JP2003012778A - 新規なポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、バインダー樹脂ならびにトナー;該トナーを用いた画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

新規なポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、バインダー樹脂ならびにトナー;該トナーを用いた画像形成方法および画像形成装置

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JP2003012778A
JP2003012778A JP2001180627A JP2001180627A JP2003012778A JP 2003012778 A JP2003012778 A JP 2003012778A JP 2001180627 A JP2001180627 A JP 2001180627A JP 2001180627 A JP2001180627 A JP 2001180627A JP 2003012778 A JP2003012778 A JP 2003012778A
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Japan
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image
toner
charge
electrostatic
acid
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Application number
JP2001180627A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Yano
哲哉 矢野
Takeshi Imamura
剛士 今村
Takashi Kenmoku
敬 見目
Etsuko Sugawa
悦子 須川
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 環境の保全等への寄与がより高く,かつ高性
能で分散性の改良された,静電荷像現像トナーに用いら
れる荷電制御剤を提供する。 【解決手段】 式(1)で表されるモノマーユニット組成
を有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなる
荷電制御剤,該荷電制御剤を含有してなるトナーバイン
ダー,該荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像トナー,
さらには該静電荷像現像トナーを用いた画像形成方法な
らびに画像形成装置。 AmB(1-m) (1) (ただし,Aは式(2)で表され,Bは式(3)あるいは(4)で表さ
れるモノマーユニットから選択される少なくとも1以上
であり,mは0.01以上,1以下である) (n:0〜10,kは3または5,Rは式(5)から(8)で表される基か
ら選択される少なくとも1以上の基である) (式(5)〜(8)中、R1〜R4は、水素原子(H)、ハロゲン原子、-C
N、-NO2、-CF3、-C2F5、-C3F 7 から選択される基であり、q,
r,s,tは、1〜8の整数から選択される)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法等を利用した記録方法に用いられる
荷電制御剤、トナーバインダー、静電荷像現像トナー、
及び該トナーを使用する画像形成方法に関する。特に
は、予め静電潜像担持体(以下、単に像担持体と呼ぶ)上
にトナー像を形成後、被転写材上に転写させて画像を形
成する、複写機、プリンター、ファックス等の電子写
真、静電記録、静電印刷に用いられる荷電制御剤、トナ
ーバインダー、静電荷像現像トナー及び画像形成方法に
関する。更に詳しくは、人体/環境に対してより安全性
の高い負帯電性の電荷制御剤、それを用いたトナーバイ
ンダー、静電荷像現像トナー、及び該トナーを使用する
画像形成方法ならびに画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般的には、光導電性物質を利用し、
種々の手段によって像担持体(感光体)上に電気的潜像を
形成し、次いで該潜像をトナーで現像して可視像とし、
必要に応じて紙等の被転写材にトナー像を転写した後、
熱及び/または圧力等により被転写材上にトナー画像を
定着して複写物を得るものである。電気的潜像を可視化
する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像
法、加圧現像方法等が知られている。更には、磁性トナ
ーと中心に磁極を配した回転現像スリーブを用いて、現
像スリーブ上から感光体上へと磁性トナーを磁界にて飛
翔させる方法も用いられている。
【0003】静電潜像を現像する際に用いられる現像方
式には、トナーとキャリアとからなる二成分系現像剤を
使用する二成分現像方式と、キャリアを使用しないトナ
ーのみからなる一成分系現像剤を用いる一成分現像方式
とがある。
【0004】ここで、一般にトナーと称される着色微粒
子は、バインダー樹脂と着色材とを必須成分とし、その
他必要に応じ磁性粉等から構成されている。トナーに電
荷を付与する方法としては、荷電制御剤を用いることな
くバインダー樹脂そのものの帯電特性を利用することも
できるが、それでは帯電の経時安定性、耐湿性が劣り良
好な画質を得ることが出来ない。従って通常トナーの電
荷保持、荷電制御の目的で荷電制御剤が加えられる。
【0005】今日、当該技術分野で知られている公知の
荷電制御剤としては、例えば、負摩擦帯電性としては、
アゾ染料金属錯体、芳香族ジカルボン酸の金属錯体、サ
リチル酸誘導体の金属錯体等がある。また、正荷電制御
剤としてはニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染
料、各種4級アンモニウム塩ジブチル錫オキサイド等の
有機スズ化合物等が知られているが、これらを荷電制御
剤として含有したトナーは、その組成によっては帯電
性、経時安定性等トナーに要求される品質特性を必ずし
も充分に満足させるものではない場合がある。
【0006】例えば負荷電制御剤として知られるアゾ染
料金属錯体を含有したトナーは、帯電量の高さについて
は一応の水準を有するものの、アゾ染料金属錯体は低分
子の結晶であるため、組み合わせるバインダー樹脂の種
類によっては分散性が劣る場合がある。その場合はバイ
ンダー樹脂中に負荷電制御剤が均一に分布せず、得られ
たトナーの帯電量分布も極めてシャープさに欠けるもの
であり、得られる画像は階調が低く画像形成能に劣るも
のである。更に、アゾ染料金属錯体は固有の色調をもつ
ため、黒を中心とした限定された色相のトナーにのみ使
用されているのが現状であり、カラートナーとして使用
する場合には、色調に対する要求性の高い画像を得るた
めに必要とされる着色剤の鮮明さを有しないという点が
大きな課題である。
【0007】また、無色に近い負荷電制御剤の例として
芳香族ジカルボン酸の金属錯体が挙げられるが、やはり
完全な無色ではないという点、及び低分子の結晶である
ゆえの低分散性が問題となる場合がある。
【0008】一方、正帯電制御剤として知られるニグロ
シン系染料や、トリフェニルメタン系染料は、それ自体
着色しているため、黒を中心とした限定された色相のト
ナーにのみ使用されているのが現状であり、また、トナ
ーの連続複写に対する経時安定性が良好でない場合があ
る。また、従来の4級アンモニウム塩は、トナー化した
場合耐湿性が不十分である場合があり、その場合は経時
安定性が劣り、繰り返し使用で良質な画像を与えない場
合がある。
【0009】また近年、環境保護の観点からも、廃棄物
の削減と廃棄物の安全性の向上が世界的に問題視されて
いる。このような問題は、電子写真の分野においても同
様である。すなわち、イメージング装置の広い普及にと
もない、印刷された用紙、使用済みの廃トナー、複写紙
の廃棄量が年ごとに増大しており、地球環境の保全の見
地から、そのような廃棄物の安全性も重要な課題であ
る。
【0010】このような点を考慮して高分子系の荷電制
御剤が検討されている。例えば、USP 4480021、US
P 4442189、USP 4925765、特開昭60-108861号公
報、特開昭61-3149号公報、特開昭38958号公報、特開昭
63-88564号公報などの化合物が挙げられるが、これらの
化合物は荷電制御剤としての十分な性能を有しておら
ず、帯電量、帯電の立ち上がり特性、経時安定性、環境
安定性等に課題がある。また機能面のみならず、人体お
よび環境に与える影響を考えた場合、合成に用いる化合
物や有機溶媒についても、より安全な化合物、より安全
かつ温和な合成プロセス、有機溶媒の使用量の低減等を
実現可能な荷電制御剤が強く望まれる。
【0011】環境保護の観点から、微生物等の作用によ
り経時的に分解可能な樹脂、すなわち、生分解性の樹脂
の開発が進められており、例えば、多くの微生物がポリ
エステル構造を有する生分解性樹脂(ポリヒドロキシア
ルカノエート:以下略記する場合はPHAと記載する)を
生産し、菌体内に蓄積することが報告されている(「生
分解性プラスチックハンドブック」、生分解性プラスチ
ック研究会編、(株)エヌ・ティー・エス発行、P178-19
7、1995)。このようなPHAは、その生産に用いる微生
物の種類や培地組成、培養条件等により、様々な組成や
構造のものとなり得ることが知られており、これまで主
に、物性の改良という観点から、産生されるPHAの組
成や構造の制御に関する研究がなされ、特に医用材料の
分野ではすでにかなりの実績がある。農業の分野でも、
マルチファイル、園芸資材等に、そして徐放性の農薬、
肥料等に生分解性樹脂が用いられている。レジャー産業
の分野でも、釣り糸、釣り用品、ゴルフ用品等に生分解
性樹脂が用いられている。しかしながら、プラスチック
としての幅広い応用を考えた場合、物性的に未だ十分で
あるとは言えないのが現状である。PHAの利用範囲を
さらに拡大していくためには、物性の改良をより幅広く
検討していくことが重要であり、そのためにはさらに多
様な構造のモノマーユニットを含むPHAの開発、探索
が必須である。一方、置換基を側鎖に導入したタイプの
PHAは、導入した置換基を所望とする特性等に応じて
選択することで、導入した置換基の特性等に起因する、
極めて有用な機能や特性を具備した「機能性ポリマー」
としての展開も期待できる。すなわち、そのような機能
性と生分解性とを両立可能であるような優れたPHAの
開発、探索もまた重要な課題である。
【0012】電子写真の分野においても、特にトナーの
製造においてバインダー樹脂への生分解性樹脂の応用が
提案されている。例えば、USP 5004664 には生分解
性樹脂、特にはポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉
草酸、これらの共重合体あるいはブレンド体をその組成
物としてなるトナーが開示されている。また、特開平6
-289644号公報には、少なくともバインダー樹脂が、植
物系ワックスと、生分解性樹脂(例えば、微生物生産の
ポリエステル、植物-または動物-由来の天然高分子材料
等)とを含有し、前記植物系ワックスが、前記バインダ
ー樹脂中に5〜50 質量%の量で添加されていることを
特徴とする、特に熱ロール定着用の電子写真用トナーが
開示されている。
【0013】また、特開平7-120975号公報には、乳酸
系樹脂をバインダー樹脂として含有することを特徴とす
る電子写真用トナーが開示されている。さらに、特開平
9-274335号公報には、乳酸及び3官能以上のオキシカ
ルボン酸を含有する組成物を脱水重縮合して得られたポ
リエステル樹脂及び着色剤を含有することを特徴とする
静電荷像現像用トナーが開示されている。
【0014】また、特開平8-262796号公報には、バイ
ンダー樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーであっ
て、前記バインダー樹脂が生分解性樹脂(例えば、脂肪
族ポリエステル樹脂等)よりなり、そして前記着色剤が
非水溶性色素よりなることを特徴とする電子写真用トナ
ーが開示されている。さらに、特開平9-281746号公報
には、ポリ乳酸を3官能以上の多価イソシアナートによ
り架橋して得られるウレタン化ポリエステル樹脂及び着
色剤を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー
が開示されている。
【0015】以上説明した電子写真用トナーのいずれに
ついても、そのバインダー樹脂として生分解性樹脂を使
用しており、環境の保全等に寄与する効果があると理解
される。
【0016】しかしながら、荷電制御剤に生分解性樹脂
を使用している例の報告は未だ知られておらず、環境の
保全等への寄与についてはさらなる向上の余地がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決すべく、機能面においては環境の保全等への寄与が
より高く、かつ高性能(高帯電量、帯電の立ち上がりが
早い、経時安定性に優れる、環境安定性が高い)で分散
性の改良された負帯電性の荷電制御剤、該荷電制御剤を
含有してなるトナーバインダー、該荷電制御剤を含有し
てなる静電荷像現像トナー、さらには該静電荷像現像ト
ナーを用いた画像形成方法ならびに画像形成装置を提供
するものである。
【0018】
【課題を解決する手段】本発明者らは、高性能でかつ、
実質的に無色である荷電制御剤を開発すべく鋭意検討し
たところ本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記
式(1)で表されるモノマーユニット組成を有するポリヒ
ドロキシアルカノエート(PHA)を含有してなる荷電制
御剤、該荷電制御剤を含有してなるトナーバインダー、
該荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像トナー、さら
には該静電荷像現像トナーを用いた画像形成方法ならび
に画像形成装置である。 Am(1-m) (1) (ただし、Aは下記式(2)で表されモノマーュニットか
ら選択された少なくとも1種であり、Bは下記式(3)及
び(4)で表されるモノマーユニットから選択される少な
くとも1種であり、mは 0.01 以上、1以下である)
【0019】
【化3】
【0020】(上記式中、nは0〜10 であり、kは3また
は5であり、Rは下記式(5)から(8)で表される基から
選択されるいずれかの基である。)
【0021】
【化4】
【0022】(式(5)中、R1は、水素原子(H)、ハロ
ゲン原子、-CN、-NO2、-CF3、-C25、-C37
から選択される基であり、qは、1〜8の整数から選択
される;式(6)中、R2は、水素原子(H)、ハロゲン原
子、-CN、-NO2、-CF3、-C 25、-C37から選
択される基であり、rは、1〜8の整数から選択される;
式(7)中、R3は、水素原子(H)、ハロゲン原子、-C
N、-NO2、-CF3、-C 25、-C37から選択される
基であり、sは、1〜8の整数から選択される;式(8)
中、R4は、水素原子(H)、ハロゲン原子、-CN、-N
2、-CF3、-C 25、-C37から選択される基であ
り、tは、1〜8の整数から選択される。)
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明者らは上記
目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、式(1)の組成
を有するPHAが荷電制御剤としてきわめて優れた特性
を有し、かつ、人体や環境に対する安全性が高いことを
見出し、さらには、該荷電制御剤を含有する静電荷像現
像用トナー及び該静電荷像現像用トナーを一定の現像シ
ステムを有する画像形成装置に使用した場合に著しい効
果があることを見出し本発明を完成した。
【0024】即ち、本発明は式(1)の組成を有するPH
Aを含有してなる荷電制御剤であり、更には該荷電制御
剤を含有してなる静電荷像現像用トナーである。更には
上記の静電荷像現像用トナーを、外部より帯電部材に電
圧を印加し、静電潜像担持体を均一に帯電させる帯電工
程と、静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像工程
と、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体を介し
て、または、介さずに被転写材へ転写する転写工程と、
被転写材上のトナー像を熱によって定着する加熱定着工
程とを有する画像形成方法であり、また該方法の各工程
に対応する各手段、すなわち帯電手段、現像手段、転写
手段、加熱定着手段を有する画像形成装置である。
【0025】ここで、式(1)組成を有するPHAは生分
解性樹脂としての基本骨格を有しており、安全性が高
く、人体や環境等に悪影響を及ぼさない効果が期待でき
る。式(1)の組成を有するPHAは、従来のプラスチッ
クと同様、溶融加工等により各種製品の生産に利用する
ことができるとともに、石油由来の合成高分子とは異な
り、生物により分解されうるという際立った特性を有し
ている。従って、廃棄した際、式(1)組成を有するPH
Aは生分解されることにより、自然界の物質循環に取り
込まれるので、従来利用されていた、多くの合成高分子
化合物のように自然環境に残留して汚染を引き起こすこ
とがない。また、クロム、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、鉄などの重金属を含まないため、従来の荷電制御剤
に比較しその安全性がきわめて高い。さらに、生分解処
理を行うことで、燃焼処理を行う必要もないため、大気
汚染や地球温暖化を防止するという観点でも有効な材料
であり、環境保全を可能とするプラスチックとして利用
することができる。
【0026】本発明の静電荷像現像用トナーに使用する
帯電制御剤として好適な、式(1)の組成を有するPHA
について具体的に説明する。本発明において使用する式
(1)の組成を有するPHAは、3-ヒドロキシアルカノ
エートをモノマー単位とするポリエステル樹脂であっ
て、置換基としてフェニル、フェノキシ、シクロヘキシ
ル、ベンゾイルの何れかの置換基を少なくとも1種類以
上含むものである。ここで、このような化合物を、微生
物を利用して生産した場合、PHAはR体のみからなる
アイソタクチックなポリマーであるが、物性/機能の両
面において本発明の目的を達成しうるならば、特にアイ
ソタクチックなポリマーである必要はなく、アタクチッ
クなポリマーについても利用することが可能である。ま
た、ラクトン化合物の開環重合などを利用した化学合成
法により式(1)の組成を有するPHAを得ることも可能
である。
【0027】本発明において重要なことは、式(5)〜
(8)で表される側鎖構造について、R1〜R4は水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、パーフルオロ
アルキル基からなる群から選ばれる1種以上の原子ある
いは官能基を選択することが可能な点である。ここで、
式(5)〜(8)で表される側鎖構造について、R1〜R4
をハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、パーフルオロア
ルキル基からなる群から選ばれる1種以上の電子吸引性
の原子あるいは官能基により置換された芳香環とするこ
とが、負帯電性をさらに向上させるためにはより好まし
い。
【0028】より具体的な電子吸引基としては、ハロゲ
ン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原
子)、ニトロ基、シアノ基、パーフルオロアルキル基(ト
リフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタ
フルオロプロピル基)が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、ハロゲン原子およびニトロ基、シアノ基、
トリフルオロメチル基であり、より好ましいものは、ハ
ロゲン原子およびニトロ基、シアノ基であり、さらに好
ましいものは、ハロゲン原子およびニトロ基であり、特
に好ましいものは塩素原子およびニトロ基である。ま
た、これらの原子あるいは官能基は、適宜組み合わせて
用いることも可能である。
【0029】また、これらの電子吸引性の原子あるいは
官能基の種類/組成比の選択により、帯電の立ち上がり
をコントロールすることが可能である。さらに、これら
の電子吸引性の原子あるいは官能基の種類/組成比の選
択により、環境依存性を少なくすることも可能である。
【0030】これらの電子吸引性の原子あるいは官能基
で置換する場合、その官能基を含むモノマーユニットは
ポリマー中に1mol%以上含まれていれば良く、その割
合は、置換する原子あるいは官能基の種類、望む帯電性
を考慮して選択すれば良いが、十分な帯電性を発揮する
ためには5mol%以上含まれていることがより好まし
い。また、置換ユニットの上限については、選択するバ
インダー樹脂の種類および式(1)の組成を有するPHA
において置換する原子あるいは官能基の種類を考慮すれ
ば良く、バインダー樹脂に対する相溶性を損なわない範
囲であれば良い。
【0031】ここで、式(1)の組成を有するPHAを微
生物を用いて生産する場合、PHAは式(2)で表される
モノマーユニットを複数種含み得るが、必要とするポリ
マーの機能性、物性などを考慮の上、適当数を含むよう
に設計すると良い。一般には、10種類程度までの式(2)
で表されるモノマーユニットを含むことで本発明の目的
を十分に達成することが期待できる。さらに、微妙な機
能性、物性の制御を望む場合、より多くのモノマーユニ
ットで構成することも可能である。
【0032】また、R1〜R4の置換位置については、
オルト、メタあるいはパラ位の何れにおいても対応する
モノマーユニットからなるポリヒドロキシアルカノエー
トを取得することが可能であるが、機能性、物性などが
何れの異性体においても大きな相違が無い場合、収率あ
るいはポリマー中への取り込まれ易さにおいてメタ位あ
るいはパラ位における置換体を好適に用い得る。
【0033】式(1)の組成を有するPHAはバインダー
樹脂に対する相溶性が良好であり、特にはポリエステル
系のバインダー樹脂に対する相溶性がきわめて良好であ
る。このため式(1)の組成を有するPHAを含有せしめ
たトナーは比帯電量が高く、その経時安定性も良好であ
ることから、トナーを長時間保存しても静電記録の画像
形成において安定して鮮明な画像を与え、また、無色の
負の帯電性能をもつため、黒色の負帯電トナーおよびカ
ラートナー何れについても製出することが出来る。さら
に、式(1)の組成を有するPHAを構成するモノマーユ
ニットの種類/組成比を適宜選択することにより、幅広
い相溶性の制御が可能である。ここで、荷電制御剤がト
ナーバインダー中でミクロ相分離構造をとるよう樹脂組
成を選択すると、トナーの電気的連続性が生じないため
安定に電荷を保持することが可能となる。また、式(1)
の組成を有するPHAは重金属を含まないため、懸濁重
合法や乳化重合法でトナーを作成する際には、含金属の
荷電制御剤で見られるような重金属による重合禁止作用
がないので、安定してトナーを製出することが出来る。
【0034】<PHAの例示とその製造方法について>
式(1)の組成を有するPHAを得る具体的方法としての
生合成は、式(2)〜(4)のモノマーユニの1種以上を含
むポリヒドロキシアルカノエートを対応するアルカン酸
から製造し得る微生物を、該対応するアルカン酸を含ん
だ培地中で培養することで可能となる。培養方法等につ
いては後述する。
【0035】例えば、下記式(10)で表される5-フェニ
ル吉草酸(PVA)から、下記式(9)で表される3-ヒド
ロキシ-5-フェニル吉草酸(3HPV)モノマーユニット
を含むポリヒドロキシアルカノエートを製造し得る微生
物を培養することにより、3HPVモノマーユニットを
含むポリヒドロキシアルカノエートを製造することが可
能である。
【0036】
【化5】
【0037】また、下記式(12)で表される5-(4-フル
オロフェニル)吉草酸(FPVA)から、下記式(11)で表
される3-ヒドロキシ-5-(4-フルオロフェニル)吉草酸
(3HFPV)モノマーユニットを含むポリヒドロキシア
ルカノエートを製造し得る微生物を培養することによ
り、3HFPVモノマーユニットを含むポリヒドロキシ
アルカノエートを製造することが可能である。
【0038】
【化6】
【0039】また、下記式(14)で表される5-(4-クロ
ロフェニル)吉草酸(ClPVA)から、下記式(13)で表さ
れる3-ヒドロキシ-5-(4-クロロフェニル)吉草酸(3
HClPV)モノマーユニットを含むポリヒドロキシアル
カノエートを製造し得る微生物を培養することにより、
3HClPVモノマーユニットを含むポリヒドロキシア
ルカノエートを製造することが可能である。
【0040】
【化7】
【0041】また、下記式(16)で表される5-(4-シア
ノフェニル)吉草酸(CNPVA)から、下記式(15)で表
される3-ヒドロキシ-5-(4-シアノフェニル)吉草酸
(3HCNPV)モノマーユニットを含むポリヒドロキシ
アルカノエートを製造し得る微生物を培養することによ
り、3HCNPVモノマーユニットを含むポリヒドロキ
シアルカノエートを製造することが可能である。
【0042】
【化8】
【0043】また、下記式(18)で表される5-(4-ニト
ロフェニル)吉草酸(NO2PVA)から、下記式(17)で表
される3-ヒドロキシ-5-(4-ニトロフェニル)吉草酸
(3HNO2PV)モノマーユニットを含むポリヒドロキ
シアルカノエートを製造し得る微生物を培養することに
より、3HNO2PVモノマーユニットを含むポリヒド
ロキシアルカノエートを製造することが可能である。
【0044】
【化9】
【0045】また、下記式(20)で表される5-(4-トリ
フルオロメチルフェニル)吉草酸(CF3PVA)から、下
記式(19)で表される3-ヒドロキシ-5-(4-トリフルオ
ロメチルフェニル)吉草酸(3HCF3PV)モノマーユニ
ットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造し得る
微生物を培養することにより、3HCF3PVモノマー
ユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造す
ることが可能である。
【0046】
【化10】
【0047】また、下記式(22)で表される4-フェノキ
シ酪酸(PxBA)から、下記式(21)で表される3-ヒドロ
キシ-4-フェノキシ酪酸(3HPxB)モノマーユニット
を含むポリヒドロキシアルカノエートを製造し得る微生
物を培養することにより、3HPxBモノマーユニット
を含むポリヒドロキシアルカノエートを製造することが
可能である。
【0048】
【化11】
【0049】また、下記式(24)で表される4-(4-フル
オロフェノキシ)酪酸(FPxBA)から、下記式(23)で表
される3-ヒドロキシ-4-(4-フルオロフェノキシ)酪酸
(3HFPxB)モノマーユニットを含むポリヒドロキシ
アルカノエートを製造し得る微生物を培養することによ
り、3HFPxBモノマーユニットを含むポリヒドロキ
シアルカノエートを製造することが可能である。
【0050】
【化12】
【0051】また、下記式(26)で表される4-(4-クロ
ロフェノキシ)酪酸(ClPxBA)から、下記式(25)で表
される3-ヒドロキシ-4-(4-クロロフェノキシ)酪酸
(3HClPxB)モノマーユニットを含むポリヒドロキシ
アルカノエートを製造し得る微生物を培養することによ
り、3HClPxBモノマーユニットを含むポリヒドロキ
シアルカノエートを製造することが可能である。
【0052】
【化13】
【0053】また、下記式(28)で表される4-(4-シア
ノフェノキシ)酪酸(CNPxBA)から、下記式(27)で表
される3-ヒドロキシ-4-(4-シアノフェノキシ)酪酸
(3HCNPxB)モノマーユニットを含むポリヒドロキ
シアルカノエートを製造し得る微生物を培養することに
より、3HCNPxBモノマーユニットを含むポリヒド
ロキシアルカノエートを製造することが可能である。
【0054】
【化14】
【0055】また、下記式(30)で表される4-(4-ニト
ロフェノキシ)酪酸(NO2PxBA)から、下記式(29)で
表される3-ヒドロキシ-4-(4-ニトロフェノキシ)酪酸
(3HNO2PxB)モノマーユニットを含むポリヒドロキ
シアルカノエートを製造し得る微生物を培養することに
より、3HNO2PxBモノマーユニットを含むポリヒド
ロキシアルカノエートを製造することが可能である。
【0056】
【化15】
【0057】また、下記式(32)で表される4-(4-トリ
フルオロメチルフェノキシ)酪酸(CF3PxBA)から、
下記式(31)で表される3-ヒドロキシ-4-(4-トリフル
オロメチルフェノキシ)酪酸(3HCF3PxB)モノマー
ユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造し
得る微生物を培養することにより、3HCF3PxBモノ
マーユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製
造することが可能である。
【0058】
【化16】
【0059】また、下記式(34)で表される4-シクロヘ
キシル酪酸(CHBA)から、下記式(33)で表される3-
ヒドロキシ-4-シクロヘキシル酪酸(3HCHB)モノマ
ーユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造
し得る微生物を培養することにより、3HCHBモノマ
ーユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造
することが可能である。
【0060】
【化17】
【0061】また、下記式(36)で表される4-(4-フル
オロシクロヘキシル)酪酸(FCHBA)から、下記式(3
5)で表される3-ヒドロキシ-4-(4-フルオロシクロヘ
キシル)酪酸(3HFCHB)モノマーユニットを含むポ
リヒドロキシアルカノエートを製造し得る微生物を培養
することにより、3HFCHBモノマーユニットを含む
ポリヒドロキシアルカノエートを製造することが可能で
ある。
【0062】
【化18】
【0063】また、下記式(38)で表される5-ベンゾイ
ル吉草酸(BzVA)から、下記式(37)で表される3-ヒ
ドロキシ-5-ベンゾイル吉草酸(3HBzV)モノマーユ
ニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造し得
る微生物を培養することにより、3HBzVモノマーユ
ニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造する
ことが可能である。
【0064】
【化19】
【0065】また、下記式(40)で表される5-(4-フル
オロベンゾイル)吉草酸(FBzVA)から、下記式(39)
で表される3-ヒドロキシ-5-(4-フルオロベンゾイル)
吉草酸(3HFBzV)モノマーユニットを含むポリヒド
ロキシアルカノエートを製造し得る微生物を培養するこ
とにより、3HFBzVモノマーユニットを含むポリヒ
ドロキシアルカノエートを製造することが可能である。
【0066】
【化20】
【0067】さらには、下記式(12)で表される5-(4-
フルオロフェニル)吉草酸(FPVA)および下記式(42)
で表される5-(4-フルオロフェノキシ)吉草酸(FPxV
A)から、下記式(11)で表される3-ヒドロキシ-5-(4-
フルオロフェニル)吉草酸(3HFPV)および下記式(4
1)で表される3-ヒドロキシ-5-(4-フルオロフェノキ
シ)吉草酸(3HFPxV)モノマーユニットを含むポリヒ
ドロキシアルカノエートを製造し得る微生物を培養する
ことにより、3HFPVおよび3HFPxVモノマーユ
ニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造する
ことが可能である。
【0068】
【化21】
【0069】
【化22】
【0070】以上で説明したように、本発明で使用する
式(1)の組成を有するPHAの具体例としては、下記表
1に例示する構造のものが挙げられるが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。表1に例示した各化合物
は、培養液に添加するモノマー化合物、培養液組成、微
生物培養条件等をコントロールすることにより、それぞ
れ好適に製造することが可能である。
【0071】
【表1】
【0072】より具体的な方法について、ここでは一般
的な事項について述べる。個別的には、実施例に述べ
る。
【0073】<微生物>本発明の方法で用いる微生物
は、化学式(2)〜(4)に示されるユニットを少なくとも
1種含むポリヒドロキシアルカノエートの生産を、対応
するアルカン酸を含む培地中で培養することにより行な
いうる微生物であれば如何なる微生物であってもよい
が、その一例としては、シュードモナス(Pseudomonas)
属に属する微生物が挙げられる。さらに詳しくは、シュ
ードモナス・チコリアイ YN2株(Pseudomonas cichor
ii YN2;FERM BP-7375)、シュードモナス・チ
コリアイ H45株(Pseudomonas cichorii H45、FER
M BP-7374)、シュードモナス・プチダ・P91株(Pseu
domonas putida P91、FERM BP-7373)、シュー
ドモナス・ジェッセニイ P161株(Pseudomonas jessen
ii P161、FERM BP-7376)が挙げられる。これら
4種の微生物は経済産業省生命工学工業技術研究所特許
微生物寄託センターに寄託されており、特願2000-
359789号に記載されている微生物である。なお、
これらの菌株以外のものでも、当該アルカノエートを基
質とした培養によって、例えば Pseudomonas 属に属す
る細菌のスクリーニングを行うことで、本発明のPHA
の製造方法に利用し得る微生物を得ることも可能であ
る。
【0074】以下にYN2株、H45株、P91株及びP161
株についての詳細を示す。
【0075】<YN2株の菌学的性質> (1)形態学的性質 細胞の形と大きさ :桿菌、0.8μm×1.5〜2.0μm 細胞の多形性 :なし 運動性 :あり 胞子形成 :なし グラム染色性 :陰性 コロニー形状 :円形、全縁なめらか、低凸状、表
層なめらか、光沢、半透明 (2)生理学的性質 カタラーゼ :陽性 オキシダーゼ :陽性 O/F試験 :酸化型(非発酵性) 硝酸塩の還元 :陰性 インドールの生成 :陽性 ブドウ糖酸性化 :陰性 アルギニンジヒドロラーゼ :陰性 ウレアーゼ :陰性 エスクリン加水分解 :陰性 ゼラチン加水分解 :陰性 β-ガラクトシダーゼ :陰性 King'sB寒天での蛍光色素産生:陽性 4%NaClでの生育 :陽性(弱い生育) ポリ-β-ヒドロキシ酪酸の蓄積 :陰性(*) Tween80の加水分解 :陽性 * nutrient agar培養コロニーをズダンブラックで染
色することで判定。 (3)基質資化能 ブドウ糖 :陽性 L-アラビノース :陽性 D-マンノース :陰性 D-マンニトール :陰性 N-アセチル-D-グルコサミン :陰性 マルトース :陰性 グルコン酸カリウム :陽性 n-カプリン酸 :陽性 アジピン酸 :陰性 dl-リンゴ酸 :陽性 クエン酸ナトリウム :陽性 酢酸フェニル :陽性 <H45株の菌学的性質> (1)形態学的性質 細胞の形と大きさ :桿菌、0.8μm×1.0〜1.2μm 細胞の多形性 :なし 運動性 :あり 胞子形成 :なし グラム染色性 :陰性 コロニー形状 :円形、全縁なめらか、低凸状、表
層なめらか、光沢、クリーム色 (2)生理学的性質 カタラーゼ :陽性 オキシダーゼ :陽性 O/F試験 :酸化型 硝酸塩の還元 :陰性 インドールの生成 :陰性 ブドウ糖酸性化 :陰性 アルギニンジヒドロラーゼ :陰性 ウレアーゼ :陰性 エスクリン加水分解 :陰性 ゼラチン加水分解 :陰性 β-ガラクトシダーゼ :陰性 King'sB寒天での蛍光色素産生:陽性 4%NaClでの生育 :陰性 ポリ-β-ヒドロキシ酪酸の蓄積 :陰性 (3)基質資化能 ブドウ糖 :陽性 L-アラビノース :陰性 D-マンノース :陽性 D-マンニトール :陽性 N-アセチル-D-グルコサミン :陽性 マルトース :陰性 グルコン酸カリウム :陽性 n-カプリン酸 :陽性 アジピン酸 :陰性 dl-リンゴ酸 :陽性 クエン酸ナトリウム :陽性 酢酸フェニル :陽性 <P91株の菌学的性質> (1)形態学的性質 細胞の形と大きさ :桿菌、0.6μm×1.5μm 細胞の多形性 :なし 運動性 :あり 胞子形成 :なし グラム染色性 :陰性 コロニー形状 :円形、全縁なめらか、低凸状、表
層なめらか、光沢、クリーム色 (2)生理学的性質 カタラーゼ :陽性 オキシダーゼ :陽性 O/F試験 :酸化型 硝酸塩の還元 :陰性 インドールの生成 :陰性 ブドウ糖酸性化 :陰性 アルギニンジヒドロラーゼ :陽性 ウレアーゼ :陰性 エスクリン加水分解 :陰性 ゼラチン加水分解 :陰性 β-ガラクトシダーゼ :陰性 King'sB寒天での蛍光色素産生:陽性 (3)基質資化能 ブドウ糖 :陽性 L-アラビノース :陰性 D-マンノース :陰性 D-マンニトール :陰性 N-アセチル-D-グルコサミン :陰性 マルトース :陰性 グルコン酸カリウム :陽性 n-カプリン酸 :陽性 アジピン酸 :陰性 dl-リンゴ酸 :陽性 クエン酸ナトリウム :陽性 酢酸フェニル :陽性 <P161株の菌学的性質> (1)形態学的性質 細胞の形と大きさ :球状、φ0.6μm 桿状、0.6μm×1.5〜2.0μm 細胞の多形性 :あり(伸長型) 運動性 :あり 胞子形成 :なし グラム染色性 :陰性 コロニー形状 :円形、全縁なめらか、低凸状、表
層なめらか、淡黄色 (2)生理学的性質 カタラーゼ :陽性 オキシダーゼ :陽性 O/F試験 :酸化型 硝酸塩の還元 :陽性 インドールの生成 :陰性 ブドウ糖酸性化 :陰性 アルギニンジヒドロラーゼ :陽性 ウレアーゼ :陰性 エスクリン加水分解 :陰性 ゼラチン加水分解 :陰性 β-ガラクトシダーゼ :陰性 King'sB寒天での蛍光色素産生:陽性 (3)基質資化能 ブドウ糖 :陽性 L-アラビノース :陽性 D-マンノース :陽性 D-マンニトール :陽性 N-アセチル-D-グルコサミン :陽性 マルトース :陰性 グルコン酸カリウム :陽性 n-カプリン酸 :陽性 アジピン酸 :陰性 dl-リンゴ酸 :陽性 クエン酸ナトリウム :陽性 酢酸フェニル :陽性 <培養基質>本発明の方法におけるアセチルCoAある
いはエネルギー源及び炭素源を効果的に供給し得る基質
としては、酵母エキスやポリペプトン、肉エキス(例え
ばビーフエキス)、カザミノ酸などの天然物由来の培地
用成分を用いることが可能であり、更に、糖類、TCA
回路中の中間体として生じる有機酸及びTCA回路から
一段階ないしは二段階の生化学反応を経て生じる有機酸
或いはその塩、アミノ酸或いはその塩など、β酸化系を
経ずにアセチルCoAあるいはエネルギー源及び炭素源
を供給し得る化合物であれば、いかなる化合物でも用い
る菌株に対する基質としての有用性で適宜選択すること
ができる。
【0076】また、目的とするバルキーなモノマーの割
合が低くてもよい場合は、炭素数4から12の直鎖アル
カン酸或いはその塩等を基質として用いてもよい。但し
この場合は直鎖で置換基のない単純なモノマー(以下mc
lと略する)の割合が高くなることに留意する必要があ
る。
【0077】これらのうち、糖類としては、グリセロア
ルデヒド、エリスロース、アラビノース、キシロース、
グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース
といったアルドース、グリセロール、エリスリトール、
キシリトール等のアルジトール、グルコン酸等のアルド
ン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸等のウロン酸、マ
ルトース、スクロース、ラクトースといった二糖等から
選ばれる1つ以上の化合物が好適に利用できる。
【0078】また、有機酸或いはその塩としては、ピル
ビン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、ケト
グルタル酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸など
がその例であり、或いはその塩から選ばれる1つ以上の
化合物が好適に利用できる。
【0079】また、アミノ酸或いはその塩としては、グ
ルタミン酸、アスパラギン酸或いはその塩から選ばれる
1つ以上の化合物が好適に利用できる。
【0080】これらの中では、ポリペプトンや糖類を用
いるのが好ましく、また糖類の中ではグルコース、フル
クトース、マンノースからなる群から選択される少なく
とも一つであることがより好ましい。これらの基質は通
常培地あたり 0.1%から5%(w/v)、更に好ましくは
0.2%から2%の割合で含有していることが望ましい。
【0081】<培養 一般>これらの微生物を、所望と
するモノマーユニット導入用のアルカノエートと増殖用
基質を含む培地で培養することで、目的とするPHAを
生産することができる。このようなPHAは、一般にR
-体のみから構成され、アイソタクチックなポリマーで
ある。
【0082】本発明のPHAの生産方法に用いる微生物
の通常の培養、例えば、保存菌株の作成、菌数や活性状
態の確保のための培養などには、微生物の生育や生存に
悪影響を及ぼすものでない限り、一般的な天然培地や栄
養源を添加した合成培地等、いかなる種類の培地をも用
いることができる。温度、通気、撹拌などの培養条件は
用いる微生物に応じて適宜選択する。
【0083】一方、微生物を用いてPHAを生産・蓄積
させる場合は、PHA生産用の培地として、所望とする
モノマーユニット導入用のアルカノエートを含む無機培
地などが用いられる。
【0084】上記の培養方法に用いる無機培地として
は、リン源(例えば、リン酸塩等)、窒素源(例えば、ア
ンモニウム塩、硝酸塩等)等、微生物が増殖し得る成分
を含んでいるものであればいかなるものでも良く、例え
ば無機塩培地としては、MSB培地、E培地(J.Biol.
Chem.,218,97-106(1956))、M9培地等を挙げるこ
とができる。
【0085】なお、本発明における実施例で用いるM9
培地の組成は以下の通りである。
【0086】 Na2HPO4: 6.2g KH2PO4 : 3.0g NaCl : 0.5g NH4Cl : 1.0g (培地1リットル中、pH7.0)培養条件としては、例え
ば 15〜40℃、好ましくは 20〜35℃で、好気条件下での
振盪培養や撹拌培養が挙げられる。
【0087】培養工程は、バッチ式、流動バッチ式、半
連続培養、連続培養、リアクター形式など、通常の微生
物の培養に用いるいかなる方法をも用いることができ、
これらの工程を複数段接続した多段方式を採用してもよ
い。
【0088】以下、本発明の増殖基質それぞれについ
て、具体的な培養工程を説明する。
【0089】<培養 mcl-アルカノエート>例えば、
2段階の培養工程を含む方法としては、1段階目では、
増殖用基質として、例えばオクタン酸やノナン酸等の炭
素数6〜12のアルカノエートを 0.1質量%から 0.2
質量%程度、及び、所望とするモノマーユニット導入用
のアルカノエートを 0.01 質量%から 0.5 質量%程度
含んだ無機培地等で対数増殖後期から定常期の時点まで
培養し、2段階目では、1段階目での培養終了後の菌体
を遠心分離等で回収したのち、当該アルカノエートを
0.01 質量%から 0.5 質量%程度含んだ、窒素源が存在
しない無機培地で更に培養し、培養終了後、菌体を回収
して所望のPHAを抽出する方法がある。
【0090】また、例えばオクタン酸やノナン酸等の炭
素数6〜12のアルカノエートを 0.1 質量%から 0.2
質量%程度、及び、所望とするモノマーユニット導入用
のアルカノエートを 0.01 質量%から 0.5 質量%程度
与えて培養し、対数増殖後期から定常期の時点で菌体を
回収して所望のPHAを抽出する方法もある。
【0091】ここで、これら増殖用基質として、mcl-
アルカノエートを培地に添加する方法では、取得される
PHAは、増殖用基質として添加したmcl-アルカノエ
ートに由来するモノマーユニットが多量に混在している
PHAとなっている。このようなPHAは、一般にR-
体のみから構成され、アイソタクチックなポリマーであ
る。
【0092】<培養、糖類>例えば、2段階の培養工程
を含む方法としては、1段階目では、増殖用基質として
糖類(例えばグルコース、マンノース、フルクトース等)
を 0.1 質量%から2.0 質量%程度、及び、所望とする
モノマーユニット導入用のアルカノエートを0.01 質量
%から 0.5 質量%程度含んだ無機培地等で対数増殖後
期から定常期の時点まで培養し、2段階目では、1段階
目での培養終了後の菌体を遠心分離等で回収したのち、
増殖用基質として糖類(例えばグルコース、マンノー
ス、フルクトース等)を 0.1 質量%から 2.0 質量%程
度、当該アルカノエートを 0.01質量%から 0.5 質量%
程度含んだ、窒素源が存在しない無機培地で更に培養
し、培養終了後、菌体を回収して所望のPHAを抽出す
る方法がある。
【0093】また、増殖用基質として糖類(例えばグル
コース、マンノース、フルクトース等)を 0.1 質量%か
ら 2.0 質量%程度、及び、所望とするモノマーユニッ
ト導入用のアルカノエートを 0.01 質量%から 0.5 質
量%程度与えて培養し、対数増殖後期から定常期の時点
で菌体を回収して所望のPHAを抽出する方法もある。
【0094】このように、培地に添加する糖類(例えば
グルコース、マンノース、フルクトース等)の濃度は、
所望とするモノマーユニット導入用のアルカノエートの
種類、微生物の属種、菌体密度、あるいは培養方法に応
じて適宜選択するものであるが、通常、培地中の含有率
を 0.1 質量%から 2.0 質量%程度に選択して、添加す
るとよい。一方、原料となる当該アルカノエートの濃度
も、微生物の属種、菌体密度、あるいは培養方法に応じ
て適宜選択するものであるが、通常、培地中の含有率を
0.01 質量%から 0.5 質量%程度に選択して、添加す
るとよい。このように、糖類(例えばグルコース、マン
ノース、フルクトース等)と当該アルカノエートとを含
む培地で微生物を培養することによって、目的外のモノ
マーユニットの混在が少ない、あるいは全くない、所望
のPHAが生産・蓄積される。このようなPHAは、一
般にR-体のみから構成され、アイソタクチックなポリ
マーである。
【0095】<培養 ポリペプトン>例えば、2段階の
培養工程を含む方法として、1段階目では、増殖用基質
としてポリペプトンを 0.1 質量%から 2.0 質量%程
度、及び、所望とするモノマーユニット導入用のアルカ
ノエートを 0.01 質量%から 0.5 質量%程度含んだ無
機培地等で対数増殖後期から定常期の時点まで培養し、
2段階目では、1段階目での培養終了後の菌体を遠心分
離等で回収したのち、当該アルカノエートを 0.01 質量
%から 0.5 質量%程度含んだ、窒素源が存在しない無
機培地で更に培養し、培養終了後、菌体を回収して所望
のPHAを抽出する方法がある。
【0096】また、ポリペプトンを 0.1 質量%から 2.
0 質量%程度、及び、所望とするモノマーユニット導入
用のアルカノエートを 0.01 質量%から 0.5 質量%程
度与えて培養し、対数増殖後期から定常期の時点で菌体
を回収して所望のPHAを抽出する方法もある。
【0097】このように、培地に添加するポリペプトン
濃度は、所望とするモノマーユニット導入用のアルカノ
エートの種類、微生物の属種、菌体密度、あるいは培養
方法に応じて適宜選択するものであるが、通常、培地中
の含有率を 0.1 質量%から2.0 質量%程度に選択し
て、添加するとよい。また、ポリペプトンは微生物の培
養などに汎用される市販のポリペプトン何れについても
好適に用いることが可能である。一方、原料となる当該
アルカノエートの濃度も、微生物の属種、菌体密度、あ
るいは培養方法に応じて適宜選択するものであるが、通
常、培地中の含有率を 0.01 質量%から 0.5 質量%程
度に選択して、添加するとよい。このように、ポリペプ
トンと当該アルカノエートとを含む培地で微生物を培養
することによって、目的外のモノマーユニットの混在が
少ない、あるいは全くない、所望のPHAが生産・蓄積
される。このようなPHAは、一般にR-体のみから構
成され、アイソタクチックなポリマーである。
【0098】<培養 TCAサイクルに関与する有機酸
>例えば、2段階の培養工程を含む方法として、1段階
目では、増殖用基質としてTCAサイクルに関与する有
機酸(例えば、乳酸、ピルビン酸、クエン酸、コハク
酸、フマル酸、リンゴ酸等及びその塩)を 0.1 質量%か
ら 2.0 質量%程度、及び、所望とするモノマーユニッ
ト導入用のアルカノエートを 0.01 質量%から 0.5 質
量%程度含んだ無機培地等で対数増殖後期から定常期の
時点まで培養し、2段階目では、1段階目での培養終了
後の菌体を遠心分離等で回収したのち、増殖用基質とし
てTCAサイクルに関与する有機酸(例えば、乳酸、ピ
ルビン酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸等
及びその塩)を 0.1 質量%から2.0 質量%程度、当該ア
ルカノエートを 0.01 質量%から 0.5 質量%程度含ん
だ、窒素源が存在しない無機培地で更に培養し、培養終
了後、菌体を回収して所望のPHAを抽出する方法があ
る。
【0099】また、TCAサイクルに関与する有機酸
(例えば、乳酸、ピルビン酸、クエン酸、コハク酸、フ
マル酸、リンゴ酸等及びその塩)を 0.1 質量%から 2.0
質量%程度、及び、所望とするモノマーユニット導入
用のアルカノエートを 0.01 質量%から 0.5 質量%程
度与えて培養し、対数増殖後期から定常期の時点で菌体
を回収して所望のPHAを抽出する方法もある。
【0100】このように、培地に添加するTCAサイク
ルに関与する有機酸(例えば、乳酸、ピルビン酸、クエ
ン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸等及びその塩)の
濃度は、所望とするモノマーユニット導入用のアルカノ
エートの種類、微生物の属種、菌体密度、あるいは培養
方法に応じて適宜選択するものであるが、通常、培地中
の含有率を 0.1 質量%から 2.0 質量%程度に選択し
て、添加するとよい。一方、原料となる当該アルカノエ
ートの濃度も、微生物の属種、菌体密度、あるいは培養
方法に応じて適宜選択するものであるが、通常、培地中
の含有率を 0.01質量%から 0.5 質量%程度に選択し
て、添加するとよい。このように、TCAサイクルに関
与する有機酸(例えば、乳酸、ピルビン酸、クエン酸、
コハク酸、フマル酸、リンゴ酸等及びその塩)と当該ア
ルカノエートとを含む培地で微生物を培養することによ
って、目的外のモノマーユニットの混在が少ない、ある
いは全くない、所望のPHAが生産・蓄積される。この
ようなPHAは、一般にR-体のみから構成され、アイ
ソタクチックなポリマーである。
【0101】<培養 ポリペプトン+ピルビン酸あるい
はその塩>例えば、2段階の培養工程を含む方法とし
て、1段階目では、増殖用基質としてポリペプトンを
0.1 質量%から 2.0 質量%程度、及び、所望とするモ
ノマーユニット導入用のアルカノエートを 0.01 質量%
から 0.5 質量%程度含んだ無機培地等で対数増殖後期
から定常期の時点まで培養し、2段階目では、1段階目
での培養終了後の菌体を遠心分離等で回収したのち、増
殖用基質としてピルビン酸あるいはその塩を 0.1 質量
%から 2.0 質量%程度、当該アルカノエートを 0.01
質量%から 0.5 質量%程度含んだ、窒素源が存在しな
い無機培地で更に培養し、培養終了後、菌体を回収して
所望のPHAを抽出する方法がある。
【0102】このように、培地に添加するポリペプトン
濃度及びピルビン酸あるいはその塩の濃度は、所望とす
るモノマーユニット導入用のアルカノエートの種類、微
生物の属種、菌体密度、あるいは培養方法に応じて適宜
選択するものであるが、通常、培地中の含有率を何れに
おいても 0.1 質量%から 2.0 質量%程度に選択して、
添加するとよい。一方、原料となる当該アルカノエート
の濃度も、微生物の属種、菌体密度、あるいは培養方法
に応じて適宜選択するものであるが、通常、培地中の含
有率を 0.01 質量%から 0.5 質量%程度に選択して、
添加するとよい。このように、ポリペプトンと当該アル
カノエートとを含む培地及びピルビン酸あるいはその塩
と当該アルカノエートとを含む培地の2段階で微生物を
培養することによって、目的外のモノマーユニットの混
在が少ない、あるいは全くない、所望のPHAが生産・
蓄積される。このようなPHAは、一般にR-体のみか
ら構成され、アイソタクチックなポリマーである。
【0103】<PHAの回収>本発明にかかる培養液か
らのPHAの取得には、通常行なわれている方法を適用
することができる。PHAが培養液中に分泌される場合
は、培養液からの抽出精製方法が、また、菌体に蓄積さ
れる場合は、菌体からの抽出精製方法が用いられる。例
えば、微生物の培養菌体からのPHAの回収には、通常
行なわれているクロロホルムなどの有機溶媒による抽出
が最も簡便ではあるが、クロロホルム以外にジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトンが
用いられる場合もある。また、有機溶媒が使用しにくい
環境中においては、SDS等の界面活性剤による処理、
リゾチーム等の酵素による処理、EDTA、次亜塩素酸
ナトリウム、過酸化水素、アンモニア等の薬剤による処
理によってPHA以外の菌体成分を除去して、菌体内成
分を除去することによってPHAのみを回収する方法を
採ることもできる。
【0104】なお、微生物の培養、微生物によるPHA
の生産と菌体内への蓄積、ならびに、菌体からのPHA
の回収は、上記の方法に限定されるものではない。例え
ば、本発明にかかるPHAの生産方法に利用される微生
物は上記の4種の菌株以外でも、これら4種の菌株と同
様の本発明にかかるPHA生産の生産能を有する微生物
を用いることができる。
【0105】<PHAのトナーへの添加>本発明におい
て、上記した化合物をトナーに含有させる方法として
は、トナーに内添する方法とトナーに外添する方法があ
る。内添する場合の添加量は、トナーの帯電性における
改良の度合いをより顕著とし、かつ経済的な観点を考慮
すると、トナーバインダーと該荷電制御剤の質量割合と
して、通常 0.1〜50 質量%、好ましくは0.3〜30質量
%、さらに好ましくは0.5〜20質量%の範囲で使用す
る。また、外添する場合には、トナーバインダーと該荷
電制御剤の質量割合は0.01〜5質量%とすることが好ま
しく、特に、メカノケミカル的にトナー表面に固着させ
るのが好ましい。更に、本発明で使用する式(1)の組成
を有するPHAは、公知の荷電制御剤と組み合わせて使
用することもできる。
【0106】式(1)の組成を有するPHAの数平均分子
量は、通常 5,000〜500,000 であり、好ましくは 10,00
0〜200,000 である。5,000 未満ではトナーバインダー
に完全相溶し不連続なドメインを形成しにくくなるため
に帯電量不足となるとともに、トナーの流動性に悪影響
を与え、また、500,000 を超えるとトナー中に分散させ
るのが困難となる場合がある。
【0107】本発明において、式(1)の組成を有するP
HAの分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)により測定した。具体的なGPCの測定
方法としては、予め式(1)の組成を有するPHAをクロ
ロホルムに溶解したサンプルを測定用に用い、標準ポリ
スチレン樹脂の検量線から分子量分布を求めた。また、
本発明においては、上記のようにして測定した重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)
が、1〜10 の範囲内にある式(1)の組成を有するPHA
化合物を使用することが好ましい。
【0108】本発明において、式(1)の組成を有するP
HAは20〜150℃、特に 40〜150℃の融点を持つか、ま
たは融点は持たないが 20〜150℃、特に 40〜150℃のガ
ラス転移点を持つことが好ましい。上記融点が 20℃未
満または融点を持たずガラス転移点が 20℃未満の場合
は、トナーの流動性や、保存性に悪影響を与えやすい。
また、融点が 150℃を超えるかまたは融点を持たずガラ
ス転移点が 150℃を超える場合は、荷電制御剤をトナー
中に混練することが困難になり、帯電量分布が広くなり
やすい。
【0109】この場合における融点Tmおよびガラス転
移点Tgの測定には、例えば、パーキンエルマー社製の
DSC-7のような高精度の内熱式入力補償型の示差走
査熱量計を用いて測定を行えばよい。
【0110】更に、本発明にかかる電荷制御剤には、式
(1)の組成を有するPHAの2種以上を組合わせて含
有させることもできる。
【0111】本発明のトナーバインダーおよび静電荷像
現像トナーにおいて、トナーバインダーと該荷電制御剤
の質量割合は、通常 0.1〜50 質量%、好ましくは 0.3
〜30質量%、さらに好ましくは 0.5〜20 質量%であ
る。本発明の静電荷像現像トナーの組成比は、トナー質
量に基づき、通常、前記荷電制御剤が 0.1〜50 質量
%、トナーバインダーが 20〜95 質量%、着色材料が0
〜15 質量%であり、必要により磁性粉(鉄、コバルト、
ニッケルなどの強磁性金属の粉末もしくはマグネタイ
ト、ヘマタイト、フェライトなどの化合物)を着色材料
としての機能を兼ねて 60 質量%以下含有していてもよ
い。さらに種々の添加剤(滑剤(ポリテトラフルオロエチ
レン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸、もしくはその
金属塩またはアミドなど)および他の荷電制御剤(含金属
アゾ染料、サリチル酸金属塩など)など)を含有させるこ
とができる。また、トナーの流動性改良のために疎水性
コロイダルシリカ微粉末等を用いることもできる。これ
ら添加剤の量はトナー質量に基づき通常 10 質量%以下
である。
【0112】本発明のトナーにおいては、トナーバイン
ダーの少なくとも一部が連続相を形成しており、荷電制
御剤の少なくとも一部が不連続なドメインを形成してい
ることが好ましい。不連続なドメインを形成せずにトナ
ーバインダー中に荷電制御剤が完全相溶する場合と比較
して、添加した荷電制御剤がトナー表面に露出しやすく
なり、少量の添加で効果を発現する。また、該ドメイン
の分散粒径は、好ましくは 0.01〜4μmであり、さら
に好ましくは 0.05〜2μmである。4μmを超えると
分散性が不充分であり、帯電量分布が広くなるととも
に、トナーの透明性が悪くなる問題が生じる。また、分
散粒径が 0.01μm未満では、不連続なドメインを形成
せずにトナーバインダー中に完全相溶する場合と同様で
あり、多量の荷電制御剤の添加が必要となる。前記荷電
制御剤の少なくとも一部が不連続なドメインを形成して
いること、およびその分散粒径は、透過型電子顕微鏡な
どでトナーの切片を観察することで確認できる。界面を
明瞭に観察するために、四酸化ルテニウム、四酸化オス
ミウムなどでトナー切片を染色した後に電子顕微鏡観察
をすることも有効である。
【0113】また、式(1)の組成を有するPHAが形成
する不連続なドメインの粒径を小さくする目的で、式
(1)の組成を有するPHAに対して相溶性を有しかつト
ナーバインダーに対しても相溶性を有する重合体を相溶
化剤として含有させることもできる。相溶化剤として
は、式(1)の組成を有するPHAの構成単量体と実質的
に同じ構造を有する単量体を 50 モル%以上含有する重
合体鎖と、トナーバインダーの構成単量体と実質的に同
じ構造を有する単量体を 50 モル%以上含有する重合体
鎖がグラフト状またはブロック状に結合した重合体など
が挙げられる。相溶化剤の使用量は式(1)の組成を有す
るPHAに対して、通常 30 質量%以下であり、好まし
くは1〜10 質量%である。
【0114】<他の構成材料>以下、本発明の静電荷像
現像用トナーを構成するその他の構成材料について説明
する。
【0115】(バインダー樹脂)先ず、バインダー樹脂と
しては、通常、トナーを製造する際に用いられているも
のであればいずれも使用することができ、特に限定され
ない。また、本発明の荷電制御剤は、トナーとする前に
バインダー樹脂とあらかじめ混合し、荷電制御能をもつ
本発明のトナーバインダー組成物として用いることがで
きる。例えば、バインダー樹脂としては、スチレン系ポ
リマー、ポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリマ
ー、ポリオレフィン系ポリマーおよびポリウレタン系ポ
リマーなどが挙げられ、単独または混合して使用するこ
とができる。
【0116】スチレン系ポリマーとしては、スチレンと
(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体およびこれらと
共重合可能な他の単量体の共重合体、スチレンとジエン
系単量体(ブタジエン、イソプレンなど)との共重合体お
よびこれらと共重合可能な他の単量体の共重合体などが
挙げられる。ポリエステル系ポリマーとしては芳香族ジ
カルボン酸と芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付
加物との重縮合物などが挙げられる。エポキシ系ポリマ
ーとしては芳香族ジオールとエピクロルヒドリンとの反
応物およびこれの変性物などが挙げられる。ポリオレフ
ィン系ポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン
およびこれらと他の共重合可能な単量体との共重合体鎖
などが挙げられる。ポリウレタン系ポリマーとしては芳
香族ジイソシアネートと芳香族ジオールのアルキレンオ
キサイド付加物との重付加物などが挙げられる。
【0117】本発明において用いられるバインダー樹脂
の具体例としては、以下に挙げる重合性単量体の重合
体、または、これらの混合物、或いは、以下に挙げる重
合性単量体を2種類以上使用して得られる共重合生成物
が挙げられる。このようなものとしては、具体的には、
例えば、スチレン-アクリル酸共重合体、或いはスチレ
ン-メタクリル酸系共重合体などのスチレン系ポリマ
ー、さらにはポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリ
マー、ポリオレフィン系ポリマーおよびポリウレタン系
ポリマー等が挙げられ、好ましく使用できる。
【0118】重合性単量体の具体例としては、例えば、
スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-
メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチ
レン、p-クロルスチレン、3,4-ジクロルスチレン、p-
エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチル
スチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチ
レン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-
n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレンの如きスチレ
ン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、
イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;
ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化
ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化
ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ
酸ビニルの如きビニルエステル酸;メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリ
ル酸n-オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
2-エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα-メチレン
脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-オクチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2-エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2-クロルエチ
ル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメ
チルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペ
ニルケトンの如きビニルケトン類;N-ビニルピロー
ル、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルインドール、N
-ビニルピロリドンの如きN-ビニル化合物;ビニルナフ
タリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘
導体;前述のα,β-不飽和酸のエステル、二塩基酸のジ
エステル類;マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン
酸ブチル、マレイン酸ジメチル、フタル酸、コハク酸、
テレフタル酸などのジカルボン酸類;エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1、2ープロピレングリコール、1、3ープロピレング
リコール、1、4ーブタンジオール、1、6ーヘキサン
ジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール
A、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA等のポリオ
ール化合物;p-フェニレンジイソシアネート、p-キシリ
レンジイソシアネート、1、4ーテトラメチレンジイソ
シアネート等のイソシアネート類;エチルアミン、ブチ
ルアミン、エチレンジアミン、1、4ージアミノベンゼ
ン、1、4ージアミノブタン、モノエタノールアミン等
のアミン類;ジグリシジルエーテル、エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジル
エーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等のエ
ポキシ化合物等が挙げられる。
【0119】(架橋剤)本発明において使用するバインダ
ー樹脂を形成する場合、必要に応じて下記に挙げるよう
な架橋剤を用いることもできる。例えば、2官能の架橋
剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4-アクリロキシポ
リエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジ
アクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレー
ト、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペン
タンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#4
00、#600 の各ジアクリレート、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリ
レート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日
本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに
変えたもの等が挙げられる。
【0120】2官能以上の多官能の架橋剤としては、例
えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメ
チロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメ
タクリレート、2,2-ビス(4-メタクリロキシ、ポリエ
トキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルアソシアヌレート、ト
リアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテー
ト、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
【0121】(重合開始剤)また、本発明において使用す
るバインダー樹脂を形成する場合には、下記に挙げるよ
うな重合開始剤を必要に応じて用いることができる。例
えば、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、
クミンパーピバレート、t-ブチルパーオキシラウレー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパー
オキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、2,2'-アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,
2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'
-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリ
ル)、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメ
チルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)
シクロヘキサン、1,4-ビス(t-ブチルパーオキシカル
ボニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)オクタン、n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)バリレート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタ
ン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシ-イソプロピル)ベ
ンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパー
オキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルジパーオキシイソ
フタレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシ
シクロヘキシル)プロパン、ジ-t-ブチルパーオキシα-
メチルサクシネート、ジ-t-ブチルパーオキシジメチル
グルタレート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテ
レフタレート、ジ-t-ブチルパーオキシアゼラート、2,
5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジエチレングリコール-ビス(t-ブチルパーオキシカーボ
ネート)、ジ-t-ブチルパーオキシトリメチルアジペー
ト、トリス(t-ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルト
リス(t-ブチルパーオキシ)シラン等が挙げられる。これ
らが単独或いは併用して使用できる。その使用量はモノ
マー 100 質量部に対し、0.05 質量部以上(好ましくは
0.1〜15 質量部)の濃度で用いられる。
【0122】(他の生分解性プラスチック)さらに本発明
においては、生分解性プラスチックについても好ましく
使用できる。生分解性プラスチックとしては、「エコス
ター」「エコスタープラス」(萩原工業)「バイオポー
ル」(アイ・シー・アイ・ジャパン)「アジコート」(味
の素)「プラクセル」「ポリカプロラクトン」(ダイセル
化学)「ショーレックス」「ビオノーレ」(昭和電工)
「ラクティ」(島津製作所)「レイシア」(三井化学)等が
挙げられる。
【0123】これらのバインダー樹脂と本発明の荷電制
御剤の組合せは、バインダー樹脂の高分子の構造と荷電
制御剤のポリマー鎖の高分子構造とができるだけ類似し
ていることが好ましい。バインダー樹脂の高分子構造と
荷電制御剤のポリマー鎖の高分子構造が大きく異なると
バインダー樹脂中への荷電制御剤の分散が不十分になり
やすい。
【0124】本発明の荷電制御剤をバインダー樹脂に内
添する質量割合は、通常 0.1〜50質量%、好ましくは
0.3〜30 質量%、さらに好ましくは、0.5〜20 質量%で
ある。ここで、内添する荷電制御剤の質量割合が 0.1
質量%未満であると、帯電量が低く、50 質量%を超え
るとトナーの帯電安定性が悪くなる。
【0125】<着色剤>本発明の静電荷像現像用トナー
を構成する着色剤としては、通常、トナーを製造する際
に用いられているものであればいずれも使用でき、特に
限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、
チタンホワイト、その他あらゆる顔料及び/または染料
を用いることができる。
【0126】例えば、本発明の静電荷像現像用トナーを
磁性カラートナーとして使用する場合には、着色剤とし
ては、例えば、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレ
クトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシッ
クレッド1、C.I.モーダントレッド 30、C.I.ダイレ
クトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッ
ドブルー9、C.I.アシッドブルー 15、C.I.ベーシッ
クブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダン
トブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシ
ックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等があ
る。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラ
ルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイ
エローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローN
CG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレ
ンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレン
ジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマ
ネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、
エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン
紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレー
キ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビ
クトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファー
ストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロム
グリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカ
イトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等
を使用することができる。
【0127】また、本発明の静電荷像現像用トナーを二
成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、着色
剤として次の様なものを使用することができる。例え
ば、マゼンタ色トナー用の着色顔料としては、C.I.ピ
グメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、
10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、2
3、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、5
1、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、8
3、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、2
06、207、209、C.I.ピグメントバイオレット 19、C.
I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35 等が
挙げられる。
【0128】本発明においては、上記に挙げた顔料を単
独で使用しても構わないが、染料と顔料とを併用して、
その鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点
からより好ましい。その場合に使用し得るマゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、2
4、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、
C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレ
ット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、
9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、3
2、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイ
オレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28
等の塩基性染料が挙げられる。
【0129】その他の着色顔料としては、シアン用着色
顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、1
6、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー 4
5、または、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル
基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げら
れる。
【0130】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、
12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、C.I.バッ
トイエロー1、3、20 等が挙げられる。
【0131】上記したような染料及び顔料は、単独で使
用してもよく、さもなければ、所望とするトナーの色調
を得るために任意に混合して使用してもよい。なお、環
境保全や人体に対する安全性などを考慮した場合には、
各種の食用色素を好適に使用できる。上記したような着
色剤のトナー中の含有量は、所望とする着色効果などに
応じて広く変更することが可能である。通常、最も良好
なトナー特性を得るため、すなわち、印字の着色力、ト
ナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、
これらの着色剤は、通常、バインダー樹脂 100 質量部
に対して、0.1〜60 質量部好ましくは 0.5〜20 質量部
程度の割合で使用される。
【0132】<トナーの他の成分>本発明の静電荷像現
像用トナー中には、上記したバインダー樹脂及び着色剤
成分の他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で
(バインダー樹脂成分の含有量より少ない割合で)以下の
化合物を含有させてもよい。例えば、シリコーン樹脂、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹
脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テル
ペン樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレンまた
は低分子量ポリプロピレンの如き脂肪族または脂環族炭
化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、及び、塩素化パラフィ
ン、パラフィンワックス等である。これらの中でも好ま
しく用いられるワックス類としては、具体的には、低分
子量ポリプロピレン及びこの副生成物、低分子量ポリエ
ステル及びエステル系ワックス、脂肪族の誘導体が挙げ
られる。これらのワックスから、種々の方法によりワッ
クスを分子量により分別したワックスも本発明に好まし
く用いられる。また、分別後に酸価やブロック共重合、
グラフト変性を行ってもよい。
【0133】特に、本発明の静電荷像現像用トナーにお
いては、上記したようなワックス成分を含み、しかも透
過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断層観察を行
なった場合に、これらのワックス成分が、バインダー樹
脂中に実質的に球状及び/または紡錘形の島状に分散さ
れている場合に優れた特性のトナーとなる。
【0134】<トナーの作成方法>上記のような構成を
有する本発明の静電荷像現像用トナーを作製する具体的
な方法としては、従来公知の方法をいずれも用いること
ができる。本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば、
下記の工程によってトナーを得る、所謂粉砕法によって
作製できる。即ち、具体的には、先に説明した式(1)の
組成を有するPHAと、バインダー樹脂等の樹脂類、そ
の他、必要に応じて添加されるワックスを、ヘンシェル
ミキサー、ボールミル等の混合器により充分混合してか
ら、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱
混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに相溶せし
めた中に、着色剤としての顔料、染料、または磁性体、
必要に応じて添加される金属化合物等の添加剤を分散ま
たは溶解せしめ、冷却固化後、ジェットミル、ボールミ
ル等の粉砕機により固化物を粉砕した後、分級を行って
所望の粒径を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得
ることができる。尚、上記分級工程においては、生産効
率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0135】また、バインダー樹脂と式(1)の組成を有
するPHAを溶剤(トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素、クロロホルム、エチレンジクロライドなどのハ
ロゲン化物、アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ンおよびジメチルホルムアミドなどのアミドなど)を用
い、溶液混合し、攪拌処理後、水中に投じて再沈澱せし
め、濾過、乾燥後、ジェットミル、ボールミル等の粉砕
機により固化物を粉砕した後、分級を行って所望の粒径
を有する本発明の静電荷像現像用トナーを得ることもで
きる。尚、上記分級工程においては、生産効率上、多分
割分級機を用いることが好ましい。
【0136】また、本発明の静電荷像現像用トナーは、
下記のような所謂重合法によって作製することもでき
る。即ち、この場合には、式(1)の組成を有するPHA
と、重合性単量体、着色剤としての顔料、染料、または
磁性体、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤、ワック
ス、その他の添加剤等の材料を混合分散し、界面活性剤
等の存在下、水系分散媒体中で懸濁重合することにより
重合性着色樹脂粒子を合成し、得られた粒子を固液分離
した後、乾燥し、必要に応じて分級を行って本発明の静
電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0137】さらには、荷電制御剤を含まない着色微粒
子を上記方法により調製し、次いで式(1)の組成を有す
るPHAを単独もしくはコロイダルシリカ等の外添剤と
供にメカノケミカル的な方法等により粒子表面に固着添
加することも出来る。
【0138】(シリカ外添剤)本発明においては、上記の
ような方法によって作製されたトナーに、帯電安定性、
現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を外
添することが好ましい。この際に用いられるシリカ微粉
末としては、BET法で測定した窒素吸着による比表面
積が 20m2/g以上(特に 30〜400m2/g)の範囲内のもの
が良好な結果を与える。この場合のシリカ微粉末の量と
しては、トナー粒子 100 質量部に対して、シリカ微粉
体を 0.01〜8質量部、好ましくは 0.1〜5質量部程度
使用することが好ましい。この際に使用するシリカ微粉
末としては、必要に応じて、疎水化及び帯電性コントロ
ールの目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーン
ワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイ
ル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカッ
プリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で
処理されたものを使用することが好ましい。これらの処
理剤は混合して使用してもよい。
【0139】(無機粉体)また、トナーの現像性及び耐久
性を向上させるために、次に挙げるような無機粉体を添
加することも好ましい。例えば、マグネシウム、亜鉛、
アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウ
ム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモ
ンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸
マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属
酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アル
ミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパ
タイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の
如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの
如き炭素粉末が挙げられる。これらの中でも、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガ
ン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムの
微粉体を使用することが好ましい。
【0140】(滑剤)更に、下記に挙げるような滑剤粉末
をトナーに添加してもよい。例えば、テフロン(登録商
標)、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化
カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き
脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘
導体;硫化モリブデン等が挙げられる。
【0141】<キャリアについて>上記のような構成を
有する本発明の静電荷像現像用トナーは、単独で非磁性
一成分現像剤として使用されたり、磁性キャリアととも
に磁性二成分現像剤を構成したりする非磁性トナーや、
単独で磁性一成分トナーとして使用される磁性トナー等
の、従来公知の種々のトナーに適用することができる。
ここで二成分現像方法に用いる場合のキャリアとして
は、従来知られているものをいずれも使用することがで
きる。具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケ
ル、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属及
びそれらの合金または酸化物で形成される平均粒径 20
〜300μmの粒子を、キャリア粒子として使用できる。
また、本発明において用いるキャリアは、上記したキャ
リア粒子の表面が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、
シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂の
如き物質によって付着または被覆されているものである
ことが好ましい。
【0142】<磁性トナー>本発明の静電荷像現像用ト
ナーは、磁性材料をトナー粒子中ら含有させ磁性トナー
としてもよい。この場合には、磁性材料に、着色剤の役
割を兼ねさせることもできる。この際に使用される磁性
材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト
の如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或
いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、
マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、
ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレ
ン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属と
の合金及びその混合物が挙げられる。本発明において用
いることのできるこれらの磁性材料としては、平均粒子
径が2μm以下、好ましくは 0.1〜0.5μm程度のもの
が好ましい。トナー中に含有させる量としては、バイン
ダー樹脂 100 質量部に対し 20〜200 質量部、特に好ま
しくは、バインダー樹脂 100 質量部に対して 40〜150
質量部とすることが好ましい。
【0143】更に、高画質化を達成するためには、より
微小な潜像ドットを忠実に現像することを可能にする必
要があり、そのためには、例えば、本発明の静電荷像現
像用トナー粒子の重量平均径が4μm〜9μmの範囲内
となるように調整することが好ましい。即ち、重量平均
径が4μm未満のトナー粒子では、転写効率の低下が生
じ、感光体上に転写残トナーが多く残り易く、カブリ・
転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり易く、
好ましくない。また、トナー粒子の重量平均径が9μm
を超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じ
易い。
【0144】本発明において、トナーの平均粒径及び粒
度分布は、コールターカウンターTA-II型或いはコー
ルターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数
分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)
及びPC-9801 パーソナルコンピューター(NEC製)を
接続して測定した。その際に使用する電解液として、1
級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。電解液としては、例えば、市販のISOTON R-
II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使
用することもできる。具体的な測定法としては、上記電
解水溶液 100〜150mL中に、分散剤として界面活性剤
(好ましくは、アルキルベンゼンスルフォン酸塩を使用
する)を 0.1〜5mL加え、更に、測定試料を2〜20mg
加えて測定用試料とする。測定の際には、この測定試料
が懸濁された電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散
処理を行った後、前記コールターカウンターTA-II型
によりアパーチャーとして 100μmアパーチャーを用い
て、2μm以上のトナーの体積、個数を測定し、体積分
布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる
体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個
数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求め
た。
【0145】<帯電量>また、本発明の静電荷像現像用
トナーは、単位質量あたりの帯電量(二成分法)が -10〜
-80μC/g、より好ましくは -15〜 -70μC/g である
ことが、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法にお
いて転写効率を向上させる上で好ましい。
【0146】本発明において使用した二成分法による帯
電量(二成分トリボ)の測定法を以下に示す。測定には、
図7に示した帯電量測定装置を使用した。先ず、一定環
境下、キャリアとしてEFV 200/300(パウダーテック
社製)を用い、該キャリア 9.5g に対して、測定対象の
トナー 0.5g を加えた混合物を、50〜100mL容量のポリ
エチレン製の瓶に入れ、振幅を一定にした振とう機に設
置して、振とう条件を、振幅 100mm、振とう速度1分
間 100 回往復に設定し、一定時間振とうする。次い
で、図7に示した帯電量測定装置の、底に 500 メッシ
ュのスクリーン 43のある金属製の測定容器 42 に、前
記混合物 1.0〜1.2g を入れて、金属製のフタ44 をす
る。この時の測定容器 42 全体の質量をはかりW1(g)
とする。次に、不図示の吸引機(測定容器 22 と接する
部分は少なくとも絶縁体)で吸引口 47から吸引し、風量
調節弁 46 を調節して真空計 45 の圧力が 2450Pa(250
mmAq)になるようにする。この状態で一分間吸引を行
って、トナーを吸引除去する。この時の電位計 49 の電
位をV(ボルト)とする。ここで 48 はコンデンサーであ
り容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の
質量をはかりW2(g)とする。トナーの摩擦帯電量(μC
/g)は、これらの測定値から、下記式によって計算され
る。 計算式:摩擦帯電量(μC/g)=C×V/(W1-W2) <バインダー樹脂の分子量分布>また、本発明の静電荷
像現像用トナーの構成材料に用いられるバインダー樹脂
としては、特に、粉砕法で作製した場合に、GPCによ
る分子量分布において、低分子量領域におけるピークが
3,000〜15,000 の範囲にあるようにすることが好まし
い。即ち、低分子量領域におけるGPCピークが 15,00
0 を超えると、転写効率の向上が充分なものが得られ難
くなる場合がある。また、低分子量領域におけるGPC
ピークが 3000 未満のバインダー樹脂を用いると、表面
処理時に融着を生じ易くなるので、好ましくない。
【0147】本発明において、バインダー樹脂の分子量
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)
により測定した。具体的なGPCの測定方法としては、
予めトナーをTHF(テトラヒドロフラン)溶剤でソック
スレー抽出器を用いて 20時間抽出を行ったサンプルを
測定用に用い、カラム構成は、昭和電工製A-801、80
2、803、804、805、806、807 を連結し標準ポリスチレ
ン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定した。また、本
発明においては、上記のようにして測定した重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)
が、2〜100 の範囲内にあるバインダー樹脂を使用する
ことが好ましい。
【0148】<トナーのガラス転移点>更に、本発明の
トナーは、適宜な材料を用いることによって、定着性、
保存性の観点から、そのガラス転移点Tgが、40℃〜75
℃、更に好ましくは、52℃〜70℃となるように調製され
ることが好ましい。この場合におけるガラス転移点Tg
の測定には、例えば、パーキンエルマー社製のDSC-
7のような高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計
を用いて測定を行えばよい。測定方法としては、AST
M D 3418-82 に準じて行う。本発明においては、ガラ
ス転移点Tgを測定する場合に、測定試料を1回昇温し
て全履歴をとった後、急冷し、再度、温度速度 10℃/m
in、温度0〜200℃の範囲で昇温させたときに測定され
るDSC曲線を用いるとよい。
【0149】<画像形成方法及び装置>上記で説明した
構成を有する本発明の静電荷現像用トナーは、少なくと
も、外部より帯電部材に電圧を印加して、静電潜像担持
体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体
に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像をトナーによ
り現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像
工程と、静電潜像担持体上のトナー像を被記録材へ転写
する転写工程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する
加熱定着工程とを有する画像形成方法、或いは、転写工
程が、静電潜像担持体上のトナー像を中間の転写体に転
写する第1の転写工程と、該中間の転写体上のトナー像
を被記録材に転写する第2の転写工程とからなる画像形
成方法に適用することが特に好ましい。 <画像形成装置>また、この方法で用いられる装置は、
それぞれの工程に対応した手段、すなわち、帯電手段、
静電荷像形成手段、現像手段、転写手段、加熱定着手段
をそなえていることが好ましい。
【0150】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。また、以下の配合における部数は全
て質量部である。ここで、実施例および比較例で使用し
た例示化合物は、表1に示した番号のものに相当する。
【0151】(実施例1)D-グルコース 0.5%と、5-フ
ェニル吉草酸(PVA)0.1%とを含むM9培地20Lにシュ
ードモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cic
horii YN2、FERM BP-7375)を植菌し、30℃、8
0回転/分、通気量 2.5L/分で通気攪拌培養した。48時間
後、菌体を遠心分離によって回収し、D-グルコース 0.
5%と、PVA 0.1%とを含み、窒素源(NH4Cl)を含
まないM9培地 20Lに再懸濁して、更に 30℃、80回転/
分、通気量 2.5L/分で通気攪拌培養した。48時間後、菌
体を遠心分離によって回収し、回収した湿菌体より分析
評価用に1gを分取、冷メタノールで一度洗浄の後、凍
結乾燥して凍結乾燥ペレットを得た。
【0152】残りの湿菌体については、約 1.7%の次亜
塩素酸ナトリウム水溶液 500mLに懸濁し、約4℃で2
時間振盪してPHAを抽出した。遠心分離によりPHA
を回収し乾燥した結果、培地液量1L当たり 0.41g のP
HAが得られた。このPHAを例示化合物1とし、荷電
制御剤として用いた。
【0153】この凍結乾燥ペレットを 20mLのクロロホ
ルムに懸濁し、60℃で 20時間攪拌してPHAを抽出し
た。抽出液を孔径 0.45μmのメンブレンフィルターで
ろ過したのち、ロータリーエバポレーターで濃縮し、濃
縮液を冷メタノール中で再沈殿させ、更に沈殿のみを回
収して真空乾燥してPHAを得た。
【0154】得られたPHAの組成は以下のようにして
分析した。すなわち、約 10mgのPHAを 25mL容ナス
型フラスコに入れ、クロロホルム2mLに溶解させ、3
%硫酸を含むメタノール溶液2mLを加えて、100℃で還
流しながら 3.5時間反応させた。反応終了後、脱イオン
水 10mLを加えて激しく 10分間振盪した後に、2層に
分離した下層のクロロホルム層を取り出し、硫酸マグネ
シウムで脱水したのち、このクロロホルム層をガスクロ
マトグラフィー-質量分析装置(GC-MS、島津QP-50
50、カラム:DB-WAX(J&W社、0.32mm× 30m)、
EI法)にかけて、PHAモノマーユニットのメチルエス
テル化物の同定を行った。その結果、PHAモノマーユ
ニットとしては、98%が3-ヒドロキシ-5-フェニル吉
草酸(3HPV)であり、2%が3-ヒドロキシ酪酸のユ
ニットであり、PVAに由来する所望のモノマーユニッ
トである3HPVモノマーユニットの比率が高いPHA
が高収率で得られた。
【0155】また、このPHAの分子量をゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC;東ソー HLC-8
020、カラム;ポリマーラボラトリーPLgel MIXED
-C(5μm)、溶媒;(クロロホルム、ポリスチレン換
算)により評価した結果、Mn=85,200、Mw=213,000
であった。
【0156】(実施例2)PVAの替わりに5-(4-フル
オロフェニル)吉草酸(FPVA)を用いた以外は実施例
1と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-5-(4-フルオロ
フェニル)吉草酸(3HFPV)モノマーユニットを含む
PHAを合成したところ、培地液量1L当たり 0.87g の
PHAが得られた。このPHAを例示化合物5とし、荷
電制御剤として用いた。
【0157】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、96%が3HFPVであり、4%が3-ヒドロキシ
酪酸のユニットであり、FPVAに由来する所望のモノ
マーユニットである3HFPVモノマーユニットの比率
が高いPHAが高収率で得られた。また、分子量はMn
=71,500、Mw=158,000 であった。
【0158】(実施例3)PVAの替わりに5-(4-クロ
ロフェニル)吉草酸(ClPVA)を用いた以外は実施例1
と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-5-(4-クロロフェ
ニル)吉草酸(3HClPV)モノマーユニットを含むPH
Aを合成したところ、培地液量1L当たり 0.63g のPH
Aが得られた。このPHAを例示化合物9とし、荷電制
御剤として用いた。
【0159】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、87%が3HClPVであり、13%が3-ヒドロキシ
酪酸のユニットであり、ClPVAに由来する所望のモ
ノマーユニットである3HClPVモノマーユニットの
比率が高いPHAが高収率で得られた。また、分子量は
Mn=53,700、Mw=123,000 であった。
【0160】(実施例4)PVAの替わりに5-(4-シア
ノフェニル)吉草酸(CNPVA)を用いた以外は実施例
1と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-5-(4-シアノフ
ェニル)吉草酸(3HCNPV)モノマーユニットを含む
PHAを合成したところ、培地液量1L当たり 0.57g の
PHAが得られた。このPHAを例示化合物11とし、荷
電制御剤として用いた。
【0161】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、23%が3HCNPVであり、77%が3-ヒドロキ
シ酪酸、3-ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシオク
タン酸、3-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシドデカ
ン酸、3-ヒドロキシドデセン酸のうち1種以上のユニ
ットであり、CNPVAに由来する所望のモノマーユニ
ットである3HCNPVモノマーユニットが含まれるP
HAが高収率で得られた。また、分子量はMn=73,20
0、Mw=182,000 であった。
【0162】(実施例5)PVAの替わりに5-(4-ニト
ロフェニル)吉草酸(NO2PVA)を用いた以外は実施例
1と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-5-(4-ニトロフ
ェニル)吉草酸(3HNO2PV)モノマーユニットを含む
PHAを合成したところ、培地液量1L当たり 0.72g の
PHAが得られた。このPHAを例示化合物 13 とし、
荷電制御剤として用いた。
【0163】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、37%が3HNO2PVであり、63%が3-ヒドロキ
シ酪酸、3-ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシオク
タン酸、3-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシドデカ
ン酸、3-ヒドロキシドデセン酸のうち1種以上のユニ
ットであり、NO2PVAに由来する所望のモノマーユ
ニットである3HNO2PVモノマーユニットが含まれ
るPHAが高収率で得られた。また、分子量はMn=82,
300、Mw=195,000 であった。
【0164】(実施例6)PVAの替わりに5-(4-トリ
フルオロメチルフェニル)吉草酸(CF3PVA)を用いた
以外は実施例1と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-5-
(4-トリフルオロメチルフェニル)吉草酸(3HCF3
V)モノマーユニットを含むPHAを合成したところ、
培地液量1L当たり 0.12g のPHAが得られた。このP
HAを例示化合物 15 とし、荷電制御剤として用いた。
【0165】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、17%が3HCF3PVであり、83%が3-ヒドロキ
シ酪酸、3-ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシオク
タン酸、3-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシドデカ
ン酸、3-ヒドロキシドデセン酸のうち1種以上のユニ
ットであり、CF3PVAに由来する所望のモノマーユ
ニットである3HCF3PVモノマーユニットが含まれ
るPHAが高収率で得られた。また、分子量はMn=65,
200、Mw=117,000 であった。
【0166】(実施例7)PVAの替わりに4-フェノキ
シ酪酸(PxBA)を用いた以外は実施例1と全く同じ条
件で、3-ヒドロキシ-4-フェノキシ酪酸(3HPxB)モ
ノマーユニットを含むPHAを合成したところ、培地液
量1L当たり 0.15g のPHAが得られた。このPHAを
例示化合物2とし、荷電制御剤として用いた。
【0167】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、95%がPxBAであり、5%が3-ヒドロキシ酪酸
のユニットであり、PxBAに由来する所望のモノマー
ユニットである3HPxBモノマーユニットの比率が高
いPHAが高収率で得られた。また、分子量はMn=71,
500、Mw=158,000 であった。
【0168】(実施例8)シュードモナス・チコリアイ・
YN2株を、D-グルコース 0.5%を含むM9培地 200
mLに植菌し、30℃、125 ストローク/分で 72時間振盪
培養した。この培養菌体を、D-グルコース 0.5%とF
PxBA 0.1%とを含むM9培地 20Lに加え、引き続き
30℃、80回転/分、通気量 2.5L/分で通気攪拌培養し
た。48時間後、菌体を遠心分離によって回収し、D-グ
ルコース 0.5%とFPxBA 0.1%を含むM9培地(無機
窒素源のNH4Clを含まない)20Lに再懸濁して、更に 3
0℃、80回転/分、通気量 2.5L/分で通気攪拌培養した。
48時間後、菌体を遠心分離によって回収し、回収した湿
菌体より分析評価用に1gを分取、冷メタノールで一度
洗浄の後、凍結乾燥して凍結乾燥ペレットを得た。
【0169】残りの湿菌体については、約 1.7%の次亜
塩素酸ナトリウム水溶液 500mLに懸濁し、約4℃で2
時間振盪してPHAを抽出した。遠心分離によりPHA
を回収し乾燥した結果、培地液量1L当たり 0.24g のP
HAが得られた。このPHAを例示化合物6とし、荷電
制御剤として用いた。
【0170】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、75%が3-ヒドロキシ-4-(4-フルオロフェノキ
シ)酪酸(3HFPxB)であり、25%が3-ヒドロキシ酪
酸、3-ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシオクタン
酸、3-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシドデカン
酸、3-ヒドロキシドデセン酸のうち1種以上のユニッ
トであり、FPxBAに由来する所望のモノマーユニッ
トである3HFPxBモノマーユニットの比率が高いP
HAが高収率で得られた。また、分子量はMn=45,20
0、Mw=97,200 であった。
【0171】また、このPHAについて、以下の測定条
件でNMR分析を行い、得られたPHAが、3HFPx
Bユニットを主成分とすることを確認した。
【0172】 測定された1H-NMRスペクトルチャートを図8に示
す。表2に、図8に示すNMRスペクトルの主要ピーク
各信号の解析結果(帰属)を示す。
【0173】
【表2】
【0174】(実施例9)FPxBAの替わりに4-(4-ク
ロロフェノキシ)酪酸(ClPxBA)を用いた以外は実施
例8と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-4-(4-クロロ
フェノキシ)酪酸(3HClPxB)モノマーユニットを含
むPHAを合成したところ、培地液量1L当たり 0.21g
のPHAが得られた。このPHAを例示化合物10とし、
荷電制御剤として用いた。
【0175】得られたPHAについて実施例8と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、69%が3HClPxBであり、31%が3-ヒドロキ
シ酪酸、3-ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシオク
タン酸、3-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシドデカ
ン酸、3-ヒドロキシドデセン酸のうち1種以上のユニ
ットであり、ClPxBAに由来する所望のモノマーユニ
ットである3HClPxBモノマーユニットが含まれるP
HAが高収率で得られた。また、分子量はMn=38,50
0、Mw=84,300 であった。
【0176】(実施例10)FPxBAの替わりに4-(4-シ
アノフェノキシ)酪酸(CNPxBA)を用いた以外は実施
例8と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-4-(4-シアノ
フェノキシ)酪酸(3HCNPxB)モノマーユニットを含
むPHAを合成したところ、培地液量1L当たり 0.18g
のPHAが得られた。このPHAを例示化合物 12 と
し、荷電制御剤として用いた。
【0177】得られたPHAについて実施例8と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、8%が3HCNPxBであり、92%が3-ヒドロキ
シ酪酸、3-ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシオク
タン酸、3-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシドデカ
ン酸、3-ヒドロキシドデセン酸のうち1種以上のユニ
ットであり、CNPxBAに由来する所望のモノマーユ
ニットである3HCNPxBモノマーユニットが含まれ
るPHAが高収率で得られた。また、分子量はMn=57,
500、Mw=112,000 であった。
【0178】また、このPHAについて、以下の測定条
件でNMR分析を行い、得られたPHAが、3HCNP
xBユニットを主成分とすることを確認した。
【0179】<測定機器> FT-NMR:Bruker DPX 400 共鳴周波数 :1H=400 MHz <測定条件> 測定核種 :1H 測定溶媒 :CDCl3 reference :キャピラリー封入TMS/CDCl3 測定温度 :室温1 H-NMRスペクトルを図9に、その帰属結果を表3に
示す。
【0180】
【表3】
【0181】(実施例11)FPxBAの替わりに4-(4-ニ
トロフェノキシ)酪酸(NO2PxBA)を用いた以外は実
施例8と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-4-(4-ニト
ロフェノキシ)酪酸(3HNO2PxB)モノマーユニット
を含むPHAを合成したところ、培地液量1L当たり 0.
08g のPHAが得られた。このPHAを例示化合物 14
とし、荷電制御剤として用いた。
【0182】得られたPHAについて実施例8と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、5%が3HNO2PxBであり、95%が3-ヒドロ
キシ酪酸、3-ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシオ
クタン酸、3-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシドデ
カン酸、3-ヒドロキシドデセン酸のうち1種以上のユ
ニットであり、NO2PxBAに由来する所望のモノマー
ユニットである3HNO2PxBモノマーユニットが含ま
れるPHAが高収率で得られた。また、分子量はMn=7
9,800、Mw=205,000 であった。
【0183】また、このPHAについて、実施例 10 と
同じ測定条件でNMR分析を行い、得られたPHAが、
3HNO2PxBユニットを主成分とすることを確認し
た。1H-NMRスペクトルを図 10に、その帰属結果を
表4に示す。
【0184】
【表4】
【0185】(実施例12)FPxBAの替わりに4-(4-ト
リフルオロメチルフェノキシ)酪酸(CF3PxBA)を用
いた以外は実施例8と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-
4-(4-トリフルオロメチルフェノキシ)酪酸(3HCF3
PxB)モノマーユニットを含むPHAを合成したとこ
ろ、培地液量1L当たり 0.14g のPHAが得られた。こ
のPHAを例示化合物 16 とし、荷電制御剤として用い
た。
【0186】得られたPHAについて実施例8と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、21%が3HCF3PxBであり、79%が3-ヒドロ
キシ酪酸、3-ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシオ
クタン酸、3-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシドデ
カン酸、3-ヒドロキシドデセン酸のうち1種以上のユ
ニットであり、CF3PxBAに由来する所望のモノマー
ユニットである3HCF3PxBモノマーユニットが含ま
れるPHAが高収率で得られた。また、分子量はMn=4
7,900、Mw=113,000 であった。
【0187】(実施例13)PVAの替わりに4-シクロヘ
キシル酪酸(CHBA)を用いた以外は実施例1と全く同
じ条件で、3-ヒドロキシ-4-シクロヘキシル酪酸(3H
CHB)モノマーユニットを含むPHAを合成したとこ
ろ、培地液量1L当たり 0.79g のPHAが得られた。こ
のPHAを例示化合物3とし、荷電制御剤として用い
た。得られたPHAについて実施例1と同様に分析評価
を行ったところ、PHAモノマーユニットとしては、98
%が3HCHBであり、2%が3-ヒドロキシ酪酸のユ
ニットであり、CHBAに由来する所望のモノマーユニ
ットである3HCHBモノマーユニットの比率が高いP
HAが高収率で得られた。また、分子量はMn=92,20
0、Mw=218,000 であった。
【0188】(実施例14)PVAの替わりに4-(4-フル
オロシクロヘキシル)酪酸(FCHBA)を用いた以外は
実施例1と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-4-(4-フ
ルオロシクロヘキシル)酪酸(3HFCHB)モノマーユ
ニットを含むPHAを合成したところ、培地液量1L当
たり 0.69g のPHAが得られた。このPHAを例示化
合物7とし、荷電制御剤として用いた。
【0189】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、88%が3HFCHBであり、12%が3-ヒドロキ
シ酪酸のユニットであり、FCHBAに由来する所望の
モノマーユニットである3HFCHBモノマーユニット
の比率が高いPHAが高収率で得られた。また、分子量
はMn=71,500、Mw=158,000 であった。
【0190】(実施例15)PVAの替わりに5-ベンゾイ
ル吉草酸(BzVA)を用いた以外は実施例1と全く同じ
条件で、3-ヒドロキシ-5-ベンゾイル吉草酸(3HBz
V)モノマーユニットを含むPHAを合成したところ、
培地液量1L当たり0.52gのPHAが得られた。このPH
Aを例示化合物4とし、荷電制御剤として用いた。
【0191】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、82%が3HBzVであり、18%が3-ヒドロキシ
酪酸のユニットであり、BzVAに由来する所望のモノ
マーユニットである3HBzVモノマーユニットの比率
が高いPHAが高収率で得られた。また、分子量はMn
=305,000、Mw=1,150,000であった。
【0192】また、このPHAについて、実施例8と同
じ測定条件でNMR分析を行い、得られたPHAが、3
HBzVユニットを主成分とすることを確認した。1H-
NMRスペクトルおよび13C-NMRスペクトルを図11
及び12に、その帰属結果を表5に示す。
【0193】
【表5】
【0194】(実施例16)PVAの替わりに5-(4-フル
オロベンゾイル)吉草酸(FBzVA)を用いた以外は実
施例1と全く同じ条件で、3-ヒドロキシ-5-(4-フル
オロベンゾイル)吉草酸(3HFBzV)モノマーユニッ
トを含むPHAを合成したところ、培地液量1L当たり
0.38gのPHAが得られた。このPHAを例示化合物8
とし、荷電制御剤として用いた。
【0195】得られたPHAについて実施例1と同様に
分析評価を行ったところ、PHAモノマーユニットとし
ては、75%が3HFBzVであり、25%が3-ヒドロキ
シ酪酸のユニットであり、FBzVAに由来する所望の
モノマーユニットである3HFBzVモノマーユニット
の比率が高いPHAが高収率で得られた。また、分子量
はMn=275,000、Mw=792,000であった。
【0196】また、このPHAについて、実施例8と同
じ測定条件でNMR分析を行い、得られたPHAが、3
HFBzVユニットを主成分とすることを確認した。
【0197】(実施例17)先ず、高速撹拌装置TK-ホモ
ミキサーを備えた2リットル用の四つ口フラスコ中に、
Na3PO4水溶液を添加し、回転数を 10,000rpmに調整
し、60℃に加温せしめた。ここにCaCl2水溶液を徐々
に添加していき、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2
含む水系分散媒体を調製した。
【0198】一方、下記組成をボールミルを用いて3時
間分散させた後、離型剤(エステルワックス)10 質量部
と、重合開始剤である2,2'-アゾビス(2,4-ジメチル
バレロニトリル)10 質量部を添加して重合性単量体組成
物を調製した。 スチレン単量体 82質量部 エチルヘキシルアクリレート単量体 18質量部 ジビニルベンゼン単量体 0.1質量部 シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15) 6質量部 酸化ポリエチレン樹脂(分子量3200、酸価8) 5質量部 表1の例示化合物(1) 2質量部 次に、上記で得られた重合性単量体組成物を、先に調製
した水系分散媒体中に投入し、回転数 10,000 rpmを維
持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、65℃で3時間反応させた後、80℃で6時間重合させ
て重合反応を終了した。反応終了後、懸濁液を冷却し、
酸を加えて難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を溶解した後、
濾過、水洗、乾燥して青色重合粒子(1)を得た。得られ
た青色重合粒子(1)のコールターカウンターマルチサイ
ザー(コールター社製)を用いて測定した粒度は、重量平
均粒径 7.2μmで、微粉量(個数分布における 3.17μm
以下の粒子の存在割合)は 5.3 個数%であった。
【0199】上記で調製した青色重合粒子(1) 100 質
量部に対して、流動向上剤としてヘキサメチルジシラザ
ンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET: 270m2/g)
1.3質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して外添
し、本実施例の青色トナー(1)とした。更に、この青色
トナー(1) 7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャ
リア(平均粒子径: 45μm) 93 質量部とを混合して、
磁気ブラシ現像用の2成分系青色現像剤(1)を調製し
た。
【0200】(実施例 18〜32)例示化合物(1)の代わり
に、表1に示した例示化合物(2)〜(16)をそれぞれ 2.0
質量部使用する以外は実施例 17 と同様の方法で、実
施例 18〜32 の青色トナー(2)〜(16)を得た。これらの
トナーの特性を実施例 17 と同様に測定し、その結果を
表6に示した。また、これを用いて実施例 17 と同様に
して、2成分系青色現像剤(2)〜(16)をそれぞれ得た。
【0201】(比較例1)例示化合物を使用しない点以外
は実施例 17 と同様の方法により、比較例1の青色トナ
ー 17 を得た。このトナーの特性を実施例 17 と同様に
測定し、その結果を表6に示した。また、これを用いて
実施例 17 と同様にして、比較例1の2成分系青色現像
剤 17 を得た。
【0202】<評価>上記実施例 17〜32 で得られた2
成分系青色現像剤(1)〜(16)、および比較例1で得られ
た2成分系青色現像剤 17 について、常温常湿(25℃、6
0%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの
環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10
秒、及び 300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そ
して、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第
2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を
表6にまとめて示した。
【0203】[帯電性] ◎:非常に良好(-20μC/g以下) ○:良好(-19.9〜-10.0μC/g) △:実用可(-9.9〜-5.0μC/g) ×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0204】
【表6】
【0205】(実施例33〜実施例48)例示化合物(1)〜(1
6)を 2.0 質量部を用い、シアン着色剤の代わりにイエ
ロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する以外は、実施
例 17 と同様の方法により、実施例 33〜48 のイエロー
トナー(1)〜(16)をそれぞれ得た。これらのトナーの特
性を実施例 17 と同様に測定し、その結果を表7に示し
た。また、これを用いて実施例 17 と同様にして、2成
分系イエロー現像剤(1)〜(16)を得た。
【0206】(比較例2)例示化合物を使用しない点およ
びシアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエ
ローG)を使用する点以外は実施例 17 と同様の方法に
より、比較例2のイエロートナー 17 を得た。このトナ
ーの特性を実施例 17 と同様に測定し、その結果を表7
に示した。また、これを用いて実施例 17 と同様にし
て、比較例2の2成分系イエロー現像剤 17 を得た。
【0207】<評価>上記実施例 33〜48 で得られた2
成分系イエロー現像剤(1)〜(16)、および比較例2で得
られた2成分系イエロー現像剤 17 について、常温常湿
(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそ
れぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用い
て、10秒、及び 300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定し
た。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数
以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その
結果を表7にまとめて示した。
【0208】[帯電性] ◎:非常に良好(-20μC/g以下) ○:良好(-19.9〜-10.0μC/g) △:実用可(-9.9〜-5.0μC/g) ×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0209】
【表7】
【0210】(実施例49〜実施例64)例示化合物(1)〜(1
6)を 2.0 質量部使用し、シアン着色剤の代わりにカー
ボンブラック(DBP吸油量 110mL/100g) を使用する
以外は、実施例 17 と同様の方法により、実施例 49〜6
4 の黒色トナー(1)〜(16)をそれぞれ得た。これらのト
ナーの特性を実施例 17 と同様に測定し、その結果を表
8に示した。また、これを用いて実施例 17 と同様にし
て、2成分系黒色現像剤(1)〜(16)を得た。
【0211】(比較例3)例示化合物を使用しない点およ
びシアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸
油量 110mL/100g) を使用する点以外は実施例 17 と同
様の方法により、比較例3の黒色トナー 17 を得た。こ
のトナーの特性を実施例 17 と同様に測定し、その結果
を表8に示した。また、これを用いて実施例 17 と同様
にして、比較例3の2成分系黒色現像剤 17 を得た。
【0212】<評価>上記実施例 49〜64 で得られた2
成分系黒色現像剤(1)〜(16)、および比較例3で得られ
た2成分系黒色現像剤 17 について、常温常湿(25℃、6
0%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの
環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10
秒、及び 300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そ
して、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第
2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を
表8にまとめて示した。
【0213】[帯電性] ◎:非常に良好(-20μC/g以下) ○:良好(-19.9〜-10.0μC/g) △:実用可(-9.9〜-5.0μC/g) ×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0214】
【表8】
【0215】(実施例65) スチレン-ブチルアクリレート共重合樹脂 (ガラス転移温度70℃) 100質量部 マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド114) 5質量部 例示化合物(1) 2質量部 上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)
で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで
粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉
砕法によってマゼンタ着色粒子(1)を得た。このマゼン
タ着色粒子(1)の粒度は、重量平均粒径 7.1μm、微粉
量は 5.0 個数%であった。
【0216】このマゼンタ着色粒子(1)100 質量部に対
して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処
理した疎水性シリカ微粉体(BET: 250m2/g)1.5 質量
部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例のマ
ゼンタトナー(1)を得た。更に、得られたマゼンタトナ
ー(1)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア
(平均粒子径: 45μm)93 質量部とを混合して、磁気ブ
ラシ現像用の2成分系マゼンタ現像剤(1)を調製した。
【0217】(実施例 66〜80)例示化合物(1)の代わり
に、表1に示した例示化合物(2)〜(16)をそれぞれ 2.0
質量部使用する以外は実施例 65 と同様の方法で、実
施例 66〜80 のマゼンタトナー(2)〜(16)を得た。これ
らのトナーの特性を実施例 17 と同様に測定し、その結
果を表9に示した。また、これを用いて実施例 17 と同
様にして、2成分系マゼンタ現像剤(2)〜(16)をそれぞ
れ得た。
【0218】(比較例4)例示化合物を使用しない点以外
は実施例65 と同様の方法により、比較例4のマゼンタ
トナー 17 を得た。このトナーの特性を実施例 17 と同
様に測定し、その結果を表9に示した。また、これを用
いて実施例 17 と同様にして、比較例4の2成分系マゼ
ンタ現像剤 17 を得た。
【0219】<評価>上記実施例 65〜80 で得られた2
成分系マゼンタ現像剤(1)〜(16)、および比較例4で得
られた2成分系マゼンタ現像剤 17 について、常温常湿
(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそ
れぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用い
て、10秒、及び 300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定し
た。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数
以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その
結果を表9にまとめて示した。
【0220】[帯電性] ◎:非常に良好(-20μC/g以下) ○:良好(-19.9〜-10.0μC/g) △:実用可(-9.9〜-5.0μC/g) ×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0221】
【表9】
【0222】(実施例 81〜96)例示化合物(1)〜(16)を
2.0 質量部使用し、マゼンタ顔料の代わりにカーボンブ
ラック(DBP吸油量 110mL/100g) を使用する以外
は、実施例 65 と同様の方法により、実施例 81〜96 の
黒色トナー(18)〜(33)をそれぞれ得た。これらのトナー
の特性を実施例 17 と同様に測定し、その結果を表10に
示した。また、これを用いて実施例 17 と同様にして、
2成分系黒色現像剤(18)〜(33)を得た。
【0223】(比較例5)例示化合物を使用しない点およ
びマゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸
油量 110mL/100g) を使用する点以外は実施例 65 と同
様の方法により、比較例5の黒色トナー 34 を得た。こ
のトナーの特性を実施例 17 と同様に測定し、その結果
を表10に示した。また、これを用いて実施例 17 と同様
にして、比較例5の2成分系黒色現像剤 34 を得た。
【0224】<評価>上記実施例 81〜96 で得られた2
成分系黒色現像剤(18)〜(33)、および比較例5で得られ
た2成分系黒色現像剤 34 について、常温常湿(25℃、6
0%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの
環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10
秒、及び 300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定した。そ
して、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第
2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その結果を
表10にまとめて示した。
【0225】[帯電性] ◎:非常に良好(-20μC/g以下) ○:良好(-19.9〜-10.0μC/g) △:実用可(-9.9〜-5.0μC/g) ×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0226】
【表10】
【0227】(実施例97) ポリエステル樹脂 100質量部 カーボンブラック(DBP吸油量 110mL/100g) 5質量部 例示化合物(1) 2質量部 ポリエステル樹脂は次のようにして合成した。ビスフェ
ノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 751 部、
テレフタル酸 104 部および無水トリメリット酸167 部
をジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合し、
軟化点 125℃のポリエステル樹脂を得た。
【0228】上記組成を混合し、二軸エクストルーダー
(L/D=30)で溶融混練した。この混練物を冷却後、ハ
ンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に
分級して、粉砕法によって黒色着色粒子(35)を得た。こ
の黒色着色粒子(35)の粒度は、重量平均粒径 7.9μm、
微粉量は 4.5 個数%であった。
【0229】この黒色着色粒子(35)100 質量部に対し
て、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理
した疎水性シリカ微粉体(BET: 250m2/g)1.5 質量部
をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例の黒色
トナー(35)を得た。更に、得られた黒色トナー(35)7質
量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:
45μm)93 質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2
成分系黒色現像剤(35)を調製した。
【0230】(実施例 98〜112)例示化合物(1)の代わり
に、表1に示した例示化合物(2)〜(16)をそれぞれ 2.0
質量部使用する以外は実施例 97 と同様の方法で、実
施例 98〜112 の黒色トナー(36)〜(50)を得た。これら
のトナーの特性を実施例 17 と同様に測定し、その結果
を表11に示した。また、これを用いて実施例 17 と同様
にして、2成分系黒色現像剤(36)〜(50)をそれぞれ得
た。
【0231】(比較例6)例示化合物を使用しない点以外
は実施例 97 と同様の方法により、比較例6の黒色トナ
ー 51 を得た。このトナーの特性を実施例 17 と同様に
測定し、その結果を表11に示した。また、これを用いて
実施例 17 と同様にして、比較例6の2成分系黒色現像
剤 51 を得た。
【0232】<評価>上記実施例 97〜112 で得られた
2成分系黒色現像剤(35)〜(50)、および比較例6で得ら
れた2成分系黒色現像剤 51 について、常温常湿(25
℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれ
ぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用い
て、10秒、及び 300秒攪拌後のトナーの帯電量を測定し
た。そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数
以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価した。その
結果を表11にまとめて示した。
【0233】[帯電性] ◎:非常に良好(-20μC/g以下) ○:良好(-19.9〜-10.0μC/g) △:実用可(-9.9〜-5.0μC/g) ×:実用不可(-4.9μC/g以上)
【0234】
【表11】
【0235】(実施例 113〜実施例 138 および比較例7
〜比較例12)先ず、実施例 113〜実施例 138 および比較
例7〜比較例 12 の画像形成方法に用いた画像形成装置
について説明する。図1は、本発明の実施例及び比較例
の画像形成方法を実行するための画像形成装置の断面の
概略的説明図である。図1に示した感光体ドラム1は、
基材1b上に有機光半導体を有する感光層1aを有し、矢
印方向に回転するように構成されているが、感光体ドラ
ム1に対向し、且つ該ドラムと接触回転している帯電部
材である帯電ローラー2によって、その表面が約−600
Vの表面電位に帯電されている。図1に示したように、
帯電ローラー2は、芯金2bの上に導電性弾性層2aが被
覆されて構成されている。
【0236】次に、表面が帯電された感光体ドラム1に
向けて露光3されるが、その際、ポリゴンミラーにより
感光体上にデジタル画像情報に応じてオン-オフさせる
ことで、露光部電位が−100V、暗部電位が−600Vの静
電荷像が形成される。続いて、この感光体ドラム1上の
静電荷像は、複数の現像装置4-1、4-2、4-3、4-
4を用いて反転現像されてに顕在化され、感光体ドラム
1上トナー像が形成される。その際、現像剤として、実
施例 17〜32、41、42、57、58、73、74、89、90、105、
106 および比較例1〜6で得た2成分系現像剤をそれぞ
れ用い、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナ
ー又はブラックトナーでトナー画像を形成した。図2
は、その際に用いた二成分現像剤用の各現像装置4の要
部の拡大断面図である。次に、感光体ドラム1上のトナ
ー像は、感光体ドラム1と接触回転している中間の転写
体5上に転写される。この結果、中間の転写体5上に
は、四色の色重ね顕色像が形成される。感光体ドラム1
上に転写されずに残った転写残トナーは、クリーナー部
材8によって、残トナー容器9内に回収される。
【0237】中間の転写体5は、図1に示したように、
支持体としての芯金5bと、その上に積層された弾性層
5aとで構成されている。本実施例においては、パイプ
状の芯金5b上に、カーボンブラックを導電付与材料と
し、ニトリル-ブタジエンラバー(NBR)中にこれを充
分に分散させた弾性層5bがコーティングされた中間の
転写体5を使用した。「JIS K-6301」に準拠して測定
した弾性層5bの硬度は30 度であり、体積抵抗値は、10
9Ω・cmであった。感光体ドラム1から中間の転写体5
への転写に必要な転写電流は約5μAであるが、これ
は、電源より+500Vを芯金5bに付与することで得られ
た。
【0238】中間の転写体5上に形成された四色のトナ
ーの色重ね顕色像は、転写ローラー7によって、紙等の
被転写材に転写され、その後、加熱定着装置Hによって
定着されて固定される。転写ローラー7は、その外径の
直径が 10mmの芯金7b上に、カーボンを導電性付与材
料として、エチレン-プロピレン-ジエン系三次元共重合
体(EPDM)の発砲体中に該カーボンが充分な状態で分
散したものがコーティングされた弾性層7aが形成され
ている。その体積固有抵抗値は、106Ω・cmであり、
「JIS K-6301」に準拠して測定した硬度が 35度の値
を示すのもを用いた。又、この転写ローラー7には電圧
を印加して、15μAの転写電流を流した。
【0239】図1に示した装置では、加熱定着装置H
に、図5及び図6に示したようなオイル塗布機構のない
熱ロール方式の定着装置を用いた。このとき、上部ロー
ラー、下部ローラー共にフッ素系樹脂の表面層を有する
ものを使用した。又、ローラーの直径は 60nmであっ
た。定着の際の定着温度を 160℃とし、ニップ幅を7m
mに設定した。尚、クリーニングによって回収された感
光体ドラム1上の転写残トナーは、リユース機構により
現像器に搬送し再使用した。
【0240】<評価>以上の条件で、常温常湿(25℃、6
0%RH)及び、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、8枚
(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、実施例 17〜
32、41、42、57、58、73、74、89、90、105、106のトナ
ーを使用して作製した2成分系現像剤と、比較例1〜6
のトナーを使用して作製した2成分系現像剤をそれぞれ
使用し、逐次補給しながら、単色での間歇モード(即
ち、一枚プリントアウトする毎に 10秒間現像器を休止
させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させる
モード)でプリントアウト試験を行い、得られたプリン
トアウト画像を下記の項目について評価した。評価結果
を表12にまとめて示した。
【0241】[プリントアウト画像評価] 1.画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリン
トアウトをして、初期の画像に対するプリント終了時に
おける画像の画像濃度維持の程度により評価した。尚、
画像濃度はマクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、
原稿濃度が 0.00 の白地部分のプリントアウト画像に対
する相対濃度を測定し、評価に用いた。 ◎:優(終了時の画像濃度が 1.40 以上) ○:良(終了時の画像濃度が 1.35 以上 1.40 未満) △:可(終了時の画像濃度が 1.00 以上 1.35 未満) ×:不可(終了時の画像濃度が 1.00 未満) 2.画像カブリ 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚数のプリント
アウトをし、プリント終了時のベタ白画像により評価し
た。具体的には、下記のような方法で評価した。反射式
濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社
製REFLECTOMETER ODEL TC-6DS)
を用いて測定したプリント後の白地部反射濃度の最悪値
をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし、
これらの値から(Ds-Dr)を求め、これをカブリ量と
し、下記の基準で評価した。 ◎:非常に良好(カブリ量が0%以上 1.5%未満) ○:良好(カブリ量が 1.5%以上 3.0%未満) △:実用可(カブリ量が 3.0%以上 5.0%未満) ×:実用不可(カブリ量が 5.0%以上) 3.転写性 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、黒ベタ画像を所定
枚数プリントアウトをし、プリント終了時の画像の画像
抜け量を目視により観察し、下記の基準で評価した。 ◎ : 非常に良好(殆ど発生せず) ○ : 良好(軽微) △ : 実用可 × : 実用不可 また、実施例 113〜実施例 138 および比較例7〜比較
例 12 で、5000 枚画像出力を行ったときの感光ドラム
及び中間転写体表面の傷や残留トナーの固着の発生状況
とプリントアウト画像への影響(画像形成装置とのマッ
チング)を目視で評価したところ、実施例 113〜実施例
138 の2成分系現像剤を使用した系では、感光ドラム及
び中間転写体表面の傷や、残留トナーの固着が全く確認
できず、画像形成装置とのマッチングが非常に良好であ
った。一方、比較例7〜12 の2成分系現像剤を使用し
た系では、いずれも感光ドラム表面にトナーの固着が認
められた。更に、比較例7〜12 の2成分系現像剤を使
用した系では、中間転写体表面上にトナーの固着と表面
傷が確認でき、画像上にも縦スジ状の画像欠陥を生じる
といった、画像形成装置とのマッチングにおいて問題を
生じた。
【0242】
【表12】
【0243】(実施例 139〜実施例 141、比較例 13〜比
較例15)実施例 139〜実施例 141、比較例 13〜比較例 1
5 の画像形成方法の実施にあたっては、現像剤として、
実施例 26、42、58 および比較例1〜3で得たトナーを
それぞれ用いた。また、画像を形成する手段としては、
図3に示したように、市販のレーザービームプリンター
LBP-EX(キヤノン社製)にリユース機構を取り付け
て改造し、再設定した画像形成装置を用いた。即ち、図
3に示した画像形成装置では、転写後に感光体ドラム 2
0 上に残った未転写トナーを、該感光体ドラム 20 に当
接しているクリーナー 21 の弾性ブレード 22 により掻
き落とした後、クリーナーローラーによってクリーナー
21 内部へと送り、更にクリーナーリユース 23 を経
て、搬送スクリューを設けた供給用パイプ 24 によって
ホッパー 25 を介して現像器 26 に戻し、再度、回収ト
ナーを利用するシステムを取り付けられている。
【0244】図3に示した画像形成装置では、一次帯電
ローラー 27 により、感光体ドラム20 の表面の帯電が
なされる。一次帯電ローラー 27 には、ナイロン樹脂で
被覆された、導電性カーボンが分散されたゴムローラー
(直径 12mm、当接圧 50g/cm)を使用し、静電潜像担
持体(感光体ドラム 20)上に、レーザー露光(600dpi、不
図示)により、暗部電位VD=−700V、明部電位VL=
−200Vの静電潜像を形成した。トナー担持体として、
その表面に、カーボンブラックが分散された樹脂がコー
トされている表面粗度Raが 1.1 を呈する現像スリーブ
28 を用いた。
【0245】図4に、実施例 139〜実施例 141、比較例
13〜比較例 15 で用いた一成分現像剤用の現像装置の
要部の拡大断面図を示した。静電潜像を現像する条件と
しては、該現像スリーブ 28 の速度を、対向する感光ド
ラム 20 面の移動速度に対して 1.1 倍の速さになるよ
うに設定し、更に、感光ドラム 20 と現像スリーブ 28
との間隔α(S-D間)を 270μmとした。トナーの層厚
規制部材としては、ウレタンゴム製ブレード 29 を当接
させて用いた。又、トナー画像を定着させる加熱定着装
置の設定温度は 160℃とした。なお、定着装置は、図5
及び図6に示した定着装置を用いた。
【0246】以上のようにして、常温常湿(25℃、60%
RH)環境下、8枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速
度で、トナーを逐次補給しながら連続モード(即ち、現
像器を休止させることなくトナーの消費を促進させるモ
ード)で、3万枚までプリントアウトを行い、得られた
プリントアウト画像について画像濃度を測定し、その耐
久について下記に示した基準で評価した。又、10,000
枚目の画像を観察し、画像カブリについて下記の基準で
評価した。又、同時に、耐久試験後における画像形成装
置を構成している各装置の様子を観察し、各装置と上記
の各トナーとのマッチングについても評価した。以上の
結果を表13にまとめて示した。
【0247】[耐久時の画像濃度推移]通常の複写機用普
通紙(75g/m2)に、所定枚数のプリントアウトをして、
初期の画像に対するプリント終了時における画像の画像
濃度維持の程度により評価した。尚、画像濃度はマクベ
ス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が 0.00
の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測
定し、評価に用いた。 ◎:優(終了時の画像濃度が 1.40 以上) ○:良(終了時の画像濃度が 1.35 以上 1.40 未満) △:可(終了時の画像濃度が 1.00 以上 1.35 未満) ×:不可(終了時の画像濃度が 1.00 未満) [画像カブリ]通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定枚
数のプリントアウトをし、プリント終了時のベタ白画像
により評価した。具体的には、下記のような方法で評価
した。反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU C
O.,LTD社製REFLECTOMETER ODEL
TC-6DS)を用いて測定したプリント後の白地部反射
濃度の最悪値をDs、プリント前の用紙の反射濃度平均
値をDrとし、これらの値から(Ds-Dr)を求め、これを
カブリ量とし、下記の基準で評価した。 ◎:非常に良好(カブリ量が0%以上 1.5%未満) ○:良好(カブリ量が 1.5%以上 3.0%未満) △:実用可(カブリ量が 3.0%以上 5.0%未満) ×:実用不可(カブリ量が 5.0%以上) [画像形成装置マッチング評価] 1.現像スリーブとのマッチング プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留
トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目
視で評価した。 ◎ : 非常に良好(未発生) ○ : 良好(殆ど発生せず) △ : 実用可(固着があるが、画像への影響が少ない) × : 実用不可(固着が多く、画像ムラを生じる) 2.感光ドラムとのマッチング 感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況と
プリントアウト画像への影響を目視で評価した。 ◎ : 非常に良好(未発生) ○ : 良好(僅かに傷の発生が見られるが、画像への影
響はない) △ : 実用可(固着や傷があるが、画像への影響が少な
い) × : 実用不可(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生
じる) 3.定着装置とのマッチング 定着フィルム表面の様子を観察し、表面性及び残留トナ
ーの固着状況の結果を総合平均化して、その耐久性を評
価した。
【0248】(1)表面性 プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の傷や削
れの発生の様子を目視で観察し、評価した。 ◎ : 非常に良好(未発生) ○ : 良好(殆ど発生せず) △ : 実用可 × : 実用不可 (2)残留トナーの固着状況 プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留ト
ナーの固着状況を目視で観察し、評価した。 ◎ : 非常に良好(未発生) ○ : 良好(殆ど発生せず) △ : 実用可 × : 実用不可
【0249】
【表13】
【0250】(実施例142)図3の画像形成装置のトナー
リユース機構を取り外し、プリントアウト速度を16 枚
(A4サイズ)/分とした以外は実施例 139 と同様にし、
実施例 26 の青色トナー(10)を逐次補給しながら連続モ
ード(即ち、現像器を休止させることなく、トナーの消
費を促進させるモード)でプリントアウト試験を行っ
た。得られたプリントアウト画像評価ならびに用いた画
像評価装置とのマッチングを実施例 139〜実施例 141、
比較例 13〜比較例 15 と同様の項目について評価し
た。その結果、いずれの項目についても良好な結果が得
られた。
【0251】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
静電荷像現像用トナー組成中へ荷電制御剤として式(1)
の組成を有するPHAを一種類以上添加し、さらに好ま
しくは、該化合物を電子吸引性の原子あるいは官能基で
置換した化合物とすることにより、帯電特性に優れ、か
つトナー樹脂中への該化合物の分散性、スペント性を向
上し、また、画像形成装置での出力時においても、画像
カブリを発生せず、転写性に優れ、かつ、電子写真プロ
セスに高度に適用した静電荷像現像用トナーを提供する
ことが可能となる。
【0252】また、本発明で使用する荷電制御剤は無色
あるいは着色が弱いため、カラートナーに要求される色
相に合わせて任意の着色剤を選定することが可能であ
り、かつ染料、顔料が有する本来の色相を何ら阻害する
ことが無い点も特徴である。加えて本発明の静電荷像現
像用トナーは、生分解性であるために、燃焼処理を行う
必要もなく、大気汚染や地球温暖化の防止といった環境
保全の点でも、産業上多大な効果をもたらすものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例 113〜138、及び比較例7〜12 に用いた
画像形成装置の概略的説明図である。
【図2】実施例 113〜138、及び比較例7〜12 に用いた
二成分現像剤用の現像装置の要部の断面図である。
【図3】実施例 139〜141、及び比較例 13〜15に用いた
トナーのリユース機構を有する画像形成装置の概略的説
明図である。
【図4】実施例 139〜141、及び比較例 13〜15に用いた
一成分現像剤用の現像装置の要部の断面図である。
【図5】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分解
斜視図である。
【図6】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時の
フィルム状態を示した要部の拡大断面図である。
【図7】トナーの帯電量を測定するブローオフ帯電量測
定装置を示す模式図である。
【図8】実施例8のPHAにおける1H-NMRスペクト
ルチャートを示す。
【図9】実施例10 のPHAにおける1H-NMRスペク
トルチャートを示す。
【図10】実施例11 のPHAにおける1H-NMRスペク
トルチャートを示す。
【図11】実施例15 のPHAにおける1H-NMRスペク
トルチャートを示す。
【図12】実施例15 のPHAにおける13C-NMRスペク
トルチャートを示す。
【符号の説明】
1、20:感光体(静電潜像担持体) 2、27:帯電ローラー 3:露光 4、26:現像装置(4−1、4−2、4−3、4−
4) 5:中間の転写体 6:被転写材 7:転写ローラー 13:感光体ドラム 11、28:現像剤担持体 30:ステー 31:加熱体 31a:ヒーター基板 31b:発熱体 31c:表面保護層 31d:検温素子 32:定着フィルム 33:加熱ローラー 34:コイルばね 35:フィルム端部規制フランジ 36:給電コネクター 37:絶縁部材 38:入口ガイド 39:出口ガイド(分離ガイド) 43:スクリーン 45:真空計 47:吸引口 49:電位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/097 C12P 7/62 // C12P 7/62 13/00 13/00 C12R 1:38 (C12P 7/62 G03G 9/08 346 C12R 1:38) (72)発明者 見目 敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 須川 悦子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 CA08 DA02 4B064 AD61 BA15 BA16 BA17 BA18 BH03 BH07 BH20 CA02 CD07 CD11 CE08 CE16 DA16 4J002 BB00X BC02X CD00X CF00X CF20W CK02X DA036 DE136 FD095 GQ00 4J029 AA02 AC01 AC02 AD01 AE18 EA01 EA02 EE04 EE13 EF01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤
    において、下記式(1)で表されるモノマーユニット組成
    を有するポリヒドロキシアルカノエートを含有してなる
    ことを特徴とする荷電制御剤。 Am(1-m) (1) (ただし、Aは下記式(2)で表されるモノマーュニット
    から選択された少なくとも1種であり、Bは下記式(3)
    及び(4)で表されるモノマーユニットから選択される少
    なくとも1種であり、mは0.01以上、1以下である) 【化1】 (上記式中、nは0〜10であり、kは3または5であ
    り、Rは下記式(5)から(8)で表される基から選択され
    るいずれかの基である。) 【化2】 (式(5)中、R1は、水素原子(H)、ハロゲン原子、-C
    N、-NO2、-CF3、-C25、-C37から選択される
    基であり、qは、1〜8の整数から選択される;式(6)
    中、R2は、水素原子(H)、ハロゲン原子、-CN、-N
    2、-CF3、-C 25、-C37から選択される基であ
    り、rは、1〜8の整数から選択される;式(7)中、R3
    は、水素原子(H)、ハロゲン原子、-CN、-NO2、-C
    3、-C 25、-C37から選択される基であり、sは、
    1〜8の整数から選択される;式(8)中、R4は、水素
    原子(H)、ハロゲン原子、-CN、-NO2、-CF3、-C
    25、-C37から選択される基であり、tは、1〜8の
    整数から選択される。)
  2. 【請求項2】 前記粉粒体が静電荷像現像トナーである
    請求項1に記載の荷電制御剤。
  3. 【請求項3】 前記ポリヒドロキシアルカノエートの数
    平均分子量が5,000以上500,000以下である請
    求項1または2に記載の荷電制御剤。
  4. 【請求項4】 静電荷像現像トナーで用いられるトナー
    バインダーにおいて、請求項1〜3の何れかに記載の荷
    電制御剤を含有してなることを特徴とするトナーバイン
    ダー。
  5. 【請求項5】 静電荷像現像トナーにおいて、少なくと
    も、バインダー樹脂と、着色剤と、請求項1〜3の何れ
    かに記載の荷電制御剤を含有してなることを特徴とする
    静電荷像現像トナー。
  6. 【請求項6】 外部より帯電部材に電圧を印加して静電
    潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担
    持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷
    像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体
    上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像
    を被記録材へ転写する転写工程と、被記録材上のトナー
    像を加熱定着する定着工程とを少なくとも有する画像形
    成方法において、少なくとも、バインダー樹脂と、着色
    剤と、請求項1〜3の何れかに記載の荷電制御剤を含有
    してなる静電荷像現像トナーを使用することを特徴とす
    る画像形成方法。
  7. 【請求項7】 外部より帯電部材に電圧を印加して静電
    潜像担持体に帯電を行う工程と、帯電された静電潜像担
    持体に静電荷像を形成する工程と、該静電荷像を静電荷
    像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体
    上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像
    を中間の転写体に転写する第1の転写工程と、該中間の
    転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写工
    程と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着工程と
    を少なくとも有する画像形成方法において、少なくと
    も、バインダー樹脂と着色剤と、請求項1〜3の何れか
    に記載の荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像トナー
    を使用することを特徴とする請求項6に記載の画像形成
    方法。
  8. 【請求項8】 外部より帯電部材に電圧を印加して静電
    潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担
    持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷
    像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体
    上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像
    を被記録材へ転写する転写手段と、被記録材上のトナー
    像を加熱定着する定着手段とを少なくとも有する画像形
    成装置において、少なくとも、バインダー樹脂と、着色
    剤と、請求項1〜3の何れかに記載の荷電制御剤を含有
    してなる静電荷像現像トナーを使用することを特徴とす
    る画像形成装置。
  9. 【請求項9】 外部より帯電部材に電圧を印加して静電
    潜像担持体に帯電を行う手段と、帯電された静電潜像担
    持体に静電荷像を形成する手段と、該静電荷像を静電荷
    像現像トナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体
    上に形成する現像手段と、静電潜像担持体上のトナー像
    を中間の転写体に転写する第1の転写手段と、該中間の
    転写体上のトナー像を被記録材に転写する第2の転写手
    段と、被記録材上のトナー像を加熱定着する定着手段と
    を少なくとも有する画像形成装置において、少なくと
    も、バインダー樹脂と着色剤と、請求項1〜3の何れか
    に記載の荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像トナー
    を使用することを特徴とする請求項8記載の画像形成装
    置。
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