JP3647432B2 - シクロヘキシル構造を側鎖に有するユニットを含む新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、該ポリヒドロキシアルカノエートを含有するバインダー樹脂 - Google Patents

シクロヘキシル構造を側鎖に有するユニットを含む新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、該ポリヒドロキシアルカノエートを含有するバインダー樹脂 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な構成ユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート(以下、PHAと略す)とその製造方法に関する。例えば、シクロヘキシル構造を側鎖に有するモノマーユニットを含む新規なPHA、及び、PHAを生産し菌体内に蓄積する能力を有する微生物を利用し、アルカン酸を原料とする、前記PHAの製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は、静電荷像現像用トナーに用い得るバインダー樹脂、静電荷像現像用トナー、該トナーを使用する画像形成方法及び該トナーを使用する画像形成装置に関する。例えば、予め静電潜像担持体(以下、単に像担持体と呼ぶ)上にトナー像を形成後、被転写材上に転写させて画像を形成する、複写機、プリンター、ファックス等の電子写真、静電記録、静電印刷に用いられるバインダー樹脂、静電荷像現像トナー、画像形成方法及び画像形成装置に関する。さらに詳しくは、生分解性を有するとともに定着性(低温定着性、定着温度、耐オフセット性)、耐ブロッキング性に優れ、また、現在の脱墨システムをそのまま利用できる加水分解性、生分解性を有する脱墨し易く、かつ廃棄物処理の容易なバインダー樹脂、該バインダー樹脂を含んでなる静電荷像現像用トナー、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【0003】
【背景技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般的には、光導電性物質を利用し、種々の手段によって像担持体(感光体)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像して可視像とし、必要に応じて紙等の被転写材にトナー像を転写した後、熱及び/または圧力等により被転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現像方法等が知られている。さらには、磁性トナーと中心に磁極を配した回転現像スリーブを用いて、現像スリーブ上から感光体上へと磁性トナーを磁界にて飛翔させる方法も用いられている。
【0004】
静電潜像を現像する際に用いられる現像方式には、トナーとキャリアとからなる二成分系現像剤を使用する二成分現像方式と、キャリアを使用しないトナーのみからなる一成分系現像剤を用いる一成分現像方式とがある。
【0005】
ここで、一般にトナーと称される着色微粒子は、バインダー樹脂と着色材とを必須成分とし、その他必要に応じ磁性粉等から構成されている。ここで、バインダー樹脂はトナーの大部分を占めており、そのためバインダー樹脂の物性が、トナーの物性に大きく影響する。例えば、バインダー樹脂には微妙な硬度及び熱溶融特性が要求され、着色剤等が分散されたバインダー樹脂を粉砕・分級して得られるトナーは、現像器内の撹拌による機械的衝撃に対して微粉を発生することなく、また、トナー自体が凝集することなく良好な流動性を示すことが必要であり、また、定着時には低温で速やかに溶融すること、そして溶融時に溶融トナーが凝集性を示すことが必要である。つまり、バインダー樹脂の物性を制御することにより、トナーの物性を制御することが可能である。
【0006】
従来、バインダー樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン系樹脂等が使用されてきたが、中でもポリエステル樹脂は溶融した際、カーボンブラック等のトナー用添加剤の分散や転写紙への濡れが良好で、定着性にも優れているといった利点を有している等の理由で現在加熱ロール定着用トナー用樹脂として幅広く利用されている。
【0007】
また、近年、環境保護の観点から、資源のリサイクル、廃棄物の削減、廃棄物の安全性の向上等が世界的に意識されている。このような課題は、電子写真の分野においても例外ではない。即ち、複写機やプリンターの広い普及にともない、紙面上の定着されたトナー、使用済みの廃トナー、印刷された紙等の廃棄量が年ごとに増大している。ここで従来のトナーは、その構成成分がいずれも安定な人工化合物であるが故に難分解性であり、土中、水中などのあらゆる環境下において長期間残存する場合がある。さらに、資源のリサイクルを行っていくためには普通紙を再生、再利用することが重要な課題のひとつであるが、従来のスチレン系を中心とするバインダー樹脂では、アルカリ加水分解による脱墨が困難であり、普通紙をリサイクルする際の課題のひとつとなっている。また、地球環境の保全や人体に対する影響の見地から、廃棄物の安全性も重要な課題である。
【0008】
このような状況下において、人体に対して無害であり、かつ微生物等の作用により分解可能な樹脂、即ち、生分解性樹脂の開発が進められており、例えば、多くの微生物がポリエステル構造を有する生分解性樹脂(ポリヒドロキシアルカノエート:以下略記する場合はPHAと記載する)を生産し、菌体内に蓄積することが報告されている(非特許文献1参照)。このようなPHAは、その生産に用いる微生物の種類や培地組成、培養条件等により、様々な組成や構造のものとなり得ることが知られており、これまで主に、物性の改良という観点から、産生されるPHAの組成や構造の制御に関する研究が行われてきている。このような生分解性樹脂の利用については、医用材料の分野では既にかなりの実績があり、また、農業分野でも、マルチファイル、園芸資材、徐放性農薬、肥料等に実用化されており、さらに、レジャー分野においても、釣り糸、釣り用品、ゴルフ用品等に生分解性樹脂が用いられている。その他、日用品の包装材料として、生活用品の容器等で実用化されている。しかしながら、プラスチックとしての幅広い応用を考えた場合、物性的に未だ十分であるとは言えないのが現状であり、PHAの利用範囲をさらに拡大していくためには、物性の改良をより幅広く検討していくことが重要である。そのためには、さらに多様な構造のモノマーユニットを含むPHAの開発、探索が必須である。
【0009】
電子写真の分野においても、環境を汚染することなく廃棄し得るトナーを実現する方法として、バインダー樹脂に生分解性樹脂を用いる方法が提案されている。少なくともバインダー樹脂が、植物系ワックスと、生分解性樹脂(例えば、微生物生産のポリエステル、植物−または動物−由来の天然高分子材料等)とを含有し、前記植物系ワックスが、前記バインダー樹脂中に5〜50質量%の量で添加されていることを特徴とする、特に熱ロール定着用の電子写真用トナーが開示されている(特許文献1参照)。また、バインダー樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーであって、前記バインダー樹脂が生分解性樹脂(例えば、脂肪族ポリエステル樹脂等)よりなり、そして前記着色剤が非水溶性色素よりなることを特徴とする電子写真用トナーが開示されている(特許文献2参照)。さらに、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、ポリ−3−ヒドロキシ吉草酸、これらの共重合体或いはブレンド体をその組成物としてなるトナーが開示されている(特許文献3参照)。これらの技術においては、バインダー樹脂が生分解性であるため、埋没による場合、土中でトナーは確かに分解され得るが、トナーの耐久性が低い、さらには吸湿性が大きいため帯電が安定しないなど、バインダー樹脂としての本質的な機能において課題があった。例えばポリ−3−ヒドロキシ酪酸は、融点180℃、結晶化度50〜70%、ヤング率3.5GPa、破壊伸び5%の性質をもった硬くて脆い材料であって、トナーのバインダー樹脂として用いるには、実用上、不十分である。
【0010】
また、生分解性を有するとともに、アルカリ加水分解において効率よく分解され、そのため紙のリサイクルにも有用であるとして、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステルを主成分とするトナーが提案されている。明細中には乳酸ホモポリマーをトナー化する方法が提案されており、その代表例として開環重合法により得られたポリ乳酸があげられている(特許文献4参照)。
【0011】
開環重合法では、乳酸をいったん脱水反応によりオリゴマー化し、これを解重合することにより環状二量体のラクチドへと導き、さらにこれを開環重合するという手法がとられている。このような煩雑な工程をたどるため、得られたポリ乳酸をトナー用樹脂として使用するには非常に高価なものとなる。
【0012】
また、その開環重合がカチオン開環重合であることから、使用する溶媒の無水化、重合停止剤となるイオン種の除去等が必要で、製造効率が悪い上に、ポリエステル製造時に使用可能なモノマー種は環状エステルに限定されるため、トナー用樹脂として必要な物性を制御することは容易では無く、また分解性と物性のバランスを制御するために種々のモノマーとの共重合を行うことも困難である。この点で、安価かつ容易にその物性を制御し得るような分解性ポリエステルが求められている。また、ポリ乳酸をそのままトナー化した場合、トナーの保存性、耐オフセット性にも課題があり、未だ実用化には到っていない。
【0013】
さらに、乳酸及び3官能以上のオキシカルボン酸を含有する組成物を脱水重縮合して得られたポリエステル樹脂及び着色剤を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、乳酸のアルコール基とオキシカルボン酸中のカルボン酸基との脱水重縮合反応を通じてポリエステル樹脂を形成しているため、得られる樹脂の分子量が大きくなり易く、従って、生分解性が低下するものと考察される。また、特許文献4と同様に、トナーの保存性、耐オフセット性に課題がある。
【0014】
また、代表的なヒドロキシカルボン酸の単独重合体であるポリカプロラクトンは、低い融点及び低いガラス転移点を持ち、各種の樹脂との相溶性に優れているものの、融点が60℃と低いため単独ではバインダー樹脂として適さない。また、ポリ乳酸は、高いガラス転移点(60℃)を持ち、結晶性のものは、高い融点(180℃付近)を有する熱可塑性高分子であるが、上に記したようにバインダー樹脂としては未だ実用化されていない。さらに、従来の分解性ポリエステルからなるトナー用樹脂は一般的にその粉砕性が悪く、粒径10μm程度のトナーの90%を占めるバインダー樹脂として使用することは困難である等、トナーのバインダー樹脂としての実用化を考えた場合、その物性の改善が強く望まれていた。
【0015】
ところで、前記のPHAは、従来のプラスチックと同様に、溶融加工等により各種製品の生産に利用することができる上に、自然界で微生物により完全分解されるという利点を有しており、従来の多くの合成高分子化合物のように自然環境に残留して汚染を引き起こすことがない。また、生体適合性にも優れており、医療用軟質部材等としての応用も期待されている。
【0016】
このような微生物産生PHAは、前記した通り、その生産に用いる微生物の種類や培地組成,培養条件等により、様々な組成や構造のものとなり得ることが知られており、これまで主に、PHAの物性の改良という観点から、このような組成や構造の制御に関する研究がなされてきた。
【0017】
3−ヒドロキシ酪酸ユニットをはじめとする、比較的簡単な構造のモノマーユニットを重合させたPHAの生合成としては、次の例が挙げられる。
【0018】
アルカリゲネス・ユウトロファス・H16株(Alcaligenes eutropus H16、ATCC No.17699)及びその変異株は、その培養時の炭素源を変化させることによって、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体を様々な組成比で生産することが報告されている(特許文献7、特許文献8、特許文献9参照)。
【0019】
メチロバクテリウム属(Methylobacterium sp.)、パラコッカス属(Paracoccus sp.)、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)の微生物を、炭素数3から7の第一アルコールに接触させることにより、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体を生産させる方法が開示されている(特許文献10参照)。
【0020】
アエロモナス・キャビエ(Aeromonas caviae)を、オレイン酸やオリーブ油を炭素源として培養することにより、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸との2成分共重合体を生産することが開示されている(特許文献11、特許文献12参照)。
【0021】
コマモナス・アシドボランス・IFO13852株(Comamonas acidovorans IFO 13852)が、炭素源としてグルコン酸及び1,4−ブタンジオールを用いた培養により、3−ヒドロキシ酪酸と4−ヒドロキシ酪酸とをモノマーユニットに持つPHAを生産することが開示されている(特許文献13参照)。
【0022】
また、近年、炭素数が12程度までの中鎖長(medium−chain−length:mclと略記)の3−ヒドロキシアルカン酸からなるPHAについての研究が精力的に行なわれている。
【0023】
シュードモナス・オレオボランス・ATCC29347株(Pseudomonas oleovorans ATCC 29347)に、炭素源として非環状脂肪族炭化水素を与えることにより、炭素数が6から12までの3−ヒドロキシアルカン酸のモノマーユニットを有するPHAが生産されることが開示されている(特許文献14参照)。また、シュードモナス・レジノボランス(Pseudomonas resinovorans)が、オクタン酸を単一炭素源として、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシデカン酸(量比1:15:75:9)をモノマーユニットとするポリエステルを生産し、また、ヘキサン酸を単一炭素源として、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシデカン酸(量比8:62:23:7)をユニットとするPHAを生産することが報告されている(非特許文献2参照)。
【0024】
シュードモナス属61−3株(Pseudomonas sp.61−3)が、グルコン酸ナトリウムを単一炭素源として、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシドデカン酸といった3−ヒドロキシアルカン酸および、3−ヒドロキシ−5−cis−デセン酸、3−ヒドロキシ−5−cis−ドデセン酸といった3−ヒドロキシアルケン酸をユニットとするPHAを生産することが報告されている(非特許文献3参照)。
【0025】
ところで、先に述べたとおり、上記例で合成されているPHAは、いずれも側鎖にアルキル基を有するモノマーユニットからなるPHA、即ち、「usual
PHA」である。
【0026】
しかし、PHAのより広範囲な応用、例えば機能性ポリマーとしての応用を考慮した場合、アルキル基以外の置換基を側鎖に導入したPHA、即ち、「unusual PHA」が極めて有用であることが期待される。置換基の例としては、芳香環を含むもの(フェニル基、フェノキシ基、ベンゾイル基等)や、不飽和炭化水素、エステル基、アリル基、シアノ基、ハロゲン化炭化水素、エポキシド等が挙げられる。これらの中でも、特に、芳香環を有するPHAの研究が盛んになされている。
【0027】
例えば、Makromol.Chem.,191,1957−1965(1990)及びMacromolecules,24,5256−5260(1991)には、5−フェニル吉草酸を基質として、シュードモナス オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)が3−ヒドロキシ−5−フェニル吉草酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている。また、同様の報告は、Chirality,3,492−494(1991)にもあり、3−ヒドロキシ−5−フェニル吉草酸ユニットが含まれていることに起因すると思われる、ポリマー物性の変化が認められている。
【0028】
5−(4’−トリル)吉草酸を基質として、シュードモナス オレオボランスが3−ヒドロキシ−5−(4’−トリル)吉草酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている(非特許文献4参照)。
【0029】
5−(2’,4’−ジニトロフェニル)吉草酸を基質として、シュードモナスオレオボランスが3−ヒドロキシ−5−(2’,4’−ジニトロフェニル)吉草酸及び3−ヒドロキシ−5−(4’−ニトロフェニル)吉草酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている(非特許文献5参照)。
【0030】
11−フェノキシウンデカン酸を基質として、シュードモナス オレオボランスが3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸と3−ヒドロキシ−9−フェノキシノナン酸の共重合体を生産することが報告されている(非特許文献6参照)。
【0031】
また、シュードモナス・オレオボランスを用いて、6−フェノキシヘキサン酸から3−ヒドロキシ−4−フェノキシ酪酸および3−ヒドロキシ−6−フェノキシヘキサン酸をユニットとして含むPHAを、8−フェノキシオクタン酸から3−ヒドロキシ−4−フェノキシ酪酸、3−ヒドロキシ−6−フェノキシヘキサン酸及び3−ヒドロキシ−8−フェノキシオクタン酸をユニットとして含むPHAを、11−フェノキシウンデカン酸から3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸及び3−ヒドロキシ−7−フェノキシヘプタン酸をユニットとして含むPHAを生産することが報告されている(非特許文献7参照)。
【0032】
3−ヒドロキシ−5−(モノフルオロフェノキシ)ペンタノエートユニット或いは3−ヒドロキシ−5−(ジフルオロフェノキシ)ペンタノエートユニットを含むPHA、該PHAを合成するシュードモナス・プチダ、シュードモナス属を用いた前記のPHAの製造法に関する発明が開示されており、その効果としては、置換基をもつ中鎖脂肪酸を資化して、側鎖末端が1から2個のフッ素原子で置換されたフェノキシ基を有するポリマーを合成することができ、融点が高く良い加工性を保ちながら、立体規則性、撥水性を与えることができるとしている(特許文献15参照)。
【0033】
シュードモナス・オレオボランス・ATCC 29347株及びシュードモナス・プチダ・KT2442株(Pseudomonas putida KT2442)を用いて、オクタン酸とp−シアノフェノキシヘキサン酸或いはp−ニトロフェノキシヘキサン酸を基質とした、3−ヒドロキシ−p−シアノフェノキシヘキサン酸或いは3−ヒドロキシ−p−ニトロフェノキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含むPHAの生産が報告されている(非特許文献8、非特許文献9参照)。
【0034】
これらの報告は側鎖がアルキル基である一般的なPHAとは異なり、いずれもPHAの側鎖に芳香環を有しており、それに由来する物性を有するポリマーを得る上で有益である。
【0035】
また新たなカテゴリーとして、単に物性の変化に留まらず、側鎖に適当な官能基を有するPHAを生産し、その官能基を利用して新たな機能を生み出そうとする研究も行なわれている。
【0036】
側鎖の末端にビニル基を持つユニットを含むPHAを合成した後、酸化剤によりエポキシ化し、側鎖末端に反応性の高いエポキシ基を含むPHAを合成出来たと報告されている(非特許文献10、非特許文献11参照)。
【0037】
またビニル基以外にも、高い反応性が期待されるスルフィドを持つユニットを含むPHAの合成例として、シュードモナス・プチダ・27N01株(Pseudomonas putida 27N01)が11−フェニルスルファニル吉草酸を基質とし、3−ヒドロキシ−5−(フェニルスルファニル)吉草酸及び3−ヒドロキシ−7−(フェニルスルファニル)ヘプタン酸の共重合体を生産することが報告されている(非特許文献12参照)。
【0038】
さらに近年、側鎖にシクロヘキシル基を有するPHAの開発も進められている。
【0039】
シクロヘキシル基をモノマーユニット中に含むPHAは、通常の脂肪族ヒドロキシアルカン酸をユニットとして含むPHAとは異なる高分子物性や機能性を示すことが期待されており、シュードモナス・オレオボランスによる生産の例が報告されている(非特許文献13参照)。
【0040】
この報告によれば、シュードモナス・オレオボランスを、ノナン酸とシクロヘキシル酪酸或いはシクロヘキシル吉草酸の共存する培地中で培養すると、シクロヘキシル基を含むユニットと、ノナン酸由来のユニットを含むPHAが得られている。
【0041】
以上のように、微生物産生PHAにおいては、その製造に用いる微生物の種類や培地組成、培養条件等を変えることにより、各種の組成・構造のものが得られているが、プラスチックとしての応用を考えた場合、物性的に未だ十分であるとは言えない。微生物産生PHAの利用範囲をさらに拡大していくためには、物性の改良をより幅広く検討していくことが重要であり、そのためにはさらに多様な構造のモノマーユニットを含むPHAと、その製造方法、ならびに所望のPHAを効率的に生産し得る微生物の開発、探索が必須である。
【0042】
一方、前述のような、置換基を側鎖に導入したタイプのPHA(unusual PHA)は、導入した置換基を所望とする特性等に応じて選択することで、導入した置換基の特性等に起因する、極めて有用な機能や特性を具備した「機能性ポリマー」としての展開も期待でき、そのような機能性と生分解性とを両立可能であるような優れたPHAと、その製造方法、ならびに、所望のPHAを効率的に生産しうる微生物の開発、探索もまた重要な課題である。
【0043】
【特許文献1】
特開平6−289644号公報
【特許文献2】
特開平8−262796号公報
【特許文献3】
USP5004664
【特許文献4】
特開平7−120975号公報
【特許文献5】
特開平9−274335号公報
【特許文献6】
特開平7−120975号公報
【特許文献7】
特公平6−15604号公報
【特許文献8】
特公平7−14352号公報
【特許文献9】
特公平8−19227号公報
【特許文献10】
特開平5−7492号公報
【特許文献11】
特開平5−93049号公報
【特許文献12】
特開平7−265065号公報
【特許文献13】
特開平9−191893号公報
【特許文献14】
特許公報第2642937号
【特許文献15】
特許公報第2989175号
【非特許文献1】
生分解性プラスチック研究会編「生分解性プラスチックハンドブック」(株)エヌ・ティー・エス、1995年、p.178−197
【非特許文献2】
Appl.Environ.Microbiol,58号(2),1992年、p.746
【非特許文献3】
Int.J.Biol.Macromol.,16号(3),1994年、p.119
【非特許文献4】
Macromolecules,29号、1996年、p.1762−1766
【非特許文献5】
Macromolecules,32号、1999年、p.2889−2895
【非特許文献6】
Macromol.Chem.Phys.,195号、1994年、p.1665−1672
【非特許文献7】
Macromolecules,29号,1996年、p.3432−3435
【非特許文献8】
Can.J.Microbiol.,41号、1995年、p.32−43
【非特許文献9】
Polymer International,39号、1996年、p.205−213
【非特許文献10】
Macromolecules,31号,1996、p.1480−1486
【非特許文献11】
Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,36号,1998、p.2381−2387
【非特許文献12】
Macromolecules,32号,1999、p.8315−8318
【非特許文献13】
Macromolecules,30号,1997、p.1611−1615
【0044】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のPHAにおける課題を解決するものであり、デバイス材料や医用材料、バインダー樹脂等として有用な、シクロヘキシル構造を側鎖に有するモノマーユニットを含むPHA、並びに、当該PHAを微生物を利用して製造する方法を提供するものである。
【0045】
また、本発明は前記の電子写真法における課題を解決するものであり、生分解可能で自然環境の保全等への寄与がより高く、また、従来実施されているアルカリを使用した脱墨プロセスでの脱墨を容易とすることで使用済み複写紙の再利用を促進し、かつトナーとしての諸特性、例えばキャリアスペント、カブリ、帯電安定性及び耐久性、保存安定性、粉砕性、コスト等、を満足し得るバインダー樹脂及び該バインダー樹脂を含んでなる静電荷像現像用トナー、さらには該トナーを使用する画像形成方法ならびに画像形成装置を提供するものである。
【0046】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、デバイス材料や医用材料、バインダー樹脂等として有用な官能基を側鎖に有するPHAの開発を目指して、各種のPHAを生産し菌体内に蓄積する能力を有する微生物の探索、及び、このような微生物を用いた所望のPHAの生産方法について鋭意研究を重ねてきた。その結果、下記一般式(1):
【0047】
【化20】
Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で表されるモノマーユニットを含む新規なPHAを、下記一般式(17):
【0048】
【化21】
Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1は前記一般式(1)におけるR1と対応するH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で表されるアルカン酸を原料として生産し菌体内に蓄積する能力を有する微生物を見出し、さらに、これら微生物を前記一般式(17)で表されるアルカン酸と、糖類、ポリペプトンまたは酵母エキスの共存下で培養することにより、当該PHAを生合成させることができることを見出し、さらに、前記式(1)で表される、シクロヘキシル構造を側鎖に有するモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAを含有してなるバインダー樹脂が、バインダー樹脂としてきわめて優れた特性を有し、かつ、人体や環境に対する安全性が高いことを見出し、さらには、該バインダー樹脂を含有する静電荷像現像用トナー及び該静電荷像現像用トナーを一定の現像システムを有する画像形成装置に使用した場合に著しい効果があることを見出して本発明を完成した。
【0049】
即ち、本発明は、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むことを特徴とするPHAに関するものである。
【0050】
また、本発明は、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、下記一般式(2)から一般式(15)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中に含むことを特徴とするPHAに関するものである。
【0051】
【化22】
Figure 0003647432
(式中aは、0から9の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0052】
【化23】
Figure 0003647432
(式中bは、3または5のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0053】
【化24】
Figure 0003647432
(式中cは0から7の整数のいずれかである;R2は芳香環への置換基を示し、R2はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR3(R3はH原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、c及びR2は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0054】
【化25】
Figure 0003647432
(式中dは、1から8の整数のいずれかである;R4は芳香環への置換基を示し、R4はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、d及びR4は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0055】
【化26】
Figure 0003647432
(式中eは1から8の整数のいずれかである;R5は芳香環への置換基を示し、R5はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、eおよびR5は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0056】
【化27】
Figure 0003647432
(式中fは、0から7の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0057】
【化28】
Figure 0003647432
(式中gは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0058】
【化29】
Figure 0003647432
(式中hは1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0059】
【化30】
Figure 0003647432
(式中iは、1から8の整数のいずれかである;R6は芳香環への置換基を示し、R6はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR7、SO2R8(R7はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかである;R8はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかである)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、i、R6、R7及びR8は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0060】
【化31】
Figure 0003647432
(式中jは1から8の整数のいずれかである;R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR10、SO2R11(R10はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R11はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、j、R9、R10及びR11は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0061】
【化32】
Figure 0003647432
(式中kは1から8の整数のいずれかである;R12は芳香環への置換基を示し、R12はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13、SO2R14(R13はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R14はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、k、R12、R13及びR14は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0062】
【化33】
Figure 0003647432
(式中mは1から8の整数のいずれかである、R15は芳香環への置換基を示し、R15はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR16、SO2R17(R16はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R17はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、m、R15、R16及びR17は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0063】
【化34】
Figure 0003647432
(式中nは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0064】
【化35】
Figure 0003647432
(式中pは0から7の整数のいずれかである;R18はシクロヘキシル基への置換基を示し、R18はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、p及びR18は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
また、本発明は、下記一般式(16):
【0065】
【化36】
Figure 0003647432
で示される3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットをポリマー分子中に含むPHAに関するものである。
【0066】
また、本発明は、前記構造を有し、かつ、ポリマー分子の数平均分子量が2,000以上、300,000以下であることを特徴とするPHAに関するものである。
【0067】
また、本発明は、前記一般式(17)で示されるアルカン酸を含む培地中で、PHA産生能を有する微生物を培養する工程を有することを特徴とする、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAの製造方法に関するものである。
【0068】
また、本発明は、前記のPHAの製造方法であって、培地中にポリペプトン、酵母エキス、糖類の少なくともいずれかを含んでいることを特徴とするPHAの製造方法に関するものである。
【0069】
また、本発明は、前記のPHAの製造方法であって、糖類としてグリセロアルデヒド、エリトロース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、グリセロール、エリトリトール、キシリトール、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マルトース、スクロース、ラクトースからなる群から選択される1種類以上の化合物を培地中に含むことを特徴とするPHAの製造方法に関するものである。
【0070】
また、本発明は、前記のPHAの製造方法であって、微生物がシュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物であることを特徴とするPHAの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、シュードモナス属に属する微生物が、シュードモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP−7375)、シュードモナス・チコリアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45;FERMBP−7374)、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseudomonas jessenii P161;FERM BP−7376)からなる群から選択される微生物であることを特徴とするPHAの製造方法に関するものである。
【0071】
また、本発明は、樹脂系粉粒体を形成するバインダー樹脂において、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAを含有してなることを特徴とするバインダー樹脂に関するものである。
【0072】
また、本発明は、前記一般式(1)で示されるユニットに加えて、前記一般式(2)及び前記一般式(3)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含むPHAを含有してなることを特徴とするバインダー樹脂に関するものである。
【0073】
また、本発明は、前記バインダー樹脂が、ポリカプロラクトン及びポリ乳酸の少なくとも一方をさらに含んでなるバインダー樹脂に関するものである。
【0074】
また、本発明は、前記バインダー樹脂の数平均分子量が2,000以上、300,000以下であるバインダー樹脂に関するものである。
【0075】
また、本発明は、前記バインダー樹脂のガラス転位点が30〜80℃であり、軟化点が60〜170℃であるバインダー樹脂に関するものである。
【0076】
また、本発明は、前記樹脂系粉粒体が静電荷像現像トナーであるバインダー樹脂に関するものである。
【0077】
また、本発明は、静電荷像現像トナーにおいて、前記のいずれかのバインダー樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーに関するものである。
【0078】
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、前記の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法に関するものである。
【0079】
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、前記の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法に関するものである。
【0080】
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、前記の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置に関するものである。
【0081】
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写手段と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、前記の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置に関するものである。
【0082】
なお、本発明のPHAのように、シクロヘキシル環構造のようなバルキーな(嵩高な)化学構造が、メチレン鎖(−(CH−)を介することなく直接ポリマー主鎖に結合したPHAは、本発明により初めて実現したものである。従って、本発明の新規なPHA及びその製造方法は、PHAの物性や機能性の改善・制御を目指す上で、極めて有用であり、さらに、微生物産生PHAの応用の範囲を大幅に拡大し得るものである。
【0083】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、より詳細に説明する。
【0084】
<PHA>
本発明のPHAは、デバイス材料や医用材料、バインダー樹脂等として有用な、下記一般式(1):
【0085】
【化37】
Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAである。また、そのポリマー分子の数平均分子量は2,000以上、300,000以下である。
【0086】
本発明のPHAは前記一般式(1)に示されるユニットを含め、全ての3−ヒドロキシアルカン酸ユニットの3位の炭素は不斉炭素であるが、その絶対配置は、R体となり、生分解性を示すものである。
【0087】
なお、本発明のPHAは、必要に応じて、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、微生物産生PHAに含まれ得る各種のモノマーユニットを、さらにポリマー分子中に含んでも良い。このようなモノマーユニットとして、例えば、前記一般式(1)で示されるユニットに加えて、下記一般式(2)から一般式(15)に示すモノマーユニットを挙げることができる。
【0088】
【化38】
Figure 0003647432
(式中aは、0から9の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0089】
【化39】
Figure 0003647432
(式中bは、3または5のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0090】
【化40】
Figure 0003647432
(式中cは0から7の整数のいずれかを表し、R2は芳香環への置換基を示し、R2はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR3(R3はH原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、c、R2及びR3は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0091】
【化41】
Figure 0003647432
(式中dは1から8の整数のいずれかである;R4は芳香環への置換基を示し、R4はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、d及びR4は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0092】
【化42】
Figure 0003647432
(式中eは1から8の整数のいずれかである;R5は芳香環への置換基を示し、R5はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、e及びR3は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0093】
【化43】
Figure 0003647432
(式中fは、0から7の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0094】
【化44】
Figure 0003647432
(式中gは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0095】
【化45】
Figure 0003647432
(式中hは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0096】
【化46】
Figure 0003647432
(式中iは1から8の整数のいずれかである;R6は芳香環への置換基を示し、R6はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR7、SO2R8(R7はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R8はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、i、R6、R7及びR8は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0097】
【化47】
Figure 0003647432
(式中jは1から8の整数のいずれかである;R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR10、SO2R11(R10はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R11はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、j、R9、R10及びR11は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0098】
【化48】
Figure 0003647432
(式中kは1から8の整数のいずれかである;R12は芳香環への置換基を示し、R12はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13、SO2R14(R13はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R14はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、k、R12、R13及びR14は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0099】
【化49】
Figure 0003647432
(式中mは1から8の整数のいずれかである;R15は芳香環への置換基を示し、R15はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR16、SO2R17(R16はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R17はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、m、R15、R16及びR17は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0100】
【化50】
Figure 0003647432
(式中nは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
【0101】
【化51】
Figure 0003647432
(式中pは0から7の整数のいずれかである;R18はシクロヘキシル基への置換基を示し、R18はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、p及びR18は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、前記一般式(2)から一般式(15)に示すようなモノマーユニットをポリマー分子中に導入することにより、該PHAへのさらなる機能性の付与や、該PHAの物性の任意の制御等が可能となる。
【0102】
<PHAの製造方法>
(微生物)
本発明のPHAの製造方法では、目的とするモノマーユニットを含むPHAの生産に用いる微生物は、下記一般式(17):
【0103】
【化52】
Figure 0003647432
(式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1は前記一般式(1)におけるR1と対応するH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
で示されるアルカン酸を含む培地中で培養した際、対応する3−ヒドロキシアルカン酸ユニットを含むPHAを生産し、その細胞内に蓄積する微生物であれば、如何なる微生物であっても良い。例えば、PHA産生能を有するシュードモナス属に属する微生物が挙げられる。好適なシュードモナス属に属する微生物の一例としては、シュードモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP−7375)、シュードモナス・チコリアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45;FERM BP−7374)、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseudomonas jessenii P161;FERM BP−7376)の三種の菌株が挙げられる。これら三種の微生物は、寄託者として本願出願人を名義として、先に国内寄託され、その後、その原寄託よりブタペスト条約に基づく寄託へと移管され、国際寄託機関としての経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所よりそれぞれ、前記の受託番号を付与され、現在の、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。また、PHA産生能を有する菌株として、既に、特開2002−80571号に記載されている微生物である。
【0104】
また、シュードモナス属に属する微生物に加えて、アエロモナス属(Aeromonas sp.)、コマモナス属(Comamonas sp.)、バークホルデリア属(Burkholderia sp.)等に属し、前記一般式(17)で示されるアルカン酸を原料(基質)として、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを生産する微生物を用いることも可能である。
【0105】
(培養工程)
本発明にかかるPHAの製造方法は、原料の前記一般式(17)で示されるアルカン酸を含む培地中で、前記したPHA産生能を有する微生物を培養することで、対応する前記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを生産させ、細胞内に蓄積させる。
【0106】
微生物の通常の培養、例えば、保存菌株の作製、PHAの生産に必要とされる菌数や活性状態を確保するための増殖等には、用いる微生物の増殖に必要な成分を含有する培地を適宜選択して用いる。例えば、微生物の生育や生存に悪影響を及ぼすものでない限り、一般的な天然培地(肉汁培地、酵母エキス等)や、栄養源を添加した合成培地等、如何なる種類の培地をも用いることができる。温度、通気、攪拌等の培養条件は、用いる微生物に応じて適宜選択する。
【0107】
一方、前記したPHA生産微生物を用いて、目的とする、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを製造する際には、培地として、PHA生産用の原料として、このモノマーユニットに対応する、前記一般式(17)で示されるアルカン酸に加えて、微生物の増殖用炭素源を少なくとも含んだ無機培地等を用いることができる。原料の前記一般式(17)で示されるアルカン酸は、培地当たり0.01%〜1%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.02%〜0.2%(w/v)の範囲に初期の含有率を選択することが望ましい。
【0108】
培地には、微生物が増殖に利用する増殖基質を別途添加することが好ましい。この増殖基質は、酵母エキスやポリペプトン、肉エキスといった栄養素を用いることが可能である。更に、糖類等から、用いる菌株に応じて、増殖基質としての有用性を考慮して、適宜選択することができる。
【0109】
これら種々の増殖基質のうち、糖類としては、グリセロアルデヒド、エリトロース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトースといったアルドース、グリセロール、エリトリトール、キシリトール等のアルジトール、グルコン酸等のアルドン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸等のウロン酸、マルトース、スクロース、ラクトースといった二糖等から選ばれる1つ以上の化合物が好適に利用できる。
【0110】
原料化合物と共存させる、これらの増殖基質は、通常、培地あたり0.1%〜5%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.2%〜2%(w/v)の範囲にその含有率を選択することが望ましい。
【0111】
また、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、前記一般式(2)から前記一般式(15)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含むPHAを生産させる場合、前記の培地中に、所望のモノマーユニットに対応するアルカン酸をさらに添加して培養する方法を採用することが可能である。
【0112】
例えば、下記一般式(18):
【化53】
Figure 0003647432
に示される3−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル吉草酸ユニットをポリマー分子中に共存させたい場合は、該モノマーユニットに対応するアルカン酸として、下記一般式(19):
【0113】
【化54】
Figure 0003647432
に示される5−シクロヘキシル吉草酸を培地中にさらに添加して培養すると良い。
【0114】
培地に添加する前記アルカン酸は、培地当たり0.01〜1%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.02〜0.2%(w/v)の範囲に初期の含有率を選択することが望ましい。
【0115】
微生物にPHAを生産・蓄積させる培養方法としては、一旦十分に増殖させた後に、塩化アンモニウムのような窒素源を制限した培地へ菌体を移し、目的ユニットの基質となる化合物を加えた状態でさらに培養すると生産性が向上する場合がある。例えば、異なる培養条件からなる工程を複数段接続した多段方式の採用が挙げられる。
【0116】
より具体的には、(培養工程1)として、原料のアルカン酸、並びに増殖基質となる糖類を含む培地中で微生物を培養する工程を対数増殖後期から定常期の時点まで続け、一旦菌体を遠心分離等で回収した後、これに続き、(培養工程2)として、原料のアルカン酸、ならびに増殖基質となる糖類とを含む培地中(好ましくは窒素源を含まない)で、培養工程1で培養・増殖した微生物の菌体をさらに培養する工程を行う方法等である。
【0117】
培養温度は、上記の菌株が良好に増殖可能な温度であればよく、例えば、15〜40℃、好ましくは20〜35℃の範囲、より好ましくは20℃〜30℃の範囲に選択することが適当である。
【0118】
培養は、液体培養、固体培養等、利用する微生物が増殖し、培地中に含有される原料のアルカン酸から、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを生産する培養方法ならば、如何なる培養方法をも用いることができる。さらには、原料、増殖基質、さらには酸素の供給が適正に行われるならば、バッチ培養、フェドバッチ培養、半連続培養、連続培養等の種類も問わない。例えば、液体バッチ培養の形態としては、振盪フラスコによって振盪させて酸素を供給する方法、ジャーファーメンターによる攪拌通気方式の酸素供給方法がある。
【0119】
上記の培養方法に用いる無機培地としては、リン源(リン酸塩等)、窒素源(アンモニウム塩、硝酸塩等)等、微生物の増殖に必要な成分を含んでいる培地であれば如何なるものでも良く、例えば、MSB培地、M9培地等を挙げることができる。
【0120】
例えば、後に述べる実施例において用いたM9培地の組成を以下に示す。
【0121】
[M9培地]
NaHPO 6.2g
KHPO 3.0g
NaCl 0.5g
NHCl 1.0g
(培地1リットル中、pH7.0)
更に、良好な増殖と、それに伴うPHAの生産のためには、上記の無機塩培地に、例えば、以下に示す微量成分溶液を0.3%(v/v)程度添加して、必須微量元素を補うことができる。
【0122】
[微量成分溶液]
ニトリロ三酢酸 :1.5g;
MgSO :3.0g;
MnSO :0.5g;
NaCl :1.0g;
FeSO :0.1g;
CaCl :0.1g;
CoCl :0.1g;
ZnSO :0.1g;
CuSO :0.1g;
AlK(SO :0.1g;
BO :0.1g;
NaMoO :0.1g;
NiCl :0.1g
(溶液1リットル中、pH7.0)
(PHAの回収工程)
本発明に用いる微生物は、前記の培養方法により、上記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを産生し、その菌体内に蓄積する。従って、本発明のPHAの製造方法では、培養後、その培養菌体から、目的とするPHAを分離回収する工程を設ける。
【0123】
この微生物の培養菌体からのPHAの回収には、溶媒抽出法を利用して、可溶化したPHAを細胞由来の不溶成分と分離し、回収する手段を用いることができる。通常行われているクロロホルム抽出が最も簡便であるが、クロロホルム以外に、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン等が用いられる場合もある。また、有機溶媒が使用しにくい環境中においては、SDS等の界面活性剤処理、リゾチーム等の酵素処理によって、PHA以外の菌体内成分を可溶化・除去することによって、不溶性画分として、PHAのみを回収する方法を採ることもできる。さらには、超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力破砕法、ビーズ衝撃法、摩砕法、擂潰法、凍結融解法等の微生物細胞を破砕する処理を行って、細胞中に蓄積されたPHAのみを分離、回収する方法を採ることもできる。
【0124】
なお、本発明のPHAの製造方法において、微生物の培養、その間における、培養される微生物におけるPHAの生産と菌体への蓄積を行う工程、並びに、培養後、その菌体からのPHA回収を行う工程は、上記の方法に限定されるものではない。
【0125】
本発明の方法により製造されるPHAは、一般式(1)のモノマーユニットに加えて、培地中に添加する増殖基質を利用して、脂肪酸合成系を介して生合成する3−ヒドロキシアルカン酸ユニットを含むこともある。なお、このような3−ヒドロキシアルカン酸ユニットは、いずれも、その3位の炭素原子は不斉炭素であるが、その絶対配置は同じくR体であり、その生分解性を保持することは勿論のことである。一般式(1)のモノマーユニットを有することで、ポリマーそのものに新たな物理化学的な性質が加わり、物性の改良が見込まれ、これまでに応用し得なかった分野への展開が期待できる。
【0126】
<バインダー樹脂>
本発明にかかる、静電荷像現像用トナーに使用するバインダー樹脂は、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むPHAを少なくとも含むものである。なお、バインダー樹脂には、一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、前記一般式(2)及び一般式(3)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含むPHAを用いることもできる。
【0127】
更に、このバインダー樹脂は、ポリカプロラクトン及びポリ乳酸等の生分解性樹脂の1種以上をさらに含んでなるバインダー樹脂であっても良い。
【0128】
ポリ乳酸は、市販のもの、例えば、株式会社島津製作所製のラクティ(商品名)などが好適に使用される他、各種重合法により得られたものも使用することができる。
【0129】
他の生分解性樹脂を併用する場合、他の生分解性樹脂の混合割合はバインダー樹脂全体に対し、生分解及びバインダー樹脂としての物性を考慮すれば、90質量%以下であることが好ましい。
【0130】
PHAは、数平均分子量が30万程度以下では、ポリカプロラクトン或いはポリ乳酸のそれぞれとの相溶性が良く、無色透明な熔融ポリマーブレンド体が得られるので好ましい。他方、この数平均分子量が50万以上のように比較的大きい場合には、相溶性がそう大きくならず、得られる熔融ポリマーブレンド体の色相もよくない。しかし、この場合でも、たとえば、高剪断力下での混合によりその分子量を30万以下までに低下させることにより、相溶性は向上し、無色透明な熔融ポリマーブレンド体が得られる。
【0131】
また、本発明のバインダー樹脂の数平均分子量は2,000以上、300,000以下であることが好ましく、さらには、本発明のバインダー樹脂のガラス転位点は30〜80℃、軟化点は60〜170℃であることがバインダー樹脂としての機能発現のためには好ましい。
【0132】
ここで、PHAは生分解性樹脂としての基本骨格を有しており、それゆえ、従来のプラスチックと同様、溶融加工等により各種製品の生産に利用することができるとともに、石油由来の合成高分子とは異なり、生物により容易に分解され、自然界の物質循環に取り込まれるという際立った特性を有している。そのため、燃焼処理を行う必要もなく、大気汚染や地球温暖化を防止するという観点でも有効な材料であり、環境保全を可能とするプラスチックとして利用することができる。
【0133】
また、PHAは、アルカリ性水の存在により容易に加水分解される。このため、コピーされた紙からカーボンブラック等の色素を含むトナーを効率的に除去できるという利点がある。
【0134】
本発明の静電荷像現像用トナーに使用するバインダー樹脂として好適な、一般式(1)のモノマーユニットを含むPHAは、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマー単位とするポリエステル樹脂であって、置換基としてシクロヘキシル基を少なくとも含むものである。ここで、このような化合物を微生物を利用して生産した場合、該ポリエステル樹脂はR体のみからなるアイソタクチックなポリマーであるが、物性/機能の両面において本発明の目的を達成しうるならば、特にアイソタクチックなポリマーである必要はなく、アタクチックなポリマーについても利用することが可能である。また、ラクトン化合物を有機金属系触媒(例えば、アルミニウム、亜鉛、スズ等を含む有機触媒)を用いて開環重合を行う化学合成法によりPHAを得ることも可能である。
【0135】
本発明において重要なことは、一般式(1)で表されるモノマーユニットについて、R1は水素原子、フッ素原子等からなる群から選ばれる1種以上の原子を選択することが可能な点である。ここで、一般式(1)で表されるモノマーユニットについて、R1をフッ素原子により置換された芳香環とすることにより、環境依存性をさらに少なくすることも可能である。フッ素原子で置換する場合、フッ素原子を含むモノマーユニットがポリマー中に1mol%以上含まれていても良く、その割合は、望む環境依存性を考慮して選択すれば良い。
【0136】
また、R1の置換位置については、オルト、メタあるいはパラ位の何れにおいても対応するモノマーユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートを取得することが可能であるが、機能性、物性などが何れの異性体においても大きな相違が無い場合、収率あるいはポリマー中への取り込まれ易さにおいてメタ位あるいはパラ位における置換体を好適に用い得る。
【0137】
ここで、本発明のバインダー樹脂に用いるPHAを微生物を用いて生産する場合、前記の各種モノマーユニットを含み得るが、必要とするポリマーの機能性、物性などを考慮の上、適当数を含むように設計すると良い。
【0138】
本発明のバインダー樹脂に用いるPHAのガラス転移温度は30〜80℃であることが好ましく、特に好ましくは40〜80℃、更に好ましくは50〜70℃である。30℃より低い値では、ブロッキング性が悪くなり、また80℃以上になると定着性が悪くなる傾向にある。また、本発明のバインダー樹脂に用いるPHAの軟化点は、60〜170℃が好ましい。特に好ましくは80〜140℃である。60℃以下では耐オフセット性の悪化が見られ、170℃以上では定着温度が高くなる傾向にある。
【0139】
これら所望の物性のPHAは、本発明におけるPHAを合成可能な微生物の培養条件等を選択することによって得られる。例えば、培養時間等の制御により、数平均分子量の制御が可能である。また、溶媒抽出、再沈殿などの手段を用いた低分子量成分の除去により、数平均分子量の制御が可能である。ここで、ガラス転移温度、軟化点はPHAの分子量と相関関係を有する。また、PHA中のモノマーユニットの種類/組成比を制御することでガラス転移温度、軟化点を制御することも可能である。
【0140】
本発明のバインダー樹脂に用いるPHAは、重量平均分子量Mwが好ましくは4000〜30万であり、数平均分子量Mnが好ましくは2000〜30万、特に好ましくは5000〜10万である。Mnが、2000未満ではガラス転移温度が著しく低下し、耐ブロッキング性が悪くなり、また30万を超えると溶融時における粘度が高くなり、低温定着性が悪化する。
【0141】
バインダー樹脂としては、本発明のバインダー樹脂を好適に用い得るが、本発明のバインダー樹脂に加えて他の熱可塑性樹脂をバインダー樹脂としてさらに含有させることもできる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の1種または2種以上と混合して使用することも可能であり、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用することができ、特に限定されない。
【0142】
PHA以外のバインダー樹脂として、分解性を持たない熱可塑性樹脂を併用する場合、他の熱可塑性樹脂の混合割合はバインダー樹脂全体に対し、80質量%以下、特に50質量%以下であることが好ましい。他の熱可塑性樹脂の割合が80質量%よりも多いと、他の結着樹脂の紙表面への結着強度が強すぎることとなり、脱墨性が低下する。また、生分解性トナーとして使用する場合には、他の生分解性を持たない熱可塑性樹脂を混合しないことが好ましい。
【0143】
また、本発明においては、上市されている各種生分解性プラスチックについて好ましく混合して使用することができる。例えば、「エコスター」「エコスタープラス」(萩原工業)「バイオポール」(アイ・シー・アイ・ジャパン)「アジコート」(味の素)「プラクセル」「ポリカプロラクトン」(ダイセル化学)「ショーレックス」「ビオノーレ」(昭和電工)「ラクティ」(島津製作所)「レイシア」(三井化学)等が挙げられ、これらの樹脂を混合して用いる場合は、本発明のトナーの特質である生分解性が損なわれることがない。
【0144】
これらの中で、ポリカプロラクトン(即ち、ε−カプロラクトンの重合体)或いは前述のポリ乳酸は、リパーゼ、エステラーゼなどにより完全に容易に分解される点、そして他の樹脂とのブレンド、または共重合などによる物理的性質の改変を行いやすい点で特に好ましい。
【0145】
スチレン系ポリマーとしては、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体及びこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体、スチレンとジエン系単量体(ブタジエン、イソプレンなど)との共重合体及びこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体などが挙げられる。ポリエステル系ポリマーとしては芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物との重縮合物などが挙げられる。エポキシ系ポリマーとしては芳香族ジオールとエピクロルヒドリンとの反応物及びこれの変性物などが挙げられる。ポリオレフィン系ポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらと他の共重合可能な単量体との共重合体鎖などが挙げられる。ポリウレタン系ポリマーとしては芳香族ジイソシアネートと芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物との重付加物などが挙げられる。
【0146】
本発明のバインダー樹脂と混合して用いられるバインダー樹脂の具体例としては、以下に挙げる重合性単量体の重合体、または、これらの混合物、或いは、以下に挙げる重合性単量体を2種類以上使用して得られる共重合生成物が挙げられる。このようなものとしては、具体的には、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、或いはスチレン−メタクリル酸系共重合体などのスチレン系ポリマー、さらにはポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられ、好ましく使用できる。
【0147】
重合性単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、フタル酸、コハク酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA等のポリオール化合物;p−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート1、4−テトラメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類;エチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、1、4−ジアミノベンゼン、1、4−ジアミノブタン、モノエタノールアミン等のアミン類;ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等が挙げられる。
【0148】
本発明のバインダー樹脂と混合して用いられるバインダー樹脂を形成する場合、必要に応じて下記に挙げるような架橋剤を用いることもできる。例えば、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの等が挙げられる。
【0149】
2官能以上の多官能の架橋剤としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルアソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
【0150】
また、本発明のバインダー樹脂と混合して用いられるバインダー樹脂を形成する場合には、下記に挙げるような重合開始剤を必要に応じて用いることができる。例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミンパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン等が挙げられる。これらが単独或いは併用して使用できる。その使用量はモノマー100質量部に対し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量部)の濃度で用いられる。
【0151】
<トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記バインダー樹脂の他に、着色剤、荷電制御剤、及び必要に応じて添加されるその他の添加物から構成されている。
【0152】
(着色剤)
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色剤としては、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用でき、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、チタンホワイト、モノアゾ系赤色顔料、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料、アントラキノン染料等、あらゆる顔料及び/または染料を用いることができる。
【0153】
より具体的には、本発明の静電荷像現像用トナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、着色剤としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を使用することができる。
【0154】
また、本発明の静電荷像現像用トナーを二成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、着色剤として次の様なものを使用することができる。例えば、マゼンタ色トナー用の着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
【0155】
本発明においては、上記に挙げた顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料とを併用して、その鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。その場合に使用し得るマゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28等の塩基性染料が挙げられる。
【0156】
その他の着色顔料としては、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、または、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0157】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
【0158】
上記したような染料及び顔料は、単独で使用してもよく、また、所望のトナーの色調を得るために任意に混合して使用してもよい。
【0159】
なお、環境保全や人体に対する安全性などを考慮した場合には、各種の食用レーキ等の食用色素を好適に使用可能であり、例えば、食用赤色40号アルミニウムレーキ、食用赤色2号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用赤色106号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキなどが挙げられる。
【0160】
また、上記の非水溶性食用色素は、荷電制御剤としても機能し得る。その場合、負帯電用としては、上記のアルミニウムレーキを好適に用い得る。このように、非水溶性食用色素が荷電制御剤の機能を有する場合、トナーの環境安全性が向上するだけでなくトナーのコストダウンにも寄与し得る。
【0161】
上記の着色剤のトナー中の含有量は、所望とする着色効果などに応じて広く変更することが可能である。通常、最も良好なトナー特性を得るため、即ち、印字の着色力、トナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、これらの着色剤は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜60質量部、好ましくは0.5〜20質量部程度の割合で使用される。
【0162】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては、従来使用されている荷電制御剤を使用できる。具体例としては、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、モノアゾ系の金属錯体塩染料等を挙げることができる。荷電制御剤の添加量はバインダー樹脂の帯電性、着色剤の添加量・分散方法を含めた製造方法、その他の添加剤の帯電性等の条件を考慮した上で決めることができるが、バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部の割合で用いることができる。この他、金属酸化物等の無機粒子や前記有機物質で表面処理した無機物質を用いても良い。これら荷電制御剤は、バインダー樹脂中に混合添加して用いても、トナー粒子表面に付着させた形で用いても良い。
【0163】
(その他の構成成分)
本発明の静電荷像現像用トナー中には、上記したバインダー樹脂及び着色剤成分の他に、以下の化合物を含有させてもよい。例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリプロピレンの如き脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、及び、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等である。これらの中でも好ましく用いられるワックス類としては、具体的には、低分子量ポリプロピレン及びこの副生成物、低分子量ポリエステル及びエステル系ワックス、脂肪族の誘導体が挙げられる。これらのワックスから、種々の方法によりワックスを分子量により分別したワックスも本発明に好ましく用いられる。また、分別後に酸価やブロック共重合、グラフト変性を行ってもよい。
【0164】
特に、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、上記したようなワックス成分を含み、しかも透過型電子顕微鏡を用いてトナーの断層観察を行なった場合に、これらのワックス成分が、バインダー樹脂中に実質的に球状及び/または紡錘形の島状に分散されている場合に優れた特性のトナーとなる。
【0165】
<トナーの作成方法>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーを作製する具体的な方法としては、従来公知の方法をいずれも用いることができる。本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば、下記の工程によってトナーを得る、所謂粉砕法によって作製できる。即ち、具体的には、本発明のバインダー樹脂等の樹脂類、その他、必要に応じて添加される荷電制御剤、ワックスを、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により充分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、着色剤としての顔料、染料、または磁性体、必要に応じて添加される金属化合物等の添加剤を分散または溶解せしめ、冷却固化後、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により固化物を粉砕した後、分級を行って所望の粒径を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。なお、上記分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0166】
また、バインダー樹脂と荷電制御剤等を溶剤(トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム、エチレンジクロライドなどのハロゲン化物、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン及びジメチルホルムアミドなどのアミド等)を用い、溶液混合し、攪拌処理後、水中に投じて再沈澱せしめ、濾過、乾燥後、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により固化物を粉砕した後、分級を行って所望の粒径を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得ることもできる。尚、上記分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0167】
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、下記のような所謂重合法によって作製することもできる。即ち、この場合には、本発明におけるバインダー樹脂の重合性単量体、着色剤としての顔料、染料、または磁性体、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤、ワックス、その他の添加剤等の材料を混合分散し、界面活性剤等の存在下、水系分散媒体中で懸濁重合することにより重合性着色樹脂粒子を合成し、得られた粒子を固液分離した後、乾燥し、必要に応じて分級を行って本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0168】
(シリカ外添剤)
本発明においては、上記のような方法によって作製されたトナーに、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を外添することが好ましい。この際に用いられるシリカ微粉末としては、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m/g以上(特に30〜400m/g)の範囲内のものが良好な結果を与える。この場合のシリカ微粉末の量としては、トナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体を0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量部程度使用することが好ましい。この際に使用するシリカ微粉末としては、必要に応じて、疎水化及び帯電性コントロールの目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理されたものを使用することが好ましい。これらの処理剤は混合して使用してもよい。
【0169】
(無機粉体)
トナーの現像性及び耐久性を向上させるために、次に挙げるような無機粉体を添加することも好ましい。例えば、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムの微粉体を使用することが好ましい。
【0170】
(滑剤)
さらに、下記に挙げる滑剤粉末をトナーに添加してもよい。例えば、テフロン(R)、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデン等が挙げられる。
【0171】
これらの、本発明のバインダー樹脂に混合して用いるバインダー樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び、その他必要に応じて添加される添加物のトナー中の含有量は非常に少ないが、廃棄後のことを考慮して、可能であれば、生分解性を有するものを使用することがより好ましい。
【0172】
<キャリアについて>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーは、単独で非磁性一成分現像剤として使用したり、磁性キャリアとともに磁性二成分現像剤を構成したりする非磁性トナーや、単独で磁性一成分トナーとして使用される磁性トナー等の、従来公知の種々のトナーに適用することができる。ここで二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものをいずれも使用することができる。具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物で形成される平均粒径20〜300μmの粒子を、キヤリア粒子として使用できる。また、本発明において用いるキャリアは、上記したキャリア粒子の表面が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂如き物質によって付着または被覆されているものであることが好ましい。
【0173】
<磁性トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性材料をトナー粒子中ら含有させ磁性トナーとしてもよい。この場合には、磁性材料に、着色剤の役割を兼ねさせることもできる。この際に使用される磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。本発明において用いることのできるこれらの磁性材料としては、平均粒子径が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては、バインダー樹脂100質量部に対し20〜200質量部、特に好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して40〜150質量部とすることが好ましい。
【0174】
更に、高画質化を達成するためには、より微小な潜像ドットを忠実に現像することを可能にする必要があり、そのためには、例えば、本発明の静電荷像現像用トナー粒子の重量平均径が4〜9μmの範囲内となるように調整することが好ましい。即ち、重量平均径が4μm未満のトナー粒子では、転写効率の低下が生じ、感光体上に転写残トナーが多く残り易く、カブリ・転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり易く、好ましくない。また、トナー粒子の重量平均径が9μmを超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じ易い。
【0175】
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びパーソナルコンピューターを接続して測定した。その際に使用する電解液として、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。電解液としては、例えば、市販のISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用することもできる。具体的な測定法としては、上記電解水溶液100〜150mL中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に、測定試料を2〜20mg加えて測定用試料とする。測定の際には、この測定試料が懸濁された電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った後、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定し、体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求めた。
【0176】
<帯電量>
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、単位質量あたりの帯電量(二成分法)が−10〜−80μC/g、より好ましくは−15〜−70μC/gであることが、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法において転写効率を向上させる上で好ましい。
【0177】
本発明において使用した二成分法による帯電量(二成分トリボ)の測定法を以下に示す。測定には、図10に示した帯電量測定装置を使用した。先ず、一定環境下、キャリアとしてEFV200/300(パウダーテック社製)を用い、該キャリア9.5gに対して、測定対象のトナー0.5gを加えた混合物を、50〜100mL容量のポリエチレン製の瓶に入れ、振幅を一定にした振とう機に設置して、振とう条件を、振幅100mm、振とう速度1分間100回往復に設定し、一定時間振とうする。次いで、図10に示した帯電量測定装置の、底に500メッシュのスクリーン43のある金属製の測定容器42に、前記混合物1.0〜1.2gを入れて、金属製のフタ44をする。この時の測定容器42全体の質量を秤かりW1(g)とする。次に、不図示の吸引機(測定容器22と接する部分は少なくとも絶縁体)で吸引口47から吸引し、風量調節弁46を調節して真空計45の圧力が2450Pa(250mmAq)になるようにする。この状態で一分間吸引を行って、トナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位をV(ボルト)とする。ここで48はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量をはかりW2(g)とする。トナーの摩擦帯電量(μC/g)は、これらの測定値から、下式によって計算される。計算式:摩擦帯電量(μC/g)=C×V/(W1−W2)
<バインダー樹脂の分子量測定方法>
本発明において、バインダー樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをTHF(テトラヒドロフラン)溶剤でソックスレー抽出器を用いて20時間抽出を行ったサンプルを測定用に用い、カラム構成は、昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定した。また、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、2〜100の範囲内にあるバインダー樹脂を使用することが好ましい。
【0178】
<トナーのガラス転移点>
さらに、本発明のトナーは、適宜な材料を用いることによって、定着性、保存性の観点から、そのガラス転移点Tgが、30〜80℃、更に好ましくは、50〜70℃となるように調製されることが好ましい。この場合におけるガラス転移点Tgの測定には、例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7のような高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計を用いて測定を行えばよい。測定方法としては、ASTM D 3418−82に準じて行う。本発明においては、ガラス転移点Tgを測定する場合に、測定試料を1回昇温して全履歴をとった後、急冷し、再度、温度速度10℃/min、温度0〜200℃の範囲で昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いるとよい。
【0179】
<画像形成方法及び装置>
上記で説明した構成を有する本発明の静電荷現像用トナーは、少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加して、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する加熱定着工程とを有する画像形成方法、或いは、転写工程が、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程とからなる画像形成方法に適用することが特に好ましい。
【0180】
また、この方法で用いられる装置は、それぞれの工程に対応した手段、即ち、帯電手段、静電荷像形成手段、現像手段、転写手段、加熱定着手段をそなえていることが好ましい。
【0181】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。これら実施例は、本発明の最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。なお、以下における「%」は特に標記した以外は重量基準である。また、以下の配合における部数は全て質量部である。
【0182】
(実施例1)
D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。41時間後、菌体を遠心分離により回収し、D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含み、窒素源(NHCl)を含まないM9培地200mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。48時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0183】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で92時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0184】
得られたPHAの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=46,000、質量平均分子量Mw=98,000であった。
【0185】
得られたPHAの構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
<測定機器>
FT−NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数:H=400MHz、13C=100MHz
<測定条件>
測定核種:
使用溶媒:CDCl
測定温度:室温
測定されたH−NMRスペクトルチャートを図1に示す。
【0186】
さらに、得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。TIC(トータルイオンクロマトグラフィー)及び目的ユニットに由来する3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルを含むピーク(25.5分付近)のマススペクトルを図2及び図3にそれぞれ示す。また、菌体乾燥重量、ポリマー重量及び前記TICのエリア比から算出した、PHAの各ユニットのTIC比率を表1に示す。
【0187】
【表1】
Figure 0003647432
【0188】
以上の結果より、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0189】
(実施例2)
D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・H45株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。47時間後、菌体を遠心分離により回収し、D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含み、窒素源(NHCl)を含まないM9培地200mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。41時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0190】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で54時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0191】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表2に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0192】
【表2】
Figure 0003647432
【0193】
(実施例3)
D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。47時間後、菌体を遠心分離により回収し、D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含み、窒素源(NHCl)を含まないM9培地200 mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。41時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0194】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で54時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0195】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表3に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0196】
【表3】
Figure 0003647432
【0197】
(実施例4)
ポリペプトン(日本製薬株式会社製)0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。65時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0198】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で44時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0199】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表4に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0200】
【表4】
Figure 0003647432
【0201】
(実施例5)
酵母エキス(オリエンタル酵母工業株式会社製)0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。42時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0202】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で185時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0203】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表5に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0204】
【表5】
Figure 0003647432
【0205】
(実施例6)
酵母エキス(Difco社製)0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。42時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0206】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で185時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0207】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表5に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0208】
【表6】
Figure 0003647432
【0209】
(実施例7)
D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸3.0mM、5−シクロヘキシル吉草酸3.0mMを含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。40時間後、菌体を遠心分離により回収し、D−グルコース0.5%、3−シクロヘキシルプロピオン酸3.0mM、5−シクロヘキシル吉草酸3.0mMを含み、窒素源(NHCl)を含まないM9培地200mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。39時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
【0210】
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で69時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。
【0211】
得られたPHAは、常法に従ってメタノリシスを行ったのち、ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS,島津QP−5050,EI法)で分析し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。その結果、表7に示す通り、当該PHAは3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニット及び3−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル吉草酸ユニットを含むPHAであることが確認された。
【0212】
【表7】
Figure 0003647432
【0213】
(実施例8)
酵母エキス(オリエンタル酵母工業株式会社製)0.5%と、3−シクロヘキシルプロピオン酸6.0mMとを含むM9培地25Lにシュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、70回転/分、通気量9.4L/分で通気攪拌培養した。40時間後、菌体を遠心分離によって回収し、冷メタノールで2度洗浄の後、真空乾燥して凍結乾燥ペレットを得た。
【0214】
この乾燥菌体ペレットを200mLのクロロホルムに懸濁し、35℃で100時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過したのち、ロータリーエバポレーターで濃縮し、濃縮液を冷メタノール中で再沈殿させ、更に沈殿を回収し真空乾燥してPHAを得た。得られたPHAのモノマーユニット組成(TICピークエリア比)を、後述する方法で分析した結果、18%が3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸のユニットであり、81%が3−ヒドロキシ酪酸のユニットであり、1%が中鎖長(medium−chain−length:mcl)の3−ヒドロキシアルカン酸のユニットであった。
【0215】
前記のPHAから、混入しているポリ−3−ヒドロキシ酪酸(PHB)成分を除去するため、以下のような精製操作を行った。即ち、PHAをアセトン中に懸濁し、60℃で24時間抽出した。遠心分離により上澄を回収し、沈殿した部分は再度アセトンにより抽出操作を行った。この操作を5回繰り返し、上澄を集めてエバポレーターにより濃縮乾固させた。乾固した試料を少量のクロロホルムに溶解させ、冷メタノール中で再沈殿させた。本操作を3回繰り返た後、減圧乾燥してPHAを得た。得られたPHAのモノマーユニット組成(TICピークエリア比)を、後述する方法で分析した結果、94%が3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸のユニットであり、6%が中鎖長の3−ヒドロキシアルカン酸のユニットであった。
【0216】
また、このPHAの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;東ソー HLC−8020、カラム;ポリマーラボラトリーPLgel MIXED−C(5μm)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した結果、Mn=63,000、Mw=110,000であった。
【0217】
このPHAをPHA1とし、バインダー樹脂として用いた。
【0218】
なお、PHAのモノマーユニット組成は以下のようにして分析した。即ち、約10mgのPHAを25mL容ナス型フラスコに入れ、クロロホルム2mLに溶解させ、3%硫酸を含むメタノール溶液2mLを加えて、100℃で還流しながら3.5時間反応させた。反応終了後、脱イオン水10mLを加えて10分間振盪した後に、2層に分離した下層のクロロホルム層を取り出し、硫酸マグネシウムで脱水した後、このクロロホルム層をガスクロマトグラフィー−質量分析装置(GC−MS、島津QP−5050、カラム:DB−WAX(J&W社、0.32mm×30m)、EI法)にかけて、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行った。
【0219】
(実施例9)
150gのポリ乳酸(商品名ラクティ、株式会社島津製作所製、195℃における熔融粘度200,000ポイズ、重量平均分子量200,000)と50gの実施例8のPHA1とを配合、射出成形機に投入し、温度195〜230℃で熔融混練して成形した。
【0220】
得られたポリマーブレンド体をPHA2とし、バインダー樹脂として用いた。
【0221】
(実施例10)
・PHA1(実施例8) 100質量部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド114) 5質量部
・荷電制御剤(ヘキスト社製:NXVP434) 2質量部
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によってマゼンタ着色粒子1を得た。このマゼンタ着色粒子1の重量平均粒径、微粉量を測定し、その結果を表8に示した。
【0222】
このマゼンタ着色粒子1の100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例のマゼンタトナー1を得た。更に、得られたマゼンタトナー1の7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系マゼンタ現像剤1を調製した。
【0223】
得られた2成分系マゼンタ現像剤1について、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒及び300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を表8に示した。
◎:非常に良好(−20μC/g以下)
○:良好(−19.9〜−10.0μC/g)
△:実用可(−9.9〜−5.0μC/g)
×:実用不可(−4.9μC/g以上)
(実施例11)
PHA1の代わりにPHA2を使用する以外は実施例10と同様の方法で、マゼンタトナー2を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系マゼンタ現像剤2を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表8に示した。
【0224】
(比較例1)
PHA1の代わりにスチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度70℃)を100質量部使用する以外は実施例10と同様の方法により、マゼンタトナー3を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系マゼンタ現像剤3を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表8に示した。
【0225】
【表8】
Figure 0003647432
【0226】
(実施例12)
マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110mL/100g)を使用する以外は、実施例10と同様の方法により、黒色トナー1を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系黒色現像剤1を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表9に示した。
【0227】
(実施例13)
PHA1の代わりにPHA2を使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110mL/100g)を使用する以外は、実施例10と同様の方法により、黒色トナー2を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系黒色現像剤2を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表9に示した。
【0228】
(比較例2)
PHA1の代わりにスチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度70℃)を100質量部使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110mL/100g)を使用する以外は、実施例10と同様の方法により、黒色トナー3を得た。また、これを用いて実施例10と同様にして、2成分系黒色現像剤3を得た。このトナー及び現像剤の特性を実施例10と同様に測定し、その結果を表9に示した。
【0229】
【表9】
Figure 0003647432
【0230】
(実施例14)
脱墨性試験
実施例12〜13、比較例2で得られた黒色トナー1〜3を用いて、黒白比6%の試験用画像を75g/mの紙の表面に作像して試験紙を作成した。この試験紙を使って次の条件で評価用手抄シートを作成した。
▲1▼離解:以下の組成の水分散液を50℃で20分間ビーカー中で撹拌して離解する。
【0231】
試験紙 5.0%
NaOH 0.7%
ケイ酸ナトリウム 3.0%
1.0%
脱墨剤(ライオン社製“リプトールS2800”) 0.2%
▲2▼希釈・脱水・ニーダー処理:上の水分散液に水を加え5%に希釈した後、遠心脱水し、さらにパルプ20%、ケイ酸ナトリウム3.0%、NaOH0.5%となるようにパルプ、ケイ酸ナトリウム等を加えニーダーで離解する。
▲3▼熟成:ニーダー離解物を50℃で2時間熟成する。
▲4▼フローテーション:熟成物に水を加えパルプ濃度1%の分散液を作成し、分散液中に微細な気泡を7分間放出し、液中のトナーを気泡に吸着させて水面に浮上させ、トナーと水を分離する。
▲5▼洗浄:脱墨されたパルプ2.4gを水各1リットルにより2回洗浄する。試験用手抄シートの作成:タッピシートマシンにより手抄シート(坪量100g/m)を作成する。
▲6▼脱墨性の評価:手抄シート9cm中に存在するトナー個数を目視及び顕微鏡により100μm以上(目に見える大きさ)と60〜100μmの2種に分けて評価する。
【0232】
上記試験結果を表10に示す。表中の数値は残存トナー数を表す。
【0233】
【表10】
Figure 0003647432
【0234】
(実施例15)
生分解性試験
実施例10〜13、比較例1〜2で得られたマゼンタトナー1〜3、黒色トナー1〜3を厚さ約50μmのフィルム状に溶融成形し、土壌中に6カ月放置した。その結果、マゼンタトナー1及び黒色トナー1のフィルムはその形状が完全に消失、マゼンタトナー2及び黒色トナー2のフィルムは大部分が消失していた。これに対しマゼンタトナー3及び黒色トナー3のフィルムは形状がそのまま残っていた。
【0235】
(実施例16〜19、比較例3〜4)
先ず、実施例16〜19及び比較例3〜4の画像形成方法に用いた画像形成装置について説明する。図4は、本発明の実施例及び比較例の画像形成方法を実行するための画像形成装置の断面の概略的説明図である。図4に示した感光体ドラム1は、基材1b上に有機光半導体を有する感光層1aを有し、矢印方向に回転するように構成されているが、感光体ドラム1に対向し、且つ該ドラムと接触回転している帯電部材である帯電ローラー2によって、その表面が約−600Vの表面電位に帯電されている。図4に示したように、帯電ローラー2は、芯金2bの上に導電性弾性層2aが被覆されて構成されている。
【0236】
次に、表面が帯電された感光体ドラム1に向けて露光3されるが、その際、ポリゴンミラーにより感光体上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさせることで、露光部電位が−100V、暗部電位が−600Vの静電荷像が形成される。続いて、この感光体ドラム1上の静電荷像は、複数の現像装置4−1、4−2、4−3、4−4を用いて反転現像されてに顕在化され、感光体ドラム1上トナー像が形成される。その際、現像剤として、実施例10〜13及び比較例1〜2で得た2成分系現像剤をそれぞれ用い、マゼンタトナーまたはブラックトナーでトナー画像を形成した。図5は、その際に用いた二成分現像剤用の各現像装置4の要部の拡大断面図である。次に、感光体ドラム1上のトナー像は、感光体ドラム1と接触回転している中間の転写体5上に転写される。この結果、中間の転写体5上には、四色の色重ね顕色像が形成される。感光体ドラム1上に転写されずに残った転写残トナーは、クリーナー部材8によって、残トナー容器9内に回収される。
【0237】
中間の転写体5は、図4に示したように、支持体としての芯金5bと、その上に積層された弾性層5aとで構成されている。本実施例においては、パイプ状の芯金5b上に、カーボンブラックを導電付与材料とし、ニトリル−ブタジエンラバー(NBR)中にこれを充分に分散させた弾性層5bがコーティングされた中間の転写体5を使用した。「JIS K−6301」に準拠して測定した弾性層5bの硬度は30度であり、体積抵抗値は、109Ω・cmであった。感光体ドラム1から中間の転写体5への転写に必要な転写電流は約5μAであるが、これは、電源より+500Vを芯金5bに付与することで得られた。
【0238】
中間の転写体5上に形成された四色のトナーの色重ね顕色像は、転写ローラー7によって、紙等の被転写材に転写され、その後、加熱定着装置Hによって定着されて固定される。転写ローラー7は、その外径の直径が10mmの芯金7b上に、カーボンを導電性付与材料として、エチレン−プロピレン−ジエン系三次元共重合体(EPDM)の発砲体中に該カーボンが充分な状態で分散したものがコーティングされた弾性層7aが形成されている。その体積固有抵抗値は、106Ω・cmであり、「JIS K−6301」に準拠して測定した硬度が35度の値を示すのもを用いた。又、この転写ローラー7には電圧を印加して、15μAの転写電流を流した。
【0239】
図4に示した装置では、加熱定着装置Hに、図8及び図9に示したようなオイル塗布機構のない熱ロール方式の定着装置を用いた。このとき、上部ローラー、下部ローラー共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用した。又、ローラーの直径は60nmであった。定着の際の定着温度を160℃とし、ニップ幅を7mmに設定した。尚、クリーニングによって回収された感光体ドラム1上の転写残トナーは、リユース機構により現像器に搬送し再使用した。
【0240】
以上の条件で、常温常湿(25℃、60%RH)及び、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、実施例10〜13のトナーを使用して作製した2成分系現像剤と、比較例1〜2のトナーを使用して作製した2成分系現像剤をそれぞれ使用し、逐次補給しながら、単色での間歇モード(即ち、一枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウト試験を行い、得られたプリントアウト画像を下記の項目について評価した。評価結果を表11にまとめて示した。
【0241】
[プリントアウト画像評価]
▲1▼画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)
▲2▼画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価した。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製REFLECTOMETER ODEL TC−6DS)を用いて測定したプリント後の白地部反射濃度の最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds−Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)
▲3▼転写性
通常の複写機用普通紙(75g/m)に、黒ベタ画像を所定枚数プリントアウトをし、プリント終了時の画像の画像抜け量を目視により観察し、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(殆ど発生せず)
○:良好(軽微)
△:実用可
×:実用不可
また、5000枚画像出力を行ったときの感光ドラム及び中間転写体表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響(画像形成装置とのマッチング)を目視で評価したところ、いずれも、感光ドラム及び中間転写体表面の傷や、残留トナーの固着が全く確認できず、画像形成装置とのマッチングが非常に良好であった。
【0242】
【表11】
Figure 0003647432
【0243】
(実施例20〜21、比較例5)
実施例13〜14、比較例5の画像形成方法の実施にあたっては、現像剤として、実施例13〜14及び比較例2で得たトナーをそれぞれ用いた。また、画像を形成する手段としては、図6に示したように、市販のレーザービームプリンターLBP−EX(キヤノン社製)にリユース機構を取り付けて改造し、再設定した画像形成装置を用いた。即ち、図6に示した画像形成装置では、転写後に感光体ドラム20上に残った未転写トナーを、該感光体ドラム20に当接しているクリーナー21の弾性ブレード22により掻き落とした後、クリーナーローラーによってクリーナー21内部へと送り、更にクリーナーリユース23を経て、搬送スクリューを設けた供給用パイプ24によってホッパー25を介して現像器26に戻し、再度、回収トナーを利用するシステムを取り付けられている。
【0244】
図6に示した画像形成装置では、一次帯電ローラー27により、感光体ドラム20の表面の帯電がなされる。一次帯電ローラー27には、ナイロン樹脂で被覆された、導電性カーボンが分散されたゴムローラー(直径12mm、当接圧50g/cm)を使用し、静電潜像担持体(感光体ドラム20)上に、レーザー露光(600dpi、不図示)により、暗部電位VD=−700V、明部電位VL=−200Vの静電潜像を形成した。トナー担持体として、その表面に、カーボンブラックが分散された樹脂がコートされている表面粗度Raが1.1を呈する現像スリーブ28を用いた。
【0245】
図7に、実施例20〜21、比較例5で用いた一成分現像剤用の現像装置の要部の拡大断面図を示した。静電潜像を現像する条件としては、該現像スリーブ28の速度を、対向する感光ドラム20面の移動速度に対して1.1倍の速さになるように設定し、更に、感光ドラム20と現像スリーブ28との間隔α(S−D間)を270μmとした。トナーの層厚規制部材としては、ウレタンゴム製ブレード29を当接させて用いた。又、トナー画像を定着させる加熱定着装置の設定温度は160℃とした。なお、定着装置は、図8及び図9に示した定着装置を用いた。
【0246】
以上のようにして、常温常湿(25℃、60%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナーを逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)で、3万枚までプリントアウトを行い、得られたプリントアウト画像について画像濃度を測定し、その耐久について下記に示した基準で評価した。また、10,000枚目の画像を観察し、画像カブリについて下記の基準で評価した。また、同時に、耐久試験後における画像形成装置を構成している各装置の様子を観察し、各装置と上記の各トナーとのマッチングについても評価した。以上の結果を表12に示した。
▲1▼耐久時の画像濃度推移
通常の複写機用普通紙(75g/m)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いた。
◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)
▲2▼画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価した。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製REFLECTOMETER ODEL TC−6DS)を用いて測定したプリント後の白地部反射濃度の最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds−Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)
▲3▼画像形成装置マッチング評価
1.現像スリーブとのマッチング
プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可(固着があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、画像ムラを生じる)
2.感光ドラムとのマッチング
感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(僅かに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
△:実用可(固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
3.定着装置とのマッチング
定着フィルム表面の様子を観察し、表面性及び残留トナーの固着状況の結果を総合平均化して、その耐久性を評価した。
【0247】
(1)表面性
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の傷や削れの発生の様子を目視で観察し、評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
(2)残留トナーの固着状況
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留トナーの固着状況を目視で観察し、評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
【0248】
【表12】
Figure 0003647432
【0249】
(実施例22)
図6の画像形成装置のトナーリユース機構を取り外し、プリントアウト速度を16枚(A4サイズ)/分とした以外は実施例20〜21及び比較例5と同様にし、実施例12の黒色トナー1を逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなく、トナーの消費を促進させるモード)でプリントアウト試験を行った。得られたプリントアウト画像評価ならびに用いた画像評価装置とのマッチングを実施例20〜21及び比較例5と同様の項目について評価した。その結果、いずれの項目についても良好な結果が得られた。
【0250】
【発明の効果】
本発明のPHAの製造方法においては、原料として、3−シクロヘキシルプロピオン酸を含む培地中で微生物を培養することにより、対応する3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットを含む新規なPHAが効率的に製造される。また、本発明のPHAは、機能性ポリマーとして有用なPHAであり、デバイス材料や医薬材料、バインダー樹脂等の各分野への応用が期待できる。
【0251】
本発明によれば、3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸ユニットをポリマー分子中に含むPHAをバインダー樹脂として用いることにより、生分解可能で自然環境の保全等への寄与がより高く、また、従来実施されているアルカリを使用した脱墨プロセスでの脱墨を容易とすることで使用済み複写紙の再利用を促進し、かつトナーとしての諸特性、例えばキャリアスペント、カブリ、帯電安定性及び耐久性、保存安定性、粉砕性、コスト等、を満足し得るバインダー樹脂及び該バインダー樹脂を含んでなる静電荷像現像用トナー、さらには該トナーを使用する画像形成方法及び画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたPHAについて測定されたH−NMRスペクトルチャートを示す。
【図2】実施例1で得られたPHAを構成するモノマーユニットのメチルエステル化物のGC−MS測定により得られた、トータルイオンクロマトグラフィー(TIC)を示す。
【図3】実施例1で得られたPHAを構成するモノマーユニットのメチルエステル化物のGC−MS測定により得られた、3−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルのマススペクトルを示す。
【図4】実施例16〜19及び比較例3〜4に用いた画像形成装置の概略的説明図である。
【図5】実施例16〜19及び比較例3〜4に用いた二成分現像剤用の現像装置の要部の断面図である。
【図6】実施例20〜21及び比較例5に用いたトナーのリユース機構を有する画像形成装置の概略的説明図である。
【図7】実施例20〜21及び比較例5に用いた一成分現像剤用の現像装置の要部の断面図である。
【図8】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分解斜視図である。
【図9】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時のフィルム状態を示した要部の拡大断面図である。
【図10】トナーの帯電量を測定するブローオフ帯電量測定装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1、20 感光体(静電潜像担持体)
2、27 帯電ローラー
3 露光
4、26 現像装置(4−1、4−2、4−3、4−4)
5 中間の転写体
6 被転写材
7 転写ローラー
13 感光体ドラム
11、28 現像剤担持体
30 ステー
31 加熱体
31a ヒーター基板
31b 発熱体
31c 表面保護層
31d 検温素子
32 定着フィルム
33 加熱ローラー
34 コイルばね
35 フィルム端部規制フランジ
36 給電コネクター
37 絶縁部材
38 入口ガイド
39 出口ガイド(分離ガイド)
43 スクリーン
45 真空計
47 吸引口
49 電位計

Claims (20)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0003647432
    (式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    で示されるモノマーユニットをポリマー分子中に含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート。
  2. 前記一般式(1)で示されるモノマーユニットに加えて、下記一般式(2)から一般式(15)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中に含むことを特徴とする請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエート。
    Figure 0003647432
    (式中aは、0から9の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中bは、3または5のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中cは0から7の整数のいずれかである;R2は芳香環への置換基を示し、R2はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、COOR3(R3はH原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、c及びR2は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中dは1から8の整数のいずれかである;R4は芳香環への置換基を示し、R4はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、d及びR4は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中eは1から8の整数のいずれかである;R5は芳香環への置換基を示し、R5はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、eおよびR5は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中fは、0から7の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中gは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中hは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中iは、1から8の整数のいずれかである;R6は芳香環への置換基を示し、R6はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR7、SO2R8(R7はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかである;R8はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかである)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、i、R6、R7及びR8は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中jは1から8の整数のいずれかである;R9は芳香環への置換基を示し、R9はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR10、SO2R11(R10はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R11はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、j、R9、R10及びR11は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中kは1から8の整数のいずれかである;R12は芳香環への置換基を示し、R12はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR13、SO2R14(R13はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R14はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、k、R12、R13及びR14は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中mは1から8の整数のいずれかである;R15は芳香環への置換基を示し、R15はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR16、SO2R17(R16はH原子、Na原子、K原子、CH3基、C25基のいずれかを表し、R17はOH基、ONa基、OK基、ハロゲン原子、OCH3基、OC25基のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、m、R15、R16及びR17は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中nは、1から8の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中pは0から7の整数のいずれかである;R18はシクロヘキシル基への置換基を示し、R18はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基である;複数のモノマーユニットが存在する場合、p及びR18は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
  3. 前記一般式(1)で示されるモノマーユニットは、下記一般式(16):
    Figure 0003647432
    で示されるモノマーユニットであることを特徴とする請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエート。
  4. ポリマー分子の数平均分子量が2,000以上、300,000以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
  5. 下記一般式(17):
    Figure 0003647432
    (式中R1はシクロヘキシル基への置換基を示し、R1は前記一般式(1)におけるR1と対応するH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH基、C基、C基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のモノマーユニットが存在する場合、R1は、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    で示されるアルカン酸を含む培地中で、微生物を培養する工程を有することを特徴とする、請求項1記載のポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  6. 前記培地は、ポリペプトン、酵母エキス、糖類の少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. 前記糖類は、グリセロアルデヒド、エリトロース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、グリセロール、エリトリトール、キシリトール、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マルトース、スクロース、ラクトースからなる群から選択される1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項6記載の製造方法。
  8. 前記微生物は、シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物であることを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  9. 前記シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物が、シュードモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP−7375)、シュードモナス・チコリアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45;FERM BP−7374)、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseudomonas jessenii P161;FERM BP−7376)からなる群から選択される微生物であることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  10. 樹脂系粉粒体を形成するバインダー樹脂において、請求項1乃至4のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とするバインダー樹脂。
  11. 前記ポリヒドロキシアルカノエートが、下記一般式(2)及び一般式(3)に示すモノマーユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含んでなる請求項10記載のバインダー樹脂。
    Figure 0003647432
    (式中aは、0から9の整数のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
    Figure 0003647432
    (式中bは、3または5のいずれかを表し、複数のモノマーユニットが存在する場合、モノマーユニット毎に異なっていてもよい。)
  12. 前記バインダー樹脂が、ポリカプロラクトン及びポリ乳酸の少なくとも一方をさらに含んでなる請求項10または11記載のバインダー樹脂。
  13. 前記バインダー樹脂の数平均分子量が2,000以上、300,000以下である請求項10乃至12のいずれかに記載のバインダー樹脂。
  14. 前記バインダー樹脂のガラス転位点が30〜80℃であり、軟化点が60〜170℃である請求項10乃至13のいずれかに記載のバインダー樹脂。
  15. 前記樹脂系粉粒体が静電荷像現像トナーである請求項10乃至14のいずれかに記載のバインダー樹脂。
  16. 静電荷像現像トナーにおいて、請求項10乃至15のいずれかで示されるバインダー樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  17. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、請求項16記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
  18. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、請求項16記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
  19. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、請求項16記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置。
  20. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写手段と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、請求項16記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置。
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