JP2006206834A - ポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、該ポリヒドロキシアルカノエートを含有するバインダー樹脂 - Google Patents

ポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、該ポリヒドロキシアルカノエートを含有するバインダー樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の側鎖を有するポリ3−ヒドロキシアルカン酸、その製造法およびそれを含有するバインダー樹脂の提供。
【解決手段】式(24)で示される化合物を原料として特定の微生物により、一般式(CHRCHC(=0))[但しR=アルキルチオアルキル]のポリマーとし、次いで場合により酸化反応により、Rをアルキルスルスルホキシアルキル、またはアルキルスルホニルアルキルとする。これらのポリマーを含む静電荷現像用トナーのバインダー樹脂。
Figure 2006206834

【選択図】図1

Description

本発明は、新規な構成ユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートとその製造方法に関する。また、本発明は、静電荷像現像用トナーに用い得るバインダー樹脂、静電荷像現像用トナー、該トナーを使用する画像形成方法及び該トナーを使用する画像形成装置に関する。
微生物等の作用により分解可能な樹脂、即ち、生分解性樹脂の開発が進められており、例えば、多くの微生物がポリエステル構造を有する生分解性樹脂(ポリヒドロキシアルカノエート:以下略記する場合はPHAと記載する)を生産し、菌体内に蓄積することが報告されている。
PHAは、従来のプラスチックと同様に、溶融加工等により各種製品の生産に利用することができる上に、自然界で微生物により完全分解されるという利点を有しており、従来の多くの合成高分子化合物のように自然環境に残留して汚染を引き起こすことがない。また、生体適合性にも優れている。
このような生分解性樹脂の利用については、医用材料の分野では既に実績があり、また、農業分野でも、マルチファイル、園芸資材、徐放性農薬、肥料等に実用化されており、さらに、レジャー分野においても、釣り糸、釣り用品、ゴルフ用品等に生分解性樹脂が用いられている。その他、日用品の包装材料として、生活用品の容器等で実用化されている。
PHAは、その生産に用いる微生物の種類や培地組成、培養条件等により、様々な組成や構造のものとなり得ることが知られており、これまで主に、物性の改良という観点から、産生されるPHAの組成や構造の制御に関する研究が行われてきている。
3-ヒドロキシ酪酸ユニットをはじめとする、比較的簡単な構造のユニットを重合させたPHAの生合成としては、次の例が挙げられる。アルカリゲネス・ユウトロファス・H16株(Alcaligenes eutropus H16、ATCC No.17699)及びその変異株は、その培養時の炭素源を変化させることによって、3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシ吉草酸との共重合体を様々な組成比で生産することが報告されている(特許文献1参照)。
また、近年、炭素数が12程度までの中鎖長(medium-chain-length:mclと略記)の3-ヒドロキシアルカン酸からなるPHAについての研究が精力的に行なわれている。例えば、シュードモナス・オレオボランス・ATCC29347株(Pseudomonas oleovorans ATCC 29347)に、炭素源として非環状脂肪族炭化水素を与えることにより、炭素数が6から12までの3-ヒドロキシアルカン酸のユニットを有するPHAが生産されることが開示されている(特許文献2参照)。
ところで、上記例で合成されているPHAは、いずれも側鎖にアルキル基を有するユニットからなるPHA、即ち、「usual PHA」である。しかし、PHAのより広範囲な応用、例えば機能性ポリマーとしての応用を考慮した場合、アルキル基以外の置換基を側鎖に導入したPHA、即ち、「unusual PHA」が極めて有用であることが期待される。置換基の例としては、芳香環を含むもの(フェニル基、フェノキシ基、ベンゾイル基等)や、不飽和炭化水素、エステル基、アリル基、シアノ基、ハロゲン化炭化水素、エポキシド等が挙げられる。これらの中でも、特に、芳香環を有するPHAの研究が盛んになされている。
例えば、3-ヒドロキシ-5-(モノフルオロフェノキシ)吉草酸ユニット或いは3-ヒドロキシ-5-(ジフルオロフェノキシ)吉草酸ユニットを含むPHAに関する発明が開示されており、その効果として、置換基をもつ中鎖脂肪酸を資化して、側鎖末端が1から2個のフッ素原子で置換されたフェノキシ基を有するポリマーを合成することができ、融点が高く良い加工性を保ちながら、立体規則性、撥水性を与えることができるとしている(特許文献3参照)。
ところで、従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般的には、光導電性物質を利用し、種々の手段によって像担持体(感光体)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像して可視像とし、必要に応じて紙等の被転写材にトナー像を転写した後、熱及び/または圧力等により被転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現像方法等が知られている。さらには、磁性トナーと中心に磁極を配した回転現像スリーブを用いて、現像スリーブ上から感光体上へと磁性トナーを磁界にて飛翔させる方法も用いられている。
静電潜像を現像する際に用いられる現像方式には、トナーとキャリアとからなる二成分系現像剤を使用する二成分現像方式と、キャリアを使用しないトナーのみからなる一成分系現像剤を用いる一成分現像方式とがある。
ここで、一般にトナーと称される着色微粒子は、バインダー樹脂と着色材とを必須成分とし、その他必要に応じ磁性粉等から構成されている。ここで、バインダー樹脂はトナーの大部分を占めており、そのためバインダー樹脂の物性が、トナーの物性に大きく影響する。例えば、バインダー樹脂には微妙な硬度及び熱溶融特性が要求され、着色剤等が分散されたバインダー樹脂を粉砕・分級して得られるトナーは、現像器内の撹拌による機械的衝撃に対して微粉を発生することなく、また、トナー自体が凝集することなく良好な流動性を示すことが必要であり、また、定着時には低温で速やかに溶融すること、そして溶融時に溶融トナーが凝集性を示すことが必要である。つまり、バインダー樹脂の物性を制御することにより、トナーの物性を制御することが可能である。
従来、バインダー樹脂としては、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン系樹脂等が使用されてきたが、中でもポリエステル樹脂は溶融した際、カーボンブラック等のトナー用添加剤の分散や転写紙への濡れが良好で、定着性にも優れているといった利点を有している等の理由で現在加熱ロール定着用トナー用樹脂として幅広く利用されている。
電子写真の分野においても、バインダー樹脂に生分解性樹脂を用いる方法が提案されている。少なくともバインダー樹脂が、植物系ワックスと、生分解性樹脂(例えば、微生物生産のポリエステル、植物-または動物-由来の天然高分子材料等)とを含有し、前記植物系ワックスが、前記バインダー樹脂中に5〜50質量%の量で添加されていることを特徴とする、特に熱ロール定着用の電子写真用トナーが開示されている(特許文献4参照)。また、バインダー樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーであって、前記バインダー樹脂が生分解性樹脂(例えば、脂肪族ポリエステル樹脂等)よりなり、そして前記着色剤が非水溶性色素よりなることを特徴とする電子写真用トナーが開示されている(特許文献5参照)。さらに、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸、ポリ-3-ヒドロキシ吉草酸、これらの共重合体或いはブレンド体をその組成物としてなるトナーが開示されている(特許文献6参照)。
特公平6-15604号公報 特許公報第2642937号 特許公報第2989175号 特開平6-289644号公報 特開平8-262796号公報 USP5004664 J.Am.Chem.Soc.,81,4273(1959)
以上のように、微生物産生PHAにおいては、その製造に用いる微生物の種類や培地組成、培養条件等を変えることにより、各種の組成・構造のものが得られているが、プラスチックとしての応用を考えた場合、物性の改良をより幅広く検討していくことが重要であり、そのためにはさらに多様な構造のユニットを含むPHAと、その製造方法、ならびに所望のPHAを効率的に生産し得る微生物の開発、探索が必須である。
一方、前述のような、置換基を側鎖に導入したタイプのPHA(unusual PHA)は、導入した置換基を所望とする特性等に応じて選択することで、導入した置換基の特性等に起因する、極めて有用な機能や特性を具備した「機能性ポリマー」としての展開も期待でき、そのような機能性と生分解性とを両立可能であるような優れたPHAと、その製造方法、ならびに、所望のPHAを効率的に生産しうる微生物の開発、探索もまた重要な課題である。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、以下のような発明に至った。
即ち、本発明は、下記化学式(1)〜(3)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むことを特徴とするPHAに関するものである
Figure 2006206834
(a1及びa2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である(但し、上記化学式(1)ににおいて、a1=1で a2=2のユニット、a1=3で a2=2のユニット、a1=5で a2=2のユニットは、選択肢からは除外される);複数のユニットが存在する場合a1及びa2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(b1及びb2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合b1及びb2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(c1及びc2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合c1及びc2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)。
また、本発明は、下記化学式(24)で示すアルカン酸の少なくとも1種を含む条件下で、化学式(24)で示すアルカン酸の少なくとも1種を原料として、前記化学式(1)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むPHAを生産する能力を有する微生物により生合成させることを特徴とする、化学式(1)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むPHAの製造方法に関するものである
Figure 2006206834
(a1'及びa2'は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である(但し、上記化学式(24)ににおいて、a1’=1で a2’=2のユニット、a1’=3で a2’=2のユニット、a1’=5で a2’=2のユニットは、選択肢からは除外される);複数のユニットが存在する場合a1'及びa2'はユニット毎に独立して上記の意味を表す)。
また、本発明は、シュードモナス属・YN21株(Pseudomonas sp.YN21;FERM BP-08569)に関するものである。
また、本発明は、下記化学式(25)に示すユニットをポリマー分子中に少なくとも含むPHAを原料として、少なくとも化学式(25)のユニットの酸化により、前記化学式(2)〜(3)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むPHAを製造することを特徴とするPHAの製造方法に関するものである。
Figure 2006206834
(a1及びa2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合a1及びa2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
(A)また、本発明は、樹脂系粉粒体を形成するバインダー樹脂において、少なくとも、前記化学式(25)、(2)〜(3)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むPHAを含有してなることを特徴とするバインダー樹脂に関するものである。
(B)また、本発明は、前記樹脂系粉粒体が静電荷像現像トナーである(A)に記載のバインダー樹脂に関するものである。
(C)また、本発明は、静電荷像現像トナーにおいて、(B)で示されるバインダー樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーに関するものである。
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、(C)に記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法に関するものである。
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、(C)に記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法に関するものである。
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、(C)に記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置に関するものである。
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写手段と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、(C)に記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置に関するものである。
<PHA>
本発明のPHAは、デバイス材料や医用材料、バインダー樹脂等として有用な、前記化学式(1)〜(3)で示されるユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むPHAである。また、そのポリマー分子の数平均分子量は1,000以上、1,000,000以下である。
本発明のPHAは前記化学式(1)に示される3-ヒドロキシアルキルチオアルカン酸ユニットを含め、全ての3-ヒドロキシアルカン酸ユニットの3位の炭素は不斉炭素であるが、その絶対配置は、R体となり、生分解性を示すものである。
なお、本発明のPHAは、必要に応じて、前記化学式(1)〜(3)で示されるユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットに加えて、微生物産生PHAに含まれ得る各種のモノマーユニットを、さらにポリマー分子中に含んでも良い。このようなモノマーユニットとして、例えば、下記化学式(4)〜(12)に示すモノマーユニットを挙げることができる
Figure 2006206834
(dは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合dはユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(eは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合eはユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(fは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;R6はフェニル構造或いはチエニル構造のいずれかの構造を有する残基を含んでいる;複数のユニットが存在する場合f及びR6はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(式中、R7はシクロヘキシル基への置換基を示し、R7はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、gは化学式中に示した範囲から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(式中、R8はシクロヘキシルオキシ基への置換基を示し、R8はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、hは化学式中に示した範囲から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(iは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(jは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;R10は、H原子、Na原子またはK原子である;複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(kは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(Lは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)。
さらに、前記化学式(6)におけるR6が化学式(13)〜(23)のいずれかで示される残基の少なくとも1種であるモノマーユニットを挙げることが出来る。
Figure 2006206834
(式中、R13は芳香環への置換基を示し、R13はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'(R':H、Na、およびKのいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(式中、R14は芳香環への置換基を示し、R14はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(式中、R15は芳香環への置換基を示し、R15はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(式中、R16は芳香環への置換基を示し、R16はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'、SO2R"(R':H、Na、K、CH3、およびC25のいずれかを表し、R":OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、およびOC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(式中、R17は芳香環への置換基を示し、R17はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'、SO2R"(R':H、Na、K、CH3、およびC25のいずれかを表し、R":OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、およびOC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(式中、R18は芳香環への置換基を示し、R18はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'、SO2R"(R':H、Na、K、CH3、およびC25のいずれかを表し、R":OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、およびOC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
(式中、R19は芳香環への置換基を示し、R19はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'、SO2R"(R':H、Na、K、CH3、およびC25のいずれかを表し、R":OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、およびOC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
Figure 2006206834
Figure 2006206834
Figure 2006206834
Figure 2006206834
前記化学式(1)〜(3)で示されるユニットに加えて、前記化学式(4)〜(12)に示されるユニットをポリマー分子中に導入することにより、該PHAへのさらなる機能性の付与や、該PHAの物性の任意の制御等が可能となる。
本発明のPHAに含有される前記化学式(1)〜(3)で示されるユニットの含有量は、該PHAに該ユニットに起因する高分子物性や機能性を付与しようとする場合、1〜100mol%であることが好ましい。
また、本発明のPHAに含有される前記化学式(4)〜(12)に示されるユニットの含有量は、0〜99mol%であることが好ましい。
<微生物を用いたPHAの製造方法>
(原料)
本発明のPHAの製造方法では、目的とするユニットを含むPHAの生産に用いる原料であるアルカン酸として、下記化学式(24)
Figure 2006206834
(a1'及びa2'は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である(但し、上記化学式(24)ににおいて、a1’=1で a2’=2のユニット、a1’=3で a2’=2のユニット、a1’=5で a2’=2のユニットは、選択肢からは除外される);複数のユニットが存在する場合a1'及びa2'はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
で示されるアルカン酸を用いることができる。
(微生物)
本発明のPHAの製造方法では、目的とするユニットを含むPHAの生産に用いる微生物は、前記化学式(24)で示されるアルカン酸を含む培地中で培養した際、対応する3-ヒドロキシアルカン酸ユニットを含むPHAを生産し、その細胞内に蓄積する微生物であれば、如何なる微生物であっても良い。
例えば、PHA産生能を有するシュードモナス属に属する微生物が挙げられる。好適なシュードモナス属に属する微生物の一例としては、シュードモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP-7375)、シュードモナス・チコリアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45;FERM BP-7374)、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseudomonas jessenii P161;FERM BP-7376)の三種の菌株が挙げられる。
これら三種の微生物は、寄託者として本願出願人を名義として、先に国内寄託され、その後、その原寄託よりブタペスト条約に基づく寄託へと移管され、国際寄託機関としての経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所よりそれぞれ、前記の受託番号を付与され、現在の、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託されている。
また、PHA産生能を有するシュードモナス属に属する微生物として、これら三種の微生物に加えて、例えば、シュードモナス属・YN21株(Pseudomonas sp.YN21;FERM BP-08569)を、本発明のPHAの製造方法に用いることが出来る。前記微生物は、アルカン酸を基質として用いて、当該アルカン酸由来のモノマーユニットを含むPHAを生産し、菌体内に蓄積する能力を有する新規微生物であり、特定の基質、もしくは特定の培地pHにおいて、従来知られているunusual-PHA生産菌よりも高い生産性を示す。この新規微生物は、本発明者らのスクリーニングにより、環境中から見出されたものである。
この微生物は、寄託者として本願出願人を名義として、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。
以下にYN21株についての詳細を示す。
<YN21株の菌学的性質>
1)形態学的性質
細胞の形と大きさ :桿菌、0.8μm×1.5〜2.0μm
細胞の多形性 :なし
運動性 :あり
胞子形成 :なし
グラム染色性 :-
コロニー形状 :円形、全縁なめらか、低凸状、表層なめらか、光沢、半透明。
2)生理学的性質
カタラーゼ :+
オキシダーゼ :+
O/F試験 :酸化型
硝酸塩の還元 :+
インドール産生 :-
アルギニンジヒドロラーゼ :+
エスクリン加水分解 :-
ゼラチン加水分解 :-
King's B寒天での蛍光色素産生:+
ポリ-β-ヒドロキシ酪酸の蓄積 :-
Tween 80 の加水分解 :+
41℃生育 :-
グルコン酸還元 :-
レバン産生 :-
ジャガイモ腐敗 :-
タバコ過敏感反応 :-
スクロース :-
カゼイン :-
チロシナーゼ :+
硫化水素の生成 :-
ペクチン :-
レシチナーゼ :-
リトマスミルク :B
デンプンの加水分解 :-。
3)基質資化能
ブドウ糖 :+
L-アラビノース :+
D-マンノース :+
D-マンニトール :-
マルトース :-
グルコン酸 :+
D-キシロース :(+)
ラフィノース :-
サリシン :-
グリセリン :+
D-セロビオース :-
D-メレチトース :-
ラクトース :-
ガラクトース :+
D-ソルビトール :-
α-メチル-D-グルコシド:-
D-リボース :(+)
スクロース :-
イノシトール :-
D-フルクトース :+
L-ラムノース :-
D-アラビノース :-
ズルシトール :-
メリビオース :-
アドニトール :-
デンプン :-
エリスリトール :-
トレハロース :-
ベタイン :+
DL-乳酸 :+
D-酒石酸 :-
L-酒石酸 :(+)
メソ酒石酸 :+
n-カプリン酸 :+
L-リンゴ酸 :(+)
クエン酸 :+
D-サッカラート :+
レブリン酸 :+
メサコン酸 :-
マロン酸 :+
コハク酸 :+
酢酸 :+
プロピオン酸 :+
n-酪酸 :+
ギ酸 :-
グルタル酸 :+
D-キナ酸 :+
セバシン酸 :+
p-ヒドロキシ安息香酸 :+
アントラニル酸 :-
ペラルゴン酸 :+
グリセリン酸 :+
γ-アミノ酪酸 :+
L-ロイシン :+
L-セリン :+
ヒスチジン :+
L-イソロイシン :+
L-アルギニン :+
β-アラニン :+
L-チロシン :+
L-バリン :+
ホモセリン :-
サルコシン :+
トリアセチン :+
トリゴネリン :+
5-フェニル吉草酸 :+
3-ヒドロキシ酪酸 :+
L-アスパラギン :+。
また、YN21株は従来菌株であるYN2株と硝酸塩還元性、インドール生成、ブドウ糖酸性化、アルギニンジヒドロラーゼ活性、D-マンノース資化能などの生理学的性質及び基質資化能の違いを示すことができる。また同様に従来菌株であるH45株とは硝酸塩の還元性、アルギニンジヒドロラーゼ活性、L-アラビノース資化能、D-マンニトール資化能において、P161株とはD-マンニトール資化能において、P91株とは硝酸塩還元性、L-アラビノース資化能、D-マンノース資化能においてそれぞれ特性を異にする。
また、シュードモナス属に属する微生物に加えて、例えば、アエロモナス属(Aeromonas sp.)、コマモナス属(Comamonas sp.)、バークホルデリア属(Burkholderia sp.)等に属し、前記化学式(24)で示されるアルカン酸を原料(基質)として、前記化学式(1)で示されるユニットを含むPHAを生産する微生物を用いることも可能である。
(培養工程)
本発明にかかるPHAの製造方法は、原料の前記化学式(24)で示されるアルカン酸を含む培地中で、前記したPHA産生能を有する微生物を培養することで、対応する前記化学式(1)で示されるユニットを含むPHAを生産させ、細胞内に蓄積させる。
微生物の通常の培養、例えば、保存菌株の作製、PHAの生産に必要とされる菌数や活性状態を確保するための増殖等には、用いる微生物の増殖に必要な成分を含有する培地を適宜選択して用いる。例えば、微生物の生育や生存に悪影響を及ぼすものでない限り、一般的な天然培地(肉汁培地、酵母エキス等)や、栄養源を添加した合成培地等、如何なる種類の培地をも用いることができる。温度、通気、攪拌等の培養条件は、用いる微生物に応じて適宜選択する。
一方、前記したPHA生産微生物を用いて、目的とする、前記化学式(1)で示されるユニットを含むPHAを製造する際には、培地として、PHA生産用の原料として、このユニットに対応する、前記化学式(24)で示されるアルカン酸に加えて、微生物の増殖用炭素源を少なくとも含んだ無機培地等を用いることができる。原料の前記化学式(24)で示されるアルカン酸は、培地当たり0.01%〜1%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.02%〜0.2%(w/v)の範囲に初期の含有率を選択することが望ましい。
培地には、微生物が増殖に利用する増殖基質を別途添加することが好ましい。この増殖基質は、酵母エキスやポリペプトン、肉エキスといった栄養素を用いることが可能である。更に、糖類等から、用いる菌株に応じて、増殖基質としての有用性を考慮して、適宜選択することができる。
これら種々の増殖基質のうち、糖類としては、グリセロアルデヒド、エリトロース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトースといったアルドース、グリセロール、エリトリトール、キシリトール等のアルジトール、グルコン酸等のアルドン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸等のウロン酸、マルトース、スクロース、ラクトースといった二糖等から選ばれる1つ以上の化合物が好適に利用できる。
原料化合物と共存させる、これらの増殖基質は、通常、培地あたり0.1%〜5%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.2%〜2%(w/v)の範囲にその含有率を選択することが望ましい。
また、前記化学式(1)で示されるユニットに加えて、前記化学式(4)〜(12)に示すユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含むPHAを生産させる場合、前記の培地中に、所望のユニットに対応するアルカン酸をさらに添加して培養する方法を採用することが可能である。例えば、前記化学式(6)に示すユニットのうち、式中fが2であり、式中R6が前記化学式(13)に示す残基であり、式中R13がH原子である、3-ヒドロキシ-5-フェニル吉草酸ユニットをポリマー分子中にさらに含むPHAを生産させる場合、前記の培地中に、該ユニットに対応するアルカン酸である5-フェニル吉草酸をさらに添加して培養する方法を採用することが可能である。
培地に添加する前記アルカン酸は、培地当たり0.01〜1%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.02〜0.2%(w/v)の範囲に初期の含有率を選択することが望ましい。
微生物にPHAを生産・蓄積させる培養方法としては、一旦十分に増殖させた後に、塩化アンモニウムのような窒素源を制限した培地へ菌体を移し、目的ユニットの基質となる化合物を加えた状態でさらに培養すると生産性が向上する場合がある。例えば、異なる培養条件からなる工程を複数段接続した多段方式の採用が挙げられる。
より具体的には、(培養工程1)として、原料のアルカン酸、並びに増殖基質となる糖類を含む培地中で微生物を培養する工程を対数増殖後期から定常期の時点まで続け、一旦菌体を遠心分離等で回収した後、これに続き、(培養工程2)として、原料のアルカン酸、ならびに増殖基質となる糖類とを含む培地中(好ましくは窒素源を含まない)で、培養工程1で培養・増殖した微生物の菌体をさらに培養する工程を行う方法等である。
培養温度は、上記の菌株が良好に増殖可能な温度であればよく、例えば、15〜40℃、好ましくは20〜35℃の範囲、より好ましくは20℃〜30℃の範囲に選択することが適当である。
また培養時のpHは、4.0〜10.0の範囲が好ましい。
培養は、液体培養、固体培養等、利用する微生物が増殖し、培地中に含有される原料のアルカン酸から、前記一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むPHAを生産する培養方法ならば、如何なる培養方法をも用いることができる。さらには、原料、増殖基質、さらには酸素の供給が適正に行われるならば、バッチ培養、フェドバッチ培養、半連続培養、連続培養等の種類も問わない。例えば、液体バッチ培養の形態としては、振盪フラスコによって振盪させて酸素を供給する方法、ジャーファーメンターによる攪拌通気方式の酸素供給方法がある。
上記の培養方法に用いる無機培地としては、リン源(リン酸塩等)、窒素源(アンモニウム塩、硝酸塩等)等、微生物の増殖に必要な成分を含んでいる培地であれば如何なるものでも良く、例えば、MSB培地、M9培地等を挙げることができる。
例えば、後に述べる実施例において用いたM9培地の組成を以下に示す。
[M9培地]
Na2HPO4 6.2g
KH2PO4 3.0g
NaCl 0.5g
NH4Cl 1.0g
(培地1リットル中、pH7.0)
更に、良好な増殖と、それに伴うPHAの生産のためには、上記の無機塩培地に、例えば、以下に示す微量成分溶液を0.3%(v/v)程度添加して、必須微量元素を補うことができる。
[微量成分溶液]
ニトリロ三酢酸 1.5g
MgSO4 3.0g
MnSO4 0.5g
NaCl 1.0g
FeSO4 0.1g
CaCl2 0.1g
CoCl2 0.1g
ZnSO4 0.1g
CuSO4 0.1g
AlK(SO4)2 0.1g
3BO3 0.1g
Na2MoO4 0.1g
NiCl2 0.1g
(溶液1リットル中、pH7.0)
(PHAの回収工程)
本発明に用いる微生物は、前記の培養方法により、上記化学式(1)で示されるユニットを含むPHAを産生し、その菌体内に蓄積する。従って、本発明のPHAの製造方法では、培養後、その培養菌体から、目的とするPHAを分離回収する工程を設ける。
この微生物の培養菌体からのPHAの回収には、溶媒抽出法を利用して、可溶化したPHAを細胞由来の不溶成分と分離し、回収する手段を用いることができる。通常行われているクロロホルム抽出が最も簡便であるが、クロロホルム以外に、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン等が用いられる場合もある。また、有機溶媒が使用しにくい環境中においては、SDS等の界面活性剤処理、リゾチーム等の酵素処理によって、PHA以外の菌体内成分を可溶化・除去することによって、不溶性画分として、PHAのみを回収する方法を採ることもできる。さらには、超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力破砕法、ビーズ衝撃法、摩砕法、擂潰法、凍結融解法等の微生物細胞を破砕する処理を行って、細胞中に蓄積されたPHAのみを分離、回収する方法を採ることもできる。
なお、本発明のPHAの製造方法において、微生物の培養、その間における、培養される微生物におけるPHAの生産と菌体への蓄積を行う工程、並びに、培養後、その菌体からのPHA回収を行う工程は、上記の方法に限定されるものではない。
本発明の方法により製造されるPHAは、化学式(1)のユニットに加えて、培地中に添加する増殖基質を利用して、脂肪酸合成系を介して生合成する3-ヒドロキシアルカン酸ユニットを含むこともある。なお、このような3-ヒドロキシアルカン酸ユニットは、いずれも、その3位の炭素原子は不斉炭素であるが、その絶対配置は同じくR体であり、その生分解性を保持することは勿論のことである。化学式(1)のユニットを有することで、ポリマーそのものに新たな物理化学的な性質が加わり、物性の改良が見込まれ、これまでに応用し得なかった分野への展開が期待できる。
また、本発明のPHAの製造方法において、下記化学式(26)で示されるアルカン酸を原料(基質)として用いれば、前記化学式(25)で示されるユニットを含むPHAを製造することも可能である
Figure 2006206834
(a1'及びa2'は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合a1'及びa2'はユニット毎に独立して上記の意味を表す)。
<酸化反応によるPHAの合成>
化学式(2)あるいは(3)に示すユニットのうち、少なくとも1種類のユニットを含むPHAは、前記の化学式(25)で示されるユニットの硫黄部分、スルファニル基(-S-)を酸化することで製造することができ、化学式(25)、(2)、(3)で示すユニットの少なくとも1種類を含むPHAが得られる。
このような酸化処理については、例えば、過酸化化合物を利用することができ、本発明の目的、すなわち、スルファニル基(-S-)の酸化に寄与し得るものであれば、いかなる種類の過酸化化合物をも用いることが可能である。その際、酸化効率、PHA(及びそれを含む共重合体)主鎖骨格への影響、処理の簡便さ等を考慮した場合、特に、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、メタクロロ過安息香酸、過蟻酸、過酢酸からなる群から選択される過酸化化合物を用いることが好ましい。
まず、その中でも処理方法が容易な過酸化水素を利用する処理について述べる。最も簡便な過酸化水素による処理方法は、前記の培養条件で微生物を培養し、化学式(25)で示されるユニットを含むPHAを蓄積した微生物細胞をそのまま過酸化水素水に懸濁し、場合によっては一定時間加熱、攪拌して菌体の処理を行った後、不溶成分として、目的とするPHAを回収する方法である。過酸化水素の濃度が比較的高い場合、または、反応温度が比較的高い場合には、菌体細胞由来の不溶成分、例えば、細胞膜などは、酸化を受けて、分解・可溶化され、本発明のPHAのみが、不溶成分としてほぼ純粋な形で回収される。一方、温和な条件の場合には、分解・可溶化が十分に果たされず、一部菌体細胞由来の生体細胞を破砕する工程が残留する場合がある。
このような温和な条件を利用する際には、予め培養微生物細胞を破砕し、菌体細胞由来の不溶成分を除去して、化学式(25)で示されるユニットを含むPHAを粗製で回収した後に、過酸化水素水で処理する方法を採用することも可能である。この予め培養微生物細胞を破砕し、中間原料(前駆体)のPHAを分離・回収する工程を設ける方法をとると、比較的温和な条件で、過酸化水素水による処理を行う際にも、十分に純度の高いPHAが回収される。
本発明のPHAの製造方法において、前記の生体細胞を破砕する工程では、超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力破砕法、ビーズ衝撃法、摩砕法、擂潰法(ガラス粉末やアルミナ粉末等の助剤を加えて乳鉢中ですり潰す方法)、凍結融解法など、細胞膜の破砕に薬剤を使用しない手段を用いることが好ましい。生体細胞を破砕する工程後、更に、分離した不溶成分の再懸濁液を遠心分離等の方法により固体成分と可溶成分とを分離し、中間原料となるPHA成分が含まれている固体成分のみを過酸化水素で処理する。
更に、もう一つのPHAの分離方法としては、培養工程の後、PHA蓄積微生物細胞から、クロロホルム、ジクロロメタンやアセトンといった蓄積ポリヒドロキシアルカノエートの可溶溶媒によりPHAのみを抽出・単離する手段を利用することもできる。抽出・単離した後、得られたPHAのみを過酸化水素により処理する方法である。この溶媒抽出を利用する方法においては、微生物細胞から抽出・回収される前駆体PHAは、過酸化水素処理を行う水系媒体中で塊状になりやすい。前駆体PHAが塊状となった場合、過酸化水素などの過酸化化合物との接触の妨げとなり、場合によっては、この酸化反応の効率を著しく低下させることもあるなど、操作上の困難さ・煩雑さを伴う場合が多い。その観点からは、先に述べた2つの方法は、前駆体PHAは、本来、微生物細胞中に微粒子状で存在しており、その状態のまま、微粒子状の前駆体PHAを水懸濁状態で過酸化水素処理を施すことが可能であることから、操作上もより簡便な方法である。
本発明のPHAの製造方法で、酸化剤として利用する過酸化水素は、本発明の目的、即ち、スルファニル基(-S-)の酸化を行える限り、いかなる形態のものをも用いることが可能である。なお、製造工程の制御という観点からは、その濃度などが、安定した性状の過酸化水素の溶液、例えば、過酸化水素水など、水系溶媒中に溶解したものを用いることが望ましい。一例として、工業的に多量に安定生産可能な、JIS K-8230に則った過酸化水素水は推奨されるべきものであり、例えば、三菱瓦斯化学(株)製 過酸化水素水(31%過酸化水素含有)は、本発明の方法において、好適な過酸化水素の溶液である。
本発明のPHAの製造方法において、この過酸化水素を用いる酸化処理の条件は、処理されるPHAの状態(菌体成分の有無、塊状か微粒子状か等)により異なるが、概ね以下の範囲に選択することが好ましい。一般に、菌体成分の残存量が少ない場合、また、前駆体PHA形状が微粒子状である場合には、不要な菌体成分の酸化・可溶化が容易に行え、あるいは、微粒子状のPHA自体では、より速やかな処理がなされるので、温和な条件を用いることができる。前記、JIS K-8230規格品の過酸化水素水(31%過酸化水素含有)を利用する際、その希釈条件(濃度)、使用量、処理温度、時間などは、下記する範囲に選択することができる。
処理液中の過酸化水素濃度:反応温度にもよるが、8%(約4倍希釈)〜31%(原液)、より好ましい濃度範囲としては、16%(約2倍希釈)〜31%(原液)反応量:前駆体PHA中に含まれる化学式(25)のユニットの比率にも依存するものの、処理前PHA1gに対して、原液過酸化水素水(31%過酸化水素含有)換算で 30ml〜500ml、より好ましい反応量は、100ml〜300mlの範囲である。反応温度:処理液中の濃度にもよるが、30℃〜100℃、より好ましい温度としては、80℃〜100℃の範囲に選択する。反応時間については、その反応温度にもよるが、10分〜180分、より好ましい時間としては、30分〜120分の範囲である。
前記する条件の範囲で、過酸化水素処理を施すことにより、微生物菌体に蓄積されていた、化学式(25)で示されるユニットを含むPHAから、化学式(2)並びに(3)で示されるユニットのうち、少なくとも1種類をポリマー分子中に含むPHA、あるいは、化学式(2)並びに(3)で示されるユニットに加えて、中間原料のPHAに由来する化学式(25)で表されるユニットをなお残すPHAへと変換できる。その場合、過酸化水素処理の反応条件を選択して、酸化の進行速度、反応量を制御することにより、前記三種の各ユニットの存在比を制御することが可能となる。
次に、過酸化化合物として、メタクロロ過安息香酸(MCPBA)を用いる方法について述べる。
MCPBAを用いると、スルファニル基(-S-)の酸化は、化学量論的に進行するため、化学式(2)並びに(3)で示されるユニットの含有比率の制御がし易い。また、その反応条件が温和であるため、PHA主鎖骨格の切断や活性部位の架橋反応等、不要な副次反応が起こり難い。従って、本発明のPHAの製造方法において、高い選択性で目的とするPHAを製造する上では、メタクロロ過安息香酸(MCPBA)は、好適な過酸化化合物の一つである。
一般的な反応条件として、スルファニル基(-S-)をスルフィニル基(-SO-)まで選択的に酸化するためには、中間原料のPHA(前駆体)中のスルファニル基(-S-)を含むユニットモル量、1モルに対して、MCPBAを若干過剰量、具体的には、1.1〜1.4モル量の範囲に選択し、クロロホルム中、温度を0℃〜30℃の範囲に選択して、反応せしめる。前記の反応条件範囲においては、反応時間を10時間程度とすると、理論値のほぼ90%、20時間程度とすると、理論値のほぼ100%まで、酸化を進行させることができる。
また、スルファニル基(-S-)を全てスルホニル基(-SO2-)まで酸化するためには、中間原料のPHA(前駆体)中のスルファニル基(-S-)を含むユニットモル量、1モルに対して、MCPBAを2モルより若干過剰量、具体的には、2.1〜2.4モル量の範囲に選択し、前記と同様の溶媒、温度、時間条件を選択して、反応を行えばよい。
さらに、より過酷な条件が許容される場合は、過酸化化合物として過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過ヨウ素酸塩、オゾンなどの化合物を用いることも可能である。このような他の化合物を用いる例として、過マンガン酸塩を用いる方法について述べる。酸化剤として用いる前記過マンガン酸塩としては、過マンガン酸カリウムが一般的である。過マンガン酸塩の使用量は、化学式(25)で示すユニット1モルに対して、通常1モル当量以上、好ましくは、2〜10モル当量使用するのがよい。
反応系を酸性条件下にするためには通常、硫酸、塩酸、酢酸、硝酸などの各種の無機酸や有機酸が用いられる。しかしながら、硫酸、硝酸、塩酸などの酸を用いた場合、PHAの主鎖のエステル結合が切断され、分子量低下を引き起こす恐れがある。そのため酢酸を用いることが好ましい。酸の使用量は、化学式(25)で示すユニット1モルに対して、通常、0.2〜2000モル当量、好ましくは0.4〜1000モル当量の範囲で用いられる。0.2モル当量に満たない場合には低収率となり、2000モル当量を越える場合には酸による分解物が副生するため、いずれの場合も好ましくない。また、反応を促進する目的でクラウン-エーテルを用いることができる。この場合、クラウン-エーテルと過マンガン酸塩とは、錯体を形成し、反応活性が増大する効果が得られる。クラウン-エーテルとしては、ジベンゾ-18-クラウン-6-エーテル、ジシクロ-18-クラウン-6-エーテル、18-クラウン-6-エーテルが一般的に用いられる。クラウン-エーテルの使用量は、過マンガン塩1モルに対して、通常、0.005〜2.0モル当量、好ましくは、0.01〜1.5モル当量の範囲で用いることが望ましい。
また、本発明の酸化反応における溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、たとえば、水、アセトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メチルクロリド、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等を使用できる。これらの溶媒のなかでも、PHAの溶解性を考慮すれば、メチルクロリド、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類及びアセトンが好ましい。
本発明の前記酸化反応において、化学式(25)で示すユニットを含むPHAと、過マンガン酸塩及び酸は一括して最初から溶媒とともに仕込んで反応させてもよく、それぞれを連続的若しくは断続的に系内に加えながら反応させてもよい。また、過マンガン酸塩のみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき続いて、PHA及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、PHAのみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき、続いて過マンガン酸塩及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよい。さらには、PHA及び酸を先に仕込んでおき続いて過マンガン酸塩を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、過マンガン酸塩及び酸を先に仕込んでおき続いてPHAを連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、PHA及び過マンガン酸塩を先に仕込んでおき続いて酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよい。
反応温度は、通常-20〜40℃、好ましくは0〜30℃とするのがよい。反応時間は、化学式(25)で示すユニットと過マンガン酸塩の量論比及び反応温度に依存するが、通常2〜48時間とするのがよい。
化学式(25)で示す基の酸化剤処理により、化学式(25)で示されるユニットを含む前駆体PHAから、化学式(2)並びに(3)で示されるユニットのうち、少なくとも1種類をポリマー分子中に含むPHAの変換が可能である。
本発明の方法により製造される、微生物産生のPHAを中間原料とする、PHAには、スルフィニル構造(-SO-)及びスルホニル構造(-SO2-)のうち、少なくとも一方を有するユニットが、そのポリマー分子中に含まれている。これらの構造は、かかるユニット末端における、分子中の電子の局在化を強力に促し、その電気的な性質は、従来のPHAと比べ著しく異なっている可能性がある。また、このような電子の局在化により、溶媒に対する挙動も、従来のPHAと異なるものとなる。一例を挙げると、ジメチルホルムアミド(DMF)のような極性溶媒にも溶解可能となる。また、熱的特性の制御、特にはガラス転移温度の上昇が顕著であり、広範な用途への応用が可能となる。
また、化学式(6)に示す構造の1つであるフェニルスルファニル基、ビニルフェニル基あるいはメチルフェニル基もしくは化学式(9)で示される末端ビニル基における炭素-炭素二重結合部分あるいはメチル基部分についても酸化剤を用いて酸化することで、化学式(4)で示す構造の1つであるカルボキシフェニル基を有するユニットもしくは化学式(10)で示すユニットとを含むPHAが得られる。
酸化剤として用いる前記過マンガン酸塩としては、過マンガン酸カリウムが一般的である。過マンガン酸塩の使用量は、酸化反応が化学量論的反応であるため、化学式(6)で示す構造の1つであるフェニルスルファニル基、ビニルフェニル基あるいはメチルフェニル基を含むユニットもしくは化学式(9)で示すユニット1モルに対して、通常1モル当量以上、好ましくは、2〜10モル当量使用するのがよい。
反応系を酸性条件下にするためには通常、硫酸、塩酸、酢酸、硝酸などの各種の無機酸や有機酸が用いられる。しかしながら、硫酸、硝酸、塩酸などの酸を用いた場合、PHAの主鎖のエステル結合が切断され、分子量低下を引き起こす恐れがある。そのため酢酸を用いることが好ましい。酸の使用量は、化学式(6)で示す構造の1つであるフェニルスルファニル基、ビニルフェニル基あるいはメチルフェニル基を含むユニットもしくは化学式(9)で示すユニット1モルに対して、通常、0.2〜2000モル当量、好ましくは0.4〜1000モル当量の範囲で用いられる。0.2モル当量に満たない場合には低収率となり、2000モル当量を越える場合には酸による分解物が副生するため、いずれの場合も好ましくない。また、反応を促進する目的でクラウン-エーテルを用いることができる。この場合、クラウン-エーテルと過マンガン酸塩とは、錯体を形成し、反応活性が増大する効果が得られる。クラウン-エーテルとしては、ジベンゾ-18-クラウン-6-エーテル、ジシクロ-18-クラウン-6-エーテル、18-クラウン-6-エーテルが一般的に用いられる。クラウン-エーテルの使用量は、過マンガン塩1モルに対して、通常、0.005〜2.0モル当量、好ましくは、0.01〜1.5モル当量の範囲で用いることが望ましい。
また、本発明の酸化反応における溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、たとえば、水、アセトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メチルクロリド、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等を使用できる。これらの溶媒のなかでも、ポリヒドロキシアルカノエートの溶解性を考慮すれば、メチルクロリド、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類及びアセトンが好ましい。
本発明の前記酸化反応において、化学式(25)で示すユニットと化学式(4)〜(12)で示すユニットとを含むPHAと、過マンガン酸塩及び酸は一括して最初から溶媒とともに仕込んで反応させてもよく、それぞれを連続的若しくは断続的に系内に加えながら反応させてもよい。また、過マンガン酸塩のみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき続いて、PHA及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、PHAのみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき、続いて過マンガン酸塩及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよい。さらには、PHA及び酸を先に仕込んでおき続いて過マンガン酸塩を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、過マンガン酸塩及び酸を先に仕込んでおき続いてPHAを連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、PHA及び過マンガン酸塩を先に仕込んでおき続いて酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよい。
反応温度は、通常-20〜40℃、好ましくは0〜30℃とするのがよい。反応時間は、化学式(25)で示すユニットと化学式(4)〜(12)で示すユニットと過マンガン酸塩の量論比及び反応温度に依存するが、通常2〜48時間とするのがよい。
化学式(25)で示されるユニットを含むPHAから、化学式(2)並びに(3)で示されるユニットのうち、少なくとも1種類をポリマー分子中に含むPHA、あるいは、化学式(2)並びに(3)で示されるユニットに加えて、中間原料のPHAに由来する化学式(25)で表されるユニットをなお残すPHAへの変換とともに、化学式(6)に示す構造の1つであるフェニルスルファニル基、ビニルフェニル基あるいはメチルフェニル基もしくは化学式(9)で示される末端ビニル基における炭素-炭素二重結合部分あるいはメチル基部分の酸化剤処理により、化学式(2)並びに(3)で示されるユニットに加えて、さらにカルボキシル基を含むユニットを分子中に含むPHAへの同時変換が可能である。
また、上記のように炭素-炭素の二重結合を酸化剤により開裂してカルボキシル基を得る別の方法として、オゾンを用いる方法(J.Am.Chem.Soc.,81,4273(1959);非特許文献1)が知られており、本発明に用いることが出来る。
<バインダー樹脂>
本発明にかかる、静電荷像現像用トナーに使用するバインダー樹脂は、前記化学式(25)、(2)〜(3)で示すユニットの少なくとも1種類をポリマー分子中に含むPHAを少なくとも含むものである。なお、バインダー樹脂には、化学式(25)、(2)〜(3)で示すユニットの少なくとも1種類に加えて、前記化学式(4)〜(12)で示すユニットからなる群より選択される少なくとも一つをポリマー分子中にさらに含むPHAを用いることもできる。
更に、このバインダー樹脂は、ポリカプロラクトン及びポリ乳酸等の生分解性樹脂の1種以上をさらに含んでなるバインダー樹脂であっても良い。
ポリ乳酸は、市販のもの、例えば、株式会社島津製作所製のラクティ(商品名)などが好適に使用される他、各種重合法により得られたものも使用することができる。
他の生分解性樹脂を併用する場合、他の生分解性樹脂の混合割合はバインダー樹脂全体に対し、生分解及びバインダー樹脂としての物性を考慮すれば、90質量%以下であることが好ましい。
PHAは、数平均分子量が30万程度以下では、ポリカプロラクトン或いはポリ乳酸のそれぞれとの相溶性が良く、無色透明な熔融ポリマーブレンド体が得られるので好ましい。他方、この数平均分子量が50万以上のように比較的大きい場合には、相溶性がそう大きくならず、得られる熔融ポリマーブレンド体の色相もよくない。しかし、この場合でも、たとえば、高剪断力下での混合によりその分子量を30万以下までに低下させることにより、相溶性は向上し、無色透明な熔融ポリマーブレンド体が得られる。
また、本発明のバインダー樹脂の数平均分子量は2,000以上、300,000以下であることが好ましく、さらには、本発明のバインダー樹脂のガラス転位点は30〜80℃、軟化点は60〜170℃であることがバインダー樹脂としての機能発現のためには好ましい。
ここで、PHAは生分解性樹脂としての基本骨格を有しており、それゆえ、従来のプラスチックと同様、溶融加工等により各種製品の生産に利用することができるとともに、石油由来の合成高分子とは異なり、生物により容易に分解され、自然界の物質循環に取り込まれるという際立った特性を有している。そのため、燃焼処理を行う必要もなく、大気汚染や地球温暖化を防止するという観点でも有効な材料であり、環境保全を可能とするプラスチックとして利用することができる。
また、PHAは、アルカリ性水の存在により容易に加水分解される。このため、コピーされた紙からカーボンブラック等の色素を含むトナーを効率的に除去できるという利点がある。
本発明の静電荷像現像用トナーに使用するバインダー樹脂として好適な、化学式(25)、(2)、(3)で示すユニットの少なくとも1種類をポリマー分子中に含むPHAは、3-ヒドロキシアルカン酸をモノマー単位とするポリエステル樹脂である。ここで、このような化合物を微生物を利用して生産した場合、該ポリエステル樹脂はR体のみからなるアイソタクチックなポリマーであるが、物性/機能の両面において本発明の目的を達成しうるならば、特にアイソタクチックなポリマーである必要はなく、アタクチックなポリマーについても利用することが可能である。また、ラクトン化合物を有機金属系触媒(例えば、アルミニウム、亜鉛、スズ等を含む有機触媒)を用いて開環重合を行う化学合成法によりPHAを得ることも可能である。
ここで、本発明のバインダー樹脂に用いるPHAを微生物を用いて生産する場合、前記の各種モノマーユニットを含み得るが、必要とするポリマーの機能性、物性などを考慮の上、適当数を含むように設計すると良い。
所望の物性のPHAは、本発明におけるPHAを合成可能な微生物の培養条件等を選択することによって得られる。例えば、培養時間等の制御により、数平均分子量の制御が可能である。また、溶媒抽出、再沈殿などの手段を用いた低分子量成分の除去により、数平均分子量の制御が可能である。ここで、ガラス転移温度、軟化点はPHAの分子量と相関関係を有する。また、PHA中のモノマーユニットの種類/組成比を制御することでガラス転移温度、軟化点を制御することも可能である。
本発明のバインダー樹脂に用いるPHAは、重量平均分子量Mwが好ましくは2000〜30万であり、数平均分子量Mnが好ましくは2000〜15万、特に好ましくは5000〜10万である。Mnが、2000未満ではガラス転移温度が著しく低下し、耐ブロッキング性が悪くなり、また30万を超えると溶融時における粘度が高くなり、低温定着性が悪化する。
バインダー樹脂としては、本発明のバインダー樹脂を好適に用い得るが、本発明のバインダー樹脂に加えて他の熱可塑性樹脂をバインダー樹脂としてさらに含有させることもできる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン-アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の1種または2種以上と混合して使用することも可能であり、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用することができ、特に限定されない。
PHA以外のバインダー樹脂として、分解性を持たない熱可塑性樹脂を併用する場合、他の熱可塑性樹脂の混合割合はバインダー樹脂全体に対し、80質量%以下、特に50質量%以下であることが好ましい。他の熱可塑性樹脂の割合が80質量%よりも多いと、他の結着樹脂の紙表面への結着強度が強すぎることとなり、脱墨性が低下する。また、生分解性トナーとして使用する場合には、他の生分解性を持たない熱可塑性樹脂を混合しないことが好ましい。
また、本発明においては、上市されている各種生分解性プラスチックについて好ましく混合して使用することができる。例えば、「エコスター」「エコスタープラス」(萩原工業)「バイオポール」(アイ・シー・アイ・ジャパン)「アジコート」(味の素)「プラクセル」「ポリカプロラクトン」(ダイセル化学)「ショーレックス」「ビオノーレ」(昭和電工)「ラクティ」(島津製作所)「レイシア」(三井化学)等が挙げられ、これらの樹脂を混合して用いる場合は、本発明のトナーの特質である生分解性が損なわれることがない。
これらの中で、ポリカプロラクトン(即ち、ε-カプロラクトンの重合体)或いは前述のポリ乳酸は、リパーゼ、エステラーゼなどにより完全に容易に分解される点、そして他の樹脂とのブレンド、または共重合などによる物理的性質の改変を行いやすい点で特に好ましい。
スチレン系ポリマーとしては、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体及びこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体、スチレンとジエン系単量体(ブタジエン、イソプレンなど)との共重合体及びこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体などが挙げられる。ポリエステル系ポリマーとしては芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物との重縮合物などが挙げられる。エポキシ系ポリマーとしては芳香族ジオールとエピクロルヒドリンとの反応物及びこれの変性物などが挙げられる。ポリオレフィン系ポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらと他の共重合可能な単量体との共重合体鎖などが挙げられる。ポリウレタン系ポリマーとしては芳香族ジイソシアネートと芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物との重付加物などが挙げられる。
本発明のバインダー樹脂と混合して用いられるバインダー樹脂の具体例としては、以下に挙げる重合性単量体の重合体、または、これらの混合物、或いは、以下に挙げる重合性単量体を2種類以上使用して得られる共重合生成物が挙げられる。このようなものとしては、具体的には、例えば、スチレン-アクリル酸共重合体、或いはスチレン-メタクリル酸系共重合体などのスチレン系ポリマー、さらにはポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられ、好ましく使用できる。
重合性単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロルスチレン、3,4-ジクロルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n-オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2-クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N-ビニルピロール、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルインドール、N-ビニルピロリドンの如きN-ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β-不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、フタル酸、コハク酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2-プロピレングリコール、1、3-プロピレングリコール、1、4-ブタンジオール、1、6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA等のポリオール化合物;p-フェニレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート1、4-テトラメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類;エチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、1、4-ジアミノベンゼン、1、4-ジアミノブタン、モノエタノールアミン等のアミン類;ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等が挙げられる。
本発明のバインダー樹脂と混合して用いられるバインダー樹脂を形成する場合、必要に応じて下記に挙げるような架橋剤を用いることもできる。例えば、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの等が挙げられる。
2官能以上の多官能の架橋剤としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2-ビス(4-メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルアソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
また、本発明のバインダー樹脂と混合して用いられるバインダー樹脂を形成する場合には、下記に挙げるような重合開始剤を必要に応じて用いることができる。例えば、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、クミンパーピバレート、t-ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2′-アゾビスイソブチロニトリル、2,2′-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2′-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4-ビス(t-ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バリレート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシ-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ-t-ブチルパーオキシα-メチルサクシネート、ジ-t-ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ-t-ブチルパーオキシアゼラート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール-ビス(t-ブチルパーオキシカーボネート)、ジ-t-ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t-ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t-ブチルパーオキシ)シラン等が挙げられる。これらが単独或いは併用して使用できる。その使用量はモノマー100質量部に対し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量部)の濃度で用いられる。
<トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記バインダー樹脂の他に、着色剤、荷電制御剤、及び必要に応じて添加されるその他の添加物から構成されている。
(着色剤)
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色剤としては、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用でき、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、チタンホワイト、モノアゾ系赤色顔料、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料、アントラキノン染料等、あらゆる顔料及び/または染料を用いることができる。
より具体的には、本発明の静電荷像現像用トナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、着色剤としては、例えば;C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド 30;C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7;C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては;黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG;カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を使用することができる。
また、本発明の静電荷像現像用トナーを二成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、着色剤として次の様なものを使用することができる。例えば、マゼンタ色トナー用の着色顔料としては;C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
本発明においては、上記に挙げた顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料とを併用して、その鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。その場合に使用し得るマゼンタ用染料としては;C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28等の塩基性染料が挙げられる。
その他の着色顔料としては、シアン用着色顔料としては;C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、または、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
上記したような染料及び顔料は、単独で使用してもよく、また、所望のトナーの色調を得るために任意に混合して使用してもよい。
なお、環境保全や人体に対する安全性などを考慮した場合には、各種の食用レーキ等の食用色素を好適に使用可能であり、例えば、食用赤色40号アルミニウムレーキ、食用赤色2号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用赤色106号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキなどが挙げられる。
また、上記の非水溶性食用色素は、荷電制御剤としても機能し得る。その場合、負帯電用としては、上記のアルミニウムレーキを好適に用い得る。このように、非水溶性食用色素が荷電制御剤の機能を有する場合、トナーの環境安全性が向上するだけでなくトナーのコストダウンにも寄与し得る。
上記の着色剤のトナー中の含有量は、所望とする着色効果などに応じて広く変更することが可能である。通常、最も良好なトナー特性を得るため、即ち、印字の着色力、トナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、これらの着色剤は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜60質量部、好ましくは0.5〜20質量部程度の割合で使用される。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては、従来使用されている荷電制御剤を使用できる。具体例としては、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、モノアゾ系の金属錯体塩染料等を挙げることができる。荷電制御剤の添加量はバインダー樹脂の帯電性、着色剤の添加量・分散方法を含めた製造方法、その他の添加剤の帯電性等の条件を考慮した上で決めることができるが、バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部の割合で用いることができる。この他、金属酸化物等の無機粒子や前記有機物質で表面処理した無機物質を用いても良い。これら荷電制御剤は、バインダー樹脂中に混合添加して用いても、トナー粒子表面に付着させた形で用いても良い。
(その他の構成成分)
本発明の静電荷像現像用トナー中には、上記したバインダー樹脂及び着色剤成分の他に、以下の化合物を含有させてもよい。例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリプロピレンの如き脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、及び、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等である。これらの中でも好ましく用いられるワックス類としては、具体的には、低分子量ポリプロピレン及びこの副生成物、低分子量ポリエステル及びエステル系ワックス、脂肪族の誘導体が挙げられる。これらのワックスから、種々の方法によりワックスを分子量により分別したワックスも本発明に好ましく用いられる。また、分別後に酸価やブロック共重合、グラフト変性を行ってもよい。
特に、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、上記したようなワックス成分を含み、しかも透過型電子顕微鏡を用いてトナーの断層観察を行った場合に、これらのワックス成分が、バインダー樹脂中に実質的に球状及び/または紡錘形の島状に分散されている場合に優れた特性のトナーとなる。
<トナーの作成方法>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーを作製する具体的な方法としては、従来公知の方法をいずれも用いることができる。本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば、下記の工程によってトナーを得る、所謂粉砕法によって作製できる。即ち、具体的には、本発明のバインダー樹脂等の樹脂類、その他、必要に応じて添加される荷電制御剤、ワックスを、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により充分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、着色剤としての顔料、染料、または磁性体、必要に応じて添加される金属化合物等の添加剤を分散または溶解せしめ、冷却固化後、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により固化物を粉砕した後、分級を行って所望の粒径を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。なお、上記分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
また、バインダー樹脂と荷電制御剤等を溶剤(トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム、エチレンジクロライドなどのハロゲン化物、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン及びジメチルホルムアミドなどのアミド等)を用い、溶液混合し、攪拌処理後、水中に投じて再沈澱せしめ、濾過、乾燥後、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により固化物を粉砕した後、分級を行って所望の粒径を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得ることもできる。尚、上記分級工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、下記のような所謂重合法によって作製することもできる。即ち、この場合には、本発明におけるバインダー樹脂の重合性単量体、着色剤としての顔料、染料、または磁性体、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤、ワックス、その他の添加剤等の材料を混合分散し、界面活性剤等の存在下、水系分散媒体中で懸濁重合することにより重合性着色樹脂粒子を合成し、得られた粒子を固液分離した後、乾燥し、必要に応じて分級を行って本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。
(シリカ外添剤)
本発明においては、上記のような方法によって作製されたトナーに、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を外添することが好ましい。この際に用いられるシリカ微粉末としては、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2/g以上(特に30〜400m2/g)の範囲内のものが良好な結果を与える。この場合のシリカ微粉末の量としては、トナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体を0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量部程度使用することが好ましい。この際に使用するシリカ微粉末としては、必要に応じて、疎水化及び帯電性コントロールの目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理されたものを使用することが好ましい。これらの処理剤は混合して使用してもよい。
(無機粉体)
トナーの現像性及び耐久性を向上させるために、次に挙げるような無機粉体を添加することも好ましい。例えば、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムの微粉体を使用することが好ましい。
(滑剤)
さらに、下記に挙げる滑剤粉末をトナーに添加してもよい。例えば、テフロン、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデン等が挙げられる。
これらの、本発明のバインダー樹脂に混合して用いるバインダー樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び、その他必要に応じて添加される添加物のトナー中の含有量は非常に少ないが、廃棄後のことを考慮して、可能であれば、生分解性を有するものを使用することがより好ましい。
<キャリアについて>
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーは、単独で非磁性一成分現像剤として使用したり、磁性キャリアとともに磁性二成分現像剤を構成したりする非磁性トナーや、単独で磁性一成分トナーとして使用される磁性トナー等の、従来公知の種々のトナーに適用することができる。ここで二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものをいずれも使用することができる。具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物で形成される平均粒径20〜300μmの粒子を、キヤリア粒子として使用できる。また、本発明において用いるキャリアは、上記したキャリア粒子の表面が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂如き物質によって付着または被覆されているものであることが好ましい。
<磁性トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性材料をトナー粒子中ら含有させ磁性トナーとしてもよい。この場合には、磁性材料に、着色剤の役割を兼ねさせることもできる。この際に使用される磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。本発明において用いることのできるこれらの磁性材料としては、平均粒子径が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては、バインダー樹脂100質量部に対し20〜200質量部、特に好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して40〜150質量部とすることが好ましい。
更に、高画質化を達成するためには、より微小な潜像ドットを忠実に現像することを可能にする必要があり、そのためには、例えば、本発明の静電荷像現像用トナー粒子の重量平均径が4〜9μmの範囲内となるように調整することが好ましい。即ち、重量平均径が4μm未満のトナー粒子では、転写効率の低下が生じ、感光体上に転写残トナーが多く残り易く、カブリ・転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり易く、好ましくない。また、トナー粒子の重量平均径が9μmを超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じ易い。
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA-II型或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びパーソナルコンピューターを接続して測定した。その際に使用する電解液として、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。電解液としては、例えば、市販のISOTON R-II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用することもできる。具体的な測定法としては、上記電解水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に、測定試料を2〜20mg加えて測定用試料とする。測定の際には、この測定試料が懸濁された電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った後、前記コールターカウンターTA-II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定し、体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求めた。
<帯電量>
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、単位質量あたりの帯電量(二成分法)が-10〜-80μC/g、より好ましくは-15〜-70μC/gであることが、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法において転写効率を向上させる上で好ましい。
本発明において使用した二成分法による帯電量(二成分トリボ)の測定法を以下に示す。測定には、図7に示した帯電量測定装置を使用した。先ず、一定環境下、キャリアとしてEFV200/300(パウダーテック社製)を用い、該キャリア9.5gに対して、測定対象のトナー0.5gを加えた混合物を、50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ、振幅を一定にした振とう機に設置して、振とう条件を、振幅100mm、振とう速度1分間100回往復に設定し、一定時間振とうする。次いで、図7に示した帯電量測定装置の、底に500メッシュのスクリーン43のある金属製の測定容器42に、前記混合物1.0〜1.2gを入れて、金属製のフタ44をする。この時の測定容器42全体の質量を秤かりW1(g)とする。次に、不図示の吸引機(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)で吸引口47から吸引し、風量調節弁46を調節して真空計45の圧力が2450Pa(250mmAq)になるようにする。この状態で一分間吸引を行って、トナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位をV(ボルト)とする。ここで48はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量をはかりW2(g)とする。トナーの摩擦帯電量(μC/g)は、これらの測定値から、下式によって計算される。計算式:摩擦帯電量(μC/g)=C×V/(W1-W2)。
<バインダー樹脂の分子量測定方法>
本発明において、バインダー樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをTHF(テトラヒドロフラン)溶剤でソックスレー抽出器を用いて20時間抽出を行ったサンプルを測定用に用い、カラム構成は、昭和電工製A-801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定した。また、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、2〜100の範囲内にあるバインダー樹脂を使用することが好ましい。
<画像形成方法及び装置>
上記で説明した構成を有する本発明の静電荷現像用トナーは、少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加して、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する加熱定着工程とを有する画像形成方法、或いは、転写工程が、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程とからなる画像形成方法に適用することが特に好ましい。
また、この方法で用いられる装置は、それぞれの工程に対応した手段、即ち、帯電手段、静電荷像形成手段、現像手段、転写手段、加熱定着手段をそなえていることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。これら実施例は、本発明の最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。なお、以下における「%」は特に標記した以外は重量基準である。また、以下の配合における部数は全て質量部である。
実施例1
D-グルコース0.5%、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%を含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。44時間後、菌体を遠心分離により回収し、D-グルコース0.5%、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%を含み、窒素源(NH4Cl)を含まないM9培地200mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。67時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で24時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。得られたPHAを秤量した結果、54mgであった。
得られたPHAの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC-8220、カラム;東ソー TSK-GEL Super HM-H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=210,000、質量平均分子量Mw=590,000であった。
得られたPHAの構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
<測定機器>
FT-NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数: 1H=400MHz、13C=100MHz
<測定条件>
測定核種: 1
使用溶媒:CDCl3
測定温度:室温
測定された 1H-NMRスペクトルチャートを図1に示す。その結果、当該PHAは、下記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット90mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計10mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例2
ポリペプトン(日本製薬株式会社製)0.5%、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%を含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。44時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で68時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。得られたPHAを秤量した結果、9mgであった。
得られたポリマーの平均分子量は、実施例1と同様に評価した。その結果、数平均分子量Mn=200,000、質量平均分子量Mw=1,100,000であった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット63mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計37mol%を含むPHAであることが確認された。
実施例3
D-グルコース0.5%、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%を含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・H45株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。112時間後、菌体を遠心分離により回収し、D-グルコース0.5%、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%を含み、窒素源(NH4Cl)を含まないM9培地200mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。54時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で19時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。得られたPHAを秤量した結果、4mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット95mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計5mol%を含むPHAであることが確認された。
実施例4
シュードモナス・チコリアイ・H45株の替わりに、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株を用いた以外は、実施例3と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、61mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット83mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計17mol%を含むPHAであることが確認された。
実施例5
シュードモナス・チコリアイ・H45株の替わりに、シュードモナス属・YN21株を用いた以外は、実施例3と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、59mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット91mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計9mol%を含むPHAであることが確認された。
実施例6
D-グルコース0.5%、4-(メチルチオ)酪酸0.1%を含むM9培地200mlに、シュードモナス・チコリアイ・YN2株を植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。44時間後、菌体を遠心分離により回収し、D-グルコース0.5%、4-(メチルチオ)酪酸0.1%を含み、窒素源(NH4Cl)を含まないM9培地200mlに再懸濁して、更に、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。38時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて一度洗浄して真空乾燥した。
この乾燥菌体ペレットを20mlクロロホルムに懸濁し、35℃で16時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収し真空乾燥した。得られたPHAを秤量した結果、19mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、下記化学式(28)によって示される3-ヒドロキシ-4-(メチルチオ)酪酸ユニット75mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計25mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例7
4-(メチルチオ)酪酸の代わりに、9-(メチルチオ)ノナン酸を用いた以外は、実施例6と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、51mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット及び下記化学式(29)によって示される3-ヒドロキシ-7-(メチルチオ)ヘプタン酸ユニット及び下記化学式(30)によって示される3-ヒドロキシ-9-(メチルチオ)ノナン酸ユニット合計80mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計20mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
Figure 2006206834
実施例8
4-(メチルチオ)酪酸の代わりに、5-(n-ブチルチオ)吉草酸を用いた以外は、実施例6と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、8mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、下記化学式(31)によって示される3-ヒドロキシ-5-(n-ブチルチオ)吉草酸ユニット34mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計66mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例9
4-(メチルチオ)酪酸0.1%の代わりに、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%及び5-フェニル吉草酸0.1%を添加した培地を用いた以外は、実施例6と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、490mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット11mol%下記化学式(32)によって示される3-ヒドロキシ-5-フェニル吉草酸ユニット84mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計5mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例10
4-(メチルチオ)酪酸0.1%の代わりに、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%及び5-フェノキシ吉草酸0.1%を添加した培地を用いた以外は、実施例6と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、220mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット20mol%下記化学式(33)によって示される3-ヒドロキシ-5-フェノキシ吉草酸ユニット74mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計6mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例11
4-(メチルチオ)酪酸0.1%の代わりに、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%及び5-ベンゾイル吉草酸0.1%を添加した培地を用いた以外は、実施例6と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、90mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット50mol%下記化学式(34)によって示される3-ヒドロキシ-5-ベンゾイル吉草酸ユニット36mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計14mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例12
4-(メチルチオ)酪酸0.1%の代わりに、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%及び5-(2-チエニル)吉草酸0.1%を添加した培地を用いた以外は、実施例6と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、410mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット20mol%下記化学式(35)によって示される3-ヒドロキシ-5-(2-チエニル)吉草酸ユニット71mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計9mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例13
4-(メチルチオ)酪酸0.1%の代わりに、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%及び4-シクロヘキシル酪酸0.1%を添加した培地を用いた以外は、実施例6と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、300mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット20mol%下記化学式(36)によって示される3-ヒドロキシ-4-シクロヘキシル酪酸ユニット及びその他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計80mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例14
4-(メチルチオ)酪酸0.1%の代わりに、5-(メチルチオ)吉草酸0.1%及び5-(フェニルスルファニル)吉草酸0.1%を添加した培地を用いた以外は、実施例6と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、390mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(27)によって示される3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット15mol%下記化学式(37)によって示される3-ヒドロキシ-5-(フェニルスルファニル)吉草酸ユニット79mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計6mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例15
実施例1に示す方法で取得したPHA 400mgを100ml容ナスフラスコ中に加え、クロロホルム10mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、クロロホルム20mlに溶解したメタクロロ過安息香酸1,386mgをゆっくり加えて攪拌した。75分間、氷浴下で攪拌した後、水100ml及び亜硫酸水素ナトリウムを3,020mg加えた。その後、クロロホルムにより抽出を行い、ポリマーを回収した。次に、100mlエタノールを加えて、2回洗浄し、減圧乾燥することでポリマーを366mg得た。
得られたポリマーの平均分子量は、実施例1と同様に評価した。その結果、数平均分子量Mn=90,000、重量平均分子量Mw=280,000であった。
得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該ポリマーは、下記化学式(38)によって示されるユニット89mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計11mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例16
実施例1に示す方法で取得したPHA 400mgを100ml容ナスフラスコ中に加え、クロロホルム10mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、クロロホルム20mlに溶解したメタクロロ過安息香酸463mgをゆっくり加えて攪拌した。75分間、氷浴下で攪拌した後、水100ml及び亜硫酸水素ナトリウムを1,000mg加えた。その後、クロロホルムにより抽出を行い、ポリマーを回収した。次に、100mlエタノールを加えて、2回洗浄し、減圧乾燥することでポリマーを348mg得た。
得られたポリマーの平均分子量は、実施例1と同様に評価した。その結果、数平均分子量Mn=110,000、重量平均分子量Mw=320,000であった。
得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該ポリマーは、下記化学式(39)によって示されるユニット62mol%、前記化学式(38)によって示されるユニット29mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計9mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例17
実施例1に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例6に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例15と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、390mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、下記化学式(40)によって示されるユニット74mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計26mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例18
実施例1に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例7に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例15と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、350mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(38)によって示されるユニット及び下記化学式(41)によって示されるユニット及び下記化学式(42)によって示されるユニット合計79mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計21mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
Figure 2006206834
実施例19
実施例1に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例8に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例15と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、330mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、下記化学式(43)によって示されるユニット30mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計70mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例20
実施例1に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例9に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例15と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、390mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(38)によって示されるユニット10mol%、前記化学式(32)によって示されるユニット82mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計8mol%を含むPHAであることが確認された。
実施例21
実施例1に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例10に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例15と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、380mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(38)によって示されるユニット21mol%、前記化学式(33)によって示されるユニット72mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計7mol%を含むPHAであることが確認された。
実施例22
実施例1に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例11に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例15と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、390mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(38)によって示されるユニット48mol%、前記化学式(34)によって示されるユニット37mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計15mol%を含むPHAであることが確認された。
実施例23
実施例1に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例12に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例15と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、370mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(38)によって示されるユニット18mol%、前記化学式(35)によって示されるユニット72mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計10mol%を含むPHAであることが確認された。
実施例24
実施例1に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例13に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例15と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、390mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(38)によって示されるユニット18mol%、前記化学式(36)によって示されるユニット及びその他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計82mol%を含むPHAであることが確認された。
実施例25
実施例1に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例14に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例15と同様にしてPHAを得た。得られたPHAを秤量した結果、350mgであった。
得られたPHAの構造を特定するため、実施例1と同様にNMR分析を行った。その結果、当該PHAは、前記化学式(38)によって示されるユニット13mol%、下記化学式(44)によって示されるユニット80mol%、その他のユニット(炭素数4〜12の直鎖3-ヒドロキシアルカン酸及び炭素数10若しくは12の3-ヒドロキシアルカ-5-エン酸)合計7mol%を含むPHAであることが確認された。
Figure 2006206834
実施例26
150gのポリ乳酸(商品名ラクティ、株式会社島津製作所製、195℃における熔融粘度20,000Pa・s(=200,000ポイズ)、重量平均分子量200,000)と50gの実施例15に示す方法で取得したPHAとを配合、射出成形機に投入し、温度195〜230℃で熔融混練して成形する。得られたポリマーブレンド体をバインダー樹脂として用いる。
実施例27
実施例15に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例16に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例26と同様にして得られたポリマーブレンド体をバインダー樹脂として用いる。
実施例28
実施例15に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例17に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例26と同様にして得られたポリマーブレンド体をバインダー樹脂として用いる。
実施例29
実施例15に示す方法で取得したPHAの代わりに、実施例20に示す方法で取得したPHAを用いた以外は、実施例26と同様にして得られたポリマーブレンド体をバインダー樹脂として用いる。
実施例30
実施例26のバインダー樹脂100質量部、マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド114)5質量部、荷電制御剤(ヘキスト社製:NXVP434)2質量部を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練する。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によってマゼンタ着色粒子1を得る。このマゼンタ着色粒子1の重量平均粒径、微粉量を測定すれば表1に示した結果が得られる。
このマゼンタ着色粒子1の100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例のマゼンタトナー1を得る。更に、得られたマゼンタトナー1の7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系マゼンタ現像剤1を調製する。
得られる2成分系マゼンタ現像剤1について、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒及び300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定する。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価すれば、表1に示した結果が得られる。

◎:非常に良好(-20μC/g以下)
○:良好(-19.9〜-10.0μC/g)
△:実用可(-9.9〜-5.0μC/g)
×:実用不可(-4.9μC/g以上)。
実施例31
実施例26のバインダー樹脂の代わりに実施例27のバインダー樹脂を使用する以外は実施例30と同様の方法で、マゼンタトナー2を得る。また、これを用いて実施例30と同様にして、2成分系マゼンタ現像剤2を得る。このトナー及び現像剤の特性を実施例30と同様に測定すれば、表1に示した結果が得られる。
実施例32
実施例26のバインダー樹脂の代わりに実施例28のバインダー樹脂を使用する以外は実施例30と同様の方法で、マゼンタトナー3を得る。また、これを用いて実施例30と同様にして、2成分系マゼンタ現像剤3を得る。このトナー及び現像剤の特性を実施例30と同様に測定すれば、表1に示した結果が得られる。
実施例33
実施例26のバインダー樹脂の代わりに実施例29のバインダー樹脂を使用する以外は実施例30と同様の方法で、マゼンタトナー4を得る。また、これを用いて実施例30と同様にして、2成分系マゼンタ現像剤4を得る。このトナー及び現像剤の特性を実施例30と同様に測定すれば、表1に示した結果が得られる。
比較例1
実施例26のバインダー樹脂の代わりにスチレン-ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度70℃)を100質量部使用する以外は実施例30と同様の方法により、マゼンタトナー5を得る。また、これを用いて実施例30と同様にして、2成分系マゼンタ現像剤5を得る。このトナー及び現像剤の特性を実施例30と同様に測定すれば、表1に示した結果が得られる。
Figure 2006206834
実施例34
マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110ml/100g)を使用する以外は、実施例30と同様の方法により、黒色トナー1を得る。また、これを用いて実施例30と同様にして、2成分系黒色現像剤1を得る。このトナー及び現像剤の特性を実施例30と同様に測定すれば、表2に示した結果が得られる。
実施例35
実施例26のバインダー樹脂の代わりに実施例27のバインダー樹脂を使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110ml/100g)を使用する以外は、実施例30と同様の方法により、黒色トナー2を得る。また、これを用いて実施例30と同様にして、2成分系黒色現像剤2を得る。このトナー及び現像剤の特性を実施例30と同様に測定すれば、表2に示した結果が得られる。
実施例36
実施例26のバインダー樹脂の代わりに実施例28のバインダー樹脂を使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110ml/100g)を使用する以外は、実施例30と同様の方法により、黒色トナー3を得る。また、これを用いて実施例30と同様にして、2成分系黒色現像剤3を得る。このトナー及び現像剤の特性を実施例30と同様に測定すれば、表2に示した結果が得られる。
実施例37
実施例26のバインダー樹脂の代わりに実施例29のバインダー樹脂を使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110ml/100g)を使用する以外は、実施例30と同様の方法により、黒色トナー4を得る。また、これを用いて実施例30と同様にして、2成分系黒色現像剤4を得る。このトナー及び現像剤の特性を実施例30と同様に測定すれば、表2に示した結果が得られる。
比較例2
実施例26のバインダー樹脂の代わりにスチレン-ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度70℃)を100質量部使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量110ml/100g)を使用する以外は、実施例30と同様の方法により、黒色トナー5を得る。また、これを用いて実施例30と同様にして、2成分系黒色現像剤5を得る。このトナー及び現像剤の特性を実施例30と同様に測定すれば、表2に示した結果が得られる。
Figure 2006206834
実施例38
脱墨性試験
実施例34〜37、比較例2で得られる黒色トナー1〜5を用いて、黒白比6%の試験用画像を75g/m2の紙の表面に作像して試験紙を作成する。この試験紙を使って次の条件で評価用手抄シートを作成する。
(1)離解:以下の組成の水分散液を50℃で20分間ビーカー中で撹拌して離解する。
試験紙 5.0%
NaOH 0.7%
ケイ酸ナトリウム 3.0%
22 1.0%
脱墨剤(ライオン社製"リプトールS2800") 0.2%
(2)希釈・脱水・ニーダー処理:上の水分散液に水を加え5%に希釈した後、遠心脱水し、さらにパルプ20%、ケイ酸ナトリウム3.0%、NaOH0.5%となるようにパルプ、ケイ酸ナトリウム等を加えニーダーで離解する。
(3)熟成:ニーダー離解物を50℃で2時間熟成する。
(4)フローテーション:熟成物に水を加えパルプ濃度1%の分散液を作成し、分散液中に微細な気泡を7分間放出し、液中のトナーを気泡に吸着させて水面に浮上させ、トナーと水を分離する。
(5)洗浄:脱墨されたパルプ2.4gを水各1リットルにより2回洗浄する。試験用手抄シートの作成:タッピシートマシンにより手抄シート(坪量100g/m2)を作成する。
(6)脱墨性の評価:手抄シート9cm2中に存在するトナー個数を目視及び顕微鏡により100μm以上(目に見える大きさ)と60〜100μmの2種に分けて評価する。
上記試験により表3に示す結果が得られる。表中の数値は残存トナー数を表す。
Figure 2006206834
実施例39
生分解性試験
実施例30〜37、比較例1〜2で得られたマゼンタトナー1〜5、黒色トナー1〜5を厚さ約50μmのフィルム状に溶融成形し、土壌中に1カ月放置すれば、マゼンタトナー1〜4及び黒色トナー1〜4のフィルムはその形状が完全に消失している。これに対しマゼンタトナー5及び黒色トナー5のフィルムは形状がそのまま残っている。
実施例40
先ず、実施例40の画像形成方法に用いた画像形成装置について説明する。図2は、本発明の実施例及び比較例の画像形成方法を実行するための画像形成装置の断面の概略的説明図である。図2に示した感光体ドラム1は、基材1b上に有機光半導体を有する感光層1aを有し、矢印方向に回転するように構成されているが、感光体ドラム1に対向し、且つ該ドラムと接触回転している帯電部材である帯電ローラー2によって、その表面が約-600Vの表面電位に帯電されている。図2に示したように、帯電ローラー2は、芯金2bの上に導電性弾性層2aが被覆されて構成されている。
次に、表面が帯電された感光体ドラム1に向けて露光3されるが、その際、ポリゴンミラーにより感光体上にデジタル画像情報に応じてオン-オフさせることで、露光部電位が-100V、暗部電位が-600Vの静電荷像が形成される。続いて、この感光体ドラム1上の静電荷像は、複数の現像装置4-1、4-2、4-3、4-4を用いて反転現像されてに顕在化され、感光体ドラム1上トナー像が形成される。その際、現像剤として、実施例30〜37及び比較例1〜2で得た2成分系現像剤をそれぞれ用い、マゼンタトナーまたは黒色トナーでトナー画像を形成する。次に、感光体ドラム1上のトナー像は、感光体ドラム1と接触回転している中間の転写体5上に転写される。この結果、中間の転写体5上には、四色の色重ね顕色像が形成される。感光体ドラム1上に転写されずに残った転写残トナーは、クリーナー部材8によって、残トナー容器9内に回収される。
中間の転写体5は、図2に示したように、支持体としての芯金5bと、その上に積層された弾性層5aとで構成されている。本実施例においては、パイプ状の芯金5b上に、カーボンブラックを導電付与材料とし、ニトリル-ブタジエンラバー(NBR)中にこれを充分に分散させた弾性層5bがコーティングされた中間の転写体5を使用する。「JIS K-6301」に準拠して測定した弾性層5bの硬度は30度であり、体積抵抗値は、109Ω・cmである。感光体ドラム1から中間の転写体5への転写に必要な転写電流は約5μAであるが、これは、電源より+500Vを芯金5bに付与することで得られる。
中間の転写体5上に形成された四色のトナーの色重ね顕色像は、転写ローラー7によって、紙等の被転写材に転写され、その後、加熱定着装置Hによって定着されて固定される。転写ローラー7は、その外径の直径が10mmの芯金7b上に、カーボンを導電性付与材料として、エチレン-プロピレン-ジエン系三次元共重合体(EPDM)の発砲体中に該カーボンが充分な状態で分散したものがコーティングされた弾性層7aが形成されている。その体積固有抵抗値は、106Ω・cmであり、「JIS K-6301」に準拠して測定した硬度が35度の値を示すものを用いる。又、この転写ローラー7には電圧を印加して、15μAの転写電流を流す。
図2に示した装置では、加熱定着装置Hに、図5及び図6に示したようなオイル塗布機構のない熱ロール方式の定着装置を用いる。このとき、上部ローラー、下部ローラー共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用する。又、ローラーの直径は60nmである。定着の際の定着温度を160℃とし、ニップ幅を7mmに設定する。尚、クリーニングによって回収された感光体ドラム1上の転写残トナーは、リユース機構により現像器に搬送し再使用する。
以上の条件で、常温常湿(25℃、60%RH)及び、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、実施例30〜37のトナーを使用して作製した2成分系現像剤と、比較例1〜2のトナーを使用して作製した2成分系現像剤をそれぞれ使用し、逐次補給しながら、単色での間歇モード(即ち、一枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウト試験を行い、得られたプリントアウト画像を下記の項目について評価すれば表4にまとめて示した評価結果が得られる。
[プリントアウト画像評価]
(1)画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価する。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いる。

◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)。
(2)画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価した。具体的には、下記のような方法で評価する。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製REFLECTOMETER ODEL TC-6DS)を用いて測定したプリント後の白地部反射濃度の最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds-Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価する。

◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)。
(3)転写性
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、黒ベタ画像を所定枚数プリントアウトをし、プリント終了時の画像の画像抜け量を目視により観察し、下記の基準で評価する。

◎:非常に良好(殆ど発生せず)
○:良好(軽微)
△:実用可
×:実用不可。
また、5000枚画像出力を行ったときの感光ドラム及び中間転写体表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響(画像形成装置とのマッチング)を目視で評価すれば、いずれも、感光ドラム及び中間転写体表面の傷や、残留トナーの固着が全く確認できず、画像形成装置とのマッチングが非常に良好である。
Figure 2006206834
実施例41
実施例41の画像形成方法の実施にあたっては、現像剤として、実施例34〜37及び比較例2で得た黒色トナーをそれぞれ用いる。また、画像を形成する手段としては、図3に示したように、市販のレーザービームプリンターLBP-EX(キヤノン社製)にリユース機構を取り付けて改造し、再設定した画像形成装置を用いる。即ち、図3に示した画像形成装置では、転写後に感光体ドラム20上に残った未転写トナーを、該感光体ドラム20に当接しているクリーナー21の弾性ブレード22により掻き落とした後、クリーナーローラーによってクリーナー21内部へと送り、更にクリーナーリユース23を経て、搬送スクリューを設けた供給用パイプ24によってホッパー25を介して現像器26に戻し、再度、回収トナーを利用するシステムを取り付けられている。
図3に示した画像形成装置では、一次帯電ローラー27により、感光体ドラム20の表面の帯電がなされる。一次帯電ローラー27には、ナイロン樹脂で被覆された、導電性カーボンが分散されたゴムローラー(直径12mm、当接圧50gf/cm)を使用し、静電潜像担持体(感光体ドラム20)上に、レーザー露光(600dpi、不図示)により、暗部電位VD=-700V、明部電位VL=-200Vの静電潜像を形成する。トナー担持体として、その表面に、カーボンブラックが分散された樹脂がコートされている表面粗度Raが1.1を呈する現像スリーブ28を用いる。
図4に、実施例41で用いる一成分現像剤用の現像装置の要部の拡大断面図を示す。静電潜像を現像する条件としては、該現像スリーブ28の速度を、対向する感光ドラム20面の移動速度に対して1.1倍の速さになるように設定し、更に、感光ドラム20と現像スリーブ28との間隔α(S-D間)を270μmとする。トナーの層厚規制部材としては、ウレタンゴム製ブレード29を当接させて用いる。又、トナー画像を定着させる加熱定着装置の設定温度は160℃とする。なお、定着装置は、図5及び図6に示した定着装置を用いる。
以上のようにして、常温常湿(25℃、60%RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナーを逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモード)で、3万枚までプリントアウトを行い、得られるプリントアウト画像について画像濃度を測定し、その耐久について下記に示した基準で評価する。また、10,000枚目の画像を観察し、画像カブリについて下記の基準で評価する。また、同時に、耐久試験後における画像形成装置を構成している各装置の様子を観察し、各装置と上記の各トナーとのマッチングについても評価する。以上により表5に示した結果が得られる。
(1)耐久時の画像濃度推移
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリントアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像濃度維持の程度により評価する。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、評価に用いる。

◎:優(終了時の画像濃度が1.40以上)
○:良(終了時の画像濃度が1.35以上1.40未満)
△:可(終了時の画像濃度が1.00以上1.35未満)
×:不可(終了時の画像濃度が1.00未満)。
(2)画像カブリ
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価する。具体的には、下記のような方法で評価する。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製REFLECTOMETER ODEL TC-6DS)を用いて測定したプリント後の白地部反射濃度の最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、これらの値から(Ds-Dr)を求め、これをカブリ量とし、下記の基準で評価する。

◎:非常に良好(カブリ量が0%以上1.5%未満)
○:良好(カブリ量が1.5%以上3.0%未満)
△:実用可(カブリ量が3.0%以上5.0%未満)
×:実用不可(カブリ量が5.0%以上)。
(3)画像形成装置マッチング評価
1.現像スリーブとのマッチング
プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評価する。

◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可(固着があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、画像ムラを生じる)。
2.感光ドラムとのマッチング
感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価する。

◎:非常に良好(未発生)
○:良好(僅かに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
△:実用可(固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)。
3.定着装置とのマッチング
定着フィルム表面の様子を観察し、表面性及び残留トナーの固着状況の結果を総合平均化して、その耐久性を評価する。
[1]表面性
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の傷や削れの発生の様子を目視で観察し、評価する。

◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可。
[2]残留トナーの固着状況
プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留トナーの固着状況を目視で観察し、評価する。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好(殆ど発生せず)
△:実用可
×:実用不可
Figure 2006206834
実施例42
図3の画像形成装置のトナーリユース機構を取り外し、プリントアウト速度を16枚(A4サイズ)/分とした以外は実施例41と同様にし、実施例34の黒色トナー1を逐次補給しながら連続モード(即ち、現像器を休止させることなく、トナーの消費を促進させるモード)でプリントアウト試験を行った。得られたプリントアウト画像評価ならびに用いた画像評価装置とのマッチングを実施例41と同様の項目について評価した。その結果、いずれの項目についても良好な結果が得られた。
実施例43
5-フェニル吉草酸0.1%の代わりに、5-(4-フルオロフェニル)吉草酸0.1%を添加した培地を用いる以外は、実施例9と同様にしてPHAを製造すれば、3-ヒドロキシ-5-(メチルチオ)吉草酸ユニット10mol%及び3-ヒドロキシ-5-(4-フルオロフェニル)吉草酸ユニット85mol%を含むPHAが510mg得られた。
ここで得られたPHAより、実施例15と同様にしてPHAを製造すれば、前記化学式(38)によって示されるユニット11mol%及び3-ヒドロキシ-5-(4-フルオロフェニル)吉草酸ユニット85mol%を含むPHAが得られた。
実施例44
新規菌株(シュードモナス属・YN21株)の取得方法
ポリペプトン0.5%、フェニル吉草酸0.1%、ミネラル溶液0.3%、粉末寒天1.2%を含むM9培地をオートクレーブ滅菌し、50℃に冷却後、ナイルレッドを0.05%含有するDMSO溶液を0.1%添加し、滅菌シャーレに15mlずつ分注し、寒天を固化させて寒天培地を作製した。
なお、M9培地及びミネラル溶液の組成は以下に示す。
[M9培地]
Na2HPO4:6.2g、KH2PO4:3.0g、NaCl:0.5g、NH4Cl:1.0g(培地1リットル中、pH7.0)。
[ミネラル溶液]
ニトリロ三酢酸:1.5 g、MgSO4:3.0 g、MnSO4:0.5 g、NaCl:1.0 g、FeSO4:0.1 g、CaCl2:0.1 g、CoCl2:0.1 g、ZnSO4:0.1 g、CuSO4:0.1 g、AlK(SO4)2:0.1 g、H3BO3:0.1 g、Na2MoO4:0.1 g、NiCl2:0.1 g(1リットル中、pH7.0)。
次に野外から採取した土壌試料5gを10mlの滅菌蒸留水に添加し、1分間攪拌した。この土壌懸濁液0.5mlを4.5mlの滅菌水に添加・攪拌し、10倍希釈液を作製した。同様の操作を繰り返し、100倍希釈液、1000倍希釈液、10000倍希釈液を作製した。
10倍〜10000倍希釈液を先に作製した寒天培地に各0.1mlずつ分注し、寒天表面に均一になるように広げた。これを培養器に移し、30℃で5日間培養した。培養後、PHAを合成したと思われる赤色のコロニーのうち、形態の異なる株を分離した。こうして野生株を十数株取得した。
次にポリペプトン0.5%、グルコース0.5%、フェニル吉草酸0.1%、ミネラル溶液0.3%を含むM9培地(pH7.0)50mlに上記野生株を保存寒天培地のコロニーから植菌し、500ml容坂口フラスコにて30℃、125ストローク/分で振盪培養した。また上記培地をpH5.0、pH8.5にそれぞれ調整した培地に関しても同様に培養を行った。
72時間後、菌体を遠心分離により回収し、冷メタノールにて洗浄した後、真空乾燥した。
この乾燥菌体ペレットを酢酸エチル10mlに懸濁し、35℃で15時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径0.45μmのメンブラン・フィルターで濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液を冷メタノール中に加えて、PHAを再沈澱させ、沈澱物のみを回収して真空乾燥し、得られたPHAを秤量してポリマー乾燥重量(PDW)を求めた。得られたPHAのモノマーユニット比を、1H-NMR(FT-NMR:BrukerDPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種:1H;使用溶媒:CDCl3;reference:キャピラリ封入TMS/CDCl3;測定温度:室温)によって求めた。以上により得られたポリマー乾燥重量(PDW)及びモノマーユニット比を各野生株及び従来菌株に関して比較することで、PHA生産性に優れた本発明の菌株(シュードモナス属・YN21株)を取得した。
本発明のPHAの製造方法においては、3-ヒドロキシアルキルチオアルカン酸ユニットを含む新規なPHAが効率的に製造される。また、本発明のPHAは、機能性ポリマーとして有用なPHAであり、デバイス材料や医薬材料、バインダー樹脂等の各分野への応用が期待できる。
本発明によれば、3-ヒドロキシアルキルチオアルカン酸ユニットを含むPHAをバインダー樹脂として用いることにより、生分解可能で自然環境の保全等への寄与がより高く、また、従来実施されているアルカリを使用した脱墨プロセスでの脱墨を容易とすることで使用済み複写紙の再利用を促進し、かつトナーとしての諸特性、例えばキャリアスペント、カブリ、帯電安定性及び耐久性、保存安定性、粉砕性、コスト等、を満足し得るバインダー樹脂及び該バインダー樹脂を含んでなる静電荷像現像用トナー、さらには該トナーを使用する画像形成方法及び画像形成装置を提供することが可能となる。
実施例1で得られたPHAについて測定された1H-NMRスペクトルチャートを示す。 実施例15に用いた画像形成装置の概略的説明図である。 実施例16に用いたトナーのリユース機構を有する画像形成装置の概略的説明図である。 実施例16に用いた一成分現像剤用の現像装置の要部の断面図である。 本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分解斜視図である。 本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時のフィルム状態を示した要部の拡大断面図である。 トナーの帯電量を測定するブローオフ帯電量測定装置を示す模式図である。
符号の説明
1、20 感光体(静電潜像担持体)
2、27 帯電ローラー
3 露光
4、26 現像装置(4-1、4-2、4-3、4-4)
5 中間の転写体
6 被転写材
7 転写ローラー
13 感光体ドラム
11、28 現像剤担持体
30 ステー
31 加熱体
31a ヒーター基板
31b 発熱体
31c 表面保護層
31d 検温素子
32 定着フィルム
33 加熱ローラー
34 コイルばね
35 フィルム端部規制フランジ
36 給電コネクター
37 絶縁部材
38 入口ガイド
39 出口ガイド(分離ガイド)
43 スクリーン
45 真空計
47 吸引口
49 電位計

Claims (18)

  1. 下記化学式(1)〜(3)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート
    Figure 2006206834
    (a1及びa2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である(但し、上記化学式(1)ににおいて、a1=1で a2=2のユニット、a1=3で a2=2のユニット、a1=5で a2=2のユニットは、選択肢からは除外される);複数のユニットが存在する場合a1及びa2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (b1及びb2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合b1及びb2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (c1及びc2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合c1及びc2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)。
  2. 前記化学式(1)〜(3)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットに加えて、下記化学式(4)〜(12)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むことを特徴とする、請求項1に記載のポリヒドロキシアルカノエート
    Figure 2006206834
    (dは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合dはユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (eは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合eはユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (fは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;R6はフェニル構造或いはチエニル構造のいずれかの構造を有する残基を含んでいる;複数のユニットが存在する場合f及びR6はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (式中、R7はシクロヘキシル基への置換基を示し、R7はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、gは化学式中に示した範囲から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (式中、R8はシクロヘキシルオキシ基への置換基を示し、R8はH原子、CN基、NO2基、ハロゲン原子、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、hは化学式中に示した範囲から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (iは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (jは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;R10は、H原子、Na原子またはK原子である;複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (kは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (Lは化学式中に示した範囲内から選ばれた整数であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)。
  3. 式中、R6が化学式(13)〜(23)のいずれかで示される残基の少なくとも1種であって、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す、請求項2に記載のポリヒドロキシアルカノエート
    Figure 2006206834
    (式中、R13は芳香環への置換基を示し、R13はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'(R':H、Na、およびKのいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、CH=CH2基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合、ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (式中、R14は芳香環への置換基を示し、R14はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、SCH3基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (式中、R15は芳香環への置換基を示し、R15はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、CH3基、C25基、C37基、CF3基、C25基またはC37基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (式中、R16は芳香環への置換基を示し、R16はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'、SO2R"(R':H、Na、K、CH3、およびC25のいずれかを表し、R":OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、およびOC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (式中、R17は芳香環への置換基を示し、R17はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'、SO2R"(R':H、Na、K、CH3、およびC25のいずれかを表し、R":OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、およびOC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (式中、R18は芳香環への置換基を示し、R18はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'、SO2R"(R':H、Na、K、CH3、およびC25のいずれかを表し、R":OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、およびOC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (式中、R19は芳香環への置換基を示し、R19はH原子、ハロゲン原子、CN基、NO2基、COOR'、SO2R"(R':H、Na、K、CH3、およびC25のいずれかを表し、R":OH、ONa、OK、ハロゲン原子、OCH3、およびOC25のいずれかを表す)、CH3基、C25基、C37基、(CH3)2-CH基または(CH3)3-C基であり、複数のユニットが存在する場合ユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    Figure 2006206834
    Figure 2006206834
    Figure 2006206834
  4. 下記化学式(24)で示すアルカン酸の少なくとも1種を含む条件下で、化学式(24)で示すアルカン酸の少なくとも1種を原料として、下記化学式(1)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むポリヒドロキシアルカノエートを生産する能力を有する微生物により生合成させることを特徴とする、化学式(1)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法
    Figure 2006206834
    (a1'及びa2'は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である(但し、上記化学式(24)ににおいて、a1’=1で a2’=2のユニット、a1’=3で a2’=2のユニット、a1’=5で a2’=2のユニットは、選択肢からは除外される);複数のユニットが存在する場合a1'及びa2'はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (a1及びa2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である(但し、上記化学式(1)ににおいて、a1=1で a2=2のユニット、a1=3で a2=2のユニット、a1=5で a2=2のユニットは、選択肢からは除外される);複数のユニットが存在する場合a1及びa2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)。
  5. 前記微生物は、シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物が、シュードモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP-7375)、シュードモナス・チコリアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45;FERM BP-7374)、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseudomonas jessenii P161;FERM BP-7376)、シュードモナス属・YN21株(Pseudomonas sp.YN21;FERM BP-08569)からなる群から選択される微生物であることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. シュードモナス属・YN21株(Pseudomonas sp.YN21;FERM BP-08569)。
  8. 下記化学式(25)に示すユニットをポリマー分子中に少なくとも含むポリヒドロキシアルカノエートを原料として、少なくとも化学式(25)に示すユニットの酸化により、下記化学式(2)〜(3)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むポリヒドロキシアルカノエートを製造することを特徴とするポリヒドロキシアルカノエートの製造方法
    Figure 2006206834
    (a1及びa2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合a1及びa2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (b1及びb2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合b1及びb2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (c1及びc2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合c1及びc2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)。
  9. 該酸化方法として、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過ヨウ素酸塩、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、メタクロロ過安息香酸、過蟻酸、過酢酸からなる群より選択される一つ以上の選ばれる酸化剤を用いて、酸化処理を行う請求項8に記載の製造方法。
  10. 該酸化方法として、酸化剤として過マンガン酸塩を用いて、酸性条件下で酸化処理を行う請求項9に記載の製造方法。
  11. 該酸化方法として、オゾンを用いる請求項8に記載の製造方法。
  12. 樹脂系粉粒体を形成するバインダー樹脂において、少なくとも、下記化学式(25)、(2)、(3)に示すユニットからなる群から選ばれた少なくとも1種類のユニットをポリマー分子中に含むポリヒドロキシアルカノエートを含有してなることを特徴とするバインダー樹脂。
    Figure 2006206834
    (a1及びa2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合a1及びa2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (b1及びb2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合b1及びb2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)
    Figure 2006206834
    (c1及びc2は化学式中に示した範囲内から選ばれた整数である;複数のユニットが存在する場合c1及びc2はユニット毎に独立して上記の意味を表す)。
  13. 前記樹脂系粉粒体が静電荷像現像トナーである請求項12に記載のバインダー樹脂。
  14. 静電荷像現像トナーにおいて、請求項13で示されるバインダー樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  15. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、請求項14に記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
  16. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、請求項14に記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
  17. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写する転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、請求項14に記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置。
  18. 外部より帯電部材に電圧を印加して静電潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転写する第1の転写手段と、該中間の転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写手段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、請求項14に記載の静電荷像現像トナーを使用することを特徴とする画像形成装置。
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