JP3689697B2 - アミド基及びスルホン酸基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、新規なポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、トナーバインダーならびにトナー及び該トナーを用いた画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

アミド基及びスルホン酸基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、新規なポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、トナーバインダーならびにトナー及び該トナーを用いた画像形成方法および画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリヒドロキシアルカノエート(以下、PHAと略す場合あり)及びその製造方法に関する。詳しくは、親水基を有するポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法等を利用した記録方法に用いられる荷電制御剤、トナーバインダー、静電荷像現像トナー、該トナーを使用する画像形成方法、及びその画像形成装置に関する。特には、予め静電潜像担持体(以下、単に像担持体と呼ぶ)上にトナー像を形成後、被転写材上に転写させて画像を形成する、複写機、プリンター、ファックス等の電子写真、静電記録、静電印刷に用いられる荷電制御剤、トナーバインダー、静電荷像現像トナー、該トナーを使用する画像形成方法、及びその画像形成装置に関する。更に詳しくは、人体/環境に対してより安全性の高い負帯電性の電荷制御剤、それを用いたトナーバインダー、静電荷像現像トナー、該トナーを使用する画像形成方法、及びその画像形成装置に関する。
【0003】
【背景技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般的には、光導電性物質を利用し、種々の手段によって像担持体(感光体)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像して可視像とし、必要に応じて紙等の被転写材にトナー像を転写した後、熱及び/または圧力等により被転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現像方法等が知られている。更には、磁性トナーと中心に磁極を配した回転現像スリーブを用いて、現像スリーブ上から感光体上へと磁性トナーを磁界にて飛翔させる方法も用いられている。
【0004】
静電潜像を現像する際に用いられる現像方式には、トナーとキャリアとからなる二成分系現像剤を使用する二成分現像方式と、キャリアを使用しないトナーのみからなる一成分系現像剤を用いる一成分現像方式とがある。
【0005】
ここで、一般にトナーと称される着色微粒子は、バインダー樹脂と着色材とを必須成分とし、その他必要に応じ磁性粉等から構成されている。トナーに電荷を付与する方法としては、荷電制御剤を用いることなくバインダー樹脂そのものの帯電特性を利用することもできるが、それでは帯電の経時安定性、耐湿性が劣り良好な画質を得ることが出来ない。従って通常トナーの電荷保持、荷電制御の目的で荷電制御剤が加えられる。
【0006】
今日、当該技術分野で知られている公知の荷電制御剤としては、例えば、負摩擦帯電性としては、アゾ染料金属錯体、芳香族ジカルボン酸の金属錯体、サリチル酸誘導体の金属錯体等がある。また、正荷電制御剤としてはニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、各種4級アンモニウム塩、ジブチル錫オキサイド等の有機スズ化合物等が知られているが、これらを荷電制御剤として含有したトナーは、その組成によっては帯電性、経時安定性等トナーに要求される品質特性を必ずしも充分に満足させるものではない場合がある。
【0007】
例えば負荷電制御剤として知られるアゾ染料金属錯体を含有したトナーは、帯電量の高さについては一応の水準を有するものの、アゾ染料金属錯体は低分子の結晶であるため、組み合わせるバインダー樹脂の種類によっては分散性が劣る場合がある。その場合はバインダー樹脂中に負荷電制御剤が均一に分布せず、得られたトナーの帯電量分布も極めてシャープさに欠けるものであり、得られる画像は階調が低く画像形成能に劣るものである。更に、アゾ染料金属錯体は固有の色調をもつため、黒を中心とした限定された色相のトナーにのみ使用されているのが現状であり、カラートナーとして使用する場合には、色調に対する要求性の高い画像を得るために必要とされる着色剤の鮮明さを有しないという点が大きな課題である。
【0008】
また、無色に近い負荷電制御剤の例として芳香族ジカルボン酸の金属錯体が挙げられるが、やはり完全な無色ではないという点、及び低分子の結晶であるゆえの低分散性が問題となる場合がある。
【0009】
一方、正帯電制御剤として知られるニグロシン系染料や、トリフェニルメタン系染料は、それ自体着色しているため、黒を中心とした限定された色相のトナーにのみ使用されているのが現状であり、また、トナーの連続複写に対する経時安定性が良好でない場合がある。また、従来の4級アンモニウム塩は、トナー化した場合耐湿性が不十分である場合があり、その場合は経時安定性が劣り、繰り返し使用で良質な画像を与えない場合がある。
【0010】
また近年、環境保護の観点からも、廃棄物の削減と廃棄物の安全性の向上が世界的に問題視されている。このような問題は、電子写真の分野においても同様である。すなわち、イメージング装置の広い普及にともない、印刷された用紙、使用済みの廃トナー、複写紙の廃棄量が年ごとに増大しており、地球環境の保全の見地から、そのような廃棄物の安全性も重要な課題である。
【0011】
(ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)について)
環境保護の観点から、微生物等の作用により経時的に分解可能な樹脂、すなわち、生分解性の樹脂の開発が進められており、例えば、多くの微生物がポリエステル構造を有する生分解性樹脂(ポリヒドロキシアルカノエート:以下PHAと略記する)を生産し、菌体内に蓄積することが報告されている(非特許文献1)。これらのポリマーは従来のプラスチックと同様に、溶融加工等により各種製品の生産に利用することができる。さらに、生分解性であるがゆえに、自然界で微生物により完全分解されるという利を有しており、従来の多くの合成高分子化合物のように自然環境に残留して汚染を引き起こすことがない。また、生体適合性にも優れており、医療用軟質部材等としての応用も期待されている。
【0012】
このようなPHAは、その生産に用いる微生物の種類や培地組成、培養条件等により、様々な組成や構造のものとなり得ることが知られており、これまで主に、物性の改良という観点から、産生されるPHAの組成や構造の制御に関する研究がなされてきた。
【0013】
[1]まず、3-ヒドロキシ酪酸(以下、3HBと略す)をはじめとする比較的簡単な構造のモノマーユニットを重合させたPHAの生合成としては、次のものが挙げられる。
(a)3HBと3-ヒドロキシ吉草酸(以下3HV)を含むもの(特許文献1〜4参照)
(b)3HBと3-ヒドロキシヘキサン酸(以下3HHx)を含むもの(特許文献5および6参照)
(c)3HBと4-ヒドロキシ酪酸(以下4HB)を含むもの(特許文献7参照)
(d)炭素数6から12までの3-ヒドロキシアルカノエートを含むもの(特許文献8参照)
(e)単一の脂肪酸を炭素源とした生合成。生産物は(d)とほぼ同様(非特許文献2参照)。
【0014】
これらはいずれも微生物による炭化水素等のβ酸化や糖からの脂肪酸合成により合成された、いずれも側鎖にアルキル基を有するモノマーユニットからなるPHA、即ち、「usual PHA」である。
【0015】
こうしたPHAの応用については農業の分野でも、マルチファイル、園芸資材等に、そして徐放性の農薬、肥料等に生分解性樹脂が用いられている。レジャー産業の分野でも、釣り糸、釣り用品、ゴルフ用品等に生分解性樹脂が用いられている。
【0016】
[2]しかしながら、プラスチックとしての幅広い応用を考えた場合、物性的に未だ十分であるとは言えないのが現状である。PHAの利用範囲をさらに拡大していくためには、物性の改良をより幅広く検討していくことが重要であり、そのためにはさらに多様な構造のモノマーユニットを含むPHAの開発、探索が必須である。一方、置換基を側鎖に導入したタイプのPHA「unusual PHA」は、導入した置換基を所望とする特性等に応じて選択することで、導入した置換基の特性等に起因する、極めて有用な機能や特性を具備した「機能性ポリマー」としての展開も期待できる。すなわち、そのような機能性と生分解性とを両立可能であるような優れたPHAの開発、探索もまた重要な課題である。置換基の例としては、芳香環を含むもの(フェニル基、フェノキシ基、など)や、不飽和炭化水素、エステル基、アリル基、シアノ基、ハロゲン化炭化水素、エポキシドなどが挙げられる。これらの中でも、特に、芳香環を有するPHAの研究が盛んになされている。
【0017】
(a)フェニル基もしくはその部分置換体を含むもの
・5-フェニル吉草酸を基質として、シュードモナス オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)が3-ヒドロキシ-5-フェニル吉草酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている(非特許文献3及び4参照)。
【0018】
・5-(4'-トリル)吉草酸を基質として、シュードモナス オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)が3-ヒドロキシ-5-(4'-トリル)吉草酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている(非特許文献5参照)。
【0019】
・5-(2',4'-ジニトロフェニル)吉草酸を基質として、シュードモナス オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)が3-ヒドロキシ-5-(2',4'-ジニトロフェニル)吉草酸及び3-ヒドロキシ-5-(4'-ニトロフェニル)吉草酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている(非特許文献6参照)。
【0020】
(b)フェノキシ基もしくはその部分置換体を含むもの
・11-フェノキシウンデカン酸を基質として、シュードモナス オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)が3-ヒドロキシ-5-フェノキシ吉草酸と3-ヒドロキシ-9-フェノキシノナン酸のPHAコポリマーを生産することが報告されている(非特許文献7参照)。
【0021】
・3-ヒドロキシ-5-(モノフルオロフェノキシ)ペンタノエート(3H5(MFP)P)ユニットあるいは3-ヒドロキシ-5-(ジフルオロフェノキシ)ペンタノエート(3H5(DFP)P)ユニットからなるホモポリマー、少なくとも3H5(MFP)Pユニットあるいは3H5(DFP)Pユニットを含有するコポリマー;これらのポリマーを合成するシュードモナス・プチダ;シュードモナス属を用いた前記のポリマーの製造法に関する発明が開示されており、その効果として、置換基をもつ長鎖脂肪酸を資化して、側鎖末端が1から2個のフッ素原子が置換したフェノキシ基をもつポリマーを合成することができ、融点が高く良い加工性を保持しながら、立体規則性、撥水性を与えることができるとしている(特許文献9参照)。
【0022】
この様なフッ素基置換体以外に、シアノ基やニトロ基の置換体の研究もなされている。
【0023】
・シュードモナス オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)ATCC 29347株及びシュードモナス プチダ(Pseudomonas putida)KT 2442株を用いて、オクタン酸とp-シアノフェノキシヘキサン酸或いはp-ニトロフェノキシヘキサン酸を基質として、3-ヒドロキシ-p-シアノフェノキシヘキサン酸或いは3-ヒドロキシ-p-ニトロフェノキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含むPHAの生産が報告されている(非特許文献8および9参照)。
【0024】
これらの報告は側鎖がアルキル基である一般的なPHAとは異なり、いずれもPHAの側鎖に芳香環を有しており、それに由来する物性を有するポリマーを得る上で有益である。
【0025】
[3]また新たなカテゴリーとして、単に物性の変化に留まらず、側鎖に適当な官能基を有するPHAを生産し、その官能基を利用して新たな機能を生み出そうとする研究も行なわれている。
【0026】
・側鎖の末端にビニル基を持つユニットを含むPHAを合成した後、酸化剤によりエポキシ化し、側鎖末端に反応性の高いエポキシ基を含むPHAを合成出来たと報告されている(非特許文献10および11参照)。
【0027】
・また、側鎖の末端にビニル基を持つユニットを含むPHAを合成した後、パー-O-アセチル-1-チオ-β-マルトースとを過酸化ベンゾイルを用いることにより糖鎖を含むPHAを合成できたこと及び側鎖の末端にブロモ基を持つユニットを含むPHAを合成した後、パー-O-アセチル-1-チオ-β-マルトースとをジエチルアミンを用いることにより糖鎖を含むPHAを合成できたことが報告されている(非特許文献12参照)。
【0028】
(生分解樹脂のトナーへの応用)
電子写真の分野においても、特にトナーの製造においてバインダー樹脂への生分解性樹脂の応用が提案されている。例えば、特許文献10には生分解性樹脂、特にはポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、これらの共重合体あるいはブレンド体をその組成物としてなるトナーが開示されている。また、特許文献11には、少なくともバインダー樹脂が、植物系ワックスと、生分解性樹脂(例えば、微生物生産のポリエステル、植物-または動物-由来の天然高分子材料等)とを含有し、前記植物系ワックスが、前記バインダー樹脂中に5〜50質量%の量で添加されていることを特徴とする、特に熱ロール定着用の電子写真用トナーが開示されている。
【0029】
また、特許文献12には、乳酸系樹脂をバインダー樹脂として含有することを特徴とする電子写真用トナーが開示されている。さらに、特許文献13には、乳酸及び3官能以上のオキシカルボン酸を含有する組成物を脱水重縮合して得られたポリエステル樹脂及び着色剤を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている。
【0030】
また、特許文献14には、バインダー樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーであって、前記バインダー樹脂が生分解性樹脂(例えば、脂肪族ポリエステル樹脂等)よりなり、そして前記着色剤が非水溶性色素よりなることを特徴とする電子写真用トナーが開示されている。さらに、特許文献15には、ポリ乳酸を3官能以上の多価イソシアナートにより架橋して得られるウレタン化ポリエステル樹脂及び着色剤を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている。
【0031】
以上説明した電子写真用トナーのいずれについても、そのバインダー樹脂として生分解性樹脂を使用しており、環境の保全等に寄与する効果があると理解される。
【0032】
しかしながら、荷電制御剤に生分解性樹脂を使用している例の報告は未だ知られておらず、環境の保全等への寄与についてはさらなる向上の余地がある。
【0033】
以上の他、本願発明には特許文献16の記載が引用されている。
【0034】
【非特許文献1】
生分解性プラスチック研究会編「生分解性プラスチックハンドブック」(株)エヌ・ティー・エス、1995年、p.178-197
【非特許文献2】
Appl.Environ.Microbiol,58巻2号、1992年、p.746
【非特許文献3】
Makromol.Chem.,191号、1990年、p.1957-1965
【非特許文献4】
Macromolecules,24号、1991年、p.5256-5260
【非特許文献5】
Macromolecules,29号、1996年、p.1762-1766
【非特許文献6】
Macromolecules,32号、1999年、p.2889-2895
【非特許文献7】
Macromol.Chem.Phys.,195号、1994年、p.1665-1672
【非特許文献8】
Can.J.Microbiol.,41号、1995年、p.32-43
【非特許文献9】
Polymer International,39号、1996年、p.205-213
【非特許文献10】
Macromolecules,31号、1996年、p.1480-1486
【非特許文献11】
Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,36号、1998年、p.2381-2387
【非特許文献12】
Macromol.Rapid Commun.,20号、1999年、p.91-94
【0035】
【特許文献1】
特公平6-15604号公報
【特許文献2】
特公平7-14352号公報
【特許文献3】
特公平8-19227号公報
【特許文献4】
特開平5-7492号公報
【特許文献5】
特開平5-93049号公報
【特許文献6】
特開平7-265065号公報
【特許文献7】
特開平9-191893号公報
【特許文献8】
特許第2642937号公報
【特許文献9】
特許第2989175号公報
【特許文献10】
米国特許明細書第5,004,664号公報
【特許文献11】
特開平6-289644号公報
【特許文献12】
特開平7-120975号公報
【特許文献13】
特開平9-274335号公報
【特許文献14】
特開平8-262796号公報
【特許文献15】
特開平9-281746号公報
【特許文献16】
特開2001-178484号公報
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様に、新たな機能を生み出そうとする研究が試みられているものの、その報告は少ない。特に3-ヒドロキシ酪酸は、自然界の微生物により完全分解されるという利を有しているものの、結晶性が高く、硬く、かつ脆い性質を持っているため、溶融加工性に問題がある。そのため、溶融加工性を向上するPHAが所望されていた。
【0037】
本発明の目的は、溶融加工性を向上するために親水性基であるスルホン酸基及びその誘導体を導入した新規なポリヒドロキシアルカノエート、およびその製造方法を提供することにある。また、本発明のポリヒドロキシアルカノエートは、その親水性により生体適合性にも優れており、医療用軟質部材等としての応用も期待される。
【0038】
また、本発明は前記の課題を解決すべく、機能面においては環境の保全等への寄与がより高く、かつ高性能(高帯電量、帯電の立ち上がりが早い、経時安定性に優れる、環境安定性が高い)で分散性の改良された負帯電性の荷電制御剤、該荷電制御剤を含有してなるトナーバインダー、該荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像トナー、さらには該静電荷像現像トナーを用いた画像形成方法ならびに画像形成装置を提供するものである。
【0039】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、溶融加工性を向上するのに有用であると考えられる、親水性基を導入した新規なポリヒドロキシアルカノエートの開発をめざして鋭意研究を重ねてきた結果以下に示すような発明に至った。また、本発明者らは、高性能でかつ、実質的に無色である荷電制御剤を開発すべく鋭意検討したところ本発明に到達した。
【0040】
即ち本発明は、
[1] 化学式(1)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエートである。
【0041】
【化41】
Figure 0003689697
(式中、RはOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。Aは置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、A、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
また本発明のポリヒドロキシアルカノエートは、以下の形態をとり得る。
【0042】
[2] 化学式(2)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とする前記[1]に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【0043】
【化42】
Figure 0003689697
(式中、R1はH原子またはCH3である。R2はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B1及びC1は置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R1、R2、B1、C1、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
[3] 化学式(3)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とする前記[2]に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【0044】
【化43】
Figure 0003689697
(式中、R3はH原子またはCH3である。R4はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B2及びC2は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキレン基を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R3、R4、B2、C2、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
[4] 化学式(4)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とする前記[3]に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【0045】
【化44】
Figure 0003689697
(式中、R5はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R5、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
[5] 化学式(1)ないし化学式(4)に示すポリヒドロキシアルカノエートが、m=4、m=6、m=8の少なくともいずれか一つのユニットを分子中に含むことを特徴とする前記[1]ないし[4]のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【0046】
[6] 化学式(1)ないし化学式(4)に示すポリヒドロキシアルカノエートが、m=3、m=5の少なくともいずれか一つのユニットを分子中に含むことを特徴とする前記[1]ないし[4]のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【0047】
[7] 化学式(1)ないし化学式(4)に示すユニット以外に、化学式(5):
【0048】
【化45】
Figure 0003689697
に示す3-ヒドロキシ-ω-アルカン酸ユニット(nは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;R6はフェニル構造或いはチエニル構造のいずれかの構造を有する残基を含んでいる;複数のユニットが存在する場合、nおよびR6は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
もしくは
化学式(6):
【0049】
【化46】
Figure 0003689697
に示す3-ヒドロキシ-ω-シクロヘキシルアルカン酸ユニット(式中、R7はシクロヘキシル基への置換基を示し、R7はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、kは化学式中に示した範囲から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)の少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする、前記[1]ないし[6]のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【0050】
[8] 化学式(5)におけるR6が、化学式(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)のいずれかであり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表すことを特徴とする前記[7]に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【0051】
化学式(7):
【0052】
【化47】
Figure 0003689697
(式中、R8aは芳香環への置換基を示し、R8aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR8b(R8b:H原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェニル基の群、
化学式(8):
【0053】
【化48】
Figure 0003689697
(式中、R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェノキシ基の群、
化学式(9):
【0054】
【化49】
Figure 0003689697
(式中、R10は芳香環への置換基を示し、R10はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換ベンゾイル基の群、
化学式(10):
【0055】
【化50】
Figure 0003689697
(式中、R11aは芳香環への置換基を示し、R11aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR11b、SO211c(R11b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R11c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェニルスルファニル基の群、
化学式(11):
【0056】
【化51】
Figure 0003689697
(式中、R12aは芳香環への置換基を示し、R12aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR12b、SO212c(R12b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R12c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換(フェニルメチル)スルファニル基の群、
化学式(12):
【0057】
【化52】
Figure 0003689697
で示される2-チエニル基、
化学式(13):
【0058】
【化53】
Figure 0003689697
で示される2-チエニルスルファニル基、
化学式(14):
【0059】
【化54】
Figure 0003689697
で示される2-チエニルカルボニル基、
化学式(15):
【0060】
【化55】
Figure 0003689697
(式中、R13aは芳香環への置換基を示し、R13aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13b、SO213c(R13b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R13c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェニルスルフィニル基の群、
化学式(16)
【0061】
【化56】
Figure 0003689697
(式中、R14aは芳香環への置換基を示し、R14aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR14b、SO214c(R14b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R14c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェニルスルフォニル基の群、
化学式(17)
【0062】
【化57】
Figure 0003689697
で示される(フェニルメチル)オキシ基の群。
【0063】
[9] 数平均分子量が、1000から1000000であることを特徴とする前記[1]から[8]のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【0064】
また、本発明は、
[10] 化学式(18)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(19)で示される化合物の少なくとも1種とを反応させることを特徴とする化学式(1)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法である。
【0065】
【化58】
Figure 0003689697
(式中、mは、1〜8から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0066】
【化59】
Figure 0003689697
(式中、R15はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。また、A1は、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造から選ばれる。複数種の化合物が存在する場合、R15、A1は、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
【0067】
【化60】
Figure 0003689697
(式中、RはOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。Aは置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、A、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
さらに、本発明は
[11] 化学式(18)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(20)で示される化合物の少なくとも1種とを反応させることを特徴とする化学式(2)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法でもある。
【0068】
【化61】
Figure 0003689697
(式中、mは、1〜8から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0069】
【化62】
Figure 0003689697
(式中、R16はH原子またはCH3基である。R17はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。また、B3は及びC3は、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造から選ばれる。複数種の化合物が存在する場合、R16、R17、B3、C3は、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
【0070】
【化63】
Figure 0003689697
(式中、R1はH原子またはCH3である。R2はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B1及びC1は置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R1、R2、B1、C1、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
上記本発明のポリヒドロキシアルカノエートの製造方法は、以下の形態をとり得る。
【0071】
[12] 該反応が、塩基性下で行うことを特徴とする前記[10]または[11]に記載の製造方法。
【0072】
[13] 該反応における塩基触媒としてジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、モルホリン、ピペリジン、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートの中から選ばれた少なくとも一つを用いて行うことを特徴とする前記[12]に記載の製造方法。
【0073】
本発明はまた、
[14] 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤であって、化学式(1)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とする荷電制御剤である。
【0074】
【化64】
Figure 0003689697
(式中、RはOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。Aは置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、A、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
上記本発明の荷電制御剤は、以下の形態をとり得る。
【0075】
[15] 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤であって、化学式(2)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とする前記[14]に記載の荷電制御剤。
【0076】
【化65】
Figure 0003689697
(式中、R1はH原子またはCH3である。R2はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B1及びC1は置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R1、R2、B1、C1、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
[16] 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤であって、化学式(3)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とする前記[15]に記載の荷電制御剤。
【0077】
【化66】
Figure 0003689697
(式中、R3はH原子またはCH3である。R4はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B2及びC2は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキレン基を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R3、R4、B2、C2、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
[17] 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤であって、化学式(4)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とする[16]に記載の荷電制御剤。
【0078】
【化67】
Figure 0003689697
(式中、R5はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R5、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
[18] 化学式(1)ないし化学式(4)に示すユニット以外に、化学式(5):
【0079】
【化68】
Figure 0003689697
に示す3-ヒドロキシ-ω-アルカン酸ユニット(nは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;R6はフェニル構造或いはチエニル構造のいずれかの構造を有する残基を含んでいる;複数のユニットが存在する場合、nおよびR6は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
もしくは
化学式(6):
【0080】
【化69】
Figure 0003689697
に示す3-ヒドロキシ-ω-シクロヘキシルアルカン酸ユニット(式中、R7はシクロヘキシル基への置換基を示し、R7はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、kは化学式中に示した範囲から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)の少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする、前記[14]ないし[17]のいずれかに記載の荷電制御剤。
【0081】
[19] 化学式(5)におけるR6が、化学式(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)のいずれかであり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表すことを特徴とする前記[18]に記載の荷電制御剤。
【0082】
化学式(7):
【0083】
【化70】
Figure 0003689697
(式中、R8aは芳香環への置換基を示し、R8aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR8b(R8b:H原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェニル基の群、
化学式(8):
【0084】
【化71】
Figure 0003689697
(式中、R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェノキシ基の群、
化学式(9):
【0085】
【化72】
Figure 0003689697
(式中、R10は芳香環への置換基を示し、R10はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換ベンゾイル基の群、 化学式(10):
【0086】
【化73】
Figure 0003689697
(式中、R11aは芳香環への置換基を示し、R11aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR11b、SO211c(R11b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R11c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェニルスルファニル基の群、
化学式(11):
【0087】
【化74】
Figure 0003689697
(式中、R12aは芳香環への置換基を示し、R12aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR12b、SO212c(R12b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R12c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換(フェニルメチル)スルファニル基の群、
化学式(12):
【0088】
【化75】
Figure 0003689697
で示される2-チエニル基、
化学式(13):
【0089】
【化76】
Figure 0003689697
で示される2-チエニルスルファニル基、
化学式(14):
【0090】
【化77】
Figure 0003689697
で示される2-チエニルカルボニル基、
化学式(15):
【0091】
【化78】
Figure 0003689697
(式中、R13aは芳香環への置換基を示し、R13aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13b、SO213c(R13b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R13c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェニルスルフィニル基の群、
化学式(16)
【0092】
【化79】
Figure 0003689697
(式中、R14aは芳香環への置換基を示し、R14aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR14b、SO214c(R14b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R14c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
で示される無置換または置換フェニルスルフォニル基の群、
化学式(17)
【0093】
【化80】
Figure 0003689697
で示される(フェニルメチル)オキシ基の群。
【0094】
[20] 前記粉粒体が静電荷像現像トナーである前記[14]ないし[19]のいずれかに記載の荷電制御剤。
【0095】
[21] 前記ポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量が、1000から1000000の範囲である前記[14]ないし[20]のいずれかに記載の荷電制御剤。
【0096】
さらに、本発明は、
[22] 静電荷像現像トナーで用いられるトナーバインダーであって、前記[14]ないし[21]のいずれかに記載の荷電制御剤を含有してなることを特徴とするトナーバインダー
または、
[23] 静電荷像現像トナーであって、少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と、前記[14]ないし[21]に記載の荷電制御剤を含有してなることを特徴とする静電荷像現像トナーである。
【0097】
またさらに、本発明は、
[24] 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、少なくとも、バインダー樹脂と、着色剤と、前記[14]ないし[21]に記載の荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法
であり、好ましくは
[25] 前記転写工程が、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程とを含む前記[24]に記載の画像形成方法
である。
【0098】
あるいは、本発明は、
[26] 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、少なくとも、バインダー樹脂と、着色剤と、前記[14]ないし[21]に記載の荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置
であり、好ましくは、
[27] 前記転写手段が、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写手段と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写手段とを含む前記[26]に記載の画像形成装置
である。
【0099】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する化合物は生分解性樹脂としての基本骨格を有しており、それゆえ、従来のプラスチックと同様、溶融加工等により各種製品の生産に利用することができるとともに、石油由来の合成高分子とは異なり、生物により分解され、自然界の物質循環に取り込まれるという際立った特性を有している。そのため、燃焼処理を行う必要もなく、大気汚染や地球温暖化を防止するという観点でも有効な材料であり、環境保全を可能とするプラスチックとして利用することができる。
【0100】
本発明の静電荷像現像用トナーに使用する帯電制御剤として好適な、本発明で示した化合物について具体的に説明する。本発明において使用する化合物は、3-ヒドロキシアルカノエートをモノマー単位とするポリエステル樹脂であって、化学式(1)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートである。
【0101】
【化81】
Figure 0003689697
(式中、RはOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。Aは置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、A、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
ここで、このような化合物を微生物により生産する工程を含んだ方法で製造した場合、本発明で示した化合物は、R体のみからなるアイソタクチックなポリマーであるが、物性/機能の両面において本発明の目的を達成しうるならば、特にアイソタクチックなポリマーである必要はなく、アタクチックなポリマーについても利用することが可能である。
【0102】
本発明で目的とする化学式(1)で示すポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として用いる化学式(18)で表される3-ヒドロキシ-ω-ブロモアルカン酸ユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(19)で示す化合物の少なくとも1種との反応で製造される。
【0103】
【化82】
Figure 0003689697
(式中、mは、1〜8から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0104】
【化83】
Figure 0003689697
(式中、R15はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。また、A1は、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造から選ばれる。複数種の化合物が存在する場合、R15、A1は、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
(化学式(18)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)本発明に用いられる化学式(18)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートは、特に限定されてはいないが、微生物生産により製造する方法、遺伝子操作した植物作物システムにより製造する方法、化学的に重合して製造する方法などを用いて製造することができる。好ましくは、微生物生産により製造する方法が用いられる。
【0105】
本発明における化学式(18)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法として微生物生産を用いた場合について詳しく述べる。
【0106】
本発明における微生物生産を用いた場合、その微生物は、化学式(21)に示す化合物の少なくとも1種を含む培地中で培養することにより化学式(18)に示すユニットを分子中に含むポリヒドロキシアルカノエートを生産しうる微生物であれば如何なる微生物であってもよいが、その一例としては、シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物が挙げられる。
【0107】
【化84】
Figure 0003689697
(式中、pは、1〜8から選ばれた整数である。)
さらに詳しくは、微生物がシュードモナス・チコリアイ YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP-7375)、シュードモナス・チコリアイ H45株(Pseudomonas cichorii H45、FERM BP-7374)、シュードモナス・ジェッセニイ P161株(Pseudomonas jessenii P161、FERM BP-7376)、シュードモナス・プチダ P91株(Pseudomonas putida P91、FERM BP-7373)が挙げられる。これら4種の微生物は独立行政法人 産業技術総合研究所(旧経済産業省 工業技術院)生命工学工業技術研究所に寄託されており、特開2001-178484号公報(特許文献16)に記載されている微生物である。
【0108】
これらの微生物は、鎖の末端に、置換または未置換フェニル基、置換または未置換フェノキシ基、置換または未置換シクロヘキシル基の何れかの6員環原子団が置換されているω-置換-直鎖アルカン酸、または、チエニル基のような5員環原子団が置換されているω-置換-直鎖アルカン酸を原料として、対応するω-置換-3-ヒドロキシ-アルカン酸をモノマーユニットとして含むPHAを生産する能力を有している。
【0109】
(培養工程)
本発明にかかるPHAの製造方法に用いる微生物の通常の培養、例えば、保存菌株の作成、PHAの生産に必要とされる菌数や活性状態を確保するための増殖などには、用いる微生物の増殖に必要な成分を含有する培地を適宜選択して用いる。例えば、微生物の生育や生存に悪影響を及ぼすものでない限り、一般的な天然培地(肉汁培地、酵母エキスなど)や、栄養源を添加した合成培地など、いかなる種類の培地をも用いることができる。温度、通気、攪拌などの培養条件は、用いる微生物に応じて適宜選択する。
【0110】
本発明の製造方法において、微生物の培養工程で用いる培地としては、リン酸塩ならびにアンモニウム塩または硝酸塩等の窒素源を含む無機塩培地ならば、いかなる培地を利用することもできるが、微生物にPHAを生産する過程では、培地中の窒素源濃度を調節することで、PHAの生産性を向上せしめることも可能である。
【0111】
また、培地には、微生物の増殖を促す基質として、酵母エキスやポリペプトン、肉エキスといった栄養素を添加することが可能である。すなわち、酵母エキスやポリペプトン、肉エキスといった栄養素の形態で、ペプチド類をエネルギー源、炭素源として、添加することができる。
【0112】
あるいは、培地には、微生物の増殖により消費されるエネルギー源、炭素源として、糖類、例えば、グリセロアルデヒド、エリトロース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトースといったアルドース、グリセロール、エリトリトール、キシリトール等のアルジトール、グルコン酸等のアルドン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸等のウロン酸、マルトース、スクロース、ラクトースといった二糖等を用いることができる。
【0113】
前記糖類に代えて、有機酸またはその塩、より具体的には、TCAサイクルに関与する有機酸、ならびに、TCAサイクルから1段階や2段階の少ない生化学的反応により誘導される有機酸、またはそれらの水溶性の塩を利用することができる。有機酸またはその塩として、例えば、ピルビン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、ケトグルタル酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸やオキソカルボン酸類またはその水溶性の塩を用いることが可能である。あるいは、アミノ酸またはその塩、例えば、アスパラギン酸やグルタミン酸等のアミノ酸またはその塩を用いることが可能である。有機酸またはその塩を添加する際には、ピルビン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、ケトグルタル酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸、ならびにその塩からなる群から、一種または複数種を選択し、培地に添加し、溶解させることがより好ましい。あるいは、アミノ酸またはその塩を添加する際には、アスパラギン酸、グルタミン酸ならびにそれらの塩からなる群から、一種または複数種を選択し、培地に添加し、溶解させることがより好ましい。その際、必要に応じて、全部または一部を水溶性の塩の形状で添加し、培地のpHに影響を与えず、均一に溶解させることもできる。
【0114】
微生物増殖のための炭素源、ならびに、PHA生産のためのエネルギー供給源として、培地に添加される上記の共存基質の濃度は、通常、培地あたり0.1%〜5%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.2%〜2%(w/v)の範囲に選択することが望ましい。すなわち、上述する共存基質として利用される、ペプチド類、酵母エキス、有機酸またはその塩、アミノ酸またはその塩、糖類は、一種類または複数種を添加することができ、その際、これらを合計して、前記の合計濃度となる範囲で添加することが望ましい。
【0115】
目的とするPHAを生産するための基質、すなわち、一般式(21)で示される化合物の含有比率は、培地あたり0.0005%〜1%(w/v)の範囲、より好ましくは0.001%〜0.2%(w/v)の範囲に選択することが望ましい。
【0116】
培養温度は、利用する微生物菌株が良好に増殖可能な温度であれば良く、通常、15℃〜37℃の範囲、より好ましくは、20℃〜30℃の範囲程度に選択することが適当である。
【0117】
培養は、液体培養、固体培養等該微生物が増殖し、PHAを生産する培養方法ならば、いかなる培養方法でも用いることができる。さらに、バッチ培養、フェドバッチ培養、半連続培養、連続培養等の種類も問わない。液体バッチ培養の形態としては、振とうフラスコ中で、振とうしつつ酸素を供給する方法、ジャーファーメンターによる攪拌通気方式の酸素供給方法がある。
【0118】
微生物にPHAを生産・蓄積せしめる手法としては、上述する、所定の濃度で基質を添加した、リン酸塩、ならびにアンモニウム塩または硝酸塩等の窒素源を含む無機塩培地において、微生物を培養する、一段階培養法の他に、培養を二段階に分けて行う二段階培養法を採用することもできる。この二段階培養法では、一次培養として、所定の濃度で基質を添加した、リン酸塩、ならびにアンモニウム塩または硝酸塩等の窒素源を含む無機塩培地において、微生物を一旦十分に増殖させた後、二次培養として、培地に含まれる塩化アンモニウムのような窒素源を制限した上で、所定の濃度で基質を添加した培地に、一次培養で得られた菌体を移し、更に培養して、微生物にPHAを生産・蓄積せしめる。この二段階培養法を採用すると、目的とするPHAの生産性が向上する場合がある。
【0119】
一般に、生産されるPHA型のポリエステルは、側鎖に、3-ヒドロキシ-ω-ブロモアルカン酸ユニット由来のブロモアルキル基など疎水性の原子団を有するので、水溶性は乏しく、PHA産生能を有する微生物の菌体内に蓄積されるので、培養により増殖させ、目的のPHA型のポリエステルを生産・蓄積している菌体を集菌することで、培地と分離が容易になされる。集菌した培養菌体を、洗浄・乾燥した後、目的のPHA型のポリエステルを回収することができる。
【0120】
また、PHAは、通常、かかるPHA産生能を有する微生物の菌体内に蓄積される。この微生物細胞から目的のPHAを回収する方法としては、通常行なわれている方法を適用することができる。例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトンなどの有機溶媒による抽出が最も簡便ではある。前記の溶媒以外に、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルが用いられる場合もある。また、有機溶媒の使用が望ましくない作業環境中では、溶媒抽出法に代えて、SDS等の界面活性剤による処理、リゾチーム等の酵素による処理、次亜塩素酸塩、アンモニア、EDTA等の薬剤による処理、あるいは、超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力破砕法、ビーズ衝撃法、摩砕法、擂潰法、凍結融解法のいずれかの方法を用いて、微生物細胞を物理的に破砕した後、目的とするPHA以外の菌体成分を除去して、PHAを回収する方法を採用することもできる。
【0121】
本発明の製造方法に利用可能な無機塩培地の一例として、後に述べる実施例において利用している無機塩培地(M9培地)の組成を以下に示す。
【0122】
(M9培地の組成)
Na2HPO4 :6.3
KH2PO4 :3.0
NH4Cl :1.0
NaCl :0.5
(g/L、pH=7.0)
更には、良好な菌体の増殖、それに伴うPHAの生産性の向上を図るためには、前記M9培地などの無機塩培地に対して、必須な微量金属元素などの必須微量元素を適量添加することが必要であり、以下に組成を示す微量成分溶液を0.3%(v/v)程度添加することが極めて有効である。かかる微量成分溶液の添加は、微生物の増殖に際して使用される微量金属元素などを供給するものである。
【0123】
(微量成分溶液の組成)
ニトリロ 三酢酸:1.5;
MgSO4:3.0; MnSO4:0.5; NaCl:1.0;
FeSO4:0.1; CaCl2:0.1; CoCl2:0.1;
ZnSO4:0.1; CuSO4:0.1; AlK(SO4)2:0.1;
3BO3:0.1; Na2MoO4:0.1; NiCl2:0.1
(g/L)
また、目的とするPHAを生産するための基質、すなわち、化学式(21)で示されるω-ブロモアルカン酸だけでなく化学式(22)で示されるω-置換アルカン酸化合物の少なくとも1種、もしくは、化学式(23)で示されるω-シクロヘキシルアルカン酸化合物の少なくとも1種を培養中に共存させることにより、化学式(21)で示す3-ヒドロキシ-ω-ブロモアルカン酸ユニット以外に、化学式(5)で示される3-ヒドロキシ-ω-置換アルカン酸ユニット、もしくは、化学式(6)で示される3-ヒドロキシ-ω-シクロヘキシルアルカン酸ユニットを含むPHAを生産することが可能である。この場合の化学式(21)で示されるω-ブロモアルカン酸、化学式(22)で示されるω-置換アルカン酸化合物ならびに、化学式(23)で示されるω-シクロヘキシルアルカン酸化合物の含有比率は、培地あたりそれぞれ0.0005%〜1%(w/v)の範囲、より好ましくは0.001%〜0.2%(w/v)の範囲に選択することが望ましい。
【0124】
【化85】
Figure 0003689697
(rは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;R18は、フェニル構造、チエニル構造のいずれかの環構造を有する残基を含んでおり、前述の化学式(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、のいずれかであり、複数種の化合物が存在する場合、各化合物毎に独立して上記の意味を表す)
【0125】
【化86】
Figure 0003689697
(式中、R19はシクロヘキシル基への置換基を示し、R19はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、sは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である)
(化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
本発明における化学式(18)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(19)で示す化合物との反応について詳しく述べる。
【0126】
本発明に用いられる化学式(19)に示す化合物の使用量は、出発原料として用いる化学式(18)に示すユニットに対して、0.1〜50.0倍モル、好ましくは、1.0〜30.0倍モルの範囲である。
【0127】
本発明の反応では、塩基性下で行うことが好ましい。塩基としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、モルホリン、ピペリジン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属類、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどのアルカリ金属アルコラート類及び、水素化ナトリウム等を用いることができる。中でも、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミンが好ましく用いられる。塩基の使用量は、化学式(18)に示す化合物に対して、0.1〜100.0倍モル、好ましくは、0.5〜50.0倍モルの範囲である。
【0128】
本発明の反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、ヘキサン、シクロへキサン、ヘプタン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒類が挙げられる。特に好ましくは、N,N-ジメチルホルムアミドが用いられる。溶媒の使用量は、出発原料、塩基の種類、反応条件等に応じて適宜定め得る。
【0129】
本発明の方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は0℃〜溶媒の沸点の範囲の温度である。ただし、反応温度が室温以上である場合では、主鎖のエステル結合の切断が起こる場合があるので、0℃〜30℃程度の範囲の温度で行うことがより好ましい。
【0130】
本発明の方法において、反応時間は、一概には言えないが、通常、1〜48時間の範囲である。
【0131】
本発明において、このようにして生成した化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートを含む反応液は、常法である蒸留を用いて取り除くことができる。または、水、メタノール及びエタノールなどのアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いて、反応液に均一且つ、化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートに不溶な溶媒と混合し、目的とする化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートを再沈殿することにより、回収することができる。ここで得られた化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートは、必要ならば、単離精製することができる。この単離精製方法としては、特に制限はなく、化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートに不溶な溶媒を用いて再沈殿する方法、カラムクロマトグラフィーによる方法、透析による方法を用いることができる。
【0132】
なお、本発明の反応において、反応溶媒、反応温度、反応時間、精製方法は、上記の方法に限定されるものではない。
【0133】
また、本発明は上記のポリヒドロキシアルカノエートを含有してなる荷電制御剤であり、更には該荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像用トナーである。更には上記の静電荷像現像用トナーを、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体を均一に帯電させる帯電工程と、静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体を介して、または、介さずに被転写材へ転写する転写工程と、被転写材上のトナー像を熱によって定着する加熱定着工程とを有する画像形成方法であり、また該方法の各工程に対応する各手段、すなわち帯電手段、現像手段、転写手段、加熱定着手段を有する画像形成装置である。
【0134】
本発明において使用するポリヒドロキシアルカノエートはバインダー樹脂に対する相溶性が良好であり、特にはポリエステル系のバインダー樹脂に対する相溶性がきわめて良好である。本発明のポリヒドロキシアルカノエートを含有せしめたトナーは比帯電量が高く、その経時安定性も良好であることから、トナーを長時間保存しても静電記録の画像形成において安定して鮮明な画像を与え、また、無色の負の帯電性能をもつため、黒色の負帯電トナーおよびカラートナー何れについても製出することが出来る。
【0135】
さらに、本発明のポリヒドロキシアルカノエートを構成するモノマーユニットの種類/組成比を適宜選択することにより、幅広い相溶性の制御が可能である。ここで、荷電制御剤がトナーバインダー中でミクロ相分離構造をとるよう樹脂組成を選択すると、トナーの電気的連続性が生じないため安定に電荷を保持することが可能となる。また、本発明のポリヒドロキシアルカノエートは重金属を含まないため、懸濁重合法や乳化重合法でトナーを作成する際には、含金属の荷電制御剤で見られるような重金属による重合禁止作用がないので、安定してトナーを製出することが出来る。
【0136】
<PHAのトナーへの添加>
本発明において、上記した化合物をトナーに含有させる方法としては、トナーに内添する方法とトナーに外添する方法がある。内添する場合の添加量は、トナーバインダーと該荷電制御剤の質量割合として、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.3〜30質量%、さらに好ましくは0.5〜20質量%の範囲で使用するのがより好ましい。0.1質量%よりも少ないと、トナーの帯電性における改良の度合いが顕著にみられず好ましくない。一方、50質量%を超えると、経済的な観点から好ましくない。また、外添する場合には、トナーバインダーと該荷電制御剤の質量割合は0.01〜5質量%とすることが好ましく、特に、メカノケミカル的にトナー表面に固着させるのが好ましい。更に、本発明で示す化合物は、公知の荷電制御剤と組み合わせて使用することもできる。
【0137】
本発明で示す化合物の数平均分子量は、通常1000〜1000000であり、好ましくは1000〜500000である。1000未満ではトナーバインダーに完全相溶し不連続なドメインを形成しにくくなるために帯電量不足となるとともに、トナーの流動性に悪影響を与える。また、1000000を超えるとトナー中に分散させるのが困難となる。
【0138】
本発明のPHAの分子量は、相対分子量、絶対分子量として測定可能である。簡便にたとえば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)などにより測定できる。具体的なGPCの測定方法としては、予め上記PHAを可溶な溶媒に溶解し、同様の移動相で測定する。検出器としては、示差屈折検出器(RI)または紫外検出器(UV)など測定するPHAに合わせて用いることができる。標準試料(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなど)との相対比較として分子量が求められる。溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO),クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)などポリマーが可溶なものから選択すればよい。極性溶媒の場合は、塩添加により測定することもできる。また、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、1〜10の範囲内にある本発明で示す化合物を使用することが好ましい。
【0139】
本発明において、本発明で示す化合物は20〜150℃、特に40〜150℃の融点を持つか、または融点は持たないが20〜150℃、特に40〜150℃のガラス転移点を持つことが好ましい。上記融点が20℃未満または融点を持たずガラス転移点が20℃未満の場合は、トナーの流動性や、保存性に悪影響を与えやすい。また、融点が150℃を超えるかまたは融点を持たずガラス転移点が150℃を超える場合は、荷電制御剤をトナー中に混練することが困難になり、帯電量分布が広くなりやすい。
【0140】
この場合における融点Tmおよびガラス転移点Tgの測定には、例えば、パーキンエルマー社製のDSC-7のような高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計を用いて測定を行えばよい。
【0141】
本発明のトナーバインダーおよび静電荷像現像トナーにおいて、トナーバインダーと該荷電制御剤の質量割合は、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.3〜30質量%、さらに好ましくは0.5〜20質量%である。本発明の静電荷像現像トナーの組成比は、トナー質量に基づき、通常、前記荷電制御剤が0.1〜50質量%、トナーバインダーが20〜95質量%、着色材料が0〜15質量%であり、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの化合物)を着色材料としての機能を兼ねて60質量%以下含有していてもよい。さらに種々の添加剤(滑剤(ポリテトラフルオロエチレン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸、もしくはその金属塩またはアミドなど)および他の荷電制御剤(含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩など)など)を含有させることができる。また、トナーの流動性改良のために疎水性コロイダルシリカ微粉末等を用いることもできる。これら添加剤の量はトナー質量に基づき通常10質量%以下である。
【0142】
本発明のトナーにおいては、トナーバインダーの少なくとも一部が連続相を形成しており、荷電制御剤の少なくとも一部が不連続なドメインを形成していることが好ましい。不連続なドメインを形成せずにトナーバインダー中に荷電制御剤が完全相溶する場合と比較して、添加した荷電制御剤がトナー表面に露出しやすくなり、少量の添加で効果を発現する。また、該ドメインの分散粒径は、好ましくは0.01〜4μmであり、さらに好ましくは0.05〜2μmである。4μmを超えると分散性が不充分であり、帯電量分布が広くなるとともに、トナーの透明性が悪くなる問題が生じる。また、分散粒径が0.01μm未満では、不連続なドメインを形成せずにトナーバインダー中に完全相溶する場合と同様であり、多量の荷電制御剤の添加が必要となる。前記荷電制御剤の少なくとも一部が不連続なドメインを形成していること、およびその分散粒径は、透過型電子顕微鏡などでトナーの切片を観察することで確認できる。界面を明瞭に観察するために、四酸化ルテニウム、四酸化オスニウムなどでトナー切片を染色した後に電子顕微鏡観察をすることも有効である。
【0143】
また、本発明で示す化合物が形成する不連続なドメインの粒径を小さくする目的で、本発明で示す化合物に対して相溶性を有しかつトナーバインダーに対しても相溶性を有する重合体を相溶化剤として含有させることもできる。相溶化剤としては、本発明で示す化合物の構成単量体と実質的に同じ構造を有する単量体を50モル%以上含有する重合体鎖と、トナーバインダーの構成単量体と実質的に同じ構造を有する単量体を50モル%以上含有する重合体鎖がグラフト状またはブロック状に結合した重合体などが挙げられる。相溶化剤の使用量は本発明で示す化合物に対して、通常30質量%以下であり、好ましくは1〜10質量%である。
【0144】
<他の構成材料>
以下、本発明の静電荷像現像用トナーを構成するその他の構成材料について説明する。
【0145】
(バインダー樹脂)
先ず、バインダー樹脂としては、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用することができ、特に限定されない。また、本発明の荷電制御剤は、トナーとする前にバインダー樹脂とあらかじめ混合し、荷電制御能をもつ本発明のトナーバインダー組成物として用いることができる。例えば、バインダー樹脂としては、スチレン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマーおよびポリウレタン系ポリマーなどが挙げられ、単独または混合して使用することができる。
【0146】
スチレン系ポリマーとしては、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体およびこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体、スチレンとジエン系単量体(ブタジエン、イソプレンなど)との共重合体およびこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体などが挙げられる。ポリエステル系ポリマーとしては芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物との重縮合物などが挙げられる。エポキシ系ポリマーとしては芳香族ジオールとエピクロルヒドリンとの反応物およびこれの変性物などが挙げられる。ポリオレフィン系ポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレンおよびこれらと他の共重合可能な単量体との共重合体鎖などが挙げられる。ポリウレタン系ポリマーとしては芳香族ジイソシアネートと芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物との重付加物などが挙げられる。
【0147】
本発明において用いられるバインダー樹脂の具体例としては、以下に挙げる重合性単量体の重合体、または、これらの混合物、或いは、以下に挙げる重合性単量体を2種類以上使用して得られる共重合生成物が挙げられる。このようなものとしては、具体的には、例えば、スチレン-アクリル酸共重合体、或いはスチレン-メタクリル酸系共重合体などのスチレン系ポリマー、さらにはポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマーおよびポリウレタン系ポリマー等が挙げられ、好ましく使用できる。
【0148】
重合性単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロルスチレン、3,4-ジクロルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n-オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2-クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N-ビニルピロール、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルインドール、N-ビニルピロリドンの如きN-ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β-不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、フタル酸、コハク酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2-プロピレングリコール、1、3-プロピレングリコール、1、4-ブタンジオール、1、6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA等のポリオール化合物;p-フェニレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、1、4-テトラメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類;エチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、1、4-ジアミノベンゼン、1、4-ジアミノブタン、モノエタノールアミン等のアミン類;ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等が挙げられる。
【0149】
(架橋剤)
本発明において使用するバインダー樹脂を形成する場合、必要に応じて下記に挙げるような架橋剤を用いることもできる。例えば、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの
等が挙げられる。
【0150】
2官能以上の多官能の架橋剤としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルアソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
【0151】
(重合開始剤)
また、本発明において使用するバインダー樹脂を形成する場合には、下記に挙げるような重合開始剤を必要に応じて用いることができる。例えば、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、クミンパーピバレート、t-ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4-ビス(t-ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バリレート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシ-イソプロピル)ベンゼン2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ-t-ブチルパーオキシ-α-メチルサクシネート、ジ-t-ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ-t-ブチルパーオキシアゼラート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール-ビス(t-ブチルパーオキシカーボネート)、ジ-t-ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t-ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t-ブチルパーオキシ)シラン等が挙げられる。これらが単独或いは併用して使用できる。その使用量はモノマー100質量部に対し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量部)の濃度で用いられる。
【0152】
(他の生分解性プラスチック)
さらに本発明においては、生分解性プラスチックについても好ましく使用できる。生分解性プラスチックとしては、「エコスター」「エコスタープラス」(萩原工業)「バイオポール」(アイ・シー・アイ・ジャパン)「アジコート」(味の素)「プラクセル」「ポリカプロラクトン」(ダイセル化学)「ショーレックス」「ビオノーレ」(昭和電工)「ラクティ」(島津製作所)「レイシア」(三井化学)等が挙げられる。
【0153】
これらのバインダー樹脂と本発明の荷電制御剤の組合せは、バインダー樹脂の高分子の構造と荷電制御剤のポリマー鎖の高分子構造とができるだけ類似していることが好ましい。バインダー樹脂の高分子構造と荷電制御剤のポリマー鎖の高分子構造が大きく異なるとバインダー樹脂中への荷電制御剤の分散が不十分になりやすい。
【0154】
本発明の荷電制御剤をバインダー樹脂に内添する質量割合は、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.3〜30質量%、さらに好ましくは、0.5〜20質量%である。ここで、内添する荷電制御剤の質量割合が0.1質量%未満であると、帯電量が低く、50質量%を超えるとトナーの帯電安定性が悪くなる。
【0155】
<着色剤>
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色剤としては、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用でき、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、チタンホワイト、その他あらゆる顔料及び/または染料を用いることができる。
【0156】
例えば、本発明の静電荷像現像用トナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、着色剤としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を使用することができる。
【0157】
また、本発明の静電荷像現像用トナーを二成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、着色剤として次の様なものを使用することができる。例えば、マゼンタ色トナー用の着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
【0158】
本発明においては、上記に挙げた顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料とを併用して、その鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。その場合に使用し得るマゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28等の塩基性染料が挙げられる。
【0159】
その他の着色顔料としては、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、または、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0160】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
【0161】
上記したような染料及び顔料は、単独で使用してもよく、さもなければ、所望とするトナーの色調を得るために任意に混合して使用してもよい。なお、環境保全や人体に対する安全性などを考慮した場合には、各種の食用色素を好適に使用できる。上記したような着色剤のトナー中の含有量は、所望とする着色効果などに応じて広く変更することが可能である。通常、最も良好なトナー特性を得るため、すなわち、印字の着色力、トナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、これらの着色剤は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜60質量部好ましくは0.5〜20質量部程度の割合で使用される。
【0162】
<トナーの他の成分>
本発明の静電荷像現像用トナー中には、上記したバインダー樹脂及び着色剤成分の他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で(バインダー樹脂成分の含有量より少ない割合で)以下の化合物を含有させてもよい。例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリプロピレンの如き脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、及び、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等である。これらの中でも好ましく用いられるワックス類としては、具体的には、低分子量ポリプロピレン及びこの副生成物、低分子量ポリエステル及びエステル系ワックス、脂肪族の誘導体が挙げられる。これらのワックスから、種々の方法によりワックスを分子量により分別したワックスも本発明に好ましく用いられる。また、分別後に酸価やブロック共重合、グラフト変性を行ってもよい。
【0163】
特に、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、上記したようなワックス成分を含み、しかも透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断層観察を行なった場合に、これらのワックス成分が、バインダー樹脂中に実質的に球状及び/または紡錘形の島状に分散されている場合に優れた特性のトナーとなる。
【0164】
<トナーの作成方法>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーを作製する具体的な方法としては、従来公知の方法をいずれも用いることができる。本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば、下記の工程によってトナーを得る、所謂粉砕法によって作製できる。即ち、具体的には、先に説明した本発明で示した化合物と、バインダー樹脂等の樹脂類、その他、必要に応じて添加されるワックスを、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により充分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに相溶せしめた中に、着色剤としての顔料、染料、または磁性体、必要に応じて添加される金属化合物等の添加剤を分散または溶解せしめ、冷却固化後、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により固化物を粉砕した後、分級を行って所望の粒径を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。尚、上記分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0165】
また、バインダー樹脂と本発明で示した化合物を溶剤(トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム、エチレンジクロライドなどのハロゲン化物、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンおよびジメチルホルムアミドなどのアミドなど)を用い、溶液混合し、攪拌処理後、水中に投じて再沈澱せしめ、濾過、乾燥後、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により固化物を粉砕した後、分級を行って所望の粒径を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得ることもできる。尚、上記分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0166】
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、下記のような所謂重合法によって作製することもできる。即ち、この場合には、本発明で示す化合物と、重合性単量体、着色剤としての顔料、染料、または磁性体、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤、ワックス、その他の添加剤等の材料を混合分散し、界面活性剤等の存在下、水系分散媒体中で懸濁重合することにより重合性着色樹脂粒子を合成し、得られた粒子を固液分離した後、乾燥し、必要に応じて分級を行って本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0167】
さらには、荷電制御剤を含まない着色微粒子を上記方法により調製し、次いで本発明で示した化合物を単独もしくはコロイダルシリカ等の外添剤と供にメカノケミカル的な方法等により粒子表面に固着添加することもできる。
【0168】
(シリカ外添剤)
本発明においては、上記のような方法によって作製されたトナーに、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を外添することが好ましい。この際に用いられるシリカ微粉末としては、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2/g以上(特に30〜400m2/g)の範囲内のものが良好な結果を与える。この場合のシリカ微粉末の量としては、トナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体を0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量部程度使用することが好ましい。この際に使用するシリカ微粉末としては、必要に応じて、疎水化及び帯電性コントロールの目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理されたものを使用することが好ましい。これらの処理剤は混合して使用してもよい。
【0169】
(無機粉体)
また、トナーの現像性及び耐久性を向上させるために、次に挙げるような無機粉体を添加することも好ましい。例えば、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグルシウムの微粉体を使用することが好ましい。
【0170】
(滑剤)
更に、下記に挙げるような滑剤粉末をトナーに添加してもよい。例えば、テフロン、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデン等が挙げられる。
【0171】
<キャリアについて>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーは、単独で非磁性一成分現像剤として使用されたり、磁性キャリアとともに磁性二成分現像剤を構成したりする非磁性トナーや、単独で磁性一成分トナーとして使用される磁性トナー等の、従来公知の種々のトナーに適用することができる。ここで二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものをいずれも使用することができる。具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物で形成される平均粒径20〜300μmの粒子を、キヤリア粒子として使用できる。また、本発明において用いるキャリアは、上記したキャリア粒子の表面が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂の如き物質によって付着または被覆されているものであることが好ましい。
【0172】
<磁性トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性材料をトナー粒子中含有させ磁性トナーとしてもよい。この場合には、磁性材料に、着色剤の役割を兼ねさせることもできる。この際に使用される磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。本発明において用いることのできるこれらの磁性材料としては、平均粒子径が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては、バインダー樹脂100質量部に対し20〜200質量部、特に好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して40〜150質量部とすることが好ましい。
【0173】
更に、高画質化を達成するためには、より微小な潜像ドットを忠実に現像することを可能にする必要があり、そのためには、例えば、本発明の静電荷像現像用トナー粒子の重量平均径が4μm〜9μmの範囲内となるように調整することが好ましい。即ち、重量平均径が4μm未満のトナー粒子では、転写効率の低下が生じ、感光体上に転写残トナーが多く残り易く、カブリ・転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり易く、好ましくない。また、トナー粒子の重量平均径が9μmを超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じ易い。
【0174】
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA-II型或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC-9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続して測定した。その際に使用する電解液として、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。電解液としては、例えば、市販のISOTON R-II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用することもできる。具体的な測定法としては、上記電解水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩を使用する)を0.1〜5ml加え、更に、測定試料を2〜20mg加えて測定用試料とする。測定の際には、この測定試料が懸濁された電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った後、前記コールターカウンターTA-II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定し、体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求めた。
【0175】
<帯電量>
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、単位質量あたりの帯電量(二成分法)が-10〜-80μC/g、より好ましくは-15〜-70μC/gであることが、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法において転写効率を向上させる上で好ましい。
【0176】
本発明において使用した二成分法による帯電量(二成分トリボ)の測定法を以下に示す。測定には、図8に示した帯電量測定装置を使用した。先ず、一定環境下、キャリアとしてEFV200/300(パウダーテック社製)を用い、該キャリア9.5gに対して、測定対象のトナー0.5gを加えた混合物を、50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ、振幅を一定にした振とう機に設置して、振とう条件を、振幅100mm、振とう速度1分間100回往復に設定し、一定時間振とうする。次いで、図8に示した帯電量測定装置の底に500メッシュのスクリーン43のある金属製の測定容器42に、前記混合物1.0〜1.2gを入れて、金属製のフタ44をする。この時の測定容器42全体の質量を秤かりW1(g)とする。次に、不図示の吸引機(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)で吸引口47から吸引し、風量調節弁46を調節して真空計45の圧力が2450Pa(250mmAq)になるようにする。この状態で一分間吸引を行って、トナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位をV(ボルト)とする。ここで48はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量を秤かりW2(g)とする。トナーの摩擦帯電量(μC/g)は、これらの測定値から、下式によって計算される。
【0177】
【数1】
Figure 0003689697
<バインダー樹脂の分子量分布>
また、本発明の静電荷像現像用トナーの構成材料に用いられるバインダー樹脂としては、特に、粉砕法で作製した場合に、GPCによる分子量分布において、低分子量領域におけるピークが3000〜15000の範囲にあるようにすることが好ましい。即ち、低分子量領域におけるGPCピークが15000を超えると、転写効率の向上が充分なものが得られ難くなる場合がある。また、低分子量領域におけるGPCピークが3000未満のバインダー樹脂を用いると、表面処理時に融着を生じ易くなるので、好ましくない。
【0178】
本発明において、バインダー樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをTHF(テトラヒドロフラン)溶剤でソックスレー抽出器を用いて20時間抽出を行ったサンプルを測定用に用い、カラム構成は、昭和電工製A-801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定した。また、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、2〜100の範囲内にあるバインダー樹脂を使用することが好ましい。
【0179】
<トナーのガラス転移点>
更に、本発明のトナーは、適宜な材料を用いることによって、定着性、保存性の観点から、そのガラス転移点Tgが、40℃〜75℃、更に好ましくは、52℃〜70℃となるように調製されることが好ましい。この場合におけるガラス転移点Tgの測定には、例えば、パーキンエルマー社製のDSC-7のような高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計を用いて測定を行えばよい。測定方法としては、ASTM D 3418-82に準じて行う。本発明においては、ガラス転移点Tgを測定する場合に、測定試料を1回昇温して全履歴をとった後、急冷し、再度、温度速度10℃/min、温度0〜200℃の範囲で昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いるとよい。
【0180】
<画像形成方法>
上記で説明した構成を有する本発明の静電荷現像用トナーは、少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加して、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する加熱定着工程とを有する画像形成方法、或いは、転写工程が、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程とからなる画像形成方法に適用することが特に好ましい。
【0181】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明の方法は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0182】
はじめに、化学式(19)に示す化合物の一つである2-(2’-メルカプトエチル)アミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(化学式(24))の製造方法について説明する。
【0183】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸15.2g、水酸化ナトリウム2.8g、過酸化ベンゾイル0.01gをメタノール48.5gに室温で溶解し、系内を窒素に置換した。ついで系内温度を15〜19℃に保ちながらチオ酢酸26.7gを添加した後、系内温度を45〜60℃とし、4時間還流した。冷却後、イソプロピルエーテル600g加え洗浄した。不溶物を乾燥し、22g得た。得られた不溶物をメタノール66gに室温で溶解し、系内を窒素に置換した。水酸化ナトリウム0.76g添加し、系内温度を39〜41℃とし、3時間攪拌した。冷却後、酢酸1.2g加えた後、溶媒を留去し、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のチオール化物を得た。なおチオール化が定量的に行われたことは、1H-NMRスペクトルにより確認した。
【0184】
【化87】
Figure 0003689697
以下の実施例1-4は、上記の方法により得た2-(2’-メルカプトエチル)アミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウムと、先に説明した微生物製造方法により得たポリヒドロキシアルカノエートとを原料とした本発明のポリヒドロキシアルカノエートの製造方法例である。しかし、本発明のポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法は、上記原料に限るものではない。
【0185】
[実施例1]
化学式(25)及び化学式(26)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法(1)
【0186】
【化88】
Figure 0003689697
【0187】
【化89】
Figure 0003689697
3-ヒドロキシ-8-ブロモオクタン酸ユニット及び3-ヒドロキシ-6-ブロモへキサン酸ユニット合わせて9.5mol%と3-ヒドロキシ-5-フェニル吉草酸89.1mol%及びその他1.4mol%(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10、12の直鎖3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)を含むポリヒドロキシアルカノエート(平均分子量:Mn=36000、Mw=66000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC);東ソーHLC-8220、カラム;東ソー TSK-GEL Super HM-H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価)900mgをN,N-ジメチルホルムアミド12ml中に室温で溶解し、系内を窒素置換した。ついで系内を室温に保ちながら、N,N-ジメチルホルムアミド18mlに溶解した2-(2'-メルカプトエチル)アミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム825mg加え、更に、ジエチルアミン330μlを加え、室温で24時間攪拌した。
【0188】
反応終了後、反応液であるN,N-ジメチルホルムアミドを取り除くため、ジエチルエーテル300ml中に注ぎ、再沈殿を行った。得られた沈殿は、遠心分離により回収した。
【0189】
この沈殿を300ml水中に加えて、攪拌し、洗浄した。ここで得られた沈殿は、遠心分離することで回収した。この沈殿は、真空乾燥し、ポリヒドロキシアルカノエートを244mg得た。
【0190】
このPHAについて、核磁気共鳴装置を用いて、下記の測定条件で分析した。
【0191】
<測定機器>FT-NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数:1H= 400MHz
<測定機器> 測定核種:1
使用溶媒:DMSO-d6
reference:キャピラリ封入DMSO-d6
測定温度:40℃
1H-NMRスペクトルチャートを図1、1H-NMRスペクトルより得られた結果より算出したPHAの組成比を表1にそれぞれ示す。
【0192】
【表1】
Figure 0003689697
【0193】
【化90】
Figure 0003689697
この結果より、このポリヒドロキシアルカノエートは、化学式(25)及び化学式(26)で示すユニットを合計4.8mol%含み、且つ化学式(27)で示す3-ヒドロキシ-5-フェニル吉草酸ユニットを93.0mol%を含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0194】
得られたPHAの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC-8220、カラム;東ソー TSK-GEL SuperHM-H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した結果、Mn=10000、Mw=19400 であった。
【0195】
[実施例2]
化学式(25)及び化学式(26)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法(2)
3-ヒドロキシ-8-ブロモオクタン酸ユニット及び3-ヒドロキシ-6-ブロモヘキサン酸合計7.4mol%、3-ヒドロキシ-5-フェノキシ吉草酸87.1mol%及びその他5.5mol%(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10、12の直鎖3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)を含むポリヒドロキシアルカノエート(平均分子量:Mn=30800、Mw=65200、実施例1に記載のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより評価)869mgをN,N-ジメチルホルムアミド9ml中に室温で溶解し、系内を窒素置換した。ついで系内を室温に保ちながら、N,N-ジメチルホルムアミド16mlに溶解した2-(2'-メルカプトエチル)アミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム2080mg加え、更に、ジエチルアミン206μlを加え、室温で24時間攪拌した。
【0196】
反応終了後、反応液であるN,N-ジメチルホルムアミドをロータリーエバポレーターにより一旦留去し、N,N-ジメチルホルムアミド3mlに再溶解した後、純水300ml中に注ぎ、再沈殿を行った。得られた沈殿は、遠心分離により回収した。この沈殿は、洗浄するため再度50ml純水で懸濁し、遠心分離し、沈殿を回収した。この洗浄操作を三回行った後、真空乾燥し、ポリヒドロキシアルカノエートを819mg得た。
【0197】
このPHAについて、核磁気共鳴装置を用いて、実施例1と同様の条件で測定を行った。
【0198】
1H-NMRスペクトルより得られた結果より算出したPHAの組成比を表2に示す。
【0199】
【表2】
Figure 0003689697
【0200】
【化91】
Figure 0003689697
この結果より、このポリヒドロキシアルカノエートは、化学式(25)及び化学式(26)で示すユニットを合計4.0mol%含み、且つ化学式(28)で示す3-ヒドロキシ-5-フェノキシ吉草酸ユニットを91.0mol%含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0201】
得られたPHAの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、実施例1に記載の方法により評価した結果、Mn=3100、Mw=9100であった。
【0202】
[実施例3]
化学式(29)、化学式(30)及び化学式(31)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法(1)
【0203】
【化92】
Figure 0003689697
【0204】
【化93】
Figure 0003689697
【0205】
【化94】
Figure 0003689697
3-ヒドロキシ-11-ブロモウンデカン酸ユニット、3-ヒドロキシ-9-ブロモノナン酸ユニット及び3-ヒドロキシ-7-ブロモヘプタン酸合計7.1mol%、3-ヒドロキシ-5-フェノキシ吉草酸79.3mol%及びその他13.6mol%(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10、12の直鎖3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)を含むポリヒドロキシアルカノエート(平均分子量:Mn=48000、Mw=111000、実施例に記載のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより評価)449mgをN,N-ジメチルホルムアミド6ml中に室温で溶解し、系内を窒素置換した。ついで系内を室温に保ちながら、N,N-ジメチルホルムアミド8mlに溶解した2-(2'-メルカプトエチル)アミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム265mg加え、更に、ジエチルアミン106μlを加え、室温で24時間攪拌した。
【0206】
反応終了後、反応液であるN,N-ジメチルホルムアミドをロータリーエバポレーターにより一旦留去し、N,N-ジメチルホルムアミド2mlに再溶解した後、純水200ml中に注ぎ、再沈殿を行った。得られた沈殿は、遠心分離により回収した。この沈殿は、洗浄するため再度50ml純水で懸濁し、遠心分離し、沈殿を回収した。この洗浄操作を三回行った後、真空乾燥し、ポリヒドロキシアルカノエートを389mg得た。
【0207】
このPHAについて、核磁気共鳴装置を用いて、実施例1と同様の条件で測定を行った。
【0208】
1H-NMRスペクトルより得られた結果より算出したPHAの組成比を表3に示す。
【0209】
【表3】
Figure 0003689697
【0210】
【化95】
Figure 0003689697
この結果より、このポリヒドロキシアルカノエートは、化学式(29)、化学式(30)及び化学式(31)で示すユニットを合計2.1mol%含み、且つ化学式(28)で示す3-ヒドロキシ-5-フェノキシ吉草酸ユニットを85.3mol%を含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0211】
得られたPHAの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、実施例1に記載の方法により評価した結果、Mn=3400、Mw=14500であった。
【0221】
以上の実施例1〜3で得られたPHAを、表5に示すように例示化合物(1)〜(3)として、荷電制御剤として用いて各種トナーを製造し、評価を行った(実施例5〜44)。
【0222】
【表5】
Figure 0003689697
[実施例5]
先ず、高速撹拌装置TK-ホモミキサーを備えた2リットル用の四つ口フラスコ中に、Na3PO4水溶液を添加し、回転数を10,000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここにCaCl2水溶液を徐々に添加していき、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
【0223】
一方、下記組成をボールミルを用いて3時間分散させた後、離型剤(エステルワックス)10質量部と、重合開始剤である2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)10質量部を添加して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン単量体 82質量部
・エチルヘキシルアクリレート単量体 18質量部
・ジビニルベンゼン単量体 0.1質量部
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15) 6質量部
・酸化ポリエチレン樹脂(分子量3200、酸価8) 5質量部
・例示化合物(1) 2質量部。
【0224】
次に、上記で得られた重合性単量体組成物を、先に調製した水系分散媒体中に投入し、回転数10,000rpmを維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、65℃で3時間反応させた後、80℃で6時間重合させて重合反応を終了した。反応終了後、懸濁液を冷却し、酸を加えて難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を溶解した後、濾過、水洗、乾燥して青色重合粒子(1)を得た。得られた青色重合粒子(1)のコールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した粒度は、重量平均粒径7.1μmで、微粉量(個数分布における3.17μm以下の粒子の存在割合)は5.5個数%であった。
【0225】
上記で調製した青色重合粒子(1)100質量部に対して、流動向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:270m2/g)1.3質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して外添し、本実施例の青色トナー(1)とした。更に、この青色トナー(1)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系青色現像剤(1)を調製した。
【0226】
[実施例6〜7]
例示化合物(1)に代えて、それぞれ例示化合物(2)及び(3)を2.0質量部使用する以外は、実施例5と同様の手順で、実施例6〜7の青色トナー(2)〜(3)を得た。また、各青色トナー(2)〜(3)と前記樹脂コート磁性フェライトキャリアとを用いて実施例5と同様にして、2成分系青色現像剤(2)〜(3)をそれぞれ得た。これらの青色トナー(2)〜(3)、ならびに2成分系青色現像剤(2)〜(3)についても、各トナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表6に併せて示す。
【0227】
[比較例1]
荷電制御剤を使用しない点以外は実施例5と同様の方法により、比較例1の青色トナー(4)を得た。このトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表6に示した。また、これを用いて実施例5と同様にして、比較例1の2成分系青色現像剤(4)を得た。
【0228】
<評価>
上記実施例5〜7で得られた2成分系青色現像剤(1)〜(3)、および比較例1で得られた2成分系青色現像剤(4)について、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表6にまとめて示した。
【0229】
[帯電性]
◎:非常に良好(-20μC/g以下)
○:良好(-19.9〜-10.0μC/g)
△:実用可(-9.9〜-5.0μC/g)
×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0230】
【表6】
Figure 0003689697
[実施例8〜10]
例示化合物(1)〜(3)を2.0質量部を用い、シアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する以外は、実施例5と同様の方法により、イエロートナー(1)〜(3)を得た。これらのトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表7に示した。また、これを用いて実施例5と同様にして、2成分系イエロー現像剤(1)〜(3)を得た。
【0231】
[比較例2]
荷電制御剤を使用しない点およびシアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する点以外は実施例5と同様の方法により、比較例2のイエロートナー(4)を得た。このトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表7に示した。また、これを用いて実施例5と同様にして、比較例2の2成分系イエロー現像剤(4)を得た。
【0232】
<評価>
上記実施例8〜10で得られた2成分系イエロー現像剤(1)〜(3)、および比較例2で得られた2成分系イエロー現像剤(4)について、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。
【0233】
そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表7にまとめて示した。
【0234】
[帯電性]
◎:非常に良好(-20μC/g以下)
○:良好(-19.9〜-10.0μC/g)
△:実用可(-9.9〜-5.0μC/g)
×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0235】
【表7】
Figure 0003689697
[実施例11〜13]
例示化合物(1)〜(3)を2.0質量部使用し、シアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110ml/100g)を使用する以外は、実施例5と同様の方法により、実施例5の黒色トナー(1)〜(3)をそれぞれ得た。これらのトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表8に示した。また、これを用いて実施例5と同様にして、2成分系黒色現像剤(1)〜(3)を得た。
【0236】
[比較例3]
荷電制御剤を使用しない点およびシアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110ml/100g)を使用する点以外は実施例5と同様の方法により、比較例3の黒色トナー(4)を得た。このトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表8に示した。また、これを用いて実施例5と同様にして、比較例3の2成分系黒色現像剤(4)を得た。
【0237】
<評価>
上記実施例11〜13で得られた2成分系黒色現像剤(1)〜(3)、および比較例3で得られた2成分系黒色現像剤(4)について、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表8にまとめて示した。
【0238】
[帯電性]
◎:非常に良好(-20μC/g以下)
○:良好(-19.9〜-10.0μC/g)
△:実用可(-9.9〜-5.0μC/g)
×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0239】
【表8】
Figure 0003689697
[実施例14]
・スチレン-ブチルアクリレート共重合樹脂
(ガラス転移温度 70℃) 100質量部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド114) 5質量部
・例示化合物(1) 2質量部
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によってマゼンタ着色粒子(1)を得た。このマゼンタ着色粒子(1)の粒度は、重量平均粒径7.0μm、微粉量は5.2個数%であった。
【0240】
このマゼンタ着色粒子(1)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例のマゼンタトナー(1)を得た。更に、得られたマゼンタトナー(1)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系マゼンタ現像剤(1)を調製した。このトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表9に示した。
【0241】
[実施例15〜16]
例示化合物(1)の代わりに、例示化合物(2)〜(3)をそれぞれ2.0質量部使用する以外は実施例14と同様の方法で、実施例15〜16のマゼンタトナー(2)〜(3)を得た。これらのトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表9に示した。また、これを用いて実施例14と同様にして、2成分系マゼンタ現像剤(2)〜(3)をそれぞれ得た。
【0242】
[比較例4]
荷電制御剤を使用しない点以外は実施例14と同様の方法により、比較例4のマゼンタトナー(4)を得た。このトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表9に示した。また、これを用いて実施例14と同様にして、比較例4の2成分系マゼンタ現像剤(4)を得た。
【0243】
<評価>
上記実施例14〜16で得られた2成分系マゼンタ現像剤(1)〜(3)、および比較例4で得られた2成分系マゼンタ現像剤(4)について、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表9にまとめて示した。
【0244】
[帯電性]
◎:非常に良好(-20μC/g以下)
○:良好(-19.9〜-10.0μC/g)
△:実用可(-9.9〜-5.0μC/g)
×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0245】
【表9】
Figure 0003689697
[実施例17〜19]
例示化合物(1)〜(3)を2.0質量部使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110ml/100g)を使用する以外は、実施例14と同様の方法により、黒色トナー(5)〜(7)をそれぞれ得た。これらのトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表10に示した。また、これを用いて実施例14と同様にして、2成分系黒色現像剤(5)〜(7)を得た。
【0246】
[比較例5]
荷電制御剤を使用しない点およびマゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110ml/100g)を使用する点以外は実施例14と同様の方法により、比較例5の黒色トナー(8)を得た。このトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表10に示した。また、これを用いて実施例14と同様にして、比較例5の2成分系黒色現像剤(8)を得た。
【0247】
<評価>
上記実施例17〜19で得られた2成分系黒色現像剤(5)〜(7)、および比較例5で得られた2成分系黒色現像剤(8)について、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表10にまとめて示した。
【0248】
[帯電性]
◎:非常に良好(-20μC/g以下)
○:良好(-19.9〜-10.0μC/g)
△:実用可(-9.9〜-5.0μC/g)
×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0249】
【表10】
Figure 0003689697
[実施例20]
・ポリエステル樹脂 100質量部
・カーボンブラック(DBP吸油量 110ml/100g) 5質量部
・例示化合物(1) 2質量部
ポリエステル樹脂は次のようにして合成した。ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物751部、テレフタル酸104部および無水トリメリット酸167部をジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合し、軟化点125℃のポリエステル樹脂を得た。
【0250】
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によって黒色着色粒子(9)を得た。この黒色着色粒子(9)の粒度は、重量平均粒径7.7μm、微粉量は5.0個数%であった。
【0251】
この黒色着色粒子(9)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して,本実施例のブラックトナー ( ) を得た。さらに、得られたブラックトナー ( )7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系黒色現像剤(9)を調製した。このトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表11に示した。
【0252】
[実施例21〜22]
例示化合物(1)の代わりに、例示化合物(2)〜(3)をそれぞれ2.0質量部使用する以外は実施例20と同様の方法で、実施例21〜22の黒色トナー(10)〜(11)を得た。これらのトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表11に示した。また、これを用いて実施例20と同様にして、2成分系黒色現像剤(10)〜(11)をそれぞれ得た。
【0253】
[比較例6]
例示化合物(1)を使用しない点以外は実施例20と同様の方法により、比較例6の黒色トナー(12)を得た。このトナーの特性を実施例5と同様に測定し、その結果を表11に示した。また、これを用いて実施例20と同様にして、比較例6の2成分系黒色現像剤(12)を得た。
【0254】
<評価>
上記実施例20〜22で得られた2成分系黒色現像剤(9)〜(11)、および比較例6で得られた2成分系黒色現像剤(12)について、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表11にまとめて示した。
【0255】
[帯電性]
◎:非常に良好(-20μC/g以下)
○:良好(-19.9〜-10.0μC/g)
△:実用可(-9.9〜-5.0μC/g)
×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0256】
【表11】
Figure 0003689697
(実施例23〜実施例40及び比較例7〜比較例12)
先ず、実施例23〜実施例40および比較例7〜比較例12の画像形成方法に用いた画像形成装置について説明する。図2は、本発明の実施例及び比較例の画像形成方法を実行するための画像形成装置の断面の概略的説明図である。図2に示した感光体ドラム1は、基材1b上に有機光半導体を有する感光層1aを有し、矢印方向に回転するように構成されているが、感光体ドラム1に対向し、且つ該ドラムと接触回転している帯電部材である帯電ローラー2によって、その表面が約-600Vの表面電位に帯電されている。図2に示したように、帯電ローラー2は、芯金2bの上に導電性弾性層2aが被覆されて構成されている。
【0257】
次に、表面が帯電された感光体ドラム1に向けて露光3されるが、その際、ポリゴンミラーにより感光体上にデジタル画像情報に応じてオン-オフさせることで、露光部電位が-100V、暗部電位が-600Vの静電荷像が形成される。続いて、この感光体ドラム1上の静電荷像は、複数の現像装置4-1、4-2、4-3、4-4を用いて反転現像されて顕在化され、感光体ドラム1上トナー像が形成される。その際、現像剤として、実施例5〜22および比較例1〜6で得た2成分系現像剤を別々に用い、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー又はブラックトナーでトナー画像を形成した。図3は、その際に用いた二成分現像剤用の各現像装置4の要部の拡大断面図である。
【0258】
次に、感光体ドラム1上のトナー像は、感光体ドラム1と接触回転している中間の転写体5上に転写される。この結果、中間の転写体5上には、四色の色重ね顕色像が形成される。感光体ドラム1上に転写されずに残った転写残トナーは、クリーナー部材8によって、残トナー容器9内に回収される。
【0259】
中間の転写体5は、図2に示したように、支持体としての芯金5bと、その上に積層された弾性層5aとで構成されている。本実施例においては、パイプ状の芯金5b上に、カーボンブラックを導電付与材料とし、ニトリル-ブタジエンラバー(NBR)中にこれを充分に分散させた弾性層5bがコーティングされた中間の転写体5を使用した。「JIS K-6301」に準拠して測定した弾性層5bの硬度は30度であり、体積抵抗値は、109Ω・cmであった。感光体ドラム1から中間の転写体5への転写に必要な転写電流は約5μAであるが、これは、電源より+500Vを芯金5bに付与することで得られた。
【0260】
中間の転写体5上に形成された四色のトナーの色重ね顕色像は、転写ローラー7によって、紙等の被転写材に転写され、その後、加熱定着装置Hによって定着されて固定される。転写ローラー7は、その外径の直径が10mmの芯金7b上に、カーボンを導電性付与材料として、エチレン-プロピレン-ジエン系三次元共重合体(EPDM)の発泡体中に該カーボンが充分な状態で分散したものがコーティングされた弾性層7aが形成されている。その体積固有抵抗値は、106Ω・cmであり、「JIS K-6301」に準拠して測定した硬度が35度の値を示すのもを用いた。又、この転写ローラー7には電圧を印加して、15μAの転写電流を流した。
【0261】
図2に示した装置では、加熱定着装置Hに、図6及び図7に示したようなオイル塗布機構のない熱ロール方式の定着装置を用いた。このとき、上部ローラー、下部ローラー共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用した。又、ローラーの直径は60mmであった。定着の際の定着温度を160℃とし、ニップ幅を7mmに設定した。尚、クリーニングによって回収された感光体ドラム1上の転写残トナーは、リユース機構により現像器に搬送し再使用した。
【0262】
<評価>
以上の条件で、常温常湿(25℃、60%RH)及び、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、実施例5〜22のトナーを使用して作製した2成分系現像剤と、比較例1〜6のトナーを使用して作製した2成分系現像剤をそれぞれ使用し、逐次補給しながら、単色での間歇モード(即ち、一枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウト試験を行い、得られたプリントアウト画像を下記の項目について評価した。評価結果を表12にまとめて示した。
【0263】
[プリントアウト画像評価]
1.画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)。
【0264】
2.画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価した。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製REFLECTOMETER ODEL TC-6DS)を用いて測定したプリント後の白地部反射濃度の最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds-Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)。
【0265】
3.転写性
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、黒ベタ画像を所定枚数プリントアウトをし、プリント終了時の画像の画像抜け量を目視により観察し、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(殆ど発生せず)
○:良好(軽微)
△:実用可
×:実用不可。
【0266】
また、実施例23〜実施例40および比較例7〜比較例12で、5000枚画像出力を行ったときの感光ドラム及び中間転写体表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響(画像形成装置とのマッチング)を目視で評価したところ、実施例23〜実施例40の2成分系現像剤を使用した系では、感光ドラム及び中間転写体表面の傷や、残留トナーの固着が全く確認できず、画像形成装置とのマッチングが非常に良好であった。一方、比較例7〜12の2成分系現像剤を使用した系では、いずれも感光ドラム表面にトナーの固着が認められた。更に、比較例7〜12の2成分系現像剤を使用した系では、中間転写体表面上にトナーの固着と表面傷が確認でき、画像上にも縦スジ状の画像欠陥を生じるといった、画像形成装置とのマッチングにおいて問題を生じた。
【0267】
【表12】
Figure 0003689697
[実施例41〜実施例43、比較例13〜比較例15]
実施例41〜実施例43、比較例13〜比較例15の画像形成方法の実施にあたっては、現像剤として、実施例5、8、11および比較例1〜3で得たトナーをそれぞれ用いた。また、画像を形成する手段としては、図4に示したように、市販のレーザービームプリンターLBP-EX(キヤノン社製)にリユース機構を取り付けて改造し、再設定した画像形成装置を用いた。即ち、図4に示した画像形成装置では、転写後に感光体ドラム20上に残った未転写トナーを、該感光体ドラム20に当接しているクリーナー21の弾性ブレード22により掻き落とした後、クリーナーローラーによってクリーナー21内部へと送り、更にクリーナーリユース23を経て、搬送スクリューを設けた供給用パイプ24によってホッパー25を介して現像器26に戻し、再度、回収トナーを利用するシステムを取り付けられている。
【0268】
図4に示した画像形成装置では、一次帯電ローラー27により、感光体ドラム20の表面の帯電がなされる。一次帯電ローラー27には、ナイロン樹脂で被覆された、導電性カーボンが分散されたゴムローラー(直径12mm、当接圧50g/cm)を使用し、静電潜像担持体(感光体ドラム20)上に、レーザー露光(600dpi、不図示)により、暗部電位VD=-700V、明部電位VL=-200Vの静電潜像を形成した。トナー担持体として、その表面に、カーボンブラックが分散された樹脂がコートされている表面粗度Raが1.1を呈する現像スリーブ28を用いた。
【0269】
図5に、実施例41〜実施例43、比較例13〜比較例15で用いた一成分現像剤用の現像装置の要部の拡大断面図を示した。静電潜像を現像する条件としては、該現像スリーブ28の速度を、対向する感光ドラム20面の移動速度に対して1.1倍の速さになるように設定し、更に、感光ドラム20と現像スリーブ28との間隔α(S-D間)を270μmとした。トナーの層厚規制部材としては、ウレタンゴム製ブレード29を当接させて用いた。又、トナー画像を定着させる加熱定着装置の設定温度は160℃とした。なお、定着装置は、図6及び図7に示した定着装置を用いた。
【0270】
以上のようにして、常温常湿(25℃、60%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナーを逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)で、3万枚までプリントアウトを行い、得られたプリントアウト画像について画像濃度を測定し、その耐久について下記に示した基準で評価した。又、10,000枚目の画像を観察し、画像カブリについて下記の基準で評価した。又、同時に、耐久試験後における画像形成装置を構成している各装置の様子を観察し、各装置と上記の各トナーとのマッチングについても評価した。以上の結果を表13にまとめて示した。
【0271】
[耐久時の画像濃度推移]
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)。
【0272】
[画像カブリ]
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価した。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製REFLECTOMETER ODEL TC-6DS)を用いて測定したプリント後の白地部反射濃度の最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds-Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)。
【0273】
[画像形成装置マッチング評価]
1.現像スリーブとのマッチング
プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎ : 非常に良好(未発生)
○ : 良好(殆ど発生せず)
△ : 実用可(固着があるが、画像への影響が少ない)
× : 実用不可(固着が多く、画像ムラを生じる)。
【0274】
2.感光ドラムとのマッチング
感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎ : 非常に良好(未発生)
○ : 良好(僅かに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
△ : 実用可(固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
× : 実用不可(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)。
【0275】
3.定着装置とのマッチング
定着フィルム表面の様子を観察し、表面性及び残留トナーの固着状況の結果を総合平均化して、その耐久性を評価した。
【0276】
(1)表面性
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の傷や削れの発生の様子を目視で観察し、評価した。
◎ : 非常に良好(未発生)
○ : 良好(殆ど発生せず)
△ : 実用可
× : 実用不可。
【0277】
(2)残留トナーの固着状況
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留トナーの固着状況を目視で観察し、評価した。
◎ : 非常に良好(未発生)
○ : 良好(殆ど発生せず)
△ : 実用可
× : 実用不可
【0278】
【表13】
Figure 0003689697
[実施例44]
図4の画像形成装置のトナーリユース機構を取り外し、プリントアウト速度を16枚(A4サイズ)/分とした以外は実施例41と同様にし、実施例5の青色トナー(1)を逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなく、トナーの消費を促進させるモード)でプリントアウト試験を行った。得られたプリントアウト画像評価ならびに用いた画像評価装置とのマッチングを実施例41〜実施例43、比較例13〜比較例15と同様の項目について評価した。その結果、いずれの項目についても良好な結果が得られた。
【0279】
【発明の効果】
本発明により、親水性基であるスルホン酸基及びその誘導体を導入した新規なポリヒドロキシアルカノエート、およびその製造方法が提供される。これにより、この新規ポリヒドロキシアルカノエートは、溶融加工性に優れ、その親水性により生体適合性にも優れており、医療用軟質部材等としての応用も期待できる。
【0280】
また、以上説明したように、本発明によれば、静電荷像現像用トナー組成中へ荷電制御剤として本発明で示した化合物を1種類以上添加することにより、帯電特性に優れ、かつトナー樹脂中への該化合物の分散性、スペント性を向上し、また、画像形成装置での出力時においても、画像カブリを発生せず、転写性に優れ、かつ、電子写真プロセスに高度に適用した静電荷像現像用トナーを提供することが可能となる。また、本発明で使用する荷電制御剤は無色あるいは着色が弱いため、カラートナーに要求される色相に合わせて任意の着色剤を選定することが可能であり、かつ染料、顔料が有する本来の色相を何ら阻害することが無い点も特徴である。加えて本発明の静電荷像現像用トナーは、重金属を含有しないためにきわめて安全性が高く、また生分解性であるために、燃焼処理を行う必要もなく、大気汚染や地球温暖化の防止といった環境保全の点でも、産業上多大な効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造されたポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の1H-NMRスペクトルチャートを示す。
【図2】実施例23〜実施例40および比較例7〜比較例12に用いた画像形成装置の概略的説明図である。
【図3】実施例23〜実施例40および比較例7〜比較例12に用いた二成分現像剤用の現像装置の要部の断面図である。
【図4】実施例41〜実施例43、比較例13〜比較例15に用いたトナーのリユース機構を有する画像形成装置の概略的説明図である。
【図5】実施例41〜実施例43、比較例13〜比較例15に用いた一成分現像剤用の現像装置の要部の断面図である。
【図6】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分解斜視図である。
【図7】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時のフィルム状態を示した要部の拡大断面図である。
【図8】トナーの帯電量を測定するブローオフ帯電量測定装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1、20 感光体(静電潜像担持体)
2、27 帯電ローラー
3 露光
4、26 現像装置(4-1、4-2、4-3、4-4)
5 中間の転写体
6 被転写材
7 転写ローラー
13 感光体ドラム
11、28 現像剤担持体
30 ステー
31 加熱体
31a ヒーター基板
31b 発熱体
31c 表面保護層
31d 検温素子
32 定着フィルム
33 加熱ローラー
34 コイルばね
35 フィルム端部規制フランジ
36 給電コネクター
37 絶縁部材
38 入口ガイド
39 出口ガイド(分離ガイド)
43 スクリーン
45 真空計
47 吸引口
49 電位計

Claims (27)

  1. 化学式(1)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート。
    Figure 0003689697
    (式中、RはOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。Aは置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、A、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  2. 化学式(2)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とする請求項1に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
    Figure 0003689697
    (式中、R1はH原子またはCH3である。R2はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B1及びC1は置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R1、R2、B1、C1、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  3. 化学式(3)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とする請求項2に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
    Figure 0003689697
    (式中、R3はH原子またはCH3である。R4はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B2及びC2は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキレン基を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R3、R4、B2、C2、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  4. 化学式(4)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とする請求項3に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
    Figure 0003689697
    (式中、R5はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R5、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  5. 化学式(1)ないし化学式(4)に示すポリヒドロキシアルカノエートが、m=4、m=6、m=8の少なくともいずれか一つのユニットを分子中に含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
  6. 化学式(1)ないし化学式(4)に示すポリヒドロキシアルカノエートが、m=3、m=5の少なくともいずれか一つのユニットを分子中に含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
  7. 化学式(1)ないし化学式(4)に示すユニット以外に、化学式(5):
    Figure 0003689697
    に示す3-ヒドロキシ-ω-アルカン酸ユニット(nは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;R6はフェニル構造或いはチエニル構造のいずれかの構造を有する残基を含んでいる;複数のユニットが存在する場合、nおよびR6は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    もしくは
    化学式(6):
    Figure 0003689697
    に示す3-ヒドロキシ-ω-シクロヘキシルアルカン酸ユニット(式中、R7はシクロヘキシル基への置換基を示し、R7はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、kは化学式中に示した範囲から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)の少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
  8. 化学式(5)におけるR6が、化学式(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)のいずれかであり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表すことを特徴とする請求項7に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
    化学式(7):
    Figure 0003689697
    (式中、R8aは芳香環への置換基を示し、R8aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR8b(R8b:H原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェニル基の群、
    化学式(8):
    Figure 0003689697
    (式中、R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェノキシ基の群、
    化学式(9):
    Figure 0003689697
    (式中、R10は芳香環への置換基を示し、R10はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換ベンゾイル基の群、
    化学式(10):
    Figure 0003689697
    (式中、R11aは芳香環への置換基を示し、R11aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR11b、SO211c(R11b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R11c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェニルスルファニル基の群、
    化学式(11):
    Figure 0003689697
    (式中、R12aは芳香環への置換基を示し、R12aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR12b、SO212c(R12b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R12c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換(フェニルメチル)スルファニル基の群、
    化学式(12):
    Figure 0003689697
    で示される2-チエニル基、
    化学式(13):
    Figure 0003689697
    で示される2-チエニルスルファニル基、
    化学式(14):
    Figure 0003689697
    で示される2-チエニルカルボニル基、
    化学式(15):
    Figure 0003689697
    (式中、R13aは芳香環への置換基を示し、R13aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13b、SO213c(R13b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R13c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェニルスルフィニル基の群、
    化学式(16)
    Figure 0003689697
    (式中、R14aは芳香環への置換基を示し、R14aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR14b、SO214c(R14b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R14c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェニルスルフォニル基の群、
    化学式(17)
    Figure 0003689697
    で示される(フェニルメチル)オキシ基の群。
  9. 数平均分子量が、1000から1000000であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
  10. 化学式(18)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(19)で示される化合物の少なくとも1種とを反応させることを特徴とする化学式(1)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
    Figure 0003689697
    (式中、mは、1〜8から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    Figure 0003689697
    (式中、R15はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。また、A1は、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造から選ばれる。複数種の化合物が存在する場合、R15、A1は、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
    Figure 0003689697
    (式中、RはOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。Aは置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、A、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  11. 化学式(18)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(20)で示される化合物の少なくとも1種とを反応させることを特徴とする化学式(2)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
    Figure 0003689697
    (式中、mは、1〜8から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    Figure 0003689697
    (式中、R16はH原子またはCH3基である。R17はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。また、B3は及びC3は、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造から選ばれる。複数種の化合物が存在する場合、R16、R17、B3、C3は、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
    Figure 0003689697
    (式中、R1はH原子またはCH3である。R2はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B1及びC1は置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R1、R2、B1、C1、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  12. 該反応が、塩基性下で行うことを特徴とする請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 該反応における塩基触媒としてジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、モルホリン、ピペリジン、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートの中から選ばれた少なくとも一つを用いて行うことを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
  14. 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤であって、化学式(1)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とする荷電制御剤。
    Figure 0003689697
    (式中、RはOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。Aは置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、A、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  15. 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤であって、化学式(2)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とする請求項14に記載の荷電制御剤。
    Figure 0003689697
    (式中、R1はH原子またはCH3である。R2はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B1及びC1は置換または未置換の脂肪族炭化水素構造を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R1、R2、B1、C1、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  16. 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤であって、化学式(3)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とする請求項15に記載の荷電制御剤。
    Figure 0003689697
    (式中、R3はH原子またはCH3である。R4はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。B2及びC2は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキレン基を表す。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R3、R4、B2、C2、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  17. 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤であって、化学式(4)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とする請求項16に記載の荷電制御剤。
    Figure 0003689697
    (式中、R5はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、OCH3またはOC25である。また、mは、1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R5、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
  18. 化学式(1)ないし化学式(4)に示すユニット以外に、化学式(5):
    Figure 0003689697
    に示す3-ヒドロキシ-ω-アルカン酸ユニット(nは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;R6はフェニル構造或いはチエニル構造のいずれかの構造を有する残基を含んでいる;複数のユニットが存在する場合、nおよびR6は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    もしくは
    化学式(6):
    Figure 0003689697
    に示す3-ヒドロキシ-ω-シクロヘキシルアルカン酸ユニット(式中、R7はシクロヘキシル基への置換基を示し、R7はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、kは化学式中に示した範囲から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)の少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする請求項14ないし17のいずれかに記載の荷電制御剤。
  19. 化学式(5)におけるR6が、化学式(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)のいずれかであり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表すことを特徴とする請求項18に記載の荷電制御剤。
    化学式(7):
    Figure 0003689697
    (式中、R8aは芳香環への置換基を示し、R8aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR8b(R8b:H原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェニル基の群、
    化学式(8):
    Figure 0003689697
    (式中、R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェノキシ基の群、
    化学式(9):
    Figure 0003689697
    (式中、R10は芳香環への置換基を示し、R10はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換ベンゾイル基の群、 化学式(10):
    Figure 0003689697
    (式中、R11aは芳香環への置換基を示し、R11aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR11b、SO211c(R11b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R11c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェニルスルファニル基の群、
    化学式(11):
    Figure 0003689697
    (式中、R12aは芳香環への置換基を示し、R12aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR12b、SO212c(R12b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R12c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換(フェニルメチル)スルファニル基の群、
    化学式(12):
    Figure 0003689697
    で示される2-チエニル基、
    化学式(13):
    Figure 0003689697
    で示される2-チエニルスルファニル基、
    化学式(14):
    Figure 0003689697
    で示される2-チエニルカルボニル基、 化学式(15):
    Figure 0003689697
    (式中、R13aは芳香環への置換基を示し、R13aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13b、SO213c(R13b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R13c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェニルスルフィニル基の群、 化学式(16)
    Figure 0003689697
    (式中、R14aは芳香環への置換基を示し、R14aはH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR14b、SO214c(R14b:H、Na、K、CH3、C25のいずれかを表し、R14c:OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、OC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    で示される無置換または置換フェニルスルフォニル基の群、
    化学式(17)
    Figure 0003689697
    で示される(フェニルメチル)オキシ基の群。
  20. 前記粉粒体が静電荷像現像トナーである請求項14ないし19のいずれかに記載の荷電制御剤。
  21. 前記ポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量が、1000から1000000の範囲である請求項14ないし20のいずれかに記載の荷電制御剤。
  22. 静電荷像現像トナーで用いられるトナーバインダーであって、請求項14ないし21のいずれかに記載の荷電制御剤を含有してなることを特徴とするトナーバインダー。
  23. 静電荷像現像トナーであって、少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と、請求項14ないし21のいずれかに記載の荷電制御剤を含有してなることを特徴とする静電荷像現像トナー。
  24. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、少なくとも、バインダー樹脂と、着色剤と、請求項14ないし21のいずれかに記載の荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
  25. 前記転写工程が、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程とを含む請求項24に記載の画像形成方法。
  26. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、少なくとも、バインダー樹脂と、着色剤と、請求項14ないし21のいずれかに記載の荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置。
  27. 前記転写手段が、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写手段と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写手段とを含む請求項26記載の画像形成装置。
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JP3592306B2 (ja) 側鎖にフェニルスルファニル構造を有するユニットを含む新規なポリヒドロキシアルカノエート、およびその製造方法、新規なポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、トナーバインダーならびにトナー、及び該トナーを用いた画像形成方法および画像形成装置
JP3848204B2 (ja) 新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、並びに該ポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、その画像形成における使用方法
JP3848206B2 (ja) 新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、該ポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、トナーバインダー並びにトナー、該トナーを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JP4323840B2 (ja) シクロヘキシルオキシ構造を側鎖に有するポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、該ポリヒドロキシアルカノエートを含有するバインダー樹脂
JP3745298B2 (ja) 側鎖にチエニル構造を有するユニットを含む新規なポリヒドロキシアルカノエートおよびその製造方法、該ポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、トナーバインダーならびにトナー、および該トナーを用いた画像形成方法および画像形成装置

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