので、帯電性や着色性に優れたトナーが得られる。
また、以上説明した正荷電制御剤は、上述したようにトナーへ使用する以外にも、例えば、キャリアや、電子写真装置の具備するブレードなどにコーティングして、コーティングされたキャリアやブレードなどを正に帯電させるために使用してもよい。このようにコーティングすると、トナーに対して効率的に負帯電性を与えることができる。
さらに、この正荷電制御剤は、静電塗装における粉体塗料に対しても使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例中「部」とは「質量部」を、「%」とは「質量%」を示す。
<実施例1>
(正荷電制御剤の製造)
撹拌機、コンデンサ、温度計、窒素導入管を付した2Lフラスコに反応溶剤としてイソブタノール180gを入れ、さらにジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート18gとパラトルエンスルホン酸メチル18gを加えて、窒素下、80℃で1時間撹拌し、4級化反応を行った。その後、窒素を流しながらスチレン210gとブチルアクレート72g、過酸化物系開始剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富製)12gを加え、95℃(重合温度)まで昇温し、3時間撹拌した後、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート6gをさらに加え、3時間撹拌し、重合体溶液を得た。
この重合体溶液を加熱減圧乾燥(品温140℃、10kPa以下になるまで減圧)し、溶剤分を除去し重合体を得た。これを解砕し正荷電制御剤とした。
スチレン単量体(M1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)の共重合比(%)は(M1)+(M2):(M3)=88.7:11.3であった。
(トナーの製造:T−1)
スチレンアクリル共重合体樹脂100部、正荷電制御剤3部、カーボンブラック(三菱化成工業(株)製、MA#100)4部、ビスコール550P(三洋化成工業(株)製)3部を配合し、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)にて溶融混練し、ジェットミル(日本ニューマチック工業製)にて粉砕後、分級して粒径5〜15μmのトナーを製造した。このトナーに、外添剤としてシリカR−972(日本エアロジル製)0.6部を均一に塗布した。
(各種測定及び評価)
得られた正荷電制御剤とトナーについて、以下の測定及び、評価を実施した。結果を表1に示す。
(a)ガスクロマトグラフ測定法(低沸点有機化合物測定法)
ガスクロマトグラフ(日立製作所製、G3000)においてカラム(GLサイエンス製、TC−1)を用いて、インジェクション温度200℃、ディテクター温度200℃、温度プログラム条件(50℃で5分間ホールドした後、5℃/分で昇温して、250℃で10分間ホールド)で測定試料1μlを注入し、測定した。
測定試料は、リテンションタイムが0〜10分まではサンプル(正荷電制御剤)約1gをベンジルアルコールに溶かし、30mlとしたものを用いた。また、リテンションタイムが11〜30分まで(ヘキサデカンのピーク位置)は、サンプル(正荷電制御剤)約1gを酢酸エチルに溶かし、30mlとしたものを用いた。
当測定により検出された全ピークは、トルエン換算(あらかじめトルエン質量対ピーク面積を測定)により低沸点有機化合物として算出し、サンプル(正荷電制御剤)に含まれる低沸点有機化合物の量(ppm)を求めた。
サンプル(正荷電制御剤)に含まれる低沸点有機化合物の量(ppm)=30,000×全ピーク面積×トルエン質量÷トルエンピーク面積÷サンプル質量×1,000,000
(b)官能試験(臭気測定)
サンプル(正荷電制御剤)5gをシャーレに入れ、100℃に加熱して、3人の試験官による5段階評価の官能試験を行った。その評価点数の平均値を計算した。
各評価点数を以下に示す。
5:非常に強い臭気有り
4:強い臭気有り
3:臭気有り
2:少しの臭気有り
1:ほとんど臭気無し
(c)帯電測定法(ブローオフ帯電性能評価)
得られたトナーとキャリア(F−96、パウダーテック社製)を3:100の比率で混合し、22℃×60%RHの条件で1時間摩擦帯電させた後、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)を用いて帯電量を測定した。
<その他のトナーの製造方法>
(T−2)
スチレンアクリル共重合体樹脂100部、正荷電制御剤3部、銅フタロシアニン系油溶性染料(Spilion Blue 2BNH、保土ヶ谷化学工業株式会社製)4部を配合し、ラボプラストミルにて溶融混練し、ジェットミルにて粉砕後、分級して粒径5〜15μmのトナーを製造した。このトナーに、外添剤としてシリカR−972を0.6部、均一に塗布した。
(T−3)
ポリエステル樹脂(酸価10mgKOH/g、水酸基価15mgKOH/g)100部、正荷電制御剤3部、カーボンブラック4部、ビスコール550Pを3部配合し、ラボプラストミルにて溶融混練し、ジェットミルにて粉砕後、分級して粒径5〜15μmのトナーを製造した。このトナーに、外添剤としてシリカR−972を0.6部、均一に塗布した。
(T−4)
スチレンアクリル共重合体樹脂100部、正荷電制御剤0.5部、カーボンブラック4部、ビスコール550Pを3部配合し、ラボプラストミルにて溶融混練し、ジェットミルにて粉砕後、分級して粒径5〜15μmのトナーを製造した。このトナーに、外添剤としてシリカR−972を0.6部、均一に塗布した。
(T−5)
スチレンアクリル共重合体樹脂100部、正荷電制御剤15部、カーボンブラック4部、ビスコール550Pを3部配合し、ラボプラストミルにて溶融混練し、ジェットミルにて粉砕後、分級して粒径5〜15μmのトナーを製造した。このトナーに、外添剤としてシリカR−972を0.6部、均一に塗布した。
<実施例2〜8及び比較例4>
表1に示すように、使用する重合開始剤の種類を変化させた以外は、実施例1と同様にして正荷電制御剤を製造した。ただし、実施例8ではイソブタノールの代わりに、n−ブタノールを用い、重合温度を115℃にした。また、比較例4では過酸化物系開始剤の代わりに、アゾ系開始剤を用いた。
さらに、表1に示すトナーの製造方法に基づき、各トナーを製造した。これらについて、実施例1と同様の各種測定と評価を実施した。結果を表1に示す。
<実施例9及び10>
実施例1と同様にして正荷電制御剤及びトナーを製造した。ただし、実施例9は、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートを18g、パラトルエンスルホン酸メチルを2g、スチレンを242g用い、各単量体の共重合比を(M1)+(M2):(M3)=98.7:1.3とした。
また、実施例10は、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートを45g、パラトルエンスルホン酸メチルを45g、スチレンを156g用い、各単量体の共重合比を(M1)+(M2):(M3)=71.7:28.3とした。
これらについて、実施例1と同様の各種測定と評価を実施した。結果を表1に示す。
<比較例1>
(正荷電制御剤製造)
撹拌機、コンデンサ、温度計、窒素導入管を付した2Lフラスコに反応溶剤としてイソブタノール180gと、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート18g、スチレン210g、ブチルアクレート72g及び、過酸化物系開始剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート12gを加え、95℃(重合温度)まで昇温し、窒素下で3時間撹拌した。その後、窒素を流しながらt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート6gを加え、さらに3時間撹拌した後、パラトルエンスルホン酸メチル18gを加えて、1時間撹拌して4級化反応を行い、重合体溶液を得た。この重合体溶液を加熱減圧乾燥(品温140℃、10kPa以下になるまで減圧)し、溶剤分を除去し重合体を得た。これを解砕し正荷電制御剤とした。
スチレン単量体(M1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)の共重合比(%)は(M1)+(M2):(M3)=88.7:11.3であった。
(トナーの製造及び、各種測定と評価)
得られた正荷電制御剤を用いて、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
正荷電制御剤とトナーについて、実施例1と同様の各種測定と評価を実施した。結果を表1に示す。
<比較例2及び3>
表1に示すように、重合開始剤としてアゾ系開始剤を用いた以外は、比較例1と同様にして正荷電制御剤及び、トナーを製造した。これらについて、実施例1と同様の各種測定と評価を実施した。結果を表1に示す。
表中の記号は以下の内容を示す。
G1:t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富製)
G2:t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富製)
G3:ジベンゾイルパーオキサイド(アルケマ吉富製)
G4:1,1−( t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(アルケマ吉富製)
G5:2,2’−アゾビス( 2-メチルブチロニトリル) (V−59,WAKO製)
G6:2,2’−アゾビス(イソメチルブチロニトリル) (V−60,WAKO製)
表1から明らかなように、各実施例で得られた正荷電制御剤は低沸点有機化合物の含有量が少なく、強い臭気を感じることはなかった。また、このような正荷電制御剤を使用して得られたトナーは帯電量も良好であった。よって、実施例のトナーを使用すると、VOCの発生が抑制され、高い印刷品質が発揮できることが示唆された。
一方、各単量体を共重合した後に4級化反応を行った比較例1では、トナーの帯電量が低下した。さらに、重合開始剤としてアゾ系開始剤を用いた比較例2及び3の正荷電制御剤は、低沸点有機化合物の含有量が増え、強い臭気を感じた。さらに、共重合の前に4級化反応を行った比較例4の場合でも、重合開始剤としてアゾ系開始剤を用いたことにより、正荷電制御剤の低沸点有機化合物の含有量が増え、強い臭気を感じた。
本発明の正荷電制御剤によれば、結着樹脂との相溶性、分散性が良好で、呈色を防ぎ、帯電性に優れ、低沸点有機化合物の含有量を低減し、臭気を感じさせない。又、この正荷電制御剤を含有した電子写真用トナーは、帯電性や着色性に優れ、VOCの発生を抑制できる。

Claims (5)

  1. スチレン単量体(M1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)とを、共重合して得られる共重合体を含む正荷電制御剤であって、
    前記共重合体は、各単量体の共重合比(質量%)が(M1)+(M2):(M3)=99.5:0.5〜65:35であり、少なくとも一つの末端がRCOO−又はRO−である正荷電制御剤。
    (Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリサイクリック基である。)
  2. 請求項1に記載の正荷電制御剤の製造方法であって、
    前記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体を第4級化して4級アンモニウム塩(M3)とした後に、スチレン単量体(M1)及び、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と共に、過酸化物系開始剤を用いて共重合する正荷電制御剤の製造方法。
  3. 前記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)が、下記式(1)で示される請求項2に記載の正荷電制御剤の製造方法。
    (式(1)中、Rは水素原子又は、メチル基であり、Rはアルキレン基であり、R〜Rはそれぞれアルキル基である。)
  4. 低沸点有機化合物の含有量が0.8質量%以下である請求項1に記載の正荷電制御剤。
  5. 結着樹脂100質量部に対して、請求項1又は4に記載の正荷電制御剤を0.1〜20質量部含有する電子写真用トナー。
JP2008520154A 2006-05-29 2007-04-23 正荷電制御剤及びその製造方法ならびにこれを用いた電子写真用トナー Pending JPWO2007141967A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006148320 2006-05-29
JP2006148320 2006-05-29
PCT/JP2007/058756 WO2007141967A1 (ja) 2006-05-29 2007-04-23 正荷電制御剤及びその製造方法ならびにこれを用いた電子写真用トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2007141967A1 true JPWO2007141967A1 (ja) 2009-10-15

Family

ID=38801232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008520154A Pending JPWO2007141967A1 (ja) 2006-05-29 2007-04-23 正荷電制御剤及びその製造方法ならびにこれを用いた電子写真用トナー

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20090035680A1 (ja)
EP (1) EP1921509B1 (ja)
JP (1) JPWO2007141967A1 (ja)
KR (2) KR20080034950A (ja)
CN (1) CN101341446B (ja)
WO (1) WO2007141967A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102009048542A1 (de) * 2009-10-07 2011-04-21 Clariant International Ltd. Leicht dispergierbare Pigmentzubereitung auf Basis von C.I. Pigment Yellow 155
KR101297472B1 (ko) * 2011-01-26 2013-08-16 교세라 도큐멘트 솔루션즈 가부시키가이샤 정대전성 정전하상 현상용 토너
JP6033049B2 (ja) * 2011-12-15 2016-11-30 花王株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
KR101934757B1 (ko) * 2013-03-27 2019-01-03 제온 코포레이션 토너
US10459358B2 (en) 2013-03-27 2019-10-29 Zeon Corporation Method for producing a toner
CN103709313B (zh) * 2013-12-17 2015-10-07 深圳市乐普泰科技股份有限公司 悬浮聚合墨粉制备方法
US20190041764A1 (en) * 2016-03-31 2019-02-07 Zeon Corporation Positively-chargeable black toner
CN112835278A (zh) * 2019-11-25 2021-05-25 深圳市乐普泰科技股份有限公司 一种彩色聚合墨粉的制备方法
US11795333B2 (en) 2021-05-11 2023-10-24 Xerox Corporation Crosslinked organic additive for waterborne coating compositions
US11834580B2 (en) 2021-07-27 2023-12-05 Xerox Corporation Ink composition with pH responsive resin particles
US11714361B2 (en) * 2021-07-27 2023-08-01 Xerox Corporation Toner
US11952451B2 (en) 2021-07-27 2024-04-09 Xerox Corporation Latexes with pH responsive resin particles
US11952448B2 (en) 2021-07-27 2024-04-09 Xerox Corporation Organic additives and compositions containing the same

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997001131A1 (fr) * 1995-06-21 1997-01-09 Nippon Zeon Co., Ltd. Procede de production de toner permettant le developpement d'images chargees electrostatiquement
JPH10221886A (ja) * 1996-12-05 1998-08-21 Nippon Zeon Co Ltd 重合法トナー
JPH10339971A (ja) * 1997-06-09 1998-12-22 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用現像剤
JP2000347445A (ja) * 1999-03-26 2000-12-15 Nippon Zeon Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2002251037A (ja) * 2000-03-08 2002-09-06 Canon Inc トナー、トナーの製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2004294997A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Nippon Zeon Co Ltd 静電荷像現像用トナー

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4840863A (en) * 1986-04-17 1989-06-20 Fujikura Kasei Co., Ltd. Positively chargeable toner for use in dry electrophotography
JP2899177B2 (ja) * 1991-09-19 1999-06-02 キヤノン株式会社 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用二成分系現像剤
US5952144A (en) * 1996-06-20 1999-09-14 Nippon Zeon Co., Ltd. Production process of toner for development of electrostatic latent image
US6136490A (en) * 1996-12-05 2000-10-24 Nippon Zeon Co., Ltd. Polymerized toner
CA2337087C (en) * 2000-03-08 2006-06-06 Canon Kabushiki Kaisha Magnetic toner, process for production thereof, and image forming method, apparatus and process cartridge using the toner
US7422833B2 (en) * 2000-09-29 2008-09-09 Zeon Corporation Toner, production process thereof, and process for forming image
JP3689697B2 (ja) * 2002-02-15 2005-08-31 キヤノン株式会社 アミド基及びスルホン酸基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、新規なポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、トナーバインダーならびにトナー及び該トナーを用いた画像形成方法および画像形成装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997001131A1 (fr) * 1995-06-21 1997-01-09 Nippon Zeon Co., Ltd. Procede de production de toner permettant le developpement d'images chargees electrostatiquement
JPH10221886A (ja) * 1996-12-05 1998-08-21 Nippon Zeon Co Ltd 重合法トナー
JPH10339971A (ja) * 1997-06-09 1998-12-22 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用現像剤
JP2000347445A (ja) * 1999-03-26 2000-12-15 Nippon Zeon Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2002251037A (ja) * 2000-03-08 2002-09-06 Canon Inc トナー、トナーの製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2004294997A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Nippon Zeon Co Ltd 静電荷像現像用トナー

Also Published As

Publication number Publication date
KR101240202B1 (ko) 2013-03-06
KR20080034950A (ko) 2008-04-22
EP1921509A1 (en) 2008-05-14
KR20100101020A (ko) 2010-09-15
CN101341446A (zh) 2009-01-07
EP1921509B1 (en) 2013-11-20
US20090035680A1 (en) 2009-02-05
CN101341446B (zh) 2011-09-28
WO2007141967A1 (ja) 2007-12-13
EP1921509A4 (en) 2010-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2007141967A1 (ja) 正荷電制御剤及びその製造方法ならびにこれを用いた電子写真用トナー
JP2552133B2 (ja) 電子写真用正帯電性トナ−
KR101445916B1 (ko) 토너
JP5241938B2 (ja) トナー
JP2008102396A (ja) トナー
CN107111259A (zh) 电子照相用调色剂
MX2012006030A (es) Pigmento organico negro de baja fusion hiperpigmentado.
EP3367170B1 (en) Toner compositions
JP2003057875A (ja) 電子写真用トナー
CA2936442A1 (en) Toner compositions and processes
JPH08320593A (ja) 結着樹脂、及びこれを含有する静電荷像現像用トナー
JP5245332B2 (ja) 正荷電制御剤および正荷電トナー
JP5995669B2 (ja) トナー
JP6973850B2 (ja) 電子写真用正帯電性トナーの製造方法
JP2014098839A (ja) トナー
US7214458B2 (en) Toner compositions
US20220128916A1 (en) Toner and method for manufacturing toner
JP2013033176A (ja) 正帯電性トナー
JP4000989B2 (ja) 正電荷制御剤およびこれを用いた電子写真用トナー
JP2807796B2 (ja) 電子写真用正帯電性トナー
JP5867205B2 (ja) 正電荷制御剤の製造方法およびトナーの製造方法。
US11662670B2 (en) Toner
US5994017A (en) Toner and developer compositions with compatibilizers
KR20190115111A (ko) 토너용 결합제 수지, 토너 및 그의 제조 방법
JP6336880B2 (ja) 電子写真用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130709

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131002

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20131009

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20131129